JP2008240208A - 古紙パルプの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層構成のインクジェット記録用紙でも容易に離解でき、古紙パルプとして再生できる方法を提供すること。
【解決手段】支持体の少なくとも片面に顔料と結着剤を含有する塗工液を塗工してなる塗工層を少なくとも2層以上設けたインクジェット記録用紙を古紙原料として、前記インクジェット記録用紙に対して100〜1000ppmの離解促進剤を添加しパルプ化する古紙パルプの製造方法およびこの古紙パルプを含有することを特徴とする紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用紙を古紙原料として古紙パルプ(再生パルプ)を製造する方法に関する。
近年、古紙の再利用は増加の一途をたどっている。板紙や新聞用紙、一般的な印刷用紙は古紙としての利用技術も確立しているが、シリカやアルミナを顔料に用いて塗工したインクジェット紙は、離解が困難で、古紙材料として利用しにくい場合がある。なお、本発明において離解とは、古紙あるいは損紙などを解きほぐしスラリーにすることをいう。
板紙や新聞用紙、一般的な印刷用紙の古紙あるいは損紙の離解に関しては、一般的には機械的処理が行われてきた。すなわち、パルパー等の機械的応力により、水や脱墨剤などの処理剤、あるいは水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品に浸漬させた古紙をパルプ繊維、填料、印刷インク等に分散させた後、粗選スクリーンなどの異物除去工程に送られる。また、製紙工場内で発生した印刷されていない損紙(ブロークとも言われる)の場合は、離解処理後、再度製紙原料として工場内にて再利用される。
ところで、近年のインクジェットプリンターの進歩は著しく、特にフォトタイプと呼ばれる高画質のインクジェットプリンターにおいてはCMYKの4色に加え淡色インクを用いることから、銀塩写真に近い画質の印字物が得られるようになっている。
インクジェットプリンターの高速化、インクの多色化等に伴って、インクジェット記録媒体に求められる品質も厳しくなっている。インクジェット記録媒体では、一般に、速やかに多量のインクを吸収することが求められるため、インクの吸収やインク滲みを考慮して、シリカ等の多孔質顔料と結着剤樹脂とから構成されるインク受容層が設けられ、インク受容層の乾燥塗工量を大きくすることなどが行われている(例えば特許文献1参照)。
また、インクの吸収容量を大きくするために、インク受容層が2層以上の構成であるものも多い。このような多層のインクジェット記録媒体では、下層となる塗工層には特に高いインク吸収性と強度が要求される。つまり、塗工層のインク吸収性が不十分であると、上層のインク吸収性を補うことが難しい。また、塗工層の強度が弱いと操業上の問題となるだけでなく、最終製品における記録層の強度も弱くなり、断裁時に紙粉量が多くなってインクジェットプリンターにおける搬送性等に悪影響が出やすくなる。
また、上記したようにインクジェット記録用紙に写真調の光沢感が求められているケースも多く、光沢のあるインクジェット記録媒体としては、インク受容層表面を平滑化して光沢を付与するスーパーカレンダー処理を施されたものや、インク受容層の再表面に光沢剤を塗工したもの、また湿潤状態にあるか可塑性を有しているインク受容層を、加熱された鏡面上のドラム(キャストドラム)面に圧着し、そのままの状態で乾燥と同時にその鏡面を記録用紙表面に写し取るキャスト法によって製造されたものなどがある(例えば特許文献2、3参照)。
一方、塗工層の強度を向上させるためには、結着剤の配合量を多くすることが行われている。
特開平10−235994号公報 特開昭62−95285号公報 特開昭62−235994号公報
インク受理層が多層構成であるインクジェット記録用紙においては、下層に高いインク吸収性や強度が要求されるため、下層の結着剤の配合量を多くする必要があるが、その場合、インクジェット記録媒体の離解が困難になることがある。これは、インクジェット記録媒体を離解した際、結着剤に起因して用紙に充分に水が浸透しないため、離解が不充分となるためと考えられる。特に製紙工場内でインクジェット記録媒体をブロークとして離解処理する場合、新聞用紙や印刷用紙などと同様に処理すると、離解が不充分であった場合に、未離解片が製品に混入するという問題が生じてしまう。そのため、紙製品に斑点状の異物が見られたり、オフセット印刷した時にインキの成分と未離解片中の成分とが反応して着色が生じたりするなどのトラブルが生じる。
従って、本発明の目的は、通常の離解方法では離解困難な多層構成のインクジェット記録用紙でも容易に離解でき、古紙パルプとして再生できる方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、支持体の少なくとも片面に顔料と結着剤を含有する塗工液を塗工してなる塗工層を少なくとも2層以上設けたインクジェット記録用紙を古紙原料として、前記インクジェット記録用紙に対して100〜1000ppmの離解促進剤を添加しパルプ化することを特徴とする古紙パルプの製造方法に関する。
請求項2記載の発明は、前記インクジェット記録用紙が、最下層の塗工層の結着剤が水溶性高分子と合成樹脂バインダーとを質量比で1/5〜3/1で含有し、かつ最下層の塗工層の塗工量が10g/m以上であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記離解助剤が、硫酸化脂肪酸エステルであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の古紙パルプを含有することを特徴とする紙に関する。
請求項5記載の発明は、支持体の少なくとも片面に顔料と結着剤を含有する塗工液を塗工してなる塗工層を少なくとも2層以上設けたインクジェット記録用紙の離解方法であって、前記インクジェット記録用紙に対して100〜1000ppmの離解促進剤を添加することを特徴とするインクジェット記録用紙の離解方法に関する。
本発明により、これまで離解が困難であったインクジェット記録用紙を、未離解片が生じることなく離解することができる。従って、インクジェット記録用紙を古紙原料として再利用することが可能となり、インクジェット記録用紙から再生パルプを製造することができるため、リサイクル・省資源化の促進を図ることができる。
1.インクジェット記録用紙
以下、本発明で用いられるインクジェット記録用紙について説明する。
<支持体>
支持体は、少なくとも木材パルプを含み、さらに適宜填料及び助剤等を含んで構成される。木材パルプとしては、公知の化学パルプ、機械パルプ、及び脱墨パルプ等が挙げられる。また、これら各種のパルプは、必要に応じて単独で使用され、または併用される。支持体には、填料やサイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、pH調整剤、及び各種染料等、公知の填料及び助剤を適宜選択して内添又は外添することが出来る。
<塗工層>
塗工層は顔料と結着剤とを含有する塗工液を塗工してなり、支持体の少なくとも片面に2層以上設けられる。塗工層に用いる顔料としては、合成シリカ、アルミナやアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機顔料;プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料;が挙げられる。
塗工層に用いる結着剤は特に制限されず、酸化デンプン、エステル化デンプン、冷水可溶デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子物質や、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス及びそれらの誘導体等の合成樹脂バインダーなど、公知の各種結着剤を単独で使用し又は2種以上併用できる。
また、塗工層には、必要に応じて、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及びカチオン性高分子電解質等の公知の助剤を適宜配合することができる。塗工層の強度を保持する点で、これらの助剤の配合率は、塗工層全体の20重量%以下であることが好ましい。
塗工層を設ける際には、各種ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、キスコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、及びグラビアコーター等公知の塗工装置を用いることができる。
<最下層の塗工層>
最下層の塗工層はインク受容層として作用する。最下層の塗工層用の塗工液は、結着剤として前記したデンプン類等の水溶性高分子物質と合成樹脂バインダーとを1/5〜3/1の質量割合で含有することが好ましい。従来、塗工層の強度を向上させるため結着剤の配合量を多くすると、紙のリサイクルの際、結着剤に起因して用紙に充分に水が浸透しないため、離解が不充分となるおそれがあった。この範囲であることにより、塗工層が硬くなりすぎず離解性も良好になり、また、後述する離解促進剤を用いると、優れた塗工層強度を有しながら離解性が向上することが判明した。
最下層の塗工層の塗工量は、10g/m以上であることが好ましい。
<最表層の塗工層>
最表層の塗工層がキャストコート法によって設けられていることが好ましい。このようにすると、インクジェット記録媒体の光沢度を大幅に向上させることができる。
最表層の塗工層をキャストコート法によって形成させる場合、最表層の塗工層に含まれる顔料としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び各種プラスチック顔料等公知の各種顔料が挙げられ、これらの中から少なくとも1種を選択して用いることができる。これらの顔料のうち、特に合成非晶質シリカやアルミナ等の多孔性顔料は、他の顔料と比較してインク吸収性に優れたポーラスな層を形成するだけでなく、塗工層中で比較的透明となり、記録を行った際にインク発色性が向上するため、好ましく用いられる。
また、最表層の塗工層をキャストコート法によって形成させる場合、最表層の塗工層に含まれる結着剤としては、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス及びそれらの誘導体等、公知の各種結着剤が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いても、2種以上を併用することもできる。
最表層の塗工層に含まれる顔料と結着剤の配合比率は、その性状、処方及び支持体に応じて変更することが可能であり、インク吸収性などの要求品質を損なわない範囲で適宜設定する事が出来る。また最表層の塗工層には、必要に応じて、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、剥離剤、pH調整剤、及びカチオン性高分子電解質等の公知の助剤を適宜添加することができる。
キャスト法としては、従来公知のキャスト法を適用することができるが、特に凝固キャスト法を用いることが好ましい。凝固キャスト法を用いた場合、塗工層がゲル化して可塑化の度合いが高いため、リウエットキャスト法に比較して光沢ムラやドラムへの密着ムラが少なく、優れた面感のキャスト層を得ることが出来る。
凝固キャスト法に用いる凝固液としては、例えば1)蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、又は炭酸と、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、又はアンモニウムとの塩、2)ホウ砂、3)各種ホウ酸塩、の溶液が挙げられる。本発明においては、これらの中から選択された少なくとも1種を好適に用いることができる。
2.離解方法
本発明では、離解機に上記のインクジェット記録用紙、水、離解助剤、さらに必要に応じてその他の薬品を添加し、濃度や温度等を調整して離解する。以下、具体的に説明する。
<離解助剤>
本発明で用いられる離解助剤は、硫酸化脂肪酸エステルが好適に用いられる。硫酸化脂肪酸エステルとは、式1で表される化合物のことを指す。
Figure 2008240208
(Rは炭素数1〜10の直鎖飽和または不飽和炭化水素基を表す。R’は炭素数1〜10の直鎖飽和または不飽和炭化水素基を表す。また、R’’は1〜4の飽和炭化水素基を表す。)
一般に硫酸化脂肪酸エステルは、オレイン酸やリシノレイン酸などの不飽和カルボン酸のエステルを硫酸化して得られる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、硫酸化オレイン酸メチル、硫酸化オレイン酸ブチル、硫酸化リシノレイン酸メチルや硫酸化リシノレイン酸ブチルなどを挙げることができる。
離解助剤の量は、離解するインクジェット記録用紙の質量に対し、100〜1000ppmの範囲であることが好ましい。離解助剤の量がこの範囲より少ないと、離解助剤の効果が得られにくい。一方、離解助剤の量がこの範囲より多くても、離解促進剤の効果が頭打ちの傾向が見られる。離解助剤のより好ましい添加量は100〜500ppmである。
本発明で用いられる硫酸化脂肪酸エステルの添加が、インクジェット記録用紙の離解に効果的である理由は明らかではないが、一般に界面活性剤の親水基の位置が疎水基の末端にあるものより、中央寄りにある方が浸透力が大きいことが知られている。硫酸化脂肪酸エステルは、式1に示したように、親水基である硫酸ナトリウム基が分子のほぼ中央にあるため、一般的な高級アルコールの硫酸エステル塩(一般式:R-OSO3Na)や高級アルキルエーテルの硫酸エステル塩(一般式:R-(EOまたはPO)n-OSO3Na、但しEO=エチレンオキサイド、PO=プロピレンオキサイド)やスルホン酸塩(一般式:R-SO3Na)などのアニオン性界面活性剤に比べてインクジェット記録用紙のインク受理層の内部に浸透しやすくなっているのではないかと考えられる。また、硫酸化脂肪酸エステルは、比較的起泡性が小さいため、離解中に高速攪拌して機械的なせん断力を大きくしやすいことも、硫酸化脂肪酸エステルが本発明に好適な要因と考えられる。
<離解機>
離解機については、高濃度パルパー、低濃度パルパー等、公知のものを使用可能であり、特に制限されない。また、離解後の処理として、ニーダー、ディスパーザー、リファイナー等による処理を行ってもよい。
<離解濃度>
離解機に応じた濃度であれば特に制限はないが、高濃度パルパーであれば15%程度、低濃度パルパーであれば5%程度であれば良い。
<添加薬品>
離解時の添加薬品としては、NaOHやKOHなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。この他、本発明の効果を阻害しない範囲で、界面活性剤、硫酸化脂肪酸エステル以外の構造を持つ離解助剤、脱蛍光剤、消泡剤、脱墨剤などの薬品を用いることも出来る。
<温度・時間>
離解するときの温度は20℃以上、好ましくは30℃以上である。温度が高い方が離解液がインクジェット記録用紙に浸透しやすく、また粘度が下がり攪拌しやすいため、短時間で十分に離解することができる。上限は特に限定されるものではないが、70℃以下程度が好適である。温度が70℃より高くても、離解時間や離解の程度に与える影響は少ないため、加温する効果が小さい。
<その他>
本発明において、インクジェット記録用紙を離解する際には、新聞用紙、コート紙、アート紙、微塗工紙などの塗工オフセット印刷用紙、上質紙などの非塗工オフセット印刷用紙や電子写真用紙(いわゆるPPC用紙)など、他の種類の紙が混入していても良い。
3.再生パルプ
本発明では、上記のインクジェット記録用紙を古紙原料として離解することにより再生パルプ化し、このパルプを用いて紙を製造することができる。紙の製造方法は特に制限されず、従来公知の方法を適宜用いて製造すればよい。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施例において部および%はいずれも重量部および重量%である。
<インクジェット記録用紙の作製>
[インクジェット記録用紙の作製]
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に対し、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02重量部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、片面当り固形分で1.5g/mとなるようにデンプンを両面に塗布し、坪量170g/mの支持体を得た。
上記支持体の片面に、以下のアンダー層用塗工液を乾燥塗工量15g/mとなるようにブレード方式により塗工し、さらに乾燥して最下層の塗工層(アンダー層)を設けた。
次に、アンダー層の上に、以下のキャスト層用塗工液を乾燥塗工量12g/mとなるようにロールコーターを用いて塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に以下の凝固液を用いて凝固させた。次いで、プレスロールを介して105℃に加熱されたキャストドラムに塗工層を圧着して鏡面を写し取り、乾燥してインクジェット記録用紙を製造した。
[アンダー層用塗工液]
顔料として合成非晶質シリカ(ファインシールX37、トクヤマ製の商品名)100部、結着剤として完全けん化ポリビニルアルコール(PVA−117、株式会社クラレ製の商品名)5部、及びエチレン酢酸ビニル共重合体エマルション(AM−3150、昭和高分子製の商品名)25部、助剤としてカチオン性インク定着剤(ポリフィックス700、昭和高分子社製の商品名)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360、荒川化学工業製の商品名)5部を混合して固形分31.5%の塗料を調製した。
[キャスト層用塗工液]
顔料としてコロイダルシリカ(クォートロンPL−1:扶桑化学工業社製の商品名)を50部、及び比表面積200m/gの気相法シリカ(アエロジル200:日本アエロジル株式会社製)を20部、沈降法シリカ(ファインシールX−80:トクヤマ工業社製)を30部配合し、結着剤として重合度2400のポリビニルアルコール(PVA624:クラレ株式会社製の商品名)を10部配合し、さらに消泡剤0.2部を配合して濃度20%のキャスト層用塗工液を調整した。
[凝固液]
硼砂2%、ホウ酸2%(硼砂/ホウ酸の質量比=1/1、NaおよびHBO換算で計算)、及び離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%を配合して凝固液を調整した。
<インクジェット記録用紙の離解>
[実施例1]
TAPPI標準離解機に先に製造したインクジェット記録用紙を古紙として10gとり、水を2L加えた。ここへ、対古紙重量500ppmの硫酸化脂肪酸エステル(商品名:シントールZS、日新化学研究所製)を添加した。更に水酸化ナトリウムを対古紙重量1%添加し、TAPPI標準離解機で50℃、1000回転で48分離解し、実施例1のパルプスラリーを得た。次いでこのスラリーを用いて、JIS P 8222に順処して坪量60g/mの手抄きシートを作成した後、カレンダー処理をして平滑性200秒の離解性評価用のシートを作成した。
[実施例2]
硫酸化脂肪酸エステルの量を対古紙100ppmとした以外は、実施例1と同様にして実施例2の評価用シートを得た。
[実施例3]
離解温度を65℃とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の評価用シートを得た。
[実施例4]
硫酸化脂肪酸エステルの量を対古紙1000ppmとした以外は、実施例1と同様にして実施例4の評価用シートを得た。
[比較例1]
硫酸化脂肪酸エステルを添加しない点以外は、実施例1と同様にして比較例1の評価用シートを作成した。
[比較例2]
離解温度を65℃とした以外は、比較例1と同様にして比較例2の評価用シートを作製した。
[比較例3]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙75ppm添加した以外は、実施例1と同様にして比較例3の評価用シートを作成した。
[比較例4]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙500ppm用いる代わりに、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:エマルゲン707、花王製)を対古紙500ppm添加した以外は、実施例1と同様にして比較例4の評価用シートを得た。
[比較例5]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙500ppm用いる代わりに、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:エマルゲン707、花王製)を対古紙1000ppm添加した以外は、実施例1と同様にして比較例5の評価用シートを得た。
[比較例6]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙500ppm用いる代わりに、高級アルコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物(商品名:ニュートロンT−15、日新化学研究所製)を500ppm用いた以外は、実施例1と同様にして比較例6の評価用シートを得た。
[比較例7]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙500ppm用いる代わりに、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(商品名:ペレックスNB−L、花王製)を500ppm用いた以外は、実施例1と同様にして比較例7の評価用シートを得た。
[比較例8]
硫酸化脂肪酸エステルを対古紙500ppm用いる代わりに、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(商品名:ペレックスNB−L、花王製)を1000ppm用いたところ、離解中に多量の発泡が生じ、離解することが出来なかった。
<離解方法の評価>
離解方法の評価は、作製した手抄きシート中の未離解片の数を目視で評価して行った。すなわち、手抄きシート中の10cm×10cm面積中に目視で観察される未離解片の数を数え、以下の基準で評価した。結果を表1に示した。
○:未離解片の数が3個未満である
△:未離解片の数が3個以上5個未満である
×:未離解片の数が5個以上10個未満である
××:未離解片の数が10個以上である
Figure 2008240208
Figure 2008240208
Figure 2008240208
表1から明らかなように、本発明の硫酸化脂肪酸エステルを用いた実施例1〜4では、比較的良好な離解結果が得られているのに対し、硫酸化脂肪酸エステルを添加しない、あるいは添加量が不足している比較例1〜3では、離解後も未離解片が多く残っている。また、一般的なアルコール系界面活性剤や、スルフォン酸ナトリウムを用いた実施例4〜8でも未離解片が多い、あるいは泡立ちが多く離解できないなどの問題が生じている。

Claims (5)

  1. 支持体の少なくとも片面に顔料と結着剤を含有する塗工液を塗工してなる塗工層を少なくとも2層以上設けたインクジェット記録用紙を古紙原料として、前記インクジェット記録用紙に対して100〜1000ppmの離解促進剤を添加しパルプ化することを特徴とする古紙パルプの製造方法。
  2. 前記インクジェット記録用紙が、最下層の塗工層の結着剤が水溶性高分子と合成樹脂バインダーとを質量比で1/5〜3/1で含有し、かつ最下層の塗工層の塗工量が10g/m以上であることを特徴とする請求項1記載の古紙パルプの製造方法。
  3. 前記離解助剤が、硫酸化脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1または2記載の古紙パルプの製造方法。
  4. 請求項1〜4のいずれかに記載の古紙パルプを含有することを特徴とする紙。
  5. 支持体の少なくとも片面に顔料と結着剤を含有する塗工液を塗工してなる塗工層を少なくとも2層以上設けたインクジェット記録用紙の離解方法であって、前記インクジェット記録用紙に対して100〜1000ppmの離解促進剤を添加することを特徴とするインクジェット記録用紙の離解方法。
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