JP2009007634A - 銀合金膜のエッチング方法およびエッチング溶液 - Google Patents
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Abstract
【課題】密着層を有する銀合金膜において、サイドエッチング幅を低減せしめ、所望の微細なパターニング加工を可能とする銀合金膜のエッチング方法を提供する。
【解決手段】リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液を用い、基板上に密着層を介して配されてなる銀合金膜をエッチング処理する。
【選択図】なし
【解決手段】リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液を用い、基板上に密着層を介して配されてなる銀合金膜をエッチング処理する。
【選択図】なし
Description
本発明は、銀合金膜のエッチング方法およびエッチング溶液に係り、より詳細には微細なパターニング加工に好適な銀合金膜のエッチング方法およびエッチング溶液に関する。
銀は低抵抗であるとともに高い反射率を有することから、電極膜および反射膜としての利用が検討されているが、耐環境性が良好でないことおよびガラス基板、Si基板などの基材上へ形成される場合に基材との密着性が良好でないために、Au、Pd、Cu、Sn、Nd等の元素が添加された銀合金膜として市場に供給されている。その用途としては、例えばミラー用金属膜、液晶用半透過膜、太陽電池用電極膜、及び有機EL用電極膜等が注目されている。その中で液晶用半透過膜、有機EL用電極膜では、より繊細な画像が求められることから銀合金膜についても微細なパターニング加工が求められるようになってきている状況にある。
溶液エッチングによる銀合金薄膜のパターニングは、以下の手順で行われる。まず、銀合金膜の上にスピンコート法等によりレジストを塗布し、該レジストに所望のパターン露光を行うためのフォトマスクを介した露光を行い現像してレジストのパターン形成をする。その後、レジストをマスクとしてエッチング溶液により銀合金膜をエッチングし、レジストを除去してパターンを形成する。
銀合金膜はガラス等の基板への付着強度が低いために、銀合金膜下に密着層としてCr、Mo、Ti等の金属膜、ITO、TiO2等の酸化物および銀を含む酸化膜が用いられる。密着層の密着強度が弱い場合には、エッチング溶液が密着層と銀合金膜の界面および密着層とガラスの界面より膜へ染み込むことでサイドエッチングが大きくなり、所望のパターン形成が困難になる。そのため、基板と密着層および密着層と銀合金膜の界面においては十分な密着強度が要求される。また、密着層と銀合金膜層との間に電位差を生じ、電食が発生して銀合金膜の腐食が進展しやすい。銀合金膜において微細なパターンが困難であるのはこの理由による。
この銀合金膜で微細なパターニングを行うために、膜構造、多々のエッチング方法、およびエッチング溶液が提案されている。
銀合金膜のエッチング溶液としては、一般にリン酸、硝酸、及び酢酸の混合酸が使用されるが、リン酸、硝酸、酢酸の重量%を規定することでパターニング時の精度を上昇させる提案(特許文献1)およびリン酸、硝酸、酢酸に硝酸銀を添加して揺動なく、エッチング可能なエッチング溶液の提案(特許文献2)、また、二層銀膜(銀合金膜と密着層用酸化性銀合金膜)を特許文献2に示すエッチング溶液にてエッチングする方法等が提案されている(特許文献3)。さらにはエッチング時の安定化および均一性のためにリン酸、硝酸、酢酸のほかに少量のエッチング溶液安定剤および極微量のエッチング時の均一性保持剤(酢酸アンモニウム)を添加する提案(特許文献4)もなされている。
銀合金膜のエッチング溶液としては、一般にリン酸、硝酸、及び酢酸の混合酸が使用されるが、リン酸、硝酸、酢酸の重量%を規定することでパターニング時の精度を上昇させる提案(特許文献1)およびリン酸、硝酸、酢酸に硝酸銀を添加して揺動なく、エッチング可能なエッチング溶液の提案(特許文献2)、また、二層銀膜(銀合金膜と密着層用酸化性銀合金膜)を特許文献2に示すエッチング溶液にてエッチングする方法等が提案されている(特許文献3)。さらにはエッチング時の安定化および均一性のためにリン酸、硝酸、酢酸のほかに少量のエッチング溶液安定剤および極微量のエッチング時の均一性保持剤(酢酸アンモニウム)を添加する提案(特許文献4)もなされている。
しかしながら、リン酸、酢酸、硝酸のみによるエッチング溶液では、エッチング時におけるエッチングレートの安定性が良好でなく、銀合金膜のパターンにおける線幅にばらつきを生じる。リン酸、硝酸、酢酸に硝酸銀を添加したエッチング溶液を用いた場合でも、エッチング溶液中の純水の含有量が多く、溶液が酸性であるため、密着層と上層の間に電位差を生じて上層に電食を発生させ、サイドエッチング幅が多くなり銀合金膜の微細なパターニングが困難になる。さらにリン酸、硝酸、酢酸のほかにエッチング安定剤および均質性保持剤として酢酸アンモニウムを添加することでエッチング時におけるエッチング溶液の安定化、均質化が可能であるが、依然として純水の添加量が多く、溶液も酸性であるために、密着層とその上層の銀合金膜の間に発生する電食によりサイドエッチング量が多くなってしまう虞があった。
特開2004−176115号公報
特開2005−29869号公報
特開2005−264329号公報
特開2006−344939号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、密着層を有する銀合金膜において、サイドエッチング幅を低減せしめ、所望の微細なパターニング加工を可能とする銀合金膜のエッチング方法を提供することを第一の目的とする。
本発明は、銀合金膜をエッチング処理する際に、サイドエッチング幅を低減しつつ、所望の線幅を得る銀合金膜のパターニング処理を可能とする銀合金膜のエッチング溶液を提供することを第二の目的とする。
密着層を有した銀合金膜において、微細な銀合金パターンを形成するために、鋭意検討した結果、エッチング溶液を検討することで解決することが可能であることを見出した。
すなわち、銀合金膜のエッチング方法であって、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液を用い、基板上に密着層を介して配されてなる銀合金膜をエッチング処理することを特徴とする銀合金膜のエッチング方法である。
前記純水の含有量を、0.5重量%以上6重量%以下とした前記エッチング溶液を用いることを特徴とする銀合金膜のエッチング方法である。
前記密着層を、Cr、Mo、Ti、ITO、TiO2、または銀を含む酸化膜、を用いて形成することを特徴とする銀合金膜のエッチング方法である。
また、銀合金膜用のエッチング溶液は、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来することを特徴とする。
前記エッチング溶液に占める前記純水の含有量は、0.5重量%以上6重量%以下であることを特徴とする銀合金膜用のエッチング溶液である。
本発明の銀合金膜のエッチング方法は、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液を用いてエッチングを行う。
このエッチング溶液の硝酸イオンの由来として、硝酸塩を用いる。これにより、溶液中に強酸である硝酸を添加しない構成とすることができる。そのため、エッチング溶液のpHを中性へと近づけることにより、密着層と銀合金膜との間に発生する電食を抑制することができる。ゆえに、銀合金膜のエッチングの高精度化が図れ、微細な所望の線幅を得る銀合金膜のパターニング処理をすることが可能となる効果を奏する。
このエッチング溶液の硝酸イオンの由来として、硝酸塩を用いる。これにより、溶液中に強酸である硝酸を添加しない構成とすることができる。そのため、エッチング溶液のpHを中性へと近づけることにより、密着層と銀合金膜との間に発生する電食を抑制することができる。ゆえに、銀合金膜のエッチングの高精度化が図れ、微細な所望の線幅を得る銀合金膜のパターニング処理をすることが可能となる効果を奏する。
本発明の銀合金膜のエッチング溶液は、リン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するリン酸イオン、硝酸イオン、及び酢酸イオンと、純水とからなる。
このエッチング溶液中の硝酸イオンは硝酸塩由来のため、強酸である硝酸をエッチング溶液の構成成分としない。そのため、pHがより中性に近づいたエッチング溶液となるため、該エッチング溶液の導電率が低下し、密着層と銀合金膜との間で電食が発生し難い。ゆえに、該エッチング溶液は、サイドエッチング幅を低減しつつ、所望の線幅を得る銀合金膜のパターニング処理を可能とする効果を奏する。
このエッチング溶液中の硝酸イオンは硝酸塩由来のため、強酸である硝酸をエッチング溶液の構成成分としない。そのため、pHがより中性に近づいたエッチング溶液となるため、該エッチング溶液の導電率が低下し、密着層と銀合金膜との間で電食が発生し難い。ゆえに、該エッチング溶液は、サイドエッチング幅を低減しつつ、所望の線幅を得る銀合金膜のパターニング処理を可能とする効果を奏する。
本発明は、密着層を有した銀合金膜をパターニングする際のエッチング方法であり、エッチング対象の銀合金薄膜をエッチング溶液に浸漬することで、良好な精度のエッチングを行うことができる。以下、それぞれについて説明する。
使用するエッチング溶液は、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液である。
エッチング溶液に含まれる、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンは、該エッチング溶液を作製する際に添加されるリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来する。ここで由来とは、リン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかが、純水と混在することにより、各イオンが生じる(イオン化)ことを意味する。
エッチング溶液に含まれる、リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンは、該エッチング溶液を作製する際に添加されるリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来する。ここで由来とは、リン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかが、純水と混在することにより、各イオンが生じる(イオン化)ことを意味する。
このエッチング溶液中の各イオンの濃度比は、銀合金膜の組成、エッチングの作用時間、温度等を考慮して、適宜調節して用いることができる。各イオンの濃度比を調節することで、エッチング中に生じるエッチング溶液濃度のバラツキを低減でき、エッチングされている箇所においてエッチングされる銀合金膜の量が異なることを抑制することができる。
本発明のエッチング溶液に用いるリン酸塩としては例えば、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。
硝酸塩としては例えば、硝酸アンモニウム、硝酸銀、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸バリウム等が挙げられる。
酢酸塩としては例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸銅等が挙げられる。
上記硝酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩は銀合金膜のエッチング溶液中に単独にて用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、硝酸塩、酢酸塩、リン酸塩は上記にあげた物質に限らず、本発明に含むことができる。
硝酸塩としては例えば、硝酸アンモニウム、硝酸銀、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸バリウム等が挙げられる。
酢酸塩としては例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸銅等が挙げられる。
上記硝酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩は銀合金膜のエッチング溶液中に単独にて用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、硝酸塩、酢酸塩、リン酸塩は上記にあげた物質に限らず、本発明に含むことができる。
本発明のエッチング溶液において、酸の代替として塩を用いることが好ましい。この塩としては、例えばリン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸銀等が挙げられる。
このような塩を用いることでエッチング溶液の水素イオンの濃度を低下させることが可能となり、エッチング液の均質性をより向上させることができ、エッチング性をより均質化させることが可能となる。また、pHを中性に近づけることもできる。特に、強酸である硝酸の代替として硝酸塩(例えば硝酸アンモニウム、硝酸銀)を用いることにより、エッチング能力を保ちつつ、エッチング溶液を中性に近づけることも可能となる。
pHを中性に近づけることにより、エッチング溶液の導電率を低く抑えられる。その結果、仮に密着層と銀合金膜との間で電食が発生した場合であっても、この電食による影響を低減できるので、銀合金膜のサイドエッチングの発生量を抑制することが可能となる。
このような塩を用いることでエッチング溶液の水素イオンの濃度を低下させることが可能となり、エッチング液の均質性をより向上させることができ、エッチング性をより均質化させることが可能となる。また、pHを中性に近づけることもできる。特に、強酸である硝酸の代替として硝酸塩(例えば硝酸アンモニウム、硝酸銀)を用いることにより、エッチング能力を保ちつつ、エッチング溶液を中性に近づけることも可能となる。
pHを中性に近づけることにより、エッチング溶液の導電率を低く抑えられる。その結果、仮に密着層と銀合金膜との間で電食が発生した場合であっても、この電食による影響を低減できるので、銀合金膜のサイドエッチングの発生量を抑制することが可能となる。
純水に関しては、エッチング溶液の導電率を低下させるために、エッチング溶液に含まれる純水の量を低減させることが好ましい。エッチング溶液に占める純水の含有量が6重量%以下であれば、十分にエッチング溶液の導電率を低下させることで銀合金膜のサイドエッチングの発生量を抑制することができる。リン酸及び酢酸の純度を上げるために、エッチング溶液に占める純水の含有量を0.5重量%以下とすることで、より銀合金膜のサイドエッチングの発生量を抑制する効果が期待できるが、エッチング溶液の大幅なコストの増加が見込まれること、及び、エッチング溶液の占める純水の含有量が0.5重量%以上で、十分に銀合金膜のサイドエッチングの発生量を抑制できることから、エッチング溶液に占める純水の含有量は、0.5重量%以上6重量%以下であることが好ましい。
エッチング対象である銀合金膜に関してはAgを主とし、そのほかにAu、Pd、Cu、Sn、Bi、Nd、Sm等を添加することができる。添加量を多くすると銀合金特有の反射率が低下するため、全部で8%以内の添加量とすることが好ましい。
銀合金膜は一般にSi基板やガラス基板等への密着が良好でなく、基板との接着に密着層を必要とする。密着層として用いられる材質は、例えばCr、Mo、Ti等が挙げられ、ITO、TiO2等の酸化物および銀を含む酸化膜を用いることも可能である。密着層の基板上への形成方法としては、スパッタ法が好ましく、反応性スパッタがより好ましい。
銀合金膜のエッチングに関して、反応温度は、エッチング溶液の各イオンの濃度比や銀合金膜の組成等を考慮して適宜調節することができ、例えば、20℃〜30℃が好ましい。
エッチング時間は、エッチング溶液の各イオンの濃度比や銀合金の組成、反応温度等を考慮して適宜調節することができる。
エッチング時間は、エッチング溶液の各イオンの濃度比や銀合金の組成、反応温度等を考慮して適宜調節することができる。
本発明に使用するエッチング溶液には、銀合金膜への濡れ性を改善するために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性材、またはカチオン系界面活性剤の何れの界面活性剤を用いることもでき、複数種の界面活性剤を混合して用いてもよい。また、エッチング中のエッチング溶液の濃度を安定化させる目的から、アルキル基を有した安定剤を添加してもよい。このような安定剤としては、エッチングの際に通常用いるものであれば、特に限定されるものではない。
本発明の実施例を下記に示す。尚、実施例は本発明の一例であり、本発明はこれに限るものではない。
(実施例1)
無アルカリガラス(コーニング1737)に密着層としてAg−1.7wt%Au−1.8wt%Cu−2.0wt%Sn合金酸化膜を反応性スパッタによって20nm成膜した上に、銀合金膜として厚さ130nmのAg−1.0wt%Au−0.3wt%Cu合金膜をArガスによるスパッタにより形成した。
上記銀合金膜上にフォトレジスト(AZエレクトロマテリアルズ社製AZP1350)を800nm塗布し、100℃にて30分ベークをした後にフォトマスクを介した露光、そしてKOH1wt%液による現像を行って、20μmのライン&スペースを有するレジストパターンを形成したものをエッチング評価用のサンプルとした。そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を75ml、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて上記銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.6重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.3μmであった。この後、サンプルにおけるレジストをNaOH5%水溶液40℃に5分浸漬し、除去した。銀合金膜パターンの線幅を測定したところ、17.4μmであった。
無アルカリガラス(コーニング1737)に密着層としてAg−1.7wt%Au−1.8wt%Cu−2.0wt%Sn合金酸化膜を反応性スパッタによって20nm成膜した上に、銀合金膜として厚さ130nmのAg−1.0wt%Au−0.3wt%Cu合金膜をArガスによるスパッタにより形成した。
上記銀合金膜上にフォトレジスト(AZエレクトロマテリアルズ社製AZP1350)を800nm塗布し、100℃にて30分ベークをした後にフォトマスクを介した露光、そしてKOH1wt%液による現像を行って、20μmのライン&スペースを有するレジストパターンを形成したものをエッチング評価用のサンプルとした。そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を75ml、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて上記銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.6重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.3μmであった。この後、サンプルにおけるレジストをNaOH5%水溶液40℃に5分浸漬し、除去した。銀合金膜パターンの線幅を測定したところ、17.4μmであった。
(実施例2)
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を60ml、酢酸アンモニウム13g、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.6重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.6μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、16.8μmであった。
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を60ml、酢酸アンモニウム13g、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.6重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.6μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、16.8μmであった。
(実施例3)
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を75ml、硝酸銀10gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.5重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.4μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、17.2μmであった。
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を45ml、99%酢酸を75ml、硝酸銀10gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の4.5重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.4μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、17.2μmであった。
(実施例4)
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を30ml、リン酸アンモニウム15g、99%酢酸を75ml、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の3.5重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.2μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、17.6μmであった。
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を30ml、リン酸アンモニウム15g、99%酢酸を75ml、硝酸アンモニウム7gの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の3.5重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、1.2μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、17.6μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を40ml、99%酢酸を50ml、70%硝酸10mlの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の7.1重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、2.6μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、14.8μmであった。
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を40ml、99%酢酸を50ml、70%硝酸10mlの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の7.1重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、2.6μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、14.8μmであった。
(比較例2)
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を40ml、70%硝酸を10ml、純水50mlの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の45重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、4.8μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、10.4μmであった。
実施例1と同様に、エッチング評価用のサンプルを作製した。
そして、85%濃度リン酸を40ml、70%硝酸を10ml、純水50mlの割合にて作製したエッチング溶液を用いて25℃にて銀合金膜のエッチングを行った。このエッチング溶液において純水の量比は全体の45重量%であった。
この状態にて線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチング量を側長機にて測定したところ、4.8μmであった。この後、実施例1と同様にレジストを除去した。銀合金パターンの線幅を測定したところ、10.4μmであった。
上記実施例1〜4、及び比較例1、2について、そのエッチング溶液の組成、エッチングによって起こるサイドエッチング量、並びにレジストを除去した際の銀合金パターンの線幅を、表1に示す。
表1より、硝酸の代わりに硝酸塩である硝酸アンモニウムまたは硝酸銀を用いたエッチング溶液(実施例1〜4)では、硝酸を用いたエッチング溶液(比較例1,2)と比べ、エッチング溶液中の純水含有量が低下し、銀合金膜のサイドエッチング量が大幅に低減した。硝酸塩に加えリン酸塩を加えた実施例4においては、更に純水含有量の低下が観察された。
この結果は、エッチング溶液中の純水含有量が低減したこと、及び硝酸水溶液の代替として硝酸塩を用いたことでエッチング溶液のpHが中性に近づいたこと、によって、該エッチング溶液の導電率が低下し、密着層と銀合金膜との間に発生する電食を抑制することで、線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチングが低減されたものと考えられる。
この結果は、エッチング溶液中の純水含有量が低減したこと、及び硝酸水溶液の代替として硝酸塩を用いたことでエッチング溶液のpHが中性に近づいたこと、によって、該エッチング溶液の導電率が低下し、密着層と銀合金膜との間に発生する電食を抑制することで、線状の銀合金膜の側面におけるサイドエッチングが低減されたものと考えられる。
本発明を用いることで有機EL用電極膜パターンおよび半透過型電極パターン等の微細なパターンを低抵抗である銀合金膜にて形成することが可能であり、フラットパネルディスプレイ等に適用させた場合、消費電力を低減させることが可能となる。
Claims (5)
- リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来するエッチング溶液を用い、基板上に密着層を介して配されてなる銀合金膜をエッチング処理することを特徴とする銀合金膜のエッチング方法。
- 前記純水の含有量を、0.5重量%以上6重量%以下とした前記エッチング溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の銀合金膜のエッチング方法。
- 前記密着層を、Cr、Mo、Ti、ITO、TiO2、または銀を含む酸化膜、を用いて形成することを特徴とする請求項2に記載の銀合金膜のエッチング方法。
- リン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、及び純水を少なくとも含み、それらのイオンはリン酸、酢酸、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩のいずれかに由来することを特徴とする銀合金膜のエッチング溶液。
- 前記エッチング溶液に占める前記純水の含有量は、0.5重量%以上6重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の銀合金膜のエッチング溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007170348A JP2009007634A (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | 銀合金膜のエッチング方法およびエッチング溶液 |
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