JP2008521942A - 基材ケア製品 - Google Patents

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Abstract

基材に第1の利益(例えば繊維コンディショニングなど)および少なくとも1つの第2の利益(例えば香料など)を提供する、柔軟剤などの基材ケア製品であって、第2の利益がヒドロゲル殻および油性コアを有するカプセルにカプセル化された少なくとも1種のカプセル化揮発性物質により提供され、前記揮発性物質が水の存在化で空のカプセルに充填された基材ケア製品。前記製品は貯蔵に安定であり、第2の利益は特に長期持続性である。

Description

本発明は、カプセル化した揮発性材料、特に香料、その製造方法、およびこれらのカプセル化した揮発性材料を、特に基材ケア製品(substrate care product)に組み込んだ組成物に関する。
「基材ケア製品」は基材の処理、コンディショニング、および着香に用いる組成物および製品を意味する。基材ケア製品は、基材を洗浄するための製品、例えば洗濯洗剤、シャンプー、シャワージェルなどを含まない。基材ケア製品はとりわけ、柔軟剤、回転乾燥機用シート、デオドラント、布用スプレーおよびカーペット香料などの製品を含む。
第1の利益(例えば、コンディショニング)を提供するのに加えて、かかる基材ケア製品はまた、少なくとも1つの第2の利益を提供するために用いてもよい。一般に望まれる第2の利益は、製品を適用する基材へ香料を付加することである。本明細書の残りは特に香料に関するが、本発明は香料に限定されるものではなく、付加的な利益を提供するいかなる揮発性物質にも適用することができる。
理想的には、かかる基材ケア製品は成功裡に香料を供給するだけではなく、香料はまた持続的でもあるべきである。これは、換言すれば、
1.香料の供給が発生するときに初期の香料負荷のできるだけ多くが存在するように、使用前に香料の損失が容認し得る程低度であるべきこと、
2.いったん基材上に付着すると、香料はできるだけ長期にわたり知覚可能たるべきこと
を意味する。
まず第2の点に関して、1つの方法は、本来的な持続性を有する香料を選択することである。この手法の例は、米国特許第5,652,206号および第5,833,999号にみられ、そこでは、香料を持続させるために、香料は特定の種類の香料材料、つまり、具体的に名前が挙げられた少数の材料から構成され、その上、材料の少なくとも70%が、3.0より大きなClogPおよび250℃より高い沸点を有しなければならないと開示されている。(オクタノール/水の分配係数の計算による対数であるClogPは、親水性の目安を提供し、周知のパラメーターであり、任意の所定の分子について、その分子構造の知識より計算することができるものである。これを実行できる多くの市販のコンピュータープログラム、例えばACD Software, ACD/logP calculator version 4.0, Advanced Chemistry Development, Toronto, Ontario Canada、が存在する。)この方法は、確かに持続性の香料は提供するが、用いることができる香料に関して極度に限定的であり、非常に多くの所望の香料材料がこれらの範囲から外れてしまう。
多量の香料を基材に提供する有望な方法はカプセル化によるものであり、同方法において、香料は、香料を所望の条件下のみで放出するカプセルで提供される。多くのかかるカプセル化の方法が当該技術分野において知られており、多くが香料での使用に適している。しかしながら、これらのシステムは欠点を有する。その製造は高コストとなる可能性があり、これらは貯蔵に際し不安定たりうる。あるいは、それらは必要なときに香料を放出しないか、またはある刺激、例えば圧、熱または水などが適用されるまで香料を放出しない可能性がある。処理する基材に香料が放出される際に、放出が、長期にわたる香料の所望の制御放出というよりはむしろ、一度に生じてしまう可能性がある。
特別なマイクロカプセル技術の基材ケア製品への適用が、当該技術分野の上記問題を実質的に、さらには完璧に克服し得ることが今回見出された。1つの局面において、本発明は、ヒドロゲル殻および油性コアを有するカプセルにカプセル化された少なくとも1種のカプセル化揮発性物質を含む基材ケア製品であって、前記揮発性物質が水の存在下で空のカプセルに充填されたものを提供する。本発明のもう1つの局面において、基材に適用し、それに第1の利益および少なくとも1つの第2の利益を提供するのに適した基材ケア製品が提供され、前記第2の利益はヒドロゲル殻および油性コアを有するカプセルにカプセル化された少なくとも1種のカプセル化揮発性物質であって、前記揮発性物質が水の存在下で空のカプセルへ充填されたものにより提供される。さらなる局面において、本発明は、上記の少なくとも1種のカプセル化揮発性物質を含む基材ケア製品で基材を処理することを含む、基材に第1の利益および少なくとも1つの第2の利益を提供する方法をさらに提供する。
驚くべきことに、本明細書に記載の方法により製造される、相対的に低価格のマイクロカプセルが、相対的に低い表面活性の製品において極めて安定していること、および、これがその少なくとも1種のカプセル化揮発性物質、好ましくは香料を、処理する基材に圧、温度または水の必要なしに放出することが見出された。加えて、乾燥段階の間に容易に蒸発する揮発性原材料またはアコードが保持され、長期間にわたって放出され得る。マイクロカプセルのさらなる詳細を以下で提供するが、関係する関連工程は米国特許第6,045,835号および第6,106,875号に完全に記述および例示されており、その内容を本明細書に参照により組み込む。
少なくとも1種のカプセル化揮発性物質は、好ましくは殻が適したタンパク質、例えばゼラチン、アルブミン、カゼイン、ラクトグロブリンおよびアルギン酸塩から形成されたカプセルに含有された香料である。これら、特にゼラチンは、処理される乾燥繊維上で長期持続効果の達成を可能にする。食品、消費者製品および医薬分野で使用するためのカプセルの製造に採用される任意の種類のゼラチンを、本発明で採用することができる。代わりに、殻をアラビアゴムで形成してもよい。
カプセル化され、本発明のマイクロカプセルから放出され得る香料材料の種類は、いかなる化学構造にも限定されない。香料材料の主要な種類は、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals (Montclair, NJ., 1969)に掲載されている。香料は当該技術分野で既知の溶媒を含んでもよい。
顕著な量の香料をカプセル化できることが見出された。米国特許第6,045,835号および第6,106,875号は、親水性の香味料または香料化合物が、容易には粒子の油性コアに含有されないだろうことを教示する。しかしながら、広範囲の親水性化合物が、混合物の一部として存在する場合に組み込まれ得ることが見出された。1.0程度の低いClogPを有する材料をうまく組み込むことができる。
本発明によるカプセル化のための香料の作製において、マイクロカプセルからの香料の拡散率は、香料材料の混合物の平均蒸気圧により示すことができ、これは以下のように揮発性混合物の個々の成分の蒸気圧を用いて計算することができる:
平均蒸気圧 = Σ(ai×VPi) /n
式中、aは成分iの混合物における百分率であり、
および、VPは成分iの25℃における、mmHgでの蒸気圧である。
蒸気圧は、測定できるか、または分子構造から市販のソフトウェアプログラム(例えばACD Software ACD/Boiling Point calculator version 4.0, Chemistry Development, Toronto, Ontario Canadaなど)の一つを用いて計算できる。当該技術分野で既知の溶媒を香料組成物の一部とすることができ、その蒸気圧を考慮に入れる。
香料(または他の揮発性材料)の知覚の好ましいレベルおよび長さは、香料を組み込む製品の最終用途に依存する。例えば、個人用デオドラントの場合、香料の知覚が適用から24時間にわたって最高であることが好ましい。一方、柔軟剤に関して、約14日以上の知覚が好ましい。当業者は、ルーチンの実験のみで、容易に必要な知覚を提供することができる。
この香料の強度およびそれゆえ知覚を最大化するために、20%より多い成分が、約300ng/l未満、好ましくは20ng/l未満、最も好ましくは10ng/l未満の知覚閾値を有すべきである。様々な技術が知覚閾値を決定するために利用可能である。例えば、Neuener-Jehle and Etzweiler in Art Science and Technology, editors Lampaski and Muller, Ch.6, 153-212 Elsevier Science Publishers Ltd. 1991などを参照のこと。
香料(または他の揮発性材料)は、マイクロカプセルに、これが乾燥形態のときまたは液体懸濁液のときに組み込むことができる。香料およびマイクロカプセルは、カプセルが乾燥し自由流動性になるまで混合する。
本発明の好ましい態様は、マイクロカプセルが乾燥形態で製造されたものである。香料化合物を、制御された容量の水または水・アルコール混合物の存在下で、油性コアを囲むヒドロゲル殻を有する実質的に乾燥したマイクロカプセルに加える。化合物はヒドロゲル殻を通して水性拡散により油性コア中へと輸送され、コア中に保持される。油性コア中に保持された香料化合物を有するマイクロカプセルを、その後乾燥する。
本発明のある好ましい態様において、マイクロカプセルの粒子サイズは2400ミクロンより小さく、好ましくは400ミクロンより小さく、および最も好ましくは150ミクロンより小さい。
本発明のさらなる態様によると、表面ケア製品はpHが8.0より小さく、さらにカプセル化揮発性物質、好ましくは香料を含有する柔軟剤である。前記柔軟剤は液体、半固体(例えば、ペースト、ゲルなど)または固体の形態であってよい。「コンディショナー」は、処理される基材、好ましくは繊維、布地、衣類などの柔らかさを改善し、静電気を減少させる材料または材料の混合物である。コンディショナー材料または材料の混合物は、繊維、布地ならびに繊維および布地から作られる完成品に柔らかさおよび/または帯電防止性を付与する、当該技術分野で周知の陽イオン性、非イオン性、両性および/または陰イオン性化合物から選択することができる化合物を含む。
コンディショナーとして有用ないかなる既知の技術の化合物を用いてもよい。かかる化合物の非限定例は以下を含む:
1.陽イオン性第4アンモニウム塩類、例えば:少なくとも2つのC8〜30、好ましくはC12〜22アルキル鎖を有する非環式第4アンモニウム塩類、例えば:塩化ジ獣脂ジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジ獣脂ジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジ(水素化獣脂)ジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジステアリルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジココジメチルアンモニウムなど;イミダゾリニウム塩型の環状第4アンモニウム塩類、例えばメチル硫酸ジ(水素化獣脂)ジメチルイミダゾリニウム、メチル硫酸1−エチレン−ビス(2−獣脂−1−メチル)イミダゾリウムなど;ジアミド第4アンモニウム塩類、例えば:メチル硫酸メチル−ビス(水素化獣脂アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、メチル硫酸メチルビス(獣脂アミドエチル)−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムなど;生物分解性の第4アンモニウム塩類、例えば、メチル硫酸N,N−ジ(タロウオイル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムおよびメチル硫酸N,N−ジ(タロウオイル−オキシ−プロピル)−N,N−ジメチルアンモニウム。米国特許第4,137,180号、第4,134,838号、第4,767,547号および第4,789,491号において例示がなされており、本明細書に参照により組み込む。
2.少なくとも1つの、好ましくは2つの、C8〜30、好ましくはC12〜22アルキル鎖を有する第3脂肪族アミン類。例として、硬化獣脂アミンおよび環状アミン類、例えば1−(水素化獣脂)アミドエチル−2−(水素化獣脂)イミダゾリンなどを含む。環状アミン類は米国特許第4,806,255号に記載され、参照により組み込む。
3.1分子あたり8〜30の炭素原子および1つのカルボン酸基を有し、アルキル部分が8〜30、好ましくは12〜22の炭素原子を有するカルボン酸類。アルキル部分は、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和であってもよいが、直鎖飽和アルキルが好ましい。
4.高級脂肪酸の水溶性塩類などの陰イオン性界面活性剤、すなわち「石鹸類」。これらは、米国特許第6,133,226号に記載された、アルカリ金属石鹸類、例えば約8〜約24の炭素原子、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびアルキロールアンモニウム塩類を含む。
5.多価アルコール類の脂肪酸部分エステル類またはその無水物であって、アルコールまたは無水物が2〜18、好ましくは2〜8の炭素原子を含み、それぞれの脂肪酸部分が12〜30、好ましくは16〜20の炭素原子を含むもの。典型的に、かかる柔軟剤は、1分子あたり1〜3、好ましくは2つの脂肪酸基を含む。エステルの多価アルコール部分は、エチレングリコール、グリセロール、ポリ(例えば、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、および/またはヘキサ−)グリセロール、キシリトール、スクロース、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトールまたはソルビタンであることができる。ソルビタンエステル類およびモノステアリン酸ポリグリセロールが特に好ましい。
6.非イオン類、例えば脂肪アルコール類、エトキシ化脂肪アルコール類、アルキルフェノール類、エトキシ化アルキルフェノール類、エトキシ化脂肪族アミン類、エトキシ化モノグリセリド類およびエトキシ化ジグリセリド類。例えば、米国特許第4,209,549号および第5,145,595号は、帯電防止成分としてのエトキシ化非イオン類を開示する。
7.油類、例えば、鉱物油類、エステル油類、 糖エステル油類または油性糖誘導体類、天然油類、例えば植物油類など、およびこれらの混合物、およびその全体を本明細書に参照により組み込むWO 97/44424およびWO98/16538に記載されているポリオール類、例えばエチレングリコールなど。
シリコーン類、例えば、米国特許第4,891,166号および欧州特許第459 821号に開示されたアミノシリコーン類など。
洗浄サイクルのすすぎ段階に添加するために好ましく設計された本発明による仕上剤組成物は、典型的には液体形態であるが、他の形態、例えば半固体、または粉砕された固体、例えば粉末または顆粒形態もまた可能である。これらは、任意の便利な様式での使用のために調合することができる。
本発明の基材ケア製品のさらなる態様は、組成物がろう状の固体組成物であって、融点(または軟化点)が35〜150℃であり、処理する基材の柔らかさを改善し静電気を低減する「コンディショナー」に加えて、カプセル化揮発性物質、特に好ましくは香料をさらに含むものであり、ろう状固体組成物は回転乾燥機に配置する担体上または担体中に提供される。コンディショナー自体は、ろう状の固体組成物であってもよく、またはろう状の固体組成物の一部であってもよい。
「担体」という用語は、本発明のコンディショナーおよびカプセルを回転乾燥機中の繊維に供給するための任意の手段、製品または組成物をカバーする。しかしながら、担体は好ましくは、柔軟なシート、例えば、合成または天然材料から作られた織布または不織布のシート、紙のシートまたは孔質スポンジであって、その上に本発明のカプセルを含有するコンディショナーが被覆されたものである。あるいは、担体は、本発明のカプセルを含有するコンディショナーを提供する1つまたは2つ以上の開口を有する容器であってもよい。この1つまたは2つ以上の開口は、回転乾燥機中でコンディショナーおよびカプセルが容器から排出され、繊維と接触することを可能にする。
担体がシートである場合、カプセルは、約40℃に維持した被覆槽中で、好ましくは攪拌して粒子を懸濁させたままにしながら、ろう状固体組成物に組み込むことができる。乾燥機用シート担体を、塗布用ロールに通すことにより被覆する。このロールの通過の際に、シートは、融解した組成物の薄い均一な層で被覆される。担体を冷却ロールに通し、組成物を固化させる。その後、ロールを複数のシートにカットし、包装してもよい。
マイクロカプセルをろう状固体組成物に組み込む代替的な方法を用いてもよく、これは例えば、香料含有マイクロカプセルを含まないろう状固体組成物を担体に適用し、その後、マイクロカプセルを、被覆ローラーと冷却ローラーとの間に担体にスプレーすることなどによる。
別の態様は、カプセル中に含有された香料に加えて、包装工程に近い段階、つまりコーティングパンで他の材料を適用した後に香料が加えられた、回転乾燥機用シートである。
本発明のカプセルはまた、回転乾燥機中で、コンディショナーおよびカプセルが、担体の回収を要することなく繊維に移動するように、昇華する固体とコンディショナーとで形成された担体中に組み込むこともできる。非限定例として、かかる昇華する固体はアダマンタンおよびその誘導体を含む。
あるいは、本発明の基材ケア製品は、スプレー可能な組成物として、乾燥前または乾燥中のいずれかに繊維に適用してもよい。スプレーは、回転乾燥機中で適用してもよい。スプレーのために適したディスペンサーは、マイクロカプセルが通過できる開口またはノズルを有する、アエロゾルまたはスプレー送出デバイスを含む。
好ましい態様は、カプセルに含有された香料に加えて、香料が基材ケア製品に非カプセル化形態でも添加されたものであり、これにより製品は好ましい香りを有し、最終のすすぎ水に加えた場合に、この好ましい香りが液体および湿った基材に付与される。
本発明の基材ケア製品の組成物は、布地処理組成物に慣例的に用いられる他の任意成分、例えば着色剤、保存料、光学的光沢剤、乳白剤、界面活性剤、安定剤、粘性調整剤、収縮防止剤、しわ防止剤、繊維クリスピング剤、染み防止剤、殺菌剤、抗真菌剤、腐食防止剤、泡止め剤、セルラーゼ、プロテアーゼなどの酵素、移染防止剤、塩素捕捉剤、泥放出剤(soil release agent)、非水性溶媒、ヒドロトロープ、泡消し剤、再付着防止剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、重金属イオン封鎖剤、染料固着剤、ドレープ付与剤(drape imparting agent)およびアイロン補助剤などを含んでもよい。このリストは完全であることを意図するものではなく、ここで具体的に明記されていないが、それぞれの技術分野において知られている他の任意成分も用いることができる。
本発明のさらなる局面は、基材類、例えばカーペット、室内装飾品、繊維および布などを着香および消臭するための基材ケア製品である。かかる基材ケア製品の配合物はいくつかの方法で、例えばスプレーおよび発泡体として適用することができる。それらは、比較的低レベルの界面活性剤、一般的には約15重量%未満の1種または2種以上の界面活性剤を有する。例えば、米国特許第6,524,494号は、水溶性シリコーン類、香料組成物、および乳化剤を含む水性担体をベースとした、処理する繊維を着香し、そのしわを軽減する繊維リフレッシュ組成物を開示している。
これを達成する他の多くのルートが当該技術分野に存在し、例えば、米国特許第6,503,413号は、基材、特に繊維を処理し、香りを付け、悪臭およびしわの発生を軽減させるスプレーを開示する。これらの製品はまた、アイロン補助剤として用いることができる。他のタイプの表面ケア製品は、米国特許第6,482,783号および第6,315,949号に例示されており、これらは、製品がどこに適用されたのかを示すためにエアロゾルフォームの形態となっており、残留物を残さないため掃除機をかける必要がない、繊維フレッシュニング剤、例えば香料を開示している。これらの製品の配合物中に、本発明によるカプセルを含めることにより、これらのタイプの基材ケア製品において香料の寿命が顕著に延長する。
これらの基材ケア製品は、追加で任意成分、例えば、迅速な泡の消失を補助する消泡剤、再汚染防止添加物、有機溶媒、臭い吸収剤、保存料、抗酸化剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、重金属イオン封鎖剤などを含んでもよい。このリストは完全であることを意図するものではない。基材を着香および消臭するための基材ケア製品の特に好ましい態様は、得られる製品が好ましい香りを有するように、カプセル中に含有された香料に加えて、付加的な非カプセル化香料を基材着香組成物に添加したものである。
本発明のカプセルはまた、個人用デオドラント製品に用いることができ、これは基材ケア製品のさらなる形態を示す。これらの製品は本質的に低い表面活性を有する。かかる個人用デオドラント製品に存在する界面活性剤は、そもそも香料の乳化のために含まれている。典型的な既知の技術の配合物は、例示するには余りに多いが、ステアリン酸ナトリウムまたはパルミチン酸ナトリウムのいずれかで水をゲル化することにより製造した単純な不透明のスティック製品から、的確な屈折率の材料を選択することにより製造した半透明および透明のスティックまで様々である。
液体および軟固体の組成物もまた、個人用デオドラント製品の技術分野で周知である。これらの製品は、第一に体臭を軽減させることを目的としている。本発明のカプセルは、長期間持続する香料を提供し、これは、長期にわたって悪臭の隠蔽をもたらし、着香するのに特に有用である。かかる個人用デオドラント製品は、任意成分、例えば制汗剤、抗菌剤、酵素阻害剤、臭い吸収剤、臭い中和剤、染料、着色剤、固着防止剤、皮膚感触成分(skin feel ingredient)、抗炎症成分、冷却成分などをさらに含有することができる。このリストは完全であることを意図するものではない。
好ましい態様は、カプセルに含有された香料に加えて、製品が好ましい香りを有するように、香料を個人用デオドラント製品組成物に付加したものである。
以下の非限定例は、本出願に記載の本発明の組成物、製造方法および使用方法を説明するものである。
例1
以下の香料を、カプセル化物の製造の容易性における親水性の関連性を検証するために作製した。
(i)香料1:低平均ClogP(平均1.8)
Figure 2008521942
(ii)香料2:高ClogP配合物(平均4.5)
Figure 2008521942
これらの香料を、Givaudan Flavors, Cincinnati, USAより得たゼラチンマイクロカプセルおよびアラビアゴムカプセル中へ、以下に記載する手順により20%でそれぞれ充填した。コード番号は、それに基づいてカプセルが入手可能となるものである。
手順:
1.香料、アルコールおよび水(液相)を以下の割合で混合する:
Figure 2008521942
2.乳液が形成されるまで激しく攪拌する。
3.ボトル中のカプセルに液相の乳液を注ぎ、混合物を均質化する。
4.ボトルに蓋をし、粉末が乾燥し自由流動性になるまで回転させる。
以下の所見が得られた:
Figure 2008521942
極めて低い平均ClogPおよび極めて高い平均ClogPの両方を、乾燥自然流動充填カプセルとすることができた。より高い平均ClogPの香料を有する香料2は、より低い平均ClogPを有する香料1よりもカプセル形成により長い時間を要した。
例2
以下のフルーティー香料アコードを作製した。
Figure 2008521942
香料を、20%(w/w)で、乾燥アラビアゴムFB−D:22−173−00カプセルおよびゼラチンFB−D:96655855マイクロカプセルに上記のように充填した。
ゼラチンMCT 2x FB−L:22−166−00およびゼラチン50μFB−L:96404445カプセルを、液相に懸濁された状態で得た。20%(w/w)の香料をゆっくりとビン中の液体中のカプセルに加えた。ビンに蓋をし、3時間回転させた。カプセルは回転の終わりに乾燥し、自由流動性となった。
ペトリディッシュ中の5cmの正方形のパッドに、40mgの香料アコードおよび200mgのカプセルを適用した(40mgの純粋な油は、20%で充填したそれぞれのカプセルに相当し、カプセルにより供給された香料の量は40mgであった)。試料を一晩乾燥させた。ヘッドスペースを1日目、3日目および5日目に回収し、ガスクロマトグラフィーおよび質量分析により解析した。以下の結果を得た。
Figure 2008521942
全てのビーズが、芳香アコード単独よりも、ヘッドスペース中により大量の香料を提供した。
例3
例2に記載のフルーティー香料を、ゼラチンFB−D:96655855カプセルに20%(w/w)で、例1に記載の方法を用いて充填した。
回転乾燥機用シート(TDS)を作製するために用いたパイロットプラントは、コーティングパンおよび塗布用ローラーからなる。重さ1gのシートを、以下に記載する2つの被覆槽のうちの1つ、次いでローラーに通すことにより作製した。前記シートの重量を測定し、1.4gのコンディショナーが適用されるまでローラーを繰り返し通した。
基本となる被覆槽の組成は、以下のとおりであった:
Figure 2008521942
それぞれの槽に以下のものを加えた:
Figure 2008521942
*1.05%の遊離フルーティー香料と同等の香料量
このようにして製造したシートの半数を40℃の貯蔵オーブン中に置き、12日間放置して安定性を確認した。
テリー織タオル地テスト片をPurex(登録商標)Fragrance Free Detergent液中で洗浄した。Whirlpool(登録商標)Twin自動洗濯/乾燥洗濯機中のPurex(登録商標)の製品濃度は0.2%であり、液体に対する布の割合は1:20であった。タオル地をすすぎ、回転乾燥させたのち、上記の各TDSを用いて高温サイクルの乾燥機中に50分間置いた。上記の洗浄および乾燥手順を、40℃で12日間貯蔵した回転乾燥機用シートを用いて繰り返した。
タオルのヘッドスペースを3日後に採取し、以下の結果を得た。
Figure 2008521942
例4
以下に示すコンディショナー基剤から、例3に記載する方法を用いて、20%の例2によるフルーティー香料アコードを有する5.25%のゼラチンFB−D:96655855カプセルを含有するTDSを製造し、タオルを例3のとおりに洗浄、乾燥した。
石鹸/非イオン性基剤、例3と同じ配合
陽イオン性基剤は以下のとおり:
Figure 2008521942
Varisoft = ジ−C14〜C18アルキルジメチル4級アンモニウムメチルサルフェート
乾燥タオルにおける結果は以下のとおりである:
Figure 2008521942
これは、本発明が、用いる基剤に依存しないことを示すものである。
例5
例2からのゼラチンFB−D:96655855カプセルを、市販の非着香低活性コンディショナー基剤に5.25%(1.05%のフルーティー香料)で組み込んだ。対照は、1.05%の例2からの遊離フルーティー香料を希薄柔軟剤に組み込むことにより作製した。
テリー織タオル地テスト片を、Terg-O-Tometer実験室洗濯機シミュレーター内の0.2%のPurex(登録商標)無香料洗剤液中、1:20の液体に対する布の割合で10分間洗浄した。過剰の洗浄液を除去し、タオルを水中で1度すすいだ。最後のすすぎを、それぞれの柔軟剤0.1%中で実施した。タオルを回転乾燥し、3日後に採取したヘッドスペースをGC/MSで解析した。以下に結果を示す:
Figure 2008521942
カプセルは明らかに、はるかに多くの香料を3日後の乾燥繊維に提供した。コンディショナーを1週間40℃で貯蔵し、貯蔵安定性を確認した。
上記の洗浄およびすすぎを繰り返し、ヘッドスペースのデータを以下に示す:
Figure 2008521942
経時試料の性能は、少なくとも新しく作製した試料と同等に良好である。
例6
2つの香料アコード、ともに2.8の平均ClogPを有するパイナップルアコードおよびフローラルウッディアコードを作出した。
これらをそれぞれ、ゼラチンFB−D:96655855カプセルに20%で、例1に記載の方法を用いて充填した。
これらを、市販の無香料低活性コンディショナー基剤に、以下のように組み込んだ。
Figure 2008521942
テリー織タオル地テスト片を、0.2%のコンディショナー中、1:20の液体に対する布の割合ですすぎ、タオルを一晩自然乾燥した。
乾燥したタオルを熟練したパネルに提示し、前記カプセルが遊離香料単独よりも高い強度の香料を提供するかどうかを明らかにした。Label Magnitude Scale(LMS)を臭気強度の評価に用いた。(Barry G. Green, Gregory S. Shaffer, Magdalena, M. Gilmore, Chemical Senses. Vol. 18, pp683-702, 1993. Barry G. Green, Pamela Dalton, Beverly Cowart, Greg Shaffer, Krystyna Ranking, Chemical Senses. Vol. 21, pp323-334, 1996)
Figure 2008521942
前記カプセルは、乾燥テリー織タオル地において顕著に高い強度を提供した。
例7
昇華可能なタブレットを、例2のフルーティー香料および例2に記載のフルーティー香料を20%(w/w)でゼラチンFB−D:9655855カプセルに充填したカプセルを用いて作製した。
Figure 2008521942
テリー織タオル地テスト片を例2のとおりに洗浄し、回転乾燥したのちにタオルを乾燥機中に置き、それぞれのタブレットを加えた。タオルを高温サイクルで乾燥した。
タオルを7日間貯蔵した。5人の専門家のパネルが強度を嗅ぎ、全員が、カプセルを含有するタブレットで乾燥したタオルの強度が遊離香料を含有するタブレットで乾燥したものよりも顕著に強いと評価した。これは、カプセルが遊離香料単独よりも著しく長期間持続する香り強度をもたらすことを示すものである。
例8
例2の香料およびカプセルを用いて、以下のデオドラントスティックを作製した。
Figure 2008521942
前記製品をパネリストの皮膚に、各腕の可動域上に5回擦りつけることにより適用した。5人の専門家のパネルが5時間後に強度を嗅ぎ、全員が、本発明のカプセル中に香料がカプセル化されたものを選択し、該カプセルが遊離香料単独よりも、著しく長期間持続する香り強度をもたらすことが示された。
例9
以下の制汗デオドラントスティックを、例2の香料油およびカプセルを用いて製造した。
Figure 2008521942
これらのプレミックスを混合し、制汗スティックを形成した。
前記製品をパネリストの皮膚に、各腕の可動域上に5回擦りつけることにより適用した。5人の専門家のパネルが5時間後に強度を嗅ぎ、全員が、本発明のカプセル中に香料がカプセル化されたものを選択し、該カプセルが遊離香料単独よりも、著しく長期間持続する香り強度をもたらすことが示された。

Claims (10)

  1. 基材に適用され、第1の利益および少なくとも1つの第2の利益を提供することに適合した基材ケア製品であって、第2の利益がヒドロゲル殻および油性コアを有するカプセルにカプセル化された少なくとも1種のカプセル化揮発性物質により提供され、前記揮発性物質が水の存在下で空のカプセルに充填されたものである、前記基材ケア製品。
  2. 提供される第2の利益が香料である、請求項1に記載の基材ケア製品。
  3. カプセルの殻がアラビアゴムおよびタンパク質から選択される材料から形成される、請求項1に記載の基材ケア製品。
  4. タンパク質がゼラチン、アルブミン、カゼイン、ラクトグロブリンおよびアルギン酸塩からなる群か選択され、好ましくはゼラチンである、請求項3に記載の基材ケア製品。
  5. 香料成分の20%より多くが、300ng/l未満、好ましくは20ng/l未満、そして最も好ましくは10ng/l未満の知覚閾値を有する、請求項2に記載の基材ケア製品。
  6. カプセルが乾燥形態で製造される、請求項1に記載の基材ケア製品。
  7. カプセルが2400ミクロン未満、好ましくは400ミクロン未満、そして最も好ましくは150ミクロン未満の粒子サイズを有する、請求項1に記載の基材ケア製品。
  8. 8.0未満のpHを有する柔軟剤である、請求項1に記載の基材ケア製品。
  9. 35〜150℃の融点(または軟化点)を有するろう状固体の形態を有する柔軟剤であり、コンディショナーに加えてカプセル化された揮発性物質を含み、このろう状固体組成物が回転乾燥機に配置される担体上または担体中に提供される、請求項1に記載の基材ケア製品。
  10. 基材に第1の利益および少なくとも1つの第2の利益を提供する方法であって、少なくとも1つの第2の利益が揮発性物質により与えられ、ヒドロゲル殻および油性コアを有するカプセルにカプセル化された少なくとも1種の揮発性物質を含み、前記揮発性物質が水の存在下で空のカプセルへ充填された基材ケア製品で、基材を処理することを含む、前記方法。
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