JP2009040769A - 3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) - Google Patents
3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009040769A JP2009040769A JP2008179224A JP2008179224A JP2009040769A JP 2009040769 A JP2009040769 A JP 2009040769A JP 2008179224 A JP2008179224 A JP 2008179224A JP 2008179224 A JP2008179224 A JP 2008179224A JP 2009040769 A JP2009040769 A JP 2009040769A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- formula
- compound
- compound represented
- dimethoxyphenyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 **c1ccc(**)c(*)c1 Chemical compound **c1ccc(**)c(*)c1 0.000 description 3
Landscapes
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【課題】作用時間が短い効力のあるβ1−特異性β−アドレナリン作動性受容体遮断薬を提供する。
【解決手段】β1−特異性β−アドレナリン作動性受容体遮断薬としての具体例は1−(2−シアノ−4−(2−(2−メチルプロポキシ)エトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン。S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できるその誘導体、並びに当該化合物若しくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬上許容されるそれらの酸付加塩。
【選択図】なし
【解決手段】β1−特異性β−アドレナリン作動性受容体遮断薬としての具体例は1−(2−シアノ−4−(2−(2−メチルプロポキシ)エトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン。S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できるその誘導体、並びに当該化合物若しくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬上許容されるそれらの酸付加塩。
【選択図】なし
Description
本発明は、作用時間が短い効力のあるβ1−特異性β−アドレナリン作動性受容体遮断薬、及び体循環において作用時間が短い効力のあるβ1−特異性β−アドレナリン作動性受容体遮断薬が特に有利である症状の治療及び/又は予防法に関する。
β−遮断薬として知られる薬剤のクラスは、心臓疾患及び特に眼科症状の治療について、当該技術分野で周知である。しかしながら、このような薬剤の特性の最適な組合わせは、治療を行う症状によって著しく変化する。したがって、高血圧や心臓不整脈のような循環器疾患の長期間の治療では、β1−選択的化合物が喘息のようなβ2−受容体の遮断に伴う副作用の発生率が低く、残りの特性により通常は一日一回ずつの経口投与による治療を行うことができるので、β1−選択性と、高効力、良好な経口利用可能性、及び長い血漿中半減期及び作用時間との組合わせが通常は最適であると考えられている。
β1−選択性が好ましい他の症状では、これらの特性の幾つかは最適ではない。緑内障の治療のための眼への投与では、経口利用可能性と長時間の血漿中半減期により望ましくない全身的副作用を生じることがある。麻酔の誘導中や重病患者の看護で起こることがある心臓不整脈の処置では、全身的半減期が短ければ、長時間作用性のβ遮断を誘発する危険なしに不整脈を速やかに処置することができる。緑内障の治療には、眼に良好に吸収される薬剤が必要とされる。しかしながら、眼を通過し、又は鼻涙小管を介して投与された後、代謝により不活性な代謝物となり体循環から速やかに除かれるので、治療は眼に限定され、副作用は極めて小さくなる。短時間の全身性投与には、β1−選択性と短い半減期の組合わせが理想的である。両条件のためには、点眼薬に処方することができる実際的な濃度には限界があるため高効力が要求されるが、高効力であれば全身投与に要する用量が少なくなり、これは従来のβ−遮断薬よりも半減期が短い化合物についてより大きくなる傾向がある。
したがって、効力が高くかつ体循環での作用時間が短いβ1−特異性遮断薬を開発する必要がある。
短時間作用性β遮断薬は、米国特許第4966914号明細書、米国特許第4455317号明細書、米国特許第4810717号明細書、米国特許第4593119号明細書、米国特許第5013734号明細書、及び欧州特許第041491号明細書に記載されている。これらの特許明細書に記載されている短時間作用性のβ遮断薬は、いずれもその構造中に容易に加水分解されるエステル官能基を有している。
しかしながら、前記発明の化合物が、必要とされる特性の最適な組合わせに関して完全に適していると言うことは困難である。これらは、(1) 受容体に対する適当な遮断作用、(2) β1受容体に対する特異性、及び(3) 体循環の作用時間が短いこととして要約することができる。
したがって、前記の特性(1)〜(3)を十分に合わせ持つβ−遮断薬を開発する必要がある。
米国特許第4816604号明細書には、β1−選択的β遮断薬としての式(I)
(前記式中、
Rはフェニル、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又は原子番号が9〜35のハロゲンによって一置換、独立して二置換又は独立して三置換されたフェニルであり、
R1は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜4個の炭素原子を有するアルキルチオ、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、原子番号が9〜35のハロゲン、トリフルオロメチル、1−ピロリル、シアノ、カルバモイル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、3〜5個の炭素原子を有するアルケニルオキシであって、二重結合が酸素原子に隣接する炭素原子に結合しているもの、又は1〜5個の炭素原子を有するアルカノイルであり、
R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、シクロアルキル残基中に3〜7個の炭素原子を有しかつアルキル残基中に1〜4個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル、フェニル、7〜10個の炭素原子を有するフェニルアルキル、又はフェニル、又はフェニル環において1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ又は原子番号が9〜35のハロゲンによって一置換、独立して二置換又は独立して三置換された7〜10個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
Aは、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンであり、
Xは、結合、酸素、又は硫黄原子であり、
Yは、酸素又は硫黄原子であり、
Zは、酸素原子であり、かつnは2又は3であるか、又は
Zは、結合であり、かつ1、2又は3であり、
ただし、
(a) R2がアルキルであるときには、Zは酸素原子であり、基−NH−A−X−Rは、式
−NHCH(CH3)CH2CH2Ph、
−NHCH(CH3)CH2CH2OPh、
−NHCH(CH3)CH2CH2CH2OPh、又は
−NHCH(CH3)CH2CH(CH3)OPh、
の残基以外のものであり、
(b) R2がアルキルであり、Xが結合又は酸素原子であるときには、Yは酸素原子であり、
(c) R2が未置換又は一置換フェニルであるときには、
Xは結合であり、
Zは酸素原子であり、又は
R2がシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、Xが結合であるときには、
R1は水素以外のものである)の化合物、及びエステル化形態の3−アミノプロポキシ側鎖の2位にヒドロキシ基を有する生理学的に許容される加水分解性誘導体、又はその薬学上許容される酸付加塩の群が記載されている。
米国特許第4966914号
米国特許第4455317号
米国特許第4810717号
米国特許第4593119号
米国特許第5013734号
欧州特許第041491号
米国特許第4816604号
Rはフェニル、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又は原子番号が9〜35のハロゲンによって一置換、独立して二置換又は独立して三置換されたフェニルであり、
R1は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜4個の炭素原子を有するアルキルチオ、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、原子番号が9〜35のハロゲン、トリフルオロメチル、1−ピロリル、シアノ、カルバモイル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、3〜5個の炭素原子を有するアルケニルオキシであって、二重結合が酸素原子に隣接する炭素原子に結合しているもの、又は1〜5個の炭素原子を有するアルカノイルであり、
R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、シクロアルキル残基中に3〜7個の炭素原子を有しかつアルキル残基中に1〜4個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル、フェニル、7〜10個の炭素原子を有するフェニルアルキル、又はフェニル、又はフェニル環において1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ又は原子番号が9〜35のハロゲンによって一置換、独立して二置換又は独立して三置換された7〜10個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
Aは、2〜5個の炭素原子を有するアルキレンであり、
Xは、結合、酸素、又は硫黄原子であり、
Yは、酸素又は硫黄原子であり、
Zは、酸素原子であり、かつnは2又は3であるか、又は
Zは、結合であり、かつ1、2又は3であり、
ただし、
(a) R2がアルキルであるときには、Zは酸素原子であり、基−NH−A−X−Rは、式
−NHCH(CH3)CH2CH2Ph、
−NHCH(CH3)CH2CH2OPh、
−NHCH(CH3)CH2CH2CH2OPh、又は
−NHCH(CH3)CH2CH(CH3)OPh、
の残基以外のものであり、
(b) R2がアルキルであり、Xが結合又は酸素原子であるときには、Yは酸素原子であり、
(c) R2が未置換又は一置換フェニルであるときには、
Xは結合であり、
Zは酸素原子であり、又は
R2がシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、Xが結合であるときには、
R1は水素以外のものである)の化合物、及びエステル化形態の3−アミノプロポキシ側鎖の2位にヒドロキシ基を有する生理学的に許容される加水分解性誘導体、又はその薬学上許容される酸付加塩の群が記載されている。
本発明者らは、米国特許第4816604号明細書に総括的に記載されたクラスから選択される化合物の小群が、前記の特徴(1)〜(3)の所望な組合わせを有することを意外にも見出だした。それらは、特に活性であり、β1−特異性であり、体循環での作用時間が短い。本発明の化合物は、血漿中半減期が短い先行技術のβ−遮断薬と結合した容易に加水分解するエステル基によっては変化しないので、このような体循環における作用時間が短いことは予想されなかったことであり、予言することはできなかった。
すなわち、本発明は体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬としての式(Ia)
で表される化合物(ただし、Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1は水素であり、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、及びイソプロピル基から選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はフッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1は水素、フッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はシクロプロピルメチル基又はイソブチル基であるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はイソブチル基である。)、及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できるその誘導体を、当該化合物若しくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬上許容されるそれらの酸付加塩を提供する。
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はフッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1は水素、フッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はシクロプロピルメチル基又はイソブチル基であるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はイソブチル基である。)、及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できるその誘導体を、当該化合物若しくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬上許容されるそれらの酸付加塩を提供する。
好ましい側面として、本発明は、上記、式(Ia)で表される化合物(ただし、Rは3’−4’−ジメトキシフェニル基、R1は水素であり、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、及びイソプロピル基から選択されるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基、R1は水素であり、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1はシアノ基であり、そしてR2はシクロプロピルメチル基であるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基、R1はシアノ基であり、そしてR2はイソブチル基であるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1は臭素であり、そしてR2はメチル基である。)、及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できる誘導体を、当該化合物もしくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬的に許容されるそれらの酸付加塩を提供する。
Rは4’−メトキシフェノキシ基、R1は水素であり、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1はシアノ基であり、そしてR2はシクロプロピルメチル基であるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基、R1はシアノ基であり、そしてR2はイソブチル基であるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1は臭素であり、そしてR2はメチル基である。)、及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できる誘導体を、当該化合物もしくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬的に許容されるそれらの酸付加塩を提供する。
本発明のさらなる側面としては、体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効である容態の治療及び/又は予防の方法であって、そのような治療及び/又は予防を必要とする患者に、式(Ia)で表される化合物の有効量を投与することを含む上記方法を提供する。
本発明はまた、体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効である容態に対する、治療及び/又は予防のための医薬の製造における、式(Ia)で表される化合物の使用を提供する。
本発明に係る好ましい化合物としては、
1−(4−(2−メトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン;1−(2−シアノ−4−(2−(2−メチルプロポキシ)エトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン;S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン;1−(2−シアノ−4−(2−シクロプロピルメトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン;及び1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンがある。
1−(4−(2−メトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン;1−(2−シアノ−4−(2−(2−メチルプロポキシ)エトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン;S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン;1−(2−シアノ−4−(2−シクロプロピルメトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン;及び1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンがある。
特に好ましい化合物としては、
1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンとS(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンとがある。
1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンとS(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパンとがある。
体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効となる、好ましい症状としては、緑内障に対する眼球治療と、心臓の不整脈と急性心筋梗塞に対する非経口治療と、さらに持続性のβ1−アドレナリン作動性受容体の遮断が望ましくないその他の心臓疾患に対する非経口治療とがある。
生理学的に許容され、加水分解できる誘導体は、プロドラッグとして働き、生理学的条件下で水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、対応する化合物へと開裂する誘導体である。
式 (Ia)で表される化合物のエステル化物である一群のプロドラッグ誘導体は、例えば式(E)
で表される化合物(ただし、R、R1及びR2は、前記の通りであり、Reは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7〜12のフェニルアルキル基、又はフェニル基若しくは炭素原子数7〜12のフェニルアルキル基であって、炭素原子数1〜4のアルキル基によりフェニル環上で1置換されたもの、又は原子番号が9〜35のハロゲンによりフェニル環上で1置換若しくは独立して2置換若しくは独立して3置換されたもの、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシル基によりフェニル環上で1置換若しくは独立して2置換若しくは独立して3置換されたものである。)である。
3−アミノプロポキシ基側鎖の2位にある水酸基がエステル化されていない化合物が好ましい。
本発明の化合物は米国特許番号4816604記載の方法により得られ、該方法は化学式(II)
で表される対応する化合物(ただし、R1及びR2は前述の通りであり、Rxは、1級アミンと反応することができ、2−アミノ−1−ヒドロキシエチル基を与える基である)と、式(III)
で表される適当な化合物(ただし、Rは上記の通りである)との反応、そして、必要な場合は、式(Ia)で表される得られた化合物中の3−アミノプロポキシ基側鎖の2位の適当なエステル化を含む。
アミノ化の方法は、類似の3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシアリール化合物の慣用的な製造方法により実施できる。例えば、Rxは式
で表される基、又は、当該基の誘導体、例えば、式−CH(OH)−CH2Lで表される基(ただし、Lが塩素、臭素、又はRyがフェニル基、トリル基若しくは低級アルキル基であるRy−SO2−O−の基)である。Lは特に塩素である。当該反応は、エタノール中又はジオキサンのような適当なエーテル中で行われるのが好ましい。任意に、過剰のアミンを溶媒として用いることができる。代替的に、反応は融合融解液中で行うこともできる。反応温度は、約20°Cから約200°Cまでが適しており、溶媒の存在下では反応化合物の環流温度が都合よい。
側鎖の2位の水酸基のエステル化は任意であるが、類似のエステル化合物である、3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシアリール化合物の製造方法として知られる方法で行うことができるが、必要があれば、他の反応性基が存在する時は選択的にエステル化反応を行う。
本発明の化合物の遊離塩基型は、製薬上許容される酸付加塩に、慣用的な方法で転化させることがことができ、またその逆の転化も同様に行うことができる。酸付加塩の生成に適している酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、マロン酸又はフマル酸が含まれる。
本発明の化合物の遊離塩基型は、製薬上許容される酸付加塩に、慣用的な方法で転化させることがことができ、またその逆の転化も同様に行うことができる。酸付加塩の生成に適している酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、マロン酸又はフマル酸が含まれる。
本発明の化合物においては、3−アミノプロポキシ基側鎖の2位の炭素原子は非対称的に置換されている。したがって、当該化合物は二つの光学異性体の混合物として存在している可能性がある、例えばラセミ体又はそれぞれの光学異性体としてである。好ましい光学異性体は当該3−アミノプロポキシ側鎖のこの非対称置換炭素原子におけるS体である。それぞれの光学異性体は慣用的な方法、例えば光学活性の出発物質を用いる事により、又は、光学活性の酸を用いてラセミ体塩の分別結晶を行うことにより得られる。
出発物質として使用される化合物は慣用的な方法で得ることができる。
特に、式(II)で表される化合物は、式(IV)
で表される化合物(ただし、R1及びR2は前記の通りである。)に、O−アルキル化を通じて、−OCH2−Rx基を導入することにより得られる。式(IV)で表される化合物は好ましくはアニオン化された状態で反応に付される方が好ましい。
特に、式(II)で表される化合物は、式(IV)
R1が水素である式(IV)で表される化合物は、1,4−ジヒドロキシベンゼンの水酸基のうちの一つを選択的にエーテル化することによって得られる。この反応は、例えば、式L−CH2CH2O−R2で表される化合物(ただし、LとR2は前記の通りである)の1モル当量との反応であり、塩基(例:炭酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例:アセトン)中で行われるのが好ましい。代替的に、R1が水素原子である式(IV)で表される化合物は、式(V)
で表される対応する化合物(ただし、R2は前記の通りであり、Bzはベンジル基、又はテトラヒドロピラニル基等の保護基であり、チャコール上のパラジウム又は酸性加水分解等の、適当な条件下で保護するものである。)の脱保護により得られる。
式(V)で表される化合物は、例えば、4−ベンジルオキシフェノールを例えば誘導体であるL−CH2CH2O−R2(ただし、L及びR2は前記の通りである)を用いて適当にエーテル化することにより得られる。Lは好ましくは4’−トルエンスルホネートである。
式(IV)で表される化合物(ただしR1は臭素)は、対応する式(IV)で表される化合物(ただしR1は水素)の一臭素化により得られる。得られた臭素化物は、例えば、ジメチルホルムアミド中でのシアン化銅による処理等により、R1がシアノ基である式(IV)で表される化合物へと転化される。
特定の出発物質の製法が特に記載されていない限りは、その製法は慣用的な方法で行うことができる。
以下の実施例において、全ての温度はセンチグレード度であり、補正はされていない。
S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン
水素化ナトリウム(9.6g、油分なし)を無水ジメチルホルムアミド(200ml)に懸濁し、4−エトキシエトキシフェノール(70.5g)を徐々に30分間かけて加える。次に、反応混合物を5℃まで冷却し、S(+)−グリシジル−3−ニトロベンゼンスルホネート(100g)をジメチルホルムアミド(200ml)に溶解したものを1時間かけて加える。混合物を放置して室温とし、さらに1.5時間攪拌する。次に、水を徐々に加えて過剰の水素化ナトリウムを分解し、混合物を水2リットルで希釈し、中間体のエポキシドを酢酸エチル800mlで3回抽出する。抽出物を乾固し、ジオキサン(200ml)に再溶解し、3,4−ジメトキシフェニルエチルアミン(70.2g)をジオキサン(200ml)に溶解したものを加える。混合物を還流温度まで6時間加熱した後、溶媒を蒸発させ、残渣をジエチルエーテルに再溶解する。塩化水素をジエチルエーテル(500ml)に溶解した飽和溶液を加え、標記化合物の塩酸塩を沈澱させる。生成物を濾過して、乾燥し、イソプロパノール(750ml)から再結晶する。収量103〜106g,融点147〜149℃。
4−(2−エトキシエトキシ)フェノールは、下記のようにして得られる。
4−トルエンスルホン酸2′−エトキシエチルを、4−トルエンスルホニルクロリドを2−エトキシエタノールと、水酸化ナトリウムの存在下にて反応させることによって調製する。生成物を単離せずに4−ベンジルオキシフェノールと水酸化ナトリウムと反応させる。粗生成物が冷却により沈澱し、濾別し、5%水酸化ナトリウムと水とで洗浄することができる。次に、この材料をエタノールに懸濁し、水素と、10%パラジウム/炭で大気圧にて脱ベンジル化する。触媒をCelite上で濾去し、溶媒を減圧化にて留去する。残渣をトルエンに溶解して、濾過し、フェノールを5%水酸化ナトリウムで抽出する。抽出物を塩酸で酸性にして、フェノールをジエチルエーテルに抽出する。乾燥後、粗生成物を減圧蒸留して、無色液状生成物を得ることができ、これは徐々に結晶する。融点39.5〜40.5℃。
これらの化合物は、この型の構造を有する化合物について予想されたものよりも顕著であり、かつ広汎な有益な薬理学的特性を有する。それらは特に活性であり、β1−特異的であり、体循環における作用時間が短い。本発明の化合物は、血漿中半減期が短い先行技術のβ−遮断薬と結合した容易に加水分解するエステル基によっては変化しないので、このような体循環における作用時間が短いことは予想されなかったことであり、予言することはできなかった。
式Iaの化合物のβ1−特異性及びβ−アドレナリン作動性受容体遮断作用は、標準的手続きにしたがってモルモットの単離組織を用いてイン・ビトロで示すことができる。
組織の調製:
動物を素早く頭部を一撃した後、頸部脱臼により殺す。胸部を開き、心臓と気管を取り出し、炭酸化したクレブス−リンゲル−重炭酸溶液(Krebs)にいれる。血液を心室から慎重にマッサージにより送り出す(L.H. Tung, G.P. Jackman, B. Champbell, S. Louis, D. Iakovidis & W.J. Louis, J. Cardiovasc. Pharmacol., 21, (2), 484-488, 1993を参照されたい)。
動物を素早く頭部を一撃した後、頸部脱臼により殺す。胸部を開き、心臓と気管を取り出し、炭酸化したクレブス−リンゲル−重炭酸溶液(Krebs)にいれる。血液を心室から慎重にマッサージにより送り出す(L.H. Tung, G.P. Jackman, B. Champbell, S. Louis, D. Iakovidis & W.J. Louis, J. Cardiovasc. Pharmacol., 21, (2), 484-488, 1993を参照されたい)。
心房:
総ての外来性組織を慎重に心臓から切り離し、心房を心室から切り離す。ループを有する縫合をそれぞれの心房に結び、器官バスロッド(organ bath rod)から組織を懸垂するのに用いる。他のループを、1gの力を加えた力トランスデューサーに取り付ける。次に、心房を37℃の酸素化した(5%カーボゲン(Carbogen))Krebsを入れたバスに保持し、10分間隔で50分間Krebsを代える。次いで、イソプレナリン用量−応答曲線を、10−11Mからの増加用量で応答にプラトーが見られるまで(約10−5.5M)イソプレナリンを添加することによって測定する。用量を2分間隔で増加させ、最大収縮力と心拍数を記録する。用量−応答曲線の終了時に、器官バスを新鮮なKrebsで置換し、10分毎に3回50分間洗浄する。次に、試験薬剤の用量を器官バスに加え、10分間平衡させる。次いで、イソプレナリン用量−応答曲線を繰り返す。心房を前と同様にさらに50分間Krebsで洗浄した後、コントロール用量−応答曲線を、薬剤の非存在下で繰り返す。
総ての外来性組織を慎重に心臓から切り離し、心房を心室から切り離す。ループを有する縫合をそれぞれの心房に結び、器官バスロッド(organ bath rod)から組織を懸垂するのに用いる。他のループを、1gの力を加えた力トランスデューサーに取り付ける。次に、心房を37℃の酸素化した(5%カーボゲン(Carbogen))Krebsを入れたバスに保持し、10分間隔で50分間Krebsを代える。次いで、イソプレナリン用量−応答曲線を、10−11Mからの増加用量で応答にプラトーが見られるまで(約10−5.5M)イソプレナリンを添加することによって測定する。用量を2分間隔で増加させ、最大収縮力と心拍数を記録する。用量−応答曲線の終了時に、器官バスを新鮮なKrebsで置換し、10分毎に3回50分間洗浄する。次に、試験薬剤の用量を器官バスに加え、10分間平衡させる。次いで、イソプレナリン用量−応答曲線を繰り返す。心房を前と同様にさらに50分間Krebsで洗浄した後、コントロール用量−応答曲線を、薬剤の非存在下で繰り返す。
気管
総ての外来性組織を切り離し、幅1〜2mmの5個のリングを気管から切り取り、順に緩いループ上に配設する。リングを1.0gの静止力で設定した等長性トランスデューサーから懸垂する。次に、リングを、37℃の器官バス中で、酸素化した(5%カーボゲン(Carbogen))Krebs中でインキュベーションし、10分間隔で3回50分間Krebsを代える。次に、カルバコール(Carbachol)10−6Mをバスに加えて、収縮を誘発させる。収縮力が安定したならば、増加量のイソプレナリン(10−8〜10−5M)を加えて、コントロール用量−応答曲線を生成する。次に、組織を、10分毎に50分間Krebsを3回代えて洗浄した後、薬剤を添加する。10分間インキュベーションした後、カルバコールを再度加え、イソプレナリンに対する新たな用量−応答を測定する。さらに50分間洗浄した後、コントロール曲線を繰り返す。
総ての外来性組織を切り離し、幅1〜2mmの5個のリングを気管から切り取り、順に緩いループ上に配設する。リングを1.0gの静止力で設定した等長性トランスデューサーから懸垂する。次に、リングを、37℃の器官バス中で、酸素化した(5%カーボゲン(Carbogen))Krebs中でインキュベーションし、10分間隔で3回50分間Krebsを代える。次に、カルバコール(Carbachol)10−6Mをバスに加えて、収縮を誘発させる。収縮力が安定したならば、増加量のイソプレナリン(10−8〜10−5M)を加えて、コントロール用量−応答曲線を生成する。次に、組織を、10分毎に50分間Krebsを3回代えて洗浄した後、薬剤を添加する。10分間インキュベーションした後、カルバコールを再度加え、イソプレナリンに対する新たな用量−応答を測定する。さらに50分間洗浄した後、コントロール曲線を繰り返す。
これらのデータを用いて、心房及び気管に対するpA2値を計算する(Mackay, J. Pharm. Pharmacol., 30, 312-313, 1978を参照されたい)。これらは対数値であり、この値が高くなれば、化合物は一層強力になる。これらの値の比は、それぞれの化合物の選択性を示している。
化合物のβ1−特異性を、下記の表2に示す。
体循環における本発明の化合物の作用時間が短いことは、下記の実験で示した。
頸動脈及び頸静脈に内在カテーテルを有する健康な雄のSprague-Dawleyラットを麻酔下にて調製し、少なくとも24時間回復させた。実験の1日目に、動脈カテーテルを柔軟なスイベルに取り付けた後、心拍数と血圧を連続記録するため圧力トランスデューサーに取り付けた。静脈カテーテルを薬剤投与のための輸液ポンプ又はイソプレナリン(0.1μg/kg)のボーラス投与のための注射器に取り付けた。カテーテルを動物の邪魔にならないところに懸垂し、ラットを外部の騒動から単離された小さなカバー付き囲いの中で自由に移動させた。BP及びHRが安定になったとき、イソプレナリンボーラスを10分間隔でHRの最大応答が再現性あるようになるまで(±10%)投与した。用量を少なくとも40分間繰り返し、最後の5回の読みがベースライン応答を構成するものと考えた。この用量を、さらに150分間の試験期間中同じ間隔で継続した。イソプレナリンを次に投与する約3.5分前、試験化合物の輸液を開始して、輸液ラインのデッド容積を見て、さらに33.5分間継続した。
頸動脈及び頸静脈に内在カテーテルを有する健康な雄のSprague-Dawleyラットを麻酔下にて調製し、少なくとも24時間回復させた。実験の1日目に、動脈カテーテルを柔軟なスイベルに取り付けた後、心拍数と血圧を連続記録するため圧力トランスデューサーに取り付けた。静脈カテーテルを薬剤投与のための輸液ポンプ又はイソプレナリン(0.1μg/kg)のボーラス投与のための注射器に取り付けた。カテーテルを動物の邪魔にならないところに懸垂し、ラットを外部の騒動から単離された小さなカバー付き囲いの中で自由に移動させた。BP及びHRが安定になったとき、イソプレナリンボーラスを10分間隔でHRの最大応答が再現性あるようになるまで(±10%)投与した。用量を少なくとも40分間繰り返し、最後の5回の読みがベースライン応答を構成するものと考えた。この用量を、さらに150分間の試験期間中同じ間隔で継続した。イソプレナリンを次に投与する約3.5分前、試験化合物の輸液を開始して、輸液ラインのデッド容積を見て、さらに33.5分間継続した。
カテーテルがヘパリン化食塩水で毎日置換するのに有効なままであるときには、ラットを1以上の実験に用いたが、それぞれの実験は少なくとも24時間間隔を置いた。
したがって、左頸動脈及び左頸静脈にカニューレを挿入したラットを、覚醒状態で検討することができる。これにより、β遮断薬を選択した用量で静脈内輸液する前及び後に、心拍数及び血圧を連続記録することができる。β遮断薬の静脈内輸液の中断後のβ遮断の時間を、イソプレナリンの標準用量によって生じる心拍数の増加に要する時間を検討し、β遮断薬輸液の中断後の値を制御することによって求めることができる。試験薬剤の輸液中のイソプレナリンに対する心拍数応答の最大阻害の記録を評価し、薬力学的半減期は、薬剤の輸液の停止の後、この阻害を50%だけ降下させるのに要する時間である。
これらの試験は、アテノロール及びベタキソロールのような標準的薬剤と比較して血漿中のイン・ビボでの本発明の化合物についての作用の半減期が極めて短く、予想されずかつ先行技術からは予言することができなかった。この特性は、麻酔や集中看護のような治療の領域において短時間作用性の静脈内薬剤として要するときに、β遮断薬を安全かつ制御して用いることができる点で極めて重要である。薬剤を眼経路によって投与すると、対循環に入る薬剤は速やかに分解され、それゆえ、全身性のβ遮断を伴う副作用を生じさせることがずっと少なくなるので、この特性は、緑内障のような疾患の治療にも重要である。
ラットでイン・ビボで前記の方法で測定した体循環における化合物の作用の半減期を、表3に示す。
標準的なβ−遮断薬を眼経路によって投与すると、薬剤の幾らかは体循環に入り、死などの全身的副作用を引き起こすことがあることが認められている(U.K. Safety of Medicines Report,「最近の問題点」(Current Problems),第28号,1990年)。全身的活性の時間が短いこの水準のβ1特異性を有するβ−遮断薬は、この危険性を著しく減少させることが期待される。最近の応用に記載された薬剤は、効力のあるβ1−特異性と体循環での半減期が短いという特性を意外にも合わせ持ち、緑内障の治療に以前は利用できなかった安全性の水準の基礎を提供する点で特殊なものである。
遊離形態又はその薬学上許容される酸付加塩の形態での化合物は、単独で又は適当な投与形態で投与することができる。
本発明は、遊離形態又は酸付加塩の形態での本発明の化合物を医薬担体又は希釈剤と組合わせて含んでなる医薬組成物も提供する。このような形態、例えば溶液は、既知の方法によって製造することができる。
本発明の化合物を心臓疾患の治療についての麻酔及び集中看護のような治療の分野で用いるときには、それらは非経口的に、例えば静脈内注射又は静脈内輸液によって有利に投与される。静脈内注射用の処方物としては、好ましくは、適正に緩衝した等張溶液中の可溶性酸付加塩としての活性化合物が挙げられる。
患者に投与される投与量及び輸液の時間は、患者の要求や用いられる特定の化合物によって変化する。体重1kg当たり1時間当たり約0.0001〜約100mgの投与量が一般に用いられ、好ましい投与量は体重1kg当たり1時間当たり約0.01〜約10mgの範囲である。
本発明の化合物を緑内障の眼治療に用いるときには、米国特許第4195085号明細書に記載されているように溶液、軟膏又は固形挿入物の形態で有利に眼に局所投与される。処方物は、活性化合物を好ましくは可溶性酸付加塩の形態で、約0.01〜約5重量%の範囲の量で、好ましくは約0.2〜約2重量%の量で含むことができる。活性化合物の単位投与量は、約0.01〜約2.0mg、好ましくは約0.1〜約0.5mgの範囲であることができる。患者に投与される投与量は、患者の要求や用いられる特定の化合物によって変化する。
本発明の製剤に用いられる担体は、好ましくは水、水と水混和性の溶媒、例えば低級アルコールの混合物、無機油、石油ゼリー、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及び他の通常の担体のような非毒性の製薬上の有機又は無機の組成物である。医薬製剤は、乳化剤、防腐剤、湿潤剤、及び殺菌剤のような追加成分を含むこともできる。これらとしては、ポリエチレングリコール200、300、400及び600、カーボワックス1,000、1,500、4,000、6,000及び10,000、第四アンモニウム化合物、低温殺菌特性を有することが知られておりかつ使用に当たって有害ではないフェニル水銀塩、チメロサール、メチル及びプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノールのような殺菌成分、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコン酸緩衝剤のような緩衝剤成分、及びソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、オレイン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチレート、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸のような通常の成分などが挙げられる。また、通常のリン酸緩衝液ビヒクル系、等張性ホウ酸ビヒクル、等張性塩化ナトリウムビヒクル、等張性ホウ酸ナトリウムビヒクルなどの適当な眼科用ビヒクルを本目的のために担体媒質として用いることができる。
本発明の緑内障の治療法は、活性化合物を含む点眼薬の局所投与を伴うのが有利である。点眼薬用の処方物としては、好ましくは適当に緩衝した滅菌等張水溶液中での可溶性酸付加塩としての活性化合物が挙げられる。
Claims (25)
- 体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効である容態を治療及び/又は予防するための方法であって、そのような治療及び/又は予防を必要とする患者に式(Ia)
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はフッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選択されるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1は水素、フッ素、塩素、及び臭素から選択され、そしてR2はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、及びシクロプロピルメチル基から選選択されるか;又は、
Rは3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はシクロプロピルメチル基又はイソブチル基であるか;又は、
Rは4’−メトキシフェノキシ基であり、R1はシアノ基であり、そしてR2はイソブチル基である。)及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できるその誘導体を、当該化合物若しくは誘導体のラセミ体又は光学活性体の形態で、並びに製薬上許容されるそれらの酸付加塩の有効量を投与することを含むことを特徴とする上記方法。 - 体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効である容態の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、請求項1項に記載され、定義された、式(Ia)で表される化合物の使用。
- 緑内障と、心臓の不整脈と急性心筋梗塞に対する非経口治療と、持続性のβ1−アドレナリン作動性受容体の遮断が望ましくないその他の心臓疾患とからなる群のうち1又は2以上の容態を治療することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- Rが3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、かつR1が水素原子である時は、R2はメチル基ではない;さらに、Rが4’−メトキシフェノキシ基であり、R1が水素原子である時は、R2はメチル基又はシクロプロピルメチル基ではないという条件を満たす請求項1に記載され、定義された式(Ia)で表される化合物。
- ラセミ体及び光学活性体における、Rが3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1が水素であり、そしてR2がエチル基、プロピル基、イソブチル基、及びイソプロピル基から選択されるか;又は、
Rが4’−メトキシフェノキシ基、R1が水素であり、そしてR2はエチル基、プロピル基、イソブチル基、イソプロピル基から選択されるか;又は、
Rが3’,4’−ジメトキシフェニル基、R1がシアノ基であり、そしてR2がシクロプロピルメチル基であるか;又は、
Rが4’−メトキシフェノキシ基、R1がシアノ基であり、そしてR2がイソブチル基であるか;又は、
Rが3’,4’−ジメトキシフェニル基であり、R1が臭素であり、そしてR2がメチル基であることを特徴とする請求項4に記載の化合物、及び、エステル化された形態において水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する、生理学的に許容されかつ加水分解できる誘導体、並びに、製薬的に許容されるそれらの酸付加塩。 - 1−(2−シアノ−4−(2−(2−メチルプロポキシ)エトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロパン。
- S(−)−1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン。
- 1−(2−シアノ−4−(2−シクロプロピルメトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン。
- 1−(4−(2−エトキシエトキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミノ)プロパン。
- プロドラッグとして働き、生理学的な条件下では、水酸基を3−アミノプロポキシ側鎖の2位に有する対応する化合物へ開裂することを特徴とする、請求項4から9のいずれかに記載の化合物の生理学的に許容され、加水分解できる誘導体。
- 式(Ia)の化合物のエステル化物(例えば、R、R1、及びR2が請求項1に記載の通りであり、Reが炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7〜12のフェニルアルキル基、又はフェニル基若しくは炭素数7〜12のフェニルアルキル基であって、炭素原子数1〜4のアルキル基によりフェニル環上で1置換されたもの、又は、原子番号が9〜35のうちのハロゲンによりフェニル環上で1置換若しくは独立して2置換若しくは独立して3置換されもの、又は、炭素原子数1〜4のアルコキシル基によりフェニル環上で1置換若しくは独立して2置換若しくは独立して3置換されたものである、式(E)
- 製薬的に許容されるキャリアー又は希釈剤と共に、請求項1に記載の式(Ia)で表される少なくとも一つの化合物を含み、体循環における作用の期間が短い、効力のあるβ1特異性β−受容体遮断薬が特に有効となる容態の治療及び/又は予防に適していることを特徴とする医薬化合物。
- 請求項4項から第9に記載の化合物のうち、少なくとも1つを含む請求項13に記載の医薬化合物。
- 式(Ia)で表される化合物が請求項4項から第9項のうちのいずれかに記載された化合物から選ばれた化合物である、請求項1又は3に記載の治療及び/又は予防の方法。
- 式(Ia)で表される化合物が請求項4項から第9項に記載された化合物から選ばれた化合物であることを特徴とする、医薬品の製造における、請求項1に記載の式(Ia)で表される化合物の、請求項2に記載の使用。
- Rxが式−CH(OH)−CH2Lで表される基(ただし、Lが塩素、臭素、又は、式Ry−SO2−O−の基(ただし、Ryはフェニル基、トリル基若しくは低級アルキル基である))であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
- R1が水素である式(IV)で表される化合物が、1,4−ジヒドロキシベンゼンの水酸基のうちの一つを選択的にエーテル化することによって得られることを特徴とする請求項20に記載の方法。
- 式(V)で表される化合物が、1,4−ジヒドロキシベンゼンの1つの保護基を含む誘導体中の保護されていない水酸基を適当にエーテル化することによって得られることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- R1が臭素である式(IV)で表される化合物が、R1が水素である式(IV)で表される対応する化合物の一臭素化により得られることを特徴とする請求項20に記載の方法。
- R1がシアノ基である式(IV)で表される化合物が、R1が臭素である該化合物を対応するシアン化合物へと転化することにより得られることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
- 請求項17項から第25項のいずれかに記載された方法により製造された、請求項4項から第9項のいずれかに記載され定義された、式(Ia)で表される化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008179224A JP2009040769A (ja) | 2008-07-09 | 2008-07-09 | 3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008179224A JP2009040769A (ja) | 2008-07-09 | 2008-07-09 | 3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51457597A Division JP4241926B2 (ja) | 1995-10-10 | 1996-10-10 | 3―アミノ―プロポキシフェニル誘導体(1) |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009040769A true JP2009040769A (ja) | 2009-02-26 |
Family
ID=40441900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008179224A Pending JP2009040769A (ja) | 2008-07-09 | 2008-07-09 | 3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009040769A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5285146A (en) * | 1975-11-06 | 1977-07-15 | Synthelabo | New phenol ether derivatives and process for manufacture thereof |
JPS5746946A (en) * | 1980-07-09 | 1982-03-17 | Sandoz Ag | 3-aminopropoxyphenyl derivative, manufacture and medicine containing same |
CH664559A5 (en) * | 1985-05-14 | 1988-03-15 | William John Prof Louis | 1-amino-3-phenoxy-2-propanol derivs. - useful as alpha and beta blockers |
-
2008
- 2008-07-09 JP JP2008179224A patent/JP2009040769A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5285146A (en) * | 1975-11-06 | 1977-07-15 | Synthelabo | New phenol ether derivatives and process for manufacture thereof |
JPS5746946A (en) * | 1980-07-09 | 1982-03-17 | Sandoz Ag | 3-aminopropoxyphenyl derivative, manufacture and medicine containing same |
CH664559A5 (en) * | 1985-05-14 | 1988-03-15 | William John Prof Louis | 1-amino-3-phenoxy-2-propanol derivs. - useful as alpha and beta blockers |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR850000869B1 (ko) | 3-페녹시-1-알킬아미노-프로판올-2 유도체의 제조방법 | |
KR880001539B1 (ko) | 2-하이드록시-3-(치환된아미노)-프로폭시벤젠유도체 및 이의 제조방법 | |
PT88251B (pt) | Processo para a preparacao de novos derivados de ariloxi-indenamina com actividade antidepressiva e de composicoes farmaceuticas que os contem | |
BG60761B2 (bg) | Арилоксифенилпропиламини | |
JPS6320424B1 (ja) | ||
HU184859B (en) | Process for producing new 1-figure bracket-square bracket-bracket-alkoxy-carbonyl-bracket closed-alkyl-square bracket closed-amino-figure bracket closed-3-bracket-substituted phenoxy-bracket closed-2-propanol derivatives | |
FI84057B (fi) | Foerfarande foer framstaellning av terapeutiskt aktiva fluorallylaminderivat. | |
FR2463765A1 (fr) | Nouveaux derives de l'indole actifs sur le systeme cardiovasculaire | |
JP4241926B2 (ja) | 3―アミノ―プロポキシフェニル誘導体(1) | |
JP2009040769A (ja) | 3−アミノ−プロポキシフェニル誘導体(i) | |
EP0116825B1 (en) | New aryloxypropanolamine derivatives, process for the preparation thereof, pharmaceutical compositions and therapeutic use | |
JPH0633247B2 (ja) | 3―アミノプロポキシフェニル誘導体およびその製法ならび用途 | |
US5242943A (en) | 3-aminopropoxyphenyl derivatives, their preparation and pharmaceutical compositions containing them | |
JPS60500288A (ja) | 3−(3−置換アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−4−置換−1・2・5−チアゾ−ル誘導体のエステル | |
JP2001503753A (ja) | アリールオキシプロパノールアミン誘導体、その製造方法及びその用途 | |
LV10708B (en) | New bronchospasmolytic compounds and a process for their preparation | |
DK154021B (da) | Analogifremgangsmaade til fremstilling af phenoxy-aminopropanolderivater og epoxider til anvendelse som udgangsmateriale ved denne fremgangsmaade | |
EP0177515B1 (en) | 3-aminopropyloxyphenyl derivatives, their preparation and pharmaceutical compositions containing them | |
JPH0318607B2 (ja) | ||
JPH02258749A (ja) | ポリヒドロキシベンジルオキシプロパノールアミン | |
KR890000620B1 (ko) | 1-아릴옥시-3-알킬아미노-프로판-2-올의 제조방법 | |
KR840002005B1 (ko) | 피페라진 유도체의 제조방법 | |
JPH0518820B2 (ja) | ||
JPS6169750A (ja) | ヒドロキシフエノキシプロパノールアミン類、その製法及びそれを含む医薬組成物 | |
KR890000619B1 (ko) | 1-아릴옥시-3-알키닐아미노-프로판-2-올의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20111227 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20120713 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |