JP2008513159A - 勾配骨組及びその作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織の人工操作を効率的に行うべく、複合組織を結合させるのに適切な材料及び構造を提供する。
【解決手段】固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、重合体を含む勾配骨組を提供する。前記勾配骨組は、とりわけ、微細孔直径、化学成分、架橋密度、又はそれらの組み合わせの内の1つ又は複数の性質の相違が所望する方向に沿って調節されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、勾配骨組(gradient scaffolding)及びその作成方法に関するものである。前記勾配骨組としては、とりわけ、微細孔直径、化学成分、架橋密度、又はそれらの組み合わせの内の1つ又は複数の性質の相違が所望する方向に沿って調節された骨組が挙げられる。
従来、組織の人工操作を効率的に行うべく、複合組織を結合させるのに適切な材料及び構造が無かった。特に、機能的組織を作成すべく、適切な細胞を所望する方向に整列させることができなかった。また、従来の方法では、組織の形成を促進する適切な基材を、組織が互いに結合する、かつ常在細胞及び組成が異なる領域に提供することができなかった。
多くの組織及び器官は、多くの場合は、例えば、筋膜などの非特異的な組織によって、隣接する組織/器官からは解剖学的に分離している。しかしながら、他の組織/器官が隣接する器官と結合し、組織が拡張すると、構造が斬新的に変化する。例えば、このような拡張により、1つ又は複数の形質に勾配が形成されると、重要で新しい機能性質が前記組織に付与される。このような「連結」組織による2つの組織/器官の勾配構造の形態での結合により、2つの組織/器官の連結が分断されたとき(例えば、外傷性傷害後)に失われるような、新しい生理学的な機能が生成される。そのような組織の例としては、筋骨格機構に関連する腱、靭帯及び間接軟骨などがある。これらの各例では、身体の健全な機能には必要不可欠な物理的な力が、ある器官から前記器官が結合している「連結」組織へ伝達され、次にその連結組織に連結している器官へ伝達される。
2つの異なる組織又は器官が第3者の連結組織によって連結される場合、その連結組織は、通常は、3種類の組織を含む。連結組織の各端部は、それらに連結している器官又は組織に対して構造的又は機能的に同質である。連結組織の中間部分は、通常は、その物理的機能(連結組織によって結合される2つの組織の物理的結合など)に関連する、独特でユニークな構造又は構成を有する。
筋骨格の結合組織は、しばしば、外傷的に損傷する。前記組織を効率的に機能させ、器官全体を回復させるのためには、器官の端部の修復機能(瘢痕の修復)又は再生機能の促進によって治療するだけではなく、連結組織をも適切に治療する必要がある。例えば、腱及び靭帯が損傷した場合、腱及び靭帯だけではなく、それらと連結している骨をも治療する必要がある。しかしながら、損傷部位の機能を回復させるためには、前記損傷部位を骨に連結する組織をも同様に適切に治療する必要がある。したがって、修復を誘導する骨組(scaffold)は、前記組織/器官から、それと結合する隣接組織/器官までに伸びる新しい連結組織の合成をも促進する必要がある。連結組織は、通常は、適切な結合を維持するために空間的に配置された少なくとも3種類の組織を含む。そのため、骨組は、適切な結合構造を提供すべく、3種類の組織の合成を促進する必要がある。
当該技術分野では骨組は存在しているものの、従来の骨組は、1種類の組織しか再生を促進できなかった。骨組の再生能力は、微細孔の平均直径(average pore diameter)、化学成分及び架橋密度に大きく左右される。そのため、従来技術では、骨組の材料については、これらの特性の内の1つの均一性のみが重視されている。組織の再生を誘導する骨組は、再生中の組織の間質(結合組織)の構造に密接に関連する(ほとんどそのレプリカである)構造を有している。構造が全体的に均一な、従来の骨組を、必然的に異なる種類の組織を含む連結組織/器官の合成に使用することは容易ではない。そのため、組織の再生を効率的に行うためには、不均一な構造が必要とされている。
ある実施形態では、本発明は、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組を提供する。他の実施形態では、前記骨組は多孔性を有する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、固形重合体は、少なくとも1つの合成又は天然重合体、セラミック、金属、細胞外マトリックスタンパク又はその類似体を含む。他の実施形態では、骨組は不均一な多孔性を有し、又は他の実施例では、骨組内の微細孔は不均一な平均直径を有する。前記微細孔の平均直径は、他の実施形態では、前記骨組におけるその空間的構造に応じて異なる。又は他の実施形態では、前記骨組の任意軸に沿って微細孔の直径分布に応じて異なる。他の実施形態では、骨組の微細孔の平均直径若しくはその分布、成分の濃度、架橋密度又はそれらの組み合わせは異なる。他の実施形態では、前記微細孔の平均直径は0.001〜500μmの範囲である。
他の実施形態では、本発明は、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)凍結温度に勾配が生じる条件下で、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体の溶液を凍結乾燥させるステップと、(b)前記凍結乾燥が熱平衡に到達する前に、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップとを含み、氷結晶が前記凍結温度勾配にしたがって、勾配に沿って形成され、前記氷結晶が昇華することにより、微細孔が前記勾配に沿って形成されることを特徴とする方法。
本発明のこの態様及びある実施形態では、細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン、又はそれらの組み合わせを含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、ステップ(b)で形成された前記骨組内の少なくとも1つの領域を湿潤させるステップと、前記湿潤された領域で前記微細孔を崩壊させるべく、大気圧を含む条件下で前記湿潤された領域を乾燥に晒す(暴露する)ステップをさらに含む。他の実施形態では、作成された骨組は、微細孔の無い領域を含む。他の実施形態では、前記領域の湿潤は、前記乾燥に晒した後、前記微細孔が無い領域に特定の形状が形成されるように実施される。他の実施形態では、前記領域は、旋回半径又は有効直径が1000Da以上の分子を通過させない。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。ある実施形態では、前記勾配に晒すことにより、前記骨組内の少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解される。他の実施形態では、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、塩濃度の増加に応じて増加する。
他の実施形態では、前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。本発明のこの態様及びある実施形態では、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の消化は、前記酵素濃度の増加に応じて増加する。ある実施形態では、酵素は、コラ―ゲナーゼ、グリコシダ―ゼ又はそれらの組み合わせである。他の実施形態では、前記酵素濃度は0.001〜500U/mlの範囲である。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。本発明のこの態様及びある実施形態では、前記温度勾配は、25〜200℃の範囲である。他の実施形態では、前記骨組を温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成される。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。本発明のこの様態、及びある実施形態では、前記骨組を前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成される。ある実施形態では、前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、紫外線又はそれらの組み合わせである。
他の実施形態では、本発明は、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を凍結乾燥させるステップと、(b)微細孔が均等に分布した骨組を作成すべく、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップと、(c)ステップ(b)で形成された前記骨組の少なくとも1つの領域を湿潤させるステップと、(d)ステップ(c)で形成された前記湿潤領域を、大気圧下で乾燥に晒すステップとを含み、前記領域を乾燥に晒すことにより、前記領域で前記微細孔を崩壊させ、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する骨組を作成することを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されるステップをさらに含み。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を、前記塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解し、前記溶解が硫酸塩の濃度の増加に応じて増加することにより、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)多孔性を有し、固形である均一な組成の骨組を作成するために、ステップ(a)で作成された溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された骨組を、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分の少なくとも1つを消化する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を、前記溶液群の勾配に晒すことにより、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分が選択的に消化され、前記消化が酵素濃度の増加に応じて増加することにより、多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形である、均一組成の骨組を作成するために、ステップ(a)で作成された溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された骨組を温度勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、そのことより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形であり、多孔性を有する、均一組成の骨組を作成するためにステップ(a)で前記溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、
前記骨組を、前記架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、そのことより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明の方法にしたがって作成された、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組を提供する。
他の実施形態では、本発明は、患者の器官又は組織を人工操作する方法であって、本発明の骨組を患者に移植するステップを含むことを特徴とする方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、患者の器官若しくは組織の修復又は再生の方法であって、本発明の骨組を患者に移植するステップを含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明のこれらの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、患者に細胞を移植するステップをさらに含む。ある実施形態では、前記細胞は前記骨組に植え付けられる。他の実施形態では、前記細胞は、幹細胞又は前駆細胞である。他の実施形態では、本発明に係る方法は、サイトカイン、成長因子、ホルモン又はそれらの組み合わせを投与するステップをさらに含む。他の実施形態では、人工操作される器官又は組織は、異種細胞を含む。他の実施形態では、人工操作される器官又は組織は連結器官又は組織であり、前記連結器官又は組織は、他の実施形態では、腱又は靭帯である。
本発明は、固形の勾配骨組、その作成方法、及びその使用から生じる治療への応用を対象にしている。
組織の人工操作を効率的に行うべく、複合組織を結合させる適切な材料及び構造が無かった。特に、機能的組織を作成すべく、適切な細胞を所望する方向に整列させることができなかった。これらにより、組織の操作、修復、及び再生は困難であった。また、従来の方法では、組織の形成を促進する適切な基材を、組織が互いに結合する、かつ常在細胞及び組成が異なる領域に提供することができなかった。
ある実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、重合体を含む勾配骨組を提供する。
ある実施形態では、「骨組」は、細胞、生物分子又はそれらの組み合わせを支持する、及び/又は組み込む3次元の構造体を意味する。ある実施形態では、骨組は、組織又は器官の修復、再生又は生成を支える。
「勾配骨組」という用語は、ある実施形態では、骨組中での成分濃度が異なる材料を含む骨組を意味する。又は、他の実施形態では、骨組中での多孔率が異なる材料を含む骨組を意味する。なお、多孔率は、他の実施形態では、微細孔の大きさ、その形、多孔パーセンテージとして示されている場合がある。又は、他の実施形態では、骨組中での架橋密度が異なる材料を含む骨組を意味する。又は、他の実施形態では、骨組中での密度が異なる材料を含む骨組を意味する。他の実施形態では、「勾配骨組」は、骨組中での微細孔直径が異なる材料を含む骨組を意味する。
ある実施形態では、勾配骨組は、体積率が0〜0.999の範囲で漸次異なる微細孔を有する。
ある実施形態では、微細孔の平均直径(mean pore diameter)は0.001〜500μmの範囲であり得る。ある実施形態では、微細孔の平均直径は、0.001〜0.01μmの範囲であり得る。又は、他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.001〜500μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.001〜0.1μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.1〜1μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.001〜500μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.1〜10μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、1〜10μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、1〜25μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、10〜50μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、0.001〜500μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、10〜74μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、25〜100μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、100〜250μmの範囲であり得る。又は他の実施形態では、微細孔の平均直径は、100〜500μmの範囲であり得る。
ある実施形態では、「勾配骨組」は、形成されている微細孔が不均一な平均直径を有する骨組を意味する。他の実施形態では、「勾配骨組」は、形成されている微細孔が均一な平均直径を有するが、骨組中に不均一に散在している骨組を意味する。
ある実施形態では、「勾配骨組」は、骨組に含まれる固形重合体の濃度が異なることを意味する。ある実施形態では、前記濃度は、骨組全体で異なる。他の実施形態では、前記固形重合体濃度は、骨組の少なくとも1つの軸に沿って異なる。他の実施形態では、固形重合体濃度は、骨組の特定の位置において異なり、それにより、他の実施形態では、細胞付着が容易になる。
ある実施形態では、「勾配骨組」は、1つ以上の組織を互いの近傍で生成させるのに使用される材料を意味する。
ある実施形態では、「生体適合性」という用語は、単に基本要素に分解されるだけではなく、患者又はその環境に対して実際に有益又は無害な要素に分解される物質に用いられる。他の実施形態では、「生体適合性」という用語は、患者又は前記患者の細胞に骨組を晒した後に、繊維症、炎症反応、宿主拒絶反応又は細胞接着を誘発しない特性を意味する。他の実施形態では、「生体適合性」という用語は、骨組に晒されている組織の周囲の細胞に直接的又は間接的に影響をもたらすとしても、その影響は最小(例えば、対照と比較して重要な相違が示されない)に留まる任意の基材又は化合物を意味する。
ある実施形態では、本発明に係る重合体は、共重合体である場合がある。他の実施形態では、本発明に係る重合体は、ホモ重合体、又は他の実施形態では、ヘテロ重合体である場合がある。他の実施形態では、本発明に係る重合体は、合成重合体、又は他の実施形態では、天然重合体である。他の実施形態では、本発明に係る重合体は、フリー・ラジカルの任意共重合体、又は、他の実施形態では、グラフト共重合体である。ある実施形態では、本発明に係る重合体は、タンパク、ペプチド又は核酸を含む場合がある。
ある実施形態では、本発明に係る重合体としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアクリル酸塩、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリグリコリドなどの疎水性重合体又はこれらの任意の共重合体が挙げられる。他の実施形態では、本発明に係る重合体としては、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどのシロキサン、天然及び/又は人工ゴム、ガラス、ステンレス鉄又はグラファイトなどの金属又はこれらの組み合わせが挙げられる。
ある実施形態では、本発明に係る重合体としては、親水性ジオール、親水性ジアミン又はそれらの組み合わせが挙げられる。前記親水性ジオールは、ポリ(アルキレン)グリコール、ポリエステルベースポリオール(polyester-based polyol)又はポリカーボネートポリオールである場合がある。ある実施形態では、「ポリ(アルキレン)グリコール」は、ポリ(エチレン)グリコール、ポリ(プロピレン)グリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(PIMEG)などの低級アルキレングリコールの重合体を意味する。「ポリエステルベースポリオール(polyester-based polyol)」は、R基が、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,3プロピレン、などの低級アルキレン基である重合体を意味する。当業者は、重合体のジエステル部位もまた変化可能と分かるであろう。例えば、本発明は、コハク酸エステル及びグルタル酸エステルなどの使用も含む。「ポリカーボネートポリオール」は、鎖の末端にヒドロキシル官能基を、及び重合体鎖内にカーボネート基を有する重合体を意味する。重合体のアルキル部分は、他の実施形態では、C2〜C4脂肪族ラジカルを、又はいくつかの実施形態では、長鎖脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル又は芳香族ラジカルを含み得る。ある実施形態では、「親水性ジアミン」は、末端ヒドロキシル基が活性アミン基に置換された、又は末端アミン基を有する伸張した鎖を産出するために末端ヒドロキシル基が誘導体化された前記任意の親水性ジオールを意味する。例えば、ある実施形態では、親水性ジアミンは、ポリ(アルキレン)グリコールの末端ヒドロキシル基がアミノ基に置換されてできた「ジアミノポリ(オキシルアルキレン)」である。「ジアミノポリ(オキシアルキレン)」は、鎖の末端にアミノアルキルエーテル基を有するポリ(アルキレン)グリコールをも意味する。適切なジアミノポリ(オキシアルキレン)の一例としてポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)がある。多くのジアミノポリ(オキシアルキレン)は、異なった平均分子量を有する状態で購入可能であり、Jeffamines TM(例えば、Jeffamines 230, Jeffamines 600, Jeffamines 900, Jeffamines 2000)として市販されている。これらの重合体は、例えば、Aldrich Chemical Company から市販されている。文献に記載されている方法を用いてこれらの重合体を合成することもできる。
他の実施形態では、本発明に係る重合体は、ProleneTM、ナイロン、DekleneTM、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含む。
他の実施形態では、本発明に係る重合体は、シリコン重合体を含み得る。ある実施形態では、シリコン重合体は線状である場合がある。ある実施形態では、シリコン重合体は、2つの反応性官能基を有するポリジメチルシロキサンである。官能基は、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基又はカルボキシル酸基である場合がある。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル基を含むシリコン重合体、及びアミノ基を含むシリコン重合体の組み合わせが用いられる。ある実施形態では、官能基は、シリコン重合体の末端に位置している。多くの適切なシリコン重合体は、Dow Chemical Company(Midland, Mich, USA)及び General Electric Company(Silicones Division, Schenectady, N.Y, USA)のようなソースから市販されている。また、市販されているシロキサン(United chemical Technologies, Bristol. Pa., USA)を用いて一般的な合成方法で作成することもできる。シリコン重合体は、他の実施形態では、約400〜800の分子量、又は他の実施形態では、約2000〜約4000の分子量を有しえる。
他の実施形態では、本発明に係る重合体は、ヒアルロン酸及び/又はその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸及び/又はケラタン硫酸などのグリコサミノグリカン、ムチングリコタンパク(例えば、ルブリシン;Lubricin)、ビトロネクチン、トリボネクチン、界面活性リン脂質、鶏冠製ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分を含み得る。いくつかの実施形態では、細胞外マトリックス成分は、ARIHREASETM高分子量ヒアルロン酸ナトリウム、SYNVISC(R) Hylan G-F 20、HYLAGAN(R)ヒアルロン酸ナトリウム、HEALON(R)ヒアルロン酸ナトリウム及びSIGMA(R)コンドロイチン6−硫酸などのように市販されている。
他の実施形態では、重合体は、例えばコラーゲンのような生重合体を含み得る。他の実施形態では、重合体は、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)及びポリグリコリド(PGA)などの[アルファ]−ヒドロキシカルボン酸のポリエステル、ポリ−p−ジオキサノン(PDO)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、米国特許第6,333,029号及び第6,355,699号に記載の重合体、並びに生体吸収可能及び生体適合的な、本明細書に記載されている重合体、共重合体若しくはその混合物などの生体適合的な重合体を含み得る。
ある実施形態では、重合体は、ポリ尿素、ポリウレタン又はポリウレタン/ポリ尿素の組み合わせを含み得る。ある実施形態では、このような重合体は、ジイソシアネートをアルコール及び/又はアミンと混合することにより形成され得る。例えば、イソホロンジイソシアネートを重合条件下でPEG600及び1,4−ジアミノブタンと混合することにより、ウレタン(カルバミン酸)結合及び尿素結合の両方を有するポリウレタン/ポリ尿素の組成を得ることができる。
他の実施形態では、細胞外マトリックス成分を含む重合体は、当該技術分野で公知の方法を用いて組織から精製することができる。例えば、コラーゲンを所望する場合、ある実施形態では、コラーゲン以外の全ての構成要素を十分に除去するために天然の細胞外マトリックス成分を処理することができる。グリコタンパク、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、脂質、非コラーゲンタンパク及び核酸(DNA又はRNA)を十分に除去するために公知の方法を用いて、この精製を行うことができる。
他の実施形態では、重合体は、I型コラーゲン、II型コラーゲン、IV型コラーゲン、ゼラチン、アガロース、(プロテオグリカン、グリコサミノグリカン又はグリコタンパクを含んだ)細胞収縮コラーゲン(cell-contracted collagen)、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、フィブリン、(ポリ乳酸、ポリグリコル酸又はポリアミノ酸などの)多酸で作成された合成重合繊維、ポリカプロラクトン、ポリアミノ酸、ポリペプチドゲル、それらの共重合体及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。ある実施形態では、骨組は生分解可能になるべく、このような材料で作成される。
他の実施形態では、本発明に係る固形重合体は、例えば、ハイドロキシアパタイト、全てのリン酸カルシウム、リン酸アルファトリカルシウム、リン酸ベータトリカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムの多形、セラミック粒子又はそれらの組み合わせなどのように無機であるにもかかわらず生体適合性を有し得る。
他の実施形態では、重合体は、関心のある他の分子との結合形成を可能にする官能基を有する場合があり、その例は本明細書の後述に示されている。ある実施形態では、官能基は、水素結合に適したものである(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、エーテル結合、カルボキシル酸及びエステルなど)。
他の実施形態では、官能基は有機酸基を含み得る。ある実施形態では、「有機酸基」という用語は、カルボキシル酸基及びスルホン酸基などの、有機酸のイオン化水素を含む任意の基を意味する。「有機酸官能基」という用語は、反応条件下で有機酸基と同じように機能する任意の基を意味する。このようなものとして、例えば、前記有機酸基の金属塩(アルカリ金属塩(特にリチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩など)、及びアルカリ性土類金属塩(カルシウム塩又はマグネシウム塩など))、及び前記有機酸基の第4級アミン塩(特に第4級アンモニウム塩など)がある。
他の実施形態では、官能基は、オルト−エステル基及びアミド基などの酸加水分解が可能な結合を有し得る。他の実施形態では、官能基は、アルファ−エステル基及び無水物基などの塩基加水分解が可能な結合を有し得る。他の実施形態では、官能基は、炭酸基、エステル基、およびイミノ炭酸基などの酸加水分解及び塩基加水分解の両方が可能な結合を有し得る。他の実施形態では、官能基は、当該技術分野では公知である、かつ本明細書に記載されている方法/工程及び骨組に容易に用いることができる不安定結合を有し得る(例えば、Peterson et al., Biochem Biophys. Res Comm 200(3): 1586159 (1994) 及び freer et al., J. Med. Chem. 43: 4319-4327 (2000)を参照)。
他の実施形態では、骨組は、pH改変化合物(pH-modifying compound)をさらに含む。ある実施形態では、「pH改変」は、水環境に配置又は溶解されたときにその水環境のpHを変化させる化合物の能力を意味する。他の実施形態では、pH改変化合物は、湿潤された、及び/又は熱に晒された重合体において、加水分解可能な結合の加水分解を促進させることが可能である。ある実施形態では、pH改変化合物は、実質的に不水溶性である。適切な、実質的に不水溶性なpH改変化合物には、実質的に不水溶性な酸及び塩基が含まれる場合がある。他の実施形態では、無機性及び有機性酸又は塩基が使用される場合がある。
他の実施形態では、骨組は不均一な多孔性を有する。ある実施形態では、「多孔性」は、材料に透過性をもたらす穴又は孔隙を含む基材を意味する。ある実施形態では、不均一な多孔性を有することにより、骨組内のある領域は透過性を有し、他の領域は透過性を有しない、又は他の実施形態では、透過性の程度は骨組内で異なる。
ある実施形態では、骨組内の微細孔は、不均一な平均直径を有する。前記微細孔の平均直径は、他の実施形態では、前記骨組におけるその空間的構造に応じて異なる。又は他の実施形態では、前記骨組の任意軸に沿って微細孔直径の分布に応じて異なる。
ある実施形態では、不均一な多孔性を有する骨組は、特に組織の操作、修復、又は再生に適切である。その場合、組織は連結組織である、又はその骨組は、互いに近接している2つ以上の組織の操作、修復若しくは再生に使用される。ある実施形態では、多孔性の相違によって、異なった種類の細胞が骨組内の適切な領域へ移動するのが容易になり得る。他の実施形態では、多孔性の相違により、骨組にある様々な細胞の間での適切な細胞間結合の発達が容易になる場合があり、これは組織の発達/修復/再生のための適切な構成に必要である。例えば、樹上突起又は細胞突起は、骨組材料の異なった微細孔率により、より適切に伸張する場合がある。他の実施形態では、透過性の違いは、タンパクの透過を促進及び防止する場合があり、その場合、透過性は分子の大きさによるので、不均一な微細孔率は分子のふるいとして働く。本発明の勾配骨組は、不均一な微細孔率が望ましい任意の目的のために用いられる場合があり、本発明の一部であることを理解されたい。
他の実施形態では、骨組の微細孔の平均直径及び/又はその分布は異なる。他の実施形態では、微細孔の平均直径は、前記骨組におけるその空間的構造に応じて異なる。他の実施形態では、微細孔の平均直径は、骨組の任意軸に沿って微細孔直径の分布に応じて異なる。他の実施形態では、骨組は、微細孔の無い領域を有する。他の実施形態では、前記領域では、大きさが1000Da以上の分子は透過できない。
他の実施形態では、骨組では、その重合体濃度、又は生体分子及び/若しくは骨組に組み込まれている細胞などの骨組の成分の濃度は異なる。
ある実施形態では、本明細書に記載されているように、他の分子が骨組内に組み込まれている場合があり、他の実施形態では、これらの分子は、本明細書に記載されているように、官能基を通じて結合していることもある。他の実施形態では、前記分子は、直接、骨組に結合している。
ある実施形態では、1つ以上の生体分子が骨組に組み込まれている場合がある。他の実施形態では、前記生体分子には、薬剤、ホルモン、抗生物質、抗菌物質、染料、放射性物質、蛍光物質、シリコン・エラストマ、アセタール、ポリウレタン、放射線不透過性フィラメント又は物質、抗菌性物質、化学物質若しくは薬剤、それらの組み合わせなどが含まれる。これらの物質は、治療効果の促進、埋め込み型の関節の劣化又は体による拒絶の可能性の縮小、視覚化の促進、適切な方向づけ、感染への抵抗、治療の促進、柔軟性又は他の任意の望ましい効果の増加のために使用され得る。
他の実施形態では、生体分子は、走化性物質、抗生物質、ステロイド性若しくは非ステロイド性鎮痛剤、抗炎症薬、免疫抑制剤、抗がん剤、様々なタンパク(例えば、短鎖ペプチド、骨形態形成タンパク、グリコタンパク及びリポタンパク)、細胞接着剤(生物活性リガンド、インテグリン結合配列、リガンド)、様々な成長(増殖)及び/若しくは分化剤(例えば、上皮細胞増殖因子,IGF−I、IGF−II、IGF−β I−III、増殖及び分化因子、血管内皮成長因子、線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、インシュリン由来増殖因子、形質転換成長因子、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、bEGF、IGFβスーパーファミリー(BMP−2、BMP−4、BMP−6、BMP−12、ソニック・ヘッジホッグ、GDF−5、GDF−6、GDF−8、PDGF)、特定の成長因子の上方調節を行う小さな分子(テナシン―C、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、デコリン、トロンボエラスチン、トロンビン由来ペプチド、ヘパリン結合領域、ヘパリン、ヘパリン硫酸)、DNA断片、DNAプラスミド、又はこれらの組み合わせを含む。
他の実施形態では、骨組には、次に記載のものの1つ以上が含まれ得る。骨(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)及び/又は骨の由来物、半月板組織及び/又はその由来物などの軟骨(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、靭帯(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)又はその由来物、粘膜下層などの腸組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、粘膜下層などの胃組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、粘膜下層などの膀胱組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、粘膜下層などの消化組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、粘膜下層などの呼吸組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、粘膜下層などの性器組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、肝臓基底膜などの肝臓組織の由来物(自家移植片、同種移植片、及び異種移植片)、皮膚組織の由来物、多血小板血漿(PRP)、少血小板血漿、骨髄穿刺液、脱塩骨基質、インシュリン由来成長因子、全血、フィブリン又は凝血。
他の実施形態では、骨組は細胞を含み得る。ある実施形態では、細胞には次に記載のものの1つ以上が含まれる場合がある。軟骨細胞、繊維軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、滑膜細胞、骨髄細胞、間葉細胞、間質細胞、幹細胞、胚幹細胞、脂肪組織由来の前駆細胞、末梢血液前駆細胞、成体組織由来の幹細胞、遺伝子組み替え細胞、軟骨細胞と他の細胞の組み合わせ、骨細胞と他の細胞の組み合わせ、骨髄細胞と他の細胞の組み合わせ、骨髄細胞と他の細胞の組み合わせ、間葉細胞と他の細胞の組み合わせ、間質細胞と他の細胞の組み合わせ、幹細胞と他の細胞の組み合わせ、胚幹細胞と他の細胞の組み合わせ、成体組織由来の前駆細胞、末梢血液前駆細胞と他の細胞の組み合わせ、成体組織由来の幹細胞と他の細胞の組み合わせ、及び遺伝子組み替え細胞と他の細胞の組み合わせ。
ある実施形態では、骨組の架橋密度は異なる。他の実施形態では、架橋密度は、骨組内で、前記骨組の構成物の空間的構造に応じて異なる。
他の実施形態では、本発明は、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)凍結温度に勾配が生じる条件下で、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体の溶液を凍結乾燥させるステップと、(b)前記凍結乾燥が熱平衡に到達する前に、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップとを含み、氷結晶が前記凍結温度勾配にしたがって、勾配に沿って形成され、前記氷結晶が昇華することにより、微細孔が前記勾配に沿って形成されることを特徴とする方法を提供する。
ある実施形態では、骨組は、本発明の方法にしたがって材料を凍結乾燥及び昇華させることにより、多孔状に作成された。これは、例えば、米国特許第4,522,753号(Dagalakis, et al.)に記載されているような、当業者に公知の方法を用いれば実施可能である。例えば、多孔性の勾配骨組は、凍結乾燥によって作成可能である。ある実施形態では、細胞外マトリックス成分が液体に懸濁される場合がある。そこで、その懸濁液は凍結され、次に凍結乾燥される。懸濁液が凍結されることにより、液体から氷結晶が形成される。そこで、これらの氷結晶は、凍結乾燥の工程の真空状態下で昇華することにより、氷結晶が材料中に占めていた場所に空隙が残る。他の実施形態では、作成される骨組の成分密度及び微細孔の大きさは、凍結工程の始まりに、懸濁液の凍結速度及び/又は細胞外マトリックス成分が懸濁される溶液の量を調節することにより異なってくる場合がある。
例えば、比較的大きく、均一的な微細孔及び低い成分密度を有する骨組を作成するためには、制御された遅い速度(例えば、−1℃/分又はその以下)で温度を約−20℃まで下げて細胞外マトリックス成分を凍結し、次に、凍結乾燥を行う場合がある。比較的小さく、均一的な微細孔及び高い成分密度を有する骨組を作成するためには、凍結前に、液体部分(例えば、水)を取り除くために遠心分離を行い、細胞外マトリックス成分を圧縮する場合がある。その後、得られる細胞外マトリックス成分の塊を急速冷凍する。中程度の大きさの微細孔及び中程度の成分密度を有する骨組を作成するためには、比較的速い速度(例えば>−1℃/分)で温度を−20〜−40℃まで下げて細胞外マトリックス成分を凍結し、その後、その塊を凍結乾燥する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明の勾配骨組を作成するために、凍結速度は、骨組の形成時に骨組内に温度勾配を生じさせるべく、制御される。例えば、本明細書に記述及び/又は例示されているような、ポリマーを含む関心のあるスラリは、「Loree et al., 1989 Proc. 15th Annual Northeast Bioeng Conf, pp. 53-54」に示されているように、過冷却シリコン油で油浴される場合がある。この態様によれば、ある実施形態では、容器の長さに沿って伝わる凍結フロントが形成されることで、スラリ内に温度勾配が形成されるべく、容器は完全に浸っているのではなく、部分的に浸っている。
ある実施形態では、前記勾配は、熱平衡に達する前に凍結工程を停止することで保たれる。このようにスラリが所定の形状の容器に入っているとき、その熱平衡到達時間を測定するための方法は当業者には容易に理解されるであろう。ある実施形態では、希望の温度勾配の到達後、スラリは浴槽から取り除かれ、凍結乾燥される。昇華後に残る材料は、微細孔の平均直径に関して勾配を有する重合体を含む骨組である。
他の実施形態では、骨組の凍結速度の勾配は、骨組の成分を含む容器の間に段断熱層を使用し、冷凍庫の中に棚を設け、その上に容器を置くことで形成される。ある実施形態では、断熱層の勾配は、例えば、層内の特定の方向に沿って厚みが増す領域を作成する、又は他の実施形態では、層の熱伝導性を変化させるなどの当該技術分野では公知の様々な方法を使用することで作成される。後者は、例えば、アルミニウム及び銅、又はプレキシガラス及びアルミニウムなどを使用することで実施可能であり、これらは全て本発明の実施形態を表す。
本発明のこの様態、及びある実施形態では、細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン、又はそれらの組み合わせを含む。本明細書に記載されている、骨組に関する任意の実施形態は、該当する場合、本明細書に記載されている、本発明の勾配骨組を作成するための方法の実施形態と見なされることを理解されたい。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、ステップ(b)で形成された前記骨組内の少なくとも1つの領域を湿潤させるステップと、前記湿潤された領域で前記微細孔を崩壊させるべく、大気圧下などの当業者に公知の条件下で前記湿潤領域を乾燥に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、作成された骨組は微細孔の無い領域を含む。他の実施形態では、前記領域の湿潤は、乾燥に晒した後、微細孔の無い領域に特定の形状又はパターンが形成されるように実施される。他の実施形態では、前記領域は、旋回半径又は有効直径が1000Da以上の分子を通過させない。
ある実施形態では、制御される微細孔の崩壊は、骨組の軸に沿って行われる。他の実施形態では、当該技術分野では公知の適切な気圧下(例えば、関心領域に直接温風を当てるなど)で、関心領域から水分を蒸発させることができる。本発明のこの態様では、乾燥領域は、微細孔を有しなくなる、又は他の実施形態では、張力の問題のため、前記乾燥領域では、これらの微細孔の制御された崩壊によって多孔性の程度が低下する。
他の実施形態では、このような制御された微細孔の閉塞は、生物的なバッフル(biological baffle)を必要とする用途のための骨組を作成するのに使用され得る。ある実施形態では、「生物的なバッフル」は、任意の領域の生物活性をその領域に結合している領域の生物活性から分離させる物質を意味する。
ある実施形態では、微細孔が制御的に閉塞されたこのような骨組は、細胞が植えられる骨組に有用であり、米国特許第4,458,678号又は米国特許第4,505,266号に記載されている特定の生物活性などを付与する。微細孔が制御的に閉塞されたことで形成された生物学的バッフルは、ある実施形態では、細胞の無い領域を形成する。また、前記バッフルは、他の実施形態では、細胞を通過させない。或いは、前記バッフルは、他の実施形態では、その両方の特徴を有する。幾つかの実施形態では、このようなバッフルは、骨組に植えられた特定の種類の細胞を分離するのに有用である。また、前記バッフルは、他の実施形態では、特定の生物学的構成を有する個別の領域(例えば、サイトカイン、成長因子、ケモカインなどの種類及び/又は濃度が異なった領域)において異なる環境を形成するの有用である。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。ある実施形態では、前記勾配に晒すことによって、前記骨組の少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解する。他の実施形態では、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、塩濃度の増加に応じて増加する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、形成される勾配骨組は、その化学成分を調製することによりさらに影響され得る。ある実施形態では、化学成分は、米国特許第4,280,954号に記載されている様々な方法で調節され得る。
例えば、及びある実施形態では、骨組はI型コラーゲン及びGAGのグラフト共重合体を含んでおり、これらの比率は、共重合体を形成させるために混合される高分子の量を調節することによって調節される。
ある実施形態では、合成物は、凍結乾燥及び昇華され、固体中で均一的な成分を含んだ多孔性の素材を形成する。次に、ある実施形態ではNaHPO、又は他の実施形態ではNaCl、又は他の実施形態では電解質、又は他の実施形態ではそれらの組み合わせなどの塩濃度が増加する勾配に晒す(例えば、Yannas et al., JBMR, 14:107-131, 1980を参照)。
ある実施形態では、塩溶液の濃度は、0.001〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。他の実施形態では、塩溶液の濃度は、0.001〜1の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。又は他の実施形態では、塩溶液の濃度は、0.01〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。又は他の実施形態では、塩溶液の濃度は、0.1〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。又は他の実施形態では、塩溶液の濃度は、1〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。又は他の実施形態では、塩溶液の濃度は、1〜20の範囲のイオン強度に相当する範囲内にある。又は他の実施形態では、塩溶液の濃度は、選択的溶解が可能である、かつ骨組の完全性が維持される濃度の任意の範囲にある。
ある実施形態では、次に骨組は水に晒される。他の実施形態では、細胞外マトリックス成分の溶解は、溶媒の濃度の増加に応じて増加する。
ある実施形態では、硫酸塩は、骨組のGAGを溶解する。他の実施形態では、塩濃度が増加すると、GAGの溶解量が増加し、コラーゲン/GAGの比率に勾配が生じる。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。本発明のこの態様及びある実施形態では、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の消化は、酵素の濃度の増加に応じて増加する。
ある実施形態では、消化又は溶解するという用語は、部分消化若しくは部分溶解を、又は他の実施形態では、完全消化若しくは完全分解を包含する。
ある実施形態では、前記酵素は、コラ−ゲナーゼ、グリコシダーゼ、又はその組み合わせである。ある実施形態では、前記酵素はエンドグリコシダーゼであり、グリコシド結合の切断を触媒する。ある実施形態では、酵素は、例えば、へパリチナーゼI、II、又はIIIなどのヘパリチナーゼである。他の実施形態では、エンドグリコシダーゼは、例えば、Δ4,5−グリクロニダーゼなどのグリクロニダーゼである。他の実施形態では、グリコシダーゼは、エンド−キシロシダーゼ、エンド−ガラクトシダーゼ、又はエンド−グルクロニダーゼである。
ある実施形態では、前記酵素は、精製される、又は他の実施形態では、組み換えされた生物から精製される。
ある実施形態では、前記酵素濃度は、0.001〜500U/mlの範囲である。他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.001〜500U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.001〜1U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.001〜10U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.01〜10U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.01〜100U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.1〜10U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、0.1〜100U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、1〜10U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、1〜100U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、10〜100U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、10〜250U/mlの範囲である、又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、10〜500U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、100〜500U/mlの範囲である、又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、100〜250U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、50〜100U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、50〜250U/mlの範囲である。又は他の実施形態では、前記酵素濃度は、50〜500U/mlの範囲である。
ある実施形態では、酵素活性は、当業者に公知の任意の方法で測定され得る。ある実施形態では、GAGの酵素による消化は、質量分析、プロトン及び炭素13NMR分析、又は他の実施形態では、キャピラリーHPLC−ESI−TOF−MS、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、従来のクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などで測定され得る。
本発明のこの態様及びある実施形態では、勾配骨組は、共重合体である重合体及び特定の成分を含む骨組を作成し、調節された方法で、特定の軸又は希望する形状にしたがって少なくとも1つの骨組の成分を消化又は溶解することで作成され得る。
ある実施形態では、例えば、I型コラーゲン及びGAGなどの2つの異なった細胞外マトリックス成分のグラフト重合体が形成される。他の実施形態では、コラーゲン/GAGの最終比率は、当該技術分野では公知の方法(Yannas, et al., PNAS 1989, 86:933)により、85/15〜100/0(w/w)の間の任意の組み合わせに相当する場合がある。本発明のこの態様及びある実施形態では、全長の重合体は次に、任意の時間の間にコラ−ゲナーゼの濃度勾配に晒される。他の実施形態では、この晒す時間は様々であり、それにより、他の実施形態では、晒された骨組において、例えばコラーゲンがより著しく消化された部分が生じる場合がある。消化は、ある実施形態では、酵素濃度に依存する。又は他の実施形態では、任意の濃度の酵素に晒す時間に依存する。又は他の実施形態では、それらの組み合わせに依存する。
ある実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。本発明のこの態様及びある実施形態では、温度勾配は、25〜200℃の範囲である。他の実施形態では、骨組を温度勾配に晒すことで、前記骨組において架橋密度に勾配が生じる。
他の実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
ある実施形態では、架橋密度は、当該技術分野では公知の様々な方法により影響される。本発明のこの態様又はある実施形態では、架橋剤に晒されることで、骨組の架橋密度に勾配が生じる。
ある実施形態では、様々な架橋密度の勾配骨組は、公知の方法(例えば、Yannas et al., 1980, J. Biomed. Mat. Res. 14: 107-131, Dagalakis et al., 1980, J. Biomed. Mat. Res. 15: 511-528、又は米国特許第4,522,753)を一部変更することで作成され得る。その場合、凍結乾燥された骨組は、真空オーブンの中に置かれ、特定の温度及び/又は真空状態に暴露される。このような暴露により、ある実施形態では、骨組が酸性pH下で溶液を沈澱化することで作成されたときのように、架橋が、コラーゲンとGAGのイオン性錯体(ionically complexed)という形状で骨組に導入される。
ある実施形態では、架橋密度の空間的制御は、架橋されていない骨組を真空状態(例えば真空オーブン)で温度勾配に晒すことで得られる。制御された温度分布を有するこのようなオーブンは、当業者に理解されるであろう。また、前記オーブンには、一面を他の面とは異なった温度に加熱する、特定の形状を有する発熱体が設置される場合がある。本発明のこの態様又はある実施形態では、架橋密度は温度上昇に依存する。
他の実施形態では、架橋密度に勾配を有する勾配骨組は、架橋剤を用いることで作成され得る。
ある実施形態では、架橋剤は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、紫外線、又はそれらの組み合わせである。ある実施形態では、架橋剤の濃度は次の範囲内である場合がある。グルタルアルデヒド又はホルムアルデヒドは、0.01〜10%、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)は、0.01〜100mM、及び紫外線は、100〜50000μW/cmの範囲である。
ある実施形態では、示されているように、本発明に係る方法は、凍結乾燥された固形の骨組を作成するステップと、前記骨組を、示されているように、グルタルアルデヒド又は1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)などの架橋剤の一連の溶液に、その濃度が増加する順に浸すステップとを含み得る。他の実施形態では、凍結乾燥された骨組は、米国特許番号第4,448,718号に示されているように、例えばホルムアルデヒドガスなどの圧力勾配に晒される場合がある。
他の実施形態では、本発明は、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を凍結乾燥させるステップと、(b)微細孔が均等に分布した骨組を作成すべく、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップと、(c)ステップ(b)で形成された前記骨組の1つ以上の領域を湿潤させるステップと、(d)ステップ(c)で形成された前記湿潤領域を、大気圧下で乾燥に晒すステップとを含み、前記湿潤領域を乾燥に晒すことにより、前記領域で前記微細孔を崩壊させ、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する骨組を作成することを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を、前記塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解し、前記溶解が硫酸塩の濃度の増加に応じて増加することにより、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、生体適合性を有し、1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分の少なくとも1つを消化する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を、前記溶液群の勾配に晒すことにより、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分の少なくとも1つが選択的に消化され、前記消化が酵素濃度の増加に応じて増加することにより、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含む。他の実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を架橋剤が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を有する勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、温度勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの様態、及びある実施形態では、本発明に係る方法は、前記骨組を、架橋剤が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含む。
他の実施形態では、本発明は、固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を有する勾配骨組を作成するための方法であって、(a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、(b)多孔性を有し、固形であり、均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、(c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、そのことより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る方法にしたがって作成される勾配骨組を提供する。
勾配骨組を作成するための任意の方法、又は本発明に係る方法で作成される任意の骨組は本発明の一部と考えられることを理解されたい。
ある実施形態では、本明細書に記載された方法又は構成が若干異なると、1つの軸に沿って、不連続的に異なる不均一性を有する骨組が形成される可能性がある。その場合、前記不均一性は、骨組の1つ以上の軸に沿った幾何パターンにしたがって、ある実施形態では直線的に、他の実施形態では循環的に、他の実施形態では空間的に異なる。
ある実施形態では、前記勾配は、骨組中の2つ又は3つの軸に沿って異なり得る。ある実施形態では、そのような相違は、本明細書に記載されている要素の任意のもの又はその多数を調整することによって得られることができる。ある実施形態では、前記勾配は、1つの軸に沿った所定領域では線形的に異なり得る。また、前記1つの軸の前記線形領域から離れた点では、非線形的(例えば、指数関数的)に異なり得る。これら全ては、本発明の様々な実施形態を表すことを理解されたい。
他の実施形態では、この発明は、患者の器官又は組織の人工操作の方法であって、本発明の骨組を患者に移植するステップを含むことを特徴とする方法を提供する。
他の実施形態では、患者の器官又は組織の修復又は再生の方法であって、本発明の骨組を患者に移植するステップを含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明のこれらの態様又はある実施形態では、前記骨組は本発明の方法で作成され得る。
ある実施形態では、本発明に係る方法は、連結組織の人工操作、修復又は再生に有用である。ある実施形態では、「連結組織」という用語は、2つの異なった組織と物理的に結合し、それらの間に物理的な連結をもたらす組織を意味する。ある実施形態では、連結組織(例えば、筋膜など)は、非特異的な連結を実現する。他の実施形態では、連結組織(例えば、腱、靭帯及び関節軟骨など)は、機能特性を付与し、その場合、ある実施形態では、連結組織によって連結している1つ又は両方の組織の適切な機能は、連結組織の完全性、機能、又はそれらの組み合わせに依存する。
例えば、及びある実施形態では、腱が骨に結合するには、骨にコラーゲン繊維(シャーピ繊維)が挿入されるが必要である。前記繊維は、腱及び骨のコラーゲンとは異なる構造を有する。ミネラル構造も同様に異なり、腱は、ハイドロキシアパタイト有しないが、骨に近接している領域では、コラーゲン繊維は、増加したハイドロキシアパタイト結晶により石灰化している。また、骨と同格の部分は、組成に関しては、骨からは本質的に区別できない。
ある実施形態では、組織の修復、再生のために骨組が使用されるのは、天然の組織が損傷(ある実施形態では外傷による損傷)している場合である。本発明の骨組は、ある実施形態では、連結組織の修復、再生又は人工操作に対して有用であり、他の実施形態では、連結組織が連結する組織の間に物理的な連結の確立を促進するのに有用である。例えば、腱の修復並びに骨への再結合は、本発明の勾配骨組の使用で容易になり、その実施形態を表す。他の実施形態では、勾配骨組により、組織の成長/修復/再生に望ましい、個別細胞の組み込みが可能となる。
本発明のこれらの態様、及びある実施形態では、本発明に係る方法は、患者に細胞を移植するステップをさらに含む。ある実施形態では、細胞は前記骨組に植えられる。他の実施形態では、前記細胞は、幹細胞又は前駆細胞である。他の実施形態では、本発明に係る方法は、サイトカイン、成長因子、ホルモン、又はそれらの組み合わせを投与するステップをさらに含む。他の実施形態では、前記人工操作される器官又は組織は、異種型の細胞を含む。他の実施形態では、前記操作される器官又は組織は、連結器官又は組織(他の実施形態では、腱又は靭帯)である。
前述の説明通り、本開示の概念は、多くの利点を提供する。例えば、本開示の概念は、所定の骨組の設計に対する必要性に応じて物理的な特性が異なり得る、移植可能な勾配骨組の製造を提供する。例えば、微細孔の大きさ及び材料の密度は、望ましい物理的構造を有する骨組を作成するために異なることがある。このような、骨組の微細孔の大きさ及び材料の密度の相違は、とりわけ、望ましい量の細胞を受け取り、維持すると同時に、望ましい程度の構造的硬直性をもたらす骨組を設計するのに有用である。また、本開示によれば、移植可能な骨組は、移植時における望ましい細胞活性を可能にする、適切な物理的な微細構造を有するようにだけではなく、例えば組織の修復又は再生などへの適用のために、組織に移植されるときにその組織に本来ある生化学的構成(コラーゲン、成長因子、グリコサミノグリカンなど)を有するように作成されることが可能である。
以下の実施例は、本発明の実施形態をより詳細に説明するためのものである。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:異なる微細孔直径を有する勾配骨組を構築するための凍結昇華の方法
<スラリの作成>
例えば、牛の腱から単離された微小繊維、I型コラーゲン(Integra LifeSceinces)などの細胞外マトリックス成分、及びサメの軟骨から単離されたコンドロイチン6硫酸(Sigma Aldrich)を、0.05M酢酸に入れ、pH3.2、15000rpm、4℃で混合し、次に、真空装置を用いて50mTorrで脱気する。
<異なる微細孔直径>
懸濁液を容器に入れ、その容器の一部のみ(高さの10%まで)を過冷却したシリコン浴(Loree et al., 1989)に浸す。スラリの凍結の平衡時間を測定し、熱平衡に達する前に凍結工程を停止する。容器を浴槽から取り、次にスラリを凍結乾燥(例えば、VirIis Genesis freeze-dryer, Gardiner, NY)で昇華する。したがって、スラリ内で温度勾配が生じ、凍結面が形成され、この凍結面は熱平衡前に停止される。次に凍結乾燥を行うことで、昇華が起き、微細孔の平均直径が段階的な領域を有するマトリックスの共重合体が形成される。
他の方法では、懸濁液を容器に入れ、その容器を冷凍庫の棚に置く。段断熱材が容器と棚の間に設置されており、それにより、上記のような凍結面の勾配が形成される。段断熱材は、アルミニウム及び銅、又はアルミニウム及びプレキシガラスなどの熱伝導率が異なる材料の使用などの様々な方法で構築することができる。
実施例2:異なる微細孔直径を有する勾配骨組を構築するための微細孔の調整された閉塞方法
<骨組の作成>
骨組が比較的に均一である、微細孔の平均直径を有すべく、凍結乾燥及び昇華以前にスラリを完全に浴槽に浸す点以外は、実施例1と同様にして骨組を作成する。
<異なる微細孔直径>
作成された骨組の任意の領域を湿潤し、例えば、熱風乾燥機を用いて、適切な圧力でその領域から水分を蒸発させる。微細孔は、水が蒸発する間、高表面張力を受けるので、崩壊する。特定の微細孔崩壊は、微細孔崩壊に晒す骨組の領域を調整することで調整される。
実施例3:異なる化学成分を有する勾配骨組を構築するための溶解方法
<骨組の作成>
I型コラーゲン及びグリコサミノグリカン(GAG)のグラフト共重合体から骨組を作成する。I型コラーゲン及びコンドロイチン6硫酸を、0.05Mの酢酸に入れ、pH3.2、15000rpm、4℃で混合し、真空装置を用いて50mTorrで脱気する。コラーゲン/GAGの比は、「Yannas et al., 1980, J. Biomedical Materials Research 14: 107-131」に記載されているように、懸濁液作成のために用いたそれらの容量を加減することで調整する。次に、コラーゲン/GAGの比を比較的均一に有する、多孔性の骨組を作成するために、懸濁液を凍結乾燥し、昇華する。
<異なる化学成分>
骨組を、GAGを溶解させるNaHSO、NaCl又は電解質などの塩の溶液群の増加する濃度勾配に晒す。GAGの溶解量が増加することによって、特定の軸に沿ってコラーゲン/GAGの比に勾配が生じる。溶液は、0.001〜10の範囲のイオン強度を有する。さらなる詳細と実施例のために「Yannas et al., 1980, J. Biomedical Materials Research 14: 107-131」を参照されたい。
実施例4:化学成分が異なる勾配骨組を構築するための酵素消化法
<骨組の作成>
骨組は、「Yannas et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 933-937」に記載されているように、コラーゲン/GAGの最終比が98/2(w/w)になるようにI型コラーゲン及びGAGの共重合体から作成される。
<異なる化学成分>
コラーゲナーゼの濃度が増加する一連の溶液群(「Huang and Yannas, 1977, J. Biochemedical Material Research 8: 137-154」にしたがって調製される)に骨組の一部を浸す。これにより、骨組の暴露部分からのコラーゲンの溶解が増加する。グリコシダーゼをもまた、骨組のGAG成分を消化するために使用する場合がある。酵素の濃度は、0.001〜500U/mlの範囲ある場合がある。
実施例5:異なる架橋密度の勾配骨組の構築方法
従来知られているように(Yannas, I. V. et al., 1980. Biomedical material Research 14: 511-528; Yannas et al., PNAS 86(3): 933-937, 1989)、酸性pHを有する溶液から沈澱させたコラーゲン及びGAGの懸濁液から骨組を作成する。前記骨組を真空オーブンに入れ、オーブンの温度及び真空の条件を時間と共に変化させる。この条件により、骨組に異なる程度の架橋が生じる。
温度が上昇するにしたがって、骨組の架橋密度は増加する。温度分布が制御されたオーブンの使用などの様々な方法で、温度を変化させることができる。場合によっては、オーブンは、内部の一面が他の一面よりも高い温度に加熱されるようにするために、特定の配置で発熱体が設置されるように構築されることがあり、それにより、その間に温度勾配が生じる。骨組における架橋密度の勾配の程度は、オーブンの温度勾配(25〜200℃の範囲で変化する場合がある)を制御することで調整できる。
骨組の架橋密度に勾配を形成させるように化学架橋剤を添加する場合がある。1つの方法は、以前に示されているように、濃度範囲が0.01〜10%のグルタルアルデヒド若しくはホルムアルデヒド、又は0.01〜1000mMのEDACなどの架橋剤の濃度が増加する一連の溶液群に凍結乾燥した骨組を浸すことである。もう一方の方法は、ホルムアルデヒドなどの加圧ガス架橋剤の勾配(米国特許第4,448,718号を参照)又は紫外線(例えば、100〜50000μW/cmの範囲内)に晒すことである。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではないことを当業者なら理解されるであろう。

Claims (129)

  1. 固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、重合体を含む勾配骨組。
  2. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    前記重合体は、少なくとも1つの合成若しくは天然重合体、セラミック、金属、細胞外マトリックスタンパク若しくはその類似体を含むことを特徴とする勾配骨組。
  3. 請求項2に記載の勾配骨組であって、
    前記細胞外マトリックスタンパクは、コラーゲン、グリコサミノグリカン又はその組み合わせを含むことを特徴とする勾配骨組。
  4. 請求項3に記載の勾配骨組であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする勾配骨組。
  5. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    不均一な多孔性を有することを特徴とする勾配骨組。
  6. 請求項5に記載の勾配骨組であって、
    当該骨組内の微細孔は、不均一な平均直径を有することを特徴とする勾配骨組。
  7. 請求項6に記載の勾配骨組であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、0.001〜500μmの範囲であることを特徴とする勾配骨組。
  8. 請求項6に記載の勾配骨組であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、当該骨組内におけるその空間的構造に応じて異なることを特徴とする勾配骨組。
  9. 請求項8に記載の勾配骨組であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、当該骨組の任意軸に沿って異なることを特徴とする勾配骨組。
  10. 請求項5に記載の勾配骨組であって、
    微細孔の無い領域を含むことを特徴とする勾配骨組。
  11. 請求項10に記載の勾配骨組であって、
    前記領域は、旋回半径又は有効直径が1000Da以上の分子を通過させないことを特徴とする勾配骨組。
  12. 請求項6に記載の勾配骨組であって、
    微細孔の平均直径、微細孔の直径分布、成分の濃度、架橋密度又はそれらの組み合わせが異なることを特徴とする勾配骨組。
  13. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    前記微細孔の体積率が0〜0.999の範囲で漸次異なることを特徴とする勾配骨組。
  14. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    当該骨組の成分の濃度、架橋の密度、又はそれらの組み合わせが所望する方向に沿って異なることを特徴とする勾配骨組。
  15. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    当該骨組における前記重合体の濃度は、前記骨組におけるその空間的構造に応じて異なることを特徴とする勾配骨組。
  16. 請求項15に記載の勾配骨組であって、
    前記濃度は、当該骨組において任意の方向に沿って異なることを特徴とする勾配骨組。
  17. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    当該骨組の架橋密度は、当該骨組において所望する方向に沿って異なることを特徴とする勾配骨組。
  18. 請求項1に記載の勾配骨組であって、
    細胞、成長因子、サイトカイン、ホルモン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする勾配骨組。
  19. 不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、
    (a)凍結温度に勾配が生じる条件下で、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体の溶液を凍結乾燥させるステップと、
    (b)前記凍結乾燥が熱平衡に到達する前に、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップとを含み、
    氷結晶が前記凍結温度勾配にしたがって、勾配に沿って形成され、
    前記氷結晶が昇華することにより、微細孔が前記勾配に沿って形成されることを特徴とする方法。
  20. 請求項19の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする方法。
  22. 請求項20に記載の方法であって、
    前記骨組内に形成された前記微細孔は、不均一な平均直径を有することを特徴とする方法。
  23. 請求項19に記載の方法であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、0.001〜500μmの範囲であることを特徴とする方法。
  24. 請求項19に記載の方法であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、前記骨組におけるその空間的構造に応じて異なることを特徴とする方法。
  25. 請求項19に記載の方法であって、
    前記微細孔の前記平均直径は、前記骨組の任意軸に沿って異なることを特徴とする方法。
  26. 請求項19に記載の方法であって、
    ステップ(b)で形成された前記骨組の少なくとも1つの領域を湿潤させるステップと、
    前記湿潤された領域で前記微細孔を崩壊させるべく、液体水を水蒸気に変化させるための適切な条件下で前記湿潤された領域を乾燥に晒すステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
  27. 請求項26の方法であって、
    作成された前記骨組は、微細孔の無い領域を含むことを特徴とする方法。
  28. 請求項26に記載の方法であって、
    前記領域の湿潤は、前記乾燥に晒した後、前記微細孔が無い領域に特定の形状又はパターンが形成されるように行われることを特徴とする方法。
  29. 請求項26に記載の方法であって、
    前記領域は、旋回半径又は有効直径が1000Da以上の分子を通過させないことを特徴とする方法。
  30. 請求項19又は請求項26に記載の方法であって、
    前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組の1つ以上の細胞外マトリックス成分が選択的に溶解することを特徴とする方法。
  32. 請求項30に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、塩濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  33. 請求項30に記載の方法であって、
    前記塩濃度は、0.001〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内にあることを特徴とする方法。
  34. 請求項30に記載の方法であって、
    前記塩は、NaPO、NaCl又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  35. 請求項30に記載の方法であって、
    前記骨組は、水に晒されることを特徴とする方法。
  36. 請求項35の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、溶媒濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  37. 請求項19、26又は30に記載の方法であって、
    前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  38. 請求項37に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解又は分解は、酵素濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  39. 請求項37に記載の方法であって、
    前記酵素は、コラーゲナーゼ、グリコシダーゼ、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  40. 請求項37に記載の方法であって、
    前記酵素濃度は、0.001〜500U/mlの範囲であることを特徴とする方法。
  41. 請求項19、26、30又は37に記載の方法であって、
    前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  42. 請求項41の方法であって、
    前記温度勾配は、25〜200℃の範囲であることを特徴とする方法。
  43. 請求項41に記載の方法であって、
    前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  44. 請求項19、26、30、37又は41に記載の方法であって、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  45. 請求項44に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  46. 請求項44に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、紫外線又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  47. 請求項19、26、30、37、41又は44に記載の方法にしたがって作成された、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組。
  48. 不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む骨組を作成するための方法であって、
    (a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を凍結乾燥させるステップと、
    (b)微細孔が均等に分布した骨組を作成すべく、ステップ(a)でスラリ内に形成された氷結晶を昇華させるステップと、
    (c)ステップ(b)で形成された前記骨組の少なくとも1つの領域を湿潤させるステップと、
    (d)ステップ(c)で形成された前記湿潤領域を、大気圧下で乾燥に晒すステップとを含み、
    前記湿潤領域を乾燥に晒すことにより、前記領域で前記微細孔を崩壊させ、不均一な多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する骨組を作成することを特徴とする方法。
  49. 請求項48に記載の方法であって
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  50. 請求項49の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であること特徴とする方法。
  51. 請求項48に記載の方法であって、
    前記骨組は、前記微細孔の無い領域を含むことを特徴とする方法。
  52. 請求項48に記載の方法であって、
    前記領域は、旋回半径又は有効直径が1000Da以上の分子を通過させないことを特徴とする方法。
  53. 請求項48に記載の方法であって、
    前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  54. 請求項53に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組の少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解することを特徴とする方法。
  55. 請求項53に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、塩濃度の増加に応じて増加することを特徴する方法。
  56. 請求項53に記載の方法であって、
    前記塩濃度は、0.001〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲であることを特徴とする方法。
  57. 請求項53に記載の方法であって、
    前記塩は、NaPO、NaCl、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  58. 請求項53に記載の方法であって、
    前記骨組は、水に晒されることを特徴とする方法。
  59. 請求項53に記載の方法であって、前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、溶媒濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  60. 請求項48又は53に記載の方法であって、
    前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  61. 請求項60に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解量は、酵素濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  62. 請求項60に記載の方法であって、
    前記酵素の濃度は、0.001〜500U/mlの範囲であることを特徴とする方法。
  63. 請求項60に記載方法であって、
    前記酵素は、コラ―ゲナゼ、グリコシダ―ゼ、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  64. 請求項48、53又は60に記載の方法であって、
    前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  65. 請求項64に記載の方法であって、
    前記温度勾配は、25〜200℃の範囲であることを特徴とする方法。
  66. 請求項64に記載の方法であって、
    前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  67. 請求項48、53、60又は64に記載の方法であって、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  68. 請求項67に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  69. 請求項67に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、紫外線又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  70. 請求項48、53、60、64又は67の方法にしたがって作成された、不均一な多孔性を有し、固形であり、生物適合性を有する勾配骨組。
  71. 固形であり、生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、
    (a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、
    (b)固形であり、均一な組成の骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、
    (c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、
    前記骨組を、塩濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分が選択的に溶解し、前記溶解が硫酸塩の濃度の増加に応じて増加することにより、多孔性を有し、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法。
  72. 請求項71に記載の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  73. 請求項72に記載の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする方法。
  74. 請求項71に記載の方法であって、
    前記塩濃度は、0.001〜10の範囲のイオン強度に相当する範囲内であることを特徴とする方法。
  75. 請求項71に記載の方法であって、
    前記塩は、NaPO、NaCl又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  76. 請求項71に記載の方法であって、
    前記骨組は、水に晒されることを特徴とする方法。
  77. 請求項71に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つの細胞外マトリックス成分の溶解は、溶媒濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  78. 請求項71に記載の方法であって、
    前記骨組を、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分を分解又は溶解する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  79. 請求項78に記載の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分の分解又は溶解は、酵素濃度の増加に応じて増加することを特徴とする方法。
  80. 請求項78に記載の方法であって、
    前記酵素濃度は、0.001〜500U/mlの範囲であることを特徴とする方法。
  81. 請求項78に記載の方法であって、
    前記酵素は、コラ―ゲナーゼ、グリコシダ―ゼ、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  82. 請求項78に記載の方法であって、
    前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  83. 請求項82に記載の方法であって、
    前記温度勾配は、25〜200℃の範囲であることを特徴とする方法。
  84. 請求項82に記載の方法であって、
    前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  85. 請求項78に記載の方法であって、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  86. 請求項85に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  87. 請求項85に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、紫外線又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  88. 請求項71、78、82又は85に記載の方法にしたがって作成された、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組。
  89. 固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、
    (a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、
    (b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、
    (c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分の少なくとも1つを消化する酵素の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、
    前記骨組を、前記溶液群の勾配に晒すことにより、前記1つ以上の細胞外マトリックス成分の少なくとも1つが選択的に消化され、前記消化が酵素濃度の増加に応じて増加することにより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法。
  90. 請求項89に記載の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  91. 請求項90に記載の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする方法。
  92. 請求項89に記載の方法であって、
    前記酵素濃度は、0.001〜500U/mlの範囲であることを特徴とする方法。
  93. 請求項89に記載の方法であって、
    前記酵素は、コラ―ゲナーゼ、グリコシダ―ゼ又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  94. 請求項89に記載の方法であって、
    前記骨組を温度勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  95. 請求項94に記載の方法であって、
    前記温度勾配は、25〜200℃の範囲であることを特徴とする方法。
  96. 請求項94に記載の方法であって、
    前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  97. 請求項89に記載の方法であって、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  98. 請求項97に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されることを特徴とする方法。
  99. 請求項97に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、紫外線、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  100. 請求項89、94又は97の方法にしたがって作成された、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組。
  101. 固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、
    (a)少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、
    (b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、
    (c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、温度勾配に晒すステップとを含み、
    前記骨組を前記温度勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、それにより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法。
  102. 請求項101に記載の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  103. 請求項101に記載の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする方法。
  104. 請求項101に記載の方法であって、
    前記温度勾配は、25〜200℃の範囲であることを特徴とする方法。
  105. 請求項101に記載の方法であって、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  106. 請求項105に記載の方法であって、
    前記勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成されること特徴とする方法。
  107. 請求項105に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、架橋を引き起こすほど十分な量の紫外線又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  108. 請求項101又は105に記載の方法で作成された、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組。
  109. 固形であり、多孔性及び生体適合性を有し、少なくとも1つの細胞外マトリックス成分又はその類似体を含む勾配骨組を作成するための方法であって、
    (a)1つ以上の細胞外マトリックス成分又はその類似体のグラフト共重合体溶液を調製するステップと、
    (b)固形であり、多孔性及び均一な組成を有する骨組を作成すべく、ステップ(a)で作成された前記溶液を凍結乾燥させるステップと、
    (c)ステップ(b)で作成された前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すステップとを含み、
    前記骨組を、架橋剤の濃度が増加する溶液群の勾配に晒すことにより、前記骨組において架橋密度に勾配が形成され、そのことより、固形であり、多孔性及び生体適合性を有する勾配骨組が形成されることを特徴とする方法。
  110. 請求項109に記載の方法であって、
    前記細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、グリコサミノグリカン、はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。
  111. 請求項110に記載の方法であって、
    前記グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸であることを特徴とする方法。
  112. 請求項109に記載の方法であって、
    前記架橋剤は、グルタルアルデヒド、1エチル3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジミド(EDAC)、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、紫外線又はそれらの組み合わせであることを特徴とする方法。
  113. 請求項109記載の方法にしたがって作成された、固形であり、生体適合性を有する勾配骨組。
  114. ある患者の器官又は組織を人工操作する方法であって、
    前記患者に請求項1、49、70、88、100、108又は113に記載の前記骨組を移植するステップを含むことを特徴とする方法。
  115. 請求項114に記載の方法であって、
    前記患者に細胞を移植するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  116. 請求項115に記載の方法であって、
    前記細胞は、前記骨組に植え付けられることを特徴とする方法。
  117. 請求項115に記載の方法であって、
    前記細胞は、幹細胞又は前駆細胞であることを特徴とする方法。
  118. 請求項114又は115に記載の方法であって、
    サイトカイン、成長因子、ホルモン又はそれらの組み合わせを投与するステップを含む方法。
  119. 請求項114に記載の方法であって、
    前記人工操作される器官又は組織は異種細胞を含むことを特徴とする方法。
  120. 請求項114に記載の方法であって、
    前記人工操作される器官又は組織は、連結器官又は連結組織であることを特徴とする方法。
  121. 請求項120に記載の方法であって、
    前記連結組織は、腱又は靭帯であることを特徴とする方法。
  122. ある患者における器官若しくは組織の修復又は再生の方法であって、
    前記患者に請求項1、49、70、88、100、108又は113に記載の前記骨組を移植するステップを含むことを特徴とする方法。
  123. 請求項122に記載の方法であって、
    細胞を前記患者に移植するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  124. 請求項123に記載の方法であって、
    前記細胞は、前記骨組に植え付けられることを特徴とする方法。
  125. 請求項123に記載の方法であって、
    前記細胞は、幹細胞又は前駆細胞であることを特徴とする方法。
  126. 請求項122又は123に記載の方法であって、
    サイトカイン、成長因子、ホルモン又はそれらの組み合わせを投与するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  127. 請求項122に記載の方法であって、
    前記人工操作される器官又は前記組織は、異種細胞を含むことを特徴とする方法。
  128. 請求項122に記載の方法であって、
    前記人工操作される器官又は組織は、連結器官又は連結組織であることを特徴とする方法。
  129. 請求項128に記載の方法であって、
    前記連結組織は、腱又は靭帯であることを特徴とする方法。
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