JP2008510015A - β2アドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性を有する化合物 - Google Patents

β2アドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性を有する化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iの化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、R、R、R、R、R8a、R8b、W、a、b、cおよびmは、明細書中に定義されるとおりである。本発明の化合物は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性を有する。したがって、そのような化合物は、肺障害(例えば、慢性閉塞性肺疾患および喘息)を処置するための治療剤として有用であると予期される。

Description

(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性を有する新規化合物に関する。本発明はまた、そのような化合物を含む薬学的組成物、そのような組成物を調製するためのプロセスおよび中間体、ならびに肺障害を処置するためにそのような化合物を用いる方法に関する。
(当該分野の状態)
喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような肺障害は、通常、気管支拡張薬で処置される。広範に使用されている気管支拡張薬の1つのクラスは、βアドレナリン作用性レセプター(アドレノセプター)アゴニスト(例えば、アルブテロール,フォルモテロールおよびサルメテロール)からなる。これらの化合物は、一般的に、吸入によって投与される。別のクラスの気管支拡張薬は、ムスカリン性レセプターアンタゴニスト(抗コリン作用性化合物)(例えば、イプラトロピウムおよびチオトロピウム)からなる。これらの化合物もまた、代表的には、吸入によって投与される。
βアドレナリン作用性レセプターアゴニストおよびムスカリン性レセプターアンタゴニストの両方を含む薬学的組成物もまた、肺障害を処置することにおいて使用するために当該分野で公知である。例えば、特許文献1は、ムスカリン性レセプターアンタゴニスト(例えば、臭化チオトロピウム)およびβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、フマル酸フォルモテロール)を含む医薬組成物を開示する。
βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性またはムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性のいずれかを有する化合物が公知であるが、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有する化合物はこれまでに開示されていない。βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有する化合物は、そのような二官能性化合物が単一分子薬物動態を有する一方で2つの独立した作用様式を経て気管支拡張をもたらすので、非常に望ましい。さらに、単一の二官能性化合物は、2つの別々の化合物と比べて治療的使用のために処方しやすく、他の治療剤と共に処方して三剤治療の組み合わせ(triple therapy combination)を作製しやすい。
米国特許第6,433,027号明細書
(発明の要旨)
本発明は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有することが見出された新規化合物を提供する。そのような化合物は、肺障害を処置するための治療剤として有用であると予期される。
したがって、1つのその組成物局面において、本発明は、式I:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、
Wは、OまたはNWであり;Wは、水素または(1〜4C)アルキルであり;
は、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む(2〜9C)ヘテロアリール、または(3〜7C)シクロアルキルであり;該ヘテロアリール基またはシクロアルキル基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリール、(3〜5C)複素環式、シアノ、ハロ、−OR1a、−C(O)OR1b、−SR1c、−S(O)R1d、−S(O)1e、−NR1f1g、−C(O)R1h、−NR1iC(O)OR1j、−OC(O)NR1k1l、−NR1mC(O)R1n、−C(O)NR1o1pおよび−NHS(O)1qから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1l、R1m、R1n、R1o、R1pおよびR1qの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして各(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリールおよび(3〜5C)複素環式基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、ハロおよび−OR1aから選択される1〜3個の置換基で置換され;そしてRに存在する各アルキル基は非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR2a、−C(O)OR2b、−SR2c、−S(O)R2d、−S(O)2eおよび−NR2f2gから独立して選択され;R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fおよびR2gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そしてRに存在する各アルキル基は非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR3a、−C(O)OR3b、−SR3c、−S(O)R3d、−S(O)3eおよび−NR3f3gから独立して選択されるか;あるいは2つのR基は、結合して(1〜3C)アルキレン、(2〜3C)アルケニレンまたはオキシラン−2,3−ジイルを形成し;R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3fおよびR3gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
は、4〜28個の炭素原子を含み、そして必要に応じて、ハロ、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を含む二価の炭化水素基を表し、ただし、Rが結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数は、4〜16の範囲であり;
は、水素または(1〜4C)アルキルを表し;
は、−N(R6a)C(O)R6bまたは−CR6c6dOR6eであり、かつRは水素であるか;あるいはRおよびRは一緒に、−N(R7a)C(O)C(R7b)=C(R7c)−、−C(R7d)=C(R7e)C(O)N(R7f)−、−N(R7g)C(O)CR7h7i−CR7j7k−または−CR7l7m−CR7n7oC(O)−N(R7p)−を形成し;R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの各々は、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そしてR7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R7f、R7g、R7h、R7i、R7j、R7k、R7l、R7m、R7n、R7oおよびR7pは、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
各R8aおよびR8bは、水素、(1〜4C)アルキル、ヒドロキシおよびフルオロから独立して選択されるか;あるいはR8aおよびR8bは、それらが結合する原子と一緒に、(3〜6C)シクロアルキル環、または酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む(2〜5C)複素環式環を形成し;
aは、0または1〜3の整数であり;
bは、0または1〜5の整数であり;
cは、0または1〜4の整数であり;
mは、0または1〜3の整数である。
特定の局面において、本発明は、式II:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、Wおよびaは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりである。
別の特定の局面において、本発明は、式III:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、Wおよびaは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりである。
なお別の特定の局面において、本発明は、式IV:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、Wおよびaは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりである。
別の特定の局面において、本発明は、式V:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、R、R、R、R8a、R8b、W、a、b、cおよびmは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりであり;各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR9a、−C(O)OR9b、−SR9c、−S(O)R9d、−S(O)9eおよび−NR9f9gから独立して選択され;R9a、R9b、R9c、R9d、R9e、R9fおよびR9gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;nは0、1、2または3である。
別の特定の局面において、本発明は、式VI:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、R、R、R、R8a、R8b、W、a、b、cおよびmは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりであり;各R10は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR10a、−C(O)OR10b、−SR10c、−S(O)R10d、−S(O)10eおよび−NR10f10gから独立して選択され;R10a、R10b、R10c、R10d、R10e、R10fおよびR10gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;oは0、1、2または3である。
別の特定の局面において、本発明は、式VII:
Figure 2008510015
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、R、R、R、R8a、R8b、W、a、b、cおよびmは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりであり;各R11は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR11a、−C(O)OR11b、−SR11c、−S(O)R11d、−S(O)11eおよび−NR11f11gから独立して選択され;R11a、R11b、R11c、R11d、R11e、R11fおよびR11gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;pは0、1または2である。
別の特定の局面において、本発明は、式VIII:
Figure 2008510015
の化合物または対応するピリジンN−オキシド、あるいはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供し、ここで、R、R、R、R、R、R、R8a、R8b、W、a、b、cおよびmは、本明細書(任意の特定の実施形態または好ましい実施形態を含む)で定義されるとおりであり;各R12は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR12a、−C(O)OR12b、−SR12c、−S(O)R12d、−S(O)12eおよび−NR12f12gから独立して選択され;R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12fおよびR12gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;qは0、1または2である。
別のその組成物局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量とを含む薬学的組成物を提供する。そのような薬学的組成物は、必要に応じて、他の治療剤を含み得る。したがって、一実施形態において、本発明は、そのような薬学的組成物に関し、この組成物は、治療有効量のステロイド性抗炎症薬(例えば、コルチコステロイド)をさらに含む。
本発明の化合物は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有する。したがって、式Iの化合物は、肺障害(例えば喘息および慢性閉塞性肺疾患)を処置するための治療剤として有用であると予期される。
したがって、1つのその方法局面において、本発明は、肺障害を処置するための方法を提供し、この方法は、処置を必要とする患者に式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を投与する工程を包含する。
さらに、別の方法局面において、本発明は、患者において気管支拡張をもたらす方法を提供し、この方法は、気管支拡張を必要とする患者に式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の気管支拡張をもたらす量を投与する工程を包含する。
本発明はまた、慢性閉塞性肺疾患または喘息を処置する方法を提供し、この方法は、処置を必要とする患者に式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を投与する工程を包含する。
本発明の化合物はβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有するので、そのような化合物はまた、研究ツールとして有用である。したがって、なお別のその方法局面において、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を生物学的システムまたは生物学的サンプルを研究するため、あるいはβアドレナリン作用性アゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有する新しい化学化合物を発見するための研究ツールとして使用するための方法を提供する。
本発明はまた、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を調製するために有用なプロセスおよび新規中間体を提供する。したがって、別のその方法局面において、本発明は、式Iの化合物を調製するプロセスを提供し、このプロセスは、
(a)式1の化合物またはその塩を、式2の化合物と反応させる工程;
(b)式3の化合物またはその塩を、式4の化合物と反応させる工程;
(c)式5の化合物を、式6の化合物とカップリングする工程;
(d)Rが水素原子を表す式Iの化合物について、式3の化合物を、式7の化合物またはその水和物と、還元剤の存在下で反応させる工程;
(e)式1の化合物を、式8の化合物またはその水和物と、還元剤の存在下で反応させる工程;
(f)式9の化合物を、式10の化合物と反応させる工程;あるいは
(g)式11の化合物またはその水和物を、式10の化合物と、還元剤の存在下で反応させる工程;
(h)式12の化合物を、式RB(OH)の化合物と、カップリング触媒の存在下で反応させる工程;
そしてその後、任意の保護基を除去して、式Iの化合物を形成する工程
を包含し;ここで、式1〜12の化合物は、本明細書で定義されるとおりである。
一実施形態において、上記プロセスはさらに、式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される他のプロセス;および本明細書に記載されるプロセスのいずれかによって調製される生成物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、式12の化合物に関し、この化合物は、式Iの化合物を調製することにおいて中間体として有用である。
本発明は、治療において使用するためか、または医薬として使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供する。
さらに、本発明は、医薬の製造のため(特に、肺障害の処置のための医薬の製造のため)の、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の使用に関する。
(発明の詳細な説明)
1つのその組成物局面において、本発明は、新規な式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体に関する。これらの化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、それゆえ本発明は、他に示されない限り、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、鏡像異性体またはジアステレオマー);立体異性体が豊富な混合物などに関する。特定の立体異性体が本明細書に示されるかまたは命名される場合、他に示されない限り、少量の他の立体異性体が本発明の組成物中に存在し得るが、その組成物の有用性は全体としてそのような他の異性体の存在によって取り除かれないことが、当業者によって理解される。
特に、式Iの化合物は、以下の式:
Figure 2008510015
において記号*で示される炭素原子においてキラル中心を含む。
本発明の一実施形態において、記号*で識別される炭素原子は、(R)配置を有する。この実施形態では、式Iの化合物について、記号*で識別される炭素原子において(R)配置を有するか、またはこの炭素原子において(R)配置を有する立体異性形態で富化されることが好ましい。本発明の別の実施形態において、記号*で識別される炭素原子は、(S)配置を有する。この実施形態では、式Iの化合物について、記号*で識別される炭素原子において(S)配置を有するか、またはこの炭素原子において(S)配置を有する立体異性形態で富化されることが好ましい。いくつかの場合において、本発明の化合物のβアドレナリン作用性アゴニスト活性を最適化するために、記号*で識別される炭素原子は(R)配置を有することが好ましい。
式Iの化合物はまた、数個の塩基性基(例えば、アミノ基)を含み、それゆえ、式Iの化合物は、遊離の塩としてか、または種々の塩形態で存在し得る。すべてのそのような塩形態は、本発明の範囲内に含まれる。さらに、式Iの化合物またはその塩の溶媒和物が、本発明の範囲内に含まれる。
さらに、適用可能な場合、式Iの化合物のすべてのシス−トランス異性体またはE/Z異性体(幾何異性体)、互変異性型、位置異性型が、他に明記されない限り、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物およびその中間体を命名するために本明細書で使用される命名法は、通常、市販のAutoNomソフトウェア(MDL,San Leandro,California)を用いて導かれている。代表的に、WがOである式Iの化合物は、カルバミン酸のエステル誘導体として命名され;WがNWである式Iの化合物は、尿素誘導体として命名されている。
(代表的な実施形態)
以下の置換基および値は、本発明の種々の局面および実施形態の代表的な例を提供することが意図される。これらの代表的な値は、そのような局面および実施形態をさらに規定し例示することが意図されるが、他の実施形態を除外することも本発明の範囲を限定することも意図されない。この点において、特定の値または置換基が好ましい代表的ものは、他に特に示されない限り、いかなる様式でも本発明から他の値または置換基を除外しないことが意図される。
本発明の一実施形態において、WはOである。別の実施形態において、WはNWである。一般的に、WがOを表す化合物がムスカリン性レセプターおよびβアドレナリン作用性レセプターに対して特に高い親和性を示すことが見出されている。したがって、本発明の特定の実施形態において、Wは、好ましくはOを表す。
WがNWである場合、Wは水素または(1〜4C)アルキル(例えば、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)である。一実施形態において、Wは水素または(1〜3C)アルキルである。別の実施形態において、Wは水素、メチルまたはエチル(例えば、水素またはメチル)である。なお別の実施形態において、Wは水素であり、NWはNHである。
特定の実施形態において、WがNWである場合、Rは−N(R6a)C(O)R6b(例えば、−NHCHO)であり、かつRが水素であるか;あるいはRおよびRは一緒に−N(R7a)C(O)C(R7b)=C(R7c)−(例えば、−NHC(O)CH=CH−)を形成する。
(Wがピペリジン環に結合するように)bが0でありかつmが2である場合、目的の特定の実施形態は、Wがそのピペリジン環の窒素原子に対して4位でそのピペリジン環に結合する化合物である。
本発明の化合物において、Rは必要に応じて置換された(2〜9C)ヘテロアリール基または(3〜7C)シクロアルキル基である。特定の実施形態において、Rは、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリジンN−オキシド、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリンおよびキノキサリン環から選択される必要に応じて置換された(2〜9C)ヘテロアリール基であり、結合点は、任意の利用可能な炭素環原子または窒素環原子である。特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたチエニル基(例えば、チエン−2−イルまたはチエン−3−イル基)である。別の特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたチアゾール基(例えば、チアゾル−2−イル、チアゾル−4−イルまたはチアゾル−5−イル基)である。なお別の特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたピリジル基(例えば、ピリド−2−イル、ピリド−3−イルまたはピリド−4−イル基)あるいは対応するN−オキシドである。さらに別の特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたフリル基(例えば、フル−2−イルまたはフル−3−イル基)である。別の特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたピリミジニル基(例えば、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イルまたはピリミジン−4−イル基)である。別の特定の実施形態において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される必要に応じて置換された(3〜7C)シクロアルキル基である。特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたシクロペンチル基(例えば、シクロペンチル、2,2−ジフルオロシクロペンチルまたは3,3−ジフルオロシクロペンチルである。別の特定の実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたシクロヘキシル基である。
特定の実施形態において、Rの(2〜9C)ヘテロアリールまたは(3〜7C)シクロアルキル基は、非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、ハロ、−OR1aおよび−NR1f1gから選択される1〜3個の置換基で置換され、各アルキル基は、非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換される。代表的な置換基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2,−トリフルオロエチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
存在する場合、各Rは、そのRが結合するフェニレン環の3位、4位、5位または6位(そのフェニレン環において窒素原子に結合する炭素原子が1位である場合)に存在し得る。一実施形態において、各Rは、(1〜4C)アルキル、ハロ、−OR2aおよび−NR2f2gから独立して選択され;各アルキル基は、非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換される。代表的な置換基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2,−トリフルオロエチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。Rについての特定の値は、フルオロまたはクロロである。
式Iの化合物の特定の化合物において、aは0、1または2(0または1が挙げられる)である。一実施形態において、aは0である。
各R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1l、R1m、R1n、R1o、R1pおよびR1q、ならびにR2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fおよびR2gは、RおよびRで用いられる場合、それぞれ独立して、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルであり、このアルキル基は、非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換される。代表的な基としては、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはベンジルが挙げられる。一実施形態において、これらの基は独立して、水素または(1〜3C)アルキルである。別の実施形態において、これらの基は独立して水素、メチルまたはエチルである。
式Iの化合物の特定の実施形態において、bは0、1または2(0または1が挙げられる)である。一実施形態において、bは0である。別の実施形態においてbは1である。
一実施形態において、R8aおよびR8bは、水素、メチルまたはエチルから独立して選択される。R8aおよびR8bについての特定の値は、水素である。一実施形態において、bは1であり、R8aおよびR8bはいずれも水素である。
式Iの化合物の特定の実施形態において、mは0、1または2(1または2が挙げられる)である。一実施形態において、mは2である。mが1である場合、その結果生じる環はピロリジン環であり;mが2である場合、その結果生じる環はピペリジン環である。
式Iの化合物の特定の実施形態において、cは0、1または2(0または1が挙げられる)である。一実施形態において、cは0である。
特定の実施形態において、各Rは、(1〜4C)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)から独立して選択される。別の局面において、各Rは独立して、メチルまたはエチルである。
mが2である場合、一実施形態において、各Rは、そのピペリジン環の3位、4位または5位(そのピペリジン環の窒素原子が1位である場合)にある。別の実施形態において、Rはそのピペリジン環の4位にある。なお別の実施形態において、各Rは、そのピペリジン環の2位または6位にある。
別の実施形態において、Rは、そのピペリジン環の1位(すなわち、そのピペリジン環の窒素原子)にあり、それゆえ四級アミン塩を形成する。この実施形態の特定の局面において、各Rは、(1〜4C)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)から独立して選択される。別の局面において、各Rは独立して、メチルまたはエチルである。
なお別の実施形態において、2つのR基は、(1〜3C)アルキレンまたは(2〜3C)アルケニレン基を形成するように結合する。例えば、ピペリジン環の2位および6位における2つのR基は、エチレン架橋を形成する(すなわち、そのピペリジン環とそのR基とが8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン環を形成する)ように結合し得るか;またはピペリジン環の1位および4位における2つのR基は、エチレン架橋を形成する(すなわち、そのピペリジン環とそのR基とが1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン環を形成する)ように結合し得るか;またはピペリジン環の2位および6位における2つのR基は、エテニレン架橋を形成する(すなわち、そのピペリジン環とそのR基とが8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−6−エン環を形成する)ように結合し得る。この実施形態において、本明細書に定義されるような他のR基もまた存在し得る。
さらに別の実施形態において、2つのR基は、オキシラン−2,3−ジイル基を形成するように結合する。例えば、ピペリジン環2位および6位における2つのR基は、3−オキサトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン環を形成するように結合し得る。この実施形態において、本明細書に定義されるような他のR基もまた存在し得る。
各R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3fおよびR3gは、Rで用いられる場合、独立して、水素または(1〜4C)アルキル(例えば、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)である。一実施形態において、これらの基は独立して、水素または(1〜3C)アルキルである。別の実施形態において、これらの基は独立して、水素、メチルまたはエチルである。
一実施形態において、Rは、水素または(1〜4C)アルキル(例えば、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)である。別の実施形態において、各Rは独立して、水素、メチルまたはエチルである。特定の実施形態において、Rは水素である。
一実施形態において、Rは、−N(R6a)C(O)R6bであり、Rは水素であり、R6aおよびR6bの各々は独立して水素または(1〜4C)アルキル(例えば、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)である。一実施形態において、これらの基は独立して、水素または(1〜3C)アルキルである。別の実施形態において、これらの基は独立して、水素、メチルまたはエチルである。この実施形態におけるRについての特定の値は、−NHCHOである。
別の実施形態において、RおよびRは一緒に、−N(R7a)C(O)−CR7b=CR7c−、−CR7d=CR7e−C(O)N(R7f)−、−N(R7g)C(O)CR7h7i−CR7j7k−または−CR7l7m−CR7n7o−C(O)N(R7p)−を形成し;R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R7f、R7g、R7h、R7i、R7j、R7k、R7l、R7m、R7n、R7oおよびR7pの各々は独立して、水素または(1〜4C)アルキル(例えば、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)である。一実施形態において、これらの基は独立して、水素または(1〜3C)アルキルである。別の実施形態において、これらの基は独立して、水素、メチルまたはエチルである。この実施形態におけるRおよびRについての特定の値は、一緒に−NHC(O)−CH=CH−、−CH=CH−C(O)−NH−、−CH−CH−C(O)NH−または−NHC(O)−CH−CH−を形成するRおよびR(一緒に−NHC(O)−CH=CH−または−CH=CH−C(O)−NH−を形成するRおよびRが挙げられる)であり;特に、一緒に−NHC(O)−CH=CH−を形成するRおよびR(すなわち、窒素原子がRに結合し、炭素原子がRに結合して、RおよびRが結合するヒドロキシフェニル環と一緒に8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル基を形成する)である。
特定の実施形態において、Rは−NHCHOまたは−CHOHであり、かつRは水素であるか;あるいはRおよびRは一緒に、−NHC(O)CH=CH−、−CH=CHC(O)NH−、−CHCHC(O)NH−または−NHC(O)CHCH−を形成する。
本発明の二価の炭化水素基(例えば、式IのR)は、4〜28個の炭素原子を含み、そして必要に応じて、ハロ、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、この基は、4〜24個の炭素原子(6〜20個の炭素原子が挙げられる)(例えば、8〜18個の炭素原子)を含み;そして必要に応じて、1〜8個のヘテロ原子(1〜6個のヘテロ原子が挙げられる)を含む。
二価の炭化水素は、任意の原子配置(アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクレン基またはそれらの組み合わせが挙げられる)を含み得る。炭化水素基は、1以上のヘテロ原子またはヘテロ原子の組み合わせおよび炭素原子によって割り込まれ(interrupt)、種々の官能基(例えば、エーテル、チオエーテル、アミン、アミド、エステル、カルバメート、尿素、スルホン、スルホキシド、スルホンアミドなど)を形成する。
本発明の特定の局面において、本発明の化合物の二価炭化水素基(例えば、式IのR)は、式:
Figure 2008510015
の二価の基であり、ここで、
d、e、f、g、hおよびiは各々、0および1から独立して選択され;
4a、R4b、R4cおよびR4dは各々、(1〜10C)アルキレン、(2〜10C)アルケニレンおよび(2〜10C)アルキニレンから独立して選択され、各アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、フルオロ、ヒドロキシ、フェニルおよびフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されるか;あるいはR4dは、(1〜6C)アルキレン−NHC(O)−(1〜6C)アルキレンを表し;
およびAは各々、(3〜7C)シクロアルキレン、(6〜10C)アリーレン、−O−(6〜10C)アリーレン、(6〜10C)アリーレン−O−、(2〜9C)ヘテロアリーレン、−O−(2〜9C)ヘテロアリーレン、(2〜9C)ヘテロアリーレン−O−および(3〜6C)ヘテロシクレンから独立して選択され、各シクロアルケンは非置換であるか、または(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され、各アリーレン、ヘテロアリーレンまたはヘテロシクレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
Qは、結合、−O−、−C(O)O−、−OC(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−N(Q)C(O)−、−C(O)N(Q)−、−N(Q)S(O)−、−S(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)N(Q)−、−N(Q)S(O)N(Q)−、−OC(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)O−および−N(Q)から選択され;Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは各々、水素、(1〜6C)アルキル、Aおよび(1〜4C)アルキレン−Aから独立して選択され、該アルキル基は非置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシおよび(1〜4C)アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるか;あるいは窒素原子およびそれらが結合するR4bまたはR4cと一緒に、4〜6員のアザシクロアルキレン基を形成し;そして
およびAは各々、(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリールおよび(3〜6C)ヘテロシクリルから独立して選択され、各シクロアルキルは非置換であるか、または(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され、各アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキルおよび(1〜4C)アルコキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換される。
本発明の化合物において、成分R4a、A、R4b、Q、R4c、AおよびR4dの各々の値は、Rが結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数が4〜16の範囲(具体的には、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16)(8、9、10、11、12、13または14が挙げられる)(例えば、8、9、10または11;あるいは9または10)であるように選択される。Rにおける各変数についての値を選択するとき、化学的に安定な基が形成されるようにそれらの値が選択されるべきであることが当業者に理解される。
が結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数を決定するとき、その鎖の各連続する原子は、ピペリジン環(すなわち、mが2である場合)の窒素原子に隣接するR基の最初の原子から始めて連続的に数えられ、アミノヒドロキシエチル基の窒素原子に隣接するR基の最後の原子で終わる。2つ以上の鎖が可能である場合、最も短い鎖が使用されて、連続する原子の数が決定される。上記のように、例えば、Rが−(CH−NHC(O)−CH−(フェン−1,4−イレン) −CH2−である場合、ピペリジン環(すなわち、mが2である場合)の窒素原子に隣接するR基の最初の原子から始めて連続的に数えてアミノヒドロキシエチル基の窒素原子に隣接するR基の最後の原子で終わると、以下に示されるように10個の連続する原子が存在する:
Figure 2008510015
の一実施形態において、R4aは、(1〜10C)アルキレン、(2〜10C)アルケニレンおよび(2〜10C)アルキニレンから選択され、このアルキレン基は、非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、ヒドロキシおよびフェニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換される。R4aについての特定の値の代表的な例は、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH)CH(CH)−、−(CH)C(CH−、および−(CHC(フェニル)−である。別の局面において、R4aは−(CH)C(=CH)−である。
一実施形態において、dは1である。
一実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(3〜7C)シクロアルキレン基(シクロヘキシレン基(例えば、シクロヘクス−1,4−イレンおよびシクロヘクス−1,3−イレン);ならびにシクロペンチレン基(例えば、シクロペント−1,3−イレン)が挙げられる)である。
別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(6〜10C)アリーレン基(フェニレン基(例えば、フェン−1,4−イレン、フェン−1,3−イレンおよびフェン−1,2−イレン);ならびにナフチレン基(例えば、ナフト−1,4−イレンおよびナフト−1,5−イレン)が挙げられる)である。
なお別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(2〜9C)ヘテロアリーレン基(ピリジレン基(例えば、ピリド−1,4−イレン);フリレン基(例えば、フル−2,5−イレンおよびフル−2,4−イレン);チエニレン基(例えば、チエン−2,5−イレンおよびチエン−2,4−イレン);ならびにピロリレン(例えば、ピロル−2,5−イレンおよびピロル−2,4−イレン)が挙げられる)である。
さらに別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(3〜6C)ヘテロシクレン基(ピペリジニレン基(例えば、ピペリジン−1,4−イレン);ならびにピロリジニレン基(例えば、ピロリジン−2,5−イレン)が挙げられる)である。
特定の実施形態において、Aは、必要に応じて置換されたフェニレン、チエニレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンまたはピペリジニレンである。
一実施形態において、eは0である。
特定の実施形態において、R4bは(1−5C)アルキレンである。R4bについての特定の値の代表的な例は、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−(メチレン、エチレンおよびプロピレンが挙げられる)である。
一実施形態において、fは0である。
特定の実施形態において、Qは、結合、−O−、−N(Q)C(O)−、−C(O)N(Q)−、−N(Q)S(O)−、−S(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)N(Q)−、−OC(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)O−または−N(Q)から選択され;例えば、Qは、結合、−N(Q)C(O)−または−C(O)N(Q)−である。Qについての特定の値の代表的な例は、結合、O、NH、−C(O)NH−、−C(O)N(CH)−、−NHC(O)−、−N(CH)C(O)−、−S(O)NH−、−S(O)N(CH)−、−NHS(O)−、−N(CH)S(O)−および−NHC(O)NH−である。Qについての値の別の例は、−C(O)(ピペリジン−1,4−イレン)である。
一実施形態において、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは各々、水素および(1〜6C)アルキルから独立して選択され、このアルキル基は、非置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシおよび(1〜4C)アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換される。例えば、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは各々、水素および(1−3C)アルキル(水素、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルが挙げられる)から独立して選択される。Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQの各々についての値の例は、水素である。
別の実施形態において、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは、窒素原子およびそれらが結合する基R4bまたはR4cと一緒に、4〜6員のアザシクロアルキレン基を形成する。例えば、QおよびQは、窒素原子およびそれらが結合する基R4bまたはR4cと一緒に、ピペリジン−4−イレン基を形成する。例示のために、Qが−N(Q)C(O)−を表し、かつQが窒素原子およびそのQが結合する基R4bと一緒にピペリジン−4−イレン基を形成する場合、Rは、式:
Figure 2008510015
の基である。
同様に、Qが−C(O)N(Q)−を表し、かつQが窒素原子およびそのQが結合する基R4cと一緒にピペリジン−4−イレン基を形成する場合、Rは、式:
Figure 2008510015
の基である。
特定の実施形態において、R4cは(1−5C)アルキレンである。R4cについての特定の値の代表的な例は、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−(メチレン、エチレンおよびプロピレンが挙げられる)である。
一実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(3〜7C)シクロアルキレン基(シクロヘキシレン基(例えば、シクロヘクス−1,4−イレンおよびシクロヘクス−1,3−イレン);ならびにシクロペンチレン基(例えば、シクロペント−1,3−イレン)が挙げられる)である。
別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(6〜10C)アリーレン基(フェニレン基(例えば、フェン−1,4−イレン、フェン−1,3−イレンおよびフェン−1,2−イレン);ならびにナフチレン基(例えば、ナフト−1,4−イレンおよびナフト−1,5−イレン)が挙げられる)である。
なお別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(2〜9C)ヘテロアリーレン基(ピリジレン基(例えば、ピリド−1,4−イレン);フリレン基(例えば、フル−2,5−イレンおよびフル−2,4−イレン);チエニレン基(例えば、チエン−2,5−イレンおよびチエン−2,4−イレン);ならびにピロリレン(例えば、ピロル−2,5−イレンおよびピロル−2,4−イレン)が挙げられる)である。
さらに別の実施形態において、Aは、必要に応じて置換された(3〜6C)ヘテロシクレン基(ピペリジニレン基(例えば、ピペリジン−1,4−イレン);ならびにピロリジニレン基(例えば、ピロリジン−2,5−イレン)が挙げられる)である。
特定の実施形態において、Aは、必要に応じて置換されたフェニレン、チエニレン、シクロペンチルレン、シクロヘキシレンまたはピペリジニレンである。
例示のために、AもしくはAのいずれか、または両方がフェニレン(例えば、フェン−1,4−イレンまたはフェン−1,3−イレン)であり得、このフェニレン基は、非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換される。代表的な例としては、フェン−1,3−イレン、フェン−1,4−イレン、4−クロロフェン−1,3−イレン、6−クロロフェン−1,3−イレン、4−メチルフェン−1,3−イレン、2−フルオロフェン−1,4−イレン、2−クロロフェン−1,4−イレン、2−ブロモフェン−1,4−イレン、2−ヨードフェン−1,4−イレン、2−メチルフェン−1,4−イレン、2−メトキシフェン−1,4−イレン、2−トリフルオロメトキシフェン−1,4−イレン、3−ニトロフェン−1,4−イレン、3−クロロフェン−1,4−イレン、2,5−ジフルオロフェン−1,4−イレン、2,6−ジクロロフェン−1,4−イレン、2,6−ジヨードフェン−1,4−イレン、2−クロロ−6−メチルフェン−1,4−イレン、2−クロロ−5−メトキシフェン−1,4−イレン、2,3,5,6−テトラフルオロフェン−1,4−イレンが挙げられる。
あるいは、AもしくはA、またはその両方は、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレンであり得;このシクロペンチレンまたはシクロヘキシレン基は、非置換であるか、または(1〜4C)アルキルで置換される。代表的な例としては、シス−シクロペント−1,3−イレン、トランス−シクロペント−1,3−イレン、シス−シクロヘクス−1,4−イレンおよびトランス−シクロヘクス−1,4−イレンが挙げられる。AもしくはA、またはその両方はまた、必要に応じて置換されたチエニレンまたはピペリジニレン(例えば、チエン−2,5−イレンまたはピペリジン−1,4−イレン)であり得る。
一実施形態において、R4dは、(1〜10C)アルキレン、(2〜10C)アルケニレンおよび(2〜10C)アルキニレンから選択され、このアルキレンは、非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、ヒドロキシおよびフェニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換される。R4dについての特定の値の代表的な例は、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH)CH(CH)−、−(CH)C(CH−および−(CHC(フェニル)−である。
特定の実施形態において、Rは、式:−(R4a−の二価の基であり、R4aは(4〜10C)アルキレンである。この実施形態の一局面において、Rは、式:−(CH−の二価の基であり、jは8、9または10である。この実施形態におけるRについての特定の値の例は、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH,および−(CH10−(−(CH−、−(CH−および−(CH10−が挙げられる)である。
別の特定の実施形態において、Rは、式:
Figure 2008510015
の二価の基であり、ここで、R4aは(1〜10C)アルキレン(例えば、−(CH)−、−(CH−、−(CH−)であり;Aは(6〜10C)アリーレン(例えば、フェン−1,4−イレンもしくはフェン−1,3−イレン)または(2〜9C)ヘテロアリーレン(例えば、チエン−2,5−イレンもしくはチエン−2,4−イレン)であり;R4dは、(1〜10C)アルキレン(例えば、−(CH)−、−(CH−、−(CH−)である。この実施形態におけるRについての特定の値の例は、−(CH)−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH)−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH)−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−、−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−、−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−および−(CH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−である。
なお別の特定の実施形態において、Rは、式:
Figure 2008510015
の二価の基であり、ここで、Qは−O−または−N(Q)−であり;Qは水素または(1〜3C)アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)であり;R4aは(1〜10C)アルキレン(例えば、−(CH)−、−(CH−、−(CH−)であり;Aは(6〜10C)アリーレン(例えば、フェン−1,4−イレンもしくはフェン−1,3−イレン)、または(2〜9C)ヘテロアリーレン(例えば、チエン−2,5−イレンもしくはチエン−2,4−イレン)であり;R4dは(1〜10C)アルキレン(例えば、−(CH)−、−(CH−、−(CH−)である。この実施形態において、(6〜10C)アリーレンまたは(2〜9C)ヘテロアリーレン基は、非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシなど)で置換される。この実施形態におけるRについての特定の値の例は、−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−O−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−NH−(フェン−1,4−イレン)−(CH−;−(CH−NH−(2−フルオロフェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−NH−(2−クロロフェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−NH−(5−メトキシフェン−1,4−イレン)−(CH)−;−(CH−NH−(2−クロロ−5−メトキシフェン−1,4−イレン)−(CH)−;および−(CH−NH−(2−クロロ−5−エトキシフェン−1,4−イレン)−(CH)−である。
なお別の特定の実施形態において、Rは、式:
Figure 2008510015
の二価の基であり、ここで、Qは−N(Q)C(O)−または−C(O)N(Q)−である。この実施形態におけるRについての特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zaは2〜10の整数であり;zbは2〜10の整数であり;ただし、za+zbは4〜12の整数である。Rについてのこの式において、dおよびgは1であり、e、f、hおよびiは0であり;R4aは−(CHza−であり、R4cは−(CHzb−であり、Qは−C(O)NH−である。zaについての特定の値は、2または3であり;zbについての特定の値は、4、5または6である。
についての別の特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zcは2〜7の整数であり;zdは1〜6の整数であり;ただし、zc+zdは3〜8の整数である。Rについてのこの式において、d、hおよびiは1であり、e、fおよびgは0であり;R4aは−(CHzc−であり,Aはフェン−1,4−イレンであり、R4dは−(CHzd−であり、Qは−C(O)NH−である。zcについての特定の値は、2または3であり;zdについての特定の値は、1または2である。この実施形態において、フェン−1,4−イレン基は、Aについて本明細書で規定されるように、必要に応じて置換され得る。
についての別の特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zeは2〜6の整数であり;zfは1〜5の整数であり;zgは1〜5の整数であり;ただし、ze+zf+zgは4〜8の整数である。Rについてのこの式において、d、g、hおよびiは1であり、eおよびfは0であり;R4aは−(CHze−であり、R4cは−(CHzf−であり、Aは1,4−フェニレンであり、R4dは−(CHzg−であり、Qは−C(O)NH−である。zeについての特定の値は、2または3であり;zfについての特定の値は、1または2であり;zgについての特定の値は、1または2である。この実施形態において、フェン−1,4−イレン基は、Aについて本明細書で規定されるように、必要に応じて置換され得る。
についての別の特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zhは2〜10の整数であり;ziは2〜10の整数であり;ただし、zh+ziは4〜12の整数である。Rについてのこの式において、dおよびgは1であり、e、f、hおよびiは0であり;R4aは−(CHzh−であり、R4cは−(CHzi−であり、Qは−NHC(O)−である。zhについての特定の値は、2または3であり;ziについての特定の値は、4、5または6である。
についての別の特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zjは2〜7の整数であり;zkは1〜6の整数であり;ただし、zj+zkは3〜8の整数である。Rについてのこの式において、d、hおよびiは1であり、e、fおよびgは0であり;R4aは−(CHzj−であり、Aは1,4−フェニレンであり、R4dは−(CHzk−であり、Qは−NHC(O)−である。zjについての特定の値は、2または3であり;zkについての特定の値は、1または2である。この実施形態において、フェン−1,4−イレン基は、Aについて本明細書で規定されるように、必要に応じて置換され得る。
についての別の特定の値は、式:
Figure 2008510015
であり、ここで、zlは2〜6の整数であり;zmは1〜5の整数であり;znは1〜5の整数であり;ただし、zl+zm+znは4〜8の整数である。Rについてのこの式において、d、g、hおよびiは1であり、eおよびfは0であり;R4aは−(CHzl−であり、R4cは−(CHzm−であり、Aは1,4−フェニレンであり、R4dは−(CHzn−であり、Qは−NHC(O)−である。zlについての特定の値は、2または3であり;zmについての特定の値は、1または2であり;znについての特定の値は、1または2である。この実施形態において、フェン−1,4−イレン基はについて本明細書で規定されるように、必要に応じて置換され得る。
さらなる例示のために、Rは、以下:
−(CH−;
−(CH−;
−(CH−;
−(CH10−;
−(CH11−;
−(CHC(O)NH(CH−;
−(CHN(CH)C(O)(CH−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)NH(CH−;
−(CHNHC(O)NH(CH−;
−(CHC(O)NHCH(シクロヘクス−1,3−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(シクロペント−1,3−イレン)−;
−(CHNHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
1−[−(CHC(O)](ピペリジン−4−イル)(CH−;
−(CHNHC(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(シス−シクロペント−1,3−イレン)−;
−(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
1−[−(CHNHC(O)](ピペリジン−4−イル)(CH−;
−CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHC(O)NHCH(ピリド−2,6−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(シス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(シス−シクロペント−1,3−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)−((S)−異性体);
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)−((R)−異性体);
2−[(S)−(−CH−](ピロリジン−1−イル)C(O)(CH−;
2−[(S)−(−CH−](ピロリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(4−クロロフェン−1,3−イレン)CH−;
−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(4−メチルフェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(6−クロロフェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−クロロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2,6−ジクロロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)CH−;
4−[−CH−](ピペリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)N(CHCH)(フェン−1,4−イレン)CH−;
1−[−(CHNHC(O)](ピペリジン−4−イル)−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHNHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(3−ニトロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)−;
1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)−;
5−[−(CHNHC(O)](ピリド−2−イル)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(チエン−2,5−イレン)(CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−CH(フェン−1,2−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)(CH−;
1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
−(CHC(O)NH(3−クロロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−(CFO−)フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHS(O)NH(CH−;
−CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHC(O)NH(2−ヨードフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−クロロ−5−メトキシフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−クロロ−6−メチルフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHN(CH)S(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−ブロモフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(フェン−1,2−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)(CH−;
−(CHC(O)NH(2−メトキシフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
4−[−(CH−](ピペリジン−1−イル)(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)CH−;
−(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHC(O)NH(2−フルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHC(O)NH(2,5−ジフルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(フェン−1,4−イレン)(CH−;
1−[−CH(ピリド−2,6−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
−(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHNH(ナフト−1,4−イレン)(CH−;
−(CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
1−[−(CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
−(CHO(フェン−1,4−イレン)(CH−;
2−[−(CH](ベンズイミダゾル−5−イル)CH−;
−(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
−(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
−(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
−(CHNHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHN(CH)(CH(シス−シクロヘクス−1,4−イレン)−;
−(CHC(O)NH(2,3,5,6−テトラフルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2,6−ジヨードフェン−1,4−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
−(CHC(O)NHCH(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)NHCH(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(2−メチルフェン−1,4−イレン)CH−;
1−[−(CHO(フェン−1,4−イレン)(CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
−(CHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)(CH−;
−(CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
−(CHN(CH)C(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
−(CHO(フェン−1,4−イレン)O(CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
−(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
−(CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
−CHCH(OH)CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CHNHC(O)CH−;
−(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CHNHC(O)CH−;
−(CHC(O)NHCH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
−(CHNHC(O)(CH−;
−(CHO(フェン−1,3−イレン)O(CH−;
−(CHO(フェン−1,2−イレン)O(CH−;
−CH(フェン−1,2−イレン)O(フェン−1,2−イレン)CH−;
−(CHC(O)NH(CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(フラン−2,5−イレン)(CH−;
−(CHN(CH)C(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
−(CH(フェン−1,3−イレン)(CH−;
−(CH(テトラヒドロフラン−2,5−イレン)(CH−;および
−(CHO(フェン−1,4−イレン)C(O)(CH
から選択され得る。
(代表的な亜属グループ)
以下の亜属式(subgeneric formula)および亜属グループ(grouping)は、本発明の種々の局面および実施形態の代表的な例を提供することが意図され、そのようなものとして、これらは、他に示されない限り、他の実施形態を除外することも、本発明の範囲を限定することも意図されない。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の特定のグループは、aが0であり;bが0であり;cが0であり;mが2であり;WがOであり;Wがピペリジニル環の4位に結合し;Rが水素であり;R、R、RおよびRが本明細書に定義されるとおりであるものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体のさらに別の特定のグループは、aが0であり;bが1であり;cが0、1または2であり;mが1または2であり;WがOであり;Wがピロリジニル環の3位またはピペリジニル環の3位もしくは4位に結合し;Rが(1〜4C)アルキルであり;Rが水素であり;R8aおよびR8bが水素であり;R、R、RおよびRが本明細書に定義されるとおりであるものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体のなお別の特定のグループは、aが0であり;bが0であり;cが0であり;mが2であり;WがOであり;Wがピペリジニル環の4位に結合し;Rが−(CH−であり、ここでjは8、9または10であり;Rが水素であり;R、RおよびRが本明細書に定義されるとおりであるものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、aが0であり;bが1であり;cが0、1または2であり;mが1または2であり;WがOであり;Wがピロリジニル環の3位またはピペリジニル環の3位もしくは4位に結合し;Rが(1〜4C)アルキルであり;Rが−(CH−であり、ここでjは8、9または10であり;Rが水素であり;R8aおよびR8bが水素であり;R、RおよびRが本明細書に定義されるとおりであるものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式IIのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式IIIのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式IVのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式Vのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式VIのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式VIIのものである。
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体の別の特定のグループは、本明細書に定義されるような式VIIIのものである。
式Iの化合物の別の特定のグループは、以下:
(2−チエン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
(2,4−ジフルオロ−6−ピリジン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}ベンゾイルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[4−(4−{2−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]エチル}フェニル)ブチル]ピペリジン−4−イルエステル;
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(2−クロロ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−5−メトキシフェニルカルバモイル)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
[2−(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルメチルエステル;
(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
(2−チアゾル−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
[2−(4−ブロモチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
[2−(4−メチルチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}フェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;および
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ブチル}フェニル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
から選択されるものである。
(定義)
本発明の化合物、組成物、方法およびプロセスを説明する場合、以下の用語は他に示されない限り以下の意味を有する。
用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖であり得る一価の飽和炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、そのようなアルキル基は、代表的に1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキル基としては、例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
用語「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖であり得る二価の飽和炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、そのようなアルキレン基は、代表的に1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキレン基としては、例として、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが挙げられる。
用語「アルコキシ」は、一価の式(アルキル)−O−の基を意味し、ここでアルキルは明細書中に定義される。代表的なアルコキシ基としては、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。
用語「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖であり得、そして少なくとも1つ、代表的には1、2または3つの炭素−炭素二重結合を有する一価の不飽和の炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、そのようなアルケニル基は代表的に2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルケニル基としては、例として、エチニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブト−2−エニル、n−ヘキサ−3−エニルなどが挙げられる。用語「アルケニレン」は、二価のアルケニル基を意味する。
用語「アルキニル」は、直鎖または分枝鎖であり得、そして少なくとも1つ、代表的には1、2または3つの炭素−炭素三重結合を有する一価の不飽和の炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、そのようなアルキニル基は代表的に2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基としては、例として、エチニル、n−プロピニル、n−ブト−2−イニル、n−ヘキサ−2−イニルなどが挙げられる。用語「アルキニレン」は、二価のアルキニル基を意味する。
用語「アリール」は、単環(すなわち、フェニル)または縮合環(すなわち、ナフタレン)を有する一価の芳香族炭化水素を意味する。他に定義されない限り、そのようなアリール基は、代表的に6〜10個の炭素環原子を含む。代表的なアリール基としては、例として、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イルなどが挙げられる。用語「アリーレン」は、二価のアリール基を意味する。
用語「アザシクロアルキル」は、1つの窒素原子を含む一価の複素環、すなわち、1つの炭素原子が1つの窒素原子で置き換わったシクロアルキル基を意味する。他に定義されない限り、そのようなアザシクロアルキル基は、代表的に2〜9個の炭素原子を含む。アザシクロアルキル基の代表的な例としては、ピロリジニル基およびピペリジニル基である。用語「アザシクロアルキレン」は、二価のアザシクロアルキル基を意味する。アザシクロアルキレン基の代表的な例としては、ピロリジニレン基およびピペリジニレン基である。
用語「シクロアルキル」は、一価の飽和の炭素環式炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、そのようなしクロアルキル基は、代表的に3〜10個の炭素原子を含む。代表的なシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。用語「シクロアルキレン」は、二価のシクロアルキル基を意味する。
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
用語「ヘテロアリール」は、1つの単環または2つの縮合環を有し、環中に窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(代表的には1〜3個のヘテロ原子)を含む一価の芳香族基を意味する。その他に定義されない限り、そのようなヘテロアリール基は、代表的に5〜10個の総環原子を含む。代表的なヘテロアリール基としては、例として、一価の種のピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどが挙げられ、ここで結合点は利用可能な炭素環原子または窒素環原子である。用語「ヘテロアリーレン」は、二価のヘテロアリール基を意味する。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、1つの単環または複数の縮合環を有し、環中に窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(代表的には1〜3個のヘテロ原子)を含む一価の飽和または不飽和の(非芳香族の)基を意味する。他に定義されない限り、そのような複素環の基は、代表的には2〜9個の総環炭素原子を含有する。代表的な複素環の基としては、例として、一価の種のピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モリホリン、チオモリホリン、ピペラジン、3−ピロリンなどが挙げられ、ここで結合点は利用可能な炭素環原子または窒素環原子である。用語「ヘテロサイクレン」は、二価のヘテロシクリル基またはて複素環式基を意味する。
特定の炭素原子数が、本明細書中で用いられる特定の用語を意味する場合、炭素原子数は用語直前の括弧で表される。例えば、用語「(1−4C)アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
用語「薬学的に受容可能な塩」は、哺乳動物のような患者に投与することが許容できる塩基または酸から調製される塩を意味する。そのような塩は、薬学的に受容可能な無機塩基または有機塩基および薬学的に受容可能な無機酸または有機酸から誘導され得る。薬学的に受容可能な無機塩基から誘導される塩としては、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。薬学的に受容可能な有機塩基から誘導される塩としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン(piperazine)、ピペラジン(piperadine)、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのような置換アミン、環状アミン、天然に存在するアミンなどを含めて第一級、第二級および第三級のアミンの塩が挙げられる。薬学的に受容可能な酸から誘導される塩としては、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エジシル酸(edisylic acid)、フマル酸、ゲンチジン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロチン酸、パモ酸(pamoic acid)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、キシナホ酸(xinafoic acid)などが挙げられる。
用語「それらの塩」は、ある酸の水素が、金属陽イオンまたは有機陽イオンなどのような陽イオンで置換される場合に形成される化合物を意味する。好ましくは、この塩は薬学的に受容可能な塩であるが、中間体化合物の塩を必要とせず、患者への投与を目的とするものではない。
用語「溶媒和物」は、1分子以上の溶質(すなわち、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩)および1分子以上の溶媒により形成される錯体または凝集体を意味する。そのような溶媒和物は、代表的には、実質的に一定のモル比の溶質および溶媒を有する結晶固体である。代表的な溶媒としては、例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は、水和物である。
用語「またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体」は、式(I)の化合物の立体異性体の薬学的に受容可能な塩の溶媒和物のような塩、溶媒和物および立体異性体のすべての順列を含むことを意図すると理解される。
用語「治療有効量」は、処置を必要とする患者に投与した場合、処置の効果を得るのに十分な量を意味する。
用語「処置(treating)」または「処置(treatment)」は、本明細書中で用いられる場合、哺乳動物(特にヒト)のような患者における、疾患または病状(COPDのような)の処置(treating)または処置(treatment)を意味し、これには以下が挙げられる:
(a)疾患または病状が起こるのを防ぐこと、すなわち患者の予防的処置;
(b)疾患または病状を改善すること、すなわち患者において疾患または病状を排除するかまたは疾患または病状の後退を引き起こすこと;
(c)疾患または病状を抑制すること、すなわち患者において疾患または病状の進行を遅くするか阻止すること;あるいは
(d)患者において疾患または病状の徴候を緩和すること。
用語「脱離基」は、求核置換反応のような置換反応において別の官能基または原子で置換され得る官能基または原子を意味する。例として、代表的な脱離基としては、クロロ基、ブロモおよびヨード基が挙げられ;メシレート、トシレート、ブロシレート、ノシレートなどのようなスルホン酸エステル基;およびアセトキシ、トリフルオロアセトキシなどのようなアシルオキシ基が挙げられる。
用語「その保護された誘導体」は、化合物の1つ以上の官能基が、保護基(protecting group)またはブロック基(blocking group)で所望されない反応から保護される特定の化合物の誘導体を意味する。保護される官能基としては、例として、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基などが挙げられる。カルボン酸の代表的な保護基としては、エステル(p−メトキシベンジルエステルのような)、アミドおよびヒドラジド;アミノ基の代表的な保護基としては、カルバミン酸塩(tert−ブトキシカルボニルのような)およびアミド;アミノ基の代表的な保護基としては、エーテルおよびエステル;チオール基の代表的な保護基としては、チオエーテルおよびチオエステル;カルボニル基の代表的な保護基としては、アセタールおよびケタールなどが上げられる。そのような保護基は、当該分野において周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New York、1999年、およびその中に引用される参考文献に記載される。
用語「アミノ保護基」は、アミノ窒素での所望されない反応を防ぐために適した保護基を意味する。代表的なアミノ−保護基としては、ホルミル;アシル基(例えば、アセチル、トリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルのようなアルカノイル基);tert−ブトキシカルボニル(Boc)のようなアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル基;などが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「カルボキシ保護基」は、カルボキシ基での所望されない反応を防ぐために適した保護基を意味する。代表的なカルボキシ−保護基としては、メチル、エチル、およびtert−ブチル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシル基での所望されない反応を防ぐために適した保護基を意味する。代表的なヒドロキシ−保護基としては、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのようなトリ(1〜6C)アルキルシリル基を含むシリル基;ホルミル、アセチルのような(1〜6C)アルカノイル基を含むエステル(アシル基);ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などのようなアリールメチル基などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、2つのヒドロキシル基はまた、例えば、アセトンのようなケトンとの反応により形成されるプロプ−2−イリジンのようなアルキリデン基として保護される。
(一般的合成手順)
本発明の化合物は、以下の一般的方法および手順を用いて容易に入手可能な出発物質から調製され得るか、または当該分野の通常の技術において容易に入手可能な他の情報により調製され得る。本発明のある特定の実施形態は、明細書中に示されるかまたは記載され得、本発明のすべての局面は、本明細書中に記載される方法または他の方法を用いて調製され得ることは当業者において認知されており、試薬および出発物質は当業者に公知である。代表的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、その他に記載されないかぎり、他のプロセス条件もまた用いられ得ると理解される。最適反応条件は、用いられる特定の反応物また溶媒で変化し得るが、そのような条件は従来の最適化手順によって当業者により決定され得る。
さらに、当業者により明らかなように、従来の保護基はある官能基を所望されない反応が起こることから防ぐために必要であり得る。ある特定の官能基のための適した保護基の選択ならびに保護および脱保護のための適した条件は、当該分野において周知である。本明細中に記載される手順において示される以外の保護基は、所望されれば用いられ得る。例えば、多くの保護基、ならびにそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New York、1999年、およびその中に引用される参考文献に記載される。
例として、本発明の化合物は、以下の工程を包含するプロセスにより調製され得る:
(a)式1の化合物:
Figure 2008510015
またはその塩を;式2の化合物:
Figure 2008510015
と反応させる工程であって、ここでXは脱離基を表し、そしてPおよびPは、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
(b)式3の化合物:
Figure 2008510015
またはその塩を;式4の化合物:
Figure 2008510015
と反応させる工程であって、ここでXは脱離基を表し、そしてPおよびPは、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
(c)式5の化合物:
Figure 2008510015
またはその塩を;式6の化合物:
Figure 2008510015
とカップリングさせる工程であって、ここでXQaおよびXQbは、それぞれ独立して基Qを形成するように結合する官能基を表し、P5aは水素原子またはアミノ保護基を表す;そしてP5bおよびPは、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
(d)Rが水素原子で表される式Iの化合物について,式3の化合物を式7の化合物:
Figure 2008510015
またはその水和物(例えば、グリオキサール)と、還元剤の存在下で、反応させる工程であって、ここでPは、水素原子またはヒドロキシル基を表す、工程;
(e)式1の化合物を式8の化合物:
Figure 2008510015
またはその水和物と、還元剤の存在下で、反応させる工程であって、ここでPおよびPは、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表し、P10は、水素原子またはアミノ保護基を表し、R4’は、それが結合する炭素と一緒に本反応の終了の際に基Rを与える残基を表す、工程;
(f)式9の化合物:
Figure 2008510015
を式10の化合物
Figure 2008510015
と反応させる工程であって、ここでXは脱離基を表し、P11およびP12は、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル基−保護基を表し、そしてP13は、水素原子またはアミノ−保護基を表す、工程;あるいは
(g)式11の化合物:
Figure 2008510015
またはその水和物を;式10の化合物と還元剤の存在下で反応させる工程であって、ここでR4’は、それが結合する炭素と一緒に本反応の終了の際に基Rを与える残基を表す、工程;
(h)式12の化合物:
Figure 2008510015
をカップリング触媒の存在下で、式:R−B(OH)の化合物と反応させる工程であって、ここでYが、クロロ、ブロモ、ヨードまたはCFSOO−を表し、P14が、水素原子またはアミノ−保護基を表し;そしてP15およびP16が、それぞれ独立して水素原子またはヒドロキシル−保護基を表す、工程;そしてその後、
任意の保護基P、P、P、P、P5a、P5b、P、P、P、P、P10、P11、P12、P13、P14、P15およびP16を除去し、式Iの化合物を得る工程;そして必要に応じてその薬学的に受容可能な塩を形成する工程。
一般的に、1つの出発物質が上記に記載されるプロセスで用いられる場合、酸付加塩のような塩は、代表的に反応プロセスの前または反応プロセス中に中和される。この中和反応は、代表的にこの塩を各モル当量の酸付加塩について1モル当量の塩基と接触させることにより達成される。
プロセス(a)、すなわち、式1と式2の化合物との間の反応において、Xにより表される脱離基は、例えば、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロまたはスルホン酸エステル基であり得る。PおよびPの基は、例えば、それぞれトリメチルシリルおよびベンジルであり得る。本反応は、代表的に塩基の存在下で、アセトニトリルのような不活性な希釈剤中で行われる。例えば、本反応は、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミンの存在下で、行われ得る。一般的に本反応は、反応が実質的に完了するまで0℃〜100℃の温度範囲で行われる。それから本反応生成物は、抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどのような従来の手順を用いて単離される。
式1の化合物は、一般的に当該分野において公知であるか、または周知の手順を用いて商業的に入手可能な出発物質および試薬から調製され得る。例えば、式1の化合物は、式13のイソシアネート化合物
Figure 2008510015
を式14の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、ここでP17は、ベンジル基のようなアミノ−保護基を表し;保護基P17の除去に続いて式1の化合物を生じる。例えば、P17がベンジル基である場合、例えばベンジル基は、例えば水素および炭素担持パラジウムのようなグループIIIの金属触媒を用いて水素化分解により除去される。Wが、NWを表す場合、水素化分解反応は、Pearlmanの触媒(すなわちPd(OH))を用いて、都合よく行われる。
式2の化合物は、明細書中に記載される種々の手順によりまたは当該分野において周知の方法により調製され得る。例えば、下記の式22の化合物のヒドロキシル基は、周知の試薬および手順を用いて容易に脱離基に変換される。例として、ヒドロキシル基は、塩化チオニル、三塩化リン、三臭化リン、オキシ塩化リンなどのような無機酸のハロゲン化物、または臭化水素のようなハロゲン酸を用いてハロ基に変換される。
(b)のプロセス、すなわち式3の化合物と式4の化合物との反応において、Xにより表される脱離基は、例えば、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロであるか、またはメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基であり得る。基PおよびPは、例えば、それぞれtert−ブチルジメチルシリルおよびベンジルである。本反応は、代表的に、重炭酸ナトリウムのような塩基およびヨウ化ナトリウムのようなヨウ化アルカリ金属の存在下で行われる。一般的に、本反応は、テトラヒドロフランのような不活性な希釈剤中、反応が実質的に完了するまで25℃〜100℃の範囲の温度で行われる。それから本反応性生物は、抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどのような従来の手順を用いて単離される。
式3の化合物は、式1の化合物を式15の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、ここでXは、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロまたはメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基のような脱離基を表す。本反応は、代表的にアセトニトリル、DMFまたはその混合物のような不活性な希釈剤中、反応が実質的に完了するまで約0℃〜約100℃の範囲の温度で式1の化合物を式15の化合物と接触させることにより行われる。その後の保護基P18およびP19の除去は、式3の化合物を生じる。例えば、P18がtert−ブトキシカルボニル基であり、P19が水素である場合、tert−ブトキシカルボニル基は、保護した化合物をトリフルオロ酢酸を用いて処理することにより除去され得る。
あるいは、式3の化合物は、式11の化合物の還元アミノ化により得られ得る。この還元アミノ化は、炭素担持パラジウム存在下で、式11の化合物を例えばベンジルアミンおよび水素と反応させることにより行われ得る。
式11の化合物は、アルコールに相当する式16:
Figure 2008510015
をピリジン三酸化硫黄複合体およびジメチルスルホキシドのような適した酸化試薬を用いて酸化することにより調製され得る。本酸化反応は、代表的にジクロロメタンのような不活性な希釈剤中、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミンの存在下で、約−20℃〜約25℃の範囲の温度で行われる。
式16の化合物は、式1の化合物を式17の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロまたはメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基のような脱離基を表す。
式4の化合物は、式18の化合物:
Figure 2008510015
をボランのような還元剤と反応させることにより調製され得る。必要ならば、そのような還元は、キラル触媒存在下で行われ、キラルの形態で式4の化合物を提供する。例えば、式18の化合物は、(R)−(+)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノールおよびトリメチルボロキシン(trimetylboroxine);またあるいは、(S)−(−)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノールおよびトリメチルボロキシンから形成されるキラル触媒の存在下で還元される。それから生じるヒドロキシル基は、例えば、tert−トリフルオロメタンスルホン酸ブチルジメチルシリルとの反応によりヒドロキシル−保護基、Pで保護される。Xがブロム原子で表す式18の化合物は、式19の化合物:
Figure 2008510015
を三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯塩(boron trifluoride diethyl etherate)のようなルイス酸の存在下で反応させることにより調製され得る。式19の化合物は、当該分野において周知であるかまたは商業的に入手可能な出発物質および試薬を用いて周知の手順を用いて調製され得る。
プロセス(c)、すなわち式5の化合物の式6の化合物との反応に関して、基XQaおよびXQbは、反応の完了において所望される基Qを生じるように選択されるはずであることが認識される。例えば、所望される基Qがアミド基、すなわち−N(Q)C(O)−または−C(O)N(Q)である場合、XQaおよびXQbの一方がアミン基(すなわち、−NHQまたは−NHQ)であり他方がカルボキシル基(すなわち、−COOH)またはその反応誘導体(アシル塩化物またはアシル臭化物のようなアシルフッ化物のような)であり得る。基P5a、P5bおよびPは、例えば、それぞれベンジル、トリメチルシリルおよびベンジルであり得る。Qアミド基である場合、この反応は、従来のアミドカップリング条件下で行われ得る。同様に、所望されるQがスルホンアミド、すなわち−N(Q)S(O)−または−S(O)N(Q)−である場合、XQaおよびXQbの一方がアミン基、−NHQまたは−NHQであり、他方がハロゲン化スルホニル基(塩化スルホニルまたは臭化スルホニルのような)であり得る。
式5の化合物は式1の化合物を式20の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、ここでXは、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロおよびメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基を含む脱離基を表し;そして、XQa’は、カルボキシル基またはアミノ基NHQ、あるいは(1〜6C)アルコキシカルボニルアミノ基またはtert−ブトキシカルボニルアミノ基のようなそれらの保護した誘導体のようなXQaを表す。本反応は、代表的に式3の化合物を調製するために用いられる類似の方法により行われ、続いてXQa’において任意の保護基を除去する。
式6の化合物は、式10の化合物を式21の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、ここでXは、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロおよびメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基を含む脱離基を表し;そして、XQb’は、カルボキシル基またはアミノ基NHQ、あるいは(1〜6C)アルコキシカルボニルアミノ基またはtert−ブトキシカルボニルアミノ基のようなそれらの保護した誘導体のようなXQbを表す。本反応は、代表的に式3の化合物を調製するために用いられる類似の方法により行われ、続いてXQb’において任意の保護基を除去する。
プロセス(d)、すなわち式3の化合物の式7の化合物との反応に関して、任意の適した還元剤は、本反応において用いられ得る。例えば、還元剤は、炭素担持パラジウムのようなグループIIIの金属触媒;またはトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような金属水素化物の存在下で、水素である。Pは、例えば、ベンジルである。本発明は、代表的にジクロロエタンとメタノールの混合物のような不活性な希釈剤およびプロトン性溶媒中、反応が実質的に完了するまで0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
水和物の形態における式7の化合物は従来の方法、例えば、式19の化合物をジブロム化し、それから生じた二臭化物を加水分解することによりグリオキサールまたはその水和物を形成することにより調製され得る。例えば、式19の化合物は臭化水素と反応され得、それから水で加水分解されグリオキサール水和物を形成する。
式(e)のプロセス、すなわち式1の化合物の式8の化合物との反応に関して、任意に適した還元剤が、本反応において用いられ得る。例えば、還元剤は、炭素担持パラジウムのようなグループIIIの金属触媒;またはトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような金属水素化物の存在下で、水素である。基P5a、P5bおよびPは、例えば、それぞれトリメチルシリル、ベンジルおよびベンジルであり得る。代表的には、本還元反応は、ジクロロエタンおよびメタノールのような不活性な希釈剤およびプロトン性溶媒中、反応が完了するまで0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
式8の化合物の化合物は式22の化合物:
Figure 2008510015
をピリジン三酸化硫黄複合体およびジメチルスルホキシドのような適した酸化剤を用いて酸化することにより調製され得る。本反応は、代表的にジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミンの存在下で、酸化が実質的に完了するまで約−20℃〜約25℃の範囲の温度で行われる。
式22の化合物は、式10の化合物を式23の化合物:
Figure 2008510015
と反応させることにより調製され得、ここでXは、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロおよびメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基を含む脱離基を表す。
プロセス(f)、すなわち式9の化合物の式10の化合物との反応に関して、Xにより表される脱離基は例えば、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロあるいはメシラートまたはトシラートのようなスルホン酸エステル基であり得る。基P11、P12およびP13は、例えばそれぞれトリメチルシリル、ベンジルおよびベンジルであり得る。本反応は、代表的にアセトニトリルのような不活性な希釈剤中、適した塩基の存在下で行われる。例えば、本反応は、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミンの存在下で行われる。一般的に、本反応は、反応が実質的に完了するまで0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
式9の化合物は、式1の化合物から始まる、方法(a)〜(e)に類似の工程により調製され得る。さらに式10の化合物は、式P13NHのアミンとの反応により式4の化合物から調製され得る。
式(g)のプロセス、すなわち式11の化合物の式10の化合物との反応に関して、任意に適した還元剤が、本反応において用いられ得る。例えば、還元剤は、炭素担持パラジウムのようなグループIIIの金属触媒;またはトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような金属水素化物の存在下で、水素である。基P11、P12およびP13は、例えば、それぞれtert−ブチルジメチルシリル、ベンジルおよびベンジルであり得る。代表的には、本還元反応は、ジクロロエタンおよびメタノールのような不活性な希釈剤およびプロトン性溶媒中、反応が完了するまで0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
式11の化合物は、対応するアルコールの酸化または対応するアセタールの加水分解により容易に調製される。任意の適した酸化剤は、本反応中で用いられ得、ピリジン三酸化硫黄複合体およびジメチルスルホキシドのようなアルデヒドを提供する。アセタールは、従来の条件下水溶性の酸を用いて加水分解され得、アルデヒドを提供する。
プロセス(h)、すなわち式12の化合物と式R−B(OH)の化合物との反応に関して、任意の適したカップリング触媒は、Suzukiカップリング反応条件を用いるブロン酸誘導体と12を結合するために用いられる。例えば、代表的な触媒としては、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0),酢酸パラジウム(II)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)などのようなパラジウム触媒およびニッケル触媒が挙げられる。必要に応じて、塩基は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、トリエチルアミンなどのように本反応に使用される。一般的に、Yがブロモ、ヨードまたはCFSOO−(すなわち、トリフレート)を表す式12の化合物は、カップリング反応においてより反応性があるので、そのような化合物が代表的に好まれる。特に有用な式12の化合物は、Yがブロモである。式12の化合物において、P14、P15およびP16は、それぞれベンジル、tert−ブチルジメチルシリルおよびベンジルのような任意の適したアミノ−保護基およびヒドロキシル−保護基である。
プロセス(h)において使用されるボロン酸化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野において周知の手順を用いて、商業的に入手可能な出発物質および試薬から調製され得るかのいずれかである。例えば、ボロン酸誘導体は、対応するリチウム誘導体を、ボロン酸トリイソプロピルのようなボロン酸トリアルキルと反応し、それから生じる生成物を加水分解することにボロン酸を提供し、調製され得る。
当業者は、Suzukiのカップリング反応は合成プロセスの任意の適した工程で行われ得ることを理解する。例えば、Suzukiのカップリング反応は、化合物の残りの部分が調整された後、合成プロセスの最終工程として行われ得る。あるいは、Suzukiのカップリング反応は、合成プロセスの初期に行われ、所望されるビアリール環系を有する中間体を調製する。さらに、ボロン酸部位は、式12の化合物に存在し得、すなわち、式12のYが−B(OH)である;そして本化合物は、式:R−Yの化合物に結合し得、ここでYはクロロ、ブロモ、ヨードまたはCFSOO−を表す。
およびRが一緒に−NR7gC(O)−CR7h7i−CR7j7k−または−CR7l7m−CR7n7o−C(O)−NR7p−を形成する式Iの化合物は、RおよびRが一緒に−NR7aC(O)−CR7b=CR7c−または−CR7d=CR7e−C(O)−NR7f−を形成する対応する式Iの化合物を還元することにより調製され得る。例えば、そのような化合物は、適した水素化触媒の存在下で、接触水素化により還元され得る。
さらに、本発明の代表的化合物またはその誘導体を調製するための特定の反応条件および他の手順は、以下に述べる実施例に記載される。
(薬学的組成物および薬学的処方物)
本発明の化合物は、代表的に薬学的組成物または薬学的処方物の形態で患者に投与される。そのような薬学的組成物は、任意の受容可能な投与経路により患者に投与され得、投与経路としては、吸入投与、経口投与、鼻内投与、局所投与(経皮投与を含む)および非経口形態投与が挙げられるが、これに限定されない。特定の投与形態に適した本発明の化合物の任意の形態は(すなわち、遊離塩基、薬学的に受容可能な塩、溶媒和物など)、本明細書中に記載される薬学的組成物中に用いられ得ることが理解される。
従って、1つの組成物の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤および治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物を目的とする。必要に応じて、そのような薬学的組成物は、所望されるならば、他の治療薬剤および/または処方薬剤を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、代表的に治療的有効量の本発明化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する。代表的には、そのような薬学的組成物は;約0.01〜約30重量%を含む;約0.01〜約10重量%の活性薬剤のように、約0.01〜約95重量%の活性薬剤を含有する。
任意の従来のキャリアまたは賦形剤は、本発明の薬学的組成物において用いられ得る。特定のキャリアまたは賦形剤あるいはキャリアまたは賦形剤の組合せの選択は、ある特定の患者あるいは医学的症状または疾患の状態のタイプを治療するために用いられる投与形態に依存する。この点について、ある特定の投与形態のための適した薬学的組成物の調製は、薬学分野の技術範囲内でよくあることである。さらに、そのような組成物の成分は、例えば、Sigma、P.O.Box 14508、St.Louis、MO 63178から商業的に入手可能である。さらに例として、従来の処方技術は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(2000);およびH.C.Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(1999)に記載される。
薬学的に受容可能なキャリアとして使用し得る代表的な物質の例としては、以下に挙げられる:(1)乳糖、グルコースおよびスクロースのような砂糖類;(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンのようなデンプン類;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースのようなセルロースおよびその誘導体;(4)微粉末化トラガント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオ脂および坐剤ワックスのような賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油のような油類;(10)プロピレングリコールのようなグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールのようなポリオール類;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル類;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝化剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質のない水;(17)等張化生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;(21)クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロカーボンのような圧縮した噴霧ガス;および(22)他び非毒性の適合性物質が薬学的組成物に使用される。
本発明の薬学的組成物は、代表的に本発明化合物を薬学的に受容可能なキャリアと1つ以上の付加的成分と完全かつ十分に混合または混和することにより調整される。必要また所望されるならば、生じる均等に混和された混合物は、それから錠剤、カプセル、丸剤、キャニスター、カートリッジ、ディスペンサーなどに従来の手順および機器を用いて成形されるか充填される。
一実施形態において、本発明の薬学的組成物は、吸入投与に適している。吸入投与のための適した薬学的組成物は、代表的にエアロゾールまたは粉末の形態である。そのような組成物は、ネブライザー吸入器、定量吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)または同様な送達デバイスのような一般的に周知の送達デバイスを用いて投与さる。
本発明のある特定の実施形態において、活性薬剤を含有する薬学的組成物は、ネブライザー吸入器を用いて吸入により投与される。そのようなネブライザーデバイスは、代表的に、活性薬剤を含有する薬学的組成物を患者の気道に運ばれるミストとして噴霧させる高速度の空気の流れを作り出す。従って、ネブライザー吸入器で使用するために処方される場合、活性薬剤は、代表的に適したキャリアに溶解され溶液を形成する。あるいは、活性薬剤は、微粉末化され、適したキャリアと組み合わされ得、微粉末化した気道サイズの粒子の懸濁液を形成し、ここで微粉末化は、代表的にはその粒子の約90%以上が、約10μm未満の直径を有するとして定義される。適したネブライザーデバイスは、例えばPARI GmbH(Starnberg,German)より商業的に提供される。他のネブライザーデバイスとしては、Respimat(Boehringer Ingelheim)ならびに米国特許第6,123,068号および国際特許出願公開WO 97/12687に開示される。
ネブライザー吸入器を使用するための代表的な薬学的組成物は、約0.05μg/mL〜約10mg/mLの式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体を含有する等張溶液を含有する。
本発明の別の特定の実施形態において、活性薬剤を含有する薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器を用いて吸入により投与される。そのような乾燥粉末吸入器は、代表的に呼吸の間に患者の気流に分散される自由流動性粉末として活性薬剤を投与する。自由流動性粉末を達成するために、活性薬剤は、代表的に乳糖またはデンプンのような適した賦形剤で処方される。
乾燥粉末吸入器を使用するための代表的な薬学的組成物は、約1μmと約100μmの間の粒子サイズを有する乾燥乳糖および式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体の微粉末化粒子を含有する。
そのような乾燥粉末処方物は、例えば、乳糖を活性薬剤と結合させ、その構成成分を乾燥混和することにより作られ得る。あるいは、所望されるならば、活性薬剤は賦形剤なしに処方され得る。薬学的組成物は、代表的に乾燥粉末ディスペンサーあるいは乾燥粉末送達デバイスを用いて使用するためにカプセルまたはカートリッジに装填される。
乾燥粉末吸入器送達デバイスの例としては、Diskhaler(GlaxoSmithKline、Research Triangle Park、NC)(例えば、米国特許第5,035,237号を参照のこと);Diskus(GlaxoSmithKline)(例えば、米国特許第6,378,519号を参照のこと;Turbuhaler(AstraZeneca、Wilmington、DE)(例えば、米国特許第4,524,769号を参照のこと);Rotahaler(GlaxoSmithKline)(例えば、米国特許第4,353,365号を参照のこと)およびHandihaler(Boehringer Ingelheim)が挙げられる。さらに適したDPIデバイスの例としては、米国特許第5,415,162号、同第5,239,993号および同第5,715,810号ならびにその中に引用される参考文献に記載される。
さらに本発明の別の特定の実施形態において、活性薬剤を含む薬学的組成物は、定量吸入器を用いて吸入により投与される。そのような定量吸入器は、代表的に一定量の活性薬剤またはその薬学的に受容可能な塩を、圧縮した噴霧ガスを用いて放出する。従って、定量吸入器を用いて投与される薬学的組成物は、液化性の噴霧剤中の活性成分溶液または懸濁液を含有する。任意の適した液化性の噴霧剤としては、CClFのようなクロロフルオロカーボンならびに1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(HFA 227)のようなヒドロフルオロアルカン類(HFAs)を含めて用いられ得る。クロロフルオロカーボンのオゾン層への影響に関する懸念のため、HFAsを含有する処方物が、一般的に好まれる。HFA処方物の付加的な任意の構成成分はとしては、エタノールまたはペンタンのような共溶媒、トリオレイン酸ソルビタンのような界面活性剤、オレイン酸、レシチンおよびグリセリンが挙げられる。例えば、米国特許第5,225,183号、欧州特許第0717987号A2および国際出願公開WO92/22286を参照のこと。
定量吸入器を使用するための代表的な薬学的組成物は、約0.01%〜約5重量%の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体;約0%〜約20重量%のエタノール;および約0%〜約5%の界面活性剤;を含有し、残部はHFA噴霧剤である。
そのような組成物は、代表的に冷却または加圧したヒドロフルオロアルカンを活性薬剤、エタノール(存在する場合)および界面活性剤(存在する場合)を含有する適した容器に加えることにより調製される。懸濁剤を調製するために、活性薬剤は、微粉末化され、それから噴霧剤と組み合わされる。それから処方物は、エアロゾールキャニスターに装填され、定量吸入デバイスの一部を形成する。HFA噴霧剤を用いて使用するために開発された定量吸入器デバイスの例としては、米国特許第6,006,745号および同第6,143,277号に提供される。あるいは、懸濁処方物は活性薬剤の微粉末化粒子上に界面活性剤をコーティングする噴霧乾燥により調製され得る。例えば、WO99/53901およびWO00/61108を参照のこと。
呼吸に適した粒子を調製するプロセス、ならびに吸入用量に適した処方物およびデバイスのさらなる例については、米国特許第6,268,533号、同第5,983,956号、同第5,874,063号および同第6,221,398号ならびに国際特許出願公開WO99/55319およびWO00/30614を参照のこと。
別の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、経口投与に適している。経口投与のために適した薬学的組成物は、カプセル、錠剤、丸剤、トローチ剤、カシェ剤、糖衣錠、粉末、顆粒の形態で;あるいは水溶性の液体または非水溶性の液体の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型または油中水型の液体乳剤として;あるいはエリキシル剤またはシロップとして;などであり得;それぞれ活性薬剤として本発明の化合物を規定量含有している。
固体投薬形態(すなわち、カプセル、錠剤、丸剤などとして)での経口投与を対象とした場合、本発明の薬学的組成物は、代表的に活性薬剤として本発明の化合物および1つ以上のクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような薬学的に受容可能なキャリアを含有する。必要に応じてまたはあるいは、そのような固体投薬形態としてはまた:(1)デンプン、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸のような充填剤(filler)または増量剤(extender);(2)結合剤,カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアのような結合剤;(3)グリセロールのような湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、あるケイ酸塩および/または炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(5)パラフィンのような溶液緩染剤(solution retarding agent);(6)第四級アンモニウム化合物のような溶解促進剤;(7)セチルアルコールおよび/またはモノステアリン酸グリセロールのような加湿剤;(8)カオリンおよび/またはベントナイトクレイのような吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはそれらの混合物のような滑沢剤;(10)着色剤;および(11)緩衝化剤が挙げられる。
離型剤、加湿剤、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤(flavoring agent)および香料(perfuming agents)、保存剤および抗酸化剤はまた本発明の薬学的組成物中に存在し得る。薬学的に受容可能な抗酸化剤の例としては、:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウムなどのような水溶性の抗酸化剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどのような油溶性の抗酸化剤(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸などのような金属キレート剤が挙げられる。錠剤、カプセル、丸剤などのコーティング剤としては、腸溶性コーティング剤として用いられる酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ酢酸フタル酸(PVAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸、メタクリル酸エステルコポリマー、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)などのようコーティング剤が挙げられる。
所望されるならば、本発明の薬学的組成物はまた、処方され得、例として、割合を変えてヒドロキシプロピルメチルセルロース;または他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはマイクロスフェアを用いて活性成分の徐放性または制御放出の処方物を提供する。
さらに、本発明の薬学的組成物は、必要に応じて不透明化薬剤を含有し得、そして処方され得るので、それらは活性成分のみを放出するかまたは好ましくは胃腸管のある部分に、必要に応じて遅延様式で放出する。用いられ得る包埋組成物の例としては、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。この活性成分はまた、マイクロカプセル化した形態であり得、適切な場合1つ以上の上記に記載される賦形剤を伴う。
経口投与のための適切な液体投与形態は、例として、薬学的に受容可能な乳剤、マイクロ乳剤、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。そのような液体投薬形態は、代表的に活性成分および不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物のような)のような)を含む。活性成分に加えて、懸濁液は例えば、エトキシ化したイソステアリールアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶化セルロール、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカントならびにそれらの混合物のような懸濁化剤を含有し得る。
経口投与を意図する場合、本発明の薬学的組成物は、好ましくはユニット投薬形態でパックされる。用語「ユニット投薬形態」は、患者への投薬に適した物理的に別々のユニットを意味し、すなわち各ユニットは計算されたあらかじめ決められた量の活性薬剤を含みそれのみであるいは1つ以上の付加的なユニットとの組合せのいずれかで所望される治療効果を生み出す。例えば、そのようなユニット投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤などがあり得る。
本発明の化合物はまた、公知の経皮送達システムおよび賦形剤を用いて、経皮的に投与され得る。例えば、本発明の化合物は、プロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、アザシクロアルカン−2−オンなどのような浸透促進剤と混合され得、パッチまたは類似の送達システムに組み入れられ得る。ゲル化剤、乳化剤および緩衝剤を含む付加的な賦形剤は、所望される場合、経皮組成物のように用いられ得る。
本発明の薬学的組成物はまた、式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体と共投与される他の治療薬剤を含有し得る。例えば、本発明の薬学的組成物はさらに他の気管支拡張薬(例えば、PDEインヒビター、アデノシン2b調節因子およびβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト);抗炎症薬(例えば、コルチコステロイドのようなステロイド性抗炎症薬;非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)およびPDEインヒビター);他のムスカリン性レセプターアンタゴニスト(すなわち、抗コリン薬);抗感染症薬(例えば、グラム陽性およびグラム陰性の抗生物質または抗ウイルス薬);抗ヒスタミン薬;プロテアーゼインヒビター;および求心性神経の遮断薬(例えば、Dアゴニストおよびニューロキニン調節因子)から選択される1つ以上の治療薬剤を含み得る。他の治療薬剤は、薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の形態で用いられ得る。さらに、他の治療薬剤は、適切な場合、必要に応じて純粋な立体異性体として用いられ得る。
本発明の化合物との組合せおよび本発明の化合物に加えて用いられる代表的なβアドレナリン作用性レセプターアゴニストとしては、サルメテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール(salmefamol)、フェノテロール、テルブタリン、アルブテロール、イソエタリン(isoetharine)、メタプロテレノール、ビトルテロール(bitolterol)ピルブテロール(pirbuterol)、レバルブテロール(levalbuterol)などまたはそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。本発明化合物との組合せで用いられる他のβアドレナリン作用性レセプターアゴニストとしては、3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドおよび3−(−3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド、ならびに2000年、8月29日に公表された国際特許出願公開WO 02/066422に開示される関連した化合物;3−[3−(4−{[6−([(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオンおよび2002年、9月12日に公表された国際特許出願公開WO02/070490に開示される関連した化合物;3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、3−(4−{[6−({(2S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、3−(4−{[6−({(2R/S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]−オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(tert−ブチル)−3−(4−{[6−({(2R/S)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]−オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドおよび2002年、10月3日に公表された国際特許出願公開WO 02/076933に開示される関連した化合物;4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールおよび2003年、5月27日に公表された国際特許出願公開WO03/024439に開示される関連した化合物;およびその薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。使用される場合、βアドレナリン作用性レセプターアゴニストは、治療的有効量で薬学的組成物中に存在する。代表的に、βアドレナリン作用性レセプターアゴニストは、1用量あたり約0.05μg〜約500μgを提供するのに十分な量で存在する。
本発明の化合物との組み合せで用いられ得る代表的なステロイド性抗炎症薬は、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸 Sーフルオロメチルエステル、6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸 S−(2−おきそ−テトラヒドロフラン−3S−イル)エステル、ベクロメタゾンエステル(例えば、17−プロピオン酸エステルまたは17,21−ジプロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えば、フロエートエステル)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド(rofleponide)、シクレソニド(ciclesonide)、プロピオン酸ブチキソコート(butixocort propionate)、RPR−106541、ST−126などまたはそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。ある特定の実施形態において、ステロイド性抗炎症薬は、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸 S−フルオロメチルエステルまたはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物が挙げられるが、これに限定されない。使用される場合、ステロイド性抗炎症薬は、治療的有効量で薬学的組成物中に存在する。代表的に、ステロイド性抗炎症薬は、1用量あたり約0.05μg〜約500μgを提供するのに十分な量で存在する。
他の適した組合せとしては、例えば、他の抗炎症薬、例えば、NSAIDs(クロモグリク酸ナトリウム;ネドクロミルナトリウム(nedocromil sodium);ホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター(例えば、テオフィリン、PDE4インヒビターまたはPDE3/PDE4混合インヒビターのような);ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト);ロイコトリエン合成インヒビター;iNOSインヒビター;トリプターゼインヒビターおよびエラスターゼインヒビターのようなプロテアーゼインヒビター;βインテグリンアンタゴニストおよびアデノシンレセプターアゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、アデノシン2aアゴニスト);サイトカインアンタゴニスト(例えば、インターロイキン抗体(IL抗体)、特にIL−4治療、IL−13治療またはそれらの組合せのようなケモカインアンタゴニスト);またはサイトカイン合成インヒビターが挙げられる。
例えば、本発明の化合物との組合せで用いられ得る代表的ホスホジエステラーゼ−4(PDE4)インヒビターまたはPDE3/PDE4混合インヒビターインヒビターとしては、シス4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン;シス−[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−ol];シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸などまたはそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。他の代表的なPDE4インヒビターまたはPDE4/PDE3混合インヒビターとしては、AWD−12−281(elbion);NCS−613(INSERM);D−4418(ChiroscienceおよびSchering−Plough);CI−1018またはPD−168787(Pfizer);国際特許出願公開WO99/16766(Kyowa Hakko)に開示されるベンゾジオキソール化合物;K−34(Kyowa Hakko);V−11294A(Napp);ロフルミラスト(roflumilast)(Byk−Gulden);国際特許出願公開WO99/47505(Byk−Gulden)に開示されるフタラジノン化合物;Pumafentrine(Byk−Gulden、現在Altana);アロフィリン(Almirall−Prodesfarma);VM554/UM565(Vernalis);T−440(Tanabe Seiyaku);およびT2585(Tanabe Seiyaku)が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の化合物との組合せおよび本発明の化合物に加えて用いられ得る代表的なムスカリン性レセプターアンタゴニスト(すなわち、抗コリン薬)としては、アトロピン、硫酸アトロピン、酸化アトロピン、硝酸メチルアトロピン、臭化水素酸ホマトロピン、臭化水素酸(d,l)ヒヨスチアミン、臭化水素酸スコポラミン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオとロピウム、メタンテリン、臭化プロパンテリン、臭化アニソトロピンメチル、臭化クリジニウム、コピロラート(copyrrolate)(Robinul)、ヨウ化イソプロパミド、臭化メペンゾラート、塩化トリジヘキセチル(Pathilone)、メチル硫酸ヘキソシクリウム、塩酸シクロペントレート、トロピカミド、塩酸トリヘキシフェニジル、ピレンゼピン、テレンゼピン、AF−DX 116およびメトクトラミンなどまたはそれらの薬学的に受容可能な塩;あるいは塩として列挙される化合物に関して、それに代わる薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の化合物との組合せで用いられ得る代表的な抗ヒスタミン薬(すなわち、H−レセプターアンタゴニスト)としては、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルヒドラミン(diphenylhydramine hydrochloride)およびジメンヒドリナートのようなエタノールアミン類;マレイン酸ピリラミン(pyrilamine amleate)、塩酸トリペレナミンおよびクエン酸トリペレナミンのようなエチレンジアミン類;クロルフェニラミンおよびアクリバスチン(acrivastine)のようなアルキルアミン類;塩酸ヒドロキシジン、ヒドロキシジンパモエート(pamoate)、塩酸シクリジン、乳酸シクリジン、塩酸メクリジンおよび塩酸セチリジン(cetirizine)のようなピペラジン類;アステミゾール、塩酸レボカバスチン(levocabastine hydrochloride)、ロラタジン(loratadine)またはその脱カルボエトキシアナログ、テルフェナジンおよび塩酸フェキソフェナジン(fexofenadine hydrochloride)のようなピペリジン類;塩酸アゼラスチン;など、またはそれらの薬学的に受容可能な塩;塩として列挙される化合物に関して、それに代わる薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の化合物との組合せで投与される他の治療薬剤の適した用量は、約0.05μg/日〜約100mg/日の範囲である。
以下の処方は、本発明の代表的な薬学的組成物を示す:
(処方実施例A)
吸入による投与のための乾燥粉末を以下のように調製する:
Figure 2008510015
(代表的な手順):本発明の化合物を微粉末化し、それから乳糖と混和する。この混和した混合物をゼラチン吸入カートリッジに装填する。カートリッジの内容物を粉末吸入器を用いて投与する。
(処方実施例B)
乾燥粉末吸入デバイスを使用するための乾燥粉末処方物を以下のように調製する:
(代表的な手順):1:200の微粉末化した本発明の化合物:乳糖のバルク処方比を有する薬学的組成物を調製する。この組成物を、1用量あたり、約10μgと約100μgの間の本発明の化合物を送達できる乾燥粉末吸入デバイスに充填する。
(処方実施例C)
定量吸入器での吸入による投与のための乾燥粉末を以下のように調製する:
(代表的な手順):5重量%の本発明の化合物および0.1重量%のレシチンを含む懸濁液を、0.2gのレシチンを溶解した200mLの脱塩処理した水に0.2gのレシチンを溶解して形成される溶液に、10μm未満の平均粒径を有する微粉末化粒子として本発明の化合物10gを分散することにより調整した。この懸濁液を噴霧乾燥し、得られた物質を、1.5μm未満の平均粒径を有する粒子に微粉末化する。これらの粒子を加圧1,1,1,2−テトラフルオロエタンと共にカートリッジに装填する。
(処方実施例D)
定量吸入器を使用するための薬学的組成物を以下のように調製する:
(代表的手順):5重量%の本発明の化合物、5重量%のレシチンおよび5重量%のトレハロースを含む懸濁液を、0.5gのトレハロースおよび0.5gのレシチンを溶解した100mLの脱塩処理した水に0.5gのレシチンを溶解して形成されるコロイド溶液に10μm未満の平均粒径を有する微粉末化粒子として本発明の化合物5gを分散することにより調整した。この懸濁液を噴霧乾燥し、得られた物質を、1.5μm未満の平均粒径を有する粒子に微粉末化する。これらの粒子を加圧1,1,1,2−テトラフルオロエタンと共にカートリッジに装填する。
(処方実施例E)
ネブライザー吸入器を使用するための薬学的組成物を以下のように調製する:
(代表的手順):ネブライザーを使用するための水溶性のエアロゾール処方物を、クエン酸で酸性化した0.9%の塩化ナトリウム溶液1mL中に0.1mgの本発明の化合物を分散するこよにより調製する。この混合物を撹拌し、そして活性成分が溶解されるまでソニケートする。この溶液のpHを、NaOHをゆっくり加えることにより、3〜8の範囲の値に調整する。
(処方実施例F)
経口投与のための硬ゼラチンカプセルを以下のように調製した:
Figure 2008510015
(代表的な手順):成分を完全に混和し、それから硬ゼラチンカプセルに装填する(1カプセルあたり460mgの組成物)。
(処方実施例G)
経口投与のための懸濁液を以下のように調製する:
Figure 2008510015
(代表的な手順):成分を混合し、懸濁液10mLあたり100mgの活性成分を含有する懸濁液を形成する。
(処方実施例H)
注射可能な処方物を以下のように調製する:
Figure 2008510015
(代表的な手順):上記成分を混和し、そして0.5N HClまたは0.5N NaOHを用いてpHを4±0.5に調整する。
(有用性)
本発明の化合物は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両活性をもつため、そのような化合物は、βアドレナリン作用性レセプターまたはムスカリン性レセプターにより媒介される医学的状態を処置するための治療薬剤として有用であることが期待され、すなわち医学的状態を、βアドレナリン作用性レセプターアゴニストまたはムスカリン性レセプターアンタゴニストで処置することにより改善することである。例えば、Eglenら、Muscarinic Receptor Subtypes:Pharmacology and Therapuetic Potential、DN&P 10(8)、462−469(1997);Emilienら、Current Therapeutic Uses and Potential of β−Adrenoceptor Agonists and Antagonists、 European J. Clinical Pharm.、53(6)、389−404(1998);およびそれらに引用される参考文献を参照のこと。そのような医学的状態としては、例として、慢性閉塞性肺疾患(例えば,慢性かつwheezy気管支炎および気腫)、喘息、肺線維症などのような肺の疾患または可逆性の気道閉塞に関連した疾患が挙げられる。他の状態としては、早産、うつ病、うっ血性心不全、皮膚疾患(例えば、炎症性皮膚疾患、アレルギー性皮膚疾患、乾癬性皮膚疾患および増殖性皮膚疾患)、消化管の酸性低下が所望される状態(例えば、消化管潰瘍および胃潰瘍)および筋肉疲労の疾患が挙げられる。
従って、一実施形態において、本発明は肺の障害を処置するための方法を目的とし、この方法は、処置を必要とする患者に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体を投与する工程を含む。肺の障害を処置するために用いられる場合、本発明の化合物は、代表的に1日複数回投薬、1日1回投薬または1週間1回投薬で吸入により投与される。一般的に、肺の障害を処置するための用量は、約10μg/日〜約200μg/日の範囲である。
吸入により投与される場合、本発明の化合物は代表的に気管支拡張を生じる効果を有する。従って、その方法の別の局面において、本発明は、患者において気管支拡張を生じる方法を目的とし、この方法は、気管支拡張を必要とする患者に、気管支拡張を生じる量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または立体異性体を投与する工程を包含する。一般的に、気管支拡張を生じるための用量は約10μg/日〜約200μg/日の範囲である。
一実施形態において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患または喘息を処置する方法を目的とし、この方法は、治療を必要とする患者に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物または立体異性体を投与する工程を包含する。COPDまたは喘息を処置するために用いられる場合、本発明の化合物は、代表的に1日複数回投薬、1日1回投薬で吸入により投与される。一般的に、COPDまたは喘息を処置するための用量は、約10μg/日〜約200μg/日の範囲である。
本明細書中に用いられる場合、COPDは慢性閉塞性気管支炎および気腫を包含する(例えば、Barnes、Chronic Obstructive Pulmonary Disease、N.Engl.J.Med.、2000:343:269−78を参照のこと)。
肺の障害を処置するために用いられる場合、本発明の化合物は、必要に応じて他の治療薬剤との組合せで投与される。特に、本発明の化合物をステロイド性抗炎症薬(例えば、コルチコステロイド)と組み合せることにより、本発明の薬学的組成物は、3つの治療を提供し得る、すなわち、2つの活性成分のみを用いてβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性、ムスカリン性レセプターアゴニスト活性および抗炎症活性を提供する。2つの活性成分を含有する薬学的組成物は、2成分組成物が3つの活性成分を含有する組成物より有意な効果を提供するように、代表的に3つに活性成分を含有する組成物に比較して処方しやすい。従って、ある特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物および本発明の方法は、さらに治療的有効量のステロイド性抗炎症薬を含有する。
本発明化合物は、ムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性およびβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性の両方を示す。従って、他の特性のなかで、特に関心のある化合物は、Mムスカリン性レセプターでの結合の阻害係数K値およびβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性のEC50値が薬100nMより小さい;特に10nMより小さいことを証明する化合物である。これらの化合物の中で、特に関心のある化合物は、Mムスカリン性レセプターでの結合の阻害係数Kについて表され、化合物のβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性にほぼ等しく、明細書に記載されるインビトロアッセイまたは同様なアッセイにおいて決定されるような、最大反応の50%を引き起こす濃度EC50について表される。例えば、特に関心のある化合物は、Mムスカリン性レセプターの阻害定数K:βアドレナリン作用性レセプターのEC50の比が、約30:1〜約1:30;約20:1〜約1:20を含む;約10:1〜約1:10の範囲の化合物である。
本発明の化合物は、βアドレナリン作用性アゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有するので、そのような化合物はまた、βアドレナリン作用性レセプターまたはムスカリン性レセプターを有する生物学的システムまたは生物学的サンプルを調査または研究ためあるいはβアドレナリン作用性アゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性を有する新規化合物の発見のためのリサーチツールとして有用である。そのような生物学的システムまたは生物学的サンプルは、βアドレナリン作用性レセプターおよび/またはムスカリン性レセプターを包含する。βアドレナリン作用性レセプターおよび/またはムスカリン性レセプターを有する任意の適した生物学的システムまたは生物学的サンプルは、インビトロまたはインビボのいずれかで行われ得る研究において使用され得る。そのような研究に適した代表的な生物学的システムまたは生物学的サンプルとしては、細胞、細胞抽出物、原形質膜、組織サンプル、哺乳動物(マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタなど)が挙げられるが、これに限定されない。
本実施形態において、βアドレナリン作用性レセプターまたはムスカリン性レセプターを含む生物学的システムまたは生物学的サンプルを、βアドレナリン作用性レセプターをアゴナイズするかまたはムスカリン性レセプターをアゴナイズする量の本発明の化合物と接触させる。それから化合物により生じる効果は、放射性リガンドアッセイおよび機能的アッセイのような従来の手順および機器を用いて決定されるかまたは測定される。そのような機能的アッセイとしては、細胞内サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)におけるリガンド媒介性の変化、酵素アデニルシクラーゼ(cAMPを合成する)の活性におけるリガンド媒介性の変化、[35S]GTP SのGDPへの変換を触媒するレセプターを介するグアノシン5’−O−(チオ)三リン酸([35S]GTP S)の単離した細胞への取り込みにおけるリガンド媒介性の変化、遊離の細胞内カルシウムイオンにおけるリガンド媒介性の変化(例えば、蛍光発光が連結したイメージングプレートリーダーまたはMolecular devices, Inc.のFLIPR(登録商標)が挙げられる。本発明の化合物は、上記に記載される機能アッセイのいずれかまたは同様の性質のアッセイにおいてβアドレナリン作用性レセプターをアゴナイズする(agonize)かまたはβアドレナリン作用性レセプター活性を引き起こし、そしてムスカリン性レセプターと拮抗するかまたはムスカリン性レセプターの活性を減少させる。これらの研究で用いられる化合物の量は、代表的に約0.1ナノモル〜約100ナノモルの範囲である。
さらに、本発明の化合物は、βアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性およびムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性の両方を有する新規の化合物の発見のためのリサーチツールとして用いられ得る。本実施形態において、1つの試験化合物または試験化合物群についてのβアドレナリン作用性レセプターおよびムスカリン性レセプターの結合データ(例えば、インビトロの放射性リガンド置換アッセイにより決定されるような)を本発明化合物についてのβアドレナリン作用性レセプターおよびムスカリン性レセプターの結合データと比較して、もしあれば、ほぼ同等または優位なβアドレナリン作用性レセプター結合および/またはムスカリン性レセプター結合を有する試験化合物を同定する。本発明の本局面は、別の実施形態として、比較データの産生(適切なアッセイを用いて)および試験データの解析の両方を包含し、関心のある化合物の同定をする。
ある場合において、本発明の化合物は、弱いムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性または弱いβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性のいずれかを有し得る。これらの場合において、そのような化合物は、それぞれ、さらにβアドレナリン作用性レセプターアゴニストまたはムスカリン性レセプターアンタゴニストのいずれかを有することが当業者により認識される。
本発明化合物の特性および有用性は、当該分野において周知の種々のインビトロおよびインビボアッセイを用いて証明され得る。例えば、代表的なアッセイは、以下の実施例にさらなる詳細が記載される。
以下の調製および実施例は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供される。しかし、これらの特定の実施形態は、特に示されない限り、いかなる様式でも本発明の範囲を限定するものではないことが意図される。
以下の略語は、他に示されない限り、以下の意味を有し、本明細書で使用されるが定義されていない任意の他の略語は、その標準的な意味を有する:
AC アデニルシクラーゼ
Ach アセチルコリン
ATCC American Type Culture Collection
BSA ウシ血清アルブミン
cAMP 3’−5’環状アデノシン一リン酸
CHO チャイニーズハムスター卵巣
cM クローン化チンパンジーMレセプター
DCM ジクロロメタン(すなわち、塩化メチレン)
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
dPBS ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地
DMSO ジメチルスルホキシド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Emax 最大効力
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
FBS ウシ胎仔血清
FLIPR 蛍光画像化プレート読み取り装置
Gly グリシン
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBSS ハンクス緩衝化塩溶液
HEK ヒト胚性腎細胞
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
hM クローン化ヒトMレセプター
hM クローン化ヒトMレセプター
hM クローン化ヒトMレセプター
hM クローン化ヒトMレセプター
hM クローン化ヒトMレセプター
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IBMX 3−イソブチル−1−メチルキサンチン
%Eff 効力%
PBS リン酸緩衝化生理食塩水
PyBOP ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
rpm 回転/分
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
他に記載されない限り、試薬出発物質および溶媒は、商業的供給業者(例えば、Aldrich、Fluka、Sigmaなど)から購入し、さらに精製することなく使用した。
以下に記載される実施例において、HPLC分析を、3.5ミクロンの粒径を有するZorbax Bonus RP 2.1×50mmカラム(Agilentによって供給される、(C14カラム))を備えるAgilent(Palo Alto,CA)Series 1100機器を用いて行った。214nmにおけるUV吸収によって検出した。HPLC 10−70データを、6分間にわたる10%〜70% Bの0.5mL/分の流速で得た。移動相Aは、2%−98%−0.1%のACN−HO−TFAであり;移動相Bは、90%−10%−0.1%のACN−HO−TFAであった。上記の移動相Aおよび移動相Bを用いて、HPLC 5−35データおよびHPLC 10−90データを5分間の勾配によって得た。
液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)データを、Applied Biosystems(Foster City,CA)モデルAPI−150EX機器を用いて得た。LCMS 10−90データを、5分間の勾配にわたり10%〜90%の移動相Bを用いて得た。
小スケールの精製を、Applied BiosystemsからのAPI 150EX Prep Workstationシステムを用いて行った。移動相A:水+0.05% v/v TFA;および移動相B:アセトニトリル+0.05% v/v TFA。アレイ(代表的に、約3〜50mgの回収サンプルサイズ)について、以下の条件を使用した:20mL/分の流速;15分間の勾配、および5ミクロンの粒子を含む20mm×50mm Prism RPカラム(Thermo Hypersil−Keystone,Bellefonte,PA)。大スケール(代表的に、100mgよりも多い粗製サンプル)の精製について、以下の条件を使用した:60mL/分の流速;30分間の勾配、および10ミクロンの粒子を含む41.4mm×250mm Microsorb BDSカラム(Varian,Palo Alto,CA)。
キラル化合物についての特定の旋光度([a]20 と表される)を、タングステンハロゲン光源および589nmフィルターを備えるJasco Polarimeter(Model P−1010)を用いて、20℃で測定した。試験化合物のサンプルを、代表的に1mg/mLの水で測定した。
(調製1)
8−ベンジルオキシ−5−(2−ブロモアセチル)−1H−キノリン−2−オン
(a)8−アセトキシ−1H−キノリン−2−オン
8−ヒドロキシキノリン−N−オキシド(160.0g、1.0mol)(Aldrich(Milwaukee,WI)から市販されている)および無水酢酸(800mL、8.4mol)を、100℃で3時間加熱し、次いで氷で冷却した。この生成物をブフナー漏斗で回収し、無水酢酸(2×100mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、8−アセトキシ−1H−キノリン−2−オン(144g)を固体として得た。
(b)5−アセチル−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
1,2−ジクロロエタン(280mL)中の塩化アルミニウム(85.7g、640mmol)のスラリーを氷で冷却し、工程(a)からの生成物(56.8g、280mmol)を添加した。この混合物を室温に温め、次いで85℃に加熱した。30分後、塩化アセチル(1.5mL、21mmol)を添加し、この混合物をさらに60分間加熱した。次いで、この反応混合物を冷却し、十分に攪拌しながら0℃で1N塩酸(3L)に添加した。2時間の攪拌後、固体をブフナー漏斗で回収し、水(3×250mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。数個のバッチから単離した粗生成物(135g)を合わせ、ジクロロメタン(4L)で6時間粉砕した。得られた固体をブフナー漏斗で回収し、減圧下で乾燥させて、表題化合物(121g)を得た。
(c)5−アセチル−8−ベンジルオキシ−1H−キノリン−2−オン
工程(b)からの生成物(37.7g、186mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)および炭酸カリウム(34.5g、250mmol)を添加し、その後、臭化ベンジル(31.8g、186mmol)を添加した。この混合物を室温で2.25時間攪拌し、次いで0℃で飽和塩化ナトリウム(3.5L)に注ぎ、1時間攪拌した。この生成物をブフナー漏斗で回収し、1時間乾燥させ、得られた固体をジクロロメタン(2L)に溶解させ、この混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させた。この溶液をセライトのパッドを通して濾過し、これをジクロロメタン(5×200mL)で洗浄した。次いで、合わせた濾液を濃縮して乾燥させ、得られた固体をエーテル(500mL)で2時間粉砕した。この生成物をブフナー漏斗で回収し、エーテル(2×250mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、表題化合物(44g)を粉末として得た。
(d)8−ベンジルオキシ−5−(2−ブロモアセチル)−1H−キノリン−2−オン
工程(c)からの生成物(20.0g、68.2mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解させ、0℃に冷却した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(10.4mL、82.0mmol)をシリンジによって添加し、この混合物を室温に温めて濃い懸濁液を得た。この懸濁液を45℃で加熱(油浴)し、ジクロロメタン(100mL)中の臭素(11.5g、72.0mmol)の溶液を40分かけて添加した。この混合物を45℃でさらに15分間保ち、次いで、室温に冷却した。この混合物を減圧下で濃縮し、次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液(200mL)で1時間粉砕した。この固体をブフナー漏斗で回収し、水(4×100mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。2回の実施の生成物を精製のために合わせた。この粗生成物(52g)をクロロホルム中の50%メタノール(500mL)で1時間粉砕した。この生成物をブフナー漏斗で回収し、クロロホルム中の50%メタノール(2×50mL)そしてメタノール(2×50mL)で洗浄した。この固体を減圧下で乾燥させて、表題化合物(34.1g)を粉末として得た。
(調製2)
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン
(a)8−ベンジルオキシ−5−((R)−2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)−1H−キノリン−2−オン
(R)−(+)−a,a−ジフェニルプロリノール(30.0g、117mmol)およびトリメチルボロキシン(11.1mL、78mmol)をトルエン(300mL)中で合わせ、室温で30分間攪拌した。この混合物を150℃の油浴中に置き、液体を蒸留して除去した。トルエンを20mLのアリコートに添加し、蒸留を4時間行った。合計300mLのトルエンを添加した。次いで、この混合物を室温に冷却した。500μLのアリコートをエバポレートして乾燥させ、秤量して(246mg)、触媒の濃度が1.8Mであったことを決定した。
8−ベンジルオキシ5−(2−ブロモアセチル)−1H−キノリン−2−オン(90.0g、243mmol)を窒素雰囲気下に置き、テトラヒドロフラン(900mL)を添加し、その後、上記の触媒(トルエン中1.8M、15mL、27mmol)を添加した。この懸濁液を氷/イソプロパノール浴で−10±5℃に冷却した。ボラン(THF中1.0M、294mL、294mmol)を4時間かけて添加した。次いで、この反応物をさらに−10℃で45分間攪拌し、次いでメタノール(250mL)をゆっくりと添加した。この混合物を真空下で濃縮し、残渣を沸騰したアセトニトリル(1.3L)に溶解させ、熱いうちに濾過し、次いで室温に冷却した。この結晶を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(72.5g、196mmol,収率81%、95%ee、HPLCで95%純粋)を得た。
(b)8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン
工程(a)の生成物(70.2g、189mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(260mL)を添加し、この混合物を窒素下で、氷浴で冷却した。2,6−ルチジン(40.3g、376mmol)を5分かけて添加し、次いで温度を20℃より下に維持しながらtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(99.8g、378mmol)をゆっくりと添加した。この混合物を45分間室温に温めた。メタノール(45mL)を10分かけてこの混合物に滴下し、この混合物を酢酸エチル/シクロヘキサン(1:1、500mL)と水/ブライン(1:1、500mL)との間で分配した。この有機物を水/ブライン(1:1、各500mL)で2回以上洗浄した。合わせた有機物を減圧下でエバポレートして、淡黄色の油状物を得た。この油状物にシクロヘキサン(400mL)を2回に分けて添加し、濃い白色のスラリーが形成されるまで蒸留を続けた。シクロヘキサン(300mL)をこのスラリーに添加し、得られた白色結晶を濾過し、シクロヘキサン(300mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、表題化合物(75.4g、151mmol,収率80%、98.6%ee)を得た。
(調製3A)
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(N−ベンジルアミノ)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン
DMSO(1.7mL)中の調製2の生成物(1.00g、2.05mmol)およびベンジルアミン(493μL、4.51mmol)の攪拌溶液を、105℃で4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでEtOAc(10mL)で希釈し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)そして1N水酸化ナトリウム(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。この粗製の残渣カラムクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題化合物(700mg、67%)を得た。MS m/z:[M+H]C3138Siに対する計算値515.27;実測値515.5。
(調製3B)
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(N−ベンジルアミノ)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン
500mLの三つ口丸底フラスコに、8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン(43g、0.124mol、約95%キラル純度)、1−メチル−2−ピロリジノン(210mL)およびベンジルアミン(28.3g、0.37mol)を添加した。得られた混合物を窒素でフラッシングし、次いで90℃で6時間攪拌した。次いで、この混合物を室温に冷却し、水(300mL)および酢酸エチル(300mL)を添加した。層を分離し、有機層を水(200mL)、水と飽和塩化ナトリウム水溶液との1:1混合物(200mL),そして水(200mL)で洗浄した。次いで、この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を橙色の油状物として得た。
この橙色の油状物に、ヘプタン(200mL)および酢酸エチル(200mL)を添加し、得られた混合物を65℃に加熱して、透明な溶液を生じた。この溶液を室温に冷却し、一晩(約16時間)静置した。このとき沈殿物が形成された。この沈殿物を濾過によって回収して、立体化学的に不純な表題化合物(8.85g、79.6%ee)を得た。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(38.6g、99.4%ee)を得た。この物質を、物質の以前のバッチ(19.2g、99.5%ee)と合わせ、ヘプタン(250mL)および酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を80℃に加熱し(濁った(hazy)溶液から透明な溶液に)、次いで室温に冷却し、一晩静置した。得られた沈殿物を濾過によって回収して、表題化合物を白色固体として得た(36.8g、98.4%ee、99.9%化学的純度)。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン(100mL)に溶解させた。得られた固体を回収して、表題化合物を黄褐色の固体として得た(24g、100%キラル純度、95%ee)。
(調製4)
5−[(R)−2−アミノ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン酢酸塩
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(N−ベンジルアミノ)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−キノリン−2−オン(100g、194mmol)および酢酸(17.5mL、291mmol)をメタノール(1L)に溶解させた。この透明な溶液を窒素でパージし、次いで炭素担持水酸化パラジウム(20g、20重量%Pd(乾燥ベース)、ウェット(約50%の水))を添加した。水素ガスを室温で攪拌溶液を通して6時間泡立たせた。この間に、濃いスラリーが生じた。次いで、この反応混合物を窒素でパージし、メタノール(1L)を添加した。得られた混合物を、(この生成物を溶解させるために)約30分間攪拌し、次いでこの混合物をセライトのパッドを通して濾過した。この濾液を約500mLの体積まで減圧下で濃縮し、得られたスラリーにエタノール(500mL)を添加した。得られた混合物を再度、約500mLの体積まで減圧下で濃縮し、得られた沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させて、表題化合物を黄白色の固体として得た(65g、収率 85%、純度>98%)。
(調製5)
2−(8−ブロモオクチル)−[1,3]ジオキソラン
9−ブロモ−1−ノナノール(10g、45mmol)をジクロロメタン(230mL)に溶解させ、この溶液にジイソプロピルエチルアミン(23.5mL、134mmol)およびジメチルスルホキシド(9.66mL、134mmol)を添加した。このフラスコを窒素雰囲気下で密閉し、−15℃に冷却した。ピリジン三酸化硫黄錯体(21.4g、134mmol)を5分間隔でほぼ4等分して添加した。次いで、この反応を水を添加することによってクエンチし、層を分離した。有機層を、硫酸水素ナトリウム水溶液(1M×4)、飽和炭酸ナトリウム水溶液(´1)、ブライン(´1)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
得られた油状物をトルエン(4mL)およびエチレングリコール(7.5mL、134mmol)に溶解させ、1,4−ジオキサン中の4.0M塩化水素溶液を4滴添加した。この反応混合物を一晩還流して加熱した。次いで、この反応混合物を室温に冷却し分液漏斗で移した。次いで、この混合物を水(×3)、ブライン(×1)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上で5%酢酸エチル:ヘキサンで溶出してクロマトグラフにかけ、表題化合物を透明な油状物として得た。H NMR(CDCl、δ):4.8(t、1H)、3.9(m、2H)、3.8(m、2H)、3.45(t、2H)、1.85(m、2H)、1.6(m、2H)、1.5−1.25(m、10H)。
(調製6)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル塩酸塩
1−tert−ブトキシカルボニル4−ヒドロキシピペリジン(8.98g、44.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)に溶解させ、この溶液に2−ブロモフェニルイソシアネート(5mL、40.6mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で密閉し、60℃で一晩加熱した。次いで、この溶液を減圧下で除去し、得られた油状物を酢酸エチルに溶解させた。この有機層を、硫酸水素ナトリウム水溶液(1M×2)、20%炭酸カリウム水溶液(´1)、ブライン(´1)で洗浄し、次いでこの有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、白色固体を得た。
この固体を1,4−ジオキサン中の4M塩化水素溶液に溶解させ、室温で3時間攪拌した。この溶媒を減圧下でエバポレートし、得られた残渣をジエチルエーテルで粉砕して、表題化合物を白色固体として得た。H NMR(CDOD、δ):7.75(br d、1H)、7.65(mのd、1H)、7.35(mのd,1H)、7.05(mのt、1H)、5.05(m、1H)、3.35(m、2H)、3.25(m、2H)、2.2(m、2H)、2.0(m、2H)。
(調製7)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−(8−[1,3]ジオキソラン−2−イルオクチル)ピペリジン−4−イルエステル
調製5の生成物(950mg、3.58mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解させ、この溶液に調製6の生成物(1g、2.98mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、6.9mmol)を添加した。次いで、得られた混合物を55℃で一晩加熱した。次いで、この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をシリカゲル上で1.5%メタノール:クロロホルムで溶出して精製し、表題化合物を半固体として得た(1.4g、収率97%)。H NMR(CDOD、δ):7.7(br d、1H)、7.6(mのd、1H)、7.35(mのt、1H)、7.05(mのt、1H)、4.8(m、2H)、3.9(m、2H)、3.8(m、2H)、3.0(m、2H)、2.6(m、4H)、2.1(m、2H)、1.9(m、2H)、1.6(m、4H)、1.5−1.3(m、10H)。
(調製8)
(2−チエン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−(8−[1,3]ジオキソラン−2−イルオクチル)ピペリジン−4−イルエステル
調製7の生成物(200mg、0.41mmol)をエチレングリコールジメチルエーテルとN,N−ジメチルホルムアミドとの1:1混合物(合計2mL)に溶解させ、この溶液に2−チオフェンボロン酸(80mg、0.62mmol)および炭酸カリウム水溶液(4M、205mL、0.82mmol)を添加した。このバイアルを窒素でフラッシングし、次いで、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(触媒量)を添加し、このバイアルを密閉し、シェーカーブロック(shaker block)で86℃で一晩加熱した。反応が完了しなかったので、追加量の2−チオフェンボロン酸(80mg、0.62mmol)、炭酸カリウム水溶液(4M、205μL、0.82mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(触媒量)を添加した。この反応混合物を86℃でさらに2時間加熱し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、硫酸水素ナトリウム水溶液(1M´2)、水酸化ナトリウム水溶液(1N´2)、ブライン(´1)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上で2.5%メタノール:クロロホルムで溶出して精製し、表題化合物(90mg)を得た。LCMS m/z:487.3(MH)。
(実施例1)
(2−チエン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製8の生成物(90mg、0.18mmol)をアセトニトリル(1.5mL)と塩酸水溶液(6N、1.5mL)との1:1混合物に溶解させ、得られた混合物を50℃で1時間加熱した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮してアセトニトリルを除去し、残った水性混合物をブラインで希釈し、この混合物をジクロロメタンで抽出した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の(2−チエン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−(9−オキソノニル)ピペリジン−4−イルエステルを得た。
この粗製物をジクロロメタン(1mL)とメタノール(1mL)との1:1混合物に溶解させ、この溶液に調製4の生成物(88mg、0.22mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(114mg、0.54mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリル(2.5mL)と塩酸水溶液(6N、2.5mL)との1:1混合物に溶解させ、この混合物を50℃で2.5時間加熱した。この溶媒を減圧下で除去し、得られた発泡体を酢酸(3mL)と水(3mL)との1:1混合物に溶解させ、次いで逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を凍結乾燥した白色固体として得た(15.1mg)。LCMS m/z:647.5(MH)。
(調製9)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−(8−[1,3]ジオキソラン−2−イルオクチル)ピペリジン−4−イルエステル
調製7の生成物(200mg、0.41mmol)をエチレングリコールジメチルエーテルとN,N−ジメチルホルムアミドとの1:1混合物(合計2mL)に溶解させ、この溶液に3−チオフェンボロン酸(80mg、0.62mmol)および炭酸カリウム水溶液(4M、205mL、0.82mmol)を添加した。このバイアルを窒素でフラッシングし、次いで[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(触媒量)を添加し、このバイアルを密閉し、シェーカーブロックで86℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、硫酸水素ナトリウム水溶液(1M´2)、水酸化ナトリウム水溶液(1N´2)、ブライン(´1)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上で2.5%メタノール:クロロホルムで溶出して精製し、表題化合物(149mg)を得た。
(実施例2)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製9の生成物(149mg、0.31mmol)をアセトニトリル(1.5mL)と塩酸水溶液(6N、1.5mL)との1:1混合物に溶解させ、得られた混合物を50℃で2時間加熱した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮してアセトニトリルを除去し、残った水性混合物をブラインで希釈し、この混合物をジクロロメタンで抽出した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−(9−オキソノニル)ピペリジン−4−イルエステルを得た。
この残渣をジクロロメタン(1mL)とメタノール(1mL)との1:1混合物に溶解させ、この溶液に調製11の生成物(146mg、0.37mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(200mg、0.93mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリル(2.5mL)と塩酸水溶液(6N、2.5mL)との1:1混合物に溶解させ、この混合物を50℃で2.5時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、得られた発泡体を酢酸(3mL)と水(3mL)との1:1混合物に溶解させ、次いで逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を凍結乾燥した白色固体として得た(37.0mg)。LCMS m/z:647.5(MH)。
(調製10)
(2−ブロモ−4,6−ジフルオロ−フェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
1−tert−ブトキシカルボニル4−ヒドロキシピペリジン(4g、19.8mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(18mL)に溶解させ、この溶液に2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニルイソシアネート(4.22g、18mmol)を添加した。この反応混合物を60℃で一晩加熱し、次いで溶媒を減圧下で除去した。得られた油状物を1,4−ジオキサン(25mL)中の4M塩化水素溶液に溶解させ、50℃で2時間加熱した。次いで、この反応混合物減圧下で濃縮して蒼白色の固体を得、これをジクロロメタンに溶解させ、この溶液を水酸化ナトリウム水溶液(1N、´3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物をオフホワイトの固体としてえた。H NMR(CDCl、δ):7.35(m、1H)、7.1(m、1H)、4.8(m、1H)、3.0(br m、2H)、2.7(br m、2H)、1.95(br m、2H)、1.6(br m、2H)。
(調製11)
9−ブロモノナナール
9−ブロモノナン−1−オール(3g、13.4mmol)をジクロロメタン(70mL、0.2M)に溶解させ、この溶液にジメチルスルホキシド(2.9mL、40.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL、40.3mmol)を添加した。次いで、このフラスコを窒素雰囲気下で密閉し、−15℃に冷却した。ピリジン三酸化硫黄錯体(6.4g、40.3mmol)を2分かけて二等分して添加し、得られた混合物を−10℃と−20℃との間の温度で30分間攪拌した。次いで、この反応を水を添加することによってクエンチし層を分離した。有機層を硫酸水素ナトリウム水溶液(1M´3)およびブライン(´1)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し減圧下で濃縮して、表題化合物を琥珀色の油状物として得た(2.4g、収率81%)。H NMR(CDCl、δ):9.78(s、1H)、3.40(t、2H)、2.43(t、2H)、1.85(m、2H)、1.63(m、2H)、1.5−1.25(m、8H)。
(調製12)
5−[(R)−2−[ベンジル−(9−ブロモノニル)アミノ]−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−8−ベンジルオキシ−1H−キノリン−2−オン
調製3Bの生成物(1.74g、3.38mmol)をメタノール(5mL)とジクロロメタン(5mL)との1:1混合物に溶解させ、この溶液に調製11の生成物(972mg、4.4mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.14g、10.1mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、この溶液を硫酸水素ナトリウム水溶液(1M、´2)、水酸化ナトリウム水溶液(1M、´1),そしてブライン(´1)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ,濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフにかけて、表題化合物を得た(2.1g、収率87%)。LCMS m/z:721.5(MH)。
(調製13)
(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)カルバミン酸1−(9−{ベンジル−[(R)−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]アミノ}−ノニル)ピペリジン−4−イルエステル
調製10の生成物(200mg、0.6mmol)および調製12の生成物(430mg、0.6mmol)をアセトニトリル(2mL)に懸濁させ、ジイソプロピルエチルアミン(210μL)を添加した。得られた混合物を60℃で一晩加熱した。次いで、溶媒を減圧下で除去して橙色の発泡体を得、これをシリカゲル上で5%メタノール:クロロホルムで溶出してクロマトグラフにかけ、表題化合物を蒼白色の発泡体として得た(475mg、収率82%)。
(調製14)
(2,4−ジフルオロ−6−ピリジン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−(9−{ベンジル−[(R)−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]アミノ}ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
調製13の生成物(125mg、0.13mmol)を、4mLガラスバイアル中でN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解させた。この溶液に、3−ピリジンボロン酸(18mg、0.15mmol)および2M炭酸カリウム水溶液(98μL、0.2mmol)を添加した。次いで、このバイアルを窒素でフラッシングし、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)(触媒量)を添加し、次いでこのバイアルを密閉し、90℃で一晩加熱した。次いで、この反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させた。この混合物を水(´2)そしてブライン(´1)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上で1.5%メタノール:クロロホルムで溶出してクロマトグラフにかけ、表題化合物を発泡体(18mg)として得た。
(実施例3)
(2,4−ジフルオロ−6−ピリジン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製14の生成物(18mg、0.02mmol)をエタノール(3mL)に溶解させ、窒素ガスをこの溶液を通して泡立たせた。活性炭担持パラジウム(50mg、10%、degussaタイプ)を添加し、反応混合物を水素を充填したバルーンの下で攪拌した。2時間後、このバルーンを取り外し、窒素ガスをこの反応混合物を通して泡立たせた。次いで、この混合物をセライトを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリル(2mL)と塩酸水溶液(6N、2mL)との1:1混合物に溶解させ、60℃で2時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をアセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸(1:1:0.05、5mL)の溶液に溶解させ、分取逆相クロマトグラフィーによって精製して表題化合物を得た(3.8mg)。LCMS m/z:678.5(MH)。
(調製15)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)ピペリジン−4−イルエステル
アセトニトリル(67.6mL)中の調製6の生成物(6.76mmol)およびDIPEA(3.54mL、20.3mmol)の攪拌溶液に、50℃で2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルブロミド(1.82g、8.11mmol)を添加し、この反応混合物を50℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
(調製16)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−(2−アミノエチル)ピペリジン−4−イルエステル
調製15の生成物をTFA/DCM(25%、52mL)に溶解させ、室温で2時間攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
(調製17)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−アミノメチルベンゾイルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
DMF(2mL)中の調製16の生成物(1mmol)、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)安息香酸(301mg、1.2mmol)およびHATU(456mg、1.2mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(226μL、1.3mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をTFA/DCM(25%、10mL)に溶解させ、この混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
(調製18)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−キノリン−5−イル)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチルアミノ]メチル}ベンゾイルアミノ)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル
THF(0.55mL)中の調製17の生成物(1.1mmol)、調製2の生成物(634mg、1.3mmol)、炭酸水素ナトリウム(277mg、3.3mmol)およびヨウ化ナトリウム(215mg、1.43mmol)の溶液を、80℃で12時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、この粗製の残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
(実施例4)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}ベンゾイルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製18の生成物を用いて、そして調製9に記載される手順(すなわち、3−チオフェンボロン酸を用いるSuzukiカップリング)ならびに実施例3に記載される手順(すなわち、脱ベンジル化および脱シリル化)にしたがって、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩として調製する。
(調製19)
4−ヨードフェニル酢酸メチル
MeOH(200mL)中の4−ヨードフェニル酢酸(5.0g、19.1mmol)の攪拌溶液に、ジオキサン(10mL)中の4N塩酸を添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去して表題化合物(5.17g,収率98%)を得、これをさらに精製せずに使用した。
(調製20)
[4−(4−ヒドロキシブト−1−イニル)フェニル]酢酸メチル
ジエチルアミン(100mL)中の調製19の生成物(4.5g、16.3mmol)の攪拌溶液に、ブト−3−イン−1−オール(1.9mL、32.6mmol)、Pd(PPhCl(500mg、1.63mmol)およびCuI(154mg、0.815mmol)を添加し、得られた混合物を室温で17時間攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をジエチルエーテル(200mL)に溶解させ、この溶液を濾過して塩を除去した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(60% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題中間体を得た(3.03g、収率91%)。
(調製21)
[4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル]酢酸メチル
メタノール(50mL)中の調製20の生成物(2.8g、12.8mmol)の攪拌溶液を窒素でフラッシングし、次いで炭素担持10%パラジウム(400mg、20% wt/wt)を添加した。次いで、この反応フラスコを、真空下に置くことと水素でフラッシングすることを交互に数サイクル行い、次いで水素下で14時間攪拌した。この反応混合物を窒素でフラッシングし、次いで濾過し、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物(2.75g、収率97%)を得、これをさらに精製せずに使用した。
(調製22)
(4−{4−[4−(2−ブロモフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−イル]ブチル}フェニル)酢酸メチル
(a){4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]フェニル}酢酸メチル
THF(100mL)中の調製21の生成物(2.6g、12.5mmol)の攪拌溶液にDABCO(2.6g、25.0mmol)を添加し、次いでp−トルエンスルホニルクロリド(2.44g、13.75mmol)を添加した。この反応混合物を室温で23時間攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン(200mL)に溶解させた。次いで、水(2×100mL)、1N塩酸(100mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。
(b)(4−{4−[4−(2−ブロモフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−イル]ブチル}フェニル)酢酸メチル
工程(a)からの粗生成物にDMF(50mL)、ジイソプロピルエチルアミン(3.0mL、17.3mmol)および調製6の生成物(8.1mmol)を添加した。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を得た。
(調製23)
(4−{4−[4−(2−チエン−3−イルフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−イル]ブチル}フェニル)−酢酸メチル
調製22の生成物を用いて、そして調製9に記載される手順(すなわち、3−チオフェンボロン酸を用いるSuzukiカップリング)にしたがって、表題化合物を調製する。
(調製24)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]ブチル}ピペリジン−4−イルエステル
THF(100mL)中の調製23の生成物(4.0mmol)の攪拌溶液に、DIBAL−H(24mL、24mmol、THF中1.0M)を滴下する。添加が完了した後、この反応混合物を3時間攪拌し、次いで(ガスの発生が停止するまで)メタノールをゆっくり添加することによってクエンチする。次いで、この混合物を濃縮して乾燥させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得る。
(調製25)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{4−[4−(2−オキソエチル)フェニル]ブチル}ピペリジン−4−イルエステル
ジクロロメタン(25mL)中の調製24の生成物(1.06mmol)の攪拌溶液に、ジメチルスルホキシド(0.60mL、10.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.921mL、5.3mmol)を添加する。次いで、この反応混合物を−10℃に冷却し、ピリジン三酸化硫黄(842mg、5.3mmol)を添加する。この反応混合物を1時間攪拌し、次いで濃縮して乾燥させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得る。
(実施例5)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[4−(4−{2−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]エチル}フェニル)ブチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製25の生成物(1.28mmol)をメタノール(6.4mL)に溶解させ、調製4の生成物(605mg、1.53mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.27mL、1.53mmol)を添加する。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(405mg、1.91mmol)を添加し、この反応混合物を室温で3時間攪拌する。次いで、この反応混合物を濃縮して乾燥させる。残渣に、ジクロロメタン(4.5mL)およびトリエチルアミントリヒドロフルオライド(1.5mL、8.87mmol)を添加し、得られた混合物を室温で24時間攪拌する。次いで、この混合物を真空下で濃縮し、HPLCで精製して、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩として得る。
(調製26)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
(a)4−(2−ブロモフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−ブロモフェニルイソシアネート(10.2g、51.5mmol)を、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.36g、51.5mmol)とともに、N,N−ジメチル−ホルムアミド(40mL)に溶解させた。この反応混合物を50℃で20時間攪拌した後、減圧下で濃縮した。この粗製物をジクロロメタン(200mL)に取り込み、水(2×150mL)そしてブライン(1×150mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(21.36g)を淡黄色の油状物として得た。MS m/z:[M+H]C1723BrNについての計算値399.08;実測値399.3。
(b)4−(2−チオフェン−3−イルフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
工程(a)の生成物(6.5g、16.26mmol)、3−チオフェンボロン酸(3.12g、24.4mmol)および炭酸カリウム(4.5g、32.5mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(60mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)との3:1混合物に溶解させ、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.00g、0.866mmol)を添加した。この反応混合物を窒素ガス下で密閉し、90℃で一晩攪拌した。追加量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg、0.173mmol)を添加し、この反応混合物を周囲温度で4日間攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り込み、1M塩酸、ブラインそして飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を赤色の油状物(8.13g)として得た。MS m/z:[M+H]C2126Sについての計算値403.16;実測値403.5。
(c)(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
ジオキサン(30mL)中の4M塩酸中の工程(b)の生成物(1.1g、2.74mmol)を、50℃で8時間加熱した。8時間後、この反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去して表題化合物を黄色固体として得、これをさらに精製せずに使用した。
(調製27)
4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸メチル
トルエン(9mL)およびメタノール(1mL)の混合物中の4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(1.008g、5.0mmol)の溶液に、0℃で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(ヘキサン中2.0M、3.0mL、6.0mmol)を滴下した。次いで、この反応混合物を室温に温め、16時間攪拌した。過剰な(トリメチルシリル)ジアゾメタンを、この反応混合物の明黄色が消失するまで酢酸を添加することによってクエンチした。次いで、この混合物を真空中で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得、これをさらに精製せずに使用した。
(調製28)
4−アクリロイルアミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸メチル
調製27の粗生成物に、ジクロロメタン(10mL、0.5M)およびトリエチルアミン(2.1mL、15mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、攪拌しながら塩化アクリロイル(812μL、10mmol)を滴下した。2時間後、この反応を、0℃でメタノール(約2mL)を添加することによってクエンチし、得られた混合物を室温で15分間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。ジクロロメタン(30mL)および水(30mL)を残渣に添加し、この混合物を完全に混合した。層を分離し、水層をジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を褐色の発泡状固体として得た。
(調製29)
5−クロロ−2−メトキシ−4−{3−[4−(2−チオフェン−3−イルフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニルアミノ}安息香酸メチル
調製28からの粗生成物(150mg、0.5mmol)および調製26の生成物(135mg、0.5mmol)を、ジクロロメタンとメタノールとの混合物(1.5mL、1/1)中で、一緒に室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をクロマトグラフにかけて、表題化合物を黄色の油状物(210mg)として得た。MS(m/z):[M+H]2830ClNSについての計算値、572.15;実測値、572.6。
(調製30)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(2−クロロ−4−ヒドロキシメチル−5−メトキシ−フェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
テトラヒドロフラン(1.45mL)中の水酸化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中の1M溶液のうちの0.74mL)の攪拌溶液に、窒素雰囲気下で0℃にて、テトラヒドロフラン(1.0mL)中の調製29の生成物(210mg、0.37mmol)を添加した。この反応混合物を0℃で1時間攪拌し、テトラヒドロフラン(0.37mL、1M)中の水酸化アルミニウムリチウムを添加した。30分後、1M水酸化ナトリウム(1mL)および水(1mL)をこの反応混合物にゆっくり添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。この水性混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。
(調製31)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(2−クロロ−4−ホルミル−5−メトキシ−フェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
ジクロロメタン(3.7mL)中の調製30の生成物(0.37mmol)の溶液に、ジメチルスルホキシド(158μL、2.22mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(193μL、1.11mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、15分後、三酸化硫黄ピリジン錯体(176mg、1.11mmol)を添加した。1時間後、この反応混合物を、水(3mL)を添加することによってクエンチした。層を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。MS (m/z):[M+H]2728ClNSについての計算値542.14;実測値542.5。
(調製32)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−2−クロロ−5−メトキシ−フェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
ジクロロメタン(1.85mL)とメタノール(1.85mL)との混合物中の調製31の生成物(200mg、0.37mmol)および調製4の生成物(146mg、0.37mmol)の溶液を、室温で30分間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(235mg、1.11mmol)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌.した。12時間後、質量分析法によって決定されるように、反応は不完全であった。溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をエタノール(3.7mL)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(28mg、0.74mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、この反応を酢酸(約1.0mL)でクエンチした。溶媒を真空中で除去した、表題化合物を得、これをさらに精製することなく使用した。MS(m/z):[M+H]4454ClNSSiについての計算値860.32;実測値860.6。
(実施例6)
(2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(2−クロロ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−5−メトキシフェニルカルバモイル)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル
ジクロロメタン(3.7mL)中の調製32の生成物(318mg、0.37mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミントリヒドロフルオライド(181μL、1.11mmol)を添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いでこの混合物を真空中で濃縮した。得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)、酢酸/水(1:1、3mL)の混合物に溶解させ、この混合物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩として得た(60mg)。MS(m/z):[M+H]3840ClNSについての計算値746.23;実測値746.5。保持時間(HPLC10−70)=2.71。
(調製33)
N−{2−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]フェニル}−ホルムアミド
(R)−2−ブロモ−1−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシフェニル)エタノール(9.9g、28mmol)をジメチルホルムアミド(36mL)に溶解させた。イミダゾール(2.3g、34mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(4.7g、31mmol)を添加した。この溶液を窒素雰囲気下で72時間攪拌した。さらなるイミダゾール(0.39g、5.7mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(0.64g、4.3mmol)を添加し、この反応物をさらに20分間攪拌した。次いで、この反応混合物を酢酸イソプロピル(53mL)とヘキサン(27mL)との混合物で希釈し、分液漏斗で移した。有機層を、水(27mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(27mL)との混合物で2回洗浄し、その後、飽和塩化ナトリウム水溶液(27mL)で最後の洗浄を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲル(23.6g)およびヘキサン(27mL)を添加し、この懸濁液を10分間攪拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をヘキサン(45mL)から再結晶して、8.85g(19mmol、68%)の表題化合物を固体として得た。MS m/z:[M+H]C2230NOSiBrについての計算値464.1;実測値464.2。
出発物質である(R)−2−ブロモ−1−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシフェニル)エタノールは、米国特許第6,268,533 B1;またはR.Hettら、Organic Process Research and Development,1998,2:96−99に記載されるように;あるいはHongら、Tetrahedron Lett.,1994,35:6631に記載される手順と同様の手順を用いて;または米国特許第5,495,054号に記載される手順と同様の手順を用いて調製され得る。
この化合物を、本明細書に記載される実施例で出発物質として使用することによって、本発明のさらなる化合物が調製され得る。
(調製34)
6−(2−ブロモ−(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル−2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキサン
(a)6−ブロモ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン
2.0Lの2,2−ジメエトキシプロパン中の5−ブロモ−2−ヒドロキシベンジルアルコール(93g、0.46mol、Sigma−Aldrichから入手可能)に、700mLのアセトンを添加し、その後、塩化亜鉛(170g)を添加した。18時間攪拌した後、1.0M水酸化ナトリウム水溶液を、水相が塩基性になるまで添加した。ジエチルエーテル(1.5L)をこのスラリーに添加し、有機相を分液漏斗でデカントした。この有機相を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を油状物として得た。
(b)6−アセチル−2,2−ジメチル−4H−ベンソ[1,3]ジオキシン
1.0LのTHF中の工程(a)の生成物(110g、0.46mol)に、−78℃でヘキサン中の2.14M n−ブチルリチウム(236mL(0.51mol))を、滴下漏斗でよって添加した。30分後、N−メチル−N−メトキシアセトアミド(71g、0.69mol、TCIから入手可能)を添加した。2時間後、この反応混合物を水でクエンチし、2.0Lの1.0Mリン酸緩衝水溶液(pH=7.0)で希釈し、ジエチルエーテルで1回抽出した。このジエチルエーテル相を、ブラインで1回洗浄しNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、淡橙色の油状物を得た。この油状物を最小限の体積の酢酸エチルに溶解させ、ヘキサンで希釈して、表題化合物を結晶性固体として得た。
(c)6−ブロモアセチル−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン
600mLのTHF中の工程(b)の生成物(23.4g、0.113mol)に、−78℃でTHF中の1.0Mヘキサメチルジシラザンナトリウム(135mL)(Sigma−Aldrich)を添加した。1時間後、塩化トリメチルシリル(15.8mL、0.124mol)を添加した。30分後、臭素(5.82mL、0.113mol)を添加した。10分後、反応を、この反応混合物をジエチルエーテルで希釈することによってクエンチし、それを、500mLの5%NaHCO水溶液で予め混合した500mLの5%NaSO水溶液に注いだ。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を油状物として得、これを保管の際にフリーザーで固化させた。
(d)(R)−2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−6−イル)エタノール
100mLのTHF中の工程(c)の生成物(10g、35.1mmol)に、調製13の工程(c)(1)の固体触媒(0.97g、3.5mmol)を添加した。この溶液を−20℃と−10℃との間に冷却し、50mL THFで希釈したBH−THF(35mL、35mmol)を滴下漏斗でよって滴下した。添加が完了した後、この反応混合物を周囲温度に温めた。30分後、この反応混合物を、50mLのメタノールをゆっくりと添加することによってクエンチし、次いで濃い油状物に濃縮した。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィーによって1:2酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。この画分を合わせ、濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た。
(e)[(R)−2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−6−イル)エトキシ]−tert−ブチルジメチルシラン
100mLDMFに溶解させた工程(d)の生成物(10g、34.8mmol)およびイミダゾール(4.7g、69.7mmol)に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(5.78g、38.3mmol)を添加した。この反応混合物を18時間攪拌した。次いで、この反応混合物を200mLの飽和塩化ナトリウムと200mLのジエチルエーテルとの間で分配した。水層を200mLのジエチルエーテルで抽出した。次いで、有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。この生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって、ヘキサンで溶出し、その後、ヘキサン中の5%酢酸エチルで溶出して精製した。望ましい画分を合わせ、濃縮して、表題化合物を油状物として得た。
この化合物を、本明細書に記載される実施例で出発物質として用いることによって、本発明のさらなる化合物が調製され得る。
(調製35)
2−(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)フェニルカルバミン酸ピペリジン−4−イルメチルエステルヒドロクロリド
表題化合物は、WO2004/012684(2004年2月12日公開)に記載される手順によって調製される。この化合物(またはWO2004/012684に記載される他の関連するチアゾール化合物)を本明細書に記載される実施例で出発物質として用いることによって、本発明のさらなる化合物が調製され得る。
(実施例7)
[2−(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルメチルエステル
調製35の生成物を使用し、そして調製7および実施例1に記載される手順にしたがって、表題化合物が調製される。
(調製36)
(2−ブロモフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製7の生成物(500mg、1.03mmol)をアセトニトリル(10mL)と塩酸水溶液(6N、10mL)との1:1混合物に溶解させ、得られた混合物を50℃で1時間加熱した。次いで、この反応混合物をブラインで希釈し、この混合物をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
残渣をジクロロメタン(5mL)とメタノール(5mL)との1:1混合物に溶解させ、この混合物に調製4の生成物(400mg、1.03mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(633mg、3mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を酢酸(5mL)と水(5mL)との1:1混合物に溶解させ、この混合物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を凍結乾燥した白色固体として得た(404mg)。LCMS m/z:759.5(MH)。
表題化合物および種々のヘテロアリールボロン酸化合物を用いて、本発明のさらなる化合物が調製され得る。例示として、以下の実施例8を参照のこと。
(実施例8)
((2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−yl)エチルアミノ]ノニル}ピペラジン−4−イルエステル)
調製36の生成物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(400μL、0.1mmol)を、3−チオフェンボロン酸(20mg、0.15mmol)を含む4mLバイアルに加えた。この混合物に炭酸カリウム水溶液(4M、100μL、0.4mmol)を加え、次いで窒素でバイアルをフラッシングした後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(触媒量)を加えた。このバイアルを、密閉し、90℃で一晩、シェーカーブロックにおいて加熱した。次いで溶媒をエバポレートし、残留物をアセトニトリル(1mL)および塩酸水溶液(6N、1mL)の1:1混合物中に懸濁し、この混合物を50℃で2時間加熱した。次いで溶媒をエバポレートし、残留物をアセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸(1:1:0.05、1mL)の混合物中に溶解、濾過し、そして平行逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し、ジトリフルオロ酢酸塩として表題化合物を得た(1.6mg)。
(調製37)
2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−1,3−ジオキソラン
2−メトキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド(4.61g、25.4mmol)の撹拌したトルエン(51mL)溶液にp−トルエンスルホン酸(483mg、2.54mmol)を加え、その後エチレングリコール(2.83mL、50.8mmol)を加えた。50℃で12時間反応混合物を加熱した後、付加的なp−トルエンスルホン酸(483mg、2.54mmol)およびエチレングリコール(2.83mL、50.8mmol)を加えた。さらに12時間後、この溶媒を減圧下で除去し、生じた残留物をジクロロメタン(50mL)中に溶解した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして溶媒を減圧下除去し、黄色の固体として表題化合物を得た(5.46g、95%)。
(調製38)
(2−(2−メトキシ−4−アミノフェニル)−1,3−ジオキソラン)
窒素を15分間、調製37の生成物(100mg、0.44mmol)および重炭酸ナトリウム(7.4mg、0.09mmol)の撹拌したテトラヒドロフラン/エタノール(1:1、4.4mL)溶液に通してバブルした。酸化白金(5mg、0.02mmol)を加え、そして反応混合物を水素雰囲気下に2時間置いた。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、そしてパッドをエタノールで洗浄した。溶媒を減圧下除去し、黄色の油状物として表題化合物を得た(90mg、100%)。
(調製39)
N−[4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−3−メトキシフェニル]アクリルアミド
0℃で、調製38の生成物(86mg、0.44mmol)およびDIPEA(169μL、0.97mmol)の撹拌したジクロロメタン(10mL、0.5M)溶液に塩化アクリロイル(43μL、0.53mmol)を加えた。反応混合物を、ゆっくり室温まで温めた。4時間後、有機層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(5mL)で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、そして溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。
(調製40)
(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−[1,3]ジオキソラン−2−イル−3−メトキシフェニル−カルバモイル)エチル]ピペラジン−4−イルエステル
調製39の生成物(110mg、0.44mmol)および調製26の生成物(133mg、0.44mmol)を一緒に、50℃で24時間、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物中(1:1、1.47mL)で撹拌した。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。
(調製41)
(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−ホルミル−3−メトキシフェニルカルバモイル)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製40の生成物(242mg,0.44mmol)の撹拌したアセトニトリル中1Mの塩酸(1:1,2mL)溶液を50℃で2時間加熱した。次いで反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして固体の重炭酸ナトリウムで塩基性にした。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下除去し表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。MS(m/z):[M+H]2729Sについての計算値508.18;実測値508.4。
(調製42)
(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−(tert−ブチルジメチル−シラニルオキシ)−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製41の生成物(224mg,0.44mmol)および調製4の生成物(173mg,0.44mmol)のジクロロメタン(2.2mL)およびメエタノール(2.2mL)の混合溶液を、室温で30分間撹拌し、次いでトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(280mg,1.32mmol)を加えた。12時間後、反応を質量分析により完了しそして溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。MS(m/z):[M+H]4455SSiについての計算値826.36;実測値826.5。
(実施例9)
(2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル
調製42の生成物(363mg,0.44mmol)の撹拌したジクロロメタン中10%N,N−ジメチルホルムアミド(4.4mL)溶液に、トリエチルアミントリヒドロ−フッ化物(215μL,1.32mmol)を加えた。反応混合物を、室温で24時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下除去した。生じた残留物を、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)および酢酸/水(1:1,3mL)の混合物中に溶解し、そして分取HPLCにより精製し、ジトリフルオロ酢酸塩(50mg)として表題化合物を得た。保持時間(HPLC 10−70)=2.68。
(調製43)
(2−チアゾール−2−イルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
(a)4−[2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバモイルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブトイルエステル
エチレングリコールジメチルエーテル(120mL)に溶解された調製26工程(a)の生成物(19.72g,49.4mmol)に、ビス(ピナコラト)二ホウ素(12.54g,49.4mmol)、酢酸カリウム(12.12g,123mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(4.03g,4.94mmol)を加えた。反応混合物を、90℃で約15時間、窒素下で撹拌し、次いで溶媒を減圧下除去した。粗製物を、ジクロロメタン(250mL)中に溶解し、そしてブライン(1×200mL)および水(1×200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムに通して乾燥し、セライトパッドを通して濾過し、そして減圧下濃縮し、粗製残留物(36.7g)を得た。残留物を、シリカゲルに通して、10%〜25%酢酸エチル:ヘキサンで溶出するクロマトグラフをして、淡褐色の泡として表題化合物(12.5g)を得た。MS m/z:[M+H]2335BNについての計算値447.26;実測値447.0。
(b)4−(2−チアゾール−2−イルフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブトイルエステル
フラスコに工程(a)の生成物(6.28g,14.1mmol)、2−ブロモチアゾール(2.77g,16.9mmol)および炭酸カリウム(3.89g,28.1mmol)を加えた。フラスコを窒素ガスでフラッシュし、そしてエチレングリコールジメチルエーテル(80mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を加え、その後テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.89g,1.4mmol)を加えた。反応混合物を、約90〜95℃で一晩撹拌し、次いで減圧下濃縮した。粗製生成物をジクロロメタン(150mL)中に溶解し、水(3×)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムに通して乾燥し、濾過し、そして減圧下濃縮し、赤みをおびた茶色の油状物として表題化合物(7.77g)を得た。MS m/z:[M+H]2025Sについての計算値404.16;実測値404.5。
(c)(2−チアゾール−2−イルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
工程(b)の生成物(7.7g,19mmol)を、ジクロロメタン(25mL)およびトリフルオロ酢酸(10mL)の混合物中で1.5時間撹拌した。トルエンを加え(共沸混合物を形成するために)混合物を減圧下濃縮した。粗製残留物を、カラムクロマトグラフィー(7%メタノール:1%水酸化アンモニウムを伴うジクロロメタン)により精製し、表題化合物(2.36g,90%純度)を得た。MS m/z:[M+H]1517Sについての計算値304.10;実測値304.3。
(実施例10)
(2−チアゾール−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−yl)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル
調製43の生成物および調製37〜42および実施例9に記載されるその後の手順を使用して、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩として調製した(123mg)。MS m/z:[M+H]3740Sについての計算値713.27;実測値713.7。
(調製44)
[2−(4−ブロモチアゾール−2−yl)フェニル]カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
(a)4−[2−(4−ブロモチアゾール−2−イル)フェニルカルバモイルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブトイルエステル
調製43、工程(a)の生成物(6.22g,13.9mmol)、2,4−ジブロモチアゾール(3.55g,14.6mmol)および炭酸カリウム(3.85g,27.9mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル(112.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(14mL)の混合物に溶解し、そしてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(805mg,0.697mmol)を加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え(共沸混合物を形成するために)、そして減圧下この混合物を濃縮した。粗製生成物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、そして水で洗浄した(2×150mL)。有機層を硫酸ナトリウムに通して乾燥し、セライトのパッドを通して濾過し、そして真空下濃縮した。
分析的な分析は、約50%の出発物質が残存していることを示したため、粗製残留物を2,4−ジブロモチアゾール(888mg,3.5mmol)および炭酸カリウム(1.93g,14.0mmol)と再結合し、そしてエチレングリコールジメチルエーテル(80mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物に溶解し、そしてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(805mg,0.70mmol)を加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え(共沸混合物を形成するために)、そしてこの混合物を減圧下、濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチル(200mL)に溶解し、そして水(2×150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムに通して乾燥し、セライトのパッドを通して濾過し、そして減圧下濃縮し、表題化合物を得た(8.9g)。LCMSm/z:484.3(MH)。MW:482.39。MS m/z:[M+H]2024BrNSについての計算値482.07;実測値484.3。
(b)[2−(4−ブロモチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
工程(a)の生成物(8.9g粗製,およそ13.9mmol)を、ジクロロメタン(6mL)中に溶解した。ジクロロメタン中(10mL)のトリフルオロ酢酸(8mL)を、ゆっくり加え、そして生じた混合物を室温で撹拌した。2.5時間後、この溶液を、減圧下濃縮した。トルエンを加え(共沸混合物を形成するために)、そしてこの混合物を減圧下濃縮した。この手順を数回繰り返し、次いで残留物をジクロロメタン(200mL)中に溶解し、1:1のブラインおよび1.0M水酸化ナトリウム(150mL)の混合物で2回洗浄した。残留物をシリカゲルに通し、1%水酸化アンモニウムを含むジクロロメタン中の7%メタノールで溶出してクロマトグラフし、暗褐色の固体(2.75g)として表題化合物を得た。MS m/z:[M+H]1516BrNSについてについての計算値382.01;実測値382.0。
(実施例11)
[2−(4−ブロモチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製44の生成物、および調製37〜42および実施例9に記載されるその後の手順を使用して、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩として調製した(117mg)。MS m/z:[M+H]3739BrNSについての計算値791.18;実測値791.5。
(調製45)
[2−(4−メチルチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
(a)4−メチル−2−(2−ニトロフェニル)−1,3−チアゾール
4−メチルチアゾール(4.0g,40.33mmol)のTHF溶液(80mL)を、窒素下−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2Mの20.4mL、40.8mmol)をゆっくり3分かけて反応混合物に加えた。反応混合物を−78℃で約1.5時間撹拌し、次いで2−フルオロニトロベンゼン(6.24g,44.23mmol)を加えた。−78℃でさらに30分間撹拌した後、反応混合物を室温まで温めた。反応混合物を室温で約2時間撹拌し、次いで反応を水(70mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチルで溶出し、合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして濃縮した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5〜10%酢酸エチル)により単離し、橙色/茶色の油状物として表題化合物を得た(1.5g)。MS m/z:[M+H]10Sについての計算値221.03;実測値221。保持時間(HPLC 2−90)=4.54。
(b)4−メチル−2−(2−アミノフェニル)−1,3−チアゾール
水素ガスを、工程(b)の生成物(1.5g,6.8mmol)の5Mの塩酸(1.5mL)を含むエタノール(60mL)および水(20mL)の混合物溶液中に15分間通してバブルした。活性化した炭素担持パラジウム(500mg,10%炭素担持Pd,約50重量%水)を加え、そして反応混合物を室温で水素ガスのバルーン下、一晩撹拌した。反応混合物を、セライトを通して撹拌し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5〜10%酢酸エチル)にとおして精製し、黄色/黒色の油状物として表題化合物を得た(1.2g)。MSm/z:C1010Sの[M+H]計算値191.06;実測値191.3。保持時間(HPLC 2−90)=3.89;薄層クロマトグラフィー:(ヘキサン中10%酢酸エチル)R=0.36。
(c)[2−(4−メチルチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
トリホスゲン(350mg,1.185mmol)のTHF溶液(3mL)に、0℃で窒素下4−N−Boc−ピペリジノール(476mg,2.37mmol)を加え、その後N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.6mL,3.44mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温まで温めた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次いで0℃に冷却した。この反応混合物に、工程(b)の生成物(450mg,2.37mmol)のTHF溶液(10mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルア(0.6mL,3.44mmol)を0℃で加えた。生じた混合物を、0℃で2時間撹拌し、次いで40℃で4時間加熱した。次いで混合物を室温まで冷却し、そして1:1の水:飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。この層を分離し、そして水層をジクロロメタン(5mL)で洗浄した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして濃縮した。生じた物質をジクロロメタン(10mL)およびトリフルオロ酢酸(1mL)に溶解し、そしてこの混合物を室温で2時間撹拌した。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和した。この層を分離し、そして水層を、酢酸エチル(3mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして濃縮して表題化合物(1.2g)を得た。MS m/z:[M+H]1619Sについての計算値318.12;実測値318.3。保持時間(HPLC 2−90)=3.71。
(実施例12)
[2−(4−メチルチアゾール−2−yl)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}フェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル
表題化合物を、以下のような変更をともなう、調製37〜42および実施例9に記載されるその後の手順に従って調製した:調製37において、2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒドを4−ニトロベンズアルデヒドと置き換えた;調製40において、調製26の生成物を調製45の生成物と置き換えた;調製41において、ジクロロメタンおよびTFA(9:1、10mL)の混合物中の調製40を、ジクロロメタンで希釈し固体の重炭酸ナトリウムで塩基性にする前に、室温で維持した;調製42の立つ保護工程において、用いた溶媒はジクロロメタン中(1mL)の10%N,N−ジメチルホルムアミドであり、そして反応混合物を約30℃で約16時間撹拌し、次いで単離、精製してジトリフルオロ酢酸塩として表題化合物を得た(18.5mg)。MS m/z:[M+H]3740Sについての計算値697.27;実測値697.5。
(調製46)
(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
(a)1−シクロヘキシル−2−イソシアネートベンゼン
窒素下、2−シクロヘキシル安息香酸(2g、9.8mmol)およびDIPEA(3.45μL、14.7mmol)の撹拌したトルエン溶液(25mL)に、ジフェニルホスホロイルアジド(2.1mL、9.8mmol)を加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで90℃で3時間加熱した。冷却しながら、有機層を飽和塩化アンモニウム溶液(2×10mL)およびブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下除去して透明な琥珀油状物として表題化合物を得た。
(b)4−(2−シクロヘイシルフェニルカルバモイルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブトイルエステル
工程(a)の生成物(約9.8mmol)および4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブトイルエステル(2.4g、11.8mmol)のDMF(19.7mL)溶液を、室温で24時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。生じた残留物を酢酸エチル(20mL)中に溶解し、この混合物を1N塩酸(2×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次いで乾燥(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下除去した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。
(c)(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸ピペリジン−4−イルエステル
ジオキサン中(40mL)4M塩酸中の工程(b)の生成物(3.22g、8.00mmol)の撹拌溶液を、50℃で加熱した。8時間後、この反応混合物を室温まで冷却し、そして溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得た。MSm/z:C1826の[M+H]計算値303.20;実測値303.5。H NMR(CDOD,δ):7.2(m,4H),4.95(m,1H),4.85(s,1H),3.3(br m,3H),2.8(br m,1H),2.2(br m,2H),2.0(br m,2H),1.8(br m,5H),1.4(br m,5H)。
(調製47)
(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸1−(9−ヒドロキシノニル)ピペリジン−4−イルエステル
調製46の生成物(300mg,0.88mmol)およびトリエチルアミン(270μL、1.94 mmol)の撹拌したアセトニトリル(2mL)溶液に、9−bromononanol(237mg、1.06mmol)を加えた。この反応混合物を、50℃で一晩加熱し、次いで減圧下濃縮した。生じた残留物を、ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、この混合物をリン酸ナトリウム水溶液(2×5mL)およびブライン(1×5mL)で洗浄し、次いで乾燥(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下除去した。残存物をカラムクロマトグラフィー(3〜5%メタノール:CHCl)により精製し、黄色の油状物として表題化合物を得た(257mg、収率66%)。
(調製48)
(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製47の生成物(257mg、0.58mmol)の撹拌したジクロロメタン(3mL)溶液に、DIPEA(301μL、1.73mmol)およびDMSO(124μL、1.73mmol)を加えた。この反応混合物を−10どまで冷却し、15分後、ピリジン三酸化硫黄複合体(276mg、1.73mmol)を加えた。40分後、この反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、そして水(2×10mL)、リン酸ナトリウム水溶液(2×5mL)およびブライン(1×5mL)で洗浄し、次いで乾燥(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下除去した。
生じたアルデヒドを1:1のジクロロメタンおよびメタノール混合物(6mL)に溶解し、そして調製4の生成物(275mg、0.7mmol)を加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いでトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(344mg、1.7mmol)を加えた。一晩撹拌後、この反応混合物を減圧下濃縮し、表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。
(実施例13)
(2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル
調製48の生成物(441mg、0.58mmol)の撹拌した6N塩酸およびアセトニトリル(1:1、6mL)の混合溶液を50℃で2時間加熱した。次いで、この反応混合物を減圧下濃縮し、そして生じた残留物をアセトニトリル:酢酸(1:1、5mL)中に溶解し、そして分取HPLCにより精製し、ジトリフルオロ酢酸塩として表題化合物を得た(134mg、100%純度)。MS m/z:[M+H]3854についての計算値647.41;実測値647.8.
(調製49)
2−(4−ブロモフェニル)エチル4−メチルベンゼンスルホナート
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(5.61g、0.050mol)および4−ブロモフェネチルアルコール(5.0g、0.025mol)をジクロロメタン(100mL)中で合わせた。生じた混合物を氷浴中0℃まで冷却し、塩化トシル(5.67g、0.029mol)のジクロロメタン(50mL)溶液を、15分かけて添加漏斗を介して加えた。0℃で約1時間攪拌した後、水(30mL)を加え、そして攪拌をさらに30分間継続した。水層を分離し、捨てた。有機層を乾燥(NaSO)、濾過し、そして減圧下濃縮して白色固体として表題化合物を得た。
(調製50)
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製26の生成物(0.146g、0.483mmol/)、調製49の生成物(0.483mmol/0.172g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.252mL、1.5mmol)をアセトニトリル(1.0mL)中で合せ、そして生じた混合物を50℃で約12時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして反応を飽和重炭酸ナトリウムでクエンチした。この層を分離し、水層を捨てた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)、濾過し、そして減圧下濃縮した。残存物を5%メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカにおいて精製し、表題化合物を得た。MS m/z:[M+H]2425BrNSについての計算値485.08;実測値487.3。
(調製51)
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{2−[4−(4−ヒドロキシ−ブト−1−イニル)フェニル]エチル}−ピペリジン−4−イルエステル
調製50の生成物(0.247g、0.509mmol)をN,N−ジエチルアミンおよびN,N−ジメチルホルムアミド(2:1、5mL)の混合物中に溶解し、そして生じた混合物を窒素でパージした。窒素下、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.072g、0.102mmol)、銅(I)ヨウ化物(0.006g、0.031mmol)およびブト−3−イン(yn)−1−オール(0.036mL、0.474mmol)を加えた。生じた混合物を60℃で約12時間加熱した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、そして飽和重炭酸ナトリウムでクエンチした。この層を分離し、水層を捨てた。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残存物を5%メタノール/ジクロロメタンを用いてシリカににおいて精製し、表題化合物を得た。MS m/z:[M+H]2830Sについての計算値474.20;実測値475.6。
(調製52)
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{2−[4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル]エチル}−ピペリジン−4−イルエステル
調製51の生成物(0.065g、0.136mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、そして窒素下、活性化炭素担持パラジウム(10重量%(無水ベース)、0.15g)を加えた。生じた懸濁液を真空下に置き、次いで水素を大気圧下加えた。約12時間後、懸濁液をセライトを通して濾過し、そして濾過物を減圧下濃縮して透明な油状物として表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。MS m/z:[M+H]2834Sについての計算値479.23;実測値479.5。
(調製53)
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{2−[4−(4−オキソブチル)フェニル]エチル}ピペリジン−4−イルエステル
ピリジン三酸化硫黄複合体(0.062g、0.392mmol)を、0℃で調製52の生成物(0.047g、0.098mmol)、メチルスルホキシド(0.028mL、0.392mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.068mL、0.392mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に加えた。0℃で約4時間撹拌後、反応を0.1N塩酸(5mL)でクエンチした。この層を分離し、そして水層を捨てた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)、濾過し、そして減圧下濃縮して黄色の油状物として表題化合物を得、さらに精製せずに用いた。MS m/z:[M+H]2832Sについての計算値477.21;実測値477.4。
(実施例14)
(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ブチル}フェニル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
調製42および実施例9に記載される手順(調製42において調製40の生成物の代わりに調製53の生成物を使用して)に従って、表題化合物をジトリフルオロ酢酸塩(25mg)として調製した。MS m/z:[M+H]3944Sについての計算値681.30;実測値681.7。
(調製A)
(ヒトβ、βまたはβアドレナリン作用性レセプターを発現する細胞からの細胞培養および膜調製)
クローン化したヒトβ、βまたはβアドレナリン作用性レセプターをそれぞれ安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株を500μg/mLのGeneticin存在下、10%FBSを添加したHams F−12培地中でコンフルエンシー近くまで培養した。細胞単層を、PBS中で2mMのEDTAを用いて持ち上げた。細胞を、1,000rpmで遠心分離することによりペレットにし、そして細胞のペレットを−80℃で凍結保存するか、あるいは膜を使用するために直ちに調製した。βおよびβレセプターを発現する膜について、細胞ペレットを溶解緩衝液(4℃で10mM HEPES/HCl,10mM EDTA,pH7.4)中に再懸濁し、そして氷上において密接にフィットするDounceガラスホモジナイザー(30ストローク)を用いてホモジナイズした。プロテアーゼにさらに感受性のβレセプター発現膜について、50mL緩衝液あたり1錠の「2mM EDTAをともなうComplete Protease Inhibitor Cocktail Tablets」を添加した細胞ペレットを溶解緩衝液(10mM Tris/HCl、pH7.4)(Roche Catalog No. 1697498, Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN)中においてホモジナイズした。ホモジネートを、20,000×gで遠心分離し、生じるペレットを上記のように再懸濁および遠心分離により溶解緩衝液で1回洗浄した。次いで最終ペレットを氷冷した結合緩衝液(75mM Tris/HCl pH7.4,12.5mM MgCl,1mM EDTA)中に再懸濁した。膜懸濁液の最終タンパク質濃度を、Lowryら、1951,Journal of Biological Chemistry,193,265;およびBradford,Analytical Biochemistry,1976,72,248−54に記載される方法により決定した。すべての膜を、−80℃でアリコートに凍結保存するか、または直ちに使用した。
(調製B)
(細胞培養およびヒトM、M、MおよびMムスカリン性レセプターを発現する細胞からの膜調製)
クローン化ヒトhM、hM、hMおよびhMムスカリン性レセプターサブタイプをそれぞれ安定に発現しているCHO細胞株を、10%FBSおよび250μg/mL Geneticinを添加したHAM’s F−12培地においてコンフルエンシー近くまで培養した。細胞を、5%CO、37℃でインキュベートし、dPBS中2mMのEDTAを用いて持ち上げた。細胞を、5分間、650×gで遠心することにより回収し、細胞ペレットを−80℃で凍結保存するか、あるいは膜を使用するために直ちに調製した。膜調製に関して、細胞ペレットを溶解緩衝液中に再懸濁し、Polytron PT−2100組織破砕機(Kinematica AG;20秒×2バースト)でホモジナイズした。粗製膜を4℃で15分間、40,000×gで遠心分離した。次いで膜ペレットを再懸濁緩衝液を用いて再懸濁し、再度、Polytron組織破砕機を用いてホモジナイズした。膜懸濁液のタンパク質濃度を、Lowryら、1951,Journal of Biological Chemistry,193,265;およびBradford,Analytical Biochemistry,1976,72,248−54に記載される方法により決定した。すべての膜を、−80℃でアリコートに凍結保存するか、または直ちに使用した。調製したhMのレセプター膜のアリコートをPerkin Elmerから直接購入し、使用まで−80℃で保存した。
(アッセイ試験手順A)
(ヒトβ、βおよびβアドレナリン作用性レセプターの放射性リガンド結合アッセイ)
アッセイ緩衝液(25℃で75mM Tris/HCl pH7.4、12.5mM MgCl、1mM EDTA、0.2% BSA)中に、ヒトβ、βまたはβアドレナリン作用性レセプターを含む10〜15μgの膜タンパク質を用いて、結合アッセイを100μLの総アッセイ容量で、96ウェルマイクロタイタープレート中で行った。放射性リガンドのK値を決定するための飽和結合実験を、βおよびβレセプターに関して[H]−ジヒドロアルプレノロール(NET−720、100Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA)および[125I]−(−)−ヨードシアノピンドロール(NEX−189、220Ci/mmol、PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA)を0.01nM〜20nMの範囲の10または11の異なる濃度で実施した。試験化合物のK値を決定するための置換アッセイを、1nM[H]−ジヒドロアルプレノロールおよび0.5nM[125I]−(−)−ヨードシアノピンドロールを用いて、10pM〜10μMの範囲の10または11の異なる試験化合物濃度で行った。非特異的結合を10μMのプロプラノロール存在下で決定した。アッセイは37℃で1時間インキュベートし、次いで結合反応を、βおよびβレセプターに関してはあらかじめ0.3%ポリエチレンイミンに浸漬したGF/Bガラス繊維濾過プレート上に、あるいはβレセプターに関してはあらかじめ0.3%ポリエチレンイミンに浸漬したGF/Cガラス繊維濾過プレート上(Packard BioScience Co.、 Meriden、CT)に急速濾過することにより停止した。濾過プレートを、濾過緩衝液(4℃で75 mM Tris/HCl pH7.4、12.5mM MgCl、1mM EDTA)で3回洗浄し、非結合放射活性を除去した。次いでプレートを乾燥し、50μLのMicroscint−20液体シンチレーション溶液(Packard BioScience Co.、Meriden、CT)を加え、そしてプレートをPackard Topcount液体シンチレーションカウンター(Packard BioScience Co.、Meriden、CT)で計測した。結合データを、ワンサイト競合のための3パラメーターモデルを使用するGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。曲線の最小値を、10μMプロプラノロール存在下で決定されるような非特異的結合の値に固定した。試験化合物のK値を、Cheng−Prusoff式(Cheng YおよびPrusoff WH.、Biochemical Pharmacology、1973、22、23、3099−108)を使用して、放射性リガンドの観測されるIC50値およびK値から算出した。
本アッセイにおいて、低いK値は、試験化合物が試験されるレセプターに関して高い結合親和性を有すること示す。本アッセイにおいて試験される本発明の例証的な化合物は、代表的にβアドレナリン作用性レセプターに関して、約300nM未満のK値を有することが見出された。例えば、実施例1および実施例2の化合物は、10nMより小さいK値を有することが見出された。
所望される場合、試験化合物のレセプターサブタイプ選択性は、K(β)/K(β)またはK(β)/K(β)の比として計算され得る。代表的には、本発明の化合物は、βまたはβアドレナリン作用性レセプターに比較してβアドレナリン作用性レセプターで高い結合を証明した(すなわち、K(β)またはK(β)は、代表的にはK(β)より大きい)。一般的に、βまたはβアドレナリン作用性レセプターよりβアドレナリン作用性レセプターに選択性を有する化合物;特に、約5より大きい選択性を有する化合物が好まれる。例として、実施例1および2の化合物は、5以上のK(β)/K(β)比を有した。
(アッセイの試験手順B)
(ムスカリン性レセプターの放射性リガンド結合アッセイ)
クローン化ヒトムスカリン性レセプターの結合アッセイを、100μLの総アッセイ容量で、96ウェルマイクロタイタープレート中で行った。hM、hM、hM、hMまたはhMムスカリンサブタイプのいずれかを安定に発現するCHO細胞膜を、同様のシグナル(cpm)を得るために、以下の特定の標的のタンパク濃度(μg/ウェル):hMについて10μg、hMについて10〜15μg、hMについて10〜20μg、hMについて10〜20μgおよびhMについて10〜12μgになるようにアッセイ緩衝液中に希釈した。膜をアッセイプレートに加える前に、Polytron組織破壊機(tissue disruptor)(10秒)を用いて単にホモジナイズした。放射性リガンドのK値を決定するための飽和結合実験を、L−[N−メチル−H]塩化メチルスコポラミン([H]−NMS)(TRK666、84.0Ci/mmol、Amersham Pharmacia Biotech、Buckinghamshire、England)を用いて0.001nM〜20nMの範囲の濃度で行った。試験化合物のK値を決定するための置換アッセイを、1nMの[H]−NMSおよび11の異なる濃度の試験化合物を用いて行った。試験化合物を、最初に希釈緩衝液中、400μMの濃度で溶解し、それから10pM〜100μMの範囲の最終濃度になるように希釈緩衝液を用いて連続的に5回希釈した。アッセイプレートへの添加のオーダーおよび容量は、以下のようであった:25μLの放射性リガンド、25μLの希釈試験化合物および50μLの膜。アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートした。結合反応を、1%BSAで前処置したGF/Bガラス繊維濾過プレート(PerkinElmer Inc.、Wellesley、MA)上に急速濾過することにより停止した。濾過プレートを洗浄緩衝液(10mM HEPES)で3回洗浄し、非結合性の放射性リガンドを除去した。次いでこのプレートを風乾し、50μLのMicroscint−20液体シンチレーション溶液(PerkinElmer Inc.、Wellesley、MA)を各ウェルに加えた。次いでプレートをPerkinElmer Topcount液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer Inc.、Wellesley、MA)で計測した。結合データを、ワンサイト競合モデルを使用するGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。試験化合物のK値を、Cheng−Prusoff式(Cheng Y;Prusoff WH.(1973)Biochemical Pharmacology、22(23):3099−108)を用いて、観察される放射性リガンドのIC50値およびK値から計算した。K値をpK値に変換し、相乗平均および95%信頼区間を決定した。次いでこれらの要約統計量を、データの報告のためにK値に変換し直した。
本アッセイにおいて、低いK値は、試験化合物が試験されるレセプターに関して高い結合親和性を有すること示す。本アッセイにおいて試験される本発明の例証的な化合物は、代表的に、Mムスカリン性レセプターに関して約300nM未満のK値を有することが見出された。例えば、実施例1および実施例2の化合物は、Mムスカリン性レセプターに関して10nM未満のK値を有することが見出され:そして実施例3の化合物は、Mムスカリン性レセプターに関して150nM未満のK値を有することが見出された。
(アッセイの試験手順C)
(ヒトβ、ヒトβまたはヒトβアドレナリン作用性レセプターを異種発現する細胞株における全細胞のcAMPフラッシュプレートアッセイ)
cAMPアッセイを、製造者の指示に従って、[125I]−cAMPを用いるFlashplate Adenylyl Cyclase Activation Assay System(NEN SMP004、PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA)を使用して、ラジオイムノアッセイフォーマットにおいて行った。βレセプターアゴニストの効力(EC50)を決定するために、クローン化ヒトβ、βまたはβアドレナリン作用性レセプターを安定に発現するCHO−K1細胞株を、10%FBSおよびGeneticin(250μg/mL)を添加したHAM’s F−12培地中でコンフルエンシー近くまで培養した。細胞をPBSでリンスし、そして2mM EDTAまたはトリプシン−EDTA溶液(0.05%トリプシン/0.53mM EDTA)を含むdPBS(CaClおよびMgClを含まない、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水)で剥離した。細胞をCoulter細胞カウンターで計測後、細胞を1,000rpmで遠心分離することによりペレットにし、そしてあらかじめ室温まで温めたIBMX(PerkinElmer Kit)を含む刺激緩衝液中に1.6×10から2.8×10細胞/mLの濃度に再懸濁した。1ウェルあたり約60,000〜80,000の細胞を本アッセイに用いた。試験化合物(DMSO中10mM)を、Beckman Biomek−2000において、0.1%BSAを含むPBS中に希釈し、そして100μM〜1pMの範囲の11の異なる濃度で試験した。反応は、37℃で10分間、インキュベートし、[125I]−cAMP(NEN SMP004、PerkinElmer Life Sciences、Boston、MA)を含む100μLの冷やした検出緩衝液を加えることにより停止した。生成されるcAMP量(pmol/ウェル)を製造者のユーザーマニュアルに記載されるように、サンプルおよびcAMPの標準品について観察されたカウントをベースに計算した。データを、シグモイド式を用いるGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。Cheng−Prusoff式(Cheng YおよびPrusoff WH.、Biochemical Pharmacology、1973、22、23、3099−108)をEC50値を計算するために用いた。
本アッセイにおいて、低いEC50値は、試験化合物が、試験したレセプターで高い機能活性を有することを示す。本アッセイにおいて試験した本発明の例証的な化合物は、代表的にβアドレナリン作用性レセプターに関して、約300nM未満のEC50値を有することが見出された。例えば、実施例1、2および3の化合物は、βアドレナリン作用性レセプターに関して10nM未満のEC50値を有することが見出された。
所望されるならば、試験化合物に関してレセプターサブタイプ選択性を、EC50(β)/EC50(β)またはEC50(β)/EC50(β)の比として計算し得る。代表的に、本発明の化合物は、βまたはβアドレナリン作用性レセプターに比べ、βアドレナリン作用性レセプターで、より高い機能活性を証明した(すなわち、EC50(β)またはEC50(β)が代表的にEC50(β)より大きい)。一般的に、βまたはβアドレナリン作用性レセプターよりβアドレナリン作用性レセプターに対して選択性を有する化合物が好まれ;特に約5より大きい選択性を有する化合物;および特に約10より大きい化合物が好まれる。例として,実施例1、2および3の化合物は、10より大きいEC50(β)/EC50(β)の比を有した。
(アッセイの試験手順D)
(ムスカリン性レセプターサブタイプに関するアンタゴニズムの機能的アッセイ)
A.cAMP蓄積のアゴニスト媒介性阻害の遮断
本アッセイにおいて、試験化合物の機能的効力は、hMレセプターを発現しているCHO−K1細胞において、フォルスコリン媒介性のcAMP蓄積のオキソトレモリン阻害を遮断する試験化合物の能力を測定することにより決定される。cAMPアッセイを、製造者の指示に従って、125I−cAMPを用いるFlashplate Adenylyl Cyclase Activation Assay System(NEN SMP004、PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA)を使用して、ラジオイムノアッセイフォーマットにおいて行った。細胞をdPBSで一回リンスし、そして上記の細胞培養および膜調製のセクションに記載されるようにトリプシン−EDTA溶液(0.05%トリプシン/0.53mM EDTA)を用いて持ち上げた。剥離した細胞を2回、50mL dPBS中において650×gで5分間遠心分離することにより洗浄する。次いでこの細胞ペレットを10mL dPBSに再懸濁し、そして細胞をCoulter Z1 Dual Particle Counter(Beckman Coulter、Fullerton、CA)を用いて計測する。この細胞を650×gで5分間、再度遠心分離し、刺激緩衝液中に、1.6×10〜2.8×10細胞/mLのアッセイ濃度になるよう再懸濁する。
本試験化合物は、最初に希釈緩衝液(1mg/mL BSA(0.1%)を添加したdPBS)中、400μMの濃度に溶解し、次いで100μM〜0.1nMの範囲の最終モル濃度になるように、希釈緩衝液を用いて連続的に希釈する。オキソトレモリンを同様の方法で希釈する。
アデニルシクラーゼ(AC)のオキソトレモリン阻害を測定するために、25μLのフォルスコリン(dPBS中に希釈された最終濃度25μM)、25μLの希釈したオキソトレモリンおよび50μLの細胞を、アゴニストアッセイウェルに加える。オキソトレモリンにより阻害されるAC活性を遮断する化合物の能力を測定するために、25μLフォルスコリンおよびオキソトレモリン(それぞれdPBS中に25μMおよび5μMの最終濃度で希釈される)、25μLの希釈した試験化合物および50μLの細胞を残りのアッセイウェルに添加する。
反応物を、37℃で10分間インキュベートし、そして100μLの氷冷した検出緩衝液を加えることにより停止する。プレートを密封し、室温で一晩インキュベートし、次の日の朝、PerkinElmer TopCount液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer Inc.、Wellesley、MA)において計測する。生成されるcAMPの量を(pmol/ウェル)を、製造者のユーザーマニュアルに記載されるようにサンプルおよびcAMPの標準品について観察されたカウントをベースに計算した。データを、非線形回帰、ワンサイト競合式を使用するGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。Cheng−Prusoff式を、オキソトレモリンの濃度反応曲線のEC50およびオキソトレモリンアッセイ濃度をそれぞれKおよび[L]として使用し、Kを計算するために用いる。
本アッセイにおいて、低いKは、試験化合物が、試験されるレセプターに関して高い機能活性を有することを示す。本アッセイにおいて試験される場合、本発明の化合物は、hMレセプターを発現しているCHO−K1細胞において、フォルスコリン媒介性のcAMP蓄積のオキソトレモリン阻害を遮断するために約300nM未満のK値を有することが期待される。
B.アゴニスト媒介性の[35S]GTPgS結合の遮断
第2の機能アッセイにおいて、試験化合物の機能効力は、hMレセプターを発現しているCHO−K1細胞において、オキソトレモリン刺激の[35S]GTPgS結合を遮断する化合物の能力を測定することにより決定され得る。
使用するときに、凍結した膜を解凍し、次いで1ウェルあたり5〜10μgタンパク質の最終標的組織濃度で、アッセイ緩衝液中に希釈した。膜を簡単にPolytron PT−2100組織破壊機を用いてホモジナイズし、次いでアッセイプレートに加えた。
アゴニストのオキソトレモリンによる[35S]GTPgS結合刺激に関するEC90値(90%最大反応の有効濃度)を各実験において決定する。
オキソトレモリン刺激による[35S]GTPgS結合を阻害する試験化合物の能力を決定するために、以下のものを96ウェルプレートの各ウェルに加える:[35S]GTPgS(0.4nM)を含む25μLのアッセイ緩衝液、25μLのオキソトレモリン(EC90)およびGDP(3μM)、25μLの希釈した試験化合物およびhMレセプターを発現している25μLのCHO細胞膜。次いでこのアッセイプレートを37℃で60分間インキュベートする。このアッセイプレートをPerkinElmer96ウェルハーベスターを使用して、1%BASで前処置したGF/Bフィルター上に濾過する。このプレートを氷冷した洗浄緩衝液で3×3秒リンスし、次いで風乾または真空乾燥する。Microscint−20シンチレーション溶液(50μL)を各ウェルに加え、そして各プレートを密封し、放射活性をTopcounter(PerkinElmer)において計測する。データを、非線形回帰、ワンサイト競合式を使用するGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。Cheng−Prusoff式を、試験化合物に関する濃度反応曲線のIC50および本アッセイにおけるオキソトレモリン濃度をそれぞれKおよび[L](リガンド濃度)として使用し、Kを計算するために用いる。
本アッセイにおいて、低いK値は、試験されるレセプターに関して試験化合物が、高い機能活性を有することを示す。本アッセイにおいて試験される場合、本発明の化合物は、
hMレセプターを発現しているCHO−K1細胞においてオキソトレモリン刺激による[35S]GTPgS結合を遮断するために約300nM未満のK値を有することが期待される。
C.FLIPRアッセイによるアゴニスト媒介性のカルシウム放出の遮断
タンパクに共役するムスカリン性レセプターサブタイプ(M、MおよびMレセプター)は、アゴニストのレセプターへの結合によりホスホリパーゼC(PLC)経路を活性化する。結果として、活性化されたPLCは、ホスファチルイノシトール二リン酸(PIP)をジアシルグリセロール(DAG)およびホスファチジル−1,4,5−三リン酸(IP)に加水分解し、次々に細胞内ストア(すなわち小胞体および筋小胞体)からのカルシウム放出を生じる。FLIPR(Molecular devices、Sunnyvale、CA)アッセイは、遊離カルシウムが結合した場合、蛍光を発するカルシウム感受性の色素(Fluo−4AM、Molecular Probes、Eugene、OR)を使用することにより細胞内カルシウムの増加を捕らえる。この蛍光を発する現象を、FLIPRによりリアルタイムで測定し、ヒトMレセプターおよびヒトMレセプター、ならびにチンパンジーのMレセプターを有するクローン化された細胞の単層からの蛍光の変化を検出する。アンタゴニストの効力を、細胞内カルシウムにおけるアゴニスト媒介性の増加を阻害するアンタゴニストの能力により決定し得る。
FLIPRカルシウム刺激アッセイに関して、hM、hMおよびcMレセプターを安定に発現しているCHO細胞を、アッセイを行う前の夜、96ウェルのFLIPRプレートに播種する。播種した細胞を、FLIPR緩衝液(10mM HEPES、pH7.4、カルシウムおよびマグネシウムを除いたハンクの緩衝化塩溶液(HBSS)中、2mM塩化カルシウム、2.5mMプロベネシド)を用いてCellwash(MTX Labsystems、Inc.)により2回洗浄し、増殖培地を除去し50μL/ウェルのFLIPR緩衝液を残す。次いでこの細胞を、50μL/ウェルの4μM FLUO−4AM(2倍溶液を作った)を用いて37℃、5%二酸化炭素で40分間インキュベートする。色素のインキュベーション期間の後に、細胞をFLIPR緩衝液で2回洗浄し、最終容量50μL/ウェルにした。
アンタゴニストの効力を決定するために、オキソトレモリンの用量依存的な細胞内Ca2+放出の刺激を第一に決定し、そして後でアンタゴニスト効力をEC90濃度でのオキソトレモリン刺激に対して測定され得る。最初に細胞を化合物希釈緩衝液とともに20分間インキュベートし、続いてアゴニストを添加し、これはFLIPRにより行う。オキソトレモリンのEC90値を、式EC=((F/100−F)^1/H)EC50に関連して、以下のFLIPR測定およびデータ整理セクションにおいて詳しく述べられる方法に従って算出する。3×ECのオキソトレモリン濃度を刺激プレートにおいて調製し、アンタゴニスト阻害アッセイプレートにおいてオキソトレモリンのEC90濃度を各ウェルに加えた。
FLIPRのパラメーターは:0.4秒の曝露期間、0.5ワットのレーザー強度、488nmの励起波長および550nmの放射波長である。アゴニストを添加する前、ベースラインを、10秒間の発光の変化を測定することにより決定する。アゴニスト刺激の後、FLIPRは、継続的に0.5〜1秒毎に1.5分間発光の変化を測定し、最大発光変化を捕らえる。
発光のこの変化を、各ウェルについて最大発光−ベースラインの発光として表す。生データを、シグモイド用量反応に組み込んだモデルを使用するGraphPad Prism(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰により薬物濃度の対数に対して解析する。アンタゴニストのK値を、Cheng−Prusoff式(Cheng&Prusoff、1973)に従って、KとしてオキソトレモリンのEC50値およびリガンド濃度としてオキソトレモリンEC90を使用してPrismにより決定する。
本アッセイにおいて、低いK値は、試験したレセプターに関して、試験化合物がより高い機能活性を有することを示している。本アッセイにおいて試験される場合、本発明の化合物は、hM、hMおよびhMレセプターを安定に発現しているCHO細胞において、アゴニスト媒介性のカルシウム放出に関して約300nM未満のK値を有することが期待される。
(アッセイ試験手順E)
ヒトβアドレナリン作用性レセプターを内因的に発現している肺上皮細胞株を用いる全細胞cAMPフラッシュプレートアッセイ
内因性レベルのβアドレナリン作用性レセプターを発現している細胞株におけるアゴニストの効力および効果(内因性の活性)を決定するために、ヒト肺上皮細胞株(BEAS−2B)を用いた(ATCC CRL−9609、American Type Culture Collection、Manassas、VA)(January Bら、British Journal of Pharmacology、1998、123、4、701−11)。細胞を、75〜90%まで、完全な血清を含まない培地(エピネフリンおよびレチノイン酸を含有するLHC−9 MEDIUM、カタログ番号181−500、Biosource International、Camarillo、CA)中で培養した。アッセイの前日、培地をLHC−8(エピネフリンおよびレチノイン酸を含まない、カタログ番号141−500、Biosource International、Camarillo、CA)に交換した。cAMPアッセイを、製造者の指示に従って、[125I]−cAMPを用いるFlashplate Adenylyl Cyclase Activation Assay System(NEN SMP004、PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA)を使用して、ラジオイムノアッセイフォーマットにおいて実施した。アッセイの日、細胞をPBSでリンスし、PBS中5mMのEDTAを用いてかきとることにより持ち上げた。細胞を1,000rpmで遠心分離することによりペレットとし、あらかじめ37℃に温めた刺激緩衝液中に600,000細胞/mLの最終濃度で再懸濁した。細胞を本アッセイにおいて100,000〜120,000細胞/ウェルの最終濃度で用いた。試験化合物を、Beckman Biomek−2000において、アッセイ緩衝液中(25℃で75mM Tris/HCl pH7.4、12.5mM MgCl、1mM EDTA、0.2%BSA)に連続的に希釈した。試験化合物をアッセイにおいて10μM〜10pMの範囲の11の異なる濃度で試験した。反応物を37℃で10分間インキュベートし、100μLの氷冷した検出緩衝液を添加することにより停止した。プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートし、次の日の朝、Topcount液体シンチレーションカウンター(Packard BioScience Co.、Meriden、CT)において計測した。反応物1mLあたり生成されるcAMPの量を、製造者のユーザーマニュアルに記載されるようにサンプルおよびcAMPの標準品について観察されたカウントをベースに計算した。データを、シグモイド用量反応に関する4パラメーターモデルを使用するGraphPad Prism Softwareパッケージ(GraphPad Software、Inc.、San Diego、CA)を用いて非線形回帰分析により解析した。
本アッセイにおいて、低いEC50値は、試験されるレセプターに関して試験化合物が、高い機能活性を有することを示している。本アッセイにおいて試験される本発明の例証的な化合物は、代表的にβアドレナリン作用性レセプターに関して約300nM未満のEC50値を有することが見い出された。例えば、実施例1、2および3の化合物は、20nMより小さいEC50値を有することが見出された。
所望される場合、試験化合物の効力(%Eff)を、観察されたEmax(近似曲線のトップ)とイソプロテレノールの用量反応曲線から得られる最大反応の比から計算する。本アッセイにおいて試験された本発明の例証的な化合物は、代表的に約40より大きい%Effを証明した。
(アッセイ試験手順F)
(アセチルコリン誘導性の気管支収縮またはヒスタミン誘導性の気管支収縮のモルモットモデルにおける気管支保護の持続)
これらのインビボアッセイは、ムスカリン性レセプターアンタゴニスト活性およびβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト活性両方を示す試験化合物の気管支保護効果を評価するために用いられる。アセチルコリン誘導性の気管支収縮モデルにおけるムスカリンアンタゴニスト活性を単離するため、アセチルコリンの投与前、動物にβレセプターを活性を遮断する化合物であるプロパノロールを投与する。
体重が250gと350gの間の6匹の雄性モルモット(Duncan−Hartley(HsdPoc:DH)Harlan、Madison、WI)群を個々のケージカードにより同定する。研究を通して、動物に食餌および水を自由に与える。
試験化合物を全身曝露の投薬チャンバー(R&S Molds、San Carlos、CA)に、10分にわたり吸入を介して投与する。投薬チャンバーを、エアロゾールが同時に中央のマニホールドから6つの個々のチャンバーに送達されるように手を加える。モルモットを試験化合物またはビヒクル(WFI)のエアロゾールに曝露する。これらのエアロゾールを、22psiの圧力で混合ガス(CO=5%、O=21%およびN=74%)により押しだされるLC Star Nebulizer Set(Model 22F51、PARI Respiratory Equipment,Inc.Midlothian、VA)を用いて、水溶性溶液から生成する。作動時にネブライザーを通して流れるガスは、おおよそ3L/分である。この生じたエアロゾールを正の圧力によりチャンバー中に押し出す。希釈拡散を、エアロゾール化した溶液の送達中用いない。10分間噴霧をする間、おおよそ1.8mLの溶液が噴霧される。この値を、充填されたネブライザーの重量の噴霧前後を比較することにより、重量的に測定する。
吸入を介して投与される試験化合物の気管支保護効果を、投薬後1.5、24、48および72時間で全身プレチスモグラフィーを使用して評価する。
肺の評価を始める45分前に、各モルモットをケタミン(43.75mg/kg)、キサラジン(3.50mg/kg)およびアセプロマジン(1.05mg/kg)を用いて筋肉内注射により麻酔する。外科部位を剃毛し、70%アルコールできれいにした後、首の腹側を2〜3cm、正中線切開を行う。次いで頚静脈を単離し、整理食塩水を充填したポリエチレンカテーテル(PE−50、Becton Dickinson、Sparks、MD)を用いてカニュレーションし、生理食塩水中のアセチルコリン(Ach)またはヒスタミンの静脈内注入を行う。次いでこの気道を自由に切り刻み、14Gテフロン(登録商標)チューブ(#NE−014、Small Parts、Miami Lakes、FL)を用いてカニュレーションする。必要ならば、前述の麻酔混合物を追加的に筋肉内注射することにより麻酔を維持する。麻酔の深さをモニターし、そして動物が足をつまむことに反応するか、または呼吸数が100ブレス/分より大きいかで評価する。
一度カニュレーションが完成すると、動物をプレチスモグラフ(#PLY3114、Buxco Electronics、Inc.、Sharon、CT)に置き、そして食道性圧力カニューレ(esophageal pressurecannula)(PE−160、Becton Dickinson、Sparks、MD)を挿入し、肺の推進圧(圧力)を測定する。このテフロン(登録商標)気道チューブをプレチスモグラフの開口部に取り付け、モルモットにチャバーの外側から部屋の空気を呼吸させる。次いでチャンバーを密封する。ヒーティングランプを体温を維持するために用い、モルモットの肺を10mLのキャリブレーションシリンジ(#5520Series、Hans Rudolph、Kansas City、MO)を用いて4mLの空気で3回膨張させ、下気道がつぶれていないことおよび動物が過換気に苦しんでいないことを確かめる。
一度、ベースラインの値がコンプライアンスに関して0.3〜0.9mL/cm HOの範囲内であり、抵抗に関して1秒あたり0.1〜0.199cm HO/mLの範囲内であることが決められると、肺の評価が開始される。Buxco肺測定コンピュータープログラムは、肺の値の収集および誘導を可能にした。
このプログラムを開始すると、この実験プロトコールおよびデータの回収が始まる。各呼吸を伴うプレチスモグラフ内で起こる長期にわたる容量の変化を、Buxco圧トランスデューサーを介して測定する。長期にわたりこのシグナルを統合することにより、流量の測定を各呼吸について計算する。このシグナルを肺の推進圧の変化と一緒に、Buxco(MAX 2270)前置増幅器を介してデータ回収インターフェース(#’sSFT3400およびSFT3813)に接続されたSensym圧トランスデューサー(#TRD4100)を使用して回収する。全ての他の肺のパラメーターをこれら2つのインプットから導く。
ベースラインの値を5分間回収し、その後Achまたはヒスタミンでモルモットをチャレンジする。ムスカリンアンタゴニストの効果を評価す場合、プロパノロール(5mg/Kg、iv)(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)をAchでチャレンジする前に15分投与する。Ach(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)(0.1mg/mL)をシリンジポンプ(sp210iw、World Precision Instruments,Inc、Sarasota、FL)から1分間、以下の用量および実験開始から指示された時間、静脈内に注入する:5分で1.9μg/分、10分で3.8μg/分、15分で7.5μg/分、20分で15.0μg/分、25分で30μg/分および30分で60μg/分。あるいは、試験化合物の気道保護は、前処置なしでβブロッカー化合物を用いる、アセチルコリンチャレンジモデルにおいて評価される。
試験化合物のβアドレナリン作用性レセプターアゴニスト効果を評価する場合、ヒスタミン(25μg/mL)(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)が、1分間、以下の用量および記載される実験開始からの時間にシリンジポンプから静脈内に注入される:5分で0.5μg/分、10分で0.9μg/分、15分で1.9μg/分、20分で3.8μg/分、25分で7.5μg/分および30分で15μg/分。抵抗またはコンプライアンスが、Achまたはヒスタミンの各投薬後3分で戻らない場合、モルモットの肺を10mLのキャリブレーションシリンジから4mLの空気で3回膨張させる。記録される肺のパラメーターは呼吸頻度(呼吸数/分)、コンプライアンス(mL/cmHO)および肺抵抗(1秒あたりのcmHO/mL)が挙げられる。一度肺の機能測定が、このプロトコールの35分で完結されると、モルモットはプレチスモグラフから外され、そして二酸化炭素窒息により安楽死される。
このデータを2つの方法のうち1つにおいて評価する:
(a)肺抵抗(R、1秒あたりのcmHO/mL)を「流量の変化」に対する「圧力の変化」の比から計算する。Achに対するR応答(60μg/分、IH)は、ビヒクルおよび試験化合物群に関して計算する。ビヒクル処置をした動物における平均ACh応答を、各前処置時間で計算し、そして一致する前処置時間、各試験化合物用量でACh応答の%阻害を計算するために用いる。「R」に関して用量反応阻害曲線を、Windows(登録商標)のためのGraphPad Prism、バージョン3.00(GraphPad Software、San Diego、California)を使用する4パラメーターの論理式を用いてあてはめ、気道保護ID50(ACh(60μg/分)50%気道収縮反応を阻害するのに必要とされる用量)を予測する。用いられる式は以下:
Figure 2008510015
であり、ここでXは用量の対数であり、Yは反応(RにおけるACh誘導性の増加の%阻害)である。Yは、Minで始まり、シグモイド型をもつMaxに漸近的に近づく。
(b)ベースラインの2倍の肺抵抗値を引き起こすのに必要とされるAChまたはヒスタミンの量として定義されるPDは、以下の式(American Thoracic Society.Guidelines for methacholine and exercise challenge testing−1999.Am J Respir Crit Care Med.2000;161:309−329に記載されるPC20値を計算するために用いられる式から誘導された):
Figure 2008510015
を用いてAchチャレンジまたはヒスタミンチャレンジの範囲を越える流量および圧力から誘導される肺抵抗値を用いて計算され、ここで:
=Cに先行するAchまたはヒスタミンの濃度
=肺抵抗(R)において少なくとも2倍の増加を生じるAchまたはヒスタミンの濃度
=ベースラインR
=C後のR
=C後R
である。このデータの統計学的解析は両側のスチューデントt−検定を用いて行われる。P値<0.05を有意であると考える。
本発明の例証的な化合物は、MCh誘導性の気管支収縮およびHis誘導性の気管支収縮に対して用量依存的な気管支保護作用を生じることが期待される。本アッセイにおいてACh誘導性の気管支収縮に関して約300μg/mL未満の効力(投薬後1.5時間でのID50)およびHis誘導性の気管支収縮に関して約300μg/mL未満の効力(投薬後1.5時間でのID50)を有する試験化合物が、一般的に好まれる。さらに、本アッセイにおいて少なくとも約24時間の気管支保護活性の持続(PD T1/2)を有する試験化合物が、一般的に好まれる。
(アッセイ試験手順G)
(モルモットにおける呼吸気変化を測定するためのアイントホーフェンモデル)
試験化合物の気管支拡張活性を、麻酔したモルモットモデル(アイントホーフェンモデル)において評価し、気道抵抗の代替的測定値として換気圧を用いる。例えば、Einthoven(1892)Pfugers Arch.51:367−445;およびMohammedら、(2000)Pulm Pharmacol Ther.13(6):287−92を参照とする。本モデルにおいて、ムスカリンアンタゴニスト活性およびβアゴニスト活性を、メタコリン(MCh)およびヒスタミン(His)誘導性の気管支収縮に対する保護効果を測定することにより評価する。
本アッセイを、300gと400gの間の体重のDuncan−Hartleyモルモット(Harlan、Indianapolis、IN)を使用して行う。
試験化合物またはビヒクル(すなわち、滅菌水)を、5mLの投薬溶液を使用して全身曝露投薬チャンバー(R+S Molds、San Carlos、CA)において10分間にわたり吸入(IH)により投薬する。動物をエアロゾールに曝露し、このエアロゾールはガスの混合物であるBioblend(5%CO;21%O;および74%N)により22psiの圧力で推進されるLC Star Nebulizer Setから生成される(Model 22F51, PARI Respiratory Equipment,Inc.Midlothian,VA)。肺機能を吸入投薬後、種々の時間点で評価する。
肺機能評価を始める45分前に、モルモットをケタミン混合物(13.7mg/kg/キシラジン(3.5mg/kg)/アセプロマジンacepromazine (1.05mg/kg)の筋肉内(IM)注射を用いて麻酔する。この混合物の補充投薬(最初の用量の50%)を必要な場合投与する。頚静脈および頚動脈を分離し、そして生理食塩水を満たしたポリエチレンカテーテル(micro−renathaneおよびPE−50それぞれBeckton Dickinson,Sparks,MD)でカニュレーションする。頚動脈を、血圧を測定するために圧トランスデューサーに連結し、頚静脈のカニューレをMChまたはHisのいずれかのIV注射のために用いる。それから気管を自由に切り、14G針(#NE−014,Small Parts,Miami Lakes,FL)を用いてカニュレーションする。一度カニュレーションが完了すると、モルモットを、一回拍出量が2.5mLを越えないように1mL/体重100gであり、1分あたり100拍出の速度にセットしたレスピレーター(Model 683,Harvard Apparatus,Inc.,MA)を用いて換気した。換気圧(VP)を、Biopac(TSD 137C)前置増幅器に結合したBiopacトランスデューサーを用いて気管カニューレにおいて測定する。体温を加温パッドを用いて37℃に維持する。最初のデータを回収する前にペントバルビタール(25mg/kg)を腹腔内(IP)投与し自発呼吸を抑制し、そして安定したベースラインを得る。VPの変化をBiopac Windows(登録商標)データ回収インターフェースにおいて記録する。ベースラインの値を、少なくとも5分間回収し、その後モルモットを、気道収縮薬(MChまたはHis)の2倍の付加用量を用いて、非累積的にIVでチャレンジする。MChを気道収縮薬として用いる場合、試験化合物の抗ムスカリン作用を切り離すために、動物を、プロプラノロール(5mg/kg、IV)を用いて前処置する。VPの変化をAcknowledge Data Collection Software(Santa Barbara,CA)を用いて記録する。研究の完了後、動物を安楽死させる。
VPの変化を水のcmにおいて測定する。VPの変化(cm HO)=最大圧力(気道収縮チャレンジ後)−最大ベースライン圧力。MChまたはHisの用量反応曲線を、Windows(登録商標)のためのGraphPad Prism、バージョン3.00(GraphPad Software,San Diego,California)を使用する4パラメーターの論理式にあてはめる。用いられる式は下記のとおりであり:
Figure 2008510015
ここでXは用量の対数であり、Yは反応(唾液分泌の%阻害)である。YはMinで始まり、シグモイド形をもって漸近的に近づく。
MChまたはHisの最大反応に達しない(submaximal)用量に対する気道収縮のパーセント阻害を、以下の式を用いて試験化合物の各用量で計算した:反応の%阻害=100−((ピーク圧力(気管支収縮チャレンジ後、処置した)−ピークベースライン圧力(処置した)*100%/(ピーク圧力(気管支収縮チャレンジ後、水)−ピークベースライン圧力(水))。阻害曲線を、GraphPadソフトウェアから4パラメーター論理式を用いてあてはめる。ID50(気管支収縮反応の50%阻害を生じるのに必要とされる用量)およびEmax(最大阻害)もまた、適切な場合には評価する。
試験化合物の吸入後の異なる時間点での気管支保護の大きさを薬力学的半減期(PD T1/2)を評価するために用いる。PD T1/2を、1相の指数関数減衰式(exponential decay equation)(GraphPad Prism、バージョン 4.00):Y=Span*exp(−K*X)+Plateauを用いる非線形の回帰フィットを用いて決定し;Span+Plateauで始まり、そして速度定数Kを有するPlateauに減衰する。PD T1/2=0.69/K。Plateauは0に制約される。
本発明の例証的な化合物は、MCh誘導性の気管支収縮およびHis誘導性の気管支収縮に対して用量依存的な気管支保護作用を生じることが期待される。一般的に、本試験において、投薬後1.5時間で、Mch誘導性の気管支収縮に関して約300μg/mLより小さいID50およびHis誘導性の気管支収縮に関して約300μg/mLより小さいID50おを有する試験化合物がこ好まれる。さらに、本アッセイにおいて少なくと24時間での気管支保護活性の持続(PD T1/2)を有する化合物が、一般的に好まれる。
(アッセイ試験手順H)
(吸入モルモット唾液分泌アッセイ)
体重200〜350gのモルモット(Charles River,Wilmington,MA)を到着後少なくとも3日、自社のモルモットコロニーに順応させる。試験化合物またはビヒクルを、パイの形をした投薬チャンバー(R+S Molds,San Carlos,CA)において、10分間、吸入(IH)を介して投薬する。試験溶液を滅菌水に溶解し、5.0mLの投薬溶液を充填したネブライザーを用いて送達する。モルモットを30分間吸入チャンバーに拘束する。この間、モルモットを約110cmの領域に制限する。この空間は、自由に向きを変え、位置を変え、そして毛づくろいをすることができるため動物に適している。20分の順応の後、モルモットを22psiの圧力で室内の空気により推進されるLS Star Nebulizer Set (Model 22F51,PARI Respiratory Equipment,Inc. Midlothian,VA)から生じるエアロゾールに曝露する。噴霧の完了後、モルモットを処置後1.5、6、12、24、48または72時間で評価する。
試験の1時間前に、ケタミン43.75mg/kg、キサラジン3.5mg/kgおよびアセプロマジン1.05mg/kgの混合物を0.88mL/kgの量で筋肉内(IM)注射によりモルモットを麻酔する。動物を、頭部を下向き方向に、20°の傾きで、加温(37℃)ブランケット上に腹部がくるように配置する。4−プライ(ply)2×2インチのガーゼパッド(Nu−Gauze General−use sponges,Johnson and Johnson,Arlington,TX)を、モルモットの口内に挿入する。5分後、ムスカリンアゴニストのピロカルピン(3.0mg/kg,s.c.)を投与し、ガーゼパッドを直ちに捨て、そしてあらかじめ重さを量った新しいガーゼパッドに入れ変える。唾液を10分間回収し、その時点でガーゼパッドを量り、その重量の差を記録し、唾液の蓄積量(mgとして)を決定する。ビヒクルおよび各用量の試験化合物を与えられた動物について回収した平均唾液量を計算する。ビヒクル群の平均を100%唾液分泌とみなす。結果を、結果の平均(n=3以上)を用いて計算する。信頼区間(95%)を各用量、各時点で二元配置ANOVAを用いて計算する。このモデルは、Rechter「Estimation of anticholinergic drug effects in mice by antagonism against pilocarpine−induced salivation」Ata Pharmacol Toxicol,1996,24:243−254に記載される手順の改変したバージョンである。
各前処置時間でビヒクル処置した動物における平均唾液重量を計算し、各用量で対応する前処置時間での%唾液分泌阻害を計算するために用いる。阻害用量反応データを、Windows(登録商標)のためのGraphPad Prism、バージョン3.00(GraphPad Software,San Diego,California)を使用して4パラメーターの論理式にあてはめ、唾液分泌抑制薬のID50(ピロカルピンに惹起される唾液分泌を50%抑制するのに必要とされる用量)を評価する。用いられる式は下記のとおりであり:
Figure 2008510015
ここでXは用量の対数であり、Yは反応(唾液分泌の%阻害)である。YはMinで始まり、シグモイド形をもってMaxに漸近的に近づく。
気管支保護のID50に対する唾液分泌抑制薬のID50の比を、試験化合物の見かけの肺選択性の指標を計算するために用いる。一般的に、約5より大きい見かけの肺選択性の指標を有する化合物が好ましい。
本発明は、特異的な局面、またはその実施形態に関連して記載されてきたが、当該分野における従来の技術により理解され、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなしに種々の変更がなされるか、あるいは等価なものに置き換えられ得る。さらに、適用可能な特許法および特許規則により許容される範囲で、本明細書に引用されるすべての公報、特許および特許出願が、あたかも各文書が個々に参照として本明細書に援用されているのと同程度まで、その全体が参考として本明細書に援用される。

Claims (46)

  1. 式I:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であって、ここで、
    Wは、OまたはNWであり;Wは、水素または(1〜4C)アルキルであり;
    は、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む(2〜9C)ヘテロアリール、または(3〜7C)シクロアルキルであり;該ヘテロアリール基またはシクロアルキル基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリール、(3〜5C)複素環式、シアノ、ハロ、−OR1a、−C(O)OR1b、−SR1c、−S(O)R1d、−S(O)1e、−NR1f1g、−C(O)R1h、−NR1iC(O)OR1j、−OC(O)NR1k1l、−NR1mC(O)R1n、−C(O)NR1o1pおよび−NHS(O)1qから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1l、R1m、R1n、R1o、R1pおよびR1qの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして各(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリールおよび(3〜5C)複素環式基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、ハロおよび−OR1aから選択される1〜3個の置換基で置換され;そしてRに存在する各アルキル基は非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
    各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR2a、−C(O)OR2b、−SR2c、−S(O)R2d、−S(O)2eおよび−NR2f2gから独立して選択され;R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fおよびR2gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そしてRに存在する各アルキル基は非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
    各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR3a、−C(O)OR3b、−SR3c、−S(O)R3d、−S(O)3eおよび−NR3f3gから独立して選択されるか;あるいは2つのR基は、結合して(1〜3C)アルキレン、(2〜3C)アルケニレンまたはオキシラン−2,3−ジイルを形成し;R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3fおよびR3gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
    は、4〜28個の炭素原子を含み、そして必要に応じて、ハロ、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を含む二価の炭化水素基を表し、ただし、Rが結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数は、4〜16の範囲であり;
    は、水素または(1〜4C)アルキルを表し;
    は、−N(R6a)C(O)R6bまたは−CR6c6dOR6eであり、かつRは水素であるか;あるいはRおよびRは一緒に、−N(R7a)C(O)C(R7b)=C(R7c)−、−C(R7d)=C(R7e)C(O)N(R7f)−、−N(R7g)C(O)CR7h7i−CR7j7k−または−CR7l7m−CR7n7oC(O)−N(R7p)−を形成し;R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの各々は、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そしてR7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R7f、R7g、R7h、R7i、R7j、R7k、R7l、R7m、R7n、R7oおよびR7pは、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
    各R8aおよびR8bは、水素、(1〜4C)アルキル、ヒドロキシおよびフルオロから独立して選択されるか;あるいはR8aおよびR8bは、それらが結合する原子と一緒に、(3〜6C)シクロアルキル環、または酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む(2〜5C)複素環式環を形成し;
    aは、0または1〜3の整数であり;
    bは、0または1〜5の整数であり;
    cは、0または1〜4の整数であり;
    mは、0または1〜3の整数である、
    化合物。
  2. が非置換であるか、またはピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリジンN−オキシド、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリンおよびキノキサリン環から選択されるヘテロアリール基で置換され、結合点は、任意の利用可能な炭素環原子または窒素環原子である、請求項1に記載の化合物。
  3. が非置換であるか、またはチエニル基で置換される、請求項2に記載の化合物。
  4. が非置換であるか、またはチアゾール基で置換される、請求項2に記載の化合物。
  5. が非置換であるか、またはピリジルもしくはピリジルN−オキシド基で置換される、請求項2に記載の化合物。
  6. が非置換であるか、またはフリル基で置換される、請求項2に記載の化合物。
  7. WがOである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. bが0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. bが1であり、R8aおよびR8bが水素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  10. mが2である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が−NHCHOまたは−CHOHであり、かつRが水素であるか;またはRおよびRが一緒に、−NHC(O)CH=CH−、−CH=CHC(O)NH−、−CHCHC(O)NH−または−NHC(O)CHCH−を形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. およびRが一緒に、−NHC(O)CH=CH−を形成する、請求項11に記載の化合物。
  13. が結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数が、8〜14の範囲である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. が結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数が、8、9、10または11である、請求項13に記載の化合物。
  15. が、以下の式:
    Figure 2008510015
    の二価の基であり、ここで、
    d、e、f、g、hおよびiは各々、0および1から独立して選択され;
    4a、R4b、R4cおよびR4dは各々、(1〜10C)アルキレン、(2〜10C)アルケニレンおよび(2〜10C)アルキニレンから独立して選択され、各アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は非置換であるか、または(1〜4C)アルキル、フルオロ、ヒドロキシ、フェニルおよびフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されるか;あるいはR4dは、(1〜6C)アルキレン−NHC(O)−(1〜6C)アルキレンを表し;
    およびAは各々、(3〜7C)シクロアルキレン、(6〜10C)アリーレン、−O−(6〜10C)アリーレン、(6〜10C)アリーレン−O−、(2〜9C)ヘテロアリーレン、−O−(2〜9C)ヘテロアリーレン、(2〜9C)ヘテロアリーレン−O−および(3〜6C)ヘテロシクレンから独立して選択され、各シクロアルケンは非置換であるか、または(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され、各アリーレン、ヘテロアリーレンまたはヘテロシクレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
    Qは、結合、−O−、−C(O)O−、−OC(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−N(Q)C(O)−、−C(O)N(Q)−、−N(Q)S(O)−、−S(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)N(Q)−、−N(Q)S(O)N(Q)−、−OC(O)N(Q)−、−N(Q)C(O)O−および−N(Q)から選択され;Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは各々、水素、(1〜6C)アルキル、Aおよび(1〜4C)アルキレン−Aから独立して選択され、該アルキル基は非置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシおよび(1〜4C)アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるか;あるいは窒素原子およびそれらが結合するR4bまたはR4cと一緒に、4〜6員のアザシクロアルキレン基を形成し;そして
    およびAは各々、(3〜6C)シクロアルキル、(6〜10C)アリール、(2〜9C)ヘテロアリールおよび(3〜6C)ヘテロシクリルから独立して選択され、各シクロアルキルは非置換であるか、または(1〜4C)アルキルから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され、各アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキルおよび(1〜4C)アルコキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  16. が式:−(R4a−の二価の基であり、R4aは、(4〜10C)アルキレンである、請求項15に記載の化合物。
  17. が、−(CH−、−(CH−および−(CH10−である、請求項16に記載の化合物。
  18. が、式:
    Figure 2008510015
    の二価の基であり、ここで、R4aは(1〜10C)アルキレンであり;Aは(6〜10C)アリーレンまたは(2〜9C)ヘテロアリーレンであり;そしてR4dは(1〜10C)アルキレンである、請求項15に記載の化合物。
  19. が、式:
    Figure 2008510015
    の二価の基であり、ここで、Qは−O−または−N(Q)−であり;Qは水素または(1〜3C)アルキルであり;R4aは(1〜10C)アルキレンであり;Aは(6〜10C)アリーレンまたは(2〜9C)ヘテロアリーレンであり;そしてR4dは(1〜10C)アルキレンである、請求項15に記載の化合物。
  20. Qが−N(Q)C(O)−または−C(O)N(Q)−である、請求項15に記載の化合物。
  21. が、
    Figure 2008510015
    Figure 2008510015
    Figure 2008510015
    Figure 2008510015
    Figure 2008510015
    および
    Figure 2008510015
    から選択され、ここで、
    zaは2〜10の整数であり;zbは2〜10の整数であり;ただし、za+zbは4〜12の整数であり;
    zcは2〜7の整数であり;zdは1〜6の整数であり;ただし、zc+zdは3〜8の整数であり;該フェン−1,4−イレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
    zeは2〜6の整数であり;zfは1〜5の整数であり;zgは1〜5の整数であり;ただし、ze+zf+zgは4〜8の整数であり;該フェン−1,4−イレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
    zhは2〜10の整数であり;ziは2〜10の整数であり;ただし、zh+ziは4〜12の整数であり;
    zjは2〜7の整数であり;zkは1〜6の整数であり;ただし、zj+zkは3〜8の整数であり;該フェン−1,4−イレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
    zlは2〜6の整数であり;zmは1〜5の整数であり;znは1〜5の整数であり;ただし、zl+zm+znは4〜8の整数であり;該フェン−1,4−イレン基は非置換であるか、またはハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、−S−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−S(O)−(1〜4C)アルキル、−C(O)O(1〜4C)アルキル、カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基で置換される、請求項20に記載の化合物。
  22. が、以下:
    −(CH−;
    −(CH−;
    −(CH−;
    −(CH10−;
    −(CH11−;
    −(CHC(O)NH(CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(CH−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)NH(CH−;
    −(CHNHC(O)NH(CH−;
    −(CHC(O)NHCH(シクロヘクス−1,3−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(シクロペント−1,3−イレン)−;
    −(CHNHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    1−[−(CHC(O)](ピペリジン−4−イル)(CH−;
    −(CHNHC(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(シス−シクロペント−1,3−イレン)−;
    −(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    1−[−(CHNHC(O)](ピペリジン−4−イル)(CH−;
    −CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NHCH(ピリド−2,6−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(シス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(シス−シクロペント−1,3−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)−((S)−異性体);
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)−((R)−異性体);
    2−[(S)−(−CH−](ピロリジン−1−イル)C(O)(CH−;
    2−[(S)−(−CH−](ピロリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(4−クロロフェン−1,3−イレン)CH−;
    −CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(4−メチルフェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(6−クロロフェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−クロロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2,6−ジクロロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)CH−;
    4−[−CH−](ピペリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)N(CHCH)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    1−[−(CHNHC(O)](ピペリジン−4−イル)−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHNHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(3−ニトロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)−;
    1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)−;
    5−[−(CHNHC(O)](ピリド−2−イル)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(チエン−2,5−イレン)(CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −CH(フェン−1,2−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)(CH−;
    1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
    −(CHC(O)NH(3−クロロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−(CFO−)フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHS(O)NH(CH−;
    −CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHC(O)NH(2−ヨードフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−クロロ−5−メトキシフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−クロロ−6−メチルフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)S(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−ブロモフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(フェン−1,2−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    1−[−CH(2−フルオロフェン−1,3−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)(CH−;
    −(CHC(O)NH(2−メトキシフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    4−[−(CH−](ピペリジン−1−イル)(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH(CH)CH−;
    −(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHC(O)NH(2−フルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,3−イレン)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHC(O)NH(2,5−ジフルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    1−[−CH(ピリド−2,6−イレン)CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
    −(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHNH(ナフト−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
    1−[−(CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
    −(CHO(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    2−[−(CH](ベンズイミダゾル−5−イル)CH−;
    −(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
    −(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
    −(CH−(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
    −(CHNHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)(CH(シス−シクロヘクス−1,4−イレン)−;
    −(CHC(O)NH(2,3,5,6−テトラフルオロフェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2,6−ジヨードフェン−1,4−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(CH−;
    −(CHC(O)NHCH(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)NHCH(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(2−メチルフェン−1,4−イレン)CH−;
    1−[−(CHO(フェン−1,4−イレン)(CH](ピペリジン−4−イル)CH−;
    −(CHC(O)NHCH(フェン−1,3−イレン)(CH−;
    −(CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
    −(CHN(CH)C(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
    −(CHO(フェン−1,4−イレン)O(CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,2−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)CHO(フェン−1,4−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(フル−2,5−イレン)CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)NHC(O)(チエン−2,5−イレン)CH−;
    −(CH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)NHC(O)(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −(CHO(フェン−1,3−イレン)CH−;
    −CHCH(OH)CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHNH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)CHNHC(O)CH−;
    −(CHC(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CHNHC(O)CH−;
    −(CHC(O)NHCH(トランス−シクロヘクス−1,4−イレン)CH−;
    −(CHNHC(O)(CH−;
    −(CHO(フェン−1,3−イレン)O(CH−;
    −(CHO(フェン−1,2−イレン)O(CH−;
    −CH(フェン−1,2−イレン)O(フェン−1,2−イレン)CH−;
    −(CHC(O)NH(CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(フラン−2,5−イレン)(CH−;
    −(CHN(CH)C(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    4−[−(CH](ピペリジン−1−イル)C(O)NH(フェン−1,4−イレン)(CH−;
    −(CH(フェン−1,3−イレン)(CH−;
    −(CH(テトラヒドロフラン−2,5−イレン)(CH−;および
    −(CHO(フェン−1,4−イレン)C(O)(CH
    から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 前記化合物が、式II:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体である、請求項1〜10、13〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  24. 前記化合物が、式III:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体である、請求項1〜10、13〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  25. 前記化合物が、式IV:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体である、請求項1〜10、13〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  26. 前記化合物が、式V:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であり、ここで、
    各Rは(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR9a、−C(O)OR9b、−SR9c、−S(O)R9d、−S(O)9eおよび−NR9f9gから独立して選択され;R9a、R9b、R9c、R9d、R9e、R9fおよびR9gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして
    nは0、1、2または3である、請求項1、7〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  27. 前記化合物が、式VI:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であり、ここで、
    各R10は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR10a、−C(O)OR10b、−SR10c、−S(O)R10d、−S(O)10eおよび−NR10f10gから独立して選択され;R10a、R10b、R10c、R10d、R10e、R10fおよびR10gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして
    oは0、1、2または3である、請求項1、7〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  28. 前記化合物が、式VII:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であり、ここで、
    各R11は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR11a、−C(O)OR11b、−SR11c、−S(O)R11d、−S(O)11eおよび−NR11f11gから独立して選択され;R11a、R11b、R11c、R11d、R11e、R11fおよびR11gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして
    pは0、1または2である、請求項1、7〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  29. 前記化合物が、式VIII:
    Figure 2008510015
    の化合物または対応するピリミジンN−オキシド、あるいはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であり、ここで、
    各R12は、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR12a、−C(O)OR12b、−SR12c、−S(O)R12d、−S(O)12eおよび−NR12f12gから独立して選択され、12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12fおよびR12gは、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;そして
    qは0、1または2である、請求項1、7〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  30. 前記化合物が、以下:
    (2−チエン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
    (2,4−ジフルオロ−6−ピリジン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}ベンゾイルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[4−(4−{2−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]エチル}フェニル)ブチル]ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−チエン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(2−クロロ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−5−メトキシフェニルカルバモイル)−エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
    [2−(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルメチルエステル;
    (2−チオフェン−3−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−チアゾル−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
    [2−(4−ブロモチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}−3−メトキシフェニルカルバモイル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル;
    [2−(4−メチルチアゾール−2−イル)フェニル]カルバミン酸1−[2−(4−{[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]メチル}フェニルカルバモイル)エチル]−ピペリジン−4−イルエステル;
    (2−シクロヘキシルフェニル)カルバミン酸1−{9−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ノニル}ピペリジン−4−イルエステル;および
    (2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバミン酸1−[2−(4−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]ブチル}フェニル)エチル]ピペリジン−4−イルエステル
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  31. 薬学的に受容可能なキャリアと、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量とを含む薬学的組成物。
  32. 前記組成物がさらに治療有効量のステロイド性抗炎症薬を含む、請求項31に記載の薬学的組成物。
  33. 前記組成物がさらに治療有効量PDEインヒビターを含む、請求項31に記載の薬学的組成物。
  34. 肺障害を処置するための方法であって、該方法は、処置を必要とする患者に請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
  35. 患者において気管支拡張をもたらす方法であって、該方法は、患者に請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物の気管支拡張をもたらす量を投与する工程を包含する、方法。
  36. 慢性閉塞性肺疾患または喘息を処置する方法であって、該方法は、処置を必要とする患者に請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
  37. ムスカリン性レセプターまたはβアドレナリン作用性レセプターを含む生物学的システムまたは生物学的サンプルを研究する方法であって、該方法は、
    (a)該生物学的システムまたは生物学的サンプルを、ムスカリン性レセプターと拮抗する量またはβアドレナリン作用性レセプターを活性化する量の請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物と接触させる工程;および
    (b)該生物学的システムまたは生物学的サンプルにおいて該化合物によって生じる効果を決定または測定する工程
    を包含する、方法。
  38. 請求項1に記載の化合物を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、
    (a)式1:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその塩を、式2:
    Figure 2008510015
    の化合物と反応させる工程であって、ここで、Xは脱離基を表し、PおよびPは各々独立して、水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
    (b)式3:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその塩を、式4:
    Figure 2008510015
    の化合物と反応させる工程であって、ここで、Xは脱離基を表し、PおよびPは各々独立して、水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
    (c)式5:
    Figure 2008510015
    の化合物を、式6:
    Figure 2008510015
    の化合物とカップリングする工程であって、ここで、XQaおよびXQbは各々独立して、基Qを形成するように結合する官能基を表し、P5aは水素原子またはアミノ保護基を表し;P5bおよびPは各々独立して、水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
    (d)Rが水素原子を表す式Iの化合物について、式3の化合物を、式7:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその水和物(例えば、グリオキサール)と、還元剤の存在下で反応させる工程であって、ここで、Pは水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;
    (e)式1の化合物を、式8:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその水和物と、還元剤の存在下で反応させる工程であって、ここで、PおよびPは各々独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表し、P10は水素原子またはアミノ保護基を表し、R4’は、それが結合する炭素と一緒に該反応の完了の際に基Rをもたらす残基を表す、工程;
    (f)式9:
    Figure 2008510015
    の化合物を、式10:
    Figure 2008510015
    の化合物と反応させる工程であって、ここで、
    は脱離基を表し、
    11およびP12は各々独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表し、P13は水素原子またはアミノ保護基を表す、工程;あるいは
    (g)式11:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその水和物を、式10の化合物と、還元剤の存在下で反応させる工程であって、ここで、R4’は、それが結合する炭素と一緒に該反応の完了の際に基Rをもたらす残基を表す、工程;
    (h)式12:
    Figure 2008510015
    の化合物を、式R−B(OH)の化合物と、カップリング触媒の存在下で反応させる工程であって、ここで、Yはクロロ、ブロモ、ヨードまたはCFSOO−を表し、P14は水素原子またはアミノ保護基を表し;P15およびP16は各々独立して水素原子またはヒドロキシル保護基を表す、工程;そしてその後、
    任意の保護基P、P、P、P、P5a、P5b、P、P、P、P、P10、P11、P12、P13、P14、P15およびP16を除去して、式Iの化合物またはその塩を提供する工程
    を包含する、プロセス。
  39. 前記プロセスがさらに、式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、請求項38に記載のプロセス。
  40. 式12:
    Figure 2008510015
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体であって、ここで、
    は、クロロ、ブロモ、ヨードまたはCFSOO−を表し;
    Wは、OまたはNWを表し;Wは水素または(1〜4C)アルキルであり;
    各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR2a、−C(O)OR2b、−SR2c、−S(O)R2d、−S(O)2eおよび−NR2f2gから独立して選択され;R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2fおよびR2gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;Rの各アルキル基は非置換であるか、または1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
    各Rは、(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルケニル、(2〜4C)アルキニル、(3〜6C)シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR3a、−C(O)OR3b、−SR3c、−S(O)R3d、−S(O)3eおよび−NR3f3gから独立して選択されるか;あるいは2つのR基は、(1〜3C)アルキレン、(2〜3C)アルケニレンまたはオキシラン−2,3−ジイルを形成するように結合し;R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3fおよびR3gの各々は、水素、(1〜4C)アルキルまたはフェニル−(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
    は、4〜28個の炭素原子を含み、そして必要に応じて、ハロ、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を含む二価の炭化水素基を表し、ただし、Rが結合する2つの窒素原子の間で最も短い鎖において連続する原子の数は、4〜16の範囲であり;
    は水素または(1〜4C)アルキルを表し;
    −N(R6a)C(O)R6bまたは−CR6c6dOR6eであり、かつRは水素であるか;あるいはRおよびRは一緒に−N(R7a)C(O)C(R7b)=C(R7c)−、−C(R7d)=C(R7e)C(O)N(R7f)−、−N(R7g)C(O)CR7h7i−CR7j7k−または−CR7l7m−CR7n7oC(O)−N(R7p)−を形成し;R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの各々は、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R7f、R7g、R7h、R7i、R7j、R7k、R7l、R7m、R7n、R7oおよびR7pの各々は、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択され;
    各R8aおよびR8bは、水素および(1〜4C)アルキルから独立して選択されるか、あるいはR8aおよびR8bは、それらが結合する原子と一緒に、(3〜6C)シクロアルキル環、または酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む(2〜5C)複素環式環を形成し;
    14は、水素原子またはアミノ保護基を表し;
    15およびP16は各々独立して、水素原子またはヒドロキシル保護基を表し;
    aは0または1〜3の整数であり;
    bは0または1〜5の整数であり;
    cは0または1〜4の整数であり;
    mは0または1〜3の整数である、
    化合物。
  41. がブロモである、請求項40に記載の化合物。
  42. 治療において使用するためか、または医薬として使用するための、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物。
  43. 肺障害の処置のための医薬としての、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物。
  44. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬。
  45. 医薬の製造のための、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  46. 前記医薬が肺障害の処置のためのものである、請求項45に記載の使用。
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