JP2009014994A - 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性ポリエステル樹脂と、非結晶性ポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有し、該トナーのトルエン可溶分中に含まれる樹脂のうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分収されたポリスチレン換算の分子量が30000以上100000以下の樹脂の酸価Aと、ポリスチレン換算の分子量が8000以上12000以下の樹脂の酸価Bと、該トナーのトルエン不溶分中に含まれる樹脂の酸価Cと、が下記式1の関係を満たす電子写真用トナー。
B>A>C 式1
【選択図】なし
Description
また、樹脂の酸価を調整することによってトナーの表層及び内部におけるポリエステル樹脂の存在状態を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
トナーのトルエン可溶分中に含まれる樹脂のうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分収されたポリスチレン換算の分子量が30000以上100000以下の樹脂の酸価Aと、ポリスチレン換算の分子量が8000以上12000以下の樹脂の酸価Bと、トナーのトルエン不溶分中に含まれる樹脂の酸価Cと、が下記式1の関係を満たす電子写真用トナーである。
B>A>C 式1
[電子写真用トナー]
本実施形態の電子写真用トナー(以下、本実施形態のトナーと称することがある。)は、結晶性ポリエステル樹脂と、非結晶性ポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有し、トナーのトルエン可溶分中に含まれる樹脂のうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分取されたポリスチレン換算の分子量が30000以上100000以下の樹脂の酸価Aと、ポリスチレン換算の分子量が8000以上12000以下の樹脂の酸価Bと、トナーのトルエン不溶分中に含まれる樹脂の酸価Cと、が下記式1の関係を満たすものである。
該堆積したトナーは、長期にわたる画像形成を経てトナーに含まれる不良トナーが徐々にブレードエッジ部に堆積したものと考えられる。表面に結晶性ポリエステル樹脂が多く露出しているトナーや、脆いトナー等がブレードエッジ部に堆積しやすいトナーであると考えられる。
結晶性ポリエステル樹脂に対する非結晶性ポリエステル樹脂の高分子量体と低分子量体との親和性の差は、わずかであると思われるが、長期にわたる安定性確保には重要であると推定される。
また、非結晶性ポリエステル樹脂における「非結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化のみを示し、特に、測定において、1度昇温・降温という熱履歴を与えた後に昇温して得られたスペクトルに明確な吸熱ピークを有さないことを指す。
結晶性ポリエステル樹脂は、結着樹脂としてトナー中に含有される。
本実施形態においては、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下であれば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
式:M=2/A'
(上記式中、Mはエステル濃度を、A'は1の繰り返し単位における高分子鎖を構成する原子数を示す。)
式:M={KXa×a+KXb×b+KXc×c}/{AXa×a+AXb×b+AXc×c}
(上記式中、Mはエステル濃度を表し、KXaは共重合単位Xa、KXbは共重合単位Xb、KXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれのエステル基数を表し、AXaは共重合単位Xa、AXbは共重合単位Xb、AXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれの高分子鎖を構成する原子数を表す。)
前記酸由来構成成分となるための酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、特定のポリエステルにおける主たる酸由来構成成分としては、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が望ましく、特に脂肪族ジカルボン酸として直鎖型のカルボン酸が望ましい。
アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が7以上20以下の範囲である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。
脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステルの結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
分子量はGPCで測定するが、重量平均分子量(MW)として10000以上35000以下、好ましくは15000以上30000以下が望ましい。MWが10000未満であると、高湿下での帯電量が確保しにくく、また30000よりも高いと低温で定着した時グロスがでにくくなる。
尚、前記重量平均分子量の測定は以下の方法によって行った。
ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定した。尚、実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
非結晶性ポリエステル樹脂は、結着樹脂としてトナー中に含有される。
本実施形態に用いられる非結晶性ポリエステル樹脂も、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成される特定のポリエステルである。
酸由来構成成分のうち、芳香族カルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、および、これらのアルキルエステル類が、入手容易性、易乳化性のポリマーを形成しやすい等の点で好ましい。
アルコール由来構成成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールを1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールのうち、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
2種の分子量が異なる非結晶性ポリエステル樹脂からなる複合粒子とするには有機溶剤又は混合溶剤に樹脂を溶かす際に、同時に異なる樹脂を投入して溶かせばよい。
ここでいうトルエン不溶分中に含まれる樹脂は結晶性ポリエステル樹脂であり、分子量が30000以上100000以下の樹脂及び分子量が8000以上12000以下の樹脂はそれぞれ、H体及びL体に相当する。L体として酸価Bが13mgKOH/g以上20mgKOH/g以下程度、H体として酸価Aが10mgKOH/g以上15mgKOH/g以下程度のものを、結晶性ポリエステル樹脂として酸価Cが9mgKOH/g以上13mgKOH/g以上程度のものを、酸価の序列がB>A>Cになるようにして、用いることが望ましい。
本実施形態のトナー中の該その他の樹脂の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂及びその他の樹脂の合計量(すなわち、全結着樹脂成分)に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に使用できる離型剤の例としては、特に限定されるものではなく、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、天然ガス系ワックス及びそれらの変性物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、などを挙げることができ、また改質助剤成分として、炭素数10から18である高級アルコールやその混合物、及び炭素数16から22の高級脂肪酸モノグリセライドやその混合物を挙げることができ、これらのものから組み合わせて用いることができる。
上記機械的手段により微分散させるための装置としては、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)、連続式超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、ハレル型ホモジナイザー、スラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)などが挙げられる。
本実施形態に用いられる着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が使用できる。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等があげられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどがあげられる。また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。本実施形態のトナーへの着色剤の添加量は、トナーに含まれる結着樹脂100質量部に対して4質量部以上20質量部以下の範囲内が好適である。
帯電制御剤として、湿式で無機粒子をトナーに添加する場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべての無機粒子を挙げることができる。この場合、これら無機粒子はイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等を用いて溶媒中に分散させて利用することができる。
トナーに添加される無機酸化物粒子としては、SiO2,TiO2,Al2O3,CuO,ZnO,SnO2,CeO2,Fe2O3,MgO,BaO,CaO,K2O,Na2O,ZrO2,CaO・SiO2,K2O・(TiO2)n,Al2O3・2SiO2,CaCO3,MgCO3,BaSO4,MgSO4等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。該無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。
まず、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を、体積平均粒子径D16vと定義し、累積50%となる粒子径を、体積平均粒子径D50vと定義する。同様に、累積84%となる粒子径を、体積平均粒子径D84vと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして定義される。この関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)を算出できる。また、トナー以外の体積平均粒子径も上述と同様の方法により測定できる。
また、重量平均分子量の異なる2種類の非結晶性ポリエステル樹脂粒子を併用することもできる。
融合合一工程終了後は、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナーを得る。
本実施形態の電子写真用現像剤は、本実施形態の電子写真用トナーを含有するものである。本実施形態の電子写真用トナーを単独で用いると一成分系の電子写真用現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の電子写真用現像剤として調製される。本実施形態の電子写真用現像剤としては、二成分系の電子写真用現像剤が好ましい。
具体的には前記キャリア芯材を、前記被膜形成用液に浸漬する浸漬法、被膜形成用液を前記キャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、前記キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で前記被膜形成用液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態において、ニーダーコーター法が好ましい。
本実施形態の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤保持体に保持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有し、前記現像剤として本実施形態の電子写真用現像剤を用いるものである。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。図1において画像形成装置100は、潜像保持体101、帯電器102、静電潜像形成用の書込装置103、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤を収容した現像器104a、104b、104c、104d、除電ランプ105、クリーニング装置106、中間転写体107、転写ロール108、定着ロール109及び押圧ロール110を有する。なお、現像器104a、104b、104c、104d中に収納される現像剤には、本実施形態のトナーが含まれている。
次に、潜像保持体101表面に形成されたトナー像は、不図示の電源により、潜像保持体101と中間転写体107との間に電圧が印加されることより、潜像保持体101と中間転写体107との接触部にて、中間転写体107表面に転写される。
前述の工程を各色毎に繰り返すことにより、中間転写体107の表面に各色のトナー像を、画像情報に対応するように積層形成する。
なお、前述の工程では転写ロール108は前記中間転写体107と非接触の状態となっており、中間転写体107表面上に全色のトナー像が積層形成された後の記録媒体111への転写の際には中間転写体107と接触状態となっている。
次に、本実施形態のトナーカートリッジについて説明する。本実施形態のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。
−非結晶性ポリエステル樹脂の合成−
合成例1<樹脂A1の合成>
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル58.3部、無水ドデセニルコハク酸53.3部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物94.9部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物241部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で5時間攪拌し、分子量が30000程度になったら、無水トリメリット酸8部を加えさらに2時間攪拌して重量平均分子量Mw=45900、数平均分子量Mn=7900の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂A1)を得た。ガラス転移点は63℃。酸価は13.6mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル116.5部、イソフタル酸ジメチル19.4部、無水ドデセニルコハク酸79.9部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物158.2部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物172.1部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で5時間攪拌し、分子量が30000程度になったら、無水トリメリット酸8部を加えさらに2時間攪拌して重量平均分子量Mw=46100、数平均分子量Mn=7400の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂A2)を得た。ガラス転移点は60℃。酸価は13.5mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル116.5部、イソフタル酸ジメチル38.8部、無水ドデセニルコハク酸53.3部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物94.9部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物241部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で5時間攪拌し、分子量が30000程度になったら、無水トリメリット酸8部を加えさらに2時間攪拌して重量平均分子量Mw=48200、数平均分子量Mn=6900の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂A3)を得た。ガラス転移点は64℃。酸価は12.3mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル58.3部、無水ドデセニルコハク酸53.3部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物158.2部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物172.2部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で5時間攪拌し、分子量が30000程度になったら、無水トリメリット酸9部を加えさらに2時間攪拌して重量平均分子量Mw=45500、数平均分子量Mn=6300の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂A4)を得た。ガラス転移点は63℃。酸価は15.5mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル38.8部、無水ドデセニルコハク酸79.9部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物94.9部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物241部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で2時間攪拌し、分子量が12000程度になったら、無水トリメリット酸9部を加えさらに1時間攪拌して重量平均分子量Mw=14500、数平均分子量Mn=5300の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂B1)を得た。ガラス転移点は61℃。酸価は15.5mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル58.3部、無水ドデセニルコハク酸53.3部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物158.2部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物172.2部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で2時間攪拌し、分子量が12000程度になったら、無水トリメリット酸9部を加えさらに1時間攪拌して重量平均分子量Mw=17700、数平均分子量Mn=5700の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂B2)を得た。ガラス転移点は64℃。酸価は15.2mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル48.5部、無水ドデセニルコハク酸66.6部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物221.4部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物103.3部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で2時間攪拌し、分子量が12000程度になったら、無水トリメリット酸9部を加えさらに1時間攪拌して重量平均分子量Mw=16100、数平均分子量Mn=6200の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂B3)を得た。ガラス転移点は63℃。酸価は15.8mgKOH/gであった。
テレフタル酸ジメチル97.1部、イソフタル酸ジメチル48.5部、無水ドデセニルコハク酸66.6部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物158.2部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物172.2部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら220℃で2時間攪拌し、分子量が12000程度になったら、無水トリメリット酸9部を加えさらに1時間攪拌して重量平均分子量Mw=15900、数平均分子量Mn=5400の非結晶性ポリエステル樹脂(樹脂B4)を得た。ガラス転移点は63℃。酸価は12.1mgKOH/gであった。
合成例1<樹脂C1の合成>
ドデカン2酸230.3部、1,10−デカンジオール174.3部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=16700、数平均分子量Mn=6500、酸価12.4mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C1)を得た。エステル濃度は0.083、融点は86℃であった。
ドデカン2酸230.3部、1,9−ノナンジオール160.3部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=24200、数平均分子量Mn=9900、酸価10.8mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C2)を得た。エステル濃度は0.087、融点は77℃であった。
テトラデカン2酸248部、1,6−へキサンジオール118.2部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=25500、数平均分子量Mn=10400、酸価11.5mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C3)を得た。エステル濃度は0.091、融点は75℃であった。
ドデカン2酸241.8部、1,10−デカンジオール174.3部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=17500、数平均分子量Mn=6200、酸価15.6mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C4)を得た。エステル濃度は0.083、融点は86℃であった。
ドデカン2酸253.3部、1,9−ノナンジオール160.3部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=23600、数平均分子量Mn=8300、酸価15.8mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C5)を得た。エステル濃度は0.087、融点は77℃であった。
テトラデカン2酸253.3部、1,6−へキサンジオール118.2部、ジブチルスズオキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧しながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=23400、数平均分子量Mn=9400、酸価16.2mgKOH/gの結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C6)を得た。エステル濃度は0.091、融点は75℃であった。
<乳化液作製例1>
樹脂A1 300部と酢酸エチル120部とイソプロピルアルコール75部とを混合し、室温(25℃)で樹脂を溶解し、その後10%アンモニア水10.4部を加えたのち、この混合物にイオン交換水1200部を徐々に滴下していくと転相し、乳化液が得られた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールを留去し、体積平均粒子径0.17μmの樹脂ラテックス(D1)を得た。
樹脂A1をA2に変えた以外は乳化液作製例1と同様にして体積平均粒子径0.16μmの樹脂ラテックス(D2)を得た。
樹脂A1を、樹脂A3又はA4に変えた以外は、乳化液作製例1と同様にして樹脂ラテックス(D3及びD4)を得た。体積平均粒子径の測定結果を表1にまとめた。
樹脂B1 300部と酢酸エチル120部とイソプロピルアルコール75部とを混合して室温(25℃)で溶解し、10%アンモニア水10.4部を加えたのち、この混合物にイオン交換水1200部を徐々に滴下していくと転相し、乳化液が得られた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールを留去し、体積平均粒子径0.15μmの樹脂ラテックス(E1)を得た。
樹脂B1を、樹脂B2乃至B4に変えた以外は、乳化液作製例5と同様にして樹脂ラテックス(E2乃至E4)を得た。体積平均粒子径の測定結果を表1にまとめた。
樹脂C1 300部と酢酸エチル105部とイソプロピルアルコール105部とを混合し、65℃で樹脂を溶解し、その後10%アンモニア水15.5部を加えたのち、この混合物にイオン交換水1200部を徐々に滴下していくと転相し、乳化液が得られた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールを留去し、体積平均粒子径0.14μmの樹脂ラテックス(F1)を得た。
樹脂C1を、樹脂C2乃至C6に変えた以外は、乳化液作製例9と同様にして樹脂ラテックス(F2乃至F6)を得た。結果を表1にまとめた。
上記樹脂ラテックスの固形分はいずれも、20質量%であった。
下記組成を混合し、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)と超音波照射とにより分散し体積平均粒子径150nmの青顔料分散液を得た。
・サイアン顔料 C.I.Pigment Blue15:3
(銅フタロシアニン、大日本インク製) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5部
・イオン交換水 200部
下記組成を混合し、97℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて分散した。その後、ゴーリンホモジナイザー(盟和商事製)を用いて、105℃、550kg/cm2の条件で20回処理して粒子化することにより、体積平均粒子径190nmの離型剤分散液を得た。
・ワックス(WEP−5、日本油脂社製) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5部
・イオン交換水 200部
−電子写真用トナー(1)の作製−
下記の組成を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら45℃まで加熱攪拌し、45℃で30分間保持した。
・樹脂ラテックス(D1) 195部
・樹脂ラテックス(E1) 195部
・樹脂ラテックス(F1) 65部
・イオン交換水 250部
・顔料分散液 33.5部
・離型剤分散液 67.5部
・10%硫酸アルミニウム水溶液 75部
体積平均粒子径50μmのフェライトコア100部に対して、0.15部にあたる弗化ビニリデン、及び1.35部にあたるメチルメタアクリレートとトリフロロエチレンとの共重合体(重合比80:20)樹脂をニーダー装置を用いコーティングし、キャリアを作製した。得られたキャリアと電子写真用トナー(1)とを、それぞれ100部:8部の割合で2リッターのVブレンダーで混合し、電子写真用現像剤(1)を作製した。
調製した電子写真用現像剤(1)に対して、富士ゼロックス製DocuCentre Colorf450の改造機を画像形成装置として用い、プロセススピード165mm/Sで、テストパターン(画像部20%、非画像部80%)を用い、28℃、湿度80%の環境下で、画像形成テストを行った。
2時間かけて上記テストパターンを4000枚印刷した後、一旦画像形成装置の電源を落として8時間放置した。再び画像形成装置を起動し、印刷を再開した。印刷を開始して最初のプリント画像の状態を下記基準に基づき目視にて評価した。この評価を5回繰り返した。評価結果を表2に示す。実用上、G4までが許容範囲である。
G2 非画像部のごく一部にうっすら筋が見られる。
G4 非画像部半面にうっすら筋が見られる。
G6 非画像部全面にうっすら筋が見られる。
G8 非画像部半面にはっきり筋が見られる。
G10 非画像部全面にはっきり筋が見られる。
表2に示す樹脂ラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして電子写真用トナー及び電子写真用現像剤を得た。さらに、電子写真用トナー及び電子写真用現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、実施例7においては樹脂ラテックス(D3)、(E2)及び(F2)を各々208部、208部及び38部用い、追加の樹脂ラテックス(D3)及び(E2)を各々105部及び105部用いた。
また、実施例8においては樹脂ラテックス(D2)、(E3)及び(F3)を各々175部、175部及び115部用い、追加の樹脂ラテックス(D2)及び(E3)を各々105部及び105部用いた。
表3に示す樹脂ラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして電子写真用トナー及び電子写真用現像剤を得た。さらに、電子写真用トナー及び電子写真用現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表3に示す。
なお、実施例9においては樹脂ラテックス(D1)及び(F1)を各々390部及び65部用い、追加の樹脂ラテックス(D1)を210部用いた。
また、実施例10においては樹脂ラテックス(E1)及び(F1)を各々390部及び65部用い、追加の樹脂ラテックス(E1)を210部用いた。
なお、本実施例においては電子写真用トナーの体積平均粒子径及びGSDvはトナー粒子のそれと同じであった。
101 潜像保持体
102 帯電器
103 静電潜像形成用の書込装置
104a イエロー(Y)色用の現像器
104b マゼンタ(M)色用の現像器
104c シアン(C)色用の現像器
104d ブラック(K)色用の現像器
105 除電ランプ
106 クリーニング装置
107 中間転写体
108 転写ロール
109 定着ロール
110 押圧ロール
111 記録媒体
114a イエロー(Y)色用のトナー供給管
114b マゼンタ(M)色用のトナー供給管
114c シアン(C)色用のトナー供給管
114d ブラック(K)色用のトナー供給管
124a イエロー(Y)色用のトナーカートリッジ
124b マゼンタ(M)色用のトナーカートリッジ
124c シアン(C)色用のトナーカートリッジ
124d ブラック(K)色用のトナーカートリッジ
Claims (5)
- 結晶性ポリエステル樹脂と、非結晶性ポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有し、
トナーのトルエン可溶分中に含まれる樹脂のうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分取されたポリスチレン換算の分子量が30000以上100000以下の樹脂の酸価Aと、ポリスチレン換算の分子量が8000以上12000以下の樹脂の酸価Bと、トナーのトルエン不溶分中に含まれる樹脂の酸価Cと、が下記式1の関係を満たす電子写真用トナー。
B>A>C 式1 - 非結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合して、前記非結晶性ポリエステル樹脂粒子と前記結晶性ポリエステル樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、前記凝集粒子を加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合合一工程と、を少なくとも経て製造された請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤。
- 画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容し、前記トナーが請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナーであるトナーカートリッジ。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤保持体に保持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有し、前記現像剤が請求項3に記載の電子写真用現像剤である画像形成方法。
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