JP2009011594A - ミシンによる刺繍方法及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】より好適にアップリケを縫い付けられるミシンによる刺繍方法を提供する。
【解決手段】縫い針9aを保持して上下動する針棒9と布保持枠11に布を保持して針棒の上下動方向に直交する水平面上を移動する布移動機構10とを備えたミシン1によるアップリケの縫い付けにおいて、キルト綿Kを土台布Bに縫いつけるキルト綿縫い付け工程と、アップリケA布を土台布Bに縫い付けるアップリケ布縫い付け工程と、アップリケ模様の外縁を刺繍縫いする刺繍縫い工程と、を備え、キルト綿縫い付け工程による縫い目P3は、アップリケ布縫い付け工程による縫い目P4よりも内側に沿って行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、刺繍が施される土台布とアップリケ模様を形成するアップリケ布との間にキルト綿が設けてアップリケ布を土台布に縫い付けるミシンによる刺繍方法に関する。
ミシンを用いて布にアップリケ模様等の刺繍を施す縫いを行う場合、針棒の上下動方向に対して直交する水平面に沿って布を移動させる布移動機構に刺繍を施す対象となる布(土台布)を保持させて、刺繍模様を形成する布(アップリケ布)を縫い付けるミシンが従来より知られている(例えば特許文献1)。このとき、当該刺繍模様に対応した針落ち位置及び針数等の各種パラメータを含む縫製データに基づいて当該ミシンが動作することで縫い付けが行われる。
特開平5−123466号公報
ところで、一般的にアップリケを施す場合、アップリケ模様を十分に覆うことが可能な広さのアップリケ布を土台布にアップリケ模様の形状の外縁に沿った縫い目で縫い付け、その後当該縫い目に沿ってアップリケ布を切断して整形する。さらに、当該アップリケ布の整形後の外縁を覆うように刺繍縫いを施し、アップリケが完成する。
また、土台布にアップリケ布を縫い付ける際に、土台布とアップリケ布との間にキルト綿を挟みこんでアップリケ布を縫い付けることにより、アップリケに膨らみを持たせることができる。しかしながら、従来のミシンによる刺繍では、土台布とアップリケ布との間にキルト綿を挟みこんで縫いを行う場合、キルト綿を独立して土台布に縫い付ける工程はない。つまり、布移動機構に保持された土台布に対してキルト綿とアップリケ布とを重ね合わせて置き、一つの工程で土台布に対してキルト綿とアップリケ布とを同時に縫いつける。その後、当該工程の縫い目に沿ってキルト綿とアップリケ布とを切断して整形するが、このときキルト綿とアップリケ布とを縫いつける縫い目は同じなので、キルト綿とアップリケ布とはほぼ同じ外縁を持つこととなる。その後、アップリケ布の外縁を覆うように刺繍縫いが行われるが、当該刺繍縫いによって押圧を受けたキルト綿の端部の一部が外側に押し出されて刺繍縫いの外縁からはみ出すことがある。つまり、刺繍縫いで外縁を覆われたアップリケ模様からキルト綿の端部の一部が突出することにより、アップリケが美しく仕上がらないことがあるといった問題点があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より好適にアップリケを縫い付けられるミシンによる刺繍方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を保持して上下動する針棒と、布を保持する布保持枠を備えて針棒の上下動方向にほぼ直交した水平面上を移動可能に設けられた布移動機構と、を備え、前記布保持枠に保持された土台布とアップリケ模様を形成するためのアップリケ布との間に厚布状のキルト綿を挟み込んで当該土台布に当該アップリケ布を縫い付けるミシンによる刺繍方法において、前記アップリケ模様の外縁に沿って前記キルト綿を前記土台布に縫いつけるキルト綿縫い付け工程と、前記キルト綿縫い付け工程の後に行われ、前記アップリケ模様の外縁に沿って前記アップリケ布を前記土台布に縫い付けるアップリケ布縫い付け工程と、前記アップリケ布縫い付け工程の後に行われ、前記アップリケ模様の外縁を刺繍縫いする刺繍縫い工程と、を備え、前記キルト綿縫い付け工程による縫い目の運針を、前記アップリケ布縫い付け工程による縫い目の運針よりも内側に沿って行うことを特徴とする。
請求項1における「刺繍縫い」とは、アップリケ布の外縁に沿ってアップリケ布の裁断面を覆うように縁かがり縫い(例えばサテン縫い)を行う工程である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンの刺繍方法において、前記キルト綿縫い付け工程の前に、前記土台布に前記キルト綿を配置する指標となる縫い目を当該土台布に施すキルト綿指標縫い付け工程を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のミシンの刺繍方法において、前記アップリケ布縫い付け工程の前に、前記土台布に前記アップリケ布を配置する指標となる縫い目を当該土台布と当該アップリケ布とに施すアップリケ布指標縫い付け工程を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、縫い針を保持して上下動する針棒と、布を保持する布保持枠を備えて針棒の上下動方向にほぼ直交した水平面上を移動可能に設けられた布移動機構と、を備え、前記布保持枠に保持された土台布とアップリケ模様を形成するためのアップリケ布との間に厚布状のキルト綿を挟み込んで当該土台布に当該アップリケ布を縫い付けるミシンにおいて、前記アップリケ模様の外縁に沿って前記キルト綿を前記土台布に縫いつけるように前記布移動機構を制御するキルト綿縫い付け制御手段と、前記アップリケ模様の外縁に沿って前記アップリケ布を縫い付けるように前記布移動機構を制御するアップリケ布縫い付け制御手段と、前記アップリケ模様の外縁を刺繍縫いするように前記布移動機構を制御する刺繍縫い制御手段と、を備え、前記キルト綿縫い付け制御手段は、前記アップリケ布縫い付け制御手段よりも内側に沿って運針を行うように前記布移動機構を制御することを特徴とする。
請求項4における「刺繍縫い」とは、アップリケ布の外縁に沿ってアップリケ布の裁断面を覆うように縁かがり縫い(例えばサテン縫い)を行う工程である。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のミシンにおいて、前記土台布に前記キルト綿を配置する指標となる縫い目を当該土台布に施すように前記布移動機構を制御するキルト綿指標縫い付け制御手段を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載のミシンにおいて、前記土台布に前記アップリケ布を配置する指標となる縫い目を当該土台布と当該アップリケ布とに施すように前記布移動機構を制御するアップリケ布指標縫い付け制御手段を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、キルト面縫い付け工程でキルト綿を土台布に縫い付ける。その後、キルト綿縫い付け工程による縫い目に沿ってキルト綿を切断した後に、アップリケ布縫い付け工程でアップリケ布を土台布に縫い付ける。このとき、キルト綿縫い付け工程で施される縫い目の運針は、アップリケ布縫い付け工程の縫い目の運針よりも内側に沿って行われる。つまり、アップリケ布縫い付け工程の縫い目はキルト綿縫い付け工程の縫い目に沿って切断されたキルト綿の外側を覆うように施され、アップリケ布がキルト綿の外縁を覆い隠す。その後、アップリケ布縫い付け工程の縫い目に沿ってアップリケ布を切断した後に、刺繍縫い工程でアップリケ模様の外縁を刺繍縫いする。これによって、アップリケ布縫い付け工程の縫い目に沿って切断されたアップリケ布の外縁が刺繍縫いで覆われ、アップリケ模様の外縁を均一に美しく仕上げることが可能となる。このとき、キルト綿の外縁はアップリケ布の外縁の内側にあるので、刺繍縫いによる押圧でキルト綿の端部が刺繍縫いの外側に押し出されることはない。つまり、アップリケの縫い付けにおいて請求項1に記載の各工程を経ることによって、従来のミシンでは刺繍縫いで外縁を覆われたアップリケ模様からキルト綿の端部の一部が突出することにより、アップリケが美しく仕上がらないことがあるといった問題点を解決することができる。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性が大幅に向上する。
請求項2記載の発明によれば、キルト綿指標縫い付け工程で土台布に対してキルト綿を配置する際の指標となる縫い目が土台布に施されるので、キルト綿を土台布に縫い付ける際の土台布に対するキルト綿の位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、当該縫い目によって土台布に対するキルト綿の位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
請求項3記載の発明によれば、アップリケ布指標縫い付け工程で土台布に対してアップリケ布を配置する際の指標となる縫い目が土台布及びアップリケ布に施されるので、アップリケ布を土台布に縫い付ける際の土台布に対するアップリケ布の位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、当該縫い目によって土台布に対するアップリケ布の位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
請求項4記載の発明によれば、キルト面縫い付け制御手段による布移動機構の動作による縫製でキルト綿を土台布に縫い付ける。その後、キルト綿縫い付け制御手段による縫い目に沿ってキルト綿を切断した後に、アップリケ布縫い付け制御手段による布移動機構の動作による縫製でアップリケ布を土台布に縫い付ける。このとき、キルト綿を土台布に縫い付ける縫い目の運針は、アップリケ布を土台布に縫い付ける縫い目の運針よりも内側に沿って行われる。つまり、アップリケ布縫い付け制御手段による縫い目はキルト綿縫い付け制御手段の縫い目に沿って切断されたキルト綿の外側を覆うように施され、アップリケ布がキルト綿の外縁を覆い隠す。その後、アップリケ布縫い付け制御手段の縫い目に沿ってアップリケ布を切断した後に、刺繍縫い制御手段による布移動機構の動作による縫製でアップリケ模様の外縁を刺繍縫いする。これによって、アップリケ布縫い付け制御手段の縫い目に沿って切断されたアップリケ布の外縁が刺繍縫いで覆われ、アップリケ模様の外縁を均一に美しく仕上げることが可能となる。このとき、キルト綿の外縁はアップリケ布の外縁の内側にあるので、刺繍縫いによる押圧でキルト綿の端部が刺繍縫いの外側に押し出されることはない。つまり、アップリケの縫い付けにおいて、従来のミシンでは刺繍縫いで外縁を覆われたアップリケ模様からキルト綿の端部の一部が突出することにより、アップリケが美しく仕上がらないことがあるといった問題点を解決することができる。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性が大幅に向上する。
請求項5記載の発明によれば、キルト綿指標縫い付け制御手段によって土台布に対してキルト綿を配置する際の指標となる縫い目が土台布に施されるよう布移動機構が制御されるので、キルト綿を土台布に縫い付ける際の土台布に対するキルト綿の位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、当該縫い目によって土台布に対するキルト綿の位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
請求項6記載の発明によれば、アップリケ布指標縫い付け制御手段によって土台布に対してアップリケ布を配置する際の指標となる縫い目が土台布及びアップリケ布に施されるよう布移動機構が制御されるので、アップリケ布を土台布に縫い付ける際の土台布に対するアップリケ布の位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、当該縫い目によって土台布に対するアップリケ布の位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
(本発明の実施の形態の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明による刺繍方法に用いるミシンであり、また本発明の実施の形態であるミシン1は、縫い針9aを保持して上下動する針棒9に対して布を保持する布保持枠11を有する布移動機構10が針棒9の上下動方向にほぼ直交する水平面に沿って移動して縫いを行うミシンである。
図1は本発明による刺繍方法に用いるミシンであり、また本発明の実施の形態であるミシン1の斜視図である。図2はミシン1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ミシン1は、ミシンフレームのアーム部3の下面に設けられて縫い針9aを支持して上下動する針棒9と、ミシンフレームの土台部4の上面に設けられて布保持枠11に布を保持して針棒9の上下動方向に直交した水平面に沿って移動する布移動機構10と、ミシンフレームの胴部2に設けられてオペレータによる操作を受け付けると共にミシン1の各種情報を表示するタッチパネルディスプレイ7と、を備えている。
さらに、図2に示すように、ミシン1は、アーム部3の内部にてアーム部3の延設方向に沿って配接された主軸(図示略)と、主軸を回転させるミシンモータ21と、主軸の回転角度を検出するエンコーダ22と、主軸の回転運動を上下動運動に変換して針棒9に伝達する上下動機構(図示略)と、ミシンの動作及び停止を切替可能に選択する起動停止スイッチ23と、ミシンの各種動作を制御する制御部30と、を備えている。
なお、以下の説明において、主軸の配接方向に沿った方向をX軸方向、X軸方向に直交して針棒の上下動方向に直交する方向をY軸方向とする。
(ミシンの動作の仕組み)
まず、ミシン1の動作の仕組みについて詳細に説明する。
ミシンモータ21の駆動によって主軸が回転すると、上下動機構を介して上下動運動が針棒9に伝達され、針棒9は上下動する。このとき、主軸の回転角度がエンコーダ22によって検出される。また、エンコーダ22の検出した主軸の回転角度によって針棒9の上下動位置を検出可能することができる。つまり、主軸角度が決まれば、針の上下動位置は決定されるので、縫い針9aが下降して布保持枠11に保持された布を貫通しているタイミングや、縫い針9aが上昇して当該布に刺さっていないタイミングを検出可能となっている。なお、ミシンモータ21の駆動及びエンコーダ22の検出結果に基づく処理は後述する制御部30が行う。
布移動機構10は布を保持する布保持枠11と、布保持枠11を針棒9とベッド部4との間において針棒9の上下動方向にほぼ直交した水平面に沿って移動させる駆動部12と、を備えている。また、図2に示すように、駆動部12は布移動機構10をX軸方向に沿って移動させる駆動源としてのX軸モータ12aと、布移動機構10をY軸方向に沿って移動させる駆動源としてのY軸モータ12bと、を備えている。X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動によって布移動機構10は当該水平面に沿って移動し、針棒9の上下動による縫い針9aの針落ち位置に対して布を移動させる。このとき、縫い針9aが布保持枠11に保持された布に刺さっているタイミングで布移動機構10が移動すると、当該布縫い針9aの刺さっている位置に布破れを起こしたり、縫い針9aが折れたりすることがある。よって、エンコーダ22の検出によって縫い針9aが当該布に刺さっていないタイミングで布移動機構10は移動する。なお、布移動機構10の移動の制御は後述する制御部30が行う。
なお、布保持枠11は駆動部12に対して着脱可能に設けられており、布保持枠11への布セットや布保持枠11に保持された布に対してオペレータが手動で作業を行う場合には布保持枠11を駆動部12から取り外して作業することができる。また、布保持枠11は外枠11aと内枠11bとを有しており、布保持枠11による布の保持は、外枠11aと内枠11bとの間に布を挟んだ状態で内枠11bを外枠11aの内側に嵌合させることで行われる。
制御部30はミシン1の動作に関する各種処理を行うCPU31と、CPU31の各種処理において一時的に発生するデータやパラメータ等を格納するRAM32と、ミシン1の各種動作に関するプログラム及びデータを書き換え不能に記憶するROM33と、縫製データ40等のミシン1の各種動作に関するプログラム及びデータを書き換え可能に記憶するEEPROM34と、を備えている。
EEPROM34に記憶されている縫製データ40は、ミシン1による縫いの針落ち位置や総針数等を含むプログラムである。縫製データ40に含まれる針落ち位置及び総針数に基づいて、CPU31は布移動機構10及びミシンモータ21を駆動制御する。このとき、エンコーダ22の検出結果に基づいて、縫い針9aが布保持枠11に保持された布に刺さっていないタイミングで布移動機構10が移動するようミシンモータ21の駆動と布移動機構10の移動とを制御する。
また、EEPROM34は複数の異なる縫製データ40を記憶可能である。さらに、縫製データ40による縫い目が所定のアップリケ模様の形状の外縁となるよう設定されている場合、当該縫製データ40を用いることでアップリケを縫い付けることができる。この場合、当該縫製データ40による縫い目で布地(アップリケ布A)を当該布地とは異なる布地(土台布B)に縫い付け、アップリケ布Aを当該縫い目の外縁に沿って切断して整形する。
また、縫製データ40は一つの縫製データ40の中に複数の工程を設けることができる。例えば、アップリケ布Aと土台布Bとの間にキルト綿Kを挟み込んでアップリケを縫い付けると、アップリケに膨らみを持たせることができる。その場合、アップリケ布Aを土台布Bに縫い付ける前に、キルト綿Kを土台布Bに縫い付ける縫いを行う工程が当該縫製データ40に含まれる。また、当該縫製データ40には、上述の整形されたアップリケ布の外縁を覆う刺繍縫いを施す工程も含まれている。
また、縫製データ40内に設けられた複数の工程間に一時停止を行うことができる。当該一時停止中は、オペレータによる手動作業を行うことができる。例えば、布保持枠11に保持される布の交換を行ったり、キルト綿Kやアップリケ布Aを切断して整形したりすることができる。即ち、縫製データ40によって、ミシン1による縫製作業の工程の流れを決定することができる。
なお、複数の縫製データ40のうちミシン1によって実行される縫製データ40は、オペレータによるタッチパネルディスプレイ7からの入力によって選択される。また、ミシン1の縫製動作の起動及び停止は起動停止スイッチ23の操作によって行われる。
(縫製データ)
次に、縫製データ40について詳細に説明する。図3は縫製データ40の構成を示す説明図である。
図3に示すように、縫製データ40は縫製作業の各工程に対応して、アップリケ布に施す装飾としての縫い模様P1を施すためのアップリケ布装飾部41と、土台布Bに縫い目P2を施すための土台布指標縫い付け部42と、キルト綿Kを土台布Bに縫い付ける縫い目P3を施すためのキルト綿縫い付け部43と、アップリケ布Aを土台部Bに縫い付ける縫い目P4を施すためのアップリケ布縫い付け部44と、縫い目P4に沿って整形されたアップリケ布Aの外縁に刺繍縫いの縫い目P5を施すための刺繍縫い部45と、を有している。なお、各部41〜45は縫製作業において順番に実行される。
図4は縫製データ40による縫製の一工程を示す説明図である。なお、図4(a)はアップリケ布Aに施された縫い模様P1と,合印P1aと,方形状の縫い目P1bとを示す説明図であり、図4(b)は土台布Bに施された方形状の縫い目P2を示す説明図である。
アップリケ布装飾部41は、縫製データ40による縫製の一工程を行うためのデータであり、図4(a)に示すように、アップリケ布Aの表面部に施される装飾となる縫い模様P1を施す際の針落ち位置及び針数を記憶している。また、後述するアップリケ布縫い付け部44による土台布Bへのアップリケ布Aの縫着を行うための縫い目P4の最初の針落ち位置に位置合わせを行うための合印P1aと、土台布Bに対してアップリケ布Aを配置する際の指標となる方形状の縫い目P1bと、を施す針落ち位置及び針数もアップリケ布装飾部41に含まれている。このとき、方形状の縫い目P1bは、アップリケ模様の形状の外縁に干渉しない十分な広さを方形状の縫い目P1bの内側に有するよう形成される。なお、縫い模様P1,合印P1a及び方形状の縫い目P1bを施す順番に特に制限はなく、いずれの順番で縫いを行ってもよい。
アップリケ布装飾部41による縫い模様P1を施す際は、布保持枠11にアップリケ布Aのみをセットして縫いを行う。その後、アップリケ布Aを布保持枠11から外し、土台布Bのみを布保持枠11にセットして土台布指標縫い付け部42による縫い目P2を施す工程へ移る。
なお、このときアップリケ布Aの方形状の縫い目P1bの外側に位置する部分を切除しておくことが望ましい。後述する土台布指標縫い付け部42により土台布Bには同じ大きさの方形状の縫い目P2が形成され、アップリケ布縫い付け部44によるアップリケ布Aと土台布Bとの縫い付け時にはアップリケ布Aの位置合わせが行いやすくなるからである。
土台布指標縫い付け部42は、縫製データ40による縫製の一工程を行うためのデータであり、図4(b)に示すように、土台布Bに対してキルト綿K及びアップリケ布Aを配置する際の指標となる方形状の縫い目P2を土台布Bに施す際の針落ち位置及び針数を記憶している。このとき、方形状の縫い目P2は、上述の方形状の縫い目P1bと同一の大きさである。また、方形状の縫いP1bとアップリケ模様の形状との位置関係と、方形状の縫いP1bとアップリケ模様の形状との位置関係とは同一である。さらに、方形状の縫い目P2は指標としてのみ機能するので、アップリケの縫い付けが完了した後には不要となり縫い糸を除去する必要がある。よって、方形状の縫い目P2はアップリケが完成した後に容易に解けるよう形成されていることが望ましい。本実施の形態では、縫い目P2は1[cm]ピッチの歩き縫いで形成される。
土台布指標縫い付け部42による方形状の縫い目P2を施す工程は、布保持枠11に土台布Bのみをセットして縫いを行う。また、土台布指標縫い付け部42による工程以降の縫い工程では布保持枠11から土台布Bを外さない。
図5は縫製データ40による縫製の一工程を示す説明図である。なお、図5(a)はキルト綿Kと土台布Bとを縫い付ける縫い目P3を示す説明図である。図5(b)はキルト綿Kと土台布Bとを縫い付ける縫い目P3に沿ってキルト綿Kを整形した状態を示す説明図である。
キルト綿縫い付け部43は、縫製データ40による縫製の一工程を行うためのデータであり、図5(a)に示すように、土台布Bに対してキルト綿Kを縫い付ける縫い目P3を施す際の針落ち位置及び針数を記憶している。縫い目P3は、後述するアップリケ布縫い付け部44による縫い目P4の内側に沿って施される(図7(b)参照)。つまり、アップリケ布により形成されるアップリケ模様の外縁より数ミリ内側をたどることにより形成される所定形状に沿った縫い目となる。キルト綿Kは、縫い目P3の形成後、当該縫い目に沿ってそれより外側となる部分が手作業により切除されることとなる。従って、アップリケ模様の外縁よりどの程度内側とするかについては使用するキルト綿の柔軟性や厚み、繊維のほどけ易さなどを考慮してキルト綿がアップリケ布の外縁からはみ出さないような値を適宜選択することが望ましい。また、あっプリ模様の形状によっては、当該形状を縮小した相似形の外縁に沿った縫い目としても良い。
キルト綿縫い付け部43による縫い目P3を施す際は、布保持枠11に保持された土台布Bの方形状の縫い目P2にキルト綿Kの外延部が接するようキルト綿Kを土台布Bの上面にセットして縫いを行う。よって、キルト綿Kは予め方形状の縫い目P2と合致する大きさに整形されていることが望ましい。また、縫製作業中にキルト綿Kが土台布に対して位置ずれを起こさないよう、キルト綿Kの外延部と土台布Bとをセロテープ(登録商標)等で仮止めしておくことが望ましい。
なお、アップリケにより大きな膨らみを持たせる場合は、より厚みのあるキルト綿を用いてもよいし、複数枚のキルト綿Kを重ね合わせて当該工程で縫い付けてもよい。
また、縫い目P3が施された後、図5(b)に示すように、オペレータによってキルト綿Kの縫い目P3の外側に位置する部分が切除される。つまり、キルト綿Kは縫い目P3に沿って整形される。かかる切除は、切除後のキルト綿Kの外縁が縫い目P3と縫い目4の間に収まるように、なるべく縫い目P3ぎりぎりに沿って行われる。
その後、アップリケ布縫い付け部44による縫い目P4を施す工程へ移る。
図6は縫製データ40による縫製の一工程を示す説明図である。なお、図6(a)はアップリケ布Aと土台布Bとを縫い付ける縫い目P4を示す説明図である。図6(b)はアップリケ布Aと土台布Bとを縫い付ける縫い目P4に沿ってアップリケ布Aを整形した状態を示す説明図である。
アップリケ布縫い付け部44は、縫製データ40による縫製の一工程を行うためのデータであり、図6(a)に示すように、土台布Bに対してアップリケ模様の形状の外縁に沿ってアップリケ布Aを縫い付ける縫い目P4を施す際の針落ち位置及び針数を記憶している。このとき、上述のように縫い目P4の内側に縫い目P3が沿うよう縫い付けられている(図7(b)参照)。また、縫い目P4は、切除が行われたキルト綿Kの外縁より外側に沿って形成される。つまり、縫い目P4によって土台布Bに縫い付けられたアップリケ布Aによって、縫い目P3に沿って整形されたキルト綿Kの外縁は覆われる。
アップリケ布縫い付け部44による縫い目P4を施す際は、布保持枠11に保持された土台布Bの方形状の縫い目P2とアップリケ布の方形状の縫い目P1bとを合致させるように土台布Bの上面にアップリケ布Aをセットして縫いを行う。また、縫製作業中にアップリケ布Aが土台布に対して位置ずれを起こさないよう、キルト綿Kの外延部と土台布Bとをセロテープ等で仮止めしておくことが望ましい。
また、縫い目P4が施された後、図6(b)に示すように、オペレータによってアップリケ布Aの縫い目P4の外側に位置する部分が切除される。かかる切除は、切除後のアップリケ布Aの外縁がなるべく縫い目P4ぎりぎりに沿って行われることが望ましい。つまり、アップリケ布Aは縫い目P4に沿って整形される。
その後、刺繍縫い部45による刺繍縫いP5を施す工程へ移る。
図7は縫製データ40による縫製の一工程を示す説明図である。なお、図7(a)は刺繍縫いP5を示す説明図である。図7(b)は縫製データ40によって土台布Bに施されたアップリケを構成する各部の位置関係を示す断面図である。
刺繍縫い部45は、縫製データ40による縫製の一工程を行うためのデータであり、土台布Bに縫い付けられたアップリケ布Aの外縁部及び縫い目P4を覆うように刺繍縫いP5を施す際の針落ち位置及び針数を記憶している。刺繍縫いP5による縫い目が、図7(b)に示すように、縫い目P4及び縫い目P4に沿って整形されたアップリケ布Aの外縁を覆うように、縫い目P4に対して内側と外側とに交互に所定の幅で針落ちが行われるように各針落ち位置が設定されている。つまり、縫い目P5が最終的なアップリケの外縁となる。
刺繍縫い部45による縫い目P5を施す際は、上述のようにアップリケ布Aを縫い目P4に沿って整形した後に行う。以上で縫製データ40による縫い工程は終了する。その後、オペレータによって方形状の縫い目P2が解かれて、アップリケは完成する。
なお、ミシン1は、上述の縫製データ40を用いたミシン1の縫製の際に当該縫製データ40の各部ごとに一度縫製が停止するよう設けられている。つまり、ミシン1は、当該縫製データ40が選択されて起動停止スイッチ23が操作された場合、まずアップリケ布装飾部41による縫いを行う。アップリケ布装飾部41による縫いが完了するとミシン1は一時停止する。その後、起動停止スイッチ23が再度操作されると、ミシン1は土台布指標縫い付け部42による縫いを行う。以後、刺繍縫い部45による縫いが終了するまで、各部による縫いの完了後に一時停止し、その後起動停止スイッチ23が操作されると次の縫いを行う。このように、各工程ごとに次工程への進行の指示待ちを行うことにより、各工程ごとに必要となる手作業(布セット、布交換、布切除等の各種作業)を行うことができるようになっている。
(制御部における処理)
CPU31は、ROM33に格納された各種プログラムにより上記縫製データ40の各部41〜45を用いて以下に示す各種の制御を行う。
即ち、第1のプログラムにより、CPU31は、縫製の開始時において、ミシンモータ21を駆動させると共に同期させつつ、アップリケ布装飾部41に従ってX軸モータ12a、Y軸モータ12bを駆動制御し、縫い模様P1,合印P1a及び方形状の縫い目P1bをアップリケ布Aに形成する。つまり、第1のプログラムを実行することでCPU31は、「アップリケ布指標縫い付け制御手段」の一部として機能する。
また、第2のプログラムにより、CPU31は、縫製の開始時において、ミシンモータ21を駆動させると共に同期させつつ、土台布指標縫い付け部42に従ってX軸モータ12a、Y軸モータ12bを駆動制御し、方形状の縫い目P2を土台布Bに形成する。つまり、第2のプログラムを実行することでCPU31は、「キルト綿指標縫い付け制御手段」として機能すると共に、「アップリケ布指標縫い付け制御手段」の残りの部分として機能する。
また、第3のプログラムにより、CPU31は、縫製の開始時において、ミシンモータ21を駆動させると共に同期させつつ、キルト綿縫い付け部43に従ってX軸モータ12a、Y軸モータ12bを駆動制御し、縫い目P3を形成してキルト綿Kを土台布Bに縫い付ける。つまり、第3のプログラムを実行することでCPU31は、「キルト綿縫い付け制御手段」として機能する。
また、第4のプログラムにより、CPU31は、縫製の開始時において、ミシンモータ21を駆動させると共に同期させつつ、アップリケ布縫い付け部44に従ってX軸モータ12a、Y軸モータ12bを駆動制御し、縫い目P4を形成してアップリケ布Aを土台布Bに縫い付ける。つまり、第4のプログラムを実行することでCPU31は、「アップリケ布縫い付け制御手段」として機能する。
また、第5のプログラムにより、CPU31は、縫製の開始時において、ミシンモータ21を駆動させると共に同期させつつ、刺繍縫い部45に従ってX軸モータ12a、Y軸モータ12bを駆動制御し、刺繍縫いP5を形成する。つまり、第5のプログラムを実行することでCPU31は、「刺繍縫い制御手段」として機能する。
この段落の記載も上の記載に合わせてください。
また、第3のプログラムによる縫い目P3の縫い付けの終了後には針落ち位置が第4のプログラムによる縫い目P4の最初の針落ち位置となるよう布移動機構10が制御される。これによって、合印P1aに対する針落ち位置の位置合わせが容易となる。
また、アップリケの種類によっては、アップリケ布Aに縫い模様P1のような装飾が施されないことがある。この場合、アップリケ布装飾部41による縫い工程は行われない。また、この場合の方形状の縫い目P2の大きさは、アップリケ模様の形状の外縁に干渉しない十分な広さを縫い目P2の内側に有するよう形成される。さらに、この場合の縫い目P4によるアップリケ布Aと土台布Bとの縫い付けにおけるアップリケ布Aの向き及び位置については、縫い目P3に沿って整形されたキルト綿Kを十分覆い隠す程度であればよい。
(縫製データ40を用いたミシンの動作)
次に、上述の縫製データ40を用いたミシン1の動作について詳細に説明する。図8は、ミシン1の動作の流れを示すフロー図である。
まず、オペレータによって布保持枠11にアップリケ布Aのみがセットされる(ステップS1)。次に、オペレータによってタッチパネルディスプレイ7が操作され、いずれかの縫製データ40が選択される(ステップS2)。ミシン1の制御部30は、当該縫製データ40に基づいて布移動機構10を最初の針落ち位置に対応した位置へと移動させる。その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、制御部30のCPU31は縫製データ40のアップリケ布装飾部41に従ってミシンモータ21、X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動制御を実行する。アップリケ布装飾部41に基づく制御部30の制御によって布移動機構10及びミシンモータ21が制御され、図4(a)に示すように、アップリケ布Aに縫い模様P1、合印P1a及び方形状の縫い目P1bが施される(ステップS3)。縫い模様P1、合印P1a及び方形状の縫い目P1bの縫い付けが完了すると、ミシン1は一時停止する。
次に、オペレータによって布保持枠11からアップリケ布Aが取り外され(ステップS4)、土台布Bのみが布保持枠11にセットされる(ステップS5)。その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、制御部30のCPU31は縫製データ40の土台布指標縫い付け部42に従ってミシンモータ21,X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動制御を実行する。土台布指標縫い付け部42に基づく制御部30の制御によって布移動機構10及びミシンモータ21が制御され、図4(b)に示すように、土台布Bに縫い目P2が施される(ステップS6)。縫い目P2の縫い付けが完了すると、ミシン1は一時停止する。上記縫い目P1b及び縫い目P2を施すことにより「アップリケ布指標縫い付け工程」が実行されることとなる。また、上述の縫い目P2を施す工程により「キルト綿指標縫い付け工程」が実行されることとなる。
次に、オペレータによってキルト綿Kが布保持枠11に保持された土台布Bの上面にセットされる(ステップS7)。このとき、キルト綿Kは縫い目P2を指標として位置合わせされる。位置合わせされたキルト綿Kはセロテープ等で土台布Bに仮止めされる。
その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、制御部30のCPU31は縫製データ40のキルト綿縫い付け部43に従ってミシンモータ21,X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動制御を実行する。キルト綿縫い付け部43に基づく制御部30の制御によって布移動機構10及びミシンモータ21が制御され、図5(a)に示すように、キルト綿Kと土台布Bとを縫い付ける縫い目P3が施される(ステップS8)。このとき、縫い目P3は上述のように縫い目P4の内側に沿って行われる。上述の縫い目P3を施すことにより「キルト綿縫い付け工程」が実行されることとなる。
縫い目P3の縫い付けが完了すると、ミシン1は一時停止する。その後、図5(b)に示すように、オペレータによってキルト綿Kの縫い目P3の外側に位置する部分が切除され、キルト綿Kが縫い目P3に沿って整形される(ステップS9)。また、このとき、布移動機構10は後の縫い目P4の縫い付けの最初の針落ち位置に対応した位置へ移動するよう制御される。これによって合印P1aと縫い目P4の最初の針落ち位置との位置合わせが容易になる。
次に、オペレータによってアップリケ布Aが布保持枠11に保持された土台布Bの上面にセットされる(ステップS10)。このとき、アップリケ布Aは土台布Bに対して方形状の縫い目P1bと方形状の縫い目P2とが合致するよう位置合わせされる。また、方形状の縫い目P1bと方形状の縫い目P2とによる位置合わせに加え、合印P1aを縫い針9aの真下に位置するようアップリケ布Aを設置する。位置合わせされたアップリケ布Aはセロテープ等で仮止めされる。
その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、制御部30のCPU31は縫製データ40のアップリケ布縫い付け部44に従ってミシンモータ21,X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動制御を実行する。アップリケ布縫い付け部44に基づく制御部30の制御によって布移動機構10及びミシンモータ21が制御され、図6(a)に示すように、アップリケ布Aと土台布Bとを縫い付ける縫い目P4が施される(ステップS11)。このとき、縫い目P4によって土台布Bに縫い付けられたアップリケ布Aは縫い目P3及びキルト綿の外縁を覆う。縫い目P4を施すことにより「アップリケ布縫い付け工程」が実行されることとなる。
縫い目P4の縫い付けが完了すると、ミシン1は一時停止する。その後、図6(b)に示すように、オペレータによってアップリケ布Aの縫い目P4の外側に位置する部分が切除され、アップリケ布Aが縫い目P4に沿って整形される(ステップS12)。
その後、オペレータによって起動停止スイッチ23が操作されると、制御部30のCPU31は縫製データ40の刺繍縫い部45に従ってミシンモータ21,X軸モータ12a、Y軸モータ12bの駆動制御を実行する。刺繍縫い部45に基づく制御部30の制御によって布移動機構10及びミシンモータ21が制御され、図7(a)に示すように、刺繍縫いP5がアップリケ布Aの整形された外縁及び縫い目P4を覆うように施される(ステップS13)。刺繍縫いP5を施すことにより「刺繍縫い工程」が実行されることとなる。
その後、オペレータによって布保持枠11から土台布Bが取り外される。最後に、オペレータによって土台布Bから縫い目P2が解かれて除去される(ステップS14)。以上で当該縫製データ40によるアップリケの縫い付け作業は終了する。
なお、布保持枠11に保持されたアップリケ布Aや土台布Bに対する各種の手作業においては布保持枠11を駆動部12から取り外してから当該作業を行い、当該作業完了後に布保持枠11を駆動部12に取り付けるといった手順を踏んでも構わない。この場合、アップリケ布A及び土台布Bの布保持枠11に対する設置及び取り外しが容易に行える。また、土台布Bに対するキルト綿K及びアップリケ布Aの位置合わせ作業の際の各部の取り回しがより容易に行える。さらに、縫い目P3に沿って行うキルト綿Kの整形及び縫い目P4に沿って行うアップリケ布Aの整形がより容易に行える。
また、アップリケ布Aに縫い模様P1を施さない場合には、合印P1a及び方形状の縫い目P1bも不要となるので、アップリケ布装飾部41のデータとそれによる工程は不要となる。従って、布保持枠11に土台布Bがセットされるところから縫い工程が開始される。その後、縫製データ40が選択され、起動停止スイッチ23が操作されることで、土台布Bに縫い目P2が施される。また、縫い目P4によるアップリケ布Aと土台布Bとの縫い付けにおけるアップリケ布Aの向き及び位置については、縫い目P3に沿って整形されたキルト綿Kを十分覆い隠すようセットされる。他の工程は上述と同様である。
(本発明による作用効果)
上述のミシン1によれば、キルト綿Kを土台布Bに縫い付ける縫い目P3は、アップリケ布Aを土台布Bに縫い付ける縫い目P4よりも内側に沿って行われる。つまり、キルト綿Kを縫い目P3に沿ってそれよりも外側の部分を切除することで、縫い目P4で縫い付けられたアップリケ布Aは縫い目P3に沿って整形されたキルト綿Kの外縁を覆うように縫い付けられる。さらに、刺繍縫い部45を実行した制御部30の制御による縫製で縫い目P4に沿って整形されたアップリケ布Aの外縁を刺繍縫いする。これによって、アップリケ布Aの外縁が刺繍縫いP5で覆われ、アップリケ模様の外縁を均一に美しく仕上げることが可能となる。このとき、キルト綿Kの外縁はアップリケ布Aの外縁の内側にあるので、刺繍縫いP5による押圧でキルト綿Kの端部が刺繍縫いP5の外側に押し出されることはない。つまり、アップリケの縫い付けにおいて、従来のミシンでは刺繍縫いで外縁を覆われたアップリケ模様からキルト綿の端部の一部が突出することにより、アップリケが美しく仕上がらないことがあるといった問題点を解決することができる。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性が大幅に向上する。
また、縫い目P2によってキルト綿Kを土台布Bに縫い付ける際の土台布Bに対するキルト綿Kの位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、縫い目P2によって土台布Bに対するキルト綿Kの位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
さらに、方形状の縫い目P1b,P2によってアップリケ布Aを土台布Bに縫い付ける際の土台布Bに対するアップリケ布Aの位置合わせがより正確に行える。よって、縫い品質が向上し、ミシンの信頼性がより一層向上する。
さらに、方形状の縫い目P1b,P2によって土台布Bに対するアップリケ布Aの位置合わせがより容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の快適性が大幅に向上する。
さらに、合印P1aが施されることでアップリケ布Aを土台布Bに縫い付ける縫い目P4を施す際の最初の針落ち位置が明確となる。これによって、縫い目P4を施す際の針落ち位置合わせが容易に行えるので、当該位置合わせに要する時間を短縮でき、ミシンによる縫製作業の正確性及び快適性が大幅に向上する。
(その他)
なお、上述の実施の形態によるアップリケの形状に基づく縫い模様P1、縫い目P3、縫い目P4及び刺繍縫いP5はあくまで一例であり、他のアップリケの形状に沿った縫い模様、縫い目及び刺繍縫いでも構わないことは言うまでもない。
また、上述の実施の形態では、指標としての方形状の縫い目P1b及び方形状の縫い目P2は方形状の縫い目であるが、キルト綿Kと土台布B、あるいはアップリケ布Aと土台布Bとの位置合わせを行うための指標として機能すれば縫い目の形状は問わない。例えば円形の縫い目でもよい。
また、縫製データ40は制御部30のEEPROM34に記憶されているが、制御部30に外付けの記憶装置と接続可能なインターフェイスを設けて、外部の記憶装置と接続可能とし、縫製データ40を当該記憶装置から呼び出すようにしても構わない。
また、縫製データ40におけるアップリケ布装飾部41、土台布指標縫い付け部42、キルト綿縫い付け部43、アップリケ布縫い付け部44、刺繍縫いの縫い目P5の各種データは、オペレータの入力作業に基づいて作成されたデータである。しかしながら、これらのデータの内、少なくとも、キルト綿縫い付け部43の縫い目P3を示すデータとアップリケ布縫い付け部44の縫い目P4を示すデータとについては、いずれか一方をオペレータが設定入力するか或いは外部から既存のデータを入力することで、他方のデータを自動的に演算で生成する処理部を制御部30に設けても良い。つまり、設定等により用意されたデータに対して拡大又は縮小して対称形の縫い目データを自動的に形成するか、設定等により用意されたデータの外縁に対して所定距離離れてその内側又は外側をたどることで縫い目データを自動的に形成しても良い。
本発明による刺繍方法に用いるミシンであり、また本発明の実施の形態であるミシンの斜視図である。 ミシンの構成を示すブロック図である。 縫製データの構成を示す説明図である。 縫製データによる縫製の一工程を示す説明図である。なお、図4(a)はアップリケ布に施された縫い模様と,合印と,方形状の縫い目とを示す説明図であり、図4(b)は土台布に施された方形状の縫い目を示す説明図である。 縫製データによる縫製の一工程を示す説明図である。なお、図5(a)はキルト綿と土台布とを縫い付ける縫い目を示す説明図である。図5(b)はキルト綿と土台布とを縫い付ける縫い目に沿ってキルト綿を整形した状態を示す説明図である。 縫製データによる縫製の一工程を示す説明図である。なお、図6(a)はアップリケ布と土台布とを縫い付ける縫い目を示す説明図である。図6(b)はアップリケ布と土台布とを縫い付ける縫い目に沿ってアップリケ布Aを整形した状態を示す説明図である。 縫製データによる縫製の一工程を示す説明図である。なお、図7(a)は刺繍縫いを示す説明図である。図7(b)は縫製データによって土台布に施されたアップリケを構成する各部の位置関係を示す断面図である。 ミシンの動作の流れを示すフロー図である。
符号の説明
7 タッチパネルディスプレイ
9 針棒
10 布移動機構
11 布保持枠
12 駆動部
21 ミシンモータ
23 起動停止スイッチ
30 制御部
31 CPU
34 EEPROM
40 縫製データ

Claims (6)

  1. 縫い針を保持して上下動する針棒と、布を保持する布保持枠を備えて針棒の上下動方向にほぼ直交した水平面上を移動可能に設けられた布移動機構と、を備え、前記布保持枠に保持された土台布とアップリケ模様を形成するためのアップリケ布との間に厚布状のキルト綿を挟み込んで当該土台布に当該アップリケ布を縫い付けるミシンによる刺繍方法において、
    前記アップリケ模様の外縁に沿って前記キルト綿を前記土台布に縫いつけるキルト綿縫い付け工程と、
    前記キルト綿縫い付け工程の後に行われ、前記アップリケ模様の外縁に沿って前記アップリケ布を前記土台布に縫い付けるアップリケ布縫い付け工程と、
    前記アップリケ布縫い付け工程の後に行われ、前記アップリケ模様の外縁を刺繍縫いする刺繍縫い工程と、を備え、
    前記キルト綿縫い付け工程による縫い目の運針を、前記アップリケ布縫い付け工程による縫い目の運針よりも内側に沿って行うことを特徴とするミシンによる刺繍方法。
  2. 前記キルト綿縫い付け工程の前に、前記土台布に前記キルト綿を配置する指標となる縫い目を当該土台布に施すキルト綿指標縫い付け工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシンによる刺繍方法。
  3. 前記アップリケ布縫い付け工程の前に、前記土台布に前記アップリケ布を配置する指標となる縫い目を当該土台布と当該アップリケ布とに施すアップリケ布指標縫い付け工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンによる刺繍方法。
  4. 縫い針を保持して上下動する針棒と、
    布を保持する布保持枠を備えて針棒の上下動方向にほぼ直交した水平面上を移動可能に設けられた布移動機構と、を備え、
    前記布保持枠に保持された土台布とアップリケ模様を形成するためのアップリケ布との間に厚布状のキルト綿を挟み込んで当該土台布に当該アップリケ布を縫い付けるミシンにおいて、
    前記アップリケ模様の外縁に沿って前記キルト綿を前記土台布に縫いつけるように前記布移動機構を制御するキルト綿縫い付け制御手段と、
    前記アップリケ模様の外縁に沿って前記アップリケ布を縫い付けるように前記布移動機構を制御するアップリケ布縫い付け制御手段と、
    前記アップリケ模様の外縁を刺繍縫いするように前記布移動機構を制御する刺繍縫い制御手段と、を備え、
    前記キルト綿縫い付け制御手段は、前記アップリケ布縫い付け制御手段よりも内側に沿って運針を行うように前記布移動機構を制御することを特徴とするミシン。
  5. 前記土台布に前記キルト綿を配置する指標となる縫い目を当該土台布に施すように前記布移動機構を制御するキルト綿指標縫い付け制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のミシン。
  6. 前記土台布に前記アップリケ布を配置する指標となる縫い目を当該土台布と当該アップリケ布とに施すように前記布移動機構を制御するアップリケ布指標縫い付け制御手段を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のミシン。
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