JP2008522089A - 内燃機関用の２部分から成るピストン - Google Patents

Abstract

本発明は、ピストン頂部（１３）に燃焼室（１６）が設けられている、内燃機関用の２部分から成るピストン（１）であって、ベース体（５）と、該ベース体（５）にねじ結合された上側部分（６）とから成っている形式のものに関する。燃焼室（１６）の下側部分がベース体（５）に成形されており、上側部分（６）がほぼリング状に形成されており、上側部分（６）が燃焼室（１６）をカラー（１９）の形式でピストン頂部側において増大させ、かつ半径方向外側に向かって画成していることによって、燃焼圧は、燃焼室において生じる圧力に比べて大きな機械的な強度及び負荷耐性を有しているベース体（５）に対して作用するようになる。

Description

本発明は、請求項１の上位概念部に記載された形式の、内燃機関用の２部分から成るピストンに関する。

ＤＥ３０１７７８７Ｃ２に基づいて公知の、ピストン頂部に燃焼室を備えた２部分から成るピストンは、上側部分とベース体とから成っており、上側部分はベース体とねじ結合されている。燃焼室はこの場合もっぱら上側部分によって形成され、この上側部分は燃焼室の領域において極めて薄壁に形成されており、その結果上側部分は、燃焼室において生じる圧力によってピストン頂部に対して加えられる極めて大きな機械的な負荷に対して、耐えることができない。

この従来技術における欠点を排除することが、本発明の課題である。

この課題を解決するために本発明によるピストンは、請求項１の特徴部記載のように構成されている。

本発明の別の有利な構成は、請求項２以下に記載されている。

本発明のように構成されていると、以下に記載のことに基づいて機械的及び熱的に高負荷可能なピストンが得られる。すなわち本発明によるピストンでは、燃焼室が大部分、ベース体に成形されていて、上側部分がリング状に形成されており、その結果燃焼圧が主として、大きな機械的な強度を有するベース体に作用し、これによってピストンの機械的な耐性が高められる。

ピストンの熱に対する負荷耐性は、熱によって最も高負荷されるピストン部分、燃焼凹部の縁部（Muldenrand）及び火炎ウェブ（Feuersteg）が、鍛造されたアルミニウム又は鍛造された鋼から成る上側部分によって形成されることによって、高められる。

次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。

図１は、内燃機関用のピストン１を、図２の曲げられたＡ−Ａ線に沿って断面して示す図であり、
図２は、ピストン頂部を上から見た平面図である。

図１には、内燃機関用の２部分から成るピストンが、図２の曲げられたＡ−Ａ線に沿った断面図で示されていて、２つの半部から成る断面図の左側半部は、ボス孔３の長手方向軸線に対して垂直でかつピストン１の軸線４に位置する平面でピストン１を断面した図であり、かつ右半部は、左半部の断面に対して４５°ずらされた平面においてピストン１を断面した図であり、従って右半部には第２のボス孔３′が斜めに断面されて示されている。

ピストン１はベース体５と上側部分６とから成っており、ベース体５と上側部分６とは、半径方向外側において全周にわたって均一に分配配置されたねじ７〜１２を用いて互いに結合されている（図２も参照）。

ベース体５はピストン頂部１３とは反対の下側に、各１つのボス孔３，３′を備えたピンボス１４，１４′と、両ピンボス１４，１４′を互いに結合するスカートエレメント１５，１５′とを有している。ピストン底部１３には燃焼室１６が成形されている。さらにピストン１のベース体５はその半径方向外側においてピストン頂部１３の近傍に、リング溝１７，１８を有している。

上側部分６はほぼリング状に形成されていて、ベース体５に次のように配置されている。すなわちこの場合上側部分６は、ベース体５に成形された燃焼室１６をカラー１９の形式でピストン頂部側において増大させ、かつ半径方向外側に向かって画成しており、そしてカラー１９の内径はピストン上側に向かって減少し、その結果燃焼室１６にはアンダカット部２０が生ぜしめられている。

上側部分６の、ピストン頂部とは反対の下側で、半径方向外側においてベース体５の上側には、複数の切欠きが成形されており、これらの切欠きは同じ半径を有していて、従ってベース体５への上側部分６の組付け後には、閉鎖されたリング状の冷却通路２１を形成する。冷却通路２１をシールするために上側部分６とベース体５との間に、シールエレメント３２が配置されていてもよい。オイル供給兼オイル排出開口２７を介して冷却通路２１は、ピストン内室２２と接続されている。

上側部分６をベース体５と結合するねじ７〜１２は、上側部分６の、ピストン頂部側の円錐形に成形された孔２３，２３′を貫通案内されていて、一部が、雌ねじ山２４を備えた盲孔２４にねじ込まれ、かつ一部は、雌ねじ山を備えた貫通孔２５にねじ込まれている。この場合ねじ７〜１２は冷却通路２１を通して案内されており、このことは、特にピストンが小型な場合にはスペースを節減するのに役立つ。

ベース体５は鋼又はアルミニウムから製造されており、この場合まず初めに鍛造法又は鋳造法でブランクが製造される。次いで、切削加工法（旋削、フライス）を用いてブランクからベース体５が仕上げられる。上側部分６は鋼又はアルミニウムから鍛造法によって製造され、この場合にも同様にまず初めにブランクが製造され、このブランクは切削加工法によって仕上げ加工される。これによって、上側部分６が十分な強度を有していることが保証され、これによって、図示されていない圧縮リングのために上側部分６の半径方向外側に溝２６を加工した後でも、上側部分６は耐摩耗性のリング保持体の機能を果たすことができる。

リング状の上側部分６と、大部分がベース体５に成形された燃焼室１６とを備えた本発明によるピストン１は、一方では次のような利点、すなわち燃焼圧が主として、燃焼室において生じる圧力に対して大きな機械的な強度と負荷耐性とを有するベース体５に対して作用する、という利点がある。また他方では上側部分６は、その単純なリング形状に基づいて安価に製造可能である。さらに、熱によって最も高い負荷を受けるピストン部分である燃焼凹部の縁部及び火炎ウェブは、鍛造法で製造されひいては高負荷可能な上側部分６によって形成されているので、全体として熱に対して極めて高負荷可能なピストンが生ぜしめられる。

図２には、ピストン頂部１３が上から見た平面図で示されており、この図２からねじ７〜１２の分配配置された様子が明らかである。また図２にはさらに、燃焼室１６と、ピストン頂部１３に加工された弁ポケット２８〜３１とが示されている。

内燃機関用のピストン１を、図２の曲げられたＡ−Ａ線に沿って断面して示す図である。 ピストン頂部を上から見た平面図である。

符号の説明

１ ピストン、 ２ ボス孔３の長手方向軸線、 ３，３′ ボス孔、 ４ ピストン１の軸線、 ５ ピストン１のベース体、 ６ ピストン１の上側部分、 ７〜１２ ねじ、 １３ ピストン頂部、 １４，１４′ ピストンボス、 １５，１５′ スカートエレメント、 １６ 燃焼室、 １７，１８ リング溝、 １９ カラー、 ２０ アンダカット部、 ２１ 冷却通路、 ２２ ピストン内室、 ２３，２３ 孔、 ２４ 盲孔、 ２５ 貫通孔、 ２６ 溝、 ２７ オイル供給開口、オイル排出開口、 ２８〜３１ 弁ポケット、 ３２ シールエレメント

Claims (5)

1. ピストン頂部（１３）に燃焼室（１６）が設けられている、内燃機関用の２部分から成るピストン（１）であって、
   ベース体（５）と上側部分（６）とから成っており、
   ベース体（５）が、各１つのピン孔（３，３′）を備えたピンボス（１４，１４′）と、該ピンボス（１４，１４′）を互いに結合するスカートエレメント（１５，１５′）とを備えており、
   上側部分（６）がベース体（５）の、ピンボス（１４，１４′）とは反対の上側に配置されていて、ベース体（５）とねじ（７〜１２）を用いて結合されており、
   燃焼室（１６）の下側部分がベース体（５）に成形されており、
   上側部分（６）がほぼリング状に形成されていて、燃焼室（１６）をカラー（１９）の形式でピストン頂部側において増大させ、かつ半径方向外側に向かって画成しており、
   さらに、上側部分（６）の下側とベース体（５）の上側とに切欠きが成形されていて、該切欠きが、ベース体（５）への上側部分（６）の組付け後に、閉鎖されたリング状の冷却通路（２１）を形成している形式のものにおいて、
   ねじ（７〜１２）が上側部分（８）のピストン頂部側の孔（２３，２３′）と、冷却通路（２１）とを通して案内されていて、一部が、雌ねじ山を備えたベース体（５）の盲孔（２４）にねじ込まれ、かつ一部が、雌ねじ山を備えたベース体（５）の貫通孔（２５）にねじ込まれていることを特徴とする、内燃機関用の２部分から成るピストン（１）。
2. 上側部分（６）が鍛造法で製造されている、請求項１記載のピストン（１）。
3. 上側部分（６）が鋼から成っている、請求項１又は２記載のピストン（１）。
4. 上側部分（６）がアルミニウムから成っている、請求項１又は２記載のピストン（１）。
5. 上側部分（６）の半径方向外側に、圧縮リング用の溝（２６）が成形されている、請求項１から４までのいずれか１項記載のピストン（１）。

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