hK1
代表的なhK1タンパク質は次の配列を含んでいる:
>sp|P06870|KLK1_HUMANカリクレイン1前駆体(EC3.4.21.35)(組織カリクレイン)(腎臓/膵臓/唾液腺カリクレイン)−ホモサピエンス(ヒト)。
典型的には、このタンパク質は成熟した加工されたタンパク質、例えば約25〜262アミノ酸を含むタンパク質、またはそのフラグメント、例えばタンパク質分解的に活性なそのフラグメントである。
hK1タンパク質は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでいてよい。
hK1タンパク質は次の代表的な変異体もさらに含んでいてよい:
hK1のための代表的な基質には、プロインスリン、低密度リポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子の前駆体、プロレニン、血管作用性小腸ペプチド、プロコラゲナーゼ、およびアンジオテンシノーゲンが含まれる。本明細書に記載したhK1結合タンパク質は、そのような基質を変調させるため、例えばそのような基質のタンパク質分解性開裂を減少させるために使用できる。
hK1へ結合する抗体は、例えば動物を免疫するための抗原として、または組換え抗体のライブラリーをスクリーニングするための標的としてhK1を用いて入手できる。hK1のペプチドおよびフラグメントもまた使用できる。
ディスプレイライブラリー
1つの実施形態では、hK1へ結合するタンパク質を同定するためにディスプレイライブラリーが使用される。ディスプレイライブラリーは、実体の集団である;各実体は、入手可能なタンパク質成分(例、FabもしくはscFV)およびそのタンパク質成分をコードもしくは同定する回収可能な成分(例、核酸)を含んでいる。タンパク質成分は、任意の長さ、例えば3アミノ酸から300超アミノ酸であってよい。選択では、ライブラリーの各メンバーのタンパク質成分はhK1へ接触させられ、タンパク質成分がhK1へ結合する場合は、ディスプレイライブラリーメンバーが、例えば支持体上への保持によって同定される。タンパク質成分は、1つまたは複数の免疫グロブリン可変ドメインもしくはまた別のドメインの変異体を含んでいてよい。ディスプレイのために免疫グロブリンドメインを使用する方法を以下で説明する(例えば、「抗体ディスプレイライブラリー」を参照)。
保持されたディスプレイライブラリーメンバーは、支持体から回収され、分析される。分析は、増幅および引き続いて類似もしくは異なる条件下での選択を含んでいてよい。例えば、ポジティブおよびネガティブ選択法を変化させることができる。分析は、タンパク質成分のアミノ酸配列の決定および詳細な特性解析のためのタンパク質成分の精製も含んでいてよい。
ディスプレイライブラリーのためには、様々なフォーマットを使用できる。例には以下のものが含まれる。
ファージディスプレイ。1つのフォーマットは、ウイルス、特別にはバクテリオファージを利用する。このフォーマットは、「ファージディスプレイ」と呼ばれている。タンパク質成分は、典型的にはバクテリオファージ外殻タンパク質へ共有結合している。この結合は、外殻タンパク質へ融合したタンパク質成分をコードする核酸の翻訳の結果として生じる。この結合は、柔軟性ペプチドリンカー、プロテアーゼ部位、または終止コドンの抑制の結果として組み込まれたアミノ酸を含んでいてよい。ファージディスプレイは、例えば、米国特許第5,223,409号;Smith (1985) Science 228:1315−1317;WO92/18619;WO91/17271;WO92/20791;WO92/15679;WO93/01288;WO92/01047;WO92/09690;WO90/02809;de Haard et al. (1999) J Biol. Chem 274:18218−30;Hoogenboom et al. (1998) Immunotechnology 4:1−20;Hoogenboom et al. (2000) Immunol Today 2:371−8;Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370−1372;Hay et al. (1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huse et al. (1989) Science 246:1275−1281;Griffiths et al. (1993) EMBO J 12:725−734;Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889−896;Clackson et al. (1991) Nature 352:624−628;Gram et al. (1992) PNAS 89:3576−3580;Garrard et al. (1991) Bio/Technology 9:1373−1377;Rebar et al. (1996) Methods Enzymol. 267:129−49;Hoogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbas et al. (1991) PNAS 88:7978−7982に記載されている。
ファージディスプレイシステムは、繊維状ファージ(ファージfl、fd、およびM13)ならびに他のバクテリオファージ(例、T7バクテリオファージおよびλ形ファージ;例えば、Santini (1998) J. Mol. Biol. 282:125−135;Rosenberg et al. (1996) Innovations 6:1−6;Houshmet al. (1999) Anal Biochem 268:363−370を参照)のために開発されてきた。繊維状ファージディスプレイシステムは、典型的には遺伝子IIIタンパク質などの小さな外殻タンパク質および遺伝子VIIIタンパク質などの大きな外殻タンパク質への融合を使用するが、遺伝子VIタンパク質、遺伝子VIIタンパク質、遺伝子IXタンパク質などの他の外殻タンパク質、もしくはそれらのドメインへの融合もまた使用できる(例えば、WO00/71694を参照)。1つの実施形態では、融合は遺伝子IIIタンパク質の1ドメイン、例えばアンカードメインもしくは「断端」へである(遺伝子IIIタンパク質のアンカードメインの説明については、例えば、米国特許第5,658,727号を参照)。非ペプチド結合、例えば非共有結合もしくは非ペプチド共有結合を用いて外殻へ提示されているタンパク質へ物理的に結び付けることもまた可能である。例えば、ジスルフィド結合および/またはc−fosおよびc−junコイルドコイルを物理的結合のために使用することができる(例えば、Crameri et al. (1993) Gene 137:69およびWO01/05950参照)。
タンパク質成分を提示するバクテリオファージは、増殖させ、標準ファージ準備法、例えば増殖培地からのPEG沈降法を用いて採取することができる。個々のディスプレイファージの選択後には、選択されたタンパク質成分をコードする核酸を、増幅させた後に、選択されたファージで感染させた細胞もしくはファージ自体から単離することができる。個々のコロニーもしくはプラークを取り上げ、核酸を単離およびシーケンシングすることができる。
その他のディスプレイ法フォーマット。その他のディスプレイ法フォーマットには、セルベースディスプレイ法(例えば、WO03/029456を参照)、タンパク質−核酸融合法(例えば、米国特許第6,207,446号を参照)、およびリボソームディスプレイ法(例えば、Mattheakis et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci USA 91:9022 and Hanes et al. (2000) Nat Biotechnol. 18:1287−92;Hanes et al. (2000) Methods Enzymol. 328:404−30;およびSchaffitzel et al. (1999) J Immunol Methods. 231(1−2):119−35を参照)が含まれる。
エピトープ特異的結合タンパク質。ディスプレイ法は、結合タンパク質、例えば、標的の特定のエピトープへ結合する抗体を入手するためにも使用できる。エピトープは、「立体配座」または「逐次」に分類できる。立体配座エピトープは、アミノ酸が実質的に配列内で離れている(例えば、少なくとも1、2、4、6、もしくは10アミノ酸離れている)にもかかわらず、適正に折り畳まれた標的内で規定の相対方向付けを有するアミノ酸残基を含んでいる。逐次エピトープは、タンパク質の折り畳み状態(例えば、天然または折り畳まれていない)にかかわらず、抗体に結合する短い部分のポリペプチド鎖を含んでいる。立体配座エピトープのための結合タンパク質は、例えば特定エピトープが欠如している、またはエピトープ内で、例えばアラニンにより突然変異している競合する非標的分子を用いることによって同定することができる。そのような非標的分子は、以下で説明するようにネガティブ選択法において、ディスプレイライブラリーを標的へ結合させる場合は競合分子として、または例えば標的に対して特異的ではないディスプレイライブラリーメンバーを解離させる洗浄液中において捕捉するための事前溶出剤として使用することができる。また別の実施では、エピトープ特異的結合タンパク質は、標的分子上で当該のエピトープへ結合する競合結合タンパク質を用いてディスプレイライブラリーメンバーを溶出することによって同定される。逐次エピトープに結合する結合タンパク質は、例えば、標的タンパク質内で見いだされるアミノ酸配列を有する短鎖ペプチドを用いて選択できる。立体配座エピトープへ結合する結合タンパク質は、しばしば、立体配座エピトープ内に含まれるアミノ酸の一部を含有する1つまたは別のペプチドへ弱く結合する。そこで、極めて低ストリンジェンシー条件下でペプチドへの結合について選択し、次に折り畳まれた標的タンパク質への結合について選択できる。
親和性成熟。1つの実施形態では、標的に結合する結合タンパク質は、修飾された結合タンパク質のプールを提供するために、例えば突然変異誘発によって修飾される。修飾された結合タンパク質は、次に変化した機能特性(例えば、改良された結合、改良された安定性、インビボでの延長された安定性)を有する1つまたは複数の変化した結合タンパク質を同定するために評価される。1つの実施では、ディスプレイライブラリー技術は、修飾された結合タンパク質のプールを選択またはスクリーニングするために使用される。より高度の親和性結合タンパク質は、次に高ストリンジェンシーもしくはより競合的結合および洗浄条件を使用することによって、第2ライブラリーから同定される。その他のスクリーニング技術もまた使用できる。
一部の実施では、突然変異誘発は、知られている、または結合形面であると思われる領域が標的とされる。例えば、同定された結合タンパク質が抗体である場合、突然変異誘発は、本明細書に記載した重鎖もしくは軽鎖のCDR領域に方向付けることができる。さらに、突然変異誘発は、CDRに近い、もしくは隣接するフレームワーク領域、例えば特にCDR接合部の10、5、もしくは3アミノ酸内のフレームワーク領域に方向付けることができる。抗体の場合は、突然変異誘発は、段階的改善を作製するために、1つもしくは数個のCDRに限定することもできる。
1つの実施形態では、突然変異誘発は、1つまたは複数の生殖細胞系配列により類似する抗体を作製するために使用される。1つの代表的な生殖細胞化(germlining)法には、単離抗体の配列に類似する(例えば、特定データベース内で最も類似する)1つまたは複数の生殖細胞系配列を同定する工程を含んでいてよい。次に突然変異(アミノ酸レベルでの)を付加的に、組み合わせて、またはその両方で単離抗体に作製することができる。例えば、一部もしくは全部の可能性のある生殖細胞系突然変異をコードする配列を含む核酸ライブラリーが作製される。突然変異した抗体は、次に、例えば単離抗体に比較して1つまたは複数の追加の生殖細胞系残基を有し、依然として有用である(例、機能的活性を有する)抗体を同定するために評価される。1つの実施形態では、多数の生殖細胞系残基ができる限り単離抗体内へ導入される。
1つの実施形態では、突然変異誘発は1つまたは複数の生殖細胞系残基を置換する、またはCDR領域内へ挿入するために使用される。例えば、生殖細胞系CDR残基は、修飾される可変領域に類似する(例えば、最も類似する)生殖細胞系配列由来であってよい。突然変異誘発後、抗体の活性(例、結合もしくは他の機能的活性)は、生殖細胞系残基が忍容されるかどうかを決定するために評価できる。類似の突然変異誘発は、フレームワーク領域内で実施することができる。
生殖細胞系配列の選択は、様々な方法で実施できる。例えば、生殖細胞系配列は、それが選択性もしくは類似性の規定基準、例えば少なくとも所定の同一性率、例えば少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは99.5%の同一性を満たすかどうかで選択できる。この選択は、少なくとも2、3、5、もしくは10の生殖細胞系配列を用いて実施できる。CDR1およびCDR2の場合には、類似の生殖細胞系配列を同定する工程は、1つのそのような配列を選択する工程を含んでいてよい。CDR3の場合には、類似の生殖細胞系配列を同定する工程は、1つのそのような配列を選択する工程を含んでいてよいが、アミノ末端部分およびカルボキシ末端部分に個別に寄与する2つの生殖細胞系配列を用いる工程を含むこともできる。他の実施では、2つまたは3つ以上の生殖細胞系配列が、コンセンサス配列を形成するために使用される。
1つの実施形態では、特定の参照可変ドメイン配列、例えば本明細書に記載した配列に関して、関連する可変ドメイン配列は、参照CDR配列内の残基、ヒト生殖細胞系配列(すなわち、ヒト生殖細胞系核酸によってコードされるアミノ酸配列)内の対応する位置で残基に同一である残基である、参照CDR配列内の残基と同一ではないCDRアミノ酸位置の少なくとも30、40、50、60、70、80、90、95もしくは100%を有する。
1つの実施形態では、特定の参照可変ドメイン配列、例えば本明細書に記載した配列に関して、関連する可変ドメイン配列は、ヒト生殖細胞系配列、例えば参照可変ドメイン配列に関連する生殖細胞系配列由来のFR配列と同一であるFR領域の少なくとも30、50、60、70、80、90もしくは100%を有する。
したがって、所定の当該抗体と類似する活性を有するが、1つまたは複数の生殖細胞系配列、特別には1つまたは複数のヒト生殖細胞系配列により類似する抗体を単離することが可能である。例えば、抗体は、CDR以外の領域(例、フレームワーク領域)内の生殖細胞系配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5%同一であってよい。さらに抗体は、CDR領域内で少なくとも1、2、3、4、もしくは5つの生殖細胞系残基を含むことができ、生殖細胞系残基は修飾される可変領域に類似する(例、最も類似する)生殖細胞系配列由来である。主要な当該の生殖細胞系配列は、ヒト生殖細胞系配列である。抗体の活性(例、結合活性)は、元の抗体のある係数、または100、10、5、2、0.5、0.1、および0.001倍以内であってよい。代表的な生殖細胞系配列には、VKI−O2、VL2−1、VKIII−L2::JK2、vg3−23、V3−23::JH4、およびV3−23::JK6が含まれる。
一部の代表的な突然変異誘発法には、誤りがちな(error−prone)PCR(Leung et al. (1989) Technique 1:11−15)、組換え(例えば、USSN 10/279,633参照)、ランダム開裂を用いるDNAシャッフリング(Stemmer (1994) Nature 389−391;termed “nucleic acid shuffling”)、RACHITT(商標)(Coco et al. (2001) Nature Biotech. 19:354)、特定部位突然変異誘発(Zoller et al. (1987) Nucl Acids Res 10:6487−6504)、カセット突然変異誘発(Reidhaar−Olson (1991) Methods Enzymol. 208:564−586)および変性オリゴヌクレオチドの組み込み(Griffiths et al. (1994) EMBO J 13:3245)が含まれる。
親和性成熟の1つの例では、本明細書に記載した方法は、最初にディスプレイライブラリーから標的に対する少なくとも最小結合特異性もしくは最小活性、例えば1nM、10nM、または100nM未満の結合に対する平衡解離定数を備えるhK1に結合する結合タンパク質を同定するために使用される。最初に同定された結合タンパク質をコードする核酸配列は、変異を導入するため、例えば最初の結合タンパク質に比較して増強された特性(例えば、結合親和性、動態、もしくは安定性)を有する第2結合タンパク質を同定するためのテンプレート核酸として使用される。または、1つまたは複数のCDRのアミノ酸配列は、単離配列および多数の隣接配列をコードする核酸を含む核酸ライブラリーを設計するためのガイドとして使用することができる。そのような多様化された核酸は、最初の単離体を含有するディスプレイベクター内へ導入することができ、改良された変異体がそのライブラリーから選択される。
オフレート選択。緩徐な解離速度は、特にポリペプチドとそれらの標的との相互作用に関して、高親和性の予測因子である可能性があるので、本明細書に記載した方法は、標的への結合相互作用について所望の動態解離速度(すなわち減少した)を備える結合タンパク質を単離するために使用できる。
ディスプレイライブラリーから緩徐に解離する結合タンパク質を選択するためには、ライブラリーが固定化標的に接触させられる。固定化標的は、次に、非特異的または弱く結合した生体分子を除去する第1溶液を用いて洗浄される。次に、固定化標的は、飽和量の遊離標的、例えば微粒子に付着していない標的の複製物を含む第2溶液を用いて溶出される。この遊離標的は、標的から解離する生体分子に結合する。再結合は、はるかに低濃度の固定化標的に比較して飽和量の遊離標的によって効果的に防止される。
第2溶液は、実質的に生理学的である、またはストリンジェントである溶液条件を有することができる。典型的には、第2溶液の溶液条件は、第1溶液の溶液条件と同一である。第2溶液の分画は、初期の分画を後期の分画から識別するために時間的順序で収集される。後期の分画は、初期の分画内の生体分子よりも標的から緩徐な速度で解離する生体分子を含んでいる。
さらにまた、長時間のインキュベーション後にさえ標的に結合したままであるディスプレイライブラリーメンバーを回収することもまた可能である。これらは、カオトロピック条件を用いて解離させることができる、または標的に付着したままで増幅させることができる。例えば、標的に結合したファージを細菌細胞に接触させることができる。
特異性についての選択およびスクリーニング。ディスプレイライブラリーの状況における「選択」は、ディスプレイライブラリーの多数のメンバーが標的に接触させられ、結合したメンバーが回収および増殖させられるプロセスを意味する。選択は、極めて多数のメンバー、例えば1010個を超えるメンバーを有するライブラリーからであってよい。ディスプレイライブラリーの状況における「スクリーニング」は、そのライブラリーの単離されたメンバーが1つずつ標的への結合について試験されるプロセスを意味する。自動法を通して、数千もの候補を高度に平行のプロセスにおいてスクリーニングすることができる。本明細書に記載したディスプレイライブラリー選択方法は、非標的分子へ結合するディスプレイライブラリーメンバーを廃棄する選択プロセスを含んでいてよい。
例えばhK1結合タンパク質抗体について非標的分子の例には、例えばhK1以外のプロテアーゼ、例えばhK1以外のカリクレイン、例えばhK2、hK3、hK4、hK5、hK6、hK7、hK8、hK9、hK10、hK11、hK12、hK13、hK14、もしくはhK15が含まれる。有用なhK1結合抗体は、1サブセットのカリクレインに対して特異的であってよく、例えばそれらはそのうちの少なくとも1つがhK1である複数のカリクレインと相互作用することができる。
1つの実施では、いわゆる「ネガティブ選択」工程が標的および関連する非標的分子と関連するが異なる非標的分子とを識別するために使用される。ディスプレイライブラリーもしくはそのプールが非標的分子と接触させられる。非標的に結合しないサンプルのメンバーが収集され、引き続いての標的分子への結合についての選択または引き続いてのネガティブ選択にさえ使用される。ネガティブ選択工程は、標的分子へ結合するライブラリーメンバーを選択する前または後であってよい。
また別の実施では、スクリーニング工程が使用される。ディスプレイライブラリーメンバーが標的分子への結合について単離された後、各単離されたライブラリーメンバーは、それが非標的分子(例、上記に列挙した非標的)へ結合する能力について試験される。例えば、高スループットELISAスクリーンを使用するとこのデータを入手できる。ELISAスクリーンは、さらにまた標的への各ライブラリーメンバーの結合についての定量的データを入手するためにも使用できる。非標的および標的結合データは、hK1へ特異的に結合するライブラリーメンバーを同定するために、(例えば、コンピューターおよびソフトウエアを使用して)比較される。
本明細書に記載したディスプレイライブラリーの選択およびスクリーニング方法は、標的分子上の特定部位へ結合するディスプレイライブラリーメンバーについて選択する選択またはスクリーニングプロセスを含んでいてよい。例えば、本明細書に記載した高濃度の抗体を用いた溶出は、そのような抗体に結合されたエピトープへ結合するファージを選択する。バッファー中でエピトープを認識する競合抗体を用いて、および用いずにELISAを実施することによってhK1の特定エピトープへ結合するファージについてスクリーニングすることができる。
抗体ディスプレイライブラリー
1つの実施形態では、ディスプレイライブラリーは、タンパク質の多様なプールを表しており、その各々が少なくとも1つおよび典型的には2つの免疫グロブリン可変ドメインを含んでいる。ディスプレイライブラリーは、例えばヒト抗原を認識するヒトまたは有効なヒト抗体を同定するために特に有用である。抗体の定常およびフレームワーク領域はヒトであるので、これらの処置用抗体はそれ自体が抗原として認識されて標的にされるのを回避することができる。定常領域は、ヒト免疫系のエフェクター機能を補充するためにさらに最適化される。インビトロディスプレイ選択プロセスは、正常ヒト免疫系が自己抗原に対する抗体を生成する不能力を乗り越える。
典型的な抗体ディスプレイライブラリーは、VHドメインおよびVLドメインを含むタンパク質を提示する。ディスプレイライブラリーは、抗体をFabフラグメント(例えば、2本のポリペプチド鎖を用いて)または一本鎖Fv(例えば、一本のポリペプチド鎖を用いて)として提示できる。その他のフォーマットもまた使用できる。
Fabおよびその他のフォーマットの場合におけるように、提示された抗体は、軽鎖もしくは重鎖の一部として定常領域を含んでいてよい。1つの実施形態では、各鎖は、例えばFabの場合におけるように、1つの定常領域を含んでいる。他の実施形態では、追加の定常領域が提示される。
抗体ライブラリーは、多数のプロセスによって構築できる(例えば、de Haard et al. (1999) J. Biol. Chem 274:18218−30;Hoogenboom et al. (1998) Immunotechnology 4:1−20;Hoogenboom et al. (2000) Immunol Today 21:371−8;US2003−0232333 and US2004−0029113を参照)。さらに、各プロセスの要素は、他のプロセスの要素と結合することができる。これらのプロセスは、単一免疫グロブリンドメイン(例、VHもしくはVL)内へ、または多重免疫グロブリンドメイン(例、VHおよびVL)内へ導入されるように使用できる。変異は、免疫グロブリン可変ドメイン内へ、例えば重鎖および軽鎖可変ドメインの一方および両方のそのような領域を意味するCDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3、およびFR4の1つまたは複数の領域内へ導入することができる。1つの実施形態では、変異は所定の可変ドメインの全3つのCDR内へ導入される。また別の好ましい実施形態では、変異は、例えば重鎖可変ドメインのCDR1およびCDR2内へ導入される。任意の組み合わせが実現可能である。1つのプロセスでは、抗体ライブラリーは、CDRをコードする多様なオリゴヌクレオチドを、ディスプレイタンパク質もしくはその一部分をコードする核酸の対応する領域内へ挿入する工程によって構築される。オリゴヌクレオチドは、多種多様なサブユニット、例えば単量体ヌクレオチドもしくはトリヌクレオチドを用いることによって合成できる。例えば、Knappik et al. (2000) J. Mol. Biol. 296:57−86は、トリヌクレオチド合成法およびオリゴヌクレオチドを受容するための遺伝子組換え制限部位を備えるテンプレートを用いて、オリゴヌクレオチドをコードするCDRを構築する方法について記載している。
また別のプロセスでは、動物、例えば齧歯類が、hK1を用いて免疫される。動物は、任意でさらに反応を刺激するために抗原をブースト投与される。次に、動物から脾臓細胞が単離され、VHおよび/またはVLドメインをコードする核酸が増幅させられ、ディスプレイライブラリー内で発現させるためにクローニングされる。
さらにまた別のプロセスでは、抗体ライブラリーが、ナイーブ生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子(例、ヒト遺伝子)から増幅させた核酸から構築される。増幅させた核酸は、VHおよび/またはVLドメインをコードする核酸を含んでいる。免疫グロブリンをコードする核酸の起源については、以下で説明する。増幅は、例えば保存された定常領域へアニールするプライマーを用いるPCR、または他の増幅方法を含んでいてよい。
免疫グロブリンドメインもしくはそのフラグメントをコードする核酸は、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ウサギ、ラクダ、もしくは齧歯類の免疫細胞から入手できる。細胞は、特定の特性について選択できる。例えば、ナイーブB細胞を含む様々な成熟段階にあるB細胞を選択できる。
蛍光活性化セルソーティング(FACS)は、表面結合IgM、IgD、もしくはIgG分子を発現するB細胞を選別するために使用できる。さらに、様々なアイソタイプのIgGを発現するB細胞を単離することができる。BおよびT細胞は、例えばフィーダー細胞と一緒に培養する工程によって、またはCD40、CD40リガンドもしくはCD20に対する抗体、ホルボールミリステート酢酸塩、細菌性リポ多糖、コンカナバリンA、フィトヘマグルチニンもしくはアメリカヤマゴボウマイトジェンなどのマイトジェンもしくは他の調節試薬を添加することによってインビトロで培養および刺激することができる。
細胞は、免疫障害、例えば全身性紅斑性狼瘡(SLE)、慢性関節リウマチ、血管炎、シェーングレン症候群、全身性硬化症、または抗リン脂質症候群を有する被験体から単離することもできる。被験体は、ヒト、または動物、例えばヒト疾患の動物モデル、もしくは類似の障害を有する動物であってよい。細胞は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニック非ヒト動物から単離することができる。
細胞は、体細胞超変異のプログラムを活性化している可能性がある。細胞は、例えば、抗免疫グロブリン、抗CD40、および抗CD38抗体を用いた処置によって免疫グロブリンの体細胞突然変異誘発を受けるように刺激することができる(例えば、Bergthorsdottir et al. (2001) J Immunol. 166:2228を参照)。また別の実施形態では、細胞はナイーブである。
免疫グロブリン可変ドメインをコードする核酸は、以下の代表的方法によって天然レパートリーから単離できる。第一に、RNAが免疫細胞から単離される。全長(例、キャップ付加)mRNAが(例えば、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて)分離される。次にキャップはタバコ酸性ピロホスファターゼを用いて除去され、逆転写を使用してcDNAが生成される。
第1(アンチセンス)鎖の逆転写は、任意の適切なプライマーを用いる任意の方法で実施できる。例えば、de Haard et al. (1999) J. Biol. Chem 274:18218−30を参照されたい。プライマー結合領域は、例えば免疫グロブリンの様々なアイソタイプを逆転写させるために、様々な免疫グロブリン間で一定であってよい。プライマー結合領域は、免疫グロブリンの特定のアイソタイプに特異的であってもよい。典型的には、プライマーは、少なくとも1つのCDRをコードする配列に対して3’である領域に特異的である。また別の実施形態では、ポリ−dTプライマーを使用してもよい(および、重鎖遺伝子にとっては好ましい可能性がある)。
合成配列は、逆転写された鎖の3’末端にライゲートすることができる。合成配列は、逆転写後のPCR増幅中にフォーワードプライマーを結合するためのプライマー結合部位として使用できる。合成配列の使用は、利用可能な多様性を十分に捕捉するために様々なフォーワードプライマーのプールを使用する必要を回避することができる。
次に可変ドメインをコードする遺伝子が、例えば1つまたは複数のラウンドを用いて増幅させられる。複数回ラウンドが使用される場合は、適合度を増加させるためにネステッドプライマーを使用できる。増幅させた核酸は、次にディスプレイライブラリーベクター内へクローニングされる。
抗体の生成
一部の抗体、例えばFabは、細菌細胞、例えば大腸菌細胞内で生成できる。例えば、Fabがディスプレイ実体とバクテリオファージタンパク質(もしくはそのフラグメント)との間で抑制可能な終止コドンを含むファージディスプレイベクター内の配列によってコードされる場合は、そのベクター核酸は、終止コドンを抑制できない細菌細胞内へシャッフリングすることができる。この場合には、Fabは遺伝子IIIタンパク質に融合しておらず、培地中へ分泌される。
抗体は、真核細胞中で生成することもでき、1つの実施形態では、抗体(例、scFv)はピキア(Pichia)(例えば、Powers et al. (2001) J Immunol Methods. 251:123−35を参照)、ハンセヌラ(Hanseula)、もしくはサッカロミセス(Saccharomyces)属などの酵母細胞中で発現させられる。
1つの実施形態では、抗体、特別には全長抗体、例えば、IgGが哺乳動物細胞中で生成される。組換え発現のための代表的な哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えばKaufman and Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601−621に記載されたようにDHFR選択性マーカーとともに使用されるUrlaub and Chasin (1980) Proc. Natl. Acad. Sci USA 77:4216−4220に記載されたdhfr−CHO細胞を含む)、リンパ球細胞系、例えばNS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、K562、ならびにトランスジェニック動物、例えばトランスジェニック哺乳動物由来の細胞が含まれる。例えば、細胞は哺乳動物上皮細胞である。
免疫グロブリンドメインをコードする核酸配列に加えて、組換え発現ベクターは、宿主細胞(例、複製起源)内でのベクターの複製を調節する配列などの追加の配列および選択性マーカー遺伝子を運ぶことができる。選択性マーカー遺伝子は、その中にベクターが導入されている宿主細胞の選択を促進する(例えば、米国特許第4,399,216号、第4,634,665号および第5,179,017号を参照)。代表的な選択性マーカー遺伝子には、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅を用いてdhfr−宿主細胞中で使用するため)およびneo遺伝子(G418選択のため)が含まれる。
抗体(例、全長抗体もしくはその抗原結合部分)の組換え発現のための代表的系では、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターがリン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによってdhfr−CHO細胞内へ導入される。組換え発現ベクター内では、抗体重鎖および抗体軽鎖は各々が、遺伝子の高レベルの転写を駆動するために、エンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウイルスなどから誘導される、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントもしくはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント)に機能的に結合している。組換え発現ベクターは、さらにDHFR遺伝子も運ぶが、これはメトトレキサート選択/増幅を用いてベクターによりトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にする。選択されたトランスフォーマント宿主細胞は、抗体重鎖および抗体軽鎖の発現を許容するように培養され、そして無傷抗体が培養培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体について選択し、宿主細胞を培養し、そして培養培地から抗体を回収するためには標準分子生物学技術が使用される。例えば、一部の抗体は、プロテインAもしくはプロテインGを用いるアフィニティークロマトグラフィーによって単離できる。
Fcドメインを含む抗体については、抗体生成系は、その中でFcドメインがグリコシル化される抗体を合成することができる。例えば、IgG分子のFc領域は、CH2ドメイン内のアスパラギン297でグリコシル化される。このアスパラギンは、二分岐型オリゴ糖を用いた修飾のための部位である。このグリコシル化は、Fcγ受容体および補体C1qによって媒介されるエフェクター機能に参加する(Burton and Woof (1992) Adv. Immunol. 51:1−84;Jefferis et al. (1998) Immunol. Rev. 163:59−76)。Fcドメインは、アスパラギン297へ対応する残基を適切にグリコシル化する哺乳動物発現系内で生成することができる。Fcドメインは、他の真核生物翻訳後修飾を含むこともできる。
抗体は、例えばFc機能を変化させる修飾を含むこともできる。例えば、ヒトIgG1定常領域は、1つまたは複数の残基で、例えば米国特許第5,648,260号に記載の番号によると1つまたは複数の残基234および237で突然変異させることができる。その他の代表的修飾には、米国特許第5,648,260号に記載された修飾が含まれる。
抗体は、トランスジェニック動物によって生成することもできる。例えば、米国特許第5,849,992号は、トランスジェニック哺乳動物の乳腺中で抗体を発現させる方法について記載している。乳汁特異的プロモーターおよび当該の抗体をコードする核酸および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子が構築される。そのようなトランスジェニック哺乳動物の雌によって生成される乳汁は、その中に分泌された当該の抗体を含んでいる。抗体は、乳汁から精製できる、または一部の用途には直接的に使用できる。
例えば動物、例えば自然、ヒト、もしくは部分的ヒト免疫グロブリン遺伝子座を備える動物を用いて、免疫によってhK1へ結合する抗体を生成することもまた可能である。1つの実施形態では、非ヒト動物は少なくとも一部のヒト免疫グロブリン遺伝子を含んでいる。例えば、ヒトIg遺伝子座の大きなフラグメントを備える、マウス抗体生成が不完全なマウス系統を遺伝子組換えで作製することが可能である。ハイブリドーマテクノロジーを用いると、所望の特異性を備える遺伝子から誘導された抗原特異的モノクローナル抗体を生成して選択することができる。例えば、XenoMouse(商標), Green et al. Nature Genetics 7:13−21 (1994)、U.S. 2003−0070185およびWO96/34096を参照されたい。
hK1の全部もしくは一部は免疫原として使用できる。
非ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列、例えば特定位置、例えば以下の位置の1つまたは複数(好ましくは、少なくとも5、10、12、もしくは全部)でコンセンサスヒトアミノ酸配列を挿入する置換を含むように修飾することもできる:(軽鎖の可変ドメインのFR内で)4L、35L、36L、38L、43L、44L、58L、46L、62L、63L、64L、65L、66L、67L、68L、69L、70L、71L、73L、85L、87L、98L、および/または(重鎖の可変ドメインのFR内で)2H、4H、24H、36H、37H、39H、43H、45H、49H、58H、60H、67H、68H、69H、70H、73H、74H、75H、78H、91H、92H、93H、および/または103H(Kabatのナンバリングによる)。例えば、米国特許第6,407,213号を参照されたい。
代表的なヒト抗体
1つの実施形態では、本明細書に記載したhK1結合抗体は、1つまたは複数のヒトフレームワーク配列、例えば、重鎖および/または軽鎖可変ドメイン配列内のヒトもしくは有効なヒトFR1、FR2、FR3、および/またはFR4を含んでいる。
1つの実施形態では、重鎖可変ドメイン配列は、Chothia et al. (1992) J. Mol. Biol. 227:799−817;Tomlinson et al. (1992) J. Mol. Biol. 227:776−798)による1〜3つの基本構造を有するH1およびH2超可変ループを有する。これらの構造に適合する代表的なフレームワークは、FR1、FR2、およびFR3各々に対して以下の配列を含んでいる:
一般に、1〜3つの基本構造と適合する任意のヒト生殖細胞系抗体配列由来のフレームワークは、重鎖のために使用できる。同様に、軽鎖フレームワークは、各々軽鎖CDR二対して適合するヒト生殖細胞系抗体配列から選択することができる。VHもしくはVLセグメント由来のフレームワークは、FR1、FR2、およびFR3に対して使用できる。
標的タンパク質の生成
hK1は、組換え発現技術によって、例えば大腸菌もしくはピキア・パストリス(Pichia pastoris)内での発現によって生成できる。ヒトカリクレインhK1は、Irie et al.. (1986) Biochem. Int. 13, 375−382に記載されたように、本質的に尿から同質性へ精製することができる。
結合アッセイ
ELISA。タンパク質、例えばhK1と相互作用できる抗体は、ELISAアッセイを用いて相互作用特性、例えば結合特性について評価できる。例えば、各タンパク質は、その底面が標的、例えば限定量の標的で被覆されているマイクロタイタープレートに接触させられる。プレートは、非特異的に結合したポリペプチドを除去するためにバッファーを用いて洗浄される。次に、プレートへ結合したタンパク質の量が、ポリペプチド、例えばポリペプチドのタグもしくは定常部分を認識できる抗体を用いてプレートを試験することによって決定される。抗体は、適切な基質が提供されると比色定量生成物を生成するアルカリホスファターゼなどの酵素へ結合させられる。該タンパク質は、細胞から精製できる、またはディスプレイライブラリーフォーマット内で、例えば繊維状バクテリオファージ外殻への融合としてアッセイできる。または、標的分子、例えばhK1を発現する(例、生きている、もしくは固定された)細胞は、マイクロタイタープレート内でプレーティングし、ディスプレイライブラリー内に存在する、またはディスプレイライブラリーからの選択によって入手されたペプチド/抗体の親和性を試験するために使用できる。
また別のバージョンのELISAアッセイでは、多様性ストランドライブラリーの各ポリペプチドがマイクロタイタープレートの相違するウエルを被覆するために使用される。ELISAは、次に各ウエルをクエリーするために定常標的分子を用いて進行する。
ホモジニアス結合アッセイ。候補タンパク質と標的との結合相互作用は、例えば、アッセイの全成分が添加された後にホモジニアスアッセイを用いて分析することができ、追加の流体操作は必要とされない。例えば、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)は、ホモジニアスアッセイとして使用できる(例えば、Lakowicz et al.の米国特許第5,631,169号;Stavrianopoulos, et al.の米国特許第4,868,103号を参照)。第1分子(例えば、その分画内で同定された分子)上の蛍光体標識は、第2分子(例、標的)が第1分子の近位にある場合はそれが放出した蛍光エネルギーを第2分子上の蛍光体標識が吸収できるように選択される。第2分子上の蛍光標識は、それが転移されたエネルギーを吸収すると蛍光を発する。標識間のエネルギー転移の効率は分子を分離している距離に関連しているので、分子間の空間関係を評価することができる。分子間で結合が発生する状況では、アッセイにおける「受容体」分子標識の蛍光放出が最大になるはずである。FRETによって監視するために構成される結合事象は、便宜的に当技術分野においてよく知られている標準的な蛍光測定検出手段を通して測定される。第1または第2結合分子の量を滴定することによって、平衡結合定数を推測するための結合曲線を作製することができる。
また別のホモジニアスアッセイの例は、Alpha Screen(Packard Bioscience社、コネチカット州メリデン)である。Alpha Screenは、2つの標識されたビーズを使用する。1つのビーズは、レーザによって励起すると一重項酸素を生成する。もう1つのビーズは、一重項酸素が第1ビーズから拡散すると光シグナルを生成し、それと衝突する。シグナルは、2つのビーズが近位にある場合にのみ生成される。1つのビーズは、ディスプレイライブラリーメンバーに付着させ、他方のビーズは標的に付着させることができる。シグナルを測定して結合の程度が決定される。
ホモジニアスアッセイは、候補タンパク質がディスプレイライブラリービヒクル、例えばバクテリオファージに付着している場合に、または遊離分子としての候補タンパク質を使用して実施することができる。
表面プラズモン共鳴法(SPR)。ディスプレイライブラリーから単離した分子とおよび標的との結合相互作用は、SPRを用いて分析することができる。SPRもしくは生体分子相互作用分析(BIA)は、いずれの反応体も標識せずに、生体特異的相互作用をリアルタイムで検出する。BIAチップの結合表面(結合事象の指標)での質量の変化は、表面近くの光線の屈折率の変化を生じさせる(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学的現象)。屈折度の変化は検出可能なシグナルを生成し、これは生体分子間のリアルタイム反応の指標として測定される。SPRを使用する方法は、例えば、米国特許第5,641,640号;Raether (1988) Surface Plasmons Springer Verlag;Sjolander and Urbaniczky (1991) Anal. Chem. 63:2338−2345;Szabo et al. (1995) Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699−705およびBIAcore International AB (スウェーデン国ウプサラ)によって提供されるオンライン情報源に記載されている。
SPRからの情報を使用すると、平衡解離定数(Kd)の正確かつ定量的尺度、ならびに生体分子の標的への結合についての、KonおよびKoffを含む動態パラメーターを提供することができる。そのようなデータを使用すると、様々な生体分子を比較できる。例えば、多様なストランドのライブラリーから選択された核酸によってコードされるタンパク質は、標的に対する高親和性を有する、または緩徐なKoffを有する個体を同定するために比較できる。この情報は、構造―活性関係(SAR)を開発するためにも使用できる。例えば、親タンパク質の成熟型の動態および平衡結合パラメーターは、親タンパク質のパラメーターと比較できる。所定の位置にある、特定の結合パラメーター、例えば高親和性および緩徐なKoffと相関する変異体アミノ酸を同定することができる。この情報は、構造的モデリングと結び付けることができる(例えば、ホモロジーモデリング、エネルギー最小化、または結晶学もしくはNMRによる構造決定を用いる)。結果として、タンパク質とその標的との物理的相互作用についての理解を系統立てて他の設計プロセスを導くするために使用できる。
タンパク質アレイ。ディスプレイライブラリーから同定したポリペプチドは、固体支持体、例えばビーズもしくはアレイ上に固定化できる。タンパク質アレイのためには、ポリペプチド各々が支持体上の固有のアドレスで固定化される。典型的には、アドレスは二次元アドレスである。タンパク質アレイについては、以下で説明する(例えば、診断薬を参照されたい)。
生物学的アッセイ
インビトロ生化学アッセイは、hK1タンパク質分解の阻害を評価するために使用できる。例えば、Bourgeois et al. (1997) J. Biol. Chemistry 272:29590−29595を参照されたい。hK1タンパク質分解を監視するために使用できる代表的なペプチド基質には、Abz−FRSARQ−EDDnp、Abz−TFRSARQ−EDDnp、Abz−FTFRSARQ−EDDnp、Abz−AIKFFSAQ−EDDnp、Abz−VIAGRSLNPNQ−EDDnp、Abz−AMSRMSLSSFSVNRQ−EDDnp、Abz−AIKFFSRQ−EDDnp、およびAbz−TFFSARQ−EDDnp(式中、Abzはo−アミノベンゾイルを表し、EDDnpはN−(2,4−ジニトロフェニル)エチレンジアミンを表す)が含まれる。分子内でクエンチされた蛍光性ペプチドは伝統的溶液法によって合成できる:グルタミンはC末端残基として配置できる。例えば、Hirata et al. Lett. Pept. Sci. 1,299−308を参照されたい。合成は、多重自動ペプチド合成装置(PSSM−8、Shimadzu社)を用いるFmoc法により実施できる。分子内でクエンチされた蛍光性基質は、N,N−ジメチルホルムアミド内の2mMストック溶液として調製し、活性化バッファーを用いて希釈できる。基質の純度は、MALDI−TOF質量分析装置(TofSpec−E、Micromass社)および2.0mL/分で0.075% TFA中の0〜60%のアセトニトリルの10分間線形勾配により溶出するC18カラム上での逆相クロマトグラフィーによってチェックした。
酵素動態を評価するための代表的な条件は、1mM EDTAおよび0.02% IGEPAL(旧称:Nonidet P−40)を含有する37℃の50mM Tris−HClバッファー(pH8.3)中である。
動物モデル
米国特許第5,911,988号は、喘息についての代表的なマウスモデルについて記載している。マウスモデルは、マウスKLK1タンパク質も認識するhK1結合タンパク質の能力を評価するために使用できる。マウスは、hK1を発現するように修飾することもできる。マウスにアレルゲンの長期反復吸入を受けさせると、肺におけるアレルギー性疾患の長期作用を評価するため、そしてヒトにおける肺の気道過剰反応性の誘導に関係する細胞、機構、分子、および媒介因子について正確に記述するために使用できる。
雌性BALB/cマウス(6〜8週齢)を使用し、試験のための従来型条件下で維持することができる。
試薬:結晶質OVAはPierce Chem.社(イリノイ州ロックフォード)、硫酸アルミニウムカリウム(alum)はSigma Chem.社(ミズーリ州セントルイス)、発熱性物質無含有蒸留水はBaxter, Healthcare Corporation社(イリノイ州ディアフィールド)、0.9%塩化ナトリウム(生理食塩液)はLymphomed社(イリノイ州ディアフィールド)およびTRAPPSOL(商標)HPB−L100(ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン水溶液;45(w/v)%水溶液)はCyclodextrin Technologies Development社(フロリダ州ゲーンズビル)から入手した。
アレルゲンによる免疫/惹起プロトコール:マウスには、alumを含む0.2mL(100μg)のOVAの腹腔内注射を実施した(J. Exp Med. 1996;184:1483−1494)。相違するプロトコールが使用されてもよい。例えば、マウスには、相違する日に別個に行なう0.05mLの生理食塩液中に溶解した100μgのOVAの鼻腔内(i.n.)投与および0.05mLの生理食塩液中に溶解した50μgのOVAのi.n.投与の前に生理食塩液中に溶解した0.2mLのケタミン(0.44mg/mL)/キシラジン(6.3mg/mL)を用いて麻酔をしてもよい。hK1結合タンパク質を評価するために、該タンパク質は試験用量のhK1結合タンパク質を用いて、例えば鼻腔内惹起前に投与し、そしてhK1結合タンパク質を含んでいない対照投与を受けている対応する対照群マウスと比較することができる。
組織学的検査。気管および左肺(右肺は気管支肺胞洗浄(「BAL」)のために使用する)を入手し、室温で約6〜15時間かけて10%中性ホルムアルデヒド溶液中で固定する。パラフィン中に包埋した後、組織を5μmの切片に切断し、その後の様々な染色もしくは免疫標識により処理できる。Discombeの好酸球染色を使用すると、メチレンブルーの対比染色を示す細胞数を計数することができる。1単位の気道ドメイン(2,200μm2)当たりの好酸球数は、形態測定学によって決定できる(J. Pathol. 1992;166:395−404;Am Rev Respir Dis. 1993;147:448−456)。線維症は、Massonの三色染色により同定できる。気道粘液は、以下の染色法によって同定できる:メチレンブルー、ヘマトキシリン&エオシン、ムチカルミン、アルシアンブルー、およびアルシアンブルー/過ヨウ酸シッフ(PAS)反応(Troyer, H., “Carbohydrates” in Principles and Techniques of Histochemistry, Little, Brown and Company, Boston, Mass., 1980:89−121;Sheehan, D.C, et al., “Carbohydrates” in Theory and Practice of Histotechnology, Battle Press, Columbus, Ohio, 1980:159−179)。ムチンは、ムチカルミン溶液を用いて染色できる;メタニルイエロー対比染色を使用した。酸性ムチンおよび硫酸化粘液物質は、アルシアンブルー(pH2.5)を用いて染色できる:ニュークレアファーストレッド対比染色法もまた使用できる。中性および酸性粘液物質は、アルシアンブルー(pH2.5)およびPAS反応によって同定した。気道(径0.5〜0.8mm)の粘液閉塞度もまた形態測定学によって評価できる。粘液による気道の径閉塞率は、0〜4+までの半定量的スケール上で分類した。組織学的および形態計測学的分析は、プロトコール設計について遮蔽された個人によって実施できる。
肺機能試験。第28日の生理食塩液またはOVAいずれかの最終鼻腔内投与24時間後に、例えば以前に記載された方法(10, 1958;192:364−368;J. Appl. Physiol. 1988;64:2318−2323;J. Exp. Med. 1996;184:1483−1494)、またはその変法を用いて、メタコリンの静脈内注入に対する肺機構をマウスのインビボで、プレチスモグラフィー法によって決定できる。肺機能試験の完了時に各マウスを心穿刺によって放血させると、気管を含む肺組織をその後の分析のために使用できる。
気管支肺胞洗浄。基幹気管支で左肺を結紮した後、右肺は0.4mLの生理食塩液を用いて3回洗浄することができる。プールサンプルの0.05mLのアリコート由来の気管支肺胞洗浄(BAL)液中の細胞は、血球計数器を用いて計数し、残りの液体は4℃で10分間、200gで遠心する。上清は、エイコサノイド分析を実施するまで−70℃で保存する。10%ウシ血清アルブミン(「BSA」)を含有する生理食塩液中に溶解に細胞ペレットを再懸濁させた後、スライドガラス上でBAL細胞スメアを作製できる。好酸球を染色するために、乾燥したスライドをDiscombe希釈液(蒸留水中の0.05%エオシン水溶液および5%アセトン(容積/容積);J. Exp. Med. 1970;131:1271−1287)で5〜8分間かけて染色し、水で0.5分間すすぎ洗いし、2分間にわたり0.07%メチレンブルーを用いて対比染色する。
気道粘液糖タンパク質のアッセイ。BAL液中の粘液糖タンパク質は、スロットブロッティングおよびPAS染色によってアッセイする(Anal. Biochem. 1989;182:160−164;Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 1995;12:296−306)。ニトロセルロース膜(孔径0.2μm;Schleicher & Schuell, Keene, N.H.)を蒸留水中で湿潤させ、次に生理食塩液に漬け、その後Minifold II 72ウエルスロットブロット装置(Schleicher & Schuell社)内に配置した。BAL液サンプル(0.05mL)およびヒト呼吸ムチン糖タンパク質のストック液(2μm/mL)のアリコート(0.05〜0.75L)(Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 1991;5:71−79)を真空給水装置によってニトロセルロース膜上へブロッティングし、粘液糖タンパク質をPAS反応によって視認する。PAS染色を定量するためには、反射濃度測定法を実施できる。BALサンプルのPAS反応性の積分強度は、ヒト呼吸気ムチンについての標準曲線との比較によって定量できる。
免疫細胞化学。モノクローナル抗体:CD11c(DAB法)およびMac1(Beringer Mannheim社、Hitomouse Kit(Zymed社)を用いるABC法)を使用すると、血管構造、気道および線維症のドメイン内/周囲における炎症細胞タイプ、例えば樹状細胞、マクロファージおよびリンパ球を同定することができる。
米国特許第6,462,020号は、関節炎についての代表的なマウスモデルである、誘導性II型コラーゲン関節炎マウスモデルについて記載している。このマウスモデルを使用すると、hK1結合タンパク質が誘導性II型コラーゲン関節炎の組織学的、放射線学的および臨床的外観に及ぼす作用を評価することができる。
自己免疫疾患は、有意で慢性的な罹病状態および身体障害を引き起こす。多数の形態にある関節炎は、1ファミリーの自己免疫疾患の代表である。臨床ドメインでは、慢性関節リウマチ(RA)は重症関節形成不全性疾患の最も一般的な形態である。RAは進行性疾患である。
マウスCIAにおいて発生する関節炎性病変の組織病理は、ヒト患者におけるRAの組織病理と極めて多数の類似性を共有している。マウスCIAは、RAの潜在的な処置的処置を試験するための有用なモデルである。
材料および方法:マウス:体重25gのDBA/1(2)雄性マウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, Me.またはB&K Universal, Kent Wash.)をこの研究のために使用した。このマウス系統は、異種II型コラーゲンの注射によってCIAに罹患させることができる。ウシコラーゲン(BC)、フロイントの完全アジュバント(CFA)およびフロイントの不完全アジュバント(ICFA)は、Sigma Chemical社から入手できる。免疫のための抗原は、0.1M酢酸中で処理し、CFAもしくはICFAを用いて調製する。
関節炎の誘導。免疫プロトコール:マウスには、試験期間中に規定間隔をあけてCFA中の100μgのII型コラーゲンを注射する。
マウスを関節炎の発生について規定間隔で試験する。関節炎の推定証拠には、連続2回の観察での前足および/または後足上の少なくとも1つの足指関節の腫脹および紅斑が含まれる。
関節炎の確定診断。関節の組織学検査:適切な間隔をあけて致死させた動物の足指関節を除去し、固定し、脱石灰化し、パラフィン中に包埋し、切片作製し、そして一般的細胞および構造の特徴を観察するため、および適切に各関節のパンヌスの軟骨性マトリックスを検出するために染色する。細胞充実度および炎症面積は、組織学的顕微鏡写真のデジタル化ならびに標準面積および地点計数技術を適用することによって定量した。
足指関節の放射線学的評価は、II型コラーゲンによる免疫後の関節変化の発生を検出するために実施する。この研究のために、マンモグラフィーイメージングシステムが改変されている。関節の軟組織(パンヌス)の平均面積は、各放射線写真に含まれている内部標準との比較によって隣接硬質組織の密度の変化と一緒に、コンピューターデジタル化放射線写真の分析によって決定される。硬質組織およびパンヌスのドメインの変化する密度についてのベースライン時対照として機能するために、同一期間にわたり追加のマウスを使用し、密度および面積データを比較する。対照群および実験群マウスについての密度および面積における差の有意性は、各時点に対のT検定を用いて評価する。
関節炎の評価。動物を毎日、関節炎の発生について観察する。関節炎指数は、各足の関与の重症度を0〜4のスケール上で等級付けすることによって引き出される。スコア付けは、関節周囲紅斑および浮腫、ならびに関節の変形の程度に基づく。後足の腫脹については、定張力カリパスを用いて内果から外果までの足首の太さを測定することによっても定量される。
Tuohy et al. (J. Immunol. (1988) 141:1126−1130), Sobel et al. (J. Immunol. (1984) 132:2393−2401)、およびTraugott (Cell Immunol. (1989) 119:114−129)は、多発性硬化症の実験的自己免疫脳炎(EAE)マウスモデルについて記載している。マウスモデルを使用すると、多発性硬化症の症状を調節するためのhK1結合タンパク質を評価することができる。
薬学的組成物
さらに特徴とするのは、例えば本明細書に記載したhK1結合タンパク質、例えばhK1結合抗体を含む組成物、例えば薬学的に受容可能な組成物である。本明細書で使用する「薬学的組成物」は、診断(例、インビボイメージング)使用のための化合物(例、標識化合物)ならびに処置もしくは予防使用のための化合物を含んでいる。
本明細書で使用する「薬学的に受容可能なキャリア」は、生理的に適合する任意および全部の溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張性物質および吸収遅延剤などを含んでいる。1つの実施形態では、キャリアは水以外である。好ましくは、キャリアは、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄もしくは上皮投与(例、注射もしくは注入による)のために適合する。投与経路に依存して、活性化合物は、その化合物を不活性化する可能性のある酸およびその他の天然条件の作用からその化合物を保護するために、物質内に被覆されてもよい。
「薬学的に受容可能な塩」は、親化合物の所望の生物活性を維持し、望ましくない毒物学的作用を全く付与しない塩を意味する(例えば、Berge, S.M., et al. (1977) J. Pharm. Sci. 66:1−19を参照)。そのような塩の例には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの非毒性無機酸由来、ならびに脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸由来の塩が含まれる。塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属由来、ならびにN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの非毒性有機アミン由来の塩が含まれる。
本発明の組成物は、様々な形態にあってよい。これらには、例えば、溶液(例、注射液および注入液)、分散液もしくは懸濁液、錠剤、ピル剤、散剤、リポソームおよび坐剤などの液体、半固体および固体製剤が含まれる。好ましい形態は、所定の投与様式および処置適用に依存する。典型的に好ましい組成物は、ヒトに抗体を投与するために使用されるものに類似する組成物などの注射液もしくは注入液の形状にある。好ましい投与様式は、非経口(例、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態では、化合物は、静脈内注入もしくは注射によって投与される。また別の好ましい実施形態では、化合物は、筋肉内もしくは皮下注射によって投与される。
本明細書で使用する語句「非経口投与」および「非経口で投与される」は、通常は注射による経口および局所投与以外の投与様式を意味しており、制限なく、静脈内、筋肉内、動脈内、気管内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内注射および注入を含んでいる。
薬学的組成物は、典型的には製造および保管条件下において無菌および安定性でなければならない。薬学的組成物は、投与のための規制標準および工業標準を確実に満たすかどうかについても試験することができる。例えば、調製物中の外毒素レベルは、USP24/NF19法によって、リムルス(Limulus)アメーバ細胞溶解液アッセイ(例、Bio Whittaker社製キット、ロット番号7L3790、感受性0.125EU/mLを用いる)を使用して試験できる。薬学的組成物の無菌性は、USP24/NF19法によるチオグリコール酸塩培地を用いて決定できる。例えば、調製物はチオグリコール酸塩培地に接種するために使用され、35℃で14日間以上にわたりインキュベートされる。微生物の増殖を検出するためには、培地が定期的に検査される。
組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム、またはその他の薬物高濃度に適合する規則的構造として調製できる。無菌注射液は、必要な量の活性化合物を適切な溶媒中に、上記で列挙した成分の1つまたは組み合わせと一緒に組み込み、その後に濾過滅菌することによって調製できる。一般に、分散液は、塩基性分散媒および上記に列挙した成分からの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合は、好ましい調製方法は、有効成分へ事前に無菌濾過したその溶液からの任意の追加の所望の成分を加えたものの粉末を生成する真空乾燥およびフリーズドライ法である。溶液の適正な流動度は、例えばレシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合は必要な粒径の維持によって、そして界面活性剤の使用によって維持することができる。注射用組成物の長期間の吸収は、組成物中に吸収を遅延させる物質、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによって発生させることができる。
吸入により送達するための抗体を調製するための代表的方法については以下で説明する。
1つの実施形態では、hK1結合抗体は、皮下送達のため、例えば皮下注射のために調製される。皮下送達は、本明細書に記載した任意の障害を処置するために使用できる。1つの実施では、抗体は、分散保護剤(例、スクロースもしくはトレハロースなどの糖)を含む安定性凍結乾燥タンパク質調製物として提供される。凍結乾燥調製物は、凍結乾燥前調製物中のタンパク質濃度より有意に(例、約2〜40倍以上、好ましくは3〜10倍以上、および最も好ましくは3〜6倍以上)高いタンパク質濃度を有する安定性の再構成調製物を生成するように再構成することができる。詳細には、凍結乾燥前調製物中のタンパク質濃度は5mg/mL以下であってよいが、再構成された調製物中のタンパク質濃度は50mg/mL以上であってよい。したがって、この調製物は少なくとも約50mg/mLのhK1結合タンパク質を含んでいてよい。そのような再構成された調製物中のタンパク質濃度は、皮下投与のために有用な可能性がある。
再構成調製物は等張性であってよい。再構成調製物は、保存料(静菌性注射用水(BWFI)など)。再構成調製物は、複数回投与用調製物のために使用できる。そのような調製物は、例えば、患者が慢性の医学的状態を処置するためにタンパク質の頻回な皮下投与を必要とする場合に有用である。分散保護剤対タンパク質の比率は、例えば、約100〜1500モルのトレハロースもしくはスクロース:1モルの抗体であってよい。凍結乾燥前調製物のpHを安定化させる、例えば6〜8の範囲内のpHにするためにはバッファーを使用できる。例えば、バッファーは、1つまたは複数のアミノ酸、例えばヒスチジン、または6〜8の範囲内に緩衝する、もしくはそのような範囲内のpHを有する他の物質を含んでいてよい。調製物は、界面活性剤(例、ポリソルベート)をさらに含んでいてよい。
本明細書に記載した化合物は、当技術分野において知られている様々な方法によって投与できる。多数の適用について、投与経路/様式は、静脈内注射もしくは注入である。例えば、処置適用のために、化合物は、約1〜100mg/m2もしくは7〜25mg/m2の用量に達するために30、20、10、5、もしくは1mg/分未満の速度での静脈内注入によって投与できる。投与経路および/または様式は、所望の結果に依存して変動するであろう。所定の実施形態では、活性化合物は、インプラント、およびマイクロカプセル封入送達系を含む徐放性調製物などの化合物を迅速な放出から保護するであろうキャリアを含めて調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ酢酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用できる。そのような調製物を調製するための多数の方法は特許付与されている、または一般に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。薬学的調製物は明確に確立された技術であり、Gennaro (ed.), Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2000)(ISBN:0683306472);Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed.., Lippincott Williams & Wilkins Publishers (1999)(ISBN:0683305727);and Kibbe (ed.), Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association, 3rd ed. (2000)(ISBN:091733096X)に詳細に記載されている。
所定の実施形態では、組成物は、例えば不活性希釈剤もしくは同化性食用キャリアと一緒に経口投与することができる。化合物(および所望であれば他の成分)は、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル内に封入する、錠剤に打錠する、または被験体の食事に直接的に組み込むこともできる。経口による処置投与のためには、化合物は賦形剤と一緒に組み込むことができ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハー剤などの形状で使用できる。化合物を非経口投与以外で投与するためには、その不活性化を防止する物質で化合物を被覆する、または化合物と同時投与することが必要になることがある。
薬学的組成物は、当技術分野において知られている医療器具を用いて投与できる。例えば、好ましい実施形態では、本発明の薬学的組成物は、例えば米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、もしくは第4,596,556号に開示された器具などのニードルレス皮下注射器具を用いて投与できる。本発明において有用なよく知られているインプラントおよびモジュールの例は:制御された速度で医薬品を分注するための植込み型マイクロインフュージョンポンプを開示している米国特許第4,487,603号;皮膚を通して薬剤を投与するための処置器具を開示している米国特許第4,486,194号;正確な注入速度で薬剤を送達するための薬剤注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号;持続的薬物送達のための流量可変式の植込み型注入器具を開示している米国特許第4,447,224号;マルチチャンバー区画を有する浸透圧薬物送達系を開示している米国特許第4,439,196号;および浸透圧薬物送達系を開示している米国特許第4,475,196号が含まれる。当然ながら、多数のそのような他のインプラント、送達系、およびモジュールもまた知られている。
所定の実施形態では、化合物は、インビボでの適正な分布を保証するように調製できる。例えば、血液脳関門(BBB)は、多数の親水性化合物を排除する。本発明の処置用化合物が(所望であれば)BBBを越えることを保証するために、それらは例えばリポソーム中で調製できる。リポソームを製造する方法については、例えば米国特許第4,522,811号;第5,374,548号;および第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞もしくは気管内へ選択的に輸送され、したがって標的とされた薬物送達を増強する1つまたは複数の成分を含んでいてよい(例えば、V.V. Ranade (1989) J. Clin. Pharmacol. 29:685を参照)。
本発明の範囲内には、本明細書に記載した組成物(例、hK1結合タンパク質を含有する化合物である組成物)および例えば処置、予防、もしくは診断使用のような使用するための取扱説明書を含むキットがさらに含まれる。1つの実施形態では、キットは、(a)化合物、例えばその化合物を含む組成物、および任意で(b)情報材料を含んでいる。情報材料は、記述的、教育的、マーケティングもしくは本明細書に記載した方法および/または本明細書に記載した方法のための化合物の使用に関連する他の材料であってよい。例えば、情報材料は、hK1活性を低下させるため、またはhK1関連性障害を処置もしくは予防するために本化合物を投与する方法について記載している。
1つの実施形態では、情報材料は適切な方法で、例えば適切な用量、剤形、または投与様式(例、本明細書に記載した用量、剤形、もしくは投与様式)で化合物を投与するための取扱説明書を含んでいてよい。また別の実施形態では、情報材料は適切な被験体、例えば、ヒト、例えばhK1関連性障害もしくは過剰なhK1活性を特徴とする障害を有する、またはそのリスク状態にあるヒトを同定するための取扱説明書を含んでいてよい。情報材料は、化合物の製造、化合物の分子量、濃度、使用期限、バッチ番号もしくは製造場所に関する情報等々についての情報を含んでいてよい。キットの情報材料は、その形状について限定されない。多くの場合に、情報材料、例えば取扱説明書は、印刷物、例えば印刷文、図面、および/または写真、例えばラベルもしくは印刷用紙で提供される。しかし、情報材料は、例えば点字、コンピューター可読材料、ビデオ録画、もしくは音声録音などの他のフォーマットで提供されてもよい。また別の実施形態では、キットの情報材料は、リンクもしくは連絡情報、例えばキットの使用者が本明細書に記載した本化合物および/または本方法における使用についての実質的情報を入手できる実際の住所、eメール住所、ハイパーリンク、ウェブサイト、もしくは電話番号である。当然ながら、情報材料はフォーマットの任意の組み合わせで提供することもできる。
本化合物に加えて、キットの組成物は、溶媒もしくはバッファー、安定剤もしくは保存料、および/または本明細書に記載した状態もしくは障害を処置するための第2物質を含んでいてよい。または、他の成分をキット内に、しかし本化合物とは相違する組成物もしくは容器内に含めることができる。そのような実施形態では、キットは本化合物と他の成分とを混合するため、または化合物を他の成分と一緒に使用するための取扱説明書を含んでいてよい。
本化合物は、任意の形状、例えば液体、乾燥もしくは凍結乾燥形で提供できる。本化合物は実質的に純粋および/または無菌であるのが好ましい。本化合物が溶液で提供される場合は、溶液は好ましくは水溶液であり、無菌水溶液が好ましい。本化合物が乾燥形で提供される場合は、再構成は、適切な溶媒の添加による。溶媒、例えば無菌水もしくはバッファーは、任意でキット内に提供できる。
キットは、本化合物を含有する組成物のための1つまたは複数の容器を含んでいてよい。一部の実施形態では、キットは組成物および情報材料のための個別の容器、仕切もしくは区画を含有する。例えば、組成物は、ボトル、バイアル、もしくはシリンジ内に含有することができる、そして情報材料はプラスチック製スリーブもしくはパケット内に含めることができる。他の実施形態では、キットの個別の要素は、単一の、分割されていない容器内に含有されている。例えば、組成物は、それにラベルの形状にある情報材料が貼付されているボトル、バイアルもしくはシリンジ内に含有される。一部の実施形態では、キットは、各々が本化合物の1つまたは複数の単位剤形(例、本明細書に記載した剤形)を含有する複数(例、パック)の個別容器を含んでいる。例えば、キットは、各々が単位用量の化合物を含有する複数のシリンジ、アンプル、ホイルパケット、もしくはブリスターパックを含んでいる。キットの容器は、気密性、防水性(例、水分もしくは蒸発の変化に不浸透性)、および/または遮光性であってよい。
本化合物がhK1結合タンパク質を含有する1つの実施形態では、診断適用についての取扱説明書はインビトロ、例えばサンプル、例えば本明細書に記載した肺障害もしくは他の障害を有する患者由来の生検もしくは細胞またはインビボでhK1を検出するための化合物の使用を含んでいる。また別の実施形態では、処置適用のための取扱説明書は、肺障害もしくは本明細書に記載した他の障害、例えば、喘息(例、アレルギー性および非アレルギー性喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、乾癬、慢性関節リウマチ、変形性関節症、鼻炎、副鼻腔炎、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎など)、免疫媒介性糖尿病、急性膵炎、間質性膀胱炎、および腫瘍性障害(例、転移性膵腺癌もしくは腫瘍性血管新生)を有する患者における提案された用量および/または投与様式を含んでいる。キットは、診断薬もしくは処置薬、例えば本明細書に記載した診断薬もしくは処置薬などの少なくとも1つの追加の試薬、および/または1つまたは複数の個別の薬学的調製物中の適切に調製された障害を処置するための1つまたは複数の追加の物質をさらに含有することができる。
処置
hK1結合タンパク質は、被験体、例えばヒト被験体へ、望ましくない、もしくは異常なhK1活性を特徴とするhK1関連性障害および疾患などの様々な障害を処置する、予防する、および/または診断するために投与できる。代表的な障害には、喘息(例、アレルギー性および非アレルギー性喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、乾癬、慢性関節リウマチ、変形性関節症、鼻炎、副鼻腔炎、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、免疫媒介性糖尿病、急性膵炎、間質性膀胱炎、および腫瘍性障害(例、転移性膵腺癌もしくは腫瘍性血管新生)が含まれる。「hK1関連性障害」は、hK1が少なくとも一部には媒介する障害であるので、hK1タンパク質レベルもしくは活性の減少が障害の少なくとも1つの態様、例えば障害の少なくとも1つの症状を改善することができる。
被験体へ投与されることに加えて、本化合物は、培養中の細胞、組織、もしくは器官へ、例えばインビトロもしくはエックスビボで投与することもできる。
本明細書で使用するように用語「処置する」もしくは「処置」は、単独もしくは1つまたは複数の他の物質と組み合わせた、被験体、例えば患者への化合物の適用もしくは投与、または障害、障害の症状もしくは障害に向かう素因を治癒させる、処置する、改善する、軽減する、変化させる、救済する、改良する、または影響を及ぼす目的で、単離された組織もしくは細胞、例えば被験体、例えば障害(例、本明細書で記載した障害)、障害もしくは疾患に向かう素因の症状を有する患者由来の細胞系への本物質の適用もしくは投与であると規定されている。
本明細書で使用する障害を処置するために有効なhK1結合タンパク質の量、または「処置有効量」は、被験体を処置する、例えばそのような処置が不在である場合に予測される程度を越える程度まで被験体における障害の少なくとも1つの症状を治癒させる、緩和する、救済する、もしくは改善する際に被験体へ単回もしくは複数回用量を投与すると有効である化合物の量を意味する。例えば、障害は、肺障害、例えば本明細書に記載した肺障害であってよい。
「局所的有効量」は、組織中、例えばhK1に曝露した肺の領域内で標的タンパク質(例、hK1)を検出可能に変調する活性で有効である化合物の量(例、濃度)を意味する。変調の証拠は、例えば上昇した量の基質、例えば減少した基質のタンパク質分解を含んでいてよい。
本明細書で使用するように障害を予防するために有効なhK1結合タンパク質の量、またはタンパク質の「予防有効量」は、被験体への単回もしくは複数回用量の投与後に、障害、例えばhK1関連性障害の発現の発生もしくは再発を予防または遅延させることに有効であるhK1結合タンパク質の量を意味する。
用語「誘導する」、「阻害する」、「強化する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」などは、例えば、2つの状態間の識別可能な定性的もしくは定量的差を意味し、そして2つの状態間の例えば統計的有意差(例、P<0.05、0.02、もしくは0.005)のような差に関する。
投与レジメンは、最高に望ましい反応(例、処置反応)を提供するように調整される。例えば、単回ボーラスを投与できる、数回に分割した用量を経時的に投与できる、または用量を処置状態の要件によって指示されるように比例的に減量もしくは増量することができる。投与の容易さおよび用量の均一性のために、非経口組成物を用量単位で調製することが特に有益である。本明細書で使用した単位剤形は、処置される被験体のための単一用量として適合する物理的に別々の単位を意味する;各単位は、必要とされる医薬キャリアと関連している所望の処置作用を生成するように計算された規定量の活性化合物を含有する。
本明細書に記載した化合物の処置有効量もしくは予防有効量の非限定的範囲は、0.1〜20mg/kg、より好ましくは1〜10mg/kgである。本化合物は、約1〜50mg/m2もしくは5〜20mg/m2の用量に達するために20、10、5、もしくは1mg/分未満の速度での静脈内注入によって投与できる。用量値は、緩和すべき状態のタイプおよび重症度に伴って変動する可能性があることに留意されたい。任意の特定に被験体については、個々の必要および組成物の投与を監視もしくは監督する者の専門的判断力によって経時的に特定の用量レジメンを調整しなければならないこと、そして本明細書に記載した用量範囲は代表例に過ぎないことをさらに理解されたい。
薬学的組成物は、「処置有効量」もしくは「予防有効量」の本明細書に記載した化合物、例えばhK1に結合および阻害するポリペプチドを含む化合物を含んでいてよい。
本組成物の処置有効量は、固体の疾患の状態、年齢、性別、および体重、ならびに本化合物がその個体における所望の反応を引き出す能力などの因子によって変動する可能性がある。処置有効量は、本組成物の任意の毒性もしくは有害な作用を処置的に有益な作用が上回る量でもある。
本明細書で使用する用語「被験体」は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことが意図されている。本発明の用語「非ヒト動物」には、全脊椎動物、例えば非哺乳動物(ニワトリ、両生類、爬虫類)ならびに非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ブタなどの哺乳動物が含まれる。
本方法は、培養中、例えばインビトロもしくはエックスビボの細胞上で使用できる。本方法は、インビボ(例、処置もしくは予防)プロトコールの一部として、被験体内に存在する細胞について実施できる。インビボ実施形態のためには、接触させる工程は被験体内で実施され、タンパク質からhK1への両方の結合を許容するために有効な条件下でhK1結合タンパク質を投与する工程を含んでいる。
化合物を投与する方法は、「薬学的組成物」の項に記載されている。使用される化合物の適合する用量は、被験体の年齢および体重ならびに使用される特定の薬物に依存するであろう。本化合物は、例えば天然基質とhK1との間の望ましくない相互作用を阻害する、もしくは減少させるための競合剤として使用できる。
hK1結合タンパク質は、様々なペイロード、例えば処置薬、放射線を放出する化合物、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、生物学的タンパク質、ならびにそれらの混合物を含む薬物を送達するためにも使用できる。hK1結合タンパク質は、そこでhK1が局所化される被験体の領域へペイロードをターゲティングすることができる。
酵素的に活性な毒素およびそれらのフラグメントの例は、ジフテリア毒素Aフラグメント、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、α−サクリン、所定のシナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、所定のジアンシン(Dianthin)タンパク質、ヤマゴボウ(Phytolacca americana)タンパク質(PAP、PAPIIおよびPAP−S)、モロディカ・カランチア(Morodica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(Saponaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトギリン、レストロオクトシン、フェノマイシン、およびエノマイシンである。抗毒素の酵素活性ポリペプチドを調製する方法は、WO84/03508およびWO85/03508に記載されている。抗体にコンジュゲートできる細胞毒性成分の例には、アドリアマイシン、クロラムブシル、ダウノマイシン、メトトレキサート、ネオカルチノスタチン、および白金が含まれる。
ポリペプチド毒素の場合は、組換え核酸技術を使用すると、hK1結合タンパク質および転写融合としての細胞毒素(もしくはそのポリペプチド成分)をコードする核酸を構築することができる。組換え核酸は、次に例えば細胞中で発現させられ、コードされた融合ポリペプチドが単離される。融合タンパク質は、例えば半減期をインビボで安定化させ、次に成分(例、ポリマー)へ付着させられる化合物の分子量を増加させる成分と物理的に結び付けることができる。
タンパク質を細胞毒性物質とコンジュゲートさせるための方法については以前に記載されている。クロラムブシルとタンパク質とをコンジュゲートさせることについては、例えば、Flechner (1973) European Journal of Cancer, 9:741−745;Ghose et al. (1972) British Medical Journal, 3:495−499;およびSzekerke, et al. (1972) Neoplasma, 19:211−215を参照。ダウノマイシンおよびアドリアマイシンをタンパク質へコンジュゲートさせることについては、例えば、Hurwitz, E. et al. (1975) Cancer Research, 35:1175−1181 and Arnon et al. (1982) Cancer Surveys, 1:429−449を参照。タンパク質−リシンコンジュゲートを調製することについては、例えば、米国特許第4,414,148号およびOsawa, T., et al. (1982) Cancer Surveys, 1:373−388ならびにその中に引用された参考文献を参照。結合方法は、EP 226 419にも記載されている。
一部の実施形態では、hK1結合抗体が、例えば全長抗体としての他の成分へコンジュゲーションさせずに使用される。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)。hK1結合タンパク質は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の少なくとも1つの症状を改善するためにも使用できる。肺気腫は、慢性気管支炎とともに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一部である。肺気腫は、重篤な肺疾患および進行性であり、通常は高齢患者において発生する。COPDは、肺胞もしくは気嚢として知られる肺内の構造の過剰膨張を誘発する。肺胞の壁は崩壊して、結果として肺の呼吸能力の低下を引き起こす。この疾患を有する患者は、最初に息切れおよび咳を経験する可能性がある。COPDを評価するための1つの臨床指数は、肺胞隔膜損傷および肺気腫の尺度を測定する破壊指数であり、機能的異常、特別には弾性反跳の消失を密接に反映する肺破壊の感受性指数として提案されてきた。例えば、Am Rev Respir Dis 1991 Jul;144(l):156−9を参照。本化合物は、患者における破壊指数を例えば統計的に有意な量、例えば対応する年齢および性別を適合させた個人の正常値の少なくとも10、20、30、もしくは40%減少させる、または少なくとも50、40、30、もしくは20%以内に減少させるために使用できる。
本組成物は、吸入もしくは他の肺送達様式のために調製できる。したがって、本明細書に記載した化合物は、肺組織への吸入によって投与できる。本明細書で使用する用語「肺組織」は気道の任意の組織を意味しており、他に特別に指示する場所を除いて、上気道および下気道の両方を含んでいる。
したがって、hK1結合タンパク質は、呼吸障害、例えば、喘息(例、アレルギー性および非アレルギー性喘息);慢性閉塞性肺疾患(COPD);気道炎症、好酸球増加症、線維症および過剰粘液産生、例えば、嚢胞性線維症および肺線維症を含む状態に関連する1つまたは複数の症状を処置(減少、改善)または予防する方法において投与できる。
喘息。喘息の症状には、例えば、喘鳴、息切れ、気管支収縮、気道過敏性、肺能力の低下、線維症、気道炎症、および粘液産生が含まれる。hK1結合タンパク質は、喘息の少なくとも1つの症状、例えば上記の1つを改善もしくは予防するために使用できる。hK1結合タンパク質は、喘息を処置するための他の物質、例えば抗IgE抗体、クロモリンナトリウムおよびネドクロミル、吸入ステロイド、ロイコトリエン修飾剤、持効性β−アゴニスト、経口ステロイド、およびテオフィリンと結び付けて投与することもできる。
慢性関節リウマチ(RA)。この障害は、関節および/または他の内臓器官の裏面における炎症を特徴とする。障害は、典型的には慢性であるが、再発を含むこともある。代表的な症状には、関節の炎症、腫脹、移動困難、疼痛、食欲不振、発熱、エネルギー損失、貧血、特別には圧力を受けるドメイン(例、肘の後側)における皮下のしこり(リウマチ性結節)が含まれる。hK1結合タンパク質は、慢性関節リウマチの少なくとも1つの症状を改善もしくは予防するために使用できる。
hK1結合タンパク質は、NSAIDおよびアスピリン、鎮痛剤、およびコルチコステロイドなどの慢性関節リウマチを処置するためのまた別の物質と結び付けて投与することができ、関節痛、強直および腫脹を減少させるのに役立つことができる。代表的な物質には、メトトレキサート、レフルノミド、D−ペニシラミン、スルファサラジン、金治療、ミノサイクリン、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン(およびその他の抗マラリア薬)、シクロスポリン、Prosorba治療、および生物学的物質などの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)が含まれる。
多発性硬化症(MS)。多発性硬化症は、炎症およびミエリン鞘の消失を特徴とする中枢神経系疾患である。MSもしくは臨床的に推定されるMSを有する患者は、MSの診断に関する研究会によって規定された臨床的に確実なMSの診断を確定する基準(Poser et al., Ann. Neurol. 13:227, 1983)によって同定することができる。手短には、臨床的に確実なMSを有する個体は、2回の発作および2カ所の病変の臨床的証拠または1カ所の病変の臨床的証拠および/または別の離れた病変の基礎臨床的証拠のどちらかを有していた。確実なMSは、2回の発作の証拠および脳脊髄液中のIgGのオリゴクローナルバンドの証拠または発作、2カ所の病変の臨床的証拠および脳脊髄液中のIgGのオリゴクローナルバンドの組み合わせによって診断することもできる。
MSもしくは臨床的に推定されるMSを有する患者には、MSの少なくとも1つの症状を改善するために、hK1結合タンパク質、例えばhK1結合抗体を投与することができる。hK1結合タンパク質は、また別の物質、例えば、IFNβ−1aおよびIFNβ−1b;ミエリン塩基性タンパク質を刺激するタンパク質(例えば、合成タンパク質、例えば酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)、COPAXONE(登録商標));コルチコステロイド;もしくはミトキサントロンと結び付けて投与することもできる。
多発性硬化症の有効な処置は、数種の様々な方法で試験できる。任意の以下の基準を満たすことは有効な処置であることを証明する。3つの主要な基準が使用されている:EDSS(拡大知能障害状態評価スケール)、増悪の外観またはMRI(磁気共鳴イメージング)。EDSSは、MSに起因する臨床的障害を等級付けするための手段である(Kurtzke, Neurology 33:1444, 1983)。8つの機能系が神経学的障害のタイプおよび重症度について評価される。手短には、処置前には、患者は以下の系における障害について評価される:錘体、小脳、脳幹、感覚、腸および膀胱、視覚、大脳、およびその他。フォローアップ検査は、規定間隔で実施する。スケールは、0(正常)〜10(MSに起因する死亡)の範囲に及ぶ。1つの完全ステップの減少は、本発明の状況における有効な処置を規定する(Kurtzke, Ann. Neurol. 36:573−79, 1994)。増悪は、MSを原因とし、適切な新規の神経学的異常が付随する新規の症状の出現であると定義されている(IFNB MS試験グループ、上記)。さらに、増悪は、少なくとも24時間持続し、少なくとも30日間の安定性もしくは向上が先行しなければならない。手短には、患者には医師による標準的な神経学的検査が行われる。増悪は、神経学的評価スケール(Sipe et al., Neurology 34:1368, 1984)における変化によって軽度、中等度、または重度のいずれかである。増悪を示さない患者の年間増悪率および比率が決定される。治療は、これらの測定値のいずれかについて、処置群とプラセボ群との間で増悪を示さない患者の比率における統計的有意差がある場合に有効であると見なされる。さらに、初回増悪までの時間ならびに増悪の持続時間および重症度もまた測定できる。この関連での治療としての有効性の尺度は、対照群と比較した処置群における初回増悪までの時間もしくは期間および重症度における統計的有意差である。MRIを使用すると、ガドリニウム−DTPA増強イメージング(McDonald et al. Ann. Neurol. 36:14, 1994)を用いて活動性病変を、またはT2強調技術を用いて病変の場所および程度を測定することができる。
多発性硬化症に関連する代表的な症状には、視神経炎、複視、眼振、眼ディスメトリア、核間性眼筋麻痺、運動および音響閃光、求心性瞳孔反応欠損、麻痺、単不全麻痺、不全対麻痺、片側不全麻痺、四肢不全麻痺、麻痺、対麻痺、半側麻痺、四肢麻痺、四肢不全麻痺、痙縮、構音障害、筋萎縮症、スパズム、痙攣、低血圧、クローヌス、ミオクローヌス、ミオキミア(筋波動症)、レストレスレッグス症候群、尖足、機能不全性反射、知覚異常症、感覚脱出、神経痛、神経因性および神経原性疼痛、レルミット病、固有受容性機能不全、三叉神経痛、運動失調、企図振戦、ディスメトリア、前庭性失調、眩暈、発語失調、失調症、拮抗運動反復不全、頻尿、膀胱痙縮、弛緩性膀胱、排尿筋−括約筋共同運動障害、***障害、無オルガスムス症、不感症、便秘、便意促迫、便失禁、抑うつ、認知機能障害、痴呆、気分変動、情動不安定、多幸症、双極性症候群、不安、失語症、不全失語症、疲労、uhthoff症状、胃食道逆流、および睡眠障害が含まれる。
変形性関節症。変形性関節症は、変形性関節疾患である。この疾患は、関節内の軟骨の破壊を特徴とするので、骨が相互に対して摩擦することを引き起こし、疼痛および運動損失を生じさせる。hK1結合タンパク質は、変形性関節症の少なくとも1つの症状を改善もしくは予防するために使用できる。hK1結合タンパク質は、例えばコルチコステロイドもしくはNSAIDなどの変形性関節症を処置するためのまた別の物質と結び付けて投与することができる。
血管新生関連性および腫瘍性障害
1つの実施形態では、hK1結合タンパク質は、血管新生または新生物および腫瘍増殖に関連する他のプロセスを変調するために被験体へ投与できる。hK1結合タンパク質、特別にはhK1酵素活性を阻害するhK1結合タンパク質は、腫瘍血管新生および/または癌細胞侵襲および転移を遮断するために使用できる。hK1阻害剤抗体は強力かつ選択的阻害剤であり、したがって腫瘍治療にとって理想的な物質である。
例えば、hK1結合タンパク質は血管新生(例、制御できない、もしくは望ましくない血管新生)−血管奇形および心血管障害(例、アテローム硬化症、再狭窄および動静脈奇形)、慢性炎症性疾患(例、糖尿病、炎症性腸疾患、乾癬および慢性関節リウマチ)、異所性創傷修復(例、エキシマレーザーによる眼手術後に観察される修復)、循環器障害(例、レイノー現象)、クレスト症候群(例、石灰症、食道運動障害)、皮膚障害(例、ポートワイン様斑、動脈性潰瘍、全身性脈管炎および強皮症)、または眼障害(例、血管新生疾患、血管新生緑内障、角膜血管新生、トラコーマ、糖尿病性網膜症および近視性変性によって誘発される失明)などに関連する血管新生を減少させるために使用できる。例えば、Carmeliet and Jain, 2000, Nature, 407:249−257を参照。
詳細には、hK1結合タンパク質を使用すると、新生物、例えば癌および腫瘍増殖、例えば良性、悪性、もしくは転移性腫瘍の増殖に関連する血管新生を減少させることができる。
癌性障害の例には、充実性腫瘍、軟組織腫瘍、および転移性病変が含まれるが、それらに限定されない。例には、例えば肺、***、リンパ節、消化管(例、大腸)、および泌尿生殖管(例、腎、尿路上皮細胞)、咽頭、前立腺、卵巣などの様々な器官系の肉腫、腺癌腫、および癌腫ならびに大多数の大腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺、咽頭の非小細胞性癌、小腸の癌、食道およびその他の癌などの悪性腫瘍を含む腺癌が含まれる。
処置できる代表的な充実性腫瘍には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝腫瘍、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞種、髄芽細胞種、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽腫が含まれる。
hK1結合タンパク質は、癌、例えば、呼吸器系癌、消化器系癌、泌尿生殖器系癌、精巣癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系癌、および黒色腫を含む上皮もしくは内分泌組織の悪性腫瘍を処置するためにも使用できる。代表的な癌には、子宮頚部、肺、前立腺、***、頭頚部、大腸および卵巣の組織の腺癌、癌腫が含まれる。
hK1結合タンパク質は、例えば間葉起源の悪性腫瘍のような肉腫を処置するためにも使用できる。
本方法は、造血起源、例えば脊髄、リンパ球もしくは赤血球系統から発生する造血/新生細胞、またはそれらの前駆細胞の増殖を阻害するためにも使用できる。例えば、本方法は、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)を含む様々な骨髄性障害を処置するために使用できる(Vaickus, L., 1991, Crit. Rev. in Oncol./Hemotol. 11:267−297において精査されている)。本方法によって処置できるリンパ球性悪性腫瘍には、B系統ALLおよびT系統ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ヘアリー細胞白血病(HLL)およびワルデンシュトレーム(Waldenstrom)マクログロブリン血症(WM)が含まれるが、それらに限定されない。悪性リンパ腫の追加の形態には、非ホジキンリンパ腫およびその変異体、末梢性T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)およびホジキン病が含まれるが、それらに限定されない。
hK1結合タンパク質は、腫瘍性/転移性障害を処置するためのまた別の物質と結び付けて投与することができる。そのような他の物質の例には:
(i)他の抗血管新生剤(例えば、linomide、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、アンジオスタチン、ラゾキサン);
(ii)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、エキセメスタン)、抗ホルモン、抗プロゲストゲン、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド)、テストステロン5α−ジヒドロレダクターゼ(例えば、フィナステリド)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、抗侵襲剤(例えば、マリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤)および増殖因子機能の阻害剤(そのような増殖因子には、例えば、EGF、FGF、血小板由来増殖因子および幹細胞増殖因子が含まれ、そのような阻害剤には増殖因子抗体、AVASTIN(登録商標)(ベバジズマブ)およびERBITUX(登録商標)(セツキシマブ)などの増殖因子受容体抗体;チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる)、細胞増殖抑制剤;および
(iii)臨床腫瘍学において使用される、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキセートのような抗葉酸薬、5−フルオロウラシル、プリンおよびアデノシンアナログ、シトシンアラビノシドのようなフルオロピリミジン);挿入抗腫瘍性抗生物質(例えばドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシンおよびイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、ミトラマイシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イフォスファミドニトロソ尿素、チオテパ;抗有糸***剤(例えば、ビンクリスチンのようなビンカアルカロイドおよびTAXOL(登録商標)(パクリタキセル)、TAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル)のようなタキソールおよびエポチロンアナログ、ディスコデルモライドアナログ、およびエポチロン(epothilone)アナログなどの新規の微小管薬);トポイソメラーゼ阻害薬(例えば、エトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカンのようなエピポドフィロトキシン);細胞周期阻害剤(例えば、フラボピリドール);生物学的応答修飾剤およびVELCADE(登録商標)(ボルテゾミブ)などのプロテアーゼ阻害剤などの抗増殖/抗腫瘍薬およびそれらの組み合わせが含まれる。
VEGFクラスの増殖因子の代表的なモジュレーター
様々な物質を使用すると、例えばVEGF活性を変調するために、VEGFクラス増殖因子の活性を変調することができる(例えば、タンパク質自体、その受容体、または他のシグナリング成分の活性を変調することによって)。そのような物質は、血管新生を変調し、腫瘍性および/または転移性障害を処置するためにhK1結合タンパク質と組み合わせて投与することができる。
物質は小分子阻害剤(例、ペプチド結合を含んでいない化合物および/または分子量が700ダルトン未満の化合物)であってよい。その他の物質には、例えばVEGF、VEGF−C、またはその受容体へ結合する小分子化合物もしくはタンパク質のような化合物が含まれる。さらに他の物質がVEGF、VEGF−C、もしくはそれらの受容体の発現もしくは活性を変調する。代表的物質には以下のものが含まれる。
ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))は、VEGFへ結合する抗体である。ベバシズマブは、所定の癌の処置について承認されている。US2004−0133357は、VEGFを阻害できる追加の抗体について記載している。
US2003−0120038は、阻害活性を有する可能性がある可溶性VEGF受容体フラグメントについて記載している。2004−0054143は、阻害活性を有するVEGFの小ペプチドフラグメントについて記載している。
VEGF活性の多数の小分子阻害剤は知られている。2004−0147449は、4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]コハク酸水素アンモニウムを代表とする1クラスの化合物を含むVEGF−R阻害剤について記載している。
SU5416(セマキサニブ)は、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体2およびKIT受容体チロシンキナーゼの小分子阻害剤である。例えば、Heymach et al. Clin Cancer Res. 2004 Sep 1;10(17):5732−40を参照されたい。SU11248は、また別の代表的な阻害剤である。例えば、Mendel (2003) Clin Cancer Res. 9(1):327−37を参照されたい。
4−[4−(1−アミノ−1−メチルエチル)フェニル]−2−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボニトリル(JNJ−17029259)および5−シアノピリミジンの構造クラス内の関連化合物は、血管内皮増殖因子受容体2(VEGF−R2)ならびに血小板由来増殖因子受容体、線維芽細胞成長因子受容体、VEGF−R1、およびVEGF−R3などの血管新生に関係する他のチロシンキナーゼの経口で利用できる、選択的なナノモル阻害剤である。ナノモルレベルで、JNJ−17029259は、血管新生のラット大動脈環モデルにおける増殖/転移、血管新芽形成、および漿尿膜アッセイにおける新規静脈および動脈の発生を阻害することができる。例えば、Emanuel et al. (2004) Mol Pharmacol. 2004 Sep;66(3):635−47を参照されたい。
さらにまた別の小分子阻害剤は、VEGF−R2チロシンキナーゼ活性を阻害するが、他の増殖因子への追加の阻害作用を備えるZD6474である。例えば、Sandstrom et al. British Journal of Cancer advance online publication, 10 August 2004;doi:10.1038/sj.bjc.6602108www.bjcancer.comを参照されたい。
PTK787/ZK222584は、VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のまた別の小分子阻害剤である。(例えば、Thomas et al. (2003) Semin Oncol. 2003 Jun;30 (3 Suppl 6):32−8を参照されたい)。Mohammadi et al. (1998) EMBO Journal Vol. 17, pp.5896−5904, 1998は、FGFおよびVEGF受容体のチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害するPD173074と称するピリド[2,3−d]ピリミジンクラスの分子について記載している。マウスにおけるPD173074の投与は、明白な毒性を伴わずに血管新生を効果的に遮断できる。
US2002−0165174は、VEGFを損害するオリゴヌクレオチドについて記載している。アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用すると、VEGFおよびVEGF−Cレベルを低下させることができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、癌細胞の増殖、例えば中皮腫細胞増殖を減少させることができる。VEGF受容体(VEGFR−2)およびVEGF−C(VEGFR−3)もまた癌細胞増殖を緩徐化させることが観察されている。US2004−0138163は、VEGFを阻害できるsiRNAについて記載している。アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、およびリボザイムなどの核酸の阻害剤を使用するとVEGF、VEGF−C、もしくはそれらの受容体の発現を変調することができる。例えば、Int J Cancer 2003 May 1;104(5):603−10を参照されたい。
他の方法には、VEGFを生成する細胞を殺滅もしくは阻害することが含まれる。VEGFを発現する細胞にとって高度に毒性であるジフテリア毒素−VEGF融合タンパク質(DT−VEGF)は、中皮腫細胞の増殖を阻害した。例えば、Blood 2001 Sep 15;98(6):1904−13を参照されたい。
VEGFクラスの分子の阻害剤についても、例えばVerheul et al. (2003) Drugs Today (Barc.). 2003;39 Suppl C:81−93において精査されている。
吸入
hK1結合活性を含む組成物は、吸入もしくは他の肺送達の様式のために調製できる。したがって、本明細書に記載した化合物は、肺組織へ吸入によって投与できる。本明細書で使用する用語「肺組織」は、気道の任意の組織を意味しており、特別に指示しない限り、上気道および下気道の両方を含んでいる。hK1結合抗体は、肺疾患を処置するための現行様式の1つまたは複数と組み合わせて投与できる。
1つの実施例では、本化合物はネブライザーのために調製される。1つの実施形態では、本化合物は凍結乾燥形(例、室温で)で貯蔵することができ、吸入前に溶液中で再構成することができる。
医療器具、例えばインヘラーを用いて吸入用の化合物を調製することもまた可能である。例えば、米国特許第6,102,035号(パウダーインヘラー)および第6,012,454号(ドライパウダーインヘラー)を参照されたい。インヘラーは、貯蔵のために適合するpHにある活性化合物のための個別区画および中和用バッファーのためのまた別の区画ならびに噴霧化の直前に本化合物と中和用バッファーとを結合するための機構を含んでいてよい。1つの実施形態では、インヘラーは計量式インヘラーである。
肺の通気道へ局所的に薬物を送達するために使用される3種の一般的システムには、ドライパウダーインヘラー(DPI)、計量式インヘラー(MDI)およびネブライザーが含まれる。吸入投与の中で最も人気のある方法であるMDIは、可溶化形または分散液として医薬品を送達するために使用できる。典型的には、MDIは、器具を作動させると噴霧化された医薬品を軌道内へ推し進めるフレオン(Freon)または他の相当に高度の蒸気圧噴射剤を含んでいる。MDIとは相違して、DPIは、一般にはドライパウダー形にある医薬品を肺の中へ導入するために完全に患者の吸気労作に基づいている。ネブライザーは、溶液にエネルギーを付与することによって吸入される医薬品のエーロゾルを形成する。フルオロケミカル溶媒を用いた液体換気もしくは肺洗浄中の薬物の直接的肺送達もまた検討されてきた。これらやその他の方法を使用すると、hK1結合抗体を送達することができる。1つの実施形態では、hK1結合抗体はポリマー、例えば本化合物を安定化させる、または半減期を増加させるポリマーと結び付けられる。
例えば、吸入によって投与するためには、hK1結合抗体は、加圧式容器または適切な噴射剤を含有するディスペンサーまたはネブライザーからエーロゾルスプレーの形状で送達される。本化合物は、乾燥粒子の形状または液体の形状であってもよい。本化合物を含む粒子は、例えばスプレー乾燥によって、電荷中和剤を備えるhK1結合抗体の水溶液を乾燥させ、次に乾燥粉末から粒子を作製することによって、または有機修飾因子中の水溶液を乾燥させ、次に乾燥粉末から粒子を作製することによって調製することができる。
本化合物は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を使用して、便宜的には加圧パックもしくはネブライザーからのエーロゾルスプレーの形状で送達することができる。加圧エーロゾルの場合には、単位用量は、計量した量を送達するための弁を用意することによって決定できる。インヘラーもしくは吸入器に使用するためのカプセルおよびカートリッジは、hK1結合抗体および粒子が調製された粒子である場合はラクトースもしくはスターチなどの適切なパウダーベースとのパウダーミックスを含有するように調製できる。調製もしくは未調製化合物に加えて、調製もしくは未調製化合物の送達および分散を促進するために、100% DPPCなどの他の物質もしくは他の界面活性剤をhK1結合抗体と混合することができる。乾燥粒子を調製する方法は、例えばPCT Publication WO02/32406に記載されている。
hK1結合抗体は、エーロゾル送達のために、例えば投与されると迅速に吸収され、急速な局所性もしくは全身性処置結果を生じさせることができるように、乾燥エーロゾル粒子として調製することができる。投与は、投与の2分、5分、1時間、または3時間以内に検出可能な活性を提供するように調整することができる。一部の実施形態では、ピーク活性にはいっそうより迅速に、例えば30分以内または10分間以内にさえ達成できる。hK1結合抗体は、生物学的半減期がより長くなるように調製することができ(例えばPEGなどのポリマーと結び付けることによって)、例えば本化合物が肺から循環中に入り、他の器官または特定の標的器官へ分布するように、他の投与様式の代替法として使用できる。
1つの実施形態では、hK1結合抗体は、ポリペプチドの質量の少なくとも5%が下気道もしくは肺深部へ送達されるような量で送達される。肺深部は、極めて富裕な毛細管網を有している。肺胞気腔から毛細管内腔を分離する呼吸膜は極めて薄く(≦6μm)、極めて透過性である。さらに、肺胞表面を内張している液体層は肺界面活性剤が豊富である。他の実施形態では、hK1結合抗体の組成物の少なくとも2%、3%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、もしくは80%が下気道または肺深部へ送達される。これらの組織の一方または両方への送達は、本化合物の効率的吸収および高バイオアベイラビリティを生じさせる。1つの実施形態では、本化合物は、例えばインヘラーもしくはネブライザーを用いて、計量された用量で提供される。例えば、本化合物は、少なくとも約0.02、0.1、0.5、1、1.5、2、5、10、20、40、もしくは50mg/回以上の単位用量形で送達される。
バイオアベイラビリティ率は、次のように計算できる:バイオアベイラビリティ率=(AUCnon−invasive/AUCi.v. or s.c.)×(dosei.v. or s.c./dosenon−invasive)×100。
必ずしも必要ではないが、界面活性剤などの送達強化剤を使用すると、肺送達をいっそう増強することができる。本明細書で使用する「界面活性剤」は、2つの不混和性層間の界面と相互作用することによって薬物の吸収を促進する親水性および脂肪親和性成分を有する化合物を意味する。界面活性剤は、例えば粒子凝集の減少、マクロファージの食作用の減少などのいくつかの理由から乾燥粒子において有用である。肺界面活性剤と結合すると、DPPCなどの界面活性剤は本化合物の核酸を大きく促進するであろうから、本化合物のより効率的吸収を達成できる。界面活性剤は当技術分野においてよく知られており、ホスホグリセリド、例えばホスファチジルコリン、L−α−ホスファチジルコリンジパルミトイル(DPPC)およびジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサデカノール;脂肪酸;ポリエチレングリコール(PEG);ポリオキシエチレン−9−;アウリルエーテル;パルミチン酸;オレイン酸;トリオレイン酸ソルビタン(Span 85);グリココール酸;サーファクチン;ポロキサマー;ソルビタン脂肪酸エステル;トリオレイン酸ソルビタン;チロキサポール;およびリン脂質が含まれるが、それらに限定されない。
1つの実施形態では、本明細書に提供する濃縮物および希釈組成物を含む本組成物において使用するための界面活性剤は、高HLB(親水性―脂肪親和性平衡)界面活性剤である。そのような高HLB界面活性剤は、一般に10より大きなHLBを有する。HLBは、界面活性剤または界面活性剤の混合物の極性の任意スケール上の尺度である。1つの実施形態では、本明細書に提供する組成物は、重量で約3%〜約85%の高HLB界面活性剤を含有する。1つの実施形態では、高HLB界面活性剤は、トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩(TPGS)などのビタミンEのエトキシル化誘導体である。TPGSは約15〜19のHLBを有する。例えば、US2004−0023935を参照されたい。
安定化および貯留
1つの実施形態では、hK1結合抗体は循環中、例えば血液、血清、リンパ、気管支肺胞洗浄液、またはその他の組織中でのその安定化および/または貯留を例えば少なくとも1.5、2、5、10、もしくは50倍改善する成分と物理的に結び付けられている。
例えば、hK1結合抗体は、ポリマー、例えばポリアルキレンオキシドもしくはポリエチレンオキシドなどの実質的に非抗原性ポリマーと結び付けることができる。適切なポリマーは、重量では実質的に変動するであろう。約200〜約35,000(または約1,000〜約15,000、および約2,000〜約12,500)の範囲内の数平均分子量を有するポリマーを使用できる。
例えば、hK1結合抗体は、水溶性ポリマー、例えば親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンへコンジュゲートさせることができる。そのようなポリマーの非限定的リストには、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマー、およびブロックコポリマーの水溶性が維持されていることを条件にそれらのブロックコポリマーなどのポリアルキレンオキシドホモポリマーが含まれる。追加の有用なポリマーには、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ならびにポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのブロックコポリマー(Pluronics)などのポリオキシアルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー;糖単量体であるD−マンノース、D−およびL−ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(例、ポリマンヌロン酸、もしくはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコースならびにホモポリ多糖およびラクトース、アミロペクチン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミロース、デキストラン硫酸、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、もしくは酸性ムコ多糖、例えばヒアルロン酸などのヘテロポリ多糖を含むノイラミン酸を含む分枝状もしくは非分枝状多糖類;ポリソルビトールおよびポリマンニトールなどの糖アルコールのポリマー;ヘパリンもしくはヘパランが含まれる。
その他の化合物を、同一ポリマー、例えば細胞毒素、標識、または他のターゲッティング剤、例えばまた別のhK1結合抗体もしくは非関連性リガンドへ結合させることもできる。架橋結合のためには、モノ活性化アルコキシ基末端ポリアルキレンオキシド(PAO)、例えば、モノメトキシ基末端ポリエチレングリコール(mPEG);C1−4アルキル基末端ポリマー;およびビス活性化ポリエチレンオキシド(グリコール)を使用できる。例えば、米国特許第5,951,974号を参照されたい。
1つの実施形態では、リガンドへ架橋結合する前のポリマーは、水溶性である必要はないが、水溶性であるのが好ましい。一般に、架橋結合後は、生成物は水溶性であり、例えば少なくとも約0.01mg/mL、およびより好ましくは少なくとも約0.1mg/mL、およびさらになおより好ましくは少なくとも約1mg/mLの水溶性を示す。さらに、ポリマーはコンジュゲート形で高度に免疫原性であってはならず、さらにそのコンジュゲートがそのような経路で投与することを意図されている場合は、静脈内注入、エーロゾル化、または注射と不適合である粘性を有していてはならない。
1つの実施形態では、ポリマーは反応性である単一基しか含有していない。これは、リガンド分子が相互に架橋結合するのを回避するのに役立つ。しかし、リガンド分子間の架橋結合を減少させるために反応条件を最高化する、または、または実質的に均質な誘導体を回収するためにゲル濾過もしくはイオン交換クロマトグラフィーを通して反応生成物を精製することもまた本発明の範囲内に含まれる。他の実施形態では、ポリマーはポリマー骨格へ複数のリガンドを結合させるために2つ以上の反応基を含有している。同様に、ゲル濾過もしくはイオン交換クロマトグラフィーを使用すると、実質的に均質な形態で所望の誘導体を回収することができる。
ポリマーの分子量は、約500,000Dまでの範囲に及んでよいが、好ましくは少なくとも約20,000D、もしくは少なくとも約30,000D、または少なくとも約40,000Dである。選択された分子量は、達成すべきコンジュゲートの有効サイズ、ポリマーの性質(例、直鎖状もしくは分枝状などの構造)、および誘導体化度などに依存する可能性がある。
共有結合を使用すると、hK1結合抗体をポリマーへ結合させる、例えばリガンドのN末端アミノ基およびリガンドのリシン残基上で見いだされるεアミノ基、ならびに他のアミノ、イミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、ヒドロキシル、もしくは他の親水性基へ架橋結合させることができる。ポリマーは、多官能(通常は二官能)架橋剤を使用せずにhK1結合抗体へ直接的に共有結合させられてよい。アミノ基への共有結合は、塩化シアヌル、カルボニルジイミダゾール、アルデヒド反応基(PEGアルキコシド+ブロモアセトアルデヒドのジエチルアセチル;PEG+DMSOおよび酢酸無水物、またはPEG塩化物+4−ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、活性化スクシンイミジルエステル、活性化ジチオカルボン酸塩PEG、2,4,5−トリクロロフェニルクロロフォルメートもしくはP−ニトロフェニルクロロフォルメート活性化PEG)に基づく知られている化学反応によって遂行される。カルボキシル基は、カルボジイミドを用いてPEG−アミンを結合させることによって誘導体化できる。スルフヒドリル基は、マレイミド置換PEG(例、アルコキシ−PEGアミン+スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート)(WO97/10847もしくはShearwater Polymers社(アラバマ州ハンツヴィルから市販で入手できるPEG−マレイミド))へ結合させることによって誘導体化することができる。または、リガンド上の遊離アミノ基(例、リシン残基上のεアミノ基)は、例えばPedley et al., Br. J. Cancer, 70:1126−1130 (1994)に記載されているように、2−イミノ−チオラン(Traut試薬)とチオール化し、次にPEGのマレイミド含有誘導体へ結合させることができる。
hK1結合抗体へ結合させることのできる官能化PEGポリマーは、例えば、Shearwater Polymers社(アラバマ州ハンツヴィル)から入手できる。そのような市販で入手できるPEG誘導体には、例えば、アミノ−PEG、PEGアミノ酸エステル、PEG−ヒドラジド、PEG−チオール、PEG−コハク酸塩、カルボキシメチル化PEG、PEG−プロピオン酸、PEGアミノ酸、PEGスクシンイミジルコハク酸塩、PEGスクシンイミジルプロピオン酸塩、カルボキシメチル化PEGのスクシンイミジルエステル、PEGのスクシンイミジル炭酸塩、アミノ酸PEGのスクシンイミジルエステル、PEG−オキシカルボニルイミダゾール、PEG−ニトロフェニル炭酸塩、PEGトレシレート、PEG−グリシジルエーテル、PEG−アルデヒド、PEGビニルスルホン、PEG−マレイミド、PEG−オルソピリジル−ジスルフィド、ヘテロ官能性PEG、PEGビニル誘導体、PEGシラン、およびPEGホスホリドが含まれる。これらのPEG誘導体を結合させるための反応条件は、hK1結合抗体、所望のPEG化度、および利用されるPEG誘導体に依存して変動してよい。PEG誘導体の選択に含まれる一部の因子には、所望の結合点(リシンもしくはシステインR基など)、誘導体の親水性安定性および反応性、結合の安定性、毒性および抗原性、分析のための適合性などが含まれる。任意の特定の誘導体を使用するための特別の取扱説明書は、製造業者から入手できる。
hK1結合抗体およびポリマーのコンジュゲートは、例えば、ゲル濾過もしくはイオン交換クロマトグラフィー、例えばHPLCによって未反応出発物質から分離することができる。コンジュゲートの異種は、同一方法で相互から精製される。相違する種(例えば、1つまたは2つのPEG残基を含有する)の分解もまた、未反応アミノ酸のイオン特性における差のために可能である。例えば、WO96/34015を参照されたい。
以下は、hK1結合タンパク質、特別にはhK1阻害剤を同定するための1つの代表的な戦略である。
1) KLK1 cDNA
KLK1 cDNAを哺乳動物細胞、大腸菌、およびP.パストリス中で発現させるために発現ベクター内へサブクローニングした。サブクローニングした物質の配列は、DNAシーケンシングによって確証した。
2) P.パストリス中でのタンパク質の発現
上記でサブクローニングしたcDNAを用いてP.パストリスを形質転換させ、タンパク質ゲル電気泳動法および酵素活性測定によって評価してhK1の発現についてクローンを選択した。最適化発現条件を決定し、大容量(2L)のP.パストリス培養中でタンパク質を誘導した。
3)タンパク質の精製
hK1は、Chan et al. (1998) Protein Expr Purif, 12(3):p.361−70にしたがって精製した。
4)ファージ提示法による選択およびスクリーニング
組換えhK1に対する結合剤は、Fabファージ提示ライブラリーから選択されている。
hK1酵素の活性部位で結合する抗体の選択に有益であるように2つの戦略を使用した(図)。活性部位結合剤は、hK1への結合について酵素基質と競合し、hK1タンパク質分解活性を阻害できる。どちらのファージ提示選択戦略もビーズ上に固定化したhK1を使用する方法を用いた。ビーズは、リン酸緩衝食塩液および0.1% Tween 20(PBST)を含む総量500μL中で5μgのビオチニル化hK1と5mgのストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(Dynal)とを混合し、この混合液を一晩4℃でインキュベートすることによって調製した。この混合液を次にPBSTで5回洗浄し、1μMの遊離ビオチンを添加し、再びPBSTで5回洗浄し、最後にPBST中の2%脱脂粉乳を用いて1時間にわたりブロッキングした。この固定化方法は、ビオチニル化hK1の完全な捕捉を生じさせ、酵素的に活性な固定化hK1を産生した。
第1選択戦略では、ファージ(力価=1×1013pfu)をPBST中の0.25mLの固定化hK1ビーズと一緒に総量1mLで5分間にわたりインキュベートした。固定化hK1に結合したファージは磁気装置を用いて抽出し、非特異的ファージは自動プレート洗浄装置上でPBSTを用いる12回の洗浄サイクルによって溶出させた(第1選択)。次にファージを抽出したビーズから、hK1の活性部位から溶出したファージを入手するために、hK1の活性部位阻害剤である25μMのアプロチニンとの2時間にわたるインキュベーションによって抽出した。アプロチニンによって溶出したファージおよびビーズ上に残留したファージを標準方法にしたがって増幅させ、各々を1×1011pfuの力価に調整し、この戦略の次および最終ラウンドの選択のためのインプットファージとして個別に使用した(第IIラウンド)。
第IIラウンドでは、2つのファージ集団(2つの「セット」とも呼ばれ、一方はアプロチニンにより溶出され、他方はアプロチニン溶出後に結合したまま残留している)を個別の0.05mLの固定化hK1ビーズへ添加し、PBSTを用いて総量を1mLとし、5分間にわたりインキュベートし、その後に12回の洗浄サイクルを実施した。第IIラウンドからの2つの「セット」を、次に25μMのアプロチニンによる2時間の溶出を受けさせると、hK1への結合についてELISAによってスクリーニングするための計4つのファージ集団(「プール」とも呼ばれる)が産生した。プール1は、第Iラウンドのアプロチニン溶出および第IIラウンドのアプロチニン溶出に由来し、プール2は第Iラウンドのアプロチニン溶出および第2ラウンドにおけるビーズ上に残留したファージに由来し、プール3は第Iラウンドにおいてビーズ上に残留したファージおよび第IIラウンドにおいてアプロチニンにより溶出されたファージに由来し、そしてプール4は第Iラウンドにおいてビーズ上に残留したファージおよび第IIラウンドにおいてビーズ上に残留したファージに由来した。
第2選択ではまた別の戦略を想起し、ファージ(力価=1×1013pfu)から25μMのアプロチニンを0.25mLの固定化hK1ビーズへ添加し、PBSTを用いて総量1mLにすることによって調製した固定化hK1−アプロチニン複合体とファージとを1時間にわたり3回インキュベートすることによって、非活性部位hK1結合剤を最初に枯渇させた。枯渇させたファージは、次に1mL中の0.25mLの固定化hK1ビーズへ5分間にわたり添加し、PBSTを用いる12回の洗浄サイクルを実施した。ビーズ上に残留したファージを次に増幅させ、1×1011pfuの力価へ調整し、第2ラウンドのためのインプットとして使用した。第IIおよびIIIラウンドは、第Iラウンドについて記載したように実施したが、各ラウンドはhK1−アプロチニン複合体に対する初期枯渇工程を有しており、その後に0.25mLの固定化hK1ビーズに対する選択を実施した。この選択戦略は、1つのファージ集団(プール5)を生成したので、これをhK1に対する結合剤についてELISAによってスクリーニングした。
上記の5つのプールからのファージを可溶性Fab ELISAによってそれらがhK1へ結合する能力についてアッセイした。このELISAを実施する前には、遺伝子III融合を用いずにFabが発現するのを許容するためにファージミドDNAを修飾することが必要であった。このDNA修飾は、大腸菌TG1細胞中で5つのプール各々のファージミドDNAを最初に調製し、MluI制限酵素を用いて二重DNA消化を実施することによって実施したが、これは遺伝子III断端フラグメントをコードするDNAを遊離するであろう。ゲル精製後、ベクターを再ライゲートし(遺伝子III断端を含まないpMID21ベクター)、大腸菌TG1細胞内へエレクトロポレーションした。形質転換体をプレーティングし、コロニーを取り出し、30℃で約3時間かけて、100μg/mLのアンピシリンおよび0.1%のグルコースを含有する96ウエルプレート内の100μLの2xYT中で増殖させた。Fabは、30℃で16時間にわたり1mMのイソプロピルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)を添加すると発現した。次にプレートを600gで10分間にわたり回転させ、ELISAのためには50μLの上清を使用した。
可溶性Fab ELISAは、最初に96ウエルプレートのウエルを0.1Mの重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)中の2μg/mLのストレプトアビジンで被覆し、4℃で一晩おくことによって実施した。PBSTを用いて洗浄し1%のウシ血清アルブミンを用いてブロックした後、10ngのビオチニル化hK1を加え、室温で1時間インキュベートした。遊離hK1はPBSTを用いる5回の洗浄によって除去した。上述したFab発現からの上清(50μL)をプレート上に固定化されたhK1へ加え、室温で1時間インキュベートした。未結合FabはPBSTを用いる7回の洗浄によって除去し、100μLのホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ抱合抗Fab抗体をウエルに添加した。遊離第2抗体は、PBSTを用いる7回の洗浄によって除去し、630nmでの吸光度の増加によって結合したFabの検出を許容するように100μLの比色ペルオキシダーゼ基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン/過酸化水素)を加えた。このELISAを用いて960の発現したFabを5つの選択プール各々について分析したので、分析したFab総数は4800となった。
5) DNAシーケンシング
1152種のELISA陽性可溶性FabをDNAシーケンシングにかけると、335のFabが別個の重鎖を有していた。
6) Fab結合親和性および酵素阻害効力の決定
表面プラズモン共鳴法(SPR)によって335種のFabを決定した。0.4〜100nM超の範囲内の結合定数が得られた(表1)。酵素活性の阻害は、最初に120nMの単一Fab濃度で全335種のFabについてスクリーニングし、次に選択した数のFabについてIC50値を決定した(表1)。IC50が決定されていないFabであるかどうかは、酵素阻害剤であるかどうかに関係する可能性がある。阻害剤は、気管支肺胞洗浄(BAL)液中に存在する気管支組織カリクレイン活性を阻害する能力について決定するためにさらに評価できる。
さらに、hK1を阻害することが見いだされた24種の最高親和性Fabをさらに詳細に試験した。表1においてこれらのFabを指示するために星印を使用した。これらのFabは、新規の高スループット法を用いて生成した少量のFabを用いる高スループットSPR法および酵素阻害スクリーニングの組み合わせを使用して最初に同定した。標準抗体精製法を用いる大量のこれらの24種のFabの精製は、それらの生化学的特性のより正確かつ詳細な試験を可能にする。定常状態酵素阻害アッセイは、黒色で96ウエルの丸底マイクロプレート内において、5nMのhK1、様々な濃度のFabおよび100μMのPro−Phe−Arg−AMC基質を含有する総量100μLの反応バッファー(20mMのTris(pH7.5)、150mMのNaCl、1mMのEDTA、0.1% PEG、0.1%のTriton X−100)中で実施した。反応を開始させるために基質を添加する前に、hK1およびFabは30℃のアッセイプレートのウエル内で、1時間にわたりインキュベートした。基質を加え、反応は、360nmの励起波長および460nmの発光波長を用いる蛍光プレートリーダー(Gemini XS、Molecular Devices社)を使用して監視した。基質加水分解の初期速度を阻害剤濃度に対してプロットし、IC50推定値を提供するために非線形回帰によって酵素阻害について標準双曲線方程式へ当てはめた。
特定の代表的抗体はM0103−A01の形で指定されている。全部の名称が「M0」で始まるので、これらの名称はときどき先頭の「M0」を外して短縮される。抗体名「103−A01」は、「M0103−A01」と同一抗体を意味する。M0103−A01のHCはHC−103−A01と称され、LCはLC−103−A01と称される。
7) 気道炎症試験のマウスモデル
Fabは、例えば、Kips et al., (2003) “Murine models of asthma” Eur. Respir. J. 22, 374−382に記載されているように、喘息のマウスモデルにおいて気道炎症を変調する能力について評価できる。Fabは、さらにまたIgG分子として再構成して、本明細書に記載した1つまたは複数のアッセイを用いて評価することもできる。
(表1:結合データ)
代表的な抗体は、以下の配列を含んでいる:
以下は代表的な軽鎖可変領域のアミノ酸配列である:
上記の軽鎖可変ドメインは、以下の軽鎖可変クラスに由来する:
抗体098−E09は、CDR1で配列TGTSSDIGAYNYVS(配列番号1)、CDR2で配列DVSNRPS(配列番号2)、およびCDR3で配列SSYRSSSLM(配列番号3)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMS(配列番号4)、CDR2で配列YIYPSGGKTHYADSVKG(配列番号5)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号6)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−F07は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号7)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号8)、およびCDR3で配列QQSYSTPLT(配列番号9)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYKMV(配列番号10)、CDR2で配列SIYPSGGITAYADSVKG(配列番号11)、およびCDR3で配列DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDV(配列番号12)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−F04は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号13)、CDR2で配列AASSLER(配列番号14)、およびCDR3で配列QQYHNFPLT(配列番号15)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYEME(配列番号16)、CDR2で配列SIRPSGGRTVYADSVKG(配列番号17)、およびCDR3で配列GRSNYYGSGSYSPKYFQH(配列番号18)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−E12は、CDR1で配列RASQSVSSNYLS(配列番号19)、CDR2で配列GTSNRAS(配列番号20)、およびCDR3で配列QQYGGAPLFI(配列番号21)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYNMN(配列番号22)、CDR2で配列VIYPSGGQTHYADSVKG(配列番号23)、およびCDR3で配列RGIWHSFDI(配列番号24)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−F03は、CDR1で配列SGTNSNIGSNSVF(配列番号25)、CDR2で配列RNSQRPS(配列番号26)、およびCDR3で配列ATWDDSLRSPV(配列番号27)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYSMT(配列番号28)、CDR2で配列SIYPSGGKTTYADSVKG(配列番号29)、およびCDR3で配列MVAPYYYDSSGYPPAEYFQH(配列番号30)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−G12は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号31)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号32)、およびCDR3で配列QQSYSTPRT(配列番号33)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列LYFMT(配列番号34)、CDR2で配列SISSSGGSTKYADSVKG(配列番号35)、およびCDR3で配列GGQWLAFDY(配列番号36)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−E09は、CDR1で配列TGTSSDVGSYKLVS(配列番号37)、CDR2で配列EGSKRPS(配列番号38)、およびCDR3で配列CSYAGSSTWV(配列番号39)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYAMD(配列番号40)、CDR2で配列VIYSSGGKTTYADSVKG(配列番号41)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号42)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体106−G12は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号43)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号44)、およびCDR3で配列QQANSFPHT(配列番号45)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYLMF(配列番号46)、CDR2で配列GIYPSGGQTVYADSVKG(配列番号47)、およびCDR3で配列AIGAGSSF(配列番号48)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−H11は、CDR1で配列RASRGISNWLA(配列番号49)、CDR2で配列SASTLHA(配列番号50)、およびCDR3で配列QEGNSFPYT(配列番号51)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYSMN(配列番号52)、CDR2で配列SIGPSGGGTKYADSVKG(配列番号53)、およびCDR3で配列RGQRKQWLPPNGAFDI(配列番号54)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−C09は、CDR1で配列WTIYDISSWLA(配列番号55)、CDR2で配列AASRLAT(配列番号56)、およびCDR3で配列QQTKDFPLT(配列番号57)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYGMQ(配列番号58)、CDR2で配列YIYPSGGGTVYADSVKG(配列番号59)、およびCDR3で配列RVAVAGSWYYYYYGMDV(配列番号60)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体098−G05は、CDR1で配列SGSSSNIGSNYVY(配列番号61)、CDR2で配列RNNQRPS(配列番号62)、およびCDR3で配列AAWDDSLSGVV(配列番号63)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列AYLMA(配列番号64)、CDR2で配列SIRPSGGETRYADSVKG(配列番号65)、およびCDR3で配列DQKGYPDSSSFRRYYYYYGMDV(配列番号66)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−E10は、CDR1で配列TGTNTDVGGYNLVS(配列番号67)、CDR2で配列EVSNRPS(配列番号68)、およびCDR3で配列GSYTSSSTHV(配列番号69)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYVMT(配列番号70)、CDR2で配列VIYPSGGATKYADSVKG(配列番号71)、およびCDR3で配列RGAGGMDV(配列番号72)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−A07は、CDR1で配列RASHVINIDLG(配列番号73)、CDR2で配列GASHLQR(配列番号74)、およびCDR3で配列LQDSFYPRT(配列番号75)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYSMQ(配列番号76)、CDR2で配列SIGPSGGRTWYADSVKG(配列番号77)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号78)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−G01は、CDR1で配列RASQDIASWLA(配列番号79)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号80)、およびCDR3で配列QQANSFPFT(配列番号81)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYKMG(配列番号82)、CDR2で配列SIYPSGGVTTYADSVKG(配列番号83)、およびCDR3で配列NINLRYDILTGYFDI(配列番号84)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−G11は、CDR1で配列RASQGISSWLV(配列番号85)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号86)、およびCDR3で配列QQAKTFPLT(配列番号87)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYMMH(配列番号88)、CDR2で配列GIGPSGGKTPYADSVKG(配列番号89)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号90)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−A09は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号91)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号92)、およびCDR3で配列QQRSNWLWT(配列番号93)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMQ(配列番号94)、CDR2で配列GIGPSGGSTTYADSVKG(配列番号95)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号96)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体114−G06は、CDR1で配列TGTSSDVGAYNYVS(配列番号97)、CDR2で配列EVNKRPS(配列番号98)、およびCDR3で配列NSYAGSNSLI(配列番号99)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYSMF(配列番号100)、CDR2で配列SIYPSGGQTDYADSVKG(配列番号101)、およびCDR3で配列RGLLWSFDS(配列番号102)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−C02は、CDR1で配列TGTSSDVGAYNYVS(配列番号103)、CDR2で配列EVNKRPS(配列番号104)、およびCDR3で配列NSYAGSNSLI(配列番号105)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYQMS(配列番号106)、CDR2で配列RIGPSGGLTSYADSVKG(配列番号107)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号108)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−F09は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号109)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号110)、およびCDR3で配列QQRSNWPSPIA(配列番号111)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMI(配列番号112)、CDR2で配列WIYPSGGNTIYADSVKG(配列番号113)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号114)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体110−F08は、CDR1で配列RASQGIRNDLG(配列番号115)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号116)、およびCDR3で配列LQDYNYPRT(配列番号117)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYFMI(配列番号118)、CDR2で配列SIVPSGGPTRYADSVKG(配列番号119)、およびCDR3で配列RGPVYYYDSSGSHSAFDI(配列番号120)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体117−F04は、CDR1で配列SGSNSNIGNNFVY(配列番号121)、CDR2で配列RNNQRPS(配列番号122)、およびCDR3で配列AAWDDSLSGVL(配列番号123)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYHMS(配列番号124)、CDR2で配列SIRPSGGSTIYADSVKG(配列番号125)、およびCDR3で配列EPRRYYYDSSGSYDAFDI(配列番号126)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体111−D11は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号127)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号128)、およびCDR3で配列QQRGGWPLT(配列番号129)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYPMT(配列番号130)、CDR2で配列SISSSGGKTQYADSVKG(配列番号131)、およびCDR3で配列GGSSTLYFMDV(配列番号132)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体112−D07は、CDR1で配列SGSSSNIGSNYVH(配列番号133)、CDR2で配列RNNRRPS(配列番号134)、およびCDR3で配列AAWDDSLSGLVV(配列番号135)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYQMW(配列番号136)、CDR2で配列SISSSGGLTRYADSVKG(配列番号137)、およびCDR3で配列VKLNYYGSGSYSLDAFDI(配列番号138)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−B05は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号139)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号140)、およびCDR3で配列QQSYNAPWT(配列番号141)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYVMS(配列番号142)、CDR2で配列SIRSSGGRTMYADSVKG(配列番号143)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号144)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−D01は、CDR1で配列TGTSSDVGAYNYVS(配列番号145)、CDR2で配列DVSNRPS(配列番号146)、およびCDR3で配列SSFTSRKTWV(配列番号147)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYAMV(配列番号148)、CDR2で配列YISPSGGATWYADSVKG(配列番号149)、およびCDR3で配列PSRPRYYYDSSGYYSSAFDI(配列番号150)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体137−E01は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号151)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号152)、およびCDR3で配列QQYGSSLT(配列番号153)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYSMT(配列番号154)、CDR2で配列RIYPSGGRTGYADSVKG(配列番号155)、およびCDR3で配列DSGGYYYGMDV(配列番号156)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体132−C08は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号157)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号158)、およびCDR3で配列QQSYRSPYT(配列番号159)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMA(配列番号160)、CDR2で配列RIGPSGGYTMYADSVKG(配列番号161)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号162)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体114−G09は、CDR1で配列RASQSIGASLN(配列番号163)、CDR2で配列TASNLQS(配列番号164)、およびCDR3で配列QQNYRGRT(配列番号165)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYNMG(配列番号166)、CDR2で配列RIGSSGGKTAYADSVKG(配列番号167)、およびCDR3で配列TNYDFWSGYLPNPNPYPLDY(配列番号168)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−A03は、CDR1で配列TGTSSDVNYVS(配列番号169)、CDR2で配列AVTKRPS(配列番号170)、およびCDR3で配列SSYAGSNNLV(配列番号171)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMD(配列番号172)、CDR2で配列YIGPSGGSTRYADSVKG(配列番号173)、およびCDR3で配列HVPPGT(配列番号174)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−H01は、CDR1で配列TGTSSDVGAYNYVS(配列番号175)、CDR2で配列DVSNRPS(配列番号176)、およびCDR3で配列SSYTSSYTWV(配列番号177)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYHMQ(配列番号178)、CDR2で配列SIRPSGGETRYADSVKG(配列番号179)、およびCDR3で配列EVTMVRGVYYYYYGMDV(配列番号180)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体108−D11は、CDR1で配列SGSSSNIGSNYVY(配列番号181)、CDR2で配列RNNQRPS(配列番号182)、およびCDR3で配列AAWDDSLSGHAV(配列番号183)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYQMH(配列番号184)、CDR2で配列RIRSSGGATSYADSVKG(配列番号185)、およびCDR3で配列GGGYSYYFDY(配列番号186)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−E12は、CDR1で配列TGTSTDDVGGYNYVS(配列番号187)、CDR2で配列DVINRPS(配列番号188)、およびCDR3で配列SSYTSRGTRV(配列番号189)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列DYRMW(配列番号190)、CDR2で配列YIVPSGGQTSYADSVKG(配列番号191)、およびCDR3で配列GSAYQRRTYSSGWYSASGRRGTAEYFQH(配列番号192)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−D07は、CDR1で配列RASQSISNWLA(配列番号193)、CDR2で配列MASTLES(配列番号194)、およびCDR3で配列QQYNSYSVT(配列番号195)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMY(配列番号196)、CDR2で配列WIGPSGGHTMYADSVKG(配列番号197)、およびCDR3で配列LQQGLDY(配列番号198)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−E02は、CDR1で配列RASQSVSSNYLA(配列番号199)、CDR2で配列YGASYRAT(配列番号200)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号201)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMY(配列番号202)、CDR2で配列RIYPSGGATSYADSVKG(配列番号203)、およびCDR3で配列SGSWYSFDY(配列番号204)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−F09は、CDR1で配列RASQGIGNYLV(配列番号205)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号206)、およびCDR3で配列QKYDGAPFT(配列番号207)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYYMQ(配列番号208)、CDR2で配列GISSSGGSTQYADSVKG(配列番号209)、およびCDR3で配列SQRRTYYPNFGDAFDI(配列番号210)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体134−B03は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号211)、CDR2で配列KASSLES(配列番号212)、およびCDR3で配列QQYNSYRYT(配列番号213)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYWMM(配列番号214)、CDR2で配列WIGSSGGFTWYADSVKG(配列番号215)、およびCDR3で配列GNGGFDS(配列番号216)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体104−H12は、CDR1で配列SGTLSNIGTNTVS(配列番号217)、CDR2で配列NDHRRPS(配列番号218)、およびCDR3で配列AAWDDSLNGVV(配列番号219)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYKMV(配列番号220)、CDR2で配列SIYPSGGITAYADSVKG(配列番号221)、およびCDR3で配列DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDV(配列番号222)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−F03は、CDR1で配列RSSQSLVYSDGNTYLN(配列番号223)、CDR2で配列KVSNRDS(配列番号224)、およびCDR3で配列MQGTHWQRLT(配列番号225)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYFMV(配列番号226)、CDR2で配列GIGPSGGLTTYADSVKG(配列番号227)、およびCDR3で配列SDWLNY(配列番号228)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体134−D07は、CDR1で配列TGGRRDIGNYNYVS(配列番号229)、CDR2で配列DVRKRPS(配列番号230)、およびCDR3で配列GSYTGTSNV(配列番号231)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMS(配列番号232)、CDR2で配列RIYPSGGQTYYADSVKG(配列番号233)、およびCDR3で配列GAGWFDP(配列番号234)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−C12は、CDR1で配列RASQSVGSDYLA(配列番号235)、CDR2で配列AASTRAT(配列番号236)、およびCDR3で配列QQYASPPRT(配列番号237)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYAMH(配列番号238)、CDR2で配列WISPSGGQTKYADSVKG(配列番号239)、およびCDR3で配列AKVLRYFDWLLGGDAFDI(配列番号240)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−F04は、CDR1で配列RASQSVSFNLA(配列番号241)、CDR2で配列FDASNRAT(配列番号242)、およびCDR3で配列QQYGTSPFT(配列番号243)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYFME(配列番号244)、CDR2で配列GISSSGGNTLYADSVKG(配列番号245)、およびCDR3で配列DRFGNYYGSGSKLQHDAFDI(配列番号246)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体111−C10は、CDR1で配列RASQTIRTYLN(配列番号247)、CDR2で配列DASNLQT(配列番号248)、およびCDR3で配列QQSYGGPPT(配列番号249)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYSMS(配列番号250)、CDR2で配列RIRPSGGRTDYADSVKG(配列番号251)、およびCDR3で配列DRLYYYGSGSYYYGAFDI(配列番号252)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体094−E08は、CDR1で配列RASQSISTYLN(配列番号253)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号254)、およびCDR3で配列QQYNSFPFS(配列番号255)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMD(配列番号256)、CDR2で配列VIYPSGGHTNYADSVKG(配列番号257)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号258)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−B10は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号259)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号260)、およびCDR3で配列QQWDT(配列番号261)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYKMG(配列番号262)、CDR2で配列SIRPSGGATKYADSVKG(配列番号263)、およびCDR3で配列VGIWDAFDI(配列番号264)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−F09は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号265)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号266)、およびCDR3で配列QQTYSTLFT(配列番号267)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYKME(配列番号268)、CDR2で配列RIRPSGGVTKYADSVKG(配列番号269)、およびCDR3で配列GGLWDAFDI(配列番号270)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体104−A12は、CDR1で配列SGSSSNIGSNIVS(配列番号271)、CDR2で配列SNNRRPS(配列番号272)、およびCDR3で配列AAWDDSLNGHV(配列番号273)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYTMT(配列番号274)、CDR2で配列SIYPSGGHTSYADSVKG(配列番号275)、およびCDR3で配列DTRVGPWLVRAPLDY(配列番号276)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体132−D02は、CDR1で配列TGTSTDVGGYNYVS(配列番号277)、CDR2で配列DVSNRPS(配列番号278)、およびCDR3で配列SSYTNTITVV(配列番号279)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMY(配列番号280)、CDR2で配列RIGPSGGWTKYADSVKG(配列番号281)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号282)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−C04は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号283)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号284)、およびCDR3で配列QQYGSSPFT(配列番号285)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMH(配列番号286)、CDR2で配列VIYPSGGTTKYADSVKG(配列番号287)、およびCDR3で配列GNSGSHDY(配列番号288)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体132−H11は、CDR1で配列RASQGIGNYLA(配列番号289)、CDR2で配列KTSNLQS(配列番号290)、およびCDR3で配列QRYDSYSQYI(配列番号291)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列MYVMN(配列番号292)、CDR2で配列RIGSSGGGTLYADSVKG(配列番号293)、およびCDR3で配列VSVYRIRNYYYYAMDV(配列番号294)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体132−D08は、CDR1で配列RASQSVSGFLA(配列番号295)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号296)、およびCDR3で配列QQYGDSSPIT(配列番号297)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列MYGMT(配列番号298)、CDR2で配列GISPSGGRTYYADSVKG(配列番号299)、およびCDR3で配列HRRDYVWWTYGMDV(配列番号300)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体121−A07は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号301)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号302)、およびCDR3で配列QQANSFPSLT(配列番号303)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYSMQ(配列番号304)、CDR2で配列GIRPSGGSTRYADSVKG(配列番号305)、およびCDR3で配列STGGYYYGMDV(配列番号306)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体126−F11は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号307)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号308)、およびCDR3で配列QQRSNWPPYT(配列番号309)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYMMG(配列番号310)、CDR2で配列SIRSSGGATAYADSVKG(配列番号311)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号312)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体098−G01は、CDR1で配列RASQAISTNLN(配列番号313)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号314)、およびCDR3で配列QQTFSPPHT(配列番号315)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYYME(配列番号316)、CDR2で配列SISSSGGSTEYADSVKG(配列番号317)、およびCDR3で配列DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDV(配列番号318)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−C02は、CDR1で配列GASQSVSSSYLA(配列番号319)、CDR2で配列DASSRAT(配列番号320)、およびCDR3で配列LHDYNFPFT(配列番号321)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMI(配列番号322)、CDR2で配列GIYSSGGTTKYADSVKG(配列番号323)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号324)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体115−G12は、CDR1で配列RASQAISNYLA(配列番号325)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号326)、およびCDR3で配列QTYYSVPFT(配列番号327)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列IYAMI(配列番号328)、CDR2で配列SIYSSGGPTQYADSVKG(配列番号329)、およびCDR3で配列GRRTYYYDSSGYYKYAAFDI(配列番号330)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−B05は、CDR1で配列TGTSSDVGGYNYLS(配列番号331)、CDR2で配列GVSNRPS(配列番号332)、およびCDR3で配列SSYTSTGTRV(配列番号333)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYTMT(配列番号334)、CDR2で配列VIYPSGGHTTYADSVKG(配列番号335)、およびCDR3で配列GGRWFSLDY(配列番号336)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−F08は、CDR1で配列TGGRRDIGNYNYVS(配列番号337)、CDR2で配列DVRKRPS(配列番号338)、およびCDR3で配列GSYTGTSNV(配列番号339)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMQ(配列番号340)、CDR2で配列SIYPSGGSTRYADSVKG(配列番号341)、およびCDR3で配列FNVGFDL(配列番号342)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体110−H11は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号343)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号344)、およびCDR3で配列QQSYSTLYT(配列番号345)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYRMS(配列番号346)、CDR2で配列SISPSGGPTKYADSVKG(配列番号347)、およびCDR3で配列PSGDSSVYRPFAS(配列番号348)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体110−D11は、CDR1で配列TDTSGNVGSYNLVS(配列番号349)、CDR2で配列EVSRRPS(配列番号350)、およびCDR3で配列CSYAGSNTYV(配列番号351)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYSMV(配列番号352)、CDR2で配列RIYSSGGSTHYADSVKG(配列番号353)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号354)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体114−H07は、CDR1で配列SGGSSNIGSNRVN(配列番号355)、CDR2で配列SNNQRPS(配列番号356)、およびCDR3で配列AAWDDNLIGPV(配列番号357)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYHMY(配列番号358)、CDR2で配列YIRPSGGNTNYADSVKG(配列番号359)、およびCDR3で配列DRRGYSSSKGYYYYGMDV(配列番号360)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体098−E01は、CDR1で配列SGSSSNIGSNYVY(配列番号361)、CDR2で配列RNNQRPS(配列番号362)、およびCDR3で配列AAWDDSMSGVV(配列番号363)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYFMH(配列番号364)、CDR2で配列YISSSGGLTGYADSVKG(配列番号365)、およびCDR3で配列RGPVYYYDSSGSHSAFDI(配列番号366)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−C11は、CDR1で配列TGSTSDVGGYTYVS(配列番号367)、CDR2で配列DVSKRPS(配列番号368)、およびCDR3で配列CSYAGSYSYV(配列番号369)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYHMD(配列番号370)、CDR2で配列VIGPSGGFTRYADSVKG(配列番号371)、およびCDR3で配列ALGGSLDY(配列番号372)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体095−A11は、CDR1で配列TATSSDLGSYNFVS(配列番号373)、CDR2で配列EVSRRPS(配列番号374)、およびCDR3で配列CSYAGSNTYV(配列番号375)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYSMM(配列番号376)、CDR2で配列SIYPSGGFTKYADSVKG(配列番号377)、およびCDR3で配列VGFYGGFV(配列番号378)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体092−F08は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号379)、CDR2で配列KASSLGS(配列番号380)、およびCDR3で配列QQYYSYSQT(配列番号381)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYPMH(配列番号382)、CDR2で配列YIGPSGGWTRYADSVKG(配列番号383)、およびCDR3で配列APSGY(配列番号384)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体104−B12は、CDR1で配列TGTSSDVGLYNFVS(配列番号385)、CDR2で配列DVSRRPS(配列番号386)、およびCDR3で配列SSYAGSNNYV(配列番号387)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYRMS(配列番号388)、CDR2で配列VISPSGGITEYADSVKG(配列番号389)、およびCDR3で配列HERGSGYYVTPPAGAFDI(配列番号390)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体109−A11は、CDR1で配列RASQSIANYLN(配列番号391)、CDR2で配列AASRLHS(配列番号392)、およびCDR3で配列QQSHASPLT(配列番号393)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYAMG(配列番号394)、CDR2で配列RIWPSGGHTQYADSVKG(配列番号395)、およびCDR3で配列GYSSTWGAFDI(配列番号396)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−G03は、CDR1で配列TGTSSDVGGYNYVS(配列番号397)、CDR2で配列EVSNRPS(配列番号398)、およびCDR3で配列SSYKRGGTYV(配列番号399)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYGMG(配列番号400)、CDR2で配列VIRPSGGTTRYADSVKG(配列番号401)、およびCDR3で配列GGRYYSLDY(配列番号402)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体135−E10は、CDR1で配列RASQSVTTFLA(配列番号403)、CDR2で配列GASSRAA(配列番号404)、およびCDR3で配列QQYRFSPPT(配列番号405)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYNMA(配列番号406)、CDR2で配列SIWPSGGRTRYADSVKG(配列番号407)、およびCDR3で配列GVRSSGLLERGRVYDAFDI(配列番号408)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体130−B02は、CDR1で配列RASQSVSGSYLA(配列番号409)、CDR2で配列GAYSRAT(配列番号410)、およびCDR3で配列QHYGSSPRT(配列番号411)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYQMH(配列番号412)、CDR2で配列SIRPSGGRTAYADSVKG(配列番号413)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号414)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−D04は、CDR1で配列RAGQNIYYWLA(配列番号415)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号416)、およびCDR3で配列QQAKSFPVT(配列番号417)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYIMS(配列番号418)、CDR2で配列SIVSSGGVTLYADSVKG(配列番号419)、およびCDR3で配列NINLRYDILTGYFDI(配列番号420)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−G06は、CDR1で配列SGTSSDVGAYYHVS(配列番号421)、CDR2で配列EVTNRPS(配列番号422)、およびCDR3で配列SSYTTSNTLV(配列番号423)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYVMR(配列番号424)、CDR2で配列SIYPSGGQTRYADSVKG(配列番号425)、およびCDR3で配列GYSSTWGAFDI(配列番号426)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体108−E11は、CDR1で配列RASQSVSSNLA(配列番号427)、CDR2で配列GASTRAT(配列番号428)、およびCDR3で配列QQNNNWPPSFT(配列番号429)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYTML(配列番号430)、CDR2で配列SIYSSGGSTYYADSVKG(配列番号431)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号432)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体127−C06は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号433)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号434)、およびCDR3で配列QQYGSSRYT(配列番号435)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYTMF(配列番号436)、CDR2で配列SIYPSGGITRYADSVKG(配列番号437)、およびCDR3で配列VSFWNAFDI(配列番号438)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体105−B06は、CDR1で配列RASQTISSYLN(配列番号439)、CDR2で配列TTSSLQS(配列番号440)、およびCDR3で配列QQSHSSPT(配列番号441)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMY(配列番号442)、CDR2で配列SIYPSGGFTAYADSVKG(配列番号443)、およびCDR3で配列RGVYGTFDI(配列番号444)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体107−D01は、CDR1で配列RASQDVRRFLA(配列番号445)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号446)、およびCDR3で配列QQANSFPIT(配列番号447)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMS(配列番号448)、CDR2で配列YIRSGGYTTYADSVKG(配列番号449)、およびCDR3で配列ERVFCSGGRCGSYFDY(配列番号450)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体107−F11は、CDR1で配列RASQSVYSSYLA(配列番号451)、CDR2で配列AASNR(配列番号452)、およびCDR3で配列QQSYSTPR(配列番号453)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYAMF(配列番号454)、CDR2で配列SISPSGGKTRYADSVKG(配列番号455)、およびCDR3で配列GGGTALDY(配列番号456)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体101−E01は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号457)、CDR2で配列AASSLRN(配列番号458)、およびCDR3で配列QQSYSTPPT(配列番号459)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYWMA(配列番号460)、CDR2で配列SIGPSGGSTKYADSVKG(配列番号461)、およびCDR3で配列TARWLSFDY(配列番号462)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−E12は、CDR1で配列RASQSVSSNYLA(配列番号463)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号464)、およびCDR3で配列QQFGSSLFT(配列番号465)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYYML(配列番号466)、CDR2で配列YIRSSGGSTRYADSVKG(配列番号467)、およびCDR3で配列PTVDGAFDY(配列番号468)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体109−E08は、CDR1で配列AGTSSDLGGYDYVS(配列番号469)、CDR2で配列QVGRRPS(配列番号470)、およびCDR3で配列SSYTSSRTRV(配列番号471)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMD(配列番号472)、CDR2で配列SIYPSGGWTRYADSVKG(配列番号473)、およびCDR3で配列RGQWLVLDY(配列番号474)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体104−B03は、CDR1で配列TGTSSDVGGFNYVS(配列番号475)、CDR2で配列DVSKRPS(配列番号476)、およびCDR3で配列CSYTGNYTYV(配列番号477)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYAMA(配列番号478)、CDR2で配列SIGSSGGVTKYADSVKG(配列番号479)、およびCDR3で配列PRGRYYYDSSGYYYGGVFDY(配列番号480)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体096−E11は、CDR1で配列RASQGISNYLA(配列番号481)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号482)、およびCDR3で配列QQSYSTPYT(配列番号483)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列QYLMA(配列番号484)、CDR2で配列SIYPSGGNTNYADSVKG(配列番号485)、およびCDR3で配列DRSIVPYSSSWYMPRDYYYGMDV(配列番号486)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体103−A03は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号487)、CDR2で配列GAASRAT(配列番号488)、およびCDR3で配列QQYGSSPLIT(配列番号489)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMT(配列番号490)、CDR2で配列SIRPSGGNTGYADSVKG(配列番号491)、およびCDR3で配列LTGYSSGWFWAYGMDV(配列番号492)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体099−A09は、CDR1で配列TGTSSDVGGYNYVS(配列番号493)、CDR2で配列EVSNRAS(配列番号494)、およびCDR3で配列SSYTSSTTLL(配列番号495)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYVMA(配列番号496)、CDR2で配列VIRPSGGKTLYADSVKG(配列番号497)、およびCDR3で配列VAGRVGVPATKKNWFDP(配列番号498)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体105−F02は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号499)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号500)、およびCDR3で配列QQANSFPLT(配列番号501)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列PYTMS(配列番号502)、CDR2で配列GIYPSGGETWYADSVKG(配列番号503)、およびCDR3で配列NINLRYDILTGYFDF(配列番号504)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体112−C02は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号505)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号506)、およびCDR3で配列QQYGSSGWT(配列番号507)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYRMT(配列番号508)、CDR2で配列SIYPSGGYTIYADSVKG(配列番号509)、およびCDR3で配列LGQWLALDH(配列番号510)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体125−C04は、CDR1で配列QGDSLRSYYAS(配列番号511)、CDR2で配列SKSNRPS(配列番号512)、およびCDR3で配列NSRDSSGNHLV(配列番号513)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYWMA(配列番号514)、CDR2で配列VIYPSGGQTKYADSVKG(配列番号515)、およびCDR3で配列MRYGDRFDY(配列番号516)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体122−H04は、CDR1で配列RASQGISSYLA(配列番号517)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号518)、およびCDR3で配列QQLNSYPRT(配列番号519)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYWMH(配列番号520)、CDR2で配列SIGPSGGVTKYADSVKG(配列番号521)、およびCDR3で配列HGSWGGMDV(配列番号522)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体092−B12は、CDR1で配列TGTTSDVGGYKYVS(配列番号523)、CDR2で配列EVNHRPS(配列番号524)、およびCDR3で配列YSYTSDSTPYV(配列番号525)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYAMH(配列番号526)、CDR2で配列SIWPSGGATFYADSVKG(配列番号527)、およびCDR3で配列SPTLNAFHI(配列番号528)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体139−A04は、CDR1で配列RASQSISNWLA(配列番号529)、CDR2で配列KASTLES(配列番号530)、およびCDR3で配列QHYNSYSL(配列番号531)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYTMV(配列番号532)、CDR2で配列SIYSSGGRTNYADSVKG(配列番号533)、およびCDR3で配列IVVVPSAQFYFYYGMDV(配列番号534)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体108−C10は、CDR1で配列TGTSNDIGRTNYVS(配列番号535)、CDR2で配列EVSNRPS(配列番号536)、およびCDR3で配列SSCTTAPVCV(配列番号537)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列LYAMH(配列番号538)、CDR2で配列SIRPSGGLTKYADSVKG(配列番号539)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号540)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体138−B06は、CDR1で配列SGSSSNIGSNYVY(配列番号541)、CDR2で配列SNNQRPS(配列番号542)、およびCDR3で配列ATWDNSLSAWV(配列番号543)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMN(配列番号544)、CDR2で配列RIYPSGGVTVYADSVKG(配列番号545)、およびCDR3で配列GYGMDV(配列番号546)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体137−B01は、CDR1で配列RASQSVGNSLA(配列番号547)、CDR2で配列GASTRAS(配列番号548)、およびCDR3で配列QEYNKWPIT(配列番号549)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYWMY(配列番号550)、CDR2で配列VIGSSGGVTKYADSVKG(配列番号551)、およびCDR3で配列GPYRGYFDY(配列番号552)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体111−B02は、CDR1で配列RASQSISSYLS(配列番号553)、CDR2で配列SASNLQS(配列番号554)、およびCDR3で配列QQIYRTPLT(配列番号555)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYQMM(配列番号556)、CDR2で配列SYIRSSGGKTDYADSVKG(配列番号557)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号558)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体129−B09は、CDR1で配列RASQSVGSDYLA(配列番号559)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号560)、およびCDR3で配列QQYGSSLYT(配列番号561)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYKMS(配列番号562)、CDR2で配列GIYPSGGLTQYADSVKG(配列番号563)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号564)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体099−C12は、CDR1で配列RAGQTINNYLN(配列番号565)、CDR2で配列AASNLQS(配列番号566)、およびCDR3で配列QQTYRTPFT(配列番号567)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYKMH(配列番号568)、CDR2で配列SIWPSGGGTFYADSVKG(配列番号569)、およびCDR3で配列TSGGFGAFDI(配列番号570)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体099−E11は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号571)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号572)、およびCDR3で配列QQSYSTPRT(配列番号573)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYYMM(配列番号574)、CDR2で配列SIGPSGGMTDYADSVKG(配列番号575)、およびCDR3で配列GGTASLDY(配列番号576)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体103−F07は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号577)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号578)、およびCDR3で配列QQYGSSSYT(配列番号579)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMG(配列番号580)、CDR2で配列SIYPSGGKTTYADSVKG(配列番号581)、およびCDR3で配列PSTGSWSAFDI(配列番号582)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−A04は、CDR1で配列TGTSSDVGGYNYVS(配列番号583)、CDR2で配列DVSKRPS(配列番号584)、およびCDR3で配列SSYTSSITLVV(配列番号585)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYAMH(配列番号586)、CDR2で配列VISPSGGATRYADSVKG(配列番号587)、およびCDR3で配列ASTVTTLFQH(配列番号588)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体119−B09は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号589)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号590)、およびCDR3で配列QKYNSAPLT(配列番号591)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYHMQ(配列番号592)、CDR2で配列SIYPSGGFTRYADSVKG(配列番号593)、およびCDR3で配列DGGQGG(配列番号594)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−E07は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号595)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号596)、およびCDR3で配列QQTFSTWT(配列番号597)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMG(配列番号598)、CDR2で配列SIWPSGGHTSYADSVKG(配列番号599)、およびCDR3で配列HYGMDV(配列番号600)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体117−A12は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号601)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号602)、およびCDR3で配列QQYNNWPPLT(配列番号603)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYMMY(配列番号604)、CDR2で配列SIYPSGGKTLYADSVKG(配列番号605)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号606)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体126−C10は、CDR1で配列RASHNIYTSLN(配列番号607)、CDR2で配列GASTLEN(配列番号608)、およびCDR3で配列QQSYTSVT(配列番号609)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYSMM(配列番号610)、CDR2で配列GISSSGGTTKYADSVKG(配列番号611)、およびCDR3で配列GGTNYDYVWGSYRSHYYYYGMDV(配列番号612)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体127−D05は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号613)、CDR2で配列TASSLES(配列番号614)、およびCDR3で配列QQYNSYSLT(配列番号615)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYKMQ(配列番号616)、CDR2で配列SIYSSGGKTVYADSVKG(配列番号617)、およびCDR3で配列TPGYNYFDY(配列番号618)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体126−B12は、CDR1で配列RASQTFNNYLN(配列番号619)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号620)、およびCDR3で配列QQANSFPFT(配列番号621)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMF(配列番号622)、CDR2で配列SIWPSGGNTKYADSVKG(配列番号623)、およびCDR3で配列PAYYYAMDV(配列番号624)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体122−G06は、CDR1で配列RASQTVGGSYLA(配列番号625)、CDR2で配列AASNRAP(配列番号626)、およびCDR3で配列QQYGSSMYT(配列番号627)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYQMS(配列番号628)、CDR2で配列SIYPSGGATKYADSVKG(配列番号629)、およびCDR3で配列MGLHHSFDY(配列番号630)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体107−D05は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号631)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号632)、およびCDR3で配列QQANSFPLT(配列番号633)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYWMR(配列番号634)、CDR2で配列SIGSSGGMTKYADSVKG(配列番号635)、およびCDR3で配列ALRWRAFDI(配列番号636)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体127−H05は、CDR1で配列TGTNTDVGGYNYVS(配列番号637)、CDR2で配列EVNHRPS(配列番号638)、およびCDR3で配列SSYTYRNTYV(配列番号639)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYTMG(配列番号640)、CDR2で配列VIYPSGGMTKYADSVKG(配列番号641)、およびCDR3で配列TSGGTPWGF(配列番号642)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体112−C12は、CDR1で配列RASQTVSSNYLA(配列番号643)、CDR2で配列GVSNRAA(配列番号644)、およびCDR3で配列QHYGSSAFT(配列番号645)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYIMS(配列番号646)、CDR2で配列SIWPSGGHTRYADSVKG(配列番号647)、およびCDR3で配列AGSYYAGDY(配列番号648)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体098−C10は、CDR1で配列RASQDVLVSFA(配列番号649)、CDR2で配列AASHLHP(配列番号650)、およびCDR3で配列QQARSFPHT(配列番号651)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYSMT(配列番号652)、CDR2で配列SISPSGGATKYADSVKG(配列番号653)、およびCDR3で配列GGAASLPFDY(配列番号654)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体095−H10は、CDR1で配列FGDKLGDKYGS(配列番号655)、CDR2で配列QYWKRPS(配列番号656)、およびCDR3で配列QAWDSNTVV(配列番号657)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYKMH(配列番号658)、CDR2で配列SIYPSGGWTVYADSVKG(配列番号659)、およびCDR3で配列GYSSTWGAFDI(配列番号660)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体117−C04は、CDR1で配列RASQYISTYLA(配列番号661)、CDR2で配列KASDLES(配列番号662)、およびCDR3で配列QQYNTYWT(配列番号663)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYVMG(配列番号664)、CDR2で配列WIGPSGGRTWYADSVKG(配列番号665)、およびCDR3で配列DRGWYGIDV(配列番号666)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体094−F03は、CDR1で配列SGNILDNSYAS(配列番号667)、CDR2で配列RDNKRPS(配列番号668)、およびCDR3で配列QAWDRTTGV(配列番号669)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYNMY(配列番号670)、CDR2で配列YIVPSGGATHYADSVKG(配列番号671)、およびCDR3で配列ALRGYSYGPRGYYYYGMDV(配列番号672)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体124−G12は、CDR1で配列SPSGGGLRNKYVS(配列番号673)、CDR2で配列KDAERPS(配列番号674)、およびCDR3で配列LAWDSTTRV(配列番号675)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYKMN(配列番号676)、CDR2で配列YIGSSGGKTGYADSVKG(配列番号677)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号678)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−A03は、CDR1で配列RASQSISNWLA(配列番号679)、CDR2で配列KASTLQT(配列番号680)、およびCDR3で配列QQTYSAPFN(配列番号681)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYNMH(配列番号682)、CDR2で配列VIYPSGGYTVYADSVKG(配列番号683)、およびCDR3で配列RGNWGGIDY(配列番号684)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体099−D05は、CDR1で配列RTSQTVSTFLN(配列番号685)、CDR2で配列AASRLQS(配列番号686)、およびCDR3で配列QQSFTSPRT(配列番号687)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYVMH(配列番号688)、CDR2で配列YISPSGGVTKYADSVKG(配列番号689)、およびCDR3で配列ALYPGMGYYYGMDV(配列番号690)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−C08は、CDR1で配列RPSQSVYSNYLA(配列番号691)、CDR2で配列GASTRAT(配列番号692)、およびCDR3で配列QQYGNSYT(配列番号693)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYNMT(配列番号694)、CDR2で配列SIWPSGGATRYADSVKG(配列番号695)、およびCDR3で配列TSRFYGMDV(配列番号696)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体116−C09は、CDR1で配列RASQSVNIDVG(配列番号697)、CDR2で配列DASKRAT(配列番号698)、およびCDR3で配列QQRARWLT(配列番号699)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYFMN(配列番号700)、CDR2で配列SIGSSGGYTRYADSVKG(配列番号701)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号702)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体128−F11は、CDR1で配列RASQDIRTWLA(配列番号703)、CDR2で配列SSSSLQS(配列番号704)、およびCDR3で配列QQATTFPWT(配列番号705)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYIMH(配列番号706)、CDR2で配列GIYPSGGSTKYADSVKG(配列番号707)、およびCDR3で配列ALVGALDY(配列番号708)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−D12は、CDR1で配列RASQGISNYLA(配列番号709)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号710)、およびCDR3で配列EQLNSFPHA(配列番号711)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYTME(配列番号712)、CDR2で配列VIRPSGGTTMYADSVKG(配列番号713)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号714)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体128−A06は、CDR1で配列RASQSVSRWLA(配列番号715)、CDR2で配列KASTLES(配列番号716)、およびCDR3で配列QQYGA(配列番号717)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYTMQ(配列番号718)、CDR2で配列SIYPSGGATKYADSVKG(配列番号719)、およびCDR3で配列SGYYYGLDV(配列番号720)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体095−G09は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号721)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号722)、およびCDR3で配列QQRSN(配列番号723)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYTMW(配列番号724)、CDR2で配列RIWPSGGTTRYADSVKG(配列番号725)、およびCDR3で配列GGSYLAFDI(配列番号726)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体137−G10は、CDR1で配列QGDSLRNYHPS(配列番号727)、CDR2で配列FGRNNRPS(配列番号728)、およびCDR3で配列SSRDGSGNFL(配列番号729)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYTMM(配列番号730)、CDR2で配列GIYPSGGQTAYADSVKG(配列番号731)、およびCDR3で配列GGSWYAFDI(配列番号732)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体106−E12は、CDR1で配列RASQSISSFLN(配列番号733)、CDR2で配列YAASSLQS(配列番号734)、およびCDR3で配列QQSYSTPYT(配列番号735)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYSMT(配列番号736)、CDR2で配列SISPSGGATKYADSVKG(配列番号737)、およびCDR3で配列GGAASLPFDY(配列番号738)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体124−H10は、CDR1で配列RASQSVGGYLA(配列番号739)、CDR2で配列DASKRAT(配列番号740)、およびCDR3で配列QQRSKWPPYT(配列番号741)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYKMM(配列番号742)、CDR2で配列YIYPSGGWTGYADSVKG(配列番号743)、およびCDR3で配列VGPWDAFDI(配列番号744)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体122−D01は、CDR1で配列RASESVSSSYFA(配列番号745)、CDR2で配列GASRRVT(配列番号746)、およびCDR3で配列QQYGGSPRS(配列番号747)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYMME(配列番号748)、CDR2で配列GISPSGGTTKYADSVKG(配列番号749)、およびCDR3で配列GGYNNYYYALDV(配列番号750)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−C10は、CDR1で配列TGTGSNIDGYNYVS(配列番号751)、CDR2で配列DVGKRPS(配列番号752)、およびCDR3で配列CSYAGSYSYV(配列番号753)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYLMW(配列番号754)、CDR2で配列VIGPSGGWTRYADSVKG(配列番号755)、およびCDR3で配列HPGDY(配列番号756)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体106−C06は、CDR1で配列SGTSSDVGAYYHVS(配列番号757)、CDR2で配列DVSNRPS(配列番号758)、およびCDR3で配列SLYIGTSTPWV(配列番号759)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYRMD(配列番号760)、CDR2で配列GIYPSGGHTNYADSVKG(配列番号761)、およびCDR3で配列DRGWYGADY(配列番号762)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体117−B07は、CDR1で配列TGTTRDVGAYKYVS(配列番号763)、CDR2で配列DVSKRPS(配列番号764)、およびCDR3で配列CSFAGSYTWI(配列番号765)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYWMV(配列番号766)、CDR2で配列WIGPSGGGTVYADSVKG(配列番号767)、およびCDR3で配列GNGGFDS(配列番号768)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体126−H09は、CDR1で配列SGSRSNIGTNPVN(配列番号769)、CDR2で配列VNNQRPS(配列番号770)、およびCDR3で配列ATWDGSLNGPV(配列番号771)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列SYAMT(配列番号772)、CDR2で配列SISSSGGDTAYADSVKG(配列番号773)、およびCDR3で配列ERHYIWGSYRYSWFDP(配列番号774)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−G09は、CDR1で配列SGSSSNIGSNNVN(配列番号775)、CDR2で配列SNDQRPS(配列番号776)、およびCDR3で配列AAWDDSLNGPV(配列番号777)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMV(配列番号778)、CDR2で配列GIVPSGGYTMYADSVKG(配列番号779)、およびCDR3で配列ASYSSFGLDY(配列番号780)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体114−E02は、CDR1で配列RASQSISSWLA(配列番号781)、CDR2で配列KASSLES(配列番号782)、およびCDR3で配列QQYNSYPVT(配列番号783)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列FYPMS(配列番号784)、CDR2で配列YIWPSGGATRYADSVKG(配列番号785)、およびCDR3で配列GNGGFDS(配列番号786)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−G11は、CDR1で配列TGTSSDIGAYPFVS(配列番号787)、CDR2で配列GVTTRPF(配列番号788)、およびCDR3で配列SSYAGGRNLPYV(配列番号789)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYYMA(配列番号790)、CDR2で配列YISPSGGSTKYADSVKG(配列番号791)、およびCDR3で配列GGGTGTFDI(配列番号792)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体132−C01は、CDR1で配列RASQSISRWLA(配列番号793)、CDR2で配列EASTLES(配列番号794)、およびCDR3で配列QQYNSYPLT(配列番号795)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMH(配列番号796)、CDR2で配列SIWPSGGHTSYADSVKG(配列番号797)、およびCDR3で配列LSQPI(配列番号798)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体123−E02は、CDR1で配列RASQSVSNFLA(配列番号799)、CDR2で配列GASNRAT(配列番号800)、およびCDR3で配列QQANSFPLT(配列番号801)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列MYRMF(配列番号802)、CDR2で配列VIGPSGGQTAYADSVKG(配列番号803)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号804)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体096−D03は、CDR1で配列TGTSGEVANYNYVS(配列番号805)、CDR2で配列DVSRRPS(配列番号806)、およびCDR3で配列ASYVGNDKLV(配列番号807)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYGMN(配列番号808)、CDR2で配列SIWSSGGYTTYADSVKG(配列番号809)、およびCDR3で配列VGIWYSMDV(配列番号810)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−G06は、CDR1で配列RASQSINSYLN(配列番号811)、CDR2で配列AASSLQN(配列番号812)、およびCDR3で配列QQSYSTPLT(配列番号813)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYTMF(配列番号814)、CDR2で配列GIYPSGGKTIYADSVKG(配列番号815)、およびCDR3で配列GGVFGVVDY(配列番号816)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体094−D08は、CDR1で配列RASQGISNYLA(配列番号817)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号818)、およびCDR3で配列QKYNSAPLT(配列番号819)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYPMD(配列番号820)、CDR2で配列RIYPSGGATKYADSVKG(配列番号821)、およびCDR3で配列GGGAFDI(配列番号822)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体128−E07は、CDR1で配列RASQSVSSYLA(配列番号823)、CDR2で配列DASNRAT(配列番号824)、およびCDR3で配列QQRSNWLT(配列番号825)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYEMA(配列番号826)、CDR2で配列SVIYPSGGATRYADSVKG(配列番号827)、およびCDR3で配列VAQYYGMDV(配列番号828)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体114−F04は、CDR1で配列RASQSVSSNYLA(配列番号829)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号830)、およびCDR3で配列QQRWT(配列番号831)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYTMQ(配列番号832)、CDR2で配列RIYSSGGGTYYADSVKG(配列番号833)、およびCDR3で配列VGPWGAFDI(配列番号834)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体122−A05は、CDR1で配列TGTSSDVGGYNYVS(配列番号835)、CDR2で配列EVSNRPS(配列番号836)、およびCDR3で配列SSYTSSSTWV(配列番号837)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMV(配列番号838)、CDR2で配列SIYPSGGMTVYADSVKG(配列番号839)、およびCDR3で配列RGIANSFNI(配列番号840)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−H02は、CDR1で配列RASQSISRYLN(配列番号841)、CDR2で配列AASNLQS(配列番号842)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号843)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYYMV(配列番号844)、CDR2で配列VIGPSGGWTTYADSVKG(配列番号845)、およびCDR3で配列VDYSNYFDY(配列番号846)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体092−G06は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号847)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号848)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号849)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列SYIMI(配列番号850)、CDR2で配列YIRPSGGYTKYADSVKG(配列番号851)、およびCDR3で配列VINAGPGRGYYWRGYSYSDAFDI(配列番号852)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体113−E03は、CDR1で配列RASQGIGTHLN(配列番号853)、CDR2で配列AASGLQS(配列番号854)、およびCDR3で配列QQSYSVPRT(配列番号855)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYPMV(配列番号856)、CDR2で配列VIGPSGGKTKYADSVKG(配列番号857)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号858)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体118−E07 は、CDR1で配列TGTSSDVGAYNYVS(配列番号859)、CDR2で配列EVSNRPS(配列番号860)、およびCDR3で配列NSYTTSATLV(配列番号861)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMM(配列番号862)、CDR2で配列SIRSSGGITRYADSVKG(配列番号863)、およびCDR3で配列VGYYYGMDV(配列番号864)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−E11は、CDR1で配列RASQSITGYLN(配列番号865)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号866)、およびCDR3で配列QQSYSTPYT(配列番号867)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYPMY(配列番号868)、CDR2で配列RIGPSGGHTDYADSVKG(配列番号869)、およびCDR3で配列AGVWSGLDY(配列番号870)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体124−C12は、CDR1で配列RASQGISNYLA(配列番号871)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号872)、およびCDR3で配列QKYNSAPWT(配列番号873)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMG(配列番号874)、CDR2で配列VIWPSGGITKYADSVKG(配列番号875)、およびCDR3で配列GNGGFDS(配列番号876)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体115−F08は、CDR1で配列TGTNTDVGGYNFVS(配列番号877)、CDR2で配列DVTNRPS(配列番号878)、およびCDR3で配列SSYTSSSTWV(配列番号879)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYSML(配列番号880)、CDR2で配列SIRPSGGFTKYADSVKG(配列番号881)、およびCDR3で配列RGVWDAFDI(配列番号882)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体121−H07は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号883)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号884)、およびCDR3で配列QQSYSTPRT(配列番号885)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYAMG(配列番号886)、CDR2で配列YIGPSGGNTTYADSVKG(配列番号887)、およびCDR3で配列DVGGSGSYYMLSYYYYGMDV(配列番号888)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体136−B06は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号889)、CDR2で配列AASTRAT(配列番号890)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号891)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYPMG(配列番号892)、CDR2で配列SIYPSGGSTYYADSVKG(配列番号893)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号894)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−F08は、CDR1で配列SGDDLGGRHVS(配列番号895)、CDR2で配列QDDKRPS(配列番号896)、およびCDR3で配列LAWHNYKYV(配列番号897)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYLMG(配列番号898)、CDR2で配列SIGPSGGYTKYADSVKG(配列番号899)、およびCDR3で配列GTGTTFF(配列番号900)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体107−B05は、CDR1で配列RASQSISSYLN(配列番号901)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号902)、およびCDR3で配列QQSYSTLVT(配列番号903)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYMMQ(配列番号904)、CDR2で配列GIGPSGGWTKYADSVKG(配列番号905)、およびCDR3で配列LNYGDYV(配列番号906)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体124−A01は、CDR1で配列RASQGISSSLA(配列番号907)、CDR2で配列AASTLQS(配列番号908)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号909)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYLMH(配列番号910)、CDR2で配列SIYPSGGKTQYADSVKG(配列番号911)、およびCDR3で配列VFGYYDFWSGYPGAFDY(配列番号912)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−C12は、CDR1で配列GGNNIGSKNVH(配列番号913)、CDR2で配列RDSNRPS(配列番号914)、およびCDR3で配列QVWDSSTV(配列番号915)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYVMV(配列番号916)、CDR2で配列GIRSSGGVTAYADSVKG(配列番号917)、およびCDR3で配列VGVWYGMDV(配列番号918)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体103−E09は、CDR1で配列RASQTVSSTYLA(配列番号919)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号920)、およびCDR3で配列QQYGSSPPRYT(配列番号921)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYRMV(配列番号922)、CDR2で配列SIYPSGGYTKYADSVKG(配列番号923)、およびCDR3で配列VITYNNFDS(配列番号924)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体131−F12は、CDR1で配列RASLSVSGYLN(配列番号925)、CDR2で配列ATSSLQS(配列番号926)、およびCDR3で配列QQSYSSPYT(配列番号927)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYAMF(配列番号928)、CDR2で配列SIWPSGGKTMYADSVKG(配列番号929)、およびCDR3で配列GGSYLAFDI(配列番号930)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体093−C08は、CDR1で配列LASQSISSYLN(配列番号931)、CDR2で配列DASSLES(配列番号932)、およびCDR3で配列QQFNGYPPIT(配列番号933)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYPMI(配列番号934)、CDR2で配列VIYPSGGMTKYADSVKG(配列番号935)、およびCDR3で配列VGSYGSLGY(配列番号936)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体115−F04は、CDR1で配列GASQSVSTTYIA(配列番号937)、CDR2で配列GASNRAT(配列番号938)、およびCDR3で配列QQYGSSPYT(配列番号939)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列RYWMW(配列番号940)、CDR2で配列SIGPSGGATRYADSVKG(配列番号941)、およびCDR3で配列GSAGN(配列番号942)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体113−G11は、CDR1で配列RASQSIDTYLN(配列番号943)、CDR2で配列AASKLED(配列番号944)、およびCDR3で配列QPYNTYPIT(配列番号945)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYGMY(配列番号946)、CDR2で配列SIYPSGGWTNYADSVKG(配列番号947)、およびCDR3で配列RGSWGAFDI(配列番号948)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−C02は、CDR1で配列RASQSVSNSYLA(配列番号949)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号950)、およびCDR3で配列QQFGSSTGYT(配列番号951)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYMMG(配列番号952)、CDR2で配列SIYTSGGYTKYADSVKG(配列番号953)、およびCDR3で配列ASIYYGMDV(配列番号954)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体112−D04は、CDR1で配列RASQGISSWLA(配列番号955)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号956)、およびCDR3で配列QQANSFPYT(配列番号957)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYLMG(配列番号958)、CDR2で配列SIGPSGGTTKYADSVKG(配列番号959)、およびCDR3で配列RGLGAAFDY(配列番号960)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体108−E10は、CDR1で配列RASQSVSSSYLA(配列番号961)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号962)、およびCDR3で配列QQYGSSSFT(配列番号963)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列HYIMM(配列番号964)、CDR2で配列SIYPSGGSTIYADSVKG(配列番号965)、およびCDR3で配列ATEGYYYGMDV(配列番号966)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体104−D12は、CDR1で配列RASQGIRSWLA(配列番号967)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号968)、およびCDR3で配列QQSYSTPWT(配列番号969)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYRMA(配列番号970)、CDR2で配列YIGPSGGSTSYADSVKG(配列番号971)、およびCDR3で配列VGTFYGMDV(配列番号972)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体116−E08は、CDR1で配列RASQTISSYLN(配列番号973)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号974)、およびCDR3で配列QQSYSTPMYT(配列番号975)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYLMG(配列番号976)、CDR2で配列VIGPSGGLTKYADSVKG(配列番号977)、およびCDR3で配列FRGYYGMDV(配列番号978)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体102−D07は、CDR1で配列RASQSVRKNVA(配列番号979)、CDR2で配列GASTRAT(配列番号980)、およびCDR3で配列QQYSSWPA(配列番号981)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYLMY(配列番号982)、CDR2で配列SIRPSGGNTLYADSVKG(配列番号983)、およびCDR3で配列GRGILTGYYWGYYYYMDV(配列番号984)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体103−H07は、CDR1で配列RASQSISSSYLA(配列番号985)、CDR2で配列HASSRAT(配列番号986)、およびCDR3で配列QQRNNWPPSFT(配列番号987)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列LYLME(配列番号988)、CDR2で配列SIGSSGGATWYADSVKG(配列番号989)、およびCDR3で配列DTSRVAGTRLRNYYYYYGMDV(配列番号990)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体116−A08は、CDR1で配列RASQSIGTLLN(配列番号991)、CDR2で配列GASNLRG(配列番号992)、およびCDR3で配列QHDT(配列番号993)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYRMH(配列番号994)、CDR2で配列SIWPSGGKTHYADSVKG(配列番号995)、およびCDR3で配列ALQYGSGSYFYAPKSYYYYGMDV(配列番号996)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体106−D06は、CDR1で配列RASQTISRYLN(配列番号997)、CDR2で配列AASSLQS(配列番号998)、およびCDR3で配列QQSYSAPRT(配列番号999)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYKMG(配列番号1000)、CDR2で配列YIRPSGGMTFYADSVKG(配列番号1001)、およびCDR3で配列EHYQASYSSSAWFRMVPAGAFDI(配列番号1002)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体113−D05は、CDR1で配列RASQGIRRALA(配列番号1003)、CDR2で配列DASSLES(配列番号1004)、およびCDR3で配列QQSYSTPPWT(配列番号1005)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列YYKMH(配列番号1006)、CDR2で配列VIYPSGGKTTYADSVKG(配列番号1007)、およびCDR3で配列EHYQASYSSSAWFRMVPAGAFDI(配列番号1008)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体110−D06は、CDR1で配列RASQSVVSNFLA(配列番号1009)、CDR2で配列GASSRAT(配列番号1010)、およびCDR3で配列QQYGSSPYS(配列番号1011)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列NYVMY(配列番号1012)、CDR2で配列GIGPSGGFTTYADSVKG(配列番号1013)、およびCDR3で配列DRYFGSGYYMAAYYYYGMDV(配列番号1014)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体124−C04は、CDR1で配列RASQRVSSTFLA(配列番号1015)、CDR2で配列GTSSRAT(配列番号1016)、およびCDR3で配列HQYGSSPRT(配列番号1017)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列WYAMM(配列番号1018)、CDR2で配列SIWPSGGHTKYADSVKG(配列番号1019)、およびCDR3で配列DQGYF(配列番号1020)を含むHC可変ドメインを有する。
抗体097−B12は、CDR1で配列RASQPISTSLA(配列番号1380)、CDR2で配列KASILET(配列番号1381)、およびCDR3で配列QQYASPSYT(配列番号1382)を含むLC可変ドメインを有する。この抗体は、CDR1で配列KYVMW(配列番号1383)、CDR2で配列SIVSSGGRTSYADSVKG(配列番号1384)、およびCDR3で配列AYDYVWGSYRYKGRPVGAFDI(配列番号1385)を含むHC可変ドメインを有する。この抗体は、mK1およびhK1の両方を阻害することが見いだされた。
本明細書に記載した代表的な抗体の一部は配列相互関係を有している。LC、HC CDR3またはHC CDR1およびHC CDR2を共有する2つの抗体は、hK1上のほぼ同一部位へ結合する可能性が高い。共通HC CDR3は、特に共有結合部位の指標である。そこで、上述した配列のドメインを共有する2つの抗体の阻害特性は類似である可能性が高い。詳細には、1つの抗体がhK1の阻害剤である場合は、第1抗体の配列を共有する任意の抗体は阻害剤でもある可能性が高い。例えば:
M0098−G05およびM0097−G07は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0103−A01およびM0096−D09は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0114−D02およびM0097−G01は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0117−F08およびM0102−G12は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。M0102−G12は、hK1を阻害することが知られている。
M0131−C08およびM0093−G09は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0131−C09およびM0096−D09は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0131−F07およびM0102−G12は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。M0131−F07およびM0102−G12は、hK1を阻害することが知られている。
M0131−G03およびM0098−H04は、同一のLC可変ドメインを有する。
M0133−E08およびM0102−G12は、同一のLC可変ドメインを有する。M0102−G12は、hK1を阻害することが知られている。
M0136−A07およびM0096−D09は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。
M0138−B04およびM0102−G12は、同一のHC可変ドメインを有するが、それらのLC可変ドメインは相違する。M0102−G12は、hK1を阻害することが知られている。
M0138−G11およびM0133−E02は、同一のLC可変ドメインを有する。
以下のHC可変ドメインは、同一のCDR3配列(VGVWYGMDV)を有する:M0092−F08;M0093−C08;M0093−C10;14(M0095−A11;M0097−E07;M0097−F08;M0102−H02;M0103−F07;M0104−H12;M0107−F11;M0109−E08;M0110−D11;MOlIl−C10;M0112−C12;M0112−D04;M0114−G09;M0117−A12;M0124−H10;M0128−A06;M0130−B02;M0131−B05;M0131−F09;M0135−B05;M0135−F03;M0136−E12;M0138−E02;M0139−F09)。
M0096−D03、M0102−C12、M0126−F11、およびM0128−E07)のHC可変ドメインは、cdr3=GNGGFDSを共有する。M0097−D04およびM0134−D07)のHC可変ドメインは、cdr3=RGPVYYYDSSGSHSAFDIを共有する。
M0097−G07およびM0139−C02のHC可変ドメインは、cdr3=EHYQASYSSSAWFRMVPAGAFDIを共有する。M0101−E01および1M0136−D07のHC可変ドメインは、cdr3=NINLRYDILTGYFDLを共有する。M0102−G12およびM0110−G01のHC可変ドメインは、cdr3=DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDVを共有する。M0102−G12はhK1を阻害する。M0102−G12およびM0133−E08のHC可変ドメインは、cdr3=DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDVを共有する。M0102−G12はhK1を阻害する。それらのLC可変ドメインは同一である。M0102−G12およびM0139−F04のHC可変ドメインは、cdr3=DITPGGGSGFRLPKNYYYYGMDVを共有する。M0139−F04およびM0102−G12は、hK1を阻害する。それらのLC可変ドメインは相違する。M0104−D12およびM0117−B07のHC可変ドメインは、cdr3=GGSYLAFDIを共有するが、LCは相違する。M0105−B06およびM0116−C09は、cdr3=GYSSTWGAFDIを共有する。M0105−B06およびM0138−E12は、cdr3=GYSSTWGAFDIを共有する。M0133−E02およびM0138−G11)は、cdr3=DTRVGPWLVRAPLDYを共有する。
M0102−G12およびM0133−E08は、HC CDR1=KyKmV(配列番号10)およびHC CDR2=SiYPsggItAyadsvkg(配列番号11)を共有する。M0102−G12はhK1を阻害する。M0107−D12およびM0110−G01は、HC CDR1=MyKmGおよびHC CDR2=SiVPsggKtQyadsvkgを共有する。M0133−E02およびM0138−G11は、HC CDR1=WyTmTおよびHC CDR2=SiYPsggHtSyadsvkgを共有する。
同定されたhK1阻害剤と共通する少なくとも1つのCDRを有する代表的抗体の配列もまた、阻害剤である可能性が高い。
M0103−A03は96位でCを有していない。
M0107−D12は、終止コドンを含有する。
M0107−D12は、FR4の開始部位でWGモチーフを有していない。
代表的なHC可変ドメインの配列および例えばCH1の末端に向かって伸びるC末端から可変ドメインまでの配列は、以下のとおりである。
VL−Clightと適正な折り畳みを備える真核細胞、酵母細胞、または細菌細胞中で発現したVH−CH1との組み合わせは、Fabを生じさせる。Fabはモノマー性であり、典型的には約50kDaの分子量を有する。
以下の配列は、ヒトIgG1のCHl、ヒンジ、CH2およびCH3を通って伸びるHC可変ドメインを例示している:
Vlight::Clightを含むLCと一緒にVH::CHl::Hinge::CH2::CH3を含むHCの発現は、IgGを生じさせる。本明細書に示した実施例では、IgG1が得られるであろう。他のIgGタイプは、CHl::Hinge::CH2::CH3をコードするDNAを、例えばIgG4をコードするDNAと置換すること、または修飾されたFc配列を使用することによって入手できる。
代表的なLC可変ドメインの配列および例えばCκの末端に向かって伸びるC末端から可変ドメインまでの配列は、以下のとおりである:
λ軽鎖には数種のタイプがある:例えば、Cλの配列に依存して、λ1、λ2、およびλ7。λLCを有する抗体は、以下のように分類できる。
Cλを例えばCλ1からCλ2へ変化させることは、発現した抗体の結合特性を重要には変化させないと予想される。そこで、本発明者らは、結合特性(hK1の阻害など)を変化させずに発現もしくは薬物動態を変化させるためにλ定常領域を変化させることができた。
選択された阻害剤のプロテアーゼ特異性
選択された抗体が他のプロテアーゼを阻害する能力について試験した。表2には、hK1以外の13種のセリンプロテアーゼに対する3種の抗体を試験した結果を示した。試験した抗体の最高濃度(1μM)で、本発明者らが他のいずれのプロテアーゼの阻害も観察しなかったことは明白である。
方法。アッセイは、総量100μLの黒色、丸底の96ウエルマイクロプレート内で実施した。酵素、基質、バッファーおよび実験条件は、表3および4に列挙した。酵素およびFab阻害剤は、指示した量の基質を添加する1時間前に室温の暗所でインキュベートした。酵素基質の加水分解速度は、表3に列挙した波長を使用して、Spectramax Gemini XS蛍光プレートを用いて監視した。
(表2.hK1抗体阻害剤の特異性。)
選択された抗体阻害剤がhK1キニノゲナーゼ活性に及ぼす作用
選択された抗体阻害剤がhK1キニノゲナーゼ活性に及ぼす作用を決定する試験を実施した。SDS−PAGEは、試験した全9種の抗体が、高分子量キニノーゲン(HMWK)に対するhK1のキニノゲナーゼ活性を阻害することを証明した。無傷HMWKは、100kDaのタンパク質として移動してhK1によって消化されると、約60kDaでランするフラグメントを生じさせた(レーン1および2)。試験した全9種のhK1阻害剤(レーン4〜12)は、HMWKの消化を防止した。実験は、10nMのhK1を1μMのAbと37℃で3時間インキュベートし、その後に0.1mg/mLのHMWKを加えることによって実施した。HMWKは、37℃で3時間にわたりhK1と反応させた。非還元SDS−PAGEゲル(10%アクリルアミド)に1μgのHMWKを装填し、標準方法にしたがってランさせた。レーン1は未消化HMWKを含有し、レーン2は消化HMWKを含有し、レーン3はInvitrogen社製の分子量マーカーを含有し、レーン4はHMWK+hK1+DX−2300を含有し、レーン5はHMWK+hK1+M0106−G12を含有し、レーン6はHMWK+hK1+M0111−C12を含有し、レーン7はHMWK+hK1+M0098−G05を含有し、レーン8はHMWK+hK1+M0137−E01を含有し、レーン9はHMWK+hK1+M0112−D03を含有し、レーン10はHMWK+hK1+M0102−H11を含有し、レーン11はHMWK+hK1+M0114−G06を含有し、レーン12はHMWK+hK1+M0098−E09を含有していた。
LMWKに対しては、全9種のFabが消化範囲を阻害したことは明白である。しかし、LMWK消化を完全に所害したのはDX−2300(レーン4)およびM0137−E01(レーン8)だけであると思われた。これらの反応はHMWKについて上述したように実施し、各レーンは、LMWKをHMWKに置換した以外は上記と同一含量を含有していた。
選択されたhK1結合抗体のエピトープ分類
選択された抗体は、表面プラズモン共鳴(SPR)アプローチを用いて、hK1上でDX−2300と同一のエピトープを認識するかどうかによって分類した(図1、表5)。このタイプの情報は、生物学的サンプル中においてhK1を定量的に測定するために適合する抗体対の発見を導くことができる。この情報は、抗体を主要阻害剤(DX−2300)と比較するため、そしてDX−2300と同一のエピトープもしくは相違するエピトープのいずれかを共有する補助的阻害剤を選択するためにもまた貴重である。図1は、DX−2300と同一のエピトープを共有するFab(M0112−D07)(パネルA)および相違するエピトープに結合するFab(パネルB)についての2つの代表的なセンサーグラムを示している。Fab単独(R2)のシグナルによって分割したDX−2300(R1)の注射後のFabに対するSPRシグナルの比率は、どのFabがDX−2300と同一のエピトープを共有するのかについての指標を提供する。DX−2300の第2回注入は0.1のR2/R1比を生じさせるので、0.1より有意に大きなR2/R1比を示すFabは、DX−2300とは相違するエピトープでの結合を表示している。試験した12種のFab中で、DX−2300と同一のエピトープを共有していなかったのはM0111−C12、M0137−E01およびM0139−A09だけであった(表5)。所定のFab(M0109−F02およびM0098−E09)のエピトープは、中間シグナル反応が観察されたので、部分的にDX−2300のシグナルと重複する可能性がある(表5)。
(表5.表面プラズモン共鳴によるエピトープの分類)
hK1阻害のメカニズムおよび選択された阻害剤についてのK
i値の決定
発見された最高の抗体はhK1の密接結合阻害剤であるので、酵素阻害メカニズムを決定するための伝統的なMichaelis−Mentenアプローチは適合しない。密接結合阻害剤の阻害メカニズムを決定する方法は、記載されている(R.A. Copeland, “Enzymes”, 2
nd Edition, Wiley, Toronto, 2000)。密接結合阻害剤は、hK1に対しておよそ1nMである活性を測定するために使用できる最小酵素濃度に近似する阻害定数(K
i値)を備える阻害剤を意味する。密接結合阻害法は、様々な物質濃度範囲で阻害剤のIC
50を測定する工程を必要とする。これらの条件下では、基質に関して競合的な方法で酵素に結合する阻害剤は、基質濃度に反応してIC
50における線形増加を示すであろう。これとは対照的に、基質濃度に伴って変化しないIC
50値は、基質に関して非競合的である方法で阻害剤が酵素に結合することを示している。非競合的阻害剤の酵素への結合は、物質が酵素に結合する能力を遮断せず、むしろ、おそらくは触媒的に重要なアミノ酸の変形を通して、その後の基質の加水分解工程を防止する。
DX−2300は、基質濃度へのIC50値の線形依存性を示す(図2)。結果として、DX−2300は、競合的方法でhK1を阻害する密接結合阻害剤であり、これはhK1へのその結合が基質結合を防止することを示している。阻害メカニズムについての知識は、阻害定数(Ki)の決定も可能にする。DX−2300は、Fabとしては60pMおよびIgGとしては約39pMのKi値を有する。
阻害のメカニズムおよびKi値は、選択された補助的抗体であるM0093−F09およびM0137−E01についても決定した。図3Aに示したように、M0093−F09は非競合的方法で1.9nMのKiでhK1を阻害する。図3Bは、補助的抗体阻害剤M0137−E01が競合的方法で0.9nMのKiでhK1を阻害する。
DX−2300の進行曲線阻害分析
hK1のDX−2300阻害の時間依存性は、進行曲線法を用いて調査した(R.A. Copeland, “Enzymes”, 2nd Edition, Wiley, Toronto, 2000)。この方法は、阻害剤と酵素との相互作用を記述する動力学的工程を特性解析するために使用する。図4Aに示した進行曲線は、DX−2300によるhK1の時間依存性阻害を示しており、阻害剤の各濃度について入手したデータを当てはめると、酵素と阻害剤との相互作用の動力学を記述する指数関数的速度定数が生じた。阻害剤濃度に対してプロットしたこれらの速度定数(kobs値)は双曲的依存性を示しており(図4B)、これはDX−2300およびhK1の初期複合体が異性化されていっそう高い親和性を備える新規な複合体を形成することを指示している。
動物の尿中カリクレイン様活性のDX−2300による阻害
組織カリクレイン(K1)は、尿中に***されることが以前に証明されている。Kizuki, K., et al., Adv Exp Med Biol, 1986. 198 Pt A:329−337;Takaoka, M., et al., Biochem Biophys Res Commun, 1984. 122(3):1282−1288;Murthy, K.K., et al., Arch Biochem Biophys, 1986. 244(2):563−571;Stella, R.C., et al., Adv Exp Med Biol, 1989. 247B:195−200。合成ペプチド基質を用いると、K1の活性を尿中で測定できる。しばしば***されたK1の多くは不活性プロフォームであるので、トリプシンもしくはサーモリシンなどのまた別のプロテアーゼを用いてこの酵素を活性化することが不可欠である。尿中のK1の活性を測定する前に、活性化酵素は特異的阻害剤を用いてクエンチする(トリプシンのためには大豆トリプシン阻害剤またはサーモリシンのためにはホスホルアミドン)。
図5から、DX−2300が、ヒト、ヒツジ、イヌ、サル、ウサギ、およびウシの尿中に存在するカリクレイン様活性を阻害することは明白である。しかし、DX−2300は、齧歯類(マウス、ラット、モルモット、もしくはハムスター)またはブタの尿中で観察されるカリクレイン様活性を阻害しない。ヒツジ尿およびヒト尿中でのカリクレイン様活性について測定したDX−2300 IC50値は、各々2.9±1.6nMおよび3.0±0.6nMで匹敵している(図6)。
方法。動物の尿は1/10容量の1MのHEPES(pH7.7)を添加することによって最初に緩衝し、遠心することで固体を除去した。次に37℃で30分間、50μLのトリプシンアガロース樹脂を加えることによって上清(1mL)を活性化した。サンプルを遠心してトリプシンアガロースを除去し、樹脂から漏出した可能性がある残留トリプシンは10μMの大豆トリプシン阻害剤を用いて不活性化した。活性化した尿(9μL)中の合成基質Pro−Phe−Arg−AMC(100μM[最終])に向けてのカリクレイン活性を0.5μMmのDX−2300の存在下もしくは不在下で96ウエルプレートのKalバッファー(表4)ウエル内で測定した。基質を添加する前に、活性化した尿は最初に37℃で30分間にわたりDX−2300と一緒にインキュベートした。
ヒト気管支肺胞洗浄液中のカリクレイン様活性の阻害
組織カリクレイン1(hK1)は、気管支肺胞洗浄液(BAL)中で測定した場合に、健常個体と比較して喘息患者の気道中では上昇することが証明されている。Proud, D.et al. Am JRespir Cell Mol Biol, 1993. 8(1):16−19;Christiansen, S.C., et al., Am Rev Respir Dis, 1992. 145(4 Pt 1):900−905;Christiansen, S.C., et al, J Clin Invest, 1987. 79(1):188−197。DX−2300は、合成基質Pro−Phe−Arg−AMCを用いて測定した場合に4人の相違する軽症喘息患者由来のBAL中でカリクレイン様活性を阻害することが見いだされた。(図7を参照)。この合成基質はBAL中の他のプロテアーゼによっては加水分解されるので、このためキニノゲナーゼ活性の選択的基質ではない。DX−2300はK1の高度に特異的な阻害剤であることが証明されているので、BAL中のこれらの他のプロテアーゼを阻害する可能性は低い。結果として、DX−2300は、BAL中のプロテアーゼ活性を完全に阻害するとは予想されない。このようなK1活性の特異的阻害剤を用いてBAL内で実質的な量のプロテアーゼ阻害が観察されたことは、K1活性が喘息患者では上昇することを確証している。
喘息のヒツジモデルにおけるDX−2300の作用
喘息のヒツジモデルは、潜在的喘息薬の標的の妥当性を確認し、物質を試験するために以前に使用されている。Forteza, R., et al., Am J Respir Crit Care Med, 1996. 154(l):36−42;Rosen, S.D., et al., Am J Pathol, 2005. 166(3):935−944;Scuri, M., et al., JAppl Physiol, 2002. 93(6):1900−1906。このモデルでは、アレルギー性のヒツジにAscaris suum抗原を用いて惹起され、肺抵抗性の測定値は付随する気管支収縮の指標を提供する。図8Aに示したように、DX−2300は初期にはわずかに減少したが、後期には気管支修飾を80%超まで阻害した。
喘息のヒツジモデルにおける気道高反応性(AHR)の測定値は、ヒト患者における有効性も示している。図9Bに示したように、DX−2300は、アレルゲン惹起に続くAHRを完全に遮断した。AHRは、気管支収縮をベースライン値の400%以上に増加させる(PC400)ためにコリン作動薬であるカルバコールがどのくらい必要であるのかによって測定する。アレルゲン惹起後には、気道はそのようなアゴニストに対して高反応性となるので、同一レベルの気管支収縮を誘導するために必要な量は減少する。図9Bは、惹起後に気管支収縮のPC400レベルに達するために同量のカルバコールが必要とされたために、DX−2300がAHRの発生を遮断したことを証明している。
ヒツジへの吸入によるK1基質である高分子量キニノーゲン(HMWK)の投与は、肺抵抗性の増加によって測定されるように、即時の気管支収縮を生じさせる。この増加は、気道キニノゲナーゼによるキニンの生成に起因する。DX−2300がHMWK誘導性気管支修飾を阻害するという観察(図10)は、K1が気道における主要キニノゲナーゼであるという観察を支持している。Christiansen, S.C., et al., Am Rev Respir Dis, 1992. 145(4 Pt 1):900−905;Lauredo, LT., et al., Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol, 2004. 286(4):L734−40。
DX−2300の重鎖および軽鎖をコードするDNAのコドン最適化
DX−2300の重鎖および軽鎖をコードするDNAは、どちらも当分野の専門家であるGENEARTが独自仕様のアルゴリズムを用いてチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内での発現について最適化された。コドンの最適化中には使用をCricetulus遺伝子のコドンバイアスに適応させた。可能な場合は、高(>80%)または低(<30%) GC含量の領域を回避した。さらに、重鎖4 Procarya阻害モチーフおよび7コンセンサス潜在的スプライスドナー部位は取り除いた。軽鎖については、単一イントロンを取り除いた。
当業者は、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態の多数の同等物を、日常的実験や実験器具以上のものを使用せずに認識するであろう、または確定できるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが企図されている。