JP2008520486A - 車両用シート、特に、自動車用シート - Google Patents

Abstract

中央構造物（２０５）と、中央構造物（２０５）によって保持されてシートクッション構造物（２１８）を有し、シートクッション構造物（２１８）上に少なくとも一部が載っている詰め物（２２０）を有しているシートクッション（２１９）と、シートクッション構造物（２１８）に対して及び／又はシートクッション（２１９）に対して旋回可能な背もたれ（２２３）とを備え、座れる使用位置から背もたれ（２２３）を旋回させ、そして、シートクッション（２１９）を下げることによって平らな下げた位置に移される車両用シート（２０１）、特に、自動車用シートの場合において、詰め物（２２０）は、車両用シート（２０１）を下げた位置に移すために、シートクッション構造物（２１８）に対して可動であるシートクッション支持体（２４１）上に一部載っている。
【選択図】図２

Description

本発明は、請求項１の前提項の特徴を有する車両用シート、特に、自動車用シートに関する。

下げた位置（lowered position）は、背もたれを略水平位置に前方に倒し、そして、背もたれの収納スペースを設けるためにシートクッションも下げられ、あるいは、折り返された車両用シートの位置を意味するものと分かっている。

冒頭で述べたような公知の車両用シートでは、シートクッションが４節リンク機構によって中央構造物に連結されている。
下げた位置への移行時に、この４節リンク機構は折り畳め、それにより該シートクッションが該中央構造物に配置されている。
車両用シートの各々の側に、この４節リンク機構は、該シートクッションの詰め物用に中央で利用できるできるだけ多くのスペースを有するために、可能な限り外側に配置されている。
この詰め物は、シートクッションの中央を越えて延在する、例えば、固いシートシェル上に載っている。

本発明の目的は、上述したような車両用シートを改善することである。

本発明の目的は、請求項１の特徴を備えた車両用シートにより達成される。
有益な改良は、従属請求項の要旨である。

車両用シートを下げた位置まで移すために、詰め物が、シートクッション構造物に対して可動なシートクッション支持体に一部載っていることにより、その詰め物を下げた位置によく収納できるように該詰め物を良好に更に下げることができ、その結果として下げた位置がより平らになるかあるいは下げた位置と同じになり、詰め物の高さをより高くすることが可能となりシートの快適さを改善することができる。
次に、シートクッション、特に、詰め物は、占有者の殆どの重さが吸収される、好ましくは、中央に精密に存在するように支持され、使用と共になじむ。
この詰め物は、シートクッション構造物とシートクッション支持体上に平面的に載っている。

該シートクッション支持体は、シートクッション構造物に、そして、中央構造物に好ましくは屈曲して接続されており、それによりその移動性が確保され、次にシートクッション構造物を省略して中央構造物に力を直接入れることができる。
両側での好ましい継手（カップリング）に代わるものとして、片側のシートクッション構造物あるいは中央構造物への継手を設けることもできる。
位置的に等しくするために、回転及び摺動継手が、シートクッション支持体の一端に設けられており、この継手は、溝穴及びピンガイド又は他の溝穴付きガイド機構により構造的に単純な方法で実現することができる。
該シートクッション支持体の他端には、単純な継手を設けることができる。

好ましい単純な構造では、該シートクッション支持体は、前方で、シートクッション支持体に連結され、例えば、単純な回転継手によってシートクッションクロスバーに連結され、そして、後方で、回転及び摺動継手によって中央構造物に接続されている少なくとも１つの長手方向部材を有している。
また、この回転及び摺動継手は、前方でシートクッション構造物と長手方向部材との間に設けることもできる。
該シートクッション支持体の基本的な枠組みを形成するために、共通の横部材によって互いに接続されている少なくとも２つの長手方向部材が好ましく設けられている。
そして、この回転及び摺動継手は、横部材に割り当てられており、この横部材は、例えば、回転及び摺動継手を形成するために、中央構造物のガイド内で例えばピン状の設計のその両端でガイドされている。
また、中央構造物のピンなどが係合するガイドが、横部材に嵌合されることも可能である。
詰め物を保持するために、シートシェル及び／又は、ばねマットが、長手方向部材及び／又は横部材と該シートクッション構造物のシートクッションクロスバーとの間に設けられている。

シートクッションを４節リンク機構によって、特に、シートクッション構造物によって中央構造物に連結すると、深く下げた位置を達成することができ、そして、車両用シートを下げた位置に移す間、４節リンク機構の２つの機構リンクを形成する中央構造物は、該中央構造物に対してシートクッションを下げ、すなわち、車両用シートの高さがスペースを良好に利用することで更に低下する。
例えば、背もたれの一部とロッカーは、４節リンク機構のうちの２つの残りの機構リンクを形成している。

下げた位置への移行は、多数の用途に対して十分であるが、それでも車両用シートを使用位置から乗車位置に移せれば有利である。
乗車位置は、走行方向、垂直前方（後方の代わり）に対して背もたれを傾斜した車両用シートの位置を意味するものとして理解される必要があり、好ましくは、全体の車両用シートが前方に移動してある。
このため、中央構造物は、別の４節リンク機構が全体的に車両用シートを自由に旋回する状態で該別の４節リンク機構によって構造物に好ましく連結され、一方、背もたれは該中央構造物に対してその姿勢を保持している。
乗車位置の無い車両用シートの単純な実施例では、中央構造物をその下部構造物に固く接続することができ、車両構造物それ自体が下部構造物として作用することができる。

車両用シートは、下げた位置に移すために長手方向に調整される必要はないが、シートの長手方向位置を個々に設定可能にして快適さを増すため、そして、例えば乗車位置への移行時に車両用シートの更なる前方移動を達成するために、該車両用シートをシートの他の長手方向位置に移すことができれば有利である。
それから、該中央構造物は、例えば２対のシートレールから構成され、あるいはそれらを有しあるいはそれらレールに固く連結されあるいは取り付けされている。

本発明を図面に示された実施例に基づいて、以下に詳細に説明する。

車両用シート２０１は、自動車の後部シート列に、特に、バンの第２シート列に設けられている。
この車両用シート２０１の自動車内の配置と自動車の通常の走行方向は、以下使用される方向を規定している。
この車両用シート２０１は、車両構造物に接続され、すなわち、本実施例では、車両構造物の一部を構成する下部構造物２０３と、車両用シートの各側で前方で第１ロッカー２０７によって、そして、この下部構造物２０３の略中央で第２ロッカー２０９によって下部構造物２０３に連結されている中央構造物２０５とを有しており、それにより、車両用シートの各側で機構要素としての下部構造物２０３と、２つのロッカー２０７、２０９と、中央構造物２０５とが４節リンク機構２１１を構成している。
ボルト２１３は、車両用シートの各側の後端部で下部構造物２０３に取り付けられている。
車両用シートの各側の後端部で中央構造物２０５に取り付けられるロック２１５は、使用者が座るのに適した車両用シート２０１の使用位置でボルト２１３でロックしており、その結果として、第１の４節リンク機構（four-bar linkage）２１１がロックされる。

シートクッション２１９のシートクッション構造物２１８の前方角部が、車両用シートの各側で第３ロッカー２１７を介して中央構造物２０５の先端に連結されている。
ここで、用語「シートクッション」とは、シートクッション構造物２１８と詰め物２２０との全体の副集成部品を意味するものとして理解する必要がある。
車両用シートの各側では、傾斜調整用の取り付け具２２１が中央構造物２０５の後方端部に取り付けられており、各々の場合の取り付け具２２１は、背もたれ２２３の片側を支え、背もたれ２２３の旋回軸Ａを規定している。
従って、背もたれ２２３は、背もたれの傾斜を個々に設定して快適さを増すように、中央構造物２０５に対して旋回及びロックするようになっている。
シートクッション２１９の後方端部では、シートクッション構造物２１８に固定されているアーム２２５が車両用シートの各側に設けられており、このアーム２２５は背もたれ２２３に連結されている。
本実施例は、このアーム２２５が、シートクッション構造物２１８と一体形成されている。
第３ロッカー２１７と、アーム２２５を伴うシートクッション構造物２１８と、アーム２２５の連結部位と背もたれ２２３の旋回軸との間の背もたれ部と、中央構造物２０５は、第２の４節リンク機構２２７を機構要素として構成している。
全体の車両用シート２０１は、今まで説明した構造では、垂直中央面に対して実質的に対称であり、車両用シートの両側の種々の連結部位が互いに整合した軸を有している。

車両用シートの各側に設けられているシートクッション構造物２１８は、互いに固く接続するシートクッションクロスバー２３９をその前方に有している。
詰め物２２０は、前方では平面的に載っており、シートクッション構造物２１８上では横に載っており、その中央では特定のシートクッション支持体２４１上に平面的に載っている。
このシートクッション支持体２４１は、シートクッションクロスバー２３９と中央構造物２０５の後方端部、本実施例では中央構造物２０５の中央構造物クロスバー２４２との間に設けられている。

このシートクッション支持体２４１は、少なくとも１つの長手方向部材２４３、本実施例では互いに平行な３つの長手方向部材を有しており、これら長手方向部材２４３は、その前方端部で単純な回転及び摺動継手によってシートクッションクロスバー２３９に連結され、その後方端部で横部材２４５に取り付けられている。
この横部材２４５は、以下でガイド２４７と称される溝穴付きガイド機構の溝穴に入れたピン状設計の両端でガイドされている。
これにより、回転及び摺動継手２４８が、それぞれ構成される。
互いに平行な２つのガイド２４７は、中央構造物２０５に固く接続されており、本実施例では、その後方端部で中央構造物２０５の両側部品を互いに固く接続する中央構造物クロスバー２４２に固定されている。
また、その代わり、そのガイド２４７を例えば中央構造物２０５の両側部品と一体的に形成するかあるいは下部構造物２０３に接続することもできよう。

また、詰め物２２０をシートクッション支持体２４１上で支持するために、互いにあるいは互いの組み合わせで多数の可能性がある。
幅が１／３の本実施例では、僅かに柔軟なシートシェル２５３は、上向きに突き出たアダプター２５１によって２つの長手方向部材２４３に取り付けられている。
幅が２／３の場合、非常に柔軟性があるばねマット２５５がシートクッションクロスバー２３９と横部材２４５との間に取り付けられている。

負荷をかける容積を増やすため、車両用シート２０１を平らな下げた位置に移すことができる。
このため、使用位置、好ましくは設計位置から始めて、背もたれ２２３を取り付け具２２１によって水平テーブル位置に前方へ倒し、第３ロッカー２１７が前方に倒れる第２の４節リンク機構２２７の強制的移動によってシートクッション２１９が中央構造物２０５に対し前方に且つ下向きに下げられる。
このプロセスでは、シートクッション支持体２４１は、シートクッションクロスバー２３９によって前方に引っ張られ、その結果、横部材２４５が同様にガイド２４７内で前方に追随するようになっている。
ガイド２４７内の溝穴形状によって、シートクッション支持体２４１は、シートクッション２１９に対して移動可能である。
特に、シートクッション支持体２４１は、背もたれ２２３をシートクッション２１９に対する詰め物の加圧を僅かにして配置できるように、更に下げることができるようになっている。
シートクッション構造物２１８の両側によって大部分支持されている詰め物の縁端部領域とシートクッション支持体２４１とによって支持されている詰め物２２０の中央領域との間での相対的な引っ張りは、詰め物２２０自体によって補償されている。

更に、後部シート列に簡単に座れるために、車両用シート２０１を乗車位置(entry position)に動かすことができる。
このため、使用位置、好ましくは設計位置から開始して、車両用シート２０１は、第一にシート長手方向の最前方位置の状態にされ、それから、ロック２１５が開けられ、それによりロック２１５をボルト２１３から解除することができ、従って、第１の４節リンク機構２１１のロックが解除される。
第１ロッカー２０７を下向きに下げて第２ロッカー２０９を前方に旋回させることによって、全体の車両用シート２０１が自由に旋回され、特に、背もたれ２２３を支持する中央構造物２０５は斜め前方に倒され、この中央構造物２０５の前方端部が前方、下向きに旋回する。
背もたれ２２３の個別の自由な旋回は、不要である。
それどころか、この背もたれ２２３は、中央構造物２０５に対してその位置を保持している。

車両用シート２０１の長手方向調整のために、下部構造物２０３又は中央構造物２０５には、必要な場合、長手方向に互いに移動可能でロック可能な複数対のシートレールが横方向に設けられる。
互いにシートレールをロック解除し、移動させることによって、車両用シート２０１の長手方向位置をすなわち使用位置、例えば設計位置から調整することができ、中央構造物２０５は、下部構造物２０３の部品も適切であれば、シートクッション２１９と背もたれ２２３と共に長手方向に移動され、シートレールが新しい使用位置で再度ロックされる。

本実施例の使用位置で詰め物が無い状態の実施例の部分斜視図。 使用位置での実施例の長手方向部分断面図。 下げた位置での図２に対応する図。 使用位置での実施例の概略側面図。 下げた位置での図４に対応する図。 乗車位置での図４に対応する図。

符号の説明

２０１ ・・・車両用シート
２０３ ・・・下部構造物
２０５ ・・・中央構造物
２０７ ・・・第１ロッカー
２０９ ・・・第２ロッカー
２１１ ・・・第１の４節リンク機構
２１３ ・・・ボルト
２１５ ・・・ロック
２１７ ・・・第３ロッカー
２１８ ・・・シートクッション構造物
２１９ ・・・シートクッション
２２０ ・・・詰め物
２２１ ・・・取り付け具
２２３ ・・・背もたれ
２２５ ・・・アーム
２２７ ・・・第２の４節リンク機構
２３９ ・・・シートクッションクロスバー
２４１ ・・・シートクッション支持体
２４２ ・・・中央構造物クロスバー
２４３ ・・・長手方向部材
２４５ ・・・横部材
２４７ ・・・ガイド
２４８ ・・・回転及び摺動継手
２５１ ・・・アダプター
２５３ ・・・シートシェル
２５５ ・・・ばねマット

Claims (10)

1. 中央構造物（２０５）と、該中央構造物（２０５）により保持されてシートクッション構造物（２１８）を有するとともに該シートクッション構造物（２１８）上に少なくとも一部が載っている詰め物（２２０）とを有しているシートクッション（２１９）と、前記シートクッション構造物（２１８）に対して及び／又は前記シートクッション（２１９）に対して旋回可能な背もたれ（２２３）とを備え、座れる使用位置から背もたれ（２２３）を旋回させて前記シートクッション（２１９）を下げることにより平らな下げた位置に移される車両用シート、特に、自動車用シートにおいて、
   前記詰め物（２２０）が、前記車両用シート（２０１）を前記下げた位置に移すために、前記シートクッション構造物（２１８）に対して可動であるシートクッション支持体（２４１）上に一部載っていることを特徴とする車両用シート（２０１）。
2. 前記詰め物（２２０）が、前記シートクッション支持体（２４１）上にその中央において載っていることを特徴とする請求項１記載の車両用シート（２０１）。
3. 前記シートクッション支持体（２４１）が、前記シートクッション構造物（２１８）と中央構造物（２０５）に対して屈曲可能な状態で接続されていることを特徴とする請求項１または請求項２記載の車両用シート（２０１）。
4. 前記シートクッション支持体（２４１）が、端部に回転及び摺動継手（２４８）を有していることを特徴とする請求項３記載の車両用シート（２０１）。
5. 前記シートクッション支持体（２４１）が、前記シートクッション構造物（２１８）に前部で連結され、そして、前記中央構造物（２０５）に後部で前記回転及び摺動継手（２４８）によって接続されている長手方向部材（２４３）を有していることを特徴とする請求項４記載の車両用シート（２０１）。
6. 前記少なくとも２つの長手方向部材（２４３）が、前記回転及び摺動継手（２４８）を割り当てた共通の横部材（２４５）によって互いに接続されていることを特徴とする請求項５記載の車両用シート（２０１）。
7. 前記横部材（２４５）が、前記回転及び摺動継手（２４８）を形成するために、その両端で中央構造物（２０５）のガイド（２４７）内でガイドされていることを特徴とする請求項６記載の車両用シート（２０１）。
8. 前記詰め物（２２０）を保持するためのシートシェル（２５３）及び／又はばねマット（２５５）が、前記長手方向部材（２４３）及び／又は横部材（２４５）とシートクッション構造物（２１８）のシートクッションクロスバー（２３９）との間に設けられていることを特徴とする請求項６または請求項７記載の車両用シート（２０１）。
9. 前記車両用シート（２０１）を前記下げた位置に移すために、前記シートクッション（２１９）を４節リンク機構（２２７）によって前記中央構造物（２０５）に対して下げることが可能であることを特徴とする請求項１乃至請求項８のいずれかに記載の車両用シート（２０１）。
10. 前記中央構造物（２０５）が、別の４節リンク機構（２１１）によって下部構造物（２０３）に連結され、前記車両用シート（２０１）が、前記車両用シート（２０１）を全体的に自由に旋回させることによって使用位置から乗車位置に移すことが可能であると共に、前記背もたれが、前記中央構造物（２０５）に対しその位置を保持することを特徴とする請求項１乃至請求項９のいずれかに記載の車両用シート（２０１）。

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