JP2008221406A - 固定砥粒式ワイヤーソー及びその製造方法 - Google Patents

固定砥粒式ワイヤーソー及びその製造方法 Download PDF

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安規 村田
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Abstract

【課題】固定砥粒式ワイヤーソーにおいて、ダイヤモンドとワイヤーの接合構造の改善によりワイヤー素材としてステンレス鋼が使用できるようにしてワイヤーソーの低コスト化を図ることである。
【解決手段】ワイヤー1の外周にロー材2を介して多層コーティング4を施したコーティング・ダイヤモンド5の第1層6がTi等の遷移金属をふくみ、ダイヤモンド素材3と化学結合している層であり、第2層7がロー材2に対する濡れ性改善層からなり、場合によりさらにロー材に対する濡れ改善層のための第3層8を施し、ワイヤー1がロー材2によってコーティング・ダイヤモンド5を固着する際の熱処理時において実質的に強度低下を来たさないステンレス鋼材でなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンの単結晶などに代表される各種電子材料のスライス工程で使用される固定砥粒式ワイヤーソーとその製造方法に関するものである。
各種電子材料のスライス工程で使用される固定砥粒式ワイヤーソーは、ワイヤーの外周にダイヤモンド、CBN等の超砥粒(以下「ダイヤモンド」と総称する。)を固着したものである。ダイヤモンドの固着法としてレジンボンド法や電着法がある。これらの方法はそれぞれ大きな欠陥を持っている。これを改良すべくロー付けによるダイヤモンド固着法、いわゆるケミカルボンド法が知られている(特許文献1参照)。
前記特許文献1に開示されたものは、ダイヤモンド粒径の5〜35%の厚さの活性ロー材によってダイヤモンドをワイヤーに固着したものであり、前記の活性ロー材としては
Cu−Ag−Ti合金が用いられ、前記のワイヤーとしては、前記活性ロー材の溶融温度(850〜1050℃)に耐え得るタングステンワイヤーが用いられる。タングステンワイヤーは、1400℃の高温処理でも強度の劣化が20%以下であることから、最適の素材である。
前記活性ロー材は、活性元素のTiがダイヤモンド元素Cと反応して炭化物(TiC)を形成することにより化学的に強固に結合される特性を有する。かかるケミカルボンド法によって製作された固定砥粒式ワイヤーソーは、ダイヤモンドの保持力が高く、切削性能に優れ、さらに生産性も高い特徴がある。
特開2006−123024号公報
前記の固定砥粒式ワイヤーソーにおいては、ワイヤーの素材としては、活性ロー材の溶融温度(850〜1050℃)で強度の劣化が20%以下の材料を選択する必要から、前述のようにタングステンワイヤーが用いられる。しかし、タングステンは近年の消費量の増大に伴い価格が高騰しつつあり、これから先もさらに高騰することが予想されること、また、活性ロー材も高価であることとあいまって、ワイヤーソーの製品原価が高くつく問題がある。固定砥粒式のワイヤーソーの普及をはかるためにも、安価なタイプのワイヤーソーの開発が望まれている。
そこで、本発明は、ワイヤーとダイヤモンドの固着手段を改善し、ダイヤモンドの保持力、切削性能、生産性等においては前述した従来例のものと同等の特性をもつ一方、ワイヤー及びロー材として安価なものが使用できるようにして低価格化を図った固定砥粒式ワイヤーソー及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するための固定砥粒式ワイヤーソーに関する発明は、図1(a)(b)に示したように、ワイヤー1の外周にロー材2を介してコーティング・ダイヤモンド5が固着されたものである。このコーティング・ダイヤモンド5は、ダイヤモンド素材3の表面に多層コーティング層4を形成したものであり、その多層コーティング層4の第1層6が、ダイヤモンドと付着活性の強いTi等の遷移金属を含む層であり、ダイヤモンドとの界面で化学結合によって強固な接合がされている。第2層7がロー材2に対する濡れ性改善層からなる。例えば、Ni-Pの無電解メッキによる、第2層のコーティングは、作業性も良く第1層のロー材に対する濡れ(接合性)の悪さを大幅に改善し、またコーティング後に、850℃程度の熱処理をすることによって、第1、第2層間の接合力が増すため、濡れ性改善層としては好適である。また、前記ワイヤー1は、前記ロー材2によって前記コーティング・ダイヤモンド5を固着するロー付け時における実質的な強度低下が20%以下の鋼材でなるものである。一般に鉄鋼材料では、高温で強度(硬度)の低下が少ない高速度鋼やダイス鋼などがあるが、硬くて靭性がないことから、伸線してワイヤー素材とするのが難しい。
各種ステンレス鋼は、簡単にダイスによって線引きでき、加工硬化によって強度が上昇し、ワイヤーソー素材としてステンレス鋼が最適であるといえる。SUS301、304やSUS630、631などの析出硬化型ステンレス鋼が目的に適う材料といえる。
温度上昇と硬度の低下の関係は、温度と時間の組合せとなる。すなわち、短時間であれば600℃以上でも硬度の低下は極めて少なく出来し、適切な温度であれば硬化して強度があがる。
実験の結果、例えば、よく線引きされて冷間加工されたΦ0.18mmのステンレス鋼のSUS631では、素材の硬度がHv551で、これを、600℃で30秒熱処理すると、析出硬化によって、硬度はHv743まで上昇する。同じくSUS304では、素材の硬度がHv603のものを、600℃30秒の処理では、Hvを722まで上昇することがわかった。ダイヤモンドをワイヤーにロー付けする温度を、600℃、30秒と設定すれば、ロー付けによってワイヤー素材が軟化せず、強化することになり、まさに一石二鳥の効果が期待できる。
ロー付け温度が650℃のときは、処理時間を10秒程度に短くすることによって、ワイヤーの硬度の低下は、20%以内で抑えることが可能である。
ロー材は、Cu-Ag系のいわゆる銀ローと称せられる材料が一般的であるが、入手し易いロー材は650〜750℃で溶融するものも多い。例えばワイヤー材質としてSUS鋼を使うと、短時間であれば700℃程度の温度処理で、硬度の低下をかろうじて20%以下に抑えられるものの、ワイヤーソーとしては、出来る限り硬度の高い(抗張力の大きい)ほど望ましい。この観点から、ロー材の選択はワイヤー素材の硬度が落ちない範囲で選択するのが望ましく、さらに析出硬化による硬度が高くなる条件でロー付けするのが最良である。すなわち、ワイヤーソー素材の材質とロー付けの温度、処理時間を勘案してワイヤーを軟化させないだけでなく、強化させることも可能となる。SUS631やSUS304などのステンレス鋼線を使う場合、ロー付け温度は600〜650℃近辺がよく、当然ながら時間が短くなれば、650℃を超えても可能である。以上を勘案して500〜650℃の範囲で安定してロー付けが出来る温度のロー材を選定する必要がある。
しかし、市販の溶融温度が低いロー材をベースに、Sn、やInなどの低融点金属を添加することによって、ロー材のロー付け温度は調整することが可能である。また低温でロー付けできるロー材の研究も各所で進んでおり、入手は又は調製することは容易である。(特開平8−57682号公報によれば、AgにIn、Snを添加することで、溶融温度は500〜600℃のロー材が出来る。)
すなわち、ダイヤモンドの表面にダイヤモンドと強固な接合ができる、Tiなどを含む金属コーティングをし(実際にはコーティング層が薄い場合、ほとんどダイヤモンドと化学結合しTiCの皮膜になっている)、そのうえに、例えばNi-Pなどの金属コーティングをして、これを熱処理してNi-P層とTiCの界面での接合強度を強化する。すると、ダイヤモンドの表面が金属で覆われたことになる。この状態で、金属ワイヤーと金属コーティング・ダイヤモンドは、溶融温度の高い活性ロー材を使わなくても、一般ロー材でダイヤモンドをワイヤーに固着することが可能になった。Ni系の金属は薄い強固な酸化膜を作りやすく、ロー付けするときに雰囲気の調整が難しく、より簡単にロー付けをするために、Ni系金属のコーティング膜の外側にさらに銅(Cu)のコーティングをすると、ロー付けがさらに容易になり、ロー材の選択範囲は広がる。ロー材を、ワイヤー素材が軟化して強度の低下が20%以下にならない温度と時間の組み合わせを適切に選択することによって、安価なダイヤモンド固定ワイヤーソーが実現可能になる。
本発明によれば、ダイヤモンド素材3に付着活性が強いTi等の遷移金属をコーティングして、ダイヤモンド素材3との化学結合による付着活性化層を形成させる高温熱処理を伴う工程が、コーティング・ダイヤモンド5のワイヤー1に対するロー付け工程と無関係に行うことができるので、ワイヤー1に前記高温熱処理時の熱的影響の及ぶことが避けられる。
また、ロー付け工程において使用するロー材は通常のものを使用するか、少量の安い金属を添加することによって、600℃近辺で溶融するロー材を調製することができる。ワイヤー1の素材としては、前記ロー材に合わせた耐熱性をもった素材として安価なステンレス鋼等の鋼材を使用することができる。これにより、ロー材及びワイヤーのコストを低減することができるので、ダイヤモンドの保持力、切削性能、生産性等においてタングステンワイヤーに活性ロー材でダイヤモンドを固着するものと同等の特性をもつと同時に、安価な固定砥粒式ワイヤーソーを提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1の固定砥粒式ワイヤーソーは、先に図1(a)(b)に基づいて説明した構成を基本とする。即ち、ワイヤー1の外周にロー材2を介して無数のコーティング・ダイヤモンド5が固着されたものである。
前記のコーティング・ダイヤモンド5は、ダイヤモンドの表面に多層コーティング層4を形成したものである。その多層コーティング層4の第1層6はTi等の遷移金属を含むダイヤモンドと化学結合により強く接合した層であり、第2層7はロー材2に対する濡れ性改善層である。
前記第1層6を形成する金属としては、Ti、Cr、V、Mn、Nb、W、Mo、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Rh、Ta、Re、Hf、Zr、U、Ce等の遷移金属がある。中でもTiは付着活性が最も強く、ダイヤモンドへのコーティング技術も確立しており、最も好ましい元素であるといえる。このTiによりダイヤモンド素材3に第1層をコーティングする際の処理温度は、例えば溶融塩法によると800℃以上と高く、その高温処理によりTiはダイヤモンドの炭素(C)と反応してTiCとなる化学結合が行われ、ダイヤモンド素材3と強固に接合される。
なお、スパッタリング等、低い温度でダイヤモンド表面にTi、TiCの膜をコーティングし、後、高温度下で熱処理し、Ti系の膜とダイヤモンドの接合力を強化させたコーティング膜も、本発明の範疇に含まれるものとする。
前記のTiC皮膜は、700℃以下で溶融する一般のロー材には濡れないため、金属ワイヤーにロー付けすることができない。
この対策として、前記TiC皮膜の上に第2層7として濡れ性改善層をコーティングする。この場合の濡れ性改善層としては、無電解メッキによるNi‐P、Ni‐B等のNi系合金によるコーティングを行う。Ni系合金のコーティングは、無電解メッキ以外に、スパッタリングなどでも行うことができるが、作業性がよく、またコーティング法として実績のある無電解メッキが最適である。
無電解メッキによってコーティングされたNi‐P等のNi系合金皮膜は、TiC皮膜面に付着しているだけであるので、層間に強い接合力は得られない。この層間接合力を強化するため、850℃、Ar又はHガス雰囲気で15分間の熱処理を施した。その熱処理による接合強度の向上を確認するため、以下の比較実験を行った。
「比較実験」
コーティング・ダイヤモンド5に上記の熱処理を施し、これとロー材とを同比率(体積比率)で混合し、750℃で真空ホットプレスした塊を作製した。その塊を割って破断面を顕微鏡によって観察したところ、破壊はダイヤモンド粒内、ダイヤモンド‐(TiC)、(TiC)‐(Ni‐P)、(Ni‐P)‐ロー材及びロー材などにほぼ均等に発生していた。この結果から、特に接合が弱い層間はないといえる。
比較対象として前記の熱処理をしない同様のコーティング・ダイヤモンド5について前記と同一条件で塊を作成し、これを割ってその破断面を顕微鏡観察したところ、約90%は(TiC)‐(Ni‐P)間において破断していた。
このことは、前記の850℃15分間の熱処理によって、コーティング・ダイヤモンド5が破断する程の強い力が加わっても、特別弱い箇所がなく、(TiC)‐(Ni‐P)間の接合力が前記熱処理によって強化されたことを証明している。
なお、900℃以上での熱処理も可能であり、これにより一層前記の接合力を向上させることができるが、Ni‐Pが溶融する結果、コーティング・ダイヤモンド5同士が接合する不都合がある。(「比較実験」 以上)
以上のようなコーティング・ダイヤモンド5を予め製作しておき、これをワイヤー1にロー付けする。図2はそのロー付け装置の概略図であり、下段にワイヤーボビン11が設置され、その上方に下から順にロー材ルツボ12、ダイヤモンド・ルツボ13、最上段に巻取りボビン14が配置される。各ルツボ12、13の底部は漏斗状に形成され、下段のロー材ルツボ12の円筒部外周面と上段のダイヤモンド・ルツボ13の円錐部の外周面にそれぞれヒータ15、16が設けられる。ワイヤーボビン11に巻かれたワイヤー1が各ルツボ12、13の上下端部の細孔を経て貫通され、巻取りボビン14に巻き取られる。
巻取りシステムの駆動により、ワイヤー1が加熱溶融状態にあるロー材ルツボ12を通過することにより、ワイヤー1に所定厚さのロー材2が付着され、次にダイヤモンド・ルツボ13を通過する際にそのロー材2を介してコーティング・ダイヤモンド5が適宜調整された密度で付着される。このルツボ13のヒータ16はロー材2の冷却を防止するために設けられる。ダイヤモンド・ルツボ13を通過したワイヤー1は自然冷却され、コーティング・ダイヤモンド5がワイヤー1に強固に固着される。
前記のロー材2としては、コーティング・ダイヤモンド5の第2層と接着し易いものとして、650℃近辺で溶融する通常のロー材を用いることができる。Cu合金系(例えば、Cu‐Ag-Zn-Sn)のロー材は、安価であり、かつ接着力も強く、この好ましいロー材の一つである。さらに好ましくは、溶融温度が600℃になるようにロー材を調製して利用すると、ワイヤーの軟化が少なく、むしろ既述のように析出硬化によって硬度が上がり、ワイヤー1が強くなる。
ワイヤー1は、前記のロー付け工程においてのみ熱を受けるだけであるから、650℃以下の熱処理時において、短時間の熱暴露であれば実質的に強度低下を20%以下に抑えられる素材、例えば、ステンレス鋼を使用することができる。
なお、前記ロー材2の厚さは、コーティング・ダイヤモンド粒径の5〜35%に設定することにより、コーティング・ダイヤモンド5の一部がそのロー材2に埋まってワイヤー1に固着される一方、残りの大部分がロー材2から露出するので、切削液の廻りや切り屑の排出が順調に行われ高い切削性能を発揮する。
前記実施例1のコーティング・ダイヤモンド5において、その第1層6と第2層7の接合力の強化のために前述の還元雰囲気中で高温熱処理を行った場合、第2層のNi‐Pの表面の酸化膜は還元されるが、ロー付け時の600℃近辺の再加熱によって薄い酸化膜ができる。このため、ワイヤー1にロー付けするときの雰囲気や、ガスの純度が影響するので、安定よくコーティング・ダイヤモンド5を固着させるには、諸条件のコントロールにコストがかかる懸念がある。
その対策として、実施例2の場合は、図1(c)に示したように、第3層8として無電解メッキによりCuをコーティングすることがさらに望ましい。Cuコーティングするまえに、Ni―Pでコーティングされたダイヤモンド表面は酸処理され、酸化膜を取り除き表面を活性化してCuメッキすると、密着の良いコーティングが出来る。結果として、コーティング・ダイヤモンド5の表面がCuによって覆われることになる。Niの酸化膜よりCuの酸化膜は、低温で還元が容易で、鉄鋼材料に比べてCu表面へのロー付けはしやすくなり、ロー材の濡れが良好であり、雰囲気の影響を受けにくく安定してロー付けができる。前記のような3層6、7、8を有する実施例2のコーティング・ダイヤモンド5をワイヤー1にロー付けする方法は実施例1の場合と同様である。
前記第3層8のCuと第2層のNi系合金(Ni−P)との界面における接合状態を確認するため、以下の実験を行った。
「実験例」
前記実施例1のコーティング・ダイヤモンド5の第2層7上に第3層8として無電解メッキによりCuコーティング層を形成したものを、400℃のAr又はH気流中で熱処理を施すことによりCu表面の酸化膜は除去される。また、500℃で15分間の還元雰囲気中の加熱処理で、CuとNi−Pは拡散し完全に合金化することが判った。(実験例以上)
上記の実験から、第2層と第3層の接合力を高めるための熱処理は、ロー付け時の600℃近辺の温度で行うことができるので、第2層と第3層の界面の接合力強化のための特別な熱処理工程は不要であり、ロー付け時においてその溶融熱が前記界面に伝導することにより第2層(Cu)と第3層(Ni−P)の拡散による合金化が行われる。即ち、ロー付けと同時に第2層と第3層の界面の接合力強化処理が行われる。
コーティング・ダイヤモンド5が最終的にCuで覆われた場合、Cuのロー付けとなりロー付けの作業が簡単になる。例えば、銅―りん系の最も安価なロー材で、Cuのロー付けではフラックスが不要で、ガスバーナで簡便にロー付けが可能である。このようにダイヤモンド・コーティング5の最外層に、よりロー付け性の良好なCuをコーティングすることによって、ロー付けの安定性が図れる。
(a)は実施例1又は2の一部拡大断面図、(b)は実施例1の場合の(a)図の一部拡大断面図、(c)は実施例2の場合の(a)図の一部拡大断面図 実施例1又は2の製造装置の概略図
符号の説明
1 ワイヤー
2 ロー材
3 ダイヤモンド素材
4 多層コーティング層
5 コーティング・ダイヤモンド
6 第1層
7 第2層
8 第3層

Claims (7)

  1. ワイヤーの外周にロー材を介してダイヤモンドが固着された固定砥粒式ワイヤーソーにおいて、前記ダイヤモンドが、その表面全体に多層コーティングを施したコーティング・ダイヤモンドあり、その第1層がTi等の遷移金属を含み前記ダイヤモンドとの界面で化学結合により接合した層であり、第2層がロー材に対する濡れ性改善層からなり、前記ワイヤーが前記ロー材によって前記コーティング・ダイヤモンドを固着する際のロー付け熱処理時において実質的な強度低下が20%以下である鋼材でなることを特徴とする固定砥粒式ワイヤーソー。
  2. 前記第1層が、TiをコーティングすることによりダイヤモンドのCと反応して形成されたTiC皮膜であり、前記第2層がNi系合金によるコーティング層であることを特徴とする請求項1に記載の固定砥粒式ワイヤーソー。
  3. 前記第2層上に第3層として銅コーティング等のロー付け性に優れ、かつ第2層と強固な接合が得られるコーティング層が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定砥粒式ワイヤーソー。
  4. 前記ロー材が、ワイヤー素材の強度低下を実質的に20%以下に収まる温度で溶融するロー材であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の固定砥粒式ワイヤーソー。
  5. 前記鋼材が、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の固定砥粒式ワイヤーソー。
  6. ワイヤーの外周にロー材を介してダイヤモンドが固着された固定砥粒式ワイヤーソーの製造方法において、ダイヤモンドの外表面に第1層としてTi等の遷移金属をコーティングし、第2層としてロー材に対する濡れ性改善層をコーティングしたのち、高温熱処理を施すことにより第1層と第2層の接合強化したコーティング・ダイヤモンドを予め製作し、前記コーティング・ダイヤモンドを前記ワイヤーにロー付けすることを特徴とする固定砥粒式ワイヤーソーの製造方法。
  7. 前記コーティング・ダイヤモンドを予め製作する際に、前記の高温熱処理を施したのちに、第3層として銅コーティング等のロー付け性に優れ、かつ第2層と強固な接合が得られるコーティング層を形成することを特徴とする請求項6に記載の固定砥粒式ワイヤーソーの製造方法。
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