JP2008246434A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の処理において、軟化装置及び酸化装置を設ける必要がなく、又は、軟化装置を小型化することができ、汚泥の発生量を低減可能とする水処理方法を提供する。
【解決手段】フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水に含まれるアンモニア性窒素の少なくとも一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、アンモニア性窒素を電子供与態とし、亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、脱窒反応後にフッ素を処理するフッ素処理工程と、を含む水処理方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の水処理方法及び水処理装置に関する。
一般に、原水中のアンモニア性窒素は、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化し、更にこの亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、これらの亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌により、メタノール等の有機物を電子供与体として利用して窒素ガスにまで分解する脱窒工程との2段階の生物反応を経て窒素ガスにまで分解される。
これに対して、近年、排水処理プロセスの効率化等の観点から、硝化工程においてアンモニア性窒素の酸化が亜硝酸性窒素までで止まるように制御を行う亜硝酸型硝化を利用した処理法や、独立栄養性脱窒微生物(以下「ANAMMOX微生物」と称す場合がある。)を利用した処理法が提案されている。
そして、例えば、亜硝酸型硝化を利用すれば、後段の脱窒工程において添加するメタノール量を削減することが可能となり、低コストで効率的な排水処理システムの構築が可能となる。
また、ANAMMOX微生物を利用した処理方法においては、アンモニア性窒素の一部を亜硝酸型硝化し、以下のようなANAMMOX反応によりアンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸型硝化された亜硝酸性窒素を電子受容体として脱窒することから、メタノール等の有機物の添加が不要となり、また、独立栄養性の細菌であることから菌体転換率が低く余剰汚泥の発生量が少ないため、効率的な処理システムの構築が可能となる。
NH + 1.32NO → N + 0.26NO + 2H
そして、これらの処理においては、硝化工程において亜硝酸型硝化が起こるように制御する必要があることから、炭酸塩や重炭酸塩の添加によるpHの制御、空気量の制御等により亜硝酸型硝化を行う方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、エレクトロニクス工場等から排出される、窒素とフッ素を含有した原水の処理においては、フッ素濃度が低いとき(例えば10mgF/L以下)には生物学的窒素除去法による窒素除去を行った後にキレート樹脂等を用いた吸着法によるフッ素除去を行うこともあるが、数十〜数百mgN/Lの窒素及び数十〜数百mgF/Lのフッ素を含む原水中からの窒素及びフッ素の除去は、生物学的窒素除去法とカルシウム化合物を用いたフッ素除去法とを組み合わせて行うのが一般的とされてきた。
そして、フッ素は生物学的処理反応を阻害するため、カルシウム化合物によるフッ素除去は生物学的窒素除去の前段で行い、その後に窒素の生物学的処理を行う必要があった。しかしここで、カルシウム化合物によるフッ素除去を行う際には、原水中に含まれるフッ素に対して過剰量のカルシウムを添加する必要があり、そのため、フッ素除去の際に添加された過剰なカルシウムの存在により、亜硝酸型硝化工程において原水に対して炭酸塩又は重炭酸塩添加によるpH制御を行う場合には炭酸カルシウムが析出してしまうという問題点があった。
そのため、フッ素除去工程と亜硝酸型硝化工程との間にカルシウムを除去するための軟化装置を設け亜硝酸型硝化工程の前にカルシウムを除去する手法や、アンモニア酸化細菌がフッ素に対してある程度の耐性を持つことから、亜硝酸型硝化を行った後にカルシウム化合物によるフッ素処理及び脱窒処理を行う手法(例えば、特許文献2参照)により、亜硝酸型硝化工程において炭酸塩又は重炭酸塩添加によるpH制御を行う方法が用いられてきた。
特開2006−167549号公報 特開平8−141597号公報
しかしながら、フッ素除去工程と亜硝酸型硝化工程との間に軟化処理によりカルシウムを除去する方法では、軟化装置を設置する必要がある。また、通常、カルシウムの除去は炭酸塩又は重炭酸塩を添加することで炭酸カルシウムを析出させることにより行われることから、軟化のために薬剤添加が必要であり、また、軟化により発生する汚泥の処理を行う必要があり、汚泥処理のための設備や費用が必要となるため、コストが高くなるといった問題があった。
また、特許文献2の方法では、脱窒処理において添加された過剰のメタノール等の水素供与体の分解を行うために酸化処理が必要であり、酸化処理のための設備や費用、また酸化処理により発生する汚泥処理のための設備や費用が必要となるため、コストが高くなるといった問題があった。
本発明は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の処理において、フッ素処理に際して添加されるカルシウム等の軟化処理のための軟化装置及び脱窒処理に際して添加される過剰の水素供与体の酸化処理のための酸化装置を設ける必要がなく、又は、軟化装置を小型化することができ、軟化装置及び酸化装置から発生する汚泥の発生量を低減可能とする水処理方法及び水処理装置である。
本発明は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、前記アンモニア性窒素を電子供与体とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、を含む水処理方法である。
また、前記水処理方法において、前記被処理水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲であることが好ましい。
また、前記水処理方法において、前記被処理水中のフッ素濃度が400mg/L以下となるように調整する調整工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化手段と、前記アンモニア性窒素を電子供与体とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒手段と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理手段と、を有する水処理装置である。
また、前記水処理装置において、前記被処理水中のフッ素濃度が400mg/L以下となるように調整する調整手段を有することが好ましい。
本発明では、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の処理において、フッ素処理より前段で独立栄養性脱窒微生物による脱窒処理を行うことにより、軟化装置及び酸化装置を設ける必要がなく、又は、軟化装置を小型化することができ、軟化装置及び酸化装置から発生する汚泥の発生量を低減可能とする水処理方法及び水処理装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。水処理装置1は、亜硝酸化装置10と、脱窒装置12と、フッ素処理装置14とを備える。図1の水処理装置1において、亜硝酸化装置10の出口と脱窒装置12の入口、脱窒装置12の出口とフッ素処理装置14の入口がそれぞれ配管等により接続されている。
次に、本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置1の動作について説明する。まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水(被処理水)を亜硝酸化装置10に送液し、亜硝酸化装置10において、硝化菌を用いて被処理水に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する(亜硝酸化工程)。次に、脱窒装置12において、亜硝酸化処理水に残ったアンモニア性窒素を電子供与態とし、亜硝酸化工程において亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物(ANAMMOX微生物)により脱窒反応を行う(脱窒工程)。そして、脱窒反応後にフッ素処理装置14において脱窒処理水にカルシウム化合物を添加してフッ素を処理し(フッ素処理工程)、処理水を得る。フッ素処理工程において生成した汚泥は系外に排出する。
このように、フッ素処理工程より前段側で独立栄養性脱窒微生物による脱窒処理を行うことにより、軟化装置及び酸化装置を設ける必要がなく、汚泥の発生量を低減することができる。
本実施形態において処理対象となる原水に含まれるフッ素は、フッ酸やフッ素化合物等に起因するものである。
また、本実施形態において処理対象となる原水に含まれるアンモニア性窒素は、アンモニア、アンモニウム系化合物、アミン系化合物、例えばTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、MEA(モノエタノールアミン)、その他アミノ酸等の有機性窒素化合物に起因するものであり、亜硝酸化工程において一部が亜硝酸性窒素に酸化される。
本実施形態において処理対象となるフッ素とアンモニア性窒素を含む原水としては特に制限はないが、例えば液晶工場排水、半導体工場排水等の電子産業排水、金属表面化工排水、火力発電所排水等が挙げられる。
亜硝酸化工程において用いる硝化菌としては、アンモニア酸化細菌等の独立栄養性細菌を用いることができる。
亜硝酸化装置10としては、例えば、生物膜式の生物学的硝化装置を用いることができる。この生物学的硝化装置は、例えば、担体に硝化菌を含む微生物膜を担持させてなる微生物担持体やグラニュールを反応槽内に充填するとともに、反応槽の下部に反応槽内の原水に空気を供給する空気供給管を連結したものである。フッ素とアンモニア性窒素を含む原水を原水導入管から亜硝酸化装置10の反応槽内に導入し、微生物担持体に担持されている硝化菌の働きによって原水中のアンモニア性窒素の一部が亜硝酸性窒素に硝化され、亜硝酸化処理水を配管を介して次の脱窒装置12に送液する。
なお、アンモニア性窒素の一部を亜硝酸化するには、原水の全てを亜硝酸化装置10に供給し一部を亜硝酸化する方法の他、原水の一部を亜硝酸化装置10に供給し亜硝酸化した後に亜硝酸化を行っていない原水と混合してもよい。
亜硝酸化装置10において、pH調整手段により、アルカリ等のpH調整剤を添加し、槽内pHを亜硝酸型硝化に好適なpH、即ち、pH7.0〜8.5に維持することが好ましい。ここでpH調整手段により添加するアルカリとしては、水酸化ナトリウム(NaOH)等の強アルカリも挙げられるが、炭酸ナトリウム等の炭酸塩や重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩を用い、炭酸塩や重炭酸塩のpH緩衝能によって生物膜内でのpHの低下を防止して、亜硝酸型硝化を維持することが好ましい。これにより、原水中のアンモニア性窒素の一部、例えば約50%が亜硝酸性窒素に硝化される。
次に、脱窒装置12において、亜硝酸化処理水に残ったアンモニア性窒素を電子供与態とし、亜硝酸化工程において亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として前記反応式のように、独立栄養性脱窒微生物(ANAMMOX微生物)により脱窒反応が行われる。脱窒菌である独立栄養性脱窒微生物の働きによって、亜硝酸化処理水中のアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素が窒素ガスに還元される。
この独立栄養性脱窒微生物により脱窒処理する方法は、有機物の添加が不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるNOの発生がほとんどなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
脱窒装置12において、例えば、亜硝酸化工程からの亜硝酸化処理水を配管を介して反応槽内に上向流にて通水し、この反応槽内には独立栄養性脱窒微生物のフロックが存在しており、この独立栄養性脱窒微生物により脱窒処理される。脱窒処理水を配管を介して次のフッ素除去装置14に送液する。
フッ素処理工程については特に限定はないが、例えば、脱窒工程からの脱窒処理水中にカルシウム化合物を添加し、下記反応式に示す反応によりフッ化カルシウム(CaF)を生成させてそれを分離することによりフッ素を除去する。
Ca2+ + 2F → CaF
フッ素処理装置14において、例えば、脱窒処理水を配管を介して反応槽に供給し、添加したカルシウム化合物により、フッ素とイオン状のカルシウムからフッ化カルシウムを形成する。フッ化カルシウム及びフッ素が除去された処理水は系外へ排出される。ここで、反応槽においてカルシウム化合物とともに、凝集剤等を添加してもよい。
また、フッ素処理装置14は、反応槽と沈殿槽とを備えるものであってもよく、反応槽において脱窒処理水にカルシウム化合物、凝集剤等を添加し、沈殿槽において凝集、沈降分離を行ってもよい。さらに、フッ素処理装置14は、第1反応槽と第2反応槽と沈殿槽とを備えるものであってもよく、第1反応槽で脱窒処理水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを生成させ、第2反応槽で凝集剤等を添加してフロックを強固にし、沈殿槽で沈降分離を行ってもよい。なお、反応槽には槽内の水の撹拌を行う撹拌機構が設けられてもよい。
脱窒処理水に添加するカルシウム化合物は、フッ素イオンをフッ化カルシウムとして折出できるものであればよく特に制限はないが、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)、硫酸カルシウム(CaSO)等が挙げられる。また、凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム等の無機系凝集剤や陰イオン性ポリマー等の有機高分子凝集剤等を用いることができる。凝集剤は、折出したフッ化カルシウムを凝集して粗大化し、沈殿槽での固液分離を容易にする。なお、固液分離は、沈殿槽によらず膜分離装置や晶析装置などの他の任意の手段で行ってもよい。
本実施形態では、原水中のフッ素による独立栄養性脱窒微生物の阻害が小さい条件下でフッ素及びアンモニア性窒素含有原水の処理を行う点が重要である。
ここで、独立栄養性脱窒微生物を用いた脱窒処理は従属栄養性脱窒微生物を用いた従来の脱窒処理法と比較し、2倍以上の負荷で運転が可能であり、装置の設置面積も50%以上削減可能である。そのため、独立栄養性脱窒微生物の処理速度が50%以下まで低下しないような条件下で処理を行えば、従来法と同等以下の設置面積、コストにおいて汚泥発生を抑制して運転することが可能となる。
そこで、原水のフッ素濃度が独立栄養性脱窒微生物に与える影響について試験を行い、フッ素が含有されていない原水を処理した場合と比較し、独立栄養性脱窒微生物の処理速度が50%以下まで低下しないフッ素濃度(mgF/L)範囲を検討したところ(詳細は後述する実施例参照)、100mgF/L以下の範囲では処理速度はフッ素が含有されていない条件と殆ど同様であり、200〜400mgF/Lの範囲ではフッ素の阻害により処理速度が約50〜60%低下し、500mgF/Lを超えた条件においては、フッ素が含有されていない条件と比較し処理速度が約30%以下まで低下することがある。
したがって、原水のフッ素濃度が400mgF/L以下のフッ素含有原水に対して、亜硝酸化、独立栄養性脱窒微生物による脱窒化の後にカルシウム化合物によるフッ素処理を行うことが、スケーリングを起こすことなく、フッ素処理の際に添加した過剰カルシウムの軟化が不要で汚泥の発生及び薬剤添加量を低減した処理が可能となるため好ましい。
すなわち、原水中のフッ素濃度については特に制限はないが、10〜400mgF/Lの範囲であることが好ましく、10〜100mgF/L範囲であることがより好ましく、10〜50mgF/Lの範囲であることがさらに好ましい。この範囲とすることにより、独立栄養性脱窒微生物の活性低下を抑制して原水を処理することができる。
また、以上の点から、フッ素濃度が400mgF/Lを超える排水に対しては、亜硝酸化工程の前に、例えば、原水を希釈する方法、原水を前処理してフッ素の一部を除去する方法等により、被処理水中のフッ素濃度を400mg/L以下、好ましくは10〜400mg/L、より好ましくは10〜100mg/L、さらに好ましくは10〜50mg/Lとなるように調整する(調整工程)ことが好ましい。このように調整することにより独立栄養性脱窒微生物の活性低下を抑制しつつ、カルシウム汚泥の発生を抑制し、薬剤添加量を低減し、処理費用を低減することができる。
原水を希釈する方法の場合、本実施形態に係る水処理方法は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水を希釈する希釈工程と、前記希釈した希釈処理水(被処理水)に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、前記アンモニア性窒素を電子供与態とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、を含み、前記希釈処理水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲である水処理方法である。
希釈水としては、純水や工業用水だけでなく、窒素処理設備の処理水や、フッ素を含まないアンモニア性窒素含有原水でもよい。スケーリング防止等の点から希釈水のCa濃度は希釈後の原水中のCa濃度が50mg/L以下であるような濃度であることが好ましく、希釈後の原水中のCa濃度が35mg/Lであるような濃度であることがより好ましい。
また、原水を前処理してフッ素の一部を除去する方法の場合、例えば、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水を前処理してフッ素の一部を除去するフッ素前処理工程と、前記前処理したフッ素前処理水(被処理水)に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、前記アンモニア性窒素を電子供与態とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、を含み、前記フッ素前処理水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲である水処理方法とすることができる。
原水を前処理してフッ素の一部を除去する方法としては、例えば、フッ素及びアンモニア性窒素含有原水に含有されるフッ素の当量と同程度あるいはそれより少ないカルシウム化合物を添加して前処理し、フッ素濃度を400mgF/L以下にする方法が挙げられる。
図2に本方法による水処理装置の一例の概略を示す。水処理装置2は、亜硝酸化装置10と、脱窒装置12と、フッ素処理装置14と、フッ素前処理装置であるフッ素前除去装置16及び軟化装置18とを備える。図2の水処理装置2において、フッ素前除去装置16の出口と軟化装置18の入口、軟化装置18の出口と亜硝酸化装置10の入口、亜硝酸化装置10の出口と脱窒装置12の入口、脱窒装置12の出口とフッ素処理装置14の入口がそれぞれ配管等により接続されている。
まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水をフッ素前除去装置16に送液し、フッ素前除去装置16において含有フッ素の当量に満たないカルシウム化合物を添加してフッ素の一部を除去する(フッ素前除去工程)。生成したフッ化カルシウムは系外へ排出する。次に、フッ素前除去工程において得られたフッ素前除去水を軟化装置18に送液し、軟化装置18において炭酸ナトリウム等の炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを形成する(軟化工程。フッ素前除去工程と合わせてフッ素前処理工程と呼ぶ。)。生成した炭酸カルシウムは系外へ排出し、軟化されたフッ素前処理水は被処理水(フッ素濃度400mgF/L以下)として、亜硝酸化装置10に送液し、以降上記と同様に亜硝酸化処理、脱窒処理、フッ素処理を行う。
図2のような方法では、原水に含まれるフッ素の一部を前処理するので、軟化に必要な炭酸ナトリウム等の炭酸塩の量、及び汚泥(フッ化カルシウム及び炭酸カルシウム含有汚泥)の発生量は少なくてすむ。
通常、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムとしてフッ素を除去する場合には、処理水にカルシウムが300〜400mg/L残留するようにカルシウム化合物を過剰に添加することで、処理水のフッ素濃度を10〜15mg/Lまで低減することができる。フッ化カルシウムの溶解度は、溶解度=[Ca][F]で一定なので、処理水にカルシウムが10〜20mg/L残留するようにやや過剰にカルシウム化合物を添加した場合、処理水のフッ素濃度を50〜100mg/L程度まで低減させることができる。また、カルシウム化合物を含有フッ素の当量分だけ添加した場合でも、処理水のフッ素濃度を100〜200mg/L程度まで低減させることができる。
また、原水を前処理してフッ素の一部を除去する方法としては、例えば、フッ素及びアンモニア性窒素含有原水に含有されるフッ素の一部を分離して、フッ素濃度を400mgF/L以下にする方法が挙げられる。
図3に本方法による水処理装置の一例の概略を示す。水処理装置3は、亜硝酸化装置10と、脱窒装置12と、フッ素処理装置14と、フッ素前処理装置であるフッ素分離装置20とを備える。図3の水処理装置3において、フッ素分離装置20の出口と亜硝酸化装置10の入口、亜硝酸化装置10の出口と脱窒装置12の入口、脱窒装置12の出口とフッ素処理装置14の入口がそれぞれ配管等により接続されている。また、フッ素除去手段であるフッ素除去装置22及び軟化装置24を備え、フッ素分離装置20のもう一つの出口とフッ素除去装置22の入口、フッ素除去装置22の出口と軟化装置24の入口がそれぞれ配管等により接続されている。
まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水をフッ素分離装置20に送液し、フッ素分離装置20においてフッ素の一部を分離する(フッ素分離工程(フッ素前処理工程))。フッ素の一部が分離されたフッ素前処理水を被処理水(フッ素濃度400mgF/L以下)として、亜硝酸化装置10に送液し、以降上記と同様に亜硝酸化処理、脱窒処理、フッ素処理を行う。一方、フッ素分離装置20においてフッ素が濃縮されたフッ素濃縮水をフッ素除去装置22に送液し、カルシウム化合物を添加してフッ素の少なくとも一部を除去する(フッ素除去工程)。生成したフッ化カルシウムは系外へ排出する。次に、フッ素除去工程において得られたフッ素除去水を軟化装置24に送液し、軟化装置24において炭酸ナトリウム等の炭酸塩、硫酸ナトリウム等の硫酸塩等を添加して炭酸カルシウムや硫酸カルシウム等を形成する(軟化工程)。生成した炭酸カルシウム及び軟化された軟化処理水は系外へ排出する。
本方法ではフッ素分離装置20により、原水からフッ素の一部を分離する。フッ素分離装置20によってアンモニア性窒素がフッ素と共に分離される場合には、図4に示すように、フッ素除去装置22及び軟化装置24によりフッ素濃縮水からフッ素を除去した後、軟化処理水をフッ素前処理水と混合して被処理水とすればよい。
フッ素分離装置20としては、RO膜(逆浸透膜)、NF膜(ナノ濾過膜)だけでなく、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂、フッ素吸着剤、電気式脱イオン装置など、フッ素前処理水(被処理水)のCa濃度を大きく上昇させない手段であれば、特に限定はされないが、コストや設置スペースの観点から、RO膜やNF膜が好ましい。
図3及び図4の方法を採用した場合には、被処理水のフッ素濃度が比較的低いので、独立栄養性脱窒微生物による処理(ANAMMOX処理)だけでなく、通常の従属栄養性細菌による処理でも処理可能であるが、ANAMMOX処理の方が処理速度が大きいため好ましい。また、被処理水のカルシウム濃度が低減されていることから、特に嫌気性のANAMMOX微生物による処理の場合に有効である。これは、嫌気性のANAMMOX処理では、ANAMMOX微生物の炭素源として、二酸化炭素(CO)や炭酸ナトリウム(NaCO)を使用するため、被処理水のカルシウム濃度が高いと炭酸カルシウム(CaCO)のスケールが発生しやすいためである。なお、フッ素除去装置22及び軟化装置24の代わりに、図5、図6に示すように凝集沈殿装置や晶析装置等のフッ素除去手段26を用いてもよい。
また、例えば、フッ素及びアンモニア性窒素含有原水の一部をフッ素分離手段等により前処理し、その前処理水を希釈水として原水を希釈する方法により、被処理水のフッ素濃度を400mgF/L以下にしてもよい。
すなわち、本実施形態に係る水処理方法は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の一部を前処理するフッ素前処理工程と、前記前処理されたフッ素前処理水により残りの原水を希釈し、前記希釈した被処理水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、前記アンモニア性窒素を電子供与態とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、を含み、前記被処理水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲である水処理方法である。
図7に本方法による水処理装置の一例の概略を示す。水処理装置7は、亜硝酸化装置10と、脱窒装置12と、フッ素処理装置14と、フッ素前処理装置であるフッ素分離装置20とを備える。図7の水処理装置7において、原水流入菅は亜硝酸化装置10の入口、フッ素分離装置20の入口にそれぞれ接続されている。フッ素分離装置20の出口と亜硝酸化装置10の入口、亜硝酸化装置10の出口と脱窒装置12の入口、脱窒装置12の出口とフッ素処理装置14の入口がそれぞれ配管等により接続されている。また、フッ素除去手段であるフッ素除去装置22及び軟化装置24を備え、フッ素分離装置20のもう一つの出口とフッ素除去装置22の入口、フッ素除去装置22の出口と軟化装置24の入口がそれぞれ配管等により接続されている。軟化装置24の出口は亜硝酸化装置10とフッ素分離装置20とを接続する配管等の途中に配管等により接続されているがこれに限るものではなく、亜硝酸化装置10の入口に接続されてもよい。
まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の一部をフッ素分離装置20に送液し、フッ素分離装置20においてフッ素の一部を分離する(フッ素分離工程)。フッ素の一部が分離されたフッ素前処理水を亜硝酸化装置10に送液し、一方、フッ素分離装置20においてフッ素が濃縮されたフッ素濃縮水をフッ素除去装置22に送液し、カルシウム化合物を添加してフッ素の少なくとも一部を除去する(フッ素除去工程)。生成したフッ化カルシウムは系外へ排出する。次に、フッ素除去工程において得られたフッ素除去水を軟化装置24に送液し、軟化装置24において炭酸ナトリウム等の炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを形成する(軟化工程。フッ素分離工程、フッ素除去工程と合わせてフッ素前処理工程と呼ぶ。)。生成した炭酸カルシウムは系外に排出し、軟化された軟化処理水はフッ素前処理水と混合する。また、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の残りを亜硝酸化装置10に送液し、亜硝酸化処理する。このように、フッ素前処理水及び軟化処理水により残りの原水を希釈して被処理水(フッ素濃度400mgF/L以下)として、以降上記と同様に亜硝酸化処理、脱窒処理、フッ素処理を行う。
また、原水を前処理してフッ素の一部を除去する方法としては、例えば、フッ素及びアンモニア性窒素含有原水の一部をカルシウム化合物を添加して前処理し、残りの原水を亜硝酸化処理し、フッ素前処理水と亜硝酸化処理水とを混合して被処理水中のフッ素濃度を400mgF/L以下にする方法が挙げられる。
すなわち、本実施形態に係る水処理方法は、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の一部を前処理するフッ素前処理工程と、残りの原水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、前記前処理されたフッ素前処理水と前記亜硝酸化された亜硝酸化処理水とを混合し、前記アンモニア性窒素を電子供与態とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、を含み、前記混合した混合水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲である水処理方法である。
図8に本方法による水処理装置の一例の概略を示す。水処理装置8は、亜硝酸化装置10と、脱窒装置12と、フッ素処理装置14と、フッ素前処理装置であるフッ素前除去装置16及び軟化装置18とを備える。図8の水処理装置8において、原水流入菅が2つに分かれ、亜硝酸化装置10の入口及びフッ素前除去装置16の入口にそれぞれ接続されている。また、フッ素前除去装置16の出口と軟化装置18の入口、亜硝酸化装置10の出口と脱窒装置12の入口、脱窒装置12の出口とフッ素処理装置14の入口がそれぞれ配管等により接続されている。軟化装置18の出口は亜硝酸化装置10と脱窒装置12とを接続する配管等の途中に配管等により接続されているがこれに限るものではなく、脱窒装置12の入口に接続されてもよい。原水流入菅は、バルブ等(図示せず)により流路を切り替えられるようになっている。
まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する原水の一部をフッ素前除去装置16に送液し、フッ素前除去装置16においてカルシウム化合物を添加してフッ素の少なくとも一部を除去する(フッ素前除去工程)。生成したフッ化カルシウムは系外へ排出する。次に、フッ素前除去工程において得られたフッ素前除去水を軟化装置18に送液し、軟化装置18において炭酸ナトリウム等の炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを形成する(軟化工程。フッ素前除去工程と合わせてフッ素前処理工程と呼ぶ。)。生成した炭酸カルシウムは系外へ排出する。一方、原水の残りは亜硝酸化装置10に送液し、亜硝酸化処理を行う(亜硝酸化工程)。亜硝酸化処理された亜硝酸化処理水と、軟化されたフッ素前処理水とを混合して混合水(被処理水)として、脱窒装置12に送液する。一般に、亜硝酸化工程において用いられる硝化菌(亜硝酸菌等)はフッ素耐性が高いので、800mgF/L程度までであればフッ素前処理なしで亜硝酸化し、迂回させた一部の原水をフッ素前処理して脱窒装置12においてあるいは脱窒装置12への送液前に混合することにより、脱窒装置12におけるフッ素濃度を400mgF/L以下に調整することができる。以降上記と同様に脱窒処理、フッ素処理を行う。
なお、フッ素濃度の制御は、フッ素イオン電極等により原水中のフッ素濃度を測定することにより、フッ素前処理装置16に導入する原水量を自動制御すること等により行うことができる。
また、フッ素前処理を行っていない亜硝酸化処理水と混合することにより、フッ素前処理工程において過剰に添加したカルシウム濃度が低下し、炭酸塩の添加によっても炭酸カルシウムによるスケーリングが起こらない場合には、フッ素前処理を行ったフッ素前処理水中のカルシウムを除去することなく、フッ素前処理を行っていない亜硝酸化処理水と混合し、以降の処理を行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るフッ素及びアンモニア性窒素含有原水の処理方法及び装置によれば、カルシウム化合物によるフッ素処理より前段で独立栄養性脱窒微生物による脱窒処理を行うこととしたため、過剰に添加したカルシウムを除去する際に必要な薬剤添加や発生する汚泥を抑制することが可能となる。さらに、軟化装置及び酸化装置を設ける必要がなく、又は、軟化装置を小型化することができ、カルシウム等の汚泥及び過剰水素供与体に起因する汚泥の発生しない、又は、カルシウム等の汚泥の発生量を低減することが可能となる。これにより、独立栄養性脱窒微生物を用いたフッ素及びアンモニア性窒素含有原水の処理を低コスト、省スペースで実現することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、図1に示したものと同様の装置を用い、フッ素濃度100〜400mgF/Lのアンモニア性窒素及びフッ素含有原水に対して、亜硝酸化工程において重炭酸ナトリウムの添加やpH調整剤(塩酸及び水酸化ナトリウム)によるpH制御(pH=7.5〜8.0)、空気量の制御により原水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化した後に、ANAMMOX微生物によりアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素を脱窒化処理した。そして、その後に水酸化カルシウムの添加によりフッ素をフッ化カルシウムとして処理した。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。脱窒処理速度、炭酸カルシウム汚泥量、酸化槽におけるメタノール余剰汚泥量の結果を表1に示す。なお、脱窒処理速度は、下記の実施例7に示す方法により求め、以下の基準で評価した。
◎:F濃度10mgF/L以下の場合の従属栄養性細菌の脱窒処理速度の125%以上
○:F濃度10mgF/L以下の場合の従属栄養性細菌の脱窒処理速度の75%を超え125%未満
×:F濃度10mgF/L以下の場合の従属栄養性細菌の脱窒処理速度の75%以下
(実施例2)
フッ素濃度50以上100mgF/L未満のアンモニア性窒素及びフッ素含有原水を用いた以外は、実施例1と同様にして処理した。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3においては、図2に示したものと同様の装置を用い、フッ素濃度400mgF/L以上のアンモニア性窒素及びフッ素含有原水に対して、含有フッ素当量と同程度あるいはそれより少ない水酸化カルシウムを用いてフッ素前処理装置に導入しフッ素処理を行った後にカルシウムを炭酸ナトリウムの添加により除去した上で、被処理水のフッ素濃度を100〜400mgF/Lとして実施例1と同様の工程により処理を行った。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。結果を表1に示す。
(実施例4)
被処理水のフッ素濃度を50以上100mgF/L未満とした以外は、実施例3と同様にして処理した。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例5においては、図8に示したものと同様の装置を用い、フッ素濃度400mgF/L以上のアンモニア性窒素及びフッ素含有原水に対して、原水の一部を水酸化カルシウムを用いたフッ素前処理装置に導入しフッ素処理を行った後に過剰に添加したカルシウムを炭酸ナトリウムの添加により除去した上で、亜硝酸化処理を行った残りの原水(亜硝酸化処理水)と混合することにより被処理水のフッ素濃度を100〜400mgF/Lとして実施例1と同様の工程により処理を行った。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。結果を表1に示す。
(実施例6)
被処理水のフッ素濃度を50以上100mgF/L未満とした以外は、実施例5と同様にして処理した。これにより、清浄な処理水を得ることが出来た。結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1においては、図9に示したものと同様の装置を用いた。図9の水処理装置50により、フッ素処理装置28においてカルシウム化合物を添加して、フッ素濃度100〜400mgF/Lのアンモニア性窒素及びフッ素含有原水のフッ素を処理するフッ素処理(フッ素処理工程)、硝化装置30において硝化菌による硝化処理(硝化工程)、脱窒装置32において従属栄養性細菌(脱窒菌)によるメタノールを利用した脱窒処理(脱窒工程)、酸化装置34において過剰のメタノールの分解を行う酸化処理(酸化処理工程)を順次行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2においては、図10に示したものと同様の装置を用いた。図10の水処理装置51により、フッ素処理装置28においてカルシウム化合物を添加して、フッ素濃度100〜400mgF/Lのアンモニア性窒素及びフッ素含有原水のフッ素を処理するフッ素処理(フッ素処理工程)、軟化装置36において炭酸塩による軟化処理(軟化工程)、亜硝酸化装置38において硝化菌による亜硝酸化処理(亜硝酸化工程)、脱窒装置40においてANAMMOX微生物による脱窒処理(脱窒工程)を順次行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3においては、図11に示したものと同様の装置を用いた。図11の水処理装置52により、硝化装置30においてフッ素濃度100〜400mgF/Lのアンモニア性窒素及びフッ素含有原水の硝化菌による硝化処理(硝化工程)、フッ素処理装置28においてカルシウム化合物を添加して、フッ素を処理するフッ素処理(フッ素処理工程)、脱窒装置32において従属栄養性細菌(脱窒菌)によるメタノールを利用した脱窒処理(脱窒工程)、酸化装置34において過剰のメタノールの分解を行う酸化処理(酸化処理工程)を順次行った。結果を表1に示す。
Figure 2008246434
表1に示すように実施例1〜6の方法によれば、軟化装置及び酸化装置を設ける必要がなく、又は、軟化装置を小型化することができ、カルシウム等の汚泥及び過剰水素供与体に起因する汚泥の発生しない、又は、カルシウム等の汚泥の発生量を低減することが可能となった。
(実施例7)
次に、フッ素濃度が独立栄養性脱窒微生物に与える影響について試験を行い、フッ素が含有されていない原水を処理した場合と比較し、独立栄養性脱窒微生物の処理速度が50%以下まで低下しないフッ素濃度範囲を検討した。
試験は、事前に集積培養しておいた所定量のANAMMOX微生物を用い、窒素封入したバイアル瓶内で行った。
図12にフッ素濃度を変化させた合成排水を用いた場合の、フッ素濃度に対する処理速度の変化を示す。
なお、処理速度の算出は、所定時間ごとにバイアル瓶内の排水を採取し、液中のアンモニア性窒素(NH−N)濃度をインドフェノール青吸光光度法により、亜硝酸性窒素(NO−N)濃度をイオンクロマトグラフィ法により測定した結果から、単位時間当りの窒素減少量を算出し処理速度とした。
図12のグラフによると、200〜400mgF/Lの範囲において阻害により処理速度が低下している。そして、500mgF/Lを超えた条件においては、フッ素が含有されていない条件と比較し処理速度が30%以下まで低下している。一方、100mgF/L以下の範囲では処理速度はフッ素が含有されていない条件と殆ど同様である。
したがって、フッ素濃度が10〜400mgF/L、好ましくは10〜100mgF/Lのフッ素含有排水に対しては、亜硝酸化、独立栄養性脱窒微生物によるアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素の処理を行った後にカルシウム化合物によるフッ素処理を行うことにより、スケーリングを起こすことなく、フッ素処理の際に添加した過剰カルシウムの軟化が不要で汚泥の発生及び薬剤添加量をより低減した処理が可能となることがわかった。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の比較例1において使用した水処理装置を示す概略図である。 本発明の比較例2において使用した水処理装置を示す概略図である。 本発明の比較例3において使用した水処理装置を示す概略図である。 本発明の実施例7における、フッ素濃度に対する処理速度の変化を示す図である。
符号の説明
1,2,3,4,5,6,7,8,50,51,52 水処理装置、10,38 亜硝酸化装置、12,32,40 脱窒装置、14,28 フッ素処理装置、16 フッ素前除去装置、18,24、36 軟化装置、20 フッ素分離装置、22 フッ素除去装置、26 フッ素除去手段、30 硝化装置、34 酸化装置。

Claims (5)

  1. フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化工程と、
    前記アンモニア性窒素を電子供与体とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒工程と、
    前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水中のフッ素濃度が10〜400mg/Lの範囲であることを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項2に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水中のフッ素濃度が400mg/L以下となるように調整する調整工程を含むことを特徴とする水処理方法。
  4. フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水に含まれるアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化する亜硝酸化手段と、
    前記アンモニア性窒素を電子供与体とし、前記亜硝酸化された亜硝酸性窒素を電子受容体として独立栄養性脱窒微生物により脱窒反応を行う脱窒手段と、
    前記脱窒反応後に前記フッ素を処理するフッ素処理手段と、
    を有することを特徴とする水処理装置。
  5. 請求項4に記載の水処理装置であって、
    前記被処理水中のフッ素濃度が400mg/L以下となるように調整する調整手段を有することを特徴とする水処理装置。
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