JP2008530235A - 光反応システムおよびアテローム性動脈硬化の予防的治療法 - Google Patents

光反応システムおよびアテローム性動脈硬化の予防的治療法 Download PDF

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Abstract

本発明は、急性冠症候群などの粥腫性血栓事象のリスクがある対象に対する予防的光活性化治療法を提供する。一実施の形態では、対象は、アテローム性動脈硬化に関連する血管新生における感光性物質の濃度が効果的な光活性化治療を可能とする結果をもたらすのに十分な量の感光性物質を投与される。感光性物質を励起するが、血管の外膜層には有意な程度に浸透しない波長の光が、血管部位に付与される。次に続く段階で付与されてよい治療的光線量は、新生血管系の漏出を閉鎖させるのに十分であり、粥腫の安定化と有害な臨床結果の減少につながる。本発明は、本発明の方法を実施する際に有用な光伝達装置およびシステムをさらに提供する。

Description

本発明は、アテローム性動脈硬化、および心血管系における血管新生に関連するその他の増殖性疾患の治療と予防に関する。具体的には、本発明は、光線力学療法を利用してアテローム性動脈硬化の疾病過程を改善する方法とシステムを提供する。
心血管疾患(CVD)は、世界中で重大な健康問題となっている。米国のみでも、心血管疾患が原因で毎日およそ2600人が死亡している。CVDは、脳、心臓自体、およびその他の生命に関わる臓器など、体内の重要な生命維持部に酸素を供給する心臓、動脈、および静脈の機能不全状態を含む。心血管閉塞性疾患および急性冠症候群の二つは、有名な心血管疾患である。
心血管閉塞性疾患は、虚血性心疾患あるいは狭窄とも称され、心臓への血流の閉塞に起因する。これは一般的に、過剰な脂肪あるいは粥腫の沈着物が、酸素を含んだ血液を心臓に供給する血管を狭めることにより発生する。脂肪あるいは粥腫の過剰な堆積は、それぞれ動脈硬化、アテローム性動脈硬化と呼ばれる。通常これらの閉塞は、心筋組織の酸素欠乏を引き起こし、後続する組織損傷は多くの場合不可逆的であり、致命傷となる。脳への不十分な酸素の流入は同等に重大で、脳卒中を起こす可能性がある。
近年、血管閉塞性疾患の治療に対し相当な数の研究がなされ、バルーン血管形成術などの治療法が狭窄の標準治療となってきた。この方法では、既知の各種手法により狭窄の場所が特定されると、ガイドワイヤを使用して、閉鎖血管に血管形成術用カテーテルが挿入される。閉塞位置でカテーテルのバルーンを膨張させ、閉鎖血管を押し広げる。
しかし残念ながら、多くの場合短期間で、血管は元の狭められた内腔へ反跳するか、あるいは再狭窄する(粥腫および/またはバルーンによる血管の拡張が原因となる損傷に起因する瘢痕組織によって再閉塞する)。反跳および/または再狭窄を予防する試みとしては、血管内に永久的に埋め込まれるステント装置を使用して、血管形成術の位置で血管が開いた状態を維持し、それにより血管形成術後の血管の弾性反跳を予防する方法がある。この方法は反跳の予防には成功しているが、ステント自体が再狭窄への刺激となることがわかってきた。その結果、ステントに対する身体の反応を低下させるための被膜を備える新しいステントが作成された。これには薬剤(通常は抗増殖剤)が被膜に含まれ、再狭窄の発症をさらに抑えるステントが含まれる。このような薬剤溶出ステントは、現在、狭心症患者の治療に広く使用されており、狭心症は、アテローム粥腫により大幅に狭められた冠状動脈の症候的な結果である。
光力学的療法(PDT)は、心血管閉塞性疾患および再狭窄の治療に対する代替的アプローチとして検討されてきた。光治療を利用する試みがなされており、例えば、アテローム性動脈硬化患者における、血流を制限する血管閉塞の初期治療としてのPDTなどである。例えば、特許文献1には、感光性物質が局所的あるいは全身的に患者に供給され、感光性物質を励起するために390〜610nmの範囲の波長で光が加えられる方法が記述されている。選定された波長は、下層の血管組織への光の浸透を低減し、それにより組織への損傷を減少させると言われている。PDTは、心血管系における閉塞を抑制、安定化、あるいは低減すると言われている。しかし、使用する光の波長のために、血液は光と標的組織との間の部位から除去されなければならない。なぜなら、血液中のヘモグロビンが光を吸収する可能性があるからである。この公報は、処置は血管の下の心筋組織あるいは肺組織への損傷を避けるべきであり、また光とこれらの組織との間に介在する血液は、光を吸収することにより防御盾の役割をしてしまうと警告している。
特許文献2には、PDTによる、動静脈フィステルにおける内膜過形成あるいは狭窄の治療が記述されている。具体的には、この公報は、血液透析をおこなう目的で形成されるグラフトあるいはフィステルにおける、これらの症状の予防あるいは治療を扱う。このようなグラフトあるいはフィステルは、時間が経つと増殖と血栓により塞がれる。一実施の形態では、静脈の外側(外膜層)は、690nm波長の光に40分間暴露されるが、このいわゆる「低線量」PDTは、血管組織の大規模な破壊を避けるために望ましいと言われている。この提供される線量は、感光性物質の濃度、光照射強度、および暴露時間の関数であると言われている。
再狭窄治療のためのPDTの使用は、例えば特許文献3および特許文献4に記述される。しかし、ステント留置術を併用する、あるいはしない光治療は、血管形成術後の再狭窄を予防あるいは低減するためには、例えあったとしても広くは使用されていない。
急性冠症候群は、不安定狭心症、急性心筋梗塞、および突然心臓死を含む重大な突然発症の心血管疾患の一部である。急性冠症候群は、記録された心血管疾患の病歴のない患者に発症することがしばしばある。急性冠症候群に関連する心血管疾患は、しばしば「不安定粥腫」として知られる特定の種類の活性アテローム粥腫の侵食あるいは破裂によって引き起こされる。この粥腫は、「薄い線維性アテローム」とも呼ばれる。例として、非特許文献1参照。
不安定粥腫により部分的に閉塞された静脈の断面を図1に示す。図示されるように、血管は、血液が流れることができる開口部(内腔)を有し、線維性被膜および脂質コアを有する構造により部分的に閉塞されている。この脂質に富むコアは、組織因子を生成するマクロファージだけでなく、リポタンパク(a)など血栓を形成する脂質形態を含有するため、最も強力な種類の粥腫であると示唆されている。そのため、脂質コアが血液にさらされると(例えば、粥腫の線維性被膜が侵食あるいは破裂すると)、血栓を形成する高い危険性があり、血栓は、血管を閉塞させる可能性があり、対象に重大な結果を引き起こす恐れを伴う。
比較的安定を保ち、血管系をゆっくりと閉塞させる粥腫病変の大部分とは異なり、不安定粥腫は、破裂のより高い頻度を有し、近年80〜85%に達すると推定されている心臓発作、卒中、および突然死症例の主な原因となっている。不安定粥腫は、アテローム粥腫とは構造的および機能的に区別できるが、現在利用される粥腫要素および被膜の厚さについての精密な情報を提供しない画像診断法では、静止期のあるいは安定したアテローム粥腫から容易に検出あるいは区別することはほぼ不可能である(MRI、CT、心筋血流イメージング、血管造影法、血管内超音波法、サーモグラフィ、OCT、反射率、およびスペクトロスコピーなど)。
検死によると、不安定粥腫の破裂が、冠状動脈の50%狭窄以下の部分で最も頻繁に起きていることが示唆される。バイパス手術や血管形成術など、アテローム粥腫の閉塞作用を改善するための現在の療法は、50%狭窄を超える部分に重点を置き、不安定粥腫を除去したり、あるいは急性冠症候群の発症を低減することはほとんどない。かかる粥腫を治療するために現在開発中の薬剤には、例えばACE阻害剤がある。
しかし、急性冠症候群に関連する重大な健康問題が与えられ、下層にある不安定粥腫の存在の検出に関する近年の進歩を考慮すると、PDTによって不安定粥腫の成長と破裂を防ぐ方法と装置を含む、急性冠症候群を治療するさらに高度な方法と装置が今すぐに必要であることは明らかである。
米国特許出願公開第2002/0183301号明細書 米国特許出願公開第2004/0208855号明細書 米国特許第5,370,608号明細書 米国特許第5,417,653号明細書 Mamoo Nakamuraら、Reviews in Cardiovascular Medicine、2004年、第5巻補足2、s22−33
本発明は、急性冠症候群(不安定狭心症、急性心筋梗塞および突然心臓死)のリスクのある対象の治療法を提供する。急性冠症候群には冠状動脈のアテローム性動脈硬化に起因するものが含まれるが、これに限定されない。一実施の形態では、方法は予防的方法である。本発明は、本発明を実施する際に有用な新しいシステムも提供する。
本発明によるアテローム性動脈硬化患者における一つ以上の心外膜冠動脈の予防的治療は、アテローム粥腫に関連する新生血管からの漏出を閉鎖することによりアテローム性動脈硬化を改善し、急性冠症候群を引き起こす粥腫の侵食あるいは破裂の発生を低減する。従って、本発明は、アテローム硬化性および心血管系内のその他の場所における血管新生に関連するその他の増殖性疾患の治療法も提供する(例えば、頸動脈疾患、脚の血管系における末梢動脈疾患、透析患者における動静脈グラフトの機能障害、あるいは冠動脈バイパスグラフト手術を受ける患者における静脈グラフト病)。特定の実施の形態では、本発明により提供される治療法は、短期間であり、血管形成術などの既知の手順に適する、標準的な経皮的インターベンション条件のもとで実施することができる。
一実施の形態では、本発明は急性冠症候群を治療あるいは予防する方法を提供するが、これには、一つ以上の冠状動脈のアテローム性動脈硬化を有する対象、あるいは急性冠症候群のリスクがあるかもしれない対象の特定および選択が含まれる。リスクの特定は、病歴、危険因子評価、あるいは画像化などを含む非侵襲的あるいは侵襲的診断試験に基づいて行うことができる。本発明に提供される処置では、対象は、経静脈全身投与あるいは罹患血管への直接脈管内注射により、アテローム粥腫に関連する前記血管新生における感光性物質の濃度が効果的な光活性化療法を可能とする結果をもたらすのに十分である投与量を投与される。実施の形態では、分布された感光性物質の光活性化を開始する前に、処置を受ける動脈は、生理食塩水などの生体適合性の半透明液で洗浄されるが、これは処置を受ける血管から一時的に血液を血液中に含まれる感光性物質とともに移動させる。この洗浄過程は、例えば処置を受ける血管の近位でのバルーン閉塞、およびバルーン閉塞より遠位地点への洗浄媒体の導入により容易となる。本方法は、標的新生血管において感光性物質を励起するが、血管の外膜層の外に存在する栄養血管には有意な程度に浸透しない波長の光の血管内面への照射を進める。照射の後、方法は、閉塞装置を除去あるいは無効にすることによって(バルーン収縮など)、血管の洗浄された部分に血液を再かん流させる。次に、十分な(治療的)光線量が与えられるまで、洗浄、閉塞、照射のステップを一つ以上のサイクルで繰り返して、アテローム性動脈硬化血管域の希望する部位あるいは全域を処置してよい。このように与えられた光は、感光性物質を活性化させ、アテローム粥腫に関連する新生血管系を封じる生物学的効果をもたらし、それにより、粥腫への血液および炎症細胞の侵入を防ぐ。本発明によって提供される処置の成果は、粥腫の拡張を緩和し、粥腫の安定性を高める。
別の実施の形態では、本発明は、本発明の方法を実施する際に有用なシステムを提供する。一実施の形態では、システムは、光活性化治療により処置を受ける血管内へ挿入できる大きさのカテーテルを含む。カテーテルは、膨張式近位閉塞バルーンを含み、多管内腔を備えており、多管内腔は、標準ガイドワイヤ上での罹患血管内へのカテーテル送入を可能にし、またバルーンの膨張、洗浄、および発光モジュールの供給を含むその他のインターベンションユーティリティーのためのものである。一実施の形態では、システムは、約410nm〜約475nmの範囲の可視光の青紫色域において最大エネルギー吸収を有する感光性物質も含む。システムは、感光性物質の励起波長に適合する出力波長により選定された血管内発光モジュールを含む。青紫光は、光活性化にも望ましい。なぜなら、その血管壁での高レベルの散乱が、治療標的内に供給される光線量の均一性を最大限に引き上げ、アテローム性動脈硬化のよく知られた多発性分布に対応するからである。発光モジュールは、カテーテルの内腔に挿入できる大きさで、感光性物質の治療的活性化のために必要なエネルギー量で、血管壁に光を供給する。さらに、さまざまな実施の形態では、システムは、インターベンション室、あるいは処置がおこなわれるその他の場所において、必要あるいは好ましい付属物を含む。
図面では、同一の参照番号は、類似の要素あるいは作用を特定する。図面における要素の大きさと相対位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、さまざまな要素の形状および角度は、一定の縮尺で描かれておらず、これらの要素のいくつかは、図面を見やすくするために、適宜、拡大および位置付けがなされる。
以下の説明では、開示されるさまざまな実施の形態を十分に理解できるよう、特定の具体的詳細が述べられる。しかし、当業者には、これらの具体的詳細のうち一つ以上を使用せずに、あるいは他の方法、要素、材料等によって、実施の形態を行ってもよいことは明らかである。また、実施の形態について理解を難しくするような不必要な説明を避けるため、発光体、発光ダイオード、レーザ、カテーテル、ガイドワイヤ、および制御装置に関連する既知の構造については詳細を図示あるいは説明しない。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、明細書および続く請求項を通して、「備える」をいう言葉および「備えた」や「備えている」などのその変形は、広義の、包括的な意味、すなわち「含むが、それに限定されない」と解釈されるものとする。
本明細書を通して、「一実施の形態」あるいは「実施の形態」とは、その実施の形態に関連して記述される具体的な特長、構造、あるいは特徴が、少なくとも一つの実施の形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通してさまざまな部分に記載される「一実施の形態では」あるいは「実施の形態では」と言う表現は、必ずしも全てが同一の実施の形態を指すとは限らない。さらに、具体的な特長、構造、あるいは特徴は、一つ以上の実施の形態において、いかなる適切な方法で組み合わせてもよい。
本発明は主に、新生血管の漏出を減少あるいは予防する新しい方法の発見に基づいており、新生血管の漏出は、アテローム粥腫の新生血管の漏出および破裂を含み、アテローム粥腫は、例えば、不安定粥腫を含む。従って、一実施の形態では、本発明は、光活性化治療(PDT)に関する方法、器具、およびシステムを提供し、該光活性化療法(PDT)は、アテローム粥腫からの新生血管の漏出、およびアテローム粥腫の破裂を減少あるいは予防し、したがって、急性冠症候群を予防し、該急性冠症候群は、不安定狭心症、急性心筋梗塞、および突然心臓死を含むがこれに限定されない。
近年、感光性物質の使用を含み、不安定粥腫の検出が向上してきた。例として、米国特許公開公報第20030103995号参照。開発された一つの方法に従うと、PDT感光性物質、蛍光性あるいは光反応性化合物は、不安定粥腫における肩部のマクロファージ、リンパ球、あるいは平滑筋細胞への結合の標的にされ、望ましくは表面のスカベンジャー受容体に結合するリガンドに結合される。あるいは、PDT構成は、粥腫コアの増加する脂質群への標的にされ、または線維性被膜において見られるプロテアーゼへの標的にされる。ヒトにおける不安定粥腫に類似するウサギモデル系での病変を選択的に検出するために、複数のPDT化合物(クロリン−e6複合体)が使用されてきた。一つの方法に従うと、光活性化は、特別に設計された血管内装置を使用して実施され、該血管内装置は、動脈内の粥腫表面に励起光を供給し、放射された蛍光信号を受信し、該蛍光信号は、分析器に送信される。
別の方法では、放射性核種(ベータまたはガンマ放射体)あるいは常磁性造影剤は、高分子標的化キャリアおよび/またはPDT化合物に結合され、高分子標的化キャリアおよび/またはPDT化合物は、不安定粥腫要素あるいは活発に形成する粥腫要素に局在化している。標識された造影剤は、小分子であり、選択的かつ不可逆的に、迅速に(6時間以内)病変部位に局在化する。造影剤は、単独あるいはPDT化合物と併せて与えることができる。ベータおよびガンマの両方の放射性核種検出プローブ(18F−FDG、99mTc−fMet−Leu−Phe、99mTc−Ap4A)は、ヒトにおける不安定粥腫に類似するウサギモデル系での病変を選択的に検出することにより、使用することに成功してきた。
これらのPDTあるいは核剤を使用して、既存の要素を安定化させるか、または不安定化させる炎症細胞、脂質、あるいはプロテアーゼの群を特異に排除するかのいずれかにより、粥腫の破裂を予防してもよいことも提案されてきた。さらに、不安定粥腫または活発に形成する粥腫を処置するためのPDT化合物の使用が記述されてきており、該記述は、細胞外基質タンパク質を架橋するPDT剤の使用を含み、それにより、第二の種の検出あるいは投与に使用された同じ色素の活性化による破裂に対して、線維性被膜を安定化させてきた。肩部のマクロファージ、リンパ球、またはその他の炎症細胞へPDT感光性物質構成をさらに標的とすることにより、光活性化およびアポトーシスによる選択的破壊が可能となると考えられている。制御されたPDTの適用により、細胞は、壊死の細胞応答を誘発せずにアポトーシスのみを受け、それによりリスクの高い部分における炎症反応を減少させることができる。これらの細胞死は、プロテアーゼまたはその他の細胞外基質生成を抑制する要素の放出の減少、またプロトロンビン合成要素の局所分泌の全体的減少により、部位の安定性の向上につながる。この技術は、ウサギ粥腫モデル系において、クロリン−e6複合体および市販のレーザを使用して粥腫のマクロファージの標的化破壊のために使用され、成功を収めてきた。
粥腫表面に励起光を供給し、放射された蛍光信号を受信して分析器に送信する診断プローブ/カテーテル装置の設計についても、記述されてきた。適切な診断信号が検出されると、同装置が光療法を供給し、特定の標的とされる要素を排除する。診断および治療のための光は、適切な血管内カテーテルと組み合わせたレーザまたは光ファイバによって供給される。あるいは、手術による開口部位に対し適切とみなされる光源は、従来の広帯域光源、広範囲のLED、および焦点をぼかしたレーザ光線を含む。
本発明に従うと、アテローム性動脈硬化に冒された血管壁内での病的血管新生は、光活性化治療によるインターベンションの治療的標的である。いかなる特定の理論にも縛られることなく、アテローム性動脈硬化の部位あるいはその周辺に存在する新生血管からの血液および/または炎症細胞の漏出を食い止めることは、急性冠症候群の罹患率および死亡率の減少に貢献することは理解でき、そうしなければアテローム粥腫が漏出、侵食、あるいは破裂した場合に急性冠症候群が発生し得る。さまざまな実施の形態では、本発明の方法、器具、およびシステムは、粥腫の新生血管の漏出を、一つの血管内での部位単位で、あるいは一つ以上の血管内で全部位的に予防あるいは低減する。処置は、急性冠症候群を発現するリスクのある患者に対し、単独であるいは緊急および長期治療戦略(薬物療法が後続する光活性化治療など)の一環として提供することができる。
本発明の側面をより理解するために、典型的な心臓血管は、血液供給(栄養血管)を備える外膜として知られる外層(厚さ300〜400ミクロン)、脈管内膜として知られる内層(厚さ100〜150ミクロン)、およびこれらの層の間にあり中膜として知られる層の3層を有する壁を備えることに留意されたい。これは図2の血管の縦断面図で、概略的に図解される。
冠状動脈のアテローム性動脈硬化の進行は、複雑な生物過程であり、生物学的活性の多種多様のうち、一方では生物学的に不活性であるが血行動態に影響を及ぼす(血流を妨げる)ものから、他方では生物学的に活性であり血行動態に影響を及ぼさない(血流を妨げない)ものまでに渡る病変の連続形成に特徴付けられる。上述のように、生物学的に活性な病変は、通常「不安定粥腫」を言われる。これは図1に示すように、薄い線維性アテローム、高密度のマクロファージを有する大きい脂質コア(多くの場合壊死の)に特徴付けられる。重要なものとしては外膜層の栄養血管から伸展する新生血管系もあり、これはアテローム粥腫の進行に起因する低酸素症によって引き起こされる血管新生刺激に反応して発現し、脈管内膜を肥厚させる。栄養血管は、粥腫を拡張および炎症させることにより、粥腫の不安定性の一因となる。侵食あるいは破裂が起こると、これらの粥腫は血管を完全に閉鎖させ得る凝固を引き起こすことがあり、これは急性冠症候群につながる。
本発明に従うと、粥腫の侵食あるいは破裂に対する脆弱性を低下させる治療は、命にかかわる可能性のある冠状動脈の血栓の重大なリスクを軽減する。従って、本発明の特定の実施の形態は、破裂のリスクを低減するための、光活性化療法によるアテローム性動脈硬化の予防的治療を対象とする。具体的には、本発明は、侵食あるいは破裂に対する粥腫の脆弱性と、動脈壁内でアテローム粥腫が発現すると発生する血管新生刺激により発現する下層の血管新生との関係を認める。
アテローム硬化性病変には、血管壁の積極的な再形成に関連するものがあり、これは、必ずしも血流を制限することなく、蓄積する粥腫を収容する。通常、重大な急性冠動脈症候群につながる責任病変(culprit lesions)は、破裂前には有意に狭窄性ではない。例えば、Schoenhagen,P.らによるAm.J.Cardiol.(89:1354−1359、2002年)によると、心筋梗塞と診断された患者の70%が、血栓事象の部位において50%未満の冠状動脈狭窄を有する。従って、これらの病変は、心筋梗塞の時点では無症候性である可能性がある。これは、その他の粥腫の沈着とは対照的であり、その他の粥腫の沈着は、血管の内腔内で成長する可能性があり、次第に血流を閉塞して心筋虚血を引き起こし、通常、特に労作時の狭心症に関連する。従って、疾病過程全体において、種々の病変が混在することがありえることを理解すべきである。
図1に示すアテローム粥腫は、侵食および/または破裂の影響を受けやすくなり、本発明に従って処置を受け、以下に述べる一つ以上の特徴を含む多数の特徴を有し得る。
多くの粥腫において、脂質に富むコア(脂質を持ったマクロファージあるいは泡沫細胞の死、および細胞外基質における脂質の蓄積に由来する)は、偏心的に肥厚した脈管内膜の中心部に存在する。脂質に富むコアを覆う線維性被膜の肩部は、通常、マクロファージおよびマクロファージ由来の泡沫細胞によって構成される。破壊しやすい粥腫は、肩部の薄い線維性被膜、増加する炎症細胞、および平滑筋細胞の相対欠乏を特徴とする。
アテローム粥腫は、マクロファージに浸潤された上層の薄い線維性被膜(<65ミクロン)を備える大きい壊死コアを有し得る。かかる粥腫は、薄い繊維性被膜(TCFA:Virmani、R.ら、J.Interv.Cardiol.、16:267−272、2003)として記述されてきた。重要なことに、50%を超えるTCFAは冠状動脈枝の近位部に位置し、40%を超えるTCFAは左冠動脈前下行枝(LAD)で見られる。30%のみが、責任病変(culprit lesion)として同動脈に位置し、急性冠症候群に対する脆弱性を多発的に発現する傾向がある。
単球、マクロファージ、およびT−リンパ球は、アテローム粥腫あるいは破裂の表面侵食部に存在する主要炎症細胞である。マクロファージによって生成されるマトリックスメタロプロテイナーゼは、線維性被膜におけるコラーゲンおよびその他の細胞外基質要素の分解が亢進されることにより、粥腫破壊の一因となることがある。
正常な冠状動脈は、血管の最外層である外膜内の小血管の組織網から補給を受ける。この組織網は、栄養血管として知られており、これらの組織網は、通常の拡散によって酸素および栄養素を受け取るには、血管の内腔から遠すぎる血管の筋鞘にこれらの必須物を供給する。アテローム硬化性血管において、脈管内膜での粥腫沈着は、血管壁における酸素負債(低酸素症)を悪化させ、血管内皮増殖因子のような下流の血管新生因子の誘因となり、罹患部位における新血管の形成(血管形成)につながる。アテローム硬化過程が続くと、新生血管の増殖は、外膜栄養血管外で出芽し、中膜を通り、アテローム粥腫部位の肥厚した脈管内膜内へと成長する。
外膜から発現する血管新生に加え、血管新生は、動脈内腔自体から、粥腫に向かって外向きに成長することもあるということは、以前仮定されている。しかしながら、最新の研究では、ヒトの動脈(およびおそらくその他全般的な動脈)では、このような「内腔の血管新生」は発生しない、あるいは発生するとしても、アテローム粥腫の部位では、いかなる内腔の血管新生も妨害され、機能しない可能性が高いと思われる。
従って、いかなる特定の理論にも縛られることなく、血管新生が粥腫の不安定性を引き起こすことは、本発明に従って理解される。新生内膜の毛細血管は、薄い繊維性被膜(不安定粥腫)の、基部あるいは肩部に存在する。血管新生はタンパク質分解性であり、それによりコラーゲンおよびフィブリン基質の分解を引き起こし、またそれにより粥腫を不安定化させる。血管新生は、炎症細胞動員により増大し、炎症細胞動員を促進する(病理学的正のフィードバック)。粥腫の新生血管は、粥腫内に微小出血を起こし、炎症およびその他の不安定化過程を増進する。
さらに、血管新生が粥腫の進行の原因となることも理解される。新生血管の粥腫における密度は、炎症細胞の密度およびアテローム硬化性病変の進行と相関する。アテローム性動脈硬化が進行すると、新生血管の内皮は動脈内腔の内皮に対し優勢となる。粥腫の新生血管は、マクロファージ、炎症性メディエータ、および成長因子の原因であり、また微小出血により赤血球膜を通してのコレステロールの供給源である。粥腫内出血、壊死コアの拡大化、および粥腫における病変の不安定性との間には、関連性がある。粥腫内の血管新生からの出血は、脆弱な病変における不安定性を誘発する重大な事象を表す。
従って、血管新生は、粥腫破裂に至る生物過程の基礎となるメディエータであると理論化される。さらに、アテローム粥腫の基部および肩部における血管新生の進展は、安定粥腫から不安定粥腫への移行の重大な要因となる。従って、本発明に従うと、粥腫における血管新生の閉鎖あるいは低減をもたらす治療は、冠状動脈と、頸動脈など粥腫の血管新生が発生するその他の血管配置との両方における、粥腫破裂、血栓、および急性虚血性事象のリスクを個別にあるいは集合的に軽減する有益な成果につながる。
これらの有益な成果には、粥腫内出血の低減、粥腫内への炎症性細胞浸潤の低減、および血管新生刺激の低減が含まれる。粥腫内のもろい新生血管からの出血の低減は、血小板および赤血球の管外溢出を減少させ、これは遊離コレステロールの沈着、泡沫細胞生成、およびセロイド生成の減少、および壊死コアの大きさおよび粥腫の体積の安定化につながる。白血球接着分子の発現を下方制御することによる、粥腫内への炎症性細胞浸潤の低減は、マクロファージ生成のマトリクス・メタロプロテイナーゼの減少につながり、またコラーゲンとその他の細胞外基質要素との破壊を減少させることにつながり、該その他の細胞外基質要素は、粥腫を覆うフィブリンキャップの構造的完全性に対して重要なものである。血管新生刺激の低減は(粥腫部位における炎症の軽減による)、血管新生のこれ以上の形成を遅らせ、したがって、全身療法(コレステロール低下、抗血栓、抗血管新生)の疾患改善効果が治療レベルに達する間までの架橋となる処置を提供する。
さまざまな実施の形態において、本発明の各方法、器具、装置、およびシステムは、上記の利益のうち一つ以上を提供する。
アテローム性動脈硬化および急性冠症候群の治療および予防方法
さまざまな実施の形態において、本発明は、心血管疾患と急性心症候群とを治療および予防する方法を提供し、心血管疾患は、例えば狭窄および再狭窄などのアテローム性動脈硬化を含み、急性心症候群は、不安定狭心症、急性心筋梗塞、および突然心臓死を含むがこれに限定されない。これらの方法は、通常、アテローム粥腫を有する血管の少なくとも一部位の光線力学療法(PDT)を備え、例えば、該粥腫は新生血管系を備える。さらに、本命最初に記述された方法および装置は、血管新生に関連する心血管系の他の疾患の治療に使用し得ることは理解され、他の疾患は、頸動脈疾患、脚の血管系における末梢動脈疾患、動静脈グラフトの機能障害、静脈グラフト病を含むがこれらに限定されない。
PDTとは、特定の波長あるいは波帯の光が、光反応性、光起動性、あるいは感光性物質の投与により感光性を与えられた標的細胞、組織、あるいは生物学的構造方向に向けられる過程である。この光反応性物質は、特徴的な光吸収波帯を有し、一般的に、静脈注射、経口投与、あるいは処置部位への局所供給により、対象に投与される。アテローム性動脈硬化の処置の流れにおいて、光反応性物質が、標的粥腫およびその周囲の血管新生に分布されると、アテローム性動脈硬化は、光反応性物質の吸収波長あるいは波帯に実質的に対応する適切な波長あるいは波帯の光に、血管新生を暴露することにより処置することができる。光反応性物質により処置を受ける血管新生に供給される光の波長は、特定された標的細胞において、光反応性物質に酸素による光化学反応を起こさせ、特定された細胞の溶解あるいは壊死を引き起こすフリーラジカル種(一重項酸素など)を産生する。これにより、粥腫の安定化につながる。
本発明の方法は、血管の特定された部位に実施されてよく、あるいは血管またはその部位全体が、例えば予防的に処置されてもよい。本発明の方法に従って処置を受ける対象は、アテローム性動脈硬化と診断された対象であってよく、あるいはアテローム性動脈硬化のリスクがあると考えられる対象であってもよい。従って、本発明の方法は、先在のアテローム性動脈硬化の処置、およびアテローム性動脈硬化あるいは急性冠症候群または事象を防ぐための予防的治療を含む。特定の実施の形態では、対象は哺乳類であり、一実施の形態では対象はヒトである。
一実施の形態では、本発明の方法は通常、対象に適切な投与量の感光性物質を供給し、標的粥腫およびその周囲の血管新生に感光性物質が分布されると、罹患(あるいは罹患の疑いがある)血管内で発光することを含む。特定の実施の形態では、光は血管内面に与えられる。特定の実施の形態では、感光性物質は、例えば静脈内あるいは動脈内に、全身的に投与される。別の実施の形態では、感光性物質は、処置を受ける血管あるいはその部位に局所的に投与される。
特定の実施の形態では、血管内で発光し、したがって感光性物質を活性化させる前に、処置を受ける血管の部位は、例えば生理食塩水などの物質により洗浄される。この洗浄は部位から光吸収性血液を除外し、それにより(1)感光性物質を励起し、(2)血管の外膜内には有意な程度に浸透せず、(3)処置部位内の正常な動脈内皮に損傷を与えない波長の光で、血管壁を照らす光源の使用を可能にする。従って一実施の形態では、感光性物質は、処置を受ける血管あるいはその部位の洗浄に使用される物質に与えられる。従って特定の実施の形態では、洗浄に使用される物質は、感光性物質を備える。そのため感光性物質は、洗浄前あるいは洗浄中に投与されてよいことは理解される。さらに、感光性物質を備える洗浄物質の投与後に、過剰な感光性物質を除去するために、例えば感光性物質を含まない生理食塩水などの物質により追加洗浄をおこなってよい。
血管における疾患の程度により、あるいは心臓の動脈全体が予防的に処置される場合、本発明による方法の特定の実施の形態は、処置を受ける動脈を通る血液を再かん流させ、続いて標的部位全体に所定の光活性化線量が与えられるまで、生理食塩水によりさらなる洗浄をおこなうサイクルを含むことにより、その血管により供給を受ける下流の組織を定期的にかん流する必要性に対応する。従って一実施の形態では、感光性物質を活性化させるための光の付加は、全処置過程で流れを閉塞させずに血管の全長にわたり処置がおこなわれるよう、血液の再かん流間隔により部位的に分割される。粥腫の血管新生における血流は、主に動脈の外層および中間層に供給をおこなう正常な血管網である外膜栄養血管を起源とするため、粥腫下層の新生血管床に存在する血液および感光性物質は、アテローム性動脈硬化に冒された動脈を洗浄することにより阻害されない。
発光体が処置を受ける血管壁に対し直接並列するものを含む別の実施の形態では、光の付加の前に血管の血液を洗浄する必要がない。
本発明に従うと、感光性物質は、アテローム性動脈硬化を含む(あるいはそれを含むことが疑われる)脈管内膜での良好な光子エネルギー分布を確保する波長であるが、外膜における栄養血管の閉鎖は望ましくないため、外膜内に浸透する前に実質的に減衰される波長である光により励起されなければならない。従って、活性化する波長および光強度は、中膜を超えて伝わる際の光の放射照度が、一重項酸素の生成が不可逆な損傷を与える閾値を実質的に下回るように減衰されるよう選定される。これは、適切な感光性物質を選択するために使用できる波長パラメータを決定する。一実施の形態では、感光性物質の活性化に使用される光は、コヒーレントあるいは非コヒーレント光である。
さらに、冠状動脈配置において、動脈内および動脈の栄養血管の血管、およびそこから発現したあらゆる血管新生の酸素ヘモグロビンは、光を強く吸収する。全血は、主に動脈の血液における高濃度の酸素ヘモグロビン発色団により、540nmおよび577nmにおける二つの強い吸収帯、415nmおよび940nmにおける別の二つの吸収ピークを示す。415nmでは、組織表面へのエネルギー入射が37%(1/e)まで消滅する地点の距離と定義される浸透深度は、約100−150ミクロンである。従って、この波長の光は、アテローム硬化性動脈壁の脈管内膜および中膜内にPDTの効果を含有するために、特に有用であると考えられる。これは、外膜栄養血管の血液中の酸素ヘモグロビンにより光がさらに、また急速に減衰され、そのため処置による周辺の正常組織への損傷を軽減することから、安全な処置という観点からも重要であると考えられる。
本発明の一部の実施の形態では、光波長は、約410から約475nmの範囲にある。一実施の形態では、光波長は、410から475nmの範囲にある。従って、この範囲にある励起波長を有する感光性物質は、使用に適している。この範囲の波長の光により励起される感光性物質は、伝達中に青紫色光を広く散乱し、エネルギーを急速に減衰するため望ましい。このように本発明は、外膜栄養血管における感光性物質の不要な活性化が最小限に抑えられる、あるいは完全に抑制するための基盤を提供する。従って、青紫色光は、処置を受ける血管の内腔内に生成されると、粥腫の血管新生における感光性物質の強い活性化を提供するが、正常な栄養血管が位置する血管外膜層に到達する前に減衰される。本発明の特定の実施の形態では、感光性物質は、モノ−N−アスパルチルクロリンe6(タラポルフィンナトリウム)であり、それは、410−415nm範囲の波長を有する光により強く励起される。
本明細書に記載されるその他の基準を満足する限り、特定の範囲にある励起波長を有するその他の感光性物質も使用してよい。有用な感光性物質は、参照により完全に開示に含まれる米国特許第6,800,086号6−20欄に記載されるものから、本明細書に記載される基準を用いて選択してよい。
一実施の形態では、本発明の方法は、供給の際、処置を受ける血管に速やかに分布し、インターベンションの時間を最低限に抑える感光性物質を使用する。それでもなお、血管組織内でそれほど即座に分散しないその他の感光性物質もまた有用である。PDT構成(感光性物質など)は、当技術分野で周知の標準色素、または高分子標的化キャリア(成長因子、ミクロスフェア、リポソーム、ペプチド、抗体、あるいはリポタンパク)との連鎖により形成される誘導体であることが可能である。
使用する感光性物質がタラポルフィンナトリウムである場合、薬剤投与量は、特定の対象により異なるが、通常は約0.1〜約2.0mg/体重kgの範囲内である。一部の実施の形態では、薬剤投与量は0.1〜約1.0mg/kgの範囲内である。別の実施の形態では、薬剤投与量は約0.5mg/kg以下の範囲である。投与量はさまざまな要因により異なり、そのため通常、効果的なPDTをおこなうために、処置を受けるべき組織中に治療的用量が確実に存在するのに十分な量であるべきこと以外の検討材料により制限されないことは明らかである。かかる投薬量は、当業者により容易に決定することができる。
さまざまな実施の形態において、光源は、放射される光の波長が本明細書に記載する基準を満たし、かつPDT手順の時間内に、効果的な光線量を供給して手順を行うのに十分なエネルギーを有する限り、レーザ光源あるいは非レーザ光源、またコヒーレント光源あるいは非コヒーレント光源である。
別の実施の形態では、本発明は、冠状動脈疾患に起因する有害な冠状動脈事象のリスクがある対象のための予防的治療を提供する。この場合、「予防的」と言う表現は、(a)無症候性(例えば、急性冠症候群に対し実質的に高い危険因子を有するが、狭心症を有さない対象)の対象、あるいは(b)血流閉塞症状(狭心症など)の徴候、および/または非侵襲的検査(例えば、C反応性タンパクの上昇、磁気共鳴(MR)またはマルチスライスコンピュータ断層(CT)撮影法)、および/または侵襲的検出(例えば、血管造影法、血管内超音波法(IVUS)、光コヒーレンス断層映像法(OCT)、またはその他の手法による)により、冠状動脈のアテローム性動脈硬化の確定診断を有する対象、に対し行われる処置を含むことが広く理解されるべきである。
一実施の形態では、本発明の方法は、任意の血管におけるアテローム性動脈硬化の位置を正確に認識せずに実施される。本発明の本実施の形態は、アテローム粥腫のマッピングおよび個々の粥腫部位の侵食あるいは破裂に対する脆弱性についての判定を行うための、侵襲的な診断手順の必要性を排除するという有意な利点を示す。あるいは、本発明に従うと、アテローム性動脈硬化により罹患していると疑われる血管は、必要であれば全体において処置される。実際は罹患していない部分は、実質的に処置の影響を受けないが、病的血管新生が存在する患部は、効果的に処置される。
従って本発明は、有害な冠状動脈事象あるいは症候群を治療あるいは予防する方法を提供し、該方法は、有害な冠状動脈の事象あるいは症候群のリスクがある対象に対して、適切な投与量の感光性物質を投与することと、処置を受ける血管部位の血液を除去するために洗浄することと、処置される血管内に光を投与することとを備え、該光は、感光性物質を活性化させるのに適切な波長である。
特定の実施の形態では、本発明の方法は、不安定粥腫などを含む粥腫の成長あるいは破裂を抑制するために実施される。関連する実施の形態では、本発明の方法は、粥腫内の新生血管から、血液および/または細胞の漏出を減少させるために実施される。
一部の実施の形態では、感光性物質は全身的に、例えば静脈内あるいは動脈内に投与されるが、別の実施の形態では、感光性物質は処置を受ける血管に局所的に投与される。
本発明の一部の実施の形態は、粥腫の血管新生における血流を罹患動脈の内腔における血流から明らかに分離することに基づく。これは、全身静脈注射などにより、感光性物質を血液中に広く分布する機会を与え、その後、罹患動脈を分離し、そこからの血液を洗浄することにより、感光性物質は病的血管新生中に留まるが、光活性化が起きる動脈内腔からは移動させられる。従って、本発明は、アテローム粥腫に関連する病的血管新生の部位特異的な処置を創造し、同時に光活性化治療による処置を受ける動脈への付随する損傷を軽減する、非常に望ましい方法を提供する。
本発明は、正常な外膜栄養血管への損傷の軽減も目指している。この点において、上述のような適切な波長の光の使用は、組織を通過する際の光の自然減衰により、治療の選択性をますます上昇させる。血管新生における感光性物質の存在は、光から漸次的にエネルギーを吸収することによりこの減衰を増進し、さらに処置の安全性に貢献する。
本発明の方法は、市販の試薬および装置、また以下に詳細を記載するものを使用して実施してよい。
アテローム性動脈硬化の光力学的療法のための装置およびシステム
この説明は、一般に以下の特長のうち一つ以上を有する装置および/またはシステムに関する。その特長は、心血管部での使用を容易にするガイドワイヤと;処置部位への血流を徐々に閉塞させ、同時に他の装置がカテーテルを通って、またそれを越えて処置部位に設置されることを可能にするバルーンあるいはその他の手段を有する、ガイドワイヤを使用して送入されるカテーテルと;例えば、洗浄ポートに連結する注入ポートなど、血管に液体洗浄をおこない、処置部位の動脈からの血液を洗い流す何らかの手段と;血管壁内に感光性物質を活性化する波長の光を放射する発光体とである。特定の実施の形態では、カテーテルは多管内腔を有する。一実施の形態では、光線力学療法のための光治療システムは、これら全ての特長を備える。
本発明は、例えば本発明の方法を実施するために使用できる、新規な装置、器具、およびシステムを提供する。これらの特定の実施の形態は、図3−8に示される。
図3は、ガイドカテーテル112に挿入および通過させるガイドワイヤ102、および閉塞バルーン104を備える光治療システム100を図示する。ガイドカテーテル112は、ガイドワイヤ102を収容する内腔、血管(注入ポートなど)の生理食塩水洗浄手段106、および発光体110を含む。図示される実施の形態では、カテーテル112は、ガイドワイヤ102および生理食塩水溶液の供給管を収容する通路を含み、またカテーテル先端116にあるいはその近隣に生理食塩水流出ポートを備えるが、これは軟質プラスチックであってよい。バルーン104は、カテーテル本体を中心に膨張し、膨張時に血管の所定の位置に留置するよう配置される。バルーン104は、カテーテル本体の近位端で出口あるいは洗浄ポート108を通して、その膨張流体(生理食塩水溶液など)を放出することにより収縮されてよい。
使用中、カテーテル112は、ガイドワイヤ102を使用して、血管の罹患部位あるいは処置を希望する部位の位置に誘導される。矢印(図2)は、カテーテル112の遠位から近位端への血流を示す。患者は1回分の感光性物質により処置され、感光性物質が処置を受ける血管のアテローム性動脈硬化罹患域へと移動するのに十分な時間が経過したのち、バルーン104を膨張させ、注入ポート106を介して生理食塩水洗浄を行い、血液は区域から洗い流される。そして発光体は活性化され、1回分の光を供給する。一実施の形態では、光は、カテーテル112における短放射部位から放射され、照射中、光活性化を成功させるために十分なエネルギー付与をおこなうよう制御される運動速度で、処置を受けている血管部位を通って移動する。別の実施の形態では、カテーテルは固定位置に維持される。患者の耐容性に応じた時間ののち、放射体110は、停止されて血管表面に対して固定され、またバルーン104は、血流を再開させ、その範囲を再かん流させるために収縮される。次に、バルーン104は再び膨張され、区域は再び生理食塩水により洗浄され、固定発光体110からあるいはもう一度血管に沿って輸送された放射体から、さらに1回分の光が与えられる。このバルーンの膨張、生理食塩水洗浄、PDT、およびバルーン収縮のサイクルは、所定の治療的光線量が付加され血管が処置されるまで継続される。
一つの処置手順では、一つまたは複数のレーザあるいは非レーザ発光体を使用してよい。必要な光線量を供給するのに適切な大きさ、波長、パワーの発光体が有用であるが、図4−7は、発光体構成のさまざまな実施の形態のいくつかを示している。
図4は、血管に挿入された光源200の前端または「先端」を示す。光は、発光ダイオード(LED)あるいはレーザ放射体などの固体発光体202から放射され、生成された光は円錐形反射体204に入射し、円錐形反射体204は、光を半径方向外向きに、血管206の壁に向けて反射する。その結果、光源を中心に均一な照射帯208が形成される。従って、実施の形態は360度の照射帯を可能とする。
図5は、光源300の別の実施の形態を示し、この場合、光波長を変更しない、あるいは予想されるように変更する半透明ポリマースリーブ302に包まれたあるいは入れられたレンズ310およびダイ312を含む。さらに、実施の形態は、軟性ポリマー先端304を特徴とし、血管壁308との接触による血管外傷を最小限に抑え得る。
図6および7は、ダイの輪402およびレンズ404を含む光源と、少なくともガイドワイヤを収容できる大きさの内腔406とを有する実施の形態を示す。発光体を提供するために、図3の装置あるいはその他任意の適切なカテーテルとの組み合わせで使用できるこの実施の形態は、内腔を中心に円あるいは輪402に配列される複数の放射体410を有する。従って、放射体の全て、あるいはそのいくつかのみを活性化し、特定の粥腫を処置するために希望する光パターンを獲得することができる。ガイドワイヤ408の挿入は、通常心臓血管外科の分野で医師が希望する必要な制御を提供する。
図8は、光放射部505全体を覆うバルーン502を組み込む光放射装置500の実施の形態を示す。バルーン502は、血流を閉塞させ、血管壁への障害物のない光路を提供し、また光放射部505に冷却を提供する役割を果たす。ガイドワイヤ504は、バルーン502の外部を通過し、装置500の先端506を通る様子が示される。装置500が、処置を受ける部位に設置されると、バルーン502は低い圧力で膨張され、光が活性化され、放射先端505はバルーン502の全長に沿って中心内腔を通って移動する。必要であれば、動作を停止し、バルーン502を収縮してその範囲を再かん流させることができる。次にバルーン502を再度膨張し、処置再開することができる。
図9は、図3と類似であるが、光放射部604の少なくとも一部の周囲に移動可能なシール602を、装置600の全長に沿って一連の洗浄ポート606を組み込む実施の形態を示す。移動可能なシールは、処置中に、光放射部近接での限局的洗浄を可能にする。これは、非常に限局され、かつ制御可能な方法で、処置部から血液を除去し、また光放射部604を冷却する役割も果たす。
図10は、光放射装置702が、ニチノールなどの基材でラミネートされ、光拡散材料で覆われた、一連の柔軟なポリマー突起704に取り付けられる実施の形態を示す。この構成により、設置中に装置をカテーテルシース706中に圧縮させ、治療部位への容易なナビゲーションを可能とする。処置前にシースは回収され、治療標的の近接に発光体を設置する突起を血管壁708に合わせる。これにより、放射体が血管壁に近接しているため、血管を洗浄あるいは閉塞させる必要は最小限に抑えられる、あるいは排除される。装置は、処置中、固定されたままでよく、再びシース内に引き込んで装置を取り除いてよい。
別の実施の形態では、本発明の装置は、表面に一つ以上の発光ダイオード(LED)を有するカテーテルを備えてよい。特定の実施の形態では、LEDは柔軟である。特定の一実施の形態では、二つのバルーンはカテーテルの離散位置に位置し、LEDは二つのバルーンの間に位置する。特定の実施の形態では、カテーテルは、例えば洗浄および/または感光性物質の投与に適する一つ以上のポートをさらに備える。特定の実施の形態では、一つ以上のポートは二つのバルーンの間に位置する。その結果、膨張されたバルーンは、バルーンのどちら側の血管も閉鎖することができる。
本発明は、上に述べられるもののうちの一つなど、光放射カテーテル装置を備える本発明の方法を実施するためのシステムをさらに含む。示されるカテーテル、および同じ機能を果たすその他のカテーテルの実施の形態は、発光体のための、また本発明のその形式が実行される場合には、そのガイドワイヤに沿っての動作のための電源など、補助装置を必要としてよいことは、当業者には明らかである。本発明による処置がおこなわれる環境において、電源は、例えばあらゆる種類の使い捨てあるいは充電式のバッテリーからでよく、あるいは電気によって作動してもよい。本発明の一部の実施の形態は、血管を洗浄するために使用する溶液のための洗浄および/または排出ポンプも必要とする。さらに、本発明の一部の実施の形態では、膨張および収縮のためのバルーン制御装置も必要としてよい。さまざまな実施の形態では、本発明のシステムは、カテーテル装置の他に、これらのうち一つ以上の要素を備える。手術室環境における使用を容易にするために、これらは全て制御盤を備える単一の形態装置に統合されることが望ましいが、必ずしもそうでなくてよい。特定のさらなる要素については図3で説明する。
一実施の形態では、本発明のシステムは、血管内に挿入できる大きさのカテーテルであって、膨張式バルーンおよび内腔を備えるカテーテルと;カテーテルの内腔を通して収容され、伸展できる大きさのガイドワイヤと;カテーテルの内腔に設置され光を組織に供給する光源とを備え、光は、感光性物質の励起波長に近い励起波長で供給される。一実施の形態では、システムは、組織に物質を提供する物質供給システムであって、カテーテルの内腔を通して伸展する供給管を含む前記物質供給システムをさらに備える。従って、カテーテルは物質を血管内に放出するポートを含んでよい。一部の実施の形態では、物質は処置を受ける血管部位を洗浄するために使用されてよいが、関連する実施の形態では、物質は処置を受ける血管部位に感光性物質を供給するために使用される。従って特定の実施の形態では、物質は、生理食塩水、あるいは有る量の感光性物質組み合わせた生理食塩水である。
特定の一実施の形態では、本発明のシステムは、光線力学療法によって処置される血管内に挿入できる大きさのカテーテルであって、膨張式バルーンおよびガイドワイヤを収納できる大きさの内腔を備えるカテーテルと;約410〜約475nmの範囲の励起波長を有する感光性物質と;ある濃度の感光性物質を含む組織に光を供給する、カテーテルの内腔内に挿入できる大きさの光源であって、感光性物質の励起波長で光を供給する光源と;処置を受ける血管に洗浄液を供給する生理食塩水洗浄システムであって、カテーテルの内腔内に挿入できる大きさの生理食塩水供給管を備える洗浄システムと、を備える。本発明のシステムの一実施の形態では、カテーテルのバルーンは、光力学的処置手順の段階における、バルーンの収縮のための流体流出ポートと、続くバルーンの再膨張のための流体流入ポートとを備える。
本発明によるシステムおよび方法の特定の実施の形態では、光源はレーザ光源である。さらなる実施の形態では、感光性物質は、タラポルフィンナトリウムまたはその誘導体、ベルテポルフィンまたはその誘導体、ロスタポルフィンまたはその誘導体である。
要約に記述される説明を含む、上記の図示される実施の形態の説明は、包括的であること、あるいは本発明を開示されるものと同一の形式に制限することを意図しない。例示の目的で、特定の実施の形態および例が本明細書に記載されるが、当業者には明らかなように、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、相当するさまざまな変更を加えることが可能である。本明細書に提供される本発明の教示は、必ずしも上記に概要を述べる光伝達システムだけでなく、さまざまな光伝達装置および/またはシステムに適用することができる。上述のさまざまな実施の形態は、組み合わせることでさらなる実施の形態を提供することができる。
米国特許第6,958,498号、6,784,460号、6,661,167号、および6,445,011号、米国公報第2005/0228260号、国際特許出願第PCT/US2005/032851号および第PCT/US01/44046号、米国特許出願第11/323,319号、および米国特許仮出願第60/640,382号を含む、本明細書で言及する、および/または出願データシートに記述される、全ての米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、出願、および非特許公報は、参照により全体として開示に含まれる。必要であれば、本発明の側面に変更をおこない、さまざまな特許、出願、および公報の側面、特長、概念を採用し、本発明のさらなる実施の形態を提供することができる。
上述した詳細を記述を考慮して、これらおよびその他の変更を発明に対して行うことが可能である。全般的には、以下の請求項において、使用される用語は、本発明を明細書と請求項に開示される特定の実施の形態に限定すると解釈されず、本明細書に従って操作される全ての光伝達システムを含むと解釈されるものとする。従って、本発明は本開示によって制限されることなく、その範囲は完全に以下の請求項によって決定される。
図1は、血管の端面断面図に示される、アテローム性動脈硬化の概略である。 図2は、血管壁の層を示す、典型的な血管の縦断面図である。 図3は、本発明による、バルーン、生理食塩水洗浄管、および光源を備えるカテーテルの実施の形態の概略であるが、実施の形態では、ガイドワイヤが挿入された状態で示される。 図4は、本発明に従って、血管内の粥腫を処置するために光を提供するのに有用な発光体図の概略であり、発光体は円錐形反射体を含む。 図5は、本発明に従って、血管内の粥腫を処置するために光を提供するのに有用な発光体図の概略であり、発光体は軟性の損傷を与えない先端を含む。 図6は、本発明に従って、血管内の粥腫を処置するために光を提供するのに有用な発光体図の概略であり、発光体はダイの輪を含む。 図7は、本発明に従って、血管内の粥腫を処置するために光を提供するのに有用な発光体図の概略であり、直径約1.1mm(<4F)の断面において、0.25mmのダイに囲まれる0.014ガイドワイヤを描写する概略図である。 図8は、光放射部を覆うバルーンを含む本発明によるカテーテルの実施の形態の概略である。 図9は、光放射部近隣に移動可能な洗浄ポートを含む、本発明によるカテーテルの実施の形態の概略である。 図10は、血管壁の近隣における光供給を可能とする、配置可能な光放射部を含む本発明によるカテーテルの実施の形態の概略である。

Claims (21)

  1. 急性冠症候群を治療あるいは予防する方法であって、
    急性冠症候群のリスクがある対象を選択することと、
    全身静脈注射によりあるいは直接冠状動脈血管系内に、アテローム粥腫に関連する血管新生における感光性物質の濃度が効果的な光活性化治療を可能とする結果をもたらすのに十分である投与量の感光性物質を該対象に供給することと、
    該感光性物質を励起するが、該血管の外膜層には有意な程度に浸透しないように、適切な波長の光を1つ以上の冠状動脈あるいはこれらの血管部位に付与することと
    を含む、方法。
  2. 前記感光性物質を活性化するように前記光が付与された前記一つ以上の冠状動脈あるいはこれらの血管部位からの血液を洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記光を付与することは、約410〜約475nmの範囲の前記波長の光を付与することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記感光性物質は、タラポルフィンナトリウムあるいはその誘導体である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記感光性物質の活性化に使用される前記光は、コヒーレントあるいは非コヒーレント光である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記光の付与は、前記血管の内面に対しておこなわれる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記感光性物質を活性化させるための前記光の付与は、前記全治療過程で流れを閉塞させずに血管の全長にわたり処置が行われるよう、血液再かん流の間隔によって部位的に分割される、請求項1に記載の方法。
  8. 血管内へ挿入できる大きさのカテーテルであって、膨張式バルーンおよび内腔を備える前記カテーテルと、
    該カテーテルの内腔を通して収容され、伸展できる大きさのガイドワイヤと、
    該カテーテルの内腔に設置され光を組織に供給する光源であって、該光は、感光性物質の励起波長に近い励起波長で供給される前記光源と
    を備える、システム。
  9. 前記光源はレーザ光源である、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記光源は発光ダイオード(LED)を含む、請求項8に記載のシステム。
  11. 前記組織に物質を提供する物質供給システムをさらに備え、該物質供給システムは、前記カテーテルの内腔を通して伸展する供給管を含む、請求項8に記載のシステム。
  12. 前記カテーテルは、前記物質を前記血管内に放出するポートを含む、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記物質は生理食塩水である、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記物質は、ある量の感光性物質と組み合わせた生理食塩水である、請求項11に記載のシステム。
  15. 前記感光性物質は、約410〜約475nmの範囲の励起波長を有する、請求項14に記載のシステム。
  16. 約410〜約475nmの範囲の励起波長を有する感光性物質をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
  17. 前記感光性物質は、タラポルフィンナトリウムおよびその誘導体から選択される、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記感光性物質は、ベルテポルフィンおよびその誘導体、ロスタポルフィンおよびその誘導体から成るグループから選択される、請求項16に記載のシステム。
  19. 前記カテーテルのバルーンは、光力学的処置手順の段階における、前記バルーンの収縮のための流体流出ポートと、後続する前記バルーンの再膨張のための流体流入ポートとを備える、請求項8に記載のシステム。
  20. 前記光源を格納するための拡張可能な伸展部材をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
  21. 前記拡張可能な伸展部材は、前記カテーテルの前記内腔内における第一の位置から、該カテーテルの該内腔外であり前記血管の壁のより近接における第二の位置に移動可能である、請求項20に記載のシステム。
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