JP2008531730A - I型真性糖尿病及び他の症状を治療するための方法及び薬学的組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 I型真性糖尿病、及び不十分なインスリン或いは減少したインスリン値に関連した他の症状は、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とした自己免疫細胞を選択的に阻害、阻止或いは破壊する物質の投与と併用して、膵臓ランゲルハンス島細胞再生剤及び/又は膵管細胞をランゲルハンス島細胞へ形質転換する物質を投与することによって治療することが可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、I型真性糖尿病及び他の症状を治療するための方法及び薬学的組成物を提供するものであり、生化学、薬理学、及び医学の分野に関連するものである。
1922年以来、インスリンはI型糖尿病、及びインスリンの産生の欠如及び減少に関連する他の症状の治療に対して、唯一利用可能な療法であった。何十年もの研究と1974年における膵臓ランゲルハンス島細胞移植の出現やランゲルハンス島細胞移植に対するEdmontonプロトコールによる成功が新たに主張されたにも関わらず、米国では再現に成功しなかった。ランゲルハンス島細胞移植を受けた10%以下の患者が、移植4年後にインスリン非依存性を維持していた。さらに、新しい免疫抑制プロトコールにも関わらず、18%の割合の患者が重篤な副作用を示した。
過去何十年の間、グルコース代謝に関連するペプチド配列が新たにいくつか同定されており、その内のいくつかは最も強力なランゲルハンス島刺激ホルモンであると考えられている。これらのホルモンは、グルカゴン様ペプチド−1(Glucagon Like Peptide−1:GLP−I)及びその類似体のペプチド配列、胃阻害性ペプチド/グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(Glucose−Dependent Insulinoptropic polypeptide:GIP)、アミリン及びその類似体、Pramlintide、及びリラグルチド(Liraglutide)(NN2211)やエキセンディン−4(Exendin−4)などのGLP−Iの相同化合物、ランゲルハンス島新生関連ペプチド(Islet Neogenesis Associated Peptide:INGAP)、生物学的に活性なハムスターINGAPペプチド、他の非ヒト哺乳類INGAP類似体、ヒトprolsletペプチド及びヒトprolsletペプチド及びハムスターINGAPペプチドに対して有意な相同性を有する生物学的に活性なペプチド、及びヒトprolsletペプチド及びハムスターINGAPペプチドの生物学的に活性な誘導体、を含み、これらの誘導体は、ヒトprolsletペプチド及びハムスターINGAPペプチドにおけるアミノ酸添加剤及び/又は置換体を含んでいても良く、及び/又はエキセンディン−4、リラグルチド、又はGLP−I受容体類似体などのヒトprolsletペプチド、ハムスターINGAP、GLP−I、又はGLP−I類似体の分解を阻害する化合物、或いは、これに限定されるものではないがビルダグリプチン(Vilidagliptin)、シダグリプチン(Sidagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)及びPHX1 149を含むインスリンやランゲルハンス島再生の刺激物質を産生する膵臓ランゲルハンス島細胞を再生させる可能性を有している、ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤などのGLP−Iの破壊を停止させる化合物を含むことができる。ランゲルハンス島細胞塊を拡大させる可能性も有している他の物質は、ガストリン及び上皮細胞成長因子−1を含む。膵臓細胞死或いはアポトーシスによる膵臓細胞の寿命を通じて、新しい膵臓細胞の産生に関与している膵臓の適応性の証拠によって、多数のインスリン産生ランゲルハンス島細胞が誕生時に固定され、一生を通じて維持されるという長期間保持する考え方に取って代わった。膵臓ランゲルハンス島細胞新生は既存の外分泌性管細胞からの形質転換を通じてランゲルハンス島細胞から生じるということは、現在では充分に受け入れられている。I型糖尿病の発症数十年後であっても、インスリン産生ランゲルハンス島細胞は再生されることがデータによって示されている。例えば、妊娠中、c−ペプチドを正常レベルで産生するI型糖尿病を患った患者、及び腎臓移植のために長期間免疫抑制をされている患者において、インスリン産生ランゲルハンス島細胞の再生が観察された。
さらに、過去数十年間、膵臓の破壊を阻止する多数の免疫調節剤の影響を評価するための臨床試験が行われてきた。ランゲルハンス島細胞の破壊を潜在的に阻止する物質の研究及び種類は非常に変化している。物質の種類は、ビタミンDの欠乏が糖尿病の高い罹患率と関連しているビタミンDなどの他の薬剤と共に、臓器移植に一般的に使用されており、特にランゲルハンス島を攻撃するリンパ球に対する抗体を標的とした通常の免疫抑制剤を含む。
免疫反応を標的とし、特にI型糖尿病におけるランゲルハンス島細胞死を引き起こすTリンパ球を阻止する抗CD−3抗体は、インスリン産生細胞の破壊を阻止する熱ショックタンパク質及び抗GAD65抗体ワクチンと同様に利用されていた。新たに糖尿病であると診断された患者において、多数の異なった物質或いは物質の組み合わせで治験が行われている。現在、臓器移植における拒絶を抑制するために使用されている免疫剤ミコフェノール酸モフェチル(Mycophenolate mofetil)及びダクリズマブ(Daclizumab)は、新たにI型糖尿病と診断された患者での使用のために研究されている。Bリンパ球リンパ腫の治療用のFDA承認薬剤であり、抗CD20薬剤であるリツキシマブ(Rituximab)も、新たに糖尿病と診断された患者におけるランゲルハンス島細胞の保護において研究されている。抗CD3抗体、hOKT3ガンマ(Ala−Ala)及びモノクローナル抗体TRX4(ChAglyCD3)を用いて新しいI型糖尿病患者においた初期治験では見込みのある結果が見られており、更に進行中の治験行われている。
DiaPep277は、I型糖尿病の発症に対する別の免疫剤であり、ランゲルハンス島の破壊を停止する。DiaPep277は、ランゲルハンス島細胞を破壊するサイトカイン及び前炎症性細胞を放出するTh1細胞に影響を与えると考えられている熱ショックタンパク質50であり、新たに糖尿病であると診断された成人及び小児患者、及び成人潜在性自己免疫性糖尿病(Latent Autoimmuno Diabetes in Adults:LADA)を患った患者において研究された。
ランゲルハンス島細胞の更なる免疫破壊を阻止すると提案されている全ての療法の狙いは、非常に遅いプロセスである新しいランゲルハンス島細胞の更なる複製を増強するものではない。一般的に、健常な個人は、グルコース恒常性を維持するために約1500万個のランゲルハンス島細胞を必要とする。診断時には、I型及びII型患者の両者では、彼らの一般的なランゲルハンス島細胞塊の約50%を保持するのみである。I型糖尿病におけるこのような進行性破壊プロセスは、II型糖尿病と比べて一般的により早く且つ進行性であり、その結果、生存するために1日複数回のインスリン注射が必要となる。一般的な健常成人は1日当たり1000〜2000個のランゲルハンス島細胞の正常細胞致死率であり、ヒトランゲルハンス島の寿命は約3年である。毎日、膵臓の内分泌性及び外分泌性部位の両者において、膵臓内の前駆体細胞から同数の新しいランゲルハンス島が形成される。従って、たとえ免疫停止剤が更なるランゲルハンス島の損失を阻止したとしても、新しいランゲルハンス島産生の毎日の再生率は1日約0.1%のみであるため、ヒトprolsletペプチド、DPP−4阻害剤、及びGLP−Iアゴニスト、或いはGLP−I受容体アゴニストなどの再生化合物と組み合わされた免疫阻止化合物なしでは、インスリン産生能力を有する膵臓を再集団化するには数年かかる。
しかしながら、今までのところ、I型糖尿病、若しくはインスリン産生が欠如或いは減少している症状の疾患発症機序を治療するために成功している単独或いは併用療法は存在しない。I型真性糖尿病を治療するための新しい方法及び薬学的組成物に対するニーズが残されている。特に、インスリン産生が欠如或いは減少していることが原因となっている、若しくは治療を必要とする患者の症状に影響している多くの他の疾患も治療できる方法及び組成物が必要とされている。現在、疾患発症機序を標的とすることによってI型糖尿病の症状を軽減する治療は存在しないようである。本発明は、I型糖尿病及び他の症状を治療するための改善された療法に対するニーズを満たすものである。
第一の観点において、本発明は、患者におけるI型真性糖尿病を治療するための方法を提供するものであり、前記方法は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管上皮から新しいインスリン産生ランゲルハンス島細胞の形質転換を刺激する物質を、インスリンを産生する膵臓ランゲルハンス島細胞の死を引き起こす自己免疫細胞の活性を阻害する或いは殺傷するように特別に設計された物質、若しくはその細胞の死を引き起こす物質と併用して前記患者へ投与する工程を有するものである。以前の療法とは異なり、本発明の治療方法はランゲルハンス島細胞再生を促進するだけでなく、ランゲルハンス島細胞の破壊を引き起こす自己免疫細胞も阻害し、その結果前記患者のインスリン依存性も阻害するため、本発明は特に効果的である。
第二の観点において、本発明は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管上皮から新しいインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激し、糖尿病及び他の疾患、及び異常グルコース制御に関連した症状を治療する1若しくはそれ以上の物質に対する方法を提供する。様々な実施形態において、これらの方法は、これに限定されるものではないが、ヒトprolsletペプチド、ハムスターINGAP、合成エキセンディン−4及びGLP−I受容体類似体であるリラグルチド(NN221)を含むエキセンディン−4、若しくは血漿GLP−Iレベルを上昇させてインスリン及びその他のランゲルハンス島再生を刺激剤を産生する膵臓ランゲルハンス島細胞を再生する能力を有する他の物質、すなわちこれらに限定されるものではないがビルダグリプチン(Vilidagliptin)、シダグリプチン(Sidagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、PHX1 149を含む他の物質などの物質の投与に関するものである。ランゲルハンス島細胞塊を拡大する能力もまた保持している他の物質は、ガストリン及び上皮細胞成長因子−1を含む。これらの物質は、単体或いは互いに併用して使用される。本方法は、これに限定されるものではないが、I型糖尿病を含む多数の糖尿病関連疾患の治療に実施可能であり、本治療はヘモグロビンAlCによって測定されるような血糖コントロールを改善、並びに食前のボーラスインスリンを10〜20%減少させて食後グルコース、グルカゴン、及びトリグリセリドの変動を軽減させて減少させるために使用され得る。本方法は、糖尿病に対する障害性グルコース耐性の進行を阻止し、障害性グルコース耐性及び糖尿病への進行に向かう障害性空腹時血糖の進行を阻止し、新たに診断されたII型糖尿病を回復させるために使用することが可能である。これらの方法はさらに、II型糖尿病を治療するためにも使用可能である。
第三の観点によれば、本発明は、本発明の方法に有用な組成物を提供する。
本発明の理解を助けるために、本発明の詳細な記載は以下に記載されている。セクションIは、便利な定義を提供する。セクションIIは、本発明の方法、及び本方法で有用な物質と組成物に関する詳細な情報を提供する。セクションIIはさらにサブセクションに細分化されており、サブセクションAでは方法の概説を提供し、サブセクションBではI型真性糖尿病及び本発明の方法及び組成物で治療可能な他の症状に関する情報を提供し、サブセクションCでは膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激するのに有用な物質に関する情報を提供し、サブセクションDでは膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とする自己免疫細胞の活性を阻害する或いはその細胞を破壊する、或いはそれらの細胞の死を引き起こす物質に関する情報を提供する。セクションIIIは、本発明によって提供される或いは本発明の方法において有用な薬学的処方、さらには本発明の重要な方法を構成している用量及び投与プロトコールを記載している。
1.定義
以下の定義は、読者の理解を助けるために提供されるものである。他に定義しない限り、本明細書で使用された全ての技術用語、及び他の化学的或いは医学的用語、若しくは専門用語は、化学及び医学分野の当業者によって一般的に理解されている意味を有することを意図している。一部の場合において、一般的に理解されている意味を有する用語は、本明細書において明瞭にするため及び/又は即時参照のために定義されており、本明細書におけるそのような定義の包含は、必ずしも本分野で一般的に理解されているような用語の定義を超えて実質的に異なるものを示すように解釈されるべきではない。
本明細書で用いられる症状若しくは患者における「治療」とは、臨床結果を含む、有益な若しくは望ましい結果を得るために行われる工程を意味するものである。本発明の目的に対して、有益な或いは望ましい臨床結果は、これに限定されるものではないが、1若しくはそれ以上の糖尿病の症状の緩和或いは改善、疾患の程度の減少、疾患の進行の延長或いは遅延、疾患状態の改善、一時的緩和、或いは安定化、及び以下に記載された他の有益な結果を含む。
本明細書で用いられる症状或いは複数の症状の「軽減」(及びこの語句と文法的に同等のもの)とは、症状(複数の症状)の重症度を軽減或いは頻度を減少、若しくは症状(複数の症状)を除去することを意味するものである。
本明細書で用いられる「投与」或いは「対象への薬剤の投与(及びこの文章と文法的に同等なこと)」とは、自己投与を含む直接的投与、及び薬剤を処方するという行為を含む間接的投与の両者を含む。例えば、本明細書で用いられる患者に自己投与薬剤を指示する及び/又は患者に薬剤の処方を提供する医師は、前記患者に薬剤を投与している。
本明細書で用いられる症状の「発現」とは、疾患を有する対象に特徴的である、症状、徴候、解剖学的状態(例えばランゲルハンス島細胞の欠如)、生理学的状態(例えばグルコースレベル)、或いは報告(例えばトリグリセリドレベル)を意味している。
本明細書で用いられる薬剤又は物質の「治療的有効量」とは、疾患或いは症状を有する対象に投与された場合、例えば前記対象における前記疾患或いは症状の1若しくはそれ以上の発現の緩和、改善、一時的緩和、或いは除去など、意図した治療効果を有する薬剤或いは物質の量である。完全な治療上の効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるものではなく、一連の用量の投与後にのみ生じるものであっても良い。従って、治療的有効量は、1若しくはそれ以上の投与において投与されても良い。
本明細書で用いられる薬剤の「予防的有効量」とは、対象に投与された場合、例えば疾患或いは症状の発症(或いは再発)が阻止される或いは遅延される、若しくは疾患或いは症状の発症(或いは再発)の見込みを減少するなど、意図された予防的効果を有する薬剤の量である。完全な予防的効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるものではなく、一連の用量の投与後にのみ生じるものであっても良い。従って、予防的有効な量は、1若しくはそれ以上の投与において投与されても良い。
本明細書で用いられる「TID」、「QD」、及び「QHS」は、それぞれ通常の意味である「1日3回」、「1日1回」、及び「就寝前に1回」である。
「併用」での物質の投与とは、平行投与(モノクローナル抗体と、インクレチンホルモン或いは類似体などのペプチドホルモンとを1ヶ月間2日に1回で投与するなど、患者への周期的な両物質の投与)、同時投与(物質はほぼ同時、例えばそれぞれを約数分〜約数時間の間に投与される)、及び同時処方(物質は混合、或いは経口或いは非経口投与に適した単一剤形に調合される)を含む。
DPP−4は、ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤である。
HIPは、ヒトprolsletペプチドである。
INGAPは、ハムスター由来のランゲルハンス島新生関連ペプチドである。
GIPは、胃阻害性ペプチドであり、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチドとしても知られている。
GLP−Iは、グルカゴン様ペプチド1である。
II.本発明の方法及びそこで有用な薬剤
A. 本発明の方法の概要
本発明は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する物質を患者へ投与することによって、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的にする自己免疫細胞の活性を阻害する及び/又はその細胞を阻止する或いは破壊する物質の同時或いは同時期投与によって、I型真性糖尿病、及び患者におけるインスリン産生の欠如或いは減少が見られる関連症状を治療するための併用療法及び方法を提供する。本発明以前は、I型糖尿病或いはインスリンレベルが不十分或いは減少している他の症状を患った患者においてランゲルハンス島細胞死を阻止するために、ランゲルハンス島細胞再生剤及び/又は免疫修飾を標的とした形質転換剤の両者の独自の組み合わせを提供するための多様な療法投薬計画を使用することはなかった。本発明で提供される新しい治療方法は、インスリンの欠如、若しくはインスリン或いは他のホルモン量が減少している或いは不十分である、若しくは異常な量を産生した結果生じるいくつかの異なる発症機序を扱うものである。本発明によって提供される治療法の組み合わせによって、より正常なグルコース代謝を回復することができ、インスリン、アミリン、食後グルコース、トリグリセリド、及びグルカゴンの適切な値を達成及び維持し、著しい体重増加と厳しい血糖コントロールに関連した重篤な低血糖のリスクの増加を軽減することができる。
本発明は、糖尿病及び関連症状を治療するための単一薬剤療法も提供する。これらの単一薬剤療法は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管上皮から新しいインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する1若しくはそれ以上の薬剤を投与し、糖尿病及び他の疾患、及び異常なグルコース制御に関連した症状を治療する方法を含む。様々な実施形態において、これらの方法は、これに限定されるものではないが、HIPハムスターINGAP、合成エキセンディン−4及びリラグルチド(NN221)を含むエキセンディン−4をなどの薬剤の単独投与、或いはこれに限定されるものではないが、ビルダグリプチン(Vilidagliptin)、シダグリプチン(Sidagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、及びPHX1 149を含むジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤との併用投与に関するものである。ランゲルハンス島細胞塊を拡大する能力もまた有する他の薬剤には、ガストリン及び上皮細胞成長因子−1を含む、ランゲルハンス島細胞塊を潜在的に拡大する薬剤も含まれる。この方法で治療が可能な疾患及び症状は、これに限定されるものではないがI型糖尿病を含み、これらの治療はヘモグロビンAlCによって測定されるような血糖コントロールを改善するために使用され、周期的変動の減少、及び食後グルコース、グルカゴン及びトリグリセリドの減少を伴って食前のボーラスインスリンを10〜20%減少させるために使用することが可能である。これらの方法は、糖尿病に対する障害性グルコース耐性の進行を阻止し、障害性グルコース耐性及び糖尿病への進行に向かう障害性空腹時血糖の進行を阻止し、新たに診断されたII型糖尿病を回復させるために使用され得る。これらの方法は、II型糖尿病を治療するためにも使用することが可能である。
外因性注射可能なインスリンは、I型糖尿病、及びインスリンが欠如している、若しくは血流におけるグルコース含有量に対してインスリン量が減少している或いは不十分である他の症状を患った患者の治療法である。インスリン療法は、I型糖尿病及び内因性インスリン産生が減少している他の症状を生じる疾患発症機序を治療するものではない。本明細書に記載された療法、方法、様式及び治療は、糖尿病の原因及び合併症の多くの面に取り組んでいることが第一である。本発明によって提供される特異的な療法は、糖尿病学、代謝、及び免疫の多様な観点を含むものである。これらの療法は、インスリンに加えて、I型糖尿病において減少している或いは欠如している多くの異なるホルモンを供給する療法を含む。本発明の方法は、新しいインスリン産生細胞の再生、及びI型糖尿病及び不十分なインスリン産生及び分泌に関連した他の症状を有する患者におけるインスリンの必要性を緩和、減少、或いは消滅させるように共に作用する免疫調節を提供する。
I型糖尿病において、インスリンの産生の著しい減少を生じるいくかの発症機序が存在する。これらは、ランゲルハンス島細胞の自己免疫破壊、及び強力なランゲルハンス島細胞再生ホルモンの量の減少に起因している可能性がある管上皮の再生能力の減少を含む。膵臓ランゲルハンス島細胞を攻撃する自己免疫細胞が阻止され、膵臓ランゲルハンス島細胞の再生を刺激するペプチド或いは他の化合物が投与された場合、前記患者はインスリン投与への依存が少なくなるため、本発明は効果的である。
本発明の方法によると、何人かの患者では投与されたインスリンに完全に依存しなくなった。他の研究(Levetan et al,2002,Diabetes 51(supple 2):429,Levetan et al.Diabetes 2002.51(suppl.2):474,Levetan Diabetes 2001;50(supple 2):2105 PO.及びLevetan et al.,2003,Diabetes Care 26:1−8を参照のこと、いずれの参考文献もこの参照によって本明細書に組み込まれる)では、インスリン以外のホルモンの減少が起こった場合、I型糖尿病患者におけるインスリン要求性は、グルコースコントロールの改善を伴って有意に減少することが示されている。新しいランゲルハンス島細胞を提供し、それらを殺傷する免疫細胞を阻止することによって、インスリン自体の持続的な内因性産生を生じるため、本発明の方法は非常に有望なものである。
本発明によって提供される療法の利益を立証する必要性が存在する。強力なインスリン療法は死を阻止し、失明、切断及び透析を必要とする腎不全の割合を減少するということを裏付けるための新しいインスリン製剤及び証拠が存在する。しかしながら、複数回のインスリン注射及びポンプ療法を介した連続したインスリン送達の近年の様式を用いた強力なインスリン療法は、別の人の助けを必要とする重篤な低血糖のリスクが2〜3倍増加することと関連していた。臨床研究設定においては、静脈内インスリン及びグルコース手段によって、I型糖尿病患者のグルコースは正常化しているにも関わらず、高いレベル及び低いレベル両方のグルコース値の標準偏差は、24時間にわたり、同じ平均グルコースを示す非糖尿病研究対象と比較して有意に広域であった。
従って、インスリンの利用可能性、及びヒトインスリン、自己血中グルコースモニタリングシステム、連続的グルコースセンサー及びポンプ療法を含む新しいテクノロジーにも関わらず、正常グルコースコントロールは、現在の療法では達成できない。さらに、I型糖尿病を引き起こす発症機序は、I型糖尿病及びインスリンを産生しないか、或いは減少している症状の患者に対して利用可能な現在の療法によって影響をないものである。
本発明は、I型真性糖尿病、及びインスリン産生の欠如或いは減少が疾患症状の原因因子である他の症状を治療するための新しい方法及び薬学的組成物を提供する。本発明の方法及び組成物は、これら疾患症状の基礎病理学的メカニズムを回復することができる。従って、本発明の方法は、以前はそのような治療を必要としていた患者へのインスリン投与の必要性を減少し、更にいくつかの例では前記必要性を取り除くものである。
本方法の1実施形態において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する薬剤は、GLP−I受容体アゴニストであるPramlintide、リラグルチド(NN221 1)、HIP、HIP類似体、ハムスターINGAP、INGAP類似体、ヒトINGAP、生物学的に活性なあらゆるINGAPペプチド、及びGLP−Iの分解を遅らせるジペプチジルペプチダーゼ阻害剤などのアミリン及び/又は類似体から成る群から選択される。本発明のこの観点において有用なこれら及び他の薬剤は、以下のIICの項目に記載している。当業者であれば、本明細書で開示されたことを考慮することによって、ランゲルハンス島細胞再生及び/又は管細胞形質転換を刺激する、及び/又はそのような薬剤の分解を遅延する1以上の薬剤は、本発明の方法において併用して使用することができることを理解するであろう。
本発明の方法の実行において、ランゲルハンス島数、塊、及び/又は内因的に産生されたインスリンの産生を増加するために選択された薬剤は、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的にした自己免疫細胞の活性を阻害する、阻止する、若しくはその細胞を破壊する特異的な薬剤と併用して使用される。そのような薬剤は、例えばペプチド、タンパク質及び合成化合物を含む。1実施形態において、前記薬剤は、モノクローナル抗体、熱ショックタンパク質、DiaPep277及び抗GAD65抗体ワクチン、免疫薬剤ミコフェノール酸モフェチル(Mycophenolate mofetil)及びダクリズマブ(Daclizumab)、標的免疫薬剤、リツキシマブ(Rituximab)、抗CD20剤、抗CD3抗体、hOKT3ガンマ(Ala−Ala)及びモノクローナル抗体TRX4(ChAglyCD3)、及びランゲルハンス島細胞の自己免疫破壊を特に遅延、阻止或いは停止する他の化合物を含む。本発明のこの観点において有用なこれら及び他の薬剤は、以下のセクションIIDに記載している。当業者であれば、本明細書に開示されたことを考慮して、膵臓ランゲルハンス島細胞の自己免疫破壊を阻止する1以上の薬剤は本明細書の方法において併用して使用され得るということを理解するであろう。
従って、本発明の併用療法及び関連方法は、ランゲルハンス島細胞再生を刺激する、若しくは膵臓ランゲルハンス島細胞の自己免疫破壊を阻止する1若しくはそれ以上の薬剤と、管細胞形質転換を刺激する1若しくはそれ以上の薬剤との同時投与に関するものである。2つの薬剤が投与される場合、本明細書で用いられる、薬剤が別の薬剤(本明細書ではこれも「薬剤」と言及する)と「同時投与される」或いは「併用で使用される」とは、同じ治療過程の一環として投与されるものである。1実施形態において、第一の薬剤は、第二の薬剤の投与前に最初に投与され、両者の治療は治療過程の間続けられる。別の実施形態において、第二の薬剤は、第一の薬剤に関連した療法の開始或いは完了後に投与される。別の実施形態において、第一の薬剤は、第二の薬剤での療法の開始と同時期に投与される。1実施形態において、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的にする自己免疫細胞を阻止する或いは殺傷するための1若しくはそれ以上の薬剤に関連する療法は、ランゲルハンス島細胞再生或いは管細胞形質転換、若しくはその両者を刺激する前記療法の投与前に第一に投与される。1実施形態において、特異的自己免疫遮断薬での治療は、ランゲルハンス島細胞再生を刺激する薬剤での治療の休止後続けられる。
本発明の方法の実行は、治療の複数ラウンド或いは「周期」を含んでいても良い。ランゲルハンス島細胞再生或いは管細胞形質転換を刺激する薬剤の1若しくはそれ以上の投与、及び膵臓ランゲルハンス島細胞を標的にした自己免疫細胞を阻止する薬剤の1若しくはそれ以上の投与の各周期は(周期の完全なセットと同様に)、本方法の実行と見なされる。従って、ランゲルハンス島細胞再生薬剤は、自己免疫細胞遮断剤での治療の複数周期のいずれか或いは全てにおいて、若しくは例えばそのような周期のサブセットにおいてのみ投与することが可能である。上記の実施例は説明のためのみのものであり、あらゆる方法で本発明を限定することを意図するものではないことが理解される。当業者であれば、同時投与のスケジュールは多くの場合、患者の便宜のため、第一の療法サイクル或いは後の療法サイクルにおいて異なるものであるということも理解するであろう。
本発明の併用療法及び関連方法は、新しいランゲルハンス島細胞を再生する及び/又は膵管細胞を形質転換する薬剤を、標的免疫療法を提供する薬剤と併用して投与する工程によって、I型糖尿病の疾患発症機序を特異的に標的にしている。この併用療法は、抗自己抗体が膵臓を攻撃するという自己免疫現象であるI型糖尿病の発症機序を完全に或いは部分的に回復する。インスリンの投与に依存しているI型糖尿病に対する現在の療法は、I型糖尿病における根本的な欠点を回復できない。さらに、外来膵臓細胞の拒絶に基づいたI型糖尿病に対する現在の免疫療法は、宿主膵臓細胞の死の原因となる免疫反応を特異的に標的にできない。
本発明によって提供される新しい方法は、インスリン産生ランゲルハンス島細胞の破壊、再生及び維持の間の不均衡によるインスリン産生の減少に起因する病気及び症状の疾患発症機序を回復するものである。本発明の方法及び組成物は、I型糖尿病、若しくは別の疾患或いは症状を患っているため現在薬剤を摂取している患者のインスリン要求性を軽減することができ、そのような患者のグルコースコントロールを改善することができる。何人かの患者において、本発明の方法に従った治療は、インスリン投与の必要性を緩和する或いは取り除くことができる。以下の項目では、本発明の方法及び組成物が治療上の利点を用いて治療するために使用され得る様々な疾患及び症状を記載している。
B.治療に適している疾患及び症状
本発明の併用療法は、膵臓ランゲルハンス島細胞の欠如に起因するインスリンの産生の減少に関連した疾患、徴候、或いは症状を患ったヒト及び動物を含むあらゆる哺乳類を治療するために使用することが可能である。そのような疾患及び症状は、もちろんI型真性糖尿病、これに限定されるものではないがI型糖尿病に特異的な抗体(抗GAD65n及び他の抗体)によって認められるようなI型患者における前糖尿病を含む前糖尿病、及び成人期の潜在性自己免疫糖尿病を含む。さらに、本発明は、I型糖尿病であると新たに診断された患者、I型糖尿病を患った患者の兄弟及び一等親血縁者、及びI型糖尿病の傾向を示す陽性抗体及び他の自己免疫症状を有する人々に対しても治療上の利益をもって実行することができる。1実施形態において、本発明の方法はそのような治療を必要とする患者におけるI型糖尿病を回復させるために実行される。
本発明の併用療法及び関連方法及び組成物はさらに、小児及び成人におけるI型糖尿病のインスリン療法に対する補助療法として使用することが可能であり、糖尿病を患った患者、及び不十分なコントロール下での糖尿病、低血糖無意識及びI型糖尿病における再発性低血糖を患った患者における血糖の揺らぎを改善することができる。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法、並びに組成物は、新たに診断されたII型糖尿病、再発性低血糖を有する小児及び成人におけるII型糖尿病、インスリン療法で同時に治療されたII型糖尿病、及び不十分なコントロール下のII型糖尿病を患った患者を治療するために使用され得る。何人かの患者、小児及び成人の両者において、本発明の方法及び組成物はII型糖尿病を回復することができる。本発明の方法及び組成物はさらに、典型的な型の糖尿病を患った小児及び成人の両者、及び食後低血糖の症状を有している患者を治療するためにも使用され得る。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法、並びに組成物は、さらに、これに限定されるものではないが減量又は肥満の治療を達成することを含む減量を必要とし、更にI型糖尿病、及びI型或いはII型糖尿病ではない小児及び成人患者を治療するためにも使用可能である。1実施形態において、本発明の方法及び組成物は、病的な肥満である患者を治療するために使用される。別の実施形態において、本発明の方法及び組成物は、病的な肥満である患者、或いは食欲不振症、過食症或いは他の摂食障害を患った患者を治療するために使用される。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法、及び組成物は、代謝異常症候群或いはメタボリック症候群を患った小児及び成人、さらには糖尿病の有無を問わない高トリグリセリド血症及び食後高トリグリセリド血症の症状を示す患者に対して使用することもできる。1実施形態において、これらの方法は、そのような治療を必要としている患者における多嚢胞性卵巣症候群を治療するために実行される。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法から利益を受けることができる他の患者は、空腹時高血糖、障害性空腹時グルコース、障害性グルコース耐性、及び一般的に低血糖症状などの症状を示すと診断された小児及び成人患者を含む。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法、及び組成物はさらに、糖尿病として診断されているかは関係なく、神経因性疼痛症候群及び神経障害を患った患者を治療するためにも使用され得る。
本発明の単一薬剤療法及び関連方法、及び組成物はさらに、再発性膵臓炎或いは膵癌を患った患者を治療するために使用され、自己ランゲルハンス島再生の全様式において使用され得る。
以下の項目では、本発明の方法に有用な薬剤を記載している。当業者であれば、当業者が治療される疾患や症状、患者の健康状態や治療状態に基づいて特定の薬剤を選択するものであるということを、本明細書での開示の観点において理解するであろう。
C.膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激する薬剤
本発明の方法の1実施形態において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する薬剤は、アミリン及び/又はこれに限定されるものではないがシリン(Sylin)、Pramlintide、エキセンディン−4、GEP、GLP−I、INGAP、リラグルチド(NN221 1)、他のインクレチン模倣性ホルモン、及び/又は類似な作用化合物及び薬剤を含む類似体、及び、例えばGLP−Iの分解を遅延するジペプチジルペプチダーゼ阻害剤などの、半減期を延長する或いは前述の化合物及び薬剤のいずれかのレベル或いは活性を増加する薬剤から成る群から選択される。GLP−I受容体に対する直接的アゴニスト活性を介して、或いはGLP−Iの分解を阻害することによって作用する多数のGLP−I模倣体が存在する。これらの薬剤は、本発明の方法で有用である。GLP−I模倣体は、I型糖尿病の治療用である標的免疫療法との組み合わせで使用することができ、本発明によって提供されるように、それらはヘモグロビンAlCで測定されるようなI型糖尿病におけるグルコースコントロールを改善するために使用され、糖尿病における障害性グルコース耐性の進行を阻止し、障害性空腹時グルコースの障害性グルコース耐性及び糖尿病への進行を阻止し、新たに診断されたII型糖尿病を回復し、II型糖尿病を治療し、及び肥満、多嚢胞性卵巣症候群及び神経因性疼痛症候群を治療する或いは阻止する。
膵臓ランゲルハンス島細胞再生を達成するための本発明の実行に有用な方法、薬剤及び薬学的処方は、以下の参考文献:Rosenberg et ah,1992,Adv.Exp.Med.Biol.321:95−104;Mar.1996,Diabetologia 39(3):256−62;JuI.1996,Pancreas ii(l):38−46;and Nov.2004,Ann.Surg.2\0(5):875−84;Vinik et al,Jun.1997,Horm.Metab.Res. 29(6):278−93に記載されているものを含む(この記載物はこの参照によって本明細書に組み込まれるものである)。
本発明の1実施形態において、アミリン或いは類似体は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激方法において使用される。アミリンは、参考文献であるYoung et al.,1997,Curr.Opin.Endocrin.Diabetes 4:282−290(これはこの参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されたことに従った本発明の目的のために処方され投与することが可能である。本発明の1実施形態において、アミリン及び/又はこれに限定されるものではないがPramlintideを含む類似体は、皮下に投与され、単独或いは他のランゲルハンス島刺激性ペプチドとの併用で使用される。1実施形態において、アミリン或いはPramlintideは、0.3〜0.8マイクログラム/患者の体重のキログラムの用量で投与される。1実施形態においてこの用量は、食前、例えばQHS及び3AMに皮下に投与される。1実施形態において、治療上有効な用量は、注入装置及び/又は経皮的、鼻腔内、頬側、マイクロニードル送達システムを介して送達され、例えば食事3〜5分前に開始、就寝前、及び約3AMに開始して30分間連続注入を提供する。別の実施形態において、治療上有効な用量は、1週間に1回、2週間に1回、或いは1ヶ月に1回以上の頻度は必要としない注射或いは他の送達方法による投与を必要とする徐放性処方を利用して投与される。いくつかの実施形態において、アミリン或いはPramlintideは、別のランゲルハンス島刺激性薬剤と同時投与される。
本発明の1実施形態において、エキセンディン−4或いは類似体は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激するために本方法において使用される。エキセンディン−4は以下の参考文献の教示に従って本発明の目的のために処方され投与される。参考文献は、Alcantara et al.,1998,Cell Biochem.Fund.16(1):51−6;Dupre et al,2004,J.Clin.Endocrin.Metab.89(1):3469−73;Edwards et al,1999,Diabetes 48:86−93;及びXu et al,1999,Diabetes 48:2270−76、であり、各参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる。1実施形態において、エキセンディン−4は、食前に、QHS及び3AMに0.05〜0.50マイクログラム/キログラム体重の用量で投与される。1実施形態において、エキセンディン−4は、単独で或いは他のランゲルハンス島刺激性ペプチドとの併用して、ランゲルハンス島新生剤として皮下的に投与される。1実施形態において、前記治療上有効量は皮下的に投与される。1実施形態において、前記治療上有効量は、食前3〜5分に開始、就寝前、及び3AMに開始し、30分連続注入を提供するための注入装置によって投与される。別の実施形態において、エキセンディン−4の送達は、経皮的、頬側、鼻孔内或いはマイクロニードル送達システムを介して行われる。別の実施形態において、前記治療上有効な量は、1週間に1回、2週間に1回或いは一ヶ月に1回以上の投与は必要としない徐放性処方に含有される。1実施形態において、エキセンディン−4は、別のランゲルハンス島細胞新生剤或いは管細胞形質転換剤と同時投与される。
本発明の単一薬剤療法において、エキセンディン−4或いは合成エキセンディン−4は、食前に5〜20マイクログラムの範囲の用量で投与される。この用量によって患者は、変動の減少、及び食後グルコース、グルカゴン及びトリグリセリドの減少を伴って、食前のボーラスインスリンを10〜20%減少することができるであろう。本発明の方法に従ったエキセンディン−4の投与は、ヘモグロビンAlCで測定されるような、I型糖尿病における血糖コントロールを改善するために使用され、糖尿病における障害性グルコース耐性の進行を阻止し;障害性空腹時グルコースの障害性グルコール耐性及び糖尿病への進行を阻止し;新たに診断されたII型糖尿病を回復し;及びII型糖尿病を治療する。
本発明の併用療法の実施形態において、エキセンディン−4或いは合成エキセンディン−4は、5〜25マイクログラムの(ofj)範囲で、例えば成人患者に対して朝、食事摂取前、及び就寝時に3週間連続で11マイクログラム投与される。約1.0ng/mL以下のレベルでのC−ペプチドでの治療を開始した患者に対して、C−ペプチドレベルはモニタリングされ、そのレベルが0.5ng/mL以上に上昇した場合、Bluestone抗体hOKT3gl(ala−ala)が12日連続で投与される。別の実施形態において、Diapep77或いは類似の薬剤は、Bluestone抗体の代わりに前記併用療法に使用される。
GIP及びGLP−Iは成長ホルモンのインクレチンファミリーに属しており(参考文献Creutzfeldt,1979,Diabetologia 16:75−85;Creutzfeldt and Ebert,1985,Diabetologia 28:565−573;Hoist et al.,2001,Scand.J.Clin.Lab.Invest.Suppl.234:75−85;及びVilsboll et al,Jun.2003,J.Clin.Endocrin.Metab.88(6):2706−13を参照のこと。各参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる)、本発明の1実施形態においてインクレチンホルモン或いは類似体は膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激するための方法において使用される。
本発明の1実施形態において、GIP或いは類似体は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激するための方法において使用される。GIPは以下の参考文献の教示に従って本発明の目的のために処方され投与される。前記参考文献は、Andersen et al.,1978,J.Clin.Invest.62:152−161;Creutzfeldt et al,Feb.1980,Diabetes 2P(2):140−5;Dupre et al,1973,J.Clin.Endocrin.Metab.37:826−828;Ebert et al.,1980,Clinical Gastroenterology 9(3):679−98;Elahi et al,1979,Am.J.Physiol.237:E185−E191,and 1994,Regulatory Peptide 51(1):63−74;Krarup et al,Jun.1983,J.Clin.Endocrin.Metab.56(6):1306−12;Krarup et al,1987,Metabolism 36(1):677−82;Krarup et al,1988,Acta Med.Scand.223(5):437−41;Lynn et al,2003,FASEB 17:19−93;Meir et al,2002,Regulatory Peptides 107:1−3;及びNauk et al,1993,J.Clin.Endocrin.Metab.76(4):912−7、であり、これらの参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる。
1実施形態において、GIPは静脈内に或いは皮下的に、単独で或いは別のランゲルハンス島刺激性ペプチド或いは薬剤との併用で投与され、その用量は2〜10ナノグラム/患者の体重のキログラムで食前3〜5分に開始、就寝前、及び3AMに開始し、30分連続注入を提供される。1実施形態において、GIPは、食前、QHS及び3AMに皮下的に投与される。1実施形態において、GIPは、注入装置を用いて、若しくは経皮的、頬側、鼻腔内或いはマイクロニードル送達システムを用いて投与される。別の実施形態において、1週間に1回、2週間に1回、或いは1ヶ月に1回以上の注射頻度を必要としない徐放性処方が使用される。本発明の方法に従ってGIPを投与するための適切な組成物は、参考文献であるJones et al.,6 Nov.1989,Diabetes Res.CHn.Pract.7(4):263−9に記載されている。
本発明の1実施形態において、GLP−I或いは類似体は、膵臓ランゲルハンス島細胞再生を刺激するための本発明の方法において、単独で、或いはDPP阻害剤などのその分解の阻害剤との併用で使用される。GLP−Iは以下の参考文献の教示に従って本発明の目的のために処方され投与される。前記参考文献は、Elahi et al,1994,Regulatory Peptides 57(1):63−74;Gutniak et al,1994,Diabetes Care 77:1039−44;Kreymaπn et ah,1987,Lancet 2:1300−1304;Larsen et al,1996,Diabetes 45(Suppl.2):233A(Abstract); Larsen et al,2001,Diabetes Care 24(8):1416−21;List et al.,2004,Am.J.Physiol.Endocrin.Metab.286(6):E875−81;Lugari et al,2000,Honn.Metab.Res.32:424−428;Marquez et al,Mar.1998,Cell Biochem.Fund.16(l):5¥−6;Meier et al,March 2004,Critical Care Medicine 32(3):848−851;Meneilly et al,2003,Diabetes Care 26:2835−41;Nauk et al,1996,Diabetologia 3P(12):1546−53;Thorens et al,Dec.1995,Diabetes Metab.21(5):311−8;Vilsboll et al,2003,J.Clin.Endocrin.Metab.88(6):2706−13;Wang et al,1997,J.Clin.Invest.99:2883−2889;及びZander et al,2002,Lancet 359:824−30、であり、これらはこの参照によって本明細書に組み込まれる。
1実施形態において、GLP−Iは皮下的に、単独で或いは他のランゲルハンス島刺激性ペプチド或いは化合物との併用で投与され、その用量は0.5〜2.0マイクログラム/患者の体重のキログラムである。1実施形態において、GLP−Iは、食前、QHS或いは3AMに皮下的に投与される。1実施形態において、GLP−Iは、連続皮下注入装置を用いて投与され、食前3〜5分で開始、就寝前、及び3AMで開始され、30分連続注入が提供される。別の実施形態において、1週間に1回、2週間に1回或いは1ヶ月に1回以上の注射頻度を必要としない徐放性処方が使用される。
1実施形態において、HIPは、経口的或いは皮下的に800mg/日の投薬量で投与されるか、或いはハムスターINGAPは皮下的に、単独で或いは他のランゲルハンス島刺激性ペプチド或いは化合物との併用で投与され、その用量は5.0〜15.0ミリグラム/患者の体重のキログラム/日である。1実施形態において、INGAPは24時間以上、連続皮下注入において投与される。1実施形態において、INGAPは、食前、QHS或いは3AMに分割投薬量/日で投与される。1実施形態において、INGAPは、INGAPの一定基準レベルを提供するための連続注入装置、経皮パッチ、マイクロニードル送達システムを用いて投与される。別の実施形態において、INGAPは、食前にボーラス送達での連続注入において送達される。別の実施形態において、1週間に1回、2週間に1回或いは1ヶ月に1回以上の注射頻度の投与を必要としない徐放性処方が使用される。
1実施形態において、リラグルチド(NN221 1)は皮下的に、単独で或いは他のランゲルハンス島刺激性ペプチド或いは化合物との併用で投与され、その用量は10〜40マイクログラム/患者の体重のキログラムである。1実施形態において、リラグルチドは、食前、QHS或いは3AMに皮下的に投与される。1実施形態において、リラグルチドは、食前3〜5分での開始、就寝前、及び3AMでの開始で、30分連続注入を提供するための注入装置を用いて、或いは経皮的、頬側或いはマイクロニードル送達システムを用いて投与される。別の実施形態において、1週間に1回、2週間に1回或いは1ヶ月に1回以上の注射頻度の投与を必要としない徐放性処方が使用される。
本発明の単一薬剤療法において、リラグルチド或いはNN221 1は毎日、約20マイクログラム/患者の体重のkgの用量で投与される。この用量によって患者は、変動の減少、及び食後グルコース、グルカゴン及びトリグリセリドの減少を伴って、食前のボーラスインスリンを10〜20%減少することができるであろう。本発明の方法に従ったリラグルチドの投与は、ヘモグロビンAlCで測定されるような、糖尿病における血糖コントロールを改善するために使用され、糖尿病における障害性グルコース耐性の進行を阻止し、障害性空腹時グルコースの障害性グルコール耐性及び糖尿病への進行を阻止し、新たに診断されたII型糖尿病を回復し、更にII型糖尿病を治療する。
本発明の併用療法の実施形態において、リラグルチド或いはNN221 1は、朝、食事摂取の約4時間前、及び就寝前に3週間連続で、成人患者に対して約20マイクログラム/kg(患者の体重)の用量で投与される。約1.0ng/mL以下の値のC−ペプチドで治療を開始した患者に対しては、C−ペプチドレベルがモニタリングされ、その値が0.5ng/mL以上に上昇した場合、抗体hOKT3gl(ala−ala)が12日連続で投与される。
D.膵臓ランゲルハンス島細胞を標的にした自己免疫細胞を阻害、阻止或いは破壊する薬剤
膵臓ランゲルハンス島細胞、特にインスリン産生ベータ細胞を標的にした自己免疫細胞は、本発明の方法に従って治療可能な疾患及び症状において原因的な役割を担う。以下の参考文献を参照。Bach et al,2001,Ann.Rev.Immun.19:131−161;Lernmark et al,Endocrin.Metab.CHn.KAm.20(3):589−617;及びMathis et al,Dec.2001,Nature 474(6865):792−798(これらの参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる)。自己免疫細胞による攻撃で損失したものを置換するための新しい膵臓ランゲルハンス島の導入に関連する以前の多くの治療方法は、新たに導入された細胞の拒絶を抑制するための普及している免疫療法のみを使用するものであった。
例えばドナーから移植膵臓細胞を受け取る患者などの宿主における拒絶を阻止するために使用された普及している免疫療法と反対に、本発明の方法は、個々内での自己産生した新しい膵臓ランゲルハンス島細胞の特異的維持を提供する。従って、本発明の方法は、普及している免疫療法を提供する薬剤を使用しない。普及している免疫療法は、現在の最先端ランゲルハンス島細胞(Edmontonプロトコール)、及びシロリムス(Sirolimus;ラパマイシンRapamycin)やタクロリムス(Tacrolimus;FK506)などの一般的な抗拒絶薬剤を用いる現在最新である完全膵臓移植技術を含む。
代わりに、本発明の方法は、インスリン、アミリン、或いはグルカゴンを産生する膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とする自己免疫細胞の活性を特異的に阻害する、或いはその細胞を阻止或いは破壊する薬剤を使用する。そのような薬剤は、膵臓ランゲルハンス島細胞破壊を停止する免疫調節性ペプチドを含む。例えば、1つのそのような薬剤は、ランゲルハンス島細胞の損失の進行を遅延する、若しくはI型糖尿病の発症を遅らせる或いは停止させることができるモノクローナル抗体である。抗CD3抗体は、本発明の方法に有用な薬剤の一般的なクラスを構成している。例えば、本発明の目的に適している抗CD3抗体は、TolerRxによって開発中のTRX4抗体、及びBluestoneヒト化抗CD3抗体(参考文献Herold et al.,30 May 2002,NEJM 346(22):1692−1698に記載されており、この参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる)を含む。1実施形態において、前記Bluestoneヒト化抗CD3抗体は、1日目は1〜1.42μg/kgの用量、2日目は5.67μg/kgの用量、3日目は11.3μg/kgの用量、4日目は22.6μg/kgの用量、5〜14日目は45.4μg/kgの用量で静脈内に送達される。
別の実施形態において、免疫調節性化合物は、ランゲルハンス島細胞破壊を停止或いは遅らせることができる熱ショックタンパク質である。そのようなタンパク質は、Develogen AGによって開発中の熱ショックタンパク質であるDiaPep277(参考文献Raz et al.,2002,Lancet 355(9295):1749−53を参照のこと、この参考文献はこの参照によって本明細書に組み込まれる)を含む。1実施形態において、Diapep277は、基準日に及び1ヶ月に、そして3ヶ月インターバルにて、ベジタブルオイル中の40mgマンニトールにおける所定の1mgで皮下的に送達される。本発明の併用療法の1実施形態において、INGAPは以下のようにDiapep277と同時投与される。Diapep277は、INGAP療法の開始約30日前に、約1mgの用量で第一に皮下的に投与される。次にDiapep277の第二の投与は、INGAP療法を開始した日(第一投与後30日)に行われる。INGAPは、約8〜18mg/患者の体重のkg/24時間の用量で、24時間連続皮下注入によって送達される。INGAP療法は、数ヶ月から数年という延長期間続けられ、Diapep277は約3ヶ月毎の頻度で、INGAP療法の間、周期的に投与される。
本発明の方法に有用な免疫調節性薬剤は、本分野で既知であるように、或いは本明細書において記載されたように処方され、投与され、投薬される。以下のセクションは、本発明の方法を実行するための薬学的処方及び投薬、及び投与プロトコールを記載している。
III.薬学的組成物、投薬及び投与
本明細書に記載される本発明の方法に有用な薬剤の投薬及び投与は、ランゲルハンス島細胞再生及び/又は管細胞の形質転換を促進し、膵臓ランゲルハンス島細胞の破壊を遅延する或いは阻止する前記薬剤に対する最低毒性と同様に、内部で新たに形成されたランゲルハンス島細胞からインスリンを分泌する個々の能力を最適化する。本発明の薬学的組成物は、これらの薬剤の動力学的送達、容易な送達、及び増強された有効性を提供する。
本発明の方法に有用な薬剤は、様々な経路によって投与することが可能である。本発明の方法に有用な既知の薬剤は、経路によって、他の成分に対して以前に開発された薬学的処方を用いて投与することが可能である。そのような送達経路は、少なくとも最も既知な薬剤に対して、経口送達、ミセル及びナノ球局所的送達システムを含む局所的送達、ポンプ補助連続注入を含む皮下送達、及び使い捨てマイクロポンプ及びマイクロニードル(これに限定されるものではないがAnimas Corp.から入手可能なものを含む)、及び頬側送達を含む。
投与の特定の経路、及び本発明の方法の実行で使用された薬剤の薬学的処方は、当然ながら治療される患者の疾患或いは症状、及び使用する薬剤に基づいて医師によって選択されるものである。広範囲の薬学的組成物は、本発明の方法において使用することが可能である。一部の実施形態において、使用が拡大した製剤では、投与を容易にするために使用され、有効性を増加するために使用することが可能である。1実施形態において、本方法において使用される薬剤の1若しくはそれ以上は、ミセルとして処方される。
投与が最も容易であるのは、経口送達であることが多い。小分子薬剤は経口送達用に容易に処方されることが多いが、ペプチド及びタンパク質を基材とした薬剤は、経口送達用に処方するのはより困難である。しかしながら、適切な処方技術は存在し、最も重要な観点において、本発明は経口送達用に処方されたタンパク質及びペプチドの薬学的組成物を提供するものである。1実施形態において、経口送達に適した本発明の方法に有用な薬学的組成物は、既知であるMannKind Corp.によって開発されたTechnosphere(商標)技術、Emisphereによって開発されたEligen(登録商標)技術、及びNastechによって開発された鼻送達システムに従って一般的に処方される。
経口送達用に処方され本発明の方法で使用可能な薬剤は、アミリン、Exendin−4、ESfGAP、INGAP類似体、生物学的に活性なハムスターINGAP或いは生物学的に活性なヒトINGAP、GIP、GLP−I、リラグルチド(NN221 1)、Pramlintide、類似体及びペプチド及びタンパク質、或いは先行の薬剤と同様な作用或いは相同性を有している非ペプチド性模倣体、ランゲルハンス島細胞欠損の進行を遅延する或いは小児及び成人両者におけるI型糖尿病の発症を阻止するように設計された、Toler RXによって開発中のTRX4抗体、及びHerold et al.,supra.に記載されたBluestone抗CD3抗体を特に含む、抗CD3抗体を含むモノクローナル抗体、さらにはこれに限定されるものではないが、Develogenによって開発中の熱ショックタンパク質であるDiapep277を含むランゲルハンス島細胞欠損の進行を遅延する他の薬剤を含む。
本発明の薬学的組成物を製造するための使用に適している別の経口送達及び被包技術は、SDG,Inc.及びAMDG,Inc.によって開発中の肝臓送達小胞(HDV)及び膵臓送達小胞(PDV)技術を含む。参考文献Davis et al.,2001,J.Diabetes Comp.15(5):227−33を参照(この参考文献は技術の説明のために、この参照によって本明細書に組み込まれる)。HDV技術は、本発明によって提供されるように、肝臓への直接的なGLP−I送達に使用され得る。PDV技術は、膵臓に対して直接的な、共役タンパク質、或いはランゲルハンス島細胞新生を刺激するペプチドなどの薬剤を標的にするその表面上の他の分子を有するリポソームを提供する。
実施例
臨床治験プロトコール
本発明の1実施形態において、膵臓回復性療法(Pancreatic Restorative Therapy;PRT(商標))と呼ばれている方法は、I型及びII型糖尿病における膵臓のアルファ、ベータ及びデルタ細胞の新生を刺激する薬剤であるランゲルハンス島新生関連ペプチド(INGAP)を用いるものであり、この薬剤はI型糖尿病患者において、男性での自己免疫ランゲルハンス島細胞破壊を特異的に阻止するために使用されていたタンパク質であるDiaPep277と併用で投与されるものである。
本治療の治療上の狙いは、一度産生された新しいランゲルハンス島の維持する独自の方法を用いランゲルハンス島新生及びランゲルハンス島増殖を再活性化することによって、患者自身の膵臓において新しいランゲルハンス島細胞形成及び複製を刺激することによって、膵臓ランゲルハンス島細胞置換を達成することである。探求した結果には、正常レベルのインスリン、アミリン及びグルカゴンを作り、分泌させることによって全身の正常グルコース恒常性を達成することが含まれる。
本発明のこの実施形態は、現在のI型及びII型糖尿病に対する治療以上の実質的な利点を提供し、低血糖及び高血糖の合併症、及び/又はインスリン注射の必要性を減少することが期待されている。
ヒト臨床データは、II型糖尿病で示されたコレステロール代謝の改善を含む同様の潜在的利点を伴って、1回の皮下INGAP注射/日を用いた治験においてI型糖尿病患者間のC−ペプチドのレベルにおける統計学的増加を示した。
本発明の併用療法のこの実施形態は、この最も有望なランゲルハンス島再生ペプチドと新しい膵臓細胞の破壊を阻止するように特異的に設計された一番の免疫修飾剤であるDiaPep277とを組み合わせる。
新しいランゲルハンス島の破壊を阻害するための標的化免疫遮断剤と共役したランゲルハンス島再生剤の両者の使用は、進行中のランゲルハンス島破壊に直面しているランゲルハンス島を再生するには大変な時間がかかる可能性があるという点において、単独療法を遥かに凌いだ利益がある。免疫療法単独では、自己免疫破壊を阻止しているにも関わらず、何年もI型糖尿病を患った患者におけるランゲルハンス島再生において成功しないであろう。
療法単独での使用でも成功率を増加する可能性は、I型糖尿病を患った患者に対する特異的な利点を有している。I型糖尿病におけるベータ細胞の可塑性は、妊婦及び、糖尿病の発症後数十年でc−ペプチドの新しい産生を支持する証拠が存在する腎臓移植を受けた患者を含むいくつかの設定において示されていた。
現在まで、既存のランゲルハンス島細胞からの再生を増強し、アポトーシスの減少に重要な役割を担っているが、膵管細胞の新しいアルファ、ベータ、及びデルタ細胞へ形質転換することは示されていなかったエキセンディン−4、リラグルチド(NN221 1)、GLP−Iなどの化合物で治験が実施されている一方、そのような目的でINGAPでの治験は存在しなかった。従って、I型及びII型糖尿病患者におけるINGAPの単一薬剤投与それ自体は、市場の他の療法に対して特異的な利点を提供する。
ランゲルハンス島移植に対するEdmontonプロトコールを含むI型糖尿病患者における臨床治験、及びI型糖尿病患者におけるエキセンディン−4でのNIHの治験で使用された唯一の免疫遮断剤としては、シロリムスやタクロリムスを用いている。これらの薬剤の両者は、外来性臓器及び細胞の拒絶を阻止するために膵臓、心臓、肝臓及び腎臓移植において現在使われている非特異的薬剤である。BSfGAPが個々自身のランゲルハンス島を回復する可能性を有していることを考慮すると、I型糖尿病患者の腎臓に特異的な毒性を示すシロリムスやタクロリムスなどの一般的な免疫抑制剤に対するニーズは必要がなく、さらには、本発明の併用療法で提供されたように、膵臓を攻撃するCD3抗体の特異的遮断剤はより効果的で、毒性も低い。
1つの特異的免疫修飾剤は、DiaPep277である。この60kDa熱ショックタンパク質(hspβo)は既知標的自己抗原の1つである。DiaPep277は、hspβoであるp277からの免疫調節性ペプチドであり、ベータ細胞破壊を停止し、前向き無作為治験において、外因性インスリンの必要性が有意に低いI型糖尿病患者におけるインスリン産生を維持する能力が示されていた。加えて、DiaPep277を摂取した患者において、Tリンパ球から産生されたT−ヘルパー1からT−ヘルパー2サイトカインへのシフトが増強された。
300mg或いは600mgの用量での一回の皮下へのINGAPでの治験(免疫抑制剤なし)は空腹時グルコース或いはAlCにおける減少を示さなかったが、それらはI型及びII型糖尿病におけるアルギニン刺激性c−ペプチドの有意な増加を示した。本明細書で記載されたプロトコールは、INGAPの用量がmg/kg/体重に基づいていなかった、及び1日1回の投与のみで免疫抑制剤は以前の治験の間は投与されていなかった、などの以前の治験では取り上げられなかった多くの問題を説明する。
ランゲルハンス島機能の回復に対して重大な工程は、GLP−I、GIP及びアミリンなどのホルモンは、著しい膵臓グルコース毒性をもたらす低血糖及び高血糖に直面して阻止されているため、治療の開始前にグルコース変動を取り除く積極的で厳しいグルコースコントロールである。
本発明の方法は、I型及びII型糖尿病の治療に有効である。本方法は、DiaPep277がINGAPとの併用で使用された場合、I型糖尿病患者に対して有効である。アルギニン刺激に対してc−ペプチドを産生する能力をまだ有しているI型糖尿病患者において、より効果が早い。本方法は、インスリン療法中患者及び薬物療法中患者の両方のII型糖尿病患者においても有用であり、いくつかの実施形態において本方法は、既存の糖尿病療法に対する必要性を減少させる及び/又はその療法の中止を可能にする可能性がある。
第一の治験では、長期に亘るI型及びII型糖尿病患者は、ベータ細胞塊及び基準アルギニン刺激性c−ペプチド、さらには食事刺激性値が実質的に減少していたということを考慮したので、この新しい療法の成功を最もよく評価し、有効なエンドポイントとして役立つことができる。
第一の治験は、I型及びII型糖尿病患者において行われた。初期治験は、6ヶ月の介入とそれに続く4ヶ月の集中グルコース管理プログラムを含む10ヶ月治験である。I型糖尿病患者においては、3ヶ月毎の皮下注射の後にDiaPep277の基準皮下注射を行う。1度ランゲルハンス島細胞が再生されインスリン非依存性が達成されたら、進行中のINGAPの必要性は、3ヶ月基準のDiaPep277注射の必要性のみに減る。II型糖尿病患者では、INGAP単独でも同様な利益及びインスリン非依存性が観察され、さらには体重増加を含む外因性インスリンの蛋白同化効果も減少した。
提案された初期治験は、FDA承認に直接結びつく中心的な治験に続いた。大規模な中心的治験において、投薬の持続期間、及び治療サイクル間のインターバル、さらにはGAD65抗体陽性であるI型糖尿病の患者の一等親血縁者、新たに診断されたI型及び2型糖尿病患者、前糖尿病患者、メタボリック症候群患者、多嚢胞性卵巣症候群患者、及び膵炎、或いはステロイドやペンタミジン療法などの薬物療法誘導性の糖尿病の第二の原因を有している患者などを含むより多種多様な集団における有効性が探索された。
初期治験は、I型及びII型糖尿病患者における糖代謝及びC−ペプチド産生に対するINGAP(ランゲルハンス島新生関連ペプチド)単独での、及びDiaPep277(熱ショックタンパク質)との併用での有効性;C−ペプチドが検出可能で、有意に減少した或いは検出不可能な基準レベルであるI型糖尿病患者におけるC−ペプチドで測定されるような、INGAP及びDiaPep277単独及び併用での、ベータ細胞機能を開始するための能力;C−ペプチドで測定されるような、ランゲルハンス島細胞再生及び形質転換に対する連続皮下注射において送達されたINGAPの効果;及びベータ細胞機能に対するランゲルハンス島再生及び形質転換におけるDiaPep277の効果を測定した。
I型糖尿病は、米国で何百万人もの人が患っている自己免疫疾患である。I型糖尿病は、インスリン、グルカゴン、アミリン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−I)及びグルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)を含む、グルコースの身体での使用を調節している必須ホルモンを作り調節している膵臓細胞を免疫システムが攻撃することによって特徴付けられている。これらのホルモン及び他のホルモンはさらに、膵臓の細胞が個々の人生を通じて正常に調節されることによってその過程を調節し活性化している。この治験は、個別に投与されたINGAP及びDiaPep277、さらには新しい膵臓細胞の再生、形質転換及び維持における併用での効果をテストする。
I型及びII型真性糖尿病を患った6〜60歳の患者は、この10ヶ月研究に適している。彼らは少なくとも3年間糖尿病であり、インスリン治療を必要としていなくてはならない。潜在的な参加者は、アンケートによってスクリーニングし、次に病歴及び身体検査、血液テスト、結核に対する皮膚テスト、及びアルギニン刺激性C−ペプチドテストを受ける。
参加者及びその家族は、治験に入る前に、達成されるべき最適な血糖コントロールのゴールを持ち、集中的な糖尿病自己管理、及び教育プログラムを自発的に受けなくてはならず、頻繁な血中グルコースモニタリングを受け、低血糖を含む集中的なインスリン療法のリスクを理解しなくてはならない。患者は、インスリンポンプ(好ましくは)を介したインスリンを自発的に投与される、或いは1日当たり少なくとも4回の注射を受けなくてはならない。全ての参加者は、どのように使用されるかを自発的に学び、研究期間を通じて薬物療法の投与用の連続皮下ポンプ療法を自発的に使用しなくてはならない。
許可された患者は、集中的なグルコース最適化を保つ4ヶ月追い込み相に参加するものである。この期間では、全ての患者は、連続皮下薬物療法送達を用いる集中管理がどのように実行されるかを学ぶ。治験の期間中、患者は、必要に応じてインスリンを使用し続け、血中グルコースレベル及び使用したインスリンを記録しておく日記を付ける。グルコース値に基づいて、インスリン投与量は治験を通じて調節され、最低限の低血糖及び高血糖可動域を伴う厳しい血糖コントロールを維持する。
研究参加者は、移行時及び3ヶ月グルコース最適化期間の最後に、アルギニン刺激性C−ペプチドテストを受ける。これは、身体のインスリン産生を測定するものである。患者は、ベータ細胞からの血流へインスリン放出を増加する食物の正常成分であるアルギニンを含有した液体を注射される。注射後、7血液サンプルを10分以上経ってから回収する。
研究参加者は、移行時及び4ヶ月グルコース最適化期間後にアセトアミノフェンとの混合食事刺激性C−ペプチドテストを受ける。このテストは、日常的な食事に対するベータ細胞の反応、及び食事が胃を通過するのにかかる時間を評価する。患者は、食事サプリメントを飲み、アセトアミノフェンを摂取する。血液サンプルは30分毎に4時間採取し、様々なホルモンのレベル及びアセトアミノフェンの濃度を測定する。
3ヶ月最適化期間の直後で、全ての患者は正常血糖クランプ研究を受け、インスリンに対する身体の感受性を評価する。患者は、治験の前夜に臨床研究施設に入院し、静脈ラインを通じてインスリン点滴を受け、正常な血中糖レベルを維持する。翌朝、別の静脈ラインを配置し、グルコース及びインスリンを注入し、頻繁に血液サンプルを回収し、血中糖及びインスリンレベルを測定する。
6ヶ月介入期間では、I型糖尿病患者は、(1)5〜15mg/kg体重/日の送達(例えば70kgの男性は800mg(〜10mg/kgを24時間以上))で連続皮下注入によって送達されるINGAP単独、或いは(2)DiaPep277単独、或いは(3)DiaPep277のインターバル注射に沿って連続皮下注入で送達されるINGAP、或いは(4)療法ではないプラセボのいずれかを受けるように無作為に割り当てられ、インスリンで治療されたII型糖尿病患者には、テスト期間中皮下INGAPのみを投与する。
最初の4ヶ月間、登録された全ての患者は彼らの血糖コントロールは最適化すると予想される。インスリンポンプ、グルコースセンサー、及び/又は集中的な自己血中グルコースモニタリングの使用は、用いられた戦略内である。
I型糖尿病患者は、上述した4治療選択肢の1つに登録される。1治療選択肢において、INGAPは、DiaPep277との併用で、8〜18mg/kg体重/24時間の投薬量で24時間連続皮下注入によって送達される。
患者が両方の化合物を投与されるという選択肢では、INGAPの連続投与の開始前1ヶ月に送達されたDiaPep277を受ける。DiaPep277は1mgの投薬量で皮下的に送達される。DiaPep277は、INGAPの投与が開始し、続けられる時である初期投薬後30日に再度皮下的に投与される。DiaPep277は、3ヶ月毎に、一連のINGAPの連続投与間中、投与される。
1治療選択肢において、I型糖尿病患者は、4ヶ月のグルコース強化期間の最後にDiaPep277を受ける。DiaPep277は、1回の1mg皮下注射及び4週間目の再度の注射で投与され、3ヶ月毎の注射が続く。1治療選択肢において、I型糖尿病患者は、6ヶ月間連続皮下注入において投与されるINGAPのみを受ける。1治療選択肢において、I型糖尿病患者は6ヶ月間、活性薬剤なしである。
AU患者は、10ヶ月テスト期間の最後における正常血糖クランプ研究及び混合食事研究に加えて、10ヶ月研究期間の各4週期間の最後に3回のアルギニン刺激性C−ペプチドテストを受ける。薬剤副作用、研究室研究は、その研究を通じて広範囲にモニタリングする。治療及び評価は、治療によって利益を受けた患者に対して、10ヶ月研究期限を超えて延長される。
この治験に対して、I型真性糖尿病は以下のように定義される。インスリン依存性であり、現在或いは過去に抗ランゲルハンス島抗体(インスリ治療の開始前での抗インスリン、抗ランゲルハンス島細胞(ICA)、抗チロシンホスファターゼIA−2、及び/又は抗グルタミン酸デカルボキラーゼ(GAD65)抗体)であり、更にBMIが20kg/平方メーター以上或いは同等、及び30kg/平方メーター以下或いは同等である。この治験に対して、II型糖尿病は以下のように定義される。インスリン要求性糖尿病であり、抗ランゲルハンス島抗体(インスリ治療の開始前での抗インスリン、抗ランゲルハンス島細胞(ICA)、抗チロシンホスファターゼIA−2、及び/又は抗グルタミン酸デカルボキラーゼ(GAD65)抗体)の従来暦が存在しない或いはなく、更にBMIが20kg/平方メーター以上或いは同等、及び30kg/平方メーター以下或いは同等である。
除外基準は、徴候的な胃不全麻痺、クレアチニンクリアランスが60cc/分以下、或いは24時間尿アルブミンが300mg以上である糖尿病性腎不全、インスリン要求性が0.8ユニット/kg/日以上であり、低血糖無意識(患者の糖尿病計画における単純な修正を介して容易に訂正されない限り、潜在的な患者は、彼/彼女が最近12ヶ月の間に重篤な低血糖症の症状(第三者団体からの補助を必要とする、医者から補助を受ける、ERを訪問する、或いは低血糖のせいで病院に行く、として定義される)の発現が2若しくはそれ以上を患ったかどうかは考慮されない)、高脂血症(未治療或いは治療への抵抗性かを問わず、LDLコレステロールが110mg/dL以上或いはTGが300mg/dL以上を有している)、慢性感染の証拠、あらゆる悪性腫瘍歴、研究調査員によって判断されるような潜在的な患者に対するリスクが過度に増加したあらゆる慢性病状(悪性貧血(ヘマトクリットが女性では31.8%以下、男性では36.7%以下)を含む)、白血球減少(WBC数が3.4K/mm(3)以下)、血小板減少(血小板数が162K/mm(3)以下)、高血圧(未治療或いは治療への抵抗性かを問わず、血圧が140/85mmHg以上)、及び妊娠、授乳時、或いは2年以内に妊娠予定、を含む。
安全性エンドポイントは、研究期間中の有害現象の発生率(AEs)及び重篤な有害現象の発生率(SAEs)、研究室変数の臨床評価;及び生命徴候を含む。有効なエンドポイントは、血中グルコースレベル、グルコース耐性テスト、インスリン投薬量、C−ペプチドレベル(基準及び刺激時)、ヘモグロビンAlCレベル、低血糖症状の発現、及び患者の日記を含む。
本発明は特定の実施形態を参照して詳細に記載されているが、本分野の当業者は、以下の請求項に説明されたような修正及び改善は本発明の観点と範囲内でなされるものであることを理解するであろう。本明細書で引用されたAU公開公報及び特許文献(特許、公開特許出願、及び非公開特許出願)は、まるで各公報或いは文献が特異的に及び個々にその参照によって本明細書に組み込まれたものであることを示しているように、この参照によって本明細書に組み込まれるものである。公報及び特許文献の引用は、そのような文献が直接関係のある先行文献であると認めることを意図するものでもなく、同様な内容或いはデータとしての承認を構成するものでもない。本発明は、説明及び実施例の記載方法に従って今記載されたものであり、本分野の当業者は、本発明が多数の実施形態において実行され得、前述の説明及び実施例が説明を目的とし、以下の請求項の限定ではないことを理解するであろう。

Claims (32)

  1. 患者におけるI型真性糖尿病、若しくは膵臓ランゲルハンス島細胞の欠損に起因する疾患或いは症状を治療する方法であって、
    (i)膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する物質、及び(ii)膵臓ランゲルハンス島細胞し破壊を標的とする前記患者における自己免疫細胞の活性を特異的に阻害する或いはその細胞を破壊する及び/又は阻止する物質の両者を前記患者に同時投与する工程
    を有する方法。
  2. 請求項1記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する前記物質は、インクレチンホルモン或いはインクレチンホルモン模倣体、若しくはこれに限定されるものではないが、HIP、HIP類似体、INGAP、INGAP類似体、ヒトINGAP、生物学的に活性なヒトINGAPペプチド、GLP−I、GIP、エキセンディン−4、リラグルチド、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤、若しくは他のランゲルハンス島細胞の再生及び/又は膵臓管細胞がインスリン産生ランゲルハンス島細胞へ形質転換するのをもたらす類似体又は相同性ペプチド、或いはタンパク質或いは合成類似体など、ランゲルハンス島再生化合物を含むランゲルハンス島再生化合物から成る群から選択されるものである。
  3. 請求項1記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とした自己免疫細胞の活性を阻害する或いはその細胞を阻止或いは破壊する前記物質は、膵臓ランゲルハンス島細胞の自己免疫細胞媒介性破壊を特異的に引き止めることができるモノクローナル抗体、熱ショックタンパク質、或いは免疫調節性化合物である。
  4. 請求項1記載の方法であって、この方法は、
    前記患者において失明、切断術、或いは透析を必要とする腎不全などの高血糖或いは微小血管合併症のリスクを減少させることが有効となるように、I型糖尿病及びインスリン欠如の発症機序を共に回復する物質の組み合わせを前記患者に投与する工程
    を有するものである。
  5. 請求項4記載の方法において、前記物質の組み合わせの投与は、前記患者が前記ランゲルハンス島のベータ細胞からインスリン及び/又はアミリンを産生する新たな或いは増強された能力を有するように、前記患者におけるランゲルハンス島細胞破壊率よりも高いランゲルハンス島細胞再生率をもたらすものである。
  6. 請求項5記載の方法において、前記患者は、前記投与の前に、検出不可能であるか或いは健常な個人の値と比較して非常に低いレベルでのみ検出できるインスリン及びアミリン値を有しているものである。
  7. 請求項1記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とする自己免疫細胞の活性を阻害する、若しくはその細胞を破壊する及び/又は阻止する前記物質は、新たに産生したインスリン産生ランゲルハンス島細胞の損失を阻止することによってグルコース代謝の回復効果を有するものである。
  8. 請求項1記載の方法であって、この方法は、
    膵臓ランゲルハンス島細胞の再生及び/又はインスリン産生ランゲルハンス島細胞への膵管細胞の形質転換を刺激する物質と、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とし破壊する前記患者における自己免疫細胞の活性を特異的に阻害する、若しくはその細胞を破壊する及び/又は阻止する免疫剤とを前記患者に投与する工程を有するものであって、インスリン、アミリン、食後グルコーストリグリセリド、及びグルカゴン値の回復を含む、I型糖尿病患者において失われていた或いは欠乏しているホルモンを産生するグルコース恒常性の回復をもたらす、前記投与する工程
    を有するものである。
  9. 請求項1記載の方法において、前記患者は、前記物質の組み合わせの投与により、正常グルコース代謝の回復を達成するものである。
  10. 請求項1記載の方法において、前記患者は、前記物質の組み合わせの投与により、正常ホルモン機能及び正常糖調節能力の回復を達成するものである。
  11. 請求項2記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、インクレチンホルモンである。
  12. 請求項11記載の方法において、前記インクレチンは、GLP−I或いはGIPである。
  13. 請求項12記載の方法であって、この方法は、
    ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤が、GLP−Iと同時投与されるものである。
  14. 請求項2記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、INGAPである。
  15. 請求項2記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、エキセンディン−4(Exendin−4)である。
  16. 請求項2記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、リラグルチド(Liraglutide)である。
  17. 請求項1記載の方法であって、この方法は、
    ランゲルハンス島細胞再生を刺激する物質が、ランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する物質と同時投与されるものである。
  18. 請求項1記載の方法であって、この方法は、
    ランゲルハンス島細胞再生を刺激する1以上の物質が投与されるものである。
  19. 請求項1記載の方法であって、この方法は、
    ランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する1以上の物質が投与されるものである。
  20. 請求項3記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とした自己免疫細胞の活性を阻害する、若しくはその細胞を阻止する或いは破壊する前記物質は、モノクローナル抗体である。
  21. 請求項20記載の方法において、前記抗体は、抗CD3抗体である。
  22. 請求項20記載の方法において、前記抗体は、TRX4或いはBluestonヒト化抗CD3抗体である。
  23. 請求項22記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、インクレチンホルモン、HIP、INGAP、GLP−I、GIP、エキセンディン−4、リラグルチド、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤、若しくはランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵臓管細胞におけるインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換のいずれかを生じる他の類似体或いは相同ペプチド、若しくはタンパク質或いは合成類似体から成る群から選択されるものである。
  24. 請求項3記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とする自己免疫細胞の活性を阻害する、若しくはその細胞を阻止する或いは破壊する前記物質は、熱ショックタンパク質である。
  25. 請求項24記載の方法において、前記熱ショックタンパク質は、DiaPep277である。
  26. 請求項1記載の方法において、ランゲルハンス島細胞再生及び/又はランゲルハンス島細胞への管細胞の形質転換を刺激する前記物質は、HIP、INGAP、GLP−I、GIP、及びエキセンディン−4から成る群から選択されるものであり、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とした自己免疫細胞の活性を阻害する、若しくはその細胞を阻止する或いは破壊する前記物質は、モノクローナル抗体である。
  27. 請求項26記載の方法において、前記モノクローナル抗体は、TRX4或いはBluestonヒト化抗CD3抗体である。
  28. 請求項1記載の方法において、膵臓ランゲルハンス島細胞再生及び/又は膵管細胞からインスリン産生ランゲルハンス島細胞への形質転換を刺激する前記物質は、生物学的に活性な哺乳類のHIP或いはINGAPであり、約5〜15mg/キログラム体重/24時間の用量で投与され、膵臓ランゲルハンス島細胞を標的とし破壊する前記患者における自己免疫細胞の活性を特異的に阻害する、若しくはその細胞を破壊する及び/又は阻止する前記物質はDiapep277であって、この物質はHIP或いはINGAPの投与の約1ヶ月前、及びHIP或いはINGAPの投与が開始され継続中である初期投薬から30日後に再度、約1mgの用量で投与されるものである。
  29. 請求項28記載の方法において、前記DiaPep277は、一連のHIP或いはINGAPの投与を通じて3ヶ月毎に投与されるものである。
  30. I型糖尿病において、ヘモグロビンAlCによって測定されるような血糖コントロールを改善し、糖尿病における障害性グルコース耐性の進行を阻止し、障害性空腹時グルコースが障害性グルコース耐性及び糖尿病への進行を阻止し、新たに診断されたII型糖尿病を回復させ、更にII型糖尿病を治療する方法であって、
    そのような治療、阻止、或いは回復を必要とする患者にエキセンディン−4、合成エキセンディン−4、或いはリラグルチドを投与する工程
    を有する方法。
  31. 請求項30記載の方法において、前記エキセンディン−4或いは合成エキセンディン−4は、食前に5〜20マイクログラムの範囲の用量で投与されるものである。
  32. 請求項30記載の方法において、前記リラグルチドは、約20マイクログラム/kg(患者の体重)の用量で毎日投与されるものである。
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