JP2008276189A - マルチビーム走査光学系 - Google Patents

マルチビーム走査光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP2008276189A
JP2008276189A JP2008065035A JP2008065035A JP2008276189A JP 2008276189 A JP2008276189 A JP 2008276189A JP 2008065035 A JP2008065035 A JP 2008065035A JP 2008065035 A JP2008065035 A JP 2008065035A JP 2008276189 A JP2008276189 A JP 2008276189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
scanning
lens group
scanning optical
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008065035A
Other languages
English (en)
Inventor
Shohei Matsuoka
祥平 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2008065035A priority Critical patent/JP2008276189A/ja
Publication of JP2008276189A publication Critical patent/JP2008276189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/12Scanning systems using multifaceted mirrors
    • G02B26/123Multibeam scanners, e.g. using multiple light sources or beam splitters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/435Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material
    • B41J2/47Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light
    • B41J2/471Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light using dot sequential main scanning by means of a light deflector, e.g. a rotating polygonal mirror
    • B41J2/473Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light using dot sequential main scanning by means of a light deflector, e.g. a rotating polygonal mirror using multiple light beams, wavelengths or colours

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】マイクロミラーデバイスを偏向器として使用して複数のレーザー光を同時に走査する場合に好適な、良好な光学性能を持ち、高精細な描画を実現可能とするマルチビーム走査光学系を提供すること。
【解決手段】マルチビーム走査光学系は、単一のチップ上において、主走査方向にずれて配設された複数のレーザー光照射口を有し、複数のレーザー光を同時に照射可能な光源と、光源から照射される各レーザー光の発散傾向を変えるカップリングレンズ群と、所定の軸を基準に正弦振動し、カップリングレンズ群を介して入射する各レーザー光を偏向する偏向ミラーと、偏向ミラーにより偏向された各レーザー光をコントロールしつつ被走査面上で走査させる走査レンズ群と、を有し、所定の条件を満たすように構成にした。
【選択図】図1

Description

この発明は、画像形成装置等に搭載されるマルチビーム走査光学系に関する。
近年、レーザーコピー機やレーザープリンタといった画像形成装置では、複写や描画に際し、光源から射出される複数のレーザー光を、描画データに基づいて生成される変調信号に同期してオン/オフ制御しつつ、偏向器を用いて偏向し、描画面上を所定の方向(以下、主走査方向という)に走査させる、いわゆるマルチビーム走査光学系が用いられている。このような画像形成装置では、該マルチビーム走査光学系によって露光される描画面を各レーザー光の走査方向(主走査方向)と直交する方向(以下、副走査方向という)へ平行移動することで複写や所望の描画が行われる。
従来あるマルチビーム走査光学系は、偏向器として複数のミラー面からなるポリゴンミラーを採用するのが一般的である。しかし、マルチビーム走査光学系において、ポリゴンミラーおよび該ミラーを回動させるためのモータ部は非常に大きな空間を占め、かつコストを上昇させる原因となっていた。
そこで、ポリゴンミラーの代わりに、近年実用化されつつあるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した高速応答可能なマイクロミラーデバイスを偏向器として採用したマルチビーム走査光学系が提案されている。マイクロミラーデバイスを偏向器として採用したマルチビーム走査光学系は、ポリゴンミラーを使用した構成に比べて、安価かつ小型に構成することができるという利点があると考えられる。このようなマルチビーム走査光学系は、例えば、以下の特許文献1に提案されている。
特開2001−4942号公報、段落0138等
しかし、特許文献1には、ポリゴンミラーの代替としてマイクロミラーデバイスを使用することもできるという一般的、抽象的記載しかなされていない。つまり、実際にマイクロミラーデバイスを偏向器として使用した場合に好適かつ良好な光学性能を有するマルチビーム走査光学系の具体的構成については何ら開示されていない。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、マイクロミラーデバイスを偏向器として使用して複数のレーザー光を同時に走査する場合に好適な、良好な光学性能を持ち、高精細な描画を実現可能とするマルチビーム走査光学系を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載のマルチビーム走査光学系は、主走査方向にずれて配設された複数のレーザー光照射口を有し、複数のレーザー光を同時に照射可能な光源と、光源から照射される各レーザー光の発散傾向を変えるカップリングレンズ群と、所定の軸を基準に正弦振動し、カップリングレンズ群を介して入射する各レーザー光を偏向する偏向ミラーと、偏向ミラーにより偏向された各レーザー光をコントロールしつつ被走査面上で走査させる走査レンズ群と、を有し、全てのレーザー光は同一のカップリングレンズ群に入射し、
以下の条件(1)、
Figure 2008276189
ただし、Δは光源において互いに隣接する各レーザー光照射口の主走査方向における間隔を、
fはカップリングレンズ群の焦点距離を、
Wは被走査面でのレーザー光の走査幅を、
Kは走査レンズ群の走査係数を、
φは偏向ミラーの最大振幅を、それぞれ表す、
を満たすことを特徴とする。
以上の各条件を満たすように各光学部材を構成することにより、偏向ミラーにおける複数のレーザー光それぞれの入射角度の誤差が小さく抑えられる。これにより、各レーザー光により描かれる被走査面上の走査線同士の主走査方向におけるずれが低減される。また、いずれのレーザー光も被走査面上において、均一な走査速度で走査することができる。
また、請求項2に記載のマルチビーム走査光学系によれば、カップリングレンズ群は、入射する各レーザー光を少なくとも主走査方向に収束する光に変換しており、該マルチビーム走査光学系は、以下の条件(2)、(3)、
Figure 2008276189
ただし、Mはマルチビーム走査光学系全系の主走査方向の倍率を、
αは主走査平面上において、光源と偏向ミラー間に配設される光学系の光軸と、走査レンズ群の光軸とがなす角度を、
mは走査レンズ群の主走査方向の倍率を、
dは偏向ミラーから前記走査レンズ群の第一面までの距離を、それぞれ表す、
を共に満たすように構成される。
また請求項3に記載のマルチビーム走査光学系によれば、さらに以下の条件(4)、
−K/M>6…(4)
を満たすことが望ましい。
また請求項4に記載のマルチビーム走査光学系によれば、上記の各条件を満たすためには、以下の条件(5)、(6)、
0.15<m<1.5…(5)
W/2<K…(6)
を共に満たすように設計することが望ましい。
また請求項5に記載のマルチビーム走査光学系によれば、偏向ミラーは、マイクロミラーデバイスとしてもよい。
以上のように、本発明に係る走査光学系によれば、上記所定の条件を満たすように各光学部材を設計することにより、偏向ミラーを用いて偏向された複数のレーザー光を、走査面上において速度むらや描画位置のずれ等を生じることなく走査させることができる。すなわち、複数のレーザー光を同時に走査する場合に好適な、良好な光学性能を持ち、高精細な描画を実現可能とするマルチビーム走査光学系が提供される。
図1は、本発明に係るマルチビーム走査光学系10の概略構成を示す図である。マルチビーム走査光学系10は、画像形成装置等に配設される。図1に示すように走査光学系10は、光源1、カップリングレンズ群2、シリンドリカルレンズ群3、マイクロミラーデバイス4、走査レンズ群5を有する。図1に示す符号Sは、例えば画像形成装置における感光ドラム等の被走査面を指し示す。また、図1中AXはマルチビーム走査光学系の中心軸を表す。マルチビーム走査光学系10を構成する各光学部材は、光路を展開した場合における中心軸AXと各々の光軸が一致するように配設されている。つまり、図1は、マルチビーム走査光学系10の、主走査方向と中心軸AXを含む面(主走査平面)での断面図である。
なお、以下の説明において、主走査方向をY方向、副走査方向をZ方向、Y、Zの各方向に直交する方向つまり走査レンズ群5の光軸方向をX方向と定義する。被走査面S以外の部位の説明時に使用する各方向は、すべて被走査面Sでの方向を基準とする。
図2は、光源1を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、光源1は、単一のチップ上にレーザー光照射口を複数個(ここでは、照射口1a、1bの二個)有する。光源1の各照射口1a、1bは、微小なチップ上において、互いに干渉することなくかつ被走査面S上において各レーザー光が副走査方向の走査ムラを生じることなく高精度な描画を行えるように、互いにY、Zの各方向に微少量(Δ1、Δ2)ずれて配設されている。なお、照射口1aから照射されるレーザー光をレーザー光L1と定義し、照射口1bから照射されるレーザー光をL2と定義する。
マルチビーム走査光学系10を用いた場合、被走査面S上におけるレーザー光の走査は以下のようにして行われる。光源1から照射された各レーザー光L1、L2は、まずカップリングレンズ群2に入射する。カップリングレンズ群2は、入射するレーザー光の発散傾向を変えるパワーを持つ。カップリングレンズ群2から射出されたレーザー光は、次いでシリンドリカルレンズ群3に入射する。シリンドリカルレンズ群3は、入射するレーザー光を副走査方向に収束するパワーを持つ。シリンドリカルレンズ群3から射出されたレーザー光は、マイクロミラーデバイス4の直前で副走査方向に集光する。
マイクロミラーデバイス4は、回動軸4cとミラー面4mを有する。中心軸4cは、Z方向に延出している。マイクロミラーデバイス4のミラー面4mは、図示しない駆動機構によって、回動軸4c回りに連続して振動する。より詳しくは、ミラー面4mは、回動軸4cを軸として回動角度と時間との関係が正弦曲線を描くように振動する。すなわち、マイクロミラーデバイス4のミラー面4mは、ミラーの傾き角をθ、時刻をt、振動周期をTとすると、以下の数3、
Figure 2008276189
の関係が成立するように振動する。本文では、上記振動を正弦振動と定義する。
各レーザー光は、マイクロミラーデバイス4において、ミラー面4mの中心を通りZ方向に延出する仮想線上近傍に入射する。換言すれば、レーザー光は、回動軸4cに向かって入射する。そしてレーザー光は、正弦振動するミラーの回動状態に応じた角度で偏向され、走査レンズ群5に入射する。なお、本実施形態では、マイクロミラーデバイス4が非振動状態におけるレーザー光L1の光路が各レンズ群2、3および走査レンズ群5の光軸上を通るように、各部材は配置構成されているものとする。つまり本実施形態では、レーザー光L1の光路を展開すると、中心軸AXに一致する。
偏向器として正弦振動を行うマイクロミラーデバイス4を採用した場合、上述したように走査の等速性を確保するために、走査レンズ群5にアークサイン特性を付与する必要がある。具体的には、走査レンズ群5は、全体として正の歪曲収差をもたせ、かつ像高(被走査面Sにおける中心軸AXとの交点から主走査方向への高さ)y[mm]は以下の数4により求まるように構成される。なお、本実施形態では走査レンズ群5は2枚のレンズから構成されているが、これはあくまで一例であり本発明に係る走査レンズ群は当該構成に限定されるものではない。
Figure 2008276189
但し、f[mm]は走査レンズ群5の焦点距離、
φ[degree]はマイクロミラーデバイス4の最大振幅、
θ[degree]はマイクロミラーデバイス4におけるレーザー光の偏向角、をそれぞれ表す。
走査レンズ群5から射出された各レーザー光は、被走査面S上を主走査方向(Y方向)に走査する。
以上のような、複数のレーザー光を正弦振動する偏向ミラーによって偏向するマルチビーム走査光学系においては、以下に詳述する解決すべき問題や留意すべき事項が存在する。すなわち、従前のポリゴンミラーを偏向器として用いるマルチビーム走査光学系の構成に基づき、ただ単純にポリゴンミラーの代替としてMEMS等の偏向ミラーを採用しただけでは以下のような問題が発生してしまうため、実用に供することはできない。
図3は、マルチビーム走査光学系における、正弦振動する偏向ミラーの位相(図3の横軸)と該偏向ミラーの角速度(図3の縦軸)の関係を表すグラフである。図3のグラフでは、偏向ミラーの位相が0の地点(すなわち角速度が最も速い地点)をピークとして、該位相に対する該偏向ミラーの角速度が正規化されて示されている。図3に示すように、正弦振動する偏向ミラーの位相と角速度は、位相0の地点を基準として対称な関係にある。なお、図3についての説明は、後に提示される図5においても適用される。
また、図3に示すグラフ下部の範囲L1wは、正弦振動中の偏向ミラーにおいて、所定の有効走査領域を走査するレーザー光L1が入射している間の位相の範囲を示す。また、範囲L2wは、正弦振動中の偏向ミラーにおいて、所定の有効走査領域を走査するレーザー光L2が正弦振動中の偏向ミラーに入射している間の位相の範囲を示す。ここで、上述した複数のレーザー光を照射する光源の構成に起因して、各レーザー光に関する位相範囲L1w、L2wの中心は、互いにずれてしまう。例えば、位相範囲L1wの中心が位相0と一致するように光源や偏向ミラー等の各部材が配置構成されていた場合を想定する(図1参照)。この場合、位相範囲L2wの中心は、必ず位相範囲L1wの中心よりも左右方向(つまり位相の絶対値が大きくなる方向)にシフトしてしまう。図3中、Δeは、各位層範囲のずれ量を表す。
図4は、このような位相範囲L1w、L2wにずれが生じている状態における、被走査面上での各レーザー光の像高(図4の横軸)と走査速度(図4の縦軸)の関係を示すグラフである。図4中、実線がレーザー光L1を、破線がレーザー光L2を示す。図4のグラフでは、レーザー光L1の走査速度を基準(縦軸における「1.00」)としたときの、レーザー光L2の相対的な走査速度が示されている。図4に示すように、偏向ミラーにおける位相範囲L1w、L2wにずれが生じている場合、被走査面S上における任意の像高でのレーザー光毎の走査速度が一致しない。このような任意の像高での各レーザー光の走査速度のずれは、濃度むら、特にカラープリンタにおいては色むらを招くことになる。よって、MEMS等の偏向ミラーを偏向器として用いたマルチビーム走査光学系は、任意の像高での各レーザー光の走査速度のずれを低減して高精細、高画質な走査(描画)が実現されるように構成しなくてはならない。なお、図4についての説明は、後に提示される図6においても適用される。
以上のような走査速度のずれを抑えるために、本実施形態のマルチビーム走査光学系10では、以下の条件(1)を満たすように構成される。
Figure 2008276189
ただし、Δは光源1の各レーザー光照射口1a、1bの主走査方向における間隔を、
fはカップリングレンズ群2の焦点距離を、
Wは被走査面Sでの各レーザー光の走査幅を、
Kは走査レンズ群5の走査係数を、
φはマイクロミラーデバイス4の最大振幅を、それぞれ表す。なお、走査レンズ群5の走査係数Kとは、近軸上においてΔy/Δθを満足する値であって、走査レンズ群5の倍率が小さいときは、走査レンズ群5の焦点距離に略等しい。
条件(1)は、被走査面Sにおける任意の像高での各レーザー光の走査速度のずれを低減するための条件である。条件(1)は以下のようにして導出される。
上記の通り、マイクロミラーデバイス4について、時刻tにおける傾き角θ(t)は以下の数3により求まる。
Figure 2008276189
マイクロミラーデバイス4の時刻tにおける角速度ω(t)は、上式をtで微分して得られる数5により求まる。
Figure 2008276189
ここで、時刻t=0の時にマイクロミラーデバイス4に入射したレーザー光L1は、被走査面Sのy=0の位置(すなわち中心軸AXとの交点)に像を結ぶと仮定する。このときのマイクロミラーデバイス4の角速度ω(0)は、数5より、
Figure 2008276189
と求まる。また時刻t=0の時、レーザー光L1の被走査面S上での走査速度νは、以下の数7、
Figure 2008276189
により求まる。
走査光学系では走査速度を一定にする必要がある。つまり、νの値は、走査時刻に因らず一定である事が理想とされる。従って、レーザー光L1が中心軸AX上から最大像高(y=Ymax)まで到達する時刻tmaxは、以下の数8、
Figure 2008276189
で与えられる。数8より、最大像高Ymax付近での角速度ω(tmax)は、以下の数9により求まる。
Figure 2008276189
次に、レーザー光L1から十分に小さい角δだけ角度がずれてマイクロミラーデバイス4に入射するレーザー光L2について考える。レーザー光L2がy=0に像を結ぶ時刻Δtは、以下の数10、
Figure 2008276189
により表される。つまり、レーザー光L2は、時間Δt〜tmax+Δtの間で、被走査面S上を像高y=0〜Ymaxまで走査することが分かる。
よって、レーザー光L2がy=0入射時におけるマイクロミラーデバイス4の角速度ω(Δt)は、以下の数11、
Figure 2008276189
により表される。また、レーザー光L2が最大像高Ymax入射時におけるマイクロミラーデバイス4の角速度ω(tmax+Δt)は、以下の数12、
Figure 2008276189
により表される。
ここで、各レーザー光L1、L2に関し、所定の像高における角速度の比は、該所定の像高におけるレーザー光L1の走査速度νと、レーザー光L2の走査速度ν’の比に等しい。つまり、以下の数13、数14が成立する。
Figure 2008276189
Figure 2008276189
数13、数14に基づき、軸上(y=0)と最大像高(y=Ymax)の走査速度比は、以下の数15で表される。
Figure 2008276189
上記数15の値が1に近づくほど、等速性が高くなる。つまり、tan(Ymax/2Kφ)がレーザー光L1に対するレーザー光L2の速度誤差ということになる。条件(1)に示す値は、該速度誤差tan(Ymax/2Kφ)におけるYmaxにW/2を代入した値に、各レーザー光のマイクロミラーデバイス4に対する入射角度差δ=Δ/fを乗じることにより、速度誤差を入射角度誤差に換算したものである。(つまり条件(1)の値)を0.01よりも小さくなるように設計することにより、図3に示す各レーザー光に関する位相範囲L1w、L2wのずれ量Δeを最小限に抑えることができる。結果として、各レーザー光の走査速度のずれを低減する効果が得られる。
さらに本実施形態のマルチビーム走査光学系では、全体の小型化を図りつつも上記の効果をより一層高めるために、カップリングレンズ群2によってマイクロミラーデバイス4には主走査方向に収束する光を入射させ、かつ以下の条件(2)、(3)を満たすように構成されている。
Figure 2008276189
ただし、Mはマルチビーム走査光学系全系の主走査方向の倍率を、
αは主走査平面上において、光源1とマイクロミラーデバイス4間に配設される光学系、つまりカップリングレンズ群2とシリンドリカルレンズ群3の光軸と、走査レンズ群5の光軸とがなす角度を、
mは走査レンズ群の主走査方向の倍率を、
dは偏向ミラーから走査レンズ群の第一面までの距離を、それぞれ表す。
条件(2)は、各レーザー光の収束度合いを適切に規定するための条件である。マイクロミラーデバイス4に収束光を入射させることにより、走査レンズ群5の焦点距離に応じてカップリングレンズ群2の焦点距離が一意に決定されることがなくなる。つまり、走査光学系10の小型化のために走査レンズ群5の焦点距離を短く設定したとしても、カップリングレンズ群2の焦点距離は、上記走査速度ずれの低減の実効性をより一層高めるような適切な値、つまり条件(2)を満たすような値に設定される。
また、条件(3)は、光源1〜マイクロミラーデバイス4間の光路が被走査面S上での走査幅よりも短くするための条件である。詳しくは、一般にマルチビーム走査光学系は、該光学系が搭載される画像形成装置で使用可能な画像形成媒体(例えば用紙)の幅を超えないことが小型化を図る際の目標とされる。条件(3)における左辺は、光源1〜マイクロミラーデバイス4間の寸法が上記用紙の幅(換言すれば走査幅)以下に抑えるための臨界値である。
加えて、一般にマルチビーム走査光学系では、マイクロミラーデバイス4によって偏向されたレーザー光の一部を信号同期用光束として受光センサで検出する。該受光センサは、マルチビーム走査光学系を構成する部材の点数を減らして小型化を達成するためには、光源1が配設される制御基板に取り付けられることが望まれる。ここで参照のため、図1中、信号同期用光束を一点鎖線で示し、受光センサに符号6を、制御基板に符号7を付す。図1に示すように、制御基板7に取り付けられた受光センサ6に信号同期用光束を導くためには、光源1〜マイクロミラーデバイス4間の寸法が走査レンズ群5(特にマイクロミラーデバイス4側のレンズ)の主走査方向の幅よりも長くする必要がある。条件(3)の右辺は、光源1〜マイクロミラーデバイス4間の寸法が走査レンズ群5(特にマイクロミラーデバイス4側のレンズ)の主走査方向の幅よりも長く設定するための臨界値である。なお、条件(3)の値が右辺を越えると、光源1〜マイクロミラーデバイス4間の寸法が走査レンズ群5(特にマイクロミラーデバイス4側のレンズ)の主走査方向の幅よりも短くなり、信号同期用光束が走査レンズ群5によってけられてしまうため、好ましくない。
上記の各条件(1)〜(3)を満たすためには、以下の条件(4)、さらには条件(5)、(6)を満たすように各パラメータを適切に設定すればよい。
−K/M>6…(4)
0.15<m<1.5…(5)
W/2<K…(6)
各パラメータが上記の各条件(4)、さらには条件(5)、(6)を満たさない場合、各条件(1)〜(3)を満たすことが難しくなり、好ましくない。また、走査レンズ群5が高倍率化、高画角化しすぎてしまい、収差、特に像面湾曲に対する補正が困難になるため好ましくない。
次に、上記実施形態の具体的実施例を説明する。実施例の走査光学系10は、図1に示される。実施例の走査光学系10および比較例の走査光学系の具体的数値構成は、以下の表1に示される。
Figure 2008276189
また、表1に示す具体的数値構成に基づいて算出した実施例に関する各条件の値を表2に示す。
Figure 2008276189
表1、表2に示すように、実施例は条件(1)〜(6)を全て満たす。図5は、実施例のマルチビーム走査光学系10における、マイクロミラーデバイス4の位相と角速度の関係を表すグラフである。また図6は、実施例の被走査面S上での各レーザー光L1、L2の像高と走査速度の関係を示すグラフである。
図3と図5を比較すれば分かるように、実施例のマルチビーム走査光学系10は、各レーザー光に関する位相範囲L1w、L2wのずれ量Δeを最小限に抑えている。ここで、Δeは、Δ1/(fφ)(ただし、ここでのφの単位はラジアンである。)で定義される。実施例のマルチビーム走査光学系10では、ずれ量Δeを0.038と非常に小さく抑えている。従って、図4と図6を比較すれば分かるように、実施例のマルチビーム走査光学系10は、いずれの像高においても各レーザー光の走査速度が略均一になっている。つまり、実施例のマルチビーム走査光学系10は、偏向器としてマイクロミラーデバイスを使用した場合に非常に好適な構成になっている。
以上が本発明の実施形態である。本発明に係るマルチビーム走査光学系は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば以下のような変形を行っても上記と同様の効果を奏する。
例えば、上記実施形態では、光源から照射されるレーザー光は二本であるが、それ以上であっても良い。該レーザー光を照射する照射口は、必ずしも上記実施形態のように単一チップ上にある必要はない。本発明に係るマルチビーム走査光学系は、複数のレーザー光が共通のカップリングレンズ群に入射するように構成されていればよい。また、シリンドリカルレンズ群の作用をカップリングレンズ群に付与し、光源から偏向ミラー間に配設されるレンズ枚数を削減することも可能である。
本発明の実施形態の走査光学系の概略構成を表す図である。 本実施形態の光源を示す図である。 一般的なマルチビーム走査光学系の、正弦振動する偏向ミラーの位相と該偏向ミラーの角速度の関係を表すグラフである 一般的なマルチビーム走査光学系の、実施例の走査光学系の像高に対する走査速度誤差に関する特性を表すグラフである。 実施例のマルチビーム走査光学系の、MEMSの位相と角速度の関係を表すグラフである。 実施例の被走査面上での各レーザー光の像高と走査速度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 光源
2 カップリングレンズ群
4 MEMS
5 走査レンズ群
10 走査光学系

Claims (5)

  1. 主走査方向にずれて配設された複数のレーザー光照射口を有し、複数のレーザー光を同時に照射可能な光源と、
    前記光源から照射される各レーザー光の発散傾向を変えるカップリングレンズ群と、
    所定の軸を基準に正弦振動し、前記カップリングレンズ群を介して入射する前記各レーザー光を偏向する偏向ミラーと、
    前記偏向ミラーにより偏向された各レーザー光をコントロールしつつ被走査面上で走査させる走査レンズ群と、を有し、
    全ての前記レーザー光は、同一のカップリングレンズ群に入射し、
    以下の条件(1)、
    Figure 2008276189
    ただし、Δは前記光源において互いに隣接する各レーザー光照射口の主走査方向における間隔を、
    fは前記カップリングレンズ群の焦点距離を、
    Wは被走査面でのレーザー光の走査幅を、
    Kは前記走査レンズ群の走査係数を、
    φは前記偏向ミラーの最大振幅を、それぞれ表す、
    を満たすことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
  2. 請求項1に記載のマルチビーム走査光学系において、
    前記カップリングレンズ群は、入射する前記各レーザー光を少なくとも主走査方向に収束する光に変換しており、
    前記マルチビーム走査光学系は、以下の条件(2)、(3)、
    Figure 2008276189
    ただし、Mは前記マルチビーム走査光学系全系の主走査方向の倍率を、
    αは主走査平面上において、前記光源と前記偏向ミラー間に配設される光学系の光軸と、前記走査レンズ群の光軸とがなす角度を、
    mは前記走査レンズ群の主走査方向の倍率を、
    dは前記偏向ミラーから前記走査レンズ群の第一面までの距離を、それぞれ表す、
    を共に満たすことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
  3. 請求項2に記載の走査光学系において、
    さらに以下の条件(4)、
    −K/M>6…(4)
    を満たすことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
  4. 請求項2または請求項3に記載のマルチビーム走査光学系において、
    さらに以下の条件(5)、(6)、
    0.15<m<1.5…(5)
    W/2<K…(6)
    を共に満たすことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載のマルチビーム走査光学系において、
    前記偏向ミラーは、マイクロミラーデバイスであることを特徴とするマルチビーム走査光学系。
JP2008065035A 2007-03-30 2008-03-14 マルチビーム走査光学系 Pending JP2008276189A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008065035A JP2008276189A (ja) 2007-03-30 2008-03-14 マルチビーム走査光学系

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007091295 2007-03-30
JP2008065035A JP2008276189A (ja) 2007-03-30 2008-03-14 マルチビーム走査光学系

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008276189A true JP2008276189A (ja) 2008-11-13

Family

ID=39793811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008065035A Pending JP2008276189A (ja) 2007-03-30 2008-03-14 マルチビーム走査光学系

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7508562B2 (ja)
JP (1) JP2008276189A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8056810B2 (en) * 2006-07-12 2011-11-15 Ncr Corporation Methods and apparatus for generating and decoding scan patterns using multiple laser sources

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021801A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Canon Inc 画像表示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3170798B2 (ja) 1991-05-14 2001-05-28 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置
JP3409772B2 (ja) 1991-05-14 2003-05-26 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置
JP4654350B2 (ja) 2004-12-13 2011-03-16 Hoya株式会社 走査光学系
JP2007133334A (ja) 2005-10-12 2007-05-31 Pentax Corp 走査装置及び走査光学系
JP2007140418A (ja) 2005-10-19 2007-06-07 Pentax Corp 走査装置及び走査光学系
JP4551332B2 (ja) 2006-01-11 2010-09-29 Hoya株式会社 走査装置
US7554569B2 (en) 2006-01-18 2009-06-30 Hoya Corporation Light scanning device

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021801A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Canon Inc 画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20080239434A1 (en) 2008-10-02
US7508562B2 (en) 2009-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3129659U (ja) マルチビームレーザースキャン装置
JP4851308B2 (ja) 多ビームスキャニングシステム及びイメージ形成装置
JP2011059559A (ja) マルチビーム光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2007133334A (ja) 走査装置及び走査光学系
JP2008276189A (ja) マルチビーム走査光学系
JP2004348135A (ja) 光走査装置
JP2006251688A (ja) 光走査装置・画像形成装置
KR20050099712A (ko) 주사 광학장치 및 동기 신호 검출방법
JP2004258173A (ja) 光学走査装置
JP5307148B2 (ja) 走査光学装置
JP2008089989A (ja) 走査光学装置
JP2002031771A (ja) マルチビーム走査光学装置
JP4730239B2 (ja) レーザ走査光学装置
JP5769649B2 (ja) 光走査装置、画像形成装置
US7518773B2 (en) Light scanning system and image forming apparatus employing the same
JP4106537B2 (ja) 光走査装置およびレーザプリンタ装置
JP2003043393A (ja) 光走査光学系及びそれを用いた画像形成装置
KR100284689B1 (ko) 멀티빔주사장치
JP5705151B2 (ja) 光走査装置、画像形成装置
JPH10282442A (ja) マルチビーム走査光学装置
JP2011227157A (ja) レーザ走査光学装置
JPH04348311A (ja) 光走査装置
KR100207798B1 (ko) 레이저 스캐닝 유닛트
JP2006337417A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2007086796A (ja) 光走査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130508

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20130531