JP2009013026A - 光学ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率という光学特性を有すると共に,低屈伏点であり,PbOを含まず,しかも成形表面の白濁や荒れの発生が防止される,精密モールドプレス成形に適した光学ガラスを提供すること。
【解決手段】ガラス組成として,重量%で
25:18〜32%,B23:0〜8%,GeO2:5〜20%,Al23:0.1〜10%,ZnO:8〜30%,TiO2:0〜3%,Nb25:4〜30%,WO3:1〜12%,Bi23:3〜45%,Li2O+Na2O+K2O:6〜18%(但し,Li2O:0.1〜8%,Na2O:2〜18%,K2O:0〜10%),BaO:1.3〜15%,MgO+CaO+SrO:0.5〜10%(但し,MgO:0.1〜5%,CaO:0〜5%,SrO:0.5〜5%),NaF:0〜10,ZnF:0〜10を含んでなることを特徴とする光学ガラス。
【選択図】なし

Description

本発明は光学ガラスに関し,特に高屈折率及び低屈伏点で且つ,成形時の耐失透性が改善された,モールド成形及び微細構造の転写に適した組成を有する光学ガラスに関する。
近年,光学機器の小型軽量化が著しく進展している中で,非球面レンズが多く用いられるようになってきている。これは,非球面レンズは光線収差の補正が容易であり,レンズの枚数を少なくし,機器をコンパクトにすることができるためである。さらに非球面レンズ以外への用途も開発されてきており,金型の微細構造を精度良く転写できることが望まれている。
非球面レンズの製造は,ガラスのプリフォームを加熱軟化させ,これを所望形状に精密モールドプレス成形することによってなされている。プリフォームを得る方法は大きく2種類に分けられ,一つはガラスのブロックあるいは棒材等からガラス片を切り出してプリフォーム加工する方法,もう一つはガラス融液をノズル先端から滴下して球状のガラスプリフォームを得る方法である。
精密モールドプレス成形によってガラス成形品を得るためには,プリフォームの加圧成形を屈伏点(At)近傍の温度で行うことが必要である。このため,プリフォームの屈伏点(At)が高いほど,これに接する金型が一層の高温に曝されることとなり,金型表面が酸化消耗し,金型のメンテナンスが必要となり,低コストでの大量生産が実現できなくなる。このため,プリフォームを構成する光学ガラスは,比較的低温で成形できること,従って,ガラス転移点(Tg)及び/又は屈伏点(At)が低いことが望まれている。
一方,モールドレンズに用いられるガラスとしては,その用途に応じて種々の光学特性を有するものが求められており,中でも高屈折率でかつ低屈伏点の光学特性を有するものの要求が高まっている。そのような光学特性を満たすガラスとしてSFタイプのガラスがあるが,人体に有害なPbOを含有するばかりでなく,精密プレス成形時に金属鉛が製品の表面に析出するため好ましくない。
PbOを含有しない上記の光学特性を有するガラスとしてP25−B23−GeO2−Nb25−Bi23−R2O系ガラス(R=Na,K,Li)で,1.83以上という屈折率を持った精密プレス用光学ガラスが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら,このガラスには,精密モールドプレス成形したとき成形品の成形表面が白濁し易いという問題がある。また,P25−B23−TiO2−Nb25−WO3−R2O系ガラス(R=Na,K,Li)も酸化鉛を含有しない上記の光学特性を有するガラスとして知られているが(特許文献2参照),このガラスは,紫色に着色しやすい上に,精密モールドプレス成形したときやはり成形表面が白濁し易いという問題がある。特に,これらのガラスの成形で発生する成形表面の白濁は,成形品の透明性を失わせ不良品を与えるため,これらのガラスを精密モールドプレス成形によるモールドレンズの大量生産に用いることは,不可能である。そのような白濁の発生は,主として成形時の加圧によって表面失透が発生することによるものであることが確認されており,その発生の度合いはプリフォームの作製方法や金型表面の状態によっても大きく左右される。
更に,アルカリ金属酸化物とP25,B23,Al23等を含みPbOを含まないプレス成形レンズ用光学ガラスが報告されているものの(特許文献3参照),このガラスは,Bi23を比較的多く使用しており,精密モールドプレス後にBi23の還元による着色とBi23が原因と思われるガラス表面の荒れが生じやすいため,近年期待されている高屈折率,低屈伏点のモールドガラスの条件を十分には満たしていない。
特開2001−58845号公報 特開2002−173336号公報 特開2003−238197号公報
上記のように,PbOの代替成分としてBi23を含有するガラスは精密モールドプレス成形したとき成形表面に荒れが生じやすいという問題がある,という背景において,本発明は,高屈折率(特に好ましくは屈折率1.65以上)という光学特性を有すると共に,低屈伏点であり,人体に有害なPbOを含まず,しかも成形表面の白濁や荒れの発生が防止される,精密モールドプレス成形に適した光学ガラスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため,本発明者は研究を重ねた結果,ガラスの製造にあたってその組成を特定範囲のものとすること,具体的にはガラス成分のZnOとGeO2を増量させることによって,Bi23に伴う成形品の成形表面の荒れの発生を抑制することができると共に,上記の光学特性を有し,ガラス転移温度(Tg)及びガラス屈伏点(At)が低く,かつ精密モールドプレス成形で成形表面に白濁等の欠陥が生じにくいという特徴を有する,低コストの精密プレス成形レンズ用ガラスが得られることを見出し,本発明を完成させた。
すなわち,本発明は,以下を提供するものである。
1.ガラス組成として,重量%で
25:18〜32%
23:0〜8%
GeO2:5〜20%
Al23:0.1〜10%
ZnO:8〜30%
TiO2:0〜3%
Nb25:4〜30%
WO3:1〜12%
Bi23:3〜45%
Li2O+Na2O+K2O:6〜18%
(但し,Li2O:0.1〜8%,Na2O:2〜18%,K2O:0〜10%)
BaO:1.3〜15%
MgO+CaO+SrO:0.5〜10%
(但し,MgO:0.1〜5%,CaO:0〜5%,SrO:0.5〜5%)
NaF:0〜10%
ZnF:0〜10%
を含んでなることを特徴とする光学ガラス。
2.ガラス組成として,重量%で
Gd23:0〜3%
Yb23:0〜3%
ZrO2 :0〜3%
Ta25:0〜3%
(但し,Gd23+Yb23+ZrO2+Ta25:0.1〜3%)
を更に含んでなることを特徴とする,上記1の光学ガラス。
3.ガラス組成として,重量%でTeO2を10%以下の量で含んでなることを特徴とする,上記1又は2の光学ガラス。
4.屈折率(nd)が1.65〜1.80,ガラス転移点(Tg)が400〜490℃,ガラス屈伏点(At)が440〜550℃である,上記1ないし3の何れかの光学ガラス。
上記各組成になる本発明によれば,屈折率(nd)が1.65〜1.80,人体に有毒なPbOを含まず,しかも精密モールドプレス時に成形表面で白濁が生じにくい,従って精密モールドプレス成形品の大量生産に適した光学ガラスを得ることができる。
本発明において,屈折率(nd)とは,ヘリウムの587.6 nmの輝線に対する屈折率をいう。本発明のガラスにおいて,屈折率は好ましくは1.65〜1.80の範囲にあり,より好ましくは1.68〜1.78の範囲にある。
また,本発明において,アッベ数(νd)は,νd=(nd−1)/(nF−nc)で定義され,nF,nCはそれぞれ水素の486.1nm及び656.3nmの輝線に対する屈折率である。
また,屈伏点(At)とは,熱機械分析装置(TMA)で熱膨張測定をしたとき,ガラスの軟化によって,膨張曲線が上昇から下降に転じる極大点である。
本発明の光学ガラスの組成において,P25は,ガラス網目構造形成成分であり,ガラスに製造可能な安定性を持たせるための必須成分である。顕著な安定化効果を得るには,P25含有量を重量%で18重量%以上とするのが好ましく,20重量%以上とするのがより好ましく,21重量%以上とするのが更に好ましい。また,光学ガラスとしての高い屈折率を得るためには,32重量%以下とするのが好ましく,30重量%以下とするのがより好ましい。
23は,必須な成分ではなく,その含有量は0%であっても良いが,P25と同様にガラス網目構造形成成分であり,ガラスに安定性を持たせるために有効な成分であるため,例えば,1重量%以上含有させることがより好ましい。但し,光学ガラスとしての高い屈折率を得るためには,8重量%以下とするのが好ましく,6重量%以下にすることがより好ましく,5重量%以下とするのが更に好ましい。
GeO2もP25,B23と同様にガラス網目構造形成成分であり,ガラスに安定性を持たせるために必須な成分である。本発明者らはまた,GeO2を加えることで,高屈折率,低屈伏点化に大きく寄与するBi23を更に多く含有させることが可能となり,かつ成形性を向上させることができることを見出した。GeO2の含有量は,例えば,5重量%以上とすることが好ましく,10重量%以上とすることがより好ましい。但し,高い屈折率を有するには,20重量%以下とすることが好ましく,18重量%以下にすることがより好ましく,14重量%未満にすることが更に好ましい。
Al23は,本発明の目的とする,成形時の失透の発生を抑制するための必須成分である。顕著な耐失透効果を得るには,0.1重量%以上含有させるのが好ましく,0.5重量%以上含有させることがより好ましい。しかし,過剰な含有はガラスの液相温度を上げるうえに屈折率が低くなるため,含有量は10重量%以下とするのが好ましく,8重量%以下とすることがより好ましい。また耐候性にも大きな効果を得ることができる。
ZnOは,成形時の失透の発生を抑制し,成形性を向上させるための必須成分であり,8重量%以上含有させることが好ましく,9重量%以上含有させることがより好ましく,10重量%以上含有させることが更に好ましい。一方,過剰な含有はガラスの液相温度を上げるため,含有量は30重量%以下とするのが好ましく,28重量%以下にすることがより好ましく,26重量%以下にすることが更に好ましい。
TiO2は,必須な成分ではなく,その含有量は0%であっても良いが,ガラスに高屈折率を付与するために有効であるため,0.1重量%以上含有させることが好ましい。但し,過剰な含有はガラスの安定性を損なうため,含有量は3重量%以下とするのが好ましい。
Nb25は,ガラスに高屈折率に最も寄与する必須成分であるため,4重量%以上含有させるのが好ましい。但し,過剰な含有はガラスの安定性を損ない,また着色の原因となるため,含有量は30重量%以下とするのが好ましく,28重量%以下とすることがより好ましい。
WO3は,ガラスに高屈折率低屈伏点を付与し,成形性を向上させるために有効な成分であり,例えば1重量%以上含有させるのが好ましい。但し,過剰な含有はガラスの安定性を損なうため,含有量は12重量%以下とするのが好ましく,10重量%以下とするのがより好ましい。
Bi23は,ガラスを高屈折率及び低屈伏点とするのに寄与する必須成分であるため,3重量%以上含有させるのが好ましい。但し,過剰な含有は成形時の成分揮発や失透を発生させやすくするため,含有量は45重量%以下とするのが好ましく,42重量%以下とすることがより好ましく,40重量%以下とすることが更に好ましく,38重量%以下とすることがいっそう好ましい。
2O成分として,Li2O,Na2O及びK2Oの2種以上を併用することは,アルカリ混合効果によりガラスに製造可能な安定性を持たせつつ,ガラス転移点及び屈伏点を低下させるのに有効である。併用する場合には,これらの成分の含有量(それらの合計)は,例えば6重量%以上とすることができる。一方,光学ガラスとしての高い屈折率を得るためには,これらの成分の含有量を18重量%以下にするのが好ましく,16重量%以下とすることがより好ましい。
加えて,上記においてLi2Oは,ガラス転移点を低下させると同時に,屈折率を保持するために有効な成分であるため,例えば,0.1重量%以上含有させることが好ましい。一方,過剰な含有はガラスの粘性を下げ,ガラスの安定性を損なうため,含有量は8重量%以下とすることが好ましく,3重量%未満とすることがより好ましい。
また,Na2Oは,ガラス転移点を低下させると同時に,ガラスの安定性を高めるために有効な成分であるため,例えば,2重量%以上含有させることが好ましく,3重量%以上含有させることがより好ましい。一方,高い屈折率を得るためには,含有量は18重量%以下とするのが好ましく,16重量%以下とするがより好ましい。
更に,K2Oの含有量は,0%であっても良いが,ガラス転移点を低下させると同時にガラスの安定性を高めるのにも有効な成分であるため,例えば,0.1重量%以上含有させることが好ましい。一方,高い屈折率を得るためには,含有量は10重量%以下とすることが好ましい。
BaOは,ガラスの安定性を高め,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効である。その含有量は,例えば,1.5重量%以上とするのが好ましい。但し,高屈折率を保持するためには,含有量は15重量%以下とするのが好ましく,14重量%以下とするのがより好ましく,12重量%以下とするのが更に好ましい。
本発明のガラスは,MgO,CaO及びSrOの中から選ばれる少なくとも1種を含有する。これらの成分は,BaOと共に添加したとき何れもガラスの安定性を高め,成形性の向上に寄与し,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効であり,0.5重量%以上含有させるのが好ましい。但し,高屈折率を得るためには,これらの含有量の和は10重量%以下とするのが好ましい。
加えて,上記においてMgOは,ガラスの安定性を高め,成形性の向上に寄与し,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効である。その含有量は,0.1重量%以上とするのが好ましい。但し,高屈折率を保持するためには,含有量は5重量%以下とするのが好ましく,3重量%以下とするのがより好ましい。
また,CaOは,必須ではないが,ガラスの安定性を高め,成形性の向上に寄与し,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効である。但し,高屈折率を保持するためには,含有量は5重量%以下とするのが好ましく,3重量%以下とするのがより好ましい。
更に,SrOは,ガラスの安定性を高め,成形性の向上に寄与し,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効である。その含有量は,0.5重量%以上とするのが好ましい。但し,高屈折率を保持するためには,含有量は5重量%以下とするのが好ましく,3重量%以下とするのがより好ましい。
NaF及びZnF2は,必須ではないが,ガラスの溶融性を高め,かつ屈伏点や液相温度を低下させるために有効である。またガラスの耐候性を向上させることができる。その含有量は,10重量%以下とするのが好ましい。
Gd23,Yb23,ZrO2及びTa25は,必須ではないが,何れも屈折率を高める働きをするため適宜添加し得る成分である。Ta25及びZrO2は,ガラスの安定性を高める働きも有する。このため,添加する場合これらの成分の含有量の和は,0.1重量%以上とするのが好ましく,0.5重量%以上とするのがより好ましい。その一方,これらの成分のうちGd23,Yb23及びZrO2は,ガラスを高アッベ数とする方向に働き,またTa25は高価でありコスト低減に反する。従って,これらの成分の含有量の和は,3重量%以下とするのが好ましい。
TeO2は,必須ではないが,ガラスの安定性を高め,かつ屈伏点や液相温度を低下させる働きを有する成分である。但し,人体に有害であるため,添加する場合その含有量は10重量%以下とするのが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造原料については,例えば,成分P25のためには,LiPO3,NaPO3,KPO3,Al(PO33,Ba(PO32等を用いることができ,成分B23のためには,H3BO3,B23等を用いることができ,他の成分についても,原料として各種酸化物,炭酸塩,硝酸塩等の通常の光学ガラス原料を用いることができる。それら製造原料を,上記した所定範囲の酸化物組成を達成する割合で混合し,混合物を1000℃〜1200℃で溶融し,清澄(ガス抜き),攪拌の各工程を経て均質化させた後,金型に流し込み徐冷することにより,無色,高屈折率で低屈伏点の,透明,均質で加工性に優れた,本発明の光学ガラスを得ることができる。
以下,実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
表1及び2に示した実施例及び比較例の組成となるように原料を秤量し,常法により混合物を1000℃〜1200℃で溶融し,清澄(ガス抜き),攪拌の各工程を経て均質化させた後,金型に流し込み徐冷することにより光学ガラスを得た。なお,比較例Aは,特許文献1の実施例10に記載のガラスと同一組成のもの,比較例Bは,特許文献2の実施例80に記載のガラスと同一組成のもの,比較例Cは,特許文献3の実施例6と同一組成のものである。
上記ガラスの各々について,屈折率(nd),アッベ数(νd),屈伏点(At)及びガラス転移点の測定を行った。また,白濁等の欠陥の有無を顕微鏡で確認した。次に,各ガラス板を賽の目状に切断加工し,複数個の同一寸法を有するカットピースを得た。さらに,複数個のカットピースの成形面を鏡面研磨し,洗浄したサンプルをプレス成形用ガラスプリフォームとした。このプレス成形用ガラスプリフォームを,貴金属系の離型膜の設けられた上コア・下コアを備えたプレス成形機に投入し,N2ガス雰囲気中にてAt近傍温度まで加熱後,加圧してプレス成形し,冷却後,プレス成形品として取り出した。このプレス成型品の成形面の状態を確認すると共に,ガラスと接したコア面につき,曇りの発生等の異常の有無を目視により検査した。ここに,コア面に曇りが生じた場合,ガラスからの成分揮発が原因であり,プレス成形品の成形面に微小な荒れが生じている。加えて,コア面にそのような曇りを生じさせるガラスは,金型の反復使用につれそのようなコア面の異常を増幅させるため,プレス成形品の量産には使用できない。
屈折率(nd)及びアッベ数(νd)の測定は,屈折率計(カルニュー社製,KPR−200)を用いて行った。
ガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)の測定は,長さ15〜20mm,直径(辺)3〜5mmの棒状試料を毎分5℃の一定速度で昇温加熱しつつ,試料の伸びと温度を測定して得られた熱膨張曲線から求めた。
測定結果を表1,2に示す。
Figure 2009013026

Figure 2009013026

表1及び2に見られるとおり,本発明の実施例のガラスは,何れも1.65以上の高い屈折率(nd)を有する一方,アッベ数が低く,光学ガラスとして十分な光学恒数を有していた。また,本発明の何れのガラスも,ガラス転移点(Tg)が400〜490℃の範囲内であり,Atが440〜550℃という比較的低い温度範囲内にあるため,成形が容易である。更には,本発明の何れのガラスも,成形時における成形表面の白濁発生が十分に抑制されていると共に,コア面も正常であった。これらの結果から,本発明の光学ガラスが,精密モールドプレス成形による成形品の量産に好適なガラスであることがわかる。これに対し,比較例Aのガラスは成形時に白濁を生じ,比較例Bのガラスは,成形時に白濁を生じることに加えて,さらに紫色の着色をも呈した。また,比較例Cのガラスは,成形後にコア面に曇りが生じており,成形面に微小な荒れが生じていること,及び,量産に使用できないことが明らかである。
本発明は,高屈折率,低アッベ数で,ガラス転移温度及びガラス屈伏点が低く,精密モールドプレス成形時に白濁を生じにくく耐失透性に優れ,非球面レンズの成形に特に適し且つ量産に適した光学ガラスを提供する。

Claims (4)

  1. ガラス組成として,重量%で
    25:18〜32%
    23:0〜8%
    GeO2:5〜20%
    Al23:0.1〜10%
    ZnO:8〜30%
    TiO2:0〜3%
    Nb25:4〜30%
    WO3:1〜12%
    Bi23:3〜45%
    Li2O+Na2O+K2O:6〜18%
    (但し,Li2O:0.1〜8%,Na2O:2〜18%,K2O:0〜10%)
    BaO:1.3〜15%
    MgO+CaO+SrO:0.5〜10%
    (但し,MgO:0.1〜5%,CaO:0〜5%,SrO:0.5〜5%)
    NaF:0〜10%
    ZnF:0〜10%
    を含んでなることを特徴とする光学ガラス。
  2. ガラス組成として,重量%で
    Gd23:0〜3%
    Yb23:0〜3%
    ZrO2 :0〜3%
    Ta25:0〜3%
    (但し,Gd23+Yb23+ZrO2+Ta25:0.1〜3%)
    を更に含んでなることを特徴とする,請求項1の光学ガラス。
  3. ガラス組成として,重量%でTeO2を10%以下の量で含んでなることを特徴とする,請求項1又は2の光学ガラス。
  4. 屈折率(nd)が1.65〜1.80,ガラス転移点(Tg)が400〜490℃,ガラス屈伏点(At)が440〜550℃である,請求項1ないし3の何れかの光学ガラス。
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