JP2008067534A - フィルタ装置および電力変換装置 - Google Patents

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Takeshi Higuchi
剛 樋口
Kenji Yamada
健二 山田
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Abstract


【課題】 フィルタ電流を接地線に流すことなしにモータ端子サージ電圧、電源側への高周波ノイズ、モータに流れるコモンモード電流、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を低減する電力変換装置のフィルタとこのフィルタを用いた電力変換装置を提供する。
【解決手段】
インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記入力フィルタは雑音端子電圧低減のためのフィルタであり、前記出力フィルタはコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタを一体構造にしたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置のスイッチング動作で発生する高周波ノイズを低減するフィルタ装置と、それを用いた電力変換装置に関する。
電力変換装置入力側における問題の一つとして、雑音端子電圧、伝導EMI(Electro Magnetic Interference:電磁妨害雑音)が挙げられる。前記問題を解決するために従来では電力変換装置の入力側に入力フィルタを付加して対策を行ってきた。一般的な入力フィルタの従来技術において、電源側へ流出するコモンモードノイズを低減させる場合、入力フィルタのコモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法あるいは接地コンデンサの容量を大きくする方法が挙げられる。しかし、コモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法は、接地コンデンサの容量を大きくする方法に比べて、サイズが大きくなり且つ高価である。また、接地コンデンサの容量を大きくする方法は、サイズが小さく且つ安価であるが、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流が増大してしまう。
次に、出力フィルタの従来技術を説明する。電力変換装置出力側における問題として、高周波漏れ電流、雑音端子電圧、放射EMI、モータ軸受の電食(回転中の軸受ボールベアリングの内部を高周波電流が通過することにより、軌道輪と 転動体の接触面が損傷する現象。特徴として、波状の摩耗が見られる)、モータ端子でのサージ電圧が挙げられる。従来では、雑音端子電圧抑制のために例えば特許文献1に示すEMIフィルタを用いていた。また、電力変換装置の出力側での対策は、出力フィルタを付加して対策を行ってきた。従来の電力変換装置の出力フィルタには例えば特許文献2、非特許文献1および2がある。特許文献2、非特許文献1は、コモンモード電流を抑制するためのコモンモードフィルタである。
また、非特許文献2は、ノーマルモードのノイズ電流を抑制するためのノーマルモードフィルタとコモンモード電流を抑制するためのコモンモードフィルタから構成されたものである。特許文献2、非特許文献1に代表されるコモンモードフィルタは、フィルタの共振周波数を電力変換装置のキャリア周波数よりも低くしているため、高周波漏れ電流、伝導EMI、放射EMI、モータ軸受の電食を効果的に抑制することができるが、モータ端子でのサージ電圧の抑制をすることができない。また、非特許文献2に代表される方式は、特許文献2、非特許文献1などの方式に比べ、フィルタのカットオフ周波数が、電力変換装置のキャリア周波数よりも遥かに高いため、サイズが小さく且つ安価となる。また、高周波漏れ電流、伝導EMI、放射EMIに加えて、モータ端子でのサージ電圧を抑制することができる。しかし、非特許文献2の方式は、コモンモードフィルタのカットオフ周波数が電力変換装置のキャリア周波数よりも遥かに高いためにモータ軸受の電食を抑制することができない。
図6のAは、電力変換装置102でモータ105を駆動した場合のシステム構成図である。また、その時の各部波形の測定結果を図7、図9および図11の(a)に示す。図7は、電力変換装置出力側相電圧Vuv、モータ端子電圧V’uv、相電流Iu、I’uを示している。また、図9の(a)は、コモンモード電圧Vc1、Vc2、コモンモード電流Ic1を示しており,図9(b)は、コモンモード電圧Vc2、軸電位Vs、ベアリング電流Ibを示している。また、図11(a)は、雑音端子電圧を示している。
図7に示すようにモータ駆動装置102でモータ105を駆動すると、モータケーブルが長い場合、モータ駆動装置出力側電圧Vuvがステップ状の電圧でも、モータ端子電圧V’uvは振動的なサージ電圧となり、波高値は2倍程度に達してしまう。そのため、モータコイル部では部分放電が引き起こり、絶縁劣化の主要因となる。
また、図9に示すように、コモンモード電圧Vc1が変化した瞬間にコモンモード電流Ic1は、ピーク値10Aの高周波振動電流となり、モータを介し接地線へ流れてしまう。また、このコモンモード電流Ic1は伝導ノイズおよび放射ノイズの主要因の一つとなっている。更に、コモンモード電圧Vc1がモータの各部浮遊容量によって分圧されて軸電位Vsを引き起こさせる。この軸電位Vsが発生することによってモータ軸受部では、放電現象が引き起こり軸受には数百mAオーダーのベアリング電流Ibが流れ、電食が発生する。また、図11(a)に示すように、雑音端子電圧に対しては、150kHzにおいて130dBuV程度であり、電源側へ大きなノイズ電流を流出させていることがわかる。
図6のBは、モータ駆動装置102に入力フィルタ101を付加した場合のシステム構成図である。また、その時の雑音端子電圧を図11(b)示している。
図11(b)に示すように、雑音端子電圧に対しては、150kHzにおいて88dBuV程度であり、入力フィルタ101を付加していない時に比べ、40dBuV程度低減されていることがわかる。
このように、従来の入力フィルタは、周辺機器の誤作動の原因の一つである伝導ノイズを接地コンデンサによりバイパスして雑音端子電圧を低減するものである
特開平10−107571号公報、5頁、図3 特許第3466118号 IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS、VOL.28、NO.4、p858〜p863、JULY/AUGUST 1992 電気学会論文誌D、116巻12号、平成8年、p1211〜1219
電力変換装置に入力フィルタを付加すると、電源側へ流出するコモンモード電流Ic2は低減されるが、モータへ流れ込むコモンモード電流Ic1が増加してしまい、電力変換装置102あるいはモータ105へのストレスが増大し、故障の原因になる。また、従来技術として、電源側へ流出するコモンモード電流Ic2を低減させる場合、入力フィルタのコモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法あるいは接地コンデンサの容量を大きくする方法が挙げられる。しかし、コモンモードチョークのインダクタンスを大きくする方法は、接地コンデンサの容量を大きくする方法に比べて、サイズが大きくなり且つ高価になるという問題があった。また、接地コンデンサの容量を大きくする方法は、サイズが小さく且つ安価であるが、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流が増大してしまうという問題があった。
また、特許文献1および2、非特許文献1のように出力側にコモンモードフィルタを付加するとモータへ流れ込む高周波漏れ電流Ic1およびモータ軸受部の電食を抑えることができるが、サージ電圧によるモータ巻線の絶縁破壊を抑えることができない。また、非特許文献2のように、出力側に電力変換装置のキャリア周波数よりも遥かに高いカットオフ周波数を有するコモンモードフィルタおよびノーマルモードフィルタを付加すると、モータへ流れ込むコモンモード電流Ic1、サージ電圧によるモータ巻線の絶縁破壊を抑えることができるが、モータ軸受部の電食を抑えることができない。
加えて、雑音端子電圧等の高周波ノイズに対しては多少低減されるが、劇的な効果を得られることはできないため、電源側に流出するノイズ対策には適さない。むしろ低周波成分(キャリア周波数成分)の電流は増加傾向にある。また、一般的に従来の出力フィルタは、モータ駆動装置の外付けオプションとして付加されることが多く、モータ駆動装置をベクトル制御する際、ベクトル制御用電流センサCTを再配置し直さなければならなくなり、通常は不可能なのでV/f制御でモータを駆動しなければないという問題があった。
本発明は、フィルタ電流を接地線に流すことなしにモータ端子サージ電圧、電源側への高周波ノイズ、モータに流れるコモンモード電流、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を低減する電力変換装置のフィルタとこのフィルタを用いた電力変換装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため本発明は、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記入力フィルタは雑音端子電圧低減のためのフィルタであり、前記出力フィルタはコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタを一体構造にしたことを特徴とするものであある。
また本発明は、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記入力フィルタは、Y結線されたコンデンサを有し、前記Y結線されたコンデンサの中性点に前記電力変換装置の出力フィルタの帰線が接続可能な構造を特徴とするものである。
また本発明は、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記出力フィルタは、前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続されたコモンモードチョークおよびACリアクトルと抵抗から構成される並列回路と、前記コモンモードチョークと前記ACリアクトルと抵抗から構成される並列回路間の各U、V、W相間にY結線されたコンデンサと前記Y結線されたコンデンサの中性点と入力フィルタをコンデンサを介し構成されることを特徴としものである。
また本発明は、インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記出力フィルタは,前記電力変換装置の出力部に接続され、前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続されたコモンモードチョークおよび前記Y結線されたコンデンサから構成されるコモンモードフィルタ、ACリアクトルと抵抗から構成されるノーマルモードフィルタの順に配置されることを特徴とするものである。
また、本発明は請求項1乃至4のいずれか一項に記載の前記フィルタ装置を電力変換装置に搭載することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記電力変換装置をマトリクスコンバータとしたことを特徴とするものである。
本発明は、フィルタ装置において、入力フィルタは雑音端子電圧低減フィルタであり、出力フィルタはコモンモード電圧・電流および電力変換装置の出力電圧のdV/dtを小さくするフィルタ装置であるので、電源に流出する高周波ノイズと電力変換装置およびモータに流れるコモンモード電流、モータ軸受部の電食およびモータ端子におけるサージ電圧を抑えることができる。
また本発明は、前記入力フィルタのY結線されたコンデンサの中性点に前記電力変換装置の出力フィルタの帰線が接続されることが可能な構造なので、出力フィルタ電流を接地線に流さずに済むため従来方式より雑音端子電圧を低減することができる。また、本発明は、従来方式に比べ雑音端子電圧を小さくすることができるため、その分、入力フィルタの接地コンデンサの容量を小さくすることができる。そのため、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を小さくすることができ、感電などの安全上の問題解決にも繋がる。
また本発明は、前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続されたコモンモードチョークおよびACリアクトルと抵抗から構成される並列回路と、前記コモンモードチョークと前記ACリアクトルと抵抗から構成される並列回路間の各U、V、W相間にY結線されたコンデンサと前記Y結線されたコンデンサの中性点と入力フィルタをコンデンサを介し構成されるので,コモンモードに対しては,電力変換装置のキャリア周波数よりも低い共振周波数でフィルタを設計でき,ノーマルモードに対しては、キャリア周波数よりも遥かに高いカットオフ周波数でフィルタを設計できる。
また本発明は、請求項1記載の電力変換装置に請求項2から請求項5記載のフィルタ装置を搭載したので、電源に流出する高周波ノイズと電力変換装置およびモータに流れるコモンモード電流を低減することができるとともにV/f制御だけでなくベクトル制御でモータを駆動することができ、ベクトル制御用電流センサの配置を変更するという手間を省くことができる。
以下、本発明の実施を図を用いて説明する。
図1は、第1実施例を示す電力変換装置に本発明の入力フィルタおよび出力フィルタを付加した場合の回路図である。また,106は本発明方式による一体化した入力フィルタおよび出力フィルタである。図1において、100は中性点または3相のうちいずれかの相を接地された電源であり、105はフレームが接地されたモータであり、103は電力変換装置出力フィルタであり、102は、電力変換装置であり、101入力フィルタである。また、本発明の電力変換装置入力フィルタは101に示すような構成である。ここで、本発明の電力変換装置入力フィルタ101は、電源と前記電力変換装置の間に直列に接続されたコモンモードチョークコイル、コモンモードチョークコイルと前記電力変換装置間に各R、S、T相それぞれに接地用コンデンサ、また各R、S、T相間にY結線されたコンデンサで構成され、前記Y結線されたコンデンサの中性点に前記電力変換装置の出力フィルタの帰線が接続される構造となっている。
また、104は本発明の電力変換装置入力フィルタ装置および出力フィルタを一つのモジュールとして一体構造の中に収め、且つモータ駆動装置に前記入出力一体構造フィルタ装置を付加した場合の回路図である。
電力変換装置入力フィルタは雑音端子電圧を抑制する効果があり,電力変換装置の出力フィルタは、コモンモード電圧・電流および電力変換装置の出力電圧のdV/dtを小さくするフィルタ装置であるので、電源に流出する高周波ノイズと電力変換装置およびモータに流れるコモンモード電流、モータ軸受部の電食およびモータ端子におけるサージ電圧を抑えることができる。
本発明が特許文献1および2、非特許文献1および2と異なる部分は、電力変換装置の入力フィルタと出力フィルタを備えた部分であり、電力変換装置出力フィルタの帰線が接地線を介さずに本発明の電力変換装置入力フィルタに接続されている部分である。加えて、出力フィルタの回路構成はノーマルモードフィルタとコモンモードフィルタを組み合わせた構成となっている。
次に動作について説明する。図2に本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータの回路を示す。また、図3に本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータの1相分の等価回路を示す。また、図4に本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータのコモンモード等価回路を示す。
図3において、Aは出力フィルタ、モータケーブルおよびモータの1相分の等価回路を示している。
本発明の出力フィルタは周波数領域によって異なった特性となる。運転周波数などのよう
に低周波領域の場合、インダクタンスLnから成るACリアクトルのインピーダンスは
Rnに比べて非常に小さくなるため、抵抗Rnは無視することができる。そのため、低周
波領域においては図3のBに示す等価回路に近似できる。また、逆に高周波領域では、イ
ンダクタンスLnから成るACリアクトルのインピーダンスはRnに比べて非常に大きく
なるため、ACリアクトルは無視することができる。そのため、高周波領域においては
図3のCに示す等価回路に近似できる。ここで、図3に示すCcable1はモータケーブルの
各相間の浮遊容量を表している。
図4は出力フィルタ、モータケーブルおよびモータのコモンモード等価回路を示している。ここで、Ccable2はモータケーブルの電力線と接地線との間の浮遊容量を表しており、Cmはモータ巻線とモータフレームとの間の浮遊容量を表している。
図5に本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータを電力変換装置出力端子から見た場合の相間のノーマルモード等価回路および本発明の請求項1〜5に示す入出力フィルタおよび電力変換装置、モータケーブルおよびモータのコモンモード等価回路を示す。ノーマルモードに対しては、電力変換装置でスイッチングした瞬間の相間の電圧Vuvの周波数成分は、数MHz程度の成分であるため、VuvのdV/dtは、図5に示すRn、Ccable1により決定される。また、コモンモードに対しては、コモンモード電圧Vc1をコモンモードチョークLcで分圧し、モータ側よりもインピーダンスが小さなCc1、Cc2から成るバイパス回路によって構成される。
図6は本発明の第1実施例を示す回路図である。図6のAおよびBは、従来技術方式であり、Cは本発明による方式である。
図6のAは電力変換装置のみの回路構成であり、また、その時の各部波形を図7、図9および図11(a)に示す。図7は、電力変換装置出力側相電圧Vuv、モータ端子電圧V’uv、相電流Iu、I’uを示している。また、図9は、コモンモード電圧Vc1、Vc2、コモンモード電流Ic1および軸電位Vs、ベアリング電流Ibを示している。また、図11(a)は、雑音端子電圧を示している。図6のBは電力変換装置に入力フィルタを付加した場合の回路構成であり、また、その時の雑音端子電圧を図11(b)に示す。
図6のCは本発明の電力変換装置に入出力フィルタを付加した場合の回路構成であり。また、その時の各部波形を図8、図10および図11(c)に示す。図8は、電力変換装置出力側相電圧Vuv、モータ端子電圧V’uv、相電流Iu、I’uを示している。また、図10は、コモンモード電圧Vc1、Vc2、コモンモード電流Ic1および軸電位Vs、ベアリング電流Ibを示している。また、図11(c)は、雑音端子電圧を示している。
図7に示すように電力変換装置102でモータ105を駆動すると、モータケーブルが長い場合、電力変換装置出力側電圧Vuvがステップ状の電圧でも、モータ端子電圧V’uvは振動的な電圧となり、波高値は2倍程度に達してしまう。そのため、モータコイル部では部分放電が引き起こり、絶縁劣化の主要因となる。また、図9に示すように、コモンモード電圧Vc1が変化した瞬間にコモンモード電流Ic1は、ピーク値10Aの高周波振動電流となり、モータを介し接地線へ流れてしまう。また、このコモンモード電流Ic1は伝導ノイズおよび放射ノイズの主要因の一つとなっている。更に,コモンモード電圧Vc2は,モータの各部浮遊容量によって分圧され軸電位Vsを生じさせる。この軸電位Vsが大きい場合,モータ軸受では放電現象が生じ,ベアリング電流Ibがモータ軸受に流れ,モータ軸受の電食が生じる。また、図11(a)に示すように、雑音端子電圧に対しては、150kHzにおいて130dBuV程度であり、電源側へ大きなノイズ電流を流出させていることがわかる。
また,電力変換装置102に入力フィルタ101を付加し、モータ105を駆動すると、電力変換装置のみで駆動する場合と同様に,モータケーブルが長い場合、モータコイル部では部分放電が引き起こり、絶縁劣化の主要因となる。また、コモンモード電流Ic1およびモータ軸受の電食を抑制することはできない。コモンモード電流Ic1に至っては、逆にピーク値が大きくなってしまう。図11(b)に示すように、雑音端子電圧に対しては、150kHzにおいて88dBuV程度であり、入力フィルタ101を付加していない時に比べ、40dBuV程度低減されていることがわかる。このように、入力フィルタ101を付加した場合、雑音端子電圧は低減されるが、サージ電圧、モータ軸受の電食は抑制されず、コモンモード電流Ic1に至っては、逆にピーク値が大きくなり、逆効果となってしまう。
図8に示すように電力変換装置102に本発明の入力フィルタ101および出力フィルタ103を付加し、モータ105を駆動すると、モータケーブルが長い場合でも、モータ端子電圧V’uvではサージ電圧は発生しない。そのため、モータコイル部では部分放電が引き起こりにくく、モータの長寿命化が期待できる。また、図10に示すように、コモンモード電圧Vc1が変化した瞬間にコモンモード電流Ic1は、ピーク値1A以下の電流に抑制されている。更に、軸電位Vsも小さくなっているために,モータ軸受では放電現象が起こり難く、モータ軸受の電食も抑制できる。また、図11(c)に示すように、雑音端子電圧に対しては、150kHzにおいて75dBuV程度であり、入力フィルタ101のみを付加した時に比べ、更に10dBuV程度低減されていることがわかる。これは、出力フィルタによって、電源側へ流れるコモンモード電流を低減しているためである。このように、入力フィルタ101および出力フィルタ103を組み合わせることによって、入力フィルタ101の接地コンデンサ容量を大きくすることなく雑音端子電圧は低減できる。また、モータ端子でのサージ電圧およびコモンモード電流Ic1、モータ軸受の電食も抑制することができる。
ここで、図6のBに示す入力フィルタのみだけでも図11(c)に示す雑音端子電圧のレベルにすることは可能である。その方法としては、コモンモードチョークのインダクタンス値を上げること、あるいは入力フィルタの接地コンデンサの容量を大きくすることが挙げられる。コモンモードチョークのインダクタンス値を上げる方法は、サイズが大きく且つ高価になってしまう。そのため、一般的には、接地コンデンサの容量を大きくし雑音端子電圧を抑制する。入力フィルタのみだけで図11(c)に示す雑音端子電圧のレベルにするためには、図11(b)で用いた入力フィルタの接地コンデンサの10倍の接地コンデンサ容量が必要になる。図12(a)に示すように入力フィルタのみで雑音端子電圧を図11(c)のレベルまで低減すると、ピーク値200mAの基本波成分の漏れ電流が流れる。この値は、図12(b)に示す本発明方式の10倍の値となる。そのため、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流の増加に繋がるため、人体保護上、問題となる。
そのため、本発明の電力変換装置入出力一体構造フィルタ装置は、モータの長寿命化、周辺機器の誤作動、雑音端子電圧の低減、感電防止に繋がる。
図1は第2実施例の構成を示す図である。第1実施例と異なる点は,本発明方式による入出力フィルタと電力変換装置を一体構造にした部分である。また,105はフレームが接地されたモータ、100は中性点かまたは3相のうちいずれかの相を接地された電源である。また、103は本発明方式による電力変換装置出力フィルタであり、101は本発明方式による入力フィルタである。
本発明の入出力一体構造型フィルタ装置を電力変換装置に内蔵することにより、ベクトル制御用電流センサを出力フィルタの出力側に配置することにより、コモンモード電流の影響で発生する電流の誤検出を防ぐことが可能になり、V/f制御だけでなくベクトル制御も可能となる。
また、電力変換装置の入力フィルタおよび出力フィルタを電力変換装置内蔵型にすることによって部品の数を少なくすることができるので、低コスト化、小形化にも貢献できる。
電力変換装置入出力一体構造フィルタ装置を電力変換装置に付加することによって、インバータおよびマトリクスコンバータ(双方向に電流を流せる主回路パワースイッチング素子を備え、商用電源の交流電圧から可変電圧・可変周波数の交流電圧へ直接に電力変換を行うもの。PWMサイクロコンバータとも称される)に代表されるような電力変換装置で発生するノイズを電源側へ流出させず、同時にモータを保護することができるので、周辺機器の誤作動防止およびモータの長寿命化が必要とされるシステムへの用途に適用できる。また、入出力一体構造フィルタ装置にすることによって、電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を抑制することが可能であるため、人体保護に繋がる。
また、電力変換装置の入力フィルタおよび出力フィルタを電力変換装置内蔵型にすることによって部品の数を少なくすることができるので、低コスト化、小形化に貢献できる。
本発明の第1および第2実施例を示す入出力フィルタ内蔵型電力変換装置を示す回路図 本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータを示す回路図 本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータの1相分を示す等価回路図 本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータを示すコモンモード等価回路図 本発明出力フィルタ、モータケーブルおよびモータを電力変換装置出力端子から見た場合の相間を示す等価回路図および本発明の第1および第2実施例を示す入出力フィルタ内蔵型電力変換装置およびモータを示すコモンモード等価回路 従来技術を示す回路図(A,B)および本発明の入出力フィルタ内蔵型電力変換装置を示す回路図(C) 従来技術を用いた場合のモータ端子電圧を示す測定結果図 本発明の入出力フィルタ内蔵型電力変換装置を用いた場合のモータ端子電圧を示す測定結果図 従来技術を用いた場合のコモンモード電圧・電流および軸電位・ベアリング電流を示す測定結果図 本発明の入出力フィルタ内蔵型電力変換装置を用いた場合のコモンモード電圧・電流および軸電位・ベアリング電流を示す測定結果図 雑音端子電圧を示す測定結果図 電源側で流れる基本波成分の漏れ電流を示す測定結果図
符号の説明
100 電源
101 入力フィルタ
102 電力変換装置
103 出力フィルタ
104 本発明方式による一体化した入力フィルタと出力フィルタを組み合わせた電力変換装置
105 モータ
106 本発明方式による一体化した入力フィルタおよび出力フィルタ
107 モータケーブル

Claims (6)

  1. インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記入力フィルタは雑音端子電圧低減のためのフィルタであり、前記出力フィルタはコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタを一体構造にしたことを特徴とするフィルタ装置。
  2. インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記入力フィルタは、Y結線されたコンデンサを有し、前記Y結線されたコンデンサの中性点に前記電力変換装置の出力フィルタの帰線が接続可能な構造を特徴とするフィルタ装置。
  3. インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記出力フィルタは、前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続されたコモンモードチョークおよびACリアクトルと抵抗から構成される並列回路と、前記コモンモードチョークと前記ACリアクトルと抵抗から構成される並列回路間の各U、V、W相間にY結線されたコンデンサと前記Y結線されたコンデンサの中性点と入力フィルタをコンデンサを介し構成されることを特徴としたフィルタ装置。
  4. インバータおよびマトリクスコンバータ等に代表されるような電力変換装置に使用されるフィルタ装置で、前記電力変換装置の入力フィルタと、前記電力変換装置の出力フィルタとを一体構造にしたフィルタ装置において、前記出力フィルタは,前記電力変換装置の出力部に接続され,前記電力変換装置の出力部とモータの間に直列に接続されたコモンモードチョークおよび前記Y結線されたコンデンサから構成されるコモンモードフィルタ、ACリアクトルと抵抗から構成されるノーマルモードフィルタの順に配置されることを特徴とするフィルタ装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の前記フィルタ装置を電力変換装置に搭載することを特徴とする電力変換装置。
  6. 前記電力変換装置をマトリクスコンバータとしたことを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
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