JP2008240845A - 転がり軸受 - Google Patents

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高志 川井
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Abstract

【課題】 軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、またグリース基油供給用の隙間が安定して得られ、製作容易化によるコスト低下が図れる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 内輪1、外輪2、およびこれら内外輪1,2の軌道面1a,2a間に介在した複数の転動体3を有する。軌道輪である内輪1および外輪2のうち、回転しない固定側軌道輪2に、軌道面2aに続く段差面2bを転動体3から離れる方向に設ける。先端7aが前記段差面2bに当接し周壁で前記固定側軌道輪2との間に流路14を形成する隙間形成片7を設ける。前記流路14に連通するグリース溜まり6を設ける。前記隙間形成片7の先端7aにおける円周方向の一部に、前記固定側軌道輪2の前記段差面2bとの間に隙間15を形成する隙間形成溝7aaを設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械主軸等のグリース潤滑とされる潤滑機構付きの転がり軸受に関する。
工作機械主軸軸受の潤滑方法として、メンテナンスフリーで使用可能なグリース潤滑、搬送エアに潤滑オイルを混合してオイルをノズルより軸受内に噴射するエアオイル潤滑、軸受内に潤滑油を直接に噴射するジェット潤滑等の方法がある。最近の工作機械は、加工能率を上げるために、ますます高速化の傾向にあり、主軸軸受の潤滑も比較的安価で簡単に高速化が可能なエアオイル潤滑が多く用いられてきている。しかし、このエアオイル潤滑法は、付帯設備としてエアオイル供給装置が必要であることと、多量のエアを必要とすることから、コスト、騒音、省エネ、省資源の観点から問題がある。また、オイルの飛散によって環境を悪化させる問題もある。これらの問題点を回避するため、最近ではグリース潤滑による高速化が注目され始め、要望も多くなってきている。
グリース潤滑は、軸受組立時に封入されたグリースのみで潤滑するため、高速運転すると、軸受発熱によるグリースの劣化や、軌道面、特に内輪での油膜切れのため、早期焼き付きに至ってしまうことが考えられる。特に、dn値が100万(軸受内径mm×回転数rpm )を超えるような高速回転領域では、グリース寿命を保証するのは困難である。
グリース寿命を延長させる手段として、新しい提案も紹介されている。その一つは、内部にグリース溜まりを形成したグリース溜まり形成部品を固定側軌道輪(例えば外輪)に接して設けると共に、このグリース溜まり形成部品から固定側軌道輪の軌道面の付近まで延びて、固定側軌道輪との間に隙間を形成する隙間形成片を設け、前記グリース溜まりと固定側軌道輪の軌道面との間を前記隙間を介して連通させるようにしたものである(例えば特許文献1,2)。
上記特許文献1,2の転がり軸受によると、軸受の停止時には、グリース中の増稠剤および前記隙間の毛細管現象によりグリースの基油が隙間に移動する。軸受を運転すると、隙間に貯油されていた基油は、運転で生じる固定側軌道輪の温度上昇による体積膨張と、転動体の公転・自転で生じる空気流とにより隙間から吐出されて、固定側軌道輪の軌道面に付着しながら移動して転動体接触部に連続的に補給される。
上記構成の場合、固定側軌道輪と隙間形成片との間に形成される隙間の管理が非常に重要となる。
そこで、前記隙間形成片の先端の周方向の複数箇所に、固定側軌道輪に接する突起を設けることで、前記隙間の管理を行うようにした構成のものも提案されている(例えば特許文献3)。
特開2005−180629号公報 特開2006−132765号公報 特開2005−299757号公報
しかし、特許文献3に開示のものは、隙間形成片の先端の周方向の複数箇所に突起を設けており、その突起を切削や研削で形成するものとすると加工に大変手間がかかるという問題がある。また、プレス加工や樹脂成形による場合には金型が必要になるばかりか、高精度の加工が容易でない。
この発明の目的は、これらの課題を解消することを目的としたものであり、軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、またグリース基油供給用の隙間が安定して得られ、製作容易化によるコスト低下が図れる転がり軸受を提供することである。
この発明の転がり軸受は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端が前記段差面に当接し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端における円周方向の一部に、前記固定側軌道輪の前記段差面との間に隙間を形成する隙間形成溝を設けたことを特徴する。
この構成の転がり軸受は、グリース溜まり、および固定側軌道輪の段差面と隙間形成片の周壁との間で形成された流路にグリースを充填して使用される。軸受内部には初期潤滑油としてのグリースを封入しておく。転がり軸受の運転停止と運転再開の繰り返しに伴うグリース溜まりでのヒートサイクルによる圧力変動で、グリースから分離した基油が前記隙間を経て固定側軌道輪の軌道面に吐出されるので、潤滑油の供給が確実に行われる。加えて、前記隙間での毛細管現象によっても基油が固定側軌道輪の軌道面に吐出されるので、潤滑が一層確実なものとなる。
とくに、隙間形成片の先端における円周方向の一部に、固定側軌道輪の段差面との間に隙間を形成する隙間形成溝を設ける構成であるため、隙間形成片の先端に切削加工または研削加工を施すだけで前記隙間形成溝を容易にかつ高精度に形成することができる。また、隙間形成片の先端を固定側軌道輪の段差面に当接させることで、その段差面と隙間形成片先端の隙間形成溝との間に隙間を確保する構成であるため、各部品の寸法公差を考慮することなく隙間を適正な寸法に容易に管理できる。また、プレス加工や樹脂成形による場合のような金型が不要で、コスト低下が可能となる。
これにより、軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、グリース基油供給用の隙間が安定して得られ、製作容易化によるコスト低下が図れる。
この発明において、前記隙間形成溝を、円周方向の互いに180°離れた2箇所としても良い。
この構成の場合、隙間形成溝の加工に際して、例えば砥石等の工具を隙間形成片の先端面に直径方向に移動させることなどで、2箇所の隙間形成溝が加工できる。そのため、加工が簡単である。また、2つの隙間が円周方向の互いに180°離れた位置に配置されることになるため、隙間から固定側軌道輪の軌道面への潤滑油の吐出が、円周方向に略均等に行われる。
このように180°離れた2箇所に隙間形成溝を設ける場合に、隙間形成溝の幅を、前記隙間形成片の先端における隣合う隙間形成溝の間の部分である段差面当接部の幅よりも広くしても良い。
この構成の場合、円周方向の広い範囲にわたって隙間を設けることができるので、隙間から固定側軌道輪の軌道面への潤滑油の吐出がより安定よく行われる。
この発明において、固定側の軌道輪が外輪であっても良い。固定側の軌道輪が外輪である場合、外輪に前記段差面が設けられるが、グリース封入状態で軸受を回転させたときに、封入グリースが遠心力で外輪内径部に飛散するため、前記隙間と軌道面との間の基油の繋がりが確実となる。そのため、転動体接触部で潤滑油として消費される分の基油が、グリース溜まりから上記隙間を経て軌道面に補給される作用が高められ、より安定した潤滑油の補給が行われる。
この発明において、転がり軸受はアンギュラ玉軸受であり、前記段差面は、軌道面における接触角が生じる方向と反対側の縁部に続いて形成されたものであっても良い。アンギュラ玉軸受であると、段差面を接触角が生じる方向と反対側に設けることで、段差面をより転動体の直下に配置し易くなる。転動体の中心付近に段差面を近づけることができ、隙間から軌道面への潤滑油の補給がより効率良く行える。
この発明の転がり軸受は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端が前記段差面に当接し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端における円周方向の一部に、前記固定側軌道輪の前記段差面との間に隙間を形成する隙間形成溝を設けたため、軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、またグリース基油供給用の隙間が安定して得られ、製作容易化によるコスト低下が図れる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1(A)において、この転がり軸受は、内輪1、外輪2、および内外輪1,2の軌道面1a,2a間に介在した複数の転動体3を有し、グリース溜まり6と、隙間形成片7とを備える。複数の転動体3は、保持器4に保持され、内外輪1,2間の軸受空間の一端は、シール5によって密封されている。この転がり軸受はアンギュラ玉軸受であり、シール5は軸受背面側の端部に設けられ、グリース溜まり6および隙間形成片7は軸受正面側に設けられる。軸受正面側ではグリース溜まり6がシールを兼ねており、軸受正面側からのグリース漏れが防止される。図において、交差したハッチングで示す部分は、グリース11の充填された部分を示す。転がり軸受の内輪1は、図示しない主軸に嵌合して回転可能とされ、外輪2はスピンドルユニットにおける図示しないハウジングの内周に嵌合状態で固定支持されている。
固定側軌道輪となる外輪2には、その軌道面2aに続く段差面2bが、転動体3から離れる外輪正面側、つまり軌道面2aにおける接触角が生じる方向と反対側の縁部に続いて設けられている。この段差面2bは、軌道面2aから外径側に延びて外輪正面側に対面する面である。
グリース溜まり6はグリース溜まり空間8を有するリング状の部品であり、外輪2の正面側の幅面に接して設けられることで、内輪位置決め間座26の外径側に配置される。この例では、グリース溜まり6は、外輪2の正面側の幅面に接して設けられる外輪位置決め間座9と、この外輪位置決め間座9の内径面に嵌合される外向き溝形のグリース溜まり本体10とからなる。外輪位置決め間座9とグリース溜まり本体10とで挟まれる内部空間がグリース溜まり空間8とされる。外輪位置決め間座9は、内径面における外輪2と反対側端に、グリース溜まり本体10の側壁部10aの先端を嵌合させる係合用段差部9aを有している。グリース溜まり本体10は、グリース溜まり空間8にグリース11を充填した後に上記側壁部10aを外輪位置決め間座9の係合用段差部9aに係合させ、この係合用段差部9aの内径面に固定用部品を用い、外輪位置決め間座9に対して軸方向に固定される。グリース溜まり本体10における上記側壁部10aの外径面と、外輪位置決め間座9における係合用段差部9aとの間、および外輪位置決め間座9とこれに接する外輪2との隣接部の内径面には、図示しないOリング等の密封部品がそれぞれ設けられ、これによりグリース11の漏れ防止が図られる。なお、外輪位置決め間座9およびグリース溜まり本体10は、鋼材等の金属材料製とされている。
隙間形成片7は、外輪2の内径面2cに沿って配置され、先端が前記段差面2bに当接し、外輪2との間に流路14および隙間15を形成するリング状の部材である。この隙間形成片7は、グリース溜まり本体10に一体に形成されている。すなわち、グリース溜まり本体10の軸受隣接側の側壁部10bにおける外径端部から一体に延びている。
隙間形成片先端7aの周壁と、これに対面する外輪2の内径面2cとで上記流路14が形成される。隙間形成片7の基部7bは、先端7aに比べて小径とされる。この基部7bの外径面と外輪2の内径面2cとで囲まれる部分は、グリース溜まり空間8の一部となっており、このグリース溜まり空間8に前記流路14が連通している。
図3(A),(B)は、グリース溜まり本体10を隙間形成片7の先端7a側から見た正面図、およびグリース溜まり本体10の断面図を示す。図3(A)のように、隙間形成片7の先端7aにおける円周方向の一部には、外輪2の段差面2bとの間に隙間15を形成する隙間形成溝7aa(黒塗状態に図示)が形成され、円周方向の残り部分が前記段差面2bに当接する段差面当接部7abとされている。なお、図1(A)では前記隙間形成溝7aaで断面した転がり軸受の断面図を示し、図2では前記段差面当接部7abで断面した転がり軸受の断面図を示している。この実施形態では、図3(A)のように、隙間形成片先端7aにおける前記隙間形成溝7aaが、円周方向の互いに180°離れた2箇所に配置されている。これら2箇所の隙間形成溝7aaは、円形の隙間形成片7の先端面に対して、例えば直径方向に研削砥石を通過させて研削加工したものであり、2箇所の隙間形成溝7aaの両側縁は、隙間形成片7の直径方向に平行な2本の直線a,aに沿う形状とされている。また、隙間形成溝7aaの幅は、隙間形成片7の先端7aにおける隣合う隙間形成溝7aa,7aaの間の部分である段差面当接部7abの幅よりも広くされている。
上記構成の作用を説明する。軸受組立時に、グリース溜まり6および流路14にグリース11を充填しておく。また、軸受内へは初期潤滑用としてのグリースを封入しておく。 軸受を運転すると、隙間15を除いて密閉されたグリース溜まり6に溜められたグリース11において、運転時の温度上昇により膨張率の異なる基油と増稠剤とが分離する。同時に、密閉されたグリース溜まり6の内部圧力が上昇する。この内部圧力により、分離された基油が隙間15から外輪2の軌道面2aに向けて吐出される。温度が上昇して定常状態になると、内部圧力の上昇要因が消滅するので、基油の吐出と並行して内部圧力が徐々に減じ、単位時間当たりの基油吐出量も減少していく。その後、運転が中止されると、グリース溜まり6の温度も下降し、グリース溜まり6の内部圧力がほぼ大気圧となる。このとき、圧力による基油の吐出はなく、隙間15には基油が満たされる。したがって、運転停止状態では、グリース溜まり6は密閉された状態にある。
その後、運転が再開されると、グリース溜まり6の内部圧力が再度上昇する。このような温度上昇と下降のヒートサイクルによって、グリース溜まり6内での圧力変動が繰り返され、グリース11から分離した基油が確実に隙間15に移動して、外輪2の軌道面2aに繰り返し供給される。
また、上記ヒートサイクルによる基油吐出作用とは別に、以下に示す毛細管現象による基油吐出作用も加わる。すなわち、軸受の停止時には、グリース11中の増稠剤および前記隙間15の毛細管現象により、グリース11の基油が流路14から隙間15に移動し、この毛細管現象と油の表面張力とが相まって隙間15に基油が油状で保持される。軸受を運転すると、隙間15に貯油されていた基油は、運転で生じる外輪2の温度上昇による体積膨張と、転動体3の公転・自転で生じる空気流とにより隙間15から吐出されて、外輪2の軌道面2aに付着しながら移動して転動体接触部に連続的に補給される。
このように、この転がり軸受では、運転停止と運転再開の繰り返しに伴うグリース溜まり6でのヒートサイクルによる圧力変動で、グリース11から分離した基油が前記隙間15を経て外輪2の軌道面2aに吐出されるので、潤滑油の供給が確実に行われる。加えて、前記隙間15での上記した毛細管現象によっても基油が外輪2の軌道面2aに吐出されるので、潤滑が一層確実なものとなる。
とくに、この転がり軸受では、隙間形成片7の先端7aにおける円周方向の一部に、固定側軌道輪である外輪2の段差面2bとの間に隙間15を形成する隙間形成溝7aaを設ける構成であるため、隙間形成片7の先端7aに切削加工や研削加工を施すだけで前記隙間形成溝7aaを容易にかつ高精度に形成することができる。また、隙間形成片7の先端7aを外輪2の段差面2bに当接させることで、その段差面2bと隙間形成片先端7aの隙間形成溝7aaとの間に隙間15を確保する構成であるため、各部品の寸法公差を考慮することなく隙間15を適正な寸法に容易に管理できる。また、プレス加工や樹脂成形による場合のような金型が不要で、コスト低下が可能となる。
これにより、軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、グリース基油供給用の隙間15が安定して得られ、製作容易化によるコスト低下が図れる。
また、この実施形態では、隙間形成片7の前記隙間形成溝7aaを、円周方向の互いに180°離れた2箇所としているので、隙間形成溝7aaの加工に際して、前記のように砥石等の工具を隙間形成片7の先端面に直径方向に移動させることなどで、2箇所の隙間形成溝7aaが加工できる。そのため、加工が簡単である。また、2つの隙間15が円周方向の互いに180°離れた位置に配置されることになり、隙間15から外輪2の軌道面2aへの潤滑油の吐出を、円周方向に略均等に行わせることができる。
隙間形成溝7aaの幅は、段差面当接部7abの幅よりも広くしているので、円周方向の広い範囲にわたって隙間15を設けることができ、隙間15から外輪2の軌道面2aへの潤滑油の補給がより安定よく行われる。
また、この実施形態では固定側の軌道輪が外輪2であり、この外輪2に前記段差面2bが設けられるが、グリース封入状態で軸受を回転させたときに、封入グリースが遠心力で外輪内径部に飛散するため、前記隙間15と軌道面2aとの間の基油の繋がりが確実となる。そのため、転動体接触部で潤滑油として消費される分の基油が、グリース溜まり6から隙間15を経て軌道面2aに補給される作用が高められ、より安定した潤滑油の補給が行われる。
この実施形態では、転がり軸受はアンギュラ玉軸受であり、前記段差面2bが、軌道面2aにおける接触角が生じる方向と反対側の縁部に続いて形成されているので、段差面2bをより転動体3の直下に配置し易くなる。これにより、転動体3の中心付近に段差面2bを近づけることができ、隙間15から軌道面2aへの潤滑油の補給がより効率良く行える。
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の転がり軸受は、図1〜図3に示す実施形態において、外輪2の内径面2cにグリース溜まり6Aを配置することで、内外輪1,2間の軸受空間の内部にグリース溜まり空間8を形成している。この例では、図1〜図3に示す実施形態における外輪位置決め間座9はグリース溜まり6Aの構成部品とされず、図1〜図3に示す実施形態におけるグリース溜まり本体10に相当する単独の部品でグリース溜まり6Aが構成されている。グリース溜まり6Aは、外向き溝形の断面形状とされ、隙間形成片7が一体に設けられている。
この実施形態は、外輪2の軌道面2aの中心から軸受背面側の幅面までの長さよりも、グリース溜まり6Aの配置側である軸受正面側の長さを長くし、この長くした部分の外輪内径面2cに、グリース溜まり6Aを嵌合している。この場合に、内外輪1,2は同一幅寸法であり、規格寸法よりも幅寸法を片方へ大きくしており、その外輪2の幅寸法を増加した部分の内径面2cに、上記のようにグリース溜まり6Aを嵌合させている。
グリース溜まり6Aの軸受外側の側壁部6aは外輪内径面2cに形成された係合用段差部2dに係合させ、この係合用段差部2dの内径面に固定用部品を用い、軸方向に固定してある。
内輪1の幅寸法増加部分における内径面は、軌道面1aに隣接する内径面1bの部分よりも段差を以て小径とした小径面部1cとされる。この小径面部1c側にグリース溜まり6Aの内径部を張り出させることで、グリース溜まり空間8を広く確保している。その他の構成は図1〜図3の転がり軸受の場合と同様である。
この実施形態では、グリース溜まり6Aを外輪2の内径面2cに配置しているので、グリース溜まり空間8にグリースを充填した状態で、この転がり軸受をスピンドル装置等へ組み込むことができる。そのため軸受組込の作業性が向上する。
図5は、図1〜図3に示した実施形態の転がり軸受を用いた工作機械用スピンドル装置の例を示す。この工作機械用スピンドル装置では、上記転がり軸受の2個を、背面組み合わせとして用いている。2個の転がり軸受23,24は、ハウジング22内で主軸21の両端を回転自在に支持する。各転がり軸受23,24の内輪1は、内輪位置決め間座26および内輪間座27により位置決めされ、内輪固定ナット29により主軸21に締め付け固定されている。外輪2は、外輪位置決め間座9、外輪間座30および外輪押え蓋31,32によりハウジング22内に位置決め固定されている。ハウジング22は、ハウジング内筒22Aとハウジング外筒22Bとを嵌合させたものであり、その嵌合部に、冷却のための通油溝33が設けられている。
主軸21は、その前側の端部21aに工具またはワーク(図示せず)を着脱自在に取付けるチャック(図示せず)が設けられ、後ろ側の端部21bは、モータ等の駆動源が回転伝達機構(図示せず)を介して連結される。モータは、ハウジング22に内蔵しても良い。このスピンドル装置は、例えばマシニングセンタ、旋盤、フライス盤、研削盤等の各種の工作に適用できる。
この構成のスピンドル装置によると、この実施形態の転がり軸受23,24における高速化、長寿命化、メンテナンスフリー化の作用が、効果的に発揮される。
(A)はこの発明の一実施形態にかかる転がり軸受の一部の断面図、(B)は(A)の部分拡大断面図である。 同転がり軸受の他部の断面図である。 (A)は同転がり軸受におけるグリース溜まり本体を隙間形成片先端側から見た正面図、(B)は同グリース溜まり本体の断面図である。 この発明の他の実施形態にかかる転がり軸受の一部の断面図である。 この発明の転がり軸受を用いた工作機械用スピンドル装置の断面図である。
符号の説明
1…内輪
2…外輪
1a,2a…軌道面
3…転動体
6,6A…グリース溜まり
7…隙間形成片
7aa…隙間形成溝
7ab…段差面当接部
14…流路
15…隙間

Claims (5)

  1. 内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端が前記段差面に当接し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端における円周方向の一部に、前記固定側軌道輪の前記段差面との間に隙間を形成する隙間形成溝を設けたことを特徴する転がり軸受。
  2. 請求項1において、前記隙間形成溝を、円周方向の互いに180°離れた2箇所とした転がり軸受。
  3. 請求項2において、前記隙間形成溝の幅を、前記隙間形成片の先端における隣合う隙間形成溝の間の部分である段差面当接部の幅よりも広くした転がり軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、固定側の軌道輪が外輪である転がり軸受。
  5. 請求項4において、アンギュラ玉軸受であり、前記段差面は、軌道面における接触角が生じる方向と反対側の縁部に続いて形成された転がり軸受。
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