JP2008263715A - Dc/dc電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2直列のMOSFETを各平滑コンデンサCs1〜Cs4の両端子間に接続した複数の回路A1〜A4を直列接続し、回路間にコンデンサとインダクタのLC直列体LC12〜LC14を等しい共振周期にて配設して列回路を構成する。そして、3つの列回路X、Y、Zを平滑コンデンサCs1〜Cs4を共有して並列接続し、駆動周期をLC直列体の共振周期と一致させると共に各列回路毎に位相を2π/3(rad)ずらして各列回路X、Y、Zを駆動し、平滑コンデンサCs1〜Cs4への充放電電流を列回路間で融通し合う。
【選択図】図1
Description
以下、この発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。
図1に示すように、DC/DC電力変換装置は、それぞれ複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から成る3つの列回路X、Y、Zと、駆動用電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとから構成される。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
図1に示すように、列回路X(Y、Z)は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した4段の回路A1、A2、A3、A4を直列接続して構成される。そして、各回路A1、A2、A3、A4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、所定の1回路となる回路A1と他の各回路A2、A3、A4との中間端子間に、コンデンサCr12、Cr13、Cr14およびインダクタLr12、Lr13、Lr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12、LC13、LC14を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
各列回路X、Y、Zで共有する電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4は、それぞれMos1L、Mos2L、Mos3L、Mos4Lのソース端子を基準とした、各列回路X、Y、Z内のMOSFET、ゲート駆動回路111〜114およびフォトカプラ(121L、121H)〜(124L、124H)を駆動するために備えられた電源である。
平滑コンデンサCs1の低電圧側端子は、電圧端子Vcomと電源Vs1の負電圧端子と各列回路X、Y、Zの端子Tm−Comに接続される。平滑コンデンサCs1の高電圧側端子は、電圧端子VLと平滑コンデンサCs2の低電圧側端子と電源Vs2の負電圧端子と各列回路X、Y、Zの端子Tm−Cs1に接続される。平滑コンデンサCs2の高電圧側端子は、平滑コンデンサCs3の低電圧側端子と電源Vs3の負電圧端子と各列回路X、Y、Zの端子Tm−Cs2に接続される。平滑コンデンサCs3の高電圧側端子は、平滑コンデンサCs4の低電圧側端子と電源Vs4の負電圧端子と各列回路X、Y、Zの端子Tm−Cs3に接続される。平滑コンデンサCs4の高電圧側端子は、電圧端子VHと各列回路X、Y、Zの端子Tm−Cs4に接続される。各電源Vs1〜Vs4の正電圧端子は、各列回路X、Y、Zの端子Tm−Vs1〜Tm−Vs4に接続される。
Mos1Lのソース端子は端子Tm−Comに、Mos1Hのドレイン端子とMos2Lのソース端子とは端子Tm−Cs1に接続され、Mos2Hのドレイン端子とMos3Lのソース端子とは端子Tm−Cs2に接続される。Mos3Hのドレイン端子とMos4Lのソース端子は端子Tm−Cs3に接続され、Mos4Hのドレイン端子は端子Tm−Cs4に接続される。
LC直列体LC12の一端は、Mos1LとMos1Hとの接続点に接続され、他端はMos2LとMos2Hとの接続点に接続される。LC直列体LC13の一端は、Mos1LとMos1Hとの接続点に接続され、他端はMos3LとMos3Hとの接続点に接続される。LC直列体LC14の一端は、Mos1LとMos1Hとの接続点に接続され、他端はMos4LとMos4Hとの接続点に接続されている。
回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。また、回路A2、A3、A4は、駆動用インバータ回路A1で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として動作する。制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
図2に示すように、ゲート信号(GateL−X、GateH−X)は、LrとCrによるLC直列体LC12、LC13、LC14にて定まる共振周期Tを周期とし、デューティー約50%のオンオフ信号である。なお、列回路Y、Zのゲート信号(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)および各列回路Y、Z内のMOSFETを流れる電流も、図2と同様である。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L
Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2⇒Mos1H
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
またこの実施の形態では、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
この実施の形態におけるLC直列体LC12、LC13、LC14に流れる電流値をI12、I13、I14とし、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の電圧をV12、V13、V14とする。そして、比較例として、隣接する回路間、即ちA1、A2間、A2、A3間、A3、A4間で中間端子(低圧側MOSFETと高圧側MOSFETとの接続点)間に、LC直列体LC12、LC23、LC34を接続して、同様に動作させた場合を考える。この比較例におけるLC直列体LC12、LC23、LC34に流れる電流値をI12r、I23r、I34rとし、LC直列体LC12、LC23、LC34内のコンデンサCr12、Cr23、Cr34の電圧をV12r、V23r、V34rとすると、
I12r:I23r:I34r=3:2:1
V12r=V23r=V34r
であるのに対し、この実施の形態では、
I12=I13=I14(=I34r)
V12:V13:V14=1:2:3 (V12=V12r=V23r=V34r)
となる。
このように、この実施の形態では、回路A1と他の各回路A2、A3、A4との中間端子間にLC直列体LC12、LC13、LC14を接続したため、上記比較例に比べて、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の電圧は増大するものであるが、LC直列体LC12を流れる電流値を1/3に、また高圧側が回路A3に接続されるLC直列体LC13では、比較例のLC直列体LC23を流れる電流値の1/2に低減できる。即ち、各LC直列体LC12、LC13、LC14を流れる電流値を最小のものと等しくできる。このため、エネルギ移行用のLC直列体LC12、LC13、LC14のインダクタLr、コンデンサCrの電流定格を低下させ、インダクタLrとコンデンサCrを小形化することができる。
図3に、各列回路X、Y、Z内の高圧側MOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateH−Zを示す。図2を用いて示したように、このゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateH−Zの反転信号が、低圧側MOSFETを駆動するGateL−X、GateL−Y、GateL−Zである。
図3に示すように、各列回路X、Y、Zを駆動する駆動信号は、周期をTとして一致させると共に、各列回路間で位相をT/3ずつずらして駆動している。
図4に示すように、3つの列回路で位相をT/3ずつずらして駆動した場合、列回路が1つ、あるいは2つの場合より平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4のリプル電流が減少する。また、列回路の数を増加するほど平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4のリプル電流が低減する。
なお、3つの列回路が、仮に平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4を共有せずに、各列回路がそれぞれ平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4を備えて並列接続したとすれば、各列回路を上記実施の形態1と同様に動作させたとしても、それぞれ3個ずつある平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4は電流の共有化が図れずにリプル電流は低減できないものである。
平滑コンデンサの発熱が抑制され信頼性が向上する。また、電流低減により抵抗分による損失が低減し電力変換効率が向上する。また、平滑コンデンサに必要な容量を低下でき平滑コンデンサのサイズを小さくでき、装置構成の小型化を促進できる。
さらにまた、誘電損失は大きいがサイズが小さいセラミックコンデンサを平滑コンデンサに採用することが可能になり、平滑コンデンサのサイズをさらに小さくできる。
また、各列回路間で2π/n(rad)ずつ位相をずらして駆動するのが最も効果的であるが、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4への充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
上記実施の形態1では、電圧V1を、約4倍の電圧V2に昇圧する昇圧形のDC/DC電力変換装置について示したが、この実施の形態では、電圧V2から電圧V1に降圧する降圧形のDC/DC電力変換装置について示す。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、図1で示す回路構成と同様であるが、この場合、各列回路X、Y、Z内の回路A2、A3、A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A1は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作する。制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。各列回路X、Y、Zは、それぞれ電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータであるため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
図5に示すように、ゲート信号(GateL−X、GateH−X)は、LrとCrによるLC直列体LC12、LC13、LC14にて定まる共振周期Tを周期とし、デューティー約50%のオンオフ信号である。なお、列回路Y、Zのゲート信号(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)および各列回路Y、Z内のMOSFETを流れる電流も、図5と同様である。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1H
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1H
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
Cr13⇒Lr13⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L
またこの実施の形態では、整流回路A1にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態1、2と同様の効果が得られると共に、1つの回路で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
次に、この発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置について説明する。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、図1で示す回路構成において、各列回路X、Y、Zの構成が異なるもので、各列回路X、Y、Zの回路構成を図6に示す。その他の構成は図1と同様である。
上記実施の形態1と同様に、各列回路X、Y、Zは、それぞれ、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータである。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
上記実施の形態1と同様に、回路A1は駆動用インバータ回路として動作し、回路A2、A3、A4は、駆動用インバータ回路A1で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として動作する。制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。このゲート信号も、上記実施の形態1と同様であり、各回路A1〜A4内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態1の図2で示したものと同様である。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr34⇒Cr34⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Cr34⇒Lr34⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2
またこの実施の形態でも、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いた従来のものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
上記実施の形態3では、電圧V1を、約4倍の電圧V2に昇圧する昇圧形のDC/DC電力変換装置について示したが、この実施の形態では、電圧V2から電圧V1に降圧する降圧形のDC/DC電力変換装置について示す。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、上記実施の形態3と同様であるが、この場合、各列回路X、Y、Z内の回路A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A1は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作し、回路A2、A3は駆動用インバータ回路と整流回路との双方の役割を担う。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。各列回路X、Y、Zは、それぞれ電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータであるため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr34⇒Cr34⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H
Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Cr34⇒Lr34⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L
この実施の形態でも、整流回路に用いる回路A1〜A3にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いた従来のものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態3、4と同様の効果が得られると共に、1つの回路で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
次に、この発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図7はこの発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。
図7に示すように、DC/DC電力変換装置は、それぞれ複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から成る3つの列回路X、Y、Zと、駆動用電源Vs1と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとから構成される。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
図7に示すように、4段の回路の内、回路A1は、上記実施の形態1と同様に、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L、Mos1H)を直列接続して平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される駆動用インバータ回路である。回路A2〜A4は、低圧側素子、高圧側素子として2つのダイオード(Di2L、Di2H)(Di3L、Di3H)(Di4L、Di4H)をそれぞれ直列接続して各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続して構成される整流回路である。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
各列回路X、Y、Zで共有する電源Vs1は、Mos1Lのソース端子を基準とした、各列回路X、Y、Z内のMOSFET、ゲート駆動回路111およびフォトカプラ121L、121Hを駆動するために備えられた電源である。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体LC12、LC13、LC14のコンデンサCrの容量値と比較して十分大きな値に設定される。電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
駆動用インバータ回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)のオンオフ動作により高電圧側に送り、整流回路A2〜A4は、駆動用インバータ回路A1で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateLにより駆動用インバータ回路A1のMos1Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr13、Cr14に移行する。
Cs1⇒Di2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Di3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Di4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L
Cr12⇒Lr12⇒Di2H⇒Cs2⇒Mos1H
Cr13⇒Lr13⇒Di3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
Cr14⇒Lr14⇒Di4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H
また、この実施の形態では、整流回路A2〜A4にダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
次に、この発明の実施の形態6によるDC/DC電力変換装置について説明する。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、上記実施の形態5における図7で示す回路構成において、各列回路X、Y、Zの構成が異なるもので、各列回路X、Y、Zの回路構成を図8に示す。その他の構成は図7と同様である。
上記実施の形態5と同様に、各列回路X、Y、Zは、それぞれ、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータで、複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から構成される。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体LC12、LC13、LC14のコンデンサCrの容量値と比較して十分大きな値に設定される。電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
駆動用インバータ回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L、Mos1H)のオンオフ動作により高電圧側に送り、整流回路A2〜A4は、駆動用インバータ回路A1で駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateLにより駆動用インバータ回路A1のMos1Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr23、Cr34に移行する。
Cs1⇒Di2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Di3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Di4L⇒Lr34⇒Cr34⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Di2H⇒Cs2
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Di3H⇒Cs3⇒Cs2
Mos1H⇒Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Cr34⇒Lr34⇒Di4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2
また、整流回路A2〜A4にダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
次に、この発明の実施の形態7によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図9はこの発明の実施の形態7によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。
図9に示すように、DC/DC電力変換装置は、それぞれ複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から成る3つの列回路X、Y、Zと、駆動用電源Vs2〜Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとから構成される。そして、電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有する。
図9に示すように、4段の回路の内、回路A2〜A4は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続して構成される駆動用インバータ回路である。また回路A1は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのダイオード(Di1L、Di1H)を直列接続して平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される整流回路である。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
各列回路X、Y、Zで共有する電源Vs2、Vs3、Vs4は、それぞれMos2L、Mos3L、Mos4Lのソース端子を基準とした、各列回路X、Y、Z内のMOSFET、ゲート駆動回路112〜114およびフォトカプラ(122L、122H)〜(124L、124H)を駆動するために備えられた電源である。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
各列回路X、Y、Zの動作について以下に説明する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。各列回路X、Y、Zは、それぞれ電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータであるため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Di1H
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Di1H
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Di1H
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L
Cr13⇒Lr13⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Di1L
また、この実施の形態では、整流回路A1にダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
次に、この発明の実施の形態8によるDC/DC電力変換装置について説明する。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、上記実施の形態7における図9で示す回路構成において、各列回路X、Y、Zの構成が異なるもので、各列回路X、Y、Zの回路構成を図10に示す。その他の構成は図9と同様である。
上記実施の形態7と同様に、各列回路X、Y、Zは、それぞれ、電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータで、複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から構成される。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
この場合、各列回路X、Y、Z内の回路A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A1は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作し、回路A2、A3は駆動用インバータ回路と整流回路との双方の役割を担う。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。各列回路X、Y、Zは、それぞれ電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータであるため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr34⇒Cr34⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Di1H
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Di1H
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Di1H
Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Cr34⇒Lr34⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L
Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Di1L
また、この実施の形態では、整流回路A1にダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
次に、この発明の実施の形態9によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図11はこの発明の実施の形態9によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。
図11に示すように、DC/DC電力変換装置は、それぞれ複数段(この場合4段)の回路A1〜A4から成る3つの列回路X、Y、Zと、駆動用電源Vs1〜Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VLl、VLh、VHとから構成される。
各列回路X、Y、Zは、それぞれ電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するDC/DCコンバータで、回路A2は、電圧端子VLh−VLl間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos2L、Mos2H)のオンオフ動作により高電圧側と低電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。また、回路A1、A3、A4は、駆動用インバータ回路A2で駆動された電流を整流し、エネルギを移行する整流回路として動作する。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr21、Cr23、Cr24の容量値と比較して十分大きな値に設定される。上述したように、電圧端子VLh−VLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs2には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs1、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Mos2L
Cr21⇒Lr21⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L
Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3⇒Mos2H
Cs2⇒Mos2H⇒Lr21⇒Cr21⇒Mos1H
Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Mos2H
またこの実施の形態では、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
V12r:V13r:V14r=1:2:3
V21:V23:V24=1:1:2
V21=V23=V12r
となる。
このように、電圧V1を他の回路に挟まれた中間に位置する回路A2の平滑コンデンサCs2の両端子に入力することで、LC直列体を構成するコンデンサの電圧を低減することができる。このため上記実施の形態1よりもコンデンサCr21、Cr23、Cr24の電圧定格を低下させ、コンデンサをさらに小型化できる。
上記実施の形態9では、電圧V1を、約4倍の電圧V2に昇圧する昇圧形のDC/DC電力変換装置について示したが、この実施の形態では、電圧V2から電圧V1に降圧する降圧形のDC/DC電力変換装置について示す。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、図11で示す回路構成と同様であるが、この場合、各列回路X、Y、Z内の回路A1、A3、A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A2は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作する。
回路A1〜A4内のMOSFETへのゲート信号GateL(GateL−X、GateL−Y、GateL−Z)、GateH(GateH−X、GateH−Y、GateH−Z)は、上記実施の形態2と同様に生成されるが、回路A1〜A4内のMOSFETを流れる電流は、この場合、駆動用インバータ回路A1、A3、A4内のMOSFETではドレインからソースに電流が流れ、整流回路A2内のMOSFETではソースからドレインに電流が流れる。
Cr23⇒Lr23⇒Mos3L⇒Cs2⇒Mos2L
Cs1⇒Mos2L⇒Lr21⇒Cr21⇒Mos1L
Cr24⇒Lr24⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos2L
Cs3⇒Mos3H⇒Lr23⇒Cr23⇒Mos2H
Cr21⇒Lr21⇒Mos2H⇒Cs2⇒Mos1H
Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2H
またこの実施の形態では、整流回路A2にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態1、2と同様の効果が得られると共に、1つの回路で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
I12r:I23r:I34r=3:2:1
I12:I23:I34=1:2:1
I12=I34=I34r
となることから、上記のようにLC直列体のコンデンサの電圧が低くできるとともに、LC直列体の電流も低減でき、LC直列体のインダクタを小型化できる。またこのような列回路を複数(n個)配列して位相を各列回路間でずらして駆動することにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4のリプル電流が減少する効果が得られる。
次に、この発明の実施の形態11によるDC/DC電力変換装置を、並列配置される複数の列回路を構成する複数段回路の段数が異なるものについて示す。
図12はこの発明の実施の形態11によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すもので、
図12に示すように、DC/DC電力変換装置は、4段の回路A1〜A4から成る列回路Xおよび2段の回路B1、B2から成る列回路Yと、駆動用電源Vs1〜Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VH1、VH2とから構成される。
列回路Yは、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos2L、Mos2H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs1、Cs2の両端子間に接続した2段の回路B1、B2を直列接続して構成される。そして、各回路B1、B2内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、2つの回路B1、B2の中間端子間に、コンデンサCr12およびインダクタLr12の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12を接続する。このLC直列体LC12のインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、列回路X内に配設される各LC直列体にて定まる共振周期の値と等しくなるように設定される。なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
また、入出力電圧端子Vcom、VLは、上記実施の形態1と同様に平滑コンデンサCs1の両端子に接続され、電圧端子VH1は平滑コンデンサCs4の高電圧端子に、電圧端子VH2は平滑コンデンサCs2の高電圧端子(平滑コンデンサCs3の低電圧端子)に、それぞれ接続される。
制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。各列回路X、Yへのゲート信号は上記実施の形態1と同様であり、列回路Xの動作は、実施の形態1で説明した通りである。
回路B1は駆動用インバータ回路として動作し、回路B2は整流回路として動作する。
電圧V3は2×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2には平均的にV3−V1の電圧が充電されている。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより各回路B1、B2の低圧側MOSFETであるMos1L、Mos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより各回路B1、B2の高圧側MOSFETであるMos1H、Mos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2に移行する。
Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2⇒Mos1H
またこの場合も、整流回路B2にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
また、この場合、電圧端子VH2−Vcom間に配列される回路を複数個(2個)並列にしているため、電圧V1と比較して電圧V3の出力電力が大きい場合に、DC/DC電力変換装置の電力損失を低減して発熱を抑えることができる。
B1 回路(駆動用インバータ回路)、B2 回路(整流回路)、
Cr12,Cr13,Cr14,Cr23,Cr34,Cr21,Cr24 コンデンサ、
Cs1〜Cs4 平滑コンデンサ、Di1L〜Di4L 低圧側ダイオード、
Di1H〜Di4H 高圧側ダイオード、
Lr12,Lr13,Lr14,Lr23,Lr34,Lr21,Lr24 インダクタ、
LC12,LC13,LC14,LC23,LC34,LC21,LC24 LC直列体、
Mos1L〜Mos4L 低圧側MOSFET、Mos1H〜Mos4H 高圧側MOSFET、
GateL(GateL−X,GateL−Y,GateL−Z),GateH(GateH−X,GateH−Y,GateH−Z) ゲート信号、
T 駆動周期(共振周期)、X,Y,Z 列回路、VL,VLh,VLl,Vcom 電圧端子。
Claims (10)
- 半導体スイッチング素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る駆動用インバータ回路と、半導体スイッチング素子あるいはダイオード素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る整流回路とによる複数の回路を直列に接続すると共に、上記各回路内の上記高圧側素子と上記低圧側素子との接続点を中間端子として、上記回路間となる該中間端子間にエネルギ移行用コンデンサを配して、複数段回路による列回路を構成し、
該列回路を、上記平滑コンデンサを共有してn(nは2以上の整数)個、並列接続して備え、
上記各列回路を駆動する駆動信号は、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相をずらすものであることを特徴とするDC/DC電力変換装置。 - 上記n個の列回路を駆動する各駆動信号の位相は、それぞれ2π/nずつ異なることを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記各列回路を構成する複数段回路の段数は同じであることを特徴とする請求項1または2に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記列回路は、上記複数段回路内で隣接する各回路の上記中間端子間にそれぞれ上記エネルギ移行用コンデンサを接続したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記列回路は、上記複数段回路の内、所定の回路の上記平滑コンデンサの正負端子に入出力用の電圧端子を接続し、上記所定の回路は、両側が上記複数段回路内の他の回路に接続されて中間に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記列回路は、上記複数段回路の内、所定の1回路の上記平滑コンデンサの正負端子に入出力用の電圧端子を接続すると共に、該所定の1回路と他の各回路との上記中間端子間にそれぞれ上記エネルギ移行用コンデンサを接続したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記所定の1回路は、両側が上記複数段回路内の他の回路に接続されて中間に位置することを特徴とする請求項6に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記エネルギ移行用コンデンサと直列にインダクタを配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記エネルギ移行用コンデンサと上記インダクタとから成り上記回路間に配される複数の直列体は、コンデンサ容量とインダクタンスとで決まる共振周期がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項8に記載のDC/DC電力変換装置。
- 上記各半導体スイッチング素子は、ソース・ドレイン間に寄生ダイオードを有するパワーMOSFET、あるいはダイオードを逆並列に接続した半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
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