JP2008236817A - コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置 - Google Patents

コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008236817A
JP2008236817A JP2007068143A JP2007068143A JP2008236817A JP 2008236817 A JP2008236817 A JP 2008236817A JP 2007068143 A JP2007068143 A JP 2007068143A JP 2007068143 A JP2007068143 A JP 2007068143A JP 2008236817 A JP2008236817 A JP 2008236817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
common mode
filter
transformer
power converter
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007068143A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Higuchi
剛 樋口
Kenji Yamada
健二 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP2007068143A priority Critical patent/JP2008236817A/ja
Publication of JP2008236817A publication Critical patent/JP2008236817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power Conversion In General (AREA)

Abstract

【課題】 電力変換装置による周辺機器の誤作動防止、フィルタ騒音の低減、モータの長寿命化および人体への感電を防止し、装置を小形化・低コスト化する。
【解決手段】 電力変換装置用フィルタ装置に用いられる3相コモンモードトランスにおいて、一次側巻線と二次側巻線の巻き数比を1対N(Nは2以上)であることを特徴とするコモンモードトランスとしたものである。また、各相が前記3相コモンモードトランスの一次側巻線に接続され、他端が前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の一端に接続されたコモンモード電圧検出回路(101)を備え、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つを中性点(n)としたことを特徴としたものである。
また、一次側と二次側のインダクタンス比が1対N(Nは1以上)であるコモンモードトランスを備えたコモンモードフィルタの帰線をEMIフィルタもしくは電力変換装置の中性点と接続したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置のスイッチング動作で発生する高周波ノイズを低減するフィルタ装置と、それを用いた電力変換装置に関する。この電力変換装置としては交流電源を整流していったん直流電圧変換した後、この直流電圧を可変周波数・可変電圧の交流に変換するインバータ装置や交流電源から直接可変周波数・可変電圧の交流に変換するPWMサイクロコンバータ(別名マトリクスコンバータ)がある。
電力変換装置入力側における問題の一つとして、雑音端子電圧、伝導EMI(Electro Magnetic Interference:電磁妨害雑音)が挙げられる。前記問題を解決するために従来では電力変換装置の入力側にEMIフィルタを付加して対策を行ってきた。一般的なEMIフィルタの従来技術において、電源側へ流出するコモンモードノイズを低減させる場合、EMIフィルタのコモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法あるいは接地コンデンサの容量を大きくする方法が挙げられる。しかし、コモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法は、接地コンデンサの容量を大きくする方法に比べて、サイズが大きくなり且つ高価である。また、接地コンデンサの容量を大きくする方法は、サイズが小さく且つ安価であるが、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流が増大してしまう。
次に、電力変換装置の出力側フィルタの従来技術を説明する。電力変換装置出力側における問題として、高周波漏れ電流、伝導EMI、放射EMI、モータ軸受の電食(回転中の軸受ボールベアリングの内部を高周波電流が通過することにより、軌道輪と 転動体の接触面が損傷する現象。特徴として、波状の摩耗が見られる)、モータ端子でのサージ電圧が挙げられる。前記問題を解決するために従来では電力変換装置の出力側にノーマルモードフィルタあるいはコモンモードフィルタを付加して対策を行ってきた。従来の電力変換装置の出力側フィルタには例えば特許文献1および2、非特許文献1および2がある。特許文献1および2、非特許文献1は、コモンモード電流を抑制するためのコモンモードフィルタである。また、非特許文献2は、ノーマルモードのノイズ電流を抑制するためのノーマルモードフィルタとコモンモード電流を抑制するためのコモンモードフィルタから構成されたものである。
特許文献1および2、非特許文献1に代表されるコモンモードフィルタは、フィルタの共振周波数を電力変換装置のキャリア周波数よりも低くしているため、高周波漏れ電流、伝導EMI、放射EMI、モータ軸受の電食を効果的に抑制することができるが、モータ端子でのサージ電圧の抑制をすることができない。また、非特許文献2に代表される方式は、特許文献1および2、非特許文献1などの方式に比べ、フィルタのカットオフ周波数が、電力変換装置のキャリア周波数よりも遥かに高いため、サイズが小さく且つ安価となる。また、高周波漏れ電流、伝導EMI、放射EMIに加えて、モータ端子でのサージ電圧を抑制することができる。しかし、非特許文献2の方式は、コモンモードフィルタのカットオフ周波数が電力変換装置のキャリア周波数よりも遥かに高いためにモータ軸受の電食を抑制することができない。
図14は、電力変換装置124でモータ116を駆動した場合の各部シミュレーション結果である。図14は、電力変換装置のコモンモード電圧Vc1、軸電位Vsコモンモード電流Icを示している。
図14に示すように、コモンモード電圧Vc1が変化した瞬間にコモンモード電流Icは、ピーク値5Aの高周波振動電流となり、モータを介し接地線へ流れてしまう。また、このコモンモード電流Icは伝導ノイズおよび放射ノイズの主要因の一つとなっている。更に、コモンモード電圧Vc1がモータの各部浮遊容量によって分圧されて軸電位Vsを引き起こさせる。この軸電位Vsが発生することによってモータ軸受部では、放電現象が引き起こり軸受には数百mAオーダーのベアリング電流Ibが流れ、電食が発生する。また、上記コモンモード電流Icが、電源側へ流れることにより、雑音端子電圧の増大に繋がってしまう。
図15は、電力変換装置124に図2記載のコモンモードフィルタ100を付加した場合の各部シミュレーション結果である。
図15に示すシミュレーション結果は、図2記載のコモンモードフィルタ100に用いているコモンモードトランス102の一次側および二次側の巻数比を1:1にしたものであり、一般的なコモンモードトランスを模擬したものである。また、コモンモードフィルタ100の共振周波数は運転周波数と電力変換装置124のキャリア周波数との間に設定したものである。図15に示すように、コモンモードトランス102の巻数比を1:1にすることによりコモンモード電圧Vc1のキャリア周波数以上の成分は、図15記載のコモンモード電圧Vc2程度までに抑制され、結果としてコモンモード電流Icも抑制されていることが分かる。また、軸電位Vsに対してもコモンモードフィルタ100を付加することにより、抑制されていることが分かる。
このように、従来のコモンモードフィルタは、周辺機器の誤作動の原因の一つであるコモンモード電流Icあるいはモータ軸受部における電食の原因の一つである軸電位Vsを抑制するものである。
特開2005−143230号公報(第8頁、第図1) 特許第3466118号(第12頁、第図1) IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS、VOL.28、NO.4、p858〜p863、JULY/AUGUST 1992 電気学会論文誌D、116巻12号、平成8年、p1211〜1219
また、図15に示すように従来のコモンモードフィルタを付加することによってコモンモード電流Ic、軸電位Vsを抑制することができるが、フィルタ電流Ifはピーク値で2[A]流れてしまう。そのことによって、フィルタから発生する騒音が増大する。また、フィルタ電流が大きいために、コモンモードトランスに用いられているコアにおいては、磁気飽和を避けるためにサイズが大きくなってしまう。
加えて、コモンモード電流Ic、軸電位Vsは完全に抑制する必要はなく、コモンモード電流Icに対しては、周辺機器に誤作動を生じさせない程度に抑制すれば良い。また、軸電位Vsに対しては、モータ軸受部において放電現象を引き起こさない程度に抑制すればよい。しかし、従来方式はコモンモードトランスの二次側巻数が固定されているために、巻数を可変することができず、オーバースペックになってしまう場合があるという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、コモンモード電圧・電流、軸電位、フィルタ電流を抑制し、二次側巻数を可変できるコモンモードトランスを提供し、且つ電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を抑制する入出力フィルタおよび電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、電力変換装置用フィルタ装置に用いられる3相コモンモードトランスにおいて、
一次側巻線と二次側巻線の巻き数比を1対N(Nは2以上)であることを特徴とするコモンモードトランスとしたものである。
また、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の巻き始めと巻き終わりの間に複数のタップを有することを特徴とするものである。
また、各相が3相コモンモードトランスの一次側巻線に接続され、他端が前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の一端に接続されたコモンモード電圧検出回路(101)を備え、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つを中性点(n)としたことを特徴とするものである。
また、コモンモード電圧検出回路(101)は、一端が前記3相コモンモードトランスの一次側巻線に接続され、他端がY結線されたコンデンサ(104)からなることを特徴とするものである。
また、他端がY結線されたコンデンサのY結線端子と前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の一端との間にコンデンサ(105)とダンピング抵抗器(106)を直列接続したことを特徴とするものである。
また、各相電源端子(U1,V1,W1)と直列に挿入したACリアクトル(110)と前記コモンモード電圧検出用コンデンサ(104)でLCフィルタを構成したことを特徴とするものである。
また、電力変換装置とモータ間に挿入される前記コモンモードフィルタにおいて、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つと前記電力変換装置の直流中間回路の中性点とを接続したことを特徴とするものである。
また、電力変換装置とモータ間に挿入される前記コモンモードフィルタにおいて、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つとEMIフィルタの中性点とを接続したことを特徴とするものである。
また、請求項8記載の前記EMIフィルタおよび出力フィルタを電気回路上一体化したことを特徴とするフィルタ装置である。
本発明は、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるコモンモードトランスにおいて、コモンモードトランスの二次側巻線の巻き初めから巻き終わりまでの巻数と一次側巻数の比を1:1とし、且つ二次側巻線の各部にタップを設ける構造にしたので、コモンモード電圧の抑制を調整することができる。
また本発明は、前記電力変換装置の出力部とモータの間に並列に接続されたコモンモード電圧検出回路と前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続された請求項1および2記載のコモンモードトランスおよび受動素子から構成されるコモンモードフィルタにすることによって、フィルタ電流を調整することが可能となり、フィルタ騒音を低減できる。
また本発明はフィルタ電流を接地線に流さずに済むために、従来方式に比べ雑音端子電圧を小さくすることができる。
本発明は、従来方式に比べ雑音端子電圧を小さくすることができるため、その分、入力フィルタの接地コンデンサの容量を小さくすることができる。そのため、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を小さくすることができ、感電などの安全上の問題解決にも繋がる。
また本発明はEMIフィルタおよびコモンモードフィルタを一体構成にした入出力フィルタであるため、フィルタの部品点数を減らすことができるため、安価で且つ小形のフィルタ回路を実現できる。
以下、本発明の実施を図を用いて説明する。
図1は、第1実施例を示す本発明のコモンモードトランスおよびコモンモードフィルタ回路構成図である。図において100はコモンモードフィルタであり、101はコモンモード電圧検出回路、102はコモンモードトランスの二次側巻線の各部にタップを設けた本発明のコモンモードトランス、103はタップ(外部端子)である。コモンモードトランス102は一次側(U1−U2,V1−V2,W1−W2)と二次側(端子a〜dを備える)の巻数比は従来技術のように1:1ではなく、1:N(ただしN>1)とすることを特徴とする。なお、コモンモードトランス102の一次側と二次側の巻数比を1:N(ただしN>1)とするのは本発明の図面1〜13に全て共通である。
また、図2および図3は、図1記載のコモンモードフィルタ100の具体的な回路方式を用いたコモンモードフィルタ回路である。図2中の104はコモンモード電圧検出手段としてY結線されたコンデンサを用いたコモンモード電圧検出用コンデンサである。図3中の108はコモンモード電圧検出手段としてトランスを用いたコモンモード電圧検出用トランスである。また、105はコモンモードトランスにおいてDC成分による磁気飽和を防ぐためのコンデンサであり、106はフィルタ電流の共振を抑制するためのダンピング抵抗である。この磁気飽和を防ぐためのコンデンサ105の一端はコモンモード電圧検出用コンデンサ104の中性点に接続し、他端はダンピング抵抗106を介してコモンモードトランス102の二次側のタップaに接続する。二次側のタップc(二次側のタップa−c巻数は一次側の巻数比より大)は、コモンモード電圧検出用コンデンサ104の中性点と異なる別の中性点に接続するための中性点となる。
図2において、104はコモンモード電圧検出手段として、簡単な方式であるがノーマルモードに対しては、高周波電圧の場合コンデンサ短絡になるために過大なノーマルモード電流がコンデンサに流れ込んでしまう。そのため、電力変換装置出力側にコモンモードフィルタのみを付加する場合、図2記載の方式は不適切となる。
図2に示すコモンモードフィルタ方式を採用する場合は、相間でのコンデンサ短絡を防ぐために図4記載のACリアクトル110を各相電源端子(U1,V1,W1)と直列に挿入しACリアクトル110とコモンモード電圧検出用コンデンサ104でLCフィルタを構成する方式が最適である。また、図4記載の方式にすることによって、コモンモード電圧を抑制できるだけでなく、モータに供給する電圧および電流を正弦波化することができる。コモンモード電圧検出用コンデンサ104は、ノーマルモードフィルタおよびコモンモードフィルタの一部として共有できる。
図3において、108はコモンモード電圧検出用トランスである。108はコモンモード電圧検出手段として、サイズが大きくなり,且つコストが高くなるが、ノーマルモードにおいて高いインピーダンスとして作用するため、過大なノーマルモード電流がコンデンサに流れ込むことを防ぐことができる。そのため、電力変換装置出力側にコモンモードフィルタのみでも付加することができる。
また、図3記載のコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタ113を組み合わせた場合の最良の方式を、図5に示す。図5において、111はダンピング抵抗であり、112はACリアクトルである。各相毎のダンピング抵抗111はACリアクトル112と並列に接続される。また、113は電力変換装置の出力電圧のdV/dtを抑制するノーマルモードフィルタである。磁気飽和を防ぐためのコンデンサ105の一端はコモンモード電圧検出用トランス108の中性点に接続し、他端はダンピング抵抗106を介してコモンモードトランス102の二次側のタップaに接続する。二次側のタップc(二次側のタップa−c巻数は一次側の巻数比より大)は、コモンモード電圧検出用コンデンサ108の中性点と異なる別の中性点に接続するための中性点となる。図5記載の方式にすることによって、コモンモード電圧を抑制できるだけでなく、モータ端子におけるサージ電圧を抑制することができる。
また、図6は図4記載の出力フィルタに、ダンピング抵抗114を設けたものである。ダンピング抵抗114はコモンモードトランス102の二次側のタップa、cの間に接続する。
図7は図5記載の出力フィルタに、ダンピング抵抗114を設けたものである。ダンピング抵抗114はコモンモードトランス102の二次側のタップa、cの間に接続する。
図6記載の出力フィルタは、ノーマルモードに関しては図4記載の出力フィルタと同じ特性を示す。また、図7記載の出力フィルタは、ノーマルモードに関しては図5記載の出力フィルタと同じ特性を示す。
図6および図7記載の出力フィルタは、コモンモードに関してはほぼ同じ特性を示す。また、ダンピング抵抗114を付加しているため、フィルタ電流の共振を抑制することができ、コモンモード電圧のdV/dtを抑制することができる。
図8および図9は、図4記載の出力フィルタをモータ駆動インバータドライブシステムへ適用した際のシステム構成図である。図8において、102はコモンモードトランス、115は電源、116はモータ、117は一般的なEMIフィルタ、118は3相電源の各線間に設けられたEMIフィルタコンデンサ、119はコモンモードチョーク、120は接地コンデンサ、124はモータを駆動する電力変換装置、125は電力変換装置の出力側に設けた出力フィルタである。
図9において、121はEMIフィルタコンデンサである。このEMIフィルタコンデンサ121は119と124との間に設置する。図8と同一名称には同一符号をつけ、図8と重複部分の説明を省略する。
図8は電力変換装置(124)入力側にEMIフィルタ(117)を設け、出力フィルタ125の帰線は電力変換装置の中性点nへ接続される構成となっている。電力変換装置が(a)中性点クランプ(NPC)方式の場合、この中性点nは、直流中間電圧を2等分する分割コンデンサの中性点電位である。電力変換装置が(b)2レベルインバータの場合、この中性点nは、DC母線間に2直列のコンデンサを挿入し、そのコンデンサの中性点直流中間電圧を2等分する分割コンデンサの中性点電位である。電力変換装置がマトリクスコンバータ(c)の場合、この中性点nは、商用電源の各相に接続したコンデンサ、リアクトルなどのインピーダンスをY結線して得られる中性点電位である。このように電力変換装置(124)の種類(a)、(b)、(c)に拘わらず本発明を実施できる。この点は本発明の図面全てに共通である。
図9は電力変換装置入力側にEMIフィルタ(121)を設け、出力フィルタの帰線はEMIフィルタの中性点へ接続される構成となっている。図8では出力フィルタの帰線は、コモンモードトランス102の二次側のタップcからe、を経て電力変換装置(124)中の中性点nに至る経路である。一方図9では出力フィルタの帰線は、コモンモードトランスの二次側のタップcからe、を経て電力変換装置(124)の入力側EMIフィルタ(121)の中性点nに至る経路である。
図8および図9記載のシステム構成にすることにより、フィルタ電流Ifを帰線に流すようにしたので、接地線に流さずに済む。また、本発明のコモンモードフィルタによりコモンモード電流Icを抑制しているため、EMIフィルタの接地コンデンサの定格電流容量は小さくて済む。
また、図9記載のフィルタ回路構成にすることで、EMIフィルタコンデンサ1(118)、コモンモードチョーク(119)、接地コンデンサ(120)から構成するEMIフィルタと、出力フィルタ125とを電気回路上一体化することができる。
そのため、本発明のフィルタ装置は、モータの長寿命化、周辺機器の誤作動、雑音端子電圧の低減、感電防止に繋がる。
次に図10および図11は、図5記載の出力フィルタをモータ駆動インバータドライブシステムへ適用した際のシステム構成図である。
図10は電力変換装置(124)入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタ(125)の帰線は電力変換装置(124)の中性点nへ接続される構成となっている。一方、図11は電力変換装置(124)入力側にEMIフィルタ(122)を設け、出力フィルタの帰線はEMIフィルタ(122)の中性点nへ接続される構成となっている。図10および図11の両方共に帰線経路中に抵抗素子などコンダクタンス分を有するインピーダンス手段を入れることにより帰線を流れるフィルタ電流Ifを抑制することができる。
図10および図11記載のシステム構成にすることにより、フィルタ電流Ifを接地線に流さずに済む。また、本発明のコモンモードフィルタによりコモンモード電流Icを抑制しているため、EMIフィルタの接地コンデンサの定格電流容量は小さくて済む。
また、図11記載のフィルタ回路構成にすることで、EMIフィルタと出力フィルタを電気回路上一体化することができる。
そのため、本発明のフィルタ装置は、モータの長寿命化、周辺機器の誤作動、雑音端子電圧の低減、感電防止に繋がる。
次に図12および図13は、図6記載の出力フィルタをモータ駆動インバータドライブシステムへ適用した際のシステム構成図である。図12、図13が図10、図11と各々異なる部分は、ダンピング抵抗114をコモンモードトランスの二次側のタップa、cの間に追加した部分だけである。
図12は電力変換装置(124)入力側にEMIフィルタ(117)を設け、出力フィルタ(125)の帰線は電力変換装置(124)の中性点nへ接続される構成となっている。図13は電力変換装置(124)入力側にEMIフィルタ(122)を設け、出力フィルタ(125)の帰線はEMIフィルタの中性点nへ接続される構成となっている。
図12および図13記載のシステム構成にすることにより、フィルタ電流Ifを接地線に流さずに済む。また、本発明のコモンモードフィルタによりコモンモード電流Icを抑制しているため、EMIフィルタの接地コンデンサの定格電流容量は小さくて済む。
また、図13記載のフィルタ回路構成にすることで、EMIフィルタ(122)と出力フィルタ(125)を電気回路上一体化することができる。123はEMIフィルタ(122)と出力フィルタ(125)を電気回路上一体化した入出力一体構成のフィルタである。
そのため、本発明のフィルタ装置は、モータの長寿命化、周辺機器の誤作動、雑音端子電圧の低減、感電防止に繋がる。
次に図9記載の出力フィルタ125を付加した場合の各部シミュレーション結果を図16に示す。波形図は上から順にコモンモード電圧Vc1、コモンモード電圧Vc2、軸電位Vs、コモンモード電流Ic、フィルタ電流Ifである。
図16に示すシミュレーション結果は、図1記載のコモンモードフィルタ100に用いているコモンモードトランス102の一次側および二次側のインダクタンス比を1:2にしたものである。また、コモンモードフィルタ100の共振周波数は運転周波数と電力変換装置124のキャリア周波数との間に設定したものである。図16に示すように、コモンモードトランス102のインダクタンス比を1:2にすることによりコモンモード電圧Vc1は、図16記載のコモンモード電圧Vc2程度(およそ1/2)までに抑制され、結果としてコモンモード電流Icも抑制されていることが分かる。また、軸電位Vsに対してもコモンモードフィルタ100を付加することにより、およそ1/2に抑制されていることが分かる。
また、コモンモードトランス102の一次側および二次側のインダクタンス比が1:2であるために、フィルタ電流Ifもおよそ1/2に抑制されており、フィルタ騒音の抑制も期待できる。
このように、本発明によるコモンモードフィルタは、周辺機器の誤作動の原因の一つであるコモンモード電流Icあるいはモータ軸受部における電食の原因の一つである軸電位Vsを抑制するだけでなく、フィルタ騒音も抑制するものである。
一般的に電力変換装置出力側は、PWMキャリア成分が存在するため、出力側にフィルタを付加すると、フィルタから騒音が発生する。しかし、本発明のコモンモードフィルタを用いることにより、フィルタからの騒音を低減できるので、騒音対策が必要とされるシステムへの用途に適用できる。
入出力一体構造フィルタ装置を電力変換装置に付加することによって、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置で発生するノイズを電源側へ流出させず、同時にモータを保護することができるので、周辺機器の誤作動防止およびモータの長寿命化が必要とされるシステムへの用途に適用できる。また、EMIフィルタの接地コンデンサを介して流れる基本波成分の漏れ電流を抑制することが可能であるため、人体保護に繋がる。
本発明の第1実施例を示すコモンモードトランスおよびコモンモードフィルタを示す回路図 コモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサを用いた場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタを示す回路図 コモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサおよびトランスを用いた場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタを示す回路図 正弦波フィルタとコモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサを用いた場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタとの組み合わせを示す回路図 dV/dt抑制フィルタとコモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサおよびトランスを用いた場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタとの組み合わせを示す回路図 正弦波フィルタとコモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサを用い、且つダンピング抵抗をコモンモードトランス二次側に並列接続した場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタとの組み合わせを示す回路図 dV/dt抑制フィルタとコモンモード電圧検出回路にY結線されたコンデンサおよびトランスを用い、且つダンピング抵抗をコモンモードトランス二次側に並列接続下した場合の本発明の第1実施例を示すコモンモードフィルタとの組み合わせを示す回路図 本発明の第2実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線を電力変換装置の中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図4を用いたもの)。 本発明の第2実施例および第三実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線をEMIフィルタの中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図5を用いたもの)。 本発明の第2実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線を電力変換装置の中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図6を用いたもの)。 本発明の第2実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線をEMIフィルタの中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図7を用いたもの)。 本発明の第2実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線を電力変換装置の中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図8を用いたもの)。 本発明の第2実施例を示す電力変換装置入力側にEMIフィルタを設け、出力フィルタの帰線をEMIフィルタの中性点へ接続したドライブシステムの構成図(但し、出力フィルタは図9を用いたもの)。 図8に示すドライブシステムにおいて、EMIフィルタおよび出力フィルタを接続しない場合(従来技術)の各部シミュレーション波形 図8に示すドライブシステムにおいて、コモンモードトランスのインダクタンス比を1:1とした場合(従来技術)の各部シミュレーション波形 図8に示すドライブシステムにおいて、コモンモードトランスのインダクタンス比を1:2とした場合(本発明)の各部シミュレーション波形
符号の説明
100 コモンモードフィルタ
101 コモンモード電圧検出回路
102 本発明方式によるコモンモードトランス
103 タップ
104 コモンモード電圧検出用コンデンサ
105 コンデンサ
106 ダンピング抵抗器1
107 コンデンサおよびコモンモード電圧検出用トランス
108 コモンモード電圧検出用トランス
109 ノーマルモードフィルタ1
110 ACリアクトル1
111 ダンピング抵抗器2
112 ACリアクトル2
113 ノーマルモードフィルタ2
114 ダンピング抵抗3
115 電源
116 モータ
117 一般的なEMIフィルタ
118 EMIフィルタコンデンサ1
119 コモンモードチョーク
120 接地コンデンサ
121 EMIフィルタコンデンサ2
122 入出力フィルタ一体構成用EMIフィルタ
123 入出力一体構成のフィルタ
124 電力変換装置
125 出力フィルタ
Vc1、Vc2 コモンモード電圧
Vs 軸電位
Ic コモンモード電流
If フィルタ電流
n 中性点
N 巻き数比

Claims (9)

  1. 電力変換装置用フィルタ装置に用いられる3相コモンモードトランスにおいて、
    一次側巻線と二次側巻線の巻き数比を1対N(Nは2以上)であることを特徴とするコモンモードトランス。
  2. 前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の巻き始めと巻き終わりの間に複数のタップを有することを特徴とする請求項1記載のコモンモードトランス。
  3. 各相が3相コモンモードトランスの一次側巻線に接続され、他端が前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の一端に接続されたコモンモード電圧検出回路(101)を備え、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つを中性点(n)としたことを特徴とするコモンモードフィルタ。
  4. コモンモード電圧検出回路(101)は、一端が前記3相コモンモードトランスの一次側巻線に接続され、他端がY結線されたコンデンサ(104)からなることを特徴とする請求項3記載のコモンモードフィルタ。
  5. 他端がY結線されたコンデンサのY結線端子と前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の一端との間にコンデンサ(105)とダンピング抵抗器(106)を直列接続したことを特徴とする請求項3記載のコモンモードフィルタ。
  6. 各相電源端子(U1,V1,W1)と直列に挿入したACリアクトル(110)と前記コモンモード電圧検出用コンデンサ(104)でLCフィルタを構成したことを特徴とする請求項4記載のコモンモードフィルタ。
  7. 電力変換装置とモータ間に挿入される前記コモンモードフィルタにおいて、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つと前記電力変換装置の直流中間回路の中性点とを接続したことを特徴とする請求項3記載のコモンモードフィルタ。
  8. 電力変換装置とモータ間に挿入される前記コモンモードフィルタにおいて、前記3相コモンモードトランスの二次側巻線の複数のタップの中の一つとEMIフィルタの中性点とを接続したことを特徴とするコモンモードフィルタ。
  9. 請求項8記載の前記EMIフィルタおよび出力フィルタを電気回路上一体化したことを特徴とするフィルタ装置。
JP2007068143A 2007-03-16 2007-03-16 コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置 Pending JP2008236817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068143A JP2008236817A (ja) 2007-03-16 2007-03-16 コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068143A JP2008236817A (ja) 2007-03-16 2007-03-16 コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008236817A true JP2008236817A (ja) 2008-10-02

Family

ID=39908941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007068143A Pending JP2008236817A (ja) 2007-03-16 2007-03-16 コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008236817A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010082553A1 (ja) * 2009-01-13 2010-07-22 株式会社安川電機 出力フィルタを備えた電力変換装置
WO2011021485A1 (ja) * 2009-08-19 2011-02-24 株式会社安川電機 出力フィルタとそれを備えた電動機駆動システム
US20130142233A1 (en) * 2008-08-20 2013-06-06 Sony Corporation Device for determining a common-mode signal in a power line communication network
CN106093788A (zh) * 2016-07-01 2016-11-09 欣旺达电动汽车电池有限公司 电芯电压采样的滤波同步抗扰方案
CN106545979A (zh) * 2016-12-09 2017-03-29 广东美的制冷设备有限公司 空调器电控装置和空调器
CN110311584A (zh) * 2019-07-26 2019-10-08 阳光电源股份有限公司 一种逆变器及光伏并网***
WO2020179064A1 (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置
WO2021205040A1 (en) * 2020-04-10 2021-10-14 Prodrive Technologies Innovation Services B.V. Electrical power converter

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9866275B2 (en) * 2008-08-20 2018-01-09 Sony Corporation Multiple-input and multiple-output modem for connection in a power line communication network
US20130142233A1 (en) * 2008-08-20 2013-06-06 Sony Corporation Device for determining a common-mode signal in a power line communication network
JP4743457B2 (ja) * 2009-01-13 2011-08-10 株式会社安川電機 出力フィルタを備えた電力変換装置
CN102282748A (zh) * 2009-01-13 2011-12-14 株式会社安川电机 具备输出滤波器的电力变换装置
US8319462B2 (en) 2009-01-13 2012-11-27 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki Output filter and power conversion apparatus having the same
WO2010082553A1 (ja) * 2009-01-13 2010-07-22 株式会社安川電機 出力フィルタを備えた電力変換装置
WO2011021485A1 (ja) * 2009-08-19 2011-02-24 株式会社安川電機 出力フィルタとそれを備えた電動機駆動システム
US8362733B2 (en) 2009-08-19 2013-01-29 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki Output filter and motor drive system including the same
CN106093788A (zh) * 2016-07-01 2016-11-09 欣旺达电动汽车电池有限公司 电芯电压采样的滤波同步抗扰方案
CN106545979A (zh) * 2016-12-09 2017-03-29 广东美的制冷设备有限公司 空调器电控装置和空调器
WO2020179064A1 (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置
JP6803478B1 (ja) * 2019-03-07 2020-12-23 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置
KR20210024125A (ko) * 2019-03-07 2021-03-04 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 전력 변환 장치
US11218069B2 (en) 2019-03-07 2022-01-04 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation Power conversion device
KR102509155B1 (ko) * 2019-03-07 2023-03-10 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 전력 변환 장치
CN110311584A (zh) * 2019-07-26 2019-10-08 阳光电源股份有限公司 一种逆变器及光伏并网***
CN110311584B (zh) * 2019-07-26 2021-02-12 阳光电源股份有限公司 一种逆变器及光伏并网***
WO2021205040A1 (en) * 2020-04-10 2021-10-14 Prodrive Technologies Innovation Services B.V. Electrical power converter
NL2025328B1 (en) * 2020-04-10 2021-10-26 Prodrive Tech Bv Electrical power converter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1835609B1 (en) Multi-phase current supplying circuit, driving apparatus, compressor, and air conditioner
JP2008236817A (ja) コモンモードトランスとコモンモードフィルタおよびフィルタ装置
KR101357445B1 (ko) 계통 연계 인버터
JP5168349B2 (ja) 出力フィルタとそれを用いた電力変換装置
EP2876794B1 (en) Input EMI filter and method for motor drive including an active rectifier
JP2007068311A (ja) ノイズフィルタおよびモータ駆動装置
JP2010288381A (ja) 電力変換装置のノイズ低減回路
JP2007325377A (ja) 電力変換装置
JP5051227B2 (ja) 電力変換装置用コモンモードフィルタおよび出力フィルタおよび電力変換装置
JP2007181341A (ja) コンバータ装置
JP6797748B2 (ja) 電力変換装置及び電力変換システム
JP2010148259A (ja) フィルタ装置および電力変換装置
CN108631630B (zh) 电力转换装置以及电力转换***
EP3394971B1 (en) Grounding scheme for power conversion system
JP4743457B2 (ja) 出力フィルタを備えた電力変換装置
JP2008067534A (ja) フィルタ装置および電力変換装置
JP2006020389A (ja) ノイズフィルタおよびそれを搭載したモータ駆動装置
JP2007336766A (ja) マトリクスコンバータ装置
JP2010259245A (ja) 出力フィルタおよび電力変換装置
JP2010161900A (ja) スイッチング電源およびそれを用いたモータシステム
JP2005295676A (ja) マトリクスコンバータ
JP6297009B2 (ja) 電力変換装置
Sayed-Ahmed et al. Design and analysis of an integrated differential-common mode filter for on site motor bearing problems
JP2006294803A (ja) 変圧器
US11569792B2 (en) Integrated inverter output passive filters for eliminating both common mode and differential mode harmonics in pulse-width modulation motor drives and methods of manufacture and use thereof