JP2008158197A - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像用現像剤並びに画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像用現像剤並びに画像形成方法 Download PDF

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真也 中嶋
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慎平 高木
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則之 水谷
Satoshi Kamiwaki
聡 上脇
Susumu Yoshino
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Abstract

【課題】長期使用において安定な画像を形成可能な静電潜像現像用トナー、このトナーを含有する静電潜像現像用現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及び製造安定性に優れた静電潜像現像用トナーの製造方法の提供。
【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであって、体積平均粒度分布指標と数平均粒度分布指標との比が、0.95以上であり、前記結着樹脂の重量平均分子量が15000〜60000であり、前記結着樹脂の重量平均分子量と数平均分子量との比が3.5〜7.0であり、形状係数SF1が110〜140であり、平均形状分布指標が1.08以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー及びその製造方法、そのトナーを用いた静電潜像現像用現像剤並びにその現像剤を用いた画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像用現像剤、並びに画像形成方法に関する。
電子写真法などにより、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により潜像保持体(感光体)表面に、画像情報を静電潜像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、感光体表面にトナー像を現像し、このトナー像を、中間転写体に転写する転写工程、さらに、トナー像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
電子写真法に用いられる現像剤には、トナーおよびキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤と、の2種類がある。これら現像剤に含まれるトナーの製法は、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、これを冷却後に微粉砕し、さらに分級する混練粉砕製法が使用されている。このようにして作製されたトナーには、さらに必要に応じて流動性やクリーニング性を改善するための無機、有機の粒子がトナー粒子表面に添加される。
近年の普及が著しいフルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に減法3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーと、黒色のトナーと、からなる4色のトナーを用いて色の再現を行なうものである。
一般的なフルカラー電子写真法では、まず原稿(画像情報)をイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色に色分解し、各色ごとに感光体表面に静電潜像を形成する。この際、各色毎に形成された静電潜像を、各色のトナーを含む現像剤をもちいて現像してトナー像を形成し、転写工程を経てトナー像が記録媒体表面に転写される。この静電潜像の形成からトナー像の記録媒体表面への転写からなる一連の工程を、各色毎に順次行い、同一の記録媒体表面に各色のトナー像が画像情報と一致するように重ね合せられて転写される。このようにして記録媒体表面に各色のトナー像が転写されて得られたフルカラーのトナー像は、定着工程を経てフルカラー画像として形成される。このように色の異なる数種のトナーを重ね合せる点が白黒電子写真法と、フルカラー電子写真法と、の大きな違いである。
従来、静電潜像現像用トナー(電子写真用トナー)の定着方式としては、常温で圧力ロールのみを用いる圧力定着方式、加熱ロール等を用いる接触加熱型定着方式や、オーブン加熱によるオーブン定着方式、キセノンランプ等によるフラッシュ定着方式、マイクロ波等による電磁波定着方式、溶剤蒸気を用いる溶剤定着方式等の非接触定着方式が挙げられるが、熱を用いたオーブン定着方式や接触加熱型定着方式は信頼性や安全性の面から主に使用されている。特に加熱ロールやベルト等を用いる接触加熱型定着方式は、通常加熱源を設けた加熱ロールまたはベルトと加圧ロールまたはベルトとから構成され、加熱ロールまたはベルト表面に被定着シートのトナー画像面を圧接触させながら通過させることにより定着を行うものであり、加熱ロールまたはベルト表面と被定着シートのトナー画像面が直接接触するため、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
これらの熱定着方式では、電源を入れてから定着機の温度が使用温度まで迅速に上昇し定着可能な状態となるまでの時間、いわゆるウォームアップタイムの短縮とともに、エネルギー使用量を低減するためにより低温で定着することが望まれている。特に近年では省エネルギーの徹底のため使用時以外は定着機への通電を停止する等が望まれており、そのため定着機温度は通電とともに短時間で定着可能温度に達する必要がある。すなわち、より一層低温での定着が望まれている。また、定着温度を低減することにより同じ消費電力であっても出力速度の高速化が可能であり、さらに接触加熱型定着方式では加熱ロールなどの定着部材の長寿命化を可能とすることができる。しかしながら、従来の方法ではトナーの定着温度を低温化させることは、同時にトナー粒子のガラス転移温度をも低下させてしまうことになり、トナーの保存性との両立が困難となる。従って、低温定着化とトナー保存性の両立のためには、トナーのガラス転移温度をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度が急速に低下するいわゆるシャープメルト性をもつことが必要である。
しかしながら、トナーに使用される樹脂、すなわち非晶性の樹脂は、通常ある程度ガラス転移温度、分子量等に幅を持つため、前記シャープメルト性を得るためには、極端に樹脂の組成、分子量をそろえる必要があるものの、前記樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフィー等で処理をすることにより樹脂の分子量を整える必要が生じてしまい、この場合樹脂作製のためのコストが高くならざるを得ず、またその際に不要な樹脂が生じ、近年の環境保護の観点からも好ましくない。
このような低温定着性を実現するために、結着樹脂として結晶性樹脂を使用する方法が検討されている(例えば、特許文献1乃至3参照。)。結晶性樹脂を使用することにより、結晶の融点以下ではトナーの硬さが保持され、融点を超えたところで結晶の融解とともに粘度が急激に低下することにより、低温定着が図られる。しかし、上記開示技術、例えば特許文献1に開示された技術は、結晶性樹脂の融点が62〜66℃であり若干融点が低すぎるため、粉体や画像の信頼性に問題がある。また、特許文献2、特許文献3に記載の結晶性樹脂では紙への定着性能が十分ではないという問題点があった。
紙への定着性が改善期待される結晶性樹脂としては、ポリエステル樹脂が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂をトナーに用いる例が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。これは、ガラス転移温度40℃以上の非結晶性ポリエステルと、融点130℃〜200℃の結晶性ポリエステルを混合して用いる方法である。しかし、この方法は優れた粉砕性、耐ブロッキング性を有するものの、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いため、従来以上の低温定着性は達成できない。また、結晶性樹脂の融点として110℃以下の樹脂を用い、非結晶性樹脂を混合させトナーとして使用する例もある(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、結晶性樹脂に対して非結晶性樹脂を混合する場合には、トナーの融点降下を起こし、トナーブロッキング、画像の保存性の悪化が生じ、実用上問題である。
近年では環境保護の観点から、従来から使用されているコロナ放電を利用した非接触帯電/転写方法から、静電潜像保持体当接部材を用いた接触帯電方法や接触転写方法へ技術が移行しつつある。該接触帯電方法や接触転写方法では、静電潜像保持体に導電性弾性ローラーを当接し、該導電性弾性ローラーに電圧を印加しながら上記静電潜像保持体を帯電し、次いで露光(潜像形成工程)、現像工程によってトナー画像を形成した後、静電潜像保持体に電圧を印加した中間転写体を押圧しながら該中間転写体表面にトナー画像を転写させる。さらに、該中間転写体に電圧を印加した別の導電性弾性ローラーを押圧しながら、中間転写体と導電性弾性ローラーと間に紙等の記録媒体を通過させ、トナー画像を記録媒体に転写した後、定着工程を経て定着画像を得ている。
しかしながら、このような転写方式においては、中間転写体などの中間転写部材が転写時に静電潜像保持体に当接されるため、静電潜像保持体に形成されたトナー画像を中間転写部材へ転写する際にトナー画像が圧接され、部分的な転写不良が発生する。
また、静電潜像保持体から中間転写部材への転写が完全ではなく、静電潜像保持体表面にトナーが残留してしまうと、該残留トナーは、静電潜像保持体に圧接された導電性弾性ローラーとのニップを通過してしまう。そして、静電潜像保持体と導電性弾性ローラーとの間に残留トナーが存在すると、静電潜像保持体表面に均一帯電が実現できず、静電潜像保持体の静電潜像が乱れ、画像欠陥を引き起こしてしまう。
前記フルカラー画像における高画質化要求により、トナーが小径化するに従い、転写工程ではトナー粒子にかかるクーロン力に比べて、トナーの静電潜像保持体への付着力が大きくなるため、結果として転写残トナー(残留トナー)が増加し、静電潜像保持体の帯電不良が加速する傾向があった。
この静電潜像保持体の帯電不良防止の目的で、静電潜像保持体の中間転写部材との接点と、静電潜像保持体の導電性弾性ローラーとの接点との間にクリーニング手段が設けられている。前記残留トナーは、静電潜像保持体と中間転写部材との間を通過する際にトナーが圧接された結果、静電潜像保持体表面に強く固着される。
上記固着した残留トナーを静電潜像保持体から除去する、クリーニング方法としては、弾性ブレードを静電潜像保持体に強く押し当てて除去するブレードクリーニング法が、クリーニング能力の観点で適していると考えられ、一般的に用いられている。しかしながら、ブレードによるクリーニング性はトナー形状に大きく影響され、球形トナーはクリーニングが難しいという問題点があった。
一方、画像形成装置への新機構導入や画像形成条件の最適化に加えて、カラートナーにおいても、その粒子径分布が狭いものを作製し得る技術の開発とその採用により、記録媒体表面への均質な転写像の形成と、安定した転写率と、を達成し、カラートナーの性能が格段に向上してきた経緯がある。このようなカラートナーの改良方法の一つとして、樹脂の原料となる単量体および着色剤を溶解させた油相を水相中に分散させた溶液を用いて重合し、トナーを形成することにより、従来のように重合してえら得たトナーを分級することなく、重合反応により粒子径分布を狭く制御することが可能なトナーの製造方法が提案されている。
この他にも意図的なトナー形状及びその表面構造の制御を可能とする手段としては、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献6又は7参照。)。これらは、一般に乳化重合などにより結着樹脂粒子分散液を作成し、また一方で溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作成し、これらを混合し、トナー粒子径にほぼ相当する凝集体を形成し、これを加熱融合することによってトナーとする製造方法である。
また、ポリエステル樹脂は重縮合反応によって合成されるため、合成時に乳化重合を用いて乳化状態のポリエステル樹脂を得ることは極めて困難であり、このため、分散処理を施して乳化液を作製する方法が採られる。従来より、電子写真用トナーの製造方法の一つとして、乳化凝集法が提案されている(例えば、特許文献8乃至10参照。)。この乳化凝集法では、バルク状の樹脂から乳化重合あるいは分散乳化等の方法により樹脂分散液を作製し、一方で、溶媒に着色剤を分散させた着色剤粒子分散液を作製し、これらを混合する。樹脂分散液中の粒子は、粒子径が均一で微小なものが望まれる。続いて、混合溶液中の粒子を凝集させ凝集粒子を得、その後、凝集粒子を熱融合させることで電子写真用トナーを得る。この乳化凝集法によれば、融合時の加熱温度を調整することにより、トナー粒子の形状を不定形から球形まで任意に制御することが可能である。
このトナーの製造方法は、高い転写性を得るのに有効な狭粒子径分布の制御が容易なこと以外にも、分散液中の粒子から凝集体を形成していくという造粒の原理から、トナー中に内包される離型剤含有量の制御性や、トナー形状の制御、特に小粒子径化したトナーの製造に有利である。このような製造方法等により得られた小粒子径化したトナーを用いて画像形成を行った場合、高精細な画質を提供するのみならず、トナー消費量を抑制することにより記録媒体1枚当たりの画像形成コストの低減を実現することをも可能である。
しかしながら、結晶性樹脂をこの乳化凝集法によるトナー製法に用いた場合、結晶性樹脂の融点が90℃以下と低いと、溶融合一工程においてその速度が非常に速く、球形化しやすく、形状係数110〜140程度の形状に制御することが難しい。また、この状況は結晶性樹脂とともに非晶性樹脂を単に併用しただけでは変わらない。結晶性樹脂が主成分のトナーを乳化凝集法によって作製することが開示されているが(例えば、特許文献11参照。)、これは球形トナーを作るには有効であるが、トナー形状を不定形にするには困難である。また、結晶性樹脂が主成分のコア粒子に対して非晶性樹脂からなるシェル層を設け、その粒子形状が紡錘状なるトナーについて開示されているが(例えば、特許文献12参照。)、機械的シェアで形状を平均的に紡錘状にすることが可能なものの、その形状係数分布は広く、本質的な形状制御には不十分なものであった。そのため、トナー粒子による微小な帯電量の差、またはキャリアとの攪拌によるトナーの変形等による帯電量の差により、生じる現像時の筋等の問題が発生する。また、形成される画像の高光沢度と、OHP透明性とを両立する目的で、結着樹脂分子量をある範囲として且つ分子量分布を狭くし、トナー形状分布をある範囲とする発明が開示されているが(例えば、特許文献13参照。)、樹脂として結晶性樹脂を含有する場合には、このような分子量分布ではトナーの形状を不定形に均一に制御し、且つ経時で形状変化を抑制するのは不十分である。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公平4−30014号公報等 特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開2002−351140号公報 特開2003−167380号公報 特開2005−227672号公報 特開2003−241425号公報
本発明は、感光体に付着した異物による帯電性の変化に対して、経時で現像性が低下する問題点を解決した静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像用現像剤並びに画像形成方法を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、長期使用において安定な画像を形成可能な静電潜像現像用トナー、このトナーを含有する静電潜像現像用現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及び製造安定性に優れた静電潜像現像用トナーの製造方法を提供することである。
本発明者等は、従来技術の上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の内容により上記目的を達成し得ることを見出した。
すなわち本発明は、
<1> 非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであって、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15000〜60000であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0であり、形状係数SF1が110〜140であり、平均形状分布指標(S84/S161/2が1.08以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナーである。
<2> 前記非晶性ポリエステル樹脂が重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂Aと非晶性ポリエステル樹脂Bとの混合物であり、前記非晶性ポリエステル樹脂A及びBの重量平均分子量を各々Mwa及びMwbとし、前記非晶性ポリエステル樹脂A及びBを構成する全多価カルボン酸成分のうちのフマル酸成分の割合を各々aモル%及びbモル%としたときに、Mwa>Mwbかつ50モル%>a>b≧0モル%を満たすことを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<3> 前記結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分としてフマル酸を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<4> <1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法であって、非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合して、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子と前記結晶性ポリエステル樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に前記凝集粒子を加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合合一工程と、を少なくとも有し、前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との混合物の、重量平均分子量(Mw)が15000〜60000を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<5> 前記非晶性ポリエステル樹脂が重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂の混合物であることを特徴とする<4>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<6> <1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用トナーを含有することを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
<7> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤保持体に保持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有する画像形成方法であって、前記現像剤が<6>に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、長期使用において安定な画像を形成可能な静電潜像現像用トナー、このトナーを含有する静電潜像現像用現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及び製造安定性に優れた静電潜像現像用トナーの製造方法が提供される。
以下、本発明の静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像用現像剤並びに画像形成方法について詳細に説明する。
<静電潜像現像用トナー及びその製造方法>
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「本発明のトナー」と称することがある。)は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであって、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15000〜60000であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0であり、形状係数SF1が110〜140であり、平均形状分布指標(S84/S161/2が1.08以下であることを特徴とするものである。
結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を用いる従来のトナーは、公知の乳化方法で調製可能な非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤を含む着色剤分散液と、離型剤を含む離型剤分散液と、を同時に用いて凝集させ(凝集工程)、加熱し、融合・合一させる(溶融合一工程)トナー作製方法(凝集合一法)により得ることができる。
この方法は、小径トナーを得ること、トナー形状を不定形から球形まで任意に得ることが可能であり有用である。しかしながら、凝集工程において凝集した凝集粒子が結着樹脂、着色剤及び離型剤の各成分で均一に構成されればよいが、凝集粒子に含まれる各成分が不均一であると溶融合一工程において合一性に差異が生じる。
この合一性が各凝集粒子間で異なると、トナーを所望の形状に制御することが平均的にはできるものの、形状が不定形なもの、球形又は球形に近いものが混在し形状係数のバラツキが大きいトナーとなってしまう。この傾向は特に溶融粘度が異なる樹脂(分子量が異なる樹脂)を結着樹脂として併用する場合に顕著になる。
つまり、溶融粘度の高い高分子量樹脂比率が高い凝集粒子は溶融合一速度が遅く不定形に、溶融粘度の低い中低分子量樹脂比率が高い凝集粒子は溶融合一速度が早く球形になりやすい。
更にこの凝集合一法によるトナーを製造する場合において、低温定着性の実現を目的として融点を超えると著しく溶融粘度が低下する結晶性樹脂の粒子が用いられると合一速度が非常に速く、球形を除く形状に制御することが困難になる。この傾向は結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを併用しただけでは満足のいく改善はできない。なぜなら、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとが均一に凝集してくれれば良いが、実際には結晶性ポリエステルはホモ凝集しやすい傾向があり、なかには結晶性ポリエステル比率が大きくなり、形状制御が困難なトナー粒子も生成してしまう。
このような球形のトナー粒子はブレードクリーニング法では除去されにくく、ブレードを通り抜けた球形トナー(残留トナー)は導電性弾性ローラーに付着・汚染していく。静電潜像保持体と導電性弾性ローラーとの間に存在する残留トナーが多くなると、静電潜像保持体表面に均一帯電が実現できず、静電潜像保持体の静電潜像が乱れ、画像欠陥を引き起こしてしまう。また、残留トナーが軽微である場合でも、以下に述べるような環境でコピー機を長期にわたり使用すると、画像欠陥を引き起こす場合がある。
例えば、梅雨のような高温高湿環境下で連続してコピー機を使用した後、休日などで数日コピー機を使用しなかったとする。このとき、高湿環境下にさらされた静電潜像保持体にはNOxのような放電生成物が付着しやすくなる。この状態で導電性弾性ローラーに(それまでは画像欠陥を引き起こさなかったような軽微な量であっても)残留トナーが付着していると、放電生成物による静電潜像保持体汚染と合わさって、静電潜像保持体表面に均一帯電が実現できず、画像欠陥を引き起こしてしまう(具体的には、画像に筋状の欠陥が生ずる。)。この放電生成物は何枚かコピーすれば除去できるので、その後、ずっと画像欠陥が続くことはないが、また、しばらくコピー機を使わないでおいて、静電潜像保持体が汚染されると、(連休明けの朝のように)コピーを再開した直後の数枚には筋状の画像欠陥が生じる可能性がある。
このような問題を解決するためには、所望の形状係数にトナー形状を制御しつつ、かつ、その形状分布が狭く、且つ粒度分布が狭く、同時に球形粒子の発生を抑制する必要がある。そのためには、結着樹脂の一部がある程度分子量が大きいことが必要である。つまり、トナーの結着樹脂由来の重量平均分子量(Mw)が、15000〜60000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が、3.5〜7.0であることが必要である。こうすることにより、攪拌等のストレスによる形状の変形によりトナー形状分布が増加するのを防ぐことができる。
また、このように分子量分布の制御は2種以上の分子量が異なる非晶性ポリエステル樹脂を併用することで可能であるが、その場合には、樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子があらかじめ2種の分子量が異なる非晶性ポリエステル樹脂からなる複合粒子の形態をなしていれば、凝集粒子間の組成偏在が抑制され、凝集粒子間の溶融合一速度が均一になってトナー形状係数のバラツキが減少し有効である。
さらに、非晶性ポリエステル樹脂中のフマル酸量を所定の範囲に調整することで、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との凝集性を向上させ、結晶性ポリエステル比率の高い球形粒子の発生を抑えることができる。
トナーを所望の形状に均一に制御することができれば、現像、転写、クリーニング性が向上する。特にブレードによるクリーニング性はトナー形状に大きく影響され、不定形であるほど良好で、球形トナーはクリーニングが難しい。
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は15000〜60000の範囲であることが本発明においては必須であるが、20000〜40000が好ましい。15000未満だとトナーの溶融粘度が低く溶融合一速度が速くトナーの形状を不定形に制御しにくい。さらに、トナー強度が弱く例えば現像機内での機械的ストレスを受けて割れや欠けが発生して帯電量が変化し、感光体の不均一帯電により、筋の発生が生じやすい。60000より大きいと溶融合一性が悪く溶融合一工程の時間が非常に長くかかり、定着性も悪化する。
また、本発明においては重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が、3.5〜7.0であることが必要である。更に4.5より大きいことがより好ましい。3.5未満では、結着樹脂を構成する樹脂分子の低分子量成分および/または高分子量成分が減少することになる。このため、既述したような、重量平均分子量(Mw)が15000より小さい場合に起こる問題、および/または、重量平均分子量(Mw)が60000より大きい場合に起こる問題が発生する。また、7.0より大きいと、分子量分布が広すぎて、均一なトナー粒子を作製することが困難になる。
非晶性ポリエステル樹脂として重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂を併用する場合、異なる分子量の樹脂のうち、高分子量側樹脂の分子量は重量平均分子量(Mw)が18000〜100000であることが好ましく、更に好ましくは20000〜60000である。18000未満ではトナーを不定形の形状とすることが難しく、100000より大きいと定着性が悪化する。
低分子量側樹脂の分子量は重量平均分子量(Mw)が7000〜18000であることが好ましく、更に好ましくは9000〜15000である。7000未満だとトナー強度が悪化して例えば現像機内での機械的ストレスを受けて割れや欠けが発生してクラウド等のディフェクトとなることがある。18000より大きいと定着性が悪化する。
高分子量側樹脂と低分子量側樹脂の使用質量比率は5:95〜70:30の範囲が好ましく、更に好ましくは15:85〜50:50である。非晶性ポリエステル樹脂の全体量における高分子量側樹脂の含有量が5質量%以上であればトナーの不定形の形状制御が容易になる。70質量%以下であれば定着性が向上する。
なお、上記重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
2種の分子量が異なる非晶性ポリエステル樹脂からなる複合粒子を作製するには公知の乳化方法を用いることができるが、得られる粒度分布がシャープであり、且つ体積平均粒子径が0.08〜0.40μmの範囲に得やすい転相乳化法が有効である。
転相乳化法は以下の方法により実施できる。樹脂を溶解する両親媒性の有機溶剤の単独、又は混合溶剤に樹脂を溶かして油相とする。その油相を攪拌しながら塩基性化合物を少量滴下し、更に攪拌しながら水を少しずつ滴下し、油相中に水滴が取り込まれる。次に水の滴下量がある量を超えると油相と水相が逆転して油相が油滴となる。その後、減圧下での脱溶剤工程を経て水分散液が得られる。
2種の分子量が異なる非晶性ポリエステル樹脂からなる複合粒子とするには有機溶剤又は混合溶剤に樹脂を溶かす際に、同時に異なる樹脂を投入して溶かせばよい。
ここで両親媒性の有機溶剤とは、20℃における水に対する溶解性が少なくとも5g/L以上、望ましくは10g/L以上であるものをいう。この溶解性が5g/L未満のものは、水性化処理速度を加速させる効果に乏しく、得られる水分散体も貯蔵安定性に劣るという問題がある。
上述した両親媒性の有機溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等を例示することができる。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を混合しても使用できる。
本発明に関わるポリエステル樹脂は、水媒体に分散させる際に塩基性化合物で中和される。本発明においてはポリエステル樹脂のカルボキシル基と塩基性化合物との中和反応が水性化の起動力であり、しかも生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって、粒子間の凝集を防ぐことができる。
塩基性化合物としてはアンモニア、沸点が250℃以下の有機アミン化合物等が挙げられる。望ましい有機アミン化合物の例としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
塩基性化合物は、ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に応じて、少なくとも部分中和し得る量、すなわち、カルボキシル基に対して0.2〜9.0倍当量を添加することが好ましく、0.6〜2.0倍当量を添加することがより好ましい。0.2倍当量未満では塩基性化合物添加の効果が認められず、9.0倍当量を超えると、油相の親水性が過剰に増すためと思われるが、粒径分布がブロードになり良好な分散液を得ることができない。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜150℃の範囲が好ましく、更に好ましくは60〜90℃である。融点が50℃以上であればトナーブロッキングが起こりにくい。150℃以下であれば低温定着性が得られる。
重量平均分子量は5000〜50000の範囲が良い。結晶性ポリエステル樹脂はトナー全体に対して3〜30質量%含まれることが好ましく、更に5〜20質量%が好ましい。3質量%以上であれば低温定着性を得ることができる。50質量%以下であればトナーの機械的強度が十分となり、感光体表面へのフィルミングが発生しにくくなり、定着画像が容易に破壊される不具合が生じにくくなる。
離型剤はトナー全体に対して3〜30質量%含まれることが好ましく、更に5〜15質量%が好ましい。3質量%以上であれば十分な定着安定性が得られる。30質量%以下であれば感光体表面へのフィルミングが発生しにくくなり、定着画像が容易に破壊される不具合が生じにくくなる。
本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指し、このような特性を有しないものを「非晶性ポリエステル樹脂」と称する。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。また、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって結晶性ポリエステル樹脂の融点とみなす。
また、本発明のトナーは、併用して用いる非晶性ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステル樹脂とある程度親和性をもつことが必要である。親和性がない場合、トナー製造の際の凝集工程、溶融合一工程で、結晶性ポリエステル粒子がとりこまれずにトナー粒子形成がなされ、意図したような成分で凝集粒子が構成されず、その結果、結晶性ポリエステル樹脂が偏在した球形トナーができてしまう。
親和性を持たせるには非晶性ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸成分にフマル酸を用いるのが好ましい。フマル酸は直鎖状で分子構造が平面であるので、結晶性樹脂との親和性をある程度向上させることができ、かつ、トナー形状制御を困難にするほど非晶性樹脂・結晶性樹脂の相溶を進行させないので本発明のトナーを得るための構成モノマーには好適である。
本発明においては、非晶性ポリエステル樹脂が重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂Aと非晶性ポリエステル樹脂Bとの混合物であり、非晶性ポリエステル樹脂A及びBの重量平均分子量を各々Mwa及びMwbとし、非晶性ポリエステル樹脂A及びBを構成する全多価カルボン酸成分のうちのフマル酸成分の割合を各々aモル%及びbモル%としたときに、Mwa>Mwbかつ50モル%>a>b≧0モル%を満たすことが好ましい。
さらに非晶性ポリエステル樹脂中のフマル酸量は、より好ましくは40モル%>a>b≧0モル%であり、さらに好ましくは25モル%>a>b=0モル%である。低分子量非晶性ポリエステル樹脂のフマル酸含有量が高分子量非晶性ポリエステル樹脂のフマル酸含有量より少ないと、結晶性ポリエステル樹脂が低分子量非晶性ポリエステル樹脂と凝集しにくくなり、球形トナーができにくくなる。
また、本発明のトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分としてフマル酸を含むことが凝集性をあげる上で好ましい。
本発明に於けるトナーの体積平均粒子径は、2〜9μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。体積平均粒子径が2μm以上であれば帯電性が十分になり、現像性が向上する。9μm以下であれば画像の解像性が向上する。
また、本発明のトナーは、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上である。
体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、攪拌によるトナー形状の経時変形によるトナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等が発生しやすくなり画像欠陥の発生を招く場合がある。
なお、本発明において、トナーの体積平均粒子径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出した。
まず、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積および数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を、体積平均粒子径D16v、および、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒子径を、体積平均粒子径D50v、および、数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒子径を、体積平均粒子径D84v、および、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして定義され、数平均粒度分布指標(GSDp)は、D84p/D16pとして定義されるこれらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)および数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
また、本発明のトナーは、形状係数SF1が、110〜140であり、且つ、平均形状分布指標(S84/S161/2が、1.08以下であることが必要である。なお、形状係数SF1は、好ましくは125〜140の範囲内であり、平均形状分布指標(S84/S161/2は、1.06以下であることが好ましい。
形状係数SF1および平均形状分布指標(S84/S161/2はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて以下のように測定した。
まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、500個以上のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、最大長の2乗×π×100/(4×投影面積)、即ち、ML×100/(4A)を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。なお形状係数SF1は、この値が100に近い程、トナー粒子の投影面における形状が真球に近いことを意味するものである。
さらに、ルーゼックス画像解析装置により、測定した全てのトナー粒子について、形状係数SF1の測定範囲を100〜172とし、分割幅を3として24分割した区間毎に分類してカウントし、形状係数SF1の小さい区間側からトナー粒子の数を順次累積した。この際、累積16%となる場合の形状係数SF1の値をS16、累積84%となる場合の形状係数SF1の値をS84として、この値を用いて平均形状分布指標を(S84/S161/2を求めた。
形状係数SF1が110未満の場合には、一般に画像形成の際に転写工程で残存トナーが生じるため、この残存トナーの除去が必要となるが、残存トナーをブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性を損ないやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。一方、形状係数SF1が140を超える場合には、トナーを現像剤として使用する場合に、現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊される場合がある。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なうことがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
平均形状分布指標(S84/S161/2が、1.08よりも大きい場合には、トナー粒子の形状の分布が広くなり、感光体や中間転写体から記録媒体への転写効率が不均一化し、画像のむらなどが発生しやすくなる場合がある。更に球形或いは球形に近いトナーが混在していると、それらは完全に転写されずにクリーニング工程にいくものの、クリーニングしきれずに感光体上に残りやすく、次の帯電、現像を乱して画像品質の劣化に繋がる。
次に、本発明のトナーを製造するための方法について述べる。本発明のトナーの製造方法は特に限定されるものではないが、非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合して、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子と前記結晶性ポリエステル樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に前記凝集粒子を加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合合一工程と、を少なくとも有することが好ましい。この場合、前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との混合物の重量平均分子量(Mw)が15000〜60000を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0を満たす。
トナーの製造に用いられる非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂の混合物であってもよい。この場合の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液は、2種類の非晶性ポリエステル樹脂を混合して乳化することにより調製可能である。
本発明のトナーはコア/シェル構造を有していてもよい。この場合、上述の凝集工程において凝集工程(コア凝集粒子)を形成した後、このコア凝集粒子の表面に樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得るようにすればよい。
コア/シェル凝集粒子を融合・合一する融合合一工程においては、コア凝集粒子又はシェル層を構成する樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度以上にコア/シェル凝集粒子を加熱して融合・合一させればよい。
本発明のトナー製造方法を用いてトナーを作製することにより、トナー中での離型剤の分散が良好でトナー表面露出の少ないトナーを容易に得ることができる。
凝集工程においては、まず、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。
次に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、非晶性ポリエステル樹脂粒子と結晶性ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、非晶性ポリエステル樹脂粒子と結晶性ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、シェル層の形成に用いられる樹脂粒子は、コア凝集粒子の形成に用いられたポリエステル樹脂粒子と同じであってもよいし、異なったものであってもよい。
凝集工程において用いられる、非晶性ポリエステル樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。
コア凝集粒子を形成する場合、非晶性ポリエステル樹脂粒子や結晶性ポリエステル樹脂粒子や着色剤粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、非晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
シェル層を形成する場合、上記したような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性および量の分散剤で処理された樹脂粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子またはシェル層を形成する際において用いられる樹脂粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、コア凝集粒子及びシェル層の形成は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
次に、融合合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる樹脂粒子のガラス転移温度(最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。
融合合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナーを、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナーを得る。
なお、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本発明のトナーに用いられるポリエステル樹脂としては特に限定されず、公知のポリエステル樹脂材料を用いることができる。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、樹脂粒子を作成する際に、スルホン酸基があれば、界面活性剤を使用しないで、乳化或いは懸濁が可能である。
このようにスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらスルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対して0〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%含有する。含有量が少ないと乳化粒子の経時安定性が悪くなる一方、10モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下するばかりではなく、凝集後、粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなるという不具合が生じる。
さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することがより好ましい。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。前記脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下してしまう為、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、90%以上である。前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であれば、ポリエステル樹脂の結晶性が上昇し、融点が上昇するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が向上する。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステルの樹脂粒子分散液の作成については、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製することが可能である。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記のような分子量分布を得やすいことや、転相乳化法による樹脂分散液を作製しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、4〜30mg KOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基量を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
ポリエステル樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。
また非晶性ポリエステル樹脂は水中にて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる。
樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
本発明に使用できる離型剤の例としては、特に限定されるものではなく、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、天然ガス系ワックス及びそれらの変性物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、などを挙げることができ、また改質助剤成分として、炭素数10から18である高級アルコールやその混合物、及び炭素数16から22の高級脂肪酸モノグリセライドやその混合物を挙げることができ、これらのものから組み合わせて用いることができる。
離型剤粒子分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられる装置により粒子化することにより調整する。
上記機械的手段により微分散させるための装置としては、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴ−リン社)、連続式超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、ハレル型ホモジナイザー、スラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)などが挙げられる。
本発明に用いられる着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が使用できる。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等があげられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどがあげられる。また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。本発明のトナーへの着色剤の添加量は、トナーに含まれる結着樹脂100質量部に対して4〜20質量部の範囲内が好適である。
本発明のトナー製造に際し、乳化重合、顔料分散、樹脂粒子分散、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
さらに、本発明のトナーには、帯電性をより向上安定化させるために帯電制御剤を添加することができる。帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集工程や融合合一工程において、凝集粒子の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
帯電制御剤として、湿式で無機粒子をトナーに添加する場合、このような無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべての無機粒子を挙げることができる。この場合、これら無機粒子はイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等を用いて溶媒中に分散させて利用することができる。
また、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を流動性助剤やクリーニング助剤として、乾燥状態でせん断をかけて本発明のトナー表面へ添加することができる。
トナーに添加される無機酸化物粒子としては、SiO,TiO,Al,CuO,ZnO,SnO,CeO,Fe,MgO,BaO,CaO,KO,NaO,ZrO,CaO・SiO,KO・(TiO,Al・2SiO,CaCO,MgCO,BaSO,MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。該無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。
前記疎水化処理は、疎水化処理剤に前記無機酸化物粒子を浸漬等することにより行うことができる。前記疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。前記疎水化処理剤の量としては、前記無機酸化物粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物粒子100質量部に対して、1〜50質量部程度である。
<静電潜像現像用現像剤>
本発明の静電潜像現像用現像剤は、本発明の静電潜像現像用トナーを含有するものである。本発明の静電潜像現像用トナーを単独で用いると一成分系の静電潜像現像用現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電潜像現像用現像剤として調製される。本発明の静電潜像現像用現像剤としては、二成分系の静電潜像現像用現像剤が好ましい。
本発明に用いられるキャリアは特に規定されないが、キャリアの芯材としては例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられるが、芯材表面性、芯材抵抗の観点から、好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が挙げられる。
本発明で用いるキャリアは、芯材表面に樹脂を被覆してなることが好ましく、該樹脂としては、マトリックス樹脂として使用できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂、等のそれ自体公知の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの樹脂の中でも、フッ素系樹脂及び/又はシリコーン樹脂を少なくとも使用することが好ましい。前記樹脂として、フッ素系樹脂及び/又はシリコーン樹脂を少なくとも使用すると、トナーや外添剤によるキャリア汚染(インパクション)を防止できる効果が高い点で有利である。
前記樹脂による被膜は、前記樹脂中に樹脂粒子及び/又は導電性粒子が少なくとも分散されてなる。前記樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。尚、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記樹脂粒子の平均粒子径としては、0.1〜2μm程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。前記樹脂粒子の平均粒子径が0.1μm以上であれば、前記被膜における樹脂粒子の分散性に優れ、一方、2μm以下であれば前記被膜から樹脂粒子の脱落が生じにくい。
前記導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
前記被膜を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、架橋性樹脂粒子等の前記樹脂粒子及び/又は前記導電性粒子と、マトリックス樹脂としてのスチレンアクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の前記樹脂とを溶剤中に含む被膜形成用液を用いる方法等が挙げられる。
具体的には前記キャリア芯材を、前記被膜形成用液に浸漬する浸漬法、被膜形成用液を前記キャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、前記キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で前記被膜形成用液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本発明において、ニーダーコーター法が好ましい。
前記被膜形成用液に用いる溶剤としては、マトリックス樹脂としての前記樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。前記被膜に前記樹脂粒子が分散されている場合において、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、前記樹脂粒子及びマトリックス樹脂としての前記樹脂が均一に分散しているため、該キャリアを長期間使用して該被膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、前記トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって維持することができる。
また、前記被膜に前記導電性粒子が分散されている場合においては、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、前記導電性粒子及びマトリックス樹脂としての前記樹脂が均一に分散しているため、該キャリアを長期間使用して該被膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。尚、前記被膜に前記樹脂粒子と前記導電性粒子とが分散されている場合において、上述の効果を同時に奏することができる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤保持体に保持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有し、前記現像剤として本発明の静電潜像現像用現像剤を用いるものである。
前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
前記潜像保持体としては、例えば、感光体および誘電記録体等が使用できる。
感光体の場合、該感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、感光体上にトナー画像を形成する(現像工程)。形成されたトナー画像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
トナー像を転写する被転写体(記録媒体)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
また、本発明における定着は公知の定着装置を用いることができ、例えば、表面にフッ素樹脂成分、シリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料をもち、かつベルト形状をていする定着ベルト、同様に表面にフッ素樹脂成分、シリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料をもち、かつ円筒状のロール形状をもつものがあげられる。
以下実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、下記実施例は何ら本発明を限定するものではない。
<トナーの作製>
−非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成−
加熱乾燥した三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル89質量部(46mol%)、フマル酸ジメチル49質量部(34mol%)、ドデセニルコハク酸無水物40質量部(15mol%)、トリメリット酸無水物9.6質量部(5mol%)、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物 32質量部(10mol%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド1mol付加物258質量部(90mol%)及び触媒としてジブチル錫オキシド0.02質量部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は各々49500及び6700であった。また、非晶性ポリエステル樹脂(1)のガラス転移温度(Tg)を、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、室温から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定したところ60.4℃であった。また、下記方法により酸価(AV)を測定したところ、12.2mgKOH/gであった。
なお、上記酸価は、以下のようにして測定したものである。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(1)により酸価を計算した。式(1)中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(1)
−非晶性ポリエステル樹脂(2)乃至(7)の合成−
表1に記載の酸性分、アルコール成分及び触媒を用いた以外は非晶性ポリエステル樹脂(1)の場合と同様にして非晶性ポリエステル樹脂(2)乃至(7)を合成し、同様にしてMw、Mn、Tg及びAVを測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2008158197
−複合樹脂粒子分散液(1)の調製−
非晶性ポリエステル樹脂を用い、以下のようにして複合樹脂粒子分散液(1)を調製した。
・非晶性ポリエステル樹脂(1) 50質量部
・非晶性ポリエステル樹脂(2) 50質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 1.8質量部
・イオン交換水 210質量部
以上を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒子径が130nmの複合樹脂粒子分散液(1)を得た。
−複合樹脂粒子分散液(2)乃至単独樹脂粒子分散液(10)の調製−
表2に記載の非晶性ポリエステル樹脂を用いた以外は複合樹脂粒子分散液(1)の場合と同様にして複合樹脂粒子分散液(2)乃至単独樹脂粒子分散液(10)を調製した。
Figure 2008158197
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)の調製−
加熱乾燥した三口フラスコに、ドデカン二酸ジメチル120質量部、1,9−ノナンジオール77質量部、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.013質量部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(A)を合成した。得られた樹脂のMw、Mn、融点(Tm)及びAVを測定した。結果を表3に示す。
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(A)を用い、以下のように樹脂粒子分散液を調製した。
・結晶性ポリエステル樹脂(A) 90質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 1.8質量部
・イオン交換水 210質量部
以上を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒子径が130nmの結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)の調製−
表3に記載の酸性分、アルコール成分及び触媒を用いた以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)の調製の場合と同様にして結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を調製した。得られた樹脂のMw、Mn、融点(Tm)及びAVを測定した。結果を表3に示す。
Figure 2008158197
(着色剤粒子分散液の調製)
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330) 30質量部
・アニオン界面活性剤(日本油脂製、ニューレックスR) 2質量部
・イオン交換水 220質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間予備分散した後、対向衝突型湿式粉砕機(アルチマイザー、杉野マシン製)を用い、圧力245mPaで15分間分散処理を行い、体積平均粒子径が328nmの着色剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス(HNP9、日本精鑞製、融点:75℃) 45質量部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
前記成分を混合し80℃に加熱し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間予備分散した後、圧力噴出型粉砕機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)を用い、分散処理を行い、体積平均粒子径が185nmの離型剤粒子分散液を得た。
(トナーの作製)
−トナー粒子(1)−
・複合樹脂粒子分散液(1) 166質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(A) 24質量部
・着色剤粒子分散液 52質量部
・離型剤粒子分散液 51質量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。次いで、この溶液にポリ塩化アルミニウム0.19質量部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら45℃まで加熱し、45℃で60分保持した後、ここに複合樹脂粒子分散液(1)を緩やかに90質量部を追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを7.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、3時間保持した。
冷却後、溶液中に分散した状態の粒子を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。この操作を更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度が15.8μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、得られた固形物を、12時間かけて真空乾燥させ、黒色のトナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)の粒度分布を測定したところ、体積平均粒子径D50は5.9μmであり、体積平均粒度分布指標GSDvは1.20であり、形状係数SF1が136であり、平均形状分布指標(S84/S161/2が1.05であり、GSDv/GSDpが0.97であった。また、トナー粒子(1)に用いられた結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂(1)、非晶性ポリエステル樹脂(2)、非晶性ポリエステル樹脂(4)及び結晶性ポリエステル樹脂(A)の混合物)のMw及びMw/Mnは各々34250及び5.5であった。
−トナー粒子(2)乃至(13)−
表4に記載の材料を用いた以外はトナー粒子(1)の場合と同様にしてトナー粒子(2)乃至(13)を得た。得られたトナー粒子についてトナー粒子(1)の場合と同様に評価した。得られた結果を表4に示す。
Figure 2008158197
上記各トナー粒子50質量部に対して、外添剤として疎水性シリカ(TS720、キャボット社製)3.5質量部を添加し、サンプルミルにてブレンドし、外添処理されたトナー(1)乃至(13)を得た。各トナーのD50、GSDv、SF1、(S84/S161/2、Mw、Mw/Mn及びGSDv/GSDpの値は、対応する各トナー粒子の値と同じであった。
<現像剤の調製>
トルエン11質量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比:2/20/78、重量平均分子量50,000)2質量部、カーボンブラック(キャボット社製、R330R)0.2質量部及びガラスビーズ(粒子径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。
次に、この被覆樹脂層形成用溶液とMn−Mg系フェライト粒子(真比重:4.6g/cm3、体積平均粒子径:35μm、飽和磁化:65emu/g)100質量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度を60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより、被覆樹脂層が形成されたフェライトキャリアを得た。
このフェライトキャリアに対し、前記トナーをトナー濃度が5%になるように混合し、ボールミルで5分間攪拌・混合し、トナー(1)乃至(13)を各々含む現像剤(1)乃至(13)を調製した。
[実施例1]
得られた現像剤1を使用し、画像形成装置として、富士ゼロックス社製プリンターDocuCentre Color 400CP改造機を用い、高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で、プロセススピード150mm/sec、定着ロール温度150℃の条件下で、5000枚画像形成した。その後、現像剤を入れたままの該プリンターを、この高温高湿環境下に72時間放置した後に、さらに、上記評価画像を、高温高湿環境下放置前のプロセススピードと定着ロール温度との条件下で、5000枚画像形成した(第1サイクル、72時間放置後の5000枚画像形成を1サイクルとする)。その後、再度、現像剤を入れたままの該プリンターを、この高温高湿環境下に72時間放置した後に5000枚画像形成するという評価を5サイクル繰り返した。
なお、画像形成に際しては、用紙としてC2紙(富士ゼロックス株式会社製)を用いた。
また、評価画像としては、25mm×25mmのソリッド画像をA4サイズの用紙に出力したものを使用した。
−定着画像評価−
第1、第3、第5サイクルの各5000枚画像形成処理時の5枚目、100枚目、5000枚目について、ソリッド画像の定着画像画質を下記評価基準で目視評価した。得られた結果を表5に示す。
◎:転写むら、スジもなく、問題なし。
○:ルーペ等で画像を拡大して、軽微な転写むら、あるいはスジが観察されたが実用上の問題なし。
△:目視で多少の転写むら、あるいはスジが観察されたが実用上の問題なし。
×:大きな転写むら、あるいはスジが観察され、実用上使用不可である。
[実施例2乃至6及び比較例1乃至7]
表5に記載した現像剤を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2008158197
表5から以下のことがわかる。
本発明の要件を全て満たした現像剤1〜6は初期から第5サイクル終了までスジ・転写ムラが未発生で、高温高湿環境下における不連続使用でも安定して良好な画質を提供している。しかし、本発明の要件のいずれかを満たさない現像剤7〜13は初期画質こそ問題ないレベルではあるが、高温高湿下で連続使用後にしばらく放置すると、コピーを再開した直後の初期画質には欠陥が見受けられる。

Claims (7)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであって、
    体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15000〜60000であり、前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0であり、形状係数SF1が110〜140であり、平均形状分布指標(S84/S161/2が1.08以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂が重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂Aと非晶性ポリエステル樹脂Bとの混合物であり、前記非晶性ポリエステル樹脂A及びBの重量平均分子量を各々Mwa及びMwbとし、前記非晶性ポリエステル樹脂A及びBを構成する全多価カルボン酸成分のうちのフマル酸成分の割合を各々aモル%及びbモル%としたときに、Mwa>Mwbかつ50モル%>a>b≧0モル%を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分としてフマル酸を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
    非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合して、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子と前記結晶性ポリエステル樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、
    前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に前記凝集粒子を加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合合一工程と、
    を少なくとも有し、
    前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との混合物の、重量平均分子量(Mw)が15000〜60000を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5〜7.0を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記非晶性ポリエステル樹脂が重量平均分子量の異なる2種類の非晶性ポリエステル樹脂の混合物であることを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含有することを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
  7. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤保持体に保持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有する画像形成方法であって、
    前記現像剤が請求項6に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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