JP2009034668A - 塗装方法およびそれにより得られる塗装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記最上層を形成するための最上層用塗料として硬化温度TTが40℃以上200℃以下であり且つ熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない熱硬化型塗料を準備し、且つ、前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として硬化温度TUが下記式(1)
TU≦TT−30 (1)
(TUは下層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]、TTは最上層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃])
を満たす下層用熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料及び前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
下記式(2)
TU−20≦TL≦TT−30 (2)
および下記式(3)
TT−20≦TH≦TT+40 (3)
(TLは低温加熱温度[℃]、THは高温加熱温度[℃])
を満たすTLおよびTHを設定する工程と、
前記未硬化積層塗膜にTLで熱処理を施して少なくとも前記下層用熱硬化型塗料を硬化させて最上層が未硬化の積層塗膜を形成し、次いで、最上層が未硬化の前記積層塗膜にTHで熱処理を施して最上層用熱硬化型塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする塗装方法。
【選択図】なし
Description
前記最上層を形成するための最上層用塗料として硬化温度TTが40℃以上200℃以下であり且つ熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない熱硬化型塗料を準備し、且つ、前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として硬化温度TUが下記式(1)
TU≦TT−30 (1)
(式(1)中、TUは下層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示し、TTは最上層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示す。)
を満たす下層用熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料及び前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
下記式(2)
TU−20≦TL≦TT−30 (2)
および下記式(3)
TT−20≦TH≦TT+40 (3)
(式(2)および(3)中、TLは低温加熱温度[℃]を示し、THは高温加熱温度[℃]を示し、TUおよびTTは式(1)中のTUおよびTTと同義である。)
を満たす加熱温度TLおよびTHを設定する工程と、
前記未硬化積層塗膜に前記温度TLで熱処理を施して少なくとも前記下層用熱硬化型塗料を硬化させて最上層が未硬化の積層塗膜を形成し、次いで、最上層が未硬化の前記積層塗膜に前記温度THで熱処理を施して最上層用熱硬化型塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とするものである。
前記最上層を形成するための最上層用塗料として硬化温度TTが40℃以上200℃以下であり且つ熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない熱硬化型塗料を準備し、且つ、前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として硬化温度TUが下記式(1)
TU≦TT−30 (1)
(式(1)中、TUは下層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示し、TTは最上層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示す。)
を満たす下層用熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料及び前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
下記式(2)
TU−20≦TL≦TT−30 (2)
および下記式(3)
TT−20≦TH≦TT+40 (3)
(式(2)および(3)中、TLは低温加熱温度[℃]を示し、THは高温加熱温度[℃]を示し、TUおよびTTは式(1)中のTUおよびTTと同義である。)
を満たす加熱温度TLおよびTHを設定する工程と、
前記未硬化積層塗膜に前記温度TLで熱処理(以下「低温加熱処理」ともいう。)を施して少なくとも前記下層用熱硬化型塗料を硬化させて最上層が未硬化の積層塗膜を形成し、次いで、最上層が未硬化の前記積層塗膜に前記温度THで熱処理(以下「高温加熱処理」ともいう。)を施して最上層用熱硬化型塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とするものである。
TU≦TT−30 (1)
(式(1)中、TUは下層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示し、TTは最上層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示す。)
を満たす熱硬化型塗料である。下層用熱硬化型塗料として硬化温度が前記式(1)を満たす熱硬化型塗料を用いると加熱温度TLと加熱温度THとの差を十分に広げることができ、その結果、下層の硬化と最上層の硬化とを別個独立に進行させることができる。また、このような観点から硬化温度TUとTTは下記式(1a)
TU≦TT−40 (1a)
(式(1a)中、TUおよびTTは式(1)中のTUおよびTTと同義である。)
を満たすことが好ましい。
式(4)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた塗膜の質量(単位:g)を示し、Pはその塗膜100gに含まれる顔料の質量(単位:g)を示す。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値(カタログ値など)を採用できる。このようにして算出された重量減少率は、塗膜中の全バインダー量に対する前記揮発性生成物量の割合である。
Er’=A〔1−exp{k(t−td}〕 (5)
(式(5)中、Aおよびkは定数であり、tは時間を示す。)
を当てはめ、非線形最小二乗法により時間軸切片tdを求める。このtdは、測定を開始してから最上層用塗料がゲル化を開始するまでの時間を表す。
Er’=BE’
Er”=BE”
で関連付けることができる。ここで、Bは測定条件によって決まる値あり、下記式:
B=(bh2cosφ)/(Isin3θ)
(式中、bは塗膜とナイフエッジとが接する長さ[単位:m]を示し、hは塗膜の膜厚[単位:m]を示し、φは静止した振子のナイフエッジ面と基材(上記の場合はステンレス鋼板)の表面とがなす角度を示し、Iは振子の刃先を軸とした回転慣性モーメント[単位:kg・m2]を示す)
で表されるものである。したがって、測定条件が固定されればBは一定値となる。
TU−20≦TL≦TT−30 (2)
および下記式(3)
TT−20≦TH≦TT+40 (3)
(式(2)および式(3)中、TLは低温加熱温度[℃]を示し、THは高温加熱温度[℃]を示し、TUおよびTTは式(1)中のTUおよびTTと同義である。)
を満たすように設定される。前記加熱温度TLおよびTHを前記式を満たすように設定することにより先ず最上層を硬化させずに下層を硬化させ、その後最上層を硬化させることができる。このような観点から前記加熱温度TLは下記式(2a)
TU≦TL≦TT−30 (2a)
を満たすことが好ましく、下記式(2b)
TU+10≦TL≦TT−40 (2b)
を満たすことがより好ましい。また、前記加熱温度THは下記式(3a)
TT≦TH≦TT+20 (3a)
を満たすことが好ましく、下記式(3b)
TT=TH (3b)
を満たすことがより好ましい。
式(6)中、Vは積層塗膜の揮発分濃度(単位:質量%)を示し、Wtは任意の熱処理時間tにおける積層塗膜の質量(単位:g)を示し、Weは最終的に得られた積層塗膜の質量(単位:g)を示す。
先ず、最上層用塗料を40mm×50mmのステンレス鋼板(厚さ0.5mm)に熱処理後の膜厚が35±5μmとなるように塗布した。具体的には、前記ステンレス鋼板を水平な台に配置し、前記ステンレス鋼板の対向する2辺の縁からそれぞれ5mm程度の領域に厚さ70μmの粘着テープを貼り付け、刃先が直線であるナイフを前記テープ上で滑らせて、前記ステンレス鋼板とナイフの刃先との隙間に最上層用塗料を塗り込んだ。
Er’=A〔1−exp{k(t−td}〕 (5)
(式(5)中、Aおよびkは定数であり、tは時間を示す。)
を当てはめ、非線形最小二乗法により時間軸切片、すなわち測定を開始してから最上層用塗料がゲル化を開始するまでの時間tdを求めた。
対象とする塗料を熱処理後の膜厚が積層塗膜の目標膜厚となるようにアルミ箔上に塗装し、得られたアルミ箔試料を最上層用塗料の硬化温度TTよりも40℃低い温度[TT−40℃]および10−2Torr以下の真空条件で90分間乾燥した。得られた未硬化塗膜を備えたアルミ箔試料を、加熱脱着導入装置(例えば、GERSTEL社製Thermal Desorption System)付きガスクロマトグラフ/質量分析装置(例えば、Agilent社製6890GC/5975MSD)を用いて前記温度TTで30分間加熱して揮発性生成物量(Rc(単位:g))と残存溶媒量とを定量し、式(4)により重量減少率を算出した。この重量減少率は、塗膜中の全バインダー量に対する前記揮発性生成物量の割合である。
式(4)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた未硬化塗膜の質量(単位:g)を示し、Pは塗膜100gに含まれる顔料の質量を示す。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値を使用した。
メタクリル酸4.5質量部、アクリル酸エチル26.0質量部、水酸基含有モノマー(ダイセル化学工業社製、商品名「プラクセルFM−1」)64.5質量部、メチルスチレンダイマー(三井東圧化学社製、商品名「MSD−100」)5.0質量部およびアゾイソブチロニトリル13.0質量部を混合して混合溶液Aを調製した。
アクリル酸5.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル17.0質量部、メタクリル酸n−ブチル66.0質量部、アクリル酸ステアリル12.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.8質量部を混合して混合溶液Bを調製した。
反応容器に合成例1で作製した固形分濃度75質量%のアクリル樹脂ワニスAを337質量部と酸化チタン(石原産業社製、商品名「CR−93」)1000質量部とカーボンブラック(デグサ社製、商品名「FW−200P」)10質量部とを仕込み、次いで酢酸ブチル163質量部とキシレン84質量部とを添加した。その後、仕込み全質量と同じ質量のガラスビーズ(粒径1.6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。その後、キシレン84質量部を添加した後、ガラスビーズを濾別し、顔料ペーストを作製した。この顔料ペーストに、前記アクリル樹脂ワニスAとメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル254」)とをアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:3になるように、且つ中塗り塗膜中の顔料濃度が50.0質量%になるように添加し、イオン交換水で希釈して固形分濃度が50質量%のメラミン硬化型水性中塗り塗料aを調製した。このメラミン硬化型水性中塗り塗料aの硬化温度は140℃である。
合成例2で作製した固形分濃度60質量%のアクリル樹脂ワニスBにメラミン樹脂(サイテック社製、商品名「サイメル325」)をアクリル樹脂とメラミン樹脂との固形分質量比が10:2になるように添加し、さらに水性塗料用アルミペーストをベース塗膜中の顔料濃度が17.7質量%になるように添加し、イオン交換水で希釈して固形分濃度が20質量%のメラミン硬化型水性ベース塗料aを作製した。このメラミン硬化型水性ベース塗料aの硬化温度は140℃である。
表1に示す割合でポリオール、添加剤および溶剤を混合して2液型のイソシアネート硬化型クリア塗料の主剤を調製した。また、前記イソシアネート硬化型クリア塗料の硬化剤として表1に示すイソシアネート硬化剤を使用した。以下の実施例1〜5および比較例1、3ではこの主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合したもの(固形分濃度55質量%)をイソシアネート硬化型クリア塗料Aとして使用した。このイソシアネート硬化型クリア塗料Aの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は0質量%であった。
表1に示す割合でポリオール、添加剤および溶剤を混合して2液型のイソシアネート硬化型クリア塗料の主剤を調製した。また、イソシアネート硬化剤(Bayer社製、商品名「Desmodur N 3390 Ba/SN」)の固形分100質量部に対してブロック剤として21.5質量部の3,5−ジメチルピラゾールを添加したものを前記熱硬化型クリア塗料の硬化剤として使用した。比較例2ではこの主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合したものをブロックイソシアネート硬化型クリア塗料Bとして使用した。このブロックイソシアネート硬化型クリア塗料Bの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は6.1質量%であった。
最上層用塗料として調製例3で調製したイソシアネート硬化型クリア塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0質量%)を使用し、下層用熱硬化型塗料として硬化温度TUが80℃のブロックイソシアネート硬化型の溶剤型ベース塗料A(関西ペイント社製、商品名「SFX800」)を使用した。なお、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aはイソシアネート化合物の付加反応により硬化するため、揮発性生成物は実質的に生成しない。また、前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Aはブロックイソシアネートの脱ブロック反応で生成するイソシアネート化合物の付加反応により硬化するが、この脱ブロック反応において揮発性のブロック剤が生成する。前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Aの相対損失弾性率は0.60s−2であった。
式(6)中、Weは得られた積層塗膜の質量(単位:g)である。
下層用熱硬化型塗料としてブロックイソシアネート硬化型の溶剤型ベース塗料Aの代わりに硬化温度TUが80℃のイソシアネート硬化型(2液型)の溶剤型ベース塗料B(関西ペイント社製、商品名「レタンPG60改」)を使用した以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記イソシアネート硬化型ベース塗料Bはイソシアネート化合物の付加反応により硬化するため、揮発性生成物は実質的に生成しない。また、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記イソシアネート硬化型ベース塗料Bの相対損失弾性率は0.30s−2であった。
下層用熱硬化型塗料としてブロックイソシアネート硬化型の溶剤型ベース塗料A(硬化温度=80℃)の代わりに調製例2で調製したメラミン硬化型水性ベース塗料a(硬化温度=140℃)を使用した以外は実施例1と同様にして2段の加熱処理(90℃および140℃)を実施して積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記メラミン硬化型ベース塗料aはアクリル樹脂の水酸基とメラミン樹脂とが縮合反応して硬化が進行し、この縮合反応において揮発性のアルコールや水が生成する。また、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記メラミン硬化型ベース塗料aの相対損失弾性率は1.1s−2であった。
クリア塗料として前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aの代わりに調製例4で調製したブロックイソシアネート硬化型クリア塗料B(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=6.1質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記ブロックイソシアネート硬化型クリア塗料Bはブロックイソシアネートの脱ブロック反応で生成するイソシアネート化合物の付加反応により硬化するが、この脱ブロック反応において揮発性のブロック剤が生成する。前記ブロックイソシアネート硬化型クリア塗料Bのゲル化開始時における前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Aの相対損失弾性率は0.95s−2であった。
最上層用塗料として調製例3で調製したイソシアネート硬化型クリア塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0質量%)を使用し、熱硬化型中塗り塗料として硬化温度TUが80℃のイソシアネート硬化型(2液型)の溶剤型中塗り塗料A(関西ペイント社製、商品名「SFX5333」)を使用した。また、熱硬化型ベース塗料として実施例1で使用したブロックイソシアネート硬化型ベース塗料A(硬化温度=80℃)を使用した。なお、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aおよび前記イソシアネート硬化型中塗り塗料Aはイソシアネート化合物の付加反応により硬化するため、揮発性生成物は実質的に生成しない。また、前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Aはブロックイソシアネートの脱ブロック反応で生成するイソシアネート化合物の付加反応により硬化するが、この脱ブロック反応において揮発性のブロック剤が生成する。前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記イソシアネート硬化型中塗り塗料Aおよび前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Aの相対損失弾性率は、それぞれ17s−2および0.60s−2であった。
前記イソシアネート硬化型中塗り塗料Aの代わりに実施例3で使用したイソシアネート硬化型中塗り塗料A(2液型(硬化剤:イソシアネート化合物))の主剤を非硬化型の溶剤型中塗り塗料として用いた以外は実施例3と同様にして積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記非硬化型中塗り塗料は硬化反応しないため、硬化反応による揮発性生成物を生成しない。また、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記非硬化型中塗り塗料の相対損失弾性率は12.5s−2であった。
最上層用塗料として調製例3で調製したイソシアネート硬化型クリア塗料A(硬化温度=140℃、重量減少率(140℃)=0質量%)を使用し、熱硬化型中塗り塗料として硬化温度TUが90℃のブロックイソシアネート硬化型の溶剤型中塗り塗料B(関西ペイント社製、商品名「SFX3300CD」)を使用した。また、熱硬化型ベース塗料として硬化温度TUが90℃のブロックイソシアネート硬化型の溶剤型ベース塗料C(関西ペイント社製、商品名「SFX420」)を使用した。なお、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aはイソシアネート化合物の付加反応により硬化するため、揮発性生成物は実質的に生成しない。また、前記ブロックイソシアネート硬化型中塗り塗料Bおよびブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Cはブロックイソシアネートの脱ブロック反応で生成するイソシアネート化合物の付加反応により硬化するが、この脱ブロック反応において揮発性のブロック剤が生成する。前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記ブロックイソシアネート硬化型中塗り塗料Bおよび前記ブロックイソシアネート硬化型ベース塗料Cの相対損失弾性率は、それぞれ0.70s−2および0.09s−2であった。
1層目の下層用熱硬化型塗料としてイソシアネート硬化型中塗り塗料A(硬化温度=80℃)の代わりに調製例1で調製したメラミン硬化型水性中塗り塗料a(硬化温度=140℃)を使用し、2層目の下層用熱硬化型塗料としてブロックイソシアネート硬化型ベース塗料A(硬化温度=80℃)の代わりに調製例2で調製したメラミン硬化型水性ベース塗料a(硬化温度=140℃)を使用した以外は実施例3と同様にして2段の加熱処理(90℃および140℃)を実施して積層塗膜を作製し、VおよびWa〜Wdを測定した。なお、前記メラミン硬化型ベース塗料aおよび前記メラミン硬化型中塗り塗料aはアクリル樹脂の水酸基とメラミン樹脂とが縮合反応して硬化が進行し、この縮合反応において揮発性のアルコールや水が生成する。また、前記イソシアネート硬化型クリア塗料Aのゲル化開始時における前記メラミン硬化型水性中塗り塗料aおよび前記メラミン硬化型水性ベース塗料aの相対損失弾性率は、それぞれ7.5s−2および1.1.s−2であった。
Claims (5)
- 基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記最上層を形成するための最上層用塗料として硬化温度TTが40℃以上200℃以下であり且つ熱処理による硬化反応において揮発性生成物を生成しない熱硬化型塗料を準備し、且つ、前記下層を形成するための下層用塗料のうちの少なくとも1種類として硬化温度TUが下記式(1)
TU≦TT−30 (1)
(式(1)中、TUは下層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示し、TTは最上層用熱硬化型塗料の硬化温度[℃]を示す。)
を満たす下層用熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料及び前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
下記式(2)
TU−20≦TL≦TT−30 (2)
および下記式(3)
TT−20≦TH≦TT+40 (3)
(式(2)および(3)中、TLは低温加熱温度[℃]を示し、THは高温加熱温度[℃]を示し、TUおよびTTは式(1)中のTUおよびTTと同義である。)
を満たす加熱温度TLおよびTHを設定する工程と、
前記未硬化積層塗膜に前記温度TLで熱処理を施して少なくとも前記下層用熱硬化型塗料を硬化させて最上層が未硬化の積層塗膜を形成し、次いで、最上層が未硬化の前記積層塗膜に前記温度THで熱処理を施して最上層用熱硬化型塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする塗装方法。 - 前記最上層用熱硬化型塗料が、前記温度TTにおける重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
- 前記下層が2層以上であり、前記下層を形成するための下層用塗料のすべてが前記下層用熱硬化型塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装方法。
- 最上層が未硬化の前記積層塗膜の揮発分濃度を4質量%以下に低減した後、最上層が未硬化の前記積層塗膜に前記温度THで熱処理を施して前記最上層用塗料を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
- 基材上に形成された少なくとも1層の下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を有する塗装体であって、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の塗装方法により得られたものであることを特徴とする塗装体。
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JPWO2013039066A1 (ja) * | 2011-09-13 | 2015-03-26 | 本田技研工業株式会社 | 複層塗膜の形成方法及び複層塗膜 |
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