JP2009013367A - 非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業安全性に優れ、臭気の問題がなく、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与える非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】インクジェット記録方法に用いる記録媒体に印字してカラー画像を形成する非水系インクジェットインクにおいて、該非水系インクジェットインクは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクと、少なくとも1色の特色インクとを有し、かつ、それぞれのインクは少なくとも顔料、定着樹脂及び(1)スルホキシド誘導体、(2)スルホン誘導体および(3)尿素誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法。
【選択図】なし
【解決手段】インクジェット記録方法に用いる記録媒体に印字してカラー画像を形成する非水系インクジェットインクにおいて、該非水系インクジェットインクは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクと、少なくとも1色の特色インクとを有し、かつ、それぞれのインクは少なくとも顔料、定着樹脂及び(1)スルホキシド誘導体、(2)スルホン誘導体および(3)尿素誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規の非水系インクジェットインク及びそれを用いるインクジェット記録方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方法は、簡便でかつ安価に画像を作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
この様なインクジェット記録方法で用いられるインクジェットインクとしては、水を主溶媒とする水性インク、不揮発性の溶媒を主溶媒とする油性インク、揮発性の溶媒を主溶媒とする非水系インク等がある。更に、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光等の活性光線により硬化する活性光線硬化性インク等、複数のインクジェットインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
一方、長期の耐候性が求められる屋外掲示物や曲面を有する物体への密着性が求められる印字物等、広い用途で軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体が使用されている。軟質ポリ塩化ビニルに印刷する方法は多数あるが、版作製の必要がなく、仕上がりまでの時間が短く、少量多品種の生産に適する方法として、インクジェット記録方法がある。
軟質ポリ塩化ビニルに対してインクジェット記録を行う際、用いるインクジェットインクとしては、従来、シクロヘキサノン等を多く含有する非水系インクが用いられ、例えば、シクロヘキサノンを含有したインクジェットインクが開示されている(特許文献1参照)。このシクロヘキサノンは、軟質ポリ塩化ビニルに対する溶解能が高く、インクジェットインク中の顔料が軟質ポリ塩化ビニル中に入り込むため、良好な耐擦過性、光沢性が得られる。しかし、シクロヘキサノンは第1種有機溶媒の指定を受けており、安全性に問題があるだけでなく、シクロヘキサノンを含有するインクジェットインクを取り扱う際には、局所排気装置が必要となる欠点があった。
これに対し、シクロヘキサノンを含まないことを特徴とする非水系インクが開発、販売されている。例えば、ポリ塩化ビニルを溶解する溶媒として、上記のような課題を抱えているシクロヘキサノンに代えて、N−メチルピロリドン、アミド等の溶媒を含有する非水系インクが開示されている(特許文献2、3参照)。また、擦過性等の画像堅牢性を向上させる目的で、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やアクリルなどの定着樹脂を添加した非水系インクが開示されている(特許文献4、5参照)。これらのインクジェットインクを用いることで、記録作業中の臭気を抑制でき、かつ軟質ポリ塩化ビニルに対する耐擦過性を備えた画像を形成できるようになった。
一般にインクジェット方式における画像形成は、イエロー、マゼンタ、シアンの3原色にブラックの各色を用い、減色法により様々な彩度と明度の色を再現している。本発明者は上記参考文献に示した非水系インクを用い、高画質のカラー画像形成を検討した。その結果、前記3原色の混合により再現される、赤、青、緑などのいわゆる二次色の部分において、画像形成時の乾燥性、形成された画像の耐擦過性、さらに画像の均一性に劣るという難点を有することが判明した。従って、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与えるインクジェット記録方法が未だ存在していないのが現状である。
特表2002−526631号公報
特開2005−15672号公報
特開2005−60716号公報
特開2005−36199号公報
WO2004/007626号パンフレット
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、作業安全性に優れ、臭気の問題がなく、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与える非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.インクジェット記録方法に用いる記録媒体に印字してカラー画像を形成する非水系インクジェットインクにおいて、該非水系インクジェットインクは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクと、少なくとも1色の特色インクとを有し、かつ、それぞれのインクは少なくとも顔料、定着樹脂及び下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする非水系インクジェットインク。
〔式中、R1、R2はそれぞれ炭素数が1〜6の置換基を表し、R1とR2が結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、R3、R4はそれぞれ炭素数が1〜6の置換基を表し、R3とR4が結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、R5、R6、R7、R8は水素原子または炭素数が1〜6の置換基を表し、R5、R6、R7、R8のいずれか二つ以上の置換基が結合して環を形成していてもよい。〕
2.前記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物の含有量が3質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする前記1記載の非水系インクジェットインク。
2.前記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物の含有量が3質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする前記1記載の非水系インクジェットインク。
3.下記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1又は2記載の非水系インクジェットインク。
〔式中、R9、R10はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX1はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。〕
〔式中、R11、R12はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX2はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。〕
4.前記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物の含有量が、50質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
4.前記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物の含有量が、50質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
5.前記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
6.前記定着樹脂が、数平均分子量が10,000〜30,000の範囲である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
7.前記1〜6のいずれか1項記載の非水系インクジェットインクを、軟質ポリ塩化ビニルに印字してカラー画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
8.インクジェットヘッドより吐出される最小液滴体積が15pl以下であることを特徴とする前記7記載のインクジェット記録方法。
本発明により、作業安全性に優れ、臭気の問題がなく、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与える非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、非水系インクジェットインクを用い高精細な高画質画像の記録について様々な検討を行った。その結果、N−メチルピロリドン、アミド等の溶媒を含有する従来公知の非水系インクジェットインクでは、以下の難点を有することを見いだした。即ち、赤、青、緑などのいわゆる二次色の部分において、画像形成時の乾燥性、形成された画像の耐擦過性、さらに画像の均一性が劣っている。
これに対し本発明者らは、上記課題に鑑み様々な溶媒とその組み合わせ、および種々インク種との組み合わせについて検討を行った。その結果、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクと、少なくとも1色の特色インクとからなるインクセットで、前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有する非水系インクジェットインクセットとした。この非水系インクジェットインクセットを用いることで、作業安全性に優れ、臭気の問題がなく、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与えるインクジェット記録方法を提供できることを見いだした。
その理由については明確ではないが、以下のように推定している。
本発明においては、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクに加え、少なくとも1色の特色インクを用いる特徴を有する。通常のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの四色の組み合わせを用いていわゆる二次色を再現しようとする場合、これらのインクの組み合わせにより二次色を再現するため、インク量が大幅に増加してしまう。たとえばシアンとマゼンタとの組み合わせにより赤色を再現しようとする場合、シアンとマゼンタを1:1の割合で混合する必要があるため、最高濃度(いわゆるベタ濃度)を再現するためにはシアン・マゼンタ双方を最大量、吐出・印字する必要があるため、シアンあるいはマゼンタ単独色を記録する場合に比べ2倍のインク量が必要となる。そのため、画像記録時の乾燥性が大幅に低下することとなる。特に軟質ポリ塩化ビニルなどの非吸収性の記録媒体を用いる場合、インクの乾燥は溶媒の蒸発に支配されるため、インク量が増大するとそれだけ乾燥性が劣化することとなる。
また通常のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの四色の組み合わせでは二次色部分においてインク量が大幅に増加する。そのため、乾燥後も顔料や樹脂成分などの付着量が大幅に増加し、シアン、マゼンタ、イエローあるいはブラック等の単独色の部分との画像の厚みが異なってしまうことになる。特に濃色の部分においてはその差が著しく、たとえばマゼンタのベタ濃度部分と赤のベタ濃度部分が隣接している場合、画像の厚みが赤色部分で約2倍にもなってしまうため、二次色部分のみ盛り上がっているように見え、画像の均一性が損なわれてしまう。
さらにN−メチルピロリドン、アミド等の溶媒を含有する従来公知の非水系インクジェットインクでは、定着樹脂および分散剤の溶解性、顔料微粒子の分散安定性が十分ではない。そのため、二次色部分のようにインク付着量が多い画像部では、溶媒の蒸発に伴い定着樹脂あるいは分散剤、顔料が凝集・析出しやすく、その結果顔料が効果的に樹脂に被覆されにくくなり、耐擦過性が劣化してしまう傾向にある。
これに対し前記一般式(1)、(2)、および(3)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物を含有する本発明の非水系インクジェットインクセットを用いることで、定着樹脂および分散剤が十分な溶解性を有する。また顔料微粒子が十分な分散安定性を有することができるため、例えインク付着量の多い画像部分においてもこれらの成分が凝集・析出しにくくなり、耐擦過性の劣化を抑制することができると考えられる。さらに特色インクと組み合わせることで、二次色部分においてもインク付着量が大幅に増加しなくなるため、画像記録時の乾燥性や画像の均一性も劣化を抑えられるものと考えられる。
以下、本発明の非水系インクジェットインクの構成について、具体的に説明する。
本発明の非水系インクジェットインク(以下、インクジェットインクあるいはインクともいう)は、前記一般式(1)、(2)、および(3)で表されるスルホキシド、スルホン、または尿素誘導体化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する。
前記一般式(1)において、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、メチルスルフィニルプロピル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にR1とR2は同じであっても異なっていても良く、またR1とR2が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(2)において、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、メチルスルフィニルプロピル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にR3とR4は同じであっても異なっていても良く、またR3とR4が互いに結合して環を形成していても良い。
このような一般式(1)、(2)で表される化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラエチレンスルホキシド、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチル−イソプロピルスルホン、メチル−ヒドロキシエチルスルホン、スルホランなどが挙げられる。
前記一般式(3)において、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子あるいは炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、メチルスルフィニルプロピル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にR5、R6、R7、R8は同じであっても異なっていても良く、またR5、R6、R7、R8のいずれか二つ以上の置換基が結合して環を形成していてもよい。
このような一般式(3)で表される化合物としては、例えば、N,N−ジメチル尿素、N,N’−ジメチル尿素、テトラメチル尿素、N,N’−ジエチル尿素、N−シクロヘキシル尿素、イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。
インクジェットインク中の前記一般式(1)、(2)、および(3)で表される化合物の含有量は、3質量%以上、30質量%以下含有することが好ましい。さらに好ましくは5質量%以上、15質量%以下である。前記一般式(1)、(2)、および(3)で表される化合物の含有量が3質量%未満であると、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材に対する耐擦過性が不十分となる場合がある。また、30質量%超となると長期の使用によりインクジェットヘッドの異常を引き起こしやすくなる。
本発明のインクジェットインクは非水系溶媒を含有することができるが、前記一般式(4)及び(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記一般式(4)において、R9、R10はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX1はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
また、前記一般式(5)において、R11、R12はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX2はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
本発明に係る一般式(4)及び(5)で表される具体的な化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材に印字した時のインクの速乾性をより向上させることができる。その中でも、特に好ましくは、ジエチレングリコールジエチルエーテルとエチレングリコールジアセテートを少なくとも1:1〜10:1の比で含有するものである。
インクジェットインク中の前記一般式(4)及び(5)で表される化合物の含有量は、50質量%以上、90質量%以下であることが好ましい。このような溶媒構成にすることにより、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材印字時の速乾性、出射安定性が良好となるのに加え、インクの臭気をより少ないものとすることができる。
本発明のインクジェットインクにおいては、本発明に係る前記一般式(1)〜(5)で表される化合物の他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の溶媒を含有しても良く、そのような溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が挙げられる。
次に、本発明に係る定着樹脂について説明する。
本発明のインクジェットインクでは、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材に記録した際の定着性を向上させるために、様々な定着樹脂(以下、単に樹脂ともいう)が添加される。
添加する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
特に好ましい定着樹脂は、数平均分子量が10000〜30000の範囲であり、組成としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物と塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物を混合して用いても良く、更にはこれら塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物や塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物などと、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを混合して用いても良い。
本発明のインクに、これらの定着樹脂を添加することにより、出射安定性と耐擦性やアルコール耐性をバランスよく向上させることができる。
アルコール拭き取り耐性とは、エタノールまたはエタノール・水混合溶媒で画像表面を拭き取った際に画像剥離等の乱れに対する耐性であり、屋外用途のポスター等で、画像表面の汚れをアルコールで拭き取ることに対するユーザーニーズである。
本発明に係る定着樹脂の合成法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など、特に制約はなく適用することができるが、その中でも、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法とは、ビニル基をもつモノマーのラジカル重合を行う際に用いられる方法の一つで、生成するポリマーが可溶な溶媒にモノマーおよび開始剤を溶解させて、加熱して重合を行う方法である。
溶液重合法により合成された定着樹脂は、比較的高分子量であっても溶解性が高く、インク中により多くの樹脂を含有させることができるため、耐擦性を向上させることができる。
本発明のインクにおける定着樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。含有量を1質量%以上とすることで、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材に記録した時の画像耐候性が高められ、10質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなり、より好ましい含有量の範囲は3〜7質量%の範囲である。
次に、本発明に係る顔料について説明する。
本発明の非水系インクジェットインクに色材として顔料を使用することにより、可塑剤を含有しない樹脂基材あるいは無機基材に記録した記録物の耐候性を高めることができる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタ用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
イエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。
シアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明において、上記イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色のインクに加え、少なくとも1色の特色インクを用いる特徴を有する。その特色インク用の顔料としては従来公知のもの使用することができるが、例えばレッド用の顔料としてはC.I.ピグメントレッド170、177、194、209、224、C.I.ピグメントバイオレット19、23、37等が挙げられる。またグリーン用の顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7あるいは36が挙げられる。さらにブルー用としてはC.I.ピグメントブルー15:6が挙げられる。
本発明のインクにおけるこれらの顔料の含有量は、2〜10質量%とすることが好ましい。また、画像粒状感を低減するため淡色インクを用いることがあるが、その際は、濃色インクに対して顔料の含有量を1/5〜1/2とすることが好ましい。
本発明に係る顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては、従来公知の分散装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、50nm以上、150nm以下がより好ましい。平均粒径を10nm以上とすることにより顔料粒子同士の凝集が生じにくくなり、平均粒径を200nm以下とすることによって、長期間にわたり保存した際に顔料が沈降する現象を抑制しやすくなるため、平均粒径を前記の範囲とすることで保存安定性が良好なインクを得られやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が用いられるが、高分子分散剤が好ましい。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(BYK Chemie社製)、Disperbyk(BYK Chemie社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)等が挙げられる。
本発明のインクジェットインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して10〜200質量%であることが好ましい。10質量%以上とすることで顔料分散の安定性が高められ、200質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。
本発明のインクジェットインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明のインクジェットインクを吐出して画像形成を行う際に使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
本発明に係るインクジェット記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを吐出し記録媒体に付着させることで、インクジェット記録画像が得られる。記録媒体に付着させたインクを素早く確実に乾燥させるため、記録媒体の表面温度を高めて画像形成する方法が好ましい。
表面温度は、記録媒体の耐久性や、用いるインクの乾燥性に応じて調節するが、好ましくは40〜100℃である。表面温度を高めることにより、記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上するため、表面温度を高めて記録することは好ましい。
記録媒体の表面温度を高めて記録を行う場合、インクジェット記録装置にヒーターを搭載させることが好ましく、記録媒体の搬送前、もしくは搬送時に加熱を行うことにより、インクジェット記録装置単体で記録媒体の表面温度を調節することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体としては、ポリ塩化ビニルを用いることが好ましい。ポリ塩化ビニルからなる記録媒体の具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUS MARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス 光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/One Way Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300 GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、Hi Lucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上、積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weight banner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE 550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、Digital White 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
また、以下に記載の顔料分散剤、定着樹脂は、減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去し、固形分が20質量%となるように分散で用いる有機溶媒で希釈して使用した。以下、顔料分散剤、定着樹脂の使用量は固形分換算値を表す。
《インクの調製》
〔インク1の調製〕
〈イエロー顔料分散体1の調製〉
C.I.ピグメントイエロー150(以下、PY150と略記する)を10部、顔料分散剤であるソルスパーズ24000(Noveon社製)を5部、請求項1に係る化合物としてジメチルスルホキシド(S−1)を1部、請求項3に係る化合物としてジエチレングリコールジエチルエーテルを64部とエチレングリコールジアセテートを20部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去してイエロー顔料分散体1を得た。
〔インク1の調製〕
〈イエロー顔料分散体1の調製〉
C.I.ピグメントイエロー150(以下、PY150と略記する)を10部、顔料分散剤であるソルスパーズ24000(Noveon社製)を5部、請求項1に係る化合物としてジメチルスルホキシド(S−1)を1部、請求項3に係る化合物としてジエチレングリコールジエチルエーテルを64部とエチレングリコールジアセテートを20部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去してイエロー顔料分散体1を得た。
〈樹脂溶液1の調製〉
請求項1に係る化合物としてジメチルスルホキシドを1部、請求項3に係る化合物としてジエチレングリコールジエチルエーテルを69部とエチレングリコールジアセテートを20部、定着樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、ダウケミカルズ社製)を10部、それぞれ混合、溶解して樹脂溶液1を調製した。
請求項1に係る化合物としてジメチルスルホキシドを1部、請求項3に係る化合物としてジエチレングリコールジエチルエーテルを69部とエチレングリコールジアセテートを20部、定着樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、ダウケミカルズ社製)を10部、それぞれ混合、溶解して樹脂溶液1を調製した。
〈インク1の調製〉
上記樹脂溶液1の50部を攪拌しながら、顔料分散体1の50部を混合し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、インク1を得た。
上記樹脂溶液1の50部を攪拌しながら、顔料分散体1の50部を混合し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、インク1を得た。
〔インク2〜30の調製〕
上記インク1の調製において、顔料種、定着樹脂種、請求項1に係る化合物の種類及び添加量、請求項3に係る化合物の種類及び添加量、その他溶媒の種類及び添加量を、表1、表2に記載のように変更した以外は同様にして、インク2〜30を調製した。
上記インク1の調製において、顔料種、定着樹脂種、請求項1に係る化合物の種類及び添加量、請求項3に係る化合物の種類及び添加量、その他溶媒の種類及び添加量を、表1、表2に記載のように変更した以外は同様にして、インク2〜30を調製した。
なお、表1、表2に略称で記載されている各添加剤の詳細は以下の通りである。なお、表1、表2に記載の含有量の数値は、質量%である。
〔顔料〕
PB15:3;C.I.ピグメントブルー15:3
PY150;C.I.ピグメントイエロー150
PR122;C.I.ピグメントレッド122
C.B.;カーボンブラック
PG7;C.I.ピグメントグリーン7
PR170;C.I.ピグメントレッド170
〔定着樹脂〕
PVC:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、ダウケミカルズ社製)
〔化合物(A)(請求項1に係る化合物)〕
S−1:ジメチルスルホキシド
S−2:メチルエチルスルホン
S−3:N,N’−ジメチルイミダゾリジノン
〔溶媒B(請求項3に係る化合物)〕
DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル
EGDAc:エチレングリコールジアセテート
〔その他溶媒〕
EGBEAc:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
NMP:N−メチルピロリドン
《インクの評価》
上記調製した各インクについて、表3に示す通りインクを組み合わせ、インクセットを作製した。さらに該インクセットを用いて軟質塩化ビニル上に下記の方法に従って印字を行い、画像1〜9を形成し各評価を行った。なお、グリーンインク及びレッドインクが本実施例における特色インクである。
PB15:3;C.I.ピグメントブルー15:3
PY150;C.I.ピグメントイエロー150
PR122;C.I.ピグメントレッド122
C.B.;カーボンブラック
PG7;C.I.ピグメントグリーン7
PR170;C.I.ピグメントレッド170
〔定着樹脂〕
PVC:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、ダウケミカルズ社製)
〔化合物(A)(請求項1に係る化合物)〕
S−1:ジメチルスルホキシド
S−2:メチルエチルスルホン
S−3:N,N’−ジメチルイミダゾリジノン
〔溶媒B(請求項3に係る化合物)〕
DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル
EGDAc:エチレングリコールジアセテート
〔その他溶媒〕
EGBEAc:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
NMP:N−メチルピロリドン
《インクの評価》
上記調製した各インクについて、表3に示す通りインクを組み合わせ、インクセットを作製した。さらに該インクセットを用いて軟質塩化ビニル上に下記の方法に従って印字を行い、画像1〜9を形成し各評価を行った。なお、グリーンインク及びレッドインクが本実施例における特色インクである。
〔画像の形成〕
ノズル口径28μm、駆動周波数10kHz、ノズル数512、最小液滴体積14pl、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が1440×1440dpiであるヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに表3に示すインクセットを装填した。次いで、各インクを吐出し、記録媒体上に10cm×10cmのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、レッドの各色ベタ画像を記録した。なお、グリーン、レッドの各色ベタ画像において、特色インクを用いる場合には特色インクを最大限使用し、インク付着量が最小となるよう、ルックアップテーブルを調整した。また印字中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が45℃になるようにヒーター温度を設定した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形(株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
ノズル口径28μm、駆動周波数10kHz、ノズル数512、最小液滴体積14pl、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が1440×1440dpiであるヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに表3に示すインクセットを装填した。次いで、各インクを吐出し、記録媒体上に10cm×10cmのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、レッドの各色ベタ画像を記録した。なお、グリーン、レッドの各色ベタ画像において、特色インクを用いる場合には特色インクを最大限使用し、インク付着量が最小となるよう、ルックアップテーブルを調整した。また印字中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が45℃になるようにヒーター温度を設定した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形(株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
〔作業時の臭気の評価〕
横3m、奥行き2m、高さ2mの閉め切った部屋の中で、記録媒体20枚に対して上記画像形成を連続で行い、その後、被験者10人による臭覚評価を行った。ほぼ無臭と判定した場合を5点、非常に不快な臭気と判定した場合を1点として5段階で点数をつけ、下記の基準に従って作業時の臭気を評価した。
横3m、奥行き2m、高さ2mの閉め切った部屋の中で、記録媒体20枚に対して上記画像形成を連続で行い、その後、被験者10人による臭覚評価を行った。ほぼ無臭と判定した場合を5点、非常に不快な臭気と判定した場合を1点として5段階で点数をつけ、下記の基準に従って作業時の臭気を評価した。
◎:被験者10人の平均点は、4.0点以上である
○:被験者10人の平均点は、3.0点以上、4.0点未満である
△:被験者10人の平均点は、2.0点以上、3.0点未満である
×:被験者10人の平均点は2.0点未満である
《形成画像の評価》
〔画像の評価〕
上記方法に従って、作製した画像1〜9を、下記の方法に従って評価を行った。いずれも△以上の性能を許容レベルとした。
○:被験者10人の平均点は、3.0点以上、4.0点未満である
△:被験者10人の平均点は、2.0点以上、3.0点未満である
×:被験者10人の平均点は2.0点未満である
《形成画像の評価》
〔画像の評価〕
上記方法に従って、作製した画像1〜9を、下記の方法に従って評価を行った。いずれも△以上の性能を許容レベルとした。
〈乾燥性の評価〉
ポリ塩化ビニルに画像を記録した後、ベタ画像を指で擦り、下記の基準に従って乾燥性を評価した。
ポリ塩化ビニルに画像を記録した後、ベタ画像を指で擦り、下記の基準に従って乾燥性を評価した。
◎:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から3分未満である
○:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から3分以上4分未満
△:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から4分以上5分未満
×:指で擦っても画像が取れなくなる時間が、画像記録直後から5分以上かかる
〈耐擦過性の評価〉
ポリ塩化ビニルに記録した画像表面を乾いた木綿で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
○:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から3分以上4分未満
△:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から4分以上5分未満
×:指で擦っても画像が取れなくなる時間が、画像記録直後から5分以上かかる
〈耐擦過性の評価〉
ポリ塩化ビニルに記録した画像表面を乾いた木綿で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
◎:50回以上擦っても画像はほとんど変化しない
○:50回擦った段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:20〜50回擦る間に、画像濃度が低下する
×:20回未満擦る間に、画像濃度が低下する
〈画像均一性の評価〉
上記各色ベタ画像の厚み・光沢について、被験者10人による官能評価を行った。厚み・光沢が均一と判定した場合を5点、各色の画像の間に大きな差があり均一ではないと判定した場合を1点として5段階で点数をつけ、下記の基準に従って耐臭気性を評価した。
○:50回擦った段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:20〜50回擦る間に、画像濃度が低下する
×:20回未満擦る間に、画像濃度が低下する
〈画像均一性の評価〉
上記各色ベタ画像の厚み・光沢について、被験者10人による官能評価を行った。厚み・光沢が均一と判定した場合を5点、各色の画像の間に大きな差があり均一ではないと判定した場合を1点として5段階で点数をつけ、下記の基準に従って耐臭気性を評価した。
◎:被験者10人の平均点は、4.0点以上である
○:被験者10人の平均点は、3.0点以上、4.0点未満である
△:被験者10人の平均点は、2.0点以上、3.0点未満である
×:被験者10人の平均点は2.0点未満である
以上により得られた各結果を、表4に示す。
○:被験者10人の平均点は、3.0点以上、4.0点未満である
△:被験者10人の平均点は、2.0点以上、3.0点未満である
×:被験者10人の平均点は2.0点未満である
以上により得られた各結果を、表4に示す。
表4に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるインクセットは、比較例に対し、作業安全性に優れ、臭気の問題がなく、記録後の乾燥性に優れ、十分な耐擦過性を有し、かつ均一な画像を与えることが分かる。
Claims (8)
- インクジェット記録方法に用いる記録媒体に印字してカラー画像を形成する非水系インクジェットインクにおいて、該非水系インクジェットインクは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色インクと、少なくとも1色の特色インクとを有し、かつ、それぞれのインクは少なくとも顔料、定着樹脂及び下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする非水系インクジェットインク。
- 前記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物の含有量が3質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水系インクジェットインク。
- 前記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物の含有量が、50質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
- 前記一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
- 前記定着樹脂が、数平均分子量が10,000〜30,000の範囲である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の非水系インクジェットインク。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の非水系インクジェットインクを、軟質ポリ塩化ビニルに印字してカラー画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクジェットヘッドより吐出される最小液滴体積が15pl以下であることを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録方法。
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