JP2009024508A - バイオ燃料エンジン及びバイオ燃料供給方法 - Google Patents

バイオ燃料エンジン及びバイオ燃料供給方法 Download PDF

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【課題】エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができ、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低減させることができるバイオ燃料エンジン及びバイオ燃料供給方法を得る。
【解決手段】エンジン本体14の始動前は、ヒータ38でバイオ燃料Lを加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体14へ供給する。また、エンジン本体14の始動後は、エンジン本体14で発生する熱量をバイオ燃料Lで吸熱して、エンジン本体14を冷却すると共にバイオ燃料Lを加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体14へ供給する。これにより、バイオ燃料Lが燃料供給管20で滞留することがなくなると共に、エンジン本体14の始動後にヒータ38を用いてバイオ燃料Lを加熱する必要がなくなり、エンジン本体14を動作させるのに必要なエネルギー量を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオ燃料を消費して作動するバイオ燃料エンジン、及びバイオ燃料エンジンにバイオ燃料を供給するときのバイオ燃料供給方法に関する。
石油の代替燃料として、菜種、大豆、ヒマワリ等の植物性油脂、又は、牛脂やラード等の動物性油脂からなるバイオマス原料を使用したバイオマス燃料(以下、バイオ燃料という)の利用が期待されている。
バイオ燃料は、石油の代替燃料となるだけでなく、石油よりも二酸化炭素の発生量を低減する効果があり、地球温暖化対策としても有効な燃料である。
バイオ燃料を用いたエンジンの一例として、燃料タンクから燃料供給ポンプにより供給されたバイオ燃料をプランジャで加圧して、燃料噴射弁に圧送する燃料噴射装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
一方、燃料供給ポンプを備えた燃料噴射式のエンジンの一例として、燃料供給ポンプの冷却室に冷却燃料通路を接続して、該冷却燃料通路に燃料を送ることにより燃料供給ポンプの発熱を抑えるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−291104号公報 特開平8−261094号公報
しかし、特許文献1のエンジンでは、冬季又は寒冷地等、エンジンの使用温度が低い環境でエンジン本体を始動させるとき、バイオ燃料の粘度が高くなり、燃料供給ポンプ又は配管でバイオ燃料が詰まることがあった。このため、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することが困難であった。
また、特許文献1のエンジンでは、始動したエンジンが発熱したときに、クーラント等を利用したエンジンの冷却手段を別途設けて冷却する必要があり、クーラントを循環させるポンプ等を駆動するための余分なエネルギーを必要としていた。
一方、特許文献2のエンジンも特許文献1のエンジンと同様に、冬季又は寒冷地等、エンジンの使用温度が低い環境でエンジン本体を始動させるとき、バイオ燃料の粘度が高くなり、燃料供給ポンプ又は配管でバイオ燃料が詰まることがあった。このため、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することが困難であった。
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができ、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低減させることができるバイオ燃料エンジン及びバイオ燃料供給方法を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係るバイオ燃料エンジンは、バイオ燃料を消費して作動するエンジン本体と、前記エンジン本体の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段で検知された温度が低いときに、前記エンジン本体へ供給するバイオ燃料を加熱する第1予熱経路と、前記温度検知工程で検知された温度が高いときに、前記エンジン本体へ供給するバイオ燃料を前記エンジン本体から放熱される熱量によって予熱する第2予熱経路と、を有することを特徴としている。
上記構成によれば、まず、温度検知手段によってエンジン本体の温度が検知される。
エンジン本体の始動前等、温度検知手段で検知されたエンジン本体の温度が低いときに、第1予熱経路が、エンジン本体へ供給するバイオ燃料を加熱する。
このように、第1予熱経路において予めバイオ燃料を加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へバイオ燃料を供給するので、粘度の高いバイオ燃料が途中で滞留することがなくなり、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができる。
続いて、エンジン本体の始動後、温度検知手段で検知されたエンジン本体の温度が高いときに、第2予熱経路が、エンジン本体へ供給するバイオ燃料を、エンジン本体から放熱される熱量によって予熱する。
このように、エンジン本体の始動後は、エンジン本体で発生する熱量をバイオ燃料で吸収してエンジン本体を冷却するとともに、吸収した熱量によってバイオ燃料を予熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へ供給するので、エンジン本体の始動後に加熱手段を用いてバイオ燃料を加熱する必要がなくなる。また、バイオ燃料の吸熱によって、エンジン本体を冷却できるので、冷却手段を別途設ける必要がなくなる。
これにより、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低下させることができる。
本発明の請求項2に係るバイオ燃料エンジンは、前記第1予熱経路が、燃料タンク及び前記エンジン本体に接続され、前記燃料タンクから前記エンジン本体へ前記バイオ燃料が供給される燃料供給路と、前記燃料供給路を加熱する加熱手段と、を備え、前記第2予熱経路が、燃料供給路の前記燃料タンク側に一端部が接続され、他端部が前記エンジン本体側に接続されると共に、前記エンジン本体に接触配置され、前記エンジン本体で発生する熱量を前記バイオ燃料で吸収する吸熱路を備え、前記燃料供給路と前記吸熱路の一端部との接続部に設けられ、前記燃料タンクから供給されるバイオ燃料を、前記燃料供給路又は前記吸熱路に切り換えて流通させる第1切換手段と、前記燃料供給路と前記吸熱路の他端部との接続部に設けられ、前記燃料供給路から流通されたバイオ燃料と、前記吸熱路から流通されたバイオ燃料とを切り換えて、前記エンジン本体へ供給する第2切換手段と、前記第1切換手段及び前記第2切換手段を切り換え制御して、前記温度検知手段で検知された温度が所定の温度よりも低いときに、前記燃料供給路へ前記バイオ燃料を流通させると共に前記加熱手段を動作させて前記燃料供給路を加熱し、前記温度検知手段で検知された温度が所定の温度以上のときに、前記吸熱路へ前記バイオ燃料を流通させる制御手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、まず、燃料タンクから燃料供給路へバイオ燃料が供給される。このとき、第1切換手段及び第2切換手段は、燃料供給路側へバイオ燃料が供給されるように切り換えられている。
続いて、制御手段が、燃料供給路を加熱手段で加熱させ、燃料供給路内部を流れるバイオ燃料が加熱される。加熱されたバイオ燃料は、エンジン本体で利用可能な程度まで粘度が低下すると共に、エンジン本体へ供給される。このとき、温度検知手段で検知されたエンジン本体の温度は、所定の温度よりも低くなっている。
続いて、加熱供給されたバイオ燃料によってエンジン本体が始動され、温度検知手段で検知されたエンジン本体の温度が、所定の温度以上になったとき、制御手段が、第1切換手段及び第2切換手段を吸熱路側へ切り換える。
続いて、燃料タンクから吸熱路へ流通されたバイオ燃料は、始動後のエンジン本体で発生する熱量を吸収してエンジン本体を冷却するとともに自身が加熱され、エンジン本体で利用可能な程度まで粘度が低下して、エンジン本体へ供給される。
このように、加熱手段によって予めバイオ燃料を加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へバイオ燃料を供給するので、粘度の高いバイオ燃料が燃料供給路で滞留することがなくなり、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができる。
また、エンジン本体の始動後は、エンジン本体で発生する熱量を吸収してエンジン本体を冷却すると共に、吸収した熱量によってバイオ燃料を加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へ供給するので、エンジン本体の始動後に加熱手段を用いてバイオ燃料を加熱する必要がなくなる。そして、バイオ燃料の吸熱によって、エンジン本体を冷却できるので、冷却手段を別途設ける必要がなくなる。これにより、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低減させることができる。
さらに、第2切換手段を設けて、吸熱路を流通するバイオ燃料を燃料供給路に合流させてからエンジン本体へ供給するようにしたので、個別に配管を設ける必要がなく、配管の必要量を減らすことができる。
本発明の請求項3に係るバイオ燃料エンジンは、前記燃料タンクと前記第1切換手段の間に設けられ、前記燃料供給路又は前記吸熱路を流通する前記バイオ燃料を加圧して、前記バイオ燃料の流速を調整する加圧手段と、前記吸熱路を流通する前記バイオ燃料の温度を検知する燃料温度検知手段と、が設けられ、前記制御手段が、前記燃料温度検知手段で検知された温度に基づいて、前記加圧手段の加圧力を制御することを特徴としている。
上記構成によれば、燃料温度検知手段が、吸熱路を流通するバイオ燃料の温度を検知して所定の温度を超えている場合、制御手段が、検知温度に基づいて加圧手段の加圧力を増加させ、吸熱路を流れるバイオ燃料の流速を増加させる。
流速が増加したバイオ燃料は、エンジン本体で発生した熱量を吸収する時間が減少するため、流速を増加させる前のバイオ燃料と比べて吸熱量が低下して温度低下する。これにより、エンジン本体に供給されるバイオ燃料の過剰な昇温を防げる。
本発明の請求項4に係るバイオ燃料エンジンは、前記第2切換手段より上流側にある前記吸熱路に一端部が接続され、他端部が前記加圧手段より上流側にある前記燃料供給路に接続され、バイオ燃料を前記吸熱路から前記燃料供給路に還流する還流路と、前記吸熱路と前記還流路の接続部に配置され、前記吸熱路から前記燃料供給路へ流れる前記バイオ燃料の流量と、前記吸熱路から前記還流路に流れる前記バイオ燃料の流量との還流比率を変更可能に設けられた還流比率変更手段と、前記燃料供給路と前記還流路の接続部に配置され、前記還流路から前記燃料供給路へ流れる前記バイオ燃料の流量と、前記燃料タンクから前記燃料供給路に流れる前記バイオ燃料の流量との供給比率を変更可能に設けられた供給比率変更手段と、が設けられ、前記制御手段が、前記燃料温度検知手段で検知されたバイオ燃料の温度に基づいて、前記還流比率変更手段及び前記供給比率変更手段における前記還流比率及び前記供給比率を変更制御することを特徴としている。
上記構成によれば、燃料温度検知手段で検知されたバイオ燃料の温度に基づいて、制御手段が還流比率変更手段と供給比率変更手段を制御して、バイオ燃料の還流比率及び供給比率を所定の比率とする。
吸熱路を流れるバイオ燃料は、還流比率変更手段において、所定の還流比率に基づいて2方向に分けられ、一部がエンジン本体へ供給され、残りが還流路へ還流される。
ここで、エンジン本体の熱量で加熱されたバイオ燃料は、還流路を流れる間に放熱され、温度が低下する。そして、還流路を流れたバイオ燃料は、供給比率変更手段に到達し、所定の供給比率に基づいて、燃料タンクから供給されるバイオ燃料と混合される。
このように、例えば、吸熱路からエンジン本体へ供給されるバイオ燃料の温度が、所定の温度よりも高温となったとき、バイオ燃料を還流路へ還流して温度低下させてから、再度エンジン本体へ供給可能となるので、エンジン本体に供給されるバイオ燃料の温度変動を抑えバイオ燃料の粘度の変動を抑えることができる。
本発明の請求項5に係るバイオ燃料エンジンは、前記還流路から分岐して、前記バイオ燃料の熱量を放熱する放熱器を備えた放熱還流路と、前記放熱還流路と前記還流路の分岐部に配置され、前記還流路に還流されたバイオ燃料を、前記還流路又は前記放熱還流路に切り換えて流通させる第3切換手段と、前記第3切換手段と前記供給比率変更手段の間にある前記還流路と前記放熱還流路との接続部に配置され、バイオ燃料の流路を切り換えて、前記還流路からバイオ燃料を前記供給比率変更手段へ流通させる第4切換手段と、を設けたことを特徴としている。
上記構成によれば、例えば、寒冷地でエンジン本体を動作させるときには、還流路の周囲の温度が低いため、放熱器及び放熱還流路を用いずに還流路を用いてバイオ燃料を還流する。これにより、還流されるバイオ燃料の温度が極端に低下することがなくなり、粘度の低下が抑えられ、バイオ燃料が放熱還流路の途中で詰まることがなくなる。
一方、温暖な場所でエンジン本体を動作させるときには、放熱還流路を用いてバイオ燃料を還流する。これにより、エンジン本体で加熱された高温状態のバイオ燃料の放熱を、放熱器で強制的に行い、バイオ燃料の温度をエンジン本体へ供給可能な温度まで低下させることができる。
本発明の請求項6に係るバイオ燃料供給方法は、バイオ燃料を貯留する燃料タンクから、該バイオ燃料を消費して作動するエンジン本体へ該バイオ燃料を供給するバイオ燃料供給方法において、前記エンジン本体に取り付けられた温度検知手段により、前記エンジン本体の温度を検知する温度検知工程と、前記燃料タンクから前記エンジン本体へバイオ燃料を供給する途中で、該バイオ燃料を加熱する加熱手段によって、該バイオ燃料を予熱する第1予熱工程と、前記燃料タンクから前記エンジン本体へバイオ燃料を供給する途中で、前記エンジン本体から放熱される熱量によって、該バイオ燃料を予熱する第2予熱工程と、前記第1予熱工程及び前記第2予熱工程を切り換えて、前記温度検知工程で検知された温度が所定の温度よりも低いときに、前記第1予熱工程を実行し、前記温度検知工程で検知された温度が所定の温度よりも高いときに、前記第2予熱工程を実行する切換工程と、を有することを特徴としている。
上記構成によれば、まず、温度検知手段によってエンジン本体の温度が検知される。
エンジン本体の始動前等、温度検知工程で検知されたエンジン本体の温度が所定の温度よりも低いときに切換制御工程が行われて、第1予熱工程に切り換えられる。
続いて、第1予熱工程が行われ、燃料タンクからエンジン本体へ供給される途中のバイオ燃料が加熱手段で予熱されてエンジン本体へ供給される。
このように、加熱手段によって予めバイオ燃料を加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へバイオ燃料を供給するので、粘度の高いバイオ燃料が途中で滞留することがなくなり、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができる。
続いて、エンジン本体の始動後、温度検知工程で検知されたエンジン本体の温度が所定の温度よりも高いときに切換制御工程が行われて、第2予熱工程に切り換えられる。
続いて、第2予熱工程が行われ、燃料タンクからエンジン本体へ供給される途中のバイオ燃料が、エンジン本体から放熱される熱量によって予熱され、エンジン本体へ供給される。
このように、エンジン本体の始動後は、エンジン本体で発生する熱量をバイオ燃料で吸収してエンジン本体を冷却するとともに、吸収した熱量によってバイオ燃料を加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体へ供給するので、エンジン本体の始動後に加熱手段を用いてバイオ燃料を加熱する必要がなくなり、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低下させることができる。
本発明は上記構成としたので、エンジン本体の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料をエンジン本体へ供給することができる。また、エンジン本体を動作させるのに必要なエネルギー量を低減させることができる。
本発明のバイオ燃料エンジン及びバイオ燃料供給方法の実施形態を図面に基づき説明する。
図1には、バイオ燃料Lを燃料とするバイオ燃料エンジン10が示されている。
バイオ燃料Lは、菜種油を原材料として、メチルアルコールとアルカリ触媒でエステル化してグリセリンを分離除去したものである。バイオ燃料Lの粘度は、4〜5cst(センチストローク)となっている。
バイオ燃料エンジン10は、バイオ燃料Lが貯留された燃料タンク12と、バイオ燃料Lを消費して作動するエンジン本体14とを有している。
エンジン本体14は、図示しないピストンを内包する4つのシリンダ16と、各シリンダ16へバイオ燃料Lを噴射する4つの噴射ノズル18とを有している。各シリンダ16内では、予め、図示しないボンベ及び配管からなる供給手段によって供給された空気が、圧縮されている。
また、バイオ燃料エンジン10は、バイオ燃料Lが流通する主な配管として、燃料タンク12からエンジン本体14へバイオ燃料Lが供給される燃料供給管20と、燃料供給管20から分岐されエンジン本体14に接触配置された吸熱管22と、吸熱管22から分岐され一部のバイオ燃料Lが燃料供給管20に還流される還流管24と、を有している。
燃料供給管20は、接続された複数の配管20A、20B、20C、20D、20E、20F、20Gで構成されている。吸熱管22は、接続された配管22A、22Bで構成されている。還流管24は、接続された配管24A、24B、24Cで構成されている。
燃料タンク12は、バイオ燃料Lを補充するための注入口26が上面に設けられている。また、燃料タンク12の内側には、液面高さを検知することによりバイオ燃料Lの残量を検知する残量センサ28と、バイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ30が配設されている。
残量センサ28及び温度センサ30は、バイオ燃料エンジン10の各部の動作を所定のプログラムにより制御する制御回路及び複数の入出力ライン(図示せず)を備えた制御ユニット32に接続されている。制御ユニット32において、残量センサ28はAライン、温度センサ30はBラインにそれぞれ接続されている。
燃料タンク12の外側の底面には、面状発熱体からなるヒータ34が取り付けられている。ヒータ34は、制御ユニット32に電気的に接続されており、温度センサ30で検知されたバイオ燃料Lの温度が40℃より低いとき、制御ユニット32から通電されて発熱し、バイオ燃料の温度が40℃になるまで燃料タンク12を加熱するようになっている。
また、燃料タンク12の底面の一部には、燃料タンク12内部のバイオ燃料Lが送出される送出口36が形成されている。
送出口36には、燃料供給管20の一方端(配管20A)が図示しない継手により接続されている。
燃料供給管20において、配管20A〜20Eの外周壁には、複数の面状発熱体からなるヒータ38が取り付けられている。ヒータ38は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの通電によって発熱するようになっている。
配管20Aの途中には、制御ユニット32によって内部に設けられたバルブ(図示せず)の開閉が行われ、当該バルブの開放時に、燃料タンク12から配管20Aにバイオ燃料を供給する供給ユニット40が設けられている。
供給ユニット40は、バイオ燃料Lに含まれる不純物を除去するフィルター(図示せず)が取り付けられている。
配管20A、配管20B、及び配管24Cの接続部42には、一方を配管20A、他方を配管24Cとする2方向から供給されるバイオ燃料Lを、所定比率で混合して配管20Bへ供給する混合バルブ44が設けられている。
混合バルブ44は、制御ユニット32に電気的に接続されている。また、混合バルブ44は、後述する温度センサ85で検知された温度に基づいて、制御ユニット32がバルブの開放状態を制御することで、配管20Aから供給されるバイオ燃料Lの供給量と、配管24Cから供給されるバイオ燃料Lの供給量の比である供給比率が可変となっている。
さらに、混合バルブ44は、燃料供給管20を選択利用している場合は、配管20Aから供給されるバイオ燃料Lを100%流通させる。また、吸熱管22を選択利用している場合は、温度センサ85で検知された温度が40℃のときに、配管20Aが30%、配管24Cが70%の供給比率に設定されるようになっている。また、温度センサ85で検知された温度が上昇するほど、配管20Aからの供給比率が増加するようになっている。
配管20Bの途中には、燃料供給管20を流通するバイオ燃料Lを加圧して所定の流速に調整する加圧ポンプ46が設けられている。加圧ポンプ46は、制御ユニット32に電気的に接続されており、予め、所定の加圧力で配管20B内のバイオ燃料Lを加圧するように設定されている。
配管20B、配管20C、及び配管22Aの接続部48には、配管20Bから供給されるバイオ燃料Lを、配管20C又は配管22Aへ切り換えて流通させる第1切換バルブ50が設けられている。
第1切換バルブ50は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの指示により、バイオ燃料Lの供給先を配管20C又は配管22Aに切り換えるようになっている。
配管20Cには、内側を流通するバイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ52が配設されている。温度センサ52は、サーミスタで構成され、制御ユニット32に電気的に接続されている。制御ユニット32では、温度センサ52からの出力が温度に換算されるようになっており、温度センサ52で検知された温度が40℃より低いときに、前述のヒータ38に通電して、略40℃となるまでフィードバック制御するようになっている。
配管20C、配管20D、及び配管22Bの接続部54には、配管20C又は配管22Bから供給されるバイオ燃料Lを切り換えて、配管20Dへ流通させる第2切換バルブ56が設けられている。
第2切換バルブ56は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの指示により、バイオ燃料Lの供給元を配管20C又は配管22Bに切り換えるようになっている。
一方、エンジン本体14の外壁には、エンジン本体14の温度を検知する温度センサ58が配設されている。温度センサ58は、制御ユニット32のCラインに電気的に接続されている。また、制御ユニット32では、温度センサ58からの出力が温度に換算されるようになっている。
ここで、制御ユニット32は、温度センサ58で検知されたエンジン本体14の温度が、予め設定された所定の温度(例えば、100℃)よりも低いときに、第1切換バルブ50及び第2切換バルブ56を燃料供給管20側に切り換え、ヒータ38に通電するようになっている。また、温度センサ58で検知されたエンジン本体14の温度が、予め設定された所定の温度(例えば、100℃)以上のときに、第1切換バルブ50及び第2切換バルブ56を吸熱管22側に切り換えるようになっている。
燃料供給管20及びヒータ38によって、本発明の第1予熱経路が構成され、吸熱管22によって第2予熱経路が構成されている。
本実施形態では、エンジン本体14の温度が100℃以上を高温、100℃よりも低い温度を低温と区別している。よって、温度が低いときとは、エンジン本体14の温度が100℃より低いことを意味しており、温度が高いときとは、エンジン本体14の温度が100℃以上であることを意味している。
なお、所定温度を100℃としているが、所定温度は、エンジン本体14の構造、バイオ燃料Lの種類、各配管の径及び長さ等の構成によって適宜設定されるものであり、必ずしも100℃に限るものではない。
配管20Dの途中には、内側を流通するバイオ燃料L中の気泡の有無を超音波で検知する気泡センサ60と、バイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ62が配設されている。気泡センサ60及び温度センサ62は、制御ユニット32に電気的に接続されている。制御ユニット32では、温度センサ62からの出力が温度に換算されるようになっている。
ここで、制御ユニット32は、温度センサ62で検知された温度と、温度センサ52で検知された温度の両方が40℃となるように、ヒータ38に通電するようになっている。
配管20Dと配管20Eの接続部64には、配管20Dを流通するバイオ燃料Lに含まれる気泡を脱気する脱気装置66が設けられている。
脱気装置66は、バイオ燃料Lを旋回させて得られる遠心力により、密度の小さい気泡と密度の大きいバイオ燃料Lを分離させる構成となっている。また、脱気装置66と配管24Aは、図示しない継ぎ手により接続された配管68によって内部が連通している。これにより、脱気装置66で脱気したときに一部余計に除去されたバイオ燃料Lを、配管68を介して配管24Aに還流させるようになっている。
配管20Eと配管20Fの接続部70には、バイオ燃料Lを加圧して配管20Fに送り込む加圧ポンプ72が設けられている。加圧ポンプ72は、制御ユニット32に電気的に接続されており、予め、所定の加圧力で配管20F及び配管20G内のバイオ燃料Lを加圧するように設定されている。
配管20Fの途中には、内側を流通するバイオ燃料Lの流量を超音波を用いて計測する流量センサ74と、バイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ76が配設されている。流量センサ74及び温度センサ76は、制御ユニット32に電気的に接続されている。制御ユニット32では、温度センサ76からの出力が温度に換算されるようになっている。
一方、配管20Gは、エンジン本体14内部に配設されており、エンジン本体14の側壁に設けられた図示しない継ぎ手からなる接続部78において、配管20Fと配管20Gが接続されている。また、配管20Gの途中4箇所には、図示しない継ぎ手によって前述の噴射ノズル18が接続されている。
配管20F及び配管20Gの外側周壁には、複数の面状発熱体からなるヒータ80が取り付けられている。ヒータ80は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32によって、温度センサ76で検知された温度が50℃となるまで通電され、発熱するようになっている。なお、制御ユニット32において、ヒータ80の加熱は、前述のヒータ38の加熱と独立して行われるようになっている。
配管20Gの末端には、図示しない継ぎ手により配管82の一端が接続されており、配管82の他端が、同様にして配管24Aに接続されている。これにより、配管20Gと配管24Aが連通しており、噴射ノズル18で噴射されなかったバイオ燃料Lが、配管24Aに還流されるようになっている。
配管82における配管20Gの近傍には、内側を流通するバイオ燃料Lの流量を超音波を用いて計測する流量センサ84が配設されている。流量センサ84は、制御ユニット32のEラインに電気的に接続されている。
ここで、制御ユニット32は、流量センサ74で検知されたバイオ燃料Lの流量VAと、流量センサ84で検知されたバイオ燃料Lの流量VBとの差分流量ΔV=VA−VBに基づいて供給ユニット40を動作させ、燃料タンク12から、必要量のバイオ燃料Lを配管20Aに供給するようになっている。
一方、配管22Aの途中には、内側を流通するバイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ85が配設されている。温度センサ85は、制御ユニット32のDラインに電気的に接続されている。また、制御ユニット32は、温度センサ85で検知された温度に基づいて、前述の加圧ポンプ72の加圧力を変更制御するようになっている。
また、吸熱管22及び還流管24において、配管22A、配管22B、及び配管24Aの接続部86には、配管22Aから供給されるバイオ燃料Lを、所定の比率で配管22B、24Aに分けて、配管24Aに還流させる還流バルブ88が設けられている。
還流バルブ88は、制御ユニット32に電気的に接続されている。また、還流バルブ88は、温度センサ85で検知された温度に基づいて、制御ユニット32がバルブの開放状態を制御することにより、配管22Bへ供給されるバイオ燃料Lの供給量と、配管24Aへ還流されるバイオ燃料Lの供給量との比である還流比率が可変となっている。本実施形態では、温度センサ85で検知された温度が40℃のときに、配管22Bが30%、配管24Aが70%の還流比率に設定されるようになっている。また、温度センサ85で検知された温度が上昇するほど、配管24Aへ還流される還流比率が増加するようになっている。
配管24Aの外周壁には、複数の面状発熱体からなるヒータ90が取り付けられている。ヒータ90は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの通電によって発熱するようになっている。
配管24Aの途中には、内側を流通するバイオ燃料Lの温度を検知する温度センサ92が配設されている。温度センサ92は、制御ユニット32のFラインに電気的に接続されている。また、制御ユニット32では、温度センサ92からの出力が温度に換算されるようになっている。
ここで、ヒータ90は、制御ユニット32によって、温度センサ92で検知された温度が40℃となるまで通電され、発熱するようになっている。なお、制御ユニット32において、ヒータ90の加熱は、前述のヒータ38、80の加熱と独立して行われるようになっている。
一方、配管24Bと所定の距離離間した位置には、バイオ燃料Lの放熱を行うラジエータ94が配設されている。また、還流管24から分岐され、一部のバイオ燃料Lをラジエータ94に流通させる放熱管96が配設されている。放熱管96は、配管96Aと配管96Bで構成されている。
ラジエータ94は、バイオ燃料Lが流入される流入口94Aと、ラジエータ94内部を流通して放熱されたバイオ燃料Lが流出される流出口94Bが形成されている。ラジエータ94の流入口94Aには、配管96Aが接続されており、流出口94Bには、配管96Bが接続されている。
配管24A、配管24B、及び配管96Aの接続部98には、配管24Aを流通するバイオ燃料Lを、配管24B又は配管96Aに切り換えて流通させる第3切換バルブ100が設けられている。
第3切換バルブ100は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの指示により、配管24Aを流通するバイオ燃料Lの流通先が配管24B又は配管96Aに切り換えられるようになっている。
配管24B、配管96B、及び配管24Cの接続部102には、配管24B又は配管96Bから流通されるバイオ燃料Lを切り換えて、配管24Cへ流通させる第4切換バルブ104が設けられている。
第4切換バルブ104は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの指示により、バイオ燃料Lの供給元が配管24B又は配管96Bに切り換えられるようになっている。
ここで、第3切換バルブ100及び第4切換バルブ104は、前述の温度センサ92で検知された温度が50℃以上の場合に、制御ユニット32によって切り換え制御され、バイオ燃料Lの流通先を放熱管96に切り換えるようになっている。
また、温度センサ92で検知された温度が50℃より低い場合は、バイオ燃料Lの流通先が配管24Bに切り換えられるようになっている。
配管24Bの外周壁には、複数の面状発熱体からなるヒータ106が取り付けられている。ヒータ106は、制御ユニット32に電気的に接続されており、制御ユニット32からの通電によって発熱するようになっている。
ここで、ヒータ106は、制御ユニット32によって、温度センサ92で検知された温度が30℃より低いときに通電され、発熱するようになっている。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
図1及び図2aに示すように、バイオ燃料エンジン10は、エンジン本体の始動前に、予め、温度センサ58で温度が検知される。温度センサ58で検知される温度は、エンジン本体が始動していないので、所定の温度(100℃)よりも低くなっている。
制御ユニット32は、温度センサ58で検知された温度が所定の温度よりも低いため、第1切換バルブ50及び第2切換バルブ56を、燃料供給管20側へ切り換える。また、第3切換バルブ100及び第4切換バルブ104を、配管24B側へ切り換える。
続いて、温度センサ30によって燃料タンク12内のバイオ燃料Lの温度が検知される。バイオ燃料エンジン10の動作開始前は、燃料タンク12周辺は常温となっているので、制御ユニット32からヒータ34に通電され、バイオ燃料Lが温められる。これにより、バイオ燃料Lが各配管を流通可能な粘度となる。
続いて、制御ユニット32が供給ユニット40を作動させ、燃料タンク12から燃料供給管20の配管20Aへ向けてバイオ燃料Lが供給される。このとき、バイオ燃料L中の不純物は、供給ユニット40内のフィルターで除去される。供給ユニット40を通過したバイオ燃料Lは、混合バルブ44及び配管20Bを流通して加圧ポンプ46に到達する。
続いて、制御ユニット32が加圧ポンプ46を駆動して、バイオ燃料Lを配管20Cに圧送する。バイオ燃料Lは、第1切換バルブ50、配管20C、第2切換バルブ56、及び配管20Dを流通して、脱気装置66に到達する。このとき、温度センサ52及び温度センサ62が、配管20C及び配管20Dを流通するバイオ燃料Lの温度を検知する。
制御ユニット32は、温度センサ52及び温度センサ62で検知された温度が40℃よりも低いとき、ヒータ38に通電して、燃料供給管20を加熱する。これにより、燃料供給管20を流通するバイオ燃料Lが加熱され、エンジン本体14で利用可能な程度まで粘度が低下する。
続いて、配管20Dでは、気泡センサ60によって、バイオ燃料L中の気泡の有無が検知される。ここで、気泡センサ60が気泡を検知したとき、制御ユニット32によって脱気装置66が駆動され、バイオ燃料L中の気泡が除去される。
続いて、脱気装置66で気泡除去されたバイオ燃料Lは、配管20Eを流通して、加圧ポンプ72でさらに圧送される。ここで、温度センサ76で検知された温度が所定温度よりも低いとき、制御ユニット32が、ヒータ80に通電して、配管20F、20Gを加熱する。これにより、バイオ燃料Lがノズル18から噴射されるとき、燃焼のための最適な噴霧粒径にすることができる。
続いて、バイオ燃料Lは、配管20F及び配管20Gを流通して、ノズル18からシリンダ16内へ噴射される。
ここで、シリンダ16内では、圧縮された空気によって温度上昇しており、噴射されたバイオ燃料Lが燃焼する。このとき、燃焼ガスの膨張により、シリンダ16内の図示しないピストンが駆動され、バイオ燃料エンジン10が作動する。
エンジン本体14で噴射に用いられなかったバイオ燃料Lは、配管82、配管24A、第3切換バルブ100、配管24B、第4切換バルブ104、及び配管24Cを経由して、混合バルブ44から配管20Bへ還流される。
一方、制御ユニット32は、流量センサ74で検知されたバイオ燃料Lの流量VAと、流量センサ84で検知されたバイオ燃料Lの流量VBとの差分流量ΔV=VA−VBに基づいて供給ユニット40を作動させ、燃料タンク12から必要量のバイオ燃料Lを配管20Aに供給する。これにより、燃料供給管20に必要量のバイオ燃料Lが供給される。
続いて、加熱供給されたバイオ燃料Lによってエンジン本体14が作動すると、バイオ燃料Lの燃焼熱によって、エンジン本体14が発熱する。そして、エンジン本体14の温度が温度センサ58で検知される。
続いて、図1及び図2bに示すように、温度センサ58で検知された温度が所定の温度(100℃)以上のとき、制御ユニット32が、第1切換バルブ50及び第2切換バルブ56を吸熱管22側に切り換える。
続いて、配管20Bを流通したバイオ燃料Lは、加圧ポンプ46で加圧され、第1切換バルブ50から吸熱管22へ供給される。吸熱管22では、流通するバイオ燃料Lが、エンジン本体14で発生する熱量を吸収してエンジン本体14を冷却するとともに、自身が加熱され、エンジン本体で利用可能な程度まで粘度が低下する。
続いて、温度センサ85が、配管22A内のバイオ燃料Lの温度を検知する。ここで、温度センサ85で検知された温度が所定の温度よりも高いとき、制御ユニット32は、加圧ポンプ46の加圧力を増加させ、吸熱管22を流通するバイオ燃料Lの流速を増加させる。これにより、吸熱管22にバイオ燃料Lが滞留する時間が減少して、バイオ燃料Lの温度が所定の温度まで低下する。
続いて、配管22Aを流通したバイオ燃料Lは、還流バルブ88において、配管22Bの流量が30%、配管24Aの流量が70%となるように分流される。
分流され配管22Bを流通したバイオ燃料Lは、第1切換バルブ56から配管20Dに流入して、脱気装置66、配管20E、加圧ポンプ72、配管20F、及び配管20Gを経由して、ノズル18からシリンダ16内へ噴射される。脱気装置66では、バイオ燃料L中の気泡を除去するとき、一部のバイオ燃料Lが配管68を経由して、還流管24に還流される。
図1及び図3aに示すように、分流され配管24Aに流入したバイオ燃料Lは、温度センサ92で検知された温度が50℃より低いとき、第3切換バルブ100、配管24B、第4切換バルブ104、及び配管24Cを経由して、混合バルブ44から配管20Bへ還流される。
一方、図1及び図3bに示すように、温度センサ92で検知されたバイオ燃料Lの温度が50℃以上のとき、制御ユニット22が、第3切換バルブ100及び第4切換バルブ104を放熱管96側に切り換える。
配管24Aを流通したバイオ燃料Lは、第3切換バルブ100、配管96A、ラジエータ94、配管96B、第4切換バルブ104、及び配管24Cを経由して、混合バルブ44から配管20Bへ還流される。ここで、バイオ燃料Lは、ラジエータ94を流通する間に放熱され、温度低下する。
なお、寒冷地においてバイオ燃料エンジン10を動作させるとき、還流管24の温度が40℃よりも低下することが多くなる。このとき、温度センサ92で検知された温度に基づいて、制御ユニット32が、ヒータ90及びヒータ106に通電して還流管24を加熱する。これにより、バイオ燃料Lの粘度が所定の値となり、還流管24内でバイオ燃料Lが詰まることがなくなる。
また、放熱管96内でバイオ燃料Lの粘度が高くなっている場合、還流管24から温度の高いバイオ燃料Lが流入することにより、粘度が低下し、燃料供給管20に供給可能となる。
以上説明したように、本発明では、ヒータ38によって予めバイオ燃料Lを加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体14へバイオ燃料Lを供給する。これにより、粘度の高いバイオ燃料Lが燃料供給管20で滞留することがなくなり、エンジン本体14の始動前から、必要な供給量のバイオ燃料Lをエンジン本体14へ供給することができる。
また、エンジン本体14の始動後は、エンジン本体14で発生する熱量をバイオ燃料Lで吸収してエンジン本体14を冷却すると共に、吸収した熱量によってバイオ燃料Lを加熱して、所定の粘度まで低下させてからエンジン本体14へ供給する。これにより、エンジン本体14の始動後にヒータ38を用いてバイオ燃料Lを加熱する必要がなくなり、エンジン本体14を動作させるのに必要なエネルギー量を低減させることができる。
さらに、従来は、エンジン本体14を冷却するのにクーラント液(冷却液)を使用しており、クーラント液は定期的な交換が必要であったが、本発明のバイオ燃料エンジン10では、バイオ燃料Lでエンジン本体14を冷却するとともに、バイオ燃料Lを温めて、その後燃焼させて消費するので、クーラント液の交換作業が不要となる。
また、温度センサ85が、吸熱管22を流通するバイオ燃料Lの温度を検知して、所定の温度を超えている場合、制御ユニット32が、検知温度に基づいて加圧ポンプ46の加圧力を増加させ、吸熱管22を流れるバイオ燃料Lの流速を増加させる。流速が増加したバイオ燃料Lは、エンジン本体14で発生した熱量を吸収する時間が減少するため、流速を増加させる前のバイオ燃料Lと比べて吸熱量が低下して温度低下する。これにより、エンジン本体14に供給されるバイオ燃料Lの過剰な昇温を防ぐことができる。
さらに、吸熱管22からエンジン本体14へ供給されるバイオ燃料Lの温度が、所定の温度よりも高温となったとき、バイオ燃料Lを還流管24へ還流して温度低下させてから、再度エンジン本体14へ供給可能となるので、エンジン本体14に供給されるバイオ燃料Lの温度変動を抑え、バイオ燃料Lの粘度の変動を抑えることができる。
また、寒冷地でエンジン本体14を動作させるときには、還流管24の周囲の温度が低いため、ラジエータ94及び放熱管96を用いずに、還流管24を用いてバイオ燃料Lを還流する。これにより、還流されるバイオ燃料Lの温度が極端に低下することがなくなり、粘度の低下が抑えられ、バイオ燃料Lが放熱管96の途中で詰まることがなくなる。
一方、温暖な場所でエンジン本体14を動作させるときには、放熱管96を用いてバイオ燃料Lを還流する。これにより、エンジン本体14で加熱された高温状態のバイオ燃料Lの放熱を、ラジエータ94で強制的に行い、バイオ燃料Lの温度をエンジン本体14へ供給可能な温度まで低下させることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
バイオ燃料Lは、原材料として菜種油以外に、ひまわり油、大豆油、コーン油、パーム油等の植物性油脂、又は牛脂やラード等の動物性油脂を用いてもよい。また、バイオ燃料Lは、加熱によって粘度を低下させることができるため、エステル化工程を省略したもの(ニート燃料)を用いることができる。
エンジン本体14は、加圧した空気にバイオ燃料Lを噴射して燃焼させるディーゼルタイプのエンジンだけでなく、バイオエタノール等、アルコール系の火花点火機関であってもよい。
第2切換バルブ56を用いずに、第1切換バルブ50のみを用いて、吸熱管22をエンジン本体14に直接接続するようにしてもよい。
燃料供給管20及び吸熱管22を、分岐又は合流させずに、それぞれ独立して燃料タンク12及びエンジン本体14に接続して、温度センサ58で検知された温度に基づいて切り換えてもよい。
本発明の実施形態に係るバイオ燃料エンジンの構成図である。 本発明の実施形態に係るバイオ燃料エンジンにおけるバイオ燃料の流通経路を示した模式図である。 本発明の実施形態に係るバイオ燃料エンジンにおけるバイオ燃料の流通経路を示した模式図である。
符号の説明
10 バイオ燃料エンジン(バイオ燃料エンジン)
12 燃料タンク(燃料タンク)
14 エンジン本体(エンジン本体)
20 燃料供給管(燃料供給路、第1予熱経路)
22 吸熱管(吸熱路、第2予熱経路)
24 還流管(還流路)
32 制御ユニット(制御手段)
38 ヒータ(加熱手段、第1予熱経路)
44 混合バルブ(供給比率変更手段)
46 加圧ポンプ(加圧手段)
50 第1切換バルブ(第1切換手段)
56 第2切換バルブ(第2切換手段)
58 温度センサ(温度検知手段)
85 温度センサ(燃料温度検知手段)
88 還流バルブ(還流比率変更手段)
94 ラジエータ(放熱器)
96 放熱管(放熱還流路)
100 第3切換バルブ(第3切換手段)
104 第4切換バルブ(第4切換手段)
L バイオ燃料(バイオ燃料)

Claims (6)

  1. バイオ燃料を消費して作動するエンジン本体と、
    前記エンジン本体の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段で検知された温度が低いときに、前記エンジン本体へ供給するバイオ燃料を加熱する第1予熱経路と、
    前記温度検知工程で検知された温度が高いときに、前記エンジン本体へ供給するバイオ燃料を前記エンジン本体から放熱される熱量によって予熱する第2予熱経路と、
    を有することを特徴とするバイオ燃料エンジン。
  2. 前記第1予熱経路が、燃料タンク及び前記エンジン本体に接続され、前記燃料タンクから前記エンジン本体へ前記バイオ燃料が供給される燃料供給路と、前記燃料供給路を加熱する加熱手段と、を備え、
    前記第2予熱経路が、燃料供給路の前記燃料タンク側に一端部が接続され、他端部が前記エンジン本体側に接続されると共に、前記エンジン本体に接触配置され、前記エンジン本体で発生する熱量を前記バイオ燃料で吸収する吸熱路を備え、
    前記燃料供給路と前記吸熱路の一端部との接続部に設けられ、前記燃料タンクから供給されるバイオ燃料を、前記燃料供給路又は前記吸熱路に切り換えて流通させる第1切換手段と、
    前記燃料供給路と前記吸熱路の他端部との接続部に設けられ、前記燃料供給路から流通されたバイオ燃料と、前記吸熱路から流通されたバイオ燃料とを切り換えて、前記エンジン本体へ供給する第2切換手段と、
    前記第1切換手段及び前記第2切換手段を切り換え制御して、前記温度検知手段で検知された温度が所定の温度よりも低いときに、前記燃料供給路へ前記バイオ燃料を流通させると共に前記加熱手段を動作させて前記燃料供給路を加熱し、前記温度検知手段で検知された温度が所定の温度以上のときに、前記吸熱路へ前記バイオ燃料を流通させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオ燃料エンジン。
  3. 前記燃料タンクと前記第1切換手段の間に設けられ、前記燃料供給路又は前記吸熱路を流通する前記バイオ燃料を加圧して、前記バイオ燃料の流速を調整する加圧手段と、
    前記吸熱路を流通する前記バイオ燃料の温度を検知する燃料温度検知手段と、
    が設けられ、
    前記制御手段が、前記燃料温度検知手段で検知された温度に基づいて、前記加圧手段の加圧力を制御することを特徴とする請求項2に記載のバイオ燃料エンジン。
  4. 前記第2切換手段より上流側にある前記吸熱路に一端部が接続され、他端部が前記加圧手段より上流側にある前記燃料供給路に接続され、バイオ燃料を前記吸熱路から前記燃料供給路に還流する還流路と、
    前記吸熱路と前記還流路の接続部に配置され、前記吸熱路から前記燃料供給路へ流れる前記バイオ燃料の流量と、前記吸熱路から前記還流路に流れる前記バイオ燃料の流量との還流比率を変更可能に設けられた還流比率変更手段と、
    前記燃料供給路と前記還流路の接続部に配置され、前記還流路から前記燃料供給路へ流れる前記バイオ燃料の流量と、前記燃料タンクから前記燃料供給路に流れる前記バイオ燃料の流量との供給比率を変更可能に設けられた供給比率変更手段と、
    が設けられ、
    前記制御手段が、前記燃料温度検知手段で検知されたバイオ燃料の温度に基づいて、前記還流比率変更手段及び前記供給比率変更手段における前記還流比率及び前記供給比率を変更制御することを特徴とする請求項3に記載のバイオ燃料エンジン。
  5. 前記還流路から分岐して、前記バイオ燃料の熱量を放熱する放熱器を備えた放熱還流路と、
    前記放熱還流路と前記還流路の分岐部に配置され、前記還流路に還流されたバイオ燃料を、前記還流路又は前記放熱還流路に切り換えて流通させる第3切換手段と、
    前記第3切換手段と前記供給比率変更手段の間にある前記還流路と前記放熱還流路との接続部に配置され、バイオ燃料の流路を切り換えて、前記還流路からバイオ燃料を前記供給比率変更手段へ流通させる第4切換手段と、
    を設けたことを特徴とする請求項4に記載のバイオ燃料エンジン。
  6. バイオ燃料を貯留する燃料タンクから、該バイオ燃料を消費して作動するエンジン本体へ該バイオ燃料を供給するバイオ燃料供給方法において、
    前記エンジン本体に取り付けられた温度検知手段により、前記エンジン本体の温度を検知する温度検知工程と、
    前記燃料タンクから前記エンジン本体へバイオ燃料を供給する途中で、該バイオ燃料を加熱する加熱手段によって、該バイオ燃料を予熱する第1予熱工程と、
    前記燃料タンクから前記エンジン本体へバイオ燃料を供給する途中で、前記エンジン本体から放熱される熱量によって、該バイオ燃料を予熱する第2予熱工程と、
    前記第1予熱工程及び前記第2予熱工程を切り換えて、前記温度検知工程で検知された温度が所定の温度よりも低いときに、前記第1予熱工程を実行し、前記温度検知工程で検知された温度が所定の温度よりも高いときに、前記第2予熱工程を実行する切換工程と、
    を有することを特徴とするバイオ燃料供給方法。
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