JP2008226643A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に優れた電気特性と高容量を有する非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】充放電でリチウムイオンを放出吸蔵可能な正極活物質を含む正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素を含む不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下かつ理論容量が350mAh/g以上である負極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池において、正極の不可逆容量をAとし、正極合剤層に対向する負極合剤層の部分の不可逆容量をBとした場合、0.73≦A/B≦1.14であり、その正極活物質がリチウム複合ニッケル酸化物であることを特徴とする非水電解液二次電池。
【選択図】なし
【解決手段】充放電でリチウムイオンを放出吸蔵可能な正極活物質を含む正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素を含む不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下かつ理論容量が350mAh/g以上である負極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池において、正極の不可逆容量をAとし、正極合剤層に対向する負極合剤層の部分の不可逆容量をBとした場合、0.73≦A/B≦1.14であり、その正極活物質がリチウム複合ニッケル酸化物であることを特徴とする非水電解液二次電池。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解液二次電池に関し、特に好適な正極活物質と負極活物質を組み合わせたものに関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池の要望が強まっている。高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池の中でも、とりわけリチウム二次電池に対する期待が大きくなっている。また、最近の電子機器は更なる高機能化、高電力化が進んでいて、非水電解液二次電池の更なる高エネルギー密度化が求められている。
非水電解液二次電池の正極活物質には、従来からリチウム複合コバルト酸化物(以下、LiCoO2と略す)が用いられる場合が多く、この他にもニッケル含有リチウム複合酸化物やスピネル型リチウム複合マンガン酸化物(LiMn2O4)、またはこれらの異種元素固溶物や混合物などが用いられている。
一方、負極には、種々の炭素材料が用いられている。特に黒鉛が多用される理由として、重量当たりの容量が大きい、負極合剤層の炭素密度が大きくなる、負極の初期の初回充電容量と初回放電容量の差(不可逆容量)が小さくなるなどの利点が挙げられる。
従来から使用されている正極活物質としてのLiCoO2は、初期の不可逆容量が小さく、初回充放電効率はほぼ100%である。このような正極に対しては、負極の可逆容量がそのまま電池容量となるため、不可逆容量の小さい負極を組み合わせることで高容量電池設計が可能となる。
不可逆容量の小さい負極活物質としては従来から研究開発されており、電気特性も良好な負極活物質として、例えば球状天然黒鉛および黒鉛化炭素繊維からなる炭素材料を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、正極活物質としてLiCoO2より更に高容量が見込めるニッケル含有リチウム複合酸化物は1回目の充電(リチウムの離脱反応)と、放電(リチウムの挿入反応)の間に大きな充放電容量差があることが知られている。
特開2004−95529号公報
電気特性、例えば放電温度特性やサイクル特性を向上させるために負極活物質を改良する場合、例えば一般的に、負極活物質の比表面積を大きくして反応活性面積を増大させることが挙げられる。これにより電気特性は向上するものの、電解液との反応面積も増えることから副反応も増長させてしまうため、負極の不可逆容量は大きくなってしまう。
高容量かつ優れた電気特性を確保するため、従来から使用されているLiCoO2のような充放電効率がほぼ100%に近い正極を用いた場合、例えば上記のような負極と組み合わせると、電池の容量は負極の不可逆容量により支配されてしまうため、高容量化かつ優れた電池特性の両立は困難となる。
正極の不可逆容量が大きいニッケル含有リチウム複合酸化物のような正極と、不可逆容
量の小さい負極を組み合わせた場合、つまり正極の不可逆容量が負極の不可逆容量より大きい場合、電池の容量は正極の不可逆容量により支配されてしまう。加えて、正極不可逆容量に相当する量のリチウムイオンは放電終了後でも負極に残存しており、この負極に残存したリチウムイオンは、本来は放電可能であるのにもかかわらず、充放電反応に関与することができない。充放電に関与できないリチウムイオンを負極炭素中に保持したままの状態では、2サイクル目以降に充電できる負極の可逆電気容量が小さくなる。このため、電池の充放電可能な電気容量が減少するとともに、充電時に可逆電気容量の限界を超えた電気量が通電されやすくなるため、負極表面に金属リチウムが析出しやすくなる問題がある。この析出した金属リチウムは熱的に安定性が低く、電池の安全性から考慮すると好ましくない。
量の小さい負極を組み合わせた場合、つまり正極の不可逆容量が負極の不可逆容量より大きい場合、電池の容量は正極の不可逆容量により支配されてしまう。加えて、正極不可逆容量に相当する量のリチウムイオンは放電終了後でも負極に残存しており、この負極に残存したリチウムイオンは、本来は放電可能であるのにもかかわらず、充放電反応に関与することができない。充放電に関与できないリチウムイオンを負極炭素中に保持したままの状態では、2サイクル目以降に充電できる負極の可逆電気容量が小さくなる。このため、電池の充放電可能な電気容量が減少するとともに、充電時に可逆電気容量の限界を超えた電気量が通電されやすくなるため、負極表面に金属リチウムが析出しやすくなる問題がある。この析出した金属リチウムは熱的に安定性が低く、電池の安全性から考慮すると好ましくない。
本発明は、これら従来の課題を解決し、優れた電気特性を有し、かつ高エネルギー密度化された非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の非水電解液二次電池は、充放電でリチウムイオンを放出吸蔵可能な正極活物質を含む正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池において、前記負極活物質は、不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下である炭素であり、前記正極活物質リチウム複合ニッケル酸化物であり、その不可逆容量をAとし、正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量をBとした場合、0.73≦A/B≦1.14であるものである。
また、電池特性の優れた不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下である負極と、LiCoO2より重量当たりの容量が大きく、かつ不可逆容量の大きいリチウム複合ニッケル酸化物を組み合わせて、上記正負極の不可逆容量の割合を満たすことで、正極の不可逆容量が、負極の不可逆容量、例えば負極表面被膜の生成等に充当されるため、充放電に関与しないリチウムイオンが負極活物質中に残ることなく、電池設計上、負極のセンター負荷設計値を負極の不可逆容量が39mAh/g以下の負極と組み合わせたときよりも高く設定することができるため、優れた電気特性を有し、かつ高エネルギー密度化、電池の高容量設計が可能となる。
また、金属リチウムの析出も抑制されるため、安全性も高まる。
本発明によると、電池容量に寄与しない正負極活物質を電池に内蔵することがなくなる電池設計が可能となり、電池の高容量設計が可能となる。また、高容量だけでなく安全性も増した非水電解液二次電池が提供できる。
本発明の実施の形態における非水電解液二次電池は、正極と負極がセパレータを介して絶縁した状態で積層された極板群を有し、正極活物質の不可逆容量をAとし、正極合剤層に対向する部分の負極合剤層に存在する負極活物質の不可逆容量をBとした場合、0.73≦A/B≦1.14であり、その正極活物質がリチウム複合ニッケル酸化物で構成されている。
こうすることにより、従来から用いられている充放電効率がほぼ100%である正極活物質LiCoO2に対して、優れた電気特性を有するが不可逆容量が大きいため電池の高容量化に不向きであった負極を、この負極の不可逆容量に相当する不可逆容量を有するLiCoO2より重量当たりの容量が大きいリチウム複合ニッケル酸化物を組み合わせるこ
とで、電池容量に寄与しない正負極活物質を電池に内蔵することがなくなり、優れた電気特性を有し、かつ高容量電池設計が可能となる。
とで、電池容量に寄与しない正負極活物質を電池に内蔵することがなくなり、優れた電気特性を有し、かつ高容量電池設計が可能となる。
負極活物質としては、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛等の炭素材料を用いることができる。上述のように、正極活物質LiCoO2に対して、優れた電気特性を有するが不可逆容量が大きいため電池の高容量化に不向きであった負極を、この負極の不可逆容量に相当する不可逆容量を有するLiCoO2より重量当たりの容量が大きいリチウム複合ニッケル酸化物を組み合わせることで高容量電池設計が可能となるとはいえ、不可逆容量が大きくかつ理論容量が小さい炭素材料(例えばメソカーボンマイクロビーズ)は高容量電池設計には不向きであり、本発明の効果を十分に活かすことができない。負極活物質の理論容量は少なくとも350mAh/gであることが好ましい。
本発明の好ましい実施の形態における非水電解液二次電池は、正極活物質を一般式LixNiyM1−yO2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物が好ましい。
こうすることにより、正極活物質にLiCoO2を用いた場合は単位体積当りの容量120mAh/cc程度であるが、正極活物質の一般式がLixNiyM1−yO2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlからなるいずれか1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物を用いることにより単位体積当りの容量130mAh/cc以上の高エネルギー密度の非水電解液二次電池を得ることができる。
ここで、正極活物質を一般式LixNiyM1−yO2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物の代表として、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.6Co0.3Al0.1O2、LiNi0.6Co0.3Ti0.1O2、およびLiNi0.5Co0.5O2が挙げられる。
正極に用いる結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す)などのフッ素樹脂や、アクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子を用いることができる。充放電特性の機能を十分に発揮させる観点から、PVDFよりも非水電解液に膨潤または湿潤するアクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子が好ましい。これは、結着剤が電解液に湿潤または膨潤することにより、充放電時にリチウムイオンが極板間を移動するパスをつくり、充放電特性を向上させると考えられる。
導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、および各種黒鉛などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
負極は、少なくとも負極活物質と結着剤を含む。
結着剤としては、PVDFおよびその変性体を始め各種バインダーを用いることができる。
非水溶媒からなる電解液には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)などの各種リチウム塩を溶質として用いることができる。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびメチルエチルカ
ーボネート(MEC)などを用いることが好ましいが、これらに限定されない。非水溶媒は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。また、添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの変性体などを用いることもできる。
ーボネート(MEC)などを用いることが好ましいが、これらに限定されない。非水溶媒は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。また、添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの変性体などを用いることもできる。
セパレータとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂の微多孔膜や不織布からなる単層または多層構造で構成されているものが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径18mm、高さ65mm、いわゆる18650サイズの円筒型リチウムイオン二次電池を以下のようにして作製した。
直径18mm、高さ65mm、いわゆる18650サイズの円筒型リチウムイオン二次電池を以下のようにして作製した。
(a)正極板の作製
正極活物質であるLiNi0.6Co0.3Al0.1O2の粉末100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを5重量部、および結着剤としてPVDFを5重量部、および適量のN−メチルピロリドン(NMP)の有機溶剤に添加して、ペースト状の正極合剤を調整した。この合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥後圧延して、正極合剤層を形成した。その後、その正極板は、幅56mm、長さ660mmの大きさに切り出した。
正極活物質であるLiNi0.6Co0.3Al0.1O2の粉末100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを5重量部、および結着剤としてPVDFを5重量部、および適量のN−メチルピロリドン(NMP)の有機溶剤に添加して、ペースト状の正極合剤を調整した。この合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥後圧延して、正極合剤層を形成した。その後、その正極板は、幅56mm、長さ660mmの大きさに切り出した。
(b)負極板の作製
負極活物質であるコークスを加熱処理して得た炭素粉末100重量部に、結着剤としてスチレン系結着剤を10重量部混合し、これをカルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液に懸濁させてペースト状の負極合剤を調整した。この合剤ペーストを厚み10μmの銅箔に塗布し、乾燥後圧延して、負極合剤層を形成した。その後、その負極板は、幅58mm、長さ740mmの大きさに切り出した。
負極活物質であるコークスを加熱処理して得た炭素粉末100重量部に、結着剤としてスチレン系結着剤を10重量部混合し、これをカルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液に懸濁させてペースト状の負極合剤を調整した。この合剤ペーストを厚み10μmの銅箔に塗布し、乾燥後圧延して、負極合剤層を形成した。その後、その負極板は、幅58mm、長さ740mmの大きさに切り出した。
(c)電解液の調製
ECと、MECとを体積比1:3で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、電解液を調製した。
ECと、MECとを体積比1:3で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、電解液を調製した。
(d)電池の組立
正極板と負極板とを、厚み16μmのセパレータを介して捲回して極板群を構成した。この時、正極合剤層は完全に負極合剤層に覆われていることを確認した。
正極板と負極板とを、厚み16μmのセパレータを介して捲回して極板群を構成した。この時、正極合剤層は完全に負極合剤層に覆われていることを確認した。
そしてこの電極群を電池ケース内に挿入した。次いで、前述の電解液を5.0g秤量して、電池ケース内に注入し、ケースの開口部を封口する。こうして、円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
また、正極活物質、負極活物質の不可逆容量は、以下に述べるように電気化学セルを作製して測定した。
正極の不可逆容量は、実際に電池を構成する正極と同じ極板を所定量用いて電極を作製し、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルを構成し、25℃において、リチウム電位基準で上限電圧4.3Vから下限電圧3.0Vの間で、電流密度0.2mA/cm2の定電流で充放電させた際の充放電容量の差を不可逆容量とした。
また、負極の不可逆容量は、正極と同様に、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルを構成し、25℃において、リチウム電位基準で上限電圧1.5Vから下限電圧0Vの間で、電流密度0.2mA/cm2の定電流で充放電させた際の充放電容量の差を不可逆容量とした。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した正極活物質の不可逆容量は25mAh/gであった。また、負極活物質には、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が39mAh/gで理論容量が370mAh/gであるものを用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は15.992gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
負極板の重量から銅箔の重量を差し引いたもの、すなわち、負極合剤層の重量は10.933gであった。正極合剤層に対向する負極合剤層の部分は負極塗布面積の92.3%であり、負極合剤中の負極活物質重量(負極合剤から結着剤とCMCを差し引いたもの)は89.3%になる。このようにして算出した負極活物質重量は、9.011gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは351mAhと算出した。すなわち、A/B=1.14となる電池を作製した。
(実施例2)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が51mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は16.010gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が51mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は16.010gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
負極合剤重量10.918gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、8.999gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは459mAhと算出した。すなわち、A/B=0.87となる電池を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が61mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は15.982gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が61mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は15.982gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
負極合剤重量10.902gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、8.986gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは548mAhと算出した。すなわち、A/B=0.73となる電池を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が30mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は16.009gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が30mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は16.009gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは400mAhと算出した。
負極合剤重量10.925gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、9.005gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは270mAhと算出した。すなわち、A/B=1.48となる電池を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が71mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は15.979gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは399mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が71mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は15.979gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは399mAhと算出した。
負極合剤重量10.885gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、8.972gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは637mAhと算出した。すなわち、A/B=0.63となる電池を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例3)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が39mAh/gで理論容量が330mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は14.002gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは350mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が39mAh/gで理論容量が330mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は14.002gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは350mAhと算出した。
負極合剤重量10.942gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、9.019gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは351mAhと算出した。すなわち、A/B=1.00となる電池を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例4)
正極活物質にLiCoO2を用い、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定すると、不可逆容量は2mAh/gであった。また、負極活物質には、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が40mAh/gで理論容量が370mAh/gであるものを用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は17.980gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは36mAhと算出した。
正極活物質にLiCoO2を用い、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定すると、不可逆容量は2mAh/gであった。また、負極活物質には、対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が40mAh/gで理論容量が370mAh/gであるものを用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は17.980gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは36mAhと算出した。
負極合剤重量8.471gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、6.982gであり、電池としての負極の不可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは279mAhと算出した。すなわち、A/B=0.13となる電池を作製した。
(比較例5)
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が30mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は17.991gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは36mAhと算出した。
対極に金属リチウムを用いた電気化学セルで測定した不可逆容量が30mAh/gで理論容量が370mAh/gである負極活物質を用いた。作製した電池の正極合剤層中の正極活物質重量は17.991gであり、電池としての正極の不可逆容量Aは36mAhと算出した。
負極合剤重量8.517gから、実施例1と同様に算出した正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質重量は、7.020gであり、電池としての負極の不
可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは211mAhと算出した。すなわち、A/B=0.17となる電池を作製した以外は、比較例1と同様に行った。
可逆容量、つまり正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量Bは211mAhと算出した。すなわち、A/B=0.17となる電池を作製した以外は、比較例1と同様に行った。
<充放電試験>
環境温度25℃において、充放電容量の測定を以下の条件で行った。
環境温度25℃において、充放電容量の測定を以下の条件で行った。
充電条件:定電流定電圧充電
4.2V、0.7ItmA、50mA終止
放電条件:定電流放電
0.2ItmA、2.5V終止(比較例4、5は3.0V終止)
<充放電サイクル特性試験>
環境温度25℃において、充放電サイクル特性の評価を以下の条件で行った。
4.2V、0.7ItmA、50mA終止
放電条件:定電流放電
0.2ItmA、2.5V終止(比較例4、5は3.0V終止)
<充放電サイクル特性試験>
環境温度25℃において、充放電サイクル特性の評価を以下の条件で行った。
充電条件:定電流定電圧充電
4.2V、0.7ItmA、50mA終止
放電条件:定電流放電
1ItmA、2.5V終止(比較例4,5は3.0V終止)
これら充電と放電を1サイクルとし、1サイクル目の放電容量を100%として、次式により算出される放電容量維持率が50%になるサイクル数を測定した。
4.2V、0.7ItmA、50mA終止
放電条件:定電流放電
1ItmA、2.5V終止(比較例4,5は3.0V終止)
これら充電と放電を1サイクルとし、1サイクル目の放電容量を100%として、次式により算出される放電容量維持率が50%になるサイクル数を測定した。
放電容量維持率(%)=サイクル経過時放電容量(mAh)/1サイクル目放電容量(mAh)×100
これらの結果を(表1)に示す。
これらの結果を(表1)に示す。
実施例1と比較例1は、正極の不可逆容量が負極の不可逆容量より大きいため、正極の可逆容量が電池容量となる。このことから、実施例1および比較例1の電池において、1サイクル目の充電容量と放電容量の差は各々の電池において、ほとんど同じとなっている。
また、比較例3も正極の不可逆容量が負極の不可逆容量より大きいため、正極の可逆容量が電池容量となっている。しかし、負極の理論容量が330mAh/gと低く、実施例1および比較例1と同じ電池設計ができないため、充電容量そのものが実施例1、2、3および比較例1、2より小さく、更なる高容量化、高エネルギー密度化には不利であるといえる。
実施例2、3と比較例2は、正極の不可逆容量より負極の不可逆容量のほうが大きいため、負極の可逆容量が電池容量となる。
このことから、実施例2、3、比較例2の電池においては、1サイクル目の充電容量と放電容量の差は実施例1、比較例1の電池より大きくなっている。
比較例4および比較例5は、正極活物質にLiNi0.6Co0.3Al0.1O2より重量当たりの容量が低いLiCoO2を使用しているため、充電容量そのものがLiNi0.6Co0.3Al0.1O2を用いた実施例1、2、3および比較例1、2、3より小さく、更なる高容量化、高エネルギー密度化には不利であるといえる。また、LiCoO2は充放電効率がほぼ100%であるため、この電池の容量は負極可逆容量が支配する。
サイクル試験については、実施例2、3が良好であった。
サイクル試験後の電池を分解し観察した結果、比較例1の電池の負極表面には金属光沢を有するリチウム金属の析出が観察され、実施例1、2、3、比較例2、3、4、5の電池では析出が観察されなかった。
この結果から、比較例1では、サイクル初期の電池容量は実施例1と同じであっても、正極の不可逆容量分が負極の炭素中に残存したまま充放電サイクルが進行することが顕著で実質的な可逆容量が減少し、充電によって負極の可逆な充放電容量を越えて充電が行われたため負極板表面に金属リチウムが析出し、放電容量が著しく減少したものと考えられる。ちなみに、この場合、正極活物質量を減らすか、充電電圧を下げることによって、負極の可逆容量に余裕を持たせることにより、サイクル特性の良好な電池は実現できるが、放電容量自体が小さくなるため電池の高容量化は実現できない。
以上の結果より、高容量電池設計とサイクル特性のバランスを考慮すると、正極の不可逆容量/負極の不可逆容量は0.73以上1.14以下とすることが望ましく、これまで高容量化には不向きであった優れた電気特性は有するが不可逆容量の大きい、詳しくは不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下の負極活物質に、LiCoO2より重量当たりの容量が大きく、不可逆容量の大きいリチウム複合ニッケル酸化物正極に合わせることで、正負極の不可逆容量がほぼ等しくなり、長寿命で更なる高容量化設計が可能となる。
上記実施例においては円筒型の電池を用いて評価を行ったが、角型など電池形状が異なっても同様の効果が得られる。
本発明は、非水電解液二次電池に利用することができ、特に、高容量を求められる携帯電子機器、ノートパソコン用等の電源として有用である。
Claims (3)
- 充放電でリチウムイオンを放出吸蔵可能な正極活物質を含む正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と非水電解液とを備えた非水電解液二次電池において、
前記負極活物質は、不可逆容量が39mAh/g以上61mAh/g以下である炭素であり、
前記正極活物質はリチウム複合ニッケル酸化物であり、その不可逆容量をAとし、正極合剤層に対向する負極合剤層の部分に存在する負極活物質の不可逆容量をBとした場合、0.73≦A/B≦1.14である非水電解液二次電池。 - 前記負極活物質の理論容量が350mAh/g以上である請求項1記載の非水電解液二次電池。
- 前記正極活物質が、一般式LixNiyM1−yO2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物である請求項1記載の非水電解液二次電池。
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JP2007063195A JP2008226643A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 非水電解液二次電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009037740A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
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US11621423B2 (en) | 2017-11-29 | 2023-04-04 | Lg Energy Solution, Ltd. | Additive for cathode, method for preparing the same, cathode including the same, and lithium secondary battery including the same |
-
2007
- 2007-03-13 JP JP2007063195A patent/JP2008226643A/ja active Pending
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