JP2008238645A - 断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に且つ確実にガラスに断熱性(耐火性能)を付与することができる断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法を提供する。
【解決手段】ガラスの表面に貼り付けてガラスに断熱性を付与するための断熱フィルムシート1を、一対の樹脂系フィルムシート2、3の間に発泡性断熱材4を介装して形成する。そして、この断熱フィルムシート1を建物の既存のガラスの表面に貼り付けるという簡易な操作で、既存のガラスに断熱性(耐火性能)を付与し、この既存のガラスを防耐火ガラスにする。
【選択図】図1
【解決手段】ガラスの表面に貼り付けてガラスに断熱性を付与するための断熱フィルムシート1を、一対の樹脂系フィルムシート2、3の間に発泡性断熱材4を介装して形成する。そして、この断熱フィルムシート1を建物の既存のガラスの表面に貼り付けるという簡易な操作で、既存のガラスに断熱性(耐火性能)を付与し、この既存のガラスを防耐火ガラスにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラスの表面に貼り付けられて該ガラスに断熱性を付与するための断熱フィルムシート及び該断熱フィルムシートを貼り付けてなる防耐火ガラス並びにガラスの断熱性向上方法に関する。
従来、火災発生時に高温で加熱されても割れることがなく、さらなる火災の拡大を抑制できるため、例えば一般住宅やオフィスビルなどの建物のガラス窓、ガラス扉、ガラス壁等に防耐火ガラスが用いられている。この種の防耐火ガラスには、例えば、一対の耐熱強化ガラスの間にけい酸ソーダなどの発泡性断熱材を一体に介装し、複層ガラス化して構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、このように構成した防耐火ガラスを建物のガラス窓、ガラス扉、ガラス壁などに適用した場合には、火災発生時に例えば120℃を超える高温で加熱されるとともに、発泡性断熱材が発泡して断熱性を発現し、さらに輻射熱を遮断して破損を防止でき、火災の拡大を確実に抑制することが可能になる。
実開昭63−3710号公報
しかしながら、火災時の高温の加熱によって割れてしまう一般ガラスをガラス窓、ガラス扉、ガラス壁などに用いている建物も多く、このような建物に耐火性能を付与するために上記の防耐火ガラスを適用する場合には、既存のガラスを全て防耐火ガラスに交換せざるを得ず、上記の防耐火ガラスが一対の耐熱強化ガラスの間に発泡性断熱材を一体に介装して形成されるため、高価であり、経済的な負担が大きくなってしまうという問題があった。このため、既存の一般ガラスに断熱性(耐火性能)を付与して、経済的に耐火性能を付与する手法が強く望まれていた。
本発明は、上記事情を鑑み、容易に且つ確実にガラスに断熱性(耐火性能)を付与することができる断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の断熱フィルムシートは、ガラスの表面に貼り付けて該ガラスに断熱性を付与するための断熱フィルムシートであって、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなることを特徴とする。
この発明においては、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されているため、この断熱フィルムシートを例えば建物の既存のガラスの表面(片面あるいは両面)に貼り付けるという簡易な方法で、容易に既存のガラスの断熱性(耐火性能)を向上させることができる。
また、本発明の断熱フィルムシートにおいては、前記ガラスの表面に貼り付けられる一方の樹脂系フィルムシートの外面に粘着性物質が塗布されて、粘着層が形成されていることが望ましい。
この発明においては、一方の樹脂系フィルムシートの外面に粘着層が形成されているため、ガラスの表面に容易に貼り付けることができる。
本発明の防耐火ガラスは、ガラスの表面に、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなる断熱フィルムシートを一体に貼り付けたことを特徴とする。
この発明においては、ガラスの表面(片面あるいは両面)に断熱フィルムシートを一体に貼り付けることによって、一般ガラスを適用した場合においても確実に断熱性に優れた防耐火ガラスを形成することができる。
本発明のガラスの断熱性付与方法は、ガラスの表面に、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなる断熱フィルムシートを貼り付けて、前記ガラスに断熱性を付与することを特徴とする。
この発明においては、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されているため、この断熱フィルムシートを例えば建物の既存のガラスの表面(片面あるいは両面)に貼り付けるという簡易な方法で、容易に且つ確実に既存のガラスの断熱性(耐火性能)を向上させることができる。
本発明の断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法によれば、一般ガラスの断熱性を確実に向上させることができるため、建物の断熱化を図る場合に、既存のガラスをそのまま適用することも可能になり、経済的な負担を大幅に軽減することが可能になる。
また、一般ガラスの表面に断熱フィルムシートを貼り付けることで、この一般ガラスを断熱性(耐火性能)に優れる防耐火ガラスにすることができるため、安価に防耐火ガラスを形成することが可能になり、建物の耐火性能を向上させるために既存のガラスを全て防耐火ガラスに交換するような場合においても、経済的な負担を大幅に軽減することができる。
以下、図1及び図2を参照し、本発明の一実施形態に係る断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法について説明する。本実施形態は、例えば一般住宅やオフィスビルなどの建物のガラス窓、ガラス扉、ガラス壁等に対し、容易に且つ確実に耐火性能(断熱性)を付与することが可能な断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法に関するものである。
本実施形態の断熱フィルムシート1は、図1に示すように、一対の樹脂系フィルムシート2、3の間に発泡性断熱材4を介装して、すなわち、2枚の樹脂系フィルムシート2、3の間に発泡性断熱材4を挟んで一体形成して構成されている。
一対の樹脂系フィルムシート2、3は、それぞれ、例えば透明で、ある程度強度を有する樹脂を用いて形成されている。例えばポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどを用いて形成されることが好ましい。また、ガラスへの貼り付け時の作業性が悪くならない程度の厚さ、例えば数十μmから数mm程度の厚さで形成されている。
さらに、本実施形態においては、ガラスの表面に貼り付けられる一方の樹脂系フィルムシート3の外面3aに粘着性物質が塗布されて、粘着層5が形成されている。この粘着層5は、例えばアクリル樹脂系の透明且つ耐熱性に優れた粘着性物質(接着剤や粘着剤)を50〜500μm程度の厚さで塗布して形成されることが、貼り付けの作業性や透明性を確保する点から好ましい。
一方、発泡性断熱材4は、例えばけい酸ソーダ、窒素りん酸化合物などの火災時の加熱によって発泡し断熱性を発現するものとされ、火災時の熱を確実に断熱することができ、貼り付けの作業性や透明性を確保できるような厚さで一対の樹脂系フィルムシート2、3の間に介装されている。なお、発泡性断熱材4は、発泡前の厚さが例えば1mm以下であることが望ましいが、所望の断熱性(耐火性能)を発現するように適宜その厚さが決められればよい。
上記のように構成した本実施形態の断熱フィルムシート1は、図2に示すように、建物のガラス窓、ガラス扉、ガラス壁などの既存のガラス(既存の一般ガラス)Gの表面G1、G2、すなわち既存のガラスGの室内側と室外側を向くいずれか一方の面(片面)G1あるいは両面G1、G2(本実施形態では両面G1、G2)に、一方の樹脂系フィルムシート3の外面3aに塗布して形成した粘着層5を接着させて貼り付けられる(ガラスの断熱性付与方法)。
このように断熱フィルムシート1を貼り付けることにより既存のガラスGの表面G1、G2が断熱フィルムシート1で被覆され、例えば建物の室内で火災が発生した場合においても、ガラスGよりも先に断熱フィルムシート1が火災時の熱で加熱される。そして、このように、ガラスGに先立って高温で加熱される断熱フィルムシート1が、加熱とともに発泡性断熱材4が発泡して断熱性を発現し、且つ輻射熱を遮断する。これにより、ガラスGに高温の熱が伝達することがなく、火災に伴ってこのガラスGに破損が生じることがない。よって、既存のガラスGの表面G1、G2に本実施形態の断熱フィルムシート1を貼り付けるという簡易な操作で、容易に且つ確実に断熱性(耐火性能)が付与され、既存のガラスGを防耐火ガラスにすることができ、このように形成した防耐火ガラスによって、火災時のガラスGの破損が防止され、火災の拡大が抑制されることになる。
したがって、本実施形態の断熱フィルムシート1及びこの断熱フィルムシート1を貼り付けて形成される防耐火ガラス並びにガラスGの断熱性付与方法においては、一対の樹脂系フィルムシート2、3の間に発泡性断熱材4を介装して断熱フィルムシート1が構成され、このように構成した断熱フィルムシート1を例えば建物の既存のガラスGの表面(片面あるいは両面)G1、G2に貼り付けるという簡易な方法で、既存のガラスGに耐火性能を付与することができる。また、一方の樹脂系フィルムシート3の外面3aに粘着層5が形成されていることにより、ガラスGの表面G1、G2に容易に貼り付けることができ、このように断熱フィルムシート1を貼り付けることで、容易に且つ確実に既存のガラスGを断熱性に優れた防耐火ガラスにすることができる。
よって、建物の耐火性能を向上させる際に、一対の耐熱強化ガラスの間に発泡性断熱材を一体に介装して構成した従来の防耐火ガラスと比較し、既存のガラスGをそのまま利用することができ、経済的な負担を大幅に軽減することが可能になる。
以上、本発明に係る断熱フィルムシート及びこの断熱フィルムシートを貼り付けてなる防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、建物の既存のガラスGに断熱フィルムシート1を貼り付けて、この既存のガラスGに耐火性能を付与するものとしたが、一般ガラスGに断熱フィルムシート1を貼り付けて別途防耐火ガラスを形成し、この防耐火ガラスを建物の既存のガラスGと交換して建物に耐火性能を付与してもよい。この場合においては、一般ガラスGに断熱フィルムシート1を貼り付けるという簡便な操作で防耐火ガラスを形成することができるため、従来の防耐火ガラスと比較して安価に防耐火ガラスを形成でき、たとえ建物の既存のガラスGと交換して建物に耐火性能を付与するようにした場合においても、経済的な負担を大幅に軽減して建物に耐火性能を付与することが可能である。
また、本実施形態では、断熱フィルムシート1が、一方の樹脂系フィルムシート3の外面3aに粘着性物質を塗布して形成した粘着層5を備えるものとしたが、必ずしも粘着層5を備えていなくてもよく、断熱フィルムシート1を貼り付ける際に、一方の樹脂系フィルムシート3の外面3aあるいはガラスGの表面G1、G2に接着剤や粘着剤を塗布して貼り付けてもよい。
1 断熱フィルムシート
2 樹脂系フィルムシート
3 樹脂系フィルムシート(一方の樹脂系フィルムシート)
3a 外面
4 発泡性断熱材
5 粘着層
2 樹脂系フィルムシート
3 樹脂系フィルムシート(一方の樹脂系フィルムシート)
3a 外面
4 発泡性断熱材
5 粘着層
Claims (4)
- ガラスの表面に貼り付けて該ガラスに断熱性を付与するための断熱フィルムシートであって、
一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなることを特徴とする断熱フィルムシート。 - 請求項1記載の断熱フィルムシートにおいて、
前記ガラスの表面に貼り付けられる一方の樹脂系フィルムシートの外面に粘着性物質が塗布されて、粘着層が形成されていることを特徴とする断熱フィルムシート。 - ガラスの表面に、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなる断熱フィルムシートを一体に貼り付けたことを特徴とする防耐火ガラス。
- ガラスの表面に、一対の樹脂系フィルムシートの間に発泡性断熱材が介装されてなる断熱フィルムシートを貼り付けて、前記ガラスに断熱性を付与することを特徴とするガラスの断熱性付与方法。
Priority Applications (1)
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JP2007083815A JP2008238645A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 断熱フィルムシート及び防耐火ガラス並びにガラスの断熱性付与方法 |
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-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007083815A patent/JP2008238645A/ja active Pending
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