JP2008231296A - インクジェット用インクセット、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクセットを構成する各インク組成物の各インク組成物間の耐光性および耐ガス性のバランスに優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法、さらに該インクジェット記録方法により記録された記録物を提供する。
【解決手段】イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、特許請求の範囲に記載の一般式(M-1)で表される染料と、を含有し、前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、特許請求の範囲に記載の一般式(C-1)で表される染料と、を含有する、インクジェット用インクセット。
【選択図】なし
【解決手段】イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、特許請求の範囲に記載の一般式(M-1)で表される染料と、を含有し、前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、特許請求の範囲に記載の一般式(C-1)で表される染料と、を含有する、インクジェット用インクセット。
【選択図】なし
Description
本発明はインクジェット記録方法に用いられるインクジェット用インクセット、インクジェット記録方法及び記録物に関する。
近年、インクジェット記録方法が注目されている。インクジェット記録方法は、インク組成物を小滴として飛翔させ、この小滴を紙等の記録媒体(メディア)に付着させて印刷を行なう印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置により高解像度かつ高品位な画像を高速で印刷可能であるという特徴を有する。そして、この方法を利用したインクジェット記録装置は、優れた印字品質、低コスト、比較的静かな動作、優れたグラフィック形成能により、市場に広く受け入れられている。中でも、サーマル(バブルジェット(登録商標))及び圧電ドロップ・オン・デマンドプリンターは、商業的にとりわけ成功し、オフィス及び家庭でのパソコン用プリンターとして広く用いられてきた。
さらに近年、複数のカラーインク組成物を用いたインクジェット記録方法によってカラー画像を形成して記録物を得ることが行われている。一般に、カラー画像の形成は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の三色、さらに所望によりブラックインク組成物を加えた四色によって行われている。また、これらの四色に淡シアンインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を加えた六色又はそれらにさらにダークイエローインク組成物を加えた七色によってカラー画像形成を行なう場合もある。このような2種以上のインク組成物を組み合わせたものがインクセットである。
上述したカラー画像の形成に用いられるインク組成物には、各色ごとのインク組成物自身が良好な発色性を有していることに加え、複数色のインク組成物を組み合わせたときに良好な中間色を発色することができること、及び得られる記録物が保存中に変退色しないこと等が求められる。
さらに最近、カラーインクジェットプリンタによる"写真画質"印刷においては、ヘッド、インク組成物、記録方法、及びメディアのそれぞれの継続的な改良がなされ、得られる画質は"銀塩写真"と遜色ないレベルとなり、"写真並"となった。その一方で、インク組成物及びメディアの改良により、カラーインクジェットプリンタを用いて得られる記録物の画像の保存性の向上が図られており、特に画像の耐光性に関しては、実用上問題のないレベルまで改良されてきた(例えば、特許文献1)。
しかし、画像の劣化は、光の作用によって生じるだけでなく、環境中に存在する酸化性ガス、例えばオゾンによる酸化などによっても生じ、画像の退色や変色が進行する。したがって、記録物の画像の保存性をさらに向上させるためには、インク組成物によって形成された画像の耐光性を向上させるとともに、耐オゾン性(耐ガス性)もあわせて向上させることが望まれている。そのためインクジェット記録物の耐光性及び耐オゾン性(耐ガス性)を向上させるための様々な検討が行われているが、未だ十分とはいえなかった。
国際公開WO01/085856号
インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性、耐ガス性それぞれが他のインク組成物の耐光性、耐ガス性よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が他の色よりも早く退色及び変色等してしまい、画像全体の色調のバランスが悪くなる。そうすると観察者は、単独のインク組成物によって形成された画像が退色することを認識できるようになるよりも短時間内に画像の画質劣化を認識できるようになる。したがって、インクセットにおいては、インクセットを構成する各インク組成物各々の耐光性、耐ガス性を向上させることと併せて、各インク組成物の耐光性、耐ガス性のレベル、すなわち各インク組成物によって形成される画像の光、オゾンによる劣化速度、例えば退色速度もできるだけ同じであることが好ましい。言い換えれば、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性、耐ガス性が優れているとともに、各インク組成物間の耐光性、耐ガス性のそれぞれの差が小さいことが好ましい。
インクジェット記録用インクの着色剤として顔料の利用を考えた場合、顔料は染料に比べ耐光性および耐水性に優れている反面、利用できる色剤の種類が染料に比べ少ない。実際にインクジェット記録用インクとして利用する場合には、耐光性および耐オゾン性のバランスについても十分検討する必要がある。さらに、インクセットとして利用する場合は、インクセットを構成する各インク組成物各々の耐光性および耐オゾン性を向上させることと併せて、インクセットを構成する各インク組成物の各インク組成物間の耐光性および耐ガス性のバランスを考慮する必要もある。
従って、本発明は、インクセットを構成する各インク組成物の各インク組成物間の耐光性および耐ガス性のバランスに優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法、さらに該インクジェット記録方法により記録された記録物の提供をその目的としている。
本発明者等は、今般、カラーインクジェット記録方法において、顔料インク組成物と、顔料と特定の染料を含んだインク組成物とを備えたインクセットが良好な画像を実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものであり、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、下記一般式(M-1)で表される染料と、を含有し、前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、下記の一般式(C-1)で表される染料と、を含有する、インクジェット用インクセットを提供するものである。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
また、本発明は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、該インク組成物として、前記インクセットが備えたインク組成物を用いるインクジェット記録方法を提供するものである。
さらに、本発明は、前記インクジェット記録方法によって印刷が行われた記録物を提供するものである。
本発明によれば、特定の顔料を含むイエローインク組成物、顔料と前記の特定構造を有する染料とを含有するシアンインク組成物及びマゼンタインク組成物を用いることにより、記録物の画像が耐光性及び耐オゾン性に優れ、かつイエロー、マゼンタ及びシアンの画像の光、オゾンによる劣化速度の差が小さいために、ある程度光、オゾンによる画像の劣化が進行しても、観察者が画像全体の劣化を感じにくくすることができる。
[インクセット]
本発明のインクセットは、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、特定のマゼンタ染料と、を含有し、前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、特定のシアン染料と、を含有するものである。
本発明のインクセットは、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、特定のマゼンタ染料と、を含有し、前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、特定のシアン染料と、を含有するものである。
本発明に用いられるイエローインク組成物に含まれる着色剤の濃度は濃淡インク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜決定することができるが、着色剤の合計量が、イエローインク組成物中に、イエローインク組成物の総重量に対して1.0〜7.0重量%含有されることが好ましい。イエローインク組成物中に含まれる前記着色剤の合計量の濃度を1.0重量%以上にすることによって良好な発色性を得ることができ、また前記着色剤の合計量の濃度を7.0重量%以下にすることによって、インクジェット記録方法に用いるためのインク組成物として必要とされるノズルからの吐出性等の特性を良好なものにし、インクノズルの目詰まりを防止することができる。
また、前記イエロー顔料の平均粒子径は、発色を向上させる観点からは、1〜300nmであることが好ましい。
次に、本発明に用いられるマゼンタインク組成物に含まれる着色剤について説明する。前記マゼンタインク組成物は、マゼンタ顔料と、特定のマゼンタ染料を含有する。
前記マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、15:1、112、122、123、168、184、202、209及びC.I.ピグメントバイオレット19等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
前記マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、15:1、112、122、123、168、184、202、209及びC.I.ピグメントバイオレット19等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
また、前記マゼンタ顔料の平均粒子径は、発色を向上させる観点からは、1〜300nmであることが好ましい。
前記マゼンタ染料としては、下記一般式(M-1)で表されるマゼンタ染料が用いられる。
ここで、前記一般式(M-1)中、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子、Xはジアミノアルキレン基を表し、nは1又は2である。
一般式(M-1)で表される化合物の添加は、特に耐湿性の改善効果がある。一般式(M-1)で表される化合物は1種を単独で用いても複数種を併用してもよい。一般式(M-1)で表される化合物の中でも、nが2である構造を有する化合物は良好な耐湿性を有しており特に好ましい。
また、マゼンタインク組成物には、色調などの調整のため、耐光性をはじめとする各特性を大きく損ねない範囲で他のマゼンタ系染料を併用することもできる。
一般式(M-1)及び一般式(M-1)で表されるマゼンタ染料以外のマゼンタ系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドレッド35,42,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,151,154,158,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,336,337,361,396,397、C.I.アシッドバイオレット5,34,43,47,48,90,103,126、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48等を挙げることができる。
本発明に用いられるマゼンタインク組成物に含まれる着色剤の濃度は濃淡インク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜決定することができるが、着色剤の合計量が、マゼンタインク組成物中に、マゼンタインク組成物の総重量に対して1.0〜7.0重量%含有されることが好ましい。マゼンタインク組成物中に含まれる前記着色剤の合計量の濃度を1.0重量%以上にすることによって良好な発色性を得ることができ、また前記着色剤の合計量の濃度を7.0重量%以下にすることによって、インクジェット記録方法に用いるためのインク組成物として必要とされるノズルからの吐出性等の特性を良好なものにし、インクノズルの目詰まりを防止することができる。
前記マゼンタ顔料とマゼンタ染料との重量比は、1:1〜7:1の範囲であることが好ましく、2:1〜6:1の範囲であることがより好ましく、3:1〜5:1の範囲であることがさらに好ましい。
前記の着色剤を安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)は8.0以上であることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHは10.5以下であることが好ましい。これらの事項をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8. 5〜10.0に調整することがより好ましい。
前記シアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60及びC.I.バットブルー4、60等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
また、前記シアン顔料の平均粒子径は、発色を向上させる観点からは、1〜300nmであることが好ましい。
前記シアン染料としては、下記一般式(C-1)で表されるフタロシアニン化合物及びその塩からなる群から選択された化合物である。
ここで、前記一般式(C-1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z及び−SO2−Zのいずれかを表す。ここで、Zは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
本発明においては、上記一般式(C-1)において、a1、a2、a3及びa4が0又は1であり、かつa1、a2、a3及びa4のうち2つ以上が1であり、さらにb1、b2、b3及びb4はそれぞれa1、a2、a3及びa4との和が4となる整数であることが好ましい。
上述のとおり、前記一般式(C-1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z及び−SO2−Zのいずれかを表し、Zはさらに置換基を有することができるが、ここでZが有することのできる置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(これらの基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル);アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ;ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、及び4級アンモニウム基);シアノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;アミノ基等が挙げられる。
また、前記一般式(C-1)中のイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基及びスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。前記カルボキシル基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの具体例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
前記一般式(C-1)で表される化合物のうち、一般式(C-1)におけるMが銅原子であり、X1〜X4が−SO2Zで表され、かつ前記ZがR5(R5は、−(CH2)3SO3M2を表し、ここでM2はアルカリ金属原子を表す。)及び/又はR6(R6は、−(CH2)3SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)で表される化合物が好ましく、M2がLiである化合物がさらに好ましい。特に前記一般式(C-1)で表される化合物として、R5/R6(モル比)=3/1である、テトラスルホン酸体、トリスルホン酸体及びジスルホン酸体の混合物が好ましい。このテトラスルホン酸体、トリスルホン酸体、及びジスルホン酸体は、それぞれ前記一般式(C-1)においてa1〜a4のうち4つ全てが1の場合、a1〜a4のうち3つが1で1つが0の場合、及びa1〜a4のうち2つが1で2つが0の場合に該当する。
とりわけ、前記シアン染料としての前記一般式(C-1)で表される化合物において、Mが銅原子であり、さらにX1、X2、X3及びX4が−SO2Zであり、かつ前記ZがR5(前記R5は、−(CH2)3SO3M2を表し、ここでM2はアルカリ金属原子を表す。)及び/又はR6(前記R6は、−(CH2)3SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)であり、さらにY1、Y2、Y3及びY4が水素原子であり、さらにa1、a2、a3及びa4が0又は1であり、かつa1、a2、a3及びa4のうち2つ以上が1であり、さらにb1、b2、b3及びb4はそれぞれa1、a2、a3及びa4との和が4となる整数である場合には、色材の良好な色相(彩度を含む)を確保できるとともに、水溶性を確保できるため特に好ましい。
この場合M-1はLiであると、色材の水溶性を確保でき、またブロンズを回避できるため尚一層好ましい。
この場合M-1はLiであると、色材の水溶性を確保でき、またブロンズを回避できるため尚一層好ましい。
また、この場合、Zが独立して前記R5又は前記R6から選ばれたテトラスルホン酸体、トリスルホン酸体、及びジスルホン酸体からなる混合物であり、かつ前記シアン染料全体に含まれる前記R5及び前記R6のモル比がR5/R6=1/3〜4/0となることが、耐オゾン性とブロンズ抑制の高次元での両立のため好ましい。
上記反応式中、一般式IIで表されるフタロシアニン化合物は、前記一般式(C-1)で表される化合物の一態様であり、本発明で用いることのできる化合物である。上記一般式IIで表されるフタロシアニン化合物は、例えば上記一般式IIIで表されるフタロニトリル化合物及び/又は上記一般式IVで表されるジイミノイソインドリン誘導体とM−(Y)dで表される金属誘導体を反応させることにより合成できる。なお、一般式II、一般式III、及び一般式IVにおいて、Z及びZ1〜Z4は前記一般式(C-1)におけるZと同義であり、かつMは前記一般式(C-1)におけるMと同義である。ここで、前記Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。M−(Y)dで示される金属誘導体としては、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、及びPbの、ハロゲン化物、カルボン酸誘導体、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、及び錯体等が挙げられる。この金属誘導体の具体例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、及び塩化スズ等が挙げられる。
このようにして得られる前記一般式IIで表される化合物は、通常、すなわち前記一般式IIにおける(SO2−Z1)、(SO2−Z2)、(SO2−Z3)、及び(SO2−Z4)(これらの基は、前記式(1)におけるR1、R2、R3、及びR4にもあたる。)の配置についての異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物となっている。
本発明に用いられるシアンインク組成物に含まれる着色剤の濃度は濃淡インク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜決定することができるが、着色剤の合計量が、シアンインク組成物中に、シアンタインク組成物の総重量に対して1.0〜7.0重量%含有されることが好ましい。シアンタインク組成物中に含まれる前記着色剤の合計量の濃度を1.0重量%以上にすることによって良好な発色性を得ることができ、また前記着色剤の合計量の濃度を7.0重量%以下にすることによって、インクジェット記録方法に用いるためのインク組成物として必要とされるノズルからの吐出性等の特性を良好なものにし、インクノズルの目詰まりを防止することができる。
前記シアン顔料とシアン染料との重量比は、1:1〜7:1の範囲であることが好ましく、2:1〜6:1の範囲であることがより好ましく、3:1〜5:1の範囲であることがさらに好ましい。
本発明のインクセットにおけるシアンインク組成物においては、インクの色調の調整等のため、耐オゾン性、耐光性及び耐湿性を大きく損ねない範囲で他のシアン系染料を併用することができる。
本発明に用いることのできる他のシアン系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー1,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,106,108,109,151,156,158,159,160,168,189,192,193,194,199,200,201,202,203,207,211,213,214,218,225,229,236,237,244,248,249,251,252,264,270,280,288,289,291、C.I.アシッドブルー9,25,40,41,62,72,76,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,129,138,143,175,181,205,207,220,221,230,232,247,258,260,264,271,277,278,279,280,288,290,326、C.I.リアクティブブルー2,3,5,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38、C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,22,26,41,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明においては、シアンインクとして使用する特定着色剤のインク中での濃度が3重量%以上のものを用いる場合には、シアンインク組成物中に、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩から選ばれる少なくとも一種を含有させることが好ましい。2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を添加することによって、シアンインク組成物のブロンズ現象の発生を防止することができる。上記ブロンズ現象とは、一般に、シアン系染料を含有したインク組成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒体)等にベタ印刷などの高Duty印刷を行った部分に赤浮きがみられる現象として知られている。ブロンズ現象が発生した場合、画像全体のカラーバランスが不均一になり画質が低下するため、良好な画像が得られなくなる。
本発明で用いられる上記の2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のうち、特に好ましいものとしては、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のアルカリ金属塩があげられる。さらに前記アルカリ金属塩の中でも特にリチウム塩を用いることが好ましい。リチウム塩を用いた場合、上記ブロンズ現象の発生を防止できるだけでなく、インクジェットノズルの目詰まりが発生しにくくなるという効果が得られる。
上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩としては、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−エトキシ−2−ナフトエ酸、3−プロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、及び6−プロポキシ−2−ナフトエ酸等、並びにそれらの塩、特にリチウム塩を例示できる。特に好ましいものは、2−ナフトエ酸及びそのリチウム塩である。
2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物の塩をインク組成物中に添加する場合、塩の形態でインク中に添加する方法、又は相当する2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びそれと塩を形成しうる塩基とを別々にインク組成物中に添加する方法のいずれの方法を用いることもできる。さらに本発明においては2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
本発明のインクセットにおけるシアンインク組成物に上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群(以下、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等という)から選ばれる少なくとも一種を添加する場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等がこれらのインク組成物中に合計量で0.1〜10重量%含まれることが好ましく、0.5〜5重量%含まれることがさらに好ましい。インク組成物中に含まれる2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量は、それ自身の種類、インク組成物中に含まれる染料の種類、インク組成物に用いられる溶媒の種類等によって、適宜好ましい量を定めることができる。
シアンインク組成物中に含まれるシアン染料の量(重量%)と2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量(重量%)の比が1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:0.3〜1:6であることがさらに好ましい。シアンインク組成物中のシアン染料の含有量を1とした場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族カルボン酸等の含有量を0.1よりも多くすることで、ブロンズ現象の発生を低減することができ、さらに2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を10よりも少なくすることで、インクジェットノズルの目詰まりを防止することができる。
さらにシアンインク組成物中に、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等を安定して溶解させるためには、20℃におけるインク組成物のpHを8.0以上にすることが好ましい。なお、本発明におけるインク組成物のpH値は、市販のpHメーターを用い、インク組成物にpH電極を直接挿入することによって測定された値である。
また、本実施形態のインクセットは、ブラックインク組成物を備えることもできる。前記ブラックインク組成物に含まれる着色剤としては、顔料、染料又はそれらの混合物を用いることができる。前記ブラックインク組成物に含まれる顔料の含有量は適宜決定されてよいが、インク組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは1.0〜12重量%である。
本実施形態で用いる各インク組成物は、顔料分散を安定化させるために分散剤を含有することが好ましい。好適な分散剤としては、高分子分散剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体などが挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としては、カルボン酸塩、単純アルキル・スルフォネート、変性アルキル・スルフォネート、アルキル・アリル・スルフォネート、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸エステル、硫酸化脂肪酸モノグリセライド、硫酸化アルカノール・アミド、硫酸化エーテル、アルキル燐酸エステル塩、アルキル・ベンゼン・フォスフォン酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の例としては、単純アミン塩、変性アミン塩、テトラアルキル第4級アンモニウム塩、変性トリアルキル第4級アンモニウム塩、トリアルキル・ベンジル第4級アンモニウム塩、変性トリアルキル・ベンジル第4級アンモニウム塩、アルキル・ピリジニウム塩、変性アルキル・ピリジニウム塩、アルキル・キノリニウム塩、アルキル・フォスフォニウム塩、アルキル・スルフォニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の例としては、脂肪酸モノグリセリン・エステル、脂肪酸ポリグリコール・エステル、脂肪酸ソルビタン・エステル、脂肪酸蔗糖エステル、脂肪酸アルカノール・アミド、脂肪酸ポリエチレン・グリコール縮合物、脂肪酸アミド・ポリエチレン・グリコール縮合物、脂肪酸アルコール・ポリエチレン・グリコール縮合物、脂肪酸アミン・ポリエチレン・グリコール縮合物、脂肪酸メルカプタン・ポリエチレン・グリコール縮合物、アルキル・フェノール・ポリエチレン・グリコール縮合物、ポリプロピレン・グリコール・ポリエチレン・グリコール縮合物等が挙げられる。
また、次に挙げる水溶性高分子も分散剤として使用できる場合がある。使用する分散剤は1種類でも良いし、2種類以上併用してもかまわない。水溶性高分子としては、好適には水酸基、カルボニル基、ポリエチレンオキシル基、アルコキシ基、ラクタム類、エステル基などの非イオン性の親水基を有するものから選ばれ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
詳しくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアミンサルホン、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などの合成高分子類、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ヒドロキシアルキルでんぷん、酢酸でんぷん、架橋でんぷん、デキストリンなどのでんぷん誘導体などが挙げられる。
スルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、無機酸塩、有機酸塩などのイオン性の親水基を有する水溶性高分子も用いることができ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
詳しくは、カルボキシメチルセルロース塩、ビスコースなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類、カチオンでんぷん、リン酸でんぷん、カルボキシメチルでんぷん塩などのでんぷん誘導体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物などの合成高分子類などがある。
これら水溶性高分子は、重量平均分子量が2,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上であれば、画像の耐擦過性を向上することができる。1,000,000以下であれば、インク粘度をインクジェット方式において吐出可能な範囲にしやすい。
また、水溶性高分子を用いる場合、インク全量に対して0.01〜20重量%の範囲で添加することが好ましい。0.01重量%以上であれば、画像の耐擦過性を向上することができる。20重量%以下であれば、インク粘度をインクジェット方式において吐出可能な範囲にしやすい。
水溶性有機溶剤あるいは水に可溶な高分子としては、先の水溶性高分子は全て使う事ができ、さらにフェノール樹脂、ポリエーテル型キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン、酪酢酸セルロース、ポリビニルエーテル、メタクリル酸、DFK樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、アクリル酸エステル樹脂、ポリスルフォン、エチルセルロース等を使用することができる。
また、分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10000〜20000、酸価100)、ジョンクリル55(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。なお、分子量とは、重量平均分子量を示す。
前記分散剤は、前記インク中において、前記顔料に対して、固形分換算で好ましくは、0.1〜10重量%、更に好ましくは、0.3〜6重量%含有される。
また、本実施形態のイエローインク組成物には、上述した顔料および分散剤の代わりに、顔料粒子表面に直接分散性付与基を化学的に導入した、いわゆる表面処理顔料(自己分散顔料)を用いることもできる。
本実施形態のインクセットに用いられる各インク組成物には、浸透促進剤を含有することが、記録媒体への濡れ性を高めて有機顔料の浸透性を高めるため好ましい。浸透促進剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の各種界面活性剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル;1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のジオールが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、1,2−ヘキサンジオール等のジオールを用いることが好ましい。
前記浸透促進剤は、各インク組成物中、0.1〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜15重量%程度である。
浸透剤のその他の好ましい例としては、1,2−アルカンジオール及び/又は下記一般式(1)に示すポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物を挙げることができる。
(式中、R1〜R7は、それぞれ独立して、C1-6アルキル基であり、j、k及びgは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基であり、p及びqは0以上の整数であるが、但しp+qは1以上の整数であり、EO及びPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい)
1,2−アルカンジオールとしては、炭素数が4〜6のもの、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、または1,2−ヘキサンジオールが挙げられ、好ましくは、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールであり、さらに好ましくは、1,2−ヘキサンジオールである。これらは一種または二種以上の組み合わせで用いることもできる。
1,2−アルカンジオールの添加量は、インク組成物に対して0.1〜20重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは3〜15重量%程度、更に好ましくは5〜10重量%程度である。
また、上記一般式(1)で表されるポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物としては、好ましくは、R1〜R7が独立して炭素数1〜6のアルキル基、好ましくはメチル基である。j、k及びgは、独立して、1以上の整数であるが、より好ましくは1〜2である。また、p及びqは0以上の整数であるが、但しp+qは1以上の整数である。
上記一般式(1)で表されるポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物としては、より好ましくは、例えば、j=k+1を満足する化合物、R1〜R7が全てメチル基であり、jが2であり、kが1であり、gが1であり、pが1以上の整数であり、qが0である化合物等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物は市販されており、それらを利用することが可能である。例えば、ビッグケミー・ジャパン株式会社より市販されているシリコン系界面活性剤BYK−345、BYK−346、BYK−347、又はBYK−348が利用可能である。
ポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.01〜5重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量%程度、更に好ましくは0.3〜0.5重量%程度である。
浸透剤のその他の好ましい例としては、多価アルコール低級アルキルエーテル(グリコールエーテル)類及び/又は下記の一般式(2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を挙げることができる。
(式中、0≦m+n≦30であり、R8〜R11は、それぞれ独立してC1-6アルキル基である)
多価アルコール低級アルキルエーテルの添加量は1〜30重量%であるのが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
上記一般式(2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてサーフィノール104、82、465、485又はTG(いずれもAir Product and Chemicals. Inc. より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学社製(商品名))を挙げることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.01〜5重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。
本実施形態のインクセットに用いられる各インク組成物は、インクジェットプリンタのノズルの目詰まり防止の観点から、湿潤剤を含有することが好ましい。湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられ、好ましくはグリセリンである。
湿潤剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して1〜30重量%程度が好ましい。
本実施形態のインクセットに用いられる各インク組成物は、バランスとして水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
さらに、本実施形態のインクセットに用いられる各インク組成物には、トリエタノールアミンやアルカリ金属水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等から選ばれる材料を所望により添加することができる。これらの成分は、各種別に一種又は二種以上を混合して用いることができる。また、添加する必要がなければ添加しなくてもよい。当業者は本発明の効果を損なわない範囲で、選択された好ましい添加剤を好ましい量で用いることができる。なお、上記溶解助剤とは、インク組成物から不溶物が析出する場合に、その不溶物を溶解し、インク組成物を均一な溶液に保つための添加剤である。
上記溶解助剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどのピロリドン類、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類などを挙げることができるがこれらに限定されない。また、上記酸化防止剤の例としては、L−アスコルビン酸及びその塩類等が例示できるが、これらに限定されない。
上記防腐剤又は防カビ剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及び1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、及びプロキセルTN(以上商品名)等を例示できるが、これらに限定されない。
上記pH調整剤しては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類などが例示できるがこれらに限定されない。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、該インク組成物として、上述したインクセットが備えたインク組成物を用いるものである。
本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、該インク組成物として、上述したインクセットが備えたインク組成物を用いるものである。
インク組成物を吐出する方法としては、以下に説明する方法が挙げられる。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式も本実施形態のインク組成物を用いたインクジェット記録方法に使用することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法によれば、上述のインクセットを用いることにより、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ、耐光性と耐ガス性のバランスに優れた記録物を得ることができる。
[記録物]
本発明の記録物は、上述のインクジェット記録方法を用いて記録媒体上に記録が行われたものである。この記録物は、上述のインクセットを用いることにより、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ耐光性と耐ガス性のバランスに優れた記録物を得ることができる。
本発明の記録物は、上述のインクジェット記録方法を用いて記録媒体上に記録が行われたものである。この記録物は、上述のインクセットを用いることにより、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ耐光性と耐ガス性のバランスに優れた記録物を得ることができる。
1.インク組成物の調製
着色剤としての顔料と、分散剤としてのスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩(分子量10000、ポリマー成分38%、ジョンソンポリマー社製。表1中、単に「分散剤」と表記する。)をサンドミル(安川製作所社製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量)とともに2時間分散させた。次いで、ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で30分間撹拌した後、染料を混合する場合は該染料を加えて常温で1時間撹拌した。1時間経過後、5μmのメンブランフィルターで混合液を濾過して、以下の表1のようなインク組成物を得た。単位は特に断りがない限り重量%である。
着色剤としての顔料と、分散剤としてのスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩(分子量10000、ポリマー成分38%、ジョンソンポリマー社製。表1中、単に「分散剤」と表記する。)をサンドミル(安川製作所社製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量)とともに2時間分散させた。次いで、ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で30分間撹拌した後、染料を混合する場合は該染料を加えて常温で1時間撹拌した。1時間経過後、5μmのメンブランフィルターで混合液を濾過して、以下の表1のようなインク組成物を得た。単位は特に断りがない限り重量%である。
表1中、マゼンタ染料1は、前記一般式(M-1)で表される化合物の例であって、下記式(A)で表される化合物である。なお、式(A)中、MはNH4又はNaを表し、NH4:Na=1:1(モル比)である。
表1中、マゼンタ染料2は、前記一般式(M-1)で表される化合物の例であって、下記式(B)で表される化合物である。なお、式(B)中、MはNH4又はNaを表し、NH4:Na=1:1(モル比)である。
その他、マゼンタインク組成物に用いられるマゼンタ染料である前記一般式(M-1)で表される化合物以外のマゼンタ染料として、C.I.ダイレクトレッド227(表1中、Direct Red 227と表記する)を用いた。
表1中、シアン染料1及び2は、前記一般式(C-1)で表される化合物の例であって、下記式(C)で表される化合物であり、かつシアン染料1及び2におけるZ1〜Z4は下記表2に示されるものである。
シアンインク組成物に用いられるシアン染料である前記一般式(C-1)で表される化合物以外のシアン染料として、C.I.ダイレクトブルー199(表1中、Direct Blue 199と表記する)を用いた。
なお、表1中、BYK348はビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤を意味し、プロキセルXL2はAVECIA社製防腐剤又は防カビ剤を意味する。
2.評価試験
(1)評価1:耐光性
インクジェットプリンタPX−V630(セイコーエプソン社製)のインクカートリ
ッジに、下記表3に示す組み合わせで構成したインクセットを充填し、ブラックは純正カートリッジを搭載して、EPSON写真用紙(セイコーエプソン社製)に印刷した。
(1)評価1:耐光性
インクジェットプリンタPX−V630(セイコーエプソン社製)のインクカートリ
ッジに、下記表3に示す組み合わせで構成したインクセットを充填し、ブラックは純正カートリッジを搭載して、EPSON写真用紙(セイコーエプソン社製)に印刷した。
印刷パターンはOD値が1.0となるように10mm×10mmのベタを印刷した。印刷モードはEPSON写真用紙の高精細モードの、プリンターカラー調整の“色補正なし”を選択した。作製した印刷サンプルを、スガ試験機株式会社製 キセノンウェザーメーター XL75を用いて70,000Luxの照射量で300時間曝露し、そのOD値を測定した。そして、曝露前のOD値を基準として、300時間経過後のOD値の減少率を求め、下記の評価基準に基づき印刷サンプルの耐光性を評価した。結果を表3に示す。
(単色の耐光性評価基準)
A:OD値の減少率が20%未満。
B:OD値の減少率が20%以上30%未満。
C:OD値の減少率が30%以上。
A:OD値の減少率が20%未満。
B:OD値の減少率が20%以上30%未満。
C:OD値の減少率が30%以上。
(各色の耐光性の退色バランスの判断基準)
A:OD値の減少率の差が10%未満。
B:OD値の減少率の差が10%以上20%未満。
C:OD値の減少率の差が20%以上。
A:OD値の減少率の差が10%未満。
B:OD値の減少率の差が10%以上20%未満。
C:OD値の減少率の差が20%以上。
(2)評価2:耐オゾン性
上記(1)と同様の方法で作製した印刷サンプルを、スガ試験機株式会社製 オゾンウェザーメーター OMS-Hを用いて10ppmのオゾン量で50時間曝露し、そのOD値を測定した。そして、曝露前のOD値を基準として、50時間経過後のOD値の減少率を求め、下記の評価基準に基づき印刷サンプルの耐オゾン性を評価した。なお、オゾンウェザーメーターの槽内は24℃、相対湿度60%の条件で運転を行った。結果を表3に示す。
上記(1)と同様の方法で作製した印刷サンプルを、スガ試験機株式会社製 オゾンウェザーメーター OMS-Hを用いて10ppmのオゾン量で50時間曝露し、そのOD値を測定した。そして、曝露前のOD値を基準として、50時間経過後のOD値の減少率を求め、下記の評価基準に基づき印刷サンプルの耐オゾン性を評価した。なお、オゾンウェザーメーターの槽内は24℃、相対湿度60%の条件で運転を行った。結果を表3に示す。
A:OD値の減少率が20%未満。
B:OD値の減少率が20%以上30%未満。
C:OD値の減少率が30%以上。
B:OD値の減少率が20%以上30%未満。
C:OD値の減少率が30%以上。
Claims (4)
- イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物を備えたインクジェット記録用インクセットであって、
前記イエローインク組成物が、着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、
前記マゼンタインク組成物が、着色剤として、マゼンタ顔料と、下記一般式(M-1)で表される染料と、を含有し、
前記シアンインク組成物が、着色剤として、シアン顔料と、下記の一般式(C-1)で表される染料と、を含有する、
インクジェット用インクセット。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。) - 前記インク組成物において、前記顔料と前記染料との重量比が1:1〜7:1の範囲である、請求項1に記載のインクセット。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、該インク組成物として、請求項1又は2に記載のインクセットが備えたインク組成物を用いるインクジェット記録方法。
- 請求項3に記載のインクジェット記録方法によって印刷が行われた記録物。
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JP2010006969A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Nippon Kayaku Co Ltd | アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体 |
EP3279280A1 (en) * | 2016-08-02 | 2018-02-07 | Funai Electric Co., Ltd. | Ink-set, ink composition, and image forming method |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004107637A (ja) * | 2002-07-23 | 2004-04-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用インクセットならびにインクジェット記録方法 |
WO2006075706A1 (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-20 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007074415A patent/JP2008231296A/ja not_active Withdrawn
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