JP2008270267A - 電磁波制御フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性のある高付加価値化された電磁波吸収体を提供する。
【解決手段】電磁波吸収体単体では、数dB程度の電磁波減衰効果がない場合であっても、メタルフィルムを貼り合わせることで外部への電磁波漏洩を防ぐことが可能である。このメタルフィルムは有機フィルムを基材としてPVDなどの方法で導体層を設けることによって製造したものを使用することで、柔軟性を失うことなく、かつ加工性に優れた材料を提供することが可能となる。このようにして作製された電磁波吸収シートで機器を包み込むと、シート内部での多重反射によって、ほぼ完全に電磁波エネルギーを熱エネルギーに変換することが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、EMC対策部材として電磁波を吸収する素材と、電磁波を反射する素材を組み合わせることによって、電磁波を熱エネルギーに変換すると共に機器外部への漏洩を防止したり、また電子機器内部への電磁波の侵入を防ぐ技術分野に属するものである。
電子機器の急激な氾濫に伴い、EMC対策は社会的に非常に重大なテーマになっている。このため、電子機器全体を導体で覆うなどの対策が採られているが、携帯電話に代表されるように、電子機器は小型化される傾向が強まり、様々な機能が一つの筐体内に凝縮されるようになった。機器内部においても複雑化する電子回路同士を両立させる必要性が生じてきており、このために、薄くて柔軟性を持った電磁波吸収体やシールド素材が求められている。
電磁波シールド対策として導電性を持った、柔軟性のある部材の開発は古く、例えば特許文献1で既に提唱されている。その後、電磁波、特に磁界の吸収性能の向上を目指したものとして改良が続けられ、近年では特許文献2に見られるような高い磁気シールド性を持ったものの開発も進んでいる。
また、機器内での設置の利便性を向上させた粘着性のあるシート(特許文献3)も開発された。
一方で、電磁波の反射層を設けることで、電磁波の吸収率を上げると共に外部への漏洩を防ぐ手立ては、例えば特許文献4にその詳細が記載されている。このように電磁波吸収材の片面に反射層を設ける技術は既に古くから用いられている。しかし、特許文献4で示された電磁波吸収体はいわゆるセラミックスであり堅牢で柔軟性は持ち合わせていない。
また、プラスチック基板上に磁性材料を蒸着して成る、電磁波吸収シートの開発(特許文献5)も行われたが、この際にも、特に柔軟性は求められず、磁性材料の膜厚だけに目が向けられている。
特開昭60-58839 特開2003-229308 特開2003-142871 特許3448012 特開2005-45193
過去の特許事例では、柔軟な電磁波吸収体が開発されているにもかかわらず、これにさらに積層して柔軟な反射層を形成する、という発明が見受けられない。この技術的背景として、柔軟性のある電磁波吸収体が、主にマトリックスとしてゴムやプラスチックを用い、それに吸収体であるフェライトやパーマロイなどの粉末を分散させて形成されているものであり、この片面に剛性のある金属層を配置すると、十分な柔軟性が得られない難点を持っていたからである。
薄く圧延した金属箔を貼り合わせる方法もあるが、最大限まで圧延をした銅箔やアルミ箔の場合、加工硬化しているので、複合材料としての柔軟性には乏しく、変形時に破れを生じるなど、素材として十分な性能を得ることは難しい。すなわち、単純に金属層を貼り付けるのではなく、新しい発想をもって、自由な変形に耐えうる新規素材の登場が必要となるのである。
本発明は、柔軟性の高い20μm以下の厚みをもった有機フィルムを基材として、その表面に導電性物質を配置した積層フィルムを反射材として用いることを提案する。有機フィルムの素材としては種々の選択があり、要求される性能によって、いくつかの選択肢がある。また積層させる導電性物質も千差万別であり、純銅や純アルミニウムだけではなく、様々な合金を準備することが可能である。これらの組み合わせによって、それぞれに特徴を持った積層構造体が誕生する。
このようにして作製された有機フィルムに金属層を設けた積層構造体(以下メタルフィルムと称する)は非常に柔らかく、柔軟性を持っているため、柔軟性のある電磁波吸収体との貼り合わせが容易であり、なお貼り合わせ後に柔軟性を失わないという、きわめて使い勝手の良い製造品となる。
有機フィルム表面に薄い導体物質層を形成する方法は、コート・スパッタ、電子ビーム蒸着、無電解めっきなどの方法があるが、これらの技術を駆使することによって、ほとんど全ての金属材料や透明性導電材料、カーボン系材料、などをフィルム化することが可能である。しかしながら、電磁波を反射するという観点から材料選択を行うと、電気伝導性の高さとコスト面と加工のし易さから、銅を用いることが一般的に優位な選択となる。
さらに、本発明を行うにあたって、電磁波制御シートの難燃性についても検討を行った。この結果分かったことは、電磁波吸収体に難燃性を付与した場合については、貼り合わせるメタルフィルムの種類によらず同等レベルの難燃性が維持できることがわかった。この際には、貼り合わせに用いる接着剤にも難燃剤が混合されたものを使用する必要がある。
反射材として例えばアルミニウム箔を用いた場合、圧延による製造工程から、アルミニウムの箔厚は現在の技術で7μmが限界となっている。あるいは、銅箔を用いた場合でも、一般的に量産可能な厚さは9μmである。これらの素材は電磁波の反射体としてはオーバーパフォーマンスであって、さらに薄い素材であっても、十分な性能が得られる。したがって、以下に示すような方法で直接蒸着、あるいはフィルム化したメタルフィルムを使用することが好適である。
電磁波吸収体に対し、直接スパッタなどの方法でメタライズ加工を行う場合、金属層の厚さは任意に形成することができる。例えば、100nmの金属層を形成した場合、前項で示したアルミニウム箔を貼り合わせる場合に比べて70分の1の厚さですむことになる。少量の材料で製造できることと、反射材層の軽量化・薄膜化が可能になるといったメリットがある。また、この場合には接着層も必要がないので、非常に簡便な方法で作製できると言える。しかし、何らかの形で形成される金属層と電磁波吸収体との間に強い密着性を持たせなければならない。
一方で、有機フィルムに任意の金属・合金をメタライズして、接着剤を用いて電磁波吸収体に貼り合わせる方法がある。このメタルフィルムを用いるメリットは、電磁波吸収体とメタルフィルムを別々に作製しておくことができ、必要に応じて、目的のスペックのものを組み合わせていくことができる点にある。貼り合わせるだけなので、作業が非常に簡便になる。そして、部材の種類に応じた適切な接着剤の選択が可能である。
メタルフィルムを用いる場合には、電磁波吸収体が非常に薄い場合でも、元の有機フィルムが支持体としての効果を持つため、機械的強度も十分にあり加工性も優れるという長所がある。したがって、任意の形状への打ち抜き加工にも優れている。
また、直接蒸着で金属層を形成するほうが、一見容易な作製方法にも見えるが、金属層がむき出しになることから、定期的な防錆処理が必要になる。これに対して、メタルフィルムを用いた場合、金属層は支持体である有機フィルムと電磁波吸収体との間に完全に閉じ込められるので、特別な防錆処理は必要がなくなる。
製造工程において、メタルフィルムの優位性は蒸着そのものにもある。すなわち、電磁波吸収体に対して蒸着処理を行うためには真空チャンバーに入れて真空排気を行う必要があるが、この際に電磁波吸収体そのものからガスが発生して蒸着に必要な真空度に到達させるのに非常に長い時間を要するという問題が生じる。
その上、電磁波吸収体は、メタルフィルムに比較して厚みがあるため、同じ蒸着装置を用いて加工を行う場合に、一回に処理できる長さに制限が生じ、結果的に処理できる長さは短くなる。工業製品の製造方法という点から見ると、電磁波吸収体に直接金属層を蒸着する方法は必ずしも有効な方法であるとは言い難い。
以上述べてきたように、電磁波吸収体に直接導電性物質層を付与するよりも、メタルフィルムを別に作っておき貼り合わせて完成させるほうが製造工程上も圧倒的に有利であり、製品完成後のメンテナンスも容易であることが分かる。
柔軟性を持った電磁波吸収体は、主にゴムにフェライトやパーマロイなどの磁性材料粉末を分散させて作製される。難燃規格を満たすためには、マトリックスとなるゴム部分に難燃剤を適量添加する。こうした材料をおおよそ数十μmまで薄く作り上げる技術は確立されているので、これに導電性物質からなる反射材を貼り合わせた場合においても、100μmないし50μm以下の厚さで製品を作ることが可能となった。すなわち、十分な柔軟性を持ちなおかつ実用に有効な電磁波吸収率を兼ね備え、難燃性で加工性にも優れた材料の提供が本発明の目玉となる部分である。
有機フィルムとしては各種の素材が利用可能であり特に制限はない。この際導電性物質層との密着強度を問題点とすれば、おおよそコロナ処理、プラズマ処理、原子状水素処理などで表面改質を行った後に、真空蒸着法・スパッタ法などの方法で導電性物質層の積層を行う方法は推奨される。表面改質や有機フィルムに導電性物質を配置する方法として、ここで挙げた方法が限定を与えるものではない。
実際の問題として、最も薄い薄膜タイプを製造するに当たっては使用できる有機フィルムに制限を受ける。上市されている2.5μmの有機フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)の他にはほとんど見当たらない。従って、現時点での選択肢は限られたものとなってしまう。しかし今後、他の有機フィルムで、同等の膜厚の物が上市されれば、それらを基材としてもなんら差し支えはない。
強度や耐熱性を要求する場合においてはポリエチレンナフタレート、ポリアミド系フィルムやポリイミドフィルムなどを基材とすることも可能であり、非常に有効な手段である。また難燃性を向上させるためには、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用するのも効果がある。これらの上市されている薄いフィルムとしては12μmあるいは6μm厚までが標準的に準備されているが、この厚さのフィルムでも自由に変形が可能な柔軟性を持ち合わせており、表面に2μm以下の導電性物質層を形成した場合においても、自由な形状を取ることが十分に可能である。
これら有機フィルムには、様々な方法で表面に導電性物質層を付与させることが可能であるが、その手法によらず、例えば銅を表面に積層させた場合、電磁波の十分な反射率を得るには、おおよその下限として0.3μm程度の厚さがあればよい。この程度の厚さの銅の場合30MHzから1GHzの範囲で電場に対しほぼ70dB以上の遮蔽効果がある。したがって、電磁波吸収体と貼り合わせた制御フィルムの場合電磁波発生源から電磁波吸収体に飛び込んだものは、その内部でエネルギーを失いながら進行し、反対面の導体層でほぼ全部が反射され、もう一度電磁波吸収体でエネルギーを失いながら進行することになる。
有機フィルム上に形成する導電性物質層の厚さについては、詳細な検討が必要となる。すなわち、導電性物質層が薄ければ、電磁波が十分反射されずに突き抜けてしまう。また、必要以上に厚く作ってしまうと、無駄に材料を消費するだけでなく、製造工程に時間が余分に掛かるため、生産性が落ちてしまう。
このような観点から創意工夫を行った結果、導電性物質として銅を用いた場合には、0.3μmから1μmの範囲で十分な性能を得られることが判明した。また、別種金属などを用いた場合アルミニウム・銀・鉄・錫・ニッケル・炭素でほぼ同様の結果を得ている。
導電性物質の最適厚さの決定には、KEC法による測定を実施し、様々な厚さのサンプルを試作することで行った。サンプル試作には真空蒸着装置を用い、厚さ6μmのPETフィルム上に、導電性物質を蒸着させることによって作製した。
このようにして準備したサンプルについて測定を行ったところ、0.02μm以下の厚さでは、電磁波を遮蔽することはほとんど出来ないことがわかった。これ以上の厚さの導電性物質層を形成すると、その厚みと共に電磁波に対する遮蔽性能が向上していく様子が観察された。
銅の場合を例にとって見ると、30MHzから1GHzの範囲で0.1μmでおおよそ60dBの遮蔽性能を示し、0.2μmでは、おおよそ70dBに到達することが分かった。0.3μm以上の厚さにするとほぼ80dBの遮蔽性能になるが、測定機器の性能上、これ以上の値を計測することは出来なかった。
以上の測定結果では、0.3μmの厚さがあれば電磁波の遮蔽性に関しては十分であるといえるが、導電性物質層の安定性を考慮すると0.6μm程度の厚みが必要であり、製品にはこの厚さを与えることにした。さらに厚みを増すことによって、導電性物質層はより安定化されるが、量産を行った場合に生産性が落ちる。したがって工業製品として生産性まで考慮して安定な厚みは0.3μmから1μmまでの範囲に落ち着き、製品の使用環境などを考慮して、この範囲で厚さを決定することがふさわしいという結論に達した。
本発明の制御フィルムでは、難燃性も付与されている。難燃剤は電磁波吸収体部分と接着剤に添加されていれば十分である。メタルフィルムが可燃性であっても、メタルフィルム自体が非常に薄いので、燃焼試験を行っても、表面のメタルフィルムだけが延焼するような現象は起こらないことを確認してある。しかし、電磁波吸収体を50μm以下に薄く作成した場合には、難燃剤による効果が落ちるため、より高い難燃性の高いメタルフィルムを貼り合わせるほうが製品としては好ましい。この場合の有機フィルムの選択としては、ポリフェニレンサルファイドあるいはポリイミドを用いるのがよい。これらの有機フィルムを用いることで難燃性の向上が認められる。
ここまで述べてきた、非常に薄く、かつ電磁波を外部にほとんど漏洩させない、柔軟な特性を持った電磁波制御フィルムを、電子機器の各ブロックに設置することにより、機器内部でのEMC対策は非常に容易になる。
以下実施例にて、本発明について具体的な記述をするが、これらの実施例は本発明についてなんら制限を与えるものではない。
スチレンゴムを主体として、リン系難燃剤を20重量部、フェライト粉末を50重量部加えて作製された、柔軟性のある厚さ30μmの電磁波吸収体を作製した。これに厚さ2.5μmのPETフィルムに厚さ0.6μmの銅を電子ビーム蒸着した柔軟性のあるメタルフィルムを作製し、銅蒸着面を内側にして難燃剤を添加したスチレン系接着剤を用いて貼り合わせ電磁波制御フィルムを作製した。
貼り合わせる前の状態で、電磁波吸収体の性能を確認したところ1GHzの電磁波に対し電場で15dB、磁場で8dBの遮蔽率しかなかった。測定はKEC法で行った。電磁波は電磁波吸収体面側からの垂直入射とした。
メタルフィルムとの貼り合わせを行った後、同じ測定を行ったところ、電場で75dB、磁場で65dBの遮蔽率にまで向上した。
繰り返し曲げ試験を行ったところ、1000回行っても接着部の剥がれなどは生じないことが分かった。電磁波シールド性にも変化は見られなかった。
実施例1で作製した電磁波制御フィルムの接炎試験を行った。試験サンプルを幅10mm長さ200mmの大きさで切り出し、UL94 V-0規格に準ずる方法で試験を行った。5サンプルに対し2回ずつの接炎を行い、離炎後の燃焼継続時間を発煙時間も含めて計測した。この結果合計の燃焼継続時間は35秒であり、十分にUL94 V-0規格を満たせることが分かった。
スチレンゴムを主体として、リン系難燃剤を20重量部、フェライト粉末を50重量部加えて作製された、柔軟性のある厚さ30μmの電磁波吸収体を作製した。これに厚さ12μmのPPSフィルムに厚さ0.6μmの銅を電子ビーム蒸着した柔軟性のあるメタルフィルムを作製し、銅蒸着面を内側にして難燃剤を添加したスチレン系接着剤を用いて貼り合わせ電磁波制御フィルムを作製した。
実施例2と同様に、作製した電磁波制御フィルムの接炎試験を行った。試験サンプルを幅10mm長さ200mmの大きさで切り出し、UL94 V-0規格に準ずる方法で試験を行った。5サンプルに対し2回ずつの接炎を行い、離炎後の燃焼継続時間を発煙時間も含めて計測した。この結果合計の燃焼継続時間は11秒であり、可燃性のPETフィルムを用いた場合より難燃性ははるかに向上しており十分にUL94 V-0規格を満たせることが分かった。
(比較例1)
実施例1と同じ厚さ30μmの電磁波吸収体を作成し、この片面に銅層を真空蒸着で形成した。このときの銅層の厚さは0.6μmとした。電磁波吸収体のサンプルの大きさは10cm×10cm×50μmとした。真空チャンバーに入れて真空引きを行ったところ、電磁波吸収体からのアウトガスが多く、目標の真空度に達するのに通常の5倍の時間を要した。また、蒸着中にもサンプルが熱せられたことによるアウトガスが非常に多く正常な状態での蒸着は困難であった。
そこで、蒸着に際し事前に試料のベイキングを行うことにした。真空チャンバーをロータリーポンプで粗引き後、拡散ポンプで排気をしながら試料をヒーターで200℃に加熱し2時間放置した。ヒーターの電源を切断後さらに30分間真空引きを行った後、蒸着を開始した。蒸着を開始すると極端に真空が悪くなるので、通常よりも蒸着速度を上げて、100Å/sで0.6μmの成膜を行った。
実施例1と同様にKEC法による測定を行ったところ、電場で75dB、磁場で65dBの遮蔽率となり、フィルムを用いた場合と同じ結果が得られることが判明した。
本例では、導体層がむき出しとなっているため、セロテープ(登録商標)を用いた剥離試験を試みた。すると蒸着した銅はセロテープでほとんどが剥離されることがわかり、直接の蒸着では密着強度に問題が生じることが判明した。
また、繰り返し曲げ試験を行ったところ、約100回で屈曲部から蒸着膜が剥がれ落ち始めることが判明した。
このように、直接蒸着を行うのは、アウトガスが多くて成膜自体に非常に困難を伴うことと、成膜した金属層との間に好ましい密着強度が得られないこともあり、巻物による量産化には不向きであることが分かる。
比較例1では、蒸着させる金属層と電磁波吸収体との間での密着が問題となった。そこで、密着性を向上させるため、蒸着前の前処理として、電磁波吸収体のメタルフィルム貼付面に対して常圧プラズマ処理を行った。
常圧プラズマ処理を行った面に対して、0.6μmの銅を蒸着した。これに対してセロテープ剥離試験(セロテープは登録商標)を行った結果、密着強度は上がっており、金属層の剥離は全く起こらなかった。
また、繰り返し曲げ試験を行ったところ、1000回行っても剥離は起こらなかった。このように、密着性の問題に関しては改善できる方法があることがわかる。

Claims (6)

  1. ゴム・エラストマーなどの柔軟性を持つ素材にパーマロイやフェライトなどの電磁波吸収材を混入させることによって作製される柔軟性を持った電磁波吸収体の片面に、よりやわらかく自由な形状を取ることのできる導電性物質層を設けることで、吸収体面側にある電磁波発生源から放射された電磁波を吸収体で熱エネルギーに変換させると共に、導電性物質層で吸収体を透過した電磁波を反射し、もう一度吸収体層を透過させることによって電磁波吸収率を飛躍的に向上させた、機械的な柔軟性を持った電磁波制御フィルム。
  2. 上記電磁波吸収体の片面に導電性物質層を設けた構成を持つ電磁波制御フィルムで電磁波発生源を包み込むことで、外部への電磁波漏洩を防ぐと共に、外部の電磁波発生源からのノイズを反射して内部機器を環境電磁波から防御する機能を備えた、電磁波制御フィルム。
  3. 無機物層に導電性を持たせた薄くてフレキシブルな有機-無機複合膜を作製し、これを電磁波反射材として用いて、柔軟性のある電磁波吸収体とを貼り合わすことによって作製される、自由な形状にして利用が可能な電磁波制御フィルム。
  4. 柔軟性を持った電磁波吸収体に直接、コート・スパッタ・電子ビーム蒸着・無電解めっきなどの方法で、片面に導電性物質によって電磁波反射材層を設けた、電磁波制御フィルム。
  5. 請求項2、3または4において、総厚が100μm以下となる、柔軟性を持ち自由な形状を取れる、薄くて軽いことを特徴とする電磁波制御フィルム。
  6. 請求項1ないし5において、柔軟性をもったゴム・エラストマーなどの素材にリン系難燃剤あるいは未膨張膨張カーボン難燃剤、または水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物水和物などの難燃剤を1種類、あるいは複数混合することによって、例えばUL94 V-0規格を満たすように作製された電磁波吸収体の片面に、導電性を持たせたフレキシブルな有機-無機複合膜を電磁波反射材として貼り合わせたやはりUL94 V-0規格を満たす難燃性電磁波制御フィルム。
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JP2011181815A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Shuho:Kk 電磁波吸収体
JP2016032081A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 公益財団法人鉄道総合技術研究所 電磁波遮蔽材及び機器収容体

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