JP2008538204A - 安定化側鎖を含む放射性標識複合体キレート剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)ペプチドP、および(b)標的部分Tを含む複合体PTであって、ペプチドPは、4〜20のアミノ酸残基の1つが置き換えられたC末端またはN末端に単一のチオール部分を任意に有する該4〜20のアミノ酸残基を含有し、錯体を形成するアミノ酸配列を含み、該錯体を形成するアミノ酸配列は、(i)単一の硫黄ドナー原子、2または3つの非硫黄ドナー原子、およびドナー原子間に介在する原子を含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤、および(ii)2又は3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む安定化側鎖であるが、但し、前記さらなるドナー原子がペプチド結合の窒素原子でも酸素原子でもないこと、および前記さらなるドナー原子が複素環の一部であるなら、1つの介在原子だけがその複素環の一部になることができること、という条件での、安定化側鎖、および(iii)平面キレート剤のドナー原子に錯化される放射性金属を含む、複合体PTに関する。

Description

本発明は、画像診断に用いられるペプチド、特に99mTc、186Reおよび188Re標識ペプチドに関する。放射性標識ペプチドは、放射性金属が錯化される平面キレート剤を含有する錯体を形成するアミノ酸配列を含む。本発明によるペプチドは、哺乳類体内の特有の標的分子を選択的に認識し、それに結合できる構造モチーフを含む標的部分Tに結合する。
近年、核医学の重要性は、標的分子の画像化と治療に移行してきた。この取り組みにおいて、抗原、受容体、酵素または病的表現型などの局所標的は、放射性同位体によって標的化されて疾病を同定または治療する。これらの分子標的の存在量は低いことが多いので、非常に特異的な高純度で高安定性の放射性医薬を得ることが不可欠である。
67Ga、68Ga、99mTc、111In、90Y、177Lu、64Cu、188Re及び186Reなどの金属および18F、123I、131Iなどを含むさまざまな放射性核種が、放射性画像化や放射性治療に有用であることが公知である。特に収率、安定性に関する放射性医薬製剤の特性は、放射性標識法(すなわち、放射性トレーサを標的分子に結合させる方法)の特性により決定される。放射性ヨウ素(例えば、H. F. Beer, et al., (1993), Nucl. Med. Biol., 20, 607)または放射性Tc/Re(US 5,061,641)を生体分子に付加する直接的方法は、従来技術では公知である。しかしながら、直接的方法では、生体外(すなわち、貯蔵寿命が悪い)、および生体内(すなわち、患者における遊離放射性ヨウ素または過テクネチウム酸/過レニウム酸の解離)で放射性化合物の不安定性を示すことが多い。これらの方法は、放射性標識化が放射性同位体の結合位置に関して制御されないというさらなる欠点を有し、実際、放射性同位体は、1つより多くの分子上の位置に付加することが多い。放射性同位体が標的の結合に重要な標的分子の一部に付加すると、分子の生物学的効率に影響を及ぼす可能性がある。
放射性金属で標識分子を放射性標識化するキレート剤の使用により、直接放射性標識法の多くの欠点を克服する。キレート剤は標的分子上に、より確実かつ安定して放射性金属を結合する安定した金属錯体を形成する。さらに、金属キレート剤を、結合点に対していくつかの選択肢をもってより限定的な方法で標的分子に付加することができる。ペプチド、ポリペプチド、抗体および抗体断片を、キレート剤を用いて放射性金属で標識化する方法は、従来技術で開示されている。
US 5,164,176およびUS 5,250,666には、アミン基またはアミド基からの更なる2つの窒素ドナー原子とともにN22四座キレート剤を形成する2つのチオール基由来の2つの硫黄ドナー原子を含有するキレート化合物が開示されている。これらのキレート剤は抗体などの標的タンパク質の放射性標識化に有用である。放射性標識化された抗体またはその異化代謝産物は、腸内の局在化の低下を含む改善された生体分布特性を示す。
US 5,310,536には、金属キレート形成動力学が改善されたN22とN3Sアミド−チオレート配位子が開示されている。この配位子はアミン−アミド−チオレート中間錯体の急速な形成を促進するために効果的に配置する第3級アミンを含む。さらに、急速に形成された中間錯体は金属を熱力学的に安定したアミドチオレートコアに変える。全体的に、金属キレート形成動力学は向上する。
US 6,093,383には、99mTcと電気的に中性な金属錯体を形成してペプチドの結合特性を妨げない利点を有する特有の結合ペプチドに共有結合するビスアミンビスチオールキレート剤が開示されている。
ペプチド系放射性金属キレート剤は、キレート配位子の容易な合成と修飾という利点を提供する。従って、キレート剤を容易に合成し、固相合成技術を用いて標的分子にカップリングさせることができる。さらに、キレート剤を含むアミノ酸を交換することにより、あるいはキレート剤配列に隣接するさらなるアミノ酸を付加することにより、キレート剤を容易に修飾することができる。また、キレート剤を含むアミノ酸がタンパク質性であれば、組み換え合成中にペプチド系キレート剤をタンパク質に組み込むことができる。ペプチド系キレート剤のいくつかの例は従来技術で開示されている。
US 5,849,261には、テクネチウムおよびレニウム用ペプチド系キレート剤に共有結合した血管作用性小腸ペプチド(VIP)受容体ペプチドと、その誘導体と類似体が開示されている。99mTcなどのγ−放射線放出同位体で標識化されたそのようなペプチドの実施形態、ならびにそのようなペプチドを作成し、放射線標識化し、使用して哺乳類体内の位置に画像化する方法とキットが記載されている。
US 5,993,775には、標的アミノ酸配列と、単一のチオールを含有する金属錯体を形成するアミノ酸配列からなる、大きさが7〜100のアミノ酸残基の放射線標識ペプチドである科学画像の造影剤と放射性治療剤が開示されている。さらに、実施形態にはこれらのペプチドのテクネチウムとレニウム錯体が含まれる。
US 6,126,916には、2つのアミノ酸を含み、チオールとチオセミカルバジド基からの硫黄ドナー原子を含有する金属結合配位子が開示されている。これらの配位子は、ペプチドにカップリングして診断法および治療法に使用される。ペプチド誘導体はレニウムまたはテクネチウムの同位体などの放射性金属で容易に標識化される一方、その特定のペプチド受容体をしっかりと結合する能力を保持する。
US 5,780,006およびUS 5,976,495には、ペプチド合成技術を用いてペプチド/タンパク質系放射性医薬に組み込むことができる利点を提供する単一のチオールを含む3つのアミノ酸からなるペプチド系放射性金属キレート剤(および放射性金属錯体)が開示されている。炎症部位に特有のペプチドを含むキレート剤が標的部分に結合する実施形態も開示されている。
US 6,358,491には、単一のチオールを含有するペプチド系放射性金属キレート剤に共有結合するソマトスタチン受容体結合ペプチドと誘導体が開示されている。
しかしながら、複数の研究により、従来技術の金属キレートの熱力学的安定性は満足されるものではないことが明らかになった。従来技術の錯体は解離しやすいので、信号の強度と放射線画像法のコントラストが低下する。従来技術の放射性金属錯体を用いた放射性医薬の貯蔵寿命は、この不安定性によって限定されることが多い。放射性金属錯体の安定性を改善し、その貯蔵寿命を高めるために、多量の配位子が放射性標識製剤に使用されることが多い。しかしながら、これは、産物が受容体標的である場合、この産物の生体効果を低下させるおそれがある。なぜなら過剰の配位子は結合位置に対して放射性標識化合物と競合する可能性があるからである。賦形剤(例えば、抗放射線分解)を用いて放射線医薬の安定性を向上させることが多いが、これは産物の調合物を複雑にする。
したがって、従来技術の錯体より熱力学的に安定している放射性標識錯体が求められている。
本発明の目的は、従来技術のキレート剤および放射性化合物をこえる利点を有するキレート剤を用いて放射性標識化されたキレート剤および化合物を提供することである。本発明の目的は、特に、熱力学的安定性が改善された放射性金属錯体を処理する放射性医薬を提供することである。
4〜20のアミノ酸残基の1つが置き換えられたC末端またはN末端に単一のチオール部分を任意に有する該4〜20のアミノ酸残基を含有し、錯体を形成するアミノ酸配列を含むペプチドPであって、該錯体を形成するアミノ酸配列は、
(i)− 単一の硫黄ドナー原子、
− 2または3つの非硫黄ドナー原子と、
− ドナー原子間に介在する原子を
含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤、および
(ii)2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む安定化側鎖であって、
− 前記さらなるドナー原子がペプチド結合の窒素原子でも酸素原子でもないこと、および
− 前記さらなるドナー原子が複素環の一部であるなら、1つの介在原子だけがその複素環の一部になることができる
安定化側鎖、および
(iii)平面キレート剤のドナー原子に錯化される放射性金属
を含む、ペプチドPとしてペプチド系キレート剤を定義すると、驚くことに、その熱力学的安定性を著しく高めることができることがわかった。
このペプチドPは、ペプチドPと標的部分Tを含む複合体PTの一部を形成する。
上記定義によると、ペプチドPは、アミノ酸の1つが置き換えられたN末端またはC末端に単一のチオール部分を任意に有する4〜20のアミノ酸配列であって、すべての残基と単一のチオール部分がアミド結合によってともに結合されているアミノ酸配列として定義される。さらに、ペプチドPは錯体を形成するアミノ酸配列を形成するアミノ酸残基と、放射性金属の錯体形成に直接関与しない他のアミノ酸残基を含む。これらの他のアミノ酸残基は、存在して、
a.放射性医薬の物性(親油性、安定性など)を調整する、
b.放射性医薬の生体分布または除去を調整する、
c.標的部分とキレート剤間のスペーサを提供する、または
d.化合物の標的効力を修飾または高めるが、標的部分から生じる標的での結合に主として寄与しない。
本明細書において、アミノ酸残基は、その少なくとも1つの原子が放射性金属の錯体形成に直接関与するなら、すなわち、少なくともあおの1つの原子がキレート剤または安定化側鎖のドナー原子であるなら、錯体を形成するアミノ酸配列の構成要素である。
ペプチドPは線状、分枝状、または環状であってもよい。
錯体を形成するアミノ酸配列は、好ましくは1以上5以下、より好ましくは2以上4以下のアミノ酸または単一のチオール部分残基を含む。最も好ましくは、錯体を形成するアミノ酸配列は、3つのアミノ酸または単一のチオール部分残基からなる。
「アミノ酸配列」とういう用語は、少なくとも2つのアミノ酸の重縮合によって得られるポリアミドとして定義され、ここで、「アミノ酸」は、アミノ酸がペプチド結合ではないアミド結合を含有するなら、少なくとも1つのアミノ基と少なくとも1つのカルボキシル基を含むいかなる分子をも意味する。したがって、上記定義では、N末端に遊離アミノ基と、C末端に遊離カルボキシル基を有するジペプチドは、単一の「アミノ酸」とみなされない。そのような重縮合から得られる2つの隣接するアミノ酸残基間のアミド結合は、「ペプチド結合」として定義される。任意に、ポリアミド主鎖の窒素原子は、例えば、−C1−C6−アルキル、好ましくは−CH3を用いて独立してアルキル化されてもよい。
本明細書において、アミノ酸残基は、別のアミノ酸とペプチド結合を形成してその対応するアミノ酸から得られる。
本明細書において、アミノ酸配列は、天然および/または人工アミノ酸残基、タンパク質性および/または非タンパク質性アミノ酸残基を含んでもよい。非タンパク質性アミノ酸残基は、さらに(a)タンパク質性アミノ酸のホモ類似体、(b)タンパク質性アミノ酸残基の(−ホモ類似体、および(c)さらなる非タンパク質性アミノ酸残基として分類される。
本発明によるアミノ酸配列は、線状、分枝状、または環状であってもよい。
したがって、アミノ酸残基は、その対応するアミノ酸、例えば、
タンパク質性アミノ酸、すなわち、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびVal、または
・ 非タンパク質性アミノ酸、例えば、
− その側鎖がメチレン基によって延長されたタンパク質性アミノ酸のホモ類似体で、
例えば、ホモアラニン(Hal)、ホモアルギニン(Har)、ホモシステイン(Hcy)、ホモグルタミン(Hgl)、ホモヒスチジン(Hhi)、ホモイソロイシン(Hil)、ホモロイシン(Hle)、ホモリジン(Hly)、ホモメチオニン(Hme)、ホモフェニルアラニン(Hph)、ホモプロリン(Hpr)、ホモセリン(Hse)、ホモスレオニン(Hth)、ホモトリプトファン(Htr)、ホモチロシン(Hty)およびホモバリン(Hva)など、
− メチレン基がα−炭素とβ−アミノ酸を生じるカルボキシル基間に挿入されたタンパク質性アミノ酸の−βホモ類似体で、例えば、β−ホモアラニン(βHal)、β−ホモアルギニン(βHar)、β−ホモアスパラギン(βHas)、β−ホモシステイン(βHcy)、β−ホモグルタミン(βHgl)、β−ホモヒスチジン(βHhi)、β−ホモイソロイシン(βHil)、β−ホモロイシン(βHle)、β−ホモリジン(βHly)、β−ホモメチオニン(βHme)、β−ホモフェニルアラニン(βHph)、β−ホモプロリン(βHpr)、β−ホモセリン(βHse)、β−ホモスレオニン(βHth)、β−ホモトリプトファン(βHtr)、β−ホモチロシン(βHty)およびβ−ホモバリン(βHva)など、
− さらに非タンパク質性アミノ酸、例えば、α−アミノアジピン酸(Aad)、β−アミノアジピン酸(βAad)、α−アミノ酪酸(Abu)、α−アミノイソ酪酸(Aib)、β−アラニン(βAla)、4−アミノ酪酸(4−Abu)、5−アミノ吉草酸(5−Ava)、6−アミノヘキサン酸(6−Ahx)、8−アミノオクタン酸(8−Aoc)、9−アミノナノン酸(9−Anc)、10−アミノデカン酸(10−Adc)、12−アミノドデカン酸(12−Ado)、α−アミノスベリン酸(Asu)、アゼチジン−2−カルボン酸(Aze)、β−シクロヘキシルアラニン(Cha)、シトルリン(Cit)、デヒドロアラニン(Dha)、(−カルボキシグルタミン酸(Gla)、α−シクロヘキシルグリシン(Chg)、プロパルギルグリシン(Pra)、ピログルタミン酸(Glp)、α−tert−ブチルグリシン(Tle)、4−ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)、(−ヒドロキシリシン(Hyl)、4−ヒドロキシプロリン(Hyp)、アロ−イソロイシン(alle)、ランチオニン(Lan)、(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)、(2−ナフチル)アラニン(2−Nal)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、フェニルグリシン(Phg)、ピペコリン酸(Pip)、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、スタチン(Sta)、β−チエニルアラニン(Thi)、1,2,3,4−テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸(Tic)、アロ−スレオニン(aThr)、チアゾリジン−4−カルボン酸(Thz)、γ−アミノ酪酸(GABA)、イソ−システイン(iso−Cys)、ジアミノプロピオン酸(Dap)、2,4−ジアミノ酪酸(Dab)、3,4−ジアミノ酪酸((,βDab)、ビフェニルアミン(Bip)、−C1−C6−アルキル、−ハライド、−NH2または−CO2H(Phe(4−R)(式中、Rは−C1−C6−アルキル、−ハライド、−NH2または−CO2Hである)でパラ位置において置換されたフェニルアラニン、ペプチド核酸(PNA、P.E.Nielsen, Acc. Chem. Res. 32, 624−30を参照)、
・ またはこれらのN−アルキル化類似体、例えばこれらのN−メチル化類似体、
から生じる。
環状アミノ酸は、Pro, Aze, Glp, Hyp, Pip, TicおよびThzなどのタンパク質性または非タンパク質性であってもよい。
さらなる実施例および詳細については、例えば、本明細書に引用して援用されるJ.H.Jones, J.Peptide Sci. 2003, 9, 1−8を参照することができる。
「非タンパク質性アミノ酸」および「非タンパク質性アミノ酸残基」という用語は、タンパク質性アミノ酸の誘導体も包含する。例えば、タンパク質性アミノ酸残基の側鎖を誘導してタンパク質性アミノ酸残基を「非タンパク質性」にすることができる。同じことが、アミノ酸配列を終端させるタンパク質性アミノ酸残基のC末端および/またはN末端の誘導体にもあてはまる。
本明細書において、タンパク質性アミノ酸残基は、L−またはD−配置のいずれかのAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValからなる群から選択されるタンパク質性アミノ酸から生じ、ThrとIleの第2不斉中心はR−またはS−配置を有していてもよい。したがって、例えば、自然に生じるかもしれないN−アルキル化などのアミノ酸配列の翻訳後修飾により、その対応する修飾されたアミノ酸配列残基は、現実にはタンパク質に組み込まれるのだが、これを「非タンパク質性」にする。
上記定義によると、単一の硫黄ドナー原子は単一のチオール含有アミノ酸または単一のチオール部分から生じることができ、ここで、単一のチオール部分はアミド結合を形成できる単一のチオールを有する非アミノ酸構造として定義される。好ましい単一のチオールアミノ酸の例として、Cysおよびiso−Cysが挙げられる。好ましい単一のチオール部分の例として、メルカプトアセチル(Ma)、2−メルカプト−プロピオニル(Mp)、2−メルカプト−2−メチルプロピオニル(Mmp)、2−メルカプト−プロピルアミノ(MPa)、2−アミノ−エタンチオール(Aet)、2−アミノ−プロパンチオール(Apt)および3−マルカプト−2−メチルプロピルアミノ(Mma)が挙げられる。
ペプチドPは、例えば、α−アミノ酸残基、すなわち一般式、−NRa−CRbc−CO−のアミノ酸残基および/またはβ−ホモアミノ酸残基、すなわち一般式、−NRa−CRbc−CH2−CO−のアミノ酸残基および/または一般式、−NRa−(CRbcn−CO−(式中、nは2〜12である)の(−アミノアルキルカルボン酸および/または一般式、−NRa−CRb−CRd(NRe)−(CRfgn−CO−または−NRa−(CRbcn−CRd(NRe)−CO−(式中、nは1〜10である)のジアミノ酸および/または単一のチオール部分を含んでもよく、式中、Raa、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgは炭素原子または窒素原子に共有結合できる部分であってもよい。
アミノ酸残基が1つ以上のアミノ基を含むと、いずれのアミノ基も隣接するアミノ酸残基に対するペプチド結合に関与することができる。例えば、リジンのアミノ酸残基はそのα−アミノ基またはそのε−アミノ基のどちらかを介して共有結合することができる。同じことが、1つ以上のカルボキシル基を含むアミノ酸残基にもあてはまる。すなわち、いずれのカルボキシル基も隣接するアミノ酸残基に対するペプチド結合に関与することができる。例えば、グルタミン酸のアミノ酸残基は、そのα−カルボキシル基またはそのδ−カルボキシル基のどちらかを介して共有結合することができる。例えば、グルタミン酸の両カルボキシル基が2つのアミノ酸またはアミノ酸配列のN末端に共有結合すると、アミノ酸配列の分枝形成を達成することができる。
ペプチドPは、α−アミノ酸残基以外のアミノ酸残基を、好ましくは10以下、より好ましくは6以下、最も好ましくは4以下含み、特に、α−アミノ酸残基以外のアミノ酸残基を2以下含む。好ましい実施形態において、ペプチドPに含有されるすべてのアミノ酸残基はα−アミノ酸残基である。
不斉アミノ酸残基は、ラセミ体で存在してもよいが、好ましくは純粋なエナンチオマー形態で存在してもよい。本明細書において、「純粋なエナンチオマー形態」とは、好ましくは95%eeを超え、より好ましくは98%eeを超え、特に99%eeを超えることを意味する。
ペプチドPは単一のチオール部分を含む4以上20以下のアミノ酸残基を含む。好ましい実施形態では、ペプチドPは単一のチオール部分を含むアミノ酸残基を6以上15以下、より好ましくは10以下、最も好ましくは8以下含む。
ペプチドPの錯体を形成するアミノ酸配列の平面キレート剤は、三座または四座が可能である。「平面」という用語は、配位子骨格に含有されるドナー原子が形成する平面のことをいい、キレート剤で用いられるドナー原子の数が3または4つの場合、キレート剤をそれぞれ、三座または四座として分類する。金属への錯体形成中に、キレート剤のすべてのドナー原子が、実質的に同一平面にある場合、キレート剤は平面キレート剤である。さらに、平面キレート剤の原子は、平面キレート剤のドナー原子として実質的に同一平面にある必要はないが、実質的に同一平面にあってもよい。三座キレート剤だけが配位子骨格に3つのドナー原子を含むと、三座キレート剤は、本発明による定義では常に平面キレート剤となる(デカルト空間の3つの座標が、常に一平面にある)。金属との錯体形成中に、配位子骨格のすべての4つのドナー原子が、実質的に同一平面にある場合、四座キレート剤は、本発明による定義では平面キレート剤である。四座キレート剤中で、配位子骨格の硫黄ドナー原子は、平面キレート剤の3つの非硫黄ドナー原子によって形成される面以外で、好ましくは200pm以下、より好ましくは125pm以下、最も好ましくは75pm以下である。
オキソテクネチウム(V)およびオキソレニウム(V)金属コアが、4つのドナー原子を含む平面キレート剤を用いて5−配位の擬似四角錘錯体を主に形成することは公知である。これらの錯体は、配位子の4つのドナー原子が角錐の底面のほぼ平面にあり、離れた第5オキソ配位子が角錐の頂点を占める立体配置を有する。角錐の底面を描く平面配位子セットは、1つの四座配位子、または一座配位子とともに三座配位子の組み合わせ(「3+1」配位子系)から得ることができる。Cu、PtまたはPdなどの他の放射性金属は、4つのドナー原子が関与する平面配位子配位環境を有することも公知である。
平面キレータ剤の非硫黄ドナー原子は、好ましくは供与結合を介して硫黄を除く金属に配位できる原子であればよい。ルイス塩基は一般に、その目的に適している。ペプチドPの好ましい実施形態では、非硫黄ドナー原子は、窒素、リン、砒素と酸素からなる群から独立して選択されるドナー原子であり、より好ましくは、すべての非硫黄ドナー原子は窒素ドナー原子である。錯体を形成するアミノ酸配列に錯化される放射性金属に応じて、ドナー原子は任意にかつ独立して脱プロトン化されてもよい。
ドナー原子間の介在原子、すなわち、単一の硫黄原子と2または3つの非硫黄原子間の配位子骨格の周辺部に沿う介在原子は、ドナー原子と共有結合を形成できる原子であればよい。好ましくは、配位子骨格の周辺部に沿うすべての介在原子は炭素原子である。より好ましくは、2つの隣接するドナー原子は、2または3つの炭素原子ごとに間隔をおいて配置される。
平面キレート剤の配位子骨格は閉サイクルを形成してもよい。しかしながら、平面キレート剤の配位子骨格は、好ましくは開鎖で、この開鎖は、好ましくはそのチオールの形態の単一の硫黄原子によって一端で終端されてもよい。より好ましくは、平面キレート剤の配位子骨格の周辺部は、以下の(さらに置換された)分子鎖
S−C−C−(C−)a−N−C−C−(C−)b−N−[C−C−(C−)c−N−]d
(式中、指数a、b、cおよびdは、独立して0または1である)から生じる。最も好ましくは、指数a、bおよびcは0で、指数dは1である。
本発明のキレート剤金属錯体において、安定化側鎖のさらなるドナー原子は、平面キレート剤のドナー原子と実質的に同一平面にある必要はない。好ましくは、安定化側鎖のさらなるドナー原子は、平面キレート剤の3または4つのドナー原子によって形成される平面からかなりはずれている。望ましくは、いかなる理論にも縛られずに、安定化側鎖のさらなるドナー原子は、配位子平面に垂直な金属の空の配位位置、Tc(V)またはRe(V) オキソ種の場合、オキソ基と反対の第6配位位置を占有すると考えられる。さらなる金属の配位は、金属錯体により大きな熱力学的安定性を与えることが期待される。配位子平面に垂直な付加位置への安定化側鎖の配位能力は、側鎖の長さによる立体的理由で最も確実に決定される。金属配位に対してドナー原子を正確に配置する最も好ましい側鎖の長さは、配位子骨格からドナー原子まで3〜4つの原子であると思われる。金属のまわりの平面配位子骨格の原子がほぼ対称なら、配位子骨格のまわりのどの位置も安定化側鎖の結合に適さなければならないことがさらに考えられる。
好ましい実施形態では、安定化側鎖のさらなるドナー原子は第3級アミンの窒素ドナー原子ではない。
好ましくは、平面キレート剤は、配位子骨格の単一の硫黄ドナー原子を含有する単一のチオールアミノ酸または単一のチオール部分を含み、該単一のチオールアミノ酸または単一のチオール部分は一般式(I)
Figure 2008538204
(式中、
Aは−CO2H、−CONH2、−CO2−(pep)、−CONH−(pep)またはR4で、
Bは−SH、−NHR3、−N(R3)−(pep)またはR4で、
Xは−SH、−NHR3、−N(R3)−(pep)またはR4で、
Zは−Hまたは−CH3で、
nは0、1または2で、
1、R2、R3およびR4は独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルで、
ここで、(pep)はペプチドPとその錯体を形成するアミノ酸配列の残部をそれぞれ表わすが、但し、
(a)Bは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、nは1または2であるか、
(b)Bは−SHで、Xは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、nは1または2であるか、
(c)Aは−CO2−(pep)またはCONH−(pep)で、BはR4で、Xは−SHで、nは0または1であるか、
(d)AはR4で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)であるか、
(e)AはR4で、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHであるか、
(f)Aは−CO2−(pep)または−CONH−(pep)で、Bは−SHで、XはR4であるか、
(g)Aは−CO2−(pep)または−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−CH3で、Zは−CH3で、nは0である、のいずれかの条件であって、少なくとも1つの (pep) 部分が存在する条件である)で表される構造を有する。
好ましくは、以下のいずれかである。
(a)Aは−CONH−(pep)で、BはN(R3)−(pep)で、Xは−SHで、Zは−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
(b)Aは−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)で、Zは−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
(c)Aは−CONH−(pep)で、Bは−Hまたは−CH3で、Xは−SHで、Zは−Hで、nは0であるか、
(d)Aは−CH3で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)で、Z は−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
(e)Aは−CH3、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、Zは−Hで、nはlで、R1、R2およびR3は−Hであるか、
(f)Aは−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−Hまたは−CH3で、Zは−Hで、nは0であるか、
(g)Aは CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−CH3でZは−CH3で、nは0である。
本発明によるペプチドの別の好ましい実施形態では、一般式(I)(式中、
(a)Bは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、nは1または2で、
(b)Xは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、Bは−SHで、nは1または2で、
(c)BはR4で、Aは−CO2H、−CONH2、−CONH−(pep)または−CO2−(pep)で、Xは−SHで、nはOまたは1で、
(d)AはR4で、Bは−SHで、Xは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、
(e)AはR4で、Xは−SHで、Bは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、
(f)XはR4で、Aは−CO2H、−CONH2、−CONH−(pep)または−CO2−(pep)で、Bは−SHで、
(g)Zは−CH3で、Xは−CH3で、Aは−CO2H、−CONH2、−CONH−(pep)または−CO2−(pep)で、Bは−SHで、nは0であるが、但し、単一のチオール部分は、少なくとも1つの(pep)部分が存在する条件である)で表される構造を有する。
一般式(I)で表される構造を有する単一のチオールアミノ酸の好ましい例は、
Figure 2008538204
である。
一般式(I)で表される構造を有する単一のチオール部分の好ましい例は、
Figure 2008538204
である。
錯体を形成するアミノ酸配列は、チオエーテルなどのさらなる硫黄原子を含んでもよい。好ましくは、そのような硫黄原子はさらなるドナー原子として安定化側鎖に含有される。例えば、メチオニンのチオエーテル基は、平面キレート剤の配位子骨格に結合した安定化側鎖中のさらなるドナー原子として作用することができる。
好ましくは、錯体を形成するアミノ酸配列は、アミン窒素を平面配位子ドナーセットに与えることができるアミノ酸を含有しなければならない。この種のジアミンアミノ酸は一般式
Figure 2008538204
(式中、(pep)はペプチドPの残部を表し、Chは錯体を形成するアミノ酸配列の残部と、さらに任意にさらなる残存ペプチドを表し、指数n=1〜10で、指数m=0〜10である)
で表される。上記ジアミンアミノ酸の一般式の最も好ましい実施形態では、n=1で、m=0である。
本明細書において、ジアミンアミノ酸は、括弧内のギリシャ文字で表示されて、ペプチドの残部または錯体を形成するアミノ酸配列の残部に結合するアミンを示す(例えば、(β)Dap以下の構造を参照)。ジアミンアミノ酸中のペプチドの残部または錯体を形成するアミノ酸配列への結合が、通常のα−アミンに位置する場合、通常、ギリシャ文字を必要としない((α)Dap=Dap)。さらに、括弧のないギリシャ文字は、アミン基が通常のα位置にないアミノ酸の1つのアミノ基(または複数のアミノ基)の位置を示す(例えば、3−アミノプロピオン酸=β−Ala)。上記の好ましいジアミンアミノ酸のさらなる例として、
Figure 2008538204
が挙げられる。
好ましい実施形態において、ペプチドPは一般式(II)
Figure 2008538204
[式中、Q1は−SHで、Q2は−N−(pep)または−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)のいずれかであるか、
2は−SHで、Q1は−N−(pep)または−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)のいずれかであり、
5およびR6は独立してE、−(pep)または−(側鎖)で、
7、R8、R9およびR10は独立してE、−(pep)または−(側鎖)で、
11およびR12は独立してEまたは−(pep)、またはR11およびR12はそれらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
ここでEは、−H、−C1−C4−アルキル、−CH2OH、−CH2NH2、−CH(OH)CH3、−CH265、−CH2CH265、−CH2−(p−C64−OH)、−CH2−(p−C64−NH2)、−CH2−(p−C64−F)、−CH2−(p−C64−C1)、−CH2−(p−C64−I)、−CH2−(p−C64−Br)、−CH2CH2−CH2CH2NH2、−CH2−(3−インドリル)、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2−CH2CH2CH2−COOH、−CH2611、CH2SCH2CH(COOH)NH2、−C65、−CH2−(1−ナフチル)、−CH2−(2−ナフチル)、−C611、−CH2C≡CH、−C(CH33、−CH2−(p−C64−COC65)、−CH2−(p−C64−C65) からなる群から独立して選択され、
(pep)はペプチドPとその錯体を形成するアミノ酸配列の残部を表し、
(側鎖)はさらなるドナー原子を含む安定化側鎖を表わす]で表される構造を含有する錯体を形成するアミノ酸配列を含むが、但し、一般式(II)で表される構造は、少なくとも1つの(pep)部分と少なくとも1つの(側鎖)部分を含む、錯体を形成するアミノ酸配列を含む。
好ましくは、一般式(II)で表される構造は、たった1つの(側鎖)部分を含む。
好ましい実施形態において、錯体を形成するアミノ酸配列は、(pep)−N1−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−C、 N1−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−Aet、(pep)−N1−N2−Aet(側鎖l)、 (pep)− N1−N2−Aet(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Apt、(pep)−N1−N2−Apt(側鎖)、(pep)−N1−N2−Mpa、(pep)−N1−N2−Mpa(側鎖l)、(pep)−N1−N2− Mpa(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Mma、(pep)−N1−N2−Mma(側鎖)、(pep)−C−N2−N3、C−N2−N3−(pep)、Ma−N2−N3−(pep)、Ma(側鎖)−N2−N3−(pep)、Mp−N2−N3−(pep)、Mp(側鎖)−N2−N3−(pep)およびMmp−N2−N3−(pep)
(式中、
(pep)はペプチドPの残部で、
Cは一般式
Figure 2008538204
で表されるD−Cys、L−Cys、(R)iso−Cys、(S)iso−Cysおよび側鎖置換Cysまたはiso−Cysからなる群から選択され、
Mpは2−メルカプトプロピオニルで、
Maは2−メルカプトアセチルで、
Mpaは2−メルカプトプロピルアミノで、
Aptは2−アミノ−プロパンチオールで、
Mmpは2−メルカプト−2−メチル−プロピオニルで、
Aetは2−アミノ−エタンチオールで、
Mmaは2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノで、
Aet(側鎖1)、Aet(側鎖2)、Apt(側鎖)、Mpa(側鎖1)、Mpa(側鎖2)およびMma(側鎖)は、一般式
Figure 2008538204
で表されるように、それぞれ側鎖置換されたAet、Apt、MpaおよびMmaを意味し、
Ma(側鎖)およびMp(側鎖)は、一般式
Figure 2008538204
で表されるように、それぞれ側鎖置換されたMaおよびMpを意味し、
−N1−、−N2−および−N3−は独立して、
(i)飽和または不飽和の直鎖状、分枝状、単素環式または複素環式の0、1または2つの炭化水素側鎖を有するα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール(好ましくは、フェニル、ナフチル)、ヘテロアリール(好ましくは、イミダゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、インドリルまたはピリジル)、ハライド、エステル、シアノおよびグリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含むα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基、または
(ii)飽和または不飽和の炭化水素である複素環式アミン含有アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール(好ましくは、フェニル、ナフチル)、ヘテロアリール(好ましくは、イミダゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、インドリルまたはピリジル)、ハライド、エステル、シアノおよびグリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含む複素環式アミン含有アミノ酸残基、または
(iii)一般式(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)
Figure 2008538204
で表されるアミノ酸残基であるか、または
−N1−は、一般構造HOOC−CH(NH2)−(CH2)p−NH2のω−アミン結合のD−またはL−ジアミノ酸であるか、
−N3−は、D−Dap、L−Dap、D−(β)Dap、L−(β)Dapまたは一般構造HOOC− (CH2)p−CH(NH2)CH2−NH2のω−アミン結合のアミノ酸(式中、指数pは1〜10の整数で、N末端にむかうペプチドの残部はいずれかのアミン基に結合され、 (()Dapはβ−ジアミノプロピオン酸を意味し、
−N1−、−N2−または−N3−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸であって、適切な不斉炭素原子が存在する場合、それらは任意にD−またはL−アミノ酸となることができ、−N1−または−N2−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸である場合、それらは任意にN−C1−C6−アルキル形態にあることができる)からなる群から選択される配列を含む。
好ましくは、
−N1−はGlyで、−N2−はMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基であるか、
−N1−はMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、Arg、Hisおよび(()Dap(COCH2CH2NH2)からなる群から選択されるアミノ酸残基で、−N2−はGlyであるか、
−N2−はGlyで、−N3−はMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基であるか、
−N2−はMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基で、−N3−はGlyであるか、
[ここで、(()Dap(COCH2CH2NH2)は、一般式(IIIb)で表されるアミノ酸残基を表し、−(側鎖)は−COCH2CH2NH2である]
のいずれかである。
本発明によるペプチドの錯体を形成するアミノ酸配列によって構成される配列の好ましい例を要約すると、以下のようになる。
Figure 2008538204
(()Dap=β−ジアミノプロピオニル
(Y) β,γDab=3,4−ジアミノブチリル
Mp=2−メルカプトプロピオニル
Ma=メルカプトアセチル
Mpa=2−メルカプトプロピルアミノ
Apt=2−アミノ−プロパンチオール
Mmp=2−メルカプト−2−メチルプロピオニル
Aet=2−アミノ−エタンチオール
Mma=2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノ
上記の好ましい配列において、R*、R5、R9およびR11 は、独立してEまたは−(側鎖)であり、ここで、Eおよび−(側鎖)は、少なくとも1つの(側鎖)部分が存在するなら、上記一般式(II)と同様に定義される。好ましくは、Eは−Hである。
ペプチド系キレート剤の特に魅力的な特徴は、キレート剤内のアミノ酸が配位子−金属錯体、あるいはさらに金属錯体−標的部分複合体の特性を修飾するために容易に変化できることである。固相合成中に、キレート剤中のアミノ酸を交換することによりアミノ酸炭素のα位置の錯体に付加した置換基を効果的に変化させる一方、金属の錯体形成に必要な主鎖構造とドナー原子を維持する。そのため、キレート剤アミノ酸の変化は、金属系ペプチド放射性医薬の生体効果、除去、薬物動力学、生体分布または化学特性を改善する構造活性最適化プログラム時に、有用な手段となりうる(例えば、Cyr, J.E.ら、"Development of an SSTR−targeting radiotheraphy agent: Re−188 P2045, in Technetium, Rhenium and Other Metals in Chemistry and Nuclear Medicine"、M. Nicolini and U. Mazzi 編 (Padova, Servizi Grafici Editoriali, 2002) p.345)。アミノ酸のα炭素に結合した安定化側鎖を有するペプチドキレート剤には、主要なアミノ酸位置がさらなる変化に利用できないという欠点がある。そのため、さらなる実施形態では、安定化側鎖は、標準のアミノ酸のα炭素位置以外の位置の配位子骨格に結合して、アミノ酸置換により構造修飾に利用できるα炭素アミノ酸位置を残すことが好ましい。
ペプチドPは、さらなるドナー原子を含む安定化側鎖を含有し、そのさらなるドナー原子は、2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合する。安定化側鎖のさらなるドナー原子は、好ましくは供与結合により、金属に配位可能な原子であればよい。ルイス塩基は一般に、その目的に適している。本発明によるペプチドの好ましい実施形態では、安定化側鎖のさらなるドナー原子は、窒素、リン、酸素および硫黄からなる群から選択される原子である。安定化側鎖は、単一以上のさらなるドナー原子を含んでもよい。例えば、2つのさらなるドナー原子が安定化側鎖に存在すると、両方のさらなるドナー原子は2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に結合するという要求事項を満たすことも可能である。例えば、安定化側鎖−CH2CH2C(=NH)NH2において、両方の窒素原子が3つの介在炭素原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に結合する。
しかしながら、すべてのさらなるドナー原子が条件を満たす必要はない。例えば、安定化側鎖−COCH2CH2NH2において、酸素原子が1つの介在原子を介してのみ結合するので、窒素ドナー原子だけが2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に結合するという要求事項を満たす。
好ましくは、安定化側鎖のさらなるドナー原子は、N、P、OおよびSからなる群から選択される原子である。最も好ましくは、さらなるドナー原子はNである。
ペプチドPの定義によると、安定化側鎖に含有されるさらなるドナー原子は、ペプチドPのペプチド結合(−NHCO−)の窒素原子でもなく、酸素原子でもないことがある。
本明細書において、ペプチド結合は2つの隣接するアミノ酸残基を結合するアミド結合として定義される。そのため、一方で、アミド結合はペプチド結合ではない、すなわち、2つの隣接するアミノ酸残基を結合しないので、側鎖−CH2CH2CONH2の酸素原子または窒素原子は、さらなるドナー原子とみなされることになる。同様に、例えば、以下に記載のペプチドキレート剤「NNNC−」のN末端の窒素原子は、さらなるドナー原子とみなされることになる一方、ペプチドキレート剤「−NNNC−」の対応する窒素原子は、さらなるペプチド結合に関与するので、さらなるドナー原子を構成しない。
Figure 2008538204
好ましくは、安定化側鎖は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)
Figure 2008538204
[式中、
nは、2または3で、
1は、−C(R1516)−、−NR17−、−O−または−S−で、
2は、−C(R1819)−、−NR20−、−O−または−S−で、
3は、−C(R2122)−、−NR23−、−O−または−S−で、
Dは、−NR2425−、−OR26、−SR26または−PR2728であって、
(式中、
15およびR16は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル、−OH−CO−C1−C6−アルキル、またはR15およびR16は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基またはイミノ基を形成し、
17は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
18およびR19は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、またはR18およびR19は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
20は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
21およびR22は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、またはR21およびR22は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
23は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
24およびR25は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、−C(NH2)=NH2または−CONH2で、
26は、−H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルであるか、または
15またはR17は、R18、R20、R21またはR23とともに、飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、または
18またはR20は、R24またはR26とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、および
27およびR28は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C6−アルキル−CO2H、−C1−C4−アルキル−OHまたは−O−C1−C6−アルキルである)]からなる群から選択される式で表される構造を有する。
好ましくは、これらの実施形態は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)の定義から以下のいずれかの点で除外される。
(i)酸素原子は、窒素原子、硫黄原子または別の酸素原子に共有結合する。
(ii)硫黄原子は、窒素原子または別の硫黄原子に共有結合する。
(iii)窒素原子は、別の窒素原子に共有結合する、または
(iv)カルボニル炭素は、別のカルボニル炭素に共有結合する。
より好ましくは、安定化側鎖は、上記に記載の式(IVa)、(IVb)および(IVc)
(式中、
15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25およびR26は、独立して−H、−C1−C6−アルキルまたは−C1−C6−アルキル−OHで、
15またはR17は、R18、R20、R21またはR28とともに、飽和または不飽和の4〜6員環を形成することができ、
18またはR20は、R24またはR26とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成することができ、および
27およびR28は、独立して−H、−C1−C6−アルキルまたは−O−C1−C6−アルキルである)からなる群から選択される式で表される構造を有する。
最も好ましくは、安定化側鎖は、上記に記載の式(IVa)、(IVb)および(IVc)
[式中、nは2または3で、Y1は−C(R1516)−で、Y2は−C(R1819)−で、Y3は−C(R2122)−で、
Dは−NR2425−、−OR26または−SR26であって、(式中、R15およびR16は−Hで、R18およびR19は−H、またはR18およびR19は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、R21およびR22は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、R24およびR25は−Hで、R26は、−Hまたは−C1−C6−アルキル、またはR18は、R24とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される2または3つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成する)]からなる群から選択される式で表される構造を有する。
安定化側鎖の好ましい例として、以下が挙げられる。
Figure 2008538204
より好ましくは、安定化側鎖は、−CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−COCH2CH2NH2、−CH2CH2−S−CH3、−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2、−CH2CH2CH2NHCONH2、−CH2CH(CO2H)2および−CH2−(4−イミダゾリル)からなる群から選択される部分である。最も好ましくは、側鎖は、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−CH2CH2−S−CH3、−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2および−CH2−(4−イミダゾリル)から選択され、すなわち、側鎖は、Orn、Gln、Glu、Met、ArgおよびHisからそれぞれ選択されるα−アミノ酸に属する。
安定化側鎖がアミノ酸Ornの側鎖なら、このアミノ酸は、好ましくはD−Ornである。
好ましい実施形態において、安定化側鎖は第3級アミンを含有しない。
標的部分が環状ソマトスタチン誘導体または環状ソマトスタチン受容体結合ペプチドであるなら、安定化側鎖は、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2NH2、−CH2−(4−イミダゾリル)または−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2ではなく、標的部分が葉酸塩または葉酸またはその類似体であるなら、安定化側鎖は−CH2COOHではない。好ましくは、標的部分が環状ペプチドであるなら、環状ペプチドは、環状ソマトスタチン誘導体または環状ソマトスタチン受容体結合ペプチドではない。
好ましい実施形態において、ペプチドPは、β−ホモアミノ酸、環状アミノ酸またはN−メチルアミノ酸由来のアミノ酸残基を含有しない。
本発明のペプチドPは、錯体を形成するアミノ酸配列に錯化される放射性金属を含む。好ましくは、ペプチドPは、46Sc、47Sc、60Cu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、88Ga、86Y、90Y、94mTc、99Tc、99mTc、105Rh、103Pd、111In、142Pr、149Pm、158Sm、159Gd、166Ho、177Lu、186Re、188Re、199Pt、213Bi、225Ac、52Fe、62Zn、89Zr、103Ru、161Tbおよび117mSnからなる群から選択される放射性金属を含有する。より好ましくは、放射性金属は、60Cu,62Cu、64Cu、67Cu、94mTc、99Tc、99mTc、108Pd、186Re、188Reおよび199Ptからなる群から選択される。好ましくは、99mTc、186Reまたは188Reは、それぞれオキソテクネチウムおよびオキソレニウムの形態で、平面キレート剤に錯化される。
99mTcによる標識化は、この同位体の核放射特性によりそれを理想的な科学画像の造影剤とするので有利である。この同位体は、140keVの単一光子エネルギーと約6時間の放射性半減期を有し、99mMo−99mTc発生器から容易に得られる。従来公知の他の画像化放射性核種は、非常に長い実効半減期を有する(例えば、67.4hの半減期を有する111In)ので、適正な放射性廃棄物の崩壊および処分に対して長時間、処理しなければならない、あるいはそれらが反応して揮発性種(例えば123I)を形成するので、汚染の危険をもたらす。186Reおよび188Reの両者は、β−エミッタなので、治療用途に適している。188Reはさらに、99mTc の(放射と本質的に同じエネルギーで(−線を放射して99mTc 画像化に用いられるのと同じ計測器を用いた生体分布の監視を可能にする。188Re は、99mMo−99mTc発生器に類似した188W/188Re発生器から担体無添加同位体として利用できる。当業者は、テクネチウムおよびレニウムの化学特性が、Deutschら、(1986), Nucl. Med. Biol. 13,465−477に記載のものと類似している、あるいは実質的に同じであることを認めるだろう。
本発明は、また
(a)上記に記載のペプチドP、および
(b)標的部分Tと反応可能な官能基G
を含む化合物PGであって、
官能基Gが、カルボキシル(−CO2H)、活性カルボキシル、アミノ(−NH2)、アルデヒド(−CHO)、ヒドラジン(−NHNH2)、セミカルバジド(−NHCONHNH2)、チオセミカルバジド(−NHCSNHNH2)、イソシアネート(−NCO)、イソチオシアネート(−NCS)、イミノエステル(−OCNH−)、マレインイミド、アルケニル(−CH=CH2)、アルケニレン(−CH=CH−)、ジエニル(−CH=CH−CH=CH2)、ジエニレン(−CH=CH−CH=CH−)、アルキニル(−C(CH)、アルキニレン(−C≡C−)、(−ハロカルボニル(−CO−hal)、ハロスルホニル(−SO2−hal)、ハロアセトアミド(−NH−CO−CH2−hal)、アシルアミノ(−NHCO−)、混合無水物(−CO−O−CO−)、アジド(−N3)、ヒドロキシ(−OH)、カルボジイミド(−N=C=N−)、(,(−不飽和カルボニル(−CH=CH−CO−)およびハロアセチル(−CO−CH2−hal) (式中、ハロはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する)
からなる群から選択される、化合物PGに関する。
本明細書において、「活性カルボキシル」は、求核基との反応を促進するために誘導されるカルボキシル基を意味する。適した活性基は当業者に公知であり、これに関して、例えば、M.A. Bodanszky, "The Practice of Peptide Synthesis", Springer 1984を参照することができる。例として、カルボン酸のカルボジイミドとの付加物、またはヒドロキシベンゾトリアゾールのエステルなどの活性エステルが挙げられる。4−ニトロフェノール、3,5−ジニトロフェノール、ペンタフルオロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびヒドロキシベンゾトリアゾールのエステルからなる群から選択される活性カルボキシル基が、特に好ましい。
本発明は、また、上記に記載の化合物PGと標的部分Tを含む複合体PGTであって、標的部分Tが上記に記載の官能基Gを介して化合物PGに共有結合する複合体PGTに関する。
標的部分Tは、哺乳類体内の特有の標的を選択的に認識し、それに結合できる構造モチーフを含む。
好ましくは、標的部分Tは、安定化側鎖を介してペプチドPの錯体を形成するアミノ酸配列に結合されない。
好ましい実施形態において、標的部分Tはポリアセタール(多糖類など)、オリゴアセタール(少糖類など)、ポリエステル(ポリヌクレオチドなど)、オリゴエステル(オリゴヌクレオチドなど)、ポリアミド(タンパク質など)、オリゴアミド(ペプチドなど)、ポリオレフィン(ポリイソプレノイドなど)、オリゴオレフィン(テルペン、ステロイドなど)、グリコプロテイン、リポプロテイン、抗体、グリカン、ベクターアミン、生体遺伝子アミン、製薬(抗生剤など)、生体活性脂質、リポイド、脂肪酸エステル、トリグリセリド、リポソーム、ポルフィリン、テキサフィリン、シトクロム、阻害剤、ノイラミダーゼ、プロスタグランジン、エンドセリン、アルカロイド、ビタミンとその類似体、ホルモン、抗ホルモン、DNAインターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ペプチド、抗体断片、ラクダ科動物抗体(camelide)、人工抗体(diabodies)、小体(minibodies)、受容体作動薬、受容体拮抗薬 およびアプタマーからなる群から選択される分子である。
好ましくは、標的部分Tは標的アミノ酸配列を含み、複合体PTまたは複合体PGTは全部で7以上500以下のアミノ酸残基を含み、より好ましくは250以下、さらにより好ましくは100以下、最も好ましくは50以下、特に25以下のアミノ酸残基を含む。
標的部分Tは、好ましくは50〜180,000gmol−1、より好ましくは100〜80,000gmol−1、さらにより好ましくは200〜40,000 gmol−1、最も好ましくは300〜10,000gmol−1の範囲内の分子量を有する。
複合体PTまたは複合体PGTは、好ましくは300〜200,000gmol−1、より好ましくは500〜100,000gmol−1、さらにより好ましくは700〜50,000 gmol−1、最も好ましくは800〜12,000gmol−1の範囲内の分子量を有する。
好ましくは、標的部分Tは、生物の生体内で生じる分子、または生体外で合成できる分子である。原則的に、標的部分Tは、標的と、好ましくは生物の生体内で生じる別の分子または分子構造と相互作用できる。好ましくは、前記標的部分Tとその標的間の相互作用は、結果として選択的結合を生じる分子認識に基づく。好ましくは、結合は疎水性相互作用および/または水素結合によって影響される。
好ましくは、標的部分Tは、細胞表面受容体に結合でき、好ましくは選択的に結合できる。
標的部分Tとその標的のK値は、好ましくは100μM未満、より好ましくは10μM未満、さらにより好ましくは1μM未満、最も好ましくは100nM未満、特に10nM未満である。当業者は、標的と標的部分Tの任意のセットのKD値を通常の実験によって標準条件下で決定するのに適した方法を知っている。詳細については、例えば、開示が本明細書に引用して援用されるH.E. Junginger"Drug Targeting and Delivery: Concepts in Dosage Form Design"T&F STM, 1993、H. Schreler"Drug Targeting Technology: Physical, Chemical and Biological Methods"第1版、MarceI Dekker 2001、およびA.M. Hilleryら、"Drug Delivery and Targeting: For Pharmacists and Pharmaceutical Scientists"第1版、T&F STM, 2002を参照することができる。
一実施形態において、標的部分Tはアミノ酸残基を含まない。
別の実施形態において、しかしながら、標的部分Tは標的アミノ酸配列を含む。この実施形態は、以下でさらに説明する。
好ましくは、標的部分Tは、ソマトスタチン受容体結合ペプチド、環状GPIIb/IIIa受容体結合ペプチド、白血球結合ペプチド、血小板因子4由来のペプチド、血管活性腸管ペプチド受容体結合ペプチド、神経ペプチドY受容体結合ペプチド、α−メラニン細胞−刺激ホルモン受容体結合ペプチド、ニューロテンシン受容体結合ペプチド、ウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子受容体結合ペプチド、ガストリン放出ペプチド受容体結合ペプチド、α(V)β(3)受容体結合ペプチド、コレシストキニン受容体結合ペプチド、カルシトニン受容体結合ペプチドおよび化学走化性ペプチドからなる群から選択される標的アミノ酸配列を含む。
複合体PTまたは複合体PGTの標的部分Tが標的アミノ酸配列を含む場合、任意のアミノ酸残基を、例えば、
−ペプチドPの錯体を形成するアミノ酸配列、または
−任意にペプチドPの残部、または
−標的部分Tの標的アミノ酸配列、または
−任意に標的部分Tの残部
のいずれかに組み込むことができる。
複合体PTまたは複合体PGTが、アミド結合により結合されたアミノ酸残基および/または単一チオール部分だけからなる場合、複合体は、別の選択肢として、上記に記載の錯体を形成するアミノ酸配列と上記に記載の標的アミノ酸配列を含む7以上500以下のアミノ酸残基を含有するペプチドP’としてみなすことができる。それゆえ、これらの状況下、複合体(ペプチドP’)の7〜500アミノ酸残基のうち任意のアミノ酸残基が例えば、ペプチドPの残部または標的部分T の残部に属するかどうかは、全体の複合体(ペプチドP’)が錯体を形成するアミノ酸配列、標的アミノ酸配列および7以上500以下のアミノ酸残基を含有する限り、同じことである。
一般に、Tが標的アミノ酸配列である場合、錯体を形成するアミノ酸配列および標的アミノ酸配列は、アミド結合以外の結合を用いて共有結合されてもよい。これらは互いと直接、あるいは(アミノ酸配列を結合する)さらなるアミノ酸配列のペプチド主鎖を介して共有結合されてもよい。しかしながら、共有結合は、また、錯体を形成するアミノ酸配列に含有される任意のアミノ酸残基の側鎖および標的アミノ酸配列に含有される別のアミノ酸残基の側鎖を介して形成することができる。あるいは、第1アミノ酸配列(錯体を形成あるいは標的化するアミノ酸配列)に含有されるアミノ酸残基の側鎖は、他のアミノ酸配列のN末端またはC末端にそれぞれ共有結合されてもよい。
好ましい実施形態において、錯体を形成するアミノ酸配列は、−CH2CO−部分を介して標的アミノ酸配列の硫黄含有側鎖に共有結合する。例えば、−(N−Me)Hcy−CH2CO−(β)Dap−部分(式中、「(N−Me)Hcy」は、標的アミノ酸配列の一部で、N−メチル−ホモシステインを表し、「(β)Dap」は、錯体を形成するアミノ酸配列の一部で、β−ジアミノプロピオン酸を表し、−(N−Me)Hcy−CH2CO(β)Dap−は以下の構造を有する。
Figure 2008538204
本発明は、また、上記に記載の複合体PTまたは複合体PGTおよび製剤学的に認容性の担体を含む医薬組成物に関する。
本発明は、また、製剤学的に認容性の担体とともに複合体PTまたは複合体PGTを含む医薬組成物に関する。本発明によって提供される放射性標識複合体は、製剤学的に認容性の担体、例えば、従来の生理食塩水水性媒体などの媒体中、あるいは血漿媒体中に静脈注射用医薬組成物として静脈投与することができる。このような媒体は、例えば、浸透圧を調整する製剤学的に認容性の塩、緩衝液、防腐剤などの従来の製薬補助材料もまた含有することができる。好ましい媒体の中には、標準生理食塩水および血漿が含まれる。適した製剤学的に認容性の担体は、当業者に公知である。これに関して、例えば、Remington’s Practice of Pharmacy, 第11版を参照することができる。
例えば、水性媒体中の複合体および製剤学的に認容性の担体の濃度は、特定の利用分野に伴って変化する。満足する画像標的(腫瘍など)の視覚化が達成できる場合、あるいは満足する治療結果が達成できる場合、十分な量の製剤学的に認容性の担体が存在する。
本発明によるペプチドおよび複合体は、生体外で化学的に合成することができる。ペプチドPは一般に、有利なことに、アミノ酸合成装置上で調製できる。好ましくは、特に、標的部分Tが標的アミノ酸配列を含む場合、ペプチドを順次合成することができる、すなわち、成長しているアミノ酸鎖適当な活性化・保護適当なアミノ酸誘導体を続いて付加させて錯体を形成するアミノ酸配列(および任意に標的アミノ酸配列)を得ることができる。ペプチド合成に関する詳細については、例えば、B. Gutte "Peptides: Synthesis, Structures, and Applications", Academic Press, 1995、X.C. Chanら、"Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach", Oxford University Press, 2000、J. Johns "Amino Acid and Peptide Synthesis", 第2版、Oxford University Press, 2000、およびM.Bodanszkyら、"Principles of Peptide Synthesis", 第2版、Springer, 1993を参照することができる。
別の実施形態において、ペプチドPと標的部分Tは別々に合成される。続いて、ペプチドPは、当業者に熟知の技術を用いて、生体外化学合成中に標的部分Tに共有結合する。
好ましい実施形態において、上記に記載の官能基Gを有する化合物PGは、官能基Gと選択的に反応できる相補官能基を有する標的部分Tと連結して、複合体PGTを生じる。例えば、化合物PGのマレイミド基(官能基G)は、標的部分のチオール基(相補官能基)と選択的に反応することができ、逆もまた同じである。
錯体が形成されるアミノ酸配列と放射性テクネチウムまたはレニウムの錯体の形成において、テクネチウムまたはレニウムの出発原料は、99mTcの過テクネチウム塩の塩が好ましい。186Reの過レニウム塩または188Reの過レニウム塩は、還元剤の存在下でアミノ酸配列と反応する。該還元剤は、好ましい実施形態において、塩化第1スズである。さらなる好ましい実施形態において、還元剤は、固相還元剤である。錯体およびこのような錯体を調製する手段は、好都合なことに、標識化されるアミノ酸配列と、99mTc、186Reまたは188Reで配列を標識化する十分な量の還元剤を含む所定量の分子を含有する密閉されたガラス瓶を含むキット形態で供給される。あるいは、錯体は、アミノ酸配列を予め形成された不安定なテクネチウムまたはレニウムの錯体および伝達配位子として公知の別の化合物と反応させて形成することができる。この工程は、配位子交換として公知で、当業者に熟知である。不安定な錯体は、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩またはマニトールなどの伝達配位子を用いて形成することができる。本発明で有用な99mTcの過テクネチウム塩、186Reの過レニウム塩または188Reの過レニウム塩の中に、ナトリウム塩、またはアンモニウム塩またはC1−C6−アルキルアンモニウム塩などのアルカリ金属塩が含まれる。アミノ酸配列と過テクネチウム塩または過レニウム塩または予め形成された99mTc、186Reまたは188Reの不安定な錯体との反応は、室温または100(Cまで加熱しながら水性媒体中で行うことができる。金属錯体が陰イオン電荷を有するなら、ナトリウム陽イオン、アンモニウム陽イオン、モノ−、ジ−またはトリ−C1−C6−アルキルアミン陽イオンなどの適した陽イオンとの塩の形態で水性媒体中で形成される。従来の製剤学的に認容性の陽イオンと陰イオン錯体の塩はいずれも、本発明にしたがって使用できる。
テクネチウムまたはレニウムの標識化に関係する本発明の別の実施形態において、錯体が形成されるアミノ酸配列上の遊離チオールは、標識化前のアミノ酸配列の還元によって利用可能となる(例えば、二硫化物結合が破壊される、またはチオール保護基が除去される)。好ましい実施形態において、還元剤は塩化第1スズである。さらなる好ましい実施形態において、還元剤は固相還元剤である。次いで、予め還元されたアミノ酸配列は、還元条件下での99mTc、186Reまたは188Reとの反応、あるいは予め還元された99mTc、186Reまたは188Re、あるいは99mTc、186Reまたは188Reの錯体との反応により標識化される。
本発明によって提供される放射性標識ペプチドおよび複合体は、適量の放射能を有する。99mTc、186Reまたは188Reの放射性錯体の形成において、一般に、約0.1ミリキュリー(mCi)/ml〜300mCi/mlの濃度の放射能を含有する溶液中に放射性錯体を形成することが好ましい。
本発明によって提供されるテクネチウム標識複合体を用いて、腎臓、心臓または脳などの臓器を視覚化して、これらの臓器の障害および腫瘍(例えば、胃腸の腫瘍、骨髄腫、小細胞肺癌、髄様甲状腺癌や下垂体癌などの内分泌腫瘍、髄膜腫や星状細胞腫などの脳腫瘍)を診断することができ、前立腺、***、結腸や卵巣の腫瘍を画像化することもできる。また、本発明の複合体は、血栓症やアテローム性動脈硬化症などの病状の画像化に用いられる。本発明の複合体によって画像化される部位は、標的アミノ酸配列などの標的部分の結合特異性によって決定されるだろう。治療同位体(例えば、186Re、188Re、64Cuなど)で標識化された本発明の複合体は、本発明の複合体の標的部分によって標的化される部位を有する腫瘍の治療に特に用いることができる。
本発明にしたがって、製剤学的に認容性の対イオンとの中性錯体または塩のいずれかとしての放射性同位体で標識化された複合体は、一単位の注射投与量で投与される。滅菌生理食塩水溶液または血漿などの当業者に公知の一般的な担体はいずれも、放射性同位体で標識化された後、本発明にしたがって注射剤を調製して各種臓器、腫瘍などを診断上、画像化するために利用することができる。一般に、診断用薬として投与される単位投与量は、約0.1mCi〜約100mCi、好ましくは1mCi〜20mCiの放射能を有する。放射性治療剤としては、治療単位投与量の放射能は、約10mCi〜700mCi、好ましくは50mCi〜400mCiである。単位投与量で注入される注射剤は、約0.01ml〜約30mlである。静脈内投与後、診断の目的で、生体内の臓器または腫瘍の画像化は、およそ2〜3分で行うことができる。しかしながら、所望なら、画像化は、患者に注射した後、数時間またはそれ以上長く行われる。ほとんどの場合、十分な量の投与量は画像化される領域に約0.1時間内に蓄積されて科学画像の画像を撮ることができるだろう。診断目的のためのいかなる従来の科学画像の画像化方法も、本発明にしたがって利用することができる。
本発明は、また、
(a)(i)3または4つのドナー原子と、
(ii)ドナー原子間に介在する原子を
含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤、および
(b)放射性金属
の間で形成された錯体の熱力学的安定性を高める安定化側鎖の使用であって、安定化側鎖は2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む、安定化側鎖の使用に関する。
「安定化側鎖」、「平面キレート剤」、「配位子骨格」、「ドナー原子」、「介在原子」、「放射性金属」などの用語に関して、上記で明記した定義と好ましい実施形態が参照される。
本発明の好ましい実施形態は、金属錯体を安定化させる安定化側鎖の使用であって、安定化側鎖が三座または四座の平面キレート剤の配位子骨格に単結合を介して共有結合されていて、
安定化側鎖が、式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)
Figure 2008538204
[式中、
nは、2または3で、
1は、−C(R1516)−、−NR17−、−O−または−S−で、
2は、−C(R1819)−、−NR20−、−O−または−S−で、
3は、−C(R2122)−、−NR23−、−O−または−S−で、
Dは、−NR2425−、−OR26、−SR26または−PR2728であって、
(式中、
15およびR16は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、またはR15およびR16は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基またはイミノ基を形成し、
17は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
18およびR19は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、またはR18およびR19は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
20は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
21およびR22は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、またはR21およびR22は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
23は、−H、−OH、C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
24およびR25は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、−C(NH2)=NH2または−CONH2で、
26は、−H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルであるか、
15またはR17は、R18、R20、R21またはR23とともに、飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、または
18またはR20は、R24またはR26とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、
27およびR28は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C6−アルキル−CO2H、−C1−C4−アルキル−OHまたは−O−C1−C6−アルキルである)]からなる群から選択される式で表される構造を有し、
配位子骨格が、三座または四座キレート剤の3または4つのドナー原子と、それらの間の介在原子によって画定され、
平面キレート剤が、
(a)一般式(I)
Figure 2008538204
(式中、Aは−CO2H、−CONH2、−CO2−(pep)、−CONH−(pep)またはR4で、
Bは−SH、−NHR3、−N(R3)、−N(R3)−(pep)またはR4で、
Xは−SH、−NHR3、−N(R3)−(pep)またはR4で、
Zは−Hまたは−CH3で、nは0、1または2で、
1、R2、R3およびR4は独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルで、
ここで、 (pep)は錯体を形成するアミノ酸配列の残部をそれぞれ表わすが、但し、
(a)Bは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、nは1または2であるか、
(b)Bは−SHで、Xは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、nは1または2であるか、
(c)Aは−CO2−(pep)またはCONH−(pep)で、BはR4で、Xは−SHで、nは0または1であるか、
(d)AはR4で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)であるか、
(e)AはR4で、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHであるか、
(f)Aは−CO2−(pep)またはCONH−(pep)で、Bは−SHで、XはR4であるか、
(g)Aは−CO2(pep)または−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−CH3で、Zは−CH3で、nは0であるのいずれかの条件であって、少なくとも1つの (pep) 部分が存在する条件である)で表される構造を有する単一のチオール部分を有する錯体を形成するアミノ酸配列であるか、または
(b)一般式(V)
Figure 2008538204
(式中、
1、D2、D3およびD4は、独立して−NH、−NRu−または−S−で、
RaおよびRtは、独立して−H、任意に置換されてもよい−C1−C6−アルキル、−Rxまたは適した窒素または硫黄保護基で、
Rb〜Ruは独立して−H、置換されてもよい−C1−C6−アルキル、−CO2H、−OHまたは−Rx、または
RbはRcと、RdはReと、RfはRgと、RhはRiと、RjはRkと、RlはRmと、RnはRoと、RpはRqと、RrはRsと、それらが結合する炭素原子とともに独立してカルボニル基を形成し、
結合したR基とともに配位子骨格中に隣接する2つのCまたはN原子がいずれも、独立してC=CまたはC=N二重結合を形成することができ、
Rxは、リンカー部分
Figure 2008538204
であって、
p、q、rおよびsは、独立して0または1である)の構造を有するかの、
安定化側鎖の使用に関する。
これらの実施形態は、好ましくは、
(i)酸素原子が、窒素原子、硫黄原子または別の酸素原子に共有結合する、
(ii)硫黄原子は、窒素原子または別の硫黄原子に共有結合する、または
(iii)窒素原子は、別の窒素原子に共有結合する、
式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)の定義において、排除される。
一般式(V)の構造を有する平面キレート剤の好ましい例として以下が挙げられる。
Figure 2008538204
本発明のキレート剤(例えば、ペプチドP)は、好ましくは75%を超える、より好ましくは80%を超える、さらにより好ましくは85%を超える、最も好ましくは87.5%を超える初期放射性金属が、8時間後の水溶液中でもなお、錯化されるような熱力学的安定性を示す。特に、90%を超える初期放射性金属が、なおも錯化される。錯体形成の割合は、さらに実施例3に記載の条件下でHPLCによって監視することができる。
以下の実施例は、本発明の内容をさらに説明するが、その範囲を限定するものではない。
実施例1:キレート剤ペプチドモデルの固相ペプチド合成
9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)アミノ−末端保護を用い、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−ビス(ペントメチレン)ウロニウム テトラ−フルオロボレート/ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはジシクロヘキシルカルボジイミド/ヒドロキシベンゾトリアゾール(TBTU/HOBTまたはHBTU/HOBT)でカップリングさせ、カルボキシル−末端アミド用リンク(Rink)アミド樹脂を用いて、自動ペプチド合成装置上、0.1〜0.25mmol規模で固相ペプチド合成(SPPS)を行なった。SPPS中にカップリングされる最終残基として酢酸、安息香酸またはメルカプト酢酸をそれぞれ用いてN末端アセチル基、ベンゾイル基またはメルカプトアセチル基を導入した。
適切な場合には、以下の方法を用いて、ジアミノプロピオン(Dap)部分のα−アミノ基にアシル基を導入した。すなわち、アリルオキシカルボニルを有するα−アミン位置で保護されたジアミノプロピオン酸を用い、SPPSによりペプチドを合成した。アリルオキシカルボニル保護基をトリフェニルシランの存在下でPd(PPh32を用いて除去し、活性t−ブトキシカルボニル−β−アラニンを遊離アミン基にカップリングさせた。
通常、(100:5:5:2.5:2の割合で調製された)トリフルオロ酢酸、水、チオアニソール、エタンジチオールおよびトリエチルシランからなる溶液を室温で、1.5〜3時間用いて樹脂結合製品を切り出した。アセトニトリルで修飾した0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)による勾配溶離を用いた予備逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって粗ペプチドを精製した。アセトニトリルを溶離画分から気化させてから、凍結乾燥した。ペプチドの純度は、逆相HPLCによって90%を超えた。各産物の同定は、高速原子衝撃質量分析法(FABMS)または電子スプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)によって確認された。
第1表に、実施例1によって調製したペプチドをMS結果とともに示す。すべてのアミノ酸は、Dと明記されていなければL−型である。
第1表:
Figure 2008538204
実施例2:ソマトスタチンペプチドの固相ペプチド合成
キレート剤部分を含有する環状ソマトスタチン受容体標的ペプチドもSPPS手順により調製した。通常、クロロアセチル化した、トリチルで保護されたキレート剤テトラ−またはペンタ−ペプチドを環状ファーマコフォアヘキサペプチド上のチオール官能基にpH10でカップリングさせてペプチドを作成した。続いて、トリチル保護基をTFAで処理することにより除去し、実施例1に記載したようにHPLCで最終ペプチドを精製した。
合成のカップリング工程および最終脱保護工程の一般的手順の概略を図1に示す。
Fmoc保護および固相担体としてのクロロトリチル樹脂を用いて環状受容体結合ファーマコフォアペプチドをSPPSにより作成した。保護された線状ヘキサペプチドをHBTUおよびピペリジン用いてSPPSにより合成した後、ヘキサフルオロイソプロパノールを用いて樹脂から切り出した。立体的に厳しいカップリング(例えば、樹脂担持N−メチルホモシステインおよびFmoc−フェニルアラニン間)に対して、[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)を用いてアミノ酸前駆物質を予め活性化させた。初めに2−ニトロベンゼンスルホンアミドを形成した後、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1−メチル−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(MTBD)を用いてスルホンアミドN−Hを脱保護し、ヨウ化メチルを用いて窒素をアルキル化することによりホモシステインを固体担体上でN−メチル化した。続いて、メルカプトエタノールおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)でスルホンアミドを除去することにより樹脂担持ペプチドを次に保護されたアミノ酸へのカップリングに適したものにする。線状ペプチドをHATUで活性化し、環化し、水中のTFA/トリイソプロピルシラン/エタンジチオールで脱保護し、HPLCで精製した。すべての環状ファーマコフォアペプチドは、HPLCにより95%を越える純度となり、質量分析法によって予想されたMHピークを有した。
キレート剤ペプチドもSPPSによって作成した。C末端官能基がカルボン酸またはアルコールのいずれかであるペプチドに対して、クロロトリチル樹脂を担体として用いた。C末端官能基がカルボキサミドのペプチドに対して、リンクアミド樹脂を用いた。クロロ酢酸をN末端の樹脂担持ペプチドに加えた。ヘキサフルオロイソプロパノールまたは95:5(v/v)TFA/水のいずれかを用いてペプチドを樹脂から切り出した。ヘキサフルオロイソプロパノールを用いた場合、回収したペプチドは完全に保護された。TFAを用いた場合は、tert−ブチル系保護基は除去された。真空中、数回濃縮して(粗物質を継続してクロロホルム中に再溶解させて)TFAを除去することによりトリチル保護基をシステイン側鎖のスルフィドリル基に選択的に再結合させた。すべてのクロロアセチルキレート剤ペプチドは、HPLCにより90%を越える純度となり、FAB質量分析法によって予想されたMH+ピークを有した。
第2表に、実施例2によって調製したペプチドをMS結果とともに示す。すべてのアミノ酸は、Dと明記されていなければL−型である。
第2表:
Figure 2008538204
実施例3:99mTcおよび188Reで放射性標識化する一般的方法
凍結乾燥したキット「プラシーボ」ガラス瓶は、5mgのグルコヘプトン酸ナトリウム二水和物、100μgのエデト酸二ナトリウム二水和物、および50μg(99Tcプラシーボ)または1000μg(188Reプラシーボ)の塩化第1スズ二水和物のいずれかを含有させて調製した。凍結乾燥する前に、調合物をpH7.4に調整した。
99mTc放射性標識化のために、ペプチドをTFA塩として1mg/mLで生理食塩水に溶解させ、その100μg(100μL)を99Tcプラシーボのガラス瓶に加えた。約20mCiの放射能と生理食塩水を含有する0.9mLのテクネチウム99mTcの過テクネチウム酸ナトリウムを用い、最終製剤体積が1.1mLになるようにガラス瓶を再構成した。ガラス瓶を沸騰水浴で10分間加熱して、室温で10分間冷却した。
188Re放射性標識化のために、ペプチドをTFA塩として1mg/mLで生理食塩水に溶解させ、その100μg(100μL)を188Reプラシーボのガラス瓶に加えた。このガラス瓶に100μgの塩化第1スズ二水和物を加えた。約20mCiの放射能と生理食塩水を含有する0.9mLのレニウム188Reの過レニウム酸ナトリウムを用い、最終製剤体積が1.5mLになるようにガラス瓶を再構成した。ガラス瓶を沸騰水浴で15分間加熱して、室温で10分間冷却した。最後に、10mgのゲンチシン酸ナトリウム塩一水和物及び20mgのアスコルビン酸を含有する1mLの抗酸化安定剤溶液をガラス瓶に加えた。
99mTcまたは188Reペプチドの放射化学純度(RCP)を、Eurosphere−100C18 HPLC カラムおよびアセトニトリルで修飾した0.1%TFA移動相を用いた勾配逆相HPLCにより測定した。インライン放射検出器を用いたHPLC装置で放射性成分を検出した。用いた勾配条件下で、放射性標識不純物(例えば、99mTcグルコヘプトン酸塩、99mTcエデト酸塩や99mTc過テクネチウム酸塩)は、初期に(1〜4分で)溶離したが、放射性標識ペプチドは、かなり後で(8〜20分で)溶離した。2つの異性体の放射性金属錯体が通常、確認され、HPLC RCPを2つの錯体に対応するピークの面積比率の和として測定した。各化合物の放射化学純度の結果を以下に続く実施例で要約する。
実施例4:システイン課題研究のための一般的方法
実施例3に記載の99mTc放射性標識ペプチド製剤に、150μgのシステイン(ペプチドの約7倍モル過剰)を加え、製剤を室温で保存し、HPLCで12時間まで監視した。形成された99mTcシステインの量を時間の経過とともに記録した。初期HPLC分析は、システインを加えて5分以内に開始した。すべてのシステイン課題研究において、安定化側鎖を含有するキレート剤化合物をそれに対応する安定化側鎖を含有しない対照キレート剤化合物に対して選別した。時間の経過とともに形成された99mTcシステインの相対量は、キレート剤の安定性と逆の相関関係がある(すなわち、99mTcシステインが少ないほど、キレート剤の安定性は高くなることを示す)。
実施例5:99mTcソマトスタチンペプチドの安定性
図2に記載の化合物のキレート剤部分の側鎖を変化させてソマトスタチンペプチドを調製した。側鎖は、0〜5つの原子の長さで変化させた。これらのペプチドは、(β)Dap−N2−Cys型(N2=任意のアミノ酸)のアミン−ジアミド−チオールキレート剤を有する。実施例3に記載の手順により各ペプチドを放射性標識化し、HPLC安定性に対して9時間まで監視した。その結果を第3表にまとめた。
第3表:
Figure 2008538204
これらの結果は、長さが特に3〜4つの原子であるアミンまたはチオエーテルの側鎖は、(β)Dap−N2−Cysキレート剤を処理するソマトスタチンペプチドの(側鎖をもたないペプチドに対する)放射性標識収率および安定性を改善することを示す。長さが2つの原子または5つの原子のアミン側鎖は、安定化の成果を示さなかった。
実施例6:99mTcソマトスタチンペプチド、市販の肺癌診断用薬類似体の安定性
図3に記載した安定化側鎖(D)−CH2CH2CH2NH2の影響を調べるために市販の肺癌画像化放射性医薬(Neo Tect(登録商標))に対する類似体を調製した。これらのペプチドは、(β)Dap−N2−Cys型(N2=任意のアミノ酸)のアミン−ジアミド−チオールキレート剤を有する。
2=Lys(側鎖=(L)−CH2CH2−CH2CH2NH2)を有する化合物は、市販の放射性医薬品中のペプチドである。実施例3に記載の手順により各ペプチドを放射性標識化し、HPLC安定性に対して18時間まで監視した。その結果を第4表にまとめた。
第4表
Figure 2008538204
これらの結果は、安定化アミン側鎖(D)−CH2CH2CH2NH2は、市販の放射性医薬品のペプチドの放射性標識性能を改善することができることを示す。
実施例7:99mTcキレート剤ペプチド、N1−N2−Cysトリアミドチオールキレート剤のシステイン課題安定性
トリアミドチオールキレート剤としてテクネチウムを錯化することができるN1−N2−Cys(N1、N2 =独立して任意のアミノ酸)アミノ酸配列を用いて数種のモデルのキレート剤ペプチドを調製した。図4に表わすように2つの位置R1およびR2において各種安定化側鎖をN1−N2−Cysキレート剤中に置換した。実施例4に記載のシステイン課題実験で、化合物を選別した。1〜2つのキレート剤を、安定化側鎖を含有しない制御キレート剤と直接比較する数種の実験が行われた(さらなる研究においてのみ、化合物GoC1も分析した)。第5表の結果は、時間に対する99mTcに錯化されるペプチドの%(すなわち、100%−99mTcシステインの量)を表わす。各個別の実験によりこれらの結果を分離する。
第5表
Figure 2008538204
これらの結果は、調べた側鎖のすべてが側鎖のない制御キレート剤に対して99mTc錯体をシステイン課題まで安定化したことを示す。数種のドナー原子は、側鎖(アミン、アミドまたはイミダゾールの窒素、チオエーテルの硫黄、またはカルボン酸の酸素)に効果的で、配位子キレート主鎖に沿って異なる位置に側鎖を配置することができる。
実施例8:99mTcキレート剤ペプチド、(β)Dap−N2−Cysアミンジアミドチオールキレート剤のシステイン課題安定性
アミンジアミドチオールキレート剤としてテクネチウムを錯化することができる(()Dap−N2−Cys(N2 =任意のアミノ酸)アミノ酸配列を用いて数種のモデルのキレート剤ペプチドを調製した。このキレート剤は、実施例5および6で評価されたソマトスタチンペプチド中のキレート剤である。図5に表わすように2つの位置R3およびR4において各種安定化側鎖を (β)Dap−N2−Cysキレート剤中に置換した。実施例4に記載のシステイン課題実験で、化合物を選別した。1〜2つのキレート剤を、安定化側鎖を含有しない制御キレート剤と直接比較した数種の実験が行われた。第6表の結果は、実施例7に記載した結果と同じである。
第6表:
Figure 2008538204
これらの結果は、アミンジアミドチオールキレート剤を安定化側鎖によって安定化することができることを示す。これらのモデルのキレート剤システイン課題結果は、ソマトスタチンペプチドに対して実施例5および6で記録された結果を立証する。さらに、Dap−Y.GC化合物の結果は、安定化側鎖をキレート配位子骨格のドナー原子に付加することができることを示す。
実施例9:99mTcキレート剤ペプチド、Ma−N1−N2トリアミドチオールキレート剤のシステイン課題安定性
トリアミドチオールキレート剤としてテクネチウムを錯化することができるMa−N1−N2(Ma =メルカプトアセチル、N1、N2=独立して任意のアミノ酸)アミノ酸配列を用いて2つのモデルのキレート剤ペプチドを調製した。このキレート剤は、ペプチドのN末端にチオールドナー基を有する。図6に表わす位置R5において安定化側鎖をMa−N1−N2キレート剤中に置換した。さらにNaOHを加えて製剤のpHをpH8.5にさせた以外は、実施例3により化合物を放射性標識化した。実施例4に記載のシステイン課題実験で、放射性標識化合物を選別した。第7表の結果は、実施例7に記載した結果と同じである。
第7表:
Figure 2008538204
これらの結果は、安定化側鎖がMa−N1−N2型キレート剤もペプチドのN末端側のチオールドナーを用いて安定化できることを示す。
実施例10:188Reキレート剤ペプチド、N1−N2−Cysトリアミドチオールキレート剤のシステイン課題安定性
実施例7に記載のいくつかのN1−N2−Cys(N1、N2 =独立して任意のアミノ酸)モデルのキレート剤ペプチドを188Reで放射性標識化し、実施例4に記載のシステイン課題実験で、選別した。2つのキレート剤(図4参照)は、安定化側鎖を含有しない制御キレート剤と直接比較された。これらの研究において、産物を6時間監視した。第8表の結果は、時間に対する188Reに錯化されるペプチドの%(すなわち、100%−188Reシステインの量)を表わす。各個別の実験によりこれらの結果を分離する。
第8表:
Figure 2008538204
これらの結果は、安定化側鎖が188Re錯体も安定化できることを示す。
図1は、合成のカップリング工程および最終脱保護工程の一般的手順の概略を示す。 図2は、99mTcソマトスタチンペプチドを示す。 図3は、99mTcソマトスタチンペプチド(市販の肺癌診断剤類似体)を示す。 図4は、トリアミドチオール(N1−N2−Cys)モデルのキレート剤ペプチドを示す。 図5は、アミンジアミドチオール(βDap−N2−Cys)モデルのキレート剤ペプチドを示す。 図6は、トリアミドチオール(Ma−N1−N2)モデルのキレート剤ペプチドを示す。

Claims (29)

  1. (a)ペプチドP、および
    (b)標的部分T
    を含む複合体PTであって、
    ペプチドPは、4〜20のアミノ酸残基を含有し、その際、これらのアミノ酸の1つが置き換えられてC末端またはN末端に単一のチオール部分を任意に有し、かつ錯体を形成するアミノ酸配列を含み、該錯体を形成するアミノ酸配列は、
    (i)以下の
    − 単一の硫黄ドナー原子、
    − 2または3つの非硫黄ドナー原子、および
    − ドナー原子間に介在する原子
    を含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤と、
    (ii)2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む安定化側鎖と、
    (但し、
    − 前記さらなるドナー原子がペプチド結合の窒素原子でも酸素原子でもないこと、および
    − 前記さらなるドナー原子が複素環の一部であるなら、1つの介在原子だけがその複素環の一部になることができること
    を条件とする)
    (iii)平面キレート剤のドナー原子に錯化される放射性金属と
    を含むが、但し、
    標的部分Tが環状ソマトスタチン誘導体または環状ソマトスタチン受容体結合ペプチドであるなら、安定化側鎖は、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2NH2、−CH2−(4−イミダゾリル)または−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2ではないことと、標的部分Tが葉酸塩または葉酸またはその類似体であるなら、安定化側鎖は−CH2COOHではないことを条件とする、複合体。
  2. ペプチドPが少なくとも6つのアミノ酸残基を含有することを特徴とする、請求項1に記載の複合体。
  3. 安定化側鎖のさらなるドナー原子が第3級アミンの窒素ドナー原子ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 平面キレート剤は、配位子骨格の単一の硫黄ドナー原子を含有する単一のチオールアミノ酸または単一のチオール部分を含み、該単一のチオールアミノ酸または単一のチオール部分は一般式(I)
    Figure 2008538204
    [式中、
    Aは−CO2H、−CONH2、−CO2−(pep)、−CONH−(pep)またはR4で、
    Bは−SH、−NHR3、−N(R3)−(pep)またはR4で、
    Xは−SH、−NHR3、−N(R3)−(pep)またはR4で、
    Zは−Hまたは−CH3で、
    nは0、1または2で、
    1、R2、R3およびR4は独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルで、
    ここで、(pep)はペプチドPとその錯体を形成するアミノ酸配列の残部をそれぞれ表わすが、但し、
    (a)Bは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、nは1または2であるか、
    (b)Bは−SHで、Xは−NHR3または−N(R3)−(pep)で、nは1または2であるか、
    (c)Aは−CO2−(pep)または−CONH−(pep)で、BはR4で、Xは−SHで、nは0または1であるか、
    (d)AはR4で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)であるか、
    (e)AはR4で、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHであるか、
    (f)Aは−CO2−(pep)または−CONH−(pep)で、Bは−SHで、XはR4であるか、
    (g)Aは−CO2(pep)または−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−CH3で、Zは−CH3で、nは0であるか、
    のいずれかであることと、少なくとも1つの (pep) 部分が存在することを条件とする)で表される構造を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の複合体。
  5. (a)Aは−CONH−(pep)で、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、Zは−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
    (b)Aは−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)で、Zは−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
    (c)Aは−CONH−(pep)で、Bは−Hまたは−CH3で、Xは−SHで、Zは−Hで、nは0であるか、
    (d)Aは−CH3で、Bは−SHで、Xは−N(R3)−(pep)で、Z は−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
    (e)Aは−CH3、Bは−N(R3)−(pep)で、Xは−SHで、Zは−Hで、nは1で、R1、R2およびR3は−Hであるか、
    (f)Aは−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−Hまたは−CH3で、Zは−Hで、nは0であるか、
    (g)Aは−CONH−(pep)で、Bは−SHで、Xは−CH3で、Zは−CH3で、nは0であるか、
    のいずれかであることを特徴とする、請求項4に記載の複合体。
  6. 非硫黄ドナー原子が、窒素ドナー原子であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の複合体。
  7. 錯体を形成するアミノ酸配列が、一般式(II)
    Figure 2008538204
    [式中、Q1は−SHで、Q2は−N−(pep)または−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)であるか、または
    2は−SHで、Q1は−N−(pep)、−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)であり、
    5およびR6は独立してE、−(pep)または−(側鎖)で、
    7、R8、R9およびR10は独立してE、−(pep)または−(側鎖)で、
    11およびR12は独立してEまたは−(pep)で、またはR11およびR12はそれらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
    ここでEは、−H、−C1−C4−アルキル、−CH2OH、−CH2NH2、−CH(OH)CH3、−CH265、−CH2CH265、−CH2−(p−C64−OH)、−CH2−(p−C64−NH2)、−CH2−(p−C64−F)、−CH2−(p−C64−Cl)、−CH2−(p−C64−I)、−CH2−(p−C64−Br)、−CH2CH2−CH2CH2NH2、−CH2−(3−インドリル)、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2−CH2CH2CH2COOH、−CH2611、CH2SCH2CH(COOH)NH2、−C65、−CH2−(1−ナフチル)、−CH2−(2−ナフチル)、−C611、−CH2C≡CH、−C(CH33、−CH2−(p−C64−COC65)、−CH2−(p−C64−C65)からなる群から独立して選択され、
    (pep)はペプチドPとその錯体を形成するアミノ酸配列の残部を表し、
    (側鎖)はさらなるドナー原子を含む安定化側鎖を表わす]で表される構造を含むことを特徴とするが、但し、一般式(II)で表される構造が、少なくとも1つの(pep)部分と少なくとも1つの(側鎖)部分を含むことを条件とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の複合体。
  8. 錯体を形成するアミノ酸配列が、(pep)−N−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−C、N1−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−Aet、(pep)−N1−N2−Aet(側鎖1)、(pep)−N1−N2−Aet(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Apt、(pep)−N1−N2−Apt(側鎖)、(pep)−N1−N2−Mpa、(pep)−N1−N2−Mpa(側鎖1)、(pep)−N1−N2−Mpa(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Mma、(pep)−N1−N2−Mma(側鎖)、(pep)−C−N2−N3、C−N2−N3−(pep)、Ma−N2−N3−(pep)、Ma(側鎖)−N2−N3−(pep)、Mp−N2−N3−(pep)、Mp(側鎖)−N2−N3−(pep)、Mmp−N2−N3−(pep)(式中、
    (pep)はペプチドPの残部で、
    Cは一般式
    Figure 2008538204
    で表されるD−Cys、L−Cys、(R)iso−Cys、(S)iso−Cysおよび側鎖置換Cysまたはiso−Cysからなる群から選択され、
    Mpは2−メルカプトプロピオニルで、
    Maは2−メルカプトアセチルで、
    Mpaは2−メルカプトプロピルアミノで、
    Aptは2−アミノ−プロパンチオールで、
    Mmpは2−メルカプト−2−メチル−プロピオニルで、
    Aetは2−アミノ−エタンチオールで、
    Mmaは2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノで、
    Aet(側鎖1)、Aet(側鎖2)、Apt(側鎖)、Mpa(側鎖1)、Mpa(側鎖2)およびMma(側鎖)は、一般式
    Figure 2008538204
    で表されるように、それぞれ側鎖置換されたAet、Apt、MpaおよびMmaを意味し、
    Ma(側鎖)およびMp(側鎖)は、一般式
    Figure 2008538204
    で表されるように、それぞれ側鎖置換されたMaおよびMpを意味し、
    −N1−、−N2−および−N3−は独立して、
    (i)飽和または不飽和の直鎖状、分枝状、単素環式または複素環式の0、1または2つの炭化水素側鎖を有するα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール、ヘテロアリール、ハライド、エステル、シアノ、グリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含むα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基、または
    (ii)飽和または不飽和の炭化水素である複素環式アミン含有アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール、ヘテロアリール、ハライド、エステル、シアノ、グリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含む複素環式アミン含有アミノ酸残基、または
    (iii)一般式(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)
    Figure 2008538204
    で表されるアミノ酸残基であって、
    ここで、−N1−、−N2−または−N3−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸であって、これらのアミノ酸が適切な不斉炭素原子を含有する場合、それらは任意にD−またはL−アミノ酸となることができ、
    −N1−または−N2−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸である場合、それらは任意にN−C1−C6−アルキル形態にあることもでき、または
    −N1−は、一般構造HOOC−CH(NH2)−(CH2)p−NH2のω−アミン結合のD−またはL−ジアミノ酸であるか、または
    −N3−は、D−Dap、L−Dap、D−(()Dap、L−(()Dapまたは一般構造HOOC−(CH2)p−CH(NH2)CH2−NH2のω−アミン結合のアミノ酸(式中、指数pは1〜10の整数で、N末端にむかうペプチドの残部はいずれかのアミン基に結合され、(()Dapは(−ジアミノプロピオン酸を意味する)からなる群から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の複合体。
  9. −N1−がGlyで、−N2−がMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基であるか、
    −N1−がMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、Arg、Hisおよび(()Dap(COCH2CH2NH2)からなる群から選択されるアミノ酸残基で、−N2−がGlyであるか、
    −N2−がGlyで、−N3−がMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基であるか、
    −N2−がMet、Orn、(D)Orn、Gln、Glu、ArgおよびHisからなる群から選択されるアミノ酸残基で、−N3−がGlyであるか、
    のいずれかであって
    ここで、(β)Dap(COCH2CH2NH2)は、一般式(IIIb)で表されるアミノ酸残基を表し、−(側鎖)−は−COCH2CH2NH2であることを特徴とする請求項8に記載の複合体。
  10. 安定化側鎖のさらなるドナー原子が、N、P、OおよびSからなる群から選択される原子である、ことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の複合体。
  11. 安定化側鎖が、式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)
    Figure 2008538204
    [式中、
    nは、2又は3で、
    1は、−C(R1516)−、−NR17−、−O−または−S−で、
    2は、−C(R1819)−、−NR20−、−O−または−S−で、
    3は、−C(R2122)−、−NR23−、−O−または−S−で、
    Dは、−NR2425−、−OR26、−SR26または−PR2728であって、
    (式中、
    15およびR16は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキルで、またはR15およびR16は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基またはイミノ基を形成し、
    17は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
    18およびR19は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキルで、またはR18およびR19は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
    20は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
    21およびR22は、独立して−H、−OH、−CO2H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキルで、またはR21およびR22は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
    23は、−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルで、
    24およびR25は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OH、−CO−C1−C6−アルキル、−C(NH2)=NH2または−CONH2で、
    26は、−H、−C1−C6−アルキル、−C1−C4−アルキル−OHまたは−CO−C1−C6−アルキルであるか、または
    15またはR17は、R18、R20、R21またはR23とともに、飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、または
    18またはR20は、R24またはR26とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成し、および
    27およびR28は、独立して−H、−OH、−C1−C6−アルキル、−C1−C6−アルキル−CO2H、−C1−C4−アルキル−OHまたは−O−C1−C6−アルキルである)]からなる群から選択される式で表される構造を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の複合体。
  12. 安定化側鎖が、式(IVa)、(IVb)および(IVc)
    [式中、nは2又は3で、Y1は−C(R1516)−で、Y2は−C(R1819)−で、Y3は−C(R2122)−で、Dは−NR2425−、−OR26または−SR26であって
    (式中、R15およびR16は−Hで、R18およびR19は−Hで、またはR18およびR19は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、R21およびR22は、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、R24およびR25は−Hで、R26は、−Hまたは−C1−C6−アルキルで、またはR18は、R24とともに、N、OおよびSからなる群から独立して選択される2又は3つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の4〜6員環を形成する)]からなる群から選択される式で表される構造を有することを特徴とする、請求項11に記載の複合体。
  13. 安定化側鎖が、−CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NHCONH2、−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2、−CH2CH(CO2H)2、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−COCH2CH2NH2、−CH2CH2−S−CH3、および−CH2−(4−イミダゾリル)からなる群から選択される部分であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の複合体。
  14. 放射性金属が、46Sc、47Sc、60Cu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、88Ga、86Y、90Y、94mTc、99Tc、99mTc、105Rh、103Pd、111In、142Pr、149Pm、158Sm、159Gd、166Ho、177Lu、186Re、188Re、199Pt、213Bi、225Ac、52Fe、62Zn、89Zr、103Ru、161Tbおよび117mSnからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の複合体。
  15. 放射性金属が、60Cu、62Cu、64Cu、67Cu、94mTc、99Tc、99mTc、103Pd、186Re、188Reおよび199Ptからなる群から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の複合体。
  16. β−ホモアミノ酸、環状アミノ酸またはN−メチルアミノ酸由来のアミノ酸残基を含有しないことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の複合体。
  17. (a)ペプチドP、および
    (b)標的部分Tを
    含む複合体PTであって、
    ペプチドPは、4〜20のアミノ酸を含有し、その際、これらのアミノ酸の1つが置き換えられてC末端またはN末端に単一のチオール部分を任意に有し、かつ錯体を形成するアミノ酸配列を含み、該錯体を形成するアミノ酸配列は、
    (i)以下の
    − 単一の硫黄ドナー原子、
    − 2または3つの非硫黄ドナー原子、および
    − ドナー原子間に介在する原子
    を含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤と、
    (ii)2または3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む安定化側鎖と、
    (但し、
    − 前記さらなるドナー原子がペプチド結合の窒素原子でも酸素原子でもないこと、および
    − 前記さらなるドナー原子が複素環の一部であるなら、1つの介在原子だけがその複素環の一部になることができること、および
    − 安定化側鎖が、P中のアミノ酸の標準のα位置に結合されていないこと
    を条件とする)
    (iii)平面キレート剤のドナー原子に錯化される放射性金属と
    を含む、複合体。
  18. 錯体を形成するアミノ酸配列が、一般式(V)
    Figure 2008538204
    [式中、
    1は−SHで、Q2は−N−(pep)、−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)であるか、
    2は−SHで、Q1は−N−(pep)または−N−(側鎖)または−NR2(式中、Rは独立して−Hまたは−C1−C6−アルキルである)であり、
    2が−SHで、R5およびR6が−(側鎖)ではない場合を除いて、R5およびR6は、独立してE、−(pep)または−(側鎖)であり、
    11およびR12がそれらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、R9およびR10が−(側鎖)でない場合を除いて、R7、R8は独立してE、または−(pep)で、R9およびR10は独立してE、−(pep)または−(側鎖)であり、
    11およびR12は独立してEまたは−(pep)であるか、またはR11およびR12はそれらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成し、
    ここでEは、−H、−C1−C4−アルキル、−CH2OH、−CH2NH2、−CH(OH)CH3、−CH265、−CH2CH265、−CH2−(p−C64−OH)、−CH2−(p−C64−NH2)、−CH2−(p−C64−F)、−CH2−(p−C64−Cl)、−CH2−(p−C64−I)、−CH2−(p−C64−Br)、−CH2CH2−CH2CH2NH2、−CH2−(3−インドリル)、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2−CH2CH2CH2COOH、−CH2611、−CH2SCH2CH(COOH)NH2、−C65、−CH2−(1−ナフチル)、−CH2−(2−ナフチル)、−C611、−CH2C≡CH、−C(CH33、−CH2−(p−C64−COC65)、−CH2−(p−C64−C65)からなる群から独立して選択され、
    (pep)はペプチドPとその錯体を形成するアミノ酸配列の残部を表し、
    (側鎖)はさらなるドナー原子を含む安定化側鎖を表わす]で表される構造を含むことを特徴とするが、但し、一般式(II)で表される構造は、少なくとも1つの(pep)部分と少なくとも1つの(側鎖)部分を含むことを条件とする、請求項17に記載の複合体。
  19. 錯体を形成するアミノ酸配列は、(pep)−N−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−C、 N1−N2−C−(pep)、(pep)−N1−N2−Aet、(pep)−N1−N2−Aet(側鎖1)、(pep)−N1−N2−Aet(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Apt、(pep)−N1−N2−Apt(側鎖)、(pep)−N1−N2−Mpa、(pep)−N1−N2−Mpa(側鎖1)、(pep)−N1−N2−Mpa(側鎖2)、(pep)−N1−N2−Mma、(pep)−N1−N2−Mma(側鎖)、(pep)−C−N2−N3、C−N2−N3−(pep)、Ma−N2−N3−(pep)、Ma(側鎖)−N2−N3−(pep)、Mp−N2−N3−(pep)、Mp(側鎖)−N2−N3−(pep)、Mmp−N2−N3−(pep)
    (式中、
    (pep)はペプチドPの残部で、
    Cは一般式
    Figure 2008538204
    で表されるD−Cys、L−Cys、(R)iso−Cys、(S)iso−Cysおよび側鎖置換Cysまたはiso−Cysからなる群から選択され、
    Mpは2−メルカプトプロピオニルで、
    Maは2−メルカプトアセチルで、
    Mpaは2−メルカプトプロピルアミノで、
    Aptは2−アミノ−プロパンチオールで、
    Mmpは2−メルカプト−2−メチル−プロピオニルで、
    Aetは2−アミノ−エタンチオールで、
    Mmaは2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノで、
    Aet(側鎖1)、Aet(側鎖2)、Apt(側鎖)、Mpa(側鎖1)、Mpa(側鎖2)およびMma(側鎖)は、一般式
    Figure 2008538204
    で表されるように、それぞれ側鎖置換されたAet、Apt、MpaおよびMmaを意味し、
    Ma(側鎖)およびMp(側鎖)は、一般式
    Figure 2008538204
    で表されるように、それぞれ側鎖置換されたMaおよびMpを意味し、
    −N1−、−N2−および−N3−は独立して、
    (i)飽和または不飽和の直鎖状、分枝状、単素環式または複素環式の0、1または2つの炭化水素側鎖を有するα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール、ヘテロアリール、ハライド、エステル、シアノおよびグリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含むα−またはβ−(ホモ)アミノ酸残基、または
    (ii)飽和または不飽和の炭化水素である複素環式アミン含有アミノ酸残基であって、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキシル、アミド、アミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、アルデヒド、ケトン、アリール、ヘテロアリール、ハライド、エステル、シアノおよびグリコシルから選択される1つ以上の官能基を任意に含む複素環式アミン含有アミノ酸残基、または
    (iii)一般式(VIa)および(VIb)
    Figure 2008538204
    で表されるアミノ酸残基であって、
    ここで、−N1−、−N2−または−N3−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸であって、これらのアミノ酸が適切な不斉炭素原子を含有する場合、それらは任意にD−またはL−アミノ酸となることができ、
    −N1−または−N2−がα−またはβ−(ホモ)アミノ酸である場合、それらは任意にN−C1−C6−アルキル形態にあることもでき、または
    −N1−は、一般構造HOOC−CH(NH2)−(CH2)p−NH2のω−アミン結合のD−またはL−ジアミノ酸であるか、または
    −N3−は、D−Dap、L−Dap、D−(β)Dap、L−(β)Dapまたは一般構造HOOC−(CH2)p−CH(NH2)CH2−NH2のω−アミン結合のアミノ酸(式中、指数pは1〜10の整数で、N末端にむかうペプチドの残部はいずれかのアミン基に結合され、(β)Dapはβ−ジアミノプロピオン酸を意味する)からなる群から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項17または18に記載の複合体。
  20. −N1−が(β)Dap(COCH2CH2NH2)で、−N2−がGlyであって、(()Dap(COCH2CH2NH2)が一般式(VI a)(式中、−(側鎖)は、−COCH2CH2NH2である)で表されるアミノ酸残基を表わすことを特徴とする、請求項19に記載の複合体。
  21. (a)請求項1から20までのいずれか1項に記載のペプチドP、および
    (b)標的部分Tと反応可能な官能基G
    を含む化合物PGであって、
    官能基Gが、カルボキシル、活性カルボキシル、アミノ、アルデヒド、ヒドラジン、セミカルバジド、チオセミカルバジド、イソシアネート、イソチオシアネート、イミノエステル、マレインイミド、アルケニル、アルケニレン、ジエニル、ジエニレン、アルキニル、アルキニレン、(−ハロカルボニル、ハロスルホニル、ハロアセトアミド、アシルアミノ、混合無水物、アジド、ヒドロキシ、カルボジイミド、α,β−不飽和カルボニルおよびハロアセチル(式中、ハロはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する)からなる群から選択される、化合物。
  22. 請求項21に記載の化合物PGと標的部分Tを含む複合体PGTであって、標的部分Tが請求項21に記載の官能基Gを介して化合物PGに共有結合する複合体。
  23. 標的部分Tが、ポリアセタール、オリゴアセタール、ポリエステル、オリゴエステル、ポリアミド、オリゴアミド、ポリオレフィン、オリゴオレフィン、グリコプロテイン、リポプロテイン、抗体、グリカン、ベクターアミン、生体遺伝子アミン、製薬、生体活性脂質、リポイド、脂肪酸エステル、トリグリセリド、リポソーム、ポルフィリン、テキサフィリン、シトクロム、阻害剤、ノイラミダーゼ、プロスタグランジン、エンドセリン、アルカロイド、ビタミンとその類似体、ホルモン、抗ホルモン、DNAインターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ペプチド、抗体断片、ラクダ科動物抗体、人工抗体、小体、受容体作動薬、受容体拮抗薬およびアプタマーからなる群から選択される分子であることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載のまたは請求項22に記載の複合体。
  24. 標的部分Tが標的アミノ酸配列を含み、複合体が全部で7以上500以下のアミノ酸残基を含むことを特徴とする、請求項23に記載の複合体。
  25. ペプチドPおよび標的部分Tのアミノ酸残基の総数が、100を超えないことを特徴とする、請求項24に記載の複合体。
  26. 標的部分Tが、ソマトスタチン受容体結合ペプチド、環状GPIIb/IIIa受容体結合ペプチド、白血球結合ペプチド、血小板因子4由来のペプチド、血管活性腸管ペプチド受容体結合ペプチド、神経ペプチドY受容体結合ペプチド、α−メラニン細胞−刺激ホルモン受容体結合ペプチド、ニューロテンシン受容体結合ペプチド、ウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子受容体結合ペプチド、ガストリン放出ペプチド受容体結合ペプチド、α(V)β(3)受容体結合ペプチド、コレシストキニン受容体結合ペプチド、カルシトニン受容体結合ペプチドおよび化学走化性ペプチドからなる群から選択される標的アミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項23または24に記載の複合体。
  27. 請求項1から20および請求項22から26のいずれか1項に記載の複合体および製剤学的に認容性の担体を含む医薬組成物。
  28. (a)以下の
    (i)3又は4つのドナー原子と、
    (ii)ドナー原子間に介在する原子と
    を含有する周辺部で画定される配位子骨格を含有する三座または四座平面キレート剤、および
    (b)放射性金属
    の間で形成された錯体の熱力学的安定性を高める安定化側鎖の使用であって、安定化側鎖が2又は3つの介在原子を介して平面キレート剤の配位子骨格に共有結合するさらなるドナー原子を含む、安定化側鎖の使用。
  29. 安定化側鎖が、請求項1から20までのいずれか1項に記載のペプチドPの平面キレート剤に結合されていることを特徴とする、請求項28に記載の使用。
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