JP2008248138A - 低温特性に優れた樹脂組成物の成型体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(1)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量5000以上50万以下のポリヒドロキシカルボン酸系樹脂(A)と、式(2)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量400以上50万以下のポリオキシトリメチレングリコール系樹脂(B)とを、(A)及び(B)の合計に対する(B)の比率が1重量%以上65重量%以下である範囲で、少なくとも含む。
(1)(Rは、水素原子又は炭素数1以上18以下の脂肪族炭化水素基。)
(2)
【選択図】なし
Description
’25<2であることを特徴とする樹脂組成物を成型してなる成型体に存する(請求項1)。
ただし、上記式中のR は、
Hまたは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基
を表す。
項3)。
が提供される。
本発明の一の要旨に係る樹脂組成物の製造方法(これを「本発明の第1の製造方法」或いは単に「第1の製造方法」という場合がある。)は、下記式(1)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量5000以上50万以下のポリヒドロキシカルボン酸系樹脂(これを「樹脂(A)」という場合がある。)と、下記式(2)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量400以上50万以下のポリオキシトリメチレングリコール系樹脂(これを「樹脂(B)」という場合がある。)とを、溶融状態で混合するものである。
<I−1−1.概要>
本発明の第1の製造方法では、樹脂(A)として、上記式(1)で表わされる構成単位(以下「構成単位(1)」という。)を主たる構成単位として含む数平均分子量5000以上50万以下の樹脂を用いる。構成単位(1)はヒドロキシカルボン酸由来の単位(即ちヒドロキシカルボン酸単位)であり、樹脂(A)は構成単位(1)を主構成単位として(即ち、全構成単位の50重量%以上)含有しているので、樹脂(A)は上記定義に従い「ポリヒドロキシカルボン酸系樹脂」であるということができる。
中でも、Rとしては、水素原子又は炭素数3以下の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。Rが水素原子の場合、構成単位(1)はグリコール酸由来の単位(即ち、グリコール酸単位)となり、Rがメチル基の場合、構成単位(1)は乳酸由来の単位(即ち、乳酸単位)となる。
なお、樹脂(A)を構成する構成単位(1)は、単一の種類のもの(即ち、式(1)のRが同一のもの)であってもよいが、複数の種類のもの(即ち、式(1)のRが異なるもの)が任意の組み合わせ及び比率で混在していてもよい。
また、樹脂(A)が構成単位(1)以外の構成単位を含有する場合、構成単位(1)以外の他の構成単位の種類も制限されず、任意である。また、構成単位(1)以外の他の構成単位は、単一の種類であってもよく、複数の種類が任意の組み合わせ及び比率で混在していてもよい。
樹脂(A)としてポリ乳酸系樹脂を用いる場合、ポリ乳酸系樹脂は市販のものでもよく、合成したものでもよい。
また、ポリ乳酸系樹脂の由来も制限されるものではないが、環境面を考慮すると、植物由来のポリ乳酸系樹脂を用いることが好ましい。
但し、耐熱性の点から、ポリ乳酸系樹脂を構成する総乳酸単位のうち、通常80モル%以上、中でも90モル%以上がL体であることが好ましい。
共重合可能な成分としては、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ヒドロキシカルボン酸成分、3官能以上の多官能成分等が挙げられる。これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
エチレングリコール、
プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、
1,6−へキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、
1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール
等が挙げられる。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
グリコール酸、
2−ヒドロキシ−n−酪酸、
2−ヒドロキシカプロン酸、
2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、
2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、
2−ヒドロキシイソカプロン酸、
β−プロピオラクトン、
γ−ブチロラクトン、
δ−バレロラクトン、
ε−カプロラクトン、
4−メチルカプロラクトン、
3,5,5−トリメチルカプロラクトン、
3,3,5−トリメチルカプロラクトン
等が挙げられる。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
樹脂(A)としてポリグリコール酸系樹脂を用いる場合、ポリグリコール酸系樹脂としては通常、合成したものを用いる。
ポリグリコール酸系樹脂の由来は、制限されるものではないが、環境面を考慮すると、植物由来のポリグリコール酸系樹脂を用いることが好ましい。
共重合可能な成分としては、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ヒドロキシカルボン酸成分、3官能以上の多官能成分等が挙げられる。これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
エチレングリコール、
プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、
1,6−へキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、
1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール
等が挙げられる。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
グリコール酸、
2−ヒドロキシ−n−酪酸、
2−ヒドロキシカプロン酸、
2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、
2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、
2−ヒドロキシイソカプロン酸、
β−プロピオラクトン、
γ−ブチロラクトン、
δ−バレロラクトン、
ε−カプロラクトン、
4−メチルカプロラクトン、
3,5,5−トリメチルカプロラクトン、
3,3,5−トリメチルカプロラクトン
等が挙げられる。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
これらはいずれか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の比率及び組み合わせで併用してもよい。
本発明の第1の製造方法では、樹脂(B)として、上記式(2)で表わされる構成単位(以下「構成単位(2)」という。)を主たる構成単位として含む数平均分子量400以上50万以下の樹脂を用いる。構成単位(2)はトリメチレングリコール由来の単位(オキシトリメチレングリコール単位)であり、樹脂(B)は構成単位(2)を主構成単位として(即ち、全構成単位の50重量%以上)含有しているので、樹脂(B)は上記定義に従い「ポリオキシトリメチレングリコール系樹脂」或いは「PO3G系樹脂」ということができる。
うに通常50重量%であるが、中でも70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
なお、樹脂(B)が構成単位(2)(オキシトリメチレングリコール単位)以外の構成単位を含有する場合、構成単位(2)以外の構成単位の種類は任意であり、特に制限されない。
構成単位(2)以外の構成単位の例としては、まず、トリメチレングリコール以外のアルキレングリコール由来の構成単位が挙げられる。その具体例としては、エチレングリコール由来の構成単位、テトラメチレングリコール由来の構成単位等が挙げられる。
また、構成単位(2)以外の構成単位の他の例としては、アルキレングリコール以外の単量体由来の構成単位も挙げられる。その具体例としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。但し、アルキレングリコール以外の単量体由来の繰り返し単位を含有する場合でも、その含有率は、樹脂(B)の全構成単位に対し、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下であることが望ましい。
なお、構成単位(2)以外の他の構成単位は、単一の種類であってもよく、複数の種類が任意の組み合わせ及び比率で混在していてもよい。
具体的に、樹脂(B)は、1,3−プロパンジオールの縮合物であってもよく、オキセタンの縮合物であってもよい。但し、価格の面から、1,3−プロパンジオールの縮合物であることが好ましい。
また、樹脂(B)が構成単位(2)以外の構成単位を含有する共重合体である場合には、構成単位(2)以外の構成単位の原料となる単量体を併用すればよい。例えば、ポリオキシテトラメチレングリコールの場合には、対応する直鎖モノマーである1,4−ブタンジオール及び/又は対応する環状モノマーであるテトラヒドロフラン(THF)を併用すればよい。
なお、樹脂(B)の数平均分子量は、PO3G系樹脂である樹脂(B)の末端の水酸基を無水フタル酸でエステル化させ、未反応の無水フタル酸をフタル酸に分解後、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリで逆滴定(末端基滴定法)することにより水酸基価を求め、その値から算出する等の手法により測定することが可能である。
本発明の第1の製造方法は、上述の樹脂(A)及び樹脂(B)を、溶融状態で混合するものであるが、その条件は以下の通りである。
その他の樹脂を加える時期も制限されず、混合前であっても、混合中であっても、混合後であってもよい。但し、その他の樹脂を使用する場合でも、その使用量は、樹脂(A)及び樹脂(B)の合計量に対し、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下にすることが望ましい。
また、樹脂(A)及び樹脂(B)、並びに必要に応じて用いられる他の樹脂以外に、その他の成分を加えてもよい。その他の成分としては、触媒、酸化防止剤、熱安定剤、結晶核剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、架橋剤、粘度調節剤、摺動性改良剤、着色剤、導電剤として機能する化合物等が挙げられる。これらのその他の成分は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合してもよい。その他の成分を加える時期も制限されず、混合前であっても、混合中であっても、混合後であってもよい。但し、その他の成分を使用する場合でも、その使用量は、樹脂(A)及び樹脂(B)の合計量に対し、通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下に抑えることが望ましい。
触媒としては、後述のように樹脂(A)及び樹脂(B)の混合によりエステル交換反応が生じているという推測に基づけば、エステル交換触媒が好ましい。エステル交換触媒としては、テトラ(n−ブトキシ)チタネートが好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、具体的には、イルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)が好ましい。
触媒及び/又は酸化防止剤を反応系に加える時期は特に制限されず、混合前でも混合中でも混合後でもよいが、混合時にエステル交換反応が生じているという推測に基づけば、混合前又は混合時に加えることが好ましく、混合前に加えることが特に好ましい。
混合の方式も制限されず、バッチ式でも連続式でもよいが、バッチ式が好ましい。
混合時の温度は、樹脂(A)及び樹脂(B)の双方の融点よりも高い値であれば、制限されるものではないが、例えば樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂の場合、通常150℃以上、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、また、通常230℃以下、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下とすることが望ましく、また、樹脂(A)がポリグリコール酸系樹脂の場合、通常220℃以上、好ましくは230℃以上、より好ましくは240℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは290℃以下、より好ましくは280℃以下とすることが望ましい。混合時の温度が低過ぎると、原料の樹脂(A)が溶融しない場合や、エステル交換反応が起こらない場合があり、高過ぎると、副反応であるラクチド(ヒドロキシ酸の環状二量体)の脱離反応等が優勢となる場合がある。
以上説明した第1の製造方法により得られる樹脂組成物(これを適宜「本発明の第1の樹脂組成物」或いは単に「第1の樹脂組成物」という場合がある。)は、通常は上述の樹脂(A)及び樹脂(B)を含有する。樹脂(A)及び樹脂(B)の比率は、上述の〔1−3.製造条件〕で説明した樹脂(A)及び樹脂(B)の使用比率に概ね等しくなる。
第1の製造方法により本発明の共重合体が生じる理由は明らかではないが、樹脂(A)及び樹脂(B)を溶融状態で混合することにより、樹脂(A)と樹脂(B)とがエステル交換反応を生じ、本発明の共重合体が生じるものと推測される。
なお、本発明の共重合体については、後出の〔V.共重合体〕で詳しく説明する。
なお、樹脂組成物の数平均分子量はGPC等の手法により測定することが可能である。
本発明の別の樹脂組成物の製造方法(これを「本発明の第2の製造方法」或いは単に「第2の製造方法」という場合がある。)は、上述の第1の製造方法で説明した樹脂(B)を、溶融状態で、下記式(3)で表わされる化合物と反応させるものである。
第2の製造方法では、上記式(3)で表わされる化合物(これを「化合物(3)」という場合がある。)を用いる。化合物(3)は、ヒドロキシ酸の環状二量体、即ちラクチドである。
なお、化合物(3)の一分子内における2つのRは、同一であってもよく、異なっていてもよいが、化合物の合成や入手の容易性の点から、同一であることが好ましい。
中でも、Rとしては、水素原子又は炭素数3以下の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。Rが水素原子の場合、化合物(3)はグリコール酸ラクチド(グリコリド)となり、Rがメチル基の場合、化合物(3)は乳酸ラクチドとなる。
第2の製造方法では、上述の樹脂(B)及び化合物(3)を用い、これらを溶融状態で混合することにより反応させる。
樹脂(B)及び化合物(3)は何れも、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意
の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
その他の樹脂を加える時期も制限されず、混合前であっても、混合中であっても、混合後であってもよい。但し、その他の樹脂を使用する場合でも、その使用量は、樹脂(B)及び樹脂(3)の合計量に対し、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下にすることが望ましい。
また、樹脂(B)及び樹脂(3)、並びに必要に応じて用いられる他の樹脂以外に、その他の成分を加えてもよい。その他の成分としては、触媒、酸化防止剤、熱安定剤、結晶核剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、架橋剤、粘度調節剤、摺動性改良剤、着色剤、導電剤として機能する化合物等が挙げられる。これらのその他の成分は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合してもよい。その中でも、その他の成分として、触媒及び/又は酸化防止剤を用いることが好ましい。その他の成分を加える時期も制限されず、混合前であっても、混合中であっても、混合後であってもよい。但し、その他の成分を使用する場合でも、その使用量は、樹脂(B)及び樹脂(3)の合計量に対し、通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下に抑えることが望ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、具体的には、イルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)が好ましい。なお、酸化防止剤は何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒及び/又は酸化防止剤を反応系に加える時期は特に制限されず、混合前でも混合中でも混合後でもよいが、混合時に開環重合反応が生じているという推測に基づけば、混合前又は混合時に加えることが好ましく、混合前に加えることが特に好ましい。
混合の方式も制限されず、バッチ式でも連続式でもよいが、バッチ式が好ましい。
反応させる。樹脂(B)及び化合物(3)を溶融状態とするためには、通常、混合時の温度を樹脂(B)の融点よりも高い値とすればよい。
混合時の温度は、樹脂(B)の融点よりも高い値であれば、制限されるものではないが、例えば化合物(3)が乳酸ラクチドの場合、通常150℃以上、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、また、通常230℃以下、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下とすることが望ましく、また、化合物(3)がグリコール酸ラクチドの場合、通常220℃以上、好ましくは230℃以上、より好ましくは240℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは290℃以下、より好ましくは280℃以下とすることが望ましい。混合時の温度が低過ぎると、原料の樹脂(B)が溶融しない場合や、重合反応が起こらない場合があり、高過ぎると、副反応である解重合反応等が優勢となる場合がある。
以上説明した第2の製造方法により得られる樹脂組成物(これを適宜「本発明の第2の樹脂組成物」或いは単に「第2の樹脂組成物」という場合がある。)は、通常は上述の樹脂(B)及び化合物(3)を含有する。
第2の製造方法により本発明の共重合体が生じる理由は明らかではないが、樹脂(B)及び化合物(3)を溶融状態で混合し、反応させることにより、樹脂(B)の末端に化合物(3)が結合するとともに、化合物(3)が開環重合反応を生じることにより、樹脂(A)由来のブロックと同じ構造のブロック(ポリヒドロキシカルボン酸系ブロック)が形成されるためであると推測される。
なお、本発明の共重合体については、後出の〔V.共重合体〕で詳しく説明する。
は、例えば、上述の〔II−2.製造条件〕で説明した樹脂(B)及び化合物(3)以外の各種の成分が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、以下の(i)〜(iii)の何れかに該当するものである。
(i)上述の第1の製造方法又は第2の製造方法によって得られた樹脂組成物(即ち、上述の第1の樹脂組成物又は第2の樹脂組成物)、或いはこれらの樹脂組成物に別の成分を混合して得られた樹脂組成物(例えば、後述する第3の製造方法によって得られた樹脂組成物)。
(ii)上述の樹脂(A)及び:樹脂(B)を少なくとも含有する樹脂組成物。
(iii)後述する本発明の共重合体を含有する樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、上記(i)〜(iii)のうち、少なくとも何れか一つの要件を
満たしていればよいが、中でも何れか2つの要件を満たしていることが好ましく、3つ全ての要件を満たしていることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、成形性に優れている。
具体的に、本発明の樹脂組成物は、融点(℃)+30℃におけるゼロずり粘度が、通常500Pa.s以上、好ましくは800Pa・s以上、より好ましくは1000Pa・s以上、また、通常10000Pa.s以下、好ましくは5000Pa・s以下、より好ましくは2000Pa・s以下であることが望ましい。ゼロずり粘度が低過ぎても高過ぎても、成形が困難となる場合がある。
なお、樹脂組成物の融点は、例えばDSC等の手法で測定可能であり、樹脂組成物の融点(℃)+30℃におけるゼロずり粘度は、ストレス制御式レオメーター等の手法で測定可能である。
具体的に、本発明の樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、通常40℃以上、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上の範囲であることが望ましい。一方、本発明の樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)の上限は、通常は65℃以下である。樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)が低過ぎると、常温での力学的強度が低くなったり、融着し易くなったりする場合がある。
なお、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、DSC等の手法により測定することが可能である。
具体的に、本発明の樹脂組成物の透湿度は、通常200以上、好ましくは300以上、また、通常1000以下、好ましくは800以下であることが望ましい。
なお、樹脂組成物の透湿度は、例えば、JIS Z 0208に準じて、カップ法等によ
り測定することが可能である。
具体的に、本発明の樹脂組成物の酸素透過係数は、通常1×10−16以下、好ましくは3×10−17以下であることが望ましい。樹脂組成物の酸素透過係数が高過ぎると、ガスバリアフィルム等の用途に使用できない場合がある。
なお、樹脂組成物の酸素透過係数は、例えば、JIS K 7126−2に準じて、ガス透過測定装置等により測定することが可能である。
本発明において樹脂組成物が「冷結晶化」するとは、樹脂組成物の昇温時に、樹脂組成物のガラス転移温度以上、融点以下の温度において、結晶化することをいう。なお、「冷結晶化」については、例えば「飽和ポリエステルハンドブック」、日刊工業新聞社、1989年、P20及びP230に記載されている。
なお、樹脂組成物が冷結晶化し得るか否かは、示差走査熱量測定(DSC)により昇温条件で測定を行なった場合に、樹脂組成物のガラス転移温度以上融点以下の温度において結晶化が生じたことを表わす発熱ピーク(以下「冷結晶性ピーク」と言う場合がある。)が観測されるか否かにより判断することができる。
本発明でいう低温時とは、通常0℃以下くらいの温度で保持することをいう。
具体的に、本発明の樹脂組成物の−25℃での貯蔵弾性率(E’)は、通常4.5GPa以下、好ましくは3.5GPa以下、より好ましくは3GPa以下であることが望ましい。樹脂組成物の貯蔵弾性率(E’)が高過ぎると、柔軟性が不十分となる場合がある。貯蔵弾性率(E’)の下限は特に制限されないが、貯蔵弾性率(E’)があまりに低過ぎると、成形体としての使用が困難になる場合があることから、通常0.1GPa以上、好ましくは0.3GPa以上、より好ましくは0.5GPa以上であることが望ましい。
なお、樹脂組成物の貯蔵弾性率(E’)は、動的粘弾性測定等の手法により測定することが可能である。
また、−25℃での貯蔵弾性率(E’-25)と25℃での貯蔵弾性率(E’25)の比
(E’-25/E’25)が、通常2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1以下であることが望ましい。この比が大きすぎると、樹脂組成物の弾性率の温度依存性が大きく、使用温度により、その弾性率が大きく異なる傾向がある。具体的には、樹脂組成物の弾性率の温度依存性が大きいと、本樹脂組成物を用いた成型品において、使用温度環境による成型品弾性率の変化を考慮に入れなければならず、多数の成型品の組み付け等によって構造部材に仕上げる際には、その構造部材の構造設計が非常に困難になる場合がある。
なお、樹脂組成物の還元粘度(ηsp/C)は、ウベローデ型溶液粘度計等により測定することが可能である。
本発明の樹脂組成物は、後述のように各種の用途に使用可能であるが、その際には、樹脂組成物の分子量を通常5万以上、好ましくは10万以上に上昇させ、その成形性を向上させるために、鎖延長反応又は固相重合を行なうことが好ましい。
鎖延長剤の例としては、多価イソシアネート、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価エポキシ等が挙げられる。中でも、ジイソシアネート類、ジカルボン酸無水物類等が好ましい。なお、これらの鎖延長剤は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
混合時の温度は、制限されるものではないが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、また、通常250℃以下、好ましくは220℃以下とすることが望ましい。温度が高過ぎると、樹脂組成物が溶融する場合があり、低過ぎると、固相重合反応が進行し難くなる場合がある。
混合時の圧力は、制限されるものではないが、通常常圧が望ましい。
混合時の雰囲気は、制限されるものではないが、通常は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下である。
本発明の樹脂組成物は、様々な用途に供することが可能であるが、具体的には、繊維、フィルム、シート、チューブ、工業用部品、自動車部品及び電気電子部品など多方面に使用することができる。具体的な用途としては、例えば、衣料用繊維や各種フィルター等の繊維製品、二軸延伸フィルムや導電性フィルム等のフィルム製品、油圧用ホースや空圧用ホース等の各種ホース、等速ジョイントブーツ、サスペンジョンブーツ等の自動車部品、各種シール・パッキン、フレキシブルカップリング、コンベアベルト、タイミングベルト、圧縮バネ等の工業用部品、ギア等の精密機械部品、携帯電話ハウジング、制震材、防震材、キーボードパット、導電性パッド、OAロール、電話機カールコード等の電気・電子部品、ヘアーブラシ、ホットカーラー、スキー靴底、靴インナーソール、冷食品用包装材等の生活用品等の用途に用いられる。具体的により好ましい用途としては、本発明の樹脂の特性を十分に発揮できる点で、スキー靴底や冷食品用包装材等が挙げられる。これらは後述する成形方法にて成型することが可能である。
上述の第1又は第2の製造方法により得られた樹脂組成物(第1又は第2の樹脂組成物)は、そのまま単独で使用することも可能であるが、これを更に上述の樹脂(A)、即ちポリヒドロキシカルボン酸系樹脂に混合して用いることも可能である。第1又は第2の樹脂組成物をポリヒドロキシカルボン酸系樹脂に混合することにより、ポリヒドロキシカルボン酸系樹脂の優れた特性である耐熱性等の優れた特性を損なうことなく、その成形性や柔軟性等の特性が十分に改善された樹脂組成物が得られる。
混合の方式も制限されず、バッチ式でも連続式でもよいが、バッチ式が好ましい。
合がある。
上述の第1又は第2の製造方法によって得られる樹脂組成物(第1又は第2の樹脂組成物)は、好ましくは、ポリヒドロキシカルボン酸系樹脂である樹脂(A)由来のブロック(以下「ポリヒドロキシカルボン酸系ブロック」或いは単に「ブロック(A’)」という。)と、ポリオキシトリメチレングリコール系樹脂である樹脂(B)由来のブロック(以下「ポリオキシトリメチレングリコール系ブロック」或いは単に「ブロック(B’)」という。)とが結合してなるブロック共重合体(以下「本発明の共重合体」と言う場合がある。)を含有する。以下、この本発明の共重合体について、詳しく説明する。
ブロック(A’)は、上記構成単位(1)以外に、その他の一種又は二種以上の構成単位を有していてもよい。他の構成単位の種類は制限されないが、例としては上記〔1−1.樹脂(A)〕の欄で例示した、構成単位(1)以外の構成単位が挙げられる。
ブロック(B’)は、上記構成単位(2)以外に、その他の一種又は二種以上の構成単位を有していてもよい。他の構成単位の種類は制限されないが、例としては上記〔1−2.樹脂(B)〕の欄で例示した、構成単位(2)以外の構成単位が挙げられる。
。本発明の共重合体が二つ以上のブロック(A’)を有する場合、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
また、本発明の共重合体が有するブロック(B’)の数も、一つでもよく、二つ以上でもよい。本発明の共重合体が二つ以上のブロック(B’)を有する場合、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
また、本発明の共重合体は、ブロック(A’)及びブロック(B’)の他に、その他の一又は二以上のブロックを有していてもよい。
本発明の共重合体における各ブロックの結合順も任意である。
上記方法で得られた樹脂組成物は、上述のように、様々な用途に供することが可能であるが、その際には、所望の形状に成形し、成形体として用いる。本発明に記載の方法で得られた樹脂組成物は成形性に優れているため、容易且つ良好に成形することができる。本発明の樹脂組成物を成形して成形体とする際には、その手法は特に制限されず、公知の各種の成形法を用いることが可能である。好ましい例としては、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等が挙げられる。また、成形体の形状も制限されず、用途に応じて適宜選択すればよい。この中でも射出成形法がより好ましい。
各実施例及び各比較例における各種物性は、下記手順で測定した。
樹脂サンプル0.2gをフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンを1:1で混合した溶媒40mlに、150℃で攪拌しながら15分間かけて溶解し、この溶液の30℃における還元粘度(ηsp/C)を、ウベローデ型粘度計(センテック製全自動粘度計D T610)を用いて測定した。ただし、C:溶液濃度(g/dL)とする。
粘弾性スペクトロメーター(セイコー電子工業製DMS200)を用いて、降温速度2℃/分、振動数1Hzにて、樹脂サンプルの貯蔵弾性率(E’)を測定した。
なお、樹脂サンプルは、実施例・比較例記載の射出成型品からの切り出しにより準備した。
PLAおよびPGAの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定した。
PLAについては、以下の条件で測定を行った。
試料は移動相に溶解後、0.45μmPTFEフィルターでろ過し測定に供した。
装置 ;Tosoh HLC-8220 GPC
検出器 ;RI(内蔵)
移動相 ;CHCl3 特級(和光純薬)
流速 ;1.0mL/分
注入 ;0.1wt%×100μL
カラム ;PL 10μ Mixed B (30cm×2)
カラム温度 ;40℃
較正試料 ;単分散ポリスチレン
較正法 ;ポリスチレン換算
較正曲線近似式;3次式
PGAは、以下の条件で測定を行った。
試料は移動相に溶解後、0.45μmPTFEフィルターでろ過し測定に供した。
装置 ;Tosoh HLC-8220 GPC
検出器 ;RI(内蔵)
移動相 ;HFIP(トリフルオロ酢酸ナトリウム5mM添加)
HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)はセントラル硝子製
トリフルオロ酢酸ナトリウムは関東化学製
流速 ;0.2mL/分
注入 ;0.1wt%×10μL
カラム ;Tosoh TSKgel GMHhr-M (15cm×2)
カラム温度 ;40℃
較正試料 ;単分散PMMA
較正法 ;PMMA換算
較正曲線近似式;3次式
樹脂組成物の構成成分として、ポリオキシトリメチレングリコール(Mn=3320)を下記の手順により合成した。
シェル社製の1,3−プロパンジオール300g(3.94mol)を、蒸留管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた400mlセパラブルフラスコに、窒素を150Nml/分で供給しながら仕込んだ。これに0.146g(1.38mmol)の炭酸ナトリウムを仕込んだ後、攪拌しつつゆっくりと2.84g(0.0275mol)の濃硫酸(95%)を添加した。このフラスコをオイルバス中に浸し162℃に加熱した。液温を162℃±1℃に調節して46時間保持して反応させた後、フラスコをオイルバスから取り出し、室温まで放置して冷却した。反応の間に生成した水は窒素に同伴させて留去した。室温まで冷却された反応液のうち50gを300mlのナス型フラスコに移し、これに50gの脱塩水および50gのテトラヒドロフランを加えて1時間緩やかに還流させて硫酸エステルの加水分解を行った。室温まで放冷して冷却した後、2層に分離した下層(水相)を除去した。上層(油相)に1.0gの水酸化カルシウムを添加して室温で1時間攪拌した後、50gのトルエンを加えて60℃に加熱して減圧下にテトラヒドロフラン、水及びトルエンを留去した。得られた油層を100gのトルエンに溶解し、0.45μmのフィルターで濾過して不溶物を除去した。60℃に加熱して減圧下にてトルエンを留去し、60℃にて4時間真空乾燥したものをポリオキシトリメチレングリコールとした。その後、得られたポリオキシトリメチレングリコールの水酸基価を前述の末端基滴定法により求め、その値から数平均分子量(Mn)を算出した。
窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に、ポリ乳酸(三井化学製LACEA H−10
0、数平均分子量86000)65部、及び合成例1で得られたポリオキシトリメチレングリコール(数平均分子量3320)35部を仕込み、更にテトラ−n−ブチルチタネート(キシダ化学製)0.03部とイルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製酸化防止剤)0.27部を加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、20Paの減圧下で80℃から190℃まで30分かけて昇温し、ポリ乳酸を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で1時間混合した。ラクチドの昇華が確認された時点で混合を終了し、内容物(樹脂組成物)を取り出した。
次いで、得られた樹脂組成物30部とポリ乳酸70部を、窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、乾燥窒素で復圧し、窒素気流下で80℃から190℃まで30分かけて昇温し、内容物を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で10分混練し、十分混練された内容物(実施例1の樹脂組成物)を取り出しペレット化した。その後、この樹脂ペレットを用いて、20t射出成形機(金型温度:70℃)にて、80mm×100mm×厚さ1.0mmの平板を成型し、物性測定に供した。
[実施例2]
窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に、ポリ乳酸(三井化学製LACEA H−10
0、数平均分子量86000)65部、及び合成例1で得られたポリオキシトリメチレングリコール(数平均分子量3320)35部を仕込み、更にテトラ−n−ブチルチタネート(キシダ化学製)0.03部とイルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製酸化防止剤)0.27部を加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、20Paの減圧下で80℃から190℃まで30分かけて昇温し、ポリ乳酸を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で1時間混合した。ラクチドの昇華が確認された時点で混合を終了し、内容物(樹脂組成物)を取り出した。
次いで、得られた樹脂組成物99部とヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成)1部を、窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に加え、窒素気流下で25℃から190℃まで30分かけて昇温し、内容物を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で10分混練し、十分混練された内容物を取り出しペレット化した。その後、この樹脂ペレットを用いて、20t射出成形機(金型温度:70℃)にて、80mm×100mm×厚さ1.0mmの平板を成型し、物性測定に供した。
[合成例2]
窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に、グリコリド(和光純薬工業)10g、塩化スズ2水和物(和光純薬工業)0.01gを仕込み、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、20Paの減圧下で80℃から172℃まで30分かけて昇温し、グリコリドを融解せしめた。そのまま、172℃で7時間反応せしめ、ポリグリコール酸(PGA)を得た。GPCによる数平均分子量は、63000であった。
[実施例3]
窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に、合成例2で得たPGA65部、ポリオキシトリメチレングリコール(数平均分子量3320)35部を仕込み、更にテトラ−n−ブチルチタネート(キシダ化学製)0.03部とイルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製酸化防止剤)0.27部を加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、20Paの減圧下で80℃から250℃まで30分かけて昇温し、PGAを融解せしめた。その後、撹拌を開始し、250℃で1時間混合した。
次いで、得られた樹脂組成物30部とPGA70部を、窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、乾燥窒素で復圧し、窒素気流下で80℃から250℃まで30分かけて昇温し、内容物を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、250℃で10分混練し、十分混練された内容物を取り出しペレット化した。その後、この樹脂ペレットを用いて、20t射出成形機(金型温度:70℃)にて、80mm×100mm×厚さ1.0mmの平板を成型し、物性測定に供した。
実施例2において、ポリオキシトリメチレングリコールをPEG(和光純薬工業、数平均分子量3000)にした以外は同様にして合成を行いペレット化した。その後、この樹脂ペレットを用いて、20t射出成形機(金型温度:70℃)にて、80mm×100mm×厚さ1.0mmの平板を成型し、物性測定に供した。
[比較例2]
窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に、L−ラクチド(東京化成)35部、ポリオキシトリメチレングリコール(数平均分子量3320)65部を仕込み、更にオクタン酸スズ(東京化成)0.03部とイルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製酸化防止剤)0.27部を加え、20Paの減圧下、80℃で3時間減圧乾燥した。その後、80℃から190℃まで30分かけて昇温し、L−ラクチドを融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で3時間混合したのち、内容物を取り出した。
次いで、得られた樹脂組成物99部とヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成)1部を、窒素導入口及び減圧口を供えた反応器に加え、窒素気流下で25℃から190℃まで30分かけて昇温し、内容物を融解せしめた。その後、撹拌を開始し、190℃で10分混練し、十分混練された内容物を取り出しペレット化した。その後、この樹脂ペレットを用いて、20t射出成形機(金型温度:70℃)にて、80mm×100mm×厚さ1.0mmの平板を成型しようとしたが、金型から成型品が容易には離型しなかったため、外観良好な射出成型品を得ることは出来なかった。
、具体的には、繊維、フィルム、シート、チューブ、工業用部品、自動車部品及び電気電子部品など多方面に使用することができる。具体的な用途としては、例えば、衣料用繊維や各種フィルター等の繊維製品、二軸延伸フィルムや導電性フィルム等のフィルム製品、油圧用ホースや空圧用ホース等の各種ホース、等速ジョイントブーツ、サスペンジョンブーツ等の自動車部品、各種シール・パッキン、フレキシブルカップリング、コンベアベルト、タイミングベルト、圧縮バネ等の工業用部品、ギア等の精密機械部品、携帯電話ハウジング、制震材、防震材、キーボードパット、導電性パッド、OAロール、電話機カールコード等の電気・電子部品、ヘアーブラシ、ホットカーラー、スキー靴底、靴インナーソール、冷食品用包装材等の生活用品等の用途に用いられる。
Claims (4)
- 下記式(1)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量5000以上50万以下のポリヒドロキシカルボン酸系樹脂(A)と、下記式(2)で表わされる構成単位を主たる構成単位として含む数平均分子量400以上50万以下のポリオキシトリメチレングリコール系樹脂(B)とを少なくとも含む樹脂組成物からなる成型体であって、(A)及び(B)の合計に対する(B)の比率が1重量%以上65重量%以下であり、−25℃での貯蔵弾性率(E’-25)と25℃での貯蔵弾性率(E’25)の比が、E
’-25/E’25<2であることを特徴とする成型体。
ただし、上記式中のRは、
Hまたは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基
を表す。
- ポリエステル系樹脂(A)の主たる構成単位が、式(1)中のRがH又はメチル基であることを特徴とする、請求項1に記載の成型体。
- −25℃での貯蔵弾性率(E‘)が4.5GPa以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成型体。
- 射出成型体である、請求項1〜3にいずれかに記載の成型体。
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