JP2008244706A - フィルタ及び高周波モジュール - Google Patents

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和孝 向山
Tomiya Sonoda
富哉 園田
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政幸 中嶋
Hirokuni Tokuda
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Abstract

【課題】マイクロ波やミリ波において、良好な帯域特性を得ることができ、しかも、高い設計自由度を有し、且つ小型で低コストのフィルタ及び高周波モジュールを提供する。
【解決手段】フィルタ1は誘電体基板2とストリップライン3と複数の共振器電極4とグランド電極5とを備える。共振器電極4はストリップライン3の両側に同数ずつ設けられている。各共振器電極4は矩形状をなし、一方端が開放端41であり、他方端が短絡端42である。すなわち、ビアホール6を各共振器電極4の開放端41からλg/4の部位42の下側に設け、この部位42に接続すると共にグランド電極5に接続した。各共振器電極4の向きをストリップライン3の長さ方向に対して垂直に設定し、ストリップライン3両側の共振器電極4の開放端41同士が互いに対向するように設定した。また、隣り合う共振器電極4同士の間隔をλg/4に設定した。
【選択図】図1

Description

この発明は、高周波回路に適用するフィルタ及び高周波モジュールに関するものである。
従来、この種のフィルタとしては、帯域内の中心周波数における波長の4分の1の長さのオープンスタブ状の共振器電極を当該波長の4分の1の間隔でストリップラインから突設したものや、ストリップラインを当該波長の4分の1の間隔内で折り曲げて小型化を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。また、円形や多角形の共振器電極をストリップラインの両側に配し、各共振器電極の中心を接地したフィルタもある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、オープンスタブ状の共振器電極を有する上記フィルタでは、隣り合う共振器電極が電界結合をし易い。したがって、マイクロ波やミリ波に使用するために、共振器電極の隣接間隔を狭くしたフィルタでは、強い電界結合が発生して、良好な帯域特性を得ることができない。そして、このような電界結合を配慮して、フィルタを設計しなければならないために、設計自由度が低下するという問題が生じる。
また、ストリップラインを当該波長の4分の1の間隔内で折り曲げた上記フィルタでは、共振器電極間の電界結合を弱めることができるものの、ストリップラインをマイクロ波やミリ波の波長の4分の1の間隔内に折り曲げ形成するには、高精度な微細配線プロセスが必要となり、その分、製造設備コストが高くなるという問題がある。
そこで、一方を開放端とし他方を短絡端とした共振器電極を、帯域内の中心周波数における波長の4分の1の間隔で、ストリップラインの両側に配し、しかも、共振方向をストリップラインの長さ方向と平行にしたフィルタが提案されている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
このようなフィルタでは、隣り合う共振器電極の開放端と短絡端とが向き合うため、電界結合がほとんど生じず、良好な帯域特性を得ることができる。
ところで、短い波長のマイクロ波やミリ波で使用するフィルタでは、ストリップラインと共振器電極との間のリアクタンス値が、製造時において、所望リアクタンス値からずれる場合が多い。このため、ストリップラインと共振器電極との製造後に、リアクタンス値を変化させることができる構造のフィルタが必要となる。
このようなフィルタとしては、可変容量素子をストリップラインと共振器電極との間に配し、この可変容量素子に電圧を加えて容量値を変化させることにより、ストリップラインと共振器電極の間のリアクタンス値を変化させるもの(例えば、特許文献5及び特許文献6参照)や、一端短絡の共振器電極に設けられた集中定数型のコンデンサとストリップラインとを、ワイヤで接続し、ワイヤの長さを調整することで、ストリップラインと共振器電極の間のリアクタンス値を変化させるようにしたものもある(例えば、特許文献7参照)。
特開平10−215102号公報 特開2001−111303号公報 国際公開第2005/013411号パンフレット 特開昭62−014804公報 特開2002−009573号公報 特表2004−524770号公報 特開昭63−070601号公報
しかし、上記した従来の技術では、次のような問題がある。
まず、特許文献3及び特許文献4に開示のフィルタのように、一方を開放端とし他方を短絡端とした共振器電極を、帯域内の中心周波数における波長の4分の1の間隔で、ストリップラインの両側に配し、しかも、共振方向をストリップラインの長さ方向と平行にした構造のものでは、共振方向がストリップラインの長さ方向を向いているので、ストリップラインの長さ方向の寸法が大きくなり、その結果、フィルタの大型化に繋がるという問題がある。
また、特許文献5及び特許文献6に開示のフィルタのように、可変容量素子に電圧を加えて容量値を変化させることにより、ストリップラインと共振器電極の間のリアクタンス値を変化させるものでは、可変容量素子という高価な部品が必要であり、さらに、この可変容量素子に電圧を与える電源装置が別に必要となるので、フィルタの製造コストが非常に高くなる。
また、特許文献7に開示のフィルタのように、共振器電極に設けられた集中定数型のコンデンサとストリップラインとをワイヤで接続した構造のものでは、集中定数型コンデンサが必要なため、部品点数が多くなり、その分製品コストが高くなる。しかも、集中定数型のコンデンサを共振器電極の所望箇所に半田付けし、その上からワイヤを接続するという作業が必要不可欠であるので、製造工程数が多くなり、その分製造コストが高くなると問題がある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、マイクロ波やミリ波において、良好な帯域特性を得ることができ、しかも、高い設計自由度を有し、且つ小型で低コストのフィルタ及び高周波モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、基板と、この基板の表面に設けられた信号入出力用のストリップラインと、それぞれが帯域内の中心周波数における波長の約4分の1の長さに設定され且つ一方端が開放端とされると共に他方端が短絡端とされた状態で、ストリップラインの両側に波長の約4分の1の間隔で配列された複数の共振器電極とを備えるフィルタであって、各共振器電極の開放端をストリップラインに近づけた状態で、開放端から短絡端とに至る共振器電極の長さ方向を、ストリップラインの長さ方向に対して垂直に設定し、ストリップラインの一方側の共振器電極と他方側の共振器電極との開放端同士を互いに対向させた構成とする。
かかる構成により、帯域外周波数の信号が、ストリップラインに入力すると、この信号は、複数の共振器電極と結合しないため、ストリップラインの出力端側に伝搬する。そして、帯域内周波数の信号が、ストリップラインに入力すると、この信号は、初段の共振器電極で共振し、そのままストリップラインの入力端側に反射される。すなわち、この発明のフィルタは、共振器電極の共振周波数を中心とする帯域内の信号を阻止し、帯域外の信号を通過させる帯域阻止フィルタとして機能する。
このとき、共振器電極の他方端が短絡端とされているので、隣り合う共振器電極同士の電界結合がほとんど生じない。
請求項2の発明は、請求項1に記載のフィルタにおいて、ストリップラインの部位であって、共振器電極の開放端同士が互いに対向する部位の幅を、広げ又は狭めることで、当該部位の特性インピーダンスを調整した構成とする。
かかる構成により、ストリップラインと共振器電極との整合を図ることができる。
請求項3の発明は、請求項1に記載のフィルタにおいて、各共振器電極の開放端の端辺と端辺と対向するストリップラインの側辺との対向長さとを変えることで、共振器電極とストリップラインとの間の容量を調整した構成とする。
かかる構成により、ストリップラインと共振器電極との電界結合の強さを調整することができる。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフィルタにおいて、複数の共振器電極を基板の内部に形成した構成とする。
請求項5の発明は、基板と、この基板の表面に設けられた信号入出力用のストリップラインと、それぞれが帯域内の中心周波数における波長の約4分の1の長さに設定され且つ少なくとも一方端が短絡端とされた状態で、ストリップラインの一方側のみ又は両側に波長の約4分の1の間隔で配列された複数の共振器電極とを備えるフィルタであって、共振器電極の長さ方向を、ストリップラインの長さ方向に対して垂直に設定し、ワイヤ又はエアブリッジを、ストリップラインと複数の共振器電極のいずれか又は全てとの間に直接に接続した構成とする。
かかる構成により、帯域外周波数の信号が、ストリップラインに入力すると、この信号は、ワイヤ又はエアブリッジでストリップラインと接続されている共振器電極で阻止され、そのままストリップラインの入力端側に反射される。そして、帯域内周波数の信号が、ストリップラインに入力すると、この共振器電極で共振し、次段の共振器電極側又はストリップラインの出力端側に伝搬する。したがって、この発明のフィルタでは、ワイヤ又はエアブリッジで接続されている共振器電極の数や位置を特定することで、フィルタの帯域特性を任意に設定することができる。さらに、各共振器電極に接続するワイヤ又はエアブリッジの本数や長さを変えることにより、共振器電極とストリップラインとの間のリアクタンス値を調整して、フィルタ特性をより細かく設定することができる。
すなわち、この発明のフィルタは、リアクタンス可変型の帯域透過フィルタとして機能させることができる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のフィルタにおいて、複数の共振器電極を、ストリップラインの両側に配し、ワイヤ又はエアブリッジを、ストリップラインの一方側に位置する複数の共振器電極の全てとストリップラインとの間に直接に接続した構成とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のフィルタにおいて、ストリップラインは、基板の裏面又は内部に設けたグランド電極と共にマイクロストリップラインを構成する構成とした。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフィルタにおいて、基板は、誘電体基板である構成とした。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフィルタにおいて、基板は、半導体基板である構成とした。
請求項10の発明は、請求項9に記載のフィルタにおいて、半導体基板は、砒化ガリウム基板又はシリコン基板である構成とした。
請求項11の発明に係る高周波モジュールは、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のフィルタを備える構成とした。
以上詳しく説明したように、請求項1ないし請求項4の発明に係るフィルタによれば、隣り合う共振器電極の電界結合がほとんど生じないので、マイクロ波やミリ波に対して良好な帯域特性を有した帯域阻止フィルタとして機能させることができる。また、この電界結合を配慮して、フィルタを設計する必要がないので、設計自由度を高めることができる。さらに、各共振器電極の向きをストリップラインに対して垂直に設定して、共振器電極間を帯域内の中心周波数における波長の約4分の1の間隔に設定したので、ストリップラインの長さ方向の寸法を短くすることができ、その分、フィルタを小型化することができる。
また、請求項5及び請求項6の発明に係るフィルタによれば、ワイヤ又はエアブリッジで接続されている共振器電極の数や位置、及び各共振器電極に接続するワイヤ又はエアブリッジの本数や長さを特定することで、フィルタ特性を調整することができるリアクタンス可変型の帯域透過フィルタとして機能させることができる。しかも、ワイヤ又はエアブリッジの本数や長さを変えるだけで、各共振器電極のリアクタンスを変化させることができるので、高価な可変容量素子やその駆動用電源装置等を必要とせず、部品点数の少ないリアクタンス可変型のフィルタを実現することができる。この結果、かかるフィルタの製造及び製品コストの低減化を図ることができる。
また、請求項11の発明に係る高周波モジュールによれば、上記フィルタを備えているので、マイクロ波やミリ波において、良好な帯域特性と高い設計自由度を得ることができ、しかも、小型化と低コスト化とが可能となる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係るフィルタを一部破断して示す斜視図であり、図2は、フィルタの平面図であり、図3は、図2の矢視A−A断面図である。
図1に示すように、この実施例のフィルタ1は、誘電体基板2とストリップライン3と14枚の共振器電極4とグランド電極5とを備えている。
誘電体基板2は、所定の比誘電率を有する誘電体で形成した板状体であり、ストリップライン3は、この誘電体基板2の表面2aにパターン形成されている。
ストリップライン3は、信号を入出力するために、誘電体基板2の表面2aのほぼ中央部に配設されたラインであり、幅が「W」の直線状導体パターンである。
共振器電極4は、ストリップライン3よりも短い導体パターンであり、図2に示すように、ストリップライン3の両側に、7枚ずつ配設されている。
図4は、各共振器電極4の寸法や向き,及び共振器電極4同士の間隔を説明するための部分拡大平面図である。
図4に示すように、幅Wのストリップライン3の両側に位置する共振器電極4(4A),4(4B)は、対を成す。
各共振器電極4(4A,4B)は、長さが「L」で幅が「w」の矩形状をなし、一方端が開放端41であり、他方端が短絡端42である。
具体的には、ビアホール6を、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41から長さL1の部位42の下側に設け、ビアホール6の上端をこの部位42に接続すると共に、下端を後述するグランド電極5に接続している。そして、開放端41から部位42迄の長さL1、即ち開放端41から短絡端42までの長さを、各共振器電極4(4A,4B)の帯域内の中心周波数における波長(以下、「λg」と記す。)の4分の1の長さに設定した。 また、開放端41を距離D1迄ストリップライン3に近づけ、短絡端42をストリップライン3から遠ざけた。すなわち、開放端41から短絡端42に至る各共振器電極4(4A,4B)の長さ方向を、ストリップライン3の長さ方向に対して垂直に設定した。そして、ストリップライン3の一方側の共振器電極4(4A)と他方側の共振器電極4(4B)との開放端41,41同士が互いに対向するように設定した。したがって、ストリップライン3と垂直な向きの共振器電極4(4A),4(4B)が、開放端41,41を互いに対向させた状態で、ストリップライン3の両側で対を成す。また、隣り合う共振器電極4(4A)同士又は共振器電極4(4B)同士の間隔Dをλg/4に設定した。これにより、この実施例のフィルタ1は、共振器電極4A,4Bで構成される長さλg/2の共振器を、7対、λg/4の間隔でストリップライン3に組み込んだ構造を成す。
図1及び図3に示すように、グランド電極5は、誘電体基板2の裏面2bに設けられており、これにより、ストリップライン3は、グランド電極5と共にマイクロストリップラインを構成する。なお、グランド電極5を、誘電体基板2の裏面2bでなく、内部に設けても良いことは勿論である。
次に、この実施例のフィルタ1が示す作用及び効果について説明する。
図5は、フィルタの作用及び効果を説明するための平面図であり、図6は、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との電界結合を説明するための概略断面図である。
図5に示すように、帯域外周波数の信号S′が、入力端31からストリップライン3に入力すると、この信号S′は、初段の共振器電極4A,4B(図の最左の共振器電極4A,4B)を通過し、そのまま次段の共振器電極4A,4B側又はストリップライン3の出力端32側に伝搬する。そして、帯域内周波数即ち共振器電極4A,4Bの共振周波数を中心とする周波数帯の信号Sが、ストリップライン3に入力すると、この信号Sは、各段の共振器電極4A,4Bで共振し、そのままストリップライン3の入力端31側に反射される。すなわち、この実施例のフィルタ1は、対の共振器電極4A,4Bの共振周波数を中心とする帯域内の信号Sを阻止し、帯域外の信号S′を通過させる帯域阻止フィルタとして機能する。
ところで、共振器電極4A,4Bの共振時において、各共振器電極4(4A,4B)の幅狭の開放端41がストリップライン3に対向しているだけであるので、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との間の電界結合は、期待する強さにならないおそれがある。しかし、この実施例では、各共振器電極4(4A,4B)の先端部が短絡端42を成し、ストリップライン3に近接した端部が開放端41を成している。このため、図6に示すように、電界Eが、短絡端42で最も弱く且つ開放端41で最も強くなるように、分布する。
そして、λg/2の対状共振器電極4A,4Bで構成される共振器が、仮想的に切断された開放端41,41の間隙内にストリップライン3を位置させて共振するので、電界分布が、ストリップライン3と開放端41,41との間に集中し、共振器電極4A,4Bとストリップライン3とが非常に強い電界結合力で結合することとなる。
また、隣り合う共振器電極4(4A)同士又は共振器電極4(4B)同士の間隔Dがλg/4という非常に狭い間隔に設定されているので、共振器電極4(4A)同士又は共振器電極4(4B)同士で電界結合をするおそれがある。しかし、各共振器電極4(4A,4B)の先端を短絡端42とし、開放端41をストリップライン3に近接させた構成であるので、共振器電極4(4A)同士又は共振器電極4(4B)同士の間隔Dがλg/4であれば、マイクロ波やミリ波等を使用する場合においても、電界結合は生じないと考える。
図7は、隣り合う共振器電極4(4A又は4B)同士の結合係数を示す線図である。
発明者は、かかる想定を確認すべく、次のようなシミュレーションを行った。
誘電体基板2の比誘電率を「8.8」、ストリップライン3の幅W(図4参照)を「0.22mm」、各共振器電極4(4A,4B)の長さL及び幅wを「0.4mm」及び「0.2mm」、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との距離D1を「0.1mm」に設定した。そして、60GHzの信号をストリップライン3に入力し、隣り合う共振器電極4(4A又は4B)同士の間隔Dを0.01mm〜1mmまで変化させながら、各間隔Dにおける結合係数を計算したところ、図7に示すような、結果を得た。
すなわち、図7の結合係数曲線Kで示すように、隣り合う共振器電極4(4A又は4B)同士の間隔Dが0.1mm以上である場合には、結合係数は「0」であり、共振器電極4(4A又は4B)同士の電界結合が生じないことが判る。
したがって、隣り合う共振器電極4(4A又は4B)同士の間隔Dを60GHzにおけるλg/4に設定したこの実施例のフィルタ1を使用する限り、共振器電極4(4A又は4B)同士の電界結合はほとんど生じない。
このように、この実施例のフィルタ1によれば、非常に強い電界結合が、共振器電極4とストリップライン3との間で生じ、しかも、隣り合う共振器電極4同士の電界結合がほとんど生じないので、マイクロ波やミリ波に対して良好な帯域特性を有した帯域阻止フィルタとして機能する。したがって、共振器電極4同士のの電界結合を配慮して、フィルタ1を設計する必要がないので、設計自由度を高めることができ、さらに、ストリップライン3と垂直な共振器電極4を横並びに間隔Dの間隔で配列することができるので、フィルタ1のストリップライン3の長さ方向の寸法を短くすることができる。
発明者等は、フィルタの帯域特性を確認すべく、次のような実験を行った。
図8は、実測によって得た帯域特性を示す線図であり、図9は、シミュレーションによって得た帯域特性を示す線図である。
この実験では、比誘電率が「8.8」で厚さが0.2mmの誘電体基板2を用い、ストリップライン3の幅Wを「0.22mm」、各共振器電極4(4A,4B)の長さL及び幅wを「0.4mm」及び「0.2mm」、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41から短絡端42迄の長さL1を「0.3mm」、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との距離D1を「0.1mm」に設定した。そして、周波数0GHz〜110GHzの信号で掃引して、反射係数と透過係数の大きさ(dB)を実測したところ、図8に示すような、結果を得た。
すなわち、図8の反射係数曲線S11で示すように、このフィルタ1は、60GHzの近傍の周波数で反射係数の大きさがほぼ0(dB)であり、この帯域の信号のほとんど全てを反射している。また、図8の透過係数曲線S21で示すように、このフィルタ1は、同じく、60GHzの近傍の周波数で透過係数の大きさがほぼ−40(dB)であり、この帯域の信号をほとんど透過させない。
以上の実験の結果、このフィルタ1によれば、60GHzの近傍の所望帯域で、その周波数の信号を確実に反射し、当該帯域外の信号を確実に透過させるということが確認された。
発明者等は、上記条件と同条件下でシミュレーションを行った結果、図9の反射係数曲線S11′及び透過係数曲線S21′に示すように、上記実測の結果と同様の結果を得た。したがって、下記実施例においては、シミュレーションのみを用いて、効果確認を行うこととし、実測と同様の結果を得るものと推定する。
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図10は、この発明の第2実施例に係るフィルタの一例を示す平面図であり、図11は、他の例を示す平面図である。
この実施例のフィルタは、ストリップライン3の特定部位の特性インピーダンスを他の部位の特性インピーダンスと異ならしめた点が、上記第1実施例と異なる。
すなわち、図10に示すように、共振器電極4A,4Bの開放端41,41同士が互いに対向するストリップライン3の部位33の幅W1を、ストリップライン3の幅Wよりも広く設定して、当該部位33の特性インピーダンスを他の部位の特性インピーダンスよりも低くしている。
このように構成することにより、ストリップライン3と共振器電極4A,4Bとの整合を図ることができる。
また、 図11に示すように、共振器電極4A,4Bの開放端41,41同士が互いに対向するストリップライン3の部位33の幅W1を、ストリップライン3の幅Wよりも狭く設定して、当該部位33の特性インピーダンスを他の部位の特性インピーダンスよりも高くすることもできる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図12は、この発明の第3実施例に係るフィルタの一例を示す平面図であり、図13は、他の例を示す平面図である。
この実施例のフィルタは、ストリップライン3と各共振器電極4(4A,4B)との間の電界結合を調整することができるようにした点が、上記第1及び第2実施例と異なる。
すなわち、図12の囲みB1で示すように、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41側に幅狭のパッド部40を設ける。これにより、各共振器電極4(4A,4B)の開放端の端辺40aの長さとこの端辺40aと対向するストリップライン3の側辺30との長さとを、上記第1及び第2実施例の場合よりも短く変えることができる。その結果、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との間の容量値を小さくして、電界結合力を弱くすることができる。
また、図13に示すように、櫛歯状の突起30′をストリップライン3に突設すると共に、この突起30′に噛み合うように近接した櫛歯状の突起40′を各共振器電極4(4A,4B)に突設することで、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との間の容量値を大きくして、電界結合力を強めることもできる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図14は、この発明の第4実施例に係るフィルタを示す断面図である。
この実施例のフィルタは、複数の共振器電極4(4A,4B)を誘電体基体2の内部に形成した点が、上記第1ないし第3実施例と異なる。
具体的には、図14に示すように、開放端41,41をストリップライン3の下側に位置させた状態で、共振器電極4A,4Bを誘電体基体2の内部で且つストリップライン3の両側に配置する。
かかる構成により、ストリップライン3と共振器電極4A,4Bとの結合量の設計する上で、その設計自由度を向上させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図15は、この発明の第5実施例に係るフィルタ1を示す平面図であり、図16は、図15の矢視B−B断面図である。
この実施例は、ワイヤを共振器電極とストリップラインとの間に接続して、リアクタンス可変型の帯域透過フィルタを構成した点が、帯域阻止フィルタを構成する上記第1ないし第3実施例と異なる。
具体的には、図15及び図16に示すように、ワイヤ7を各共振器電極4(4A,4B)の開放端41とストリップライン3との間に直接に接続した。この実施例では、ワイヤ7を全ての共振器電極4に接続した。すなわち、対状の共振器電極4A,4Bとストリップライン3とがワイヤ7,7を介して電気的に接続されているので、各共振器電極4の端部41が、短絡端になり、このため、長さがλg/2の7対の共振器電極4A,4Bがストリップライン3に直接接続した状態になっている。
かかる構成により、帯域内周波数の信号が、入力端31からストリップライン3に入力すると、この信号が、共振器電極4A,4Bで共振し、次段の共振器電極4A,4B側又はストリップライン3の出力端32側に伝搬して、出力される。また、帯域外周波数の信号がストリップライン3に入力されると、この信号は、共振器電極4A,4Bで阻止され、そのままストリップライン3の入力端31側に反射される。
すなわち、この発明のフィルタ1は、帯域透過フィルタとして機能する。
発明者等は、かかる効果を確認すべく、次のようなシミュレーションを行った。
図17は、シミュレーションによって得た帯域特性を示す線図である。
誘電体基板2の比誘電率及び厚さ、ストリップライン3の幅W、各共振器電極4(4A,4B)の長さL及び幅w、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41から短絡端42迄の長さL1、各共振器電極4(4A,4B)とストリップライン3との距離D1や、掃引周波数を上記第1実施例の実験と同様に設定し、図15に示すフィルタについてシミュレーションを行ったところ、図17に示す結果を得た。
すなわち、図17の透過係数曲線S21で示すように、このフィルタは、約50GHz〜80GHzの帯域で透過係数が0(dB)であり、この帯域の信号のほとんど全てを透過させている。また、図17の反射係数曲線S11で示すように、このフィルタは、上記帯域で、反射係数が最小−30(dB)にもなり、この帯域の信号をほとんど反射させない。これに対して、透過係数曲線S21で示すように、約50GHz〜80GHzの帯域外での透過係数は最小−40(dB)にもなり、帯域外の信号のほとんどを透過させない。さらに、反射係数曲線S11で示すように、上記帯域外では、反射係数がほぼ0(dB)になり、帯域外の信号をほとんど反射する。
以上のシミュレーションから、このフィルタが、約50GHz〜80GHzの帯域の信号を透過する透過フィルタとして機能することを確認することができた。
このシミュレーションは、ワイヤ7を全ての共振器電極4とストリップライン3との間に接続したフィルタについて行った。しかし、ワイヤ7で接続されている共振器電極4の数や位置や、各共振器電極4に接続するワイヤ7の本数や長さを変えることによって、上記シミュレーションとは異なった特性が得られる筈である。したがって、これらの条件を変えることで、フィルタの特性を調整することができるものと考える。
そこで、発明者等は、ワイヤ7の本数等による帯域特性の相違を確認すべく、各種のシミュレーションを行った。
まず、ワイヤ7が両方に接続されている共振器電極4A,4Bの対の数による帯域特性をシミュレーションした。
図18は、ワイヤ7が接続されている共振器電極4A,4Bを5対有するフィルタの平面図であり、図19は、図18のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。また、図20は、ワイヤ7が接続されている共振器電極4A,4Bを1対有するフィルタの平面図であり、図21は、図20のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。
まず、図18に示すように、初段と最終段の共振器電極4A,4Bの対からワイヤ7を外し、ワイヤ7が接続されている共振器電極4A,4Bを5対にして、上記と同様のシミュレーションを行ったところ、図19に示すような結果を得た。
すなわち、図19の透過係数曲線S21及び反射係数曲線S11で示すように、約60GHz近傍の狭い帯域において、透過係数が下がり、反射係数が上がった。その他の帯域では、図17に示した結果とほぼ同じであった。
次に、図20に示すように、ワイヤ7が接続されている共振器電極4A,4Bをたった1対にして、上記と同様のシミュレーションを行ったところ、図21に示すような結果を得た。
図21の透過係数曲線S21及び反射係数曲線S11で示すように、約60GHz近傍の帯域において、透過係数が大きく下がり、反射係数も大きく上がった。すなわち、、ワイヤ7が接続されている共振器電極4A,4Bを少なくすることで、ワイヤ7が皆無のフィルタの帯域特性(図8及び図9参照)に近づき、帯域阻止フィルタとして機能するようになることが確認された。
次に、ワイヤ7が対の共振器電極4A,4Bの片方のみに接続されている場合の帯域特性をシミュレーションした。
図22は、ワイヤ7がストリップライン3の片側の共振器電極4Bにのみ接続されているフィルタの平面図であり、図23は、図22のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。また、図24は、ワイヤ7がストリップライン3両側の共振器電極4A,4Bに交互に接続されているフィルタの平面図であり、図25は、図24のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。
図22に示すように、ワイヤ7をストリップライン3の片側の共振器電極4Bにのみ接続したフィルタについてシミュレーションを行ったところ、図23に示すような結果を得た。
すなわち、図23の透過係数曲線S21及び反射係数曲線S11で示すように、約40GHz以上の帯域において、透過係数が高く、反射係数が低い。特に、約40GHz〜60GHzの帯域においては、透過係数及び反射係数が一定であり、この帯域を対象とした帯域透過フィルタとして用いることができる。
次に、図24に示すように、ワイヤ7をストリップライン3両側の共振器電極4A,4Bに交互に接続したフィルタについてシミュレーションを行ったところ、図25に示すように、図23とほぼ同様の結果を得た。
以上から、ワイヤ7を対の共振器電極4A,4Bの片方のみに接続している場合には、ワイヤ7を共振器電極4A,4Bのいずれかに接続している限り、帯域特性はほぼ同様であり、これらのフィルタは良好な帯域透過フィルタとして機能することが確認された。
さらに、ワイヤ7を各共振器電極4(4A,4B)に2本ずつ接続したフィルタの帯域特性をシミュレーションした。
図26は、ワイヤ7が各共振器電極4に2本ずつ接続されたフィルタの平面図であり、図27は、図26のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。
図26に示すように、2本のワイヤ7を各共振器電極4(4A,4B)の開放端41に接続したフィルタについてシミュレーションを行ったところ、図27に示すような結果を得た。
図27の透過係数曲線S21及び反射係数曲線S11で示すように、約40GHz〜80GHzの帯域において、透過係数が高く且つ反射係数が低い。しかも、図17に示した透過係数曲線S21,反射係数曲線S11とほぼ同様の曲線を成す。
かかる結果から、ワイヤ7が全ての共振器電極4(4A,4B)の開放端41に接続されている場合には、ワイヤ7の本数に拘わらず、帯域特性はほぼ同様であり、これらのフィルタは良好な帯域透過フィルタとして機能するものと推定できる。
最後に、ワイヤ7を各共振器電極4の短絡端42に接続したフィルタの帯域特性をシミュレーションした。
図28は、ワイヤ7が各共振器電極4(4A,4B)の短絡端42に接続されたフィルタの平面図であり、図29は、図28のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。
図28に示すように、ワイヤ7の長さを長くして、そのワイヤ7の一方端71を各共振器電極4(4A,4B)の短絡端42に接続したフィルタについてシミュレーションを行ったところ、図29に示すような結果を得た。
図29の透過係数曲線S21で示すように、約40GHz以上の全ての帯域において、透過係数がほぼ0(dB)となり、しかも、反射係数曲線S11で示すように、この帯域において、反射係数が−10(dB)以下となり、このフィルタが、約40GHz以上の帯域で非常に良好な帯域透過フィルタとして機能することが確認された。
以上のシミュレーションから、ワイヤ7で接続されている共振器電極4の数や位置、及び各共振器電極4に接続するワイヤ7の本数や長さを変えることで、フィルタの帯域特性を調整することができることが判明した。
また、ワイヤ7の本数や長さを変えるだけで、各共振器電極4のリアクタンスを変化させることができるので、高価な可変容量素子やその駆動用電源装置等を必要とせず、部品点数の少ないリアクタンス可変型のフィルタを実現することができる。この結果、かかるフィルタ1の製造及び製品コストの低減化を図ることができる。
なお、当該第5実施例では、ワイヤ7をストリップライン3と複数の共振器電極4のいずれか又は全てとの間に直接に接続したフィルタとして、図15、図18、図20、図22、図24、図26、及び図28に示すフィルタを例示したが、これらのフィルタに限るものではなく、例えば、図30〜図37に示すようなフィルタも、ワイヤ7をストリップライン3と複数の共振器電極4のいずれか又は全てとの間に直接に接続したフィルタの変形例として、かかるフィルタの範囲に含まれる。
図30は、第5実施例の第1変形例に係るフィルタの平面図であり、図31は、図30の矢視C−C断面図である。
このフィルタは、図30及び図31に示すように、ワイヤ7の一方端71を、各共振器電極4(4A,4B)の中心部位43に接続した構成を成す。
図32は、第2変形例に係るフィルタの平面図であり、図33は、図32の矢視D−D断面図であり、図34は、第3変形例に係るフィルタの平面図であり、図35は、第4変形例に係るフィルタの平面図である。
上記実施例のフィルタでは、グランド電極5に接続されたビアホール6を、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41から長さL1の部位42の下側に設けて、この部位を短絡端42とした。
しかし、図32〜図35に示すフィルタでは、ビアホール6を一方端41の下側に設けて、かかる部位を短絡端41とし、この短絡端41から長さL1の部位42は開放端とした構成を成す。
具体的には、図32及び図33に示すフィルタでは、ワイヤ7の一方端71を各共振器電極4(4A,4B)の絡端41に接続しており、図34に示すフィルタでは、ワイヤ7の一方端71を各共振器電極4(4A,4B)の中心部位43に接続しており、図35では、ワイヤ7の一方端71を各共振器電極4(4A,4B)の開放端42に接続している。
図36は、第5実施例の第5変形例に係るフィルタの平面図であり、図37は、図36の矢視E−E断面図である。
このフィルタでは、図36及び図37に示すように、ビアホール6を各共振器電極4(4A,4B)の両端に設けて、これらの両端を短絡端41,42とし、ワイヤ7の一方端71を短絡端41に接続した構成を成す。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第4実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第6実施例について説明する。
図38は、この発明の第6実施例に係る高周波モジュールを示すブロック図である。
この実施例の高周波モジュール8は、図38に示すように、アンテナブロック81、デュプレクサブロック82、送信ブロック83、受信ブロック84、発振ブロック85とを組み合わせて構成されている。
アンテナブロック81は、送信電波を送信し及び受信電波を受信するブロックであり、アンテナ81aによって構成される。また、デュプレクサブロック82は、デュプレクサ82aによって、アンテナ81aを送信状態又は受信状態に切り換えるためのブロックである。送信ブロック83は、デュプレクサブロック82に接続されアンテナブロック81に向けて高周波信号を出力するブロックであり、ミキサ83aと、フィルタ83bと、電力増幅器83cとで構成されている。一方、受信ブロック84は、デュプレクサブロック82に接続されアンテナブロック81によって受信した高周波信号を入力するブロックであり、低雑音増幅器84aと、フィルタ84bと、ミキサ84cとで構成されている。発振ブロック85は、送信ブロック83と受信ブロック84とに接続されており、局所発振器85aから所定周波数の局部発振信号LOをミキサ83a,84cに発振する。
かかる構成により、図示しないベースバンド部で変調された中間周波信号IFが、入力端子83Aを介して高周波モジュール8に入力され、送信ブロック83で高周波信号にアップコンバートされ、アンテナ81aから電波として送信される。また、アンテナ81aで受信され、受信ブロック84でダウンコンバートされた中間周波信号IFは、出力端子84Aから図示しないベースバンド部に出力され、ベースバンド部で復調される。
この高周波モジュール8では、上記第1ないし第5実施例のうちのいずれかのフィルタが、フィルタ83b,84bとして適用され、また、局所発振器85a内に取り付けられている。
これにより、マイクロ波やミリ波において、良好な帯域特性と高い設計自由度を得ることができ、しかも、小型化と低コスト化とが可能な高周波モジュールを実現することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第5実施例と同様であるので、その記載は省略する。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
上記実施例では、共振器電極4の形状を矩形状に形成した例を示したが、共振器電極4の形状はこれに限定されるものではない。例えば、図39の(a)に示すような楕円形や円形、また、図39の(b)に示すような台形、そして、図39の(c)に示すような角が丸められた長方形に形成したものも、共振器電極4として適用することができることは勿論である。
また、上記実施例では、基板として、誘電体基板2を適用した例を示したが、基板として、砒化ガリウム誘電体基板やシリコン誘電体基板等の半導体基板をも適用することができる。
さらに、上記第5実施例では、ワイヤ7でストリップライン3と共振器電極4とを接続した例を示したが、エアブリッジで接続する構成とすることもできる。
また、上記実施例では、各共振器電極4(4A,4B)の開放端41から短絡端42までの長さを、各共振器電極4(4A,4B)の帯域内の中心周波数における波長の4分の1の長さに設定したが、この中心周波数における「波長の4分の1の長さ」は、厳密に4分の1でなくとも良く、中心周波数における「波長の約4分の1の長さ」であれば、良い。また、隣り合う共振器電極4(4A)同士又は共振器電極4(4B)同士の間隔Dをλg/4に設定したが、この、「λg/4」も厳密に波長の4分の1に設定するものでなくとも良く、「約λg/4」に設定するものであればよい。
この発明の第1実施例に係るフィルタを一部破断して示す斜視図である。 フィルタの平面図である。 図2の矢視A−A断面図である。 各共振器電極の寸法や向き,及び共振器電極同士の間隔を説明するための部分拡大平面図である。 フィルタの作用及び効果を説明するための平面図である。 各共振器電極とストリップラインとの電界結合を説明するための概略断面図である。 隣り合う共振器電極同士の結合係数を示す線図である。 実測によって得た帯域特性を示す線図である。 シミュレーションによって得た帯域特性を示す線図である。 この発明の第2実施例に係るフィルタの一例を示す平面図である。 第2実施例に係るフィルタの他の例を示す平面図である。 この発明の第3実施例に係るフィルタの一例を示す平面図である。 第3実施例に係るフィルタの他の例を示す平面図である。 この発明の第4実施例に係るフィルタを示す断面図である。 この発明の第5実施例に係るフィルタを示す平面図である。 図15の矢視B−B断面図である。 シミュレーションによって得た帯域特性を示す線図である。 ワイヤが接続されている共振器電極を5対有するフィルタの平面図である。 図18のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 ワイヤが接続されている共振器電極を1対有するフィルタの平面図である。 図20のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 ワイヤがストリップラインの片側の共振器電極にのみ接続されているフィルタの平面図である。 図22のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 ワイヤがストリップライン両側の共振器電極に交互に接続されているフィルタの平面図である。 図24のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 ワイヤが各共振器電極に2本ずつ接続されたフィルタの平面図である。 図26のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 ワイヤが各共振器電極の短絡端に接続されたフィルタの平面図である。 図28のフィルタのシミュレーション結果を示す線図である。 第5実施例の第1変形例に係るフィルタの平面図である。 図30の矢視C−C断面図である。 第5実施例の第2変形例に係るフィルタの平面図である。 図32の矢視D−D断面図である。 第5実施例の第3変形例に係るフィルタの平面図である。 第5実施例の第4変形例に係るフィルタの平面図である。 第5実施例の第5変形例に係るフィルタの平面図である。 図36の矢視E−E断面図である。 この発明の第6実施例に係る高周波モジュールを示すブロック図である。 共振器電極の各種変形例を示す平面図である。
符号の説明
1…フィルタ、 2…誘電体基板、 2a…表面、 2b…裏面、 3…ストリップライン、 4,4A,4B…共振器電極、 5…グランド電極、 6…ビアホール、 7…ワイヤ、 8…高周波モジュール、 30…側辺、 30′,40′…突起、 31…入力端、 32…出力端、 33…部位、 40…パッド部、 40a…端辺、 41…開放端、 42…短絡端、 43…中心部位、 71…一方端、 E…電界、 S…帯域内信号、 S′…帯域外信号、 S11,S11′…反射係数曲線、 S21,S21′…透過係数曲線。

Claims (11)

  1. 基板と、この基板の表面に設けられた信号入出力用のストリップラインと、それぞれが帯域内の中心周波数における波長の約4分の1の長さに設定され且つ一方端が開放端とされると共に他方端が短絡端とされた状態で、当該ストリップラインの両側に上記波長の約4分の1の間隔で配列された複数の共振器電極とを備えるフィルタであって、
    上記各共振器電極の上記開放端を上記ストリップラインに近づけた状態で、当該開放端から上記短絡端とに至る当該共振器電極の長さ方向を、上記ストリップラインの長さ方向に対して垂直に設定し、
    上記ストリップラインの一方側の共振器電極と他方側の共振器電極との開放端同士を互いに対向させた、
    ことを特徴とするフィルタ。
  2. 請求項1に記載のフィルタにおいて、
    上記ストリップラインの部位であって、上記共振器電極の開放端同士が互いに対向する部位の幅を、広げ又は狭めることで、当該部位の特性インピーダンスを調整した、
    ことを特徴とするフィルタ。
  3. 請求項1に記載のフィルタにおいて、
    上記各共振器電極の開放端の端辺と当該端辺と対向するストリップラインの側辺との対向長さとを変えることで、当該共振器電極とストリップラインとの間の容量を調整した、
    ことを特徴とするフィルタ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のフィルタにおいて、
    上記複数の共振器電極を上記基板の内部に形成した、
    ことを特徴とするフィルタ。
  5. 基板と、この基板の表面に設けられた信号入出力用のストリップラインと、それぞれが帯域内の中心周波数における波長の約4分の1の長さに設定され且つ少なくとも一方端が短絡端とされた状態で、当該ストリップラインの一方側のみ又は両側に上記波長の約4分の1の間隔で配列された複数の共振器電極とを備えるフィルタであって、
    上記共振器電極の長さ方向を、上記ストリップラインの長さ方向に対して垂直に設定し、
    ワイヤ又はエアブリッジを、上記ストリップラインと上記複数の共振器電極のいずれか又は全てとの間に直接に接続した、
    ことを特徴とするフィルタ。
  6. 請求項5に記載のフィルタにおいて、
    上記複数の共振器電極を、上記ストリップラインの両側に配し、
    上記ワイヤ又はエアブリッジを、上記ストリップラインの一方側に位置する複数の共振器電極の全てと当該ストリップラインとの間に直接に接続した、
    ことを特徴とするフィルタ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のフィルタにおいて、
    上記ストリップラインは、上記基板の裏面又は内部に設けたグランド電極と共にマイクロストリップラインを構成する、
    ことを特徴とするフィルタ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフィルタにおいて、
    上記基板は、誘電体基板である、
    ことを特徴とするフィルタ。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフィルタにおいて、
    上記基板は、半導体基板である、
    ことを特徴とするフィルタ。
  10. 請求項9に記載のフィルタにおいて、
    上記半導体基板は、砒化ガリウム基板又はシリコン基板である、
    ことを特徴とするフィルタ。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のフィルタを備える、
    ことを特徴とする高周波モジュール。
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