JP2008290618A - ポンプ装置 - Google Patents

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Mitsuru Matsuda
充 松田
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Abstract

【課題】小型化を図りつつ脈動を効果的に低減する。
【解決手段】ダンパ40は、シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に設けられ、シリンダ内を、第1流体室401と第2流体室402とに区画するピストン403と、第1流体室401に開口された、吐出液圧路の流入口D1および流出口D2と、第1流体室401と第2流体室402とを連通するオリフィス連通路403cと、を備え、ピストン403には、第1流体室401側から第2流体室402側への作動液の通流を許容する一方向弁403Aが設けられており、ピストン403は、一方向弁403Aが閉弁している状態で、第1流体室401側の作動液の液圧と第2流体室402側の作動液の液圧との差圧が生じた場合に、その差圧を減少させる方向に摺動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプ装置に関する。
従来、車両、例えば、自動車、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)等の車両のブレーキにおける制動力を制御するようにしたブレーキ液圧制御装置がある。
このようなブレーキ液圧制御装置に用いられるポンプ装置では、ポンプの吸入工程と吐出工程との繰り返しによる液圧変動によって脈動が発生し易くなっており、その脈動を減衰するための構成として、ポンプの吐出側にダンパを設けたものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1のポンプ装置では、ハウジングの一面から突出形成された有底円筒状のプラグでダンパ室が構成されたものが記載されている。
特許文献2のポンプ装置では、一つの本体内に壁を隔てて2つのダンパが設けられたものが記載されている。
また、特許文献3のポンプ装置では、ばねの弾発力を利用して吐出脈動を減衰するようにしたものが記載されており、ばねの弾発力を異なるものに変更することによって、ダンパの性能を変更可能に構成されている。
特開2000−177559号公報 特開平6−191387号公報 特開2000−177565号公報
ところで、前記した特許文献1のポンプ装置では、ダンパ室の容量が大きく設定されているので、吐出脈動を効果的に低減することが可能である。しかし、装置全体の大型化を来たし易いという問題を有している。
また、前記した特許文献2のポンプ装置では、2つのダンパを収容する本体が大型化してしまい、組み付けレイアウト性にも劣るという問題を有している。
また、前記した特許文献3のポンプ装置では、ダンパの性能を変更可能に構成されているが、モータの回転数制御等によって吐出タイミングが変化した場合に、ダンパ性能が十分に発揮されない虞があった。
このような観点から、本発明は、ポンプの吸入工程と吐出工程との繰り返しにより発生する脈動を効果的に低減することができるポンプ装置であって、その小型化を図ることが可能なポンプ装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明のポンプ装置は、モータの出力により作動して作動液を汲み上げ可能なポンプと、前記ポンプの吐出液圧路中に介設されたダンパと、前記ダンパの下流側の吐出液圧路中に介設されたオリフィスと、を備えたポンプ装置であって、前記ダンパは、シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に設けられ、前記シリンダ内を、第1流体室と第2流体室とに区画するピストンと、前記第1流体室に開口された、前記吐出液圧路の流入口および流出口と、前記第1流体室と前記第2流体室とを連通するオリフィス連通路と、を備え、前記ピストンには、前記第1流体室側から前記第2流体室側への作動液の通流を許容する一方向弁が設けられており、前記ピストンは、前記一方向弁が閉弁している状態において、前記第1流体室側の作動液の液圧と前記第2流体室側の作動液の液圧とに差圧が生じた場合に、その差圧を減少させる方向に摺動することを特徴とする。
このポンプ装置によれば、ポンプの吐出工程において、作動液が吐出液圧路中に介設されたダンパの第1流体室に流入し、第1流体室と第2流体室との液圧差によって一方向弁が開弁すると第1流体室から第2流体室に作動液が通流する。これによって、第1流体室からピストンの一方向弁を通じて第2流体室に作動液の液圧が作用するようになり、第1流体室および第2流体室の容積を最大限に利用することによって、第1流体室における作動液の急激な上昇が抑制され、作動液の昇圧は緩やかなものとされる。
そして、作動液が流出口から吐出液圧路へ流出し、第1流体室と第2流体室との液圧差が小さくなると、一方向弁が閉弁して作動液の通流が遮断される。その後、作動液が吐出液圧路へさらに流出し、第1流体室の液圧が第2流体室の液圧よりも低くなると、その差圧を減少させる方向、つまり、第2流体室から第1流体室に向かう方向にピストンが摺動しつつ、オリフィス連通路を通じて第2流体室から第1流体室へ作動液が徐々に通流する。これによって、第2流体室からオリフィス連通路を通じて第1流体室に作動液の液圧が作用するようになり、その作用によって、第1流体室における作動液の急激な下降が抑制され、作動液の降圧は緩やかなものとされる。
したがって、ポンプの吐出工程および吸引工程の両方においてダンパによる作動液の液圧の急激な上昇および急激な下降が抑制されることとなり、ポンプの吸入工程と吐出工程との繰り返しにより発生する脈動を好適に減衰することができる。
しかも、ダンパは、シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に設けられたピストンとによって、シリンダ内を第1流体室と第2流体室とに区画する構成としており、これらの第1流体室と第2流体室との間で作動液が通流することにより、作動液の液圧の急激な上昇および急激な下降が抑制される構成であるので、従来のようにシリンダの容量に依存して脈動を減衰するものに比べて、シリンダを大きく形成する必要がなく、装置の小型化を実現することができる。
また、ピストンは、第1流体室と第2流体室とを区画し、第1流体室と第2流体室との作動液の液圧の差圧に基づいて、その圧力差を減少させる方向に摺動するようになっているので、モータの回転数制御等でポンプの吐出タイミング等が変化しても、その変化に追従して差圧を減少させるようにピストンが摺動することとなり、常に、ダンパの性能を最大限に発揮させることが可能である。
また、ポンプ装置は、前記オリフィス連通路が、前記シリンダの内壁面と前記ピストンの外壁面との間の隙間を利用して構成されるようにするのがよい。このように構成することによって、シリンダの内壁面とピストンの外壁面との間の隙間を通じて作動液が通流するようになり、例えば、前記ポンプの吸入工程時においてピストンが第2流体室から第1流体室へ向けて摺動する際に、この隙間を通じて作動液が通流するようになる。
また、前記シリンダ内には、前記ピストンを前記第2流体室側へ付勢する付勢手段が設けられている構成とするのがよい。このような付勢手段を設けることによって、ポンプ停止時にピストンを初期位置に戻すことができ、これによって、安定したダンパの作動を実現することができる。
本発明によれば、ポンプの吸入工程と吐出工程との繰り返しにより発生する脈動を効果的に低減することができるポンプ装置であって、その小型化を図ることが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下においては、ポンプ装置をブレーキ液圧制御装置Uに適用した例について説明するが、ポンプ装置の用途を限定する趣旨ではない。
参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係るポンプ装置が適用されるブレーキ液圧制御装置を示すブレーキ液圧回路図、図2は一実施形態に係るポンプ装置を示す断面図、図3はポンプ装置に設けられるダンパを示す分解斜視図、図4および図5は作用説明図、図6は圧力変動を示すグラフである。
本実施形態のポンプ装置Pは、図2に示すように、ポンプ30と、このポンプ30の吐出液圧路中に介設されたダンパ40と、ダンパ40からの吐出液圧路D中に介設されたオリフィス5とを備えて構成されており、ダンパ40の作用によってポンプ30から吐出された作動液としてのブレーキ液の急激な上昇、およびブレーキ液の急激な下降が抑制されるようになっている。ポンプ30、ダンパ40の構成および作用は後記する。
まず、ブレーキ液圧制御装置Uの構成を説明する。図1に示すように、ブレーキ液圧制御装置Uは、左右の前輪を制動する車輪ブレーキFL,FRおよび左右の後輪を制動する車輪ブレーキRL,RRに作用するブレーキ液圧の大きさを制御することによって、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの独立したアンチロックブレーキ制御等を実行するものであり、電磁弁やポンプ装置P等の各種部品やブレーキ液の流路が設けられた液圧ユニット10と、この液圧ユニット10の各種部品を制御するための制御装置20とを備えている。
液圧ユニット10は、液圧源であるマスタシリンダMCと車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に介設されるものであり、二つのブレーキ系統BK1,BK2を備えている。なお、ブレーキ系統BK1,BK2は、実質的に同一の構成であるので、以下においては主としてブレーキ系統BK1について説明し、適宜、ブレーキ系統BK2について説明する。
ブレーキ系統BK1には、車輪ブレーキFL,RRに対応する二つの制御弁手段V,V、リザーバ4、ポンプ装置P、レギュレータRE、吸入弁6、貯溜室6aが設けられており、さらに、二つのブレーキ系統BK1,BK2のポンプ30,30を駆動するための共通のモータ7を備えている。
ここで、マスタシリンダMCから制御弁手段V,Vに至る流路(油路)を「出力液圧路A」と称し、制御弁手段V,Vから車輪ブレーキFL,RRに至る流路を「車輪液圧路B」と称する。また、吸入弁6からポンプ装置Pに至る流路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ装置Pから出力液圧路Aに至る流路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、制御弁手段V,Vからポンプ装置Pに至る流路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容しつつ開放路Eへの流出を遮断する増圧状態、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を遮断しつつ開放路Eへの流出を許容する減圧状態、および出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を遮断しつつ開放路Eへの流出を遮断する保持状態を切り換える機能を有しており、入口弁2、出口弁3およびチェック弁2aを備えて構成されている。
入口弁2は、常開型の電磁弁であり、マスタシリンダMCと車輪ブレーキFL,RRの各ホイールシリンダHとの間(出力液圧路Aと車輪液圧路Bとの間)にそれぞれ設けられている。各入口弁2は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMCから各ホイールシリンダHへブレーキ液圧が伝達するのをそれぞれ許容し、車輪ブレーキFL,RRがロックしそうになったときに制御装置20により閉塞されることで、マスタシリンダMCから車輪ブレーキFL,RRへ加わるブレーキ液圧を遮断する。
出口弁3は、常閉型の電磁弁であり、車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設されている。各出口弁3は、通常時に閉塞されているが、車輪ブレーキFL,RRがロックしそうになったときに制御装置20によって駆動制御されて開放されることで、車輪ブレーキFL,RRへ加わるブレーキ液圧を各リザーバ4に逃がす。
チェック弁2aは、各入口弁2に並列に接続され、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に入口弁2を閉じた状態にしたときにおいても、各ホイールシリンダH側から各マスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ4は、開放路Eに設けられており、各出口弁3が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯溜する機能を有している。リザーバ4とポンプ30との間には、一方向弁4aが介設されている。
ポンプ装置Pは前記したようにポンプ30、ダンパ40およびオリフィス5を備えて構成されている。ポンプ装置Pは、吸入液圧路Cと吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ4で貯溜されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。さらに、このポンプ装置Pは、後記するカット弁1が出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を遮断し、且つ、後記する吸入弁6が吸入液圧路Cを開放しているときに、マスタシリンダMC、出力液圧路A、吸入液圧路Cおよび貯溜室6aに貯溜されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、非ペダル操作時またはペダル操作時において各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRにポンプ30によって加圧されたブレーキ液圧を作用させることが可能となる。
ポンプ30は、モータ7の回転力によって駆動し、リザーバ4で貯溜されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。このようなポンプ30の作動により、車輪液圧路Bに対してブレーキ液圧が伝達される。また、アンチロックブレーキ制御時に、各出口弁3が開放されることによって放出されてリザーバ4に一時的に貯溜されたブレーキ液を、吐出液圧路Dを介して出力液圧路Aへと還流させる。なお、ブレーキペダルBPによるブレーキ操作終了後には、後記するカット弁1が車輪液圧路Bから出力液圧路Aへのブレーキ液の流入を許容することで、車輪液圧路Bに流入したブレーキ液が出力液圧路Aを通じてマスタシリンダMCに戻されるようになっている。
レギュレータREは、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り換える機能と、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入が遮断されているときに車輪液圧路Bおよび吐出液圧路Dのブレーキ液圧を設定値以下に調節する機能とを有しており、カット弁1、チェック弁1aおよびリリーフ弁1bを備えて構成されている。
カット弁1は、マスタシリンダMCに通じる出力液圧路Aと車輪ブレーキFL,RRに通じる車輪液圧路Bの間に介設された常開型の電磁弁であり、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り換えるものである。このカット弁1は、ポンプ30による加圧制御時に遮断(閉弁)されるように、制御装置20により制御されるようになっており、マスタシリンダMCからのブレーキ液圧が、出力液圧路Aから車輪液圧路Bに直接伝達されるのを遮断するようになっている。これにより、ブレーキ液は、出力液圧路Aから吸入液圧路C(吸入弁6)を通じてポンプ30に吸入される。また、カット弁1は、ポンプ30の停止に伴って消磁され、連通(開弁)される。これにより、車輪液圧路Bからカット弁1を通じてブレーキ液が出力液圧路Aに戻される。
チェック弁1aは、カット弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入のみを許容する弁である。
リリーフ弁1bは、車輪液圧路Bのブレーキ液圧から出力液圧路Aのブレーキ液圧を差し引いたときの値が開弁圧以上になったときに開弁するものであるが、本実施形態では、カット弁1となる常開型の電磁弁に機能として付加されている。なお、リリーフ弁1bの開弁圧(カット弁1の開弁圧)は、電磁弁を駆動させるための電磁コイルに与える電流値の大きさを制御することで増減させることができる。
吸入弁6は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り換えるものである。吸入弁6は、ポンプ30の作動に伴って制御装置20により開放(開弁)され、また、ポンプ30の停止に伴って遮断(閉弁)される。
制御装置20は、主として前記した制御弁手段Vの入口弁2および出口弁3、モータ7の作動を制御するようになっており、各車輪の制動力を独立に調整制御して各車輪のロック傾向を解消するアンチロックブレーキ制御を行う。そして、制御装置20は、例えば、ブレーキペダルBPの操作により車輪ブレーキFLがロック状態に陥りそうになったときに、アンチロックブレーキ制御を行って車輪ブレーキFLのブレーキ系統BK1における制動力を調整制御するようになっている。このような制御装置20には、各車輪に固着されたパルサーギアの側面に対向して固定配置される車輪速度センサ21〜24の信号が入力されて、制御弁手段V,Vの入口弁2および出口弁3、モータ7の作動が制御されるようになっている。
次に、ポンプ装置Pの構成について説明する。ポンプ30は、図2に示すように、液圧ユニット10の基体Kに形成されたポンプ穴30aに挿入される筒状のポンプハウジング301と、このポンプハウジング301の内部に摺動自在に装着され、一端がポンプハウジング301の一方の開口部から突出するプランジャ302と、ポンプハウジング301の他方の開口部を覆うように配置される有底円筒状のばね受け部材303と、ポンプ穴30aの開口を塞ぐ蓋部材304と、プランジャ302のばね受け部材303側の端面に設置される吸入弁体305と、ばね受け部材303の底壁に形成された開口部303aに設置される吐出弁体306と、吸入弁体305を覆うように配置されたリテーナ307と、プランジャ302とばね受け部材303との間にある空間に圧縮状態で配置され、その復元力によりプランジャ302を、モータ7の図示しない出力軸に設けられたボールベアリング9a側に押圧する戻しばね308とを備えて構成されている。
ポンプハウジング301の蓋部材304側の端部は、ばね受け部材303に嵌挿されており、その反対側の端部は、ポンプ穴30aの深部に嵌挿されている。ポンプハウジング301の側壁には、内部へ通じる貫通孔301aが形成されている。プランジャ302の内部には、その側面と端面とに開口する流路302aが形成されている。蓋部材304には、ばね受け部材303が嵌挿される大径凹部304aと、この大径凹部304aの中央部に形成された小径凹部304bとが形成されており、さらに、大径凹部304aの内面に沿ってブレーキ液の流路となる凹溝304cが形成されている。この凹溝304cは、オリフィスとしても機能する。吸入弁体305は、ポンプ30の吸入弁として機能するものであって、プランジャ302の流路302aを塞ぐように配置されており、リテーナ307の内側に圧縮状態で設けられた吸入弁ばね305aの復元力によりプランジャ302側に付勢されている。吐出弁体306は、ポンプ30の吐出弁として機能するものであって、蓋部材304の小径凹部304bの内側に圧縮状態で設けられた吐出弁ばね306aの復元力によりばね受け部材303側に付勢されている。
そして、ボールベアリング9aの偏心運動に起因してプランジャ302が往復動することによって、ポンプハウジング301の貫通孔301aを介して吸入されたブレーキ液が、プランジャ302の流路302a、ばね受け部材303の開口部303aおよび蓋部材304の凹溝304cを通って吐出液圧路D(図1参照)へ吐出される。
次に、ダンパ40について説明する。ダンパ40は、液圧ユニット10の基体に形成された有底円筒状のダンパ室(シリンダ)400と、このダンパ室400内に摺動可能に設けられ、ダンパ室400内を、第1流体室401と第2流体室402とに区画するピストン403と、このピストン403を第2流体室402側へ付勢する付勢手段としてのピストンばね404と、ダンパ室400を閉じる蓋部材405と、を備えて構成されている。
ダンパ室400の第1流体室401には、吐出液圧路Dの流入口D1および流出口D2が開口形成されている。したがって、ポンプ30から吐出されたブレーキ液は、流入口D1を通じて第1流体室401に流入可能であり、流出口D2を通じて第1流体室401から下流側の吐出液圧路Dへ流出可能となっている。
そして、この流出口D2に連通する吐出液圧路Dの下流側にオリフィス5が配置されており、このオリフィス5を通じて吐出液圧路Dの下流側へ一定のブレーキ液が流出するように構成されている。なお、オリフィス5の存在によって、流入口D1を通じて第1流体室401に流入したブレーキ液は、流出口D2を通じて下流側の吐出液圧路Dに直ちに流出することが防止されるようになり、これによって、後記するように第1流体室401から第2流体室402へブレーキ液が好適に作用するようになっている。また、ダンパ40およびオリフィス5は、その協働作用によってポンプ30から吐出されたブレーキ液圧の脈動および後記するレギュレータREが作動することにより発生する脈動を減衰させている。
ところで、オリフィス5は流出口D2の下流側に介設したが、ダンパ室400に一体的に設けてもよい。また、流入口D1および流出口D2の形成位置は、後記するように第1流体室401側へ摺動したピストン403によって塞がれることのない位置とされている。
ピストン403は、前記したようにダンパ室400内を第1流体室401と第2流体室402とに区画するように、環状のシール材、例えば、Oリング400aを介してダンパ室400内に摺動可能に挿入されており、第1流体室401側の端面403aには、吐出液圧路Dのブレーキ液圧が作用するようになっている。
ピストン403は、有底円筒状を呈しており、その底部の中央部には、一方向弁403Aが設けられている。一方向弁403Aは、ポンプ30の後記する吐出工程時に第1流体室401に作用している高圧のブレーキ液圧を第2流体室402へ導く役割をなすものであって、第1流体室401と第2流体室402との間を連通する連通孔403bと、この連通孔403bの第2流体室402側の開口縁に設置された弁体406とを含んで構成されている。弁体406は、連通孔403bを塞ぐように配置され、第2流体室402内に圧縮状態で設けられた弁ばね407aの復元力によりピストン403側に付勢されている。本実施形態では、ピストン403の他端側に圧入されて設けられたリテーナ407の内側に弁体406および弁ばね407aが収容されている。したがって、後記するようにピストン403が摺動する際には、これらの弁体406、リテーナ407および弁ばね407aが、ピストン403と一体的に移動するようになっている。これにより、ピストン403のストローク位置に係らず、一方向弁403Aの開弁圧を所定のものとすることができる。
このような弁体406は、第1流体室401のブレーキ液圧から第2流体室402のブレーキ液圧を差し引いた値が開弁圧となったときに、連通孔403bの開口縁から離座して第1流体室401側から第2流体室402側へのブレーキ液の通流を許容する(差圧による一方向のみの通流を許容する)ようになっている。本実施形態では、第1流体室401側のブレーキ液圧と第2流体室402側のブレーキ液圧との差圧が開弁圧よりも小さくなると、弁ばね407aの復元力によって、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座して連通孔403bを遮断するようになっている。
なお、リテーナ407の周部および他端部には、透孔407bが設けられている。
また、ピストン403は、その底部に、第1流体室401と第2流体室402との間を連通するオリフィス連通路403cが形成されている。このオリフィス連通路403cは、ピストン403の底部を貫通する貫通孔からなり、ポンプ30の後記する吸入工程時に第2流体室402に作用している高圧のブレーキ液圧を第1流体室401へ逃がす役割をなす。
ピストンばね404は、ダンパ室400の底面とピストン403との間に圧縮状態で配置されており、ピストン403を第2流体室402側(ダンパ室400の開口側)へ付勢している。ピストンばね404の戻し力は、ダンパ室400の内壁とピストン403(Oリング400a)との間に生じる摺動抵抗よりも大きくなるように設定されている。これによって、ポンプ30が停止している状態では、ピストン403が、第2流体室402側(蓋部材405側)へ摺動して、その他端部403dと蓋部材405の端部405dとが当接する状態に保持されるようになっている。なお、ピストン403が第2流体室402側へ摺動する際には、ピストン403のオリフィス連通路403cを通じて第2流体室402から第1流体室401へブレーキ液が通流する。
蓋部材405は、有底円筒状を呈しており、ダンパ室400の開口近傍にシール部材、例えば、Oリング405aを介して密着した状態で装着され、ダンパ室400の開口側からC字状の抜け止め部材405bで固定される。そして、蓋部材405は、ピストン403との間に第2流体室402を形成する。蓋部材405の内側に形成される中空部405cには、第2流体室402側(蓋部材405側)へ摺動したピストン403のリテーナ407が収容可能となっている。
次に、以上のように構成されたポンプ装置Pの作用について適宜図1〜図4を参照して説明する。
制御装置20の制御によってモータ7が回転され、ボールベアリング9aの偏心運動に起因してプランジャ302が往復動すると、ポンプハウジング301の貫通孔301aを介して吸入(吸入工程)されたブレーキ液が、プランジャ302の流路302a、ばね受け部材303の開口部303aおよび蓋部材304の凹溝304cを通って吐出液圧路D(図1参照)へ吐出される(吐出工程)。そして、このような吐出工程により、吐出液圧路Dへ吐出されたブレーキ液は、ダンパ40のダンパ室400に設けられた流入口D1を通じて第1流体室401に流入する。これにより、第1流体室401のブレーキ液圧が上昇し、第1流体室401と第2流体室402との液圧差によって、図4(a)に示すように、弁体406が連通孔403bの開口縁から離座する(一方向弁403Aが開弁する)と、第1流体室401のブレーキ液が連通孔403bを通じて第2流体室402に流入する。これによって、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402へ作用し、第2流体室402のブレーキ液圧が上昇するとともに、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な上昇が抑えられることとなる。
そして、ポンプ30が吐出工程から吸入工程に移行する過程で昇圧されたブレーキ液が第1流体室401の流出口D2からオリフィス5を通じて吐出液圧路Dの下流側へ流出するに従って、第1流体室401のブレーキ液圧が低下し、第1流体室401と第2流体室402との液圧差が小さくなる。そうすると、図4(b)に示すように、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座し(一方向弁403Aが閉弁し)、連通孔403bが遮断される。
その後、ポンプ30が吸入工程に移行すると、吐出液圧路Dから第1流体室401へのブレーキ液の流入が停止されるので、第1流体室401のブレーキ液圧はさらに低下する。一方、第2流体室402は、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座したときのブレーキ液圧を有している状態であるので、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなると、第1流体室401と第2流体室402との圧力バランスをとろうとしてピストン403が第1流体室401側へ摺動し、これとともに、オリフィス連通路403cを通じて第2流体室402のブレーキ液が第1流体室401へ僅かずつ抜ける状態となる(図4(c)参照)。
これによって、第2流体室402のブレーキ液圧が第1流体室401へ作用し、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な低下が抑えられることとなり、第1流体室401と第2流体室402との圧力バランスがとられることとなる。
次に、再びポンプ30が吐出工程に移行し、吐出液圧路D(図1参照)へブレーキ液が吐出される(吐出工程)と、吐出されたブレーキ液は、流入口D1を通じて第1流体室401に流入する。このとき、第1流体室401のブレーキ液圧は、前回の吐出工程開始時よりも高くなっているので、流入したブレーキ液によりさらに高い状態にされる。そして、第1流体室401と第2流体室402との液圧差によって、図5(a)に示すように、弁体406が連通孔403bの開口縁から離座すると、第1流体室401のブレーキ液が連通孔403bを通じて第2流体室402に流入する。これによって、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402へ作用し、第2流体室402のブレーキ液圧が上昇するとともに、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な上昇が抑えられることとなる。
そして、再びポンプ30が吐出工程から吸入工程に移行する過程でさらに昇圧されたブレーキ液が第1流体室401の流出口D2からオリフィス5を通じて吐出液圧路Dの下流側へ流出して、第1流体室401のブレーキ液圧が低下し、第1流体室401と第2流体室402との液圧差が小さくなると、図5(b)に示すように、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座し、連通孔403bが遮断される。
その後、ポンプ30が再び吸入工程に移行し、吐出液圧路Dから第1流体室401へのブレーキ液の流入が停止されるので、第1流体室401のブレーキ液圧はさらに低下する。一方、第2流体室402は、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座したときのブレーキ液圧を有している状態であるので、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなると、第1流体室401と第2流体室402との圧力バランスをとろうとしてピストン403が第1流体室401側へ摺動し、これとともに、オリフィス連通路403cを通じて第2流体室402のブレーキ液が第1流体室401へ僅かずつ抜ける状態となる(図5(c)参照)。
これによって、第2流体室402のブレーキ液圧が第1流体室401へ作用し、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な低下が抑えられることとなり、両者の圧力バランスがとられることとなる。
その後も、このような吐出工程および吸入工程が繰り返し行われ、ピストン403の摺動によって圧力バランスがとられる。
そして、ポンプ30の駆動が停止すると、ピストンばね404の付勢力によってピストン403は、初期位置(図4(a)参照)に戻される。
なお、前記したようにピストン403は、ポンプ30の吸入工程時に第1流体室401側へ向けて摺動することとなるため、ポンプ30が吸入工程と吐出工程とを繰り返す過程で、第1流体室401側へ近づくこととなるが、その摺動量は、ピストンばね404の戻し力の設定やオリフィス連通路403cの径の大きさの設定を適宜選択することにより変更可能である。例えば、その設定を、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRがロックするブレーキ液圧まで摺動可能なストローク(摺動量)をピストン403が有するように行うことで、ロックするブレーキ液圧まで脈動が好適に減衰されるようになり、実用範囲において好適に脈動を低減することができるポンプ装置Pが得られる。
また、例えば、車両の仕様が、通常の一般ブレーキにおけるブレーキ液圧の低い領域を主として使用する仕様であるときには、ブレーキ液圧の低い領域で脈動が好適に減衰されるようにピストン403のストロークを設定すればよい。
なお、前記説明では、ポンプ30が吸入工程に移行した後に、ピストン403が第1流体室401と第2流体室402との圧力バランスをとろうとして摺動することとしたが、これに限られることはなく、ポンプ30の吐出圧やオリフィス5の設定を適宜変更することによって、ポンプ30が吸入工程に移行する前の段階で、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなるように設定して、ピストン403を摺動させることができる。また、ポンプ30の吐出圧やオリフィス5の設定を適宜変更することによって、ポンプ30が吸入工程に移行した後、所定時間経過後に、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなるように設定してピストン403を摺動させることもできる。いずれの場合においても、ピストン403は、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなったときに、第1流体室401側へ摺動することとなり、これによって、第1流体室401と第2流体室402との圧力バランスがとられることとなる。
図6はこのようなダンパ40を用いたポンプ装置Pによるブレーキ液圧の変動を示したグラフであり、図中実線(イ)で示した圧力曲線がダンパ40の第1流体室401におけるブレーキ液圧の変動を示しており、また、図中一点鎖線(ロ)で示した圧力曲線がピストン403を有することのない従来のダンパにおけるブレーキ液圧の変動を示している。また、図中に示した上死点、下死点は、ポンプ30のプランジャ302の摺動に対応したものであり、プランジャ302が上死点から下死点に摺動することで吸引工程となり、同様に、下死点から上死点に摺動することで吐出工程となる。
前記したように、ポンプ30の吐出工程時には、ダンパ40の第1流体室401に流入したブレーキ液がピストン403の連通孔403bを介して第2流体室402に流入し、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な上昇が抑制されるので、圧力曲線(イ)は、従来の圧力曲線(ロ)に比べて、上昇勾配が緩やかなものとなる。
一方、ポンプ30の吸入工程時には、第1流体室401のブレーキ液圧が低下して、第1流体室401と第2流体室402とのブレーキ液圧に差圧が生じると、ピストン403がブレーキ液圧の低下した第1流体室401側へ摺動して圧力バランスが図られ、また、ブレーキ液がオリフィス連通路403cを通じて第2流体室402から第1流体室401に流入して、第1流体室401におけるブレーキ液圧の急激な下降が抑制されるので、圧力曲線(イ)は、従来の圧力曲線(ロ)に比べて、下降勾配が緩やかなものとなる。
したがって、従来の圧力曲線(ロ)に比べて、本実施形態のポンプ装置Pによる圧力曲線(イ)では、吸入工程時および吐出工程時のいずれにおいてもブレーキ液圧の圧力変動が緩やかなものとなり、これによって脈動を好適に減衰することができるようになる。
次に、図1のブレーキ液圧回路によって実現されるアンチロックブレーキ制御、挙動安定制御等の自動ブレーキ制御について説明する。
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、ロック状態に陥りそうな車輪の車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応する制御弁手段Vを制御して、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することによって実現される。減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、図示せぬ車輪速度センサから得られた車輪速度に基づいて、制御装置20によって判断される。なお、アンチロックブレーキ制御中は、カット弁1を開弁させ、吸入弁6を閉弁させる。
例えば、アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキFLに作用しているブレーキ液圧を減圧する場合には、対応する入口弁2を閉弁させるとともに、出口弁3を開弁させる。このようにすると、車輪液圧路Bのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ4に流入し、その結果、車輪ブレーキFLに作用していたブレーキ液圧が減圧することになる。そして、アンチロックブレーキ制御を実行する場合に、ポンプ30が駆動され、リザーバ4に貯溜されたブレーキ液が車輪液圧路Bに還流される。
このようなブレーキ液の還流によって、リザーバ4のブレーキ液の吸収によるブレーキペダルBPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。しかも、ポンプ30による脈動はダンパ40ならびにオリフィス5の協働によって減衰されることとなるので、還流によってブレーキペダルBPの操作フィーリングが阻害されることはない。
アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキFLに作用しているブレーキ液圧を保持する場合には、対応する入口弁2を閉弁させるとともに、出口弁3を閉弁させる。このようにすると、車輪ブレーキFL、入口弁2および出口弁3で閉じられた流路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、車輪ブレーキFLに作用しているブレーキ液圧が一定に保持されることになる。
また、車輪ブレーキFLに作用しているブレーキ液圧を増圧する場合には、入口弁2を開弁させるとともに、出口弁3を閉弁させる。このようにすると、マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧が、出力液圧路Aおよび車輪液圧路Bを介して車輪ブレーキFLに付与されることになるので、車輪ブレーキFLに作用するブレーキ液圧が増圧することになる。
また、挙動安定制御等の自動ブレーキ制御時には、レギュレータREのカット弁1が閉弁されるとともに吸入弁6が開弁され、さらにポンプ30が駆動され、制動したい車輪に対応する入口弁2を残して、その他の入口弁2が閉弁される。
そして、ポンプ30が、出力液圧路A、吸入弁6、吸入液圧路Cを介してブレーキ液を吸入し、吐出液圧路Dを介して制動したい車輪に対応する入口弁2にブレーキ液を供給する。
そして、ポンプ30から吐出されるブレーキ液圧が、図示しない圧力センサ等による検出値または図示しない推定手段によって推定された推定値が所定値になると、レギュレータREのリリーフ弁1bにより、過剰液圧分がマスタシリンダMC側に逃がされることになり、ブレーキ液圧が作用している車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに過剰の液圧が作用することが回避される。
このとき、ダンパ40およびオリフィス5の協働作用によって吐出液圧路Dに生じる脈動が低減されるので、脈動に起因したレギュレータREの作動音の発生を好適に抑えることができる。
なお、アンチロックブレーキ制御や自動ブレーキ制御が実行されていない状態(通常設定状態)においては、各弁を駆動させる図示しない電磁コイルを消磁させ、カット弁1および入口弁2を開弁させるとともに、出口弁3および吸入弁6を閉弁させる。この状態で、運転者がブレーキペダルBPを操作すると、マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧が、それぞれの出力液圧路Aおよび車輪液圧路Bを介してそのまま車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに付与されることになる。
以上説明した本実施形態のポンプ装置Pによれば、ポンプ30の吐出工程時に、一方向弁403Aを通じて第1流体室401から第2流体室402にブレーキ液が通流し、第1流体室401と第2流体室402の容積を最大限利用することによって、第1流体室401に加えられたブレーキ液圧の急激な上昇が抑制される。また、ポンプ30の吸入工程時に、第1流体室401のブレーキ液圧が第2流体室402のブレーキ液圧よりも低くなると、その差圧を減少させる方向、つまり、第2流体室402から第1流体室401に向かう方向にピストン403が摺動しつつ、オリフィス連通路403cを通じて第2流体室402から第1流体室401へブレーキ液が徐々に通流して、第2流体室402のブレーキ液圧が第1流体室401に作用するようになり、第1流体室401のブレーキ液圧の急激な下降が抑制される。
したがって、ポンプ30の吐出工程および吸引工程の両方においてダンパ40によるブレーキ液圧の急激な上昇および急激な下降が抑制されることとなり、ポンプ30の吸入工程と吐出工程との繰り返しにより発生する脈動を好適に減衰することができる。
しかも、ダンパ40は、ダンパ室400と、このダンパ室400内に摺動可能に設けられたピストン403とによって、ダンパ室400内を第1流体室401と第2流体室402とに区画する構成としており、これらの第1流体室401と第2流体室402との間でブレーキ液が通流することにより、ブレーキ液圧の急激な上昇および急激な下降が抑制される構成であるので、従来のようにシリンダ(ダンパ室400)の容積にのみ依存して脈動を減衰するものに比べて、ダンパ室400を大きく形成する必要がない。したがって、ポンプ装置Pの全体の小型化を図ることができる。
また、ピストン403は、一方向弁403Aが閉弁している状態で、第1流体室401側のブレーキ液圧と第2流体室402側のブレーキ液圧との差圧が生じた場合に、その差圧を減少させる方向に摺動するようになっているので、モータ7の回転数制御等でポンプ30の吐出タイミング等が変化しても、その変化に追従して差圧を減少させるようにピストン403が摺動することとなり、常に、ダンパ40の性能を最大限に発揮させることができる。
また、ピストンばね404を設けることによって、ポンプ30の停止時にピストン403を初期位置に戻すことができ、これによって、安定したダンパ40の作動を実現することができる。
さらに、ダンパ40は、ブレーキ系統BK1,BK2毎に独立したものとなっているので、従来のように、2つの系統が連結されたものに比べて小型化を図ることができ、また、レイアウト性にも優れている。また、ダンパ40は、ブレーキ系統BK1,BK2毎に独立しているので、シール性の不具合が生じた場合にも、そのことが直ちに他の吐出液圧路Dにおける不具合として繋がらないという利点も得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
例えば、前記実施形態では、ピストン403の底部を貫通する貫通孔によってオリフィス連通路403cを設けた例を示したが、これに限られることはなく、図7(b)に示すように、ピストン403の外周部をピストン403の軸線方向に面取りして面取り部403eを形成し、図7(a)に示すように、ダンパ室400の内壁面と面取り部403eとの間に形成される通路S(隙間)によってオリフィス連通路403cを構成してもよい。
このように構成することによって、通路S(オリフィス連通路403c)を通じてブレーキ液が通流するようになり、例えば、ポンプ30の吸入工程時においてピストン403が第2流体室402から第1流体室401へ向けて摺動する際に、この通路Sを通じてブレーキ液が通流するようになる。また、ダンパ室400の内壁面とピストン403の面取り部403eとの間にブレーキ液が介在される状態となるので、ピストン403のスムーズな摺動を実現することができる。なお、図示しないが、面取り部403eは、ピストン403の外周部に複数形成してもよい。
また、図7(c)に示すように、通路S(オリフィス連通路403c)は、ピストン403の外周部に、ピストン403の軸線方向に延びる溝部403fを形成することで構成してもよい。なお、図示しないが、溝部403fは、ピストン403の外周部に複数形成してもよい。
なお、前記したダンパ40の各構成部材は、前記した形状に限られるものではなく、任意の形状を採用することができる。
また、オリフィス連通路403cは、前記した位置に設けられるものに限られることはなく、連通孔403bの開口縁をスリット状に形成して、弁体406が連通孔403bの開口縁に着座した状態においても、このスリット状のオリフィス連通路を通じて通流が図られるように構成してもよい。
また、ポンプ装置Pは、バーハンドルタイプの車両(自動二輪車)に適用されるブレーキ液圧制御装置についても適用することができる。
本発明の一実施形態に係るポンプ装置が適用されるブレーキ液圧回路図である。 ポンプ装置を示す断面図である。 ポンプ装置に設けられるダンパを示す分解斜視図である。 (a)〜(c)は作用説明図である。 (a)〜(c)は作用説明図である。 圧力変動を示すグラフである。 (a)はダンパの変形例を示す断面図、(b)(c)はダンパの変形例に係るピストンを示す斜視図である。
符号の説明
5 オリフィス
10 液圧ユニット
20 制御装置
30 ポンプ
302 プランジャ
40 ダンパ
400 ダンパ室
401 第1流体室
402 第2流体室
403 ピストン
403A 一方向弁
403b 連通孔
403c オリフィス連通路
405 蓋部材
406 弁体
407 リテーナ
A 出力液圧路
B 車輪液圧路
D 吐出液圧路
D1 流入口
D2 流出口
MC マスタシリンダ
P ポンプ装置
S 通路
U ブレーキ液圧制御装置

Claims (3)

  1. モータの出力により作動して作動液を汲み上げ可能なポンプと、前記ポンプの吐出液圧路中に介設されたダンパと、前記ダンパの下流側の吐出液圧路中に介設されたオリフィスと、を備えたポンプ装置であって、
    前記ダンパは、
    シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に設けられ、前記シリンダ内を、第1流体室と第2流体室とに区画するピストンと、前記第1流体室に開口された、前記吐出液圧路の流入口および流出口と、前記第1流体室と前記第2流体室とを連通するオリフィス連通路と、を備え、
    前記ピストンには、前記第1流体室側から前記第2流体室側への作動液の通流を許容する一方向弁が設けられており、
    前記ピストンは、前記一方向弁が閉弁している状態において、前記第1流体室側の作動液の液圧と前記第2流体室側の作動液の液圧とに差圧が生じた場合に、その差圧を減少させる方向に摺動することを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記オリフィス連通路は、前記シリンダの内壁面と前記ピストンの外壁面との間の隙間を利用して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記シリンダ内には、前記ピストンを前記第2流体室側へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポンプ装置。
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