JP2009043568A - 電子放出素子及び画像表示装置 - Google Patents

電子放出素子及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】厚さが数nm乃至数十nmの薄膜であり、シート抵抗が10kΩ/□乃至数百kΩ/□の高抵抗で且つ抵抗バラツキの少ない導電性膜を備えた電子放出素子を提供する。
【解決手段】貴金属と卑金属の錯体を含んだ溶液を塗布し、UV照射しながら焼成することによって、膜厚が3nm乃至50nmで、貴金属と卑金属酸化物からなり、酸化物金属の金属比率が貴金属の30モル%以上であり、膜厚方向に卑金属酸化物の濃度勾配を有する導電性膜を作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、平面型の画像表示装置に適用される電子放出素子と、該電子放出素子を用いてなる画像表示装置に関する。
表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の導電性膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであり、係る導電性膜には予め通電処理(フォーミング)によって電子放出部を形成するのが一般的であった。即ち、導電性膜両端に直流電圧或いは非常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通電し、導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部を形成する。電子放出部においては導電性膜の一部に亀裂が発生しており、その亀裂付近から電子放出が行われる。
上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生かせるようないろいろな応用が研究されている。本出願人は、表面伝導型電子放出素子の製造方法において、大面積に有利な製造方法として、真空を用いたスパッタ法や蒸着法によらず、導電性膜を形成する方法を提案している。その一例は有機金属含有溶液をスピンナーによって基板上に塗布後、所望の形状にパターニングし、有機金属を熱分解し微粒子からなる導電性膜を得る方法である。さらに、特許文献1には、バブルジェット(登録商標)法やピエゾジェット法等のインクジェット法によって、基板上に有機金属含有溶液の液滴を付与し、所望の形状の導電性膜を形成する方法を提案している。
前述の方法で形成された導電性膜は、金属または金属酸化物の微粒子から構成された膜、または、連続性の高い膜となる。また、この導電性膜は、構成材料及び膜厚を制御する事により電子放出素子として好ましい抵抗の範囲に制御されるが、前述のフォーミング工程や電子放出効率の観点から数nm乃至数十nmの薄膜であることが求められる。薄膜であっても導電性膜の膜抵抗は、電子放出特性の安定性及びバラツキ抑制の観点から、抵抗バラツキを抑制する必要があり、加えて、シート抵抗で10k乃至数百kΩ/□程度の高抵抗な導電性膜であることが求められる。
特開平8−171850号公報
しかしながら、前述の方法で形成された導電性膜は、金属成分を主体とする場合、数nm以下の薄膜では抵抗が極端にばらつくため使用できず、数nm以上の安定な抵抗を示す膜厚ではシート抵抗で数kΩ/□以下の低抵抗な膜しか得られない。また、金属酸化物を主体とする膜の場合も数nm以下の薄膜では抵抗が極端にばらつくため使用できない。さらに、数nm以上の安定な抵抗を示す膜厚でも水分などの表面吸着の有無でその抵抗は大きく変動し、真空ベーク等での安定化処理を行っても膜の一部が還元されてしまう。そのため、安定にシート抵抗で10k乃至数百kΩ/□程度の高抵抗な導電性膜を得ることは出来なかった。このため、前記電子放出素子を複数配置した電子源では、電子放出特性のばらつきが大きいという問題が発生する場合があった。また前記電子源と蛍光体等の画像形成部材とを対向して配置し構成した画像表示装置においても、電子放出特性のばらつきは、画像品位の低下に結び付き問題となる場合があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、厚さが数nm乃至数十nmの薄膜であり、シート抵抗が10kΩ/□乃至数百kΩ/□の高抵抗で且つ抵抗バラツキの少ない導電性膜を備えた電子放出素子を提供することを目的とする。さらに、該電子放出素子を用いて、良好な表示品位の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の第一は、絶縁性基板上に形成された一対の素子電極と、該素子電極間をつなぐように形成された、電子放出部を有する導電性膜とを備えた電子放出素子であって、
前記導電性膜が厚さ3nm乃至50nmで貴金属と卑金属酸化物からなり、酸化物金属の金属比率が貴金属の30モル%以上であり、膜厚方向に卑金属酸化物の濃度勾配を有することを特徴とする。
本発明の第二は、電子放出素子が複数個配置された第1の基板と、該電子放出素子と対向して該電子放出素子から放出された電子が照射される画像表示部材が配置された第2の基板とを対向配置させてなることを特徴とする画像表示装置である。
本発明によれば、厚さ3nm乃至50nmでシート抵抗が10k乃至数百kΩ/□の均一な導電性膜を備えた電子放出素子を構成することが可能となり、電気特性のバラツキが少なく、より良好な電気特性を示す電子放出素子を得ることができる。その結果、バラツキが少ない品位の高い画像表示装置を得ることができる。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但し、下記実施形態の構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の電子放出素子は、基本的に絶縁性基板上に一対の素子電極と、該素子電極間をつなぐように形成された導電性膜とを備え、該導電性膜に電子放出素子が形成されている。
図1は、本発明の電子放出素子の一構成例を模式的に示したものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。図中、1は絶縁性基板、2,3は素子電極、4は導電性膜、5は導電性膜4に形成された電子放出部である。
基板1としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、SiO2を表面に形成したガラス基板及びアルミナ等のセラミックス基板等が挙げられる。また、必要な場合には上記基板を十分にクリーニングした後、シランカップリング剤を用いて基板表面を疎水化処理をする。
素子電極2,3の材料としては、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物が挙げられる。また、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等が挙げられる。
素子電極2,3間の間隔Lは、数百Å乃至数百μmである。また、素子電極2,3間に印加する電圧は低い方が望ましく、再現良く作製することが要求されるため、好ましい間隔Lは数百Å乃至数μmである。
本発明に係る導電性膜4は、貴金属と卑金属酸化物とからなり、酸化物金属の金属比率が貴金属の30atomic%以上であり、膜厚方向に卑金属酸化物の濃度勾配を有することを特徴とする。また、貴金属としては、Pt,Id,Ir,Rhから選択される少なくとも一種が、卑金属としては、V,Cr,Ti,Mg,Mo,Ca,Ba,Y,Inから選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
前述したように、電子放出素子の導電性膜4としては、いずれの方法によるものであっても、前述のフォーミング工程や電子放出効率の観点から厚さが数nm乃至数十nmであることが求められる。また、電子放出特性の安定性及びバラツキ抑制の観点から、シート抵抗で10kΩ/□乃至数百kΩ/□程度の高抵抗であって、且つ抵抗バラツキが少ない導電性膜であることが求められる。通常バルク金属の体積低効率は1×10-7Ωm程度であり、3nm乃至50nmの膜厚で単純に計算される膜のシート抵抗は2Ω/□乃至30Ω/□となる。スパッタ膜、蒸着膜、スピン・焼成で作成された膜など通常の製法で作成された金属膜は、薄膜効果などにより数倍乃至数十倍になることは良く知られている。つまり実際には数十Ω/□乃至数kΩ/□の膜しか得られない。また、1kΩ/□以上の高抵抗膜は、数nm程度の非常に薄膜な状態になるため、多数の膜を作成した場合、大きなバラツキを持ってしまう。
本発明者らは鋭意検討を続けた結果、貴金属と卑金属酸化物とからなる薄膜が、抵抗バラツキが小さく、金属のバルクに対する抵抗率の比が100倍乃至100000倍である導電性膜が得られることを見出した。即ち、用いた貴金属の体積低効率が1×10-7Ωm程度で3nm乃至50nmの膜厚でも数kΩ/□乃至数百kΩ/□の膜を安定に、複数作成した場合でもバラツキを少なくする事ができた。
一般的に金属中に抵抗の高い金属酸化物を添加していくと、金属と金属酸化物の混合物は高抵抗化していくが、抵抗制御し、且つバラツキを少なくすることは難しかった。本発明に係る導電性膜は、酸化物金属の金属比率が貴金属の30モル%以上であり、膜厚方向で卑金属酸化物の濃度勾配が生ずるために、高抵抗化しすぎることがない。そのため、導電性膜の膜厚を変えた際の抵抗変化率よりも膜厚変化率のほうが大きくなる。その結果、貴金属のバルクに対する抵抗率の比が100倍乃至100000倍の範囲でその膜厚に応じて、バラツキの少ない良好な結果が得られると考えられる。係る卑金属酸化物の濃度勾配は、深さ方向のXPS分析から確認される。
本発明に係る導電性膜の製法としては、例えば、貴金属及び卑金属の錯体を含んだ溶液を用意し、スピンコートやインクジェット法により基板上に塗布し、加熱焼成する。該溶液を調製する際に、導電性膜となった時に必要な比率に合わせて、貴金属錯体の量と卑金属錯体の量を調整することにより、その比率の導電性膜が作製できる。また、インクジェット法により溶液を基板上に塗布する際には溶液の金属濃度と液滴付与回数により、金属存在量が調製できる。焼成工程には、通常用いられる加熱手段を用いればよく、焼成温度は250℃乃至500℃である。また、焼成時にUV照射することも好ましい。こうして得られた膜の状態はXPS分析及びX線回折の結果により確認される。
以上のようにして得られた導電性膜4に電子放出部5を形成するフォーミング工程を施す。
具体的には、所定の真空度のもとで素子電極2,3間に不図示の電源より通電すると、導電性膜4内に構造の変化した間隙(亀裂)が形成される。この間隙領域が電子放出部5を構成する。尚、このフォーミングにより形成した間隙付近からも、所定の電圧下では電子放出が起こるが、現状の条件ではまだ電子放出効率が非常に低いものである。
通電フォーミングの電圧波形の例を図2に示す。電圧波形は、特にパルス波形が好ましい。これにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する図2(a)に示した手法と、パルス波高値を増加させながらパルスを印加する図2(b)に示した手法がある。
先ず、パルス波高値を定電圧とした場合について図2(a)で説明する。図2(a)におけるT1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔である。通常、T1は1μ秒乃至10m秒、T2は10μ秒乃至100m秒の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、電子放出素子の形態に応じて適宜選択される。このような条件のもと、例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は、三角波に限定されるものではなく、矩形波等の所望の波形を採用することができる。
次に、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合について図2(b)で説明する。図2(b)におけるT1及びT2は、図2(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度ずつ、増加させることができる。
通電フォーミング処理の終了は、パルス電圧印加中の素子に流れる電流を測定して抵抗値を求めて、例えば1MΩ以上の抵抗を示した時に通電フォーミングを終了させることができる。
しかしながら、この状態では電子発生効率は非常に低いものであるため、電子放出効率を上げるために、下記の活性化処理を行うことが望ましい。
活性化処理は、炭素原子を含むガスが存在する適当な真空度のもとで、パルス電圧を素子電極2,3間に繰り返し印加することにより、上記ガスに由来する炭素或いは炭素化合物を、前記間隙(亀裂)近傍にカーボン膜として堆積させる処理である。
本工程においては例えばカーボン源としてトルニトリルを用い、スローリークバルブを通して真空空間内に導入し、1.3×10-4Pa程度を維持する。導入するトルニトリルの圧力は、真空装置の形状や真空装置に使用している部材等によって若干影響されるが、1×10-5Pa乃至1×10-2Pa程度が好適である。
図3に、活性化工程で用いられる電圧印加の好ましい一例を示した。印加する最大電圧値は、10V乃至20Vの範囲で適宜選択される。
図3(a)において、T1は電圧波形の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。また、図3(b)において、T1及びT1’はそれぞれ電圧波形の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、T1>T1’、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。
当該処理においては、放出電流Ieがほぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリークバルブを閉め、活性化処理を終了する。
以上の工程により図1に示したような電子放出素子を作製することができる。
上述のような素子構成と製造方法によって作製された電子放出素子の基本特性について図4、図5を用いて説明する。
図4は、前述した構成を有する電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略図である。図4において、41は素子に素子電圧Vfを印加するための電源、40は素子の電極部を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、44は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極である。また、43はアノード電極44に電圧を印加するための高圧電源、42は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを測定するための電流計である。
電子放出素子の素子電極2,3間を流れる素子電流If、及びアノードへの放出電流Ieの測定にあたっては、素子電極2,3に電源41と電流計40とを接続し、該電子放出素子の上方に電源43と電流計42とを接続したアノード電極44を配置している。
また、本電子放出素子及びアノード電極44は真空装置45内に設置され、その真空装置には排気ポンプ46及び真空計等の真空装置に必要な機器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価を行えるようになっている。尚、アノード電極44の電圧は1kV乃至10kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは2mm乃至8mmの範囲で測定される。
図4に示した測定評価装置により測定された放出電流Ie及び素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を図5に示す。尚、放出電流Ieと素子電流Ifは大きさが著しく異なるが、図5ではIf、Ieの変化の定性的な比較検討のために、リニアスケールで縦軸を任意単位で表記した。
本電子放出素子は放出電流Ieに対する三つの特徴を有する。
先ず第一に、図5からも明らかなように、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図5中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。即ち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子としての特性を示しているのが判る。
第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
第三に、アノード電極54に捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。即ち、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
本発明の画像表示装置は、前記本発明の電子放出素子が複数個配置された第1の基板と、該電子放出素子と対向して該電子放出素子から放出された電子が照射される画像表示部材が配置された第2の基板とを対向配置させてなる。
図6は、本発明の画像表示装置の一例の表示パネルの構成を示す斜視図である。図中61は電子源基板、62はX方向配線(上配線)、63はY方向配線(下配線)、64は電子放出素子である。
図6に示すように、リアプレート(第1の基板)71上に、複数個の電子放出素子64をマトリクス状に配線接続した電子源基板が搭載される。各電子放出素子の構成は図1と同様である。
また、図6において、ガラス基板からなるフェースプレート(第2の基板)73の内面に蛍光膜(画像表示部材)74とメタルバック75等が形成されている。72は支持枠である。リアプレート71、支持枠72及びフェースプレート73をフリットガラスによって接着し、400℃乃至500℃で、10分以上焼成することで、封着して、外囲器77を構成する。
尚、フェースプレート73とリアプレート71との間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を設置することにより、大面積パネルの場合にも大気圧に対して十分な強度を持つ外囲器77を構成することもできる。
図7はフェースプレート73の蛍光膜74の説明図である。蛍光膜74は、モノクロームの場合は蛍光体のみからなる。また、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ或いはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電体81と蛍光体82とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体82間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることである。また、蛍光膜74における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。
また、蛍光膜74の内面側には通常メタルバック75が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート73側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するためのアノード電極として作用すること等である。メタルバック75は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。
前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないため、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わせを行う必要がある。
封着時の真空度は10-5Pa程度の真空度が要求される他、外囲器77の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、外囲器77の封止を行う直前或いは封止後に、抵抗加熱或いは高周波加熱等の加熱法により、外囲器内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、真空度を維持するものである。
本発明の電子放出素子の基本的特性によれば、電子放出部からの放出電子は、しきい値電圧以上では対向する電極間に印加するパルス状電圧の波高値と巾によって制御され、その中間値によっても電流量が制御され、もって中間調表示が可能になる。
また多数の電子放出素子を配置した場合、各ラインの走査線信号によって選択ラインを決め、各情報信号ラインを通じて個々の素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、任意の素子に適宜電圧を印加する事が可能となり、各素子をONすることができる。
また中間調を有する入力信号に応じて電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式が挙げられる。
以下に具体的な駆動装置について説明する。
単純マトリクス配置の電子源基板を用いて構成した表示パネルを利用した、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示用の画像表示装置の構成例を、図8に示す。
図8において、91は図7に示したような画像表示パネル、92は走査回路、93は制御回路、94はシフトレジスタ、95はラインメモリ、96は同期信号分離回路、97は情報信号発生器、Vaは直流電圧源である。
電子源基板を用いた画像表示パネル91のX方向配線には、走査線信号を印加するXドライバの走査回路92が、Y配線には情報信号が印加されるYドライバの情報信号発生器97が接続されている。
電圧変調方式を実施するには、情報信号発生器97として、一定の長さの電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて、適宜パルスの波高値を変調するような回路を用いる。また、パルス幅変調方式を実施するには、情報信号発生器97としては、一定の波高値の電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて、適宜電圧パルスの幅を変調するような回路を用いる。
制御回路93は、同期信号分離回路96より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscan,Tsft及びTmryの各制御信号を発生する。
同期信号分離回路96は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離するための回路である。この輝度信号成分は、同期信号に同期してシフトレジスタ94に入力される。
シフトレジスタ94は、時系列的にシリアルに入力される前記輝度信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換して、制御回路93より送られるシフトクロックTsftに基づいて動作する。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分のデータ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、n個の並列信号として前記シフトレジスタ94より出力される。
ラインメモリ95は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であり、記憶された内容は、情報信号発生器97に入力される。
情報信号発生器97は、各々の輝度信号に応じて電子放出素子の各々を適切に駆動するための信号源であり、その出力信号はY方向配線を通じて表示パネル91内に入り、走査回路92によって選択中のX方向配線との交点にある各々の電子放出素子に印加される。
X方向配線を順次走査する事によって、パネル全面の電子放出素子を駆動する事が可能になる。
以上のように本発明による画像表示装置において、各電子放出素子にXY方向配線を通じ、電圧を印加することにより電子放出させる。一方、直流電圧源Vaに接続された高圧端子Hvを通じ、アノード電極であるメタルバック75に高圧を印加し、発生した電子ビームを加速し、蛍光膜74に衝突させることによって、画像を表示することができる。
ここで述べた画像表示装置の構成は、本発明の画像表示装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号についてはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるものではなく、PAL、HDTVなどでも同じである。
(実施例1)
実施例として図1に示す構成の電子放出素子を作製する工程を、電子放出部5を形成する前の工程まで行った。
基板1として、アルカリ成分が少ないPD−200(商品名、旭硝子(株)社製)の2.8mm厚ガラスを用い、更にこの上にナトリウムブロック層としてSiO2膜100nmを塗付焼成したものを用いた。
次いでガラス基板1上に、スパッタ法によってまず下引き層としてチタニウムTiを5nm、その上に白金Ptを40nm成膜した。その後、ホトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングという一連のフォトリソグラフィ法によってパターニングして素子電極2,3を形成した。
本例では素子電極の間隔L=10μm、幅W=100μmとした。
上記基板を十分にクリーニングした後、ジアセトキシジメチルシランの蒸気を飽和させた容器内に基板を設置し、室温(約25℃)にて30分間放置した。その後、基板を容器から取り出して120℃で15分間加熱し、基板上にシランカップリング剤による表面処理をした。
次に、パラジウム−プロリン錯体0.624g、クロムEDTA錯体0.286g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度500)0.1g、エチレングリコール2g、2−プロパノール15gを水に溶かして100gとした。溶解後ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したパラジウムクロム化合物溶液(Pd金属とCr金属のモル比は70:30の溶液)とした。この溶液をピエゾ素子を用いたインクジェット噴射装置を用いドット径が60μmとなるように調整して素子電極2,3間に付与した。同様にして、ドット数を変えた基板も用意して、大気雰囲気350℃のオーブン中で30分加熱して前記Pd、Crの酸化物を素子電極2,3間に形成した。
この基板を真空チャンバーに入れ、基板温度300℃、1×10-5Pa以下で10時間ベークした。得られたPdとCr酸化物とからなる導電性膜の素子長を光学顕微鏡で観察して測定したところ、ドット径は60μmであった。この導電性膜のシート抵抗を測定したところ、4ドットで2.60kΩ/□、3ドットで2.94kΩ/□、2ドットで4.80kΩ/□であった。
それぞれの導電性膜についてX線マイクロアナライザ装置(EPMA)で定量分析を行いPd及びCr金属の存在量を定量した。元素存在量は4ドットで60.3×1015、3ドットで43.3×1015、2ドットで28.6×1015atoms/cm2であった。
上記の結果を用い、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとり、プロットし、その近似直線を求めた(以下、コンダクタンスカーブと呼ぶ)。図9に該コンダクタンスカーブを示す。
コンダクタンスカーブは、金属存在量と抵抗値の逆数の関係であり、金属存在量が増加すると抵抗値が小さくなり抵抗値の逆数は増大し、金属存在量が減少すると抵抗値は大きくなり、存在量0では抵抗無限大となり、逆数は0となる。理想系では原点を通る直線である。一般的には金属存在量が0になる前に抵抗は大きくなり、y切片は−の値になる。x軸と交わるところがデッドレイヤであり、金属が存在していても抵抗が無限大になるところである。本発明の材料は2乃至4ドットの範囲で金属存在量が減少してもデッドレイヤが見えてこない材料である。本発明の材料はデッドレイヤが+の値となる。
本例では近似曲線のy切片は+の値であった。また膜の状態はXPS分析から深さ方向にCrの存在量が減少していた。
(実施例2)
パラジウム−プロリン錯体0.491g、クロムEDTA錯体0.579g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度500)0.1g、エチレングリコール2g、2−プロパノール15gを水に溶かして100gとした。溶解後ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したパラジウムクロム化合物溶液(Pd金属とCr金属のモル比は65:35の溶液)とし、実施例1と同様な方法で、ドット数を変えて基板に塗布した。350℃焼成後、真空チャンバーに入れて330℃10時間ベークして抵抗を測定した。得られた導電性膜のシート抵抗は2ドットで13.5kΩ/□、3ドットで8.87kΩ/□、4ドットで7.20kΩ/□であった。またEPMAで金属存在量を定量し、元素存在量をもとめた。2ドットで38.6×1015、3ドットで56.8×1015、4ドットで75.9×1015atoms/cm2であった。
実施例1と同様に、上記の結果を用い、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとりプロットし、そのコンダクタンスカーブを求めた。その結果、近似曲線のy切片は+の値であった。また膜の状態はXPS分析から深さ方向にCrの存在量が減少していた。
(実施例3)
パラジウム−プロリン錯体0.453g、クロムEDTA錯体0.662g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度500)0.1g、エチレングリコール2g、2−プロパノール15gを水に溶かして100gとした。溶解後ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したパラジウムクロム化合物溶液(Pd金属とCr金属のモル比は60:40の溶液)とし、実施例1と同様な方法で、ドット数を変えて基板に塗布した。UV照射しながら350℃焼成後、真空チャンバーに入れて350℃10時間ベークし、真空チャンバーに入れて300℃10時間ベークして抵抗を測定した。得られた導電性膜のシート抵抗は、2ドットで46.1kΩ/□、3ドットで31.5kΩ/□、4ドットで24.4k/□であった。またEPMAで金属存在量を定量し、元素存在量をもとめた。2ドットで45.2×1015、3ドットで64.1×1015、4ドットで87.4×1015atoms/cm2であった。
実施例1と同様に、上記の結果を用い、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとりプロットし、そのコンダクタンスカーブを求めた。その結果、近似曲線のy切片は+の値であった。また膜の状態はXPS分析から深さ方向にCrの存在量が減少していた。
(実施例4)
パラジウム−プロリン錯体0.507g、クロムEDTA錯体0.543g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度500)0.1g、エチレングリコール2g%、2−プロパノール15gを水に溶かして100gとした。溶解後ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したパラジウムクロム化合物溶液(Pd金属とCr金属のモル比は50:50の溶液)とし、実施例1と同様な方法で、ドット数を変えて基板に塗布した。UV照射しながら350℃焼成後、真空チャンバーに入れて330℃10時間ベークして抵抗を測定した。得られた導電性膜のシート抵抗は、2ドットで280kΩ/□、3ドットで205kΩ/□、4ドットで162k/□であった。またEPMAで金属存在量を定量し、元素存在量をもとめた。2ドットで44.2×1015、3ドットで66.4×1015、4ドットで86.5×1015atoms/cm2であった。
実施例1と同様に、上記の結果を用い、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとりプロットし、そのコンダクタンスカーブを求めた。その結果、近似曲線のy切片は+の値であった。また膜の状態はXPS分析から深さ方向にCrの存在量が減少していた。
(実施例5)
実施例1でインクジェット噴射装置で付与するパラジウムクロム化合物溶液を、以下の白金クロム化合物溶液に変えて実施例1と同様の実験をした。
酢酸白金モノエタノール錯体0.412g、クロムEDTA0.662g、88%ケン化ポリビニルアルコール(平均重合度500)0.1g、エチレングリコール2g、2−プロパノール15gを水に溶かして100gとした。溶解後ポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルターでろ過した白金クロム化合物溶液(Pt金属とCr金属のモル比は60:40の溶液)とし、実施例1と同様な方法で、ドット数を変えて基板に塗布した。350℃大気中で焼成した。シート抵抗を測定した結果、2ドットで44.3kΩ/□、3ドットで24.1kΩ/□、4ドットで19.0kΩ/□であった。またEPMAで金属存在量を定量し、元素存在量をもとめた。2ドットで20.0×1015、3ドットで32.5×1015、4ドットで45.0×1015atoms/cm2であった。
実施例1と同様に、上記の結果を用い、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとりシート抵抗値、元素存在量をプロットし、そのコンダクタンスカーブを求めた。その結果、近似曲線のy切片は+の値であった。また膜の状態はXPS分析から深さ方向にCrの存在量が減少していた。
同様に、V,Cr,Ti,Mg,Mo,Ca,Ba,Y,InについてもEDTA錯体を用いて、パラジウム−プロリン錯体と70:30の比率で混ぜた溶液を用意した。該溶液をインクジェット噴射装置で、2ドット、3ドット、4ドットと塗布して、350℃焼成後、真空チャンバーに入れて300℃10時間ベークして得られた導電性膜のシート抵抗を測定した。実施例1と同様に、横軸に元素存在量、縦軸にシート抵抗の逆数をとりプロットし、そのコンダクタンスカーブを求めた結果、近似曲線のy切片は+の値であった。
以上のように本発明の導電性膜においては、コンダクタンスカーブのy切片が+の値になっており、抵抗変化率より膜厚変化率の方が大きかった。
(実施例6)
図10の様にガラス基板101上にスパッタリング法及びリフトオフ法を用いて厚み40nmのPtからなる素子電極2、3を形成した。
ペースト材料(ノリタケ(株)製NP−4035C)を、スクリーン印刷の手法を用いて基板上に印刷し、450℃の焼成を加えることで、図11の様に厚み10μmのY方向配線63を形成した。Y方向配線63は素子電極2と導通がある様にした。
ペースト材料(ノリタケ(株)製NP−7710)を、スクリーン印刷の手法を用いて基板上に印刷し、570℃の焼成を加えることで、図12の様に厚み20μmの絶縁膜102を形成した。
ペースト材料(ノリタケ(株)製NP−4035C)を、スクリーン印刷の手法を用いて基板上に印刷し、450℃の焼成を加えることで、図13の様に厚み10μmのX方向配線62を形成した。X方向配線62と素子電極3は導通がある様にした。また、Y方向配線63とX方向配線62とは、絶縁膜102によって絶縁される様にした。以上のようにして100×100のマトリクス基板を作製した。
この様にしてできた、素子電極2,3及び配線62,63の形成された基板を洗浄した後、表面処理を施した。表面処理工程は後述のインクジェット噴射装置による導電性膜作製工程において、液滴の形状を安定させ、均一にする目的で行われ、具体的にはジメチルジメトキシシランの飽和蒸気で満たされた容器内に、基板を室温(約25℃)にて30分放置することで行った。
表面処理を終えた基板は、素子電極2,3間に、インクジェット噴射装置を用い、実施例3で用いたパラジウムクロム化合物溶液を4滴ずつ付与した。この時付与された液滴は基板上で素子電極2、3の端部をそれぞれ含む領域に直径60μmの円形に広がって付着液滴を形成した。
液滴の付与後、基板を大気雰囲気350℃のオーブン中で30分加熱し、真空チャンバー内に保持し、330℃10時間保持し、室温まで温度を下げた。パラジウムと酸化クロムからなる導電性膜4を素子電極2,3を連絡する領域に形成した(図14)。
基板をチャンバーから取り出し、各素子電極2,3と配線62,63とのつながりをレーザー処理した後、20ライン分の素子(2000素子)について個別にシート抵抗を測定をしたところ、24.4±1kΩ/□であり、抵抗バラツキは±4%であった。
(実施例7)
実施例6と同様に、ガラス基板101上に素子電極2,3と配線62,63を形成し、実施例3で用いたパラジウムクロム化合物溶液をインクジェット噴射装置を用いて素子電極2,3間に4滴ずつ付与した。
次いで、基板をUV照射しながら大気圧雰囲気で350℃のオーブン中で30分加熱した。こうしてできた基板を、真空チャンバー内に保持した。X方向配線62とY方向配線63はチャンバー内でそれぞれプローブ群と接続され、チャンバー外部より通電処理及び抵抗測定が可能の状態にした。チャンバー内部の排気はターボ分子ポンプ及びスクロールポンプによって行い、チャンバー内部の圧力が1×10-6Pa以下に達するまで排気を行った。続いてステージの温度を上昇させ、基板を加熱した。加熱は室温から300℃まで3時間で上昇させ、300℃を10時間保持した。その後温度を下げ、加熱を終了した。この真空中における加熱工程により酸化パラジウムは還元され、パラジウム、クロム酸化物より成る導電性膜4を形成した。
引き続きチャンバー内部を真空に保ったまま、以下のフォーミング工程によって導電性膜4に電子放出部5を形成した。
各素子に印加される電圧は矩形波で、パルス幅0.1ms、パルス間隔50msのパルスを印加した。電圧は1Vから始め、5秒ごとに0.1Vずつ増加させ、20Vまで印加した後、電圧印加を終了した。電圧を増加させる過程で、およそ13V乃至15V程度印加した時点で、通電によるジュール熱の影響で導電性膜4にフォーミングギャップが形成され、電圧印加終了時では全ラインの導電性膜4の抵抗値が1MΩ以上にまで上昇した。こうして、図15の様に導電性薄膜4の中央部に電子放出部5を形成した。
続いてチャンバー内部にトルニトリル蒸気を分圧1.3×10-4Paで導入し、導電性膜4にパルス電圧を印加し、30分間活性化を行った。パルスは18V、1msの矩形パルスと、−18V、1msの矩形パルスとを交替で100Hzで印加した。この処理は基板上に形成された電子放出部5の近傍にカーボンを堆積させ、電子放出量を増大させるためのものである。活性化工程中の素子電流の増大の様子を観察したところ、全導電性膜4にわたって均一な電流の増大が見られた。
以上により基板上で個々の電子放出素子の電子放出効率にむらのない、表面伝導型電子源基板が形成できた。
さらにこの電子源基板を用いて、図6に示す様な画像表示装置を製作した。表面伝導型電子源基板をガラス材からなるリアプレート71、支持枠72、フェースプレート73の中に収め、各部材を接着した。接着にはフリットガラスを用い、450℃に加熱して接着した。フェースプレート73の内側には、メタルバック75と、蛍光膜74が形成してあり、メタルバック75に接続された高圧端子が表示パネル外部に引き出される構造とした。また電子源基板61上に形成された配線62,63は、表示パネル外部に延びるX方向端子Dx1乃至Dxm、Y方向端子Dy1乃至Dynに接続される構造とした。さらに不図示の排気管を通し、真空ポンプを使って内部の空気を排気した。排気管をガスバーナーで溶着させ、画像表示装置を完成させた。この画像表示装置のメタルバック75には、高圧端子を通して4kVの電位を与え、X方向端子Dx1乃至Dxm、Y方向端子Dy1乃至Dynに画像信号を入力することで、画像表示を行った。
その結果、表示画面全面にわたって、むらのない均一な表示が得られていることが、観察された。
本発明の電子放出素子の一例の構成を模式的に示した図である。 本発明に係る通電フォーミングの電圧波形を示す図である。 本発明に係る活性化処理で用いられる電圧波形を示す図である。 本発明の電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略図である。 本発明の電子放出素子の電子放出特性を示す図である。 本発明の画像表示装置の表示パネルの構成を示す斜視図である。 本発明の画像表示装置の構成部材である蛍光膜の説明図である。 本発明の画像表示装置の一例の構成例を示す図である。 本発明の実施例で作製した導電性膜の元素存在量とシート抵抗との関係を示すコンダクタンスカーブを示す図である。 本発明の実施例における電子源基板の製造工程を示す平面模式図である。 本発明の実施例における電子源基板の製造工程を示す平面模式図である。 本発明の実施例における電子源基板の製造工程を示す平面模式図である。 本発明の実施例における電子源基板の製造工程を示す平面模式図である。 本発明の実施例における電子源基板の製造工程を示す平面模式図である。 本発明の実施例で作製した電子源基板を示す平面模式図である。
符号の説明
1 絶縁性基板
2,3 素子電極
4 導電性膜
5 電子放出部
40 電流計
41 電源
42 電流計
43 高圧電源
44 アノード電極
45 真空装置
46 排気ポンプ
61 電子源基板
62 X方向配線(上配線)
63 Y方向配線(下配線)
64 電子放出素子
71 リアプレート
72 支持枠
73 ガラス基板
74 蛍光膜
75 メタルバック
77 外囲器
81 黒色導電体
82 蛍光体
91 画像表示パネル
92 走査回路
93 制御回路
94 シフトレジスタ
95 ラインメモリ
96 同期信号分離回路
97 情報信号発生器
101 ガラス基板
102 絶縁膜

Claims (4)

  1. 絶縁性基板上に形成された一対の素子電極と、該素子電極間をつなぐように形成された、電子放出部を有する導電性膜とを備えた電子放出素子であって、
    前記導電性膜が厚さ3nm乃至50nmで貴金属と卑金属酸化物からなり、酸化物金属の金属比率が貴金属の30モル%以上であり、膜厚方向に卑金属酸化物の濃度勾配を有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記貴金属が、Pt,Id,Ir,Rhから選択される少なくとも一種である請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 前記卑金属が、V,Cr,Ti,Mg,Mo,Ca,Ba,Y,Inから選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の電子放出素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子放出素子が複数個配置された第1の基板と、該電子放出素子と対向して該電子放出素子から放出された電子が照射される画像表示部材が配置された第2の基板とを対向配置させてなることを特徴とする画像表示装置。
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