JP2008277816A - フィルタ及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パネルに入射される外部光を効果的に遮断して、プラズマディスプレイパネルの明室コントラスト及び輝度を改善できるようにするプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、3層以上の薄膜層を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、複数の溝が一面に形成されたベース部と、該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部と、を備える外光遮断シートとを含む。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、3層以上の薄膜層を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、複数の溝が一面に形成されたベース部と、該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部と、を備える外光遮断シートとを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、ディスプレイパネル用フィルタに関し、特に、パネルの外部から入射される外光を遮断させるために、外光遮断シートを製作してパネルの前面に位置させることによって、パネルの明室コントラストを向上させ、かつ輝度が維持され得るようにするフィルタ及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
一般に、プラズマディスプレイパネルは、放電空間に設置された電極に所定の電圧を印加して放電を起こし、ガス放電時に発生するプラズマが蛍光体を励起させることによって、文字又はグラフィックを含む画像を表示する装置であって、大型化及び軽量化と平面薄型化が容易であり、上下左右に広い視野角を提供し、フルカラー及び高輝度を実現することが可能であるという長所がある。
このようなプラズマディスプレイパネルは、ブラック映像を実現するとき、パネルの下板に露出している白色系の蛍光体によって、外光がパネルの前面から反射されることによって、ブラック映像が明るい系の暗い色と認知されて、コントラストが低下するという問題点がある。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、パネルに入射される外部光を効果的に遮断して、プラズマディスプレイパネルの明室コントラスト及び輝度を改善できるようにするプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
上記の目的を達成すべく、本発明によるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、3層以上の薄膜層を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、複数の溝が一面に形成されたベース部と、該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部と、を備える外光遮断シートとを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成すべく、本発明によるディスプレイ用フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面において配置されるフィルタであって、酸化物からなる誘電体層と、電磁波遮蔽のための金属層と、前記金属層を保護するために前記金属層の上部または下部に積層される保護層と、を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、複数の溝が一面に形成されたベース部と該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部とを備える外光遮断シートとを含むことを特徴とする。
本発明によると、外部から入射される光を最大限吸収及び遮断する外光遮断シートをディスプレイパネルの前面に位置させることによって、ブラック映像を効果的に具現することができ、明室コントラストを改善すると共に、電磁波遮蔽効果を向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付した図1〜図32を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明によるプラズマディスプレイパネルに対する一実施の形態を示した斜視図である。
図1に示すように、プラズマディスプレイパネルは、上部基板10上に形成される維持電極対であるスキャン電極11及びサステイン電極12、下部基板20上に形成されるアドレス電極22を含む。
前記維持電極対11、12は、通常、インジウムスズ酸化物(Indium−Tin−Oxide;ITO)で形成された透明電極11a、12aとバス電極11b、12bを含み、前記バス電極11b、12bは、銀(Ag)、クロム(Cr)などの金属又はクロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)の積層型若しくはクロム/アルミニウム/クロム(Cr/Al/Cr)の積層型で形成されることができる。バス電極11b、12bは、透明電極11a、12a上に形成されて、抵抗の高い透明電極11a、12aによる電圧降下を減らす機能を果たす。
一方、本発明の一実施の形態によると、維持電極対11、12は、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとが積層された構造だけでなく、透明電極11a、12aなしにバス電極11b、12bのみでも構成されることができる。このような構造は、透明電極11a、12aを使用しないので、パネルの製造単価を下げることができるという長所がある。このような構造に用いられるバス電極11b、12bは、上に列挙した材料の他に感光性材料等、多様な材料が可能である。
スキャン電極11及びサステイン電極12の透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとの間には、上部基板10の外部から発生する外光を吸収して反射を減らす光遮断の機能と上部基板10の色純度(Purity)及びコントラストを向上させる機能を果たすブラックマトリクス(Black Matrix、BM)が配列されることができる。
本発明の一実施の形態によるブラックマトリクスは、上部基板10に形成されるが、隔壁21と重なる位置に形成される第1ブラックマトリクス15と、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとの間に形成される第2ブラックマトリクス11c、12cで構成されることができる。ここで、第1ブラックマトリクス15とブラック層又はブラック電極層とも呼ばれる第2ブラックマトリクス11c、12cは、形成過程で同時に形成されて物理的に接続される場合もあるが、同時に形成されず物理的に接続されない場合もある。
また、物理的に接続して形成される場合に、第1ブラックマトリクス15と第2ブラックマトリクス11c、12cは、同じ材質で形成されるが、物理的に分離されて形成される場合には、異なる材質で形成されることができる。
バス電極11b、12b又は隔壁21が暗い色を有することによって、前記ブラックマトリクスのように、外部から発生する外光を吸収して反射を減らす光遮断の機能とコントラストを向上させる機能とを行うこともできる。又は、上部基板10に形成された特定部材、例えば誘電体層13と下部基板20に形成された特定部材、例えば隔壁21が互いに補色関係を有することによって、パネルの前面から見るときに重なる部分が黒い色に近く見えるようにして、前記ブラックマトリクスのような機能を行うこともできる。
スキャン電極11とサステイン電極12とが並列して形成された上部基板10には、上部誘電体層13と保護膜14とが積層される。上部誘電体層13には、放電によって発生した荷電粒子が蓄積され、維持電極対11、12を保護する機能を行うことができる。保護膜14は、ガス放電時に発生した荷電粒子のスパッタリングから上部誘電体層13を保護し、2次電子の放出効率を上げるようになる。
また、アドレス電極22は、スキャン電極11及びサステイン電極12と交差する方向に形成される。また、アドレス電極22が形成された下部基板20上には、下部誘電体層24と隔壁21とが形成される。
また、下部誘電体層24と隔壁21との表面には、蛍光体層23が形成される。隔壁21は、縦隔壁21aと横隔壁21bとが閉鎖型に形成され、放電セルを物理的に区分し、放電により生成された紫外線と可視光とが隣接した放電セルに漏れるのを防止することができる。
図1に示すように、本発明によるプラズマディスプレイパネルの前面には、フィルタ100が形成されることが好ましく、フィルタ100には、外光遮断シート、AR(Anti−Reflection)シート、NIR(Near Infrared)遮蔽シート、EMI(Electro Magnetic Interference)遮蔽シート、拡散シート、光特性シートなどが含まれることができる。
フィルタ100と前記パネルとの間の間隔が10μm〜30μmの範囲であるとき、外部から入射される光を効果的に遮断することができ、前記パネルから発生する光を外部に効果的に放出することができる。また、外部からの圧力などから前記パネルを保護するために、フィルタ100と前記パネルとの間の間隔を30μm〜120μmの範囲にすることができ、衝撃を防止するために、前記フィルタ100と前記パネルとの間に衝撃吸収の機能を有する粘着層を形成することもできる。
本発明の一実施の形態には、図1に示す隔壁21の構造だけでなく、多様な形状の隔壁21の構造も可能である。例えば、縦隔壁21aと横隔壁21bの高さが異なる差等型隔壁構造、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうちの少なくとも何れか1つ以上に排気通路として使用可能なチャネルが形成されたチャネル型隔壁構造、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうちの何れか1つ以上に溝(Hollow)が形成された溝型隔壁構造などが可能である。
ここで、差等型隔壁構造の場合には、横隔壁21bの高さが高いことがさらに好ましく、チャネル型隔壁構造や溝型隔壁構造の場合には、横隔壁21bにチャネルが形成されるか、又は溝が形成されることが好ましい。
一方、本発明の一実施の形態では、R、G及びB放電セルそれぞれが同じ線上に配列されることと図示及び説明されているが、他の形状に配列されることも可能である。例えば、R、G及びB放電セルが三角形状に配列されるデルタ(Delta)タイプの配列も可能である。また、放電セルの形状も、四角形状のみでなく、五角形、六角形などの多様な多角形状も可能である。
また、蛍光体層23は、ガス放電時に発生した紫外線により発光して、赤色(R)、緑色(G)又は青色(B)のうちの何れか1つの可視光を発生するようになる。ここで、上部/下部基板10、20と隔壁21との間に設けられた放電空間には、放電のためのHe+Xe、Ne+Xe及びHe+Ne+Xeなどの不活性混合ガスが注入される。
図2は、本発明によるフィルタに備えられる外光遮断シート構造に対する一実施の形態を示した断面図であって、外光遮断シートは、ベース部200及びパターン部210を含んでなる。
ベース部200は、光が円滑に透過され得るように、透明なプラスチック材質、例えば紫外線(UV)硬化方式により形成された樹脂(Resin)系の物質からなることが好ましく、パネルの前面を保護する効果を高めるために、堅固なガラス材質が使用されることもできる。
図2に示すように、パターン部210の形状は三角形であり得、それ以外に様々な形状を有することもできる。パターン部210は、ベース部200より暗い色の物質から形成され、好ましくは、黒い色の物質からなる。例えば、パターン部210はカーボン(carbon)系の物質から形成するか、黒い色の染料を塗布して外光を吸収する効果を極大化することができる。以下では、パターン部210の上端と下端のうち、幅がより広いことをパターン部210の下端という。
図2において、パターン部210の下端はパネル側に配置され、パターン部210の上端は外光が入射される観察者側に配置されることができる。また、前記配置と反対に、パターン部210の下端は観察者側に配置され、パターン部210の上端はパネル側に配置されることもできる。
外部光源は、パネルの上側に位置することが通常であるから、外光は、上側から斜めにパネルに入射されてパターン部210に吸収される。
パターン部210は、光吸収粒子を含むことができ、光吸収粒子は、特定色に着色された樹脂粒子であり得る。光吸収の効果を最大化するために、光吸収粒子は、黒い色に着色されることが好ましい。
光吸収粒子の製造及びパターン部210の内部への添加が容易であり、外光を吸収する効果を最大化するために、光吸収粒子の大きさは1μm以上でありうる。また、光吸収粒子の大きさが1μm以上である場合に、パターン部210に屈折する外光を効果的に吸収するために、パターン部210は、光吸収粒子を10重量%以上含むことができる。すなわち、パターン部210の全体重量の10%以上の重量の光吸収粒子がパターン部210に含まれることができる。
図3〜図6は、外光遮断シートの構造に応じる光特性を説明するために、外光遮断シートの構造に対する実施の形態を示した断面図である。
図3の場合に、外光を吸収して遮断し、パネルから放出される可視光線を全反射してパネル光の反射率を高めるために、パターン部305の屈折率、少なくともパターン部305の一部分である傾斜面の屈折率をベース部300の屈折率より小さくした場合である。
上記のように、プラズマディスプレイパネルの明室コントラストを低下させる外光は、パネルの上側に位置する場合が多い。図3に示すように、スネル(snell)の法則により、外光遮断シートに斜めに入射される外光(点線で表示)は、ベース部300より小さな屈折率を有するパターン部305の内部に屈折して吸収される。パターン部305の内部に屈折される外光は、光吸収粒子により吸収され得る。
また、ディスプレイのために、パネル310から外部に放出される光(実線で表示)は、パターン305の傾斜面から全反射して、観察者側である外部に反射される。
上記のように、外光(点線で表示)は、パターン部305に屈折されて吸収され、パネル310から放出される光(実線で表示)がパターン部305から全反射する理由は、図3に示すように、パネル310の光がパターン部305の傾斜面となす角より外光がパターン部305の傾斜面となす角が大きいためである。
よって、本発明による外光遮断シートは、外光が観察者側に反射されないように外光を吸収し、パネルから放出される光の反射量を高めることによって、ディスプレイ映像の明室コントラストを向上させる。
パネル310に入射される外光の角度を考慮して、外光の吸収及びパネル310の光の全反射を最大化するためには、パターン部305の屈折率は、ベース部300の屈折率の0.3倍以上1倍未満であることが好ましい。パネル310から放出される光がパターン部305の傾斜面から全反射することを最大化するために、プラズマディスプレイパネルの上下の視野角を考慮すると、パターン部305の屈折率は、ベース部300の屈折率の0.3倍〜0.8倍の範囲であることが好ましい。
図3に示すように、パターン部305の上端が観察者側に配置され、パターン部305の屈折率がベース部300の屈折率より小さな場合には、パネルから放出される光がパターン部305の傾斜面から反射されて観察者側に向けて拡散されることになり、これにより、観察者側から見るとき、映像が鮮明でなく、ぼやけて見えるゴースト(ghost)現象が生じることがありうる。
図4は、パターン部325の上端が観察者側に配置され、パターン部325の屈折率がベース部320の屈折率より大きい場合である。図4に示すように、パターン部325の屈折率がベース部320の屈折率より大きいから、スネルの法則によってパターン部325に入射される外光及びパネル光は、全てパターン部325に吸収される。
よって、パターン部325の上端が観察者側に配置され、パターン部325の屈折率がベース部320の屈折率より大きいとき、ゴースト現象を減少させることができる。パターン部325に斜めに入射されるパネル光を十分に吸収してゴースト現象を防止するために、パターン部325の屈折率とベース部320の屈折率との差は、0.05以上であることが好ましい。
パターン部325の屈折率をベース部320の屈折率より大きくする場合に、外光遮断シートの透過率及び明室コントラストが減少され得るので、ゴースト現象を防止し、かつ外光遮断シートの透過率を大きく低下させないために、パターン部325の屈折率とベース部320の屈折率との差は、0.05〜0.3の範囲であることが好ましい。また、ゴースト現象を防止し、かつパネルの明室コントラストを適正水準に維持するためには、パターン部325の屈折率をベース部320の屈折率の1.0倍〜1.3倍の範囲にすることが好ましい。
図5は、パターン部345の下端が観察者側に配置され、パターン部345の屈折率がベース部340の屈折率より小さな場合である。図5に示すように、パターン部345の下端を外光が入射される観察者側に配置して、パターン部345の下端に外光が吸収されるようにすることによって、外光遮断の効果を向上させることができる。また、図4に示したものよりパターン部345の下端間の間隔を大きくすることができるので、外光遮断シートの開口率を向上させることができる。
図5に示すように、パネル350から放出されるパネル光は、パターン部345の傾斜面から反射されて、ベース部340を通過したパネル光を中心に集まることができる。それにより、外光遮断シートの透過率を大きく低下させずに、ゴースト現象を減少させることができる。
パネル光がパターン部345の傾斜面から反射されて、ベース部340を通過したパネル光を中心に集まるにつれて、ゴースト現象を防止するためには、パネル350と外光遮断シートとの間の間隔dが1.5〜3.5mmの範囲であることが好ましい。
図6は、パターン部365の下端が観察者側に配置され、パターン部365の屈折率がベース部360の屈折率より大きい場合である。図6に示すように、パターン部365の屈折率がベース部360の屈折率より大きいから、パターン部365の傾斜面に入射されるパネル光は、パターン部365に吸収され得る。それにより、ベース部360を通過したパネル光により映像がディスプレイされるので、ゴースト現象が減少され得る。
また、パターン部365の屈折率がベース部360の屈折率より大きいので、外光吸収の効果が向上することができる。
図7は、本発明によるフィルタに備えられる外光遮断シートの構造に対する第1の実施の形態を示した断面図である。外光遮断シートの厚さTが20μm〜250μmの範囲であるとき、製造工程が容易であり、適切な光透過率を有することができる。パネルから放出される光が円滑に透過されるようにし、外部から入射される光が屈折されてパターン部410に効果的に吸収及び遮断されるようにし、シートの堅固性を確保するために、外光遮断シートの厚さTは、100μm〜180μmの範囲に形成されることができる。
図7に示すように、ベース部400上に形成されるパターン部410は、三角形の形状を有し、さらに好ましくは、二等辺三角形の形状を有する。また、パターン部410の下端の幅P1は、18μm〜36μmの範囲に形成されることができ、そういう場合に、パネルから発生する光を円滑にユーザ側に放出させるための開口率を確保し、外光遮断効率を極大化することができる。
パターン部410の高さhは、80μm〜170μmの範囲に形成され、下端の幅P1との関係で外光の吸収及びパネル光の反射を効果的にすることができる傾斜面の傾きを形成することができ、パターン部410の短絡を防止することができる。
パネル光がユーザ側に放出されて適正輝度のディスプレイ映像を表示するための開口率を確保し、外光遮断効果及びパネル光の反射効率を増加させるための最適のパターン部410の傾斜面の傾きを確保するために、互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1は、40μm〜90μmの範囲であることが好ましく、互いに隣接したパターン部の上端間の間隔D2は、90μm〜130μmの範囲であることが好ましい。
上記のような理由によって、互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1がパターン部410の下端の幅の1.1倍〜5倍の範囲であるとき、ディスプレイのための開口率を確保することができる。また、開口率の確保とともに外光遮断効果及びパネル光の反射効率を最適化するためには、互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1が30D1ターン部410の下端の幅の1.5倍〜3.5倍の範囲であることが好ましい。
パターン部410の高さhが互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1の0.89倍〜4.25倍の範囲を有する場合に、上側から斜めに入射される外光がパネルに入射されないようにすることができる。また、パターン部410の短絡を防止し、パネル光の反射効率を最適化するために、パターン部410の高さhは、互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1の1.5倍〜3倍の範囲であることが好ましい。
また、互いに隣接した2つのパターン部の上端間の間隔D2が互いに隣接した2つのパターン部の下端間の間隔D1の1倍〜3.25倍の範囲であるとき、適正輝度を有する映像のディスプレイのための開口率を確保することができる。また、パネル光がパターン部410の傾斜面から全反射される反射効率を最適化するために、互いに隣接した2つのパターン部の上端間の間隔D2は、互いに隣接した2つのパターン部の下端間の間隔D1の1.2倍〜2.5倍の範囲であることが好ましい。
以上、パターン部410の上端が観察者側に配置される場合を例に挙げて、本発明による外光遮断シートの構造について説明したが、図7を参照して上述した内容は、パターン部410の下端が観察者側に配置される場合にも適用できる。
図8及び図9は、外光遮断シートに一列に形成されたパターン部の前面形状に対する一実施の形態を示したものであって、図示のように、パターン部は、ベース部上に所定の間隔で一列に形成されることが好ましい。
外光遮断シートに所定の間隔で形成された複数のパターン部と前記パネルに所定のパターンで形成されたブラックマトリクス、ブラック層、バス電極、隔壁などが重なることによりモアレ現象が発生し得る。モアレ現象とは、似た格子状のパターンが重なりつつ発生する低周波のパターンのことを言うが、例えば、カヤを重なっておいたときに見える波紋パターンなどがある。
図8及び図9に示すように、複数のパターン部を斜めに形成することによって、パネルに形成されたブラックマトリクス、ブラック層、バス電極、隔壁などと重なることによって発生するモアレ現象を減少させることができる。
図10及び図11に示すように、ブラックマトリクス610、650は、パネルの下部基板に形成された横隔壁と並列の方向にパネルの上部基板に形成されるので、ブラックマトリクスは、図8及び図9に示した外光遮断シートの上端又は下端と平行である。したがって、図9において、パターン部が外光遮断シートの上端となす角θ1、θ2、θ3は、外光遮断シートのパターン部がパネルに形成されたブラックマトリクスとなす角を示す。
外光遮断シートのパターン部がパネルに形成されたブラックマトリクスと20度以下の挟角で斜めに形成されるとき、モアレ現象を減少させることができる。また、パネルに入射される外光がユーザの頭の上端に存在する場合が多いことを考慮すると、パターン部とブラックマトリクスとの間の角が5度以下であるとき、モアレ現象を防止するとともに適正開口率を確保することによって、パネル光の反射効率を増加させることができ、外光を最も効果的に遮断することができる。
図9は、図8に示す外光遮断シートの一部分500を拡大して示したものであって、一列に形成されたパターン部510、520、530、540、550、560は、互いに平行したことが好ましく、互いに平行しない場合にも、パターン部510、520、530、540、550、560とブラックマトリクスとの挟角は、それぞれ上記の範囲を有することが好ましい。
また、前記のような理由で外光遮断シートのパターン部とパネルの上部基板に形成されたバス電極又は下部基板に形成された横隔壁とがなす挟角θ1、θ2、θ3が20度以下であるとき、モアレ現象を減少させることができる。また、パネルに入射される外光がユーザの頭の上端に存在する場合が多いことを考慮すると、パターン部と前記バス電極又は横隔壁とがなす挟角θ1、θ2、θ3が5度以下であるとき、モアレ現象を防止するとともに適正開口率を確保して、パネル光の反射効率を増加させることができ、外光を最も効果的に遮断することができる。
図8及び図9では、パターン部が外光遮断シートの右側下端から左側上端の方向へ斜めに形成されているが、他の実施の形態としては、パターン部が外光遮断シートの左側上端から右側下端の方向へ、上記の角を有して斜めに形成されていることもできる。
図10及び図11は、パネルに形成されたブラックマトリクスの構造に対する実施の形態を簡略に示すものである。
図10に示すように、ブラックマトリクス610は、下部基板600に形成された横隔壁に重なるように形成されることができる。また、図10に示すように、ブラックマトリクス610は、上部基板に形成されたスキャン電極及びサステイン電極と重なるように形成されて、スキャン電極及びサステイン電極がブラックマトリクス610により隠されるように形成されることができる。
この場合に、ブラックマトリクス610の幅bが200μm〜400μmの範囲であり、互いに隣接したブラックマトリクス間の間隔aが300μm〜600μmの範囲であるとき、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保するとともに、外部から発生する外光を吸収して反射を減らす光遮断効率と上部基板の色純度及びコントラストを向上させる効率を最大化することができる。
図11に示すように、ブラックマトリクス650は、上部基板に形成されたスキャン電極及びサステイン電極と離隔して形成されることができる。
この場合には、ブラックマトリクス650の幅bが70μm〜150μmの範囲であり、互いに隣接したブラックマトリクス間の間隔aが500μm〜800μmの範囲であるとき、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保するとともに、外部から発生する外光を吸収して反射を減らす光遮断効率と上部基板の色純度及びコントラストを向上させる効率を最大化することができる。
上記のように、外光遮蔽シートのパターン部のパターンとパネルの上部基板に形成されたブラックマトリクスのパターンとが重なることによりモアレ現象が発生しうる。
ブラックマトリクスの幅がパターン部幅P1の3倍〜15倍である場合に、モアレ現象を防止すると共に、パネルの適正開口率を確保し、かつ外光遮断効率を極大化できる。また、互いに隣接した2つのブラックマトリクス間の間隔が互いに隣接した2つのパターン部間の間隔D1の4倍〜12倍であるとき、パネル光がブラックマトリクスの間を通過して外光遮断シートのパターン部の傾斜面に全反射されて外部に放出される反射効率を最適化することができ、モアレ現象を減少させることができる。
図10に示したように、ブラックマトリクス610がスキャン電極及びサステイン電極に重なって形成された場合には、ブラックマトリクス610の幅bが外光遮断シートのパターン部の幅P1の10倍〜15倍であるとき、モアレ現象を防止すると共に、パネルの適正開口率を確保し外光遮断効率を極大化でき、互いに隣接したブラックマトリクス間の間隔aが互いに隣接したパターン部間の間隔の4倍〜9倍であるとき、パネル光の反射効率を最適化することができ、モアレ現象を減少させることができる。
図11に示したように、ブラックマトリクス650がスキャン電極及びサステイン電極630、640に離隔して形成された場合には、ブラックマトリクス650の幅dが外光遮断シートパターン部の幅P1の3倍〜7倍であるとき、モアレ現象を防止すると共に、パネルの適正開口率を確保し、外光遮断効率を極大化でき、互いに隣接したブラックマトリクス間の間隔cが互いに隣接したパターン部間の間隔の7倍〜12倍であるとき、パネル光の反射効率を最適化することができ、モアレ現象を減少させることができる。
図12は、本発明によるプラズマディスプレイパネルの上部基板に形成されたバス電極の構造に対する一実施の形態を示した断面図である。
図7を参照して説明したように、外光遮断シートの互いに隣接したパターン部間の間隔は、40μm〜90μmの範囲であることが好ましく、パネルの上部基板に形成された互いに隣接した2つのバス電極660、670間の間隔aが225μm〜480μmの範囲であるとき、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保するとともに、放電開始電圧を減少させることができる。それにより、互いに隣接した2つのバス電極660、670間の間隔aが互いに隣接した2つのパターン部間の間隔の2.5倍〜12倍の範囲であるとき、パネルの適正開口率を確保し、外光遮断効率を極大化することができ、パネル光の反射効率を最適化することができる。
また、外光遮断シートのパターン部とパネルのバス電極とが重なることによって発生するモアレ現象を減少させるためには、互いに隣接したパターン部間の間隔は40μm〜60μmの範囲であり、互いに隣接した2つのバス電極500、510間の間隔aは225μm〜480μmの範囲であることが好ましい。したがって、互いに隣接した2つのバス電極660、670間の間隔aが互いに隣接した2つのパターン部間の間隔の4倍〜10倍の範囲であるとき、パネルの適正開口率を確保し、外光遮断効率を極大化することができ、パネル光の反射効率を最適化するとともに、モアレ現象を減少させることができる。
図7を参照して説明したように、外光遮断シートのパターン部の下端の幅は、18μm〜35μmの範囲であることが好ましく、パネルの上部基板に形成されたバス電極660の幅bは、45μm〜90μmの範囲であるとき、パネルを駆動するための適正抵抗及びキャパシタンスを確保することができ、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保することができる。したがって、パネルを駆動するための適正抵抗及びキャパシタンスを確保することができ、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保するために、パターン部の下端の幅は、バス電極500の幅bの0.2倍〜0.8倍の範囲であることが好ましい。
図13及び図14は、本発明によるプラズマディスプレイパネルの下部基板に形成された隔壁の構造に対する実施の形態を示した断面図であって、隔壁は、上部基板に形成されたバス電極と交差する方向に形成された縦隔壁720及び縦隔壁720に交差する方向に形成された横隔壁700、710を含む。
ディスプレイ映像の適正輝度及び解像度の確保を考慮すると、互いに隣接した2つの横隔壁700、710間の間隔cは、540μm〜800μmの範囲でありうる。それにより、パネルの適正開口率を確保するとともに、外光遮断効果及びパネル光の反射効率を増加させるための互いに隣接した2つのパターン部間の間隔が40μm〜90μmの範囲であることを考慮すると、互いに隣接した2つの横隔壁700、710間の間隔cが互いに隣接した2つのパターン部間の間隔の6倍〜20倍の範囲であることが好ましい。
また、互いに隣接したパターン部間の間隔が40μm〜60μmの範囲であり、互いに隣接した2つの横隔壁700、710間の間隔cが600μm〜700μmの範囲であるとき、外光遮断シートのパターン部とパネルの横隔壁とが重なることによって発生するモアレ現象を減少させることができる。したがって、互いに隣接した2つの横隔壁700、710間の間隔cが互いに隣接した2つのパターン部間の間隔の10倍〜17.5倍の範囲であるとき、外部から発生する外部光を吸収して反射を減らす光遮断効率と上部基板の色純度及びコントラストを向上させる効率を最大化するとともに、モアレ現象を減少させることができる。
図7を参照して説明したように、外光遮断シートのパターン部の下端の幅は、18μm〜35μmの範囲であることが好ましく、横隔壁700の上端の幅dが45μm〜90μmの範囲であるとき、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保することができる。したがって、ディスプレイ映像が適正輝度を有するようにするためのパネルの開口率を確保し、外光遮断シートのパターン部とパネルの横隔壁とが重なることによって発生するモアレ現象を減少させるために、パターン部の下端の幅は、横隔壁700の上端の幅dの0.2倍〜0.8倍の範囲であることが好ましい。
図14に示すように、隔壁800、810のうち、一部分の幅が他の部分と異なりうる。隔壁800、810が図14に示したような構造を有する場合には、互いに隣接した2つの横隔壁800、810間の間隙cと横隔壁800の上端の幅dは、隔壁の直線部分を基準に定義されうる。
図15〜図19は、外光遮断シートのパターン部の形状に対する実施の形態を示す断面図である。
図15に示すように、パターン部900は、左右非対称形状に形成されることもできる。すなわち、パターン部900の左右傾斜面の面積が異なるか、又は左右傾斜面の各々が下端となす角が互いに異なり得る。一般に、外光を発生させる物体はパネルの上側に位置するので、外光は、一定の角度範囲内でパネルの上側からパネルに入射される。したがって、外光吸収の効果を増加させ、パネルから放出される光の反射率を増加させるために、パターン部900の2つの傾斜面のうち、外光が入射される上側の傾斜面の傾きを下側の傾斜面の傾きより緩やかにすることができる。すなわち、パターン部900の2つの傾斜面のうち、上側の傾斜面の傾きを下側の傾斜面の傾きより小さくすることができる。
図16に示すように、パターン部910は、台形形状を有することもでき、そういう場合に、上端の幅P2が下端の幅P1より小さく形成される。また、パターン部910の上端の幅P2は、10μm以下であり得、それによって、下端の幅P1との関係で外光の吸収及びパネル光の反射を効果的にすることができる傾斜面の傾きを形成することができる。
図17〜図19に示すように、外光遮断シートのパターン部920、930、940の形状は、左右傾斜面が所定の曲率を有する曲線形状であり得る。この場合に、斜めに入射される外光の遮断効果を向上させるために、パターン部920、930、940の傾斜面の傾きの変化量は、下端から上端へ行くほど減少することが好ましい。
また、図17〜図19に示すパターン部の形状に対する実施の形態において、パターン部の隅部分が所定の曲率を有する曲線形状を有することもできる。
図20は、下端が凹んでいる形状を有するパターン部の形状に対する実施の形態を示した断面図である。
図20に示すように、パターン部の下端1015が、中央が丸みを帯びているように凹んでいる形状を有するようにすることによって、パネルから放出される光がパターン部の下端1015から反射されることによって発生する映像のぼけ現象を減少させることができ、外光遮断シートが他の機能性シート又はパネルに付着される場合に、接着部位の面積を増加させることによって接着力を向上させることができる。
すなわち、中心部分での高さが最外部での高さより小さな値を有するようにパターン部1010を形成することによって、凹んでいる形状の下端1015を含むパターン部1010を形成することができる。
パターン部1010は、ベース部1000に形成された溝に光吸収物質などを満たすことにより形成されることができるが、前記ベース部1000に形成された溝のうちの一部分がパターン部1010をなす光吸収物質で満たされ、残りの部分は、空いた空間として残されることができる。それにより、パターン部の下端1015は、中央部分が内部に引入されている、凹んでいる形状を有することができる。
図21に示すように、パターン部1030の下端が平らな場合に、パネルから放出されてパターン部1030の下端に斜めに入射される光は、パネル方向に反射されることができる。上記のようにパネル方向に反射されるパネル光により、特定位置にディスプレイされなければならない映像が前記特定位置の周辺にディスプレイされることによって、映像のぼけ現象が発生して、ディスプレイ映像の鮮明度を低下させることができる。
図22に示すように、凹んでいる形状を有するパターン部1010の下端に斜めに入射される光の入射角θ2は、図21に示す平らなパターン部1030の下端に入射される入射角θ1より小さくなる。したがって、図21に示す平らなパターン部1030の下端から反射されるパネル光が、図22に示した、凹んでいる形状を有するパターン部1010の下端では、パターン部1010の内部に吸収され得る。それにより、ディスプレイ映像のぼけ現象を減少させて、映像の鮮明度を向上させることができる。
図23は、下端が凹んでいるパターン部を含む外光遮断シートの構造に対する実施の形態を示した断面図であって、パターン部1110の下端を凹んでいる形状にして観察者側に配置したものである。
図23に示すように、観察者側に配置されたパターン部1110の下端を凹んでいる形状にすることにより、パターン部1110の下端で吸収される外光の入射角の範囲を拡大させることができる。すなわち、パターン部1110の下端を凹んでいる形状にする場合に、外光のパターン部1110の下端への入射角を大きくすることができ、それによって外光吸収の効果を向上させることができる。
図24は、下端が凹んでいる形状を有するパターン部の形状に対する実施の形態を示した断面図である。以下の表1は、パターン部1210の下端を凹んでいる形状に形成することによって生じる溝の深さaとパターン部1210の下端の幅dに応じるディスプレイ映像のぼけ現象の減少有無を実験した結果であって、下端が平らなパターン部を有する外光遮断シートが配置されたプラズマディスプレイパネルに比べて、映像のぼけ現象が減少しているか否かを実験した結果である。
表1に示したように、パターン部1210の下端に形成された溝の深さaが1.5μm〜7.0μmであるとき、ディスプレイ映像のぼけ現象を減少させて映像の鮮明度を向上させることができる。
また、外部衝撃などによるパターン部1210の破損防止及びパターン部1210の形成工程の容易性を考慮すると、パターン部1210の下端に形成された溝の深さaは、2μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
図7を参照して説明したように、パターン部1210の下端の幅dが18μm〜35μmの範囲であるとき、パネル光の放出のための開口率を確保し、外光遮断効率を極大化することができるので、パターン部1210の下端の幅dは、パターン部1210の下端に形成された溝の深さaの3.6倍〜17.5倍の範囲であることが好ましい。
一方、パターン部1210の高さcが80μm〜170μmの範囲であるとき、外光の吸収及びパネル光の反射を効果的にすることができる傾斜面の傾きを形成し得るので、パターン部1210の高さcがパターン部1210の下端に形成された溝の深さaの16倍〜85倍の範囲であることが好ましい。
また、外光遮断シートの厚さbが100μm〜180μmの範囲であるとき、パネル光の円滑な透過と外光の効果的な吸収及び遮断を達成することができ、シートの堅固性を確保することができるので、外光遮断シートの厚さbは、パターン部1210の下端に形成された溝の深さaの20倍〜90倍の範囲であることが好ましい。
図25に示すように、パターン部1230は、台形形状を有することもでき、そういう場合に、上端の幅eが下端の幅dより小さく形成されることが好ましい。また、パターン部1230の上端の幅eが10μm以下であるとき、下端の幅dとの関係で外光の吸収及びパネル光の反射を効果的にすることができる傾斜面の傾きを形成することができる。この場合にも、パターン部1230の下端に形成された溝の深さaとパターン部1230の下端の幅dとの間の関係は、図24を参照して説明したものと同様であることができる。
図26は、外光遮断シートの厚さとパターン部の高さとの関係を説明するために、外光遮断シートの構造を示した断面図である。
図26に示すように、パターン部を含む外光遮断シートの堅固性を確保するとともに、画像を表示するためにパネルから放出される可視光の透過率を確保するために、外光遮断シートの厚さTは、100μm〜180μmの範囲であることが好ましい。
外光遮断シートに備えられるパターン部の高さhが80μm〜170μmの範囲であるとき、前記パターン部の製造が最も容易であり、外光遮断シートの適切な開口率を確保することができ、外光遮断効果及びパネルから放出される光の反射効果を最大化することができる。
パターン部の高さhは、外光遮断シートの厚さTに応じて可変し得る。一般に、パネルに入射されて明室コントラストの低下に影響を与える外光は、主にパネルの位置より上側に位置するようになる。したがって、一定の範囲の入射角(θ)でパネルに入射される外光を効果的に遮断するために、パターン部の高さhと外光遮断シートの厚さTとの割合は、一定範囲内の値を有することが好ましい。
パターン部の高さhが増加するほど、パターン部の上端部分のベース部の厚さが薄くなって絶縁破壊が発生することができ、パターン部の高さhが減少するほど、一定範囲内の角度を有する外光がパネルに入射されて、外光が正しく遮断されない場合もあり得る。
以下の表2は、外光遮断シートの厚さTとパターン部の高さhに応じて、外光遮断シートの絶縁破壊及び外光遮断効果を実験した結果である。
表2に示すように、外光遮断シートの厚さTが120μmの場合に、パターン部の高さhが115μm以上に形成されると、パターン部が絶縁破壊されるリスクがあるから、製品の不良率が増加し得る。パターン部の高さhが115μm以下に形成されると、パターン部が絶縁破壊されるおそれがないことから、外光遮断シートの不良率を減少させることができる。しかしながら、パターン部の高さが85μm以下に形成されるときには、パターン部により外光が遮断される効率が減少され得、60μm以下に形成される場合には、外光がパネルに入射され得る。それにより、パターン部の高さhが90μm〜110μmの範囲であるとき、外光遮断シートの外光遮断効率を増加させるとともに、不良率を減少させることができる。
また、外光遮断シートの厚さTがパターン部の高さhの1.01倍〜2.25倍の範囲であるとき、パターン部の上端部分の絶縁破壊を防止することができ、外光がパネルに入射されることを防止することができる。また、絶縁破壊及び外光のパネル入射を防止するとともに、パネルから放出される光の反射量を増加させ、視野角を確保するためには、外光遮断シートの厚さTがパターン部の高さhの1.01倍〜1.5倍の範囲であることが好ましい。
以下の表3は、外光遮断シートのパターン部の下端の幅とパネルの上部基板に形成されるバス電極の幅との割合に応じて、モアレ現象の発生有無及び外光遮断効果を実験した結果であって、バス電極の幅が70μmである場合である。
表3に示すように、パターン部の下端の幅がバス電極の幅の0.2倍〜0.5倍の範囲であるとき、モアレ現象を減少させるとともに、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象を防止し外光を効果的に遮断するとともに、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下端の幅がバス電極の幅の0.25倍〜0.4倍の範囲であることが好ましい。
以下の表4は、外光遮断シートのパターン部の下端の幅とパネルの下部基板に形成される縦隔壁の幅との割合に応じて、モアレ現象の発生有無及び外光遮断効果を実験した結果であって、縦隔壁の幅が50μmである場合である。
表4に示すように、パターン部の下端の幅が縦隔壁の上端の幅の0.3倍〜0.8倍の範囲であるとき、モアレ現象を減少させるとともに、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象を防止し外光を効果的に遮断するとともに、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下端の幅が縦隔壁の上端の幅の0.4倍〜0.65倍の範囲であることが好ましい。
図27〜図30は、本発明によるフィルタの構造に対する実施の形態を示す断面図であって、プラズマディスプレイパネルの前面に形成されるフィルタは、AR/NIRシート、EMI遮蔽シート及び外光遮断シート、光特性シートなどを含むことができる。
図27及び図28に示すように、AR/NIRシート1310は、透明なプラスチック材質からなるベースシート1313の前面に外部から入射される光が反射することを防止して、グレア現象を減少させる機能があるAR(Anti−Reflection)層1311が付着され、後面には、パネルから放射される近赤外線を遮蔽して、リモコンなどのように赤外線を用いて伝達される信号が正常に伝達され得るようにするNIR(Near Infrared)遮蔽シート1312が付着される。
EMI遮蔽シート1320は、パネルから放射されるEMIが外部に放出されることを防止するシートであって、本発明では、スパッタリング法により形成された少なくとも3層の薄膜層が積層される構造を有する。
前記スパッタリング方法とは、金属板にアルゴンなどの不活性元素を衝突させて金属分子を放出させた後、表面に膜を付着する技術であって、薄膜層の製造法の1つである。真空が維持されたチャンバー内にスパッタリング気体として不活性物質であるアルゴン(Ar)ガスを流しつつターゲットに直流電源を印加すると、蒸着しようとする基板とターゲットとの間でプラズマが発生する。すなわち、前記アルゴンガスが陽イオンにイオン化され、これは、直流電流系により陰極に加速されてターゲットの表面と衝突し、これによってターゲット物質の原子が表面から脱出して基板に薄膜層を形成するようになる。
このようにスパッタリング法でEMI遮蔽シートが形成されると、メッシュタイプのEMI遮蔽シートに比べて、モアレ現象が顕著に減少され得る。すなわち、モアレ現象は、特定パターンが規則的に繰り返されることによって発生する現象であって、画質を低下させる原因になるが、本発明のように、スパッタリング法で形成されたEMI遮蔽シートではパターンが形成されないので、モアレ現象が発生しない。
このような本発明のEMI遮蔽シートには、少なくとも3層の薄膜層は誘電体層、保護層及び金属層を含む。各層の積層順序は図面により限定されず、前記の少なくとも3層の薄膜層は、1セットとして1回以上繰り返されて積層され得る。
通常、外部光源は、室内や外部において観察者の頭の上端に存在する場合が最も多い。このような外光を効果的に遮断して、プラズマディスプレイパネルのブラック映像をより暗く表現され得るようにする外光遮断シート1330が付着される。
このようなAR/NIRシート1310、EMI遮蔽シート1320、外光遮断シート1330の間には粘着剤1340が層をなしているから、各々のシート1310、1320、1330及びフィルタ1300がパネルの前面に堅固に付着され得るようにする。また、それぞれのシート1310、1320、1330の間に含まれたベースシートの材質は、フィルタ1300の製作の容易性を考慮して実質的に同じ材質を使用することが好ましい。
一方、図27では、AR/NIRシート1310、EMI遮蔽シート1320、外光遮断シート1330の順に積層されているが、図28に示すように、AR/NIRシート1310、外光遮断シート1330、EMI遮蔽シート1320の順に積層され得るように、各シートの積層順序は、当業者によって異なって積層されることができる。また、図示のシート1310、1320、1330のうち、少なくともいずれか1つの層が省略されることもできる。
図29及び図30に示すように、パネルの前面に形成されるフィルタ1400は、AR/NIRシート1410、EMI遮蔽シート1430及び外光遮断シート1440の他に光特性シート1420をさらに含むことができる。光特性シート1420は、パネルから入射される光の色温度及び輝度特性を改善させ、透明なプラスチック材質からなるベースシート1422の前面又は後面に所定の染料と粘着剤からなる光特性層1421が積層される。
図27〜図30に示すベースシートのうち、少なくとも1つのベースシートが省略されることもでき、前記ベースシートのうちのいずれか1つは、プラスチック材質ではない堅固なガラス(Glass)が使用されて、パネルを保護する機能を向上させうる。前記ガラスは、パネルから所定の間隔で離隔されて形成されることが好ましい。
また、本発明に係るフィルタは、拡散シートをさらに含むことができる。拡散シートは、光が均一な明るさを維持するように入射される光を拡散させる機能を果たす。それにより、拡散シートは、パネルから放出される光を均一に拡散させて、ディスプレイ画面の上下視野角を広げ、外光遮断シートなどに形成されたパターンを隠蔽することができる。また、拡散シートは、上下視野角に該当する方向に光を集光して、正面の輝度を均一にするとともに向上させることができ、帯電防止性を向上させることができる。
拡散シートは、透過型又は反射型拡散フィルムなどが使用されることができ、一般に、ポリマー材料のベースシートに小さなガラス玉の粒が混合された形態を有することができる。また、拡散シートのベースシートとして高純度のアクリル樹脂(PMMA)が使用されることができ、高純度のアクリル樹脂(PMMA)を使用する場合に、シートの厚さが厚いことに対し、耐熱性が良いから発熱の多い大型ディスプレイ装置に用いられることができる。
図31及び図32は、前記EMI遮蔽シート1320、1430の構造が示された断面図であって、図27に関する説明で提示した少なくとも3層の薄膜層を含む構造において、積層順序が異なる実施の形態を示したものである。
さらに詳細に各層について説明すると、まず、前記誘電体層1321は、ニオブ酸化物(Nb2O5)を含んで構成される。もちろん、以外のTi、Cr又はZrのような他の元素成分も含有され得ることは勿論である。
前記誘電体層1321の厚さは、50nm〜70nmの範囲で形成されることができ、特に、前面基板と隣接して配置される誘電体層の場合、その厚さが薄く形成されることが好ましい。その理由は、基板と最も隣接した誘電体層の厚さが薄いほど可視光の反射率を減少させ、低い反射率を得ることができる波長範囲を増加させるためである。
前記誘電体層1321上には、ZnO又はITOを主成分とする保護層1322が形成される。前記保護層は、EMIを遮蔽するための金属層1323を保護して耐久性を向上させるとともに、前記金属層により現れる電気伝導性を増進させて電磁波遮蔽性能を向上させる。
合わせて、前記保護層1322は、金属層1323及び誘電体層1321間の界面から発生する表面プラズモンの形成を抑制して、プラズモンによる光吸収によって発生する可視光の損失を減少させる。同時に、可視光の反射率を減少させ、低反射率が得られ得る波長帯域を増加させる機能を果たすようになる。
このために、前記保護層1322の厚さは60nm〜80nmの範囲以内で形成され、ZnOの他にもAl又はAl2O3が少量含まれている酸化物(以下、AZOと略す)を含んで形成される。
前記保護層1322上には、電気伝導性を有する金属層1323が形成され、金属層は、主に軟性及び電気伝導性に優れており、薄膜形成時にも電気伝導性を維持するAg又は前記Agが90%以上である合金からなる。また、銀は、低廉であり、他の金属に比べて可視光の吸収が少ないから、透明な薄膜を得るのが容易であるという長所がある。
このような金属層1323の厚さは、80nm〜105nmの範囲以内で形成され、前記誘電体層1321と同じ理由で基板と最も隣接するように配置される金属層は、他の金属層の厚さに比べて薄く形成されることが好ましい。その理由は、可視光の反射率を減少させ、低反射率を得ることができる波長帯域を増加させるためである。
このように、図31の実施の形態のEMI遮蔽シート1321、1430は、誘電体層1321、保護層1322、金属層1323の順に積層される構造を有し、このような構造が1セットになって3回繰り返されたことを例示したが、繰り返し回数は、図面により限定されない。
図32の実施の形態では、1セットをなす薄膜層が誘電体層1321、保護層1322、金属層1323、保護層1324で構成される点が異なり、その以外の重複する構成要素についての説明は、図31の実施の形態に関する説明に替える。これも、このような構造が3回繰り返されたことを例示したが、繰り返し回数は、図面により限定されない。
すなわち、図32に示す実施の形態では、前記金属層1323の上部と下部にそれぞれ保護層1322、1324が積層されることによって、1セットに少なくとも4個の薄膜層を含む。前記保護層1324が追加的に積層された理由は、前記金属層1323を形成した後に誘電体層を形成するためにスパッタリング法を用いるようになれば、プラズマにより以前に形成された金属層が損傷され得る。これを防止するために、ブロッカー機能を行う保護層を前記金属層の上部及び下部に各々配置することによって電気伝導性を維持し、所望の電磁波遮蔽機能を達成することができる。
上記のような本発明によれば、外部から入射される光を最大限吸収及び遮断する外光遮断シートをディスプレイパネルの前面に位置させることによって、ブラック映像を効果的に具現することができ、明室コントラストを改善すると共に、電磁波遮蔽効果を向上させることができる。
上述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
Claims (20)
- プラズマディスプレイパネルと、
3層以上の薄膜層を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、
複数の溝が一面に形成されたベース部と、該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部と、を備える外光遮断シートと
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記複数の薄膜層は、スパッタリング法により積層されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記EMI遮蔽シートの厚さは、200nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記遮蔽層は、
酸化物からなる誘電体層と、
電磁波遮蔽のための金属層と、
前記金属層を保護するために前記金属層の上部又は下部に積層される保護層と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 前記保護層の厚さは、前記誘電体層厚さの1倍〜1.5倍の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記金属層の厚さは、前記誘電体層の厚さの1.3倍〜2倍の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記誘電体層、金属層及び保護層のうち、前記誘電体層の厚さが最も薄く、前記金属層の厚さが最も厚いことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記遮蔽層の最上端又は最下端に積層された層は、前記保護層であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記ベース部と前記パターン部の屈折率差は、0.05〜0.3の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率の0.3倍〜1倍未満であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率の1.0倍〜1.3倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記パターン部の上端と該上端より幅が大きい下端のうち、
前記パターン部の上端が前記パネルにより隣接するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるフィルタであって、
酸化物からなる誘電体層と、電磁波遮蔽のための金属層と、前記金属層を保護するために前記金属層の上部又は下部に積層される保護層と、を含む遮蔽層が繰り返されて積層されるEMI遮蔽シートと、
複数の溝が一面に形成されたベース部と該ベース部の溝の内部に形成され、前記ベース部と屈折率が異なる複数のパターン部とを備える外光遮断シートと
を含むことを特徴とするフィルタ。 - 前記保護層の厚さは、前記誘電体層の厚さの1倍〜1.5倍の範囲であることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
- 前記金属層の厚さは、前記誘電体層の厚さの1.3倍〜2倍の範囲であることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
- 前記ベース部と前記パターン部との屈折率差は、0.05〜0.3の範囲であることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
- 前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率の0.3倍〜1倍未満であることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
- 前記パターン部の上端と該上端より幅が大きい下端のうち、
前記パターン部の上端が前記パネルにより隣接するように配置されることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。 - 前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍の範囲であることを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
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