JP2010515769A - 疼痛を治療するためのモルホリンドーパミン作動薬 - Google Patents

疼痛を治療するためのモルホリンドーパミン作動薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物(式中、A、B、Z、RおよびRは、明細書に示されている意味を有する)の、哺乳動物においていくつかの疼痛状態、特に慢性または侵害受容性の疼痛を治療するための医薬品としての使用に関する。
【化1】

Description

本発明は、ドーパミン作動薬の1クラス、より詳細には、D2よりもD3に対して選択的である作動薬の1クラスに関する。これらの化合物は、疼痛、特に、慢性および/または侵害受容性疼痛の治療および/または予防に有用である。
慢性疼痛は、先進国において5人中約1人の成人に影響を及ぼしている共通の問題である。成人の30%〜40%において、疼痛は、筋骨格および関節が起源であり、別の30%は、頸部および背部の問題に起因している。1%〜2%において、疼痛は、癌に起因している(Bond他、「Why pain control matters in a world full of killer diseases」(Carr DB編、Pain Clinical Updates、International Association for the Study of Pain(Information supplier)Online www.iasp−pain.org。September 2004、Vol.12 No.4中)。慢性疼痛は、患者の生活の質に対する実質的な影響を有し、身体的および社会的能力障害ならびに心理的苦悩を伴う(McWilliams他、「Mood and anxiety disorders associated with chronic pain」、Pain、2003、Vol.106、No.1〜2、pp.127〜133)。オピオイドおよびNSAIDSを包含する様々な鎮痛薬が利用可能であるが、多くの患者は、不十分な疼痛軽減または耐え難い副作用のために、これらの治療法に対して不応性のままである。したがって、これらの治療法が、より有効であるか、またはより耐容性が良いであろうという望みを抱いて、追加の治療法を開発する必要性が残っている。
、D、およびDからなるドーパミン受容体のうちのDファミリーは、疼痛経路の調節に関与していると考えられている。非選択的Dファミリー作動薬の投与が、侵害受容を誘発することがあるという証拠がある(M.J.Milan、「Descending control of pain」、Prog.Neurobiol.、2002、Vol.66、pp.355〜474)。他の文献は、側坐核におけるドーパミン放出が、この鎮痛効果において重要な役割を果たしていることを示唆しており(Altier他、「The role of dopamine in the nucleus accumbens in analgesia」、Life Sci、1999、Vol.65、pp.2269〜2287)、最高濃度のD受容体が見いだされるのは側坐核内である。
本発明は、式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することにより慢性疼痛または侵害受容性疼痛を治療する方法を提供し、
Figure 2010515769
式中、
Aは、C−XおよびNから選択され、
Bは、C−YおよびNから選択され、
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され、
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され、
Xは、H、HO、C(O)NH、NHから選択され、
Yは、H、HO、NH、Br、ClおよびFから選択され、
Zは、H、HO、F、CONHおよびCNから選択される。
薬学的に許容できる式(I)の化合物の塩は、それらの酸付加塩および塩基塩を包含する。
薬学的に許容できる式(I)の化合物の塩は、必要に応じて、式(I)の化合物の溶液と望ましい酸または塩基を混ぜ合わせることにより容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過により集めるか、または溶媒の蒸発により回収することができる。
適当な酸付加塩は、無毒性塩を形成する酸から形成され、例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩である。
適当な塩基塩は、無毒性塩を形成する塩基から形成され、例は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛およびジエタノールアミン塩である。
適当な塩の総説については、Berge他、J.Pharm.Sci.、66、1〜19、1977を参照されたい。
薬学的に許容できる式(I)の化合物の溶媒和物は、それらの水和物を包含する。
それらの多形体も、式(I)の化合物の本発明の範囲内に包含される。
式(I)の化合物は、1個または複数の不斉炭素原子を含有し、したがって、2種以上の立体異性形態で存在する。
ジアステレオ異性体の分離は、従来技法により、例えば、式(I)の化合物または適当なその塩もしくは誘導体の立体異性混合物の分別結晶、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.により行うことができる。式(I)の化合物の個々のエナンチオマーも、場合に応じて、対応する光学的に純粋な中間体から、または適当なキラル支持体を用いる対応するラセミ体のH.P.L.C.などによる分割により、または対応するラセミ体を適当な光学活性な酸または塩基と反応させることにより形成されるジアステレオ異性塩の分別結晶により調製することができる。
本発明の好ましい化合物は、式(Ia)および(Ib)の化合物である。
式(Ia)の化合物が特に好ましい。
Aは、C−XまたはNであり、Bは、C−Yであることが好ましい。
Aは、Nであり、Bは、C−Yであることがより好ましい。
Aは、C−Xであり、Bは、C−Yであることがより好ましい。
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択されることが好ましい。
は、H、メチルおよびエチルであることがより好ましい。
さらに、Rは、Hまたはメチルであることがより好ましい。
は、Hであることが最も好ましい。
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択されることが好ましい。
は、H、メチルおよびエチルから選択されることがより好ましい。
は、Hおよびメチルから選択されることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Rは、Hである。
他の特に好ましい実施形態において、Rは、メチルである。
Xは、H、OHおよびNHから選択されることが好ましい。
Xは、HおよびOHから選択されることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Xは、Hである。
他の特に好ましい実施形態において、Xは、OHである。
Yは、H、NH、ClおよびFから選択されることが好ましい。
Yは、HおよびNHから選択されることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Yは、Hである。
他の特に好ましい実施形態において、Yは、NHである。
Zは、H、HOおよびFから選択されることが好ましい。
Zは、HまたはHOから選択されることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Zは、Hである。
他の特に好ましい実施形態において、Zは、HOである。
本明細書に例示されている本発明の化合物(およびそれらの塩)が特に好ましく、
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例7A)
S−(+)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例7B)
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール塩酸塩(実施例8)
R−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(実施例15A)
S−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(実施例15B)
R−(+)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例23A)
S−(−)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例23B)
2−ブロモ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例30)
2−ヒドロキシ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンズアミド(実施例35)
2−ニトロ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例36)
2−アミノ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例37)
5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ピリジン−2−イルアミン(実施例44Aおよび44B)
2−クロロ−5−(4−プロピル−モルホリン−2−イル)フェノール(実施例54)
3−[(5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]フェノール(実施例60)
5−[(2S,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン(実施例66)
5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン(実施例67)
がより好ましい。
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例7A)
S−(+)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例7B)
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール塩酸塩(実施例8)
R−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(実施例15A)
S−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(実施例15B)
R−(+)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例23A)
S−(−)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール(実施例23B)
5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ピリジン−2−イルアミン(実施例44Aおよび44B)
2−クロロ−5−(4−プロピル−モルホリン−2−イル)フェノール(実施例54)
5−[(2S,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン(実施例66)
5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン(実施例67)
が最も好ましい。
好ましい実施形態において、本発明は、
哺乳動物において慢性または侵害受容性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において慢性疼痛(好ましくは、慢性侵害受容性疼痛)を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において慢性疼痛(好ましくは、慢性侵害受容性疼痛)を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において侵害受容性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において侵害受容性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において変形性関節症に伴う疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において変形性関節症に伴う疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において術後疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において術後疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において神経障害性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において神経障害性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において内臓痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において内臓痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において炎症性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、その最も広い態様か好ましい態様のどちらかにおいて上記で定義されている式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法、
哺乳動物において炎症性疼痛を治療する方法であって、前記哺乳動物に、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを有効量投与することを含む方法を含む。
本発明の化合物は、知られているように、様々な方法で調製することができる。以下の経路は、式(I)の化合物を合成する方法を図示しており、当業者は、式(Ia)および(Ib)の化合物を適切な分割技法で単離することができることを理解しているであろう。
Aが、C−Xであり、Bが、C−Yであり、Rが、Hまたは(C〜C)アルキルであり、Rが、Hであり、X、YおよびZが、本明細書に記載されている通りである一般式(I)の化合物は、反応スキーム1に従って調製することができる。
Figure 2010515769
Figure 2010515769
式(III)の化合物は、式IIのアルデヒドを、i)シアン化物源またはニトロメタンと反応させ、続いて、ii)ボラン、水素化リチウムアルミニウムまたは水素化で還元することにより調製することができる。式IIおよびIIIの一部の化合物は、市販されてもいる。
式(IV)の化合物は、式IIIの化合物を、iii)トリエチルアミンまたは4−メチルモルホリンなどの適当な塩基の存在下で酸塩化物と反応させることにより調製することができる。典型的な反応条件は、25℃におけるジクロロメタン中のアミン(III)1.0当量、塩基(好ましくは、トリエチルアミン)1.2〜2.0当量、酸塩化物1.1〜1.3当量を含む。
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物を、iv)ボランまたは水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤で還元することにより調製することができる。典型的な条件は、還流状態におけるTHF中のアミド(IV)1.0当量、ボラン1.2〜3.0当量を含む。式(V)の化合物は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム存在下で式(III)の化合物を適当なアルデヒドで還元アミノ化することにより製造することもできる。
式(VI)の化合物は、式Vの化合物を、v)トリエチルアミン、炭酸ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下で塩化クロロアセチルまたは2−置換塩化クロロアセチル(塩化2−クロロプロピオニルまたは塩化2−クロロブチリルなど)と反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、25℃におけるジクロロメタン中のアミンIV 1.0当量、酸塩化物1.0〜1.3当量、トリエチルアミン1.2〜2.0当量を含み、次いで、粗反応混合物を、水性水酸化カリウム1.2〜3.0当量と共にIPAに溶かす。
式(I)の化合物は、式(VI)の化合物を、vi)ボランまたは水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤と反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、還流状態におけるTHF中のアミドVI 1.0当量、ボラン1.2〜3.0当量を含む。
当業者は、X、YまたはZのうちの1つがヒドロキシ基であるために、スキーム1の変換を通して適当な保護基で1つまたは複数のヒドロキシ基を保護し、次いで、保護基を除去することが必要になることを理解しているであろう。フェノール基を脱保護するための方法は、保護基によって異なる。保護/脱保護方法の例については、「Protective groups in Organic synthesis」、TW GreeneおよびPGM Wutzを参照されたい。例えば、ヒドロキシがメチルエーテルとして保護される場合、脱保護条件は、1〜24時間にわたって48%水性HBr中で還流すること、または1〜24時間にわたってジクロロメタン中でボラントリブロマイド(borane tribromide)と共に攪拌することを含む。あるいは、ヒドロキシがベンジルエーテルとして保護される場合、脱保護条件は、水素雰囲気下でのパラジウム触媒による水素化を含む。
AまたはBのうちの1つが、Nであり、Rが、Hまたは(C〜C)アルキルであり、Rが、Hであり、X、Y、およびZが、本明細書に記載されている通りであるが、ただし、X、Y、またはZのうちの1つが、NHである一般式(I)の化合物は、反応スキーム2に従って調製することができる。スキームは、Bが、C−Yであり、Yが、NHである場合を図示しており、当業者は、代替化合物が等しく実施可能であることを理解するであろう。
Figure 2010515769
Figure 2010515769
式(VII)の化合物は、JP2001048864に記載されているようなプロセスを用いて調製することができる。
式(VIII)の化合物は、エポキシド(VII)をvii)プロピルアミンと反応させることにより調製することができる。典型的な反応条件は、ニートかジメチルスルホキシド中のどちらかで過剰のアミンと共にエポキシドを攪拌することを含む。
式(IX)の化合物は、式(VIII)の化合物を、v)トリエチルアミン、炭酸ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの塩基の存在下で塩化クロロアセチルまたは2−置換塩化クロロアセチル(塩化2−クロロプロピオニルまたは塩化2−クロロブチリルなど)と反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、25℃におけるジクロロメタン中のアミン(VIII)1.0当量、トリエチルアミン1.2〜2.0当量を含み、次いで、粗反応混合物を、水性水酸化カリウム1.2〜3.0当量と共にIPAに溶かす。
式(X)の化合物は、式(IX)の化合物を、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤と反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、還流状態におけるTHF中のアミド(IV)1.0当量、水素化リチウムアルミニウム1.2当量を含む。
式(I)の化合物は、ix)脱保護により調製することができる。典型的な条件は、還流状態におけるエタノール中の化合物X 1.0当量およびヒドロキシルアミン塩酸塩5当量を含む。
Aが、C−Xであり、Bが、C−Yであり、Rが、Hであり、Rが、Hまたは(C〜C)アルキルであり、X、Y、およびZが、本明細書に記載されている通りである一般式Iの化合物は、反応スキーム3に従って調製することができる。
Figure 2010515769
Figure 2010515769
式(XII)の化合物は、式(XI)のアミノ酸エステルを、x)トリエチルアミンおよび4−メチルモルホリンなどの適当な塩基の存在下で酸塩化物と反応させることにより調製することができる。典型的な反応条件は、25℃におけるジクロロメタン中のアミノ酸エステル(XI)1当量、酸塩化物1当量および塩基3当量を含む。式(XI)の一部の化合物は、市販されている。
式(XIII)の化合物は、式(XII)の化合物を、xi)ボラン−THF錯体と反応させ、続いて、酸でホウ素−窒素錯体を壊し、形成したアミンをt−ブトキシカルボニルで保護することにより調製することができる。典型的な反応条件は、還流状態におけるTHF中のBH−THF3当量とのアミド(XII)1当量、冷却すること、6M水性HClの注意深い添加およびさらに6時間にわたって加熱還流すること、続く、溶媒の蒸発、メタノール:水(8:1)混合物での再溶解、ならびに水酸化カリウムなどの塩基5当量およびジ−tert−ブチルジカーボネート1.5当量の添加、および72時間にわたって混合物を攪拌することを含む。
式(XIV)の化合物は、式(XIII)の化合物を、xii)HClの有機溶液と反応させることにより調製することができる。典型的な反応条件は、25℃におけるジオキサン中のカルバメート(XIII)1当量およびHClの4M溶液1〜10当量を含む。
式(XV)の化合物は、式(XIV)の化合物を、xiii)トリエチルアミンまたは4−メチルモルホリンの存在下で2−ブロモアセトフェノンと反応させることにより調製することができる。2−ブロモアセトフェノンは、商用ソースから入手するか、あるいは、当業者によく知られている標準的なブロム化方法により親アセトフェノンから調製することができる。典型的な条件は、65℃におけるトリエチルアミン1〜3当量および2−ブロモアセトフェノン1当量とのアミノアルコール(XIV)1当量を含む。
式(I)の化合物は、式(XV)の化合物を、xiv)トリエチルシランおよびトリメチルシリルトリフレートと反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、−78℃におけるジクロロメタン中のモルホリノール(XV)1当量へのトリエチルシラン5〜10当量の添加と、続く、トリメチルシリルトリフレート2当量の添加を含む。
当業者は、X、YまたはZのうちの1つがヒドロキシ基であるために、スキーム3の変換を通して適当な保護基で1つまたは複数のヒドロキシ基を保護し、次いで、保護基を除去することが必要になることを理解しているであろう。フェノール基を脱保護するための方法は、保護基によって異なる。保護/脱保護方法の例については、「Protective groups in Organic synthesis」、TW GreeneおよびPGM Wutzを参照されたい。例えば、ヒドロキシがメチルエーテルとして保護される場合、脱保護条件は、1〜24時間にわたって48%水性HBr中で還流すること、または1〜24時間にわたってジクロロメタン中でボラントリブロマイドと共に攪拌することを含む。あるいは、ヒドロキシがベンジルエーテルとして保護される場合、脱保護条件は、水素雰囲気下でのパラジウム触媒による水素化を含む。
モルホリン窒素に対してα位の立体中心が絶対的に定義されている式(I)の化合物は、市販されているか、または化学文献において当業者にとって容易に利用可能な方法によって得ることができる式(XI)のホモキラルな化合物から出発して調製することができる。得られる式(I)の化合物は、HPLCカラム上で分離することができるジアステレオ異性体の混合物を含有する。典型的な条件は、100%MeOH移動相でChiralcel OJ−Hカラムに通して溶出することを含む。
AまたはBのうちの1つが、Nであり、Rが、Hであり、Rが、Hまたは(C〜C)アルキルであり、X、Y、およびZが、本明細書に記載されている通りであるが、ただし、X、Y、またはZのうちの1つが、NHである一般式(I)の化合物は、反応スキーム4に従って調製することができる。スキームは、Bが、C−Yであり、Yが、NHである場合を図示しており、当業者は、代替化合物が等しく実施可能であることを理解するであろう。
Figure 2010515769
Figure 2010515769
式(XVIII)の化合物は、式(XVI)の化合物を、xv)トリエチルアミンまたは4−メチルモルホリンなどの塩基の存在下で式(XIV)のアミノアルコールと反応させることにより調製することができる。典型的な条件は、室温以上において溶媒としてトルエンを用いるトリエチルアミン1〜3当量および式(XVI)の化合物1当量とのアミノアルコール(XIV)1当量を含む。式(XVI)の化合物は、市販されている。
式(IXX)の化合物は、式(XVIII)の化合物を、xvi)式(XVII)のブロマイドから形成される有機金属試薬と反応させることにより調製することができる。適当な有機金属試薬は、グリニャール(有機マグネシウム)または有機リチウム試薬を包含し、ハロゲン金属交換によりブロマイドから調製することができる。典型的な条件は、室温におけるテトラヒドロフランなどの無水エーテル性溶媒中でのブロマイド(XVII)へのイソプロピルマグネシウムクロライドの添加(ハロゲン金属交換反応を行うため)と、続く、モルホリノン(XVIII)の添加を含む。ブロマイド(XVII)は、WO9932475に記載されているようなプロセスを用いて調製することができる。
モルホリノール(IXX)は、xvii)メタノールなどのアルコール溶媒中での水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物還元剤との反応によりジオール(XX)に還元することができる。
式(XXI)の化合物は、ix)脱保護によりジオール(XX)から調製することができる。典型的な条件は、還流状態におけるエタノール中の化合物(XX)1.0当量およびヒドロキシルアミン塩酸塩5当量を含む。
式(I)の化合物は、xviii)酸で処理することによる式(XXI)の化合物の環化により調製することができる。典型的な条件は、室温以上の温度において濃硫酸および溶媒としてのジクロロメタンを用いる。
上記の反応および前述の方法において使用する新規な出発材料の調製はすべて従来通りであり、それらを実施または調製するのに適切な試薬および反応条件ならびに望ましい生成物を単離するための方法は、先行文献および本明細書の実施例および調製を参照して当業者によく知られているであろう。
本発明の化合物は、疾患状態の治療における選択的D3作動薬としての有用性を有する。D2とD3の両方の作動薬としての活性を有するいくつかの化合物が存在するが、そのような化合物の使用は、悪心、嘔吐、失神、低血圧および徐脈を包含する多数の副作用を伴い、それらの一部は、重大な関心事の原因である。
従来技術の化合物の有効性は、D2を作動するそれらの能力に起因することが以前は支持されていたが、D2作動作用は、上記に詳述されている副作用の原因に関係があるとされている。
本発明は、選択的D3作動薬の1クラスを提供する。思いがけないことに、これらは、非選択的な従来技術の化合物に伴う副作用を軽減しながら、有効であることが判明した。
本発明の化合物は、性機能障害、性的欲求低下障害、性的興奮の障害、オルガスム障害および***疼痛障害を包含する女性の性機能障害;男性の***機能障害、高血圧、神経変性、精神障害、うつ病(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群性症候性うつ病(subsyndromal symptomatic depression)、不妊女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病、単一エピソードうつ病、反復性うつ病、児童***誘発性うつ病、産後うつ病および不機嫌老人症候群)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、社会恐怖症および単純恐怖症)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、神経性拒食症および神経性過食症)、肥満症、薬物依存症(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチンおよびベンゾジアゼピンに対する中毒)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマ−病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、認知症、健忘性障害、および加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における認知症、神経遮断薬誘発性パーキンソン症および遅発性ジスキネジア)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管攣縮(特に、脳脈管構造における)、小脳性運動失調症、胃腸管障害(運動性および分泌の変化が関わる)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋痛症候群、腹圧性尿失禁、トゥーレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性のインポテンス、注意欠陥多動性障害(ADHD)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に伴う)、情緒不安定、病的号泣、睡眠障害(脱力発作)ならびにショックを治療するのに有用である。
選択的D3作動薬である式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物は、一連の障害の治療において潜在的に有用である。疼痛、特に、慢性および/または侵害受容性疼痛の治療は、好ましい使用である。
生理学的疼痛は、外部環境からの潜在的に傷害性の刺激による危険を警告するように設計された重要な防御機構である。このシステムは、特異的な一連の一次感覚ニューロンを通して作動し、末梢性伝達機構を介して侵害刺激により活性化される(総説についてはMillan、1999、Prog.Neurobiol.、57、1〜164を参照)。これらの感覚線維は、侵害受容器として知られており、伝導速度の遅い特徴的に小さな直径の軸索である。侵害受容器は、侵害刺激の強度、持続時間および質、ならびに脊髄に対するそれらの局所解剖学的に組織化された投射に基づき、刺激の位置をコードする。侵害受容器は、A−δ線維(有髄)およびC線維(無髄)という2つの主要な型がある侵害受容性神経線維上に見いだされる。侵害受容器入力により生成される活動は、後角における複雑なプロセシング後、直接的に、または脳幹中継核を介して基底腹側(ventrobasal)視床に、次いで皮質に伝達され、そこで疼痛の感覚が生成される。
疼痛は、一般的に、急性または慢性として分類することができる。急性疼痛は、突然始まり長続きしない(通常は、12週以下)。急性疼痛は、通常、特定の損傷などの特定の原因を伴い、鋭くかつ重度であることが多い。急性疼痛は、外科手術、歯科治療、挫傷または捻挫に起因する特定の損傷後に起こることがある種類の疼痛である。急性疼痛は、一般的に、いかなる持続性の心理学的応答ももたらすことはない。対照的に、慢性疼痛は、長期の疼痛であり、典型的には、3カ月を超えて持続し、著しい心理学的および感情的問題につながる。慢性疼痛の一般例は、神経障害性疼痛(例えば、有痛性の糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛)、手根管症候群、背痛、頭痛、癌性疼痛、関節痛および慢性術後疼痛である。
疾患または外傷を介して、身体組織に対して実質的な損傷が起きる場合、侵害受容器活性化の特徴は変化し、末梢においては、損傷の周囲で局所的に、侵害受容器が終わる場所では中枢的に、過敏化が存在する。これらの効果は、疼痛の感覚増大につながる。急性疼痛では、これらの機構が、修復プロセスをより起こしやすくし得る防御行動を促進するのに有用なことがある。普通に予測されるのは、ひとたび損傷が治癒すれば感受性は正常に戻ることであろう。しかしながら、多くの慢性疼痛状態において、過敏性は、治癒プロセスよりはるかに長く続き、神経系の損傷に起因することが多い。この損傷は、適応不全および異所性活動に伴う感覚神経線維の異常につながることが多い(WoolfおよびSalter、2000、Science、288、1765〜1768)。
臨床的疼痛は、患者の症状の中でも不快かつ異常な感受性を特色とする場合に存在する。患者は、まったく異質である傾向があり、様々な疼痛症状を示すことがある。そのような症状は、1)鈍痛、灼熱痛、または刺痛であってよい自発痛、2)侵害刺激に対する過度の疼痛応答(痛覚過敏)、および3)通常は無害な刺激により生じる疼痛(アロディニア−Meyer他、1994、Textbook of Pain、13〜44)を包含する。様々な形態の急性および慢性疼痛に罹患している患者は、類似の症状を有することがあるが、根底にある機構は、異なることがあるため、異なる治療戦略を必要とすることがある。したがって、疼痛は、侵害受容性、炎症性および神経障害性疼痛を包含する、異なる病態生理に従っていくつかの異なるサブタイプに分類することもできる。
侵害受容性疼痛は、組織損傷により、または損傷を引き起こす可能性のある激しい刺激により誘発される。痛覚求心性は、損傷部位における侵害受容器による刺激の伝達により活性化され、それらの終了位置において脊髄内のニューロンを活性化する。次いで、脊髄路を上行して脳に中継され、そこで疼痛が認知される(Meyer他、1994、Textbook of Pain、13〜44)。侵害受容器の活性化は、2つのタイプの求心性神経線維を活性化する。有髄のA−δ線維は、迅速に伝達し、鋭くかつ刺すような疼痛感覚を担い、一方、無髄のC線維は、より遅い速度で伝達し、鈍いかうずくような疼痛を伝達する。中等度から重度の急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、火傷、心筋梗塞および急性膵炎、術後疼痛(任意のタイプの外科手術後の疼痛)、外傷後疼痛、腎疝痛、癌性疼痛および背痛由来の疼痛の際立った特徴である。癌性疼痛は、腫瘍関連疼痛(例えば、骨痛、頭痛、顔面痛または内臓痛)または癌療法に伴う疼痛(例えば、化学療法後症候群、慢性術後疼痛症候群または照射後症候群)などの慢性疼痛であってよい。癌性疼痛は、化学療法、免疫療法、ホルモン療法または放射線療法に応答して起きることもある。背痛は、脱出性もしくは破裂性椎間板、または腰部椎間関節、仙腸関節、傍脊柱筋もしくは後縦靱帯の異常に起因することがある。背痛は、自然に消散することがあるが、一部の患者において、背痛が12週間にわたって続く場合、特に衰弱性であることがある慢性状態になる。
現在、神経障害性疼痛は、神経系における原発性病変または機能障害により開始または引き起こされる疼痛と定義される。神経損傷は、外傷および疾患により引き起こされることがあるため、「神経障害性疼痛」という用語は、多様な病因を有する多くの障害を包含する。これらは、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、背痛、癌性神経障害、HIV神経障害、幻肢痛、手根管症候群、中枢性脳卒中後疼痛ならびに慢性アルコール依存症、甲状腺機能低下症、***、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン病、てんかんおよびビタミン欠乏症に伴う疼痛を包含するが、これらに限定されるものではない。神経障害性疼痛は、防御的役割をもたないため、病的である。神経障害性疼痛は、元の原因が消散した後も存在することが多く、一般的に数年間持続し、患者の生活の質を著しく低下させる(WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。神経障害性疼痛の症状は、同じ疾患を有する患者間でさえ異質であることが多いため、治療するのが困難である(WoolfおよびDecosterd、1999、Pain Supp.、6、S141〜S147;WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353:1959〜1964)。それらは、持続性であり得る自発痛、ならびに痛覚過敏(有害刺激に対する感受性増加)およびアロディニア(通常は無害な刺激に対する感受性)などの発作性および異常誘発痛を包含する。
炎症プロセスは、組織損傷または異物の存在に反応して活性化される複雑な一連の生化学的および細胞事象であり、腫脹および疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo、1994、Textbook of Pain、45〜56)。関節痛は、最も一般的な炎症性疼痛である。リウマチ様疾患は、先進国における最も一般的な慢性炎症状態の1つであり、関節リウマチは、能力障害の一般的原因である。関節リウマチの正確な病因は不明であるが、現在の仮説は、遺伝学的要因と微生物学的要因が共に重要である可能性を示唆している(GrennanおよびJayson、1994、Textbook of Pain、397〜407)。ほぼ1,600万人のアメリカ人が症候性の変形性関節症(OA)または変性関節疾患を有していると推定されており、その大部分は60歳以上であり、この数は、集団の年齢が増加するにつれて4,000万人まで増加すると予想され、大変な公衆衛生問題にしている(HougeおよびMersfelder、2002、Ann Pharmacother.、36、679〜686;McCarthy他、1994、Textbook of Pain、387〜395)。大部分の変形性関節症患者は、関連する疼痛のために医学的配慮を求める。関節炎は、心理社会的および身体的機能に対して大きな影響を与え、晩年における能力障害の主要原因であることが知られている。強直性脊椎炎も、脊椎および仙腸関節の関節炎を引き起こすリウマチ性疾患である。強直性脊椎炎は、一生を通じて起きる背痛の間欠的エピソードから脊椎、末梢関節および他の体器官を攻撃する重度の慢性疾患までと様々である。
別のタイプの炎症性疼痛は、炎症性腸疾患(IBD)に伴う疼痛を包含する内臓痛である。内臓痛は、腹腔の器官を包含する内臓に関係する疼痛である。これらの器官は、生殖器官、脾臓および消化器系の一部を包含する。内臓に関係する疼痛は、消化器系内臓痛および非消化器系内臓痛に分類することができる。疼痛を引き起こす一般的に遭遇する胃腸(GI)障害は、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IGD)を包含する。これらのGI障害は、FBDについては、胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)および機能性腹痛症候群(FAPS)、IBDについては、クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を包含する現在のところ中程度に管理されるに過ぎない広範囲な疾患状態を包含し、これらはすべて、内臓痛を定期的に生じる。他のタイプの内臓痛は、月経困難症、膀胱炎および膵炎に伴う疼痛ならびに骨盤痛を包含する。
疼痛の一部のタイプは、複数の病因を有し、したがって、2つ以上の領域に分類することができ、例えば、背痛および癌性疼痛は、侵害受容性成分と神経障害性成分の両方を有することに留意すべきである。
他のタイプの疼痛は、
・ 筋肉痛、線維筋痛、脊椎炎、血清陰性の(非リウマチ性)関節症、非関節性リウマチ、ジストロフィン異常症、グリコーゲン分解、多発性筋炎および化膿性筋炎を包含する筋骨格障害に起因する疼痛、
・ アンギナ、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心外膜炎、レイノー現象、浮腫性硬化症および骨格筋虚血により引き起こされる疼痛を包含する心臓および血管痛、
・ 片頭痛(前兆を伴う片頭痛および前兆を伴わない片頭痛を包含する)、群発性頭痛、緊張型頭痛、混合性頭痛および血管障害に伴う頭痛などの頭部痛、ならびに
・ 歯痛、耳痛、口腔灼熱症候群および顎関節筋筋膜疼痛を包含する口腔顔面疼痛を包含する。
したがって、本発明は、疼痛を治療または予防するための医薬品の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
すなわち、本発明の好ましい態様によれば、疼痛、より詳細には、慢性疼痛および/または侵害受容性疼痛を治療または予防するための医薬品の調製における式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物の使用が提供される。
式(I)の化合物は、慢性疼痛および/または侵害受容性疼痛の治療または予防に有用であることが好ましく、侵害受容性疼痛の治療または予防に有用であることが最も好ましい。
前記D3作動薬は、1000nMより低いEC50として表されるD3受容体における機能的効力を示すことが好ましく、100nMより低いことがより好ましく、さらに、50nMより低いことがより好ましく、10nMより低いことが最も好ましい。
前記D3作動薬は、D2を上回るD3に対する選択性を有することが好ましく、前記ドーパミンD3受容体作動薬は、ドーパミンD2受容体と比べてD3受容体に対して少なくとも約15倍、好ましくは、少なくとも約27倍、より好ましくは、少なくとも約30倍、最も好ましくは、少なくとも約100倍も機能的に選択的である。
したがって、本発明は、高血圧、早漏、肥満症、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管攣縮(特に、脳脈管構造における)、小脳性運動失調症、胃腸管障害(運動および分泌の変化が関わる)、月経前症候群、線維筋痛症候群、腹圧性尿失禁、抜毛癖および慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に伴う)を治療するための医薬品の調製における式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物の使用を提供する。
D3/D2作動薬結合アッセイ
Gonazalez他(Eup.J Pharmacology 272(1995)R1〜R3)は、D3および/またはD2ドーパミン受容体における化合物の結合能力、すなわち、そのような化合物の結合選択性を決定するためのアッセイを開示している。したがって、このアッセイは、本明細書において結合アッセイと呼ばれる。
D3/D2作動薬機能アッセイ
D3および/またはD2ドーパミン受容体における化合物の活性を機能的に決定するための適当なアッセイを本明細書で以下に詳述する。
化合物は、それぞれヒトD2およびD3受容体を発現するGH4C1およびCHO細胞系におけるcAMPレベルを見ることにより、ドーパミンD2およびD3受容体における作動薬または拮抗薬として評価される。
実験手順
フォルスコリン刺激によるアデニル酸シクラーゼ活性のドーパミンD3受容体を介する阻害
材料
細胞培養培地:
Figure 2010515769
ヒトドーパミンD3受容体を発現するhDCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞は、社内で作製した。これらの細胞は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子を欠いている。
培地は、以下のように毎週新たに作成し、使用前に0.22μMフィルターに通して濾過する。培地は、4℃にて保存し、細胞への添加に先立って37℃まで温める。
細胞解離溶液(CDS):(Sigma C−5914)
225cmのフラスコから細胞を収集するために5mlを使用(37℃で、hD2LGH4C1細胞については5分およびhD3CHO細胞については10分)。
リン酸緩衝溶液(PBS):(Gibco.14040−091)
トリパンブルー(Sigma T8154)
フォルスコリン(Calbiochem 344273)
蒸留水に20mMの濃度まで溶かす。(このストックは、+4℃にて保存する)。40μMの4×アッセイストックは、PBS緩衝液中で500倍希釈を行うことにより作成する。40μMストック25μlを、100μlの最終アッセイ容量に加え、10μMの最終アッセイ濃度とする。
試験化合物
100%DMSOに溶かして10mMのストック濃度とする。
プラミペキソール標準液
100%DMSOに溶かして10mMのストック濃度とする。
シクラーゼ活性化フラッシュプレートアッセイ(NEN SMP004B)
Perkin−Elmer Life Science,Incから供給を受ける。
125I]−環状アデノシン一リン酸(cAMP)(NEX 130)
Perkin−Elmer Life Science,Incから供給を受ける。
具体的な機器
Westbartマイクロタイタープレートシェーカー/インキュベーター
Packard Topcount NXT(ECADA互換プログラム)
Tecan Genesis
LabsystemsマルチドロップDW
hDCHO細胞で化合物活性をテストするプロトコル
化合物希釈液
・ プラミペキソールは、参照標準として包含される。10ポイントの片対数曲線を4つのプレート毎に作成する。化合物結果は、細胞によりもたらされる最小(0nMプラミペキソール)および最大(100nMプラミペキソール)の応答に対して正規化する。すべての試験化合物を10ポイント(片対数)曲線を介してテストすることもできる。
・ 試験化合物を100%DMSOに溶かして10mMのストック濃度とする。これらを、10倍希釈を介して1mMまで100%DMSO中でさらに希釈する(必要とされる1000×最終アッセイ濃度、例えば1mMは、1μMのトップ濃度を与える)。
・ プラミペキソールを100%DMSOに溶かして10mMの濃度とする。プラミペキソールを、100倍希釈を介して100%DMSO中で0.1mMまでさらに希釈する。
・ さらなる希釈および添加は、3.159倍(片対数単位)において段階希釈を行うことができる適当なTecan Genesisプロトコルを用い、0.4%DMSO/PBS中で行う。
TECAN GENESIS希釈液
・ 試験化合物10μLをマイクロプレートの列1に加える。0.4%DMSO/PBS240μLをこれに加えて25倍希釈液(0.04mM)とする。0.04mM希釈液20μLを列2のウェルに移し、0.4%DMSO/PBS180μLを加えてさらに10倍希釈して4×トップアッセイ濃度(0.004mM)とする。
・ 段階希釈を行い(3.159倍)、片対数希釈シリーズ:4μM、1.27μM、400nM、127nM、40nM、13nM、4nM、1.27nM、0.4nM、0.1nMとする。
・ 段階希釈液25μL(二連で)をフラッシュプレートの列2〜11に移す(付録を参照)。最終アッセイ容量が100μLであることから、最終アッセイ濃度は、1000μM、317nM、100nM、32nM、10nM、3.2nM、1nM、0.3nM、0.1nM、0.03nMになる。
・ 最小対照(低対照):0.4%DMSO/PBS(ビヒクル)25μLを、以下のウェル(列1ウェルE〜Hおよび列12ウェルA〜D)に加える。細胞+フォルスコリンを後で加える。
・ 最大対照(高対照):10mMプラミペキソールを、250倍希釈を介してPBS中で希釈し(10μL+PBS 2490μL)、40μMプラミペキソールを作成する。40μMプラミペキソールを、0.4%DMSO/PBS中で100倍希釈を介してさらに希釈し(100μL+ビヒクル9900μL)、400nM(標準プラミペキソールの4×アッセイ濃度)を作成する。400nMプラミペキソール25μLを、フラッシュプレートの以下のウェル:列1ウェルA〜Dおよび列12ウェルE〜Hに加えて100nMプラミペキソール最終とする。細胞+フォルスコリンを後で加える。
シクラーゼ活性化フラッシュプレートアッセイ。(NEN SMP004B)
・ 材料の項に記載されているように、フォルスコリンを蒸留水に溶かして20mMのストック濃度とする。これを、PBSを用いて40μM(4×アッセイ濃度)までさらに希釈する。40μMストック25μLを、マルチドロップを用いてすべてのウェルに加え、10μMの最終濃度とする。次いで、プレートを密封し、細胞を収集しながら、Westbartインキュベーター中で37℃にてインキュベートする。
・ 70%〜80%コンフルエントな細胞をフラスコから収集する。細胞に添加されるすべての成分を37℃まで温めることは不可欠である。CDS5mLをT225フラスコ毎に加え、5分にわたって37℃にてインキュベートした後、PBS5mLで中和する。次いで、細胞を5分にわたって160g(1000rpm)にて遠心分離する。得られる上清を捨て、細胞を、(37℃まで温めた)刺激緩衝液に再懸濁し、5×10細胞/mlとする。次いで、細胞懸濁液50μlをフラッシュプレートのすべてのウェルに分注する。
・ プレートを、15分にわたって振盪インキュベーター上で37℃にて直ちにインキュベートする。すべてのウェルにおいて、検出混合物100μlで反応を終了させる(1プレート当たり125IcAMP100μL:検出緩衝液11ml)。
・ プレートを再び密封し、3時間にわたって暗所でインキュベートし、抗−cAMP抗体(ウェルをコーティングしている)、[125I]−cAMPトレーサーおよび細胞内cAMPの間を平衡にする。
・ プレートを、適当なECADA互換プロトコル(プロトコル75)を用いてPackard Topcount NXT上でカウントする。
凍結アンプルの復活
液体窒素からアンプルを取り出し、トラップされたガスまたは液体がアンプルを急速に膨張させ破裂させることがあるため、2分にわたってアンプルを平衡化させる。アンプルを、解凍する前に2分にわたって−20℃にて置くこともできる。
水浴中で37℃にてアンプルを迅速にかつ完全に解凍する。
細胞懸濁液を、10mLの成長培地を含有する75cmのフラスコに移し、37℃、5%COにて24時間にわたってインキュベートする。細胞接着後(3〜6時間)、培地を除去して新鮮な培地で置き換える(DMSOを除去するために)。24時間後、コンフルエントに近づいた場合には、細胞を225cmのフラスコに移す。そうでない場合には、70〜80%コンフルエントになるまで細胞を維持する。
細胞の収集および分割
細胞を金曜日に分割し、月曜日および火曜日のアッセイのための細胞を提供する。週の残りのために必要とされる細胞は月曜日に分割する。80%コンフルエンスを超えてhDCHO細胞を増殖させないこと、または1:20を超える分割をしないことが不可欠であるのは、これが、細胞の増殖性応答に対して有害な影響を有し、その後、アッセイにおいて機能する細胞の能力に影響を与えるからである。
細胞を225cmのフラスコ(Jumbos)中で増殖させる。細胞に添加されるあらゆる成分は、使用前に37℃まで温めなければならない。
細胞収集
成長培地をフラスコから除去し、細胞を、温かいPBS(Gibco.14040−091)で洗浄して取り出す。
・ 細胞解離緩衝液5mLを細胞に加え、約5分にわたってインキュベーターに入れる。
・ 組織培養プラスチックから残った細胞を取り除くためにフラスコを強く叩く。
・ PBS5mLを細胞に加え、それを使用してフラスコの底部を洗浄する。細胞を、160g(1000rpm)にて5分にわたって遠心分離し、細胞をペレットにする。
・ 上清を捨て、刺激緩衝液5mLを使用して細胞を再懸濁する。トリパンブルー排除アッセイを行い、生細胞の数を決定する。
・ 細胞を刺激緩衝液中で希釈して5×10細胞/mlの濃度とする。
・ 細胞を継代するため、遠心分離ステップを省略し、細胞懸濁液を、培地50mLを含有する新たなT225フラスコに分注する。
分割比率
hDCHOを、1:5〜1:10の間で分割する。培養を、30継代を超えて続けることができないのは、細胞系の特性が、継代の増加に伴って失われるからである。
細胞系の凍結保存
さらなる使用のために復活させる自身の細胞の細胞バンクを作成することが不可欠である。
・ 細胞を、前の項に記載されているように収集する。トリパンブルー排除アッセイの後、細胞を、10%DMSOを含有する培地中で希釈し、2〜4×10細胞/mlとする。
・ 細胞を、1mlのアリコートに分割し、直ちに、−80℃にて「Mr Frosty」、(新鮮なIPAを含有する)中で徐々に凍結した後、気相液体窒素保存容器へ移す。(細胞は、2日間まで「Mr Frosty」中で保存することができる)。
凍結後に1つのアンプルを解凍することにより細胞生存率をテストすることが望ましい。70%未満の生存率は、低細胞数およびデブリスの存在に起因する回収に関する問題を引き起こすことがある。
データ分析
データは、ECADAを用いて分析する。
正規化%(プラミペキソールに関して)を、以下の式を介してすべての化合物について作成する:
正規化%=(X−B0)/(Max−B0)×100
式中
X=所与の濃度の試験化合物についての平均総カウント、
B0=最小対照(プラミペキソール0nM)の平均総カウントおよび、
Max=最大対照(プラミペキソール100nM)で得られる平均総カウント
曲線は、nM単位の作動薬の濃度(x)に対して正規化%(y)をプロットすることにより作成することができる。データは、1に制約される傾きを有する非線形回帰を用いて当てはめる。これから、試験化合物についてのEC50および%Emaxが決定される。
アッセイプレートレイアウト(10ポイントEC50):
Figure 2010515769
列1: ウェルA〜D=最大:高対照(細胞+フォルスコリン+100nMプラミペキソール)
ウェルE〜H=最小:低対照(細胞+フォルスコリン+ビヒクル)
列12: ウェルA〜D=最小:低対照(細胞+フォルスコリン+ビヒクル)
ウェルE〜H=最大:高対照(細胞+フォルスコリン+100nMプラミペキソール)
列2〜11:試験化合物の10段階連続希釈(二連で)。列2から列11まで濃度減少する(1000nM〜0.03nM)。最初のプレートではプラミペキソールがC1と置き換わる。
フォルスコリン刺激によるアデニル酸シクラーゼ活性のドーパミンD2受容体を介する阻害
材料
細胞培養培地:
Figure 2010515769
GH4C1/hD2Lは、ヒトドーパミンD2long受容体を発現するラット下垂体細胞である。
培地は、以下のように毎週新たに作成し、使用前に0.22μMフィルターに通して濾過する。培地は、4℃にて保存し、細胞への添加に先立って37℃まで温める。
細胞解離溶液(CDS):(Sigma C−5914)
225cmのフラスコから細胞を収集するために5mLを使用。
リン酸緩衝溶液(PBS):(Gibco.14040−091)
トリパンブルー(Sigma T8154)
フォルスコリン(Calbiochem 344273)
蒸留水に20mMの濃度まで溶かす。(このストックは、+4℃にて保存する)。
20μMの4×アッセイストックは、PBS緩衝液中で1000倍希釈を行うことにより作成する。20μMストック25μlを、100μlの最終アッセイ容量100μlに加え、5μMの最終アッセイ濃度とする。
試験化合物
100%DMSOに10mMの濃度まで溶かす。
プラミペキソール標準液
100%DMSOに溶かして10mMのストック濃度とする。
シクラーゼ活性化フラッシュプレートアッセイ(NEN SMP004B)
Perkin−Elmer Life Science,Incから供給を受ける。
125I]−環状アデノシン一リン酸(cAMP)(NEX 130)
Perkin−Elmer Life Science,Incから供給を受ける。
具体的な機器
Westbartマイクロタイタープレートシェーカー/インキュベーター
Packard Topcount NXT(ECADA互換プログラム)
Tecan Genesis
LabsystemsマルチドロップDW
プロトコル
化合物希釈液
・ プラミペキソールは、参照標準として包含される。10ポイントの片対数曲線を4つのプレート毎に作成する。化合物応答は、細胞によりもたらされる最小(0nMプラミペキソール)および最大(100nMプラミペキソール)の応答に対して正規化する。すべての試験化合物を10ポイント(片対数)曲線を介してテストすることもできる。
・ 試験化合物を100%DMSOに溶かして10mMのストック濃度とする。(必要とされる1000×最終アッセイ濃度、例えば10mMは、10000nMのトップ濃度を与える。)
・ プラミペキソールを100%DMSOに溶かして10mMの濃度とする。プラミペキソールを、10倍希釈を介して100%DMSO中で1mMまでさらに希釈する。
・ さらなる希釈および添加は、3.159倍(片対数単位)において段階希釈を行うことができる適当なTecan Genesisプロトコルを用い、0.4%DMSO/PBS中で行う。
TECAN GENESIS希釈液
・ 試験化合物10μLをマイクロプレートの列1に加える。0.4%DMSO/PBS240μLをこれに加えて25倍希釈液(0.4mM)とする。0.4mM希釈液20μLを列2のウェルに移し、0.4%DMSO/PBS180μLを加えてさらに10倍希釈して4×トップアッセイ濃度(0.04mM)とする。
・ 段階希釈を行い(3.159倍)、片対数希釈シリーズ:40μM、12.7μM、4μM、1.27μM、400nM、130nM、40nM、13nM、4nM、1.3nMとする。
段階希釈液25μL(二連で)をフラッシュプレートの列2〜11に移す(付録を参照)。最終アッセイ容量が100μLであることから、最終アッセイ濃度は、10,000μM、3170nM、1000nM、320nM、100nM、32nM、10nM、3nM、1nM、0.3nMになる。
最小対照(低対照):0.4%DMSO/PBS(ビヒクル)25μLを、以下のウェル(列1ウェルE〜Hおよび列12ウェルA〜D)に加える。細胞+フォルスコリンを後で加える。
・ 最大対照(高対照):10mMプラミペキソールを、250倍希釈を介してPBS中で希釈し(10μL+PBS 2490μL)、40μMプラミペキソールを作成する。40μMプラミペキソールを、0.4%DMSO/PBS中で10倍希釈を介してさらに希釈し(100μL+ビヒクル990μL)、4000nMを(標準プラミペキソールの4×アッセイ濃度)を作成する。4000nMプラミペキソール25μLを、フラッシュプレートの以下のウェル:列1ウェルA〜Dおよび列12ウェルE〜Hに加えて1000nMプラミペキソール最終とする。細胞+フォルスコリンを後で加える。
シクラーゼ活性化フラッシュプレートアッセイ。(NEN SMP004B)
・ 材料の項に記載されているように、フォルスコリンを蒸留水に溶かして20mMのストック濃度とする。これを、PBSを用いて20μM(4×アッセイ濃度)までさらに希釈する。25μLを、マルチドロップを用いてすべてのウェルに加え、5μMの最終濃度とする。次いで、プレートを密封し、細胞を収集しながら、Westbartインキュベーター中で37℃にてインキュベートする。
・ 70%〜80%コンフルエントな細胞をフラスコから収集する。細胞に添加されるすべての成分を37℃まで温めることは不可欠である。CDS5mLを225cmのフラスコ毎に加え、5分にわたって37℃にてインキュベートした後、PBS5mLで中和する。次いで、細胞を5分にわたって160g(1000rpm)にて遠心分離する。得られる上清を捨て、細胞を、(37℃まで温めた)刺激緩衝液に再懸濁し、1×10細胞/mlとする。次いで、細胞懸濁液50μlをフラッシュプレートのすべてのウェルに分注する。
・ プレートを、15分にわたって振盪インキュベーター上で37℃にて直ちにインキュベートする。すべてのウェルにおいて、検出混合物100μlで反応を終了させる(1プレート当たり125IcAMP100μL:検出緩衝液11ml)。
・ プレートを再び密封し、3時間にわたって暗所でインキュベートし、抗−cAMP抗体(ウェルをコーティングしている)、[125I]−cAMPトレーサーおよび細胞内cAMPの間を平衡にする。
・ プレートを、適当なECADA互換プロトコル(プロトコル75)を用いてPackard Topcount NXT上でカウントする。
凍結アンプルの復活
液体窒素からアンプルを取り出し、トラップされたガスまたは液体がアンプルを急速に膨張させ破裂させることがあるため、2分にわたってアンプルを平衡化させる。アンプルを、解凍する前に2分にわたって−20℃にて置くこともできる。水浴中で37℃にてアンプルを迅速かつ完全に解凍する。
細胞懸濁液を、10mLの成長培地を含有する75cmのフラスコに移し、37℃、5%COにて24時間にわたってインキュベートする。細胞接着後(3〜6時間)、培地を除去して新鮮な培地で置き換える(DMSOを除去するために)。24時間後、コンフルエントに近づいた場合には、細胞を225cmのフラスコに移す。そうでない場合には、60%コンフルエントになるまで細胞を維持する。
細胞の収集および分割
細胞を金曜日に分割し、月曜日および火曜日のアッセイのための細胞を提供する。週の残りのために必要とされる細胞は月曜日に分割する。
60%コンフルエンスを超えて細胞を増殖させないことが不可欠であるのは、これが、細胞の増殖性応答に対して有害な影響を有し、その後に、アッセイにおいて機能する細胞の能力に影響を与えるからである。
細胞を225cmのフラスコ(Jumbos)中で増殖させる。細胞に添加されるあらゆる成分は、使用前に37℃まで温めなければならない。
細胞収集
成長培地をフラスコから除去し、細胞を、温かいPBS(Gibco.14040−091)で洗浄して取り出す。
・ 細胞解離緩衝液5mLを細胞に加え、約5分にわたってインキュベーターに入れる。
・ 組織培養プラスチックから残った細胞を取り除くためにフラスコを強く叩く。
・ PBS5mLを細胞に加え、それを使用してフラスコの底部を洗浄する。細胞を、160g(1000rpm)にて5分にわたって遠心分離し、細胞をペレットにする。
・ 上清を捨て、刺激緩衝液5mLを使用して細胞を再懸濁する。トリパンブルー排除アッセイを行い、生細胞数を決定する。
・ 細胞を刺激緩衝液中で希釈し、1×10細胞/mlの濃度とする。
・ 細胞を継代するため、遠心分離ステップを省略し、細胞懸濁液を、培地50mLを含有する新たなT225フラスコに分注する。
分割比率
GH4C1/D2を、1:3〜1:5の間で分割する。
細胞系の凍結保存
さらなる使用のために復活させる自身の細胞の細胞バンクを作成することが不可欠である。
・ 細胞を、前の項に記載されているように収集する。トリパンブルー排除アッセイの後、細胞を、10%DMSOを含有する培地中で希釈し、2〜4×10細胞/mlとする。
・ 細胞を、1mlのアリコートに分割し、直ちに、−80℃にて「Mr Frosty」、(新鮮なIPAを含有する)中で徐々に凍結した後、気相液体窒素保存容器へ移す。(細胞は、2日間まで「Mr Frosty」中で保存することができる)。
凍結後に1つのアンプルを解凍することにより細胞生存率をテストすることが望ましい。70%未満の生存率は、低細胞数およびデブリスの存在に起因する回収に関する問題を引き起こすことがある。
データ分析
データは、ECADAを用いて分析する。
正規化%(プラミペキソールに関して)を、以下の式を介してすべての化合物について作成する:
正規化%=(X−B0)/(Max−B0)×100
式中
X=所与の濃度の試験化合物についての平均総カウント、
B0=最小対照(プラミペキソール0nM)の平均総カウントおよび、
Max=最大対照(プラミペキソール100nM)で得られる平均総カウント
曲線は、nM単位の作動薬の濃度(x)に対して正規化%(y)をプロットすることにより作成することができる。データは、1に制約される傾きを有する非線形回帰を用いて当てはめる。これから、試験化合物についてのEC50および%Emaxが決定される。
アッセイプレートレイアウト(10ポイントEC50):
Figure 2010515769
列1: ウェルA〜D=最大:高対照(細胞+フォルスコリン+100nMプラミペキソール)
ウェルE〜H=最小:低対照(細胞+フォルスコリン+ビヒクル)
列12: ウェルA〜D=最小:低対照(細胞+フォルスコリン+ビヒクル)
ウェルE〜H=最大:高対照(細胞+フォルスコリン+100nMプラミペキソール)
列2〜11:試験化合物の10段階連続希釈(二連で)。列2から列11まで濃度減少する(1000nM〜0.03nM)。最初のプレートではプラミペキソールがC1と置き換わる。
上記に記載されているアッセイを用いると、本発明の化合物はすべて、1000nMより低いEC50として表されるD3受容体における機能的効力およびD2を上回るD3に対する10倍の選択性を示す。
実施例8の化合物は、7.6nMのECとして表されるD3受容体における機能的効力およびD2を上回るD3に対する1315.8倍の選択性を示す。選択性は、D2 EC50値をD3 EC50値で除して計算される。D2 EC50の値が10000を超えた場合、10000の数字を計算で使用した。
本明細書における治療へのすべての言及が、治癒的治療、姑息的治療および予防的治療を包含することは理解されるべきである。
本発明の組合せにおいて使用するのに適している補助的活性剤は、
1)天然に存在するもしくは合成のプロスタグランジンまたはそれらのエステル(本明細書において使用するのに適しているプロスタグランジンは、アルプロスタジル、プロスタグランジンE、プロスタグランジンE、13,14−ジヒドロプロスタグランジンE、プロスタグランジンE、エプロスチノール(eprostinol)、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれているWO−00033825および/または2000年3月14日に出願された米国特許第6,037,346号に記載されているものを包含する天然、合成および半合成のプロスタグランジンならびにそれらの誘導体、PGE、PGE、PGA、PGB、PGFα、19−ヒドロキシPGA、19−ヒドロキシ−PGB、PGE、PGB、19−ヒドロキシ−PGA、19−ヒドロキシ−PGB、PGEα、カルボプロストトロメタミン、ジノプロストトロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト(lipo prost)、ゲメプロスト、メテノプロスト(metenoprost)、スルプロスタン(sulprostune)、チアプロストおよびモキシシレート(moxisylate)を包含する)、
2)α−アドレナリン受容体またはα−受容体またはα−ブロッカーとしても知られているα−アドレナリン作動性受容体拮抗薬化合物(本明細書において使用するのに適している化合物は、そのα−アドレナリン作動性受容体に関する開示が参照により本明細書に組み込まれている1998年6月14日に公開されたPCT出願WO99/30697に記載されているようなα−アドレナリン作動性受容体ブロッカーを包含し、選択的α−アドレナリン受容体またはα−アドレナリン受容体ブロッカーおよび非選択的アドレナリン受容体ブロッカーを包含し、適当なα−アドレナリン受容体ブロッカーは、フェントラミン、メシル酸フェントラミン、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、ダピプラゾール、フェノキシベンザミン、イダゾキサン、エファラキサン(efaraxan)、ヨヒンビン、ラウオルフィアアルカロイド、Recordati15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL89.0591、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキルおよびプラゾシン;米国特許第6,037,346[2000年3月14日]からのα−ブロッカーであるジベナルニン(dibenarnine)、トラゾリン、トリマゾシンおよびジベナルニン;それらの各々が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,188,390号;第4,026,894号;第3,511,836号;第4,315,007号;第3,527,761号;第3,997,666号;第2,503,059号;第4,703,063号;第3,381,009号;第4,252,721号および第2,599,000号に記載されているα−アドレナリン作動性受容体を包含し、α−アドレナリン受容体ブロッカーは、場合によりピルキサミン(pirxamine)などの強心剤の存在下で、クロニジン、パパベリン、塩酸パパベリンを包含する)、
3)NO−ドナ−(NO−作動薬)化合物(本明細書において使用するのに適しているNO−ドナ−化合物は、グリセリルトリニトレート(ニトログリセリンとしても知られている)、イソソルビド5−モノニトレート、イソソルビドジニトレート、ペンタエリスリトールテトラニトレート、エリスリチルテトラニトレート、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、3−モルホリノシドノンイミン、モルシドミン、S−ニトロソ−N−アセチルペニシリアミン(penicilliamine)(SNAP)、S−ニトロソ−N−グルタチオン(SNO−GLU)、N−ヒドロキシ−L−アルギニン、アミルニトレート、リンシドミン、リンシドミンクロロハイドレート、(SIN−1)S−ニトロソ−N−システイン、ジアゼニウムジオレート、(NONOエート)、1,5−ペンタンジニトレート、L−アルギネン(arginene)、ニンジン、タイソウ、モルシドミン、Re−2047、公開PCT出願WO0012075に記載されているようなNMI−678−11およびNMI−937などのニトロシル化マキシシリト(maxisylyte)誘導体を包含するモノ−、ジ−もしくはトリ−ニトレートなどの有機ニトレートまたは有機ニトレートエステルを包含する)、
4)カリウムチャンネルの開口薬または調節薬(本明細書において使用するのに適しているカリウムチャンネルの開口薬/調節薬は、ニコランジル、クロモカリム(cromokalim)、レブクロマカリム、レマカリム、ピナシジル、クリアゾキシド(cliazoxide)、ミノキシジル、カリブドトキシン、グリブリド、4−アミニ(amini)ピリジン、BaClを包含する)、
5)血管拡張薬(本明細書において使用するのに適している血管拡張薬は、ニモデピン(nimodepine)、ピナシジル、シクランデレート、イソクスプリン、クロロプルマジン(chloroprumazine)、ハロペリドール(halo peridol)、Rec15/2739、トラゾドンを包含する)、
6)トロンボキサンA2作動薬、
7)CNS活性剤、
8)麦角アルコロイド(alkoloids)(適当な麦角アルカロイドは、2000年3月14日に出願された米国特許第6,037,346号に記載されており、アセテルガミン、ブラゼルゴリン、ブロメルグリド、シアネルゴリン(cianergoline)、デルオルゴトリル(delorgotrile)、ジスレルギン、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスレルギン、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メテルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド(propisergide)、プロテルグリドおよびテルグリドを包含する)、
9)中性エンドペプチダーゼの阻害薬などの、ナトリウム利尿因子、特に、心房性ナトリウム利尿因子(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られている)、B型およびC型ナトリウム利尿因子の作用を調節する化合物、
10)エナプリル(enapril)などのアンジオテンシン変換酵素を阻害する化合物およびアンジオテンシン変換酵素とオマパトリラートなどの中性エンドペプチダーゼの組合せ阻害薬、
11)ロサルタンなどのアンジオテンシン受容体拮抗薬、
12)L−アルギニンなどのNO−シンターゼの基質、
13)アムロジピンなどのカルシウムチャンネルブロッカー、
14)エンドセリン受容体の拮抗薬およびエンドセリン変換酵素の阻害薬、
15)スタチン(例えば、アトルバスタチン/Lipitor(商標))およびフィブレートなどのコレステロール降下薬、
16)抗血小板薬および抗血栓薬、例えば、tPA、uPA、ワーファリン、ヒルジンおよび他のトロンビン阻害薬、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子阻害薬、
17)レズリンなどのインスリン抵抗性改善薬およびグリピジドなどの血糖降下薬、
18)L−DOPAまたはカルビドパ、
19)ドネジピル(donezipil)などのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、
20)ステロイド性または非ステロイド性抗炎症薬、
21)エストロゲン受容体調節薬および/またはエストロゲン作動薬および/またはエストロゲン拮抗薬、好ましくは、ラロキシフェンまたはラソフォキシフェン、その調製がWO96/21656に詳述されている(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールおよび薬学的に許容できるその塩、
22)PDE阻害薬、より詳細には、PDE2、3、4、5、7または8阻害薬、好ましくは、PDE2またはPDE5阻害薬、最も好ましくは、PDE5阻害薬(本明細書の以下を参照)(前記阻害薬は、100nM未満のそれぞれの酵素に対するIC50を有することが好ましい(ただし、PDE3および4阻害薬は、局所的に、またはペニスへの注射によってのみ投与される)、
23)血管作用性小腸タンパク質(VIP)、VIPミメティック、VIP類似体、より詳細には、VIP受容体サブタイプVPAC1、VPACまたはPACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)のうちの1種または複数、VIP受容体作動薬またはVIP類似体(例えば、Ro−125−1553)またはVIP断片のうちの1種または複数、α−アドレナリン受容体拮抗薬とVIPの組合せ(例えば、インヴィコープ(Invicorp)、アビプタジル)のうちの1種または複数により仲介されるもの、
24)メラノタンII、PT−14、PT−141またはWO−09964002、WO−00074679、WO−09955679、WO−00105401、WO−00058361、WO−00114879、WO−00113112、WO−09954358号において特許請求の範囲に記載されている化合物などのメラノコルチン受容体の作動薬もしくは調節薬またはメラノコルチンエンハンス、
25)セロトニン受容体の作動薬、拮抗薬または調節薬、より詳細には、WO−09902159、WO−00002550および/またはWO−00028993に記載されているものを包含する5HT1A(VML 670を包含する)、5HT2A、5HT2C、5HT3および/または5HT6受容体の作動薬、拮抗薬または調節薬、
26)テストステロン補充剤(デヒドロアンドロステンジオンを包含する)、テストステルノン(testosternone)(トストレル(Tostrelle))、ジヒドロテストステロンまたはテストステロンインプラント、
27)エストロゲン、エストロゲンおよびメドロキシプロゲステロンもしくは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)(すなわち、組合せとして)、またはエストロゲンおよびメチルテストステロンホルモン補充療法剤(例えば、HRT、特に、プレマリン、セネスチン、エストロフェミナール(Oestrofeminal)、エクイン(Equin)、エストレース、エストロフェム、エレステソロ(Elleste Solo)、エストリング、エストラデルム(Eastraderm)TTS、エストラデルムマトリックス、デルメストリル(Dermestril)、プリンフェーゼ、プレンプロ、プレンパク(Prempak)、プレミク(Premique)、エストラテスト、エストラテストHS、チボロン)、
28)ブプロピオン、GW−320659などの、ノルアドレナリン、ドーパミンおよび/またはセロトニンのトランスポーターの調節薬、
29)プリン作動性受容体の作動薬および/または調節薬、
30)WO−09964008に記載されているものを包含する、ニューロキニン(NK)受容体拮抗薬、
31)オピオイド受容体の作動薬、拮抗薬または調節薬、好ましくは、ORL−1受容体の作動薬、
32)オキシトシン/バソプレシン受容体の作動薬または調節薬、好ましくは、選択的なオキシトシンの作動薬または調節薬、
33)カンナビノイド受容体の調節薬、
34)SEP阻害薬(SEPi)、例えば、100ナノモル未満、より好ましくは、50ナノモル未満にIC50を有するSEPiを包含する。
本発明によるSEP阻害薬は、中性エンドペプチダーゼNEP EC 3.4.24.11およびアンジオテンシン変換酵素(ACE)を上回る30倍を超えるSEPに対する選択性を有することが好ましく、50倍を超えることがより好ましい。SEPiは、エンドセリン変換酵素(ECE)を上回る100倍を超える選択性を有することが好ましい。
本発明に従って使用することができる特許および特許出願に含有されている化合物への本明細書における相互参照により、我々は、特許請求の範囲(特に、請求項1の)および具体例(それらはすべて、参照により本明細書に組み込まれている)において定義されているような治療的に活性な化合物を意味している。
本発明の式(I)、(Ia)および(Ib)の選択的D3作動薬は、特に疼痛の治療において、別の薬理学的に活性な化合物、または、2種以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。例えば、選択的D3作動薬、特に、上記で定義されている式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物は、
・ オピオイド鎮痛薬、例えば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、レボルファノール、レバロルファン、メサドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンまたはペンタゾシン、
・ 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル(diflusinal)、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ミロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen)、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルプタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダク、トルメチンまたはゾメピラク、
・ バルビツール系鎮静薬、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メフォバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントパルビタール、フェノバルチタール(phenobartital)、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール(theamylal)またはチオペンタール、
・ 鎮静作用を有するベンゾジアゼピン系薬、例えば、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸塩、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパムまたはトリアゾラム、
・ 鎮静作用を有するH拮抗薬、例えば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミンまたはクロルシクリジン、
・ グルテチミド、メプロバメート、メタカロンまたはジクロルアルフェナゾン(dichloralphenazone)などの鎮静薬、
・ 骨格筋弛緩薬、例えば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモールまたはオルフレナジン(orphrenadine)、
・ NMDA受容体拮抗薬、例えば、NR2B拮抗薬、例えば、イフェンプロジル、トラキソプロジルまたは(−)−(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンを包含する、デキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)もしくはその代謝産物デキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン(quinine)、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231(MorphiDex(登録商標)、モルヒネとデキストロメトルファンの複合製剤)、トピラメート、ネラメキサンまたはペルジンホテル、
・ α−アドレナリン作動薬、例えば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グァンファシン、デクスメタトミジン(dexmetatomidine)、モダフィニルまたは4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタン−スルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン、
・ 三環系抗うつ薬、例えば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリンまたはノルトリプチリン、
・ 抗痙攣薬、例えば、カルバマゼピン、ラモトリジン、トピラトメート(topiratmate)またはバルプロ酸塩、
・ タキキニン(NK)拮抗薬、特に、NK−3、NK−2またはNK−1拮抗薬、例えば、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタントまたは3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S)、
・ ムスカリン性拮抗薬、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム(tropsium)、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリンおよびイプラトロピウム、
・ COX−2選択的阻害薬、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、またはルミラコキシブ、
・ コールタール鎮痛薬、特に、パラセタモール、
・ ドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン(balaperidone)、パリンドール(palindore)、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント、Miraxion(登録商標)またはサリゾタンなどの神経遮断薬、
・ バニロイド受容体作動薬(例えば、レジンフェラトキシン(resinferatoxin))または拮抗薬(例えば、カプサゼピン)、
・ プロプラノロールなどのβ−アドレナリン作動薬、
・ メキシレチンなどの局所麻酔薬、
・ デキサメタゾンなどのコルチコステロイド、
・ 5−HT受容体作動薬または拮抗薬、特に、エレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンまたはリザトリプタンなどの5−HT1B/1D作動薬、
・ R(+)−α−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907)などの5−HT2A受容体拮抗薬、
・ イスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)またはニコチンなどのコリン作動性(ニコチン性)鎮痛薬、
・ Tramadol(登録商標)、
・ ガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)−プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸などのα−2−δリガンド、
・ カンナビノイド、
・ 代謝型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluR1)拮抗薬、
・ セルトラリン、セルトラリン代謝産物デメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンデスメチル代謝産物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝産物デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン(cyanodothiepin)、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミンおよびトラゾドンなどのセロトニン再取り込み阻害薬、
・ マプロチリン、ロフェプラミン、ミルタゼピン(mirtazepine)、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン(buproprion)、ブプロプリオン代謝産物ヒドロキシブプロプリオン(hydroxybuproprion)、ノミフェンシンおよびビロキサジン(Vivalan(登録商標))、特に、レボキセチン、特に、(S,S)−レボキセチンなどの選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬などのノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害薬、
・ ベンラファキシン、ベンラファキシン代謝産物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、ミルナシプランおよびイミプラミンなどのデュアルセロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、
・ S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4、4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル;2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジン、またはグアニジノエチルジスルフィドなどの誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害薬、
・ ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、
・ N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドまたは4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸などのプロスタグランジンEサブタイプ4(EP4)拮抗薬、
・ 1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸(ONO−4057)またはDPC−11870などのロイコトリエンB4拮抗薬、
・ ジロートン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)、または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル),1,4−ベンゾキノン(CV−6504)などの5−リポキシゲナーゼ阻害薬、
・ リドカインなどのナトリウムチャンネルブロッカー、
・ オンダンセトロンなどの5−HT3拮抗薬、
ならびに薬学的に許容できるそれらの塩および溶媒和物から選択される1種または複数の薬剤と組み合わせて、同時に、順次にまたは個別に投与することができる。
活性剤の組合せが投与される場合、それらは、同時に、個別にまたは順次に投与することができる。
補助剤−PDE5阻害薬
任意の特定のcGMP PDE5阻害薬の適合性は、文献の方法を用いてその効力および選択性を評価し、続いて、標準的な薬学的実践に従ってその毒性、吸収、代謝、薬物動態などを評価することにより容易に決定することができる。
cGMP PDE5阻害薬のIC50値は、PDE5アッセイ(本明細書で以下を参照)を用いて決定することができる。
本発明による医薬組合せにおいて使用されるcGMP PDE5阻害薬は、PDE5酵素に選択的であることが好ましい。(経口的に使用される場合)、それらは、PDE3を上回って、より好ましくは、PDE3およびPDE4を上回って選択的であることが好ましい。(経口の場合)、本発明のcGMP PDE5阻害薬は、PDE3を上回って、より好ましくは、PDE3およびPDE4を上回って、100を超える選択性比率を有することが好ましく、300を超えることがより好ましい。
選択性比率は、当業者により容易に決定することができる。PDE3およびPDE4酵素に対するIC50値は、確立された文献の方法(S A Ballard他、Journal of Urology、1998、vol.159、2164〜2171ページを参照)を用い、本明細書で後に詳述されるように決定することができる。
本発明に従って使用するのに適しているcGMP PDE5阻害薬は、
EP−A−0463756に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、EP−A−0526004に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、公開国際特許出願WO93/06104に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、公開国際特許出願WO93/07149に開示されている異性体のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、公開国際特許出願WO93/12095に開示されているキナゾリン−4−オン、公開国際特許出願WO94/05661に開示されているピリド[3,2−d]ピリミジン−4−オン、公開国際特許出願WO94/00453に開示されているプリン−6−オン、公開国際特許出願WO98/49166に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、公開国際特許出願WO99/54333に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、EP−A−0995751に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン、公開国際特許出願WO00/24745に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、EP−A−0995750に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン、公開国際出願WO95/19978に開示されている化合物、公開国際出願WO99/24433に開示されている化合物および公開国際出願WO93/07124に開示されている化合物、公開国際出願WO01/27112に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、公開国際出願WO01/27113に開示されているピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、EP−A−1092718に開示されている化合物ならびにEP−A−1092719に開示されている化合物を包含する。
本発明に従って使用するのに適している他のPDE5阻害薬は、
1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)(EP−A−0463756を参照)、5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照)、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO98/49166を参照)、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照)、3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られている(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO 99/54333を参照)、1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例8を参照)、5−[2−イソ−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例15を参照)、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例66を参照)、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例124を参照)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例132を参照)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351)、すなわち公開国際出願WO95/19978の実施例78および95の化合物、ならびに実施例1、3、7および8の化合物、1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られている2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、すなわち公開国際出願WO99/24433の実施例20、19、337および336の化合物、および公開国際出願WO93/07124(EISAI)の実施例11の化合物、ならびにRotella D P、J.Med.Chem.、2000、43、1257からの化合物3および14を包含する。
さらに他の適当なPDE5阻害薬は、
4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン、1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミオノ(amiono)]−6−クロロ−2−キノゾリニル(quinozolinyl)]−4−ピペリジン−カルボン酸、一ナトリウム塩、(+)−シス−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペンタ−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4(3H)−オン、フラズロシリン(furazlocillin)、シス−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペンタ[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン、3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート、3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート、4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)−ピリダジノン、I−メチル−5(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、ファーマプロジェクツ(Pharmaprojects)No.4516(Glaxo Wellcome)、ファーマプロジェクツ No.5051(Bayer)、ファーマプロジェクツ No.5064(Kyowa Hakko;WO96/26940を参照)、ファーマプロジェクツ No.5069(Schering Plough)、GF−196960(Glaxo Wellcome)、E−8010およびE−4010(Eisai)、Bay−38−3045および38−9456(Bayer)ならびにSch−51866を包含する。
式(I)の化合物は、単独で投与することができるが、一般的には、意図する投与経路および標準的な薬学的実践に関して選択される適当な医薬賦形剤、希釈剤または担体との混合物で投与される。
したがって、本発明は、慢性疼痛および/または侵害受容性疼痛を治療するための式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物および薬学的に許容できる希釈剤または担体を含む組成物の使用を提供する。
例えば、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、即時放出、遅延放出、調節放出、持続放出、パルス放出または制御放出の適用にて、矯味剤または着色剤を含有することがある錠剤、カプセル剤、膣坐剤、エリキシル剤、液剤または懸濁剤の形態で、経口的に、口腔に、または舌下で投与することができる。
そのような錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウムおよびグリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複雑なケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの造粒結合剤を含有することがある。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの滑沢剤が包含されることがある。
類似のタイプの固体組成物も、ゼラチンカプセル剤における充填剤として用いられることがある。これに関する好ましい賦形剤は、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールを包含する。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤の場合、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物を、様々な甘味剤もしくは矯味剤、着色物質または色素と、乳化剤および/または懸濁化剤と、ならびに水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン、ならびにそれら組合せなどの希釈剤と組み合わせることがある。
式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、非経口的に、例えば、静脈内に、動脈内に、腹腔内に、髄腔内に、脳室内に、尿道内に、胸骨内に、頭蓋内に、筋肉内に、または皮下にも投与することもでき、または、それらを、注入技法により投与することができる。そのような非経口投与の場合、それらは、他の物質、例えば、血液と等張な溶液を作成するのに十分な塩またはグルコースを含有することがある滅菌水溶液の形態で使用するのが最も良い。水溶液は、必要な場合に、適当に緩衝されて(好ましくは、3〜9のpHまで)いなければならない。滅菌条件下の適当な非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的な薬学的技法により容易に行うことができる。
式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、鼻腔内に、または吸入により、典型的には、乾燥粉末インヘイラーから乾燥粉末(単独で、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドにおける混合物として、または、例えば、リン脂質と混合された混合成分粒子として)の形態で、またはジクロロフルオロメタンなどの適当な噴射剤を使用して、または使用しないで、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、細かい霧を発生するための電気流体力学を用いるアトマイザー)、もしくはネブライザーからのエアゾールスプレーとして投与することができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、例えば、エタノール(場合により、水性エタノール)、または活性物質を分散、可溶化、もしくは延長放出するのに適している代替試剤、溶媒としての1種または複数の噴射剤およびソルビタントリオレエートまたはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む活性化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末または懸濁液製剤における使用に先立って、薬物製品は、吸入による送達に適しているサイズ(典型的には、5ミクロン未満)まで微粉化される。これは、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を生成するための超臨界流体プロセシング、高圧均質化、または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法により行うことができる。
細かい霧を発生するための電気流体力学を用いるアトマイザーにおいて使用するのに適している溶液製剤は、1動作につき本発明の化合物1μg〜10mgを含有することがあり、動作容積は、1μlから100μlまで変化することがある。典型的な製剤は、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことがある。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒は、グリセロールおよびポリエチレングリコールを包含する。
インヘイラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのカプセル剤、ブリスター剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)は、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの動作調整剤の粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、即時放出および/または調節放出となるように製剤化することができる。
あるいは、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、坐剤または膣坐剤の形態で投与することができ、または、それらは、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏または散布剤の形態で局所的に塗布することができる。式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、経皮的(dermally)または経皮的(transdermally)に、例えば、皮膚パッチの使用により投与することもできる。それらは、肺または直腸経路により投与することもできる。
それらは、眼経路により投与することもできる。眼科使用の場合、化合物は、等張性のpH調整した滅菌食塩水中の微粉末化された懸濁剤として、または、好ましくは、場合により塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium)などの保存剤との組合せで、等張性のpH調整した滅菌食塩水中の液剤として製剤化することができる。あるいは、それらを、ワセリンなどの軟膏に製剤化することがある。
皮膚への局所的な塗布の場合、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、例えば、以下の鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水のうちの1つまたは複数との混合物中に懸濁または溶解されている活性化合物を含有する適当な軟膏として製剤化することができる。あるいは、それらは、例えば、以下の鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルデカノール、ベンジルアルコールおよび水のうちの1つまたは複数の混合物中に懸濁または溶解されている適当なローションまたはクリームとして製剤化することができる。
式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物は、シクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接錯体および非包接錯体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン錯体の形成は、薬物分子の溶解性、溶解速度、生物学的利用能および/または安定性特性を変えることがある。薬物−シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路にとって一般的に有用である。薬物との直接錯体化の代替法として、シクロデキストリンを、補助添加剤、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として使用することができる。α−、β−およびγ−シクロデキストリンが最も一般的に使用され、適当な例は、WO−A−91/11172、WO−A−94/02518およびWO−A−98/55148に記載されている。
本発明を、以下の非限定的な実施例によりさらに例示する:
本発明を、以下の略語および定義を使用する以下の非限定的な実施例により例示する:
α 587nmにおける旋光度
Arbocel(登録商標) 濾過剤
b 幅広い
Boc tert−ブトキシカルボニル
CDCl クロロホルム−d1
CDOD メタノール−d4
δ ケミカルシフト
d 二重線
dd 二重の二重線
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
h 時間
HCl 塩化水素
LRMS 低分解能マススペクトル
m 多重線
m/z マススペクトルピーク
min 分
Mpt 融点
NaOH 水酸化ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
q 四重線
s 一重線
t 三重線
Tf トリフルオロメタンスルホニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
融点は、20℃/分の加熱速度にてPerkin Elmer DSC7を用いて決定した。
X線回折データは、BRUKER AXS SMART−APEX CCD領域検出器回折計(MO Kα照射)を使用して室温にて記録した。強度は、いくつかの一連の露光から積分した。各露光は、60秒の露光時間で、ω単位で0.3゜をカバーし、トータルデータセットは、球を超えていた。
(実施例1)
2−アミノ−1−(3−メトキシフェニル)エタノール
Figure 2010515769
THF(150ml)中の3−メトキシベンズアルデヒド(27.2g、0.2モル)を、室温にて3N HCl(水性)(150ml、0.3モル)および亜硫酸ナトリウム(37.8g、0.3モル)の攪拌した溶液に加えた。10分後、シアン化カリウム(19.53g、0.3モル)を少量ずつ加え、次いで、反応混合物を30分にわたって攪拌した。ジエチルエーテル(800ml)および水(300ml)を加え、その結果生じた層を分配した。水層をジエチルエーテル(500ml)で再抽出し、有機物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで、真空中で濃縮すると、無色の油としてシアノヒドリン中間体が得られた(35.57g、0.22モル、>100%)。次いで、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)(400ml、0.4モル)を、THF(100ml)中のシアノヒドリンに注意深く加えた。発泡が止んだらすぐに、窒素雰囲気下で1.5時間にわたって還流状態で攪拌を続けた。反応混合物を冷却し、次いで、メタノール(40ml)でクエンチした後、真空中で濃縮すると、無色の油が得られた。6M HCl(水性)(200ml)を加え、反応物を2時間にわたって還流状態で攪拌した後、真空中で濃縮すると、白色の固体が得られた。これをシリカ上に予め吸収させ、次いで、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア(90:10:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油として表題化合物(31.3g、0.19モル、94%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.60(bs,2H)、2.80(dd,1H)、3.02(dd,1H)、3.46(s,1H)、3.81(s,3H)、4.60(dd,1H)、6.81(d,1H)、6.91(d,1H)、6.93(s,1H)、7.22(t,1H)。LRMS:m/z 168(M−H)。分析実測値 C,56.66;H,8.28;N,6.91%。C13NO 1.33HOの計算値 C,56.33;H,8.27;N,7.30%。
(実施例2)
N−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)エチル]プロピオンアミド
Figure 2010515769
トリエチルアミン(52ml、0.37モル)を、ジクロロメタン(400ml)中の実施例1からのアミン(31.3g、0.19モル)に加え、反応混合物を、10分にわたって0℃にて窒素ガス雰囲気下で攪拌した。塩化プロピオニル(16.3ml、0.19モル)を加え、30分にわたって攪拌した後、反応温度をさらに5時間にわたって室温まで上げた。反応混合物を1N HCl(水性)(100ml)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。有機分画を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、無色の油として表題化合物が得られ、放置すると結晶化して白色の結晶になった(28g、0.13モル、67%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.18(t,3H)、2.22(q,2H)、2.51(bs,1H)、3.31(m,1H)、3.71(dd,1H)、3.80(s,3H)、4.81(m,1H)、5.95(bs,1H)、6.80(d,1H)、6.90(d,1H)、6.91(s,1H)、7.22(t,1H)。LRMS:m/z 224。Mpt:77〜78℃。分析実測値 C,63.86;H,7.82;N,6.28%。C1217NO 0.1HOの計算値 C,64.04;H,7.70;N,6.22%。
(実施例3)
1−(3−メトキシフェニル)−2−プロピルアミノエタノール
Figure 2010515769
ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)(376ml、0.4モル)を、乾燥THF(100ml)中の実施例2からのアミド(28g、0.13モル)に加え、次いで、反応混合物を窒素ガス雰囲気下で攪拌し、2.5時間にわたって還流させた。反応混合物を冷却し、次いで、メタノール(40ml)でクエンチした後、真空中で濃縮すると、不透明な白色の油が得られた。6N HCl(水性)(200ml)を加え、反応物を2時間にわたって還流状態で攪拌した。反応混合物を冷却し、次いで、ジクロロメタン(200ml)を加え、層を分離した。水層を、炭酸カリウムを加えることにより塩基性とし、次いで、ジクロロメタン(2×200ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、無色の油として表題化合物が得られ、放置すると結晶化して無色の結晶(15.3g、0.07モル、59%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.93(t,3H)、1.62(q,2H)、2.71(q,2H)、2.81(t,2H)、3.00(d,1H)、3.80(s,3H)、4.30(bs,1H)、4.89(d,1H)、6.81(d,1H)、6.91(d,1H)、6.93(s,1H)、7.22(t,1H)。LRMS:m/z 210。Mpt:50〜51℃。分析実測値 C,67.47;H,9.02;N,6.45%。C1219NO 0.2HOの計算値 C,67.70;H,9.19;N,6.58%。
(実施例4)
2−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)エチル]−N−プロピルアセトアミド
Figure 2010515769
水(180ml)中の水酸化ナトリウム(15.1g、0.38モル)を、ジクロロメタン(500ml)中の実施例3からのアミン(15.8g、0.08モル)に加え、溶液を室温にて激しく攪拌した。次いで、塩化クロロアセチル(7.22ml、0.09モル)を加え、反応混合物をさらに30分にわたって攪拌した。層を分離し、水層をジクロロメタン(200ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、無色の油として表題化合物(17.8g、0.06モル、83%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.62(q,2H)、3.21(q,2H)、3.57〜3.71(m,2H)、3.82(s,3H)、4.01〜4.21(bq,1H)、4.16(s,2H)、5.00(m,1H)、6.82(m,1H)、6.91〜6.99(m,2H)、7.22(m,1H)。LRMS:m/z 286。分析実測値 C,57.38;H,6.95;N,4.67%。C1420NOCl0.33HOの計算値 C,57.64;H,7.14;N,4.80%。
(実施例5)
6−(3−メトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン−3−オン
Figure 2010515769
水酸化カリウム(4.2g、0.07モル)、イソプロピルアルコール(500ml)および実施例4からのアミド(17.8g、0.06モル)を、2時間にわたって不透明な溶液として水(15ml)と一緒に攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、黄色の残渣を酢酸エチル(200ml)に溶かした。これを水(200ml)、次いで、食塩水(200ml)で分配した。有機分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黄色の油として表題化合物(15.8g、0.06モル、100%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.62(m,2H)、3.36(m,2H)、3.51(q,2H)、3.81(s,3H)、4.30〜4.62(bq,2H)、4.79(d,1H)、6.85(d,1H)、6.91(d,1H)、6.95(s,1H)、7.29(t,1H)。LRMS:m/z 272。分析実測値 C,66.80;H,7.78;N,5.52%。C1419NO 0.1HOの計算値 C,66.96;H,7.71;N,5.58%。
(実施例6)
2−(3−メトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)(200ml、0.19モル)を、30分かけて、窒素雰囲気下で乾燥THF(100ml)中の実施例5からのモルホリン−3−オン(15.8g、0.06モル)に滴加した。反応混合物を3時間にわたって還流させ、次いで、冷却し、メタノール(30ml)を加えることによりクエンチした。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、無色の残渣を4N HCl(水性)(400ml)に注意深く懸濁した後、2.5時間にわたって還流した。反応混合物を冷却し、ジクロロメタン(200ml)を加えた。層を分離し、水層を炭酸カリウムを加えることにより塩基性とした後、ジクロロメタン(3×100ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、無色の油として表題化合物(12.51g、0.05モル、84%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.59(q,2H)、2.05(t,1H)、2.23(t,1H)、2.40(t,2H)、2.81(d,1H)、2.98(d,1H)、3.80(s,3H)、3.85(t,1H)、4.05(d,1H)、4.60(d,1H)、6.81(d,1H)、6.91(d,1H)、7.21(t,1H)、7.23(s,1H)。LRMS:m/z 236。分析実測値 C,68.94;H,8.80;N,5.79%。C1421NO 0.5HOの計算値 C,68.82;H,9.08;N,5.73%。
(実施例7A)
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
(実施例7B)
S−(+)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
臭化水素酸(250ml)および実施例6からのアニソール(8.62g、0.03モル)を1時間にわたって一緒に還流状態まで加熱した。冷却した後、反応混合物を水(100ml)で希釈し、次いで、NHOH(20ml)を加えることにより中和した。次いで、黄色の不透明な溶液をジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黄色の油として表題化合物のラセミ混合物(7.78g、0.03モル、96%)が得られた。エナンチオマーを、ヘキサン:イソプロピルアルコール:ジエチルアミン(70:30:0.05)で溶出するキラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD 25020mmカラム)により分離すると、エナンチオマー1(ee>99.5%)およびエナンチオマー2(ee>99%)が得られた。各エナンチオマーを、ジクロロメタン:メタノール(95:5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油としてエナンチオマー1(7a)(3.02g、0.014モル、39%)およびエナンチオマー2(7b)(3.15g、0.014モル、40%)が得られた。エナンチオマー1(7a):H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.60(q,2H)、2.13(t,1H)、2.31(t,1H)、2.41(t,2H)、2.85(d,1H)、3.02(d,1H)、3.90(t,1H)、4.02(dd,1H)、4.60(d,1H)、6.78(d,1H)、6.80(s,1H)、6.91(d,1H)、7.20(t,1H)。LRMS:m/z 222(M−H)。エナンチオマー2(7b):H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.60(q,2H)、2.13(t,1H)、2.31(t,1H)、2.41(t,2H)、2.85(d,1H)、3.02(d,1H)、3.90(t,1H)、4.02(dd,1H)、4.60(d,1H)、6.78(d,1H)、6.80(s,1H)、6.91(d,1H)、7.20(t,1H)。LRMS:m/z 222(M−H)。
(実施例8)
R−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール塩酸塩
Figure 2010515769
実施例7のエナンチオマー1(7a)(3.00g、0.014モル)をジエチルエーテル(180ml)に溶かし、塩化水素(ジエチルエーテル中2.0M溶液)(10ml)を加えた。反応混合物を30分にわたって室温にて攪拌し、次いで、溶媒をデカントして真空中で乾燥すると、白色の固体として表題化合物(3.115g、0.012モル、90%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.06(t,3H)、1.81(m,2H)、3.02(t,1H)、3.16(t,2H)、3.20(t,1H)、3.60(t,2H)、4.01(t,1H)、4.26(d,1H)、4.71(d,1H)、6.78(d,1H)、6.82(s,1H)、6.83(d,1H)、7.21(t,1H)。LRMS:m/z 222(M−H)。分析実測値 C,59.74;H,7.98;N,5.25%。C1319NO 0.18HOの計算値 C,59.82;H,7.86;N,5.37%。α=−5.66°(メタノール 10.6mg/10ml)。
表題化合物のサンプルを、メタノール:ジエチルエーテル混合物を用いる蒸気拡散により再結晶し、X線結晶構造を得た。表題化合物の絶対的立体化学は、Flackの方法(Acta Cryst.1983、439、876〜881)により回折データから決定し、(R)−配置を有することが分かった。
(実施例9)
2−アミノ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノール
Figure 2010515769
3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(5.00g、0.03モル)から出発して実施例1と同じ方法に従って調製した。6M HCl(水性)中で還流した後、反応混合物を冷却し、ジエチルエーテル(2×80ml)で抽出した。有機層を捨て、水層を、炭酸カリウムを加えることにより塩基性化した。次いで、水性残渣を酢酸エチル(3×70ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、淡黄色の油として表題化合物(3.47g、0.018モル、59%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:2.77〜2.86(m,2H)、3.78(s,6H)、4.60(m,1H)、6.38(s,1H)、6.52(s,2H)。LRMS:m/z 198(M−H)。
(実施例10)
N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド
Figure 2010515769
実施例9におけるアミン(3.41g、0.017モル)から出発して実施例2と同じ方法に従って調製した。粗反応混合物を、ジクロロメタン:メタノール(95:5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、明るい黄色の油として表題化合物(3.08g、0.012モル、70%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.18(m,3H)、2.24(m,2H)、3.34(m,1H)、3.68(m,1H)、3.81(s,6H)、4.80(dd,1H)、5.95(bs,1H)、6.39(s,1H)、6.51(s,2H)。LRMS:m/z 252(M−H)。
(実施例11)
1−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロピルアミノエタノール
Figure 2010515769
実施例10におけるアミド(3.06g、0.012モル)から出発して実施例3についての方法に従って調製すると、オレンジ色の油として表題化合物(2.72g、0.011モル、94%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.56(m,2H)、2.61(m,2H)、2.77(d,2H)、3.78(s,6H)、4.70(t,1H)、6.38(s,1H)、6.51(s,2H)。LRMS:m/z 240(M−H)。
(実施例12)
2−クロロ−N−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−プロピルアセトアミド
Figure 2010515769
実施例11におけるアミン(2.70g、0.011モル)から出発して実施例4と同じ方法に従って調製すると、黄色の油として表題化合物(3.56g、0.011モル、100%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.92(t,3H)、1.61(m,2H)、3.20(m,2H)、3.51〜3.64(m,2H)、3.80(d,6H)、4.13(s,2H)、4.95(m,1H)、6.40(m,1H)、6.55(s,2H)。LRMS:m/z 316(M−H)。
(実施例13)
6−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン−3−オン
Figure 2010515769
実施例12におけるアミド(3.54g、0.011モル)から出発して実施例5と同じ方法に従って調製すると、黄色の油として表題化合物(2.44g、0.009モル、78%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(t,3H)、1.61(m,2H)、3.30(m,2H)、3.49(m,2H)、3.80(s,6H)、4.30(d,1H)、4.42(d,1H)、4.73(dd,1H)、6.42(s,1H)、6.53(s,2H)。LRMS:m/z 280(M−H)。
(実施例14)
2−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
実施例13におけるアミド(2.42g、0.009モル)から出発して実施例6についての方法に従って調製した。6M HCl(水性)中で還流した後、冷却した反応混合物をジエチルエーテル(2×80ml)で抽出した。有機層を捨て、水層を、炭酸カリウムを加えることにより塩基性化した。次いで、水性残渣を酢酸エチル(3×80ml)で抽出し、有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで、真空中で濃縮すると、淡いオレンジ色の油として表題化合物(2.14g、0.008モル、93%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.58(m,2H)、2.01(m,1H)、2.22(dt,1H)、2.38(t,2H)、2.83(d,1H)、2.93(d,1H)、3.78(m,7H)、4.01(dd,1H)、4.45(dd,1H)、6.39(s,1H)、6.49(s,2H)。LRMS:m/z 266(M−H)。
(実施例15A)
R−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール
(実施例15B)
S−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール
Figure 2010515769
実施例14における3,5−ジメトキシフェニル化合物(1.00g、0.004モル)から出発して実施例7と同じ経路に従って調製すると、褐色の油として表題ラセミ化合物(145mg、0.61ミリモル、16%)が得られた。エナンチオマーを、ヘキサン:イソプロピルアルコール:(80:20)で溶出するキラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD 25020mmカラム)により分離すると、褐色の油としてエナンチオマー1(15a)(5.2mg)(ee>98.84%)およびエナンチオマー2(15b)(5.1mg)(ee>96.46%)が得られた。エナンチオマー1(15a):H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.58(m,2H)、2.01(t,1H)、2.20(dt,1H)、2.37(t,2H)、2.81〜2.92(m,2H)、3.89(dt,1H)、3.99(dd,1H)、4.38(dd,1H)、6.18(t,1H)、6.26(s,2H)。LRMS:m/z 238(M−H)。エナンチオマー2(15b):H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.58(m,2H)、2.01(t,1H)、2.20(dt,1H)、2.38(t,2H)、2.80〜2.92(q,2H)、3.78(dt,1H)、3.98(dd,1H)、4.38(dd,1H)、6.18(s,1H)、6.25(s,2H)。LRMS:m/z 238(M−H)。
(実施例16)
4−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド
Figure 2010515769
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)メタノール(5.00g、0.03モル)および二酸化マンガン(33.4g、0.38モル)を、16時間にわたって穏やかな還流状態で窒素雰囲気下、ジクロロメタン(100ml)中で攪拌した。次いで、冷却した反応混合物をアルバセル(arbacel)に通して濾過して真空中で濃縮すると、白色の固体として表題化合物(4.18g、0.027モル、85%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:3.96(s,3H)、7.23(d,1H)、7.43(m,1H)、7.50(d,1H)9.91(s,1H)。Mpt:61〜63℃。分析実測値 C,62.18;H,4.54%。CFOの計算値 C,62.34;H,4.58%。
(実施例17)
2−アミノ−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エタノール
Figure 2010515769
4−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド(4.17g、0.03モル)から出発して実施例1と同じ方法に従って調製した。6N HCl(水性)中で還流した後、反応混合物を冷却し、ジエチルエーテル(2×60ml)で抽出した。有機層を捨て、水層を炭酸カリウムを加えることにより塩基性化した。次いで、水性残渣を酢酸エチル(3×80ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、オレンジ色の油として表題化合物(2.36g、0.013モル、47%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:2.80〜2.91(m,2H)、3.86(s,3H)、4.64(m,1H)、6.89(m,1H)、7.03(t,1H)、7.11(dd,1H)。LRMS:m/z 186(M−H)。
(実施例18)
N−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド
Figure 2010515769
実施例17からのアミン(1.32g、0.007モル)から出発して実施例2と同じ方法に従って調製した。粗反応混合物を、酢酸エチル:ペンタン(2:1)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、黄色の油として表題化合物が得られ、放置すると結晶化した(0.59g、0.002モル、35%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.18(t,3H)、2.24(q,2H)、2.58(bs,1H)、3.34(m,1H)、3.63(m,1H)、3.88(s,3H)、4.82(dd,1H)、5.98(bs,1H)、6.82(m,1H)、7.01(m,2H)。LRMS:m/z 242(M−H)。
(実施例19)
1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2−プロピルアミノエタノール
Figure 2010515769
実施例18からのアミド(585mg、2.42ミリモル)から出発して実施例3と同じ方法に従って調製した。6M HCl(水性)中で還流した後、反応混合物を冷却し、ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。有機層を捨て、水層を炭酸カリウムを加えることにより塩基性化した。次いで、水性残渣を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、淡黄色の油として表題化合物(448mg、1.97ミリモル、81%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.58(m,2H)、2.63(m,2H)、2.79(d,2H)、3.96(s,3H)、4.77(t,1H)、6.90(m,1H)、7.03(t,1H)、7.11(d,1H)。LRMS:m/z 228(M−H)。
(実施例20)
2−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−プロピルアセトアミド
Figure 2010515769
実施例19からのアミン(0.84g、4.00ミリモル)から出発して実施例4と同じ方法に従って調製すると、黄色の油として表題化合物(0.97g、3.00ミリモル、87%)が得られた。LRMS:m/z 304(M−H)。これは、粗製のままで使用した。
(実施例21)
6−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン−3−オン
Figure 2010515769
実施例20からのアミド(0.96g、3.00ミリモル)から出発して実施例5と同じ方法に従って調製すると、黄色の油として表題化合物(0.64g、2.40ミリモル、75%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(t,3H)、1.62(m,2H)、3.33(m,2H)、3.48(m,2H)、3.91(s,3H)、4.34(d,1H)、4.43(d,1H)、4.76(dd,1H)、6.85(m,1H)、7.01〜7.08(m,2H)。LRMS:m/z 268(M−H)。
(実施例22)
2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
実施例21からのモルホリン−3−オン(633mg、2.37ミリモル)から出発して実施例6と同じ方法に従って調製した。6M HCl(水性)中で還流した後、反応混合物を冷却し、ジエチルエーテル(2×20ml)で抽出した。有機層を捨て、水層を炭酸カリウムを加えることにより塩基性化した。次いで、水性残渣を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黄色の油として表題化合物(552mg、2.18ミリモル、92%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.58(m,2H)、2.02(t,1H)、2.22(dt,1H)、2.38(t,2H)、2.85(d,1H)、2.93(d,1H)、3.80(m,1H)、3.84(s,3H)、4.01(dd,1H)、4.50(dd,1H)、6.88(m,1H)、7.02(t,1H)、7.09(d,1H)。LRMS:m/z 254(M−H)。
(実施例23A)
R−(+)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
(実施例23B)
S−(−)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
実施例22からのアニソール(200mg、0.789ミリモル)から出発して実施例7と同じ方法に従って調製した。粗反応混合物を、ジクロロメタン:メタノール(90:10)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製すると、暗い黄色の粘凋な油として表題ラセミ化合物(149mg、0.62ミリモル、79%)が得られた。エナンチオマーを、ヘキサン:イソプロピルアルコール:(90:10)で溶出するキラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD 25020mmカラム)により分離すると、不透明な油としてエナンチオマー1(23a)(15mg)(ee>99.5%)および結晶性の固体としてエナンチオマー2(23b)(16mg)(ee>99%)が得られた。エナンチオマー1(23a):H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.58(m,2H)、2.01(t,1H)、2.21(dt,1H)、2.37(t,2H)、2.82〜2.97(bq,2H)、3.78(dt,1H)、3.99(dd,1H)、4.43(d,1H)、6.78(m,1H)、6.89〜7.01(m,2H)。LRMS:m/z 240(M−H)。α=+0.91(エタノール 1.10mg/ml)。エナンチオマー2(23b):H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.58(m,2H)、2.01(t,1H)、2.22(dt,1H)、2.38(t,2H)、2.78(dd,2H)、3.78(dt,1H)、4.00(dd,1H)、4.43(dd,1H)、6.78(m,1H)、6.91(d,1H)、6.98(t,1H)。LRMS:m/z 240(M−H)。α=−0.40(エタノール 1.00mg/ml)。
(実施例24)
2−アミノ−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノール
Figure 2010515769
シアン化カリウム(20.15g、0.31モル)および塩化アンモニウム(16.4g、0.31モル)を水(60ml)に溶かし、4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(32.9g、0.155モル)と、続いて、ジエチルエーテル(100ml)を加えた。反応混合物を室温にて48時間にわたって激しく攪拌した後、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黄色の固体としてシアノヒドリン中間体(34.2g、0.14モル、90%)が得られた。次いで、シアノヒドリンを乾燥THF(300ml)に溶かし、ボラン−メチルスルフィド錯体(26.6ml、0.28モル)を加えた。反応混合物を2時間にわたって還流した後、メタノール(50ml)でクエンチした。水(50ml)と、続いて、濃HCl(40ml)を加え、反応混合物を、発熱が治まるまで2時間にわたって攪拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水(100ml)で希釈した。次いで、水溶液を、NHOH(30ml)を加えることにより塩基性化し、酢酸エチル(3×150ml)で抽出した。有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、白色の固体として表題化合物(24.8g、0.10モル、73%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.62(bs,3H)、2.81(dd,1H)、2.99(d,1H)、4.61(q,1H)、5.07(s,2H)、6.95(d,2H)、7.22〜7.45(m,7H)。LRMS:m/z 244(M−H)。
(実施例25)
N−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド
Figure 2010515769
実施例24からのアミン(24.8g、0.10モル)をジクロロメタン(700ml)に溶かし、これにトリエチルアミン(20.86ml、0.15モル)を加えた。反応混合物を攪拌して0℃まで冷却した後、塩化プロピオニル(7.12ml、0.082モル)を滴加した。次いで、反応混合物を16時間かけて室温まで温めた後、3M HCl(水性)(20ml)および水(100ml)でクエンチした。次いで、反応混合物をジクロロメタン(3×200ml)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、澄明で粘稠なゴムとして表題化合物(27.5g、0.092モル、90%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.10(t,3H)、2.19(q,2H)、3.32〜3.43(m,4H)、4.81(s,2H)、5.11(m,1H)、6.99(d,2H)、7.25〜7.42(m,7H)。LRMS:m/z 298(M−H)。
(実施例26)
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロピルアミノエタノール
Figure 2010515769
乾燥THF(100ml)中の実施例25からのアミド(27.5g、0.092モル)に、ボラン−メチルスルフィド錯体(17.5ml、0.18モル)を加え、反応混合物を2時間にわたって還流状態で攪拌した。反応混合物を冷却し、次いで、メタノール(30ml)でクエンチした。水(50ml)および濃HCl(35ml)を加え、反応混合物を、すべての泡立ちが止むまで攪拌した後、真空中で濃縮した。残渣に水(250ml)を加え、NHOH(30ml)を加えることにより塩基性化した。水層を酢酸エチル(3×200ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、白色の固体として表題化合物(26.1g、0.09モル、99%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.58(q,2H)、2.62(m,2H)、2.81(m,2H)、4.72(dd,1H)、5.05(s,2H)、6.95(d,2H)、7.24(m,3H)、7.35(t,2H)、7.41(d,2H)。LRMS:m/z 286(M−H)。
(実施例27)
6−(4−ベンジルオキシフェニル)−4−プロピルモルホリン−3−オン
Figure 2010515769
水(100ml)中の水酸化ナトリウム(22.5g、0.56モル)を、ジクロロメタン(400ml)中の実施例26からのアミン(26.0g、0.09ml)に加え、溶液を室温にて激しく攪拌した。次いで、塩化クロロアセチル(8.6ml、0.11モル)を加え、反応混合物をさらに60分にわたって攪拌した。層を分離し、水層をジクロロメタン(200ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、無色の油が得られた。水酸化カリウム(15.0g、0.27モル)、イロプロピルアルコール(400ml)および無色の油残渣を、2時間にわたって不透明な溶液として水(30ml)と一緒に攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、黄色の残渣を酢酸エチル(200ml)に溶かした。これを、水(200ml)、次いで食塩水(200ml)で分配した。有機分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、白色の固体として表題化合物(19.9g、0.06モル、67%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.62(m,2H)、3.34(m,2H)、3.51(m,2H)、4.32(d,1H)、4.41(d,1H)、4.72(dd,1H)、5.04(s,2H)、6.98(d,2H)、7.31〜7.43(m,7H)。LRMS:m/z 326(M−H)。
(実施例28)
2−(4−ベンジルオキシフェニル)−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
実施例27からのモルホリン−3−オン(19.9g、0.061モル)で実施例26と同じ方法に従って調製すると、無色の油として表題化合物(17g、0.055モル、90%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.55(q,2H)、2.06(t,1H)、2.21(dt,1H)、2.35(dd,2H)、2.80(d,1H)、2.91(d,1H)、3.82(dt,1H)、4.02(dd,1H)、4.52(dd,1H)、5.05(s,2H)、6.98(t,2H)、7.24〜7.42(m,7H)。LRMS:m/z 312(M−H)。
(実施例29)
4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
実施例28からのベンジルエーテル(3.0g、9.64ミリモル)をメタノール(150ml)に溶かし、10%活性炭上パラジウム(800mg)を加えた。反応混合物を数分にわたって攪拌した後、ギ酸アンモニウム(6.17g、96.4ミリモル)を少量ずつ加えた。反応混合物を、気体発生が止むまで、80℃まで注意深く加熱した。冷却した後、反応混合物をアルバセルに通して濾過し、メタノール(50ml)で洗浄して真空中で濃縮すると、白色の結晶性固体として表題化合物(1.51g、6.83ミリモル、71%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.91(t,3H)、1.58(q,2H)、2.10(t,1H)、2.22(t,1H)、2.40(dd,2H)、2.81(d,1H)、2.93(d,1H)、3.85(t,1H)、4.02(dd,1H)、4.57(d,1H)、6.79(d,2H)、7.21(d,2H)。LRMS:m/z 222(M−H)。
(実施例30)
2−ブロモ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
ジクロロメタン(5ml)中の実施例29からのフェノール(200mg、0.9ミリモル)にN−ブロモスクシンイミド(161mg、0.9ミリモル)を加えた。反応混合物を55時間にわたって室温にて攪拌した後、真空中で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(95:5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色の泡として表題化合物(117.5mg、0.39ミリモル、44%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(t,3H)、1.59(q,2H)、2.03(t,1H)、2.23(t,1H)、2.40(t,2H)、2.81(d,1H)、2.98(d,1H)、3.82(t,1H)、4.01(d,1H)、4.56(d,1H)、6.96(d,1H)、7.20(d,1H)、7.49(s,1H)。LRMS:m/z 302(M−H,Br同位体)。
(実施例31)
2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェニル)−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
乾燥DMF(10ml)中の実施例30からのフェノール(117.5mg、0.39ミリモル)に、窒素雰囲気下、炭酸カリウム(75mg、0.54ミリモル)および臭化ベンジル(0.07ml、0.54ミリモル)を加えた。反応混合物を48時間にわたって150℃まで加熱した。冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)の間で分配した。次いで、水層を酢酸エチル(2×20ml)で再抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、褐色の油として粗生成物が得られた。これを、ジクロロメタン:メタノール(98:2)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油として表題化合物(153mg、0.39ミリモル、100%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.93(t,3H)、1.56(q,2H)、2.05(t,1H)、2.25(t,1H)、2.37(t,2H)、2.82(d,1H)、2.92(d,1H)、3.85(t,1H)、4.02(d,1H)、4.52(d,1H)、5.15(s,2H)、6.87(d,1H)、7.20(d,1H)、7.30(d,1H)、7.37(t,2H)、7.45(d,2H)、7.58(s,1H)。LRMS:m/z 392(M−H)。
(実施例32)
2−ベンジルオキシ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)安息香酸メチルエステル
Figure 2010515769
乾燥DMF(4ml)中の実施例31からのブロマイド(153mg、0.39ミリモル)に、トリエチルアミン(2.1ml、0.78ミリモル)およびメタノール(2ml)を加え、反応混合物を5分にわたって攪拌した。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1:1)(16mg、0.02ミリモル)を加えた後、一酸化炭素(g)(3個の膨らんだ風船)を反応混合物に通して泡立てた。次いで、反応混合物を、一酸化炭素雰囲気下で16時間にわたって100℃まで加熱した。冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチル(25ml)と水(20ml)の間で分配した。有機層を分離し、食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黒色の固体が得られた。ジクロロメタン:メタノール:アンモニア(90:10:1)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油として表題化合物(105mg、0.28ミリモル、73%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(t,3H)、1.60(m,2H)、2.18(s,4H)、2.43(m,2H)、3.00(m,2H)、3.90(s,3H)、4.04 d,1H)、5.18(s,2H)、5.97(d,1H)、7.26〜7.47(m,6H)、7.82(s,1H)。LRMS:m/z 370(M−H)。
(実施例33)
2−ベンジルオキシ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)安息香酸
Figure 2010515769
メタノール(5ml)中の実施例32からのメチルエステル(105mg、0.28ミリモル)に10%水酸化ナトリウム(水性)(15ml)を加え、乳状の白色懸濁液を2時間にわたって還流した。無色となった反応混合物を冷却し、次いで、2M HCl(水性)(数滴)を加えることにより中和した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮すると、灰色がかった白色の固体として表題化合物(99mg、0.28ミリモル、100%)が得られた。LRMS:m/z 355(M−H)。この材料は、粗製物のままで実施例34に使用した。
(実施例34)
2−ベンジルオキシ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンズアミド
Figure 2010515769
実施例33からの粗製安息香酸(99mg、0.28ミリモル)に塩化チオニル(5ml)を加え、反応混合物を2時間にわたって50℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、過剰の塩化チオニルを真空中で除去した。次いで、残渣をジクロロメタン(10ml)に溶かし、アンモニア(g)を、10分にわたって反応混合物に通して泡立てた。得られた懸濁液を1時間にわたって室温にて攪拌した後、真空中で濃縮した。粗材料を、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア(95:5:0.5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、灰色がかった白色固体として表題化合物(88mg、0.25ミリモル、90%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(t,3H)、1.59(m,2H)、2.15〜2.42(m,4H)、2.87(m,1H)、3.03(m,1H)、3.96(m,1H)、4.02(d,1H)、4.67(m,1H)、5.19(s,2H)、5.72(m,1H)、7.04(d,1H)、7.41(m,5H)、7.50(d,1H)、7.70(m,1H)、8.21(s,1H)。LRMS:m/z 355(M−H)。
(実施例35)
2−ヒドロキシ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンズアミド
Figure 2010515769
実施例34からのベンジルエステル(80mg、0.22ミリモル)で実施例29と同じ方法を用いて調製すると、灰色がかった白色固体として表題化合物(56mg、0.21ミリモル、96%)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.55(m,2H)、2.13(t,1H)、2.29(t,1H)、2.42(m,2H)、2.88(d,1H)、2.97(d,1H)、3.81(t,1H)、4.00(d,1H)、4.49(d,1H)、6.87(d,1H)、7.42(d,1H)、7.78(s,1H)。LRMS:m/z 265(M−H)。
(実施例36)
2−ニトロ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
実施例29からのフェノール(100mg、0.45ミリモル)を硝酸;水(1:3)(2ml)に溶かし、10分にわたって室温にて攪拌した。次いで、反応混合物を水(5ml)で希釈し、NHOH(1ml)で塩基性化した後、酢酸エチル(3×10ml)中へ抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、黄色の固体として表題化合物(95mg、0.35ミリモル、79%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(t,3H)、1.33(t,2H)、1.43〜1.79(bm,4H)、2.02(d,3H)、4.06(m,2H)、7.17(d,1H)、7.60(d,1H)、8.16(s,1H)、10.55(bs,1H)。LRMS:m/z 267(M−H)。
(実施例37)
2−アミノ−4−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール
Figure 2010515769
エタノール(10ml)中の実施例36からのニトロ(95mg、0.35ミリモル)に、10%活性炭上パラジウム(50mg)およびギ酸アンモニウム(100mg、XS)を加えた。反応混合物を70℃まで緩やかに加熱し、1時間にわたってこの温度にて保った後、室温まで冷却した。次いで、反応混合物をアルバセルに通して濾過し、エタノール(20ml)、次いで、ジクロロメタン(20ml)で洗浄した。有機洗浄液を合わせて真空中で濃縮すると、黄色の固体として表題化合物(65mg、0.28ミリモル、78%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.91(t,3H)、1.55(m,2H)、2.12(t,1H)、2.25(dt,1H)、2.40(t,2H)、2.81〜2.92(dd,2H)、3.82(t,1H)、4.00(d,1H)、4.42(d,1H)、6.60(m,2H)、6.71(s,1H)。LRMS:m/z 237(M−H)。
(実施例38)
5−ブロモ−2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)ピリジン
Figure 2010515769
5−ブロモピリジン−2−イル−アミン(13.8g、0.08モル)、アセトニルアセトン(14.1ml、0.12モル)およびp−トルエンスルホン酸(100mg)をトルエン(180ml)に溶かし、14時間にわたってDean Stark条件下で還流した。冷却した後、褐色の溶液を水(200ml)中に注ぎ、トルエン(2×200ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて食塩水(50ml)で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、粗生成物が得られた。これを、酢酸エチル:ペンタン(1:3)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、褐色の油として表題化合物(18.4g、0.073モル、92%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:2.18(s,6H)、5.90(s,2H)、7.11(d,1H)、7.92(d,1H)、8.62(s,1H)。LRMS:m/z 253(M−H,Br同位体)。
(実施例39)
2−クロロ−1−[6−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]エタノン
Figure 2010515769
乾燥THF(30ml)中の−78℃における実施例38からのブロモピリジン(2g、8.0ミリモル)の溶液に、20分かけてブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(3.5ml 8.8ミリモル)を滴加した。反応混合物を30分にわたって攪拌し、次いで、温度を−78℃に保ちながら、乾燥THF(20ml)中の2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(1.2g、8.8ミリモル)を滴加した。この温度にて30分にわたって攪拌を続けた後、1M HCl(水性)(50ml)を加え、反応混合物を室温まで温めた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50ml)で洗浄した。有機層を合わせ、次いで、3M NaOH(水性)(10ml)および食塩水(10ml)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、褐色の油として粗表題化合物(1.34g、5.4ミリモル、67%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:2.20(s,6H)、4.68(s,2H)、5.92(s,2H)、7.32(d,1H)、8.38(d,1H)、9.16(s,1H)。LRMS:m/z 249(M−H)。
(実施例40)
2−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)−5−オキシラニルピリジン
Figure 2010515769
0℃まで冷却した乾燥THF(20ml)に溶かした実施例39からのケトン(1.34g、5.4ミリモル)に、水素化ホウ素ナトリウム(308mg、8.1ミリモル)を少量ずつ加えた。反応混合物を2時間にわたって攪拌し、次いで、3M NaOH(水性)(10ml)を加え、さらに16時間にわたって攪拌を続けた。反応混合物を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(5ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル:ペンタン(1:5)で溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油として表題化合物(900mg、4.2ミリモル、78%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:2.13(s,6H)、2.91(dd,1H)、3.25(t,1H)、3.98(t,1H)、5.90(s,2H)、7.20(d,1H)、7.62(dd,1H)、8.58(s,1H)。LRMS:m/z 215(M−H)。
(実施例41)
1−[6−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−2−プロピルアミノエタノール
Figure 2010515769
DMSO(5ml)中の実施例40からのエポキシド(900mg、4.2ミリモル)にプロピルアミン(4ml、4.8ミリモル)を加え、反応混合物を4日にわたって40℃まで加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、3M HCl(水性)(10ml)および水(10ml)を加えた後、ジエチルエーテル(2×10ml)で洗浄した。この有機層を捨てた。水層をNHOH(5ml)で塩基性化し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、油として表題化合物(1.15g、4.2ミリモル、100%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.93(t,3H)、1.62(m,2H)、2.11(s,6H)、2.69〜2.82(m,3H)、3.06(dd,1H)、3.60(bs,2H)、4.92(dd,1H)、5.84(s,2H)、7.20(d,1H)、7.88(d,1H)、8.61(s,1H)。LRMS:m/z 274(M−H)。
(実施例42)
6−[6−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−4−プロピルモルホリン−3−オン
Figure 2010515769
実施例41からのアミン(1.15g、4.2ミリモル)で実施例27と同じ方法に従って調製した。ジクロロメタン:メタノール(98:2)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、褐色のフィルムとして表題化合物(191mg、0.61ミリモル、14%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(t,3H)、1.65(m,2H)、2.13(s,6H)、3.38(m,1H)、3.42〜3.56(m,2H)、6.61(t,1H)、4.35(d,1H)、4.45(d,1H)、4.91(dd,1H)、6.91(s,2H)、7.22(d,1H)、7.89(d,1H)、8.61(s,1H)。LRMS:m/z 314(M−H)。
(実施例43)
6−[6−(2,5−ジメチルピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
乾燥THF(5ml)中の実施例42からのモルホリン−3−オン(191mg、0.61ミリモル)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム(ジエチルエーテル中1M溶液)(1.25ml、0.61ミリモル)を加え、反応混合物を2.5時間にわたって還流状態まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、1M NaOH(1.25ml)を加えると、白色の沈殿が得られた。反応混合物を濾過して真空中で濃縮した。白色固体を捨てた。濃縮した濾液を、ジクロロメタン:メタノール(95:5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色のフィルムとして表題化合物(108mg、0.36ミリモル、59%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.92(t,3H)、1.61(q,2H)、2.10(s,6H)、2.15(m,1H)、2.29(dt,1H)、2.40(t,2H)、2.82(d,1H)、3.02(d,1H)、3.90(t,1H)、4.08(d,1H)、4.71(d,1H)、5.89(s,2H)、7.20(d,1H)、7.81(d,1H)、8.60(s,1H)。LRMS:m/z 300(M−H)。
(実施例44Aおよび44B)
5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ピリジン−2−イルアミン
Figure 2010515769
エタノール(3ml)中の実施例43からの2,5−ジメチルピロール(45mg、0.15ミリモル)にヒドロキシルアミン塩酸塩(52mg、0.75ミリモル)を加え、反応混合物を20時間にわたって80℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却して真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア(90:10:1)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製すると、無色のフィルムとしてラセミ化合物(31mg、0.14ミリモル、94%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.92(t,3H)、1.60(m,2H)、2.11(t,1H)、2.25(dt,1H)、2.41(t,2H)、2.82〜2.91(dd,2H)、3.89(dt,1H)、4.01(dd,1H)、4.57(bd,3H)、6.49(d,1H)、7.42(d,1H)、8.02(s,1H)。LRMS:m/z 222(M−H)。
このラセミ生成物(580mg)のサンプルを、キラルHPLCにより、その構成エナンチオマーに分離した。使用した条件:Chiralpak ADカラム(250×21.2mm)、溶出液メタノール:エタノール(1:1)、流速15mL/分。
より早く溶出するエナンチオマー、実施例44A(保持時間8.3分)は、99%を超えるeeで得られた。H NMR(CDCl、400MHz)は、ラセミ体のものと一致した。LRMS:m/z 222。分析実測値 C,63.54;H,8.60;N,18.38%。C1219O.3HOの計算値 C,63.58;H,8.71;N,18.53%。
Figure 2010515769
−2.1(c=0.12,MeOH);
Figure 2010515769
−8.9(c=0.12,MeOH)
より遅く溶出するエナンチオマー、実施例44B(保持時間9.4分)は、98.9%のeeで得られた。H NMR(CDCl、400MHz)は、ラセミ体のものと一致した。LRMS:m/z 222。分析実測値 C,63.53;H,8.57;N,18.36%。C1219O.3HOの計算値 C,63.58;H,8.71;N,18.53%。
Figure 2010515769
+2.4(c=0.12,MeOH);
Figure 2010515769
+7.2(c=0.12,MeOH)
(実施例45)
2−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン−3−オン
Figure 2010515769
水(2mL)中の水酸化ナトリウム(0.48g、12.0ミリモル)を、ジクロロメタン(5mL)中の実施例3からの生成物(0.50g、2.4ミリモル)に加え、混合物を室温にて攪拌した。次いで、塩化2−クロロブチリル(0.28mL、2.87ミリモル)を滴加し、反応混合物を60時間にわたって攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、澄明な油として粗生成物(環化材料と非環化材料の混合物を含有する)(0.57g)が得られた。LRMS:m/z 314(非環化材料のM−H)、296(M−H+脱水)、278(環化生成物のM−H)。水酸化カリウム(0.13g、2.20ミリモル)を水(1mL)に溶かし、イソプロピルアルコール(5mL)中の粗生成物(0.57g、1.83ミリモル)の溶液に加えた。反応混合物を一夜にわたって室温にて攪拌し、次いで、有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶かし、水層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、油として粗生成物が得られた。残渣を、酢酸エチル:ペンタン(1:5〜1:1)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、ジアステレオマーの混合物として、澄明な油として表題化合物(326mg、1.17ミリモル、49%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t,3H)、1.00(t,3H)、1.60(m,2H)、2.00(bm,2H)、3.10〜3.60(m,4H)、3.80(s,3H)、4.20(d,0.5H)、4.25(d,0.5H)、4.75(d,0.5H)、4.90(d,0.5H)、6.80(d,1H)、6.90(m,2H)、7.25(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 278(MH)、276(MH)。
(実施例46Aおよび46B)
2−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン
Figure 2010515769
ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)(3mL、3ミリモル)を、窒素雰囲気下で、乾燥THF(4mL)中の実施例45からの生成物(0.33g、1.18ミリモル)に滴加した。反応混合物を3時間にわたって85℃にて加熱し、次いで、冷却し、メタノール(1mL)を加えることによりクエンチした。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を6N HCl(水性)(10mL)に懸濁し、1.5時間にわたって60℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、ジエチルエーテル(2×10mL)で抽出した。水層を、固体炭酸カリウムを加えることにより塩基性(pH9〜10)とした後、ジクロロメタン(2×15mL)で再抽出した。ジクロロメタン抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、澄明な油として粗生成物が得られた。酢酸エチル:ペンタン(1:10)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、単一のジアステレオマーとして2つの表題化合物が得られた。
実施例46A:澄明な油(0.10g、0.38ミリモル、32%):H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.00(m 6H)、1.60(bm,3H)、1.85(m,1H)、2.25(bt,2H)、2.35(s,1H)、2.45(m,1H)、2.60(m,1H)、2.65(m,1H)、3.70(s,1H)、3.80(s,3H)、4.80(s,1H)、6.80(d,1H)、7.00(m,2H)、7.25(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 264(M−H)。
実施例46B:澄明な油(0.10g、0.38ミリモル、32%):H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t,3H)、1.00(t,3H)、1.60(bm,4H)、1.80(bs,1H)、2.00(bs,1H)、2.35(bs,2H)、2.85(bd,1H)、2.95(bd,1H)、3.60(s,1H)、3.80(s,3H)、4.60(s,1H)、6.80(d,1H)、6.95(s,2H)、7.25(t,1H)。LRMS(APCI):m/z 264(MH)。
(実施例47A)
3−(6−エチル−4−プロピル−モルホリン−2−イル)−フェノール
Figure 2010515769
臭化水素酸(48%水性、5mL)および実施例46Aからの生成物(0.10g、0.38ミリモル)を16時間にわたって80℃にて加熱した。冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、水性アンモニア(0.880、15mL)とジクロロメタン(15mL)の間で分配し、層を分離し、水層をジクロロメタン(2×15ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン、次いで、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜95:5)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、単一のジアステレオ異性体として、澄明な油として表題化合物(65mg、0.26ミリモル、69%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(m 6H)、1.60(m,3H)、1.85(m,1H)、2.25(m,2H)、2.45(m,2H)、2.55(q,1H)、2.75(d,1H)、3.75(s,1H)、4.80(m,1H)、6.70(d,1H)、6.90(s,1H)、7.00(1H,d)、7.25(t,1H)。LRMS(APCI):m/z 250(MH)。分析実測値 C,70.94%;H,9.16%;N,5.53%。C1523NO.0.3HOの計算値 C,70.72%;H,9.34%;N,5.50%。
(実施例47B)
3−(6−エチル−4−プロピル−モルホリン−2−イル)−フェノール
Figure 2010515769
実施例46Bからの生成物(0.10g、0.38ミリモル)で実施例47Aと同じ方法に従って調製した。シリカ上のカラムクロマトグラフィーによる精製は必要ではなかった。表題化合物は、単一のジアステレオ異性体として、黄色の油(57mg、0.23ミリモル、60%)として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t,3H)、1.00(t,3H)、1.60(m,4H)、1.85(t,1H)、2.00(t,1H)、2.35(m,2H)、2.90(d,1H)、3.00(d,1H)、3.65(m,1H)、4.60(m,1H)、6.75(d,1H)、6.80(s,1H)、6.90(1H,d)、7.20(t,1H)。LRMS(ESI):m/z 250(MH)、248(M−H)。分析実測値 C,71.63%;H,9.19%;N,5.55%。C1523NO.0.1HOの計算値 C,71.73%;H,9.31%;N,5.58%。
(実施例48)
2−メチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン−3−オン
Figure 2010515769
実施例3からの生成物(0.44g、2.10ミリモル)および塩化2−クロロプロピオニル(0.25ml、2.50ミリモル)で実施例45と同じ方法に従って調製した。表題化合物のシリカ上のカラムクロマトグラフィーによる精製は必要ではなかった。表題化合物は、ジアステレオマーの混合物として、澄明な油(0.42g、1.60ミリモル、76%)として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.60(m,5H)、3.30(bm,2H)、3.50(bm,2H)、3.80(s,3H)、4.40(q,0.5H)、4.55(q,0.5H)、4.80(dd,0.5H)、4.95(dd,0.5H)、6.85(d,1H)、6.95(s,2H)、7.25(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 264(MH)、262(MH)。
(実施例49Aおよび49B)
2−メチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン
Figure 2010515769
実施例48からの生成物(0.42g、1.6ミリモル)で実施例46と同じ方法に従って調製した。酢酸エチル:ペンタン(1:6)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、単一のジアステレオマーとして2つの表題化合物が得られた。
実施例49A:澄明な油(0.10g、0.40ミリモル、25%):H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t 3H)、1.30(d,3H)、1.60(m,2H)、2.20〜2.35(m,3H)、2.50(d,1H)、2.60(m,1H)、2.65(d,1H)、3.80(s,3H)、4.00(s,1H)、4.85(s,1H)、6.80(d,1H)、7.05(m,2H)、7.25(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 250(MH)。
実施例49B:澄明な油(0.10g、0.40ミリモル、25%):H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t 3H)、1.25(m,3H)、1.60(m,2H)、1.80(m,1H)、2.00(bm,1H)、2.35(s,2H)、2.80(d,1H)、2.90(d,1H)、3.80(s,3H)、3.85(s,1H)、4.60(s,1H)、6.80(d,1H)、7.00(m,2H)、7.25(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 250(MH)。
(実施例50A)
3−(6−メチル−4−プロピル−モルホリン−2−イル)−フェノール
Figure 2010515769
実施例49Aからの生成物(0.10g、0.4ミリモル)で実施例47Aと同じ方法に従って調製した。ジクロロメタン、次いでジクロロメタン:メタノール(99:1)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、単一のジアステレオ異性体として、澄明な油として表題化合物(70mg、0.30ミリモル、74%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.35(d,3H)、1.55(m,2H)、2.25(m,2H)、2.35(m,1H)、2.50(m,1H)、2.55(m,1H)、2.75(d,1H)、4.05(s,1H)、4.85(m,1H)、6.70(d,1H)、6.90(s,1H)、7.00(1H,d)、7.20(t,1H)。LRMS(APCI):m/z 236(MH)。分析実測値 C,70.62%;H,8.89%;N,5.95%。C1421NO.0.1HOの計算値 C,70.91%;H,9.01%;N,5.91%。
(実施例50B)
3−(6−メチル−4−プロピル−モルホリン−2−イル)−フェノール
Figure 2010515769
実施例49Bからの生成物(0.10g、0.4ミリモル)で実施例47Aと同じ方法に従って調製した。シリカ上のカラムクロマトグラフィーによる精製は必要ではなかった。表題化合物は、単一のジアステレオマーとして、黄色の油(100mg、0.42ミリモル、103%−出発材料3%を含有する)として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t,3H)、1.25(d,3H)、1.60(m,2H)、1.85(m,1H)、2.00(m,1H)、2.35(m,2H)、2.85(d,1H)、3.00(d,1H)、3.85(s,1H)、4.60(d,1H)、6.75(d,1H)、6.80(s,1H)、6.90(1H,d)、7.20(m,1H)。LRMS(APCI):m/z 236(MH)。分析実測値 C,69.38%;H,8.86%;N,5.73%。C1421NO.0.45HOの計算値 C,69.33%;H,9.06%;N,5.78%。
(実施例51)
1−(4−クロロ−3−メトキシ−フェニル)−2−プロピルアミノ−エタノール
Figure 2010515769
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.25g、5.89ミリモル)を、ジクロロメタン(10mL)中の2−アミノ−1−(4−クロロ−3−メトキシ−フェニル)−エタノール(J.Med.Chem.、30(10)、1887、(1987))(600mg、2.98ミリモル)およびプロピオンアルデヒド(0.22mL、2.96ミリモル)の溶液に注意深く加え、反応混合物を1時間にわたって室温にて攪拌した。重炭酸ナトリウム溶液(飽和水性、10mL)を滴加し、次いで、反応混合物を水(20mL)およびジクロロメタン(20mL)でさらに希釈した。水層を分離し、ジクロロメタン(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(95:5:0.5〜92:8:0.8)で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(320mg、1.31ミリモル、44%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(t,3H)、1.50(q,2H)、2.50〜2.70(m,5H)、2.90(dd,1H)、3.80(s,3H)、4.65(dd,1H)、6.85(d,1H)、7.00(1H,d)、7.30(bd,1H)。LRMS(APCI):m/z 244(MH)、226(MH 脱HO)。
(実施例52)
6−(4−クロロ−3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン−3−オン
Figure 2010515769
塩化クロロアセチル(0.11mL、1.33ミリモル)を、ジクロロメタン(10mL)中の実施例51からの生成物(0.31g、1.27ミリモル)およびトリエチルアミン(0.19mL、1.36ミリモル)の溶液に加え、60時間にわたって室温にて攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、塩酸(水性、1N、10mL)、水(10mL)、および重炭酸ナトリウム溶液(飽和水性、10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、油として非環化生成物(0.40g)が得られた。LRMS(APCI):m/z 320(非環化生成物のMH)、302(MH脱水)、284(環化生成物のMH)。水酸化カリウム(0.75g、1.33ミリモル)を、イソプロピルアルコール(10mL)および水(0.4mL)中の非環化生成物(0.40g、1.23ミリモル)の溶液に加え、16時間にわたって室温にて攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン(30mL)と水(30mL)の間で分配した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機物を水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、油として表題化合物(0.34g、1.19ミリモル、94%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.60〜1.70(m,2H)、3.30〜3.40(m,2H)、3.40〜3.55(m,2H)、3.95(s,3H)、4.35(bd,1H)、4.42(bd,1H)、4.78(dd,1H)、6.85(dd,1H)、7.00(s,1H)、7.38(dd,1H)。LRMS(APCI):m/z 284(MH)。
(実施例53)
6−(4−クロロ−3−メトキシ−フェニル)−4−プロピル−モルホリン
Figure 2010515769
ボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)(3.5mL、3.5ミリモル)を、窒素雰囲気下で乾燥THF(3mL)中の実施例52からの生成物(0.33g、1.16ミリモル)の溶液に滴加した。反応混合物を2.5時間にわたって還流し、次いで、冷却し、メタノール(1mL)を加えることによりクエンチした。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を4N HCl(水性、8mL)中に懸濁し、2時間にわたって還流した。反応混合物を冷却し、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。有機層を捨てた。水層を、固体炭酸カリウムを加えることにより塩基性に(pH9〜10)した後、ジクロロメタン(2×15mL)で再抽出した。ジクロロメタン抽出物を水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮すると、油として表題化合物(0.31g、1.15ミリモル、99%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.45〜1.60(m,2H)、2.00(t,1H)、2.20(t,1H)、2.35(t,2H)、2.80(d,1H)、2.90(d,1H)、3.80(t,1H)、3.90(s,3H)、4.03(dd,1H)、4.55(d,1H)、6.85(dd,1H)、7.00(s,1H)、7.30(dd,1H)。LRMS(APCI):m/z 270(MH)。
(実施例54)
2−クロロ−5−(4−プロピル−モルホリン−2−イル)−フェノール
Figure 2010515769
実施例53からの生成物(0.28g、1.02ミリモル)で実施例7bと同じ方法(還流は、1時間でなく、2.5時間にわたって続けた)に従って調製した。シリカ上のカラムクロマトグラフィーによる精製は必要ではなかった。表題化合物は、淡褐色のゴム(0.21g、0.82ミリモル、81%)として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.93(t,3H)、1.55(q,2H)、2.0(t,1H)、2.20(dt,1H)、2.30〜2.40(m,2H)、2.80(bd,1H)、2.90(bd,1H)、3.80(dt,1H)、4.0(dd,1H)、4.30(d,1H)、6.87(dt,1H)、7.02(fd,1H)、7.25(s,1H)。LRMS(APCI):m/z 256(MH)。分析実測値 C,60.71%;H,7.10%;N,5.45%。C1318NOClの計算値 C,61.05%;H,7.09%;N,5.48%。
(実施例55)
メチル(2S)−2−(プロピオニルアミノ)プロパノエート
Figure 2010515769
L−アラニンメチルエステル塩酸塩(14g、0.1モル)をジクロロメタン(150mL)に溶かし、トリエチルアミン(30.45g、0.3ミリモル)で処理した。溶液を攪拌し、塩酸プロピオニルを滴加した。一夜にわたって攪拌した後、混合物を、1M塩酸(200mL)を加えることによりクエンチし、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(3×200mL)で再抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させ、澄明な油とした(16.0g、定量的)。
H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.25(d,3H)、2.1(q,2H)、3.6(s,3H)、4.2(五重線,1H)、8.2(bd,1H)。LRMS(ESI+)m/z 160(MH
(実施例56)
tert−ブチル(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(プロピル)カルバメート
Figure 2010515769
実施例55からの生成物をテトラヒドロフラン(200mL)に溶かし、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(300mL、0.3ミリモル)を、室温にて攪拌した溶液に加えた。次いで、混合物を一夜にわたって還流状態で加熱した。室温まで冷却した後、反応物を、6M塩酸(100mL)を注意深く加えることによりクエンチし、次いで、6時間にわたって還流状態まで加熱した。反応混合物を一夜にわたって室温まで冷却し、次いで、乾固状態まで蒸発させた(11.77g)。粗混合物は、望ましいアミノアルコール中間体と一致するm/z 118を与えた。次いで、粗混合物をメタノール(50mL)および水(400mL)に溶かした後、水酸化カリウム(28.22g、0.5モル)を加えた。ジ−tert−ブチルジカーボネート(32.87g、0.15モル)を混合物に加え、攪拌を3日かけて続けた。反応混合物をDCM(500mL)と水(100mL)の間で分配し、有機層を分離し、水層をDCMでさらに2回再抽出した。合わせた有機分画を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させ、粗製物とした。ジクロロメタン:メタノール:880NH(97:3:0.3)で溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、部分的に精製された材料さらに10gと一緒に、澄明な油として望ましい生成物4.5g(21%)が得られた。
H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:0.8(t,3H)、1.05(bs,3H)、1.4(m,11H)、2.95(bs,2H)、3.35(bm,3H)、4.6(bs,1H)LRMS(ESI+)m/z 240(MNa
(実施例57)
(2S)−2−(プロピルアミノ)プロパン−1−オール塩酸塩
Figure 2010515769
実施例56からの純粋な材料(4.2g、0.021モル)をジオキサン(10mL)に溶かし、ジオキサン中4M HCl(30mL)で処理した。混合物を16時間にわたって室温にて攪拌し、次いで、蒸発させ、白色の固体とした(2.74g、92%)
H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:0.9(t,3H)、1.15(d,3H)、1.6(m,2H)、2.8(m,2H)、3.15(m,1H)、3.5(bm,1H)、3.6(m,1H)、5.4(bs,1H)、8.8(bd,2H)。LRMS(APCI+)118(MH
(実施例58)
(5S)−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−オール
Figure 2010515769
実施例57からの生成物(1.0g、6.6ミリモル)をトルエン(10mL)に溶かし、トリエチルアミン(1.38g、14ミリモル)で処理した後、2−ブロモ−3’−メトキシアセトフェノン(1.5g、6.6ミリモル)を加えた。混合物を65℃まで加熱し、3日かけて攪拌した。室温まで冷却した後、混合物を食塩水と酢酸エチルの間で分配し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させた。残渣を、酢酸エチルで溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、淡黄色の油として、立体異性体の混合物として望ましいモルホリノール化合物(1.0g 58%)が得られた。
H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ:0.8(m,3H)、0.95(d,3H)、1.35(m,2H)、2.1(m,2H)、2.4(bm,1H)、2.6(m,1H)、2.75(m,1H)、3.5(d,1H)、3.75(m,4H)、6.0(s,0.75H)、6.1(s,0.25H)、6.85(d,1H)、7.05(m,2H)、7.25(t,1H)。LRMS(ESI+)m/z 248(M−H2O)、266(MH)、288(MNa+)
(実施例59)
(5S)−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチル−4−プロピルモルホリン
Figure 2010515769
実施例58からの生成物(770mg、2.9ミリモル)をジクロロメタン(20mL)に溶かし、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却した。トリエチルシラン(3.7mL、23ミリモル)と、続いて、トリメチルシリルトリフレート(1.1mL、5.8ミリモル)を、攪拌した混合物に加えた。攪拌を一夜にわたって続け、反応混合物を室温にした。反応物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることによりクエンチし、ジクロロメタン(3回)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させた。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(97:3:0.3)で溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、望ましいモルホリン化合物(600mg、83%)が得られた。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(m,3H)、1.1(b,d,3H)、1.6(bm,2H)、2.2〜3.1(5H)、3.5(bm,1H)、4.85(m,4H)、4.6(b,1H)、6.8(d,1H)、6.95(m,2H)、7.25(m,1H+CHCl
LRMS(APCI+)m/z 250(MH
分析実測値 C,71.53%;H,9.21%;N,5.55%。C1523NO.0.15HOの計算値 C,71.48%;H,9.32%;N,5.56%。
(実施例60)
3−[(5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]フェノール
Figure 2010515769
実施例59からの材料(400mg、1.6ミリモル)を48%水性臭化水素酸(8mL)に溶かし、混合物を一夜にわたって80℃まで加熱した。室温まで冷却した後、混合物を、飽和水性重炭酸ナトリウムを加えることによりクエンチし、混合物をジクロロメタン(3回)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させると、白色の固体として生成物(285mg、76%)が得られた。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.9(m,3H)、1.1+1.2(2xd,3H)、1.5(m,2H)、2.3(m,2H)、2.5(bm,1H)、2.8(bm,1H)、3.1(d,1H)、3.5(bm,1H)、3.85(bm,1H)、4.6(d,1H)、6.8(m,2H)、6.95(m,1H)、7.2(t,1H)
LRMS(APCI+)、236(MH
分析実測値 C,70.61%;H,9.00%;N,5.86%。C1421NO.0.1 HOの計算値 C,70.91%;H,9.01%;N,5.91%。
ジアステレオ異性体のこの混合物を、Chiralcel OJ−H(25021.2mm)HPLCカラム上で分離した。移動相100%MeOH、流速15mL/分。
サンプル調製200mgをMeOH4mlに溶かし、250μLを注入。
保持時間5.822分(実施例60A、57mg、28%)および7.939分(実施例60B、12mg、6%)の2つの主要ピークが得られた。
実施例60A:H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.85(t,3H)、1.05(d,3H)、1.5(m,2H+HO)、2.2(m,2H)、2.4(m,1H)、2.8(m,1H)、3.0(d,1H)、3.4(t,1H)、3.9(dd,1H)、4.55(d,1H)、5.6(bs,1H)、6.75(d,1H)、6.85(s,1H)、6.95(d,1H)、7.2(t,1H)
HRMS m/z 236.1643(MH
実施例60B:H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.15(d,3H)、1.55(m,2H)、2.4(m,2H)、2.55(t,1H)、2.65(dd,1H)、2.95(bm,1H)、3.8(d,1H)、3.95(d,1H)、4.55(dd,1H)、6.75(d,1H)、6.85(s,1H)、6.95(d,1H)、7.2(t,1H)
HRMS m/z 236.1643(MH
(実施例61)
(S)−2−プロピルアミノ−プロパン−1−オール塩酸塩
Figure 2010515769
ジクロロメタン(500ml)に溶かした(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール(19.6g、0.26モル)に、プロピオンアルデヒド(20.9ml、0.28モル)と、続いて、予め乾燥した粉末4Aモレキュラーシーブ(40g)を加え、混合物を一夜にわたって室温にて攪拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドをジクロロメタンで洗浄し、溶媒を蒸発させると、澄明な油が得られた。この油をメタノール(200ml)に溶かし、NaBHを15分かけて少量ずつ加えた。混合物を一夜にわたって室温にて攪拌し、2M HCl(水性)(200ml)を注意深く加えることによりクエンチし、2M NaOH(200ml)を加えることにより塩基性化し、メタノールを蒸発により除去した。ジ−tert−ブチルジカーボネート(115g、0.52モル)と、続いて、1,4−ジオキサン(200ml)を加え、混合物を一夜にわたって室温にて攪拌した。1,4−ジオキサンを蒸発により除去すると、澄明な油が得られた。この油に、ジオキサン中4M HCl(200ml)を加え、混合物を一夜にわたって室温にて攪拌した。溶媒を蒸発により除去すると、白色の固体(24g)が得られた。
H NMR(DMSO,400MHz)δ:0.95(t,3H)、1.2(d,3H)、1.6(m,2H)、2.8(m,2H)、3.15(m,1H)、3.5(bm,1H)、3.6(m,1H)、5.4(b,1H)、8.6〜8.9(bd,2H)
LRMS(APCI+)、118(MH
(実施例62)
(5S)−4−プロピル−5−メチルモルホリン−2−オン
Figure 2010515769
実施例61からの材料(4g、26ミリモル)をベンゼンに溶かし、続いて、N−エチルジイソプロピルアミン(9.07ml、52ミリモル)およびブロモ酢酸メチル(2.4ml、26ミリモル)を加えた。混合物を、一夜にわたって水を共沸除去しながら還流状態まで加熱した。溶媒を蒸発により除去し、粗材料をメタノールに溶かし、SiO上に予め吸収させ、40%EtOAc/ペンタンで溶出するSiO上でフラッシュクロマトグラフを行うと、澄明な油として表題モルホリノン(1.78g)が得られた。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.9(t,3H)、1.1(d,3H)、1.5(m,2H)、2.25(m,1H)、2.6(m,1H)、2.8(m,1H)、3.2(d,1H)、3.6(d,1H)、4.05(dd,1H)、4.3(dd,1H)
t.l.c.Rf=0.18(50% EtOAc/ペンタン、UV可視化)
(実施例63)
(5S)−2−[6−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−4−プロピル−5−メチルモルホリン−2−オール
Figure 2010515769
5−ブロモ−2−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン(1.5g、5.9ミリモル)をトルエンと共沸させ、THF(20ml)に溶かした。この混合物を−78Cまで冷却し、t−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、7ml、11.9ミリモル)を、温度を−70C未満に維持しながら加えた。実施例62からの材料をTHF(20ml)に溶かし、t−ブチルリチウム添加が完了したらすぐに混合物に加えた。混合物を30分にわたって−78℃にて攪拌し、その時点でNHCl(10%水性、150ml)を加え、混合物をEtOAc(200ml)中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して蒸発させた。25%EtOAc/ペンタン〜50%EtOAc/ペンタンの段階的グラジエントで溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより、黄色の油として3.5:1の比でジアステレオ異性体の混合物として表題化合物(480mg)が得られた。
H NMR(CDCl,400MHz)(ジアステレオマー)δ:0.95(m,3H)、1.1、1.2(2xd,3H)1.5(m,2H)、2.15(s,6H)、2.4(m,1H)、2.5(d,1H)、2.6(m,1H)、2.75(m,1H)、3.85〜3.95(m,1H)、3.6、3.75、4.4(3xm,2H)、5.15(bs,1H)、5.9(s,2H)、7.2(d,1H)、8.05(dd,1H)、8.8(s,1H)
LRMS(ES+)、330(MH)、352(MNa+)
LRMS(ES−)、328(M−H)
(実施例64)
(2S)−2−[{(2RS)−2−[6−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−2−ヒドロキシエチル}プロピル)アミノ]プロパン−1−オール
Figure 2010515769
(5S)−2−[6−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン−3−イル]−4−プロピル−5−メチルモルホリン−2−オール(480mg、1.45ミリモル)をエタノール(5mL)および水(2mL)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(220mg、5.8ミリモル)で処理した。反応混合物を室温にて一夜にわたって攪拌した後、飽和水性NHCl(50mL)を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSOで乾燥して蒸発させると、フワフワとした白色の固体400mgが得られ、さらに精製することなく使用した。
H NMR(CDCl,400MHz)ジアステレオマー δ:0.8〜1.1(m,6H)、1.15、1.35(2xd,3H)、1.6〜2.0(m,2H)2.1(s,6H)、2.5〜4.05(m,7H)、4.8〜5.2(m,1H)、5.9(s,2H)、7.2(m,1H)、7.8〜8.1(m,1H)、8.55(m,1H)。
LRMS(ES+)、332(MH
(実施例65)
(2S)−2−[[(2RS)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシエチル](プロピル)アミノ]プロパン−1−オール
Figure 2010515769
(2S)−2−[[(2RS)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシエチル](プロピル)アミノ]プロパン−1−オール(400mg、1.2ミリモル)をEtOH(5mL)に溶かし、ヒドロキシルアミン塩酸塩(419mg、6ミリモル)を加え、混合物を一夜にわたって80℃まで加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール/880アンモニア(95:5:0.5極性を93:7:1まで増加させる)で溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、ジアステレオ異性体の混合物として表題化合物(300mg、98%)が得られた。
H NMR(CDCl,400MHz)(2 ジアステレオマー)δ:0.82〜0.97(6H,m)、2.40〜2.77(2H,m)、3.27〜3.51(2H,m)、4.51(1H,m)、6.58(1H,m)、7.49(1H,m)、7.86(1H,m)
LRMS(APCI+)、254(MH
(実施例66および67)
5−[(2S,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミンおよび5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン
Figure 2010515769
実施例65からの「ジオール」(300mg、1.2ミリモル)をジクロロメタン(3mL)に溶かし、濃硫酸(3mL)を加えた。混合物を3時間にわたって室温にて攪拌した。反応物を0℃まで冷却し、6M水酸化ナトリウム溶液を注意深く加えることによりクエンチし、次いで、ジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO)、蒸発させ、褐色のゴム状の固体とした。酢酸エチル中10%メタノールで溶出するSiO上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、より極性の低いジアステレオマー(約80%d.e.)に富む材料5mg、より極性の低いジアステレオマー(約80%d.e.)に富む材料12mgおよびジアステレオ異性体の約1:1混合物材料150mg(総収率167mg、59%)が得られた。後者の1:1混合物をChiralpak OD−Hカラム(250×21.2mm)を使用するHPLCにかけ、メタノール/エタノール(1:1)で溶出した。
より早く溶出するジアステレオ異性体(保持時間8.1分)は、99%を超えるd.e.で得られた(60mg、21%)。H NMR(CDCl,400MHz)0.88(3H,t)、1.01(3H,d)、1.26(3H,t)、1.37〜1.58(2H,m)、2.18〜2.28(2H,m)、2.36〜2.47(1H,m)、2.69〜2.77(1H,m)、2.90(1H,m)、3.38(1H,m)、3.72(2H,d)、3.82(1H,m)、4.40(2H,brs)、4.45(1H,dd)、6.48(1H,d)、7.45(1H,dd)、8.04(1H,d)
LRMS(ES):m/z 236(MH
Figure 2010515769
46.28(c 0.13,MeOH)
より遅く溶出するジアステレオ異性体(保持時間10.5分)は、99%を超えるd.e.で得られた(62mg、22%)。H NMR(CDCl,400MHz)0.93(3H,t)、1.11(3H,d)、1.49(2H,m)、2.38(2H,m)、2.50〜2.56(2H,m)、2.89(1H,m)、3.75(1H,m)、3.89(1H,m)、4.40(2H,brs)、4.46(1H,m)、6.50(1H,d)、7.50(1H,dd)、8.07(1H,d)
LRMS(ES):m/z 236(MH
Figure 2010515769
22.58(c 0.13,MeOH)
疼痛の治療における化合物の活性は、以下のテストプロトコルに従って測定することができる。
モノヨード酢酸(MIA)誘発性OAモデル
雄性Sprague−Dawleyラット(125〜175g)を2%イソフルオラン(isofluorane)−O混合物で麻酔し、Dunham他(J Exp Pathol、74:283〜289、1993)により記載されているように右膝の膝蓋下靱帯を通してヨード酢酸モノナトリウム(MIA;Sigma、Poole、UK)を一側性に関節内注射する。MIAは、0.9%滅菌食塩水に溶かし、26ゲージ、0.5インチの針を用いて25μlの容量で投与した。
同側性(関節炎)および対側性(未処置)の膝を経る重量配分に対する関節損傷の影響は、インキャパシタンステスター(incapacitance tester)(Linton Instrumentation)を用いて評価した。手短に言えば、インキャパシタンステスターは、2本の後足に対する重量配分を測定する。各後肢により与えられる力は、グラム単位で測定される。
体重負荷(WB)欠損は、対側の足および同側の足において測定される重量の差として定義される。WBは、試験化合物またはビヒクルを投与した後の様々な時点で測定される。
静的および動的アロディニアの評価
静的アロディニア
動物は、アロディニアの評価に先立って金網底のテストケージに馴化させた。静的アロディニアは、後足の足底面に昇順の力(0.6、1、1.4、2、4、6、8、10、15および26グラム)でvon Freyヘア(Stoelting、Wood Dale、Illinois、USA)を適用することにより評価した。各von Freyヘアは、最長6秒にわたって、または逃避応答が起きるまで足に適用した。von Freyヘアに対する逃避応答が立証されたらすぐに、逃避を生じたフィラメントより下のフィラメントから、続いて、逃避が起こらなくなるまで降順の力で残りのフィラメントから開始して足を再テストした。26gの最大力は、足を持ち上げただけでなく応答を誘発してしまったため、カットオフ点とした。各動物をこのようにして両後足についてテストした。応答を誘発するのに必要とされる最小の力を、足逃避閾値(PWT)としてグラム単位で記録した。静的アロディニアは、動物が、未処置のラットにおいて無害である4g未満の刺激に対して応答した場合に存在するものと定義した(Field MJ、Bramwell S、Hughes J、Singh L. Detection of static and dynamic components of mechanical allodynia in rat models of neuropathic pain:are they signalled by distinct primary sensory neurons? Pain、1999;83:303〜11)。
動的アロディニア
動的アロディニアは、綿棒で後足の足底面を軽く撫でることにより評価した。一般的な運動活動を記録することを回避するため、活動的でない十分に馴化したラットでこの手順を行うように気を付けた。各時点において少なくとも2回の測定を行い、その平均を、足逃避潜時(PWL)とした。15秒以内に反応を示さなかった場合には手順を終了し、動物を、この逃避時間に割り当てた。疼痛逃避応答は、後ずさりの繰り返しまたは足を舐めることを伴うことが多かった。動的アロディニアは、動物が、撫で始めから8秒以内に綿刺激に動物が応答した場合に存在するものと見なした(Field他、1999)。
ホットプレート
実験手順:雄性Sprague−Dawleyラット(125〜250g)を、55±5℃に維持されたホットプレート(Ugo Basile、Italy)上に置く。ホットプレート上への動物の留置と前足もしくは後足を舐めること、身震いまたは表面から飛び降りることのいずれかの発生との間の時間を測定する。ベースライン測定を行い、薬物投与後に動物を再評価する。ホットプレート潜時のカットオフ時間は、組織損傷を防ぐため20秒に設定する。
神経障害性疼痛の慢性絞扼性傷害(CCI)ラットモデル
坐骨神経のCCIは、BennettおよびXie(Bennett GJ、Xie YK.、A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man.Pain:33:87〜107、1988)により以前に記載されているように行った。動物は、2%イソフルオラン/O混合物で麻酔した。右後大腿部を剃毛し、1%ヨウ素を塗布した。次いで、動物を、手順の期間中に恒温ブランケットに移し、麻酔は、ノーズコーンを介して手術中維持した。皮膚を大腿骨に沿って切開した。総坐骨神経を、大腿二頭筋を経由して鈍的切開により大腿部中央において露出させた。神経約7mmを、神経の下にピンセットを挿入することにより坐骨の三叉の近位から分離し、神経を、大腿部から静かに持ち上げた。縫合糸を、ピンセットを用いて神経の下に通し、軽い抵抗が感じられるまで単純な結び目で縛り、次いで、二重に縛った。手順を、4本の結紮糸(4−0絹)が約1mmの間隔で神経の周囲に緩く縛られるまで繰り返した。切開を層として閉じ、創傷を局所抗生物質で処置した。
in vitro薬理学試験
5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン(実施例67の化合物)は、21nMのEC50で、組み換えヒトDドーパミン受容体を安定に発現するCHO細胞においてフォルスコリン刺激によるcAMP蓄積を阻害し、完全作動薬(%Emax=95)として挙動する選択的Dドーパミン受容体作動薬である。さらに、実施例67の化合物は、それぞれDおよびDドーパミン受容体を上回る470倍超および180倍の機能的選択性を示す。さらに、実施例67の化合物は、それぞれDおよびDドーパミン受容体を上回る46倍超および19倍の結合選択性を示す(表1)。
Figure 2010515769
in vivo薬理学試験
侵害受容性および神経障害性疼痛のモデル
実施例67の化合物を、D3作動作用が有効であると予想される疼痛状態を決定するためのin vivoモデルを用いて評価した。
ヨード酢酸モノナトリウム誘発性疼痛(MIA)に対する実施例67の化合物の効果
膝関節中にMIA注射を受けたラットは、アロディニアの行動徴候をもたらす軟骨細胞死に起因する軟骨の進行性分解を有する。MIAアロディニアの影響は時間と共に変化するが、MIA注射後12〜35日目に最も顕著で一貫している。これらの徴候は、機械的刺激に対する逃避閾値の低下(静的アロディニア、正常なラットにおける約12gと比べて約2g)を包含する。トラマドールおよびオキシコドンによるデータは、この尺度が、侵害受容性疼痛を治療するための化合物の有効性を予測することを示している。0.01、0.03、および0.1mg/kgで経口的に投与された実施例67の化合物は、アロディニアの好転において用量応答を示し、0.1mg/kgにおける完全好転は、オピオイドトラマドール(100mg/kg)の陽性対照と類似していた。実施例67の化合物のこれらの経口投与後に、達成された遊離血漿濃度は、それぞれ1.85、5.70、および10.77nMであった。さらに、実施例67の化合物の0.1mg/kgの効果は、強力なD受容体拮抗薬キノリン−4−カルボン酸{4−[2−(6−シアノ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−アミドの3mg/kgでの経口投与後(16.9nMの遊離血漿拮抗薬濃度を示す)に無効にされた。MIA注射後の体重負荷欠損の代替エンドポイントを用いると、実施例67の化合物の0.1mg/kgの単回投与は、最適なオピオイド治療と類似した有効性も示した。全体的に、これらのデータは、OAなどの侵害受容性疼痛状態の治療におけるDS作動薬活性の治療可能性を支持している。
術後疼痛における実施例67の化合物の効果
足底手術モデルは、術後の炎症性および侵害受容性疼痛のモデルである。これは、足逃避潜時を検討するための静的アロディニア(上記のMIAの項を参照)および動的アロディニア(ブラシ刺激からの逃避に対する潜時の減少;正常なラットにおける15秒超に比べて約2秒)の尺度を用いて評価することができる。このモデルにおいて、切開は、足底筋で行い、静的および動的アロディニアエンドポイントを測定する。このモデルにおいて、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミンは、手術誘発性の静的および動的アロディニアの用量依存的好転を引き起こし、最大効果は、0.1mg/kgの経口投与後であった。知られているPKプロファイルに基づくと、この投与量におけるピーク遊離血漿濃度は、約10nMである(上記のMIAの項を参照)。この応答は、ガバペンチン(100mg/kg PO)の陽性対照と大きさが類似していた。
カプサイシン誘発性痛覚過敏における実施例67の化合物の効果
痛覚過敏のカプサイシンモデルは、ラットの足にカプサイシン30μgを皮内注射することによる過敏化後の静的および動的アロディニアエンドポイントを測定する。データは、実施例67の化合物0.01、0.1、および1mg/kgの経口前投与と、続く、投与から1時間後のカプサイシン注射後の用量応答を立証した。実施例67の化合物について観察された最適効果は、化合物の1mg/kg投与後であり、これは、プレガバリン30mg/kgの陽性対照と大きさが等しかった。
ホットプレートモデルにおける実施例67の化合物の効果
ホットプレートモデルは、ホットプレートからの足逃避潜時を測定する追加の侵害受容性疼痛モデルである。このモデルにおいて、ホットプレートを52℃まで加熱し、ラットの挙動を、ベースライン時および薬物投与後にモニターする。0.01、0.03、0.1、および1.0mg/kgで経口投与された実施例67の化合物は、3mg/kgで皮下投与されたモルヒネの陽性対照と対照的に、このモデルにおいて有効性を示さなかった。これらのデータは、通常の熱閾値に対する有効性の欠如を示しており、MIAおよび足底手術誘発性侵害受容性疼痛モデルと対照的である。この知見を説明することができる重要な差異は、ホットプレートテストで使用される未処置の動物とは対照的に、他のモデルで使用される過敏化/損傷動物の使用である。
慢性絞扼性傷害に対する実施例67の化合物の効果
坐骨神経の慢性絞扼性傷害を受けたラットは、手術後約14日からアロディニアの行動徴候を有する。これらの徴候は、静的および動的刺激後の足逃避閾値の低下により表されるアロディニアを包含する。実施例67の化合物は、10nMの予想遊離血漿暴露に言い換えられる0.1mg/kgの経口投与後にこのモデルにおいて効果を示さなかった(上記の(MIA)の項を参照)。
Figure 2010515769

Claims (18)

  1. 式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの、哺乳動物において慢性疼痛または侵害受容性疼痛を治療するための医薬品の製造における使用
    Figure 2010515769
    (式中、
    Aは、C−XまたはNであり、
    Bは、C−YまたはNであり、
    は、Hまたは(C〜C)アルキルであり、
    は、Hまたは(C〜C)アルキルであり、
    Xは、H、HO、C(O)NH、またはNHであり、
    Yは、H、HO、NH、Br、ClまたはFであり、
    Zは、H、HO、F、CONHまたはCNである)。
  2. 哺乳動物において慢性疼痛または侵害受容性疼痛を治療する方法であって、請求項1に記載の式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物、または塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの有効量の投与を含む方法。
  3. Aが、C−XまたはNであり、Bが、C−Yである、請求項1に記載の使用または請求項2に記載の方法。
  4. が、H、メチルまたはエチルである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  5. が、Hまたはメチルである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  6. Xが、H、OHまたはNHである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  7. Yが、H、NH、ClまたはFである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  8. Zが、H、OHまたはFである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  9. 化合物が、
    (R)−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール;
    (S)−(+)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール;
    (R)−(−)−3−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール塩酸塩;
    (R)−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール;
    (S)−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール;
    (R)−(+)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール;
    (S)−(−)−2−フルオロ−5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)フェノール;
    5−(4−プロピルモルホリン−2−イル)ピリジン−2−イルアミン;
    2−クロロ−5−(4−プロピル−モルホリン−2−イル)フェノール;
    5−[(2S,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン;および
    5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン;
    または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ
    から選択される、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  10. 化合物が、5−[(2R,5S)−5−メチル−4−プロピルモルホリン−2−イル]ピリジン−2−アミン、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  11. 化合物の使用または請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、哺乳動物において慢性疼痛を治療するための医薬品の製造において使用する方法。
  12. 慢性疼痛が、慢性侵害受容性疼痛である、前記請求項のいずれかに記載の使用または方法。
  13. 治療が、哺乳動物における侵害受容性疼痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
  14. 治療が、哺乳動物における変形性関節症に伴う疼痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
  15. 治療が、哺乳動物における術後疼痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
  16. 治療が、哺乳動物における神経障害性疼痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
  17. 治療が、哺乳動物における内臓痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
  18. 治療が、哺乳動物における炎症性疼痛の治療である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用または方法。
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