JP2008221181A - 嫌気性処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】担体あるいはグラニュール汚泥の滞留部(デッドスペース)ならびに短絡流の発生を抑制し、ガス捕集率を高めることによりCOD負荷が高くても、装置の大型化を抑えた運転効率の高い上向流式嫌気性処理装置を提供する。
【解決手段】ガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置において、最下段ガス・液・固分離部より下方に少なくとも二つ以上の流入口を有し、該流入口は該最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に設置されていることを特徴とする嫌気性処理装置。最下段ガス・液・固分離部が複数ある場合は、各々の最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に少なくとも1つ以上の前記流入口を有すること、前記流入口の装置内横方向における設置位置は、前記最下段ガス・液・固分離部の頂部から先端部の長さまでの4分の3以内に設置したことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の工場、下水、し尿、畜産業施設等から排出される有機性の廃水又は有機性の廃棄物等を対象として、これ等の廃棄物等を無害化する嫌気性汚泥床処理装置に関し、更に詳しくは、特に、ガス・液・固分離部(以下、「GSS」とも記す)を多段に有し、複数の流入口を備えた上向流式嫌気性汚泥床処理装置と処理方法に関する。
排水の嫌気性処理法の一つとして、グラニュール状の汚泥を充填し、被処理水、希釈水、処理水の循環水などの流入水(以下、「流入水」とも記す)を上向流で通水して処理を行う、上向流式嫌気性汚泥床処理装置が公知である。この方式は、以下に示すような利点がある。
(1)従来の嫌気性処理と比較して、高負荷での処理が可能である。
(2)固定床式の嫌気性処理と比較して、充填材の閉塞が起きにくい。
しかし、嫌気性処理では、分解する有機物の負荷量が高くなると(例えば、重クロム酸カリウムを酸化剤として用いて測定したCODCr容積負荷が15kg/m/d以上)、発生するバイオガス量が多くなる。この際、処理装置内からのガス抜きを随時確実に行わないと、ガス排出時の吹き出し等により、グラニュール汚泥の流出が目立つようになり、処理装置内にグラニュール汚泥を留めておくことが難しくなる。
この問題点を解決するためには、「特許文献1」に記載された、多段の気液固分離装置(以下、GSSとも記す)を装置内部に備えた、上向流式の嫌気性処理装置が有効である。
また、「特許文献2」に記載された装置は、装置本体側壁との角度が35度以下となる邪魔板により形成されるガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置において、消泡剤を添加することで、このガス・液・固分離部内部での発泡及びスカムの形成を防止することを特徴とする有機性廃水または廃棄物の嫌気性処理方法及び装置、及び、ガス・液・固分離部内部に酸素を含有しない気体を吹き込みこのガス・液・固分離部内部でのスカムの形成を防止することを特徴とする嫌気性処理方法及び装置である。
この装置の効果は、装置本体側壁との角度が35度以下となる邪魔板により形成されるガス・液・固分離部を有し、原水を直接、あるいは希釈操作を施すことにより流入水の通水速度を1〜5m/hとすることで、汚泥層の良好な流動状態即ち汚泥と基質の良好な接触を妨げず、汚泥層全体を処理に対して有効に使うことで、高いCOD負荷においても安定した処理を行うことの出来る嫌気性処理方法とそのような装置を提供することができ、高い有機物負荷のUASBの運転において安定した有機物処理成績が得られる、というものである。
このように、「特許文献2」に記載された上向流式嫌気性汚泥床処理装置では、グラニュール汚泥の良好な流動状態、すなわち、グラニュール汚泥と基質の良好な接触を妨げず、汚泥層全体を処理に対して有効に使うことで、高いCODCr負荷においても安定した処理を行うことが出来る。
なお、「特許文献2」に記載された上向流式嫌気性汚泥床処理装置ではグラニュール汚泥を使用しているが、近年は、グラニュール汚泥の安定保持が困難な、難分解性成分を含む排水の処理に、上向流式嫌気性処理装置を適用する機会も増えている。このような場合、グラニュール汚泥の代わりに担体を使用することによって、グラニュール汚泥の安定保持が困難な排水でも槽内の生物保持が可能となり、安定した処理が行われる。「特許文献2」に記載された処理装置は、担体を充填して処理を行う上向流式嫌気性処理装置においても、グラニュール汚泥を使用した場合と同様の利点を有する。
このような上向流式嫌気性処理装置では、一般的に、流入口での流入水の吐出速度は、充填物性状にもよるが、0.3〜10m/secとすることが望ましい。また、流入水の装置内部の通水速度は、装置断面の平均液線速度(以下、「装置液線速度」とも記す)として0.5〜10m/hとなるように調整する。流入口の管径は、内径10mm〜80mm、好ましくは18mm〜54mm、より好ましくは20mm〜30mmとすることが望ましい。吐出速度や通水速度が低い場合、被処理水に、希釈水、処理水の循環水等を加えることで、速度を上げることが可能である。
しかし、近年は、装置のスケールアップに伴い底面積が増大している。流入口が1箇所の場合、底面積が増大すると、装置断面の平均液線速度を維持するために、吐出速度が高くなることになる。また、流入口が1箇所の場合、流入水が流入口付近に集中し装置底部全面に分散しない、という弊害が発生する。このような理由から、一定面積以上の底面積を持つ上向流嫌気性処理装置においては、流入口が2箇所以上必要となる。
図2の(a)は、底面積16m、装置液線速度5m/h、流入口径22mmの装置における、流入口の数と流入口吐出速度の関係を示した例である。流入口が6箇所未満の場合、流入口の吐出速度が10m/secを超えることが分かる。
図2の(b)は、流入口径22mm、吐出速度10m/secにおける、装置底面積と装置液線速度の関係を示した例である。装置底面積の値と装置液線速度の値が、図中の曲線の上側に位置する場合は、流入口が2箇所以上必要であることを示す。例としては、底面積5m、装置液線速度2m/hの装置では流入口は1箇所でよいが、底面積10m、装置液線速度4m/hの装置では、流入口は2箇所以上必要になる。
特開平11−207384号公報 特開2002−79291号公報
しかしながら、上記の嫌気性処理装置においてもなお、流入配管配置の不備によっては、以下に示すような問題点が起きる可能性がある。
(a)装置内にGSS等の内部構造を備えており、装置内の均一な流動が困難なため、担体あるいはグラニュール汚泥(以下、充填物とも記す)の滞留部(デッドスペース)あるいは短絡流が発生することがある。
(b)上向流式嫌気性処理装置では一般的に、流入口近傍において、基質濃度が高くガス発生量も多いため、発生ガスの上昇に同伴され、液の流速が大きくなりやすい。一方、充填物の上昇流速は均一ではないため、流入口近傍で充填物の滞留部(デッドスペース)あるいは短絡流が発生しやすい。
このような場合、装置内の充填物と流入水の接触が不十分となることが多く、充分な処理能力を発揮できない恐れがある。また、嫌気性処理装置は一般的に、内部の状態を確認しにくい構造となっているため、滞留部(デッドスペース)や短絡流のような問題点の把握が困難である。滞留部(デッドスペース)や短絡流による処理能力不足を改善するには、充填物の充填高さ、すなわち充填量の増大が挙げられるが、この手段は処理費用の増加につながる。また、滞留部(デッドスペース)を減じるために撹拌羽根等の装置内構造物を新たに設置する方法もあるが、この場合、装置の維持管理が困難になるといった弊害がある。
また、2箇所以上の流入口を設ける場合、通常は、図3のように、流入口9の配置は底面積を流入口数で等分割した面中に配置することが多い。そのような場合、最下段GSS8を逸れる流入口9が存在することがあり、その流入口からの流入水は、最下段GSS8の下部を通過しないため、最下段GSS8の下部に充填物の滞留部が発生することがある。
従って、本発明の課題は、担体あるいはグラニュール汚泥の滞留部(デッドスペース)ならびに短絡流の発生を抑制し、ガス捕集率を高めることによりCOD負荷が高くても、装置の大型化を抑えた運転効率の高い上向流式嫌気性処理装置を提供することである。
本発明は、担体あるいはグラニュール汚泥を充填して上向流式で処理を行い、少なくとも2つ以上の流入口を有し多段の気液固分離装置を備え、円形または矩形の嫌気性処理装置において、図1の(a)〜(f)に示すような流入口9の配置を持ち、流入水の上昇流が、最下段の気液固分離装置の投影面積部に流入することを特徴とした嫌気性処理装置及びそれによる処理方法、すなわち、下記(1)〜(4)の手段によりその課題を解決した。(イ)は縦断面図、(ロ)は上面図である。
(1)ガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置において、最下段ガス・液・固分離部より下方に少なくとも二つ以上の流入口を有し、該流入口は該最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に設置されていることを特徴とする嫌気性処理装置。
(2)前記最下段ガス・液・固分離部が複数ある場合は、各々の最下段ガス・液・固分離部の該投影面部内に少なくとも1つ以上の前記流入口を有することを特徴とする前記(1)記載の嫌気性処理装置。
(3)前記流入口の装置内横方向における設置位置は、前記最下段ガス・液・固分離部の頂部から先端部までの長さの4分の3以内に設置したことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の嫌気性処理装置。
(4)ガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置を使用した有機性廃水の嫌気性処理方法において、最下段ガス・液・固分離部の下部に流入水の上昇流が流入するように該最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に少なくとも二つ以上の流入口を設け、流入水が前記最下段ガス・液・固分離部を経て上向に流れるようにしたことを特徴とする嫌気性処理方法。
担体あるいはグラニュール汚泥を充填して上向流式で処理を行う嫌気性処理装置において、本発明の嫌気性処理装置は、流入水の上昇流が、最下段の気・液・固分離部の投影面部に流入することで、担体あるいはグラニュール汚泥の滞留部(デッドスペース)ならびに短絡流の発生を抑制し、ガス捕集率を高めることができる。これによって、担体あるいはグラニュール汚泥の流出量を減らし、槽内汚泥量を多く維持することができ、処理装置の小型化が得られ、処理の効率化ならびにコストの低減が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
本発明の対象となる嫌気性処理は、30℃〜35℃を至適温度とした中温メタン発酵処理、50℃〜55℃を至適温度とした高温メタン発酵処理など、全ての温度範囲の嫌気性処理である。
本発明のガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置は、最下段GSSの投影面部内の下方に少なくとも二つ以上の流入口を有するが、図1の縦断面図と上面図において、GSSと流入口配置の関係の具体例をモデル的に例示する。
本発明の嫌気性処理装置の概略図は、図4の(a)に示す。図中に実線域7で示した箇所が、最下段GSS8の下部である。この実線域7に流入水の上昇流が流入するように、流入口9(太い矢印で示す)を設けるのが望ましい。破線域10で示した箇所は、最下段GSS8の下部ではないため、上昇流がこの域に流入するような流入口設置位置は、望ましくない。
流入水が最下段GSS8の下部に流入した場合の、流動状態の概略図を図4の(b)に示す。この場合、流入水は、流路a11(実線)のように、最下段GSS8を経て上向きに流れる。その際、流入水はGSS8下部で分散され、充填物の滞留部(デッドスペース)の発生、あるいは、短絡流の発生が抑制される。これによって、装置内の充填物と流入水の充分な接触が可能となる。
これに対して、流入水が最下段GSS8の下部を逸れて流入した場合の、流動状態の概略図を図4の(c)に示す。このとき、流入水は、流路b12(破線)のように、最下段GSS8を通過せずに上向に流れる。流入水が最下段GSS8で分散されないため、流路a11に比べて短絡流が発生しやすい。また、流入水が流路b12を通過した場合、最下段GSS8の下部は、充填物の滞留部13(デッドスペース)となりやすい。この結果、流入水と充填物との接触時間が短くなるため、装置内の充填物と流入水の接触が不充分となりやすい。
このように、流入水が、その上昇流が最下段GSS8の下部に流入するように流入した場合(図4(b))、充填物の滞留部13(デッドスペース)あるいは短絡流の発生が抑制されるため、流入水の上昇流が最下段GSS8の下部から逸れる位置に流入した場合(図4(c))と比較して、充填物量が同じである場合に、高い処理性能を得ることができる。
流入水が最下段GSS8の下部に流入した場合の、発生ガス捕捉状態の概略図を図4の(d)に示す。上昇流が最下段GSS8の下部に流入するように流入した場合、上昇流が最下段GSS8の下部から逸れる位置に流入した場合(図4の(c))に比べて、最下段GSS8で多くのガス捕集が可能となるため、中段GSS14及び最上段GSS15の発生ガスの捕捉割合を小さくすることが出来る。これにより、装置上部での発生ガス上昇に同伴される充填物が少なくなり、充填物の流出防止効果が高まる。その結果、安定した処理を継続することが可能となる。
一方、流入水が最下段GSS8の下部を逸れて流入した場合の、ガス発生状態の概略図を図4の(e)に示す。上昇流が最下段GSS8の下部から逸れる位置に流入した場合、装置内でのガス発生量、ならびに、装置内のGSS位置が同じであれば、最下段GSS8でのガス捕集量が少なくなり、中段GSS14、上段GSS15でのガス捕集量が高まる。これにより、装置上部での発生ガス上昇に同伴される充填物量が多くなり、充填物の系外への流出の可能性が高まる。その結果、装置内の充填物量が減少し、処理の悪化を招くこととなる。
流入口9の数は、1箇所あるいは2箇所以上とする。流入口9の数は、流入口の口径、吐出速度、装置の底面積、装置断面の平均液線速度、等を許に決定することが望ましい。また、全ての流入口を、上昇流が最下段GSS8の下部に流入するように設置する。流入口9の設置数を増やすことによって、装置底部へ流入水を均一に分散させる効果が期待できる。ただし、流入口あたりの流入水量が減少し、流速による充填物の撹拌効果が弱まるため、過度に多数の流入口を設置することは望ましくない。
全ての流入口について、それぞれの流入口からの流入を必要に応じて停止できるようにする。一部の流入口が、閉塞等の原因によって流入不可能になった場合、一時的に他の流入口からの流入を停止し、閉塞した流入口のみで流入を行うことで、閉塞部が開通し、再び流入が可能となる。これによって、片流れを防ぎ、先に述べた滞留部13(デッドスペース)ならびに短絡流の発生を回避することができる。具体的な方策としては、各流入口を別配管によって設置する、といった方法や、バルブ切替によって流入を制御する方法、等があげられる。
流入口9での吐出速度は、充填物性状にもよるが、0.3〜10m/secとすることが望ましい。また、流入水の装置内部の通水速度は、装置断面の平均液線速度として0.5〜10m/hとなるように調整する。吐出速度や通水速度は、被処理水に、希釈水、処理水の循環水等を加えることで、調整が可能である。流入口の管径は、内径10mm〜80mm、好ましくは18mm〜54mm、より好ましくは20mm〜30mmとすることが望ましい。
嫌気性処理装置底部および流入口の概略図を、図5に示す。流入口9の方向は、図5の(a)、(b)に示すように、上向き又は下向きが望ましい。最下段GSS8が処理装置本体側壁に接していない場合は、流入口の装置内横方向における設置位置は、GSS登頂部からGSS先端部までの長さの4分の3以内、好ましくは3分の2以内、より好ましくは2分の1以内の範囲とする(図6のA部)。
最下段GSSが壁に接している場合は、投影部のGSS登頂部より壁側については、原水流入口9の設置位置に制限はない(図6のB部)。又、GSSと装置本体側壁との角度は35度以下であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
実施例1
図7は、本発明の実施形態による、上向流式嫌気性処理装置を示す断面図である。
図7(イ)において、嫌気性処理装置1は角型の容器からなり、3段のGSS2、3、4を備えている。底面積は20mである。流入水16は、底部に設けられた流入配管5より下向きに流入し、上向流によって担体充填部6を通り、処理水流出口7より処理水17として流出する。担体充填部6には、平均粒径0.4mm、充填密度0.5g/cmの担体と、植種のための種汚泥を投入した。図7の(ロ)は、図のa−a’断面の上面図であり、最下段のGSS2の形状を示している。GSS2は樋型の構造となっている。図7の(ハ)は、図のb−b’断面の上面図であり、流入配管5の形状を示している。流入配管5は口径22mmの流入口を6箇所に備えており、図7の(ニ)に示すように、いずれも流入水の上昇流がGSS2の下部に流入するように配置されている。流入水は、6箇所の流入口より下向きに流入し、上向流によって担体充填部6を通り、嫌気性処理される。
この嫌気性処理装置において、流入配管5より流入した流入水は、GSS2まで上昇し、GSS2の下端で分散する。その後、GSS3まで上昇し、さらにGSS3の下端で分散する。これによって、装置内の担体が充分に撹拌され、滞留部(デッドスペース)ならびに短絡流の発生が抑制される。嫌気性処理によって発生したガスは、GSS2、3、4で効率よく捕集され、取り出される。
図8は、対照系列(比較例)の、上向流式嫌気性処理装置を示す断面図である。図7に示す嫌気性処理装置とほぼ同じ構造を有しており、流入配管5の形状のみが異なる。図8の(ハ)において、流入配管5は6箇所の流入口を備えており、図8の(ニ)に示すように、いずれも流入水の上昇流がGSS2の投影面から逸れるように配置されている。
第1表は、本発明の実施形態による上向流式嫌気性処理装置と、対照系列(比較例)の上向流式嫌気性処理装置の、運転条件並びに処理成績である。排水原水としては、メタノール排水を使用した。原水CODCr濃度は3000mg/L、CODCr容積負荷は25kg/m/d、各流入口の流入水吐出速度は7.2m/sec、装置内の通水速度は3m/hであった。運転期間は4ヶ月間であった。
Figure 2008221181
本発明の実施形態による上向流式嫌気性処理装置の処理成績は、処理水SS濃度11mg/L、処理水CODCr濃度72mg/L、CODCr除去率98%であり、良好な処理を示した。汚泥増加率は3%であった。一方、対照系列の上向流式嫌気性処理装置の処理成績は、処理水SS濃度138mg/L、処理水CODCr濃度270mg/L、CODCr除去率91%であり、本発明の実施形態による上向流式嫌気性処理装置の処理成績と比較して、処理水への流出SSが多く、CODCr除去率が低い値であった。また、汚泥増加率は−13%であり、多量のSS流出による汚泥量の減少が見られた。(いずれも平均値)
本発明の上向流式嫌気性処理装置は、撹拌羽等の処理装置の内部構造物を大幅に更新する必要がなく装置の維持管理も容易であり、改良に伴う費用を抑えることができる。従って、本発明による処理装置と処理方法は、工場汚水処理場、畜産施設の汚水処理場あるいは生活排水の処理場等での採用が期待される。
本発明の嫌気性処理装置のGSSと流入口配置の関係をモデル的に例示した図であり、(a)〜(f)の態様を示し、(イ)は縦断面図、(ロ)は上面図を示す。 (a)は底面積16m、装置液線速度5m/h、流入口径22mmとした場合、設計上必要な流入口の数と流入口吐出速度の関係を示す図である。(b)は流入口径22mm、吐出速度10m/secとした場合、装置底面積と装置液線速度の関係を示す図である。 2箇所以上の流入口を設ける場合、流入口の配置を底面積を流入口数で等分割した面中に配置する場合に想定される例を示す図であり、(a)〜(c)の3つの態様を示し、(イ)は縦断面図、(ロ)〜(ホ)は上面図を示す。 本発明の嫌気性処理装置の側面概略図を示し、(a)〜(e)の態様を示している。 本発明の嫌気性処理装置底部及び流入口の方向を示す概略図であり、(a)は流入口が上向きのもの、(b)は流入口が下向きのものを示す。 本発明の嫌気性処理装置のGSSにおいて、流入口の位置を示す概念図であり、(a)〜(c)の3つの態様を示し、(イ)は縦断面図、(ロ)〜(ハ)は上面図を示す。 本発明の実施形態による上向流式嫌気性処理装置の縦断面図と上面図である。 対照系列(比較例)の上向流式嫌気性処理装置の縦断面図と上面図である。
符号の説明
1 嫌気性処理装置
2 最下段GSS
3 中段GSS
4 上段GSS
5 流入配管
6 担体充填部
7 流入口設置に適した位置(実線域)
8 最下段GSS
9 流入口
10 流入口設置に適さない位置(破線域)
11 流路a(実線)
12 流路b(破線)
13 充填物の滞留部
14 中段GSS
15 上段GSS
16 流入水
17 処理水
18 発生ガス

Claims (4)

  1. ガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置において、最下段ガス・液・固分離部より下方に少なくとも二つ以上の流入口を有し、該流入口は該最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に設置されていることを特徴とする嫌気性処理装置。
  2. 前記最下段ガス・液・固分離部が複数ある場合は、各々の最下段ガス・液・固分離部の該投影面部内に少なくとも1つ以上の前記流入口を有することを特徴とする請求項1記載の嫌気性処理装置。
  3. 前記流入口の装置内横方向における設置位置は、前記最下段ガス・液・固分離部の頂部から先端部までの長さの4分の3以内に設置したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の嫌気性処理装置。
  4. ガス・液・固分離部を多段に有する上向流式嫌気性汚泥床処理装置を使用した有機性廃水の嫌気性処理方法において、最下段ガス・液・固分離部の下部に流入水の上昇流が流入するように該最下段ガス・液・固分離部の投影面部内に少なくとも二つ以上の流入口を設け、流入水が前記最下段ガス・液・固分離部を経て上向に流れるようにしたことを特徴とする嫌気性処理方法。
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