JP2008308068A - スライドドア用の給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドドアへの補機の取り付けに制約が生じることを防止できるスライドドア用の給電装置を提供する。
【解決手段】スライドドア用の給電装置1は車体3と該車体3にスライド自在に設けられたスライドドア4とに亘って配索されるワイヤハーネス5を備えている。ワイヤハーネス5は渡り部32を備えている。渡り部32は電線束16を収容するコルゲートチューブ22と車体側プロテクタ20とドア側プロテクタ21を備えている。車体側プロテクタ20はコルゲートチューブ22の一端が取り付けられてスライドドア4のスライド方向を案内するレール部8に外接する様に平行に取り付けられている。ドア側プロテクタ21はコルゲートチューブ22の一端が取り付けられてスライドドア4の車体側プロテクタ20と同じ高さとなる位置に取り付けられている。
【選択図】図10
【解決手段】スライドドア用の給電装置1は車体3と該車体3にスライド自在に設けられたスライドドア4とに亘って配索されるワイヤハーネス5を備えている。ワイヤハーネス5は渡り部32を備えている。渡り部32は電線束16を収容するコルゲートチューブ22と車体側プロテクタ20とドア側プロテクタ21を備えている。車体側プロテクタ20はコルゲートチューブ22の一端が取り付けられてスライドドア4のスライド方向を案内するレール部8に外接する様に平行に取り付けられている。ドア側プロテクタ21はコルゲートチューブ22の一端が取り付けられてスライドドア4の車体側プロテクタ20と同じ高さとなる位置に取り付けられている。
【選択図】図10
Description
本発明は、自動車のスライドドアに取り付けられる補機に常時給電を行うためのスライドドア用の給電装置に関するものである。
自動車のスライドドアに取り付けられた補機などに常時給電するために、従来から種々のスライドドア用の給電装置(以下、単に給電装置と呼び、特許文献1参照)が用いられてきた。
前述した特許文献1に示された給電装置は、車体と、該車体にスライド自在に設けられた前述したスライドドアとに亘って配索されたワイヤハーネスと、スライドドアに取り付けられかつ前記ワイヤハーネスの一部を収容する給電用ハーネスプロテクタ(以下、単にプロテクタと記す)とを備えている。
プロテクタは、平面形状が略半円状に形成されてとともに、その一端と下端に前記ワイヤハーネスを通す開口が設けられている。また、下端に設けられた開口は、スライドドアのスライド方向に沿って直線状に延在している。
給電装置は、スライドドアを閉めた状態では、ワイヤハーネスをプロテクタの半円状に湾曲した湾曲面上に沿わせるとともに、スライドドアを開放した状態では、湾曲面から離して、プロテクタの下端に設けられた開口の前記一端に設けられた開口寄りの端部と、前記一端に設けられた開口とに前記ワイヤハーネスを通す。このように、前述した特許文献1に示された給電装置は、プロテクタにワイヤハーネスの一部を出し入れすることで、スライドドアを閉めた際の余長を吸収するとともに、スライドドアを開いた際にも当該スライドドアに取り付けられた補機に給電することを可能としている。
特開2003−335188号公報
しかしながら、前述した特許文献1などに示された従来の給電装置は、スライドドアに取り付けられるプロテクタにワイヤハーネスの一部を出し入れすることで、スライドドアを閉めた際のワイヤハーネスの余長を吸収するとともに、スライドドアを開いた際にもスライドドアに取り付けられた補機に給電可能としている。このように、ワイヤハーネスの余長を吸収するためのプロテクタをスライドドアに取り付けるために、スライドドアへの設置に必要とされるスペースが非常に大きかった。
このため、スライドドアに比較的大型のオーディオ用のスピーカを取り付けることが困難になるなどのスライドドアへの補機の取り付けに制約が生じる傾向であった。
したがって、本発明の目的は、スライドドアへの補機の取り付けに制約が生じることを防止できるスライドドア用の給電装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスライドドア用の給電装置は、車体と、当該車体にスライド自在に設けられて前記車体の出入口を開閉するスライドドアとに亘って配索されたワイヤハーネスを備えたスライドドア用の給電装置において、前記ワイヤハーネスは、一端が前記車体に取り付けられかつ他端が前記スライドドアに取り付けられて、前記車体と前記スライドドアとの間に配索される渡り部を有し、前記渡り部の一端が、前記車体に設けられかつスライドドアのスライド方向を案内するレール部内に配置され、かつ、前記渡り部の他端が、前記スライドドアの前記一端と同じ高さとなる位置に配置されていることを特徴としている。
請求項2に係るスライドドア用の給電装置は、請求項1に記載のスライドドア用の給電装置において、前記渡り部は、少なくとも一本の電線を収容する断面の外形が小判形の筒状体を備え、前記筒状体がその断面の長手方向が鉛直方向と平行な状態に配置されていることを特徴としている。
請求項3に係るスライドドア用の給電装置は、請求項1又は請求項2に記載のスライドドア用の給電装置において、前記車体に取り付けられ、かつ前記渡り部の一端に配置される車体側プロテクタを備え、前記車体側プロテクタは、前記スライドドアのスライド方向に沿って延在し、かつ鉛直方向に互いに間隔をあけて配置されているとともに、前記渡り部を互いの間に位置付ける平行部を一対備えていることを特徴としている。
請求項4に係るスライドドア用の給電装置は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のスライドドア用の給電装置において、前記スライドドアに取り付けられ、かつ前記渡り部の他端に配置されるドア側プロテクタを備え、前記ドア側プロテクタは、前記スライドドアのスライド方向に沿って延在し、かつ鉛直方向に互いに間隔をあけて配置されているとともに、前記渡り部を互いの間に位置付ける第2平行部を一対備えていることを特徴としている。
請求項5に係るスライドドア用の給電装置は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のスライドドア用の給電装置において、前記スライドドアは、前記レール部にスライド自在に支持されたアームを備え、前記スライドドアが前記出入口を開放した際に、前記渡り部が前記アームの下方に位置付けられることを特徴としている。
請求項1に記載のスライドドア用の給電装置によれば、ワイヤハーネスの渡り部の一端がレール部内に配置され、他端がスライドドアの前述した一端と同じ高さとなる位置に配置されているとともに、渡り部がU字状に配置されている。このため、スライドドアを閉じた際の渡り部即ちワイヤハーネスの余長部分がレール部内に収容されることとなる。
請求項2に記載のスライドドア用の給電装置によれば、渡り部の電線を収容するコルゲートチューブが、その断面の長手方向が鉛直方向と平行となるように配置されているので、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを防止できる。
請求項3に記載のスライドドア用の給電装置によれば、車体側プロテクタがスライドドアのスライド方向に延在しかつ鉛直方向に間隔をあけて互いの間に渡り部を位置付ける一対の平行部を備えている。これらの平行部によって、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを防止できる。
請求項4に記載のスライドドア用の給電装置によれば、ドア側プロテクタがスライドドアのスライド方向に延在しかつ鉛直方向に間隔をあけて互いの間に渡り部を位置付ける一対の第2平行部を備えている。これらの第2平行部によって、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを防止できる。
請求項5に記載のスライドドア用の給電装置によれば、スライドドアが出入口を開放すると、渡り部がアームの下方に位置付けられるので、出入口を通る乗員などが渡り部を踏みつけることを防止できる。
請求項1記載の本発明によれば、スライドドアを閉じた際の渡り部即ちワイヤハーネスの余長部分がレール部内に収容されることとなるので、前述した余長部分を収容するために従来から設けられているレール部を用いることができるので、専用のスペースを設ける必要がない。したがって、スライドドア用給電装置の車体やスライドドアへの設置に必要とされる専用のスペースが全く必要なくなり、車体やスライドドアへの補機の取り付けに制約が生じることを確実に防止できる。
請求項2に記載の本発明によれば、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを防止できるので、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部をレール部に確実に出し入れすることができ、スライドドアを車体に対して確実にスライドさせることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを確実に防止できるので、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部をレール部に確実に出し入れすることができ、スライドドアを車体に対してより確実にスライドさせることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、コルゲートチューブ即ち渡り部が垂れ下がることを確実に防止できるので、スライドドアをスライドさせる際に、コルゲートチューブ即ち渡り部をレール部に確実に出し入れすることができ、スライドドアを車体に対してより確実にスライドさせることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、出入口を通る乗員などが渡り部を踏みつけることを防止できるので、渡り部即ちワイヤハーネスが破損することを防止できる。
本発明の一実施形態にかかるスライドドア用の給電装置(以下、単に給電装置と呼ぶ)を、図1ないし図11を参照して説明する。
給電装置1は、図2に示す車体3と、該車体3にスライド自在に設けられた図3に示すスライドドア4とを備えた自動車2(図2などに示す)に取り付けられる。
前記車体3には、当該車体3内に設けられた乗員室内に乗員を出入りさせるための出入口6が設けられている。また、出入口6の回りには、全周に亘ってゴムなどの弾性材料で構成されたウエザストリップ7(図10及び図11に示す)が取り付けられている。ウエザストリップ7は、スライドドア4が後述する塞ぎ位置に位置付けられると、スライドドア4の外縁部に密に接触して、当該スライドドア4との間を水密に保つ。
車体3の出入口6の下側には、レール部8(図10及び図11に示す)が設けられている。即ち、レール部8は、前述した乗員室の床面と自動車2のシャーシの底面との間に設けられている。レール部8は、自動車2の車体3の側面から凹に形成されて、自動車の前後方向に沿って直線状に延在している。
レール部8の上側の位置する天井面8aには、図10及び図11に示すように、案内レール9が取り付けられている。案内レール9は、直線状に延在しており、その長手方向が自動車の前後方向と平行に配置されている。案内レール9は、天井面8aに取り付けられる設置板部10と、当該設置板部10の幅方向の両縁から立設した側壁部11とを備えて、断面コ字形に形成されている。
スライドドア4は、平板状に形成されている。スライドドア4は、図3などに示すドアパネル12と、後述のパネル本体14の内側に取り付けられる図示しないドアトリムと、スピーカ13、モータやスイッチなどの各種の補機とを備えている。
ドアパネル12は、板金で構成された平板状のパネル本体14と、当該パネル本体14の下縁から自動車の車体3の内側に向かって直線状に延在したアームとしてのロアアーム15とを備えている。ロアアーム15は、直線状に延在した棒状に形成されており、パネル本体14の下端部の前方寄りの縁部から自動車の車体3の内側でかつ前方に向かって延在している。ロアアーム15の先端には、前記案内レール9に当該案内レール9の長手方向に沿ってスライド自在に設けられたスライダが取り付けられている。このため、ロアアーム15即ちスライドドア4は、案内レール9の長手方向即ち自動車の前後方向に沿って、スライド自在に案内レール9即ちレール部8に支持されている。即ち、レール部8の案内レール9は、スライドドア4のスライド方向を案内する。
ドアトリムは、合成樹脂で構成されかつパネル本体14を覆い被せる様に該パネル本体14に取り付けられている。スピーカ13、モータやスイッチなどの各種の補機は、主にパネル本体14に取り付けられて、必要に応じて、ドアトリムに設けられた開口部を通して乗員室内に露出している。
前述したスライドドア4は、図示しない駆動機構によって、レール部8の案内レール9即ち自動車2の前後方向に沿ってスライド移動される。スライドドア4は、前述した駆動機構によって、前述した出入口6を閉じた状態である図7に示した塞ぎ位置と、前述した出入口6を完全に開放した図9に示した開放位置と、に亘ってスライドされる。このように、スライドドア4は、車体3の出入口6を開閉する。また、スライドドア4は、前述したレール部8の案内レール9によって、前記塞ぎ位置から開放位置に向かう際に、徐々に、自動車2の幅方向の外側に向かう方向に移動するとともに、自動車2の後方に向かって移動する。
給電装置1は、図1に示すように、前述した車体3とスライドドア4とに亘って配索されたワイヤハーネス5を備えている。
ワイヤハーネス5は、図1乃至図3に示すように、複数の電線が束ねられた構成された電線束16と、複数の配線用クリップ17と、車体側コネクタ18と、複数のドア側コネクタ19と、車体側プロテクタ20と、ドア側プロテクタ21と、筒状体としてのコルゲートチューブ22と、を備えている。
電線束16を構成する電線16a(図10及び図11に示す)は、導電性の芯線と該芯線を被覆した被覆部とを備えた被覆電線である。電線束16は、複数の電線16aの外周にテープなどが巻き付けられて、構成されている。電線束16の一端部では、一本の束に複数の電線16aが集束されており、電線束16の他端部では、複数の束に分岐されて、各束毎に複数の電線16aが束ねられている。
配線用クリップ17は、主に、電線束16の他端部の適宜箇所に取り付けられている。配線用クリップ17は、パネル本体14に設けられた孔などに係止することで、当該パネル本体14に電線束16即ちワイヤハーネス5の他端部を固定する。
車体側コネクタ18は、電線束16の一端部の複数の電線16aの端末に取り付けられ、自動車2の車体3のステップ部の近傍でかつ出入口6の自動車2の後方寄りの縁部に配置されている。車体側コネクタ18は、前述した自動車2のバッテリや制御用ユニットなどの車体3に取り付けられる補機と接続している。
複数のドア側コネクタ19は、それぞれ、電線束16の他端部の各束の電線16aの端末に取り付けられて、パネル本体14に取り付けられたスイッチ、モータ、スピーカ13などの補機と接続する。こうして、電線束16即ちワイヤハーネス5は、車体3と、スライドドア4とに亘って配索されて、車体3に取り付けられた補機とスライドドア4に取り付けられた補機とを電気的に接続する。
車体側プロテクタ20は、硬質な絶縁性を有する合成樹脂で構成されて、屈曲した筒状の本体部23と、一対の平行部24とを備えている。本体部23は、内側に電線束16を通して当該電線束16を保護するとともに、車体3のレール部8の自動車2の後方寄りの縁部内に位置付けられて、当該車体3に取り付けられる。
本体部23は、車体3に取り付けられると、電線束16の他端部寄りに位置付けられる前後延在部25と、当該前後延在部25の電線束16の一端部側から鉛直方向に沿って上方に延在した上方延在部26と、前記上方延在部26の上端から車体3の内側に向かって延在した内側延在部27とを一体に備えている。前後延在部25は、本体部23即ち車体側プロテクタ20が車体3に取り付けられると、レール部8に外接する様に取り付けられるとともに、その長手方向がレール部8の長手方向即ち自動車2の前後方向と平行になる。
一対の平行部24は、それぞれ、平板状に形成されている。平行部24は、それぞれ、本体部23の前後延在部25の電線束16の他端部側から互いに平行に延在しており、互いに鉛直方向に間隔をあけて配置されている。それぞれの平行部24は、自動車2の前後方向即ちスライドドア4のスライド方向に沿って延在している。一対の平行部24は、スライドドア4が塞ぎ位置に位置付けられると、互いの間に電線束16の外周に取り付けられたコルゲートチューブ22即ち後述する渡り部32を位置付ける。
ドア側プロテクタ21は、硬質な絶縁性を有する合成樹脂で構成されて、直線状に延在した筒状の本体部28と、当該本体部28の直列に連なったコ字形部29とを一体に備えている。ドア側プロテクタ21は、スライドドア4のパネル本体14の内側の自動車の前方寄りの端部でかつレール部8と同じ高さとなる位置に取り付けられる。さらに、ドア側プロテクタ21は、図3に示すように、ロアアーム15の下方に配置されている。本体部28は、内側に電線束16を通して当該電線束16を保護するとともに、電線束16とともにテープが巻きつけられて当該電線束16と固定される。
本体部28及びコ字形部29は、ドア側プロテクタ21がスライドドア4のパネル本体14に取り付けられると、その長手方向が自動車の前後方向即ちスライドドア4のスライド方向と平行になる。コ字形部29は、本体部28よりも自動車の前方寄りに配置されている。コ字形部29は、本体部28に連なり且つ鉛直方向に沿って平坦に形成された底板部30と一対の第2平行部31とを備えている。
一対の第2平行部31は、それぞれ、平板状に形成されている。第2平行部31は、勿論、本体部28に連なりかつ底板部30の両縁から立設している。第2平行部31は、互いに鉛直方向に間隔をあけて、互いに平行に配置されている。それぞれの第2平行部31は、自動車の前後方向即ちスライドドア4のスライド方向に沿って延在している。一対の第2平行部31は、スライドドア4が塞ぎ位置及び開放位置に位置付けられると、互いの間に電線束16の外周に取り付けられたコルゲートチューブ22即ち後述する渡り部32を位置付ける。
コルゲートチューブ22は、断面の外形が小判形の筒状に形成されており、その内側に前述した電線束16即ち少なくとも一本の電線16aを収容する。コルゲートチューブ22は、その断面の長手方向が前述した自動車の鉛直方向と平行な状態に配置されている。コルゲートチューブ22は、ポリプロピレン、ポリプロピレンなどを含んだ混和物、ラバー系、エチレン系などの合成樹脂で構成されており、曲げ(弾性変形)自在となっている。コルゲートチューブ22は、曲げられると、ある程度の弾性復元力を生じる。
コルゲートチューブ22は、一端が車体側プロテクタ20の本体部23に固定され、他端がドア側コネクタ19の本体部28に固定されている。このため、コルゲートチューブ22は、一端が車体3に取り付けられ、他端がスライドドア4に取り付けられて、車体3とスライドドア4との間に配置された格好となっている。また、コルゲートチューブ22内には、異音対策や水密性が要求される場合、発泡EPDMやウレタンフォームなどが充填される場合がある。
前述したコルゲートチューブ22と、電線束16即ち電線16aのコルゲートチューブ22内に収容された部分と、プロテクタ20,21とは、特許請求の範囲に記載された渡り部32を構成している。渡り部32は、車体側プロテクタ20が車体3に取り付けられかつドア側プロテクタ21がスライドドア4に取り付けられているので、一端が車体3に取り付けられかつ他端がスライドドア4に取り付けられて、車体3とスライドドア4との間に配索される。
また、渡り部32は、車体側プロテクタ20がレール部8に外接する様に配置されることで、車体側プロテクタ20から出たハーネスの一端がレール部8内に配置されているとともに、ドア側プロテクタ21がレール部8と同じ高さとなる位置に配置されることで、その他端が前記渡り部32の一端と同じ高さとなる位置に配置されている。さらに、渡り部32は、プロテクタ20,21が前述した位置に取り付けられかつ各プロテクタ20,21の本体部23,28及び平行部24,31が前述した位置に配置されているので、その平面形状がU字状をなす位置にその両端が配置される。
さらに、スライドドア4が塞ぎ位置から開放位置に向かって自動車の後方に移動し、かつ、ロアアーム15がパネル本体14の下端部の前方寄りの縁部に設けられ、ドア側プロテクタ21がパネル本体14の自動車の前方寄りの端部でかつロアアーム15の下方に配置されているので、スライドドア4が開放位置に位置付けられると、図9に示すように、コルゲートチューブ22即ち渡り部32がロアアーム15の下方に位置付けられる。このように、スライドドア4が開放位置に位置付けられると、コルゲートチューブ22即ち渡り部32がロアアーム15の下方に位置付けられる位置に、前述したロアアーム15及びドア側プロテクタ21などが配置されている。
前述した自動車2は、図4及び図7に示す塞ぎ位置と、図5及び図8に示す中間位置と、図6及び図9に示す開放位置とに順にスライドドア4をスライドさせて、スライドドア4が出入口6を開閉する。
本実施形態によれば、ワイヤハーネス5の渡り部32の一端がレール部8内に配置され、他端がスライドドア4の前述した一端と同じ高さとなる位置に配置されているとともに、渡り部32がU字状に配置されている。このため、スライドドア4を閉じた際の渡り部32即ちワイヤハーネス5の余長部分がその弾性復元力によってレール部8の奥に押し付けられて、当該レール部8内に収容されることとなる。
このため、前述した余長部分を収容するために従来から設けられているレール部8を用いることができるので、専用のスペースを設ける必要がない。したがって、給電装置1の車体3やスライドドア4への設置に必要とされる専用のスペースが全く必要なくなり、車体3やスライドドア4への補機の取り付けに制約が生じることを確実に防止できる。
また、渡り部32の電線を収容するコルゲートチューブ22が、その断面の長手方向が鉛直方向と平行となるように配置されているので、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32が垂れ下がることを防止できる。このため、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32をレール部8に確実に出し入れすることができ、スライドドア4を車体3に対して確実にスライドさせることができる。
さらに、車体側プロテクタ20がスライドドア4のスライド方向に延在しかつ鉛直方向に間隔をあけて互いの間に渡り部32を位置付ける一対の平行部24を備えている。これらの平行部24によって、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32が垂れ下がることを防止できる。したがって、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32をレール部8に確実に出し入れすることができ、渡り部32即ちワイヤハーネス5を破損させることなく、スライドドア4を車体3に対してより確実にスライドさせることができる。
ドア側プロテクタ21がスライドドア4のスライド方向に延在しかつ鉛直方向に間隔をあけて互いの間に渡り部32を位置付ける一対の第2平行部31を備えている。これらの第2平行部31によって、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32が垂れ下がることを防止できる。したがって、スライドドア4をスライドさせる際に、コルゲートチューブ22即ち渡り部32をレール部8に確実に出し入れすることができ、渡り部32即ちワイヤハーネス5を破損させることなく、スライドドア4を車体3に対してより確実にスライドさせることができる。
また、本実施形態では、スライドドア4が出入口6を開放すると、渡り部32がロアアーム15の下方に位置付けられるので、出入口6を通る乗員などが渡り部32を踏みつけることを防止できる。したがって、乗員の出入りや荷物の出し入れ時などに、渡り部32即ちワイヤハーネス5が破損することを防止できる。
また、本実施形態では、自動車に元々設けられてきたレール部8にワイヤハーネス5の渡り部32などの余長部分を収容するので、当該余長部分を収容する専用のスペースを設ける必要が無いので、乗員室の床面を上昇させる必要が全くなく、乗員室の低床設計を容易に実現可能とすることができる。
また、本発明では、図12乃至図14に示すように、電線束16の一端部に取り付けられる車体側コネクタ18をグロメット33が取り付けられた待ち受けコネクタとしても良い。この場合、電線束16の一端部に配線用クリップ17を取り付けて、車体側コネクタ18を車体3を貫通した孔内に挿入して、グロメット33で当該車体側コネクタ18を車体に固定する。なお、図12乃至図14において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
さらに、前述した実施形態では、渡り部32をパネル本体14に取り付けられるワイヤハーネス5と一体に形成している。しかしながら、本発明では、図15に示すように、ワイヤハーネス5を、渡り部32とパネル本体14に取り付けられるワイヤハーネスとに分割しても良い。この場合、渡り部32を構成する電線16aの両端末にコネクタ18,34を取り付けて、当該コネクタ18,34により、渡り部32は、車体3に配索されるワイヤハーネス及びスライドドア4に配索されるワイヤハーネスと接続される。なお、図15において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明では、筒状体としてのコルゲートチューブ22を種々の形状に形成しても良く、勿論、コルゲートチューブ22を断面円環状の筒状に形成しても良く、コルゲートチューブ22の他のチューブを用いても良い。勿論、コルゲートチューブ22に電線束16を収容しやすくためのスリットを全長に亘って形成したり、水抜き用の孔を複数設けても良い。
なお、前述した実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 スライドドア用の給電装置
3 車体
4 スライドドア
5 ワイヤハーネス
6 出入口
8 レール部
13 スピーカ(補機)
15 ロアアーム(アーム)
20 車体側プロテクタ
21 ドア側プロテクタ
22 コルゲートチューブ(筒状体)
24 平行部
31 第2平行部
32 渡り部
3 車体
4 スライドドア
5 ワイヤハーネス
6 出入口
8 レール部
13 スピーカ(補機)
15 ロアアーム(アーム)
20 車体側プロテクタ
21 ドア側プロテクタ
22 コルゲートチューブ(筒状体)
24 平行部
31 第2平行部
32 渡り部
Claims (5)
- 車体と、当該車体にスライド自在に設けられて前記車体の出入口を開閉するスライドドアとに亘って配索されたワイヤハーネスを備えたスライドドア用の給電装置において、
前記ワイヤハーネスは、一端が前記車体に取り付けられかつ他端が前記スライドドアに取り付けられて、前記車体と前記スライドドアとの間に配索される渡り部を有し、
前記渡り部の一端が、前記車体に設けられかつスライドドアのスライド方向を案内するレール部内に配置され、かつ、
前記渡り部の他端が、前記スライドドアの前記一端と同じ高さとなる位置に配置されていることを特徴とするスライドドア用の給電装置。 - 前記渡り部は、少なくとも一本の電線を収容する断面の外形が小判形の筒状体を備え、前記筒状体がその断面の長手方向が鉛直方向と平行な状態に配置されていることを特徴とする請求項1記載のスライドドア用の給電装置。
- 前記車体に取り付けられ、かつ前記渡り部の一端に配置される車体側プロテクタを備え、
前記車体側プロテクタは、前記スライドドアのスライド方向に沿って延在し、かつ鉛直方向に互いに間隔をあけて配置されているとともに、前記渡り部を互いの間に位置付ける平行部を一対備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスライドドア用の給電装置。 - 前記スライドドアに取り付けられ、かつ前記渡り部の他端に配置されるドア側プロテクタを備え、
前記ドア側プロテクタは、前記スライドドアのスライド方向に沿って延在し、かつ鉛直方向に互いに間隔をあけて配置されているとともに、前記渡り部を互いの間に位置付ける第2平行部を一対備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のスライドドア用の給電装置。 - 前記スライドドアは、前記レール部にスライド自在に支持されたアームを備え、
前記スライドドアが前記出入口を開放した際に、前記渡り部が前記アームの下方に位置付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のスライドドア用の給電装置。
Priority Applications (1)
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2007
- 2007-06-15 JP JP2007158623A patent/JP2008308068A/ja not_active Abandoned
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A621 | Written request for application examination |
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