JP4926447B2 - 耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法 - Google Patents

耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、引張強さ570N/mm以上の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法に関するものである。
近年、構造物の大型化により、570N/mm以上の高張力鋼が用いられる場合が増加している。一般に高張力鋼は強度向上の目的から多くの合金元素を添加するために、耐溶接割れ性は良好であるとは言えない。そこで、溶接割れ感受性を表す指標であるPcm値を低く抑制した鋼が、例えば、特許文献1において提案されている。
この特許文献1記載の発明では、VとNbを複合添加することにより、高降伏点化が達成できる冷却停止温度が広がり、安定的に高降伏点鋼材が製造可能になるという知見に基づいている。特に冷却停止温度範囲(例えば350〜450℃)においては、NbとVの複合添加によるマトリクス強化が主として作用し、高降伏点化が達成され、高い冷却停止温度範囲(例えば450〜650℃)においては、NbとVの析出硬化機構により、450Mpa以上もの高降伏点が得られる点に着目している。また、鋼の成分を特許文献1記載の範囲に限定することにより、優れた靭性及び溶接性を併せ持たせることができるという知見にも基づいている。
また、570N/mm以上の高張力鋼では、鋼の焼き入れ性を確保するためにBを添加する場合が多い。Bは粒界偏析元素であると同時にAl、Tiに次ぐ強力な窒化物形成元素である。特許文献2の開示技術では、溶接熱を受けた後の冷却時において、亜粗粒域HAZでは窒化物BNを形成し、粗粒域では、固溶Bとして存在するBとNとの組み合わせがあれば、全領域に亘って良好な靭性が得られる点に着目している。また、種々のB及びNの鋼を作製し、組織と靭性を調査した結果、重量%で、Bを0.0003〜0.003%、Nを0.0003〜0.008%とした場合に、HAZ全域に亘って組織及び靭性が改善されることに基づいている。
しかし、Bの添加は精錬、鋳造時の化学成分や製造条件の変動による母材特性の不安定さが問題となる場合がある。また、溶接部においては顕著な硬化が著しく耐溶接割れ性が悪化する場合がある。
このため、上述の如きB添加による耐溶接割れ性の低下を改善する観点から、特許文献3に記載の発明のように単純にBの添加を行わない鋼も提案されている。この特許文献3記載の発明は、溶接割れ感受性指数としてのPcm値を指標として定義されており、さらにその鋼の成分は、下記の知見に基づいている。(1)化学成分をNb添加系とし、かつ直接焼入れ法の採用により圧延加熱時に固溶させたNbによる焼入れ性向上効果を活用できる点。(2)直接焼入れ後の焼戻し処理によりNb炭窒化物の析出硬化を活用できる点。(3)鋼材の低温靭性の改善に有効なオーステナイト未再結晶域での圧延は、オーステナイト再結晶温度を上昇せしめるNb添加により、極端に低温での圧下を実施することなく実現できる点。(4)オーステナイト未再結晶域での圧下量によって鋼材の圧延方向に平行な方向と垂直な方向との音速比(音響異方性)が増加するにつれ、シャルピー衝撃試験の破面遷移温度で表される低温靭性が極端に低温での圧下を加えることなく改善される点。
しかしながら、Bは、ベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織の生成を促進する効果を有する。またBは、微量の添加によって焼入れ性を向上させ、焼入れ時の焼入れ深さを高めることによりねじり強度を向上、ひいては高張力鋼の溶接部靱性を改善する効果もある。このため、かかるBを添加しない場合には溶接部の靱性を低下させてしまうという欠点もあった。
特開2002-220622号公報 特開平10-025535号公報 特開平10-183239号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、上述した耐溶接割れ性を改善するために、Pcmを一定値以下に制限し、製造安定性や耐溶接割れ性の観点からBを添加しない高張力鋼において懸念される溶接部靱性を顕著に改善することを目的とする。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。まず、(a)鋼の耐溶接割れ性を改善するためにPcm(=C%+Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/30+Cr%/20+Mo%/15+V%/10+5B%)を一定値以下に制限する。この値は、小さければ小さいほど耐溶接割れ性は改善され、溶接を行う前に行う鋼材の予熱温度を低下させることができ、作業効率を増加させることができる。特にPcmが0.26以下となると予熱温度が室温程度となり予熱が不要となる。従って、Pcmの上限は0.26とすることが望ましい。しかしながらPcmを低下させることは、概ね焼き入れ性を低下させたり、固溶強化や析出強化を通じて強度に寄与する元素を低減することであるから鋼の強度を低下させる。そこで、このような(b)鋼の強化を行うために圧延終了後にはAr3点以上の温度から室温〜650℃の範囲に強制冷却を行い、鋼の組織をベイナイトやマルテンサイトなどにして変態組織強化を行う。但し、(c)目標とする鋼の強度によって固溶元素や析出元素をPcmの上限を超えない範囲で添加し、強化を増加する。このとき、B(ボロン)はPcmをあまり増加させずに、鋼の焼き入れ性を増加させ強度を得やすくする元素であるが、一方で、精錬、鋳造時の化学成分のばらつきや製造条件の変動による効果や特性の不安定さがある。そこで、(d)製造不安定性を回避する観点からBを添加しない。しかし、Bは溶接部の金属組織の焼き入れ性を高めることによって、高張力鋼の溶接部の低温靱性を改善する効果があるので、これを添加しない場合には溶接部の靱性が低下するという欠点がある。本発明者等はこのようなBを添加しない場合の溶接部靱性に及ぼす各元素の影響を調査した。その結果、(e)Mnを従来通常の使用範囲を超えて、より多く2〜5%添加することにより強度を増加させ、かつ溶接部靱性が向上した。Mn添加による溶接部靱性の向上は同程度の焼き入れ性をNiなどMn以外の元素で補った場合より、あきらかに良好であった。Bを添加しない系において、Mnを2%以上添加することによって焼き入れ性の向上による母材強度と溶接部の靱性という相反する特性を両立することができたのである。この改善効果の起源は明確ではないが、B添加がない場合にMnの変態組織を微細にする効果(ベイナイトや粒内変態の核生成を促進する一方で結晶粒の成長を抑制するような効果)が表れたものと考えられる。
以上、(a)〜(e)によって、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性と溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼を得るため、本発明者は、以下の高張力鋼の製造方法を発明した。
(1) 質量%で、C:0.0002〜0.15%、Si:0.01〜2%、Mn:2〜5%、B≦0.0003%、Al:0.0001〜0.1%、N :0.0001〜0.01%、Nb:0.0001〜0.1%を含有し、さらにCu:0.001〜3%、Ni:0.001〜1%、Cr:0.001〜3%、Mo:0.001〜3%、V :0.0001〜0.2%、Ti:0.0001〜0.2%、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%、Ca:0.0001〜0.02%からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含有し、かつ
Pcm=C%+Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/30+Cr%/20+Mo%/15+V%/10+5B%≦0.25
を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を鋳造し、
室温まで冷却することなくそのまま、または一度室温まで冷却し、
950〜1250℃に再加熱し、Ar3点以上の温度で圧延を終了し、かつ、Ar3点以上の温度から室温〜650℃の温度域に強制冷却することを特徴とする、引張強さ570N/mm2以上の、耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
(2)さらに、質量%で、Zr:0.0001〜0.3%、Ta:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
) 前記強制冷却の後に、100〜620℃の温度で熱処理を施すことを特徴とする、上記(1)または2)に記載の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
本発明によれば、Pcmを一定値以下に制限することにより耐溶接割れ性を向上させつつ、溶接部低温靱性の良好な570N/mm以上の高張力鋼を提供することが可能となる。従って、本発明によれば、橋梁、建築物等に代表される大型構造物の主要部材に対して十分な特性を有する鋼材を提供することが可能となる。
本発明の要旨とするところは以下の通りである。まず、(a)鋼の耐溶接割れ性を改善するために、溶接割れ感受性を示すPcm(=C%+Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/30+Cr%/20+Mo%/15+V%/10+5B%)を0.26以下に制限する。次に、Pcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性や強度の低下に対しては、(b)圧延終了後にAr点以上の温度から室温〜650℃の範囲に強制冷却を行い鋼の組織をベイナイトやマルテンサイトなどにして変態組織強化を行う。さらに、(c)目標とする鋼の強度によって固溶元素や析出元素をPcmの上限を超えない範囲で添加し、強化を増加する。このとき、Bは、Pcmをあまり増加させずに、鋼の焼き入れ性を増加させ強度を得やすくする元素であるが、一方で、精錬、鋳造時の化学成分のばらつきや製造条件の変動による効果や特性の不安定さがある。そこで、(d)製造不安定性を回避する観点からBを添加しない。しかし、Bは溶接部の金属組織の焼き入れ性を高めることによって、高張力鋼の溶接部の低温靱性を改善する効果があるので、これを添加しない場合には溶接部の靱性が低下するという欠点がある。本発明者等はこのようなBを添加しない場合の溶接部靱性に及ぼす各元素の影響を調査した結果、(e)Mnを通常より多く2〜5%添加することにより強度を増加させ、かつ溶接部靱性を向上させることができることが分かった。これら(a)〜(e)の知見によって、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性と溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼を得るものである。
ちなみに、ここでいう高張力鋼とは、いわゆる高張力鋼板をさし、厚鋼板及び熱延鋼板等を含む概念である。
これらの思想を実現するために必要な条件について、以下に各成分、製造方法の限定理由として説明する。以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
Cは、鋼の焼き入れ性を制御し、強度を高めたり、セメンタイトをはじめとする炭化物を生成し、強度を向上させるために添加する。しかし、このCを過剰に含有させると、パーライトやマルテンサイトあるいはセメンタイトといった硬質の第二相組織の形成量が増加して鋼の延性や靱性の低下を招くとともに溶接性や溶接部の靱性を著しく劣化させる。
このため、鋼の高強度化を図る観点から、Cの下限を0.0002%とした。これに対して、Cの含有量が0.15%を越えると、加工性、溶接性、靭性が著しく劣化するため、Cの上限を0.15%に設定した。
Siは、鋼材の脱酸元素であり、通常Mnとともに鋼の酸素濃度を低減する目的で添加される。またこのSiは、固溶強化元素として、強度の上昇に寄与する。このSiが0.01%未満では、上述した固溶強化を図ることができない。また、Siが2%を超えると低温靱性や鋼の表面性状を損なう。このため、Siの濃度範囲を0.01〜2%とした。
Mnは、Siとともに脱酸にも効用があるが、鋼中にあって材料の焼き入れ性を高め、強度向上に寄与する元素である。また、このMnは、安価であることからCに次いで活用される元素である。これらの従来知見に加えて、Mnを2%以上に亘って増量添加することにより、鋼の溶接部の低温靱性を改善する効果があることが判明した。このため、本発明では、Mnの下限を2%とした。これに対して、Mnの濃度が5%を越えると鋼の加工性を劣化させるため、その上限を5%とした。
BはPcmをあまり増加させることなく、焼入れ性の向上を介して鋼の強度を増加させる作用を有するが、精錬、鋳造時の化学成分のばらつきや製造条件の変動による効果や特性の不安定さがある。そこで、製造不安定性を回避する観点から、本発明においては、原則としてBを添加しない。しかしながら、Bを極めて微量に添加することにより、上述の如き高強度化に寄与することから、その濃度0.0003%を上限として添加を許容することとした。特に実用鋼においては、不可避的不純物として、この程度のBを含有している可能性があるので注意が必要である。
Nbは、熱間圧延時の未再結晶温度域を広げ制御圧延を容易にし、強度及び靭性を向上させる際に有効な元素である。但し、0.0001%未満では効果がなく、0.1%を超えると母材の靱性や延性、溶接部の靱性に悪影響を及ぼすことから、Nbの濃度範囲を0.0001〜0.1%とした。
溶接割れ感受性を示すPcmを上述の如く0.3%以下とした。これはPcmが0.3%程度となると溶接に先立って行う鋼材の予熱温度が室温程度となり予熱作業が不要となるメリットがあるからである。但し、Pcmは鋼の強度が低いほど下げることが可能であるので、目標強度に応じて、0.18質量%程度を下限としつつできるだけ低減することが望ましい。0.18質量%程度を目標値とするのは、これ以上Pcmを低減しても予熱が不要であることに変わりがないからである。
Cu、Ni、Cr、Moは鋼の焼き入れ性や強度を増加させる目的で選択的に添加することができる。
Cuは、焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶し、この固溶強化によって鋼の強度を向上させる。またCuは、析出硬化に有効な元素であり、金属Cuの析出相を形成し、微細組織の形成の促進や延性の劣化を抑制した析出強化を実現することが可能となる。但し、0.001%未満の濃度では析出量が不十分で、本発明での課題とする機械的特性が得られないことから、下限値を0.001%とした。また、Cuの濃度が3%を超える場合には、析出強化が著しくなり、鋳造時に粒界に析出して内部割れを引き起こし、圧延製造工程中に鋼塊や鋼板で疵を発生させやすくなり、鋼の熱間加工性や母材靱性、溶接部の靱性などを劣化させる要因ともなる。このため、Cuの上限値が3%となるように設定した。
Niは、強度を向上させる作用を有し、特に靭性を低下させることなく強度向上が図れる点で有用な元素である。このNiが0.001%未満の濃度では靭性向上にはほとんど機能しないことから下限値を0.001%とした。また、3%を超えるNiを含有させても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利になるとともに焼き入れ強化による強度上昇が顕著となり、靱性や延性の劣化をまねく。このため、かかるNiの上限値が3%となるように設定した。Niの上限値は、実施例に基づいて1%とする。
Crは、焼入れ性の向上と析出硬化により、母材の強度向上に有効な元素である。このCrは、0.001%未満の添加では上述した強度上昇効果は充分に発揮されず、3%を超える濃度では靭性が低下する。したがってCrの濃度範囲を0.001〜3%に限定した。
Moは、焼入れ性の向上、析出強化に寄与して強度を向上させる。Moの濃度が0.001%未満では析出強化に寄与する事ができず、十分な強度が確保できない。これに対して、Moの濃度が3%を超えてしまうと、強度が顕著に上昇して靭性の劣化が生じる。従って、Moの濃度範囲を0.001〜3%に限定した。
、Tiは結晶粒の微細化と析出強化の面で有効に機能するので靭性を劣化させない範囲で選択的に添加できる。
Vは、析出強化を通じて高降伏点化をもたらす働きをする元素である。このVの濃度が0.0001%未満では、上述した析出強化による効果を得ることができず、また0.2%を超えてしまうと、溶接性、靭性の低下を招く。このため、Vの濃度範囲を0.0001〜0.2%に限定した。
また、Tiの濃度範囲は、0.0001〜0.2%とした。0.001%以上添加することで、炭窒化物を形成し、強度上昇や金属組織の細粒化に大きく寄与し、強度上昇や母材や溶接部の靱性を向上する。しかし、0.2%を超えると析出物の粗大化などにより逆に靭性の劣化を招くため、上述の如き濃度範囲に限定した次第である。
REM、Mg、Caは、いずれも脱酸に寄与することに加えて硫化物を形成して靭性低下の要因となるMnSの生成を抑制することができ、Sの無害化に有効である。このため、これらREM、Mg、Caは、何れも選択的に添加できるが、過度に添加してしまうと、大型の介在物として存在することとなり靭性の低下を効果的に抑制することができなくなる。このため、REMについては0.10%以下とし、Mg、Caについては0.02%以下に限定している。また、それぞれの下限値を0.0001%としたのは、これ以下では効果が得られないからである。
Alは、溶鋼の脱酸などに活用される元素であるが、鋼中のNと結合し、オーステナイト生成時に結晶粒を微細化する作用があり、靭性や延性を向上させる効果がある。本発明でのAl以外の成分濃度範囲においては0.0001%未満では、脱酸が不十分であることから下限を0.0001%に限定した。また、0.1%を超える濃度までAlを添加しても、その効果が飽和することから、上限を0.1%に限定した。
Zr、Ta、Hfは脱酸元素あるいは炭窒化物形成元素として選択的に添加できる。但し、Zr、Ta、Hfについては0.3%を越えると、鋼の靱性や表面性状を劣化させてしまう。またこれらの元素が0.0001%未満では、効果が得られない。このため、Zr、Ta、Hfの濃度範囲を0.0001%〜0.3%に限定した。
Nは、溶鋼処理中に空気中の窒素が取り込まれることから、鋼中に不可避的に混入する元素である。このNは、TiおよびAl、Zr、Ta、Hfと窒化物を形成し、オーステナイトの細粒化およびフェライトの再結晶粒の微細化に有効に作用するため靭性を劣化させない範囲で選択的に添加できる。したがって、Nは低濃度であることが望ましいため、下限値を0.0001とした。また、0.05%を超える濃度では、オーステナイト粒の微細化を図ることができず、靭性低下が著しくなることから、0.05%を上限値とした。
その他、不可避的不純物であるPは、オーステナイトの粒界に偏析し、粒界強度を低下させることにより、ねじり延性や靱性を低下させることから、0.02%以下とすることが望ましい。また不可避的不純物であるSは、Pと同様に不純物として含有される元素であり、意図的に添加される元素ではないが、不純物として偏析し、またMnSなどの硫化物系介在物を形成し、高温における加工性や靭性を低下させることから、0.01%以下とすることが望ましい。
次に、鋼の製造条件について説明する。鋼は所定の成分に調整された後、例えば連続鋳造やインゴット鋳造等の方法により鋳造される。かかる鋳造を終了後、室温まで冷却することなくそのままか、あるいは鋳造後に一度室温まで冷却させる。この時の冷却については特にその方法を規定しない。加熱炉内で徐々に冷却する炉冷、大気中での放冷、水冷などによる強制冷却などが可能である。但し、強度、靱性向上の目的には、水冷により強制冷却することが好ましい。その後950〜1250℃に再加熱する。次に、この再加熱された鋼に対して圧延処理を実行していくことになるが、この圧延終了時の温度は、Ar点以上であることが必須となる。圧延処理を終了させた後、Ar点以上の温度から室温〜650℃の範囲に鋼を強制冷却する。ちなみに、この圧延処理時における総圧下率は、理想的には75〜99%としてもよいが、実際には30%以上、望ましくは50%以上であってもよい。また、オーステナイトの未再結晶状態で圧延を行うことを目的に概ね900℃以下の温度で圧延を行う制御圧延を実施することもできる。この場合、900℃以下の温度での総圧下率は実際には10%以上、望ましくは30%以上が望ましい。また、前記圧延後の強制冷却は、例えば水冷で板厚20mm〜75mmの鋼を冷却する場合に、その冷却速度は、4℃/s〜70℃/s程度としてもよい。
なお、上述した再加熱時の温度は、鋼の金属組織がオーステナイト単相となる必要があるので、その下限を950℃とした。また、再加熱温度の上限を1250℃としたのは、これを超える温度では、オーステナイト結晶粒の成長が速く、粗大となり、鋼の低温靱性を劣化させてしまうからである。
また、圧延をAr点以上で終了するのは、Ar温度以下での圧延では金属組織中に加工されたフェライトが混在し、鋼の靱性を劣化させるからである。また、圧延後の冷却をAr点以上から行うのは、Ar点以下から冷却を行ったのでは冷却開始前に粗大なフェライトが生成し、強度を低下させるとともに靱性を劣化させるからである。また、冷却は水冷によって実施するのが望ましいが、これと同等の冷却速度が得られればどのような方法でも良い。このような強制冷却により、鋼組織を未変態オーステナイトとベイナイトの混合組織とすることができ、鋼材の強度上昇を図ることが可能となる。
また、冷却の終了温度を650℃以下としたのは、これを超える温度では、金属組織にフェライトが増加し、鋼の強度を高められないからである。さらに冷却の終了温度を室温以上としたのは水冷などの現在の設備能力としてこれ以下まで冷却することが困難であるからである。なお冷却停止温度については、所期の強度レベルに応じて適宜調整することができる。
最後に、前記の室温から650℃への強制冷却の後に実施する100〜700℃の温度での熱処理については、目標とする強制冷却の終了温度以下であれば室温を含み、そこまで放冷されている過程のどのようなタイミングで実施してもよい。但し、このような場合は、実施可能な熱処理温度の選択範囲が制限されることになるが、その効果は変わらない。また、熱処理の温度範囲を100℃以上としたのは、100〜300℃の温度であれば固溶炭素原子や窒素原子による転位の固着が生じ、いわゆる時効硬化による強化が得られるからである。さらに、300℃以上の温度では、いわゆる焼戻しの効果により、セメンタイトやその他の炭窒化物の析出による析出強化が得られるとともに、強度の調整等によって靱性の改善がもたらされる。しかし、一方で極度に高温の熱処理では、セメンタイトやその他の炭窒化物および金属結晶粒の成長、粗大化により強度の低下や靱性の劣化をもたらす。そこで、熱処理の最高温度は700℃とした。熱処理の最高温度は、実施例に基づいて620℃とする。なお、熱処理時の昇温速度や保持時間、冷却方法については特に規定を設けないが、急速加熱や保持時間の短縮および熱処理後の強制冷却はいずれも鋼の強度を増加させ、靱性を改善するので、必要に応じて適宜条件を選択、調整すれば良い。
以下に本発明の実施例について説明をする。表1は、上述した化学成分の範囲内にある本発明を適用した高張力鋼(以下、発明鋼という。)と、本発明から逸脱した化学成分からなる鋼(以下、比較鋼という。)の成分構成例を示している。
Figure 0004926447
鋼種A〜は、発明鋼に該当し、鋼種A1〜T3は比較鋼に該当する。ちなみに、鋼種A1並びにI3は、Mnを上記化学成分の範囲より低く設定している。また、鋼種A3は、Mnを上記化学成分の範囲より高く設定している。また鋼種A2は、Cを上記化学成分の範囲より高く設定し、鋼種I1、I2は、Bを上記化学成分の範囲より高く設定している。さらにM1、M2、M3、M4は、それぞれMo、Cr、Cu、Niの化学成分を本発明において限定した化学成分から逸脱させている。またT1はVについて、T2はTiについて、さらにT3はNbについて、上記化学成分の範囲より高く設定している。
上述の如き化学成分からなる発明鋼と比較鋼について、素材厚、製品板厚、製造条件につき、互いに異ならせて機械的特性を評価した。ちなみに製造条件に関しては、上述した鋼の製造プロセスに沿って、再加熱温度、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度、焼戻し温度、Ar温度のそれぞれについて、条件を異ならせている。
表2は、発明鋼並びに比較鋼の各種条件に対する機械的特性を示している。
Figure 0004926447
機械的特性は、母材の降伏応力YS(N/mm)、母材の引張り強度TS(N/mm)、靱性(シャルピー試験に於ける延性-脆性破面遷移温度vTrs)、及び溶接部靱性(溶接入熱7KJ/mm相当、シャルピー試験の−5℃における吸収エネルギー)、斜めy型割れ試験結果の各項目に亘っている。
ちなみに、母材の降伏応力YSや引張り強度TSを測定する上での引っ張り試験においては、JIS4号試験片を利用し、低温靱性は、JIS4号Vノッチシャルピー試験に基づいて測定した。斜めy型割れ試験は低水素溶材を用いて室温で行った。この斜めy型割れ試験結果に示される◎は割れ無し、×は割れ有りを表す。
その結果、上記比較鋼A1〜T3は、全て溶接部靭性が100J以下まで悪化し、中にはy型割れ試験結果において割れが発生する供試鋼もあった。
また、番号2の比較鋼は発明鋼Aと、番号5、6の比較鋼は発明鋼Cと、また番号27、28の比較鋼は発明鋼Hと、また番号47、48の比較鋼は発明鋼Oと、また番号56の比較鋼は発明鋼Sと、それぞれ同一の成分として構成されながらも、各製造条件における温度範囲を上述した本発明の温度範囲から逸脱させている。
番号2の比較鋼は、再加熱温度、圧延終了温度、冷却開始温度を本発明の温度範囲よりも低めに設定しているが、その結果、溶接部靭性が悪化してしまうことが示されている。番号5、47の比較鋼は、冷却開始温度のみを、番号6、48の比較鋼は、圧延終了温度並びに冷却開始温度を、それぞれ低めに設定しているが、その結果、溶接部靭性を悪化することに加え、さらに母材特性も劣化してしまうことが示されている。番号27、28、56の比較鋼は、焼戻し温度を700℃よりも高く設定しているが、その結果、焼戻しによる靭性向上を図ることができない旨が示されている。
このような比較鋼の実験結果から、上述した知見を確認することができ、また上述した成分限定の根拠を裏付けることが可能となる。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.0002〜0.15%、
    Si:0.01〜2%、
    Mn:2〜5%、
    B≦0.0003%、
    Al:0.0001〜0.1%、
    N :0.0001〜0.01%
    Nb:0.0001〜0.1%
    を含有し、
    さらにCu:0.001〜3%、
    Ni:0.001〜1%、
    Cr:0.001〜3%、
    Mo:0.001〜3%、
    V :0.0001〜0.2%、
    Ti:0.0001〜0.2%、
    REM:0.0001〜0.1%、
    Mg:0.0001〜0.02%、
    Ca:0.0001〜0.02%
    からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含有し、かつ
    Pcm=C%+Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/30
    +Cr%/20+Mo%/15+V%/10+5B%≦0.25%
    を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を鋳造し、
    室温まで冷却することなくそのまま、または一度室温まで冷却し、
    950〜1250℃に再加熱し、Ar3点以上の温度で圧延を終了し、かつ、Ar3点以上の温度から室温〜650℃の温度域に強制冷却することを特徴とする、引張強さ570N/mm2以上の、耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
  2. さらに、質量%で、
    Zr:0.0001〜0.3%、
    Ta:0.0001〜0.3%、
    Hf:0.0001〜0.3%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
  3. 前記強制冷却の後に、100〜620℃の温度で熱処理を施すことを特徴とする、請求項1または2に記載の耐溶接割れ性に優れた高張力鋼の製造方法。
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