JP2008254826A - 被記録媒体残量検出装置、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙送りローラとロール紙との間のスリップを防止して、ロール紙残量をより一層正確に算出する。
【解決手段】ロール紙Pの残量を検出する検出装置30は、ロールRの回転量を検出するロール回転検出手段34と、ロールRに回転動力を与えるロール駆動手段31と、搬送駆動ローラ23の回転量を検出する搬送ローラ回転検出手段38と、搬送駆動ローラ23に回転動力を与える搬送ローラ駆動手段35とを備えている。検出装置30は、ロールR及び搬送駆動ローラ23に、ロール紙PをロールRと搬送駆動ローラ23との間で弛み無くロールRに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、ロールR及び搬送駆動ローラ23を逆転方向に回転させながら、ロール紙Pの残量検出を行う。
【選択図】図3
【解決手段】ロール紙Pの残量を検出する検出装置30は、ロールRの回転量を検出するロール回転検出手段34と、ロールRに回転動力を与えるロール駆動手段31と、搬送駆動ローラ23の回転量を検出する搬送ローラ回転検出手段38と、搬送駆動ローラ23に回転動力を与える搬送ローラ駆動手段35とを備えている。検出装置30は、ロールR及び搬送駆動ローラ23に、ロール紙PをロールRと搬送駆動ローラ23との間で弛み無くロールRに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、ロールR及び搬送駆動ローラ23を逆転方向に回転させながら、ロール紙Pの残量検出を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、被記録媒体が巻き取られたロールから被記録媒体を供給して記録を行う記録装置において、被記録媒体の残量を検出する被記録媒体残量検出装置、およびこれを備えた記録装置に関する。また、本発明は液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
ロール紙を用いるプリンタにおいては、ロール紙の残量が正確に把握されていないと、ロール紙の残量が不足しているにも拘わらず記録を開始してしまい、結果としてインク等を無駄に消費する虞がある。従ってロール紙を用いるプリンタにおいてはロール紙の残量を正確に把握することは極めて重要である。
従来、ロール紙の残量は、例えば特許文献1に示されるように、紙送りローラの回転数を検出する手段と、ロール紙の回転数を検出する手段とを用い、双方の回転数の差をもとにしてロール紙の直径を算出し、ロール紙の残量が求められていた。
特開平5−16499号公報
しかしながら紙送りローラ主体でロール紙を搬送しながらロール紙の残量を求める場合、紙送りローラが、ロール側からロール紙を引っ張る状態となるとともに、更にこれに加えて紙送りローラの上流側搬送経路と下流側搬送経路との双方から搬送負荷を受け、これらが全て紙送りローラにおいてロール紙がスリップする方向に作用し、従って紙送りローラにおいてロール紙のスリップが発生し易くなる。そしてこの結果算出されるロール紙の残量に誤差が生じることとなる。
その一方で、この様なスリップを防止する為に、ロール紙と接触して従動回転する専用の検出ローラを設ける場合には、装置の複雑化とコストアップを招き、好ましくない。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、紙送りローラとロール紙との間のスリップを防止して、ロール紙残量をより一層正確に算出することにある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、紙送りローラとロール紙との間のスリップを防止して、ロール紙残量をより一層正確に算出することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る被記録媒体残量検出装置は、被記録媒体が巻き取られたロールの回転量を検出する第1の回転量検出手段と、前記ロールに回転動力を与える第1の駆動手段と、前記ロールから解かれた被記録媒体と接し且つ回転することにより被記録媒体を搬送する搬送ローラの回転量を検出する第2の回転量検出手段と、前記搬送ローラに回転動力を与える第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御して、前記ロール及び前記搬送ローラに、被記録媒体を前記ロールと前記搬送ローラとの間で弛み無く前記ロールに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、前記巻き取り制御モードを実行した際に前記第1の回転量検出手段が検出する前記ロールの回転量θr及び前記第2の回転量検出手段が検出する前記搬送ローラの回転量θsをもとにして被記録媒体の残量を求めることを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体の残量検出は、ロール側主体で被記録媒体を巻き取りながら行われるので、これにより搬送ローラと被記録媒体との間のスリップが防止され、より正確に被記録媒体の残量を算出することができる。
即ち、ロールと搬送ローラとの間で被記録媒体を弛み無い状態に維持しつつ、搬送ローラが被記録媒体を送り出す場合には、搬送ローラが被記録媒体を供給方向或いは巻き戻し方向のいずれに送り出すかに拘わらず、搬送ローラの位置において被記録媒体にはロール側から受けるテンション(引っ張り力)と、搬送ローラからロール側の搬送経路から受ける搬送負荷と、その逆側の搬送経路から受ける搬送負荷と、のこれら3つの力が作用する。
ここで仮に、ロール及び搬送ローラを被記録媒体の供給方向(巻き取り方向とは反対方向:以下、この場合のロール及び搬送ローラの回転方向を「正転方向」と言う)に回転させる場合、即ち搬送ローラ主体で被記録媒体を送り出す場合には、上記3つの力は全て同じ方向となり、従って搬送ローラの位置では被記録媒体を搬送する為に必要な摩擦力が大きくなり、搬送ローラと被記録媒体との間でスリップが生じ易くなる。
しかし本態様は、ロール及び搬送ローラを、被記録媒体を巻き取る方向(以下、この場合のロール及び搬送ローラの回転方向を「逆転方向」と言う)に回転させながら残量検出を行う。即ち、ロール側主体で被記録媒体を巻き取りながら被記録媒体の残量検出を行うので、上述したロール側から受けるテンションに対して、上記搬送経路から受ける2つの搬送負荷の方向が逆向きとなり、上記のようにロール及び搬送ローラを正転方向に回転させながら残量検出を行う場合に比して、搬送ローラと被記録媒体との間に必要な摩擦力が極めて小さくなる。従ってこれにより、搬送ローラと被記録媒体との間のスリップを防止して、被記録媒体の残量をより一層正確に算出することができる。
本発明の第2の態様に係る被記録媒体残量検出装置は、第1の態様に係る被記録媒体残量検出装置において、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の外周円の半径をRra、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の内周の半径をRrb、被記録媒体の厚みをt、前記搬送ローラ外周円の半径をRs、円周率をπ、としたときに、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLを、下記の式(1)により求めることを特徴とする。
L=π(Rra2−Rrb2)/t ・・・(1)(但し、Rra=Rs(θs/θr))。
L=π(Rra2−Rrb2)/t ・・・(1)(但し、Rra=Rs(θs/θr))。
本発明の第3の態様に係る被記録媒体残量検出装置は、第1のまたは第2の態様に係る被記録媒体残量検出装置において、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLを求めた際に前記ロールから解かれている被記録媒体の長さWを検出する手段を備え、前記長さLに前記長さWを加えた値を被記録媒体の残量とすることを特徴とする。
本態様によれば、前記ロールから既に解かれている被記録媒体の長さWを、ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLに加え、これをもって被記録媒体の残量とするので、より一層正確に被記録媒体の残量を把握することができる。
本態様によれば、前記ロールから既に解かれている被記録媒体の長さWを、ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLに加え、これをもって被記録媒体の残量とするので、より一層正確に被記録媒体の残量を把握することができる。
本発明の第4の態様に係る被記録媒体残量検出装置は、被記録媒体が巻き取られたロールから被記録媒体を供給する被記録媒体供給部と、前記被記録媒体供給部から供給された被記録媒体に記録を行う記録手段と、第1から第3の態様のいずれかに係る前記被記録媒体残量検出装置と、を備えたことを特徴とする。本態様によれば、記録装置において、上記第1から第3の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
本発明の第5の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体が巻き取られたロールから被噴射媒体を供給する被噴射媒体供給部と、前記被噴射媒体供給部から供給された被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、被噴射媒体の残量を検出する被噴射媒体残量検出手段と、を備え、前記被噴射媒体残量検出手段は、被噴射媒体が巻き取られたロールの回転量を検出する第1の回転量検出手段と、前記ロールに回転動力を与える第1の駆動手段と、前記ロールから解かれた被噴射媒体と接し且つ回転することにより被噴射媒体を搬送する搬送ローラの回転量を検出する第2の回転量検出手段と、前記搬送ローラに回転動力を与える第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御して、前記ロール及び前記搬送ローラに、被噴射媒体を前記ロールと前記搬送ローラとの間で弛み無く前記ロールに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、前記巻き取り制御モードを実行した際に前記第1の回転量検出手段が検出する前記ロールの回転量θr及び前記第2の回転量検出手段が検出する前記搬送ローラの回転量θsをもとにして被噴射媒体の残量を求めることを特徴とする。
以下、図1乃至図6を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る「記録装置」或いは「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の外観斜視図、図2は同要部側面図、図3は本発明に係る「被記録媒体残量検出装置」としての検出装置30の全体構成を示す概略図である。また図4はプリンタ1の制御部を中心とした制御系のブロック図、図5はロール半径、搬送ローラ半径等の、ロール紙残量を算出する為に必要なパラメータを示す図、図6はロール紙に掛かるテンションを示す図であり(A)はロール正転の場合を、(B)はロール逆転の場合を示す図である。
先ず、図1及び図2を参照しながらプリンタ1の構成について概説する。プリンタ1は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的大型サイズの幅を有する被噴射媒体或いは被記録媒体としてのロール紙Pにまで記録できる大型のプリンタであり、ロール紙供給部3及び記録実行部4を備えた本体部2と、排紙受け部5とを備えて構成されている。
本体部2はベース9に立設された支柱8の上部に設けられており、記録の行われたロール紙Pを斜め下方に排出する排出口6を有している。排出口6の下方にはスタッカ10の開口部7が位置しており、記録の行われたロール紙Pが排出口6から開口部7へ向けて排出され、スタッカ10によって受け止められる。
ロール紙供給部3にはロール紙ロール(以下「ロール」と言う)Rが収納可能に構成され、ロールRからロール紙Pが繰り出され、記録を実行する記録実行部4へと斜め下方へ供給される。図2において符号15はロール紙ホルダを示しており、中空の軸芯を有するロールRの前記軸芯を挿通するスピンドル(図示せず)とその両端部に設けられる鍔部(図示円盤状部材)とを備えて構成され、このロール紙ホルダ15に、ロールRがセットされる。ロール紙供給時には、ロール紙ホルダ15が後述するロール駆動手段により回転駆動されることにより、ロール紙Pが下流側に供給される。
記録実行部4は、ロール紙Pに対し液体としてのインクを吐出(噴射)する、液体噴射手段或いは記録手段としての記録ヘッド17と、記録ヘッド17と対向配置されるプラテン25と、記録ヘッド17の上流側に設けられ、ロール紙Pを下流側へ搬送する搬送駆動ローラ(搬送ローラ)23およびこれに圧接して従動回転する搬送従動ローラ24と、後述する検出装置30(図1及び図2では図示せず)と、を有している。
記録ヘッド17はキャリッジ16に設けられ、キャリッジ16は、記録ヘッド17の走査方向(主走査方向:図2の紙面表裏方向)に延びるガイド軸18と、同様に主走査方向に延びるガイド板19と、によってガイドされながら、図示しないモータの動力を受けて主走査方向に移動する。
記録ヘッド17の下流側には、図示を省略する用紙吸引部が設けられており、この用紙吸引部によって記録ヘッド17の下流側においてロール紙Pが浮き上がらないように規制状態に置かれ、ロール紙Pの浮き上がりによる記録品質の低下が防止されるようになっている。
以上がプリンタ1の大略構成であり、以下、図3乃至図6を参照しながら検出装置30について詳説する。
図3において検出装置30は、ロール紙Pが巻き取られたロールRの回転量を検出する第1の回転量検出手段としてのロール回転検出手段34と、ロールRに回転動力を与える第1の駆動手段としてのロール駆動手段31とを備えている。また検出装置30は、ロールRから解かれたロール紙Pと接し且つ回転することによりロール紙Pを搬送する搬送駆動ローラ23の回転量を検出する第2の回転量検出手段としての搬送ローラ回転検出手段38と、搬送駆動ローラ23に回転動力を与える第2の駆動手段としての搬送ローラ駆動手段35と、ロール駆動手段31及び搬送ローラ駆動手段35を制御する制御手段としての制御部40(図4)と、を備えている。
図3において検出装置30は、ロール紙Pが巻き取られたロールRの回転量を検出する第1の回転量検出手段としてのロール回転検出手段34と、ロールRに回転動力を与える第1の駆動手段としてのロール駆動手段31とを備えている。また検出装置30は、ロールRから解かれたロール紙Pと接し且つ回転することによりロール紙Pを搬送する搬送駆動ローラ23の回転量を検出する第2の回転量検出手段としての搬送ローラ回転検出手段38と、搬送駆動ローラ23に回転動力を与える第2の駆動手段としての搬送ローラ駆動手段35と、ロール駆動手段31及び搬送ローラ駆動手段35を制御する制御手段としての制御部40(図4)と、を備えている。
ロール駆動手段31は、モータ32と、ロールRにモータ32の動力を伝達する動力伝達機構33とを備えて構成され、モータ32の回転により、ロールRを正転方向(ロール紙Pを解く方向)或いは逆転方向(ロール紙Pを巻き取る方向)に回転させる。もしくは動力伝達機構33に遊星歯車機構(図示省略)を設け、逆転方向のみロールRにモータ32に動力を伝達する構成としてもよい。
ロール回転検出手段34は、外周部に多数の透光部(図示省略)を有し、モータ32の回転軸に取り付けられる円盤状スケール34aと、前記透光部に対して発光する発光部および前記透光部を通過した光を受光する受光部を備えた検出部34bと、を備えて構成されている。
モータ32の回転に伴い円盤状スケール34aが回転すると、これに伴って検出部34bが前記透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力し、制御部40は、この様な検出部34bからの出力信号を受信することによって、ロールRの単位時間当たりの回転量(回転角度)や回転速度等を算出可能となっている。
搬送ローラ駆動手段35は、モータ36と、搬送駆動ローラ23にモータ36の動力を伝達する動力伝達機構37とを備えて構成され、モータ36の回転により、搬送駆動ローラ23を正転方向(ロールRから解かれたロール紙を送る方向)或いは逆転方向(ロールRの巻き取り方向にロール紙Pを送る方向)に回転させる。
搬送ローラ回転検出手段38は、外周部に多数の透光部(図示省略)を有し、搬送駆動ローラ23の軸端に取り付けられる円盤状スケール38aと、前記透光部に対して発光する発光部および前記透光部を通過した光を受光する受光部を備えた検出部38bと、を備えて構成されている。
搬送駆動ローラ23の回転に伴い円盤状スケール38aが回転すると、これに伴って検出部38bが前記透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力し、制御部40は、この様な検出部38bからの出力信号を受信することによって、搬送駆動ローラ23の単位時間当たりの回転量(回転角度)や回転速度等を算出可能となっている。
そして制御部40は、図4に示すようにロール回転検出手段34と搬送ローラ回転検出手段38からの信号を受信し、これに応じてロール駆動手段31(モータ32)と搬送ローラ駆動手段35(モータ36)とを制御する。
次に、制御部40は、ロール駆動手段31と搬送ローラ駆動手段35とを制御して、ロールR及び搬送駆動ローラ23に、ロール紙PをロールRと搬送駆動ローラ23との間で弛むこと無くロールRに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備えており、ロール紙残量が算出される際には、この制御モードが実行される。
より具体的には、この制御モードでは、搬送駆動ローラ23に、ロール紙Pを巻き取り方向に送り速度V1で送り出す為の回転動力が与えられるとともに、ロールRに、ロール紙Pを前記送り速度V1より速い速度V2で巻き取る為の回転動力が与えられる。
尚、ロールRによるロール紙Pの巻き取り速度V2とは、搬送駆動ローラ23が無いとしたときの巻き取り速度であって、実際には搬送駆動ローラ23によるロール紙Pの送り出し力(搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間の摩擦力)が大きく設定されている為にロール紙Pの巻き取り速度(単位時間当たりにロール紙Pが巻き取られる長さ)は、搬送駆動ローラ23の回転速度に依存し、ロール紙Pの巻き取り速度は速度V1となる。
以下、図5及び図6を参照しながら更に詳説する。図5において符号RraはロールRに巻き取られたロール紙Pの外周Saの半径を、符号RrbはロールRに巻き取られたロール紙Pの内周Sbの半径を、符号tはロール紙Pの厚みを、符号Rsは搬送駆動ローラ23外周の半径を示している。また、符号θsは搬送駆動ローラ23の回転角度を、符号θrは、搬送駆動ローラ23が回転角度θs回転するときのロールRの回転角度を示している。
搬送駆動ローラ23におけるロール紙Pの送り量はRs×θsで求められ、ロールRにおけるロール紙Pの巻き取り量(或いは逆に解かれる量)はRra×θrで求められ、これらが等しいことから、ロールRの直径Rraは、Rra=Rs×(θs/θr)で求められる。
次に図5においてロールRに巻き取られたロール紙Pの面積は、円周率をπとすると、π×(Rra2−Rrb2)で求められるから、ロールRに巻き取られたロール紙Pの長さLは、下記の式(1)
L=π×(Rra2−Rrb2)/t・・・(1)
により求められる。以上により、搬送駆動ローラ23の回転角度θsと、ロールRの回転角度θrとをもとにして、ロールRに巻き取られたロール紙Pの長さLを求めることができる。
L=π×(Rra2−Rrb2)/t・・・(1)
により求められる。以上により、搬送駆動ローラ23の回転角度θsと、ロールRの回転角度θrとをもとにして、ロールRに巻き取られたロール紙Pの長さLを求めることができる。
尚、搬送駆動ローラ23の回転角度θs及びロールRの回転角度θrを検出した際(ロールRに巻き取られたロール紙Pの長さLを算出した際)、既に或る程度の長さWだけ、ロール紙PがロールRから解かれている場合には、制御部40は、ロール紙Pのトータルの残量として、前記長さLに前記長さWを加えたものを用いても良い。
長さWを検出する手段は、例えばロール紙搬送経路に設けられてロール紙Pの通過を検出する検出手段(センサ等)と、この検出手段からロールRまでの搬送経路の長さZをデータとして記憶する手段と、により構成できる。ロール紙Pの通過を検出する検出手段がロール紙P先端を通過してから、ロール紙Pの先端が搬送経路上のいずれの場所に位置するかは上記搬送ローラ回転検出手段38により把握できる為、この情報と、上記長さZとにより、上記回転角度θs、θrを検出した際に、ロールRから解かれているロール紙Pの長さWを求めることができる。
以下、上記検出装置30の作用効果について説明する。検出装置30においては、ロール紙Pの残量検出は、上記の通りロールR主体でロール紙Pを巻き取りながら行われる。これにより、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間のスリップが防止され、より正確にロール紙Pの残量を算出することができる。
即ち、ロールRと搬送駆動ローラ23との間でロール紙Pを弛み無い状態に維持しつつ、搬送駆動ローラ23がロール紙Pを送り出す場合には、搬送駆動ローラ23がロール紙Pを供給方向或いは巻き戻し方向のいずれに送り出すかに拘わらず、搬送駆動ローラ23の位置においてロール紙Pにはロール側から受けるテンション(引っ張り力)と、搬送駆動ローラ23からロール側の搬送経路から受ける搬送負荷と、その逆側の搬送経路から受ける搬送負荷と、のこれら3つの力が作用する。
例えば、ロールR及び搬送駆動ローラ23を正転方向に回転させながら残量検出を行う場合、図6(B)に示す様にロール紙Pには、ロールRから受けるテンション(引っ張り力)F1と、搬送駆動ローラ23からロールR側(図の右側)の搬送経路から受ける搬送負荷F2と、その逆側(図の左側)の搬送経路から受ける搬送負荷F2と、のこれらが加わる。
上記テンションF1と、搬送負荷F2及びF2は、図示するように全て同じ方向であるので、搬送駆動ローラ23の位置ではロール紙Pを搬送する為に必要な摩擦力が大きくなり、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間でスリップが生じ易い。
しかし本発明は、図6(A)に示す様にロールR及び搬送駆動ローラ23を逆転方向に回転させながら残量検出を行うので、ロールRから受けるテンションF1に対し、搬送駆動ローラ23からロールR側(図の右側)の搬送経路から受ける搬送負荷F3及び、その逆側(図の左側)の搬送経路から受ける搬送負荷F2の方向が逆方向となる。
従って図6(B)に示すような、搬送駆動ローラ23を正転方向に回転させながら残量検出を行う従来の検出方法に比して、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間に必要な摩擦力が極めて小さくなる。従ってこれにより、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間のスリップが防止され、ロール紙Pの残量をより一層正確に算出することができる。
また、図6(B)に示すようにロールR及び搬送駆動ローラ23を正転方向に回転させる場合において、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間のスリップを極力防止する為に、例えばロールRから受けるテンションF1を極めて小さく設定する場合には、そのようなロールRの制御は寛容度が小さく制御が困難であるとともに、搬送駆動ローラ23の表面状態の劣化や、ロール紙Pの表面状態(滑り易さ)に左右され易くなる。
しかしながら本発明によれば、ロールR及び搬送駆動ローラ23を正転方向に回転させる場合に比して搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間に必要な摩擦力が極めて小さくなるので、搬送駆動ローラ23とロール紙Pとの間のスリップを確実に防止でき、ロール紙Pの残量をより一層正確に算出することができる。
1 インクジェットプリンタ、2 本体部、3 ロール紙供給部、4 記録実行部、5 排紙受け部、6 ロール紙排出口、7 開口部、8 支柱、9 ベース、10 ロール紙スタッカ、12 搬送部、15 ロール紙ホルダ、16 キャリッジ、17 記録ヘッド、18 ガイド軸、19 ガイド板、21 案内部材、23 搬送駆動ローラ、24 搬送従動ローラ、25 プラテン、30 残量検出装置、31 ロール駆動手段、32 モータ、33 動力伝達機構、34 ロール回転検出手段、34a 円盤状スケール、34b センサ、35 搬送ローラ駆動手段、36 モータ、37 動力伝達機構、38 搬送ローラ回転検出手段、38a 円盤状スケール、38b センサ、P ロール紙、R ロール
Claims (5)
- 被記録媒体が巻き取られたロールの回転量を検出する第1の回転量検出手段と、
前記ロールに回転動力を与える第1の駆動手段と、
前記ロールから解かれた被記録媒体と接し且つ回転することにより被記録媒体を搬送する搬送ローラの回転量を検出する第2の回転量検出手段と、
前記搬送ローラに回転動力を与える第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御して、前記ロール及び前記搬送ローラに、被記録媒体を前記ロールと前記搬送ローラとの間で弛み無く前記ロールに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、
前記巻き取り制御モードを実行した際に前記第1の回転量検出手段が検出する前記ロールの回転量θr及び前記第2の回転量検出手段が検出する前記搬送ローラの回転量θsをもとにして被記録媒体の残量を求める、
ことを特徴とする被記録媒体残量検出装置。 - 請求項1に記載の被記録媒体残量検出装置において、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の外周円の半径をRra、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の内周の半径をRrb、被記録媒体の厚みをt、前記搬送ローラ外周円の半径をRs、円周率をπ、としたときに、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLを、下記の式(1)により求めることを特徴とする被記録媒体ロール残量検出装置。
L=π(Rra2−Rrb2)/t ・・・(1)
但し、Rra=Rs(θs/θr) - 請求項1または2に記載の被記録媒体残量検出装置において、前記ロールに巻き取られた被記録媒体の長さLを求めた際に前記ロールから解かれている被記録媒体の長さWを検出する手段を備え、前記長さLに前記長さWを加えた値を被記録媒体の残量とする、
ことを特徴とする被記録媒体残量検出装置。 - 被記録媒体が巻き取られたロールから被記録媒体を供給する被記録媒体供給部と、
前記被記録媒体供給部から供給された被記録媒体に記録を行う記録手段と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の前記被記録媒体残量検出装置と、
を備えたことを特徴とする記録装置。 - 被噴射媒体が巻き取られたロールから被噴射媒体を供給する被噴射媒体供給部と、
前記被噴射媒体供給部から供給された被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、
被噴射媒体の残量を検出する被噴射媒体残量検出手段と、を備え、
前記被噴射媒体残量検出手段は、被噴射媒体が巻き取られたロールの回転量を検出する第1の回転量検出手段と、
前記ロールに回転動力を与える第1の駆動手段と、
前記ロールから解かれた被噴射媒体と接し且つ回転することにより被噴射媒体を搬送する搬送ローラの回転量を検出する第2の回転量検出手段と、
前記搬送ローラに回転動力を与える第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御して、前記ロール及び前記搬送ローラに、被噴射媒体を前記ロールと前記搬送ローラとの間で弛み無く前記ロールに巻き取る為の回転動力を与える巻き取り制御モードを備え、
前記巻き取り制御モードを実行した際に前記第1の回転量検出手段が検出する前記ロールの回転量θr及び前記第2の回転量検出手段が検出する前記搬送ローラの回転量θsをもとにして被噴射媒体の残量を求める、
ことを特徴とする液体噴射装置。
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