JP2008543828A - ドーパミン作動薬としての3−フェニルアゼチジン誘導体 - Google Patents

ドーパミン作動薬としての3−フェニルアゼチジン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を提供するものである。これらの化合物は、ドーパミン作動薬のクラス、より詳細にはD2よりもD3に選択的なクラスの作動薬である。これら化合物は、性機能不全、たとえば女性性機能不全(FSD)、特に女性性的興奮障害(FSAD)、性的欲求低下障害(HSDD、性への興味の欠如)、女性オルガスム障害(FOD、オルガスムを得ることができない)、および男性性機能不全、特に男性***不全(MED)の治療および/または予防に有用である。本明細書でいう男性性機能不全は、早漏などの***障害、無オルガスム症(オルガスムを得ることができない)、または性的欲求低下障害(HSDD、性への興味の欠如)などの欲求障害を含む意味である。これらの化合物は、神経精神医学的な障害および神経変性障害の治療においても有用である。
【化1】

Description

本発明は、ドーパミン作動薬のあるクラス、より詳細にはD2よりもD3に選択的なクラスの作動薬に関する。
これらの化合物は、性機能不全、たとえば女性性機能不全(FSD)、特に女性性的興奮障害(FSAD)、性的欲求低下障害(HSDD、性への興味の欠如)、女性オルガスム障害(FOD、オルガスムを得ることができない)、および男性性機能不全、特に男性***不全(MED)の治療および/または予防に有用である。本明細書でいう男性性機能不全は、早漏などの***障害、無オルガスム症(オルガスムを得ることができない)、または性的欲求低下障害(HSDD、性への興味の欠如)などの欲求障害を含む意味である。これらの化合物は、神経精神医学的な障害および神経変性障害の治療においても有用である。
本発明は、次式(I)の化合物
Figure 2008543828
[式中、
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され、
は、H、ハロ、およびC(O)NHから選択され、
は、H、C(O)OH、C(O)NH、C(O)O(C〜C)アルキル、OH、およびハロから選択され、
は、NH、O(C〜C)アルキル、OCHPh、C(O)OH、C(O)NH、C(O)(C〜C)アルキル、C(O)O(C〜C)アルキル、OH、ハロ、および(C〜C)アルキルから選択され、前記アルキルは、OHで置換されていてもよく、
は、H、CN、およびC(O)NHから選択される。]
ならびに薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、多形体、およびプロドラッグを提供するが、
但し、RがNHであり、R、R、およびRがすべてHであるとき、RはOHまたはClにはなり得ず、RがClであり、RがHまたはCHであり、RおよびRがHであるとき、RはClにはなり得ない。
別段の指摘がない限り、(C〜C)アルキルは、直鎖状でも、分枝状でもよい。
別段の指摘がない限り、ハロという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
別段の指摘がない限り、置換されるという用語は、1種または複数の規定される基によって置換されることを意味する。基がいくつかの基選択肢から選択される場合には、選択される基は、同じでも異なっていてもよい。
式(1)の化合物の薬学的に許容できる塩には、式(1)の化合物の酸付加塩および塩基の塩が含まれる。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸または塩基の溶液を適宜混ぜ合わせて、容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させ、濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成するものであり、例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)である。
適切な塩基の塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成するものである。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が含まれる。
酸および塩基の半塩たとえば、半硫酸塩および半カルシウム塩を生成してもよい。
適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthの「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002年)を参照されたい。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、次の3方法のうちの1種または複数によって調製することができる。
(i)式(I)の化合物と所望の酸または塩基を反応させることによる方法、
(ii)式(I)の化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去する、または適切な環状前駆体、たとえばラクトンまたはラクタムを、所望の酸もしくは塩基を使用して開環することによる方法、あるいは
(iii)式(I)の化合物の塩を、適切な酸もしくは塩基と反応させて、または適切なイオン交換カラムによって、別の塩に変換することによる方法。
3種の反応はすべて、通常溶液中で実施する。得られる塩は、析出させ、濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。得られる塩のイオン化の程度は、完全にイオン化したものからほとんどイオン化していないものまで様々でよい。
本発明の化合物は、完全に非晶質から完全に結晶性の範囲の一連の固体状態で存在し得る。用語「非晶質」とは、材料が、分子レベルで長い範囲の序列を欠き、温度に応じて固体または液体の物理的性質を示し得る状態を指す。通常、そのような材料は、固体の特性を示しながらも特有のX線回折パターンを与えず、より形式的には液体として記載される。加熱すると通常は二次の状態変化(「ガラス転移」)を特徴とする、固体の特性から液体の特性への変化が起こる。用語「結晶性」とは、材料が分子レベルで規則的な序列の内部構造を有し、明確なピークを有する特有のX線回折パターンを与える固相を指す。そのような材料は、十分に加熱したとき、液体の特性も示すが、固体から液体への変化は、通常一次の相転移(「融点」)を特徴とする。
本発明の化合物は、溶媒和していない形態および溶媒和した形態で存在する場合もある。用語「溶媒和物」は、本明細書では、本発明の化合物と1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子複合体について述べるのに使用する。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるときに使用する。
現在受け入れられている有機水和物分類系は、隔離部位(isolated site)水和物、チャネル、または金属イオン配位水和物を定義するものである。K.R.Morrisの「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995年)を参照されたい。隔離部位水和物は、水分子が、介入性の有機分子によって互いに直接の接触から隔離されているものである。チャネル水和物では、水分子は、格子チャネル中に位置しており、そこで他の水分子と隣り合っている。金属イオン配位水和物では、水分子は、金属イオンに結合している。
溶媒または水が堅く結合しているとき、複合体は、湿度に関係なく、明確な化学量論性を有する。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水が弱く結合しているとき、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に応じて決まることになる。そのような場合には、非化学量論性が標準となる。
本発明の範囲には、薬物および少なくとも1種の他の構成要素が化学量論量または非化学量論量で存在する、(塩および溶媒和物以外の)多構成要素複合体も含まれる。この種類の複合体には、クラスレート(薬物−宿主包接複合体)および共結晶が含まれる。後者は通常、非共有結合性の相互作用によって結合し合った中性分子成分の結晶性複合体であると定義されるが、中性分子と塩の複合体である場合もあるはずである。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶によって、または構成要素を物理的に擦り合わせて調製することができる。O.AlmarssonおよびM.J.ZaworotkoのChem Commun、第17巻、1889〜1896ページ(2004年)を参照されたい。多構成要素複合体の一般の総説については、HaleblianのJ Pharm Sci、第64巻(8)1269〜1288ページ(1975年8月)を参照されたい。
本発明の化合物は、適切な条件下に置いたとき、中間状態(中間相または液晶)で存在する場合もある。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(融解物または溶液のどちらか)の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は「温度転移型」であると記述され、水や別の溶媒などの第2の構成要素を加えた結果として生じるものは「濃度転移型」であると記述される。濃度転移型の中間相を形成する潜在性を有する化合物は、「両親媒性」であると記述され、(−COONa、−COO、または−SO Naなどの)イオン性または(−N(CHなどの)非イオン性の極性頭部基を有する分子からなる。さらなる情報については、N.H.HartshorneおよびA.Stuartの「Crystals and the Polarizing Microscope」、第4版(Edward Arnold、1970年)を参照されたい。
以下では、式(I)の化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、多構成要素複合体、および液晶への言及、ならびにその塩の溶媒和物、多構成要素複合体、および液晶への言及を含む。
本発明の化合物には、そのすべての多形体および晶癖、以下で定義するそのプロドラッグおよび(光学異性体、幾何異性体、および互変異性体を含む)異性体、ならびに同位体標識された式(I)の化合物を含む、上で規定した式(I)の化合物が含まれる。
指摘したように、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた、本発明の範囲内である。したがって、それ自体薬理活性をほとんどまたは全くもたなくてもよい式(I)の化合物のある種の誘導体は、身体中または身体上に投与されたとき、たとえば加水分解による切断によって、所望の活性を有する式(I)の化合物に変換させることができる。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用についてのそれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E.B.Roche編、米国薬剤師会)で見ることができる。
本発明によるプロドラッグは、たとえば、H.Bundgaardの「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されているように、たとえば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分で置換して生成することができる。
本発明によるプロドラッグの一部の例には、
(i)式(I)の化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含む場合には、そのエステル、たとえば、式(I)の化合物のカルボン酸官能基の水素が(C〜C)アルキルによって置換されている化合物、
(ii)式(I)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含む場合には、そのエーテル、たとえば、式(I)の化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルによって置換されている化合物、
(iii)式(I)の化合物が第一級または第二級のアミノ官能基(−NHまたは−NHR(R≠H))を含む場合には、そのアミド、たとえば、場合により、式(I)の化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素が(C〜C10)アルカノイルによって置換されている化合物
が含まれる。
前述の例に従う置換基の別の例および他のプロドラッグタイプの例は、上述の参考文献で見ることができる。
また、特定の式(I)の化合物は、それ自体が他の式(I)の化合物のプロドラッグとして働き得る。
本発明の範囲内には、式(I)の化合物の代謝産物、すなわち薬物の投与後にin vivoで生成した化合物も含まれる。本発明による代謝産物の一部の例には、
(i)式(I)の化合物がメチル基を含む場合には、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH−>−CHOH)、
(ii)式(I)の化合物がアルコキシ基を含む場合には、そのヒドロキシ誘導体(−OR−>−OH)、
(iii)式(I)の化合物が第三級アミノ基を含む場合には、その第二級アミノ誘導体(−NR−>−NHRまたは−NHR)、
(iv)式(I)の化合物が第二級アミノ基を含む場合には、その第一級誘導体(−NHR−>−NH)、
(v)式(I)の化合物がフェニル部分を含む場合には、そのフェノール誘導体(−Ph−>−PhOH)、および
(vi)式(I)の化合物がアミド基を含む場合には、そのカルボン酸誘導体(−CONH−>COOH)
が含まれる。
本発明は、1種または複数の原子が、原子番号が同じであるが、原子質量または質量数が自然界で圧倒的に多い原子質量または質量数と異なる原子によって置換されている、すべての薬学的に許容できる同位体標識された式(I)の化合物を含む。
本発明の化合物中に含めるのに適する同位体の例には、HやHなどの水素、11C、13C、14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iや125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
特定の同位体標識された式(I)の化合物、たとえば、放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14Oは、その組み込みが容易であり、検出手段が手近であるので、この目的に特に有用である。
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性がより高いために生じる特定の治療上の利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の減少がもたらされる場合もあり、したがってある状況では好ましい場合もある。
11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用となり得る。
同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に知られている従来の技術によって、または添付の実施例および調製例に記載のものと類似の方法によって、以前から使用されている非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して調製することができる。
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体によって置換できるもの、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOであるものが含まれる。
以下の代替実施形態も、本発明に含まれる。
第1の代替実施形態では、RはHおよび(C〜C)アルキルから選択される。
第2の代替実施形態では、RはHまたはプロピルである。
第3の代替実施形態では、Rはn−プロピルである。
第1の代替実施形態では、Rは、Hおよびハロから選択される。
第2の代替実施形態では、Rは、HおよびBrから選択される。
第3の代替実施形態では、RはHである。
第1の代替実施形態では、Rは、H、C(O)OH、C(O)NH、C(O)OCH、OH、およびIから選択される。
第2の代替実施形態では、Rは、H、I、およびOHから選択される。
第3の代替実施形態では、Rは、HおよびOHから選択される。
第4の代替実施形態では、RはHである。
第5の代替実施形態では、RはOHである。
第1の代替実施形態では、Rは、NH、OCH、OCHPh、C(O)OH、C(O)NH、C(O)CH、C(O)OCH、OH、ハロ、およびCHOHから選択される。
第2の代替実施形態では、Rは、NH、OCH、OCHPh、C(O)OH、C(O)NH、C(O)CH、C(O)OCH、OH、Br、およびCHOHから選択される。
第3の代替実施形態では、RはOHまたはBrである。
第4の代替実施形態では、RはOHである。
第5の代替実施形態では、RはBrである。
第1の代替実施形態では、RはHまたはCNである。
第2の代替実施形態では、RはHである。
本発明の代替実施形態では、RおよびRの少なくとも一方はOHである。
本発明の代表的な化合物には、
3−アゼチジン−3−イルフェノール塩酸塩、
3−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノールトリフルオロ酢酸塩、
2−ヨード−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール、
2,6−ジブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール、および
2−ブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノールが含まれる。
本発明の化合物は、様々な方法で知られている方式で調製することができる。以下の経路は、式(I)の化合物の合成方法を例示するものである。
がHであり、RがHであり、R、R、およびRがHまたはOHであり、R、R、およびRのうちの1つがOHである式(I)の化合物は、反応スキーム1に従って調製することができる。
Figure 2008543828
PGは、CbzやBocなどの、アミンの保護に適する保護基である。
PG’は、ベンジルやアシルなどの、ヒドロキシ基の保護に適する保護基である。
PG=t−Bocであるとき、化合物(II)は市販されている。
一般式(III)の化合物は、式(II)の化合物から、処理ステップiによって、すなわち、2,6−ルチジン、ピリジン、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、場合により低温で、30〜60分間、トリフルオロメタンスルホン酸無水物/塩化物、メシル無水物/塩化物、トシル塩化物などの適切な無水物または塩化スルホニルと反応させることにより、アルコールをトリフラート、メシラート、トシラートなどの適切な脱離基(LG)に変換することによって調製できる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(II)、2.0当量の2,6−ルチジン、および1.0〜1.1当量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物、ジクロロメタン中、−30℃で30分間を含む。
一般式(IV)の化合物は、一般式(III)の化合物から、処理ステップiiによって、すなわち、N,N−ジメチルホルムアミド、水、アセトンなどの適切な溶媒中にて、0〜100℃の間の温度で最高で18時間、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウムなどの適切なヨウ化物供給源と反応させることによる置換によって調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(III)および5.0当量のヨウ化カリウム、N,N−ジメチルホルムアミド中、0〜25℃の間の温度で18時間を含む。
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物から、処理ステップiiiによって、すなわち、S.Billotte(Synlett、第4巻、379ページ、1998年)の方法と類似の方法を使用する、化合物(IV)と適切に保護されたヨードフェノール(X)の交差カップリングによって調製することができる。典型的な条件は、0.08当量の1,2−ジブロモエタンおよび過剰の亜鉛末、N,N−ジメチルホルムアミド中、70℃で10分間、続いて0.08当量のクロロトリメチルシラン(室温で1時間攪拌)、1.0当量の化合物(IV)(40℃で1時間攪拌)、および1.0〜1.1当量のヨードフェノール、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(触媒)などの適切なパラジウム触媒、およびトリ(2−フリル)ホスフィンを70℃で4時間かけて順次追加することを含む。
式(VI)の化合物は、式(V)の化合物から、処理ステップ(iv)によって、すなわち、ヒドロキシル保護基(PG’)を、T.W.GreeneおよびP.Wutzの「Protecting Groups in Organic Synthesis」に記載されているように、標準の方法を使用して除去することにより調製できる。PG’がベンジルであるとき、典型的な条件は、1.0当量の化合物(V)、5.0当量のギ酸アンモニウム、および10%Pd/C(触媒)、エタノール中で加熱還流、1〜4時間を含む。
式(I)の化合物は、式(VI)の化合物から、処理ステップ(v)によって、すなわち、アミノ保護基(PG)を、T.W.GreeneおよびP.Wutzの「Protecting Groups in Organic Synthesis」に記載されているように、標準の方法を使用して除去することにより調製できる。PGがBOCであるとき、典型的な条件は、1.0当量の化合物(VI)および過剰な塩化水素ガス、ジクロロメタン中、0〜25℃で1〜18時間を含む。
別法として、Rが(C〜C)アルキルであり、RがHであり、R、R、およびRがHまたはOHであるとき、R、R、およびRのうちの1つがOHであるものは、スキーム2に記載のとおりに調製することができる。
Figure 2008543828
式(V)の化合物は、スキーム1に記載のとおりに調製することができる。
式(VII)の化合物は、式(V)の化合物から、処理ステップvによって、すなわち、アミノ保護基(PG)を、T.W.GreeneおよびP.Wutzの「Protecting Groups in Organic Synthesis」に記載されているように、標準の方法を使用して除去することにより調製できる。PGがBOCであるとき、典型的な条件は、1.0当量の化合物(VI)および過剰なトリフルオロ酢酸、ジクロロメタン中、0〜25℃で1〜6時間を含む。
一般式(VIII)の化合物は市販されている。
一般式(IX)の化合物は、式(VII)および(VIII)の化合物から、処理ステップviiによって、すなわち、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムやシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤存在下、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジオキサンなどの適切な溶媒中にて、周囲条件下で1〜48時間還元アミノ化を実施することにより調製できる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(VII)、1.5当量の化合物(VIII)、および1.5当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ジクロロメタン中、18時間を含む。
式(I)の化合物は、式(IX)の化合物から、スキーム1に記載の処理ステップivによって調製することができる。
さらに、式(I)の化合物は、一連のハロゲン化反応によって別の式(I)の化合物に変換できることもわかるであろう。
たとえば、基R、R、およびRのうちの1つがHであり、基R、R、およびRのうちの1つがOHであり、基R、R、およびRのうちの1つがIであるとき、式(I)’の化合物は、化合物(I)のヨウ素化によって調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(I)および1.0〜1.1当量のヨウ素、ジクロロメタン中、0〜25℃で24時間を含む。
基R、R、およびRのうちの1つがOHであり、基R、R、およびRのうちの1つがBrであり、基R、R、およびRのうちの1つがBrおよびHから選択されるとき、式(I)’の化合物は、化合物(I)の臭素化によって調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(I)および1.0〜1.1当量の臭素、氷酢酸中、10〜25℃で18時間を含む。
上記反応および前述の方法で使用する新規な出発材料の調製はすべて、従来のものであり、その遂行または調製のための適切な試薬および反応条件、ならびに所望の生成物を単離する手順は、文献の先例および本明細書に対する実施例および調製例に即して当業者に熟知される。
本発明の化合物は、疾患状態の治療において選択的なD3作動薬として有用である。D2およびD3両方の作動薬としての活性を有する化合物はいくつか存在するが、しかし、そのような化合物の使用には、悪心、嘔吐、失神、低血圧、および徐脈を含む非常に多くの副作用が伴い、その一部が深刻な懸念の原因となる。
従来技術化合物の効果が、D2に作動活性を示すその能力に起因することは以前から考えられていたが、しかし、D2作動活性は、上で詳述した副作用の原因であると示唆されている。
本発明は、あるクラスの選択的なD3作動薬を提供する。偶然にも、これらの作動薬は、効果的でありながら、非選択性の従来技術化合物に付きものの副作用を低減することがわかった。
したがって、本発明の別の態様は、医薬として使用するための式(I)の化合物を提供する。
本発明の化合物は、性機能不全、すなわち、性的欲求低下障害、女性性的興奮障害、女性オルガスム障害、および***疼痛障害を含む女性性機能不全、男性***不全、高血圧、神経変性、うつ病、疼痛、ならびに精神障害の治療において特に有用である。
したがって、本発明は、ドーパミンD3受容体が関与する疾患または状態を治療または予防するための医薬の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
さらに、本発明は、性機能不全を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明の化合物は、男性性機能不全、特に男性***不全において有用である。別名では男性***障害として知られている男性***不全(MED)は、次のように定義される。
「満足な性行為を行うために***が得られない、かつ/またはそれを維持することができない状態」(NIH Consensus Development Panel on Impotence、1993年)
すべての程度(最小限、中等度、および完全な不能)の***不全(ED)の有病率は、40〜70才の男性で52%であり、70才より高齢の男性ではより高い割合になることが推定されている(Melmanら、1999年、J.Urology、第161巻、5〜11ページ)。この状態は、個人およびそのパートナーの生活の質に対してかなりのマイナスの影響を与え、しばしば不安および緊張の増大をもたらし、それが意気消沈および自己卑下へとつながる。20年前、MEDは主に心理的な障害であるとみなされていたが(Benetら、1994年、Comp.Ther.、第20巻:669〜673ページ)、現在は個人の大多数について器質的な原因が根底にあることがわかっている。その結果として、正常な陰茎***の機序およびMEDの病態生理の特定において大きな進歩が遂げられた。
陰茎の***は、海綿体平滑筋の収縮および弛緩と陰茎の脈管構造のバランスに応じて決まる、血行力学的な事象である(Lernerら、1993年、J.Urology、第149巻、1256〜1255ページ)。海綿体平滑筋(Corpus cavernosal smooth muscle)は、本明細書ではcorporal smooth muscle、または複数形の意味でcorpus cavernosaとも呼ぶ。海綿体平滑筋が弛緩すると、海綿体の小柱状の間隔に入る血流が増加して、海綿体を周囲の白膜いっぱいに膨張させ、排出用の静脈を圧迫する。これにより血圧がおびただしく上昇し、***が生じる(Naylor、 1998年、Br.J.Urology、第81巻、424〜431ページ)。
***の過程の間に起こる変化は、複雑であり、末梢および中枢神経系ならびに内分泌系が関与する高度な協調制御を必要とする(Naylor、1998年、Br.J.Urology、第81巻、424〜431ページ)。海綿体平滑筋の収縮は、交感神経系のノルアドレナリン作動性の神経支配によって、シナプス後αアドレナリン受容体の活性化を介してモジュレートされる。MEDは、海綿体の内因性の平滑筋緊張の増大と関連付けることができる。しかし、海綿体平滑筋の弛緩の過程は、非アドレナリン作動性、非コリン作動性(NANC)の神経伝達によってある程度媒介される。陰茎では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)や血管作動性腸ペプチド(VIP)などの、NO以外の他のいくつかのNANC神経伝達物質が見られる。この弛緩の媒介を司る主要な弛緩因子は、一酸化窒素シンターゼ(NOS)によってL−アルギニンから合成される一酸化窒素(NO)である(Taubら、1993年、Urology、第42巻、698〜704ページ)。海綿体平滑筋の緊張を軽減することは、NOが海綿体の弛緩を誘発する助けとなるのではないかと考えられている。男性の性的な覚醒状態の際には、ニューロンおよび内皮からNOが放出され、平滑筋細胞および内皮に所在が示される可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)に結合し、それを活性化して、細胞内の環状グアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)レベルの上昇をもたらす。cGMPがこのように上昇すると、プロテインキナーゼGの活性化が関与すると考えられている未知の機序(おそらくCa2+ポンプの活性化およびCa2+によって活性化されたカリウムチャネルによるもの)によって、細胞内カルシウム濃度([Ca2+)の減少による海綿体の弛緩がもたらされる。
性行動をモジュレートする可能性のある複数の部位が、中枢神経系内で同定されている。鍵となる神経伝達物質は、セロトニン、ノルエピネフリン、オキシトシン、一酸化窒素、およびドーパミンであると考えられる。このような鍵となる神経伝達物質の作用を模倣することにより、性機能を調整することができる。ドーパミンD3受容体は、報酬、情動、および認知の過程に関与する領域である脳の辺縁野でほとんど限定的に発現される。
特定の理論に拘泥するものでないが、「黒質線条体のドーパミン作動性経路の完全性は、運動活動の制御において役割をもつために、***行動の誇示にも不可欠であると思われる。ともかくも、性機能についてより詳細に述べると、ドーパミンは、視床下部の傍室核に所在が示されるオキシトシン作動性のニューロン、ことによるとさらに脊髄内の***推進的な仙髄副交感核に作用することにより、陰茎***のきっかけとなり得るように思われる。」現在では、重要な部位はD3であり、以前に考えられていたようにD2でないことは明らかである。
要するに、D3は、性行動の発動因子である。
したがって、本発明は、男性性機能不全、特にその限りでないが男性***不全を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用を提供する。
軽度から中等度のMEDの患者は、本発明による化合物での治療の恩恵を受けるはずであり、重度のMEDの患者で奏功する場合もある。しかし、早期の研究では、軽度、中等度、および重度のMED患者の奏功者の割合は、選択的D3作動薬/PDE5阻害剤の併用でより高くなり得ることが示唆されている。軽度、中等度、および重度のMEDは、当業者に知られている用語であるが、手引きは、The Journal of Urology、第151巻、54〜61ページ(1994年1月)で見ることができる。
早期の研究は、以下で述べるMED患者群が、選択的D3作動薬およびPDE5i(または以下で述べる他の組合せ)による治療の恩恵を受けるはずであると提言している。そのような患者群は、Clinical Andrology第23巻、第4号、773〜782ページ、およびMosby−Wolfeによって出版されているI.EardleyおよびK.Sethiaによる書籍「Erectile Dysfunction−Current Investigation and Management」の第3章により詳細に記載されており、次のとおりである。すなわち、心因性、器質性、血管性、内分泌性、神経原性、動脈性、薬剤性の性機能不全(乳腺刺激性)、および海綿体性の要因、特に静脈性の原因に関連する性機能不全。
したがって、本発明は、***不全治療のための、PDE5阻害剤と組み合わせた医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用を提供する。
適切なPDE5阻害剤は、本明細書に記載する。
本発明の化合物は、女性性機能不全(FSD)、特に、女性性的興奮障害(FSAD)、性的欲求低下障害(HSDD、性への興味の欠如)、HSDDを伴うFSAD、および女性オルガスム障害(FOD、オルガスムを得ることができない)の治療または予防において有用である。
本発明によれば、FSDは、女性が性的な表現に満足を得難いまたは得られないことであると定義できる。FSDは、いくつかの多様な女性性障害の総称的な用語である(Leiblum,S.R.(1998年)−「Definition and classification of female sexual disorders」、Int.J.Impotence Res.、第10巻、S104〜S106ページ;Berman,J.R.、Berman,L.、およびGoldstein,I.(1999年)−「Female sexual dysfunction:Incidence,pathophysiology,evaluations and treatment options」、Urology、第54巻、385〜391ページ)。女性は、欲求が欠如する、性的興奮またはオルガスムに達し難い、***痛がある、またはこのような問題を併せ持つ場合がある。いくつかのタイプの疾患、薬物適用、傷害、または心理的な問題がFSDを引き起こすこともある。開発中の治療は、特定のFSDサブタイプ、主に欲求および性的興奮の障害の治療を目標とするものである。
FSDの範疇は、それを正常な女性の性的応答、すなわち欲求、性的興奮、およびオルガスムの相と対比させることで最も的確に定義される(Leiblum,S.R.(1998年)−「Definition and classification of female sexual disorders」、Int.J.Impotence Res.、第10巻、S104〜S106ページ)。欲求または***は、性的な表現への衝動である。その現れはしばしば、興味のあるパートナーとの交際時、または***をかき立てる他の刺激にさらされたときの性的な思考を含む。性的興奮は、性器の充血をその重要な構成要素とする、性的な刺激に対する血管性の応答であり、膣の潤滑の増進、膣の伸長、および性器の感覚/敏感性の増大がこれに含まれる。オルガスムは、性的興奮の間に絶頂に達した性的な緊張の解放である。
したがって、このような相、すなわち、通常は欲求、性的興奮、またはオルガスムのいずれかにおいて女性が不十分または不満足な応答を有するとき、FSDが存在する。FSDの範疇には、性的欲求低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害、および***疼痛障害が含まれる。本発明の化合物は、(女性性的興奮障害でのように)性的な刺激に対する性器の応答を改善するものであるが、そうする際にそれに伴う痛み、***に関連する苦痛および不快感も改善し、同じように他の女性性障害も治療することができる。
女性が性的関係への欲求を全くまたはほとんどもたず、性的な思考または想像を全くまたはほとんど抱かないならば、性的欲求低下障害が存在する。このタイプのFSDは、自然閉経または外科的な閉経による低テストステロンレベルによって引き起こされる場合がある。他の原因には、疾病、薬物適用、疲労、うつ病、および不安が含まれる。
女性性的興奮障害(FSAD)は、性的な刺激に対する不十分な性器の応答を特徴とする。性器が、正常な性的な興奮状態を特徴付ける充血に至らない。膣の壁の潤滑が不十分であるので、***が痛みを伴う。オルガスムが妨げられる場合がある。性的興奮障害は、閉経期または産後および授乳期間中にエストロゲンの減少によって、ならびに糖尿病やアテローム性動脈硬化などの、血管性の構成要素を伴う疾病によって引き起こされる場合がある。他の原因は、利尿薬、抗ヒスタミン剤、抗うつ薬、たとえば選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、または降圧薬による治療の結果として生じる。
(***疼痛症および膣痙を含む)***疼痛障害は、挿入の結果として生じる痛みを特徴とし、潤滑を低下させる薬物適用、子宮内膜症、骨盤内感染症、炎症性腸疾患、または泌尿器系の問題によって引き起こされる場合がある。
以前に論じたように、D3は、性行動の発動因子であると考えられている。陰核は、陰茎の相同体であるとみなされ(Levin,R.J.(1991年)、Exp.Clin.Endocrinol.、第98巻、61〜69ページ)、男性において***応答をもたらす同じ機序が、女性における性器の血流の増加を生じ、FSDに対する効果を伴う。さらに、能動的性行動および受動的性行動の変化がある。
したがって、本発明の一態様によれば、性的欲求低下障害、女性性的興奮障害、女性オルガスム障害、および***疼痛障害を含む女性性機能不全を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用が提供される。
一実施形態では、式(I)の化合物は、性的興奮障害、オルガスム障害、および性的欲求低下障害の治療または予防において、別の実施形態では、性的興奮障害の治療または予防において有用である。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、女性性的興奮障害および不随する性的欲求低下障害の対象の治療において有用である。
American Psychiatric Associationの診断および統計の便覧(DSM)IVは、女性性的興奮障害(FSAD)を次のように定義している。
「…性的な興奮の十分な潤滑−膨張応答を実現できない、または性的活動が完了するまでそれを維持できないことが持続または頻発する状態。この障害は、著しい苦痛または対人関係のもつれを引き起こすに相違ない。…」
性的興奮応答は、骨盤の血管充血、膣の潤滑および拡大、ならびに外性器の膨張からなる。その障害は、著しい苦痛および/または対人関係のもつれを引き起こす。
FSADは、閉経前、閉経期付近、および閉経後(±ホルモン補充療法(HRT))の女性がかかる非常に広く認められる性障害である。この障害は、うつ病、心血管疾患、糖尿病、および泌尿生殖器(UG)障害などの随伴する障害に関連するものである。
FSADの主な影響は、充血/膨張の欠如、潤滑の欠如、および満足を与える性器の感覚の欠如である。FSADの第二の影響は、***の減退、***時の痛み、およびオルガスムを得難いことである。
最近では、FSAD症状を有する少なくとも一部の患者について血管性の根拠があるという仮説が立てられており(Goldsteinら、Int.J.Impot.Res.、第10巻、S84〜S90ページ、1998年)、動物のデータがこの見解を裏付けている(Parkら、Int.J.Impot.Res.、第9巻、27〜37ページ、1997年)。
R.J.Levinは、「…男性および女性の性器は、発生学的に共通の組織原基から発生するので、男性および女性の性器の構造は、互いに相同体であると主張される。すなわち、陰核は陰茎の相同体であり、***は陰嚢の嚢の相同体である…」と教示している(Levin,R.J.(1991年)、Exp.Clin.Endocrinol.、第98巻、61〜69ページ)。
効果を調査中であるFSAD治療の薬物候補は、本来***への循環を促進する***不全治療薬である。
本発明の化合物は、正常な性的興奮応答、すなわち、膣、陰核、および***の充血をもたらす性器への血流の増加を回復させる手段を提供することにより有利となる。これにより、血漿浸出物による膣の潤滑が増進し、膣の伸展性が増大し、性器の敏感性が増大することになる。したがって、本発明は、正常な性的興奮応答を回復させ、または増強する手段を提供する。
したがって、本発明の一実施形態では、女性性的興奮障害を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用が提供される。
女性生殖器とは、本明細書では、次のものを意味する。「性器は、内部および外部の群からなる。内性器は、骨盤内に位置しており、卵巣、卵管、子宮、および膣からなる。外性器は、尿生殖隔膜の表面かつ骨盤アーチより下にある。外性器は、恥丘、大***および小***、陰核、膣前庭、***、ならびに大前庭腺を含む。」(Gray’s Anatomy、C.D.Clemente、第13米国版)
本発明の化合物は、次のFSD患者下位集団、すなわち、ホルモン補充療法を受けているまたは受けていない若者、高齢者、閉経前、閉経期付近、閉経後の女性に適用することができる。
本発明の化合物は、以下のものから生じるFSDの患者に適用することができる。
i)脈管形成性の病因、たとえば、循環器系またはアテローム硬化性の疾患、高コレステロール血症、タバコ喫煙、糖尿病、高血圧、放射線損傷および会陰外傷、腸骨下腹外陰血管系への外傷性傷害。
ii)脊髄損傷、多発性硬化症、糖尿病、パーキンソニズム、脳血管発作、末梢ニューロパチーを含む中枢神経系疾患、外傷、または根治的な骨盤手術などの神経原性の病因。
iii)視床下部/下垂体/性腺軸の機能不全、または卵巣の機能不全、膵臓の機能不全、外科的もしくは内科的な去勢、アンドロゲン欠損症、高循環レベルのプロラクチン、たとえば高プロラクチン血症、自然閉経、早発閉経、甲状腺機能亢進および低下などのホルモン/内分泌性の病因。
iv)うつ病、強迫性障害、不安障害、産後うつ病/「Baby Blues」、感情および関係性の問題、遂行不安、夫婦の不仲、***的な(dysfunctional)態度、性的な恐怖、宗教上の抑制、または深く傷ついた過去の経験などの心因性の病因。
v)選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRi)による治療および他の抗うつ薬治療(三環系および主要な精神安定薬)、抗高血圧治療、交感神経遮断薬、長期にわたる経口避妊薬治療の結果として生じる薬物性の性機能不全。
本発明の化合物は、うつ病の治療においても有用である。
ドーパミンD3受容体は、報酬、情動、および認知の過程に関与する領域である脳の辺縁野でほとんど限定的に発現される。いくつかのクラスの抗うつ薬による長期にわたる治療は、辺縁野におけるD3の発現を増大させることがわかっており、デシプラミンの抗うつ薬効果は、スルピリド(D2/D3拮抗薬)によって、側坐核(D3に富む領域)に注射したときにはブロックされる場合があるが、尾状核−被殻(ドーパミンD2受容体に富む領域)ではブロックされない。さらに、D3に優先的なD2/D3作動薬であるプラミペキソールで治療した前臨床うつ病モデルおよび患者において抗うつ薬効果が認められた。入手可能な情報は、D3受容体が抗うつ薬活性を媒介すること、ならびに選択的なD3受容体作動薬が新しいクラスの抗うつ薬となることを示唆している。抗うつ薬は、他の精神医学障害において有効であることがわかっているので、D3作動薬は、精神医学疾患を治療する可能性を秘めていることになる。
適切な状態には、うつ病(たとえば、癌患者のうつ病、パーキンソン病患者のうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群性症候性うつ病、不妊女性のうつ病、大うつ病、小児***によって誘発されるうつ病、産後うつ病、および不機嫌老人症候群)、単一エピソードもしくは反復性の大うつ病性障害、気分変調障害、うつ病性の神経症、および神経症のうつ病、食欲不振症、体重減少、不眠、早朝の目覚め、または精神運動の遅滞を含むメランコリー型のうつ病;食欲の増大、過眠症、精神運動激越もしくは被刺激性、季節性情動障害、および小児うつ病を含む非定型うつ病(または反応性うつ病);双極性障害または躁うつ病、たとえば、双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害;行動障害;破壊的行動異常;抜毛癖、盗癖、注意欠陥多動性障害(ADHD);知能障害および自閉障害に関連する行動障害;境界性人格障害;回避性人格障害;広場恐怖を伴うまたは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴を伴わない広場恐怖、特定恐怖症、たとえば、特定の動物恐怖、社会不安、対人恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、全般性不安障害などの不安障害;情動不安定、病的号泣;統合失調症および他の精神病性障害、たとえば、統合失調症様障害、***感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、妄想もしくは幻覚を伴う精神病性障害、不安の精神病性エピソード、精神病に関連する不安、重度の大うつ病性障害などの精神病性気分障害;急性の狂躁などの精神病性障害に関連する気分障害、および双極性障害に関連するうつ病;統合失調症に関連する気分障害;摂食障害(たとえば、拒食症および神経性過食症)、肥満;アキネジア、家族性発作性ジスキネジアを含むジスキネジア、痙縮、トゥーレット症候群、スコット症候群、PALSYS、無動−硬直症候群などの運動障害;薬物適用によって誘発される運動障害、たとえば神経弛緩薬によって誘発されるパーキンソニズム、悪性症候群、神経弛緩薬によって誘発される急性ジストニア、神経弛緩薬によって誘発される急性アカシジア、神経弛緩薬によって誘発される遅発性ジスキネジア、薬物適用によって誘発される***性振戦などの錐体外運動障害;化学物質依存症および嗜癖(たとえば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、ニコチン、またはフェノバルビタールへの依存症または嗜癖)と、賭け事への嗜癖などの行為嗜癖;緑内障や虚血性網膜症などの眼障害;睡眠障害(脱力発作)およびショックが含まれる。
別の実施形態では、本発明は、うつ病または精神障害を治療するための医薬の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
適切なうつ病状態および精神障害は上述のものである。
本発明の化合物は、神経変性の治療においても有用であり、神経変性の原因には、神経毒中毒;視覚路、たとえば網膜、視神経、および/または後頭葉での卒中によるものなどの視覚路の神経変性によって引き起こされる視力喪失;てんかん性痙攣;ならびに脳へのグルコースおよび/または酸素供給の障害からくるものが含まれる。
神経変性に関連する状態には、不隠下肢症候群、ハンチントン病、多発性硬化症、軽度認知障害、ダウン症、卒中、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、せん妄、認知症、加齢関連認知機能低下(ARCD)、ならびにパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老年痴呆、アルツハイマー型の認知症、記憶障害、遂行機能の喪失、脳血管性痴呆、血管性変性混合型の認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上性麻痺に関連する認知症、皮層基底核変性症に関連する認知症、多発梗塞性痴呆、アルコール依存性の認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に関連する認知症、HIVもしくはAIDSに関連した認知症、びまん性レビー小体型のアルツハイマー病、パーキンソニズム(FTDP)を伴う前頭側頭型痴呆、頭部外傷、脊椎損傷、神経系の脱髄性疾患、末梢性神経障害、疼痛、脳アミロイド血管症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ドーパミン作動薬治療に関連するジスキネジア、知能障害;読書障害、数学障害、もしくは筆記表現障害を含む学習障害、加齢関連認知機能低下、健忘性障害、神経弛緩薬によって誘発されるパーキンソニズム、遅発性ジスキネジア、急性および慢性の神経変性障害などの、健忘性および他の認知障害もしくは神経変性障害が含まれる。
したがって、本発明は、神経変性を治療するための医薬の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明の化合物は、疼痛、特に、その限りでないが慢性侵害受容性疼痛の治療においても有用である。
生理的な痛みは、外部環境からの有害な可能性のある刺激の危険を警告するように設計された重要な防御機構である。この系統は、特定のセットの一次感覚ニューロンを通して作動し、侵害刺激によって、末梢の変換機構を介して活性化される(総説については、Milian、1999年、Prog.Neurobiol.、第57巻、1〜164ページを参照されたい)。このような感覚線維は、侵害受容器として知られており、伝導速度の緩徐な直径の小さい軸索を特徴とする。侵害受容器は、侵害刺激の強度、持続時間、および質、さらにはその組織分布的に系統立てられた脊髄への投射によって刺激の位置をコードする。侵害受容器は、Aδ線維(有髄)およびC線維(無随)を2大タイプとする侵害受容性神経線維上に見られる。侵害受容器の入力によって生成された活性は、後角での複雑な処理の後、直接にまたは脳幹中継核を介して視床基底複側に、次いで皮質上に伝達され、そこで痛みの感覚が生じる。
疼痛は、一般に急性または慢性として分類される。急性痛は、突如始まり、(通常は12週間以下で)一時的である。急性痛は、通常は、特定の傷害などの特定の原因と関連付けられ、しばしば鋭く重度である。急性痛は、手術、歯科作業、挫傷、または捻挫の結果として生じる特定の損傷を受けた後に存在し得る種類の疼痛である。急性痛は、一般に、持続性のいかなる心理的応答ももたらさない。対照的に、慢性痛は、通常は3カ月より長く持続する長期間の疼痛であり、かなりの心理的および情動的な問題となる。慢性痛の一般的な例は、神経因性疼痛(たとえば、有痛性の糖尿病性ニューロパチー、ヘルペス後神経痛)、手根管症候群、背痛、頭痛、癌性疼痛、関節炎疼痛、および慢性術後疼痛である。
疾患または外傷によって体組織に相当な損傷が存在するとき、侵害受容器活性化の特性は変更され、末梢で、損傷周囲で局所的に、さらに侵害受容器が終結する中枢で感作が起こる。このような効果は、痛みの感覚を強める。急性痛では、このような機序は、修復過程の遂行を一層可能にし得る保護的な挙動の促進において有用となり得る。通常の見込みでは、損傷が治癒したならば、敏感性は正常に戻るはずである。しかし、多くの慢性疼痛状態では、過敏症は、治癒の過程よりはるかに長く残り、しばしば神経系損傷によるものである。この損傷はしばしば、適応不全および異常な活性を随伴する感覚神経線維の異常をもたらす(WoolfおよびSalter、2000年、Science、第288巻、1765〜1768ページ)。
臨床上の疼痛は、患者の症状の中で不快感および異常な感受性が特徴となっているときに存在する。患者は、非常に不均一な傾向があり、様々な疼痛症状で診察を受けにくることもある。その症状には、1)鈍い、焼けるような、または刺すようであるといえる自発痛、2)侵害刺激に対する悪化した疼痛反応(痛覚過敏)、および3)通常は無害な刺激によって生じた疼痛(異痛症−Meyerら、1994年、Textbook of Pain、13〜44ページ)が含まれる。様々な形態の急性および慢性痛に罹患している患者が同様の症状を有する場合もあるが、根底にある機序が異なることもあり、したがって異なる治療戦略が必要である。したがって、疼痛は、侵害受容性、炎症性、および神経因性の疼痛を含む、異なる病態生理に従ういくつかの異なるサブタイプに分けることもできる。
侵害受容性疼痛は、組織損傷、または損傷を引き起こす可能性のある強烈な刺激によって誘発される。疼痛の求心性は、損傷部位にある侵害受容器による刺激の伝達によって活性化され、それが終結するレベルの脊髄でニューロンを活性化する。次いで、これが脊髄路を上って脳へと中継され、そこで痛みが知覚される(Meyerら、1994年、Textbook of Pain、13〜44ページ)。侵害受容器が活性化されると、2タイプの求心性神経線維が活性化される。有髄のAδ線維は、急速な伝達を行い、鋭く刺すような痛覚を司る一方で、無髄のC線維は、より遅い速度で伝達を行い、鈍いまたはうずくような痛みを伝える。中等度から重度の急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、火傷、心筋梗塞、および急性膵炎からくる疼痛、術後疼痛(任意の種類の外科的な手順後の疼痛)、外傷後疼痛、腎疝痛、癌性疼痛、ならびに背痛の顕著な特徴である。癌性疼痛は、腫瘍に関連した疼痛(たとえば、骨痛、頭痛、顔面痛、または内臓痛)や、癌治療に関連する疼痛(たとえば、化学療法後症候群、慢性術後疼痛症候群、または放射線照射後症候群)などの慢性痛であることがある。癌性疼痛は、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、または放射線療法に応答して起こる場合もある。背痛は、椎間板ヘルニアもしくは椎間板破裂、または腰椎椎間関節、仙腸関節、傍脊椎筋、もしくは後縦方向靭帯の異常によるものである場合がある。背痛は、自然に消散することもあるが、一部の患者において、12週間を超えて持続する場合には、特に消耗性ともなり得る慢性状態になる。
神経因性疼痛は、現在では、神経系の一次病巣または機能不全によって始まる、または引き起こされる疼痛であると定義される。神経損傷は、外傷および疾患によって引き起こされる場合があり、したがって用語「神経因性疼痛」は、多様な病因の多くの障害を含む。これらには、末梢性神経障害、糖尿病性ニューロパチー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、背痛、癌性ニューロパチー、HIVニューロパチー、幻肢痛、手根管症候群、中心性卒中後痛、ならびに慢性アルコール中毒、甲状腺機能低下、尿毒、多発性硬化症、脊椎損傷、パーキンソン病、てんかん、およびビタミン欠乏に関連する疼痛が含まれるがこの限りでない。神経因性疼痛は、保護的な役割をもたないので病的である。神経因性疼痛はしばしば、もとの原因が消失した後も多分に存在し、患者の生活の質を著しく低下させながら一般に何年間も残る(WoolfおよびMannion、1999年、Lancet、第353巻、1959〜1964ページ)。神経因性疼痛の症状は、しばしば同じ疾患の患者間でさえも均一でないので治療が難しい(WoolfおよびDecosterd、1999年、Pain Supp.、第6巻、S141〜S147ページ;WoolfおよびMannion、1999年、Lancet、第353巻、1959〜1964ページ)。それらには、持続性となる場合がある自発痛、ならびに痛覚過敏(侵害刺激に対する敏感性の増大)や異痛症(通常は無害な刺激に対する敏感性)などの、発作性または異常な誘発痛が含まれる。
炎症の過程は、組織損傷または異物の存在に応答して活性化される、一連の複雑な生化学的かつ細胞性の事象であり、腫脹および疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo、1994年、Textbook of Pain、第45〜56ページ)。関節炎疼痛は、最も一般的な炎症性疼痛である。リウマチ様疾患は、先進諸国における最も一般的な慢性炎症状態の1つであり、関節リウマチは、身体障害の一般的な原因である。関節リウマチの正確な病因は不明であるが、現在の仮説は、遺伝的および微生物学的な両方の要因が重要であろうと示唆している(GrennanおよびJayson、1994年、Textbook of Pain、397〜407ページ)。ほぼ1600万人のアメリカ人が症候性の骨関節炎(OA)または変形性関節疾患を抱え、その大部分は60才を超えていると推定されており、それが集団の年齢が増すにつれて4000万人に増えることが想定されているので、非常に重大な公衆衛生問題となっている(HougeおよびMersfelder、2002年、Ann Pharmacother.、第36巻、679〜686ページ;McCarthyら、1994年、Textbook of Pain、387〜395ページ)。ほとんどの変形性関節炎患者は、それに伴う痛みのために医学的な対応処置を捜し求める。関節炎は、心理社会的および身体的な機能に重大な影響を及ぼし、後の生涯において身体障害の主な原因となることがわかっている。強直性脊椎炎も、脊椎および仙腸関節の関節炎を引き起こすリウマチ性疾患である。この疾患は、生涯にわたって起こる背痛の断続的な発症から、脊椎、末梢の関節、および他の身体臓器を襲う重度の慢性疾患まで様々である。
別の種類の炎症性疼痛は、炎症性腸疾患(IBD)に関連する疼痛を含む内臓痛である。内臓痛は、腹腔の臓器を含む内臓に関連する疼痛である。これらの臓器には、生殖器、脾臓、および消化器系の一部が含まれる。内臓に関連する疼痛は、消化系の内臓痛と非消化系の内臓痛に分けることができる。疼痛を引き起こす、一般に遭遇する胃腸(GI)障害には、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。これらのGI障害には、FBDに関して、胃食道逆流、消化不良、過敏性大腸症候群(IBS)、および機能性腹痛症候群(FAPS)、IBDに関して、クローン病、回腸炎、および潰瘍性大腸炎を含む、現在は中等度にしかコントロールされない広範囲な疾患状態が含まれ、これらの疾患はすべて、定期的に内臓痛を生じる。他の種類の内臓痛には、月経困難症、膀胱炎、および膵炎に関連する疼痛、ならびに骨盤痛が含まれる。
一部の種類の疼痛は、複数の病因を有し、したがって複数の領域に分類される場合があり、たとえば、背痛および癌性疼痛は、侵害受容性と神経障害性の両方の構成要素を有することを留意されたい。
他の種類の疼痛には、以下のものが含まれる。
・筋肉痛、線維筋痛、椎骨炎、血清反応陰性(非リウマチ様)の関節症、非関節性リウマチ、ジストロフィノパチー、グリコーゲン分解、多発性筋炎、および化膿性筋炎を含む筋骨格障害の結果として生じる疼痛、
・狭心症、心筋梗塞、僧帽弁狭窄、心外膜炎、レイノ現象、浮腫性硬化症、および骨格筋虚血によって引き起こされる疼痛を含む心臓および血管の疼痛、
・(前兆を伴う偏頭痛および前兆を伴わない偏頭痛を含む)偏頭痛、群発性頭痛、筋緊張型頭痛、混合型頭痛、および血管性障害に関連する頭痛などの頭痛、
・歯痛、耳痛、口腔内灼熱症候群、および側頭下顎の筋筋膜痛を含む口腔顔面痛。
したがって、本発明は、疼痛を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、慢性の侵害受容性疼痛を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、式(I)の化合物の使用を提供する。
性機能不全、うつ病、神経変性、疼痛、および精神障害の治療におけるその役割に加え、本発明の化合物は、いくつかの追加の適応症においても効果的でありそうである。したがって、本発明は、高血圧、早漏、肥満、群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、内分泌障害(たとえば、高プロラクチン血症)、(特に大脳脈管構造の)血管れん縮、小脳失調、(運動性および分泌の変化が関与する)消化管障害、月経前症候群、線維筋痛症候群、ストレス性失禁、慢性発作性片側頭痛、および(血管性障害に関連する)頭痛を治療するための医薬の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で上述した状態、疾患、または障害を治療または予防する方法であって、その必要のあるヒトを含む哺乳類対象に、有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、多形体、もしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
本明細書では、治療への言及はすべて、治療的、姑息的、および予防的な治療を含むことを理解されたい。
D3/D2アゴニスト結合アッセイ
Gonazalezら(Eup.J Pharmacology第272巻(1995年)R1〜R3ページ)は、D3および/またはD2ドーパミン受容体での化合物の結合能力、したがってそのような化合物の結合選択性を判定するアッセイを開示している。したがって、このアッセイを本明細書では結合アッセイと呼ぶ。
D3/D2アゴニスト機能アッセイ
適切なアッセイは、WO2004/052372で開示されている。
上述のアッセイを使用すると、本発明の化合物はすべて、D3受容体での結合Kiが<2μMであり、かつ/またはD3受容体での、EC50として示される機能的効果が200nMを下回る。D2機能アッセイで検出可能なEC50を示した化合物はなかった。
実例として、実施例2の化合物は、D3受容体でのEC50として示される機能的効果が61nMであるが、(標準の薬剤プラミペキソールの最大効果を基準とした)Emax(最大応答値)は77%である。上述のD2受容体機能アッセイでは、この化合物は、(プラミペキソールの最大効果を基準として)10000nMで24%の応答しか示さなかった。
疼痛アッセイ
様々な疼痛状態における本発明の化合物の有用性を判定するのに適するアッセイについて以下で述べる。
神経因性疼痛
神経因性疼痛の治療における化合物の活性は、以下の試験プロトコルに従って測定することができる。
動物:雄のSprague Dawleyラットをグループで収容する。すべての動物を12時間の明/暗サイクル(07時00分に明かりをつける)に置き、食物および水は自由に与える。すべての実験は、処置について知らない観察者によって、1986年制定英国内務省動物(科学的処置)法(Home Office Animals(Scientific Procedures)Act1986)に従って実施した。
神経因性疼痛の慢性絞縮傷(CCI)ラットモデル
坐骨神経CCIは、BennettおよびXieによって以前に記載されているとおりに実施した(Bennett GJ、Xie YK、「A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man」、Pain:第33巻:87〜107ページ、1988年)。動物を2%イソフルラン/O混合物で麻酔した。右後部大腿を剪毛し、1%ヨウ素で拭いた。次いで、手順を続ける間動物を恒温性のブランケットに移し、手術中はノーズコーンを通して麻酔を維持した。皮膚を大腿骨の線に沿って外した。大腿二頭筋の鈍的切開によって大腿中央で総坐骨神経を露出させた。鉗子を神経下に挿入して、坐骨の三分岐の近位で約7mmの神経を離し、神経を穏やかに大腿から持ち上げた。鉗子を使用して縫合糸を神経下にくぐらせ、わずかな抵抗が感じられるまで一重結びで結び、次いで二重結びした。4本の結紮糸(4−0絹糸)によって約1mm間隔で神経が緩く結ばれるまで、この手順を繰り返した。切り口を重ねて閉じ、創傷を局所用の抗生物質で処理した。
ラットにおけるストレプトゾシン(STZ)糖尿病ニューロパチー
糖尿病は、0.9%の無菌食塩水に新たに溶解させたストレプトゾトシン(50mg/kg)の1回の腹腔内投与によって誘発した。ストレプトゾトシン注射によって、少なくとも7週間持続する再現性のある機械的異痛症が3週間以内に誘発される(ChenおよびPan、(Chen SRおよびPan HL、「Hypersensitivity of Spinothalamic Tract Neurons Associated With Diabetic Neuropathic Pain in Rats」、J Neurophysiol第87巻:2726〜2733ページ、2002年)。
静的および動的な異痛症の評価
静的異痛症
異痛症評価の前に、動物を底面が針金の試験ケージに慣らした。静的異痛症は、von Frey毛(Stoelting、米イリノイ州Wood Dale)を弱い力から順に(0.6、1、1.4、2、4、6、8、10、15、および26グラム)後足の足底面に適用して評価した。各von Frey毛を、最大で6秒間、または引っ込め応答が生じるまで足に適用した。一度von Frey毛に対する引っ込め応答が確立したならば、引っ込め動作を生じたものより細いフィラメントから始めて、その後残りのフィラメントで強い力から順に、引っ込め動作が生じなくなるまで足を試験し直した。最高の力である26gは、応答を誘発するだけでなく足を持ち上げたので、カットオフポイントとした。各動物の両方の後足をこのようにして試験した。
応答を誘発するのに必要な最低の力の量を、足引っ込め動作閾値(PWT)としてグラムで記録した。静的異痛症は、動物が、無処置ラットでは非侵害性である4g以下の刺激に応答した場合に存在すると規定した(Field MJ、Bramwell S、Hughes J、Singh L、「Detection of static and dynamic components of mechanical allodynia in rat models of neuropathic pain:are they signalled by distinct primary sensory neurones?」、Pain、1999年、第83巻:303〜11ページ)。
動的異痛症
動的異痛症は、後足の足底面を綿棒で軽くなでることによって評価した。一般の運動活性が記録されるのを避けるため、活発でない完全に慣らされたラットでこの手順を踏むように注意した。各時点で少なくとも2回の測定を行い、その平均値を足引っ込め動作待ち時間(PWL)とした。15秒以内に反応が示されなければ、手順を終了し、動物をその引っ込め動作時間に割り振った。疼痛引っ込め応答はしばしば、繰り返される尻込み動作または足舐め動作を伴った。動的異痛症は、動物がなで始めてから8秒以内に綿棒の刺激に応答したならば存在するとみなした(Fieldら、1999年)。
侵害受容性疼痛
侵害受容性疼痛の処置における化合物の活性は、以下の試験プロトコルに従って測定することができる。
熱板
実験手順:雄のSprague Dawleyラットを、55±5℃に保たれた熱板(Ugo Basile、伊)上に置く。動物を熱板上に配置した時点と、前足もしくは後足を舐める動作、身震い、または表面から飛び上がる動作のいずれかが出現した時点の間の時間を測定する。基線の測定を行い、薬物投与後に動物を再評価することになる。熱板待ち時間のカットオフ時間は、組織損傷を防ぐために20秒に設定する。
卵巣子宮摘出術(OVX)
実験手順:雌のSprague Dawleyラットを麻酔チャンバー中に入れ、2%イソフルラン/O混合物で麻酔する。手術中は、ノーズコーンから麻酔を維持する。白線での正中切開(長さ2cm)によってOVXを実施するが、その間動物は電気毛布(heat blanket)上に置く。卵巣間膜および子宮頸部を、単クランプ技法を使用して5〜0絹糸で結紮する。次いで卵巣および子宮を取り出す。4針の単純断続縫合を使用して腹壁を閉じ、4個の創傷クリップを使用して皮膚を閉じる。手術後直ちに、動物を個々の樹脂ガラスチャンバーに入れる。動物が麻酔から回復したならば、30分に2回、様々な時点で腹部の体勢を記録する。得点をつける姿勢は、円背の***、後肢の内向きの運動に関連する腹筋の収縮、身体の伸び、および床への下腹部の押し付けである。これらの挙動のそれぞれを、1つの姿勢として得点にする。
ブレンナン(Brennan)
実験手順:雄のSprague Dawleyラットを麻酔チャンバーに入れ、2%イソフルラン/O混合物で麻酔する。手術中は、ノーズコーンから麻酔を維持する。右後足の足底面を50%エタノールで清掃する。足の足底面の皮膚および筋膜に、11号の刃で、踵の縁の0.5cm内側から出発してつま先へと伸びる長さ1cmの縦方向の切開を行う。鉗子を使用して足底の筋肉を持ち上げ、縦方向に切開し、筋肉の起始点および着点は無傷のままとする。弱い圧をかけて止血した後、より合わされた絹糸による2針の単純縫合によって皮膚を閉じる。
一ヨード酢酸塩(MIA)によって誘発されるOAモデル
雄の6週齢Sprague−Dawleyラット(SD、日本エスエルシーまたは日本チャールス・リバー)をペントバルビタールで麻酔する。注射部位を剪毛し、70%エタノールで清掃する。29G針を使用して、右膝関節に25μlのMIA溶液または食塩水を注射する。MIAを注射してから7、14、19、および20日後、ラットを訓練して、ストレスなしで体重負荷(WB)を測定する。MIAを注射してから21日後、各後足2本にかかるWBを測定し、10.2のようにWBの減少を算出する。WB減少値を「プレ値」と定義する。プレ値およびプレプレ値を考慮して実験群を均等に準備する。試験化合物または媒体を投与した後、各後足2本のWBを測定した。
癌性疼痛モデル
これらの実験では、雄の成体C3H/HeNマウス(日本エスエルシー、静岡県)を使用した。マウスは、National Institutes of Healthの指針に従い、12時間ずつの交互の明暗サイクルで、22℃に保った飼育器に収容し、食物および水を自由に与えた。使用した肉腫注射プロトコルは、記載されているものである。イソフルラン(2%)を吸入させて全身麻酔を誘導した後、Moraハサミを使用して、膝蓋の上に重なる皮膚に表面切開を行った。次いで、膝蓋間膜を切開し、遠位大腿の関節丘を露出させた。顆間切痕のレベルで髄管に30ゲージ針を挿入して、最初のコア経路を作る。最初のコアを作った後、29ゲージ針を使用して、骨への最終経路を作る。次いで、歯科用の樹脂充填物の機械的な保持として役立つように、歯科用の高速エアーハンドピースに半円形のバードリルを使用して、0.5mmのくぼみを作った。次いで、20μlのα−最小必須培地(Sigma;偽注射)または1×10個の2472骨融解性肉腫細胞を含む20μlの培地(American Type Culture Collection、米メリーランド州ロックヴィル、肉腫注射)を、29ゲージ針および25ccシリンジを使用して注射した。骨の外への細胞の漏れを防ぐために、注射部位を歯科用の樹脂で閉じた後、濾過水で存分に洗浄した。自動創傷クリップ(Becton Dickinson、米カリフォルニアサンホゼ)を使用して創傷を閉じた。創傷クリップは、行動試験の障害とならないように5日日に取り外した。
静的および動的な異痛症の評価
静的異痛症
神経因性疼痛について上述した手順。
動的異痛症
神経因性疼痛について上述した手順。
放射熱足引っ込め動作
実験手順:Hargreavesら、1988年の変法に従うラット足底試験(Ugo Basile、伊)を使用して、熱による足引っ込め動作を評価する。ラットを、高架式のガラステーブル上の個々の3つのパースペックスボックスからなる装置に慣らす。可動式の放射熱源をテーブルの下に配置し、後足に焦点を合わせ、足引っ込め動作待ち時間(PWL)を記録する。組織損傷を防ぐために、自動カットオフポイントを22.5とする。PWLは、各動物の両方の後足について2〜3回計り、その平均値が左右後足のベースラインとなる。約10秒のPWLが得られるように装置を較正する。
体重負荷
実験手順:「インキャパスタンス テスター」(Linton Instruments、英ノーフォーク州Diss)を使用して、重量負荷試験における動物の過敏性を調べる。ラットを、その前肢をパースペックスの坂の上に載せて配置し、後足それぞれの下にある力変換器によって後肢重量分布を測定した。各動物を装置に入れ、後足によってかけられる重量負荷を書き留める。反対側の足(正常)から同側の(傷害のある)足を差し引いて体重負荷の差異を算出し、これを未加工のデータとする。
炎症性疼痛
炎症性疼痛治療における化合物の活性は、以下の試験プロトコルに従って測定することができる。
CFAによって誘発されるラットの体重負荷減少
雄の7週齢SDラットを終夜絶食させた。CFA(100μLの流動パラフィン(和光)中の300μgの結核菌H37RA(Difco Laboratories))をラットの右後部足蹠に注射する。CFAを投与してから2日後、Linton Incapacitanceテスター(Linton Instrumentation、UK)を使用して、左(同側)肢と右(反対側)肢の後足重量分配の変化を疼痛の指標として測定する。0.1%MC(和光)に懸濁させた試験化合物を、体重100gあたり1mLの体積で経口投与する。各動物を装置に入れ、後足によってかけられる重量負荷を、薬物投与前、薬物投与から1、2、および4時間後に測定する。
カラゲニンによって誘発されるラットの機械的痛覚過敏
雄の4週齢SDラットを終夜絶食させた。λカラゲニン(食塩水中1%w/v溶液0.1ml、逗子化学)の足底内注射によって、痛覚過敏を誘発する。カラゲニン注射から5.5時間後に、試験化合物(0.1%メチルセルロース1ml/体重100g)を経口的に与える。カラゲニン注射から3.5、4.5、6.5、および7.5時間後に、足引っ込め動作閾値(グラム)を無痛覚計(Ugo Basile)によって測定する。(Randall L.O.およびSelitto I.J.、Arch.Int.Pharmacodyn.第111巻、409〜419ページ、1957年)
カラゲナンによって誘発されるラットの熱痛覚過敏(CITH)
Hargreavesら(1988)による変法に従い、ラット足底試験(Ugo Basile、伊Comerio)を使用して熱痛覚過敏を評価した。簡潔に述べると、ラットを、ガラステーブル上の個々の3つのパースペックスボックスからなる装置に慣らした。可動式の放射熱源をテーブルの下に配置し、所望の足に焦点を合わせた。足引っ込め動作待ち時間(PWL)を各動物の両方の後足について3回記録し、その平均値を左右後足のベースラインとした。無処置のラットで約10秒のPWLが得られるように装置を較正した。足底帯域の組織損傷を防ぐために、22.5秒のカットオフを遵守した。λカラゲナンを右後足の足底内に注射し(100μl、20mg/ml)、投与から2時間後にPWTのベースラインの記録を取った。
内臓痛
内臓痛治療における化合物の活性は、以下の試験プロトコルに従って測定することができる。
化合物が内臓障害の治療に有効であるかどうかを判定するためは、いくつかのモデルが利用可能である。これらのモデルには、LPSモデル(Eutamene Hら、J Pharmacol Exp Ther 2000年、第295巻(1):162〜7ページ)、TNBSモデル(Diop L.ら、Gastroenterology 1999年、第116巻第4号(2):A986ページ)、IBDモデル(Clemett D、Markham A、Drugs 2000年4月、第59巻(4):929〜56ページ)、膵臓疼痛モデル(Isla AM、Hosp Med 2000年6月、第61巻(6):386〜9ページ)、および内臓非消化器系疼痛モデル(Boucher Mら、J Urol 2000年7月、第164巻(1):203〜8ページ)が含まれる。
TNBSによって誘発されるラットの慢性内臓異痛症
覚醒ラットにおけるこの結腸膨満実験モデルでは、近位大腸に予めトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を注射すると、内臓痛閾値が低下した。
材料および方法:雄のSprague−Dawleyラットを使用する。調節された環境中で(20±1℃、湿度50±5%、8:00am〜8:00pm点灯)、1ケージあたり3匹の動物を収容する。0日目に、麻酔下で(ケタミン80mg/kg腹腔内、アセプロマジン12mg/kg腹腔内)、対照ラットに対してTNBS(50mg/kg、エタノール中30%)または食塩水(1.5ml/kg)の注射を近位大腸壁(盲腸から1cm)に行った。手術後、動物を個々にポリプロピレン製ケージに収容し、7日間調節された環境(20±1℃、湿度50±5%、8:00am.〜8:00p.m.点灯)中に置いておく。TNBSの投与後7日目に、肛門から風船(長さ5〜6cm)を挿入し、カテーテルを尾の付け根にテープで留めて(風船の先端部が肛門から5cmにくる)位置に保つ。試験化合物を経口投与してから1時間後に、結腸膨満サイクルを適用する、すなわち、風船を、0mmHgから75mmHgまで、各膨張ステップが30秒間続く5mmHg(0.667kPa)ずつのステップで段々に膨らませる。各結腸膨満サイクルは、標準の圧調節器によって制御する。閾値(mmHg)を、最初に腹部の収縮を生じた圧力に相当するものとし、そこで膨満サイクルを中止する。同じ動物で4サイクルの膨満化を行った後、結腸の閾値を決定する。
LPSによって誘発されるラットの直腸過敏性
細菌性リポ多糖(LPS)の腹腔内投与は、覚醒ラットにおいて直腸の痛覚過敏を誘発することがわかっている。
材料および方法:動物を筋電図検査に備えて外科的に処置する。すなわち、ラットをアセプロマジン(0.6mg/kg)およびケタミン(120mg/kg)の腹腔内投与によって麻酔する。3本ずつの3群の電極を外腹斜筋系、すなわち鼠径靭帯のすぐ上に移植する。電極を頸部の後部で露出させ、皮膚に取り付けられたガラス管によって保護する。動物を個々にポリプロピレン製ケージに収容し、温度制御された部屋(21℃)に入れておいた。食物(UARペレット、仏Epinay)および水は自由に与えた。
筋電図記録は、手術から5日後に始める。腹部横紋筋の電気活性を、脳波計機器(Mini VIII Alvar、仏パリ)を用い、低周波シグナル(<3Hz)を除去するために短い時定数(0.03秒)を使用し、3.6cm/分の紙速度を使用して記録する。スパイクバーストを腹部収縮の指標として記録する。
膨満化手順:ラットをプラスチック製のトンネル(直径6cm×長さ25cm)に入れるが、そこでは、風船の破損を防ぐために、動物が移動し、逃げ、または向きを変えることはできない。実験の間のストレス反応を最小限に抑えるため、直腸を膨満させる前に動物を4日間この手順に慣れさせる。膨満化に使用する風船は、動脈塞栓摘出術用カテーテル(Fogarty、Edwards Laboratories Inc.)である。直腸の膨満化は、風船(直径2mm×長さ2cm)を直腸の肛門から1cmのところに挿入し、尾の付け根でカテーテルを固定して実施する。風船は、0mlから1.2mlまで、各膨張ステップが5分間続く0.4mlずつのステップによって、微温水で段々に膨らませる。起こり得る漏れを検出するために、風船中に導入された水の体積を、膨満化期間の終わりにシリンジで完全に除去することにより確認する。
本発明の組合せでの使用に適する補助活性薬剤には、以下のものが含まれる。
1)天然または合成のプロスタグランジンまたはそのエステル。本明細書での使用に適するプロスタグランジンには、アルプロスタジル、プロスタグランジンE、プロスタグランジンE、13,14−ジヒドロプロスタグランジンE、プロスタグランジンE、エプロスチノール(eprostinol);すべて参照により本明細書に援用されるWO00033825および/または2000年3月14日発行のUS6037346に記載のものを含む天然、合成、および半合成のプロスタグランジンおよびその誘導体;PGE、PGE、PGA、PGB、PGFα、19−ヒドロキシPGA、19−ヒドロキシ−PGB、PGE、PGB、19−ヒドロキシ−PGA、19−ヒドロキシ−PGB、PGEα、カルボプロスト トロメタミン、ジノプロスト、トロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト(lipoprost)、ゲメプロスト、メテノプロスト(metenoprost)、スルプロスタン(sulprostune)、チアプロスト、モキシシラート(moxisylate)などの化合物が含まれる。
2)αアドレナリン受容体またはα受容体またはα遮断薬としても知られているαアドレナリン受容体拮抗薬化合物。本明細書での使用に適する化合物には、αアドレナリン受容体に関連するその開示が参照により本明細書に援用され、選択的αアドレナリン受容体もしくはαアドレナリン受容体遮断薬と非選択的アドレナリン受容体遮断薬がその開示に含まれる、1998年6月14日公開のPCT出願WO99/30697に記載のαアドレナリン受容体遮断薬が含まれ、適切なαアドレナリン受容体遮断薬には、フェントラミン、フェントラミンメシラート、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、ダピプラゾール、フェノキシベンザミン、イダゾキサン、エファラキサン(efaraxan)、ヨヒンビン、ラウウォルファ(rauwolfa)アルカロイド、Recordati15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL89.0591、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、およびプラゾシン;US6037346[2000年3月14日]のαブロッカー遮断薬、ジベナルニン(dibenarnine)、トラゾリン、トリマゾシン、およびジベナルニン(dibenarnine);それぞれが参照により本明細書に援用される米国特許第4188390号、4026894号、3511836号、4315007号、3527761号、3997666号、2503059号、4703063号、3381009号、4252721号、および2599000号に記載のαアドレナリン受容体が含まれ、αアドレナリン受容体遮断薬には、場合によりピルキサミン(pirxamine)などの強心剤存在下でのクロニジン、パパベリン、塩酸パパベリンが含まれる。
3)NO供与体(NO作動薬)化合物。本明細書での使用に適するNO−供与体化合物には、一、二、もしくは三硝酸塩などの有機硝酸塩、または(ニトログリセリンとしても知られている)三硝酸グリセリル、5−一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチル、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、3−モルホリノシドノミニン モルシドミン、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP) S−ニトロソ−N−グルタチオン (SNO−GLU)、N−ヒドロキシ−L−アルギニン、硝酸アミル、リンシドミン、リンシドミン塩化水和物(chlorohydrate)、(SIN−1) S−ニトロソ−N−システイン、ジオール酸ジアゼニウム(NONOates)、1,5−ペンタンジニトラート、L−アルギネン、朝鮮人参、大棗、モルシドミン、Re−2047;公開PCT出願WO0012075に記載のNMI−678−11やNMI−937などのニトロシル化モキシシラート(maxisylyte)誘導体を含む有機硝酸エステルが含まれる。
4)カリウムチャネル開口薬またはモジュレーター。本明細書での使用に適するカリウムチャネル開口薬/モジュレーターには、ニコランジル、クロモカリム(cromokalim)、レブクロマカリム、レマカリム(lemakalim)、ピナシジル、クリアゾキシド(cliazoxide)、ミノキシジル、カリブドトキシン、グリブリド、4−アミニピリジン、BaClが含まれる。
5)血管拡張薬。本明細書での使用に適する血管拡張薬には、ニモデピン(nimodepine)、ピナシジル、シクランデラート、イソクスプリン、クロロプルマジン(chloroprumazine)、Rec15/2739、トラゾドンが含まれる。
6)トロンボキサンA2作動薬、
7)CNS活性薬、
8)麦角アルカロイド。適切な麦角アルカロイドは、2000年3月14日発行の米国特許第6037346号に記載されており、アセテルガミン(acetergamine)、ブラゼルゴリン(brazergoline)、ブロメルグリド(bromerguride)、シアネルゴリン(cianergoline)、デロルゴトリル(delorgotrile)、ジスレルギン、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスレルギン(etisulergine)、レルゴトリル(lergotrile)、リセルギド(lysergide)、メスレルギン(mesulergine)、メテルゴリン、メテルゴタミン(metergotamine)、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド(propisergide)、プロテルグリド、およびテルグリドがこれに含まれる。
9)ナトリウム利尿因子の作用をモジュレートする化合物、特に(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られている)心房性ナトリウム利尿因子、中性エンドペプチダーゼ阻害剤などのB型およびC型ナトリウム利尿因子、
10)エナプリルなどの、アンジオテンシン変換酵素を阻害する化合物、ならびにオマパトリラトなどの、アンジオテンシン変換酵素と中性エンドペプチダーゼの組合せ型阻害剤、
11)ロサルタンなどのアンジオテンシン受容体拮抗薬、
12)L−アルギニンなどの、NO合成酵素の基質、
13)アムロジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬、
14)エンドセリン受容体の拮抗薬およびエンドセリン変換酵素の阻害剤、
15)スタチン(たとえばアトルバスタチン/Lipitor−商標)やフィブラートなどのコレステロール低下薬、
16)抗血小板薬および抗血栓剤、たとえば、tPA、uPA、ワルファリン、ヒルジンおよび他のトロンビン阻害剤、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子阻害剤、
17)レズリンなどのインスリン増感剤およびグリピジドなどの血糖低下薬、
18)ドネジピル(donezipil)などのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、
19)ステロイド性または非ステロイド性抗炎症剤、
20)エストロゲン受容体モジュレーターおよび/またはエストロゲン作動薬および/またはエストロゲン拮抗薬、好ましくはラロキシフェン、またはラソフォキシフェン、すなわち、その調製がWO96/21656で詳述されている(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールおよび薬学的に許容できるその塩、
21)PDE阻害剤、より詳細にはPDE2、3、4、5、7、または8阻害剤、好ましくはPDE2またはPDE5阻害剤、最も好ましくはPDE5阻害剤(以下を参照されたい)であって、好ましくはそれぞれの酵素に対するIC50が100nM未満であるもの(但し、PDE3およびPDE4阻害剤は、局所的にまたは陰茎への注射によって投与する場合のみ)、
22)血管作用性腸タンパク質(VIP)、VIP模倣物、VIP類似体、より詳細には、VIP受容体サブタイプVPAC1、VPAC、またはPACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)の1種または複数、VIP受容体作動薬またはVIP類似体(たとえばRo−125−1553)またはVIP断片の1種または複数、VIPと組み合わされたαアドレナリン受容体拮抗薬(たとえばInvicorp、Aviptadil)の1種または複数に媒介されるもの、
23)メラノタンII、PT−14、PT−141、またはWO−09964002、WO−00074679、WO−09955679、WO−00105401、WO−00058361、WO−00114879、WO−00113112、WO−09954358で特許請求されている化合物などの、(特にMC3またはMC4サブタイプの)メラノコルチン受容体作動薬もしくはモジュレーターまたはメラノコルチン賦活薬、
24)セロトニン受容体作動薬、拮抗薬、またはモジュレーター、より詳細には、WO−09902159、WO−00002550、および/またはWO−00028993に記載のものを含めて、5HT1A(VML670を含む)、5HT2A、5HT2C、5HT3、および/または5HT6受容体の作動薬、拮抗薬、またはモジュレーター、
25)(デヒドロアンドロステンジオンを含む)テストステロン補充薬、テストステロン(Tostrelle)、ジヒドロテストステロン、またはテストステロン植込錠、
26)エストロゲン、エストロゲンとメドロキシプロゲステロンもしくは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)(すなわち組合せとして)、またはエストロゲンとメチルテストステロンのホルモン補充療法薬(たとえばHRT、特にPremarin、Cenestin、Oestrofeminal、Equin、Estrace、Estrofem、Elleste Solo、Estring、Eastraderm TTS、Eastraderm Matrix、Dermestril、Premphase、Preempro、Prempak、Premique、Estratest、EstratestHS、Tibolone)、
27)ブプロピオン、GW−320659などの、ノルアドレナリン、ドーパミン、および/またはセロトニントランスポーターのモジュレーター、
28)プリン受容体作動薬および/またはモジュレーター、
29)WO−09964008に記載のものを含むニューロキニン(NK)受容体拮抗薬、
30)オピオイド受容体作動薬、拮抗薬、またはモジュレーター、好ましくはORL−1受容体の作動薬、
31)オキシトシン受容体の作動薬、拮抗薬、またはモジュレーター、好ましくは選択的なオキシトシン作動薬またはモジュレーター、
32)カンナビノイド受容体のモジュレーター、
33)SEP阻害剤(SEPi)、たとえば、IC50が100ナノモル未満、より好ましくは50ナノモル未満であるSEPi。
本発明によるSEP阻害剤は、SEPへの選択性が中性エンドペプチダーゼNEP EC3.4.24.11およびアンジオテンシン変換酵素(ACE)と比べて30倍を超えることが好ましく、50倍を超えることがより好ましい。SEPiはまた、エンドセリン変換酵素(ECE)と比べて100倍を超える選択性を有することが好ましい。
34)NPY(特にY1およびY5サブタイプ)受容体の拮抗薬またはモジュレーター、
35)エストロゲンおよび/またはアンドロゲンが結合されるのを阻害する、性ホルモン結合グロブリン拮抗薬またはモジュレーター、
36)アルギナーゼII阻害剤、
37)好ましくはV1a受容体に選択的な、バソプレッシン受容体の作動薬、拮抗薬、またはモジュレーター、
38)PDE5阻害剤。適切なPDE5阻害剤には、
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、特にクエン酸シルデナフィル;(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル);2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル);5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(TA−1790);3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド(DA8159)、ならびにこれらの薬学的に許容できる塩が含まれる。
39)2−[(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンズイミダゾール(ABT724)などの、選択的ドーパミンD4受容体作動薬、
40)ダポキセチン、パロキセチン、3−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]ベンゼンスルホンアミド(実施例28、WO0172687)、3−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−[3−メチル−4−(メチルスルファニル)フェノキシ]ベンゼンスルホンアミド(実施例12、WO0218333)、N−メチル−N−({3−[3−メチル−4−(メチルスルファニル)フェノキシ]−4−ピリジニル}メチル)アミン(実施例38、PCT出願PCT/IB02/01032号)などの、1種または複数の選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、
41)1種または複数のNEP阻害剤。前記NEPはEC3.4.24.11であることが好ましく、前記NEP阻害剤はEC3.4.24.11の選択的阻害剤であることがより好ましく、選択的なNEP阻害剤は、IC50が100nM未満であるEC3.4.24.11の選択的阻害剤(たとえば、オムパトリラト(ompatrilat)、サムパトリラト(sampatrilat))であることがより好ましく、適切なNEP阻害剤化合物は、EP−A−1097719に記載されており、NEPおよびACEに対するIC50値は、公開特許出願EP1097719−A1、段落[0368]〜[0376]に記載の方法を使用して決定することができる。
42)メラノコルチン受容体作動薬(たとえばメラノタンIIおよびPT141)ならびに選択的MC3およびMC4作動薬(たとえばTHIQ)、
43)モノアミン輸送阻害剤、特にノルアドレナリン再取込み阻害剤(NRI)(たとえばレボキセチン)。
発明に従って使用することのできる特許および特許出願に含まれる化合物を本明細書で相互参照させることにより、請求項(特に請求項1)および具体例に記載の治療活性のある化合物に言及しているものとする(それらすべてが参照により本明細書に援用される)。
活性薬剤の組合せを投与する場合、それらを同時に、別々に、または逐次投与することができる。
式(I)の化合物は、単独で投与することができるが、一般に意図した投与経路および標準の製薬の慣行に照らして選択された適切な医薬用の賦形剤、希釈剤、または担体との混合物にして投与される。
したがって、本発明は、式(I)の化合物と薬学的に許容できる希釈剤または担体とを含む医薬組成物を提供する。
たとえば、式(I)の化合物を、着香剤または着色剤を含むこともある、錠剤;多粒子もしくはナノ粒子、液体、または粉末を含有する軟または硬カプセル剤;(液体充填型を含む)トローチ剤;咀嚼剤;ゲル;急速分散型剤形;フィルム;膣坐剤;スプレー;ならびに頬側/粘膜付着性パッチの形で、経口的に、頬側に、または舌下に投与すると、即時放出、遅延放出、変更型放出、持続放出、パルス放出、または制御放出を適用することができる。
そのような錠剤は、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ある種の複合ケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、アカシアなどの造粒結合剤を含有する場合もある。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、タルクなどの滑沢剤が含まれる場合もある。
同様のタイプの固体組成物をゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用することもできる。これに関して好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、または高分子量のポリエチレングリコールが含まれる。水性の懸濁液および/またはエリキシルでは、式(I)の化合物、様々な甘味剤もしくは着香剤、着色物質もしくは色素、乳化剤および/もしくは懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、これらの組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。
液体製剤には、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。このような製剤は、(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)軟もしくは硬カプセル剤中の充填剤として使用することができ、通常は、担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と1種または複数の乳化剤および/もしくは懸濁化剤を含む。液体製剤は、たとえば小袋から出した固体を再形成して調製することもできる。
本発明の化合物は、LiangおよびChen(2001年)によるExpert Opinion in Therapeutic Patents、第11巻(6)、981〜986ページに記載のものなどの急速溶解型急速崩壊型の剤形にして使用することもできる。
ヒトまたは動物に使用するための摂取可能な経口フィルムは、通常、急速溶解型または粘膜付着性となり得る、可撓性の水溶性または水膨張性薄膜剤形であり、通常は、式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤、ならびに溶媒を含む。製剤の一部の構成要素が、複数の機能を果たす場合もある。
式(I)の化合物は、水溶性または不溶性である場合がある。水溶性の化合物は通常、溶質を1重量%〜80重量%、より典型的な例では20重量%〜50重量%含む。それほど可溶性でない化合物は、組成物をより高い割合で、通常は溶質を88重量%まで含んでよい。あるいは、式(I)の化合物は、多粒子ビーズの形でもよい。
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、または合成の親水コロイドから選択されるものでよく、通常は0.01〜99重量%の範囲、より典型的な例では30〜80重量%の範囲で存在する。
他の考えられる成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、(油を含む)共溶媒、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、ならびに矯味剤が含まれる。
本発明によるフィルムは通常、可剥性の裏当て付きの支持体または紙上にコーティングされた薄い水溶性フィルムを蒸発乾燥して調製する。これは、乾燥オーブンもしくは乾燥トンネル、通常は複合塗工乾燥機で、または凍結乾燥または真空乾燥によって行うことができる。
式(I)の化合物は、非経口的に、たとえば静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、脳内、筋肉内、または皮下に投与することもでき、あるいは注入技術によって投与することができる。そのような非経口投与では、化合物は無菌水溶液の形で最もよく使用され、無菌水溶液は、他の物質、たとえば溶液を血液と等張性にするのに十分な塩類またはグルコースを含む場合もある。水溶液は、必要ならば、適切に(好ましくはpH3〜9に)緩衝剤処理すべきである。無菌条件下での適切な非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術によって容易に実現される。
式(I)の化合物は、通常は、(単独、たとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばリン脂質との混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、あるいはエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しまたは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、またはネブライザーから、あるいは点鼻液として、鼻腔内投与または吸入投与することもできる。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含む場合もある。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または活性物を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の薬品、溶媒としての噴射剤、ならびにトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などのオプションの界面活性剤を含む、活性化合物の溶液または懸濁液を含む。
乾燥粉末または懸濁液製剤中に使用する前に、薬物生成物を、吸入による送達に適するサイズ(通常は5ミクロン未満)に超微粉砕する。これは、スパイラルジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、または噴霧乾燥などの、任意の適切な微粉砕法によって実現することができる。
吸入器または注入器に入れて使用するためのカプセル剤(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製のもの)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物の粉末混合物、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤を含むように製剤することができる。ラクトースは、無水物でも、または一水和物の形でもよいが、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーでの使用に適する溶液製剤は、本発明の化合物を1作動あたり1μg〜20mg含有するものでよく、作動体積は1μl〜100μlと様々でよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することのできる別の溶媒には、グリセリンおよびポリエチレングリコールが含まれる。
メントールやl−メントールなどの適切な着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの適切な甘味剤を、吸入投与/鼻腔内投与を目的とする本発明の製剤に加えることもできる。
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で、直腸または膣に投与することができる。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、様々な代替材料を適宜使用してよい。
直腸/経膣投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物は、眼の経路によって投与してもよい。眼への使用では、化合物は、pH調整された等張性無菌食塩水中の微粒子化された懸濁液として、または好ましくはpH調整された等張性無菌食塩水中の溶液として、場合により塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と組み合わせて製剤することができる。あるいは、本発明の化合物は、ワセリンなどの軟膏にして製剤することができる。
皮膚への局所的な適用では、式(I)の化合物は、たとえば、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、および水のうちの1種または複数との混合物中に懸濁または溶解させた活性化合物を含有する適切な軟膏として製剤することができる。あるいは、たとえば、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水のうちの1種または複数の混合物に懸濁または溶解させた適切なローションまたはクリームとして製剤することができる。
式(I)の化合物は、シクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接複合体および非包接複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体を生成することで、薬物分子の溶解性、溶解速度、生体利用度、および/または安定性の特性を変更することができる。薬物−シクロデキストリン複合体は、一般に、ほとんどの剤形および投与経路に有用である。薬物との直接の複合体形成に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤、たとえば担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することもできる。α、β、およびγシクロデキストリンが最も一般的に使用され、適切な例は、WO−A−91/11172、WO−A−94/02518、およびWO−A−98/55148に記載されている。
たとえば、ある特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明による化合物を含む2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形にして好都合に組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明による式Iの化合物を含む2種以上の別々の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、または分割されたホイル製袋などの、前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセルなどの包装に使用される見慣れたブリスターパックである。
本発明のキットは、たとえば経口と非経口の異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物を互いに対して滴定するのに特に適している。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供される場合もある。
本発明を以下の非限定的な実施例によって例示するが、そこでは以下の略語および定義を用いる。
αD 587nmでの旋光度
AcO 無水酢酸
APCI 大気圧化学イオン化
Arbacel(登録商標) 濾過薬
br ブロード
Boc t−ブトキシカルボニル
Bu ブチル
CDCl クロロホルム−d1
CDOD メタノール−d4
δ 化学シフト
d 二重線
dd 二重の二重線
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
eq (モル)当量
ESI エレクトロスプレーイオン化
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HCl 塩化水素
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HR M/S 高分解能質量スペクトル
IPA イソプロピルアルコール
KOAc 酢酸カリウム
m 多重線
Me メチル
MeCN アセトニトリル
M/S 質量スペクトル
min 分
NMR 核磁気共鳴
q 四重線
r.t. 室温
s 一重線
sat 飽和
t 三重線
td 二重線の三重線
Tf トリフルオロメタンスルホニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS トリイソプロピルシリル
TLC 薄層クロマトグラフィー
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提唱されている構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークを表す通常の略語、すなわち、たとえばs:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:ブロードを使用して、テトラメチルシランから低磁場方向へのppmで示す。一般的な溶媒については以下の略語を使用した。すなわち、CDCl:重クロロホルム、DMSO:ジメチルスルホキシド。psiという略語は、1平方インチあたりのポンド数を意味し、LRMSは、低分解能質量スペクトロメトリを意味する。薄層クロマトグラフィー(TLC)が用いられている場合には、それはシリカゲル60F254プレートを使用するシリカゲルTLCを指し、Rは、TLCプレート上で化合物が進んだ長さを溶媒の先頭が進んだ長さで割ったものである。
(実施例1)
3−アゼチジン−3−イルフェノール塩酸塩
Figure 2008543828
調製例5の生成物(88mg、0.35mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かした氷***液に、塩化水素ガスを15分間バブルした。次いで混合物を室温に温め、18時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物を白色固体として収率82%で54.1mg得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ:4.20(m,3H)、4.35(m,2H)、6.75(m,2H)、6.85(d,1H)、7.20(t,1H)。MS APCI m/z 150[MH] 微量分析:C11NOの計算値(%):C 56.42;H 6.66;N 7.31;実測値(%)C 56.21;H 6.38,N 7.30
(実施例2)
3−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノールトリフルオロ酢酸塩
Figure 2008543828
表題化合物は、調製例8の生成物から、調製例5と同様の方法を使用して調製した。粗製の化合物を、100:0〜95:5のジクロロメタン:メタノールを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を淡黄色の油状物として収率80%で得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.00(t,3H)、1.65(m,2H)、3.05(t,2H)、3.35(bm,2H)、4.00(m,3H)、6.60(m,2H)、6.80(d,1H)、7.15(t,1H)。MS APCI m/z 192[MH] 微量分析:C1217NO.CFCOH 0.2 CHOHの計算値(%):C 54.72;H 6.08;N 4.49;実測値(%)C 54.50;H 6.25,N 4.52
(実施例3)
2−ヨード−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール
Figure 2008543828
実施例2の生成物をジクロロメタンに溶解させ、炭酸カリウム溶液で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、遊離のアミンを得た。アミンのサンプル(1.5g、7.85mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解させ、溶液を0℃に冷却した。次いで、ヨウ素(2.09g、8.25mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を1時間かけて滴下した。混合物を室温に温め、24時間攪拌を続けた。次いで、反応液を炭酸カリウム溶液(50mL)および10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(80mL)で洗浄し、有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、90:10:0〜90:10:1の酢酸エチル:メタノール:0.88アンモニアを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した後、Phenomenex LunaC18システムを使用し、50:50〜26:74の10mM酢酸アンモニウム(水性):10mM酢酸アンモニウム(メタノール性)を溶離液とするHPLCによってさらに精製して、表題化合物をゴム質として得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.98(t,3H)、1.45(m,2H)、2.55(t,2H)、3.22(dd,2H)、3.72(m,1H)、3.80(dd,2H)、6.55(d,1H)、6.82(s,1H)、7.60(d,1H)。MS APCI m/z 318[MH]
(実施例4および5)
調製例10の生成物(1.98g、10.34mmol)の氷酢酸(30mL)溶液を10℃に冷却した。臭素(558μL、10.85mmol)の氷酢酸(30mL)溶液を滴下し、混合物を室温で18時間攪拌した。10%チオ硫酸ナトリウム溶液を数滴加え、次いで混合物を真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンと炭酸水素ナトリウム溶液とに分配し、水層をジクロロメタン(2回)で抽出した。次いで、合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、淡褐色の泡沫を得た。泡沫を、100:0〜90:10のジクロロメタン:メタノールを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、最初に実施例4の生成物を得た後、実施例5の生成物を得た。
(実施例4)
2,6−ジブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール
Figure 2008543828
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:0.91(t,3H)、1.30(m,2H)、2.38(m,2H)、3.01(m,2H)、3.75(m,1H)、3.82(m,2H)、7.44(s,2H)MS APCI m/z 348/350[MH];微量分析:C1215NOBrの計算値(%):C 41.29;H 4.33;N 4.01;実測値(%)C 41.13;H 4.61,N 3.71;収量:70mg(3%)
(実施例5)
2−ブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール
Figure 2008543828
H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.95(t,3H)、1.45(m,2H)、2.55(m,2H)、3.22(m,2H)、3.70(m,1H)、3.88(m,2H)、6.90(d,1H)、7.10(d,1H)、7.39(s,1H)MS APCI m/z 272[MH];微量分析:C1216NOBr 0.4 DCMの計算値(%):C 48.99;H 5.57;N 4.61;実測値(%)C 48.94;H 5.60,N 4.59;収量:450mg(16%)
(調製例1)
3−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
Figure 2008543828
1−boc−3−(ヒドロキシ)アゼチジン(10g、57.8mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、2,6−ルチジン(13.4mL、115.61mmol)を加え、溶液を−30℃に冷却した。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(12.7mL、60.69mmol)を滴下し、混合物を−30℃で30分間攪拌した。次いで、混合物を室温に温め、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、1M塩酸(100mL)および水(100mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、表題化合物を赤色の油状物として定量的収率で得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.45(s,9H)、4.15(m,2H)、4.32(m,2H)、5.40(m,1H)
(調製例2)
3−ヨードアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
Figure 2008543828
調製例1の生成物(57.8mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)に溶かした氷***液に、ヨウ化カリウム(55.11g、332.04mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。次いで、混合物を水(30mL)で希釈し、ジエチルエーテル(2×200mL)で抽出した。有機溶液を合わせて水(2×200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、橙色の油状物を得た。油状物を、95:5のペンタン:酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物12.2gを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.43(s,9H)、4.25(m,2H)、4.45(m,1H)、4.65(m,2H)
(調製例3)
3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
Figure 2008543828
亜鉛末(1.39g、21.2mmol)を100℃の真空オーブンで18時間乾燥させ、窒素でパージし、1,2−ジブロモエタン(0.12mL、1.41mmol)の入った無水N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)で懸濁させた。反応混合物を70℃で10分間加熱し、次いで室温に冷却した。クロロトリメチルシラン(0.18mL、1.41mmol)を滴下し、攪拌を1時間続けた。次いで、調製例2の生成物(5g、17.66mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を加え、混合物を40℃で1時間加熱した後、1−(ベンジルオキシ)−3−ヨードベンゼン(5.75g、18.55mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(324mg、0.35mmol)、およびトリ(2−フリル)ホスフィン(164mg、0.71mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中混合物を加えた。反応混合物を70℃に温め、4時間攪拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテルと飽和塩化アンモニウム溶液とに分配した。水層を分離し、別のジエチルエーテルで抽出した。有機溶液を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、95:5〜90:10のペンタン:酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色の油状物として収率60%で3.6g得られた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.45(s,9H)、3.70(m,1H)、3.95(m,2H)、4.30(dd,2H)、5.05(s,2H)、6.90(brm,3H)、7.27(m,1H)、7.35(m,1H)7.40(brm,4H)。
(調製例4)
3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
Figure 2008543828
表題化合物は、調製例2の生成物と1−(ベンジルオキシ)−4−ヨードベンゼンから、調製例3に類似した方法を使用して、白色固体として収率57%で調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.45(s,9H)、3.65(m,1H)、3.90(m,2H)、4.30(m,2H)、5.05(s,2H)、6.95(d,2H)、7.22(d,2H)、7.29〜7.45(m,5H)
(調製例5)
3−(3−ヒドロキシフェニル)アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
Figure 2008543828
調製例3の生成物(100mg、0.29mmol)のエタノール(5mL)溶液に、10%Pd/C(10mg)およびギ酸アンモニウム(93mg、1.48mmol)を加え、混合物を4時間加熱還流した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、終始エタノールで洗浄しながらArbocel(登録商標)で濾過した。濾液を真空中で濃縮すると、表題化合物が透明な油状物として定量的収率で88mg得られた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.47(s,9H)、3.59(m,1H)、4.00(dd,2H)、4.35(dd,2H)、6.75(m,2H)、6.95(s,1H)、7.15(m,1H)
(調製例6)
3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]アゼチジントリフルオロ酢酸塩
Figure 2008543828
調製例3の生成物(10.63g、31.35mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶かした氷***液に、トリフルオロ酢酸(50mL、627mmol)を滴下し、混合物を0℃で45分間攪拌した。混合物を室温に温め、さらに4時間攪拌を続けた。次いで、反応混合物を真空中で濃縮して、表題化合物を固体として定量的収率で10g得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:4.20〜4.65(brm,5H)、5.05(s,2H)、6.95(m,3H)、7.30〜7.50(m,6H)MS ES m/z 240[MH]
(調製例7)
3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]アゼチジントリフルオロ酢酸塩
Figure 2008543828
表題化合物は、調製例4の生成物とトリフルオロ酢酸から、調製例6と同様の方法を使用して、白色固体として定量的収率で調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:4.10〜4.30(brm,3H)、4.35〜4.40(brm,2H)、5.00(s,2H)、7.00(d,2H)、7.25(m,2H)、7.30〜7.40(brm,5H)MS APCI m/z 240[MH]
(調製例8)
3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−プロピルアゼチジントリフルオロ酢酸塩
Figure 2008543828
調製例6の生成物(7.94g、31.34mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、プロピオンアルデヒド(3.4mL、47.01mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.96g、47.01mmol)を少量ずつ加えた。混合物を18時間攪拌する間、温度が25℃になった。反応を水(5mL)で失活させ、ジクロロメタンと炭酸カリウム溶液とに分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、褐色の油状物を得た。この油状物を、100:0〜96:4のジクロロメタン:メタノールを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色の油状物として収率96%で8.43g得られた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.00(t,3H)、1.65(m,2H)、3.00(m,2H)、3.80(brm,2H)、4.22(m,1H)、4.50(brm,2H)、5.05(s,2H)、6.80〜6.95(brm,3H)、7.25〜7.45(m,6H)MS ES m/z 282[MH]
(調製例9)
3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−プロピルアゼチジン
Figure 2008543828
表題化合物は、調製例7の生成物とプロピオンアルデヒドから、調製例8に類似した方法を使用して、黄色の油状物として収率66%で調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.90(t,3H)、1.40(m,2H)、2.45(t,2H)、3.05(m,2H)3.65〜3.80(brm,3H)、5.05(s,2H)、6.95(d,2H)、7.20(d,2H)、7.30〜7.45(brm,5H)MS APCI m/z 282[MH]
(調製例10)
4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール
Figure 2008543828
表題化合物は、調製例9の生成物から、調製例5に類似した方法を使用して調製した。粗製の化合物をジエチルエーテルで摩砕して、所望の生成物をクリーム色の固体(cream solid)として収率95%で得た。
H NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.95(t,3H)、1.42(m,2H)、2.51(t,2H)、3.09(m,2H)、3.75(m,1H)、3.82(m,2H)、6.78(d,2H)、7.11(d,2H)MS APCI m/z 192[MH] 微量分析:C1217NO 0.1HOの計算値(%):C 74.65;H 8.98;N 7.25;実測値(%)C 74.58;H 9.02,N 7.02

Claims (15)

  1. 次式(I)の化合物
    Figure 2008543828
    [式中、
    は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され、
    は、H、ハロ、およびC(O)NHから選択され、
    は、H、C(O)OH、C(O)NH、C(O)O(C〜C)アルキル、OH、およびハロから選択され、
    は、NH、O(C〜C)アルキル、OCHPh、C(O)OH、C(O)NH、C(O)(C〜C)アルキル、C(O)O(C〜C)アルキル、OH、ハロ、および(C〜C)アルキルから選択され、前記アルキルは、OHで置換されていてもよく、
    は、H、CN、およびC(O)NHから選択され、
    但し、RがNHであり、R、R、およびRがすべてHであるとき、RはOHまたはClになり得ず、RがClであり、RがHまたはCHであり、RおよびRがHであるとき、RはClになり得ない。]
    ならびに薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、多形体、およびプロドラッグ。
  2. がHおよびプロピルから選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. がHおよびハロから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. がH、I、およびOHから選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. がOHおよびBrから選択される、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. がHである、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
  7. およびRの少なくとも一方がOHである、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
  8. 3−アゼチジン−3−イルフェノール塩酸塩、
    3−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノールトリフルオロ酢酸塩、
    2−ヨード−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール、
    2,6−ジブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール、
    2−ブロモ−4−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)フェノール、
    ならびにこれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物、多形体、およびプロドラッグ
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  9. 医薬として使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  10. 性機能不全を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、請求項1から8のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
  11. 性機能不全が男性***不全である、請求項10に記載の使用。
  12. 性機能不全が女性性機能不全である、請求項10に記載の使用。
  13. 女性性機能不全が、性的欲求低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害、または***疼痛障害から選択される、請求項12に記載の使用。
  14. 疼痛を治療または予防するための医薬の調製における、但書なしの、請求項1から8のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
  15. 請求項1から8のいずれかに記載の式(I)の化合物と、薬学的に許容できる希釈剤または担体とを含む医薬組成物。
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