JP2008303424A - 耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法 - Google Patents

耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却後に高温で長時間の熱処理を行わなくても、引張り強さが570N/mm以上でかつ強度及び靭性が優れた鋼材が得られる耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法を提供する。
【解決手段】質量%でC:0.001〜0.20%、Si:0.001〜2%、Mn:0.001〜2.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記数式(A)で定義されるPcmが0.26%以下である組成の鋼を鋳造した鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で圧延を終了して圧延鋼材とし、この圧延鋼材をAr3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲まで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却した後、室温以上200℃未満の温度で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上の加工を行い、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材とする。
[数1]
Figure 2008303424

【選択図】なし

Description

本発明は、引張強さが570N/mm以上の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法に関する。
近年、構造物の大型化により、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼が用いられる機会が増加している。一般に、高張力鋼は強度向上の目的から多くの合金元素が添加されているため、耐溶接割れ性が低いという問題点がある。そこで、従来、下記数式(1)で表され、耐溶接割れ性を表す指標であるPcm値を、低く抑制した鋼が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、特許文献1に記載の高張力鋼材の製造方法においては、下記数式1で定義されるPcmを0.25%以下にした鋼を加熱した後、熱間圧延し、その後直ちにAr3点以上の温度から5℃/秒以上の冷却速度で350〜650℃の温度領域まで冷却することにより、450N/mm以上の高い降伏点をもつ高張力鋼材を製造している。
Figure 2008303424
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の製造方法では、鋼が本来有している強度を十分に発揮しているとはいえず、鋼の強度及び靱性を更に改善できる余地がある。その主な原因としては、熱間圧延した後に焼戻しを実施しないことが挙げられる。例えば、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼では、鋼の焼入性を確保するためにMn、Ni及びB等の焼入れ性を高める合金元素を、多量に添加する必要があるが、このような合金元素を添加すると、鋼材の金属組織中にマルテンサイト−オ−ステナイト混合物(以下、M−A混合物と略す)と呼ばれる炭素原子を極めて高濃度に含有し、非常に硬質か又は硬質になりうる靱性に有害な金属組織の形成が促進するため、鋼材の靱性が低下するという問題点がある。また、このM−A混合物が生成すると、鋼の降伏強度が低下するという問題点もある。この降伏強度の低下の理由は明確ではないが、鋼中にマルテンサイトを生成する際に導入される可動転位が多数存在し、それらの転位が動き出すことによって容易に変形が起きる(降伏応力が低い)ことによると考えられる。
このような鋼材中にM−A混合物が生成してしまうという問題点を解決するため、従来、冷却終了後に焼戻し処理が行われている。この焼戻し処理等の熱処理は、その目的は種々想定されるが、通常、500℃以上Ac1点以下の比較的高い温度で実施される場合が多い(例えば、特許文献2参照)。なお、鋼のAc1点は、その含有成分によって異なるが、概ね700℃程度である。
特開2002−220622号公報 特開平11−241118号公報
しかしながら、前述の従来の技術には、以下に示す問題点がある。特許文献2に記載の技術のように冷却後に焼戻し処理を実施すると、冷却(焼入れ)中に生成したM−A混合物を分解することはできるが、鋼中に生成したM−A混合物を分解するためには、少なくとも鉄原子の拡散が実用的な速さとなる550℃以上の高温で比較的長時間処理することが必要となる。このため、この焼戻し処理の間に、鋼中に存在するセメンタイト及び炭窒化物も、過剰に高い温度条件下で長時間の熱処理を受けることとなる。これにより、鋼中でセメンタイト及び炭窒化物が粒成長して粗大化するため、最善の金属組織状態を実現することができないという問題点がある。また、冷却後に焼戻し等の熱処理を実施するためには、既存の設備に加えて熱処理炉等の製造設備が必要となり、更に製造工程も追加しなければならないため、生産性を低下及びコスト増加等を招くという問題点もある。
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、冷却後に高温で長時間の熱処理を行わなくても、引張り強さが570N/mm以上でかつ強度及び靭性が優れた鋼材が得られる耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法を提供することにある。
本発明に係る耐溶接割れ性に優れた高張力鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.001〜0.20%、Si:0.001〜2%、Mn:0.001〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(2)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を鋳造する工程と、前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の温度範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却した後、空冷して100〜200℃未満の温度とし、この温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を行い、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする。
Figure 2008303424
本発明においては、上記数式(2)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcm(溶接割れ感受性組成)を0.26%以下に制限しているため、製造される高張力鋼材の耐溶接割れ性を改善できる。
また、圧延終了後に、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却を行っているため、鋼の金属組織がベイナイト及び/又はマルテンサイト等(一部にフェライト及び/又はパ−ライトを含むこともある)になり、製造される高張力鋼材が変態組織強化される。これにより、上記数式(2)で定義されるPcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性及び強度の低下を防止することができる。
更に、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmの上限を超えない範囲で固溶元素及び析出元素を添加しているため、製造される高張力鋼材をより強化することができる。
更にまた、冷却後に、室温以上200℃以下の温度条件下で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を実施しているため、鋼中に生成したM−A混合物の全て又はその一部をマルテンサイトに変態させることができる。そして、このマルテンサイトは、その後の冷却過程における自己焼戻効果により焼戻され、概ね消失する。また、M−A混合物の生成やその後のマルテンサイト変態によって導入された可動転位も、加工後の冷却過程で時効されるためにM−A混合物に起因する降伏強度の低下を抑制することが可能である。
これらの結果、M−A混合物による影響は低減され、靱性劣化量が低減し、降伏強度の低下も抑制することができるので、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性を兼ね備えた高張力鋼材が得られる。
本発明に係る他の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.001〜0.20%、Si:0.001〜2%、Mn:0.001〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(2)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を鋳造する工程と、前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の温度範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却した後、空冷して室温〜100℃未満の温度とし、この温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を行い、さらに100〜400℃の温度で熱処理を施し、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする。
Figure 2008303424
本発明においては、上記数式(2)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmを0.26%以下に制限しているため、製造される高張力鋼材の耐溶接割れ性を改善できる。
また、圧延終了後に、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却を行っているため、鋼の金属組織がベイナイト及び/又はマルテンサイト等(一部にフェライト及び/又はパ−ライトを含むこともある)になり、製造される高張力鋼材が変態組織強化される。これにより、上記数式(2)で定義されるPcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性及び強度の低下を防止することができる。
更に、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmの上限を超えない範囲で固溶元素及び析出元素を添加しているため、製造される高張力鋼材をより強化することができる。
更にまた、冷却後に、室温以上100℃未満の温度条件下で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1〜10%の加工を実施しているため、鋼中に生成したM−A混合物の全て又はその一部をマルテンサイトに変態させることができる。そして、このマルテンサイトは、その後の100〜400℃以下の簡易な熱処理によりほぼ完全に焼戻される。また、マルテンサイト変態に伴い生成し降伏強度低下の原因となる可動転位もCやN原子あるいは炭化物などにより固着される。
その結果、M−A混合物による影響は低減され、靱性劣化量が低減するとともに降伏強度を増加させることができ、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性及び溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼材が得られる。
前記鋼は、更に、質量%で、Cu:0.001〜2%、Ni:0.001〜3%、Cr:0.001〜2%及びMo:0.001〜1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
また、前記鋼は、更に、質量%で、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更に、前記鋼は、更に、質量%で、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、N:0.0001〜0.01%を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、B:0.0001〜0.005%を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、S:0.0005〜0.02%を含有していてもよい。
本発明によれば、耐溶接割れ性を示すPcmを一定値以下に制限することにより鋼材の耐溶接割れ性を向上させつつ、Mn含有量を4.5質量%未満にすると共に圧延後の冷却条件を最適化することにより靱性及び強度の低下を防止し、更に冷却後に室温以上650℃以下の温度条件下で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上の加工を実施することにより、鋼中に生成したM−A混合物の大部分を消失させているため、冷却後に高温で長時間の熱処理を行わなくても、引張り強さが570N/mm以上でかつ強度及び靭性が優れた高張力鋼材が得られる。従って、本発明によれば、橋梁及び建築物等に代表される大型構造物の主要部材への適用に際して十分な特性を有する鋼材を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。以下の説明においては、組成における質量%は、単に%と記載する。本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
先ず、高張力鋼材の耐溶接割れ性を改善するために、下記数式(3)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmを一定値以下に制限する。なお、下記数式(3)における[C]はC含有量(%)、[Si]はSi含有量(%)、[Mn]はMn含有量(%)、[Cu]はCu含有量(%)、[Ni]はNi含有量(%)、[Cr]はCr含有量(%)、[Mo]はMo含有量(%)、[V]はV含有量(%)、[B]はB含有量(%)である。
このPcmの値は、小さければ小さいほど耐溶接割れ性を改善する効果が高く、溶接する前に行う鋼材の予熱温度を低下させることができ、作業効率を増加させることができる。具体的には、Pcmが0.26%以下になると予熱温度が室温程度となり、予熱が不要となる。従って、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、Pcmの上限を0.26%とする。
Figure 2008303424
その一方で、上記数式(3)により定義されるPcmの値を低下させることは、焼入れ性を高める効果がある元素、固溶強化及び析出強化により強度に寄与する元素を低減することであるため、鋼材の強度を低下させてしまう。そこで、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、鋼材を強化するため、圧延終了後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却している。
これにより、鋼の金属組織がベイナイト及び/又はマルテンサイト等(一部にフェライト及び/又はパ−ライトを含むこともある)になり、製造される高張力鋼材が変態組織強化されるため、上記数式(3)で定義されるPcmを低下させたことにより想定される焼入性及び強度の低下を防止することができる。
また、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmの上限を超えない範囲で固溶元素及び析出元素を添加している。これにより、製造される高張力鋼材をより強化することができる。
更に、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、強制冷却後の圧延鋼材を、100〜200℃未満または室温〜100℃未満の温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みを適正な範囲にして塑性加工を行う。これにより、強制冷却後の金属組織中に生成するM−A混合物の全て又は一部をマルテンサイトに変態させることができ、このマルテンサイトは、その後の冷却過程における自己焼戻効果又は必要に応じて行う450℃以下の熱処理によって焼戻されて消失する。その結果、M−A混合物の有害性が低減され、靱性劣化量が低減すると共に降伏強度が上昇する。加工によってM−A混合物がマルテンサイトに変態するのは、塑性変形がマルテンサイト変態を促進するからである。また、この加工は、鋼の金属組織中に新たな転位を導入し、マルテンサイト変態によって生成した可動転位の動きを抑制したり、CやNの拡散を促進することを通して時効を促進し、降伏強度の回復に役立つ効果もある。
このような塑性歪みを鋼材に付与することによって、M−A混合物をマルテンサイトに変化させることができるが、このようにして生成したマルテンサイトは多量の炭素原子を含んでいるため、極めて硬質である。このため、単に塑性歪みを付与しただけでは、鋼の靱性を著しく劣化させることとなる。そこで、本発明者は、鋭意実験研究を行い、特定の温度以上でこのような塑性加工を実施することにより、鋼の靱性劣化を抑制できることを見出した。これは、塑性歪の付与によって生成したマルテンサイトが、加工後の空冷中に鋼材自身の温度で焼戻されたことによると推定される。なお、マルテンサイトの焼戻しとは、過飽和に固溶した炭素原子を鉄炭化物(セメンタイト等)として析出させることであり、炭素原子が実用的な時間内で拡散できる100℃以上の温度で可能となる。
本発明の高張力鋼材の製造方法は、上述した構成によって、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性及び溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼材を得ることができる。なお、本発明における高張力鋼材とは、いわゆる高張力鋼板のことであり、厚鋼板及び熱延鋼板等を含むものである。
以下、これらの思想を実現するために必要な条件について説明する。先ず、鋼材の化学組成に関して、各成分の添加理由及び数値限定理由について説明する。
[C:0.001〜0.20%]
Cは、焼入れ性の制御及びセメンタイトをはじめとする炭化物の生成によって、鋼材の強度を向上させるために添加する。しかしながら、このCを過剰に含有させると、パ−ライト、マルテンサイト及びセメンタイトといった硬質の第2相組織の形成量が増加して、鋼材の延性及び靱性の低下を招くと共に、鋼材の溶接性及び溶接部の靱性が劣化する。具体的には、C含有量が0.20%を超えると、加工性、溶接性及び靭性が著しく劣化する。一方、C含有量が0.001%未満の場合、強度向上の効果が得られず、鋼材を高強度化することができない。よって、C含有量は0.001〜0.20%とする。
[Si:0.001〜2%]
Siは、鋼材の脱酸元素であり、通常Mnと共に鋼材の酸素濃度を低減する目的で添加される。また、このSiは、固溶強化元素として、強度の上昇に寄与する。しかしながら、Si含有量が0.001%未満では、上述した固溶強化を図ることができない。また、Si含有量が2%を超えると、低温靱性及び鋼の表面性状が劣化する。このため、Si含有量は0.001〜2%とする。
[Mn:0.001〜4.5%]
Mnは、Siと同様に脱酸にも効用があるが、鋼中にあって材料の焼き入れ性を高め、強度向上に寄与する元素である。また、このMnは、安価であることからCに次いで活用される元素である。しかしながら、Mn含有量が4.5%を超えると、凝固時に生成するミクロ偏析が顕著となり、鋼材中に添加量以上に濃縮している部位の存在が多くなる。このようにMnが凝集している部位は、焼き入れ性が高く、また溶接部靱性を劣化させるM−A混合物を生成しやすい。一方、Mn含有量が0.001%未満の場合、鋼中に存在していても材料の焼入れ性を高めることができない。そこで、M−A混合物の生成回避の観点から、Mn含有量は0.001〜4.5%とする。
[Pcm:0.26%以下]
上記数式(3)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmは0.26%以下とする。このPcmの値を0.26%以下にすることにより、溶接に先立って行う鋼材の予熱温度が室温程度となり、予熱作業が不要となる。なお、鋼材の強度が低い程、Pcmの値を小さくすることが可能となるため、目標強度に応じて、Pcmをできるだけ小さくすることが望ましい。但し、Pcmを0.18%未満にしても、予熱が不要であることに変わりはないため、Pcmの下限値は0.18%とすることが望ましい。
また、本発明で使用する鋼には、上記各成分に加えて、Cu、Ni、Cr及びMoからなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加することができる。これにより、鋼材の焼き入れ性及び強度を向上させることができる。以下、これらの元素の含有量の好ましい範囲及びその数値限定理由について説明する。
[Cu:0.001〜2%]
Cuは、焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶し、この固溶強化によって、鋼材の強度を向上させる効果がある。また、Cuは、析出強化に有効な元素であり、金属Cuの析出相を形成し、微細組織の形成を促進すると共に、延性の劣化を抑制する効果もある。しかしながら、Cu含有量が0.001%未満の場合、析出量が不十分となり、前述した効果が得られない。また、Cu含有量が2%を超える場合には、析出強化が著しくなり、鋳造時に粒界に析出して内部割れを引き起こし、圧延製造工程中に鋼塊及び鋼板で疵が発生しやすくなり、更には鋼材の熱間加工性等を劣化させる要因ともなる。よって、Cuを添加する場合は、その含有量を0.001〜2%とする。
[Ni:0.001〜3%]
Niは、強度を向上させる作用を有し、特に靭性を低下させることなく強度向上が図れる点で有用な元素である。しかしながら、Ni含有量が0.001%未満では、強度向上にはほとんど機能しない。即ち、Ni含有量が0.001%未満の場合、強度を向上させる効果が得られない。また、3%を超える量のNiを含有させても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利になると共に、焼入れ強化による強度上昇が顕著となり、靱性及び延性の劣化を招く。よって、Niを添加する場合は、その含有量を0.001〜3%とする。
[Cr:0.001〜2%]
Crは、焼入れ性の向上と析出硬化とにより、母材(鋼材)の強度向上に有効な元素である。このCrの含有量が0.001%未満の場合、上述した強度上昇効果は充分に発揮されず、また2%を超えると靭性が低下する。従って、Crを添加する場合は、その含有量を0.001〜2%とする。
[Mo:0.001〜1%]
Moは、焼入れ性の向上、及び析出強化に寄与して強度を向上させる効果がある。Mo含有量が0.001%未満では、析出強化に寄与することができず、十分な強度が確保できない。これに対して、Mo含有量が1%を超えてしまうと、合金コストが上昇するだけでなく、強度が顕著に上昇して靭性の劣化が生じる。従って、Moを添加する場合は、その含有量を0.001〜1%にする。
更に、本発明で使用する鋼には、上記各成分に加えて、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加することもできる。V、Nb及びTiは、結晶粒を微細化すると共に、析出強化の面で有効に機能するため、靭性を劣化させない範囲で選択的に添加することができる。このとき、V含有量が0.2%を超えるか、Nb含有量が0.1%を超えるか、又は、Ti含有量が0.1%を超えると、鋼材の靭性が低下する。また、これらの元素の含有量が0.0001%未満の場合、前述した効果が得られない。よって、Vを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.2%とし、Nbを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.1%とし、Tiを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.1%とする。
更にまた、本発明で使用する鋼には、必要に応じて、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加してもよい。なお、REMとはLa,Ce等の希土類元素のことである。REM、Mg及びCaは、結晶粒微細化によるHAZ靭性の改善及びSの無害化に有効であるため、選択的に添加することができるが、これらの元素を過度に添加すると靭性が損なわれる。そこで、これらの元素を添加する場合は、REMについてはその含有量を0.10%以下、Mg及びCaについてはその含有量を夫々0.02%以下に限定する。また、これらの元素の含有量の下限値を0.0001%以上としたのは、これ以下では効果が得られないからである。
更にまた、本発明で使用する鋼には、必要に応じて、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加することもできる。Al、Zr、Ta及びHfは、脱酸元素又は炭窒化物形成元素として選択的に添加できる。しかしながら、Al含有量が0.1%を超えるか、又はZr、Ta及びHfの含有量が夫々0.3質量%を超えると、鋼材の靱性及び表面性状が劣化する。よって、これらの元素を添加する場合は、その含有量が夫々0.1%、0.3%、0.3%、0.3%以下になるようにする。また、Al、Zr、Ta及びHfの含有量の下限値を夫々0.0001%としたのは、これ以下では脱酸及び炭窒化物形成の効果が得られないからである。
更にまた、本発明で使用する鋼は、上記各成分に加えて、N:0.0001〜0.01%を含有していてもよい。Nは、Ti、Al、Zr、Ta及びHfと窒化物を形成し、オ−ステナイトの細粒化及びフェライトの再結晶粒の微細化に有効に作用する。このため、Nは靭性を劣化させない範囲で選択的に添加できる。具体的には、N含有量が0.01%を超えると、靭性が低下する。また、N含有量が0.0001%未満の場合、前述した効果が得られない、よって、Nを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.01%とする。
更にまた、本発明で使用する鋼は、必要に応じて、B:0.0001〜0.005%を添加することができる。Bは、Pcmを大幅に増加させることなく、鋼材の焼き入れ性を増加させ、所望の強度を得やすくする元素である。しかしながら、B含有量が0.005%を超えると、焼入れ性が過度となる。よって、Bを添加する場合は、その含有量の上限を0.005%とする。また、Bは極めて微量でその効果を発揮するので、その下限値は現在の分析限界である0.0001%とする。但し、B含有量が0.0001%未満の場合でも効果が得られる可能性がある。
更にまた、本発明で使用する鋼は、必要に応じて、S:0.0005〜0.02%を添加することができる。Sは、鋼中でMnと結合してMnSを生成する。このMnSは、鋼中に微細な析出物として分散するため、圧延前の再加熱時における結晶粒の成長を抑制したり、圧延後の冷却時にこのMnS析出物上にフェライト等の変態組織が多数に不均一(異質物)に核生成したりすることにより、最終的な鋼の金属組織(結晶粒)を微細化し、鋼の強度及び靭性を向上させる効果がある。しかしながら、S含有量が0.0005%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、S含有量が0.02%を超えると、MnS粒子の粗大化が生じ、これが破壊の起点となってしまうため、却って靭性が劣化する。よって、Sを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.02%とする。
更にまた、本発明で使用する鋼は、必要に応じて、O:0.0001〜0.01%を添加することができる。Oは、Ti、Al及びMn等の酸化物形成元素と結合し、酸化物等の化合物を生成する。これらの化合物は、鋼中に微細に分散するため、圧延前に実施する再加熱時における結晶粒の成長を抑制したり、圧延後の冷却時にこのMnS析出物上にフェライト等の変態組織が多数に不均一(異質物)に核生成したりすることにより、最終的な鋼の金属組織(結晶粒)を微細化し、鋼の強度及び靭性を向上させる効果がある。しかしながら、O含有量が0.0001%未満の場合、その効果が得られない。一方、O含有量が0.01%を超えると、化合物の粗大化が生じ、これが破壊の起点となってしまうため、却って靭性が劣化する。よって、Oを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.01%とする。
なお、本発明で使用する鋼の上記各成分以外の成分は、Fe及び不可避的不純物である。この不可避的不純物としては、例えば、Pが挙げられ、この場合のP含有量は0.02%以下とすることが好ましい。
次に、鋼材の製造条件について説明する。本発明の高張力鋼材の製造方法においては、先ず、鋼組成を上述の範囲に調整した後、鋳造する。その後、鋳造した鋼素材を、室温まで冷却することなくそのまま圧延するか、又は鋳造後に一旦室温まで冷却した後950〜1250℃に再加熱して圧延する。このとき、Ar3点以上の温度で圧延を終了する。
次に、圧延後の圧延鋼材を、圧延終了温度、即ち、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却を行い、更にこの100〜200℃未満または室温〜100℃未満の温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を行った後、そのまま空冷するか、又は強制冷却する。その後、必要に応じて100〜400℃の温度条件下で熱処理を行い、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材を製造する。以下、上述した製造条件の数値限定理由について説明する。
[圧延前の再加熱温度:950〜1250℃]
圧延前の再加熱温度が950℃未満の場合、鋼材の金属組織がオ−ステナイト単相にならない。また、圧延前の再加熱温度が1250℃を超えると、オ−ステナイト結晶粒の成長が早くなり、オ−ステナイト結晶粒が粗大となるため、鋼材の靱性が劣化する。よって、圧延前に鋼素材を再加熱する場合は、その加熱温度を950〜1250℃の範囲とする。
[圧延終了温度:Ar3点以上]
本発明においては、圧延の条件は特に規定しないが、鋼材のAr3点以上で圧延を終了する必要がある。これは、Ar3温度未満で圧延した場合、金属組織中に加工されたフェライトが混在し、鋼材の靱性が劣化するからである。
[冷却開始温度:Ar3点以上]
Ar3点未満の温度から冷却を行った場合、冷却開始前に粗大なフェライトが生成し、鋼材の強度が低下すると共に靱性が劣化する。よって、圧延後の圧延鋼板は、Ar3点以上の温度から冷却する。
[冷却終了温度:室温以上650℃以下]
圧延後の圧延鋼板の冷却は、冷却速度1℃/sec以上で行う。この冷却は水冷によって実施するのが望ましいが、これと同等の冷却速度が得られればどのような方法でもよい。また、冷却の終了温度が650℃を超えると、金属組織にフェライトが増加するため、鋼材の強度を高められない。一方、水冷等の現在の設備能力では、圧延鋼板を室温より低い温度まで冷却することは困難である。よって、圧延鋼板の冷却終了温度は、室温以上650℃以下とする。なお、圧延鋼板の冷却終了温度については、狙いとする強度レベルによって適宜調整することができる。
[塑性加工条件(a):100℃以上200℃未満の温度で平均相当塑性歪みで0.1%〜10%]
加工温度が200℃未満の場合、加工により付与される平均相当塑性歪み0.1%未満であると、M−A混合物をマルテンサイトに変態させることができない。一方、加工による平均相当塑性歪みが10%を超えると、鋼の延性が損なわれて伸びが低下する。よって、室温以上200℃未満の温度条件下では、板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%〜10%の加工を行う。これにより強制冷却後の金属組織中に生成するM−A混合物の全部又は一部を、マルテンサイトに変態させることができる。なお、M−A混合物をマルテンサイトに変態させるためには熱的安定性の観点から低温で加工するほど良いが、この温度が低くなりすぎると自己焼戻の効果が低減するので、100℃〜200℃の範囲で加工する必要がある。
[塑性加工条件(b):室温以上100℃未満の温度で平均相当塑性歪みで0.1%〜10%]
室温以上100℃未満の温度で平均相当塑性歪み0.1〜10%の加工を行う場合、塑性加工後に、100〜400℃の温度で熱処理(焼戻)を行う。塑性加工を100℃未満の温度で実施した場合、M−A混合物の殆どを変態させマルテンサイトに変態させることはできるが、その後の自己焼戻効果が十分でない場合もある。このような場合には、加工後に100〜400℃の温度で熱処理を行うことにより、マルテンサイトを焼戻すことが可能となり、鋼中のM−A混合物を完全に消失させることができる。また、このような加工と熱処理によってマルテンサイト変態に伴って導入された可動転位をC、Nおよびセメンタイトなどの炭化物などによって固着することができる。可動転位は降伏強度の低下をもたらすのでこの加工と熱処理は降伏応力を顕著に改善することができる。一方、このような効果は加工後の熱処理温度が100℃未満の場合、C、Nの拡散が遅く、所定の効果が得られない場合がある。また、極度に高温で熱処理を行った場合にはセメンタイトなどの炭窒化物や金属結晶粒が成長して粗大化するなど強度、靱性の低下を招く。よって塑性加工後に熱処理を行う場合には、100〜400℃の温度範囲で実施する。なお、より良好な強度および靱性特性を得るには150〜400℃の温度範囲で熱処理することが好ましい。
また、このような熱処理は、100℃未満の温度で塑性加工を行った場合に限定されるものではなく、100℃以上の温度で塑性加工を行った場合にも有効である。塑性加工及びその後の自己焼戻しによって生じたM−A混合物の分解を、この熱処理により、より確実なものとすることができるからである。更に、この熱処理(焼戻)時の昇温速度、保持時間及び冷却方法は、特に限定する必要はないが、急速加熱及び保持時間の短縮、並びに熱処理後の強制冷却は、いずれも鋼材の強度を増加させ、靱性を改善するため、必要に応じて適宜条件を選択し、調整することができる。
上述の如く、本発明においては、上記数式(3)により定義されるPcmを0.26%以下に制限しているため、鋼材の耐溶接割れ性を改善できると共に、溶接前に行う鋼材の予熱温度を低下させて作業効率を向上させることができる。
また、圧延後の圧延鋼板を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却しているため、鋼の金属組織がベイナイト及び/又はマルテンサイト等(一部にフェライト及び/又はパ−ライトを含むこともある)になり、Pcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性及び強度の低下を防止することができる。
更に、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmの上限を超えない範囲で固溶元素及び析出元素を添加しているため、製造される高張力鋼材をより強化することができる。
更にまた、冷却後の圧延鋼材に、100〜200℃未満の温度条件下で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1〜10%の加工を実施しているため、鋼中に生成したM−A混合物の全て又は一部をマルテンサイトに変態させることができる。さらにその後の冷却中に自己焼戻によりマルテンサイトの分解やマルテンサイト変態に伴って生成した可動転位が固着される。
または、冷却後の圧延鋼材を室温以上100℃未満の温度条件下で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1〜10%の加工を実施する場合には、鋼中に生成したM−A混合物の全て又は一部をマルテンサイトに変態させることができる。また、その後の100〜400℃の簡易な熱処理を行うにより、焼戻によるマルテンサイトの分解やマルテンサイト変態に伴って生成した可動転位が固着される。
それらの結果、耐溶接割れ性が優れ、強度、靱性に優れた引張強度が570N/mm以上の高張力鋼材を製造することができる。従って、本発明によれば、橋梁及び建築物等に代表される大型構造物の主要部材への適用に際して十分な特性を有する鋼材を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例においては、下記表1〜表4に示す組成の鋼を、上述した方法により、鋼素材厚、最終的に得られた鋼板の厚さ(製品板厚)及び製造条件を変えて、実施例及び比較例の各鋼板を作製した。ちなみに、製造条件に関しては、上述した鋼材の製造プロセスに沿って、再加熱温度、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度及び板厚方向平均の相当塑性歪0.1%以上の加工を行う温度、与えた板厚方向平均の相当塑性歪量、その後の焼戻し温度について、条件を異ならせている。
なお、下記表1および表2に示す鋼A〜AJは本発明の範囲内の実施例であり、下記表3および表4に示す鋼A1〜A12はいずれも本発明の範囲から外れる比較例であり、下記表3および表4における下線は、本発明の範囲外であることを示す。また、下記表1〜表4に示す鋼組成における残部は、Fe及び不可避的不純物である。具体的には、下記表3および表4に示すように、鋼A1及びA2はMn含有量およびPcmが過剰である。また、鋼A3及びA4は、夫々C及びSiが過剰であり、鋼A5は個々の元素の含有量は条件を満たしているが、Pcmが過剰である。更に、鋼A6〜A9は、夫々Mo、Cr、Cu及びNiの含有量が過剰であり、鋼A10〜A12は、夫々V、Ti及びNbの含有量が過剰である。
Figure 2008303424
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次に、実施例及び比較例の各鋼板の機械的特性を評価した。具体的には、母材(鋼板)の引張特性(降伏応力YS,引張強度TS)及び靱性シャルピ−試験における延性−脆性破面遷移温度vTrs、溶接入熱を7KJ/mm相当のサブマ−ジア−ク溶接したときの溶接部の靱性vTE−5℃(シャルピ−試験の−5℃における吸収エネルギ−)、並びに斜めy型割れについて評価した。
母材の引張特性は、各鋼板(母材)から作製したJIS4号試験片を使用して、引張り試験により測定した。
また、靱性は、各鋼板(母材)及び溶接部から切り出したJIS4号試験片を使用し、Vノッチシャルピ−試験によって測定した。
更に、斜めy型割れ試験は、JIS Z3158に規定されているy型溶接割れ試験法に基づき、低水素溶材を使用して室温で行った。
以上の結果を下記表5〜表8にまとめて示す。なお、下記表5〜表8に示す斜めy割れ試験結果において、◎は割れ無し、×は割れ有りを表している。また、下記表5〜表8においては、本発明の範囲外となっている項目について、下線を付して示している。但し、特性の評価結果については、一定の評価を行うため、引張強度が600N/mm級の鋼板の降伏応力YSについては500N/mm未満、引張強度TSについては600N/mm未満、引張強度が700N/mm級の鋼板の降伏応力YSについては600N/mm未満、引張強度TSについては700N/mm未満の場合に、引張強度が800N/mm級以上の鋼板の降伏応力YSについては650N/mm未満、引張強度TSについては800N/mm未満の場合に、夫々下線を付している。更に、延性−脆性破面遷移温度vTrsについては0℃以上の場合、溶接部靱性vTE−5℃については100J未満の場合に、夫々下線を付している。更に、下記表5〜表8には、鋼素材の厚さ、製品板厚及び各種製造条件についても併せて示す。
Figure 2008303424
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上記表5〜表8に示すように、比較例No.1の鋼板は、加工温度が高すぎた為に焼戻効果が過剰に発揮され炭化物や金属組織の粗大化などにより引張強度が低下したものである。
また、比較例3は加工を行わなかった為にM―A混合物の分解や可動転位の固着が行われなかったので降伏強度が低いままである。
比較例7は100℃以下の温度で加工を行ったにもかかわらず、100〜400℃以下の熱処理をおこなっていないので、M―A混合物の分解はおきたとしても可動転位の固着が行われなかったので降伏強度が低いままである。
比較例10および11は100℃以下の温度で加工を行いその後に熱処理を行ってはいるが、熱処理の温度が低すぎ100〜400℃以下の条件を満たさなかったので、やはり可動転位の固着が行われなかったので降伏強度が低いままである。
比較例16は逆に熱処理の温度が高すぎたために炭化物や金属組織の粗大化など、これも降伏強度が低下した。
比較例17〜19は室温まで冷却が行われる途中で加工を行ったものであるが、加工温度が高すぎた為に、やはり炭化物や金属組織の粗大化など、これも降伏強度や引張強度が低下している。
比較例21,22は加工で付与した歪量が大きすぎたために鋼の強度は増加したが、過度の加工硬化してしまった為に母材靱性が低下した。
比較例24は、比較例7と同様に、100℃以下の温度で加工を行ったにもかかわらず、100〜400℃以下の熱処理をおこなっていないので、M―A混合物の分解はおきたとしても可動転位の固着が行われなかったので降伏強度が低いままである。
比較例28、29、32、33は比較例17〜19と同様に室温まで冷却が行われる途中で加工を行ったものであるが、加工温度が高すぎた為に、やはり炭化物や金属組織の粗大化など、これも降伏強度や引張強度が低下している。
比較例41は比較例7と同様に100℃以下の温度で加工を行ったにもかかわらず、100〜400℃以下の熱処理をおこなっていないので、M―A混合物の分解は生じたとしても可動転位の固着が行われなかったので降伏強度が低いままである。
比較例45,46は室温での加工後に熱処理を行う点では適正であるが、その温度が高すぎる為に金属組織や炭化物などの析出物が粗大化するなどして鋼の降伏強度、引張強度が低下した。
比較例47、49、51、56も異なる成分系で加工温度が高い場合に降伏応力が低下してしまうことを示したものである。
また、比較例54は加工を行わなかった場合の例を示したもので、このような場合にはM−A混合物やマルテンサイト変態に伴う可動転位の発生により、降伏応力の低下が生じている。
比較例62は、引張強度700N/mm級の鋼でも冷却ままではM−A混合物やマルテンサイト変態に伴う可動転位の生成などにより降伏強度が低いことを示している。
比較例61は同じく700N/mmの鋼で加工温度も低く加工量も小さすぎた為に加工の効果が殆ど現れていないことを示す。
また、比較例63、74、76、98、108、111は加工を行わなかった場合に引張強度600N/mm級の鋼62で加工を行わなかった場合と同様に、M−A混合物やマルテンサイト変態に伴い発生した可動転位を解消できず、降伏応力の低下を回復できていない。
比較例67は適正な温度で加工されているが、加工歪み量が大きすぎるので、金属組織や析出物の粗大化が進み母材靱性が低下している。
比較例68は加工温度が低すぎM−A混合物の分解や可動転位の固着が不十分で降伏応力が低いままである。
また、比較例70〜71および78、80、82、86、88、90、105〜107は加工温度が高すぎ金属組織や炭化物などの析出物が粗大化するなどして鋼の降伏強度、引張強度が低下している。
比較例84、93は加工が小さすぎM−A混合物を分解したり、可動転位の固着を促進する新たな転位の導入が不十分であったために降伏応力を回復させることができていない。
比較例100は100℃未満の温度で加工されたので熱処理を行う必要があるが、その温度が低すぎたので十分な強度の増加が認められない。
比較例99では熱処理そのものを行っていない。
比較例No.114〜No.125の鋼板は、いずれも鋼組成が本発明の範囲から外れている比較例である。
具体的には、比較例No.114及びNo.115の鋼板は、Mn含有量およびPcmが過剰であるために溶接部の靱性が劣っており、溶接割れも発生していた。
また、比較例No.116及びNo.117の鋼板は、夫々C及びSi含有量が過剰であり、母材靱性及び溶接部靱性が劣っていた。更に、これらの鋼板はPcmも過剰であるため、溶接割れが発生した。
比較例No.118の鋼板は、個々の元素の含有量は条件を満たしているが、Pcmが過剰であるため、溶接割れが発生し、更に母材靱性及び溶接部靱性も良好ではなかった。
また、比較例No.119〜No.122の鋼板は、夫々Mo、Cr、Cu及びNiの含有量が過剰であり、比較例No.123〜No.125の鋼板は、夫々V、Ti及びNbの含有量が過剰であるため、母材靱性及び溶接部靱性が不良であった。
更に、比較例No.120及びNo.121の鋼板は、Pcmも過剰であるため、溶接割れが発生した。
これに対して、本発明の範囲内で製造した実施例の鋼板は、母材の強度及び靭性、溶接部の靭性、並びに耐割れ性のいずれの特性も優れていた。これらの結果から、上述した知見を確認することができ、また、上述した各鋼成分の限定の根拠を裏付けることが可能となる。

Claims (9)

  1. 質量%で、C:0.001〜0.20%、Si:0.001〜2%、Mn:0.001〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(A)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を鋳造する工程と、前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の温度範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却した後、空冷して100〜200℃未満の温度とし、この温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を行い、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
    Figure 2008303424
  2. 質量%で、C:0.001〜0.20%、Si:0.001〜2%、Mn:0.001〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(A)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を鋳造する工程と、前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の温度範囲にまで冷却速度1℃/sec以上で強制冷却した後、空冷して室温〜100℃未満の温度とし、この温度範囲で板厚方向の平均相当塑性歪みで0.1%以上10%以下の加工を行い、更に100〜400℃の温度で熱処理を施し、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
    Figure 2008303424
  3. 前記鋼は、更に、質量%で、Cu:0.001〜2%、Ni:0.001〜3%、Cr:0.001〜2%及びMo:0.001〜1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  4. 前記鋼は、更に、質量%で、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  5. 前記鋼は、更に、質量%で、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  6. 前記鋼は、更に、質量%で、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  7. 前記鋼は、更に、質量%で、N:0.0001〜0.01%を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  8. 前記鋼は、更に、質量%で、B:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  9. 前記鋼は、更に、質量%で、S:0.0005〜0.02%を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
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