JP2008240099A - 包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製缶時に高い缶底成形性を示すとともに、優れた耐圧強度を有する包装用容器を得ることができる包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法の提供。
【解決手段】Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%、Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成され、0.2%耐力が255〜300N/mm、ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅が0.4未満、かつ5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mm以上であるアルミニウム合金板およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲料、食品用途に使用される包装容器、特に、DI缶、ボトル缶等の包装容器の缶胴に使用される包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
従来、飲料、食品用途に使用される包装容器として、図2に示すように、有底円筒状の胴部21と、その胴部21に繋がりこの胴部21より小さい外径を有するネック部22と、このネック部22の端部に形成されたフランジ部23および開口部24とを備えた包装容器(DI缶)20が知られている。また、図3に示すように、底部31、側壁部32、ネック部33と、ネジ切り加工されたネジ部34を備えた口部35とが一体成形された2ピースボトル缶30も知られている。
これらいずれの包装容器も、競合する他の容器に対する競争力を高めるためには、薄肉軽量化を進めてコストダウンを図ることが有効であるが、その際に耐圧強度を確保するため缶底形状の工夫(例えば、接地径の縮小など)が様々行われている(特許文献1参照)。
特開平5−338640号公報(請求項1、図1)
しかしながら、そうした缶底形状の変更、加えて薄肉化に伴って、例えば、チャイム部(図2中、符号25を付した部分、図3中、符号36を付した部分)にしわが発生するなど、缶底成形に伴う不具合が発生しやすくなるという問題がある。缶底成形性を高めるには、材料の静的回復を促進して伸び率の向上、加工硬化指数の向上を図ることが有効な手段であるが、材料の回復に伴い強度も大幅に低下する場合があり、その結果、缶の耐圧強度の低下を招き十分な薄肉化を達成できないという問題があった。また、材料の回復の度合いによって加工硬化特性が異なり、十分な耐圧強度が得られない場合が生ずるという問題もあった。
そこで、本発明は、上記問題を解決するため、製缶時に優れた缶底成形性を示すとともに、高い耐圧強度を有する包装用容器を得ることができる包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供するものである。
本願発明者は、製缶時の高い缶底成形性と、高い耐圧強度を有する包装用容器を得ることができる包装容器用アルミニウム合金板を提供することを目的として、アルミニウム合金板の材料の化学成分と冷間圧延時の材料の動的回復、静的回復に着目し、合金底部、および圧延条件による材料の動的回復、静的回復について研究を重ね、前記課題を解決するアルミニウム合金板とその製造方法を見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、請求項1に係る発明の包装容器用アルミニウム合金板は、Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%、Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金板であって、0.2%耐力が255〜300N/mm、ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅が0.4未満、かつ5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mm以上であることを特徴とする。
このアルミニウム合金板では、Cu、Mg、Mn、FeおよびSiを前記特定の含有量の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成され、0.2%耐力、ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅、および冷間加工を加えたときの引張強さの増分が特定の範囲であることによって、製缶時に高い缶底成形性を示すとともに、高い耐圧強度を有する包装容器を得ることができる。
また、請求項2に係る発明の包装容器用アルミニウム合金板の製造方法は、Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%。Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、前記鋳塊を均質化熱処理する第2工程と、前記均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する第3工程と、前記圧延板を中間焼鈍なしで冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する第4工程とを含み、前記第4工程の冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度を50℃以上とし、かつ、最終パスの冷間加工率を55〜65%とすることを特徴とする。
このアルミニウム合金板の製造方法では、Cu、Mg、Mn、FeおよびSiを前記特定の含有量の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金を、溶解、鋳造、均質化熱処理、熱間圧延および冷間圧延する際に、冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度を50℃以上とし、かつ、最終パスの冷間加工率を55〜65%とすることによって、製缶時に高い缶底成形性を示すとともに、高い耐圧強度を有する包装容器を得ることができるアルミニウム合金板を製造することができる。
本発明の包装容器用アルミニウム合金板は、必須含有成分であるCu、Mg、Mn、FeおよびSiを特定の範囲含有するとともに、0.2%耐力、結晶格子面(220)に基づくX線回折ピークの半値幅、および冷間加工時の引張強さの増分が特定の範囲であるため、製缶時に高い缶底成形性を示すとともに、高い耐圧強度を有する包装容器を得ることができる。
また、本発明のアルミニウム合金板の製造方法によれば、製缶時に高い缶底成形性を示すとともに、高い耐圧強度を有する包装容器を得ることができるアルミニウム合金板を製造することができる。
以下、本発明に係るアルミニウム合金板(以下、「本発明の合金板」という)およびその製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の合金板の必須含有成分であるCu、Mg、Mn、FeおよびSiの含有量の数値限定理由、ならびに、0.2%耐力、結晶格子面(220)に基づくX線回折ピークの半値幅、および冷間加工時の引張強さの増分の数値限定理由について説明する。
(Cu含有量:0.2〜0.4質量%)
本発明の合金板において、Cuは、製缶時の缶強度、しごき加工時やネック成形時の成形性に寄与する元素である。Cu含有量が0.2質量%未満では製缶時の缶強度不足を招き、0.4質量%を超えると強度が過剰となり、しごき加工時の割れや缶底シワ等の不良発生率が高いため実用に適さない。そのため、本発明の合金板では、Cu含有量は0.2〜0.4質量%である。
(Mg含有量:1.0〜2.0質量%)
本発明の合金板において、Mgは、冷間圧延時の動的回復および静的回復、均質化熱処理時のバーニング、圧延時の板表面の焼付き性など、合金板の製造に影響を及ぼす元素である。Mg含有量が1.0質量%未満では、冷間圧延時の動的回復、静的回復に伴って強度が大幅に低下することになり、材料強度不足、ひいては缶強度の不足を招く。また、1.0質量%以上を確保すれば、こうした回復に伴う強度低下が抑えられ、製缶した際に十分な耐圧強度を得ることができる。しかし、2.0質量%を超えると均質化熱処理時のバーニングや、圧延時の板表面の焼付きが発生しやすくなるなど、材料製造上における問題点があり実用に適さない。また、圧延板が製造できても、強度が過剰となるためしごき加工時の割れや缶底シワ等の不良発生率が高くなる。そのため、本発明の合金板では、Mg含有量は、1.0〜2.0質量%であり、好ましくは1.1〜1.7質量%である。
(Mn含有量:0.7〜1.3質量%)
本発明の合金板において、Mnは、製缶時の缶強度、成形性に影響を及ぼす元素である。Mn含有量が0.7質量%未満では、製缶時に缶強度の不足を招き、1.3質量%を超えると金属間化合物のサイズ、量ともに過度に増える結果となり、粗大な金属間化合物起因のフランジ割れやしごき加工時の割れ発生等、成形性に悪影響を及ぼす。また、強度が過剰となるためしごき加工時の割れや缶底シワ等の不良発生率が高くなる。そのため、本発明の合金板では、Mn含有量は、0.7〜1.3質量%であり、好ましくは0.75〜1.20質量%である。
(Fe含有量:0.4〜0.8質量%)
本発明の合金板において、Feは、製缶時の耳の発生等の成形性、また、製造時の金属間化合物の生成等に影響を及ぼす元素である。Fe含有量が0.4質量%未満では、0−180°耳の増大により、所定の缶寸法が得難くなる。また、0.8質量%を超えると、金属間化合物のサイズ、量ともに過度に増える結果となり、粗大な金属間化合物起因のフランジ割れやしごき加工時の割れ発生等、成形性に悪影響を及ぼす。そのため、本発明の合金では、Fe含有量は0.4〜0.8質量%である。
(Si含有量:0.1〜0.4質量%)
本発明の合金板において、Siは製缶時の耳の発生、熱間圧延時の合金組織の形成等に影響を及ぼす元素である。Si含有量が0.1質量%未満では45°耳が増大し、0.4質量%を超えると、熱間圧延時の集合組織のばらつきを招き、耳率のばらつきが増大し、いずれの場合も所定の缶寸法が得難くなる虞がある。そのため、本発明の合金板において、Si含有量は0.1〜0.4質量%である。
(不可避的不純物)
本発明の合金板は、不可避的不純物として、例えば、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.50質量%以下、Ti:0.10質量%以下、Zr:0.10質量%以下、B:0.05質量%以下などの含有は本発明の効果を妨げるものではなく、このような不可避的不純物を含有していてもよい。
(0.2%耐力が255〜300N/mm
包装容器用アルミニウム合金板は、成形時に高い加工力を必要とし、しごき成形時に割れ(ティアオフ)が発生せず、また、缶底成形時に缶底シワが発生しない、などの特性が求められる。本発明の合金板では、0.2%耐力が300N/mmを超えると、成形時に高い加工力が必要となるため、しごき成形時に割れ(ティアオフ)を発生しやすく、また、缶底成形時にしわ押さえ力の効果が低下し、缶底シワが発生しやすくなる。また、255N/mm未満では、缶底強度が低下し耐圧強度が不足する。そのため、本発明の合金板では、0.2%耐力を255〜300N/mmとする。
(ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅が0.4未満)
包装容器用アルミニウム合金板は、製缶時の優れた缶底成形性および製缶後に優れた耐圧強度を得るためには、冷間圧延後に十分に動的および静的に回復するとともに、加工硬化することが求められる。本発明の合金板では、ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの幅広がりは、冷間圧延後の回復の度合いと対応する。(220)結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅が0.4未満であれば回復が十分なため缶底成形性に優れ、しわ等の問題がなく、また十分な加工硬化を有するため製缶後の耐圧強度を満足することができる。これに対し、0.4以上の場合は回復不十分により缶底成形性に劣るとともに、加工硬化も小さくなり耐圧強度が不足することになる。そのため、本発明の合金板では、ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅を0.4未満、好ましくは0.36以下とする。
(5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mm以上)
包装容器用アルミニウム合金板は、製缶時に十分な耐圧強度を得るために、缶底成形時に十分に加工硬化することが求められる。本発明の合金板では、引張強さの増分が10N/mm以上であれば、缶底成形を施したときの加工硬化が十分であり、製缶後に十分な耐圧強度を得ることができる。そのため、本発明の合金板では、5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mm以上とする。
次に、本発明の合金板の製造方法について説明する。
本発明の合金板は、図1に示すとおり、Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%。Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する第1工程(S1)と、前記鋳塊を均質化熱処理する第2工程(S2)と、前記均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する第3工程(S3)と、前記圧延板を中間焼鈍なしで冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する第4工程(S4)とを主要工程とする方法によって製造される。
本発明の合金板の製造方法において、第1工程におけるアルミニウム合金の溶解、鋳造時の加熱温度、第2工程における均質化熱処理温度、第3工程における熱間圧延ロール温度等の条件は特に限定されず、通常のアルミニウム合金板の製造条件に従うものである。そして、本発明の製造方法においては、第4工程における冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度、および最終パスの冷間加工率を特定の範囲とするものである。以下、これらの冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度および冷間加工率の数値限定理由について説明する。
(冷間圧延時の最終パスにおける圧延ロール温度:50℃以上)
本発明の合金板の製造方法において、冷間圧延時の最終パスにおける圧延ロール温度は、冷間圧延時の動的回復、材料の加工硬化に寄与する製造条件である。本発明の合金板の製造方法において、第4工程の冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度が50℃未満では、冷間圧延時の動的回復が不十分となり、材料の加工硬化が小さくなるため、製缶した際の耐圧強度が不足する。本発明において、「圧延ロール温度」とは、板のエッジ部分が通る部位のロール温度を言う。そのため、本発明の合金板の製造方法において、第4工程の冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度を50℃以上、好ましくは120℃以下とする。
(冷間圧延時の最終パスの冷間加工率:55〜65%)
本発明の合金板の製造方法において、冷間圧延時の最終パスにおける冷間加工率は、冷間圧延時の動的回復、静的回復、材料の加工硬化に寄与する製造条件である。本発明の合金板の製造方法において、第4工程の冷間圧延の最終パスにおける冷間加工率が55%未満では、冷間圧延時の動的回復、静的回復ともに不十分で、缶底成形時にしわを発生させるなどの不具合を生じやすく、かつ、加工硬化も小さくなるため、製缶した際の耐圧強度が不足する。また、65%以上では、材料の回復が過多となり、強度低下を招くため、製缶後の耐圧強度が不十分となる。さらに、しごき成形性も低下し、DI成形時に破断などの加工不具合を生じやすくなる。そのため、本発明の合金板の製造方法において、第4工程の冷間圧延の最終パスにおける冷間加工率を55〜65%とする。
以下、本発明について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを対比して具体的に説明する。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
各例において、表1に示す成分組成、製造条件(冷間圧延時の最終パスにおける圧延ロール温度、冷間加工率)で、板厚0.270mmのアルミニウム合金板を作製した。このアルミニウム合金板について、下記の評価を行った。
1)JIS H 4000に準じて引張試験を行って0.2%耐力を測定した。
2)アルミニウム合金に対してX線回折分析を行い、ミラー指数(220)の結晶格子面に基づく回折ピーク(回折角度:65度)の半値幅を求めた。
3)アルミニウム合金に対して5%の冷間加工を加え、その後にJIS H 4000に準じて引張試験を行って引張強さを求め、引張強さの増分を求めた。
Figure 2008240099
さらに、このアルミニウム合金板を用いて、下記の処理および成形を行った。
(1)ブランク径140mm、カップ径90mmで絞りカップを成形した。
(2)その後、再絞り、3段しごき、トリミングを経て、DI缶(ストレート缶)を作製した。
(3)このストレート缶に200℃×20分のベーキング処理を実施した。
(4)さらに、4段ネック成形、フランジ成形を経て、最終缶を作製した。
そして、この成形過程および最終缶において、カップ耳率、しごき成形性、缶底成形性および耐圧強度の評価を行った。
(カップ耳率)
絞りカップ10缶の耳率を測定し、その平均値が2.0%以下を「○」(良好)、2.0%を超えた場合を「×」(不良)とした。
(しごき成形性)
前記の成形工程によって、連続して10000缶製缶したときに、破断(胴切れ)やスジ状の欠陥が発生した回数が0〜3回のものを○(良好)、4回以上を×(不良)とした。
(缶底成形性)
カッピング後に再絞りまでを行い、その再絞り缶の缶底テーパー部のシワを3次元測定機で全周の形状測定を行い、最大ピーク値で評価した。その際のシワ押さえ圧は50psi、また再絞りダイスRは1.5mmとした。そして、最大ピーク値が0.35mm未満であるときを「○」(良好)とし、それ以外のときを「×」(不良)とした。
(耐圧強度)
最終缶(缶底接地径48mm)に徐々に内圧を負荷し、缶底部がバックリングする際の最大圧で耐圧強度を評価した。10缶について測定をし、その平均値が6.7kg/cm以上(657kPa以上)を「○」(良好)、6.7kg/cm未満(657kPa未満)を「×」(不良)とした。
Figure 2008240099
表2に示すとおり、実施例1〜5は本発明で規制する条件を満足しているので、いずれの評価項目も○となった。一方、比較例では、本発明で規制する条件のいずれかを満足していないので、いずれかの評価項目が×となった。すなわち、各比較例の評価結果は、下記の通りである。
比較例1は、Cuの含有量が下限値未満で0.2%耐力が下限値未満となったので、耐圧強度が不足した。
比較例2は、Cuの含有量が上限値を超え0.2%耐力が上限値を超えるため、しごき成形性、缶底成形性が不良であった。
比較例3は、Mg含有量が下限値未満で0.2%耐力が下限値未満となったので、耐圧強度が不足した。
比較例4は、Mg含有量が上限値を超え0.2%耐力が上限値を超えるため、しごき成形性、缶底成形性が不良であった。
比較例5は、Mn含有量が下限値未満で0.2%耐力が下限値未満となったので、耐圧強度が不足した。
比較例6は、Mn含有量が上限値を超え0.2%耐力が上限値を超えるため、しごき成形性、缶底成形性が不良であった。
比較例7は、Fe含有量が下限値未満であるため、カップ耳率が不良であった。
比較例8は、Fe含有量が上限値を超え、粗大な金属間化合物が増加した結果、しごき成形性が不良であった。
比較例9は、Si含有量が下限値未満であるため、耳率が不良であった。
比較例10は、Si含有量が上限値を超えたため、やはり耳率が不良であった。
比較例11は、圧延ロール温度が下限値未満であるため、材料の加工硬化が小さく(5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mmに達せず)、缶底成形が不良であった。
比較例12は、冷間圧延最終パスの加工率が下限値未満であるため、材料の加工硬化が小さく(5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mmに達せず)、缶底成形が不良であった。
比較例13は、冷間圧延最終パスの加工率が上限値を超えているため、0.2%耐力が低下して下限値未満となり、耐圧強度が不足した。
本発明の包装容器用アルミニウム合金板の製造方法を示す工程図である。 包装容器(DI缶)の構成を示す概略図である。 2ピースボトル缶の構成を示す概略図である。

Claims (2)

  1. Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%、Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金板であって、
    0.2%耐力が255〜300N/mm
    ミラー指数が(220)である結晶格子面に基づくX線回折ピークの半値幅が0.4未満、かつ
    5%の冷間加工を加えたときの引張強さの増分が10N/mm以上である
    ことを特徴とする包装容器用アルミニウム合金板。
  2. Cuを0.2〜0.4質量%、Mgを1.0〜2.0質量%、Mnを0.7〜1.3質量%。Feを0.4〜0.8質量%、Siを0.1〜0.4質量%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から構成されるアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、
    前記鋳塊を均質化熱処理する第2工程と、
    前記均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する第3工程と、
    前記圧延板を中間焼鈍なしで冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する第4工程とを含み、
    前記第4工程の冷間圧延の最終パスにおける圧延ロール温度を50℃以上とし、かつ、最終パスの冷間加工率を55〜65%とする
    ことを特徴とする包装容器用アルミニウム合金板の製造方法。
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