JP2009001536A - 歯科用接着性レジンセメント - Google Patents

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Abstract

【課題】
高い接着強度と破断エネルギー(靭性)、および長い操作時間の3者を両立可能な歯科用接着性組成物を開発する。
【解決手段】
(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体 100質量部、
(B)下記組成
b1)重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末35〜92質量%,b2)重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)の実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末4〜45質量%,b3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末4〜25質量%
からなるポリメチルメタクリレート粉末混合物 40〜200質量部
(C)有効量の重合開始剤
を含んでなり、少なくとも(A)成分を含む液材と(B)成分を含む粉材とに分包されてなる歯科用接着性レジンセメントとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科用接着性レジンセメント、詳しくは、フィラー成分が非架橋性樹脂フィラーである歯科用接着性レジンセメントに関する。
歯科治療の分野で使用される歯科用接着性組成物は、齲蝕や事故等により損傷を受けた歯牙と、この歯牙を修復するための材料(例えばコンポジットレジン、金属、セラミックス等の歯冠修復材料)の両者を強く接着する必要性から様々な組成のものが提案されている。これら歯科用接着剤の中でも接着性レジンセメントは、金属やセラミックス製の補綴物を歯質に強固に接着できる材料として広く使われている。
接着性レジンセメントは基本的にモノマー(単量体)成分、フィラー(充填材)成分、及び重合開始剤からなっており、フィラー成分として非架橋性樹脂フィラーを主成分とするものは無機フィラーや架橋性樹脂フィラーを主成分とするものと比較し硬化体の靭性が高く、応力による補綴物の脱離に抵抗する作用があるといわれており、上記歯科用接着材として、特に、高い接着性を要求される症例を好適な対象として汎用されている。
このような特に高い接着性を要求される症例としては、歯牙に矯正用のブラケットを接着する、或いは、歯周病等で動揺した歯牙を隣接歯と接着・固定する(動揺歯固定法)場合等が知られている。該方法では、未切削の歯牙(切削した歯牙の切削面と比較して、未切削の歯牙の表面は平滑である)に接着操作を行うために十分に高い接着強度が得られ難い。一方、矯正用ブラケットや動揺歯には種々の外力が加わるために、高い接着強度が必要であることは勿論のこと、接着強度のみならず硬化体自体の高い靭性(壊れにくさ)も必要となる。
上記の非架橋性樹脂フィラーを含む接着性レジンセメントは、一般に、ラジカル重合性単量体を主成分とする液材と、非架橋性樹脂粉末を主成分とする粉材とからなり、使用時に両材を混合して用いることにより、液材のラジカル重合性単量体に粉剤の非架橋性樹脂粉末を溶解させて、混合物の粘度を上昇させ、高粘度のものにして重合硬化させる(粉/液型とも呼ばれる)。ここで、使用されている重合開始剤が、化学重合開始剤の場合、上記液材と粉剤の混合に伴って硬化反応が開始され、その粘度上昇に伴って該反応は急速に進行していく。他方、重合開始剤が、光重合開始剤の場合、上記混合物が高粘度になった後、光照射することにより硬化させて使用される。
上記粉/液型の接着性レジンセメントにおいて、該液材に配合されるラジカル重合性単量体としては、重合性や生体への為害性、操作性、硬化後の物性などの点からメチルメタクリレート等の液状の(メタ)アクリレート系単量体を使用するのが一般的である。他方、粉材に配合される非架橋性樹脂粉末としては、液材のメチル(メタ)アクリレート系単量体との親和性や操作性などの観点から、ポリメチルメタクリレート等のメタクリレート系単量体の単独重合体又は他の単官能のラジカル重合性単量体との共重合体からなる実質的に非架橋の粉末(以下、「PMMA粉末」と略すことがある)を使用するのが一般的である。
しかしながら、上記したようなPMMA粉末を含む接着性レジンセメントには以下の点で未だ改良の余地があった。
すなわち、口腔内という過酷な環境下において、噛合力等の外力の負荷のかかる状況下において長期間、安定した接着性能を発揮するためには、用いる接着性レジンセメントが高い接着強度を有することが必要であり、そのためには該PMMA粉末の液材との親和性が良好であることが求められる。そのため、該PMMA粉末としては、使用時に液材と混合した際には表層部が一定量溶解して良くなじむように、重量平均分子量が数十万であり、粉砕されて比表面積の大きい不定形状粉末が通常使用されている。しかしながら、この場合、該PMMA粉末の表層の液材への溶解性が高すぎて、粉材と液材を混合後短時間で粘度が上昇し過ぎ、レジンセメントに対する十分に長い操作時間(可使時間)を確保することが困難になっていた。
このため上記重量平均分子量が数十万であり不定形状をしたPMMA粉末の使用量の一部を、同様に重量平均分子量が大きい球状のPMMA粉末に置き換えることが提案されている(非特許文献1参照)。この場合、上記急激な粘度上昇は緩和され、操作時間を長くすることができる。しかしながら、上記重量平均分子量が大きい不定形状をしたPMMA粉末は、液材への溶解性に優れるものの、該液材に混合した際の初期の溶解速度の面では今一歩充分ではなく、レジンセメントとして塗布の操作性に適した粘度まで粘度上昇するのに時間(適性粘度到達時間)がかかりすぎる点で問題があった。
この他、非架橋性樹脂粉末を粉材として使用したレジンセメントとしては、非架橋性樹脂粉末の液材への馴染みをさらに良くする為、上記粉材の組成において、前記重量平均分子量が大きい不定形状のPMMA粉末に代えて、ポリエチルメタクリレートの球状粉末(PEMA粉末)を用いたものも知られている(特許文献1参照)。そして、この従来技術においては、上記球状のPMMA粉末について、液材とのなじみを良くするためには、前記重量分子量が大きいものだけでなく、重量平均分子量が10万未満のものも併用することが有効であることも開示されている。しかしながら、PEMA粉末や重量平均分子量が10万未満のPMMAは、重量平均分子量が数十万のPMMA粉末に比べて靭性に劣るため、レジンセメント硬化体において該機械的強度が低下する問題があった。口腔内において歯牙には、多方向から種々の偏りをもって大小の力がかかるため、歯牙修復物の接着材にはこうした靭性の良好さも高度に要求され、上記PEMA粉末を用いたレジンセメントでも今一歩満足できるものではなかった。
歯科材料・機器,1999年,18巻,5号,p347−351 特開2002−161013号公報
以上から、非架橋樹脂粉末を配合した歯科用レジンセメントにおいて、充分な可使時間及び適切な適性粘度到達時間を有し、操作性が良好であり、高い靭性を有するものを開発することが大きな課題であった。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行なった。その結果、非架橋樹脂粉末として、特定3種類の非架橋のポリメチルメタクリレート粉末を組合せて使用することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体
100質量部
(B)下記組成
b1)重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 35〜92質量%
b2)重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)の実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末
4〜45質量%
b3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 4〜25質量%
からなるポリメチルメタクリレート粉末混合物
40〜200質量部
(C)有効量の重合開始剤
を含んでなり、少なくとも(A)(メタ)アクリレート系重合性単量を含む液材と(B)非架橋ポリメチルメタクリレート粉末混合物を含む粉材とに分包されてなる歯科用接着性レジンセメント。
である。
本発明の歯科用接着性レジンセメントは、粉材と液材を混合した際において、充分な可使時間及び適切な適性粘度到達時間を有し、操作性が良好である。また、機械的強度に優れ、特に、高度な靭性を有する。
そのため、高い接着性能が達成可能であり、歯科用接着材として優れた性能を発揮できる。
本発明の歯科用接着性レジンセメントにおいて、上記(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、歯科用接着剤の成分として従来公知である、室温で液状の(メタ)アクリレート系単量体を何ら制限なく使用することができる。このような(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的に例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、2−メタクリロキシエチルアセトアセテート等の重合性不飽和基を1つ有する非水溶性の(メタ)アクリレート系単量体類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水溶性の(メタ)アクリレート系単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を複数有する脂肪族系(メタ)アクリレート系単量体類;2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等の重合性不飽和基を複数有する芳香族系(メタ)アクリレート系単量体類;11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート等の酸性基含有(メタ)アクリレート系単量体類等が挙げられる。
本発明において、上記の(メタ)アクリレート系単量体は単独で用いてもよく、また2種類以上の(メタ)アクリレート系単量体を併用してもよい。また、(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体と組み合わせて使用することもできる。
後述する(B)非架橋のポリメチルメタクリレート粉末に対する溶解性が高いことから、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体としてはメチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系単量体を含むことが好ましい。
本発明の歯科用接着性組成物において、上記(B)ポリメチルメタクリレート粉末混合物は、該ポリメチルメタクリレート粉末混合物の合計を100質量%とした場合に、
b1)重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 35〜92質量%
b2)重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)の実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 4〜45質量%
b3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 4〜25質量%
からなる。
ここで、実質的に非架橋であるとは、PMMA粉末の大部分が、液状の(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体に溶解することを意味する。架橋密度が高く(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体に溶解しない場合には、これらを混合しても粉材と液材のなじみは向上せず、良好な接着強度を得ることができない。一般には、23℃において、使用する(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体に対する溶解度が0.1g/100g以上、より好ましくは1g/100g以上のPMMA粉末が該当する。
PMMA粉末は、必ずしもメチルメタクリレートの単独重合体である必要はなく、本発明の効果に悪影響を与えない範囲(モノマー基準で通常20モル%以下)であれば他の単官能のラジカル重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合可能なモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン等のスチレン類モノマー等が挙げられる。
こうした実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末の混合物において、b1)成分は、重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)のもの(以下、「高分子量・低比表面積PMMA粉末」と略する)である。かかる比表面積を有する粉末は、通常は球形または略球形をしており、このような小さい比表面積を有し、且つ上記大きな重量平均分子量を有するPMMA粉末は、前記したように(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体からなる液材に対して溶解性が低く、十分な可使時間と高い靭性とを確保するために必要な成分になる。この効果をより良好に発揮させる観点からは、重量平均分子量が20万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.5(m/g)のものがより好ましい。こうした高分子量・低比表面積PMMA粉末の平均粒径は、接着性組成物の被膜厚さを低減する観点から、5〜100μm、より好ましくは10〜50μmであるのが好ましい。
なお、本発明において、粒子の平均粒径はレーザー回折・散乱法により測定したメジアン径である。具体的には、エタノールや水とエタノールの混合溶媒等の、PMMA粉末が良好に分散し、且つPMMA粉末が溶解または膨潤しない分散媒を使用し、フランホーファー回折法により平均粒径を測定する。
また、本発明において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算の分子量である。
また、PMMA粉末が球状または略球状とは、PMMA粉末が全体的に丸みを帯びていることを意味し、必ずしも真球状である必要はなく、略球状であってもよい。具体的には、走査型や透過型の電子顕微鏡でPMMA粉末の写真をとり、その単位視野内に観察される粒子を無作為に100個選択し、各々について粒子の最大径に直交する方向の粒子径をその最大径で除した平均均斉度が0.6以上であるのが好ましく、0.8以上であるのが特に好ましく、0.9以上であるのが最も好ましい。
尚、本発明において比表面積は、窒素吸着法によるBET比表面積値(m/g)のことである。具体的には、25℃にて4時間真空乾燥したPMMA粉末のBET比表面積値を測定する。
こうした高分子量・低比表面積PMMA粉末としては、メチルメタクリレートを架橋剤を実質的に用いずに懸濁重合或いは乳化重合させて得られる球状(または略球状の)PMMAが例示できる。このような球状PMMAは市販されており、工業的に入手することも可能である。
ポリメチルメタクリレート粉末混合物において、上記b1)高分子量・低比表面積PMMA粉末の含有量は、35〜92質量%、より好ましくは45〜90質量%である。ここで、高分子量・低比表面積PMMA粉末の含有量が35質量%よりも少ない場合、粉材と液材を混合した際に粘度上昇が激しくなりすぎ十分な可使時間を確保することが難しくなる。他方、高分子量・低比表面積PMMA粉末の含有量が92質量%よりも多い場合、粉材と液材のなじみが低下し、適正粘度到達時間が長くなりすぎたり、レジンセメントの硬化体の強度が低下する。
ポリメチルメタクリレート粉末混合物において、b2)成分は、重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)のもの(以下、「高分子量・高比表面積PMMA粉末」と略する)である。上記した値の高分子量のPMMA粉末であっても、比表面積が 0.7〜5(m/g)の大きいものは、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体からなる液材に対して、その表層の溶解性が大きく向上し、粉材の液材へのなじみを良くする。したがって、該b2)成分は、高い接着強度や靭性を付与するために必要な成分になる。この効果をより良好に発揮させる観点からは、重量平均分子量が15万〜50万であり、比表面積が0.8〜4(m/g)のものがより好ましい。
したがって、高分子量・高比表面積PMMA粉末は、通常は不定形状をしている。接着性組成物の被膜厚さを低減するためには、平均粒径は、6〜100μm、より好ましくは10〜50μmであるのが好ましい。
このような平均粒径が比較的小さく、比表面積の大きい高分子量・低比表面積PMMA粉末は、例えば数cm〜数mmの大きさの板状または顆粒状の高分子量非架橋PMMAを所望の平均粒径と比表面積を有するようになるまで機械的に粉砕して調製することもできる。しかしながら、このような方法は粉砕効率が悪いので、高分子量・高比表面積PMMA粉末は、上記b1)成分として使用する高分子量・低比表面積PMMA粉末のような懸濁重合または乳化重合により得られた球状粒子または略球状粒子を、機械的に粉砕または異形化することにより製造した不定形状のものを使用するのが好ましい。具体的には、高分子量・低比表面積PMMA粉末をそのままボールミル等を使用し所望の比表面積を有するようになるまで機械的に粉砕する、或いは、例えば140〜180℃の温度で高分子量・低比表面積PMMA粉末同士を予め解砕が可能な程度に融着しておき、ボールミル等を使用し所望の比表面積を有するようになるまで解砕し異形化することで、平均粒径が比較的小さく所望の比表面積を有する高分子量・高比表面積PMMA粉末を調製することができる。
また、この高分子量・高比表面積PMMA粉末は、PMMA粉末であることが重要であり、これに代えてPEMA粉末を用いたのでは、得られる接着性レジンセメントの硬化体の靭性が低下する。
また、上記高分子量・高比表面積PMMA粉末は、上記した不定形状のものの他に、平均粒径が0.01〜5μmの極めて小さいものであれば球形または略球形のものでも、該比表面積の要件が満足される。このような平均粒径が微小な高分子量・高比表面積PMMA粉末も、メチルメタクリレートを架橋剤を実質的に用いずに懸濁重合或いは乳化重合させて製造すればよい。ただし、平均粒径がこのように格別に小さい粉末が配合されると筆積み性が低下するため、高分子量・高比表面積PMMA粉末は、前記した不定形状のものであって平均粒径が6μm以上のものを用いるのが特に好ましい。
ポリメチルメタクリレート粉末混合物において、上記b2)高分子量・高比表面積PMMA粉末の含有量は、4〜45質量%、より好ましくは8〜40質量%である。ここで、高分子量・低比表面積PMMA粉末の含有量が4質量%よりも少ない場合、粉材と液材のなじみが低下し、レジンセメントの硬化体の強度が低下する。他方、高分子量・高比表面積PMMA粉末の含有量が45質量%よりも多い場合、粉材と液材を混合した際に粘度上昇が激しくなりすぎ十分な可使時間を確保することが難しくなる。
さらに、ポリメチルメタクリレート粉末混合物において、b3)成分は、重量平均分子量が1千〜8万のもの(以下、「低分子量PMMA粉末」と略する)である。このような低分子量のPMMA粉末は、粉材と液材を混合した際において、その直後から速い溶解速度で溶解し、適性粘度到達時間の短縮化するために必要な成分になる。この効果をより良好に発揮させる観点、および硬化体の靭性の観点から、重量平均分子量が1万〜6万であるのがより好ましい。
低分子量PMMA粉末の形状は特に制限されるものではなく、球形でも不定形状でも使用可能であるが、その溶解速度をさらに向上させる観点から、比表面積が0.7〜5(m/g)であるのが好適である。こうした比表面積のものは、球形のものでも平均粒径を小さくすれば達成されるが、前記したように平均粒径が小さい粉末が配合されると筆積み性が低下するため、平均粒径が6〜100μm、より好ましくは10〜50μmの不定形状のものにするのが好適である。その製造手法は、前記b2)成分と同様の方法であり、特に、b1)成分として使用する高分子量・低比表面積PMMA粉末のような懸濁重合または乳化重合により得られた球状粒子または略球状粒子を、機械的に粉砕または異形化して不定形状のものとするのが好適である。
ポリメチルメタクリレート粉末混合物において、上記b3)低分子量PMMA粉末の含有量は、4〜25質量%、より好ましくは6〜20質量%である。ここで、低分子量PMMA粉末の含有量が4質量%よりも少ない場合、粉材と液材を混合した初期の溶解速度が低下し、適性粘度到達時間が長くなる。他方、低分子量PMMA粉末の含有量が25質量%よりも多い場合、粉材と液材を混合した際に粘度上昇が激しくなりすぎ十分な可使時間を確保することが難しくなる。また得られる硬化体の靭性が低下する。
本発明の接着性レジンセメントにおいて、上記(B)ポリメチルメタクリレート粉末混合物の配合量は、充分な可使時間及び適切な適性粘度到達時間を達成し、高い靭性を有するものにする観点から、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して、40〜200質量部とすることが必要である。上記効果をより顕著に発揮させる観点からは、80〜170質量部とするのがより好ましい。ここで、(B)ポリメチルメタクリレート粉末混合物の上記配合量が40質量部より少ない場合、適性粘度到達時間が長くなり、靭性等の機械的強度も不足する。他方、このB)ポリメチルメタクリレート粉末混合物の上記配合量が200質量部より多い場合、可使時間が短くなりすぎ、操作性が低下する。
本発明の歯科用レジンセメントにおいて、(C)重合開始剤としては、公知の重合開始剤であれば特に限定されず、従来の歯科用硬化性組成物において使用されている化学重合開始剤又は光重合開始剤が制限なく使用できる。
本発明で使用可能な化学重合開始剤としては、有機過酸化物/アミン化合物、又は有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩からなるレドックス型の重合開始剤;酸と反応して重合を開始する有機金属型の重合開始剤;及び(チオ)バルビツール酸誘導体/第二銅イオン/ハロゲン化合物からなる重合開始剤等が使用できる。
尚、上記有機過酸化物としては、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ジt−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等を用いるのが好ましく、アミン化合物としては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メチルアニリン、N−メチル−p−トルイジン等のアミノ基がアリール基に結合した第二級又は第三級アミン類をもちいるのが好ましい。また、好適に使用できる上記スルフィン酸塩類としては、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、m−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−フルオロベンゼンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、上記(チオ)バルビツル酸誘導体としては、5−ブチル(チオ)バルビツル酸、1,3,5−トリメチル(チオ)バルビツル酸、1−ベンジル−5−フェニル(チオ)バルビツル酸、1−シクロヘキシル−5−メチル(チオ)バルビツル酸、1−シクロヘキシル−5−ブチル(チオ)バルビツル酸等が好適に用いられる。また、上記ハロゲン化合物としては、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
また、本発明で使用可能な光重合開始剤としては、光増感剤のみからなるもの;光増感剤/光重合促進剤からなるもの;色素/光酸発生剤/スルフィン酸塩;色素/光酸発生剤/アリールボレート塩からなるもの等が挙げられる。
なお、上記の光増感剤としては、カンファーキノン等のα-ジケトン類、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類、α−アミノアセトフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド誘導体等が使用できる。
また、上記光重合促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等の第三級アミン類、5−ブチルバルビツール酸等のバルビツール酸類等を使用することができる。
また、色素としては、3−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン等を使用することができる。
さらに、上記光酸発生剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体類やジフェニルヨードニウム塩化合物類等が使用できる。
これら重合開始剤類を必要に応じ各々単独で、あるいは複数を組み合わせて添加することが可能である。
本発明の歯科用レジンセメントにおいては、保存安定性および審美性に優れることから、(C)重合開始剤としては、後述する一般式(1)で例示されるアリールボレート塩を用いた化学重合開始剤が好適である。この化学重合開始剤は、併せて酸成分を配合し、これをアリールボレート塩に作用させることにより、ラジカルを発生させる。
上記のアリールボレート塩としては、分子中に少なくとも1個のホウ素−アリール結合を有する4配位のホウ素化合物であれば特に限定されず公知の化合物が使用できる。ホウ素−アリール結合を全く有しないボレート化合物は安定性が極めて悪く、空気中の酸素と容易に反応して分解するため、事実上使用が不可能である。
本発明で使用されるアリールボレート塩としては、保存安定性及び重合活性の点から、下記一般式(1)
Figure 2009001536
(上式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアルケニル基であり、これらの基はいずれも置換基を有していてもよく;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基又はアルコキシ基、または置換基を有してもよいフェニル基であり;Lは金属陽イオン、第3級又は第4級アンモニウムイオン、第4級ピリジニウムイオン、第4級キノリニウムイオンまたは第4級ホスホニウムイオンを示す。)で示されるボレート化合物が好ましい。
上記一般式(1)中、R、R及びRは各々独立に、アルキル基、アリール基又はアルケニル基を示し、またこれらの基は置換基を有していてもよい。
当該アルキル基は特に限定されるものではなく、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましくは炭素数3〜30のアルキル基、より好ましくは炭素数4〜20の直鎖アルキル基であり、具体的にはn−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基等である。また、当該アルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、あるいはフェニル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基等の炭素数6〜10のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、アセチル基等の炭素数2〜5のアシル基等が例示される。また当該置換基の数及び位置も特に限定されない。
アリール基もまた特に限定されるものではなく、公知のアリール基でよいが、好ましくは単環ないし2又は3つの環が縮合した、置換又は非置換のアリール基であり、当該置換基としては上記アルキル基の置換基として例示された基、ならびにメチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基が例示される。
当該置換または非置換のアリール基は具体的には、フェニル基、1−又は2−ナフチル基、1−、2−又は9−アンスリル基、1−、2−、3−、4−又は9−フェナンスリル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル基、p−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ブチルフェニル基、m−ブチルフェニル基、p−ブチルオキシフェニル基、m−ブチルオキシフェニル基、p−オクチルオキシフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基等が例示される。
アルケニル基も特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数4〜20のアルケニル基であり、またその置換基としては前記アルキル基の置換基として例示されたものが挙げられる。
上記一般式(1)中、R及びRは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していても良いアルキル基又はアルコキシ基、または置換基を有していても良いフェニル基である。
当該置換基を有していても良いアルキル基又はアルコキシ基は特に限定されるものではなく、また直鎖状でも分枝状でも良いが、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基であり、また置換基としては前記R〜Rで示されるアルキル基の置換基として例示したものが挙げられる。当該置換基を有していてもよいアルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−,i−又はt−ブチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基等が例示され、置換基を有していてもよいアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキシ基、エトキシ基、1−又は2−プロポキシ基、1−又は2−ブトキシ基、1−、2−又は3−オクチルオキシ基、クロロメトキシ基等が例示される。
また置換基を有していても良いフェニル基の有する置換基も特に限定されず、具体的には前記R〜Rで示されるアリール基の置換基として例示したものが挙げられる。
上記一般式(1)中、Lは金属陽イオン、第3級又は第4級アンモニウムイオン、第4級ピリジニウムイオン、第4級キノリニウムイオン、または第4級ホスホニウムイオンである。
当該金属陽イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属陽イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属陽イオン等が好ましい金属陽イオンとして例示され、第3級又は第4級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等が、第4級ピリジニウムイオンとしては、メチルキノリニウムイオン、エチルキノリニウムイオン、ブチルキノリウムイオン等が、第4級ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウムイオン、メチルトリフェニルホスホニウムイオン等が例示される。
上記式(1)で示されるアリールボレート塩のなかでも、安定性の観点から、3つ又は4つのホウ素−アリール結合を有するアリールボレート塩が好ましく、さらに取り扱いや合成・入手の容易さから4つのホウ素−アリール結合を有するアリールボレート塩(テトラアリールボレート塩)が特に好ましい。
1分子中に3個のホウ素−アリール結合を有するボレート化合物を具体的に例示すると、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリス(p−クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−フルオロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリス(p−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素(ただし、いずれの化合物においてもアルキルはn−ブチル、n−オクチル又はn−ドデシルのいずれかを示す)の、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリブチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩又はブチルキノリニウム塩等を挙げることができる。
また、1分子中に4個のホウ素−アリール結合を有するボレート化合物としては、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p−クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素〔ただし、いずれの化合物においてもアルキルはn−ブチル、n−オクチル又はn−ドデシルのいずれかを示す〕の、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリブチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩又はブチルキノリニウム塩等を挙げることができる。
これらの中でも、特に好ましくは前記式において、R、R、R及び、
Figure 2009001536
で示される基がすべて同じ、即ち、ホウ素原子が4つの同一のアリール基で置換されたアリールボレート塩である。
また、Lとしては第3級又は第4級アンモニウムイオンが好ましく、第3級アンモニウムイオンがより好ましい。
本発明の硬化性材料に配合するアリールボレート塩としては、上記アリールボレート塩を1種のみで、または2種以上を混合して用いることが可能である。
アリールボレート塩と組み合わせて使用する酸成分としては、従来公知の無機酸および有機酸が何ら制限無く使用できる。反応性を高める観点からは、塩酸、硝酸、硫酸、スルホン酸基を含有する化合物等の強酸を使用するのが好適であり、生体への為害性を考慮するとスルホン酸基を含有する化合物を特に好適に使用することができる。スルホン酸基を含有する化合物としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、1−デカンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類等の、重合性不飽和基を有しないものでも良いが、硬化体から溶出する恐れもあるため、少なくとも1つのラジカル重合性不飽和基を有する重合性単量体を用いるのが好ましい。
こうしたスルホン酸基を有する重合性単量体としては、具体的には、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリル酸アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリル酸アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、4−スルホブチルメタクリレート、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸等が使用できる。
なお、本発明の歯科用レジンセメントにおける(C)重合開始剤の配合量は、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体が重合するのに十分な量であれば特に限定されないが、硬化体の耐候性等の諸物性の観点から、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体の100質量部に対して、0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部であるのが好適である。
本発明の歯科用レジンセメントは、一般的に液体である(A)(メタ)アクリレート系重合性単量を含む液材と(B)非架橋ポリメチルメタクリレート粉末混合物を含む粉材とに、少なくとも分包されている。(C)重合開始剤は、その保存安定性を考慮し、液材または粉材のいずれか一方または両方に配合させればよい。重合開始剤として、前記アリールボレート塩を用いた化学重合型のものを用いる場合、これに作用させる酸成分は、これが室温で液状のものであれば一般には液材に配合して用いられる。該液材の主成分である、(A)(メタ)アクリレート系重合性単量体において、少なくとも一部として酸性基を含有するものを用いて機能させても良い。また、室温で固体状の酸ならば、粉材に配合することもできる。この態様の場合、上記室温で固体状の酸としては、酸性基を有する(メタ)アクリレート系重合性単量体である、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いるのが好ましい。
なお、必要に応じては、(C)重合開始剤を液材および粉材とは別に分包することもできる。
上記の液材には、保存安定性や環境光安定性を向上させるため、必要に応じてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリイブチルフェノール等の重合禁止剤を少量添加することが好ましい。また粘度を調節する目的で有機溶媒やポリマー等の各種増粘剤等を添加することもできる。当該有機溶媒としては、生体に対する為害作用の少ないものが望ましく、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロパンジオール、アセトン等が好適に使用される。これら有機溶媒はや増粘剤は、必要に応じ複数を混合して用いることも可能である。
上記の粉材および液材においては、接着性レジンセメントの操作性や硬化体強度の調節等のために、前記(B)ポリメチルメタクリレート粉末混合物以外にも、本発明の効果に影響を与えない少量であれば、他の非架橋性樹脂粉末を配合でき、例えばPEMA粉末等も、該(B)ポリメチルメタクリレート粉末混合物に対して5質量%以下程度であれば配合しても良い。また、無機フィラーや架橋性フィラーを、その靭性等の物性に悪影響を及ぼさない範囲で配合しても良い。
上記フィラーとしては、一般に用いられ無機フィラーや架橋性フィラーが何ら制限なく用いられる。本発明で使用できる無機フィラーを具体的に例示すると、石英、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア、シリカ−カルシア、シリカ−バリウムオキサイド、シリカ−ストロンチウムオキサイド、シリカ−チタニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−チタニア−カリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−カリウムオキサイド、チタニア、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。
また、酸性溶液下で陽イオンを溶出するイオン溶出性フィラーも好適に用いられる。該イオン溶出性フィラーを具体的に例示すると、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物、酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等が挙げられる。中でも、硬化体の耐着色性の点でフルオロアルミノシリケートガラスが最も優れており、好適である。該フルオロアルミノシリケートガラスは歯科用セメントとして使用される公知の物が使用できる。一般的に知られているフルオロアルミノシリケートガラスの組成は、イオン重量パーセントで、珪素10〜33%;アルミニウム4〜30%;アルカリ土類金属5〜36;アルカリ金属0〜10%;リン0.2〜16%;フッ素2〜40%;及び残量酸素であり、このような組成のもの、特に上記アルカリ土類金属の一部または全部をマグネシウム、ストロンチウム、バリウムで置換したもの、さらに硬化体にX線不透過性と高い強度を与えるためにストロンチウムを添加したものが好適に使用される。
これら無機フィラーは、前記重合性単量体とのなじみをよくするために、その表面をPMMA、ポリエチルメタクリレート等のメタクリレート系重合体等のポリマーやシランカップリング剤等で被覆することができる。
架橋性フィラーとしては、架橋型PMMA等の架橋性フィラーを使用できる。
また、無機酸化物とポリマーの複合体を粉砕したような無機有機複合フィラーも使用可能である。
これらフィラーの形状は特に限定されず、通常の粉砕により得られる様な粉砕型粒子、あるいは球状粒子でもよい。
これらフィラーの粒子径は、特に限定されるものではないが、補綴物の良好な適合性を得るための被膜厚さの点で50μm以下のものが好適に、より好ましくは30μm以下のものが使用される。
また、本発明の接着性レジンセメントには、必要に応じて顔料等の着色剤を適量配合することもできる。また、特開平10−1409号公報、特開平10−1473号公報、特開平8−113763号公報等に記載の貴金属接着性モノマーとして知られる(メタ)アクリレート系単量体も使用できる。
本発明の接着性レジンセメントは、酸性基を有するラジカル重合性単量体、及び水を含んでなるプライマー組成物と併用することで、歯質等への高い接着性を達成可能な歯科用接着キットとして使用できる。このようなプライマー組成物としては、特願平05−261215公報、特願平07−118498公報、特願平07−300207公報、特願平07−176479公報、特願平08−343334公報、特願平09−056677公報、特願2001−069855公報、特願2001−289846公報、特願2002−367079公報、特願2003−206802公報等に記載の、酸性基を有するラジカル重合性単量体、及び水を含む従来公知のプライマー組成物を適宜選択して使用することができる。
こうした歯科用接着剤及び上記プライマー組成物からなる歯質用接着キットの使用方法の例は、該プライマー組成物をスポンジあるいは小筆を用いて歯面に塗布し、数秒〜数分間配置した後、自然乾燥により、或いはエアーを吹き付けて乾燥し、次いで前処理された歯面の上に該歯科用接着材を塗布し、種々の修復材料を接触させた後接着材を重合硬化させる方法である。この方法により歯冠材料と歯質とを強固に接着することができる。この際、従来公知の修復材料用プライマーを更に併用することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、実施例および比較例で使用した化合物とその略称を(1)に、液材、粉材、および歯科用プライマー組成を(2)に、エナメル質接着強度の測定法を(3)に、靭性の評価方法を(4)に、可使時間の評価方法を(5)に、筆積み性の評価方法を(6)に示した。
(1)使用した化合物とその略称
[ラジカル重合性単量体]
MMPS;2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
PM;2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェートとビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェートの混合物
MMA;メチルメタクリレート
HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート
UDMA;1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,2,4−トリメチルヘキサンと1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,4,4−トリメチルヘキサンの混合物
D2.6E;2,2−ビス[(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン]
DMEM;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
[バナジウム化合物]
BMOV;ビス(マルトラート)オキソバナジウム(4価)
[重合禁止剤]
BHT;ジブチルヒドロキシトルエン
[アリールボレート塩(重合開始剤)]
PhBTEOA;テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩
[非架橋PMMA粉末および非架橋PEMA粉末]
使用した非架橋PMMA粉末および非架橋PEMA粉末を表1に示した。
Figure 2009001536
なお、上記非架橋PMMA粉末のうち、形状が球状(いずれも平均均斉度は0.9以上)のものは、PMMA1〜3、PMMA6、PMMA11であった。尚、これらの球状の非架橋PMMA粉末は、懸濁重合法により作製した。また、形状が不定形のものは、PMMA4、PMMA5、PMMA7〜10、PMMA12〜16であった。これらの不定形の非架橋PMMA粉末は、後述する製造例(形状が不定形の非架橋PMMA粉末の製造)に従い調製した。
(2)液材、粉材および歯科用プライマー組成
液材は、80.9質量%のMMAと15質量%のUDMAと4質量%のHEMAと3質量%のPhBTEOAと0.1質量%のBTHの混合物からなる組成とした。粉材は、表1に示す各種非架橋PMMA粉末や非架橋PEMA粉末を混合して得られた表2または表3に示す各種非架橋PMMA粉末混合物の98質量%と、2質量%のMMPSからなる組成とした。尚、MMPSはまた、特願2002−367079号公報に記載の歯科用プライマー(20質量%のPMと0.2質量%のBMOVと30質量%の水と3質量%のDMEMと10質量%のイソプロピルアルコールと35質量%のアセトンおよび2質量%のD2.6Eの混合物からなる組成)からなる歯科用接着剤キットを作製した。
(3)エナメル質接着強度の測定
屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去し、注水下、#800の耐水研磨紙で唇面に平行になるようにエナメル質平面を削り出した。次にこれらの面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した後、この平面に直径3mmの孔の開いた両面テープを固定して模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞内に、上記歯科用プライマーを歯面に塗布し、20秒間放置した後圧縮空気を約5秒間吹き付けた。その後、実施例または比較例の歯科用接着性組成物の粉材と液材を混合し、この混合物を模擬窩洞内に充填した後、その上から直径8mmφのステンレス製のアタッチメントを圧接して、接着試験片を作製した。
尚、上記の圧接操作を、粉材と液材の混合開始から15秒後、45秒後、および90秒後に行い、ごく初期(15秒後)から十分な時間の経過後(90秒)までの接着強度を調べた。接着試験片は各条件につき5個作製し、平均値および標準偏差を調べた。
上記接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した後、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/minにて歯牙との接着強度を測定した。
(4)靭性の評価方法
35mm×2mm×2mmのポリテトラフルオロエチレン製モールドにセメントペーストを流し込み、37℃、1時間硬化させた。得られた硬化体を水中浸漬し、37℃にて、24時間放置した。得られた硬化体のバリを取る等形状を整え、オートグラフ(島津製作所製)を使用し3点曲げ試験を行った。支点間距離は20mmとし、破断または屈服するまでの破断エネルギー値(mJ)を調べた。この破断エネルギー値を靭性の指標とした。クロスヘッドスピードは1mm/minとした。
(5)可使時間の測定方法
可使時間の測定は、以下の方法で行った。すなわち、23℃において、液材と粉材の比率が質量比で1:1.3となるように混合し、液材と、粉材を混合した時点をスタートとし、攪拌用ヘラを使用し5秒間隔でかき混ぜながら、ペーストが糸引き状となりヘラにつくようになる時点を可使時間の終了時間とした。
(6)筆積み性の評価方法
液材と粉材を別々に採取し、まず、トクヤマ筆積み用ディスポ筆(株式会社トクヤマデンタル製)に液材を含ませた。該液材を含んだ筆の筆先を粉材と接触させ、筆先にレジン泥の玉を調製した。レジン泥の玉ができやすい場合は筆積み性が良、でき難い場合は筆積み性が不良というように2段階に判定し筆積み性を評価した。
製造例(形状が不定形の非架橋PMMA粉末の製造)
アルミナポット(SSAポットミル、Type3)に30gの球状の非架橋PMMA粉末と560gのアルミナ製ボール(直径=15mm)を添加し、ニューライトミル(中央化工機工業株色会社製)にて、振動数1200r.p.m.で粉砕処理した。粉砕時間を適宜変えることで、不定形の非架橋PMMA粉末の比表面積を調整した。尚、被粉砕試料である球状の非架橋PMMA粉末は、懸濁重合法により作製した。このようにして、PMMA5、PMMA7〜10、PMMA12〜16を調製した。PMMA4は、懸濁重合法により作製した球状の非架橋PMMAを155℃、10時間加熱し、得られた融着物を木槌で1cm角程度の大きさに砕いた後、上記と同様にニューライトミルにて粉砕処理した。得られた粉砕物を、目開き45μmの篩いで処理し、篩い下を回収したものをPMMA4とした。
実施例1〜12、比較例1〜7
上述した歯科用接着剤キットの粉材と液材の比率が質量比で1.3:1となるように混合し、エナメル質接着強度、靭性(破断エネルギー)、および可使時間を評価した。また、粉材と液材を別々に採取し、筆積み性を評価した。評価結果を表2に示した。
表2の実施例1〜12のように、本発明の歯科用接着剤キットは、粉材と液材を混合後のごく初期(15秒後)から十分な時間の経過後(90秒)まで、十分に高い(15MPa以上の)エナメル質への接着強度を示した。また、長い(60秒以上の)可使時間と十分に高い(40mJ以上の)靭性を両立可能であった。
これに対し、比較例1のように、非架橋PMMA粉末混合物が高分子量・高比表面積PMMA粉末および低分子量PMMA粉末を含まない組成においては、15秒後から90秒後においてまで接着強度が不十分(15MPa未満)であった。
また、比較例2のように、低分子量PMMA粉末を含まない組成においては、15秒後および45秒後の接着強度(粉材と液材を混合した初期の接着強度)が不十分(15MPa未満)であった。
また、比較例3のように、高分子量・高比表面積PMMA粉末を含まない組成においては、15秒後から90秒後においてまで接着強度が不十分(15MPa未満)であった。
また、比較例4、比較例5のように、高分子量・高比表面積PMMA粉末が50質量部の場合は、可使時間が短く(1分未満に)なった。尚、比較例4において90秒後の接着強度が低下した原因は、可使時間が短くなりペーストの流動性が不十分となったためと考えられた。
また、比較例6のように、低分子量PMMA粉末が30質量部の場合は、破断エネルギーが30(mJ)と不十分であった。
更に、比較例7のように、非架橋PMMA粉末混合物が非架橋PEMA粉末を含む場合は、破断エネルギーが30mJと不十分であり、また可使時間が短く(1分未満に)なった。
実施例13〜24
上述した歯科用接着剤キットの粉材と液材の比率が質量比で1.3:1となるように混合し、エナメル質接着強度、靭性(破断エネルギー)、および可使時間を評価した。また、粉材と液材を別々に採取し、筆積み性を評価した。評価結果を表3に示した。
表3の実施例13〜24のように、本発明の歯科用接着剤キットは、粉材と液材を混合後のごく初期(15秒後)から十分な時間の経過後(90秒)まで、十分に高い(15MPa以上の)エナメル質への接着強度を示した。また、長い(60秒以上の)可使時間と十分に高い(40mJ以上の)靭性を両立可能であった。
Figure 2009001536
Figure 2009001536

Claims (3)

  1. (A)(メタ)アクリレート系重合性単量体 100質量部
    (B)下記組成
    b1)重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 35〜92質量%
    b2)重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)の実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末
    4〜45質量%
    b3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末 4〜25質量%
    からなるポリメチルメタクリレート粉末混合物
    40〜200質量部
    (C)有効量の重合開始剤
    を含んでなり、少なくとも(A)(メタ)アクリレート系重合性単量を含む液材と(B)非架橋ポリメチルメタクリレート粉末混合物を含む粉材とに分包されてなる歯科用接着性レジンセメント。
  2. b3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末の比表面積が0.7〜5(m/g)である請求項1記載の歯科用接着性レジンセメント。
  3. b1)重量平均分子量が10万〜120万であり、比表面積が0.1〜0.6(m/g)である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末が、懸濁重合または乳化重合により得られた球状または略球状粒子であり、
    b2)重量平均分子量が10万〜60万であり、比表面積が0.7〜5(m/g)の実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末、及びb3)重量平均分子量が1千〜8万である実質的に非架橋のポリメチルメタクリレート粉末が、懸濁重合または乳化重合により得られた球状粒子または略球状粒子を機械的に粉砕または異形化した粒子である請求項1または請求項2に記載の歯科用接着性レジンセメント。
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