JP2008215760A - マルチ空調システムの配管配線情報表示装置及び配管配線情報表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管配線の施工ミスを低減させ、設備工事の工期遅延を防止するマルチ空調システムの配管配線情報表示装置及び配管配線情報表示方法を提供する。
【解決手段】マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1は、室外機2と複数の室内機3とが配管配線により接続される配管継手4に取り付けられた継手ICタグ15に記録された継手識別情報を読取る読取部17と、設備図21に基づく配管系統情報と、読取られた継手識別情報とを記憶する記憶部19と、読取られた配管継手の継手識別情報と、配管系統情報とから、その配管継手の配管配線情報を抽出して、表示部20に伝送する制御部18と、伝送されたその配管継手の配管配線情報を表示する表示部20と、を備える。また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、本配管配線情報表示装置を用い、配管継手4の配管配線情報を表示する。
【選択図】図1
【解決手段】マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1は、室外機2と複数の室内機3とが配管配線により接続される配管継手4に取り付けられた継手ICタグ15に記録された継手識別情報を読取る読取部17と、設備図21に基づく配管系統情報と、読取られた継手識別情報とを記憶する記憶部19と、読取られた配管継手の継手識別情報と、配管系統情報とから、その配管継手の配管配線情報を抽出して、表示部20に伝送する制御部18と、伝送されたその配管継手の配管配線情報を表示する表示部20と、を備える。また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、本配管配線情報表示装置を用い、配管継手4の配管配線情報を表示する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置及び配管配線情報表示方法に係り、特に、室外機と複数の室内機とが配管配線により接続されるマルチ空調システムの配管配線情報表示装置、及びこの配管配線情報表示装置を用いた配管配線情報表示方法に関する。
建物の空調設備においては、室内の空気調和機を個別分散化して良好な室内環境を確保するために、1台の室外機に対して複数の室内機を接続するマルチ空調システムが採用される。この室外機と室外機に接続される室内機とは、1つの配管系統を構成する。また、複数の室外機がそれぞれ複数の室内機と配管系統を構成し、建物内に複数の空調配管配線の配管系統が設けられる場合もある。また、室外機は主に屋上に設置されるため、各階に設置される室内機への配管配線は、まず、建物の上下方向に貫通する設備用のパイプシャフトが利用される。そして、これらのパイプシャフト内の配管配線は各階ごとに分岐され、天井裏などを利用して所定の室内機へと接続される。ここで、「配管配線」とは、空調機の室外機及び室内機の接続用配管を配線して接続することをいう。
図7に、1台の室外機とそれに接続される室内機とを配管配線により接続するマルチ空調システムの1つの実施例を示す。マルチ空調システム配管配線図30には、1台の室外機2から配管6により各室内機3へと配管される配管配線システムが示されている。この配管6は、分岐継手(分岐ジョイント)24、或いは分岐継手(分岐ヘッダー)25により分岐され、複数の室内機3へと接続される。以下、これらの分岐継手24,25等を総称して配管継手4と称する。また、室外機2においては、室外機内配管9により圧縮機7及び熱交換器8が接続される。室内機3においても同様に室内機内配管14により圧縮機12及び熱交換器13が接続される。図7では、この室内機内配管14は1台の室内機3において代表して表示する。
また、図8に、図7の室外機2の部分拡大図を示す。室外機内配管9は、ガス管10及び液管11がペアになり、圧縮機7と熱交換器8とを接続する。また、配管6も同様にガス管27及び液管28がペアになって配線配管される。この配線配管は室内機(図示せず)3においても同様である。但し、ガス管10、27及び液管11、28がペアとならずに配線配管される場合もある。
このマルチ空調システムの配管配線に用いられる配管継手4は、上述の分岐継手(分岐ジョイント)24、或いは分岐継手(分岐ヘッダー)25以外にも各種の配管継手4がある。図9には、配管継手4の1種である分配器26を示す。分配器26は、2台の室外機2からの配管6が合流した箇所に設けられる。この分配器26も配管継手4に含まれる。さらに、径の異なる配管を接続するためのレデューサ(図示せず)等も配管継手4に含まれる。すなわち、本発明でいう配管継手4とは、配管同士を接続するための接合部品を総称する。
このマルチ空調システムの配管配線の施工とは、作業員が現場において定められた径の銅配管を、配管継手を介して接続しながら室外機2と室内機3とを結ぶ作業をいう。また、設備の設計変更が発生した場合には、それに対応して配管配線を修正する作業をいう。銅配管は、鉄配管や塩ビ配管等の他の配管と比較して曲げ加工が容易なため、現場合わせにより配管配線する場合もある。
ここで、物品に取り付けられる認識タグとは、1次元バーコード、2次元バーコード、磁気カード、接触式ICカード、非接触式ICカードなどが含まれる。また、非接触式ICカードとは、無線を用いた非接触の自動認識デバイスと定義され、RFID(Radio Frequency Identification)技術を利用したデバイスを指す。ICタグやIDタグと呼ばれているものは非接触式ICカードの一般名称である。
特許文献1には、複数室外機と複数室内機とを1系統の通信ネットワークにより接続してなるマルチ空調システムにおいて、室外機を1台ずつ運転することにより、この室外機に同一冷媒系統に接続される室内機の温度変化を検知し、通信ネットワークに接続される空調機群に自動的に区分けできることが開示されている。このようにして、同一冷媒系統に接続される空調機群が通信データ上で明らかになるので、この群ごとに、従来の自動アドレス設定方法が適用可能となる。このように、マルチ空調システムにおいては、室外機及び室内機の系統及び系統内での設置位置を示すアドレスが付いている。しかし、このアドレスは、空調システムの制御用のアドレスであり、空調設備の配管配線施工用のアドレスではない。
マルチ空調システムにより1つの室外機からその配管系統に属する室内機へと配管配線するには配管継手が用いられる。また、複数の室外機を設置した場合には複数の配管系統が用いられる。このため1つの系統の配管配線、或いは複数の系統の配線は錯綜する場合がある。特に、建物の上下方向に貫通するパイプシャフト内には多数の系統の配管配線が混在して配線される。また、各階ごとの室内機への配管配線の分岐には多くの配管継手を用いて分岐しなければならない。従って、設備施工の現場においては配管配線のミスが生じ易い。
この配管配線のミスが発生すると、空調システムの試運転前のシステムの立ち上げ時間に時間を浪費し、設備工事の工期遅延の原因となる。つまり、配管配線のミスが存在したまま空調システムを運転すると、その配管配線ミスに関連する室内機には冷媒が流入しないためシステムが異常停止する。この異常停止の発生に対し、制御用のアドレスを振り替え直すことにより対応可能な場合がある。その際には、マルチ空調システムの電源を一旦落として空調機のアドレスを振り替えた後、再度電源を投入してアドレスを読込む作業が発生する。従って、これらの作業により設備工事の工期に大幅な遅延が発生する。
また、配管自体の手直しをしなければならない場合がある。この配管の手直しには、配管の切断や溶接作業のほか、冷媒の回収、配管の真空引きといった作業が発生する。この配管の真空引きは略1日の作業となる場合がある。また、これらの作業は天井が張られた後の作業となる場合が多く、施工性の悪い作業となる。従って、これらの作業により設備工事の工期に大幅な遅延が発生する。
本願の目的は、かかる課題を解決し、配管配線の施工ミスを低減させ、設備工事の工期遅延を防止するマルチ空調システムの配管配線情報表示装置及び配管配線情報表示方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るマルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、室外機と複数の室内機とが配管配線により接続されるマルチ空調システムの配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取る読取部と、設備図に基づく配管系統情報と、読取られた継手識別情報とを記憶する記憶部と、読取られた配管継手の継手識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その配管継手の配管配線情報を抽出して、表示部に伝送する制御部と、伝送されたその配管継手の配管配線情報を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、制御部が、配管配線情報として、その配管継手の属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される室外機及び室内機の識別情報とを抽出して表示部に伝送し、表示部が、その配管系統の区分及び識別情報を表示することが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、読取部が、室外機及び室内機に取り付けられた空調機認識タグに記録された空調機識別情報を読取り、記憶部が、読取られた空調機識別情報を記憶し、制御部が、読取られた空調機識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その室外機及び室内機に接続する配管継手の配管配線情報を抽出して表示部に伝送し、表示部は、伝送されたその配管配線情報を表示することが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、制御部が、配管配線情報として、その室外機又は室内機の属する配管系統の区分と、配管を介してその室外機又は室内機に接続される配管継手の識別情報とを抽出して表示部に伝送し、表示部が、その配管系統の区分及び識別情報を表示することが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、継手認識タグに記録される継手識別情報、及び空調機認識タグに記録される空調機識別情報には、その配管継手又は空調機の属する配管系統の区分と、その配管系統内の室外機、室内機、及び配管継手に対して連番で付されたアドレスが含まれることが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、継手認識タグ及び空調機認識タグが、非接触式ICカードであることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るマルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、室外機と複数の室内機とが配管配線により接続されるマルチ空調システムの設備図に基づく配管系統情報を記憶させる工程と、配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取り記憶させる工程と、読取られた配管継手の継手識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その配管継手の配管配線情報を抽出させる工程と、抽出されたその配管継手の配管配線情報を表示させる工程と、を備えることを特徴とする。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、配管配線情報には、その配管継手の属する配管系統の区分と、その配管継手の属する配管系統により接続される室外機及び室内機の識別情報とが含まれることが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、室外機及び室内機に取り付けられた空調機認識タグに記録された空調機識別情報を読取り記憶させる工程と、読取られた空調機の空調機識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その室外機及び室内機に接続する配管継手の配管配線情報を抽出する工程と、その配管配線情報を表示する工程と、を備えることが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、配管配線情報には、その室外機又は室内機の属する配管系統の区分と、配管を介してその室外機又は室内機に接続される配管継手の識別情報とが含まれることが好ましい。
また、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、継手認識タグに記録される継手識別情報、及び空調機認識タグに記録される空調機識別情報には、その配管継手又は空調機の属する配管系統の区分と、その配管系統内の室外機、室内機、及び配管継手に対して連番で付されたアドレスが含まれることが好ましい。
さらに、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、継手認識タグ及び空調機認識タグが、非接触式ICカードであることが好ましい。
上記構成により、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置は、読取部により配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取り、記憶部により設備図に基づく配管系統情報と読取られた継手識別情報とを記憶させ、制御部により読取られた配管継手の継手識別情報と、記憶された配管系統情報とから、その配管継手の配管配線情報を抽出して表示部に伝送させ、表示部に、伝送されたその配管継手の配管配線情報を表示させる。これにより、マルチ空調システムの現場作業者は、本発明に係る配管配線情報表示装置を用いることで、その配管継手の配管配線情報を入手し、配管継手に配管配線する際の接続情報を容易に確認することが可能となる。
また、上記構成により、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法は、まずマルチ空調システムの設備図に基づく配管系統情報を記憶させ、次に配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取らせ、設備図に基づく配管系統情報と読取られた継手識別情報とを記憶させ、読取られた配管継手の継手識別情報に基づき、配管系統情報から、その配管継手の配管配線情報を抽出させ、その配管継手の配管配線情報を表示させる。これにより、マルチ空調システムの現場作業者は、本発明に係る配管配線情報表示方法を用いることで、その配管継手の配管配線情報を入手し、配管継手に配管配線する際の接続情報を容易に確認することが可能となる。
以上のように、本発明に係るマルチ空調システムの配管配線情報表示装置及び配管配線情報表示方法によれば、配管配線の施工ミスを低減させ、設備工事の工期遅延を防止することが可能となる。
以下に、図面を用いて本発明に係るマルチ空調システムの配管配線情報表示装置の実施形態につき、詳細に説明する。
(配管配線情報表示装置)
図1に、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置の概略構成を示す。マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1は、読取部17、制御部18、記憶部19及び表示部20から構成される。また、設備図21に基づく配管系等情報である配管系統データベース22が作成され、配管配線情報表示装置1の記憶部19に記憶される。さらに、配管継手4には継手認識タグである継手ICタグ15が取り付けられ、室外機2及び室内機3には空調機認識タグである空調機ICタグ16が取り付けられる。
図1に、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置の概略構成を示す。マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1は、読取部17、制御部18、記憶部19及び表示部20から構成される。また、設備図21に基づく配管系等情報である配管系統データベース22が作成され、配管配線情報表示装置1の記憶部19に記憶される。さらに、配管継手4には継手認識タグである継手ICタグ15が取り付けられ、室外機2及び室内機3には空調機認識タグである空調機ICタグ16が取り付けられる。
図2に、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1、室外機2、室内機3及び配管継手4の構成を示す。図2(a)には、配管配線情報表示装置1と室外機2aと室内機3a,3bとを接続する配管継手4である分岐継手(分岐ジョイント)24を示す。また、図2(b)に、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1と室外機2bと室内機3c,3d,3eとを接続する配管継手4である分岐継手(分岐ヘッダー)25を示す。図2(a)及び図2(b)では、配管継手4と、それに接続される配管6とは間隔を置いて記載し、接続前の状態であることを示す。なお、本実施形態では配管継手4について説明するが、上述した他の配管継手4、例えば、図9に示す分配器26についても同様な構成である。
図2(a)に示すように、配管継手4には、継手ICタグ15が取り付けられ、室外機2a及び室内機3a及び3bには、空調機ICタグ16が取り付けられる。また、図2(b)に示すように、配管継手4には、継手ICタグ15が取り付けられ、室外機2b及び室内機3c,3d及び3eには、空調機ICタグ16が取り付けられる。また、本実施形態では、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1は、読取部17及び表示部20が外観から識別できる、携帯可能な装置である。
図1に示す設備図21は、本実施形態では図7に示すような空調設備についてのシステム図をいうが、設備施工に用いられる施工図のように、設計図を基に作成された図面も含まれる。図3に、この設備図21に基づく配管系統データベース22の1つの実施例を示す。配管系統データベース22は、配管系統ごとに作成され、1つの配管系統に含まれる、室外機2、室内機3および配管継手4には、それぞれ連番でアドレスが付される。図3では、図3中に示すように、配管系統ごとの配管系統データベース22を表にして示す。ここでは、配管系統は「PAC−1」であり、配管系統が異なると「PAC−2」、「PAC−3」・・・と数字が異なる。また、室外機2は「Adr.1」、3つの室内機3はそれぞれ「Adr.2〜4」、3つの配管継手4はそれぞれ「Adr.5〜7」のアドレスが連番にて付される。このように1つの配管系統に含まれる、室外機2、室内機3および配管継手4を連番のアドレスを付すことで、それぞれの接続関係を簡易な記号により管理することが可能となる。
配管系統データベース22には、設備図21に基づき、各アドレスにつき、属性、設置場所、接続情報、配管情報等のデータが抽出されデータベースとして整理される。「属性」とは、そのアドレスが室外機2、室内機3および配管継手4のいずれかであるかを示す。「設置場所」とは、そのアドレスが設置される位置を示す。「接続情報」とは、配管継手4が接続する室外機2と室内機3とを抽出して表示し、或いは、空調機2,3が接続する配管継手4を抽出して表示する。この配管継手4が複数の室内機3に接続する場合、たとえば、図7の分岐継手(分岐ヘッダー)25のような場合には、接続する室内機3を全て示す。また、例えば、図7の分岐継手(分岐ジョイント)24aのように、他の配管継手4に接続し、直接室内機3と接続しないものもあるが、そのような場合には、接続する配管継手24を示す。或いは、その先で接続するすべての室内機3を示しても良い。「配管情報」とは、その配管継手4、及び空調機2,3に接続する配管の種類(ガス管10,27、液管11,28)及びその配管の径を接続元及び接続先のアドレスと関連させて表示する。なお、図3では、ガス管の場合のみ表示し、液管についての表示は省略する。ガス管及び液管がペアで接続する場合には、図3の表の「配管」の欄の「○」印のようにその旨を表示する。
この配管系統データベース22は、本実施形態では、図3に示すように、基本的なデータを表示したが、他のデータを付加しても良い。例えば、「設置場所」には、さらに「接続元のアドレスと接続先のアドレスの間」、例えば、アドレス6の配管継手4の場合、「Adr.4(配管継手4)−Adr.7(配管継手4)」との表示、或いは「他のアドレスからの距離」、例えば、アドレス5の配管継手4の場合、「Adr.2−1000mm」との表示を加えても良い。また、項目として室外機2及び室内機3の能力を付加しても良い。
本実施形態では、継手ICタグ15に記録される継手識別情報は、図3に示す、その配管継手4の系統区分及びアドレスである。例えば、図3の配管継手(B)4の場合には、系統区分(PAC−1)とアドレス(Adr.6)とが記録される。また、空調機ICタグ16には、図3に示す、その配管継手4の系統区分及びアドレスが記録される。例えば、図3の室内機(B)3の場合には、系統区分(PAC−1)とアドレス(Adr.3)とが記録される。これらの継手ICタグ15及び空調機ICタグ16には、それぞれ配管継手4及び空調機2,3を認識する情報、例えば、属性等の系統区分及びアドレス以外の情報が記録されても良い。また、配管系統が1系統しかない場合には系統区分に記録は省略しても良い。
読取部17は、配管継手4に取り付けられた継手ICタグ15から継手識別情報としてその配管継手4の系統区分及びアドレスを読取る。また、室外機2及び室内機3に取り付けられた空調機ICタグ16から空調機識別情報としてその空調機2,3の系統区分及びアドレスを読取る。この読取りは、非接触式のICタグに図2に示す配管配線情報表示装置1の読取部17を近づけることで読込む。
記憶部19は、設備図21に基づく配管系統データベース22から、図3に例示する配管系統情報を記憶する。この配管系統情報は、マルチ空調システムの設備施工前に配管配線情報表示装置1の記憶部19に記憶される。また、記憶部19は、読取られた継手識別情報であるその配管継手4、或いは読取られた空調機識別情報であるその空調機2,3の系統区分及びアドレスを記憶する。
この継手識別情報及び空調機識別情報は、その配管継手4及び空調機2,3を識別するために最低限必要な情報である系統区分及びアドレスとしたが、系統区分が1つの場合には、その系統区分については省略しても良い。また、継手ICタグ15又は空調機ICタグ16には、系統区分及びアドレス以外の情報、例えば、配管系統データベース22に表示されたデータの属性等が記録されても良い。
制御部18は、読取られた配管継手4の継手識別情報である系統区分及びアドレス、及び記憶された配管系統情報である図3に示す情報から、その配管継手4の配管配線情報を抽出する。この配管配線情報には、まず、その配管継手4が属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される室外機2及び室内機3の識別情報が含まれる。すなわち、図3に示す、系統区分(PAC−1)と、「接続情報」の欄に示す、例えば、配管継手(B)4の場合には、「Adr.1−Adr.3」によって示される、その配管継手4が接続する室外機2と室内機3についての情報である。また、制御部18は、読取られた空調機2,3の空調機識別情報である系統区分及びアドレス、及び記憶された配管系統情報である図3に示す情報から、その空調機2,3の配管配線情報を抽出する。この配管配線情報には、まず、その空調機2,3が属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される配管継手4の識別情報が含まれる。すなわち、図3に示す、系統区分(PAC−1)と、「接続情報」の欄に示す、例えば、室内機(B)3の場合には、「Adr.6」によって示される、その空調機2,3が配管を介して接続される配管継手4についての情報である。
この制御部18が抽出する配管系統情報は、その配管継手4又は空調機2,3を識別するために最低限必要な情報である系統区分及び接続情報としたが、系統区分が1つの場合には、その系統区分については省略しても良い。また、配管系統情報は、系統区分及び接続情報以外の情報、例えば、配管系統データベース22に表示されたデータのうちの属性等が記録されても良い。そして、制御部18はこの配管系統情報を表示部20に伝送する。
表示部20は、伝送されたその配管継手4の配管配線情報を表示する。図4及び図5に、表示部20における表示の1つの実施例を示す。図4は、配管継手4の配管配線情報を表示した場合である。表示部20には、その配管継手4のアドレス(Adr.6(B))、系統区分(PAC−1)、接続する室外機2のアドレス(Adr.1)及び室内機3のアドレス(Adr.3(B))が表示される。さらに、その配管継手4を中心とした配管配線図23を表示し、その配管継手4が配管を介して接続する他の配管継手4、空調機2,3を表示しても良い。さらに、それらと接続する配管の径を表示しても良い。これらの情報の表示により、作業者は、その配管継手4が、どの系統区分に属し、どの室外機2と室内機3とを接続する配管継手4であるかを確認できる。また、その配管継手4に接続する配管の径が確認できる。図5は、空調機2,3の配管配線情報を表示した場合である。表示部20には、その室内機3のアドレス(Adr.4(C))、系統区分(PAC−1)、接続する配管継手4のアドレス(Adr.7(C))が表示される。さらに、室内機3を中心とした配管配線図23を表示し、その室内機3が配管を介して接続する配管継手4を表示しても良い。さらに、それらと接続する配管の径を表示しても良い。これらの情報の表示により、作業者は、その配管継手4が、どの系統区分に属するかを確認でき、その室内機3に接続する配管継手4が確認できる。また、その室内機3に接続する配管の径が確認できる。
以下に、図面を用いて本発明に係るマルチ空調システムの配管配線情報表示方法の実施形態につき、詳細に説明する。
(配管配線情報表示方法)
図6に、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法の概略構成をフローチャートで示す。まず、マルチ空調システムの設備図21に基づく配管系統情報を記憶させる(S1)。この配管系統情報は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1に記憶させる。この工程は、設備現場におけるマルチ空調システムの施工に先駆けて行われる。ここでいう設備図21とは、本実施形態では図7に示すような空調設備についてのシステム図をいうが、設備施工に用いられる施工図のように、設計図を基に作成された図面も含まれる。また、配管系統情報とは、例えば、図1及び図3に示す配管系統データベース22をいう。この配管系統データベース22では、配管系統ごとに、室外機2、室内機3、及び配管継手4が連番となったアドレスを有する。また、各アドレスには、属性、設置場所、接続情報、配管情報等がデータとして記憶される。このように1つの配管系統に含まれる、室外機2、室内機3および配管継手4を連番でアドレスを付すことで、それぞれの配管接続を簡易な記号により管理することが可能となる。
図6に、マルチ空調システムの配管配線情報表示方法の概略構成をフローチャートで示す。まず、マルチ空調システムの設備図21に基づく配管系統情報を記憶させる(S1)。この配管系統情報は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1に記憶させる。この工程は、設備現場におけるマルチ空調システムの施工に先駆けて行われる。ここでいう設備図21とは、本実施形態では図7に示すような空調設備についてのシステム図をいうが、設備施工に用いられる施工図のように、設計図を基に作成された図面も含まれる。また、配管系統情報とは、例えば、図1及び図3に示す配管系統データベース22をいう。この配管系統データベース22では、配管系統ごとに、室外機2、室内機3、及び配管継手4が連番となったアドレスを有する。また、各アドレスには、属性、設置場所、接続情報、配管情報等がデータとして記憶される。このように1つの配管系統に含まれる、室外機2、室内機3および配管継手4を連番でアドレスを付すことで、それぞれの配管接続を簡易な記号により管理することが可能となる。
次に、配管継手4に取り付けられた継手認識タグ15に記録された継手識別情報を読取り記憶させる(S2a)。また、室外機2及び室内機3に取り付けられた空調機認識タグに記録された空調機識別情報を読取り記憶させる(S2b)。これらの継手識別情報及び空調機識別情報は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1に読取らせ記憶させる。この2つの工程は、マルチ空調システムの配管作業に応じて行われ、配管継手4に配管を取り付ける場合には前者が行われ、空調機2,3に配管継手4を接続する場合には後者が行われる。継手識別情報及び空調機識別情報とは、その配管継手4及び空調機2,3を識別するために最低限必要な情報である系統区分及びアドレスとするが、系統区分が1つの場合には、系統区分については省略しても良い。また、継手ICタグ15又は空調機ICタグ16には、系統区分及びアドレス以外の情報、例えば、配管系統データベース22に表示されたデータのうちの属性が記録されても良い。
次に、読取られた配管継手4の継手識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その配管継手4の配管配線情報を抽出させる(S3a)。また、読取られた空調機2,3の空調機識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その室外機2及び室内機3に接続する配管継手4の配管配線情報を抽出させる(S3b)。これらの配管配線情報の抽出は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1内にて行われる。配管継手4の配管配線情報には、その配管継手4が属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される室外機2及び室内機3の識別情報が含まれる。すなわち、図3に示す、系統区分(PAC−1)と、「接続情報」の欄に示す、その配管継手4が接続する室外機2と室内機3についての情報である。また、空調機2,3の配管配線情報には、その空調機2,3が属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される配管継手4の識別情報が含まれる。すなわち、図3に示す、系統区分(PAC−1)と、「接続情報」の欄に示す、その空調機2,3が配管を介して接続される配管継手4についての情報である。
さらに、抽出されたその配管継手4の配管配線情報を表示させる(S4a)。また、抽出されたその空調機2,3の配管配線情報を表示させる(S4b)。これらの配管配線情報は、マルチ空調システムの配管配線情報表示装置1に表示される。この配管配線情報の表示の1つの実施例を図4及び図5に示す。図4は、配管継手4の配管配線情報の場合であり、図5は、空調機2,3の配管配線情報の場合である。
これらの配管配線情報を表示させてマルチ空調システムの配管配線作業が全て完了するまで行い(S5)、全て完了すると配管配線作業は終了する。
1 マルチ空調システムの配管配線情報表示装置、2,2a,2b 室外機、3,3a,3b,3c,3d,3e 室内機、4,4a,4b 配管継手、6 配管、7,12 圧縮機、8,13 熱交換器、9 室外機内配管、10,27 ガス管、11,28 液管、14 室内機内配管、15 継手ICタグ、16 空調機ICタグ、17 読取部、18 制御部、19 記憶部、20 表示部、21 設備図、22 配管系統データベース、23 配管配線図、24,24a 分岐継手(分岐ジョイント)、25 分岐継手(分岐ヘッダー)、26 分配器、30 マルチ空調システム配管配線図。
Claims (12)
- 室外機と複数の室内機とが配管配線により接続されるマルチ空調システムの配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取る読取部と、
設備図に基づく配管系統情報と、読取られた継手識別情報とを記憶する記憶部と、
読取られた配管継手の継手識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その配管継手の配管配線情報を抽出して、表示部に伝送する制御部と、
伝送されたその配管継手の配管配線情報を表示する表示部と、
を備えることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。 - 請求項1に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示装置において、制御部は、配管配線情報として、その配管継手の属する配管系統の区分と、その配管系統により接続される室外機及び室内機の識別情報とを抽出して表示部に伝送し、表示部は、その配管系統の区分及び識別情報を表示することを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。
- 請求項1又は2に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示装置において、読取部は、室外機及び室内機に取り付けられた空調機認識タグに記録された空調機識別情報を読取り、記憶部は、読取られた空調機識別情報を記憶し、制御部は、読取られた空調機識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その室外機及び室内機に接続する配管継手の配管配線情報を抽出して表示部に伝送し、表示部は、伝送されたその配管配線情報を表示することを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。
- 請求項3に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示装置において、制御部は、配管配線情報として、その室外機又は室内機の属する配管系統の区分と、配管を介してその室外機又は室内機に接続される配管継手の識別情報とを抽出して表示部に伝送し、表示部は、その配管系統の区分及び識別情報を表示することを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示装置において、継手認識タグに記録される継手識別情報、及び空調機認識タグに記録される空調機識別情報には、その配管継手又は空調機の属する配管系統の区分と、その配管系統内の室外機、室内機、及び配管継手に対して連番で付されたアドレスが含まれることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示装置において、継手認識タグ及び空調機認識タグは、非接触式ICカードであることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示装置。
- 室外機と複数の室内機とが配管配線により接続されるマルチ空調システムの設備図に基づく配管系統情報を記憶させる工程と、
配管継手に取り付けられた継手認識タグに記録された継手識別情報を読取り記憶させる工程と、
読取られた配管継手の継手識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その配管継手の配管配線情報を抽出させる工程と、
抽出されたその配管継手の配管配線情報を表示させる工程と、
を備えることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。 - 請求項7に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示方法において、配管配線情報には、その配管継手の属する配管系統の区分と、その配管継手の属する配管系統により接続される室外機及び室内機の識別情報とが含まれることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。
- 請求項7又は8に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示方法において、室外機及び室内機に取り付けられた空調機認識タグに記録された空調機識別情報を読取り記憶させる工程と、読取られた空調機の空調機識別情報、及び記憶された配管系統情報から、その室外機及び室内機に接続する配管継手の配管配線情報を抽出する工程と、その配管配線情報を表示する工程と、を備えることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。
- 請求項9に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示方法において、配管配線情報には、その室外機又は室内機の属する配管系統の区分と、配管を介してその室外機又は室内機に接続される配管継手の識別情報とが含まれることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。
- 請求項9又は10に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示方法において、継手認識タグに記録される継手識別情報、及び空調機認識タグに記録される空調機識別情報には、その配管継手又は空調機の属する配管系統の区分と、その配管系統内の室外機、室内機、及び配管継手に対して連番で付されたアドレスが含まれることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。
- 請求項7乃至11のいずれか1に記載のマルチ空調システムの配管配線情報表示方法において、継手認識タグ及び空調機認識タグは、非接触式ICカードであることを特徴とするマルチ空調システムの配管配線情報表示方法。
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