JP2008296591A - 感圧転写材、その製造方法及び転写物 - Google Patents
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Abstract
【課題】感圧転写材の転写層が、低濡れ性のシロキサン結合主体層とその上に設けられた硬化樹脂層から構成される場合に、シロキサン結合主体層と硬化樹脂層との密着性を良好なものとし、しかも、硬化樹脂層には「はじき」や「ピンホール」等が生じないようにする。
【解決手段】離型性ベースフィルムと、その上に設けられた転写層とを有する感圧転写材の当該転写層は、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とから形成されたシロキサン結合主体層、および多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから形成された硬化樹脂層が互いに隣接した層構造を有する。シロキサン結合主体層を離型性ベースフィルム側に配置する。
【選択図】なし
【解決手段】離型性ベースフィルムと、その上に設けられた転写層とを有する感圧転写材の当該転写層は、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とから形成されたシロキサン結合主体層、および多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから形成された硬化樹脂層が互いに隣接した層構造を有する。シロキサン結合主体層を離型性ベースフィルム側に配置する。
【選択図】なし
Description
本発明は、離型性ベースフィルムとその上に設けられた転写層とを有する転写材、その製造方法及び転写物に関する。より詳しくは、転写層が、「はじき」や「ピンホール」を発生させやすい低濡れ性層と、それに隣接して設けられる別の層とから構成される場合に、該別の層に「はじき」や「ピンホール」が生じていない転写層を有する転写材、その製造方法及びその転写材から得られる転写物に関する。
近年、画像表示板における要求性能の1つとして反射防止機能が挙げられるようになっている。反射防止機能は、画像表示板に写る室内の蛍光灯などの反射光を低減し、画像をより鮮明に表示するための機能である。反射防止機能の原理は、屈折率の高い層の表面に屈折率の低い層を設けた構造の反射防止膜を形成することにより、高屈折率層で反射する光と低屈折率層で反射する光との間の光路差を利用し、相互に干渉させることにより反射光を低減させるものである。
このような反射防止機能を有する従来の反射防止膜は、従来、ディップ法によってプラスチック基材に高屈折率層と低屈折率層を順次積層することにより作製されていたが、この方法はバッチ式のため生産効率が低く、反射防止膜の作製コストアップの一因となっていた。また、ディップ液からプラスチック基板を引き上げる速度によって膜厚にムラができ易く、均一な厚さの被膜を得ることは困難であった。
そこで、均一な厚さの反射防止膜をプラスチック基板等の被転写体表面に連続的に形成する方法として、離型性ベースフィルム上に、該フィルム側から低屈折率層及び高屈折率層が積層された転写型反射防止膜が設けられた転写材を作製し、その転写材の転写型反射防止膜を被転写材表面に熱転写あるいは感圧転写する方法(即ち、転写法)が注目されるようになった。
ところで、このような低屈折率層にはポリオルガノシロキサン由来のシロキサン結合主体の層が使用される場合が多い。
しかしながら、ポリオルガノシロキサン由来のシロキサン結合主体層は低濡れ性であり、従って、この層上に高屈折率層を形成するための塗料を塗布形成する際に、シロキサン結合主体層との間に良好な密着性が得られにくく、しかも「はじき」や「ピンホール」等も発生し、均一な塗布膜を形成することが困難であるという問題があった。このような問題は、上述の転写型反射防止膜を有する転写材に限らず、一般に低濡れ性の層と、その上に形成される別の層とから構成される転写層を有する転写材においても大きな問題となっている。
本発明は、以上の従来の技術の問題を解決しようとするものであり、離型性ベースフィルム上に、一般に低濡れ性の層と、その上に形成される別の層とからなる転写層が設けられた転写材において、良好な層間密着性を実現し、しかもその別の層に「はじき」や「ピンホール」等を生じさせないようにすることを目的とする。
本発明者らは、転写材の転写層を構成する低濡れ性の層として、ポリシロキサン結合主体層を使用した場合に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを含有する硬化樹脂層形成用塗料がポリシロキサン結合主体層上にはじきやピンホールを生じさせることなく塗布でき、しかもその塗布膜を硬化させたものは、ポリシロキサン結合主体層と良好な密着性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、離型性ベースフィルムと、その上に設けられた転写層とを有する感圧転写材において、転写層が、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とから塗布法により形成されたシロキサン結合主体層、及び多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから塗布法により形成された硬化樹脂層が互いに隣接した層構造を有し、シロキサン結合主体層が離型性ベースフィルム側に配置されており、
シラン化合物が式(1)
シラン化合物が式(1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、炭素−炭素二重結合含有有機基又はエポキシ基含有有機基を表し、Rが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。Xはヒドロキシル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基又はハロゲン原子を表し、Xが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。nは1〜3の整数を表す)
で表される化合物であり、
多官能モノマーが、少なくともエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを含む、活性エネルギー線照射により重合し得る2以上の官能基を有するモノマーである感圧転写材を提供する。
また、本発明は、この感圧転写材の製造方法であって、以下の工程(a)及び(b):
(a)離型性ベースフィルム上に、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とを少なくとも含有するシロキサン結合主体層形成用塗液を塗布し、硬化させてシロキサン結合主体層を形成する工程; 及び
(b)シロキサン結合主体層上に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを少なくとも含有する硬化樹脂層形成用塗料を塗布し、硬化させて硬化樹脂層を形成する工程を有し、
シラン化合物が式(1)
(a)離型性ベースフィルム上に、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とを少なくとも含有するシロキサン結合主体層形成用塗液を塗布し、硬化させてシロキサン結合主体層を形成する工程; 及び
(b)シロキサン結合主体層上に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを少なくとも含有する硬化樹脂層形成用塗料を塗布し、硬化させて硬化樹脂層を形成する工程を有し、
シラン化合物が式(1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、炭素−炭素二重結合含有有機基又はエポキシ基含有有機基を表し、Rが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。Xはヒドロキシル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基又はハロゲン原子を表し、Xが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。nは1〜3の整数を表す)
で表される化合物であり、
多官能モノマーが、少なくともエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを含む、活性エネルギー線照射により重合し得る2以上の官能基を有するモノマーであることを特徴とする感圧転写材の製造方法を提供する。
本発明の転写材は、転写層が、低濡れ性のシロキサン結合主体層とその上に設けられた硬化樹脂層から構成され、また該硬化樹脂層は、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから形成される。従って、シロキサン結合主体層と硬化樹脂層との密着性は非常に良好なものとなる。しかも、シロキサン結合主体層にシリカ微粉末を含有するので、その上の硬化樹脂層には「はじき」や「ピンホール」等が生じない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写材は、離型性ベースフィルムの上に転写層が設けられた構造を有する。ここで、転写層は、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とから形成されたシロキサン結合主体層、及び多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから形成された硬化樹脂層が互いに隣接した層構造を有し、シロキサン結合主体層が離型性ベースフィルム側に配置されている。
本発明において、シロキサン結合主体層は、シロキサン結合を介して高分子化したシロキサン系樹脂のシロキサン結合の一部が水素原子、水酸基、不飽和基等の官能基で置換された化合物の層であり、シラン化合物と酸性化合物とから形成された低濡れ性の層であり、隣接して形成される層に「はじき」や「ピンホール」を発生させやすい層である。そのため、本発明においては、シロキサン結合主体層に更にシリカ微粉末を含有させ、そのシロキサン結合主体層に隣接する層として、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから硬化樹脂層を形成する。このような成分からなる硬化樹脂層は、成分的に共通するシラン化合物(全く同一のシラン化合物でなくてもよい)を含んでいるので、シロキサン結合主体層に良好な親和性を有する上に、シリカ微粒末により粗面化されるので、「はじき」や「ピンホール」のないものとなる。このような転写層を構成するシロキサン結合主体層及び硬化樹脂層に(特に硬化樹脂層に)種々の機能を付与することで、層間密着性の良好で且つ均一な層厚の転写層を有する、様々な用途の転写材が得られる。例えば、シロキサン結合主体層は反射防止膜の低屈折率層として機能させることができ、一方、硬化樹脂層はハードコートとして機能させることができる。
なお、シロキサン結合主体層を低屈折率層として機能させる場合には、屈折率が1.5以下、好ましくは1.4以下(1.2以上)とすることが好ましい。更に、透明性に優れ且つ鉛筆硬度がH以上であることが好ましい。
本発明の転写材の転写層を構成するシロキサン結合主体層は、前述したようにシラン化合物と酸性化合物とシリカ微粒末とから形成されるものであるが、ここで、シラン化合物としては、以下の式(1)で示されるものを用いる。
式中、Rは水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基等)、炭素−炭素二重結合含有有機基(例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基等)又はエポキシ基含有有機基(例えば、エポキシシクロヘキシル基、ブリシジル基等)を表し、Rが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。Xはヒドロキシル基、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アルコキシアルコキシル基(例えば、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基等)又はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表し、Xが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。nは1〜3の整数を表す。
このような式(1)のシラン化合物の具体例としては、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−エポキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルジクロロシラン等が挙げられる。
また、酸性化合物はシラン化合物の反応触媒として機能するものであり、プロトン原子を直接放出する公知の化合物を使用することができる。具体例には、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸等の飽和脂肪族カルボン酸類、アクリル酸、メタアクリル酸等のエチレン性不飽和基を有する脂肪族カルボン酸などが挙げられるが、装置の腐食やハンドリング性の点から酢酸が特に好ましい。
シロキサン結合主体層の厚さは、通常0.05μmから5μmの範囲であり、好ましくは0.06μmから3μmの範囲である。
本発明の転写材の転写層を構成するもう一つの層である硬化樹脂層は、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから形成されるものである。
上記多官能モノマーは、少なくともエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを含み、紫外線、電子線等の活性エネルギー線によって重合して架橋構造を形成し得る2官能以上の官能基を有するモノマーである。エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート以外の多官能モノマーとしては特に限定されるものではないが、具体的には、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレングリコール付加物トリアクリレート等が挙げられる。
また、硬化樹脂層を構成するシラン化合物及び酸性化合物としては、前述のシロキサン結合主体層に関し説明したものと同様のものをそれぞれ使用することができるが、シロキサン結合主体層と完全同一の組成のものである必要性は特にない。
なお、硬化樹脂層には、更に、必要に応じては、重合開始剤、金属や酸化物の微粒子、着色剤等を含有させてもよく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂の一種以上を含有させてもよい。これらの樹脂の中でもアイソタクチシティが80%以上のメタアクリル酸エステル重合体とシンジオタクチシティが40%以上80%以下のメタアクリル酸エステル重合体とを同時に含有させることが塗料の安定性を高める点から好ましい。
本発明の転写材には、転写材の使用目的に応じて、更に、別の高屈折率層、低屈折率層、抗菌層、ハードコート層等の機能層、印刷層、着色層等の装飾層、さらに離型層、金属蒸着層、金属化合物蒸着層、プライマー層、接着剤層等を、シロキサン結合主体層と離型性ベースフィルムとの間、あるいは硬化樹脂層の外表面に設けることができる。
例えば、本発明の転写材の転写層には、必要に応じて、硬化樹脂層の外表面に接着剤層を形成することができる。接着剤層は、転写層を画像表示板等の被転写体(透明なアクリル板、ポリエステル板、ポリカーボネート板等)に転写させるためのものであり、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリプロピレン系、ウレタン系等の接着性樹脂の単独またはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン系樹脂や有機溶剤型樹脂、水溶性樹脂から適宜選択採用される。
このような接着剤層には、転写層に近赤外線遮断性を付与するために、0.05〜1.0g/m2の濃度で近赤外線吸収剤を含有させることができる。ここで、近赤外線吸収剤としてはジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物、アントラキノン系化合物などの単独またはこれらの混合物が好ましい。この中でも特にジイモニウム系化合物が広域な近赤外線吸収能、透明性などから好ましい。
接着剤層の厚さは、特に制限はないが、通常0.3〜20m程度の範囲から被転写物である前面板の表面状態などに応じて適宜選択採用される。
なお、硬化樹脂層と接着剤層との間の層間接着性を向上させるために、それらの間に公知のプライマー層を乾燥厚で0.5〜5μm程度で設けてもよい。
本発明の転写材において、離型性ベースフィルムとしては、特に制限はなく、離型性を有し、充分な自己保持性を有する通常の転写箔に用いられるものであればいずれも用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルムやセルロースアセテートフィルムなどの人造樹脂フィルム、セロハン紙、グラシン紙などの洋紙、和紙などのフィルム状物、あるいはこれらの複合フィルム状物もしくは複合シート状物やまたそれらに離型処理を施したもの等が挙げられる。
離型性ベースフィルムの厚さは、特に制限はないが、しわや亀裂の発生を抑制するために、通常4〜150μmの範囲、好ましくは12〜100μmの範囲、より好ましくは30〜100μmの範囲である。
なお、離型性ベースフィルムの離型性が不十分な場合には、離型性ベースフィルムの少なくとも片面に離型層を形成してもよい。このような離型層は、公知の離型性ポリマーやワックスなどを適宜選択して形成することができる。
このような離型層の厚さは、特に制限されるものではないが、薄すぎると一般に離型しにくくなり、厚すぎると離型しやすくなり過ぎて転写する前に転写層の一部又は全部の脱離が生じたり、製造コストが増大する場合があるので、通常0.1〜3μm程度の範囲から選択される。
本発明の転写材は、その製法において、少なくとも以下の工程(a)及び(b)を有することを特徴とする。
工程(a)
まず、離型性ベースフィルム上にシロキサン結合主体層を形成する。具体的には、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末と必要に応じて配合される各種添加剤(例えば低屈折率化剤)とを溶媒(エタノールやイソプロピルアルコール等)に均一に溶解又は分散させた塗料を、離型性ベースフィルムに公知の塗布法により塗布し、80〜180℃で乾燥することにより形成することができる。
まず、離型性ベースフィルム上にシロキサン結合主体層を形成する。具体的には、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末と必要に応じて配合される各種添加剤(例えば低屈折率化剤)とを溶媒(エタノールやイソプロピルアルコール等)に均一に溶解又は分散させた塗料を、離型性ベースフィルムに公知の塗布法により塗布し、80〜180℃で乾燥することにより形成することができる。
なお、離型性ベースフィルムの離型性が十分でない場合には、パラフィンワックス等の離型性ワックス、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂などの離型性樹脂、各種界面活性剤等を、単独又はこれらの混合物を含有する水性又は非水性離型剤塗料を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法に従って離型性ベースフィルム上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて硬化(加熱、紫外線照射、電子線照射、放射線照射)させて離型層を予め形成しておいてもよい。
工程(b)
次に、シロキサン結合主体層上に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを少なくとも含有する硬化樹脂層形成用塗料を塗布し、硬化させて硬化樹脂層を形成する。具体的には、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物と、必要に応じて希釈剤(例えば、トルエン、イソプロパノール等)や単官能モノマー(例えば、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等の単官能(メタ)アクリル酸エステル)と、更に必要に応じて水とを均一に混合した硬化樹脂層形成用塗料をシロキサン結合主体層上に塗布し、80〜180℃で乾燥し、更に活性エネルギー線照射又は加熱を行うことにより硬化させることにより硬化樹脂層を形成する。これにより、転写材が得られる。
次に、シロキサン結合主体層上に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを少なくとも含有する硬化樹脂層形成用塗料を塗布し、硬化させて硬化樹脂層を形成する。具体的には、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物と、必要に応じて希釈剤(例えば、トルエン、イソプロパノール等)や単官能モノマー(例えば、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等の単官能(メタ)アクリル酸エステル)と、更に必要に応じて水とを均一に混合した硬化樹脂層形成用塗料をシロキサン結合主体層上に塗布し、80〜180℃で乾燥し、更に活性エネルギー線照射又は加熱を行うことにより硬化させることにより硬化樹脂層を形成する。これにより、転写材が得られる。
なお、硬化樹脂層の外表面に接着剤層を設ける場合には、例えば接着性樹脂と必要に応じて添加される近赤外吸収剤とを、水や有機溶剤で希釈して得られた塗料をグラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等により硬化樹脂層上に塗布し、乾燥すればよい。この時、接着剤層の形成に先だって、硬化樹脂層上に接着性の良好な樹脂(例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等)を溶媒に溶解したプライマー層用塗料を塗布し乾燥することによりプライマー層を形成してもよい。
以上説明した本発明の転写材を使用して、被転写材の表面に転写層を感圧転写させて得られる転写物は、転写層の化学的及び物理的特性に応じて、様々な分野で使用することができる。例えば、リアプロジェクションテレビや、プラズマディスプレイパネル、液晶パネルなどの表示画面保護板として好ましく使用することができる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。
実施例1
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、シリカ微粉末(平均粒径100nm)3質量部、メチルトリエトキシシラン3質量部、酢酸0.2質量部、イソプロピルアルコール54質量部、及びエタノール40質量部からなる溶液を、グラビアコーティング法により塗布し、150℃で1分間乾燥して厚さ0.09μmのシロキサン結合主体層を形成した。
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、シリカ微粉末(平均粒径100nm)3質量部、メチルトリエトキシシラン3質量部、酢酸0.2質量部、イソプロピルアルコール54質量部、及びエタノール40質量部からなる溶液を、グラビアコーティング法により塗布し、150℃で1分間乾燥して厚さ0.09μmのシロキサン結合主体層を形成した。
得られたシロキサン結合主体層上に、メチルトリメトキシシラン10質量部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、酢酸0.4質量部、光重合開始剤(1907:チバ・スペシャリティケミカルズ社製)2質量部、光増感剤(DETX−S:日本化薬社製)1質量部、トルエン50質量部、イソプロピルアルコール27質量部、及び水3質量部からなる溶液を、リバースコーティング法により塗布し、120℃で1分間乾燥し、更に、水銀灯(TOSCURE401:東芝社製)から紫外線を照射し、2.0μm厚の硬化樹脂層を形成することにより転写材を得た。得られた転写材には「はじき」や「ピンホール」が全く生じていなかった。
比較例1
実施例1と同様にポリエチレンテレフタレートフィルム上に、シロキサン結合主体層を形成した。
実施例1と同様にポリエチレンテレフタレートフィルム上に、シロキサン結合主体層を形成した。
このシロキサン結合主体層上に、メチルトリメトキシシランを使用せず且つジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの使用量を50質量部とする以外は、実施例1と同様の操作に従って厚さ2.0μmの硬化樹脂層を形成することにより転写材を得た。得られた転写材には、「はじき」や「ピンホール」が1平方センチメートル当たり平均3箇所の頻度で発生していた。
(評価)
実施例1及び比較例1で得られた転写材の転写層を、それぞれ厚さ2mmのアクリル板に転写し、アクリル板に転写した転写層の密着性について、以下のクロスカット試験により評価をした。
実施例1及び比較例1で得られた転写材の転写層を、それぞれ厚さ2mmのアクリル板に転写し、アクリル板に転写した転写層の密着性について、以下のクロスカット試験により評価をした。
<クロスカット試験>
転写層に、カッターナイフを用いて2mm間隔で縦に11本、横に11本の切れ目を入れて100個の升目を作り、この升目に粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を密着させ180度方向に強制的に剥離し、剥離せずに残存した硬化層の升目の数を計数して密着性を評価した。残存する升目の数が多いほど密着性が良好であることを示す。
転写層に、カッターナイフを用いて2mm間隔で縦に11本、横に11本の切れ目を入れて100個の升目を作り、この升目に粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を密着させ180度方向に強制的に剥離し、剥離せずに残存した硬化層の升目の数を計数して密着性を評価した。残存する升目の数が多いほど密着性が良好であることを示す。
その結果、実施例1の残存升目数は100であり、比較例1の残存升目数は0であった。
Claims (3)
- 離型性ベースフィルムと、その上に設けられた転写層とを有する感圧転写材において、転写層が、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とから塗布法により形成されたシロキサン結合主体層、及び多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とから塗布法により形成された硬化樹脂層が互いに隣接した層構造を有し、シロキサン結合主体層が離型性ベースフィルム側に配置されており、
シラン化合物が式(1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、炭素−炭素二重結合含有有機基又はエポキシ基含有有機基を表し、Rが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。Xはヒドロキシル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基又はハロゲン原子を表し、Xが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。nは1〜3の整数を表す)
で表される化合物であり、
多官能モノマーが、少なくともエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを含む、活性エネルギー線照射により重合し得る2以上の官能基を有するモノマーである感圧転写材。 - 請求項1記載の感圧転写材の製造方法であって、以下の工程(a)及び(b):
(a)離型性ベースフィルム上に、シラン化合物と酸性化合物とシリカ微粉末とを少なくとも含有するシロキサン結合主体層形成用塗液を塗布し、硬化させてシロキサン結合主体層を形成する工程; 及び
(b)シロキサン結合主体層上に、多官能モノマーとシラン化合物と酸性化合物とを少なくとも含有する硬化樹脂層形成用塗料を塗布し、硬化させて硬化樹脂層を形成する工程を有し、
シラン化合物が式(1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、炭素−炭素二重結合含有有機基又はエポキシ基含有有機基を表し、Rが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。Xはヒドロキシル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基又はハロゲン原子を表し、Xが2又は3個存在する場合、それらは互いに同種であっても異種であってもよい。nは1〜3の整数を表す)
で表される化合物であり、
多官能モノマーが、少なくともエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを含む、活性エネルギー線照射により重合し得る2以上の官能基を有するモノマーであることを特徴とする感圧転写材の製造方法。 - 被転写体の表面に、請求項1記載の感圧転写材の転写層が転写された転写物。
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JP2008195635A JP2008296591A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 感圧転写材、その製造方法及び転写物 |
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