JP2008210434A - 記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法 - Google Patents

記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転中心とパターン中心とが位置ずれした状態においても各データ記録トラックに再生素子や記録素子を確実にオントラックさせる。
【解決手段】データ記録トラックが設けられたトラックパターンを有する磁気ディスク10と、再生素子3rおよび記録素子3wを有する磁気ヘッド3と、いずれか一方の素子をデータ記録トラックにトラッキングさせるトラッキングサーボ制御を実行する制御部7と、ヘッド位置を調整する調整量を求めるためのオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doを記憶する記憶部とを備え、記憶部は、オフセット量情報Doとして、データ記録トラックの一周当りに互いに相違する少なくとも2つ以上のオフセット量を特定する情報を記憶し、制御部7は、いずれか一方の素子に対するトラッキングサーボ制御時に、オフセット量情報Doに基づいて特定したオフセット量に応じて調整量を1回転当りに1回以上変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体上の所望のデータ記録トラックに磁気ヘッドをトラッキングさせる記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法に関するものである。
この種の記録再生装置として、オフセット量の測定処理を実行してトラッキングサーボ制御用のオフセット量情報を取得可能に構成されたハードディスクドライブ装置(磁気記録装置)が特開2005−166115号公報に開示されている。この磁気記録装置は、ディスクリート領域(データトラックパターン領域)における各トラック(各データ記録トラック)の間に非磁性領域(ガードバンド部)が形成されたディスクリートトラック型のハードディスク(磁気記録媒体)と、再生ヘッド(再生素子)および記録ヘッド(記録素子)を有する複合型の磁気ヘッドと、磁気記録媒体上における内周部と外周部との間において磁気ヘッドを移動させる駆動機構部と、磁気記録装置を総括的に制御する制御部とを備えている。また、上記の磁気記録媒体には、領域内に非磁性領域が形成されることなく全域が磁性体で構成されたオフセット量測定領域がディスクリート領域とサーボ領域(サーボパターン領域)との間に設けられている。
この磁気記録装置の使用に際しては、まず、オフセット量情報を取得する測定処理を実行する。具体的には、まず、磁気記録媒体におけるオフセット量測定領域を初期化すると共に、オフセット量測定用の信号(測定パターン:以下、「測定用信号」ともいう)をオフセット量測定領域に書き込む。この際には、例えば最内周のデータ記録トラックに再生ヘッドをオントラックさせた状態(最内周のデータ記録トラックと同一のパターン半径位置に再生ヘッドを位置させた状態)において、記録ヘッドを介してオフセット量測定領域に測定用信号を書き込む。この場合、この種の磁気記録装置では、磁気記録媒体における内周部側または外周部側のデータ記録トラック上に磁気ヘッドを移動させたときに、記録ヘッドにおける記録幅方向の中心と再生ヘッドにおける読み出し幅方向の中心とを結んだ線分(一例として、アームの延在方向と平行な線分)に対してデータ記録トラックの中心線が交差した状態(スキュー角が生じた状態)となる。したがって、内周部または外周部の所定のデータ記録トラックに再生ヘッドをオントラックさせたとき(再生ヘッドにおける読み出し幅方向の中心をデータ記録トラックにおける幅方向の中心(トラック中心)に一致させたとき)には、記録ヘッドにおける記録幅方向の中心がデータ記録トラックのトラック中心から外れて記録ヘッドがオフトラックした状態(オフセットされた状態)となる。このため、記録ヘッドがオフトラックしている量(オフセット量)に応じた分だけそのトラック中心から外れた部位に測定用信号が記録される。
次いで、オフセット量測定領域から再生ヘッドを介して測定用信号を読み出すことにより、測定用信号が書き込まれた領域の半径方向における中心、すなわち、測定用信号の書き込み時において記録ヘッドにおける記録幅方向の中心と一致していた位置を特定する。具体的には、再生ヘッドを磁気記録媒体の半径方向に所定量ずつ移動させつつ、オフセット量測定領域から測定用信号を読み出す。この際に、測定用信号の書込み領域に対して再生ヘッドが内周側または外周側に外れた状態では、読み出した測定用信号についての再生信号の出力レベル(振幅値)が小さくなる。これに対して、測定用信号の書込み領域における半径方向の中心と再生ヘッドにおける読み出し幅方向(半径方向)の中心とが一致する状態では、読み出した測定用信号についての再生信号の出力レベルが極大値なる。したがって、制御部は、測定用信号についての再生信号の出力レベルが極大値となったときの再生ヘッドの中心位置を測定用信号が書き込まれた領域の半径方向における中心として特定し、特定した中心と、測定用信号の書き込み時における再生ヘッドの中心(すなわち、データ記録トラックのトラック中心)との間の距離を再生ヘッドに対する記録ヘッドのオフセット量として取り込む。
このようなオフセット量の測定処理を磁気記録媒体の内周部から外周部まで例えば数トラックおきに実行する。また、オフセット量の測定処理を実行しなかったデータ記録トラックについては、その内周側および外周側のデータ記録トラックについて取り込んだオフセット量を用いた補完処理によってオフセット量を取得する。これにより、磁気記録媒体の内周部から外周部までのすべてのデータ記録トラックについて、対応するオフセット量(各データ記録トラック毎の最適オフセット量)がそれぞれ取得され、トラッキングサーボ制御用のオフセット量情報として磁気記録装置の記憶部に記憶される。
一方、この種の磁気記録装置において磁気記録媒体に記録データを記録する際には、記憶部に記憶されているオフセット量情報を用いたトラッキングサーボ制御が実行される。具体的には、上記の磁気記録装置では、例えば磁気記録媒体の内周部における所望のデータ記録トラックに記録データを記録する際に、制御部が、記録ヘッドにおける記録幅方向の中心とディスクリート領域における所望のデータ記録トラックのトラック中心とが一致するように駆動機構部を制御するトラッキングサーボ制御処理を実行する。この際に、制御部は、記録ヘッドをオントラックさせるべきディスクリート領域の手前のサーボ領域上を磁気ヘッドが通過した際に再生ヘッドを介して読み出したサーボ信号に基づいて特定した基準位置(一例として、サーボパターンによって規定されたデータ記録トラックのトラック中心)に対して、記録ヘッドをオントラックさせるべきデータ記録トラックについてのオフセット量情報として記憶部に記憶されているオフセット量に基づいて求めた調整量(一例として、オフセット量と等しい量)を目標値として磁気ヘッドのヘッド位置を例えば内周側に調整する。これにより、記録ヘッドが所望のデータ記録トラックにオントラックした状態において、記録データが磁気的信号として書き込まれる。
特開2005−166115号公報(第7−18頁、第1−26図)
ところが、従来の磁気記録装置(以下、「記録再生装置」ともいう)には、以下の問題点がある。すなわち、従来の記録再生装置では、磁気記録媒体(以下、「磁気ディスク」ともいう)の内周部から外周部までのすべてのデータ記録トラックについて、測定処理、およびその測定結果を用いた補完処理によってオフセット量(最適オフセット量)を取得しておき、1つのデータ記録トラックにつき1つのオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御によって磁気ヘッドを所望のデータ記録トラックにオントラックさせる構成が採用されている。この場合、この種の記録再生装置では、モータの回転軸に対する磁気ディスクの取り付け時において、データトラックパターンやサーボパターンのパターン中心と回転軸の中心(すなわち、磁気ディスクの回転中心)とが位置ずれした状態(磁気ディスクが偏心した状態)となる。具体的には、例えば、図15に示すように、モータに対する磁気ディスク10の取り付け工程においてデータトラックパターンおよびサーボパターンのパターン中心Cpがモータの回転軸から位置ずれした状態で取り付けられることにより、磁気ディスク10の回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれした状態となる。
このような状態において、所定のデータ記録トラックに例えば再生素子3rをオントラックさせた状態を維持しつつ磁気ディスク10を矢印Rの向きに回転させたときには、アクチュエータ4に対して同図に一点鎖線で示す位置にデータ記録トラックのトラック中心Ctが位置している状態(再生素子3rが位置P1に位置している状態)から同図に二点鎖線で示す位置にデータ記録トラックのトラック中心Ctが位置する状態(再生素子3rが位置P2に位置している状態)までの間(この例では、磁気ディスク10が180°回転する間)において、スイングアーム4aが回動中心C4を中心として矢印B1の向きで回動する。また、アクチュエータ4に対して同図に二点鎖線で示す位置にトラック中心Ctが位置している状態(再生素子3rが位置P2に位置している状態)から同図に一点鎖線で示す位置にトラック中心Ctが位置する状態(再生素子3rが位置P1に位置している状態)までの間(この例では、磁気ディスク10がさらに180°回転する間)において、スイングアーム4aが回動中心C4を中心として矢印B2の向きで回動する。
この際に、再生素子3rをデータ記録トラックにオントラックさせた状態において、記録素子3wにおける記録幅方向の中心と再生素子3rにおける読み出し幅方向の中心とを結んだ線分(スイングアーム4aの延在方向と平行な線分)に対してデータ記録トラックのトラック中心Ctが交差しているときには、前述したように、記録素子3wにおける記録幅方向の中心がそのトラック中心Ctから外れて記録素子3wがオフトラックした状態となる。この場合、記録素子3wがオフトラックしている量(オフセット量)は、スイングアーム4aの回動量に対応して変化する。具体的には、図16の左図に示すように、記録素子3wにおける記録幅方向の中心C3wとデータ記録トラックのトラック中心Ctとの磁気ディスク10における半径方向に沿った距離(オフセット量)は、再生素子3rにおける読み出し幅方向の中心C3rを位置P1においてデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた際には、そのトラック中心Ctと中心C3wとの半径方向に沿った距離Haとなり、図16の右図に示すように、再生素子3rの中心C3rを位置P2においてデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた際には、そのトラック中心Ctと中心C3wとの半径方向に沿った距離Hbとなる。
このように、回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれした状態においては、所定のデータ記録トラックに再生素子3rをオントラックさせた状態(所定のデータ記録トラックにおけるトラック中心Ctに中心C3rを位置合わせした状態)において、データ記録トラックのトラック中心Ctと記録素子3wの中心C3wとの間の距離が磁気ディスク10が1回転する間に逐次変化する。しかしながら、従来の記録再生装置では、1つのデータ記録トラックにつき1つのオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御によって記録素子3wを所望のデータ記録トラックにオントラックさせる構成が採用されているため、回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれした状態において、所望のデータ記録トラックに記録素子3wをオントラックさせた状態(所定のデータ記録トラックにおけるトラック中心Ctに記録素子3wの中心C3wを位置合わせした状態)を維持するのが困難となっている。
具体的には、所定のデータ記録トラックについてのオフセット量として、上記の距離Haが規定されていた場合、図17の左図に示すように、上記の位置P1の近傍においては、オフセット量としての距離Haに基づいて求めた調整量(一例として、距離Haと等しい量)を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整することで、所望のデータ記録トラックにおけるトラック中心Ctに記録素子3wの中心C3wを一致させる(記録素子3wをオントラックさせる)ことができる。しかしながら、図17の右図に示すように、上記の位置P2の近傍においては、オフセット量としての距離Haに基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整したときに、距離Haと距離Hbとの差である距離Hcだけ所望のデータ記録トラックにおけるトラック中心Ctに対して記録素子3wの中心C3wが位置ずれした状態(記録素子3wがオフトラックした状態)となる。このため、従来の記録再生装置には、データ記録トラックに対する磁気的信号の書き込み幅が不足する(データ記録トラックにおける幅方向の一部のみに磁気的信号が書き込まれる)ことで正常な記録が困難となるおそれがある。また、上記の位置ずれ量(距離Hc)がさらに大きい場合には、所望のデータ記録トラックに隣接するデータ記録トラックに対して磁気的信号を書き込むサイドライト現象を招くおそれもある。
一方、1つのデータ記録トラックにつき1つのオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御を実行するタイプの記録再生装置であって、かつ、連続記録膜型の磁気記録媒体(以下、「連続記録膜型の磁気ディスク」ともいう)を搭載した記録再生装置のなかには、ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を備えた上記の記録再生装置とは異なり、一例として、サーボパターンによって規定される仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ct(一例として、サーボトラックのトラック中心)に再生素子3rの中心C3rを位置合わせした状態で磁気ディスクを回転させたときに、記録素子3wが通過する位置に実際のデータ記録トラックが形成される(磁気的信号の書き込みによってその磁気的信号を書き込んだ部位がデータ記録トラックとなる)構成が採用されたタイプの装置が存在する。具体的には、図18の左図に示すように、連続記録膜型の磁気ディスク10Dを有する記録再生装置では、再生素子3rが位置P1において仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置している状態において記録素子3wを介して磁気的信号が書き込まれたときには、そのトラック中心Ctから距離Haだけ離間した部位(破線L11aで示す部位)をトラック中心Ctxとして実際のデータ記録トラックが形成される。また、図18の右図に示すように、再生素子3rが位置P2において仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置している状態において記録素子3wを介して磁気的信号が書き込まれたときには、そのトラック中心Ctから距離Hbだけ離間した部位(破線L11bで示す部位)をトラック中心Ctxとして実際のデータ記録トラックが形成される。
この場合、連続記録膜型の磁気ディスク10Dを搭載した上記の記録再生装置では、ディスクリートトラック型の磁気ディスク10を搭載した記録再生装置とは異なり、記録素子3wの中心C3wがサーボパターンによって規定される仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctから位置ずれした状態であっても、記録素子3wがガードバンド部上に位置することがないため、磁気ディスク10Dに対する磁気的信号の書き込み幅が不足することなく、十分な幅で磁気的信号が書き込まれる。また、記録素子3wを介して磁気的信号を書き込んだ部位にデータ記録トラックが形成されるため、サイドライト現象を招くおそれもない。しかしながら、回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれした状態において、従来の記録再生装置のように1つのデータ記録トラックにつき1つのオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御によって磁気ディスク10Dから記録データを読み出そうとした場合には、所望のデータ記録トラックに再生素子3rをオントラックさせた状態(記録素子3wによる磁気的信号の書き込みによって形成された実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctxに再生素子3rの中心C3rを位置合わせした状態)を維持するのが困難となっている。
具体的には、所定のデータ記録トラックについてのオフセット量として、上記の距離Haが規定されていた場合には、図19の左図に示すように、上記の位置P1の近傍においては、オフセット量としての距離Haに基づいて求めた調整量(一例として、距離Haと等しい量)を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整することで、実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctx(同図に破線L11aで示す部位)に再生素子3rの中心C3rを一致させる(再生素子3rを実際のデータ記録トラックにオントラックさせる)ことができる。しかしながら、図19の右図に示すように、上記の位置P2の近傍においては、オフセット量としての距離Haに基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整したときに、距離Haと距離Hbとの差である距離Hcだけ実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctx(同図に破線L11bで示す部位)に対して再生素子3rの中心C3rが位置ずれして破線L11aで示す部位に位置した状態(再生素子3rが実際のデータ記録トラックからオフトラックした状態)となる。このため、データ記録トラックからの磁気的信号の読み出し幅が不足する(実際のデータ記録トラックにおける幅方向の一部のみから磁気的信号が読み出される)ことに起因して正常な再生が困難となるおそれがある。また、上記の位置ずれ量(距離Hc)がさらに大きい場合には、所望のデータ記録トラックに隣接するデータ記録トラックから磁気的信号を読み出すサイドリード現象を招くおそれもある。
このような磁気ディスクの回転中心Crとパターン中心Cpとのずれに起因する問題点(ディスクリートトラック型の磁気ディスク10における記録エラーやサイドライトの発生の問題、および連続記録膜型の磁気ディスク10Dにおける再生エラーやサイドリードの発生の問題)は、磁気ディスクの高密度化および小形化が進むほど深刻な問題となる。この場合、回転中心Crとパターン中心Cpとのずれ量を小さくするのは極めて困難であるため、回転中心Crとパターン中心Cpとにずれが生じた状態において、上記の問題点を解決する必要がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、磁気記録媒体の回転中心とデータトラックパターン等のパターン中心とに位置ずれが生じた状態においても、各データ記録トラックに対して再生素子や記録素子を確実にオントラックさせ得る記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る記録再生装置は、同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが設けられたトラックパターンを有する回転型の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体からの磁気的信号の読み出しを行う再生素子および当該磁気記録媒体に対する磁気的信号の書き込みを行う記録素子を有する複合型の磁気ヘッドと、前記磁気記録媒体上において前記磁気ヘッドを移動させて前記再生素子および前記記録素子のいずれか一方の素子を前記データ記録トラックにトラッキングさせるトラッキングサーボ制御を実行する制御部と、前記トラッキングサーボ制御時において前記磁気ヘッドのヘッド位置を調整する調整量を求めるためのオフセット量を特定可能なオフセット量情報を記憶する記憶部とを備え、前記記憶部は、前記オフセット量情報として、前記データ記録トラックの一周当りにおいて互いに相違する少なくとも2つ以上の前記オフセット量を特定する情報を記憶し、前記制御部は、前記いずれか一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、前記オフセット量情報に基づいて特定したオフセット量に応じて前記調整量を前記磁気記録媒体の1回転当りに1回以上変化させて前記ヘッド位置を調整する。
また、本発明に係る記録再生装置は、前記オフセット量情報として、前記記憶部が、前記トラックパターンの半径方向および周方向の両方向で前記磁気記録媒体を分割した複数の制御対象領域に対応してそれぞれ規定された前記オフセット量を複数記憶し、前記一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、前記制御部が、所定の1つの前記制御対象領域に含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に当該1つの制御対象領域に対応して規定された前記オフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整する。
さらに、本発明に係る記録再生装置は、前記オフセット量情報として、前記記憶部が、前記トラックパターンの半径方向および周方向の両方向で前記磁気記録媒体を分割した複数の制御対象領域のうちの一部の制御対象領域に対応してそれぞれ規定された前記オフセット量を複数記憶し、前記一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、前記制御部が、前記一部の制御対象領域のうちの所定の1つに含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に当該1つの制御対象領域に対応して規定された前記オフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整すると共に、前記一部の制御対象領域以外の前記制御対象領域のうちの所定の1つに含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に前記オフセット量情報を用いた補完処理によって当該1つの制御対象領域に対応する前記オフセット量を求めて当該求めたオフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整する。
また、本発明に係る記録再生装置は、前記制御部が、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記磁気記録媒体上の各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、前記磁気記録媒体上の所定の同一パターン半径位置と前記各同一回転半径位置のうちの所定の1つとの間の当該磁気記録媒体の回転半径方向に沿った離間距離を当該磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、前記各同一回転半径位置に対応する前記基準オフセット量および前記各回転位置に対応する前記離間距離に基づいて前記磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応する前記オフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、当該特定したオフセット量に基づいて前記オフセット量情報を生成する。
なお、本明細書における「同一回転半径位置」とは、「磁気記録媒体における回転中心からの距離が等しい磁気記録媒体上の位置」、すなわち、「回転中心を中心とする磁気記録媒体上の環状の領域」を意味する。また、本明細書における「同一パターン半径位置」とは、「トラックパターンにおけるパターン中心からの距離が等しい磁気記録媒体上の位置」、すなわち、「パターン中心を中心とする磁気記録媒体上の環状の領域」を意味する。
また、本発明に係る記録再生装置は、前記制御部が、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記磁気記録媒体上の各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、前記磁気記録媒体上の所定の同一回転半径位置と前記各同一パターン半径位置のうちの所定の1つとの間の前記トラックパターンのパターン半径方向に沿った離間距離を当該磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、前記各同一パターン半径位置に対応する前記基準オフセット量および前記各回転位置に対応する前記離間距離に基づいて前記磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応する前記オフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、当該特定したオフセット量に基づいて前記オフセット量情報を生成する。
さらに、本発明に係る記録再生装置は、前記制御部が、前記基準オフセット量取得処理時において、トラック番号に関連付けて前記基準オフセット量を取得し、前記離間距離取得処理時において、前記磁気記録媒体を回転させつつ、前記磁気ヘッドを前記所定の同一回転半径位置に位置させた状態を維持して当該所定の同一回転半径位置の各セクタから前記再生素子を介してセクタ番号およびトラック番号を読み出すと共に、当該所定の同一回転半径位置の各セクタを前記各回転位置として、前記所定の1つの同一パターン半径位置としての基準トラックのトラック番号と、前記各セクタ毎に読み出されたトラック番号とに基づいて、当該各セクタと当該基準トラックとの間のトラック数を前記離間距離としてそれぞれ取得し、前記オフセット量特定処理時において、前記所定の同一回転半径位置の各セクタのうちの前記パターン中心に対して前記所望の記録再生位置と同方向に位置する当該セクタの前記離間距離として取得された前記トラック数分だけ当該所望の記録再生位置から離間するトラックのトラック番号に関連付けられた前記基準オフセット量を当該所望の記録再生位置のオフセット量として特定する。
なお、本明細書における「トラック」には、サーボパターン領域に形成されたサーボパターンによって規定されているサーボトラック、およびデータトラックパターン領域に形成されたデータ記録トラックの双方が含まれる。したがって、本明細書における「トラック番号」には、サーボトラックに対して規定されているトラック番号、およびデータ記録トラックに対して規定されているトラック番号の双方が含まれる。また、本明細書における「トラック数」とは、上記のサーボトラックのトラック数、およびデータ記録トラックのトラック数のいずれかの数を意味する。
また、本発明に係る記録再生装置は、前記制御部が、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記記憶部に記憶させる前記オフセット量のすべてを対応する前記各制御対象領域毎に個別的に測定して当該オフセット量情報を生成する。
さらに、本発明に係る記録再生装置は、前記制御部が、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記記憶部に記憶させるすべての前記オフセット量のうちの一部の当該オフセット量を対応する前記各制御対象領域毎に個別的に測定すると共に、前記記憶部に記憶させるすべての前記オフセット量のうちの前記一部のオフセット量以外のオフセット量を当該一部のオフセット量を用いた補完処理によって求め、前記測定したオフセット量と前記求めたオフセット量とに基づいて前記オフセット量情報を生成する。
また、本発明に係るトラッキングサーボ制御方法は、同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが設けられたトラックパターンを有する回転型の磁気記録媒体上において、当該磁気記録媒体からの磁気的信号の読み出しを行う再生素子および当該磁気記録媒体に対する磁気的信号の書き込みを行う記録素子を有する複合型の磁気ヘッドを移動させて当該再生素子および当該記録素子のいずれか一方の素子を前記データ記録トラックにトラッキングさせるトラッキングサーボ制御方法であって、前記いずれか一方の素子に対するトラッキングサーボ制御時において、互いに相違する少なくとも2つ以上のオフセット量を特定可能なオフセット情報に基づいて特定した当該オフセット量に応じて前記磁気ヘッドのヘッド位置を調整する調整量を前記磁気記録媒体の1回転当りに1回以上変化させて前記ヘッド位置を調整する。
本発明に係る記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法では、制御部が、複合型の磁気ヘッドにおける再生素子および記録素子のいずれか一方に対するトラッキングサーボ制御時において、記憶部に記憶されているオフセット量情報に基づいて特定したオフセット量に応じて調整量を磁気記録媒体の1回転当りに1回以上変化させて磁気ヘッドのヘッド位置を調整する。これにより、この記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法によれば、例えば、ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を搭載した記録再生装置では、1つのデータ記録トラックにつき1つの調整量(オフセット量)を用いたトラッキングサーボ制御が実行される従来の記録再生装置とは異なり、トラックパターンの周方向に沿った各記録再生位置に対応するオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッドのヘッド位置を調整することで、磁気記録媒体の一回転に亘って記録素子をデータ記録トラックに確実にオントラックさせることができる。
したがって、データ記録トラックに対する磁気的信号の書き込み幅が不足する事態(記録エラーの発生)を招くことなく、十分な書き込み幅でデータ記録トラックに磁気的信号を書き込むことができる結果、その磁気的信号の再生時において、十分に高い出力レベルの再生信号を得ることができる。これにより、再生エラーを招くことなく、記録データを正常に再生することができる。また、サイドライト現象を招くことなく、所望のデータ記録トラックに対してのみ、確実に記録データを記録することができる。一方、連続記録膜型の磁気記録媒体を搭載した記録再生装置では、トラックパターンの周方向に沿った各記録再生位置に対応するオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッドのヘッド位置を調整して磁気記録媒体の一回転に亘って再生素子をデータ記録トラックに確実にオントラックさせることができる。したがって、データ記録トラックからの磁気的信号の読み出し幅が不足する事態(再生エラーの発生)を招くことなく、十分な読み出し幅でデータ記録トラックから磁気的信号を読み出すことができる結果、十分に高い出力レベルの再生信号を得ることができる。これにより、記録データを正常に再生することができる。また、サイドリード現象を招くことなく、所望のデータ記録トラックのみから、確実に記録データを読み出すことができる。
また、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、所定の1つの制御対象領域に含まれるデータ記録トラックに再生素子および記録素子のいずれか一方をトラッキングさせる際にその1つの制御対象領域に対応して規定されたオフセット量に基づいて調整量を求めてヘッド位置を調整する。これにより、この記録再生装置によれば、例えば、磁気記録媒体上における各回転位置毎のスイングアームの回動量に応じて磁気ヘッドのヘッド位置の調整量を連続的に無段階で変更する構成とは異なり、各制御対象領域毎に個別的に用意されたオフセット量に基づいて、各制御対象領域毎の調整量を容易に求めることができるため、制御部によるトラッキングサーボ制御が容易となる分だけ、十分に高速なトラッキングサーボ制御を実行することができる。したがって、磁気記録媒体を高速回転させるときにおいても、磁気ヘッド(再生素子や記録素子)を所望のデータ記録トラックに対して確実にオントラックさせることができる。
さらに、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、対応するオフセット量がオフセット量情報として記憶部に記憶されている制御対象領域のうちの所定の1つに含まれるデータ記録トラックに再生素子および記録素子のいずれか一方をトラッキングさせる際にその1つの制御対象領域に対応して規定されたオフセット量に基づいて調整量を求めてヘッド位置を調整すると共に、対応するオフセット量が記憶部に記憶されている制御対象領域以外の制御対象領域のうちの所定の1つに含まれるデータ記録トラックに上記の一方の素子をトラッキングさせる際に記憶部に記憶されているオフセット量情報を用いた補完処理によってその1つの制御対象領域に対応するオフセット量を求めてその求めたオフセット量に基づいて調整量を求めてヘッド位置を調整する。これにより、この記録再生装置によれば、記憶部に記憶させるべきオフセット量の数が少なくて済む(オフセット量情報のデータサイズが小さくて済む)分だけ、少容量の記憶素子で記憶部を構成することができる。したがって、記録再生装置の製造コストを十分に低減することができる。
また、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、オフセット量情報取得処理時において、磁気記録媒体上の各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、磁気記録媒体上の所定の同一パターン半径位置と各同一回転半径位置のうちの所定の1つとの間の磁気記録媒体の回転半径方向に沿った離間距離を磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量および各回転位置に対応する離間距離に基づいて磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応するオフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、特定したオフセット量に基づいてオフセット量情報を生成する。これにより、この記録再生装置によれば、例えば、磁気記録媒体の一枚当りにおける制御対象領域の数が多いときにおいて、各制御対象領域毎にオフセット量を個別的に測定してオフセット量情報を生成する構成の記録再生装置と比較して、オフセット量情報の生成に要する時間を十分に短縮することができる。
また、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、オフセット量情報取得処理時において、磁気記録媒体上の各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、磁気記録媒体上の所定の同一回転半径位置と各同一パターン半径位置のうちの所定の1つとの間のパターン半径方向に沿った離間距離を磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量および各回転位置に対応する離間距離に基づいて磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応するオフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、特定したオフセット量に基づいてオフセット量情報を生成する。これにより、この記録再生装置によれば、例えば、磁気記録媒体の一枚当りにおける制御対象領域の数が多いときにおいて、各制御対象領域毎にオフセット量を個別的に測定してオフセット量情報を生成する構成の記録再生装置と比較して、オフセット量情報の生成に要する時間を十分に短縮することができる。
さらに、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、基準オフセット量取得処理時において、各半径位置のトラック(データ記録トラックまたはサーボトラック)のトラック番号に関連付けて基準オフセット量を取得し、離間距離取得処理時において、同一回転半径位置の各セクタからセクタ番号およびトラック番号を読み出すと共に、所定の同一回転半径位置の各セクタを各回転位置として、基準トラックのトラック番号と、各セクタ毎のトラック番号とに基づいて各セクタと基準トラックとの間のトラック数を離間距離としてそれぞれ取得し、オフセット量特定処理時において、所望の記録再生位置と同方向に位置するセクタの離間距離として取得されたトラック数分だけ所望の記録再生位置から離間するトラックのトラック番号に関連付けられた基準オフセット量を所望の記録再生位置のオフセット量として特定する。これにより、この記録再生装置によれば、本発明における離間距離測定処理時において、例えば磁気記録媒体上の実際の距離を測定する構成とは異なり、一般的な記録再生装置に搭載されている機構を利用して離間距離を測定することができるため、実際の距離を測定するための専用の機構を設けなくても済む分だけ、記録再生装置の製造コストを低減することができる。
また、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、オフセット量情報取得処理時において、記憶部に記憶させるオフセット量のすべてを対応する各制御対象領域毎に個別的に測定してオフセット量情報を生成する。これにより、この記録再生装置によれば、実際の測定によって取得された実体に即した正確なオフセット量でオフセット量情報を構成することができる。したがって、トラッキングサーボ制御時において、各制御対象領域毎に実体に即した正確な調整量を求めてヘッド位置の調整を行うことができるため、記録エラー、再生エラー、サイドライト現象およびサイドリード現象の発生を確実に回避することができる。
さらに、本発明に係る記録再生装置では、制御部が、オフセット量情報取得処理時において、記憶部に記憶させるすべてのオフセット量のうちの一部のオフセット量を対応する各制御対象領域毎に個別的に測定すると共に、記憶部に記憶させるすべてのオフセット量のうちの一部のオフセット量以外のオフセット量を一部のオフセット量を用いた補完処理によって求め、測定したオフセット量と求めたオフセット量とに基づいてオフセット量情報を生成する。これにより、この記録再生装置によれば、制御対象領域のすべてを対象としてオフセット量を測定する構成のハードディスクドライブと比較して、磁気記録媒体一枚当りのオフセット量の測定回数が少なくて済む分だけ、オフセット量情報の生成に要する時間を一層短縮することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る記録再生装置およびトラッキングサーボ制御方法の最良の形態について説明する。
最初に、本発明に係る記録再生装置の構成および動作原理について、図面を参照して説明する。
図1に示すハードディスクドライブ1は、本発明に係る記録再生装置の一例であって、モータ2、磁気ヘッド3、アクチュエータ4、検出部5、ドライバ6、制御部7、記憶部8および磁気ディスク10を備えて、各種データの記録再生が可能に構成されている。この場合、磁気ディスク10は、本発明に係る磁気記録媒体の一例であるディスクリートトラック媒体(パターンド媒体の一例)であって、図2に示すように、全体として円板状に形成されてモータ2の回転軸に取り付けられると共に、磁気ヘッド3などと共にハードディスクドライブ1の筐体内に配設されている。また、磁気ディスク10は、図3に示すように、軟磁性層12、中間層13および磁性層14がガラス基材11の上にこの順で形成されて、一例として、垂直記録方式による記録データの記録が可能に構成されている。
磁性層14は、一例として、突端部(同図における上端部)から基端部(同図における下端部)までの全体が磁性材料で形成された複数の凸部21(記録領域)と、隣り合う凸部21の間の凹部22(非記録領域)とが形成されて凹凸パターン20を構成する。また、凹凸パターン20の各凹部22内には、SiO、C(炭素)および樹脂材料等の非磁性材料15が埋め込まれて、これにより、磁気ディスク10の表面が平坦化されている。さらに、この磁気ディスク10では、各凹部22内に埋め込まれた非磁性材料15、および磁性層14(凸部21)の表面を覆うようにして、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等によって厚みが2nm程度の保護層16(DLC膜)が形成されている。また、保護層16の表面には、磁気ヘッド3および磁気ディスク10の双方の傷付きを回避するための潤滑剤(一例として、フォンブリン系の潤滑剤)が塗布されている。
この場合、上記の記録領域(この例では、凸部21)とは、「記録された磁気的信号を読み出し可能に保持するように構成された領域(つまり磁気的信号を読み出し可能に保持する能力を有するように構成された領域)」を意味する。また、上記の非記録領域(この例では、凹部22)とは、「磁気的信号を読み出し可能に保持する上記の能力が記録領域の能力よりも低くなるように構成された領域、または、その能力を実質的に有しないように構成された領域」を意味する。具体的には、非記録領域とは、「磁気的信号を記録した状態において、その領域から発生する磁界が上記の記録領域よりも小さい領域、または、その領域から発生する磁界が実質的には存在しない領域」を意味する。
ガラス基材11は、一例として、ガラス板を表面研磨して厚みが0.6mm程度の円板状に形成されている。なお、磁気ディスク10を形成するための基材は、ガラス基材に限定されず、アルミニウムやセラミックなどの各種非磁性材料で円板状に形成した基材を使用することができる。軟磁性層12は、CoZrNb合金などの軟磁性材料をスパッタリングすることによって厚みが100nm〜200nm程度の薄膜状に形成されている。中間層13は、磁性層14を形成するための下地層として機能する層であって、Ru、CrおよびCoCr非磁性合金などの中間層形成用材料をスパッタリングすることによって厚みが40nm程度の薄膜状に形成されている。磁性層14は、前述したように、凹凸パターン20(図4に示すデータトラックパターン20tおよびサーボパターン20s)を構成する層であって、例えばCoCrPt合金をスパッタリングした層に対してエッチング処理することによって各凹部22が形成されている。
この磁気ディスク10は、図2に示すように、各データトラックパターン領域Atの間にサーボパターン領域Asが規定されてデータトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asが磁気ディスク10の回転方向(矢印Rの向き)において交互に並ぶように規定されている。なお、本明細書では、回転方向において並ぶ2つのデータトラックパターン領域Atによって挟まれた領域(1つのデータトラックパターン領域Atにおける回転方向に対して下流側の端部から、他の1つのデータトラックパターン領域Atにおける回転方向に対して上流側の端部までの間の領域)をサーボパターン領域Asとする。また、データトラックパターン領域Atにおける回転方向側の端部は、そのデータ記録領域に形成された複数のデータ記録トラック(各凸部21)における回転方向側の各端部を連結した仮想線分(磁気ディスク10の半径方向に沿った直線状または円弧状の線分)と一致しているものとする。
さらに、この磁気ディスク10では、図4に示すように、データトラックパターン20tの周方向(磁気ディスク10の回転方向)において隣接する一組のサーボパターン領域Asおよびデータトラックパターン領域At(矢印Aの範囲)によって各データ記録トラック毎にセクタが規定されている。つまり、この磁気ディスク10では、一回転当りにおけるサーボパターン領域Asの数、またはデータトラックパターン領域Atの数(一例として、200個)にトラック数(データ記録トラックの数:一例として、5万本)を乗じた数のセクタ(この例では、1000万個)が規定されている。この場合、この磁気ディスク10では、サーボパターン領域Asに形成されたサーボパターン20sによって規定されるサーボトラックと、データトラックパターン領域Atに形成されたデータトラックパターン20tの各データ記録トラックとの両トラックにおいて、トラックピッチ(半径方向において隣接するトラックのトラック中心間の距離)が一致している。したがって、この磁気ディスク10では、データ記録トラックの数と同数の5万本のサーボトラックが存在することとなる。
また、後述するように、制御部7によるトラッキングサーボ制御時においては、一例として、データトラックパターン20tの周方向(磁気ディスク10の回転方向)に沿って連続する複数のセクタ(一例として10個のセクタ)をデータトラックパターン20tの半径方向で連続する数十トラック分(一例として、50トラック分)だけグループ化した(すなわち、500個のセクタをグループ化した)領域を本発明における制御対象領域として、ヘッド位置の調整が実行される。この場合、このハードディスクドライブ1では、1つの制御対象領域内のセクタに対しては、1つの同一のオフセット量に基づいて求めた(演算した)同一の調整量を目標値としてヘッド位置の調整が実行される。
また、この磁気ディスク10を搭載したハードディスクドライブ1では、モータ2が制御部7の制御に従って磁気ディスク10を角速度一定で回転させるように構成されている。したがって、図2に示すように、この磁気ディスク10では、単位時間当たりに磁気ヘッド3の下方を通過させられる磁気ディスク10上の長さに比例して、磁気ディスク10の回転方向に沿ったデータトラックパターン領域Atの長さ、および回転方向に沿ったサーボパターン領域Asの長さ(すなわち、各セクタの長さ)がデータトラックパターン20tのパターン中心Cpから離間するほど長くなるように(データトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asがその内周側領域よりも外周側領域ほど幅広となるように)規定されている。この結果、この磁気ディスク10では、磁気ディスク10の回転方向に沿った各セクタの長さがデータトラックパターン20tのパターン中心Cpから離間したセクタほど長くなるように(内周側のセクタよりも外周側のセクタの方が長くなるように)規定されている。
また、図4に示すように、データトラックパターン領域Atには、データトラックパターン20tが形成されている。なお、同図では、凹凸パターン20における凸部21の形成部位(記録領域)を斜線で塗り潰して図示している。この場合、データトラックパターン領域At内のデータトラックパターン20tは、パターン中心Cp(図2参照)を中心として所定の配列ピッチで互いに分割された同心円状(または、螺旋状)の数多くのデータ記録トラックを構成する複数の凸部21(磁気ディスク10の回転方向に沿って連続的に形成されて回転方向に長い帯状の凸部21)と、ガードバンド部を構成する複数の凹部22(各凸部21の間の凹部22:トラック間凹部)とを備えて構成されている。また、データトラックパターン領域At内の各凸部21および各凹部22は、一例として、その半径方向の長さが互いにほぼ等しくなるように規定されると共に、凸部21の形成ピッチ(すなわち、データ記録トラックのトラックピッチ)や、磁気ディスク10における半径方向の長さ(すなわち、データ記録トラックやガードバンド部の半径方向の長さ)が磁気ディスク10の内周部から外周部までの全域において互いにほぼ等しくなるように形成されている。
さらに、サーボパターン領域Asには、トラッキングサーボ制御用の各種サーボパターンを構成する複数の凸部21および複数の凹部22を有する凹凸パターン20(サーボパターン20s)が形成されている。具体的には、サーボパターン領域As内には、サーボパターン20sによってプリアンブルパターンが形成されたプリアンブルパターン領域Apと、サーボパターン20sによってアドレスパターンが形成されたアドレスパターン領域Aaと、サーボパターン20sによってバーストパターンが形成されたバーストパターン領域Abとが規定されている。なお、サーボパターン領域As内の各パターンの機能については公知のため、その説明を省略する。
一方、モータ2は、制御部7の制御に従って磁気ディスク10を一例として7200rpmの回転数で定速回転させる。この場合、このハードディスクドライブ1では、図2,6,15に示すように、磁気ディスク10の回転中心Cr(モータ2における回転軸の中心)とデータトラックパターン20tおよびサーボパターン20sのパターン中心Cpとの間に、製造誤差に起因する30〜50μm程度の極く小さなずれが生じている。
磁気ヘッド3は、図2に示すように、本発明における再生素子に相当する再生素子3rと、本発明における記録素子に相当する記録素子3wとがスライダーの底面に形成された複合型の磁気ヘッドであって、磁気ディスク10のサーボパターン領域Asからのサーボデータの読み出しと、データトラックパターン領域Atに対する記録データの磁気的な書き込みと、データトラックパターン領域Atに磁気的に書き込まれた記録データの読み出しとを実行する。また、磁気ヘッド3は、スイングアーム4aを介してアクチュエータ4に取り付けられている。また、磁気ヘッド3は、磁気ディスク10に対する記録データの記録再生時においてアクチュエータ4によってスイングアーム4aが回動中心C4を中心として矢印B1,B2の向きで回動させられることで磁気ディスク10上を内周側または外周側に移動させられる。
この場合、この磁気ヘッド3では、一例として、スライダーにおける先端部側に記録素子3wが設けられると共に、スライダーにおける先端部側の記録素子3wよりも基端部寄り(スイングアーム4aの側)に再生素子3rが設けられている。また、この磁気ヘッド3では、図5に示すように、再生素子3rの中心C3r(再生素子3rの半径方向に対応する長さの中心:シーク動作方向に沿った長さの中心)に対して、記録素子3wの中心C3w(記録素子3wの半径方向に対応する長さの中心:シーク動作方向に沿った長さの中心)がスイングアーム4aの延在方向において所定の距離だけ離間するように再生素子3rおよび記録素子3wが形成されている。なお、本明細書において参照する各図では、本発明についての理解を容易とするために、再生素子3rおよび記録素子3wにおける各部の長さや、再生素子3rおよび記録素子3w間の距離などを実際とは相違する長さや距離で図示している。
アクチュエータ4は、制御部7の制御下でドライバ6から供給される駆動電流によってスイングアーム4aをスイング(回動)させることにより、磁気ヘッド3を磁気ディスク10上の所望の記録再生位置に移動させる。検出部5は、磁気ヘッド3によって出力された出力信号からサーボ信号S1を取得(検出)して制御部7に出力する。ドライバ6は、制御部7から出力された制御信号S2に従ってアクチュエータ4に駆動電流を供給することで磁気ヘッド3を所望のデータ記録トラックにオントラックさせる。
制御部7は、ハードディスクドライブ1を総括的に制御する。また、制御部7は、本発明における制御部の一例であって、検出部5から出力されたサーボ信号S1、記憶部8に記憶されているサーボ制御情報Dsおよびオフセット量情報Doに基づいてドライバ6を制御する(トラッキングサーボ制御処理の実行)。さらに、制御部7は、後述するようにして磁気ディスク10上の各記録再生位置に対応するオフセット量を取得するオフセット量情報取得処理を実行してオフセット量情報Doを生成する。記憶部8は、測定処理プログラムDp(上記のオフセット量情報取得処理を実行するためのプログラム)、サーボ制御情報Ds、オフセット量情報Doおよび制御部7の動作プログラムなどを記憶する。
この場合、このハードディスクドライブ1では、前述したように、再生素子3rと記録素子3wとがスイングアーム4aの延在方向において互いに離間して配置されているため、例えば図16の左図に示すように、磁気ディスク10における例えば外周部の所定のデータ記録トラック上に磁気ヘッド3を移動させたときに、記録素子3wの中心C3wと再生素子3rの中心C3rとを結んだ線分(スイングアーム4aの延在方向と平行な線分)に対してデータ記録トラックのトラック中心Ct(中心線)が交差した状態(スキュー角が生じた状態)となる。したがって、外周部の所定のデータ記録トラックに再生素子3rをオントラックさせたとき(再生素子3rの中心C3rをデータ記録トラックのトラック中心Ctに一致させたとき)には、記録素子3wの中心C3wがトそのラック中心Ctから離れた位置に位置する(記録素子3wがオフトラックする)こととなる。この記録素子3wがオフトラックしている量(オフセット量)、すなわち、スキュー角が生じた状態における再生素子3rの中心C3rと記録素子3wの中心C3wとの間の半径方向に沿った離間距離(オフセット量)は、前述したように、スキュー角の大きさに応じて相違する。
このため、パターン中心Cpと回転中心Crとが位置ずれしている状態(磁気ディスク10がモータ2に対して偏心している状態)においては、例えば、再生素子3rの中心C3rをデータ記録トラックのトラック中心Ctに一致させた状態を維持しつつ磁気ディスク10を回転させたときに、磁気ディスク10が一回転する間において上記のオフセット量が逐次変化する。したがって、磁気ディスク10上の各記録再生位置からの再生素子3rによるサーボデータおよび記録データの読み出し時と、各記録再生位置に対する記録素子3wによる記録データの書き込み時との双方において、再生素子3rおよび記録素子3wを所望のデータ記録トラックにオントラックさせるようにトラッキングサーボ制御するには、磁気ディスク10の内周部から外周部までの全域において、磁気ディスク10の回転方向に沿った各記録再生位置に対応するオフセット量(再生素子3rの中心C3rと記録素子3wの中心C3wとの間の距離)を測定し、その測定結果を各記録再生位置に関連付けてオフセット量情報Doとして記憶しておく必要がある。
この場合、例えば1つのセクタにつき1つのオフセット量を記録したオフセット量情報Doを用意してこのオフセット量情報Doに基づくトラッキングサーボ制御を実行するのが好ましいが、前述したように、この磁気ディスク10上には、1000万個のセクタが存在するため、オフセット量情報Do内のオフセット量のデータが膨大な量となり、トラッキングサーボ制御が煩雑化すると共に、大容量の記憶部8が必要となる。また、実際には、磁気ディスク10の回転方向において隣接する数セクタ内、および磁気ディスク10の半径方向において隣接する数十セクタ内では、上記のオフセット量が殆ど同じ値となる。したがって、このハードディスクドライブ1では、前述したように、回転方向に沿って連続する10個のセクタを50トラック分だけグループ化した(この例では、500個のセクタをグループ化した)領域を本発明における制御対象領域として、各制御対象領域につき1つのオフセット量を記録したオフセット量情報Doに基づくトラッキングサーボ制御(1つの制御対象領域内の各セクタに対して同一のオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御)を実行する構成が採用されている(本発明における「データ記録トラックの一周当りにおいて互いに相違する少なくとも2つ以上のオフセット量」が「一周当りにおいて200/10=20個」の例)。これにより、比較的小さな容量の記憶部8であってもオフセット量情報Do等を記憶することが可能となっている。
なお、以下の説明においては、後述するオフセット量情報取得処理によって各制御対象領域に対応するオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doが生成されて記憶部8に記憶されているものとする。また、このハードディスクドライブ1では、再生素子3rの中心C3rをデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態における記録素子3wの中心C3wとトラック中心Ctとの半径方向に沿った距離をオフセット量とし、記録素子3wを介して磁気ディスク10に記録データを記録する際に、このオフセット量に基づいて求めた(演算した)調整量(一例として、オフセット量と等しい量)を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する構成が採用されている(本発明における「一方の素子」が記録素子3wである構成の一例)。
この場合、例えば図16の左図に示すように、データ記録トラックのトラック中心Ctに対して位置P1において再生素子3rの中心C3rを一致させたときに記録素子3wの中心C3wがトラック中心Ctから距離Haだけ離間する制御対象領域に対しては、オフセット量として距離Haが規定されている。また、図16の右図に示すように、データ記録トラックのトラック中心Ctに対して位置P2において再生素子3rの中心C3rを一致させたときに記録素子3wの中心C3wがトラック中心Ctから距離Hbだけ離間する制御対象領域に対しては、オフセット量として距離Hbが規定されている。したがって、制御部7は、記憶部8に記憶されているサーボ制御情報Dsとオフセット量情報Doとに基づき、図5の左図に示すように、上記の位置P1を含む制御対象領域内においては、データ記録トラック(凸部21)に対する記録データ(磁気的信号)の書き込み時において、オフセット量として規定された距離Haに基づいて求めた調整量(この例では、距離Haと等しい量)を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整させる旨の制御信号S2をドライバ6に出力する。これにより、同図に示すように、記録素子3wの中心C3wがデータ記録トラックのトラック中心Ctと一致した状態(記録素子3wがデータ記録トラックにオントラックした状態)となる。
一方、磁気ディスク10の回転に伴って、図5の右図に示すように、上記の位置P2を含む制御対象領域内に磁気ヘッド3が移動したとき(磁気ヘッド3の下方に位置P2を含む制御対象領域が移動したとき)には、制御部7は、記憶部8に記憶されているサーボ制御情報Dsとオフセット量情報Doとに基づき、データ記録トラック(凸部21)に対する記録データ(磁気的信号)の書き込み時において、オフセット量として規定された距離Hbに基づいて求めた調整量(この例では、距離Hbと等しい量)を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整させる旨の制御信号S2をドライバ6に出力する。これにより、同図に示すように、記録素子3wの中心C3wがデータ記録トラックのトラック中心Ctと一致した状態(記録素子3wがデータ記録トラックにオントラックした状態)となる。
このように、各制御対象領域に対応してオフセット量が規定されたオフセット量情報Doを用いたトラッキングサーボ制御を実行して、ヘッド位置を調整するための調整量を磁気ディスク10の1回転当りに1回以上(調整量を最初に設定した1回目を含めずに1回以上:この例では、19回)変化させることにより、パターン中心Cpと回転中心Crとの位置ずれに起因して磁気ディスク10が1回転する間にスキュー角が逐次変化する状態であっても、磁気ディスク10の回転方向に沿って規定された各制御対象領域内のデータ記録トラックに対して、記録素子3wをオフトラックさせることなく、中心C3wをデータ記録トラックのトラック中心Ctに一致させた状態(データ記録トラックにオントラックさせた状態)を維持することが可能となっている。
次に、ハードディスクドライブ1によるオフセット量情報取得処理の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明についての理解を容易とするために、例えば図6に示すようにデータトラックパターン20tの半径方向および周方向の両方向で磁気ディスク10を8分割した64個の制御対象領域31a〜38hを対象とするトラッキングサーボ制御用のオフセット量情報Doを生成する例について説明する。この場合、上記の磁気ディスク10では、最内周の制御対象領域31a〜31hよりもさらに内周側、および最外周の制御対象領域38a〜38hよりもさらに外周側の双方に、サーボパターン20sと同様のパターンおよびデータトラックパターン20tと同様のパターンが形成された環状の領域が存在する。この場合、この環状の領域内のパターンは、磁気ディスク10に対する記録データの記録再生時に使用されることはないが、この環状の領域についても上記の制御対象領域31a〜38hと同様にして周方向でそれぞれ8分割した16個の領域41a〜41h,42a〜42hが存在し、かつ、この領域41a〜41h,42a〜42h内にもサーボパターン領域As(サーボパターン20s)およびデータトラックパターン領域At(データトラックパターン20t)が存在するものとして説明する。
上記のハードディスクドライブ1では、一例として、磁気ディスク10の初期化処理時、および、外部装置(例えばパーソナルコンピュータのCPU)によってオフセット量測定を指示する指示コマンドが出力されたときに、制御部7が、記憶部8に記憶されている測定処理プログラムDpに従って本発明におけるオフセット量情報取得処理を実行する構成が採用されている。なお、初期化時や指示コマンド出力時のみならず、予め規定された所定時間間隔でオフセット量情報取得処理を定期的に実行してオフセット量情報を自動的に更新する構成を採用することもできる。
このオフセット量情報取得処理に際して、制御部7は、まず、本発明における基準オフセット量取得処理を実行する。具体的には、制御部7は、まず、磁気ディスク10上の各半径位置毎の基準オフセット量(本発明における「各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量」および本発明における「各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量」に相当するオフセット量)を取得する。この際に、制御部7は、一例として、図6に示すように、制御対象領域31aにおける位置P31の半径位置、制御対象領域32aにおける位置P32の半径位置、制御対象領域33aにおける位置P33の半径位置、制御対象領域34aにおける位置P34の半径位置、制御対象領域35aにおける位置P35の半径位置、制御対象領域36aにおける位置P36の半径位置、制御対象領域37aにおける位置P37の半径位置、および制御対象領域38aにおける位置P38の半径位置の8つの半径位置(本発明における「所定のピッチ」の一例)に対応する8つの基準オフセット量を取得する。
具体的には、制御部7は、例えば位置P31の半径位置に対応する基準オフセット量の取得に際して、まず、モータ2を制御して磁気ディスク10を回転させつつ、図8に示すように、一例として、再生素子3rの中心C3rが上記の位置P31において位置Pr1を通過するように磁気ヘッド3を移動させる。次いで、制御部7は、再生素子3rの中心C3rが位置Pr1を通過する状態を維持するように(パターン中心Cpからの距離を一定に維持するように)ドライバ6を制御して磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、磁気ディスク10の1回転に亘って各制御対象領域31a〜31h内のデータトラックパターン20t(データ記録トラックとしての凸部21)に対して記録素子3wを介して測定用信号を書き込む。
この際に、前述したように、磁気ディスク10の回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれしているため、再生素子3rの中心C3rが位置Pr1を通過するように磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御したときには、スイングアーム4aがスイング(回動)する。したがって、再生素子3rの中心C3rと記録素子3wの中心C3wとの間の半径方向に沿った距離(オフセット量)が磁気ディスク10の一回転当りにおいて逐次変化する。このため、記録素子3wの中心C3wは、制御対象領域31a内においては位置Pw1の近傍を通過し、制御対象領域31b〜31d内においては位置Pw1よりも内周側(同図における右寄り)を通過し、制御対象領域31e内においては制御対象領域31a内と同様にして位置Pw1の近傍を通過し、制御対象領域31f〜38h内においては位置Pw1よりも外周側(同図における左寄り)を通過することとなる。この結果、磁気ディスク10に測定用信号が書き込まれる半径方向の位置が記録素子3wの通過位置に応じてその回転方向に沿った各回転位置毎に相違することとなる。
次いで、制御部7は、記録素子3wを介して書き込んだ測定用信号を読み出す処理を実行する。具体的には、制御部7は、上記の位置Pr1よりも外周側の例えば位置Pr1aを再生素子3rの中心C3rが通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御することで、中心C3rが位置Pr1aを通過する状態を維持しつつ(パターン中心Cpからの距離を一定に維持しつつ)、磁気ディスク10の1回転に亘って再生素子3rを介して測定用信号を読み出す。次いで、制御部7は、読み出した再生信号について、その出力レベルの平均値を取得する。この際には、一例として、図8に矢印C1で示す出力レベル(平均値)が取得される。
次いで、制御部7は、一例として、サーボトラックのトラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させて再生素子3rの中心C3rが位置Pr1bを通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御する。この状態において、制御部7は、磁気ディスク10の1回転に亘って再生素子3rを介して測定用信号を読み出し、その出力レベルの平均値を取得する。この際には、一例として、図8に矢印C2で示す出力レベル(平均値)が取得される。このように、トラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させ、その都度、磁気ディスク10の1回転に亘って測定用信号を読み出して、その再生信号の平均値を取得することにより、再生素子3rの位置に応じて同図に一点鎖線L1で示すような出力レベルの平均値が取得される。
続いて、制御部7は、上記の処理によって書き込んだ測定用信号を消去した後に、図8に示すように、再生素子3rの中心C3rが一例として、位置P31においてサーボトラックのトラックピッチに対する1/10だけ位置Pr1よりも内周側の位置Pr2を通過するように磁気ヘッド3を位置させた状態において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、磁気ディスク10の1回転に亘って各制御対象領域31a〜31h内のデータトラックパターン20t(データ記録トラックとしての凸部21)に対して記録素子3wを介して測定用信号を書き込む。なお、同図では、本発明についての理解を容易とするために、サーボトラックのトラックピッチに対する1/10よりも大きく磁気ヘッド3を移動させた状態(位置Pr1,Pr2間の距離がサーボトラックのトラックピッチに対する1/10よりも長い状態)を図示している。この際に、記録素子3wの中心C3wは、制御対象領域31a内においては位置Pw2の近傍を通過し、制御対象領域31b〜31d内においては位置Pw2よりも内周側(同図における右寄り)を通過し、制御対象領域31e内においては制御対象領域31a内と同様にして位置Pw2の近傍を通過し、制御対象領域31f〜38h内においては位置Pw2よりも外周側(同図における左寄り)を通過することとなる。この結果、記録素子3wを介して測定用信号が書き込まれる半径方向の位置が磁気ディスク10の回転方向に沿った各回転位置毎に記録素子3wの通過位置に応じて相違することとなる。
次いで、制御部7は、位置Pr2よりも外周側の例えば位置Pr2aを再生素子3rの中心C3rが通過する位置において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、磁気ディスク10の1回転に亘って再生素子3rを介して測定用信号を読み出し、その再生信号の出力レベルの平均値を取得する。また、制御部7は、サーボトラックのトラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させて中心C3rが位置Pr2bを通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、磁気ディスク10の1回転に亘って再生素子3rを介して測定用信号を読み出し、その再生信号の信号レベルの平均値を取得する処理を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に破線L2で示すような出力レベルの平均値が取得される。
次いで、制御部7は、位置P31において、トラックピッチに対する1/10だけ位置Pr2よりも内周側の位置Pr3を再生素子3rの中心C3rが通過する位置において磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ記録素子3wを介して測定用信号を書き込むと共に、磁気ヘッド3を位置Pr3よりも外周側の所定位置に移動させた状態において測定用信号の読み出しおよび再生信号の出力レベルの平均値の取得を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に実線L3で示すような出力レベルの平均値が取得される。同様にして、制御部7は、再生素子3rの中心C3rが位置Pr4,Pr5を通過する位置において磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ記録素子3wを介して測定用信号を書き込むと共に、磁気ヘッド3を位置Pr4,Pr5よりも外周側の所定位置に移動させた状態において測定用信号の読み出しおよび再生信号の出力レベルの平均値の取得を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に破線L4および二点鎖線L5で示すような出力レベルの平均値が取得される。
次いで、制御部7は、上記の処理における測定用信号の読み出し時において最も高い出力レベルの平均値(この例では、矢印C3で示す出力レベル)の再生信号が磁気ヘッド3から出力された際の再生素子3rの位置(この例では、位置Pr3n)と、その再生信号の元となる測定用信号の書き込み時における再生素子3rの位置(この例では、位置P3r)とを特定する。なお、上記の例における位置Pr1,Pr2・・Pr5のピッチ(この例では、サーボトラックのトラックピッチに対する1/10のピッチ)が小さいときには、「出力レベルの平均値が最も高い測定用信号の書き込み時における再生素子3rの位置」が複数存在することがある。この際には、複数の位置のうちの任意の位置(一例として、各位置のうちの半径方向における中央部の位置)を特定する。続いて、制御部7は、特定した位置Pr3n,Pr3のデータトラックパターン20tの半径方向に沿った距離を特定し、特定した距離をその半径位置(この例では、位置P31の半径位置に対応する基準オフセット量(図7参照)として記憶部8に記憶させる。
この後、制御部7は、位置P32の半径位置、位置P33の半径位置、位置P34の半径位置、位置P35の半径位置、位置P36の半径位置、位置P37の半径位置、および位置P38の半径位置の7つの半径位置についても、位置P31の半径位置についての上記の一連の処理と同様にして基準オフセット量をそれぞれ取得して記憶部8に記憶させる。これにより、図7に示すように、磁気ディスク10上の各半径位置に対応する基準オフセット量がそれぞれ取得される。この場合、制御部7は、各半径位置毎の基準オフセット量を記憶部8に記憶させる際に、一例として、各位置P31〜38のセクタのトラック番号に関連付けて記憶させる。また、各位置P31〜38のセクタ以外の半径位置については、取得した基準オフセット量を用いた補完処理によって求めて、対応する半径位置のデータ記録トラックのトラック番号に関連付けて記憶部8に記憶させる。以上により、本発明における基準オフセット量取得処理が完了する。この場合、このオフセット量情報取得処理では、上記の基準オフセット量取得処理時において磁気ディスク10の1回転に亘って測定用信号を読み出し、その出力レベルの平均値を取得して基準オフセット量を取得している。したがって、所定の基準オフセット量に対応する同一パターン半径位置と、その基準オフセット量に対応する同一回転半径位置とが実質的に同一の半径位置となっている。
なお、上記の例では、制御対象領域31a〜38hに対応させて磁気ディスク10の半径方向における8つの位置(この例では、位置P31〜P38)の各半径位置の基準オフセット量を取得すると共に、その他の半径位置については補完処理によって求めて記憶部8に記憶させているが、基準オフセットを取得する方法はこれに限定されない。例えば、制御対象領域31a〜38hとは無関係に磁気ディスク10の内周部から外周部まで予め規定された所定のピッチで基準オフセット量を取得すると共に、取得した基準オフセット量を用いた補完処理によってその他の半径位置の基準オフセット量を取得する方法を採用することもできる。また、上記の例では、各半径位置毎の基準オフセット量を記憶部8に記憶させる際に、対応する半径位置のデータ記録トラックのトラック番号に関連付けて記憶させているが、対応する半径位置のサーボトラックのトラック番号に関連付けて記憶させることもできる。
次いで、制御部7は、本発明における離間距離取得処理を実行する。具体的には、制御部7は、モータ2を制御して磁気ディスク10を回転させると共に、ドライバ6を制御することによって、一例として、磁気ヘッド3が磁気ディスク10の内周側に位置する状態においてスイングアーム4aをリミッター(回動規制部材)に押し付けた状態を維持させる。この際に、スイングアーム4aがリミッターに押し付けられた状態が維持されることにより、磁気ヘッド3は、磁気ディスク10における同一回転半径位置(回転中心Crを中心とする所定の半径位置)に位置することとなる。また、データトラックパターン20t等のパターン中心Cpと磁気ディスク10の回転中心Crとが位置ずれしているため(磁気ディスク10がモータ2に対して偏心して取り付けられているため)、再生素子3rの中心C3rは、図6に破線で示すように、同一回転半径位置を通過することによって、複数のサーボトラックおよび複数のデータ記録トラック(この例では、領域41a〜41h内のサーボトラックおよびデータ記録トラック)を跨ぐようにして周方向において隣接する複数のセクタの上を通過する。
また、制御部7は、磁気ヘッド3が通過する各セクタにおけるサーボパターン領域Asのアドレスパターン領域Aaからトラック番号およびセクタ番号を順次読み出すと共に、読み出したトラック番号およびセクタ番号を記憶部8に記憶させる。この際に、読み出したセクタ番号に基づいて、磁気ヘッド3(再生素子3r)が磁気ディスク10の回転方向におけるいずれの位置(本発明における回転位置)に位置しているかを特定することができる。また、読み出したトラック番号と、基準とするサーボトラック(または、データ記録トラック)(一例として、制御対象領域31a〜31h内の各サーボトラックのうちの最内周のサーボトラック)のトラック番号とに基づいて、破線で示す同一回転半径位置と、制御対象領域31a〜31h内の各サーボトラックのうちの最内周のサーボトラックの同一パターン半径位置との間に存在するサーボトラックの数(すなわち、同一回転半径位置と同一パターン半径位置との間の半径方向に沿った離間距離)を各回転位置毎に特定することができる。
したがって、制御部7は、離間距離として取得したサーボトラックのトラック数をセクタ番号(回転位置に関する情報の一例)に関連付けて記憶部8に記憶させる。これにより、図9に示すように、磁気ヘッド3(再生素子3r)が位置した各回転位置(位置P41a,P41b・・P41h等)に応じた離間距離についての情報が記憶部8に記憶される。この場合、上記の例では、磁気ヘッド3が磁気ディスク10の内周側に位置する状態においてスイングアーム4aをリミッター(回動規制部材)に押し付けた状態において離間距離を取得しているが、例えば、磁気ヘッド3が磁気ディスク10の外周側に位置する状態においてスイングアーム4aをリミッターに押し付けた状態(磁気ヘッド3が図6に示す一点鎖線を通過する状態)において離間距離を取得することもできる。また、上記の例では、磁気ヘッド3が通過した同一回転半径位置と、制御対象領域31a〜31h内の各サーボトラックのうちの最内周のサーボトラックの同一パターン半径位置との間の離間距離を取得しているが、例えば、磁気ヘッド3が通過した同一回転半径位置とパターン中心Cpとの間の離間距離を取得した場合においても、各回転半径位置毎の離間距離の相違量は、上記の例と同様となる。以上により、本発明における離間距離取得処理が完了する。
続いて、制御部7は、本発明におけるオフセット量特定処理を実行して、各制御対象領域31a〜38hの対応するオフセット量を特定する。このオフセット量特定処理では、制御部7は、上記の基準オフセット量取得処理によって取得した基準オフセット量と、離間距離取得処理によって取得した離間距離(各回転位置毎のトラック数の情報)とに基づいて各制御対象領域31a〜38h毎のオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doを生成する処理を実行する。具体的には、制御部7は、まず、上記の離間距離取得処理によって取得した離間距離に基づき、最大の離間距離と最小の離間距離との中間の離間距離が取得された回転位置を特定する。この際には、一例として、図9に示すように、位置P41a,P41eが特定される。
次いで、制御部7は、各制御対象領域31a〜38hのそれぞれのオフセット量を演算する。具体的には、パターン中心Cpに対して、上記の位置P41a,P41eと同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域31a〜38a,31e〜38e(パターン中心Cpからの距離(パターン半径)と、回転中心Crからの距離(回転半径)とが等しい領域)については、基準オフセット量取得処理時にその制御対象領域内において半径方向および回転方向の両方向で中央部に位置するセクタと同一のパターン半径位置に対応する基準オフセット量として記憶部8に記憶させた値(磁気ディスク10の1回転当りにおける再生信号の出力レベルの平均値に基づいて取得されることで、同一パターン半径位置と同一回転半径位置とが実質的に同一となっている半径位置に対応する基準オフセット量)がその制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量として規定される。この際に、例えば、制御対象領域31a,31eに対応するオフセット量としては、その中央部のセクタと同一パターン半径位置に位置する位置P31の半径位置に対応する基準オフセット量が規定され、制御対象領域38a,38eに対応するオフセット量としては、その中央部のセクタと同一パターン半径位置に位置する位置P38の半径位置に対応する基準オフセット量が規定される。
また、制御対象領域31b〜38b,31c〜38c,31d〜38dのように、離間距離取得処理時において、上記の位置P41a,P41eよりも長い離間距離(トラック数)が取得された位置P41b〜P41dと同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域(パターン中心Cpからの距離(パターン半径)と、回転中心Crからの距離(回転半径)とが相違し、「パターン半径<回転半径」となっている領域)については、各々の離間距離として取得されたトラック数から、上記の位置P41a,P41eの離間距離として取得されたサーボトラックのトラック数に対応するデータ記録トラックのトラック数を減じたトラック数分だけその制御対象領域の中央部のデータ記録トラックから外周側に位置しているデータ記録トラックのトラック番号に関連付けられた基準オフセット量(この例では、基準オフセット量取得処理時において、補完処理によって求められた基準オフセット量)がその制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量として規定される。
さらに、制御対象領域31f〜38f,31g〜38g,31h〜38hのように、離間距離取得処理時において、上記の位置P41a,P41eよりも短い離間距離(トラック数)が取得された位置P41f〜P41hと同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域(パターン中心Cpからの距離(パターン半径)と、回転中心Crからの距離(回転半径)とが相違し、「パターン半径>回転半径」となっている領域)については、各々の離間距離として取得されたトラック数から、上記の位置P41a,P41eの離間距離として取得されたサーボトラックのトラック数に対応するデータ記録トラックのトラック数を減じたトラック数分だけその制御対象領域の中央部のデータ記録トラックから内周側に位置しているデータ記録トラックのトラック番号に関連付けられた基準オフセット量がその制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量として規定される。
このように、基準オフセット量取得処理によって取得した各半径位置(各データ記録トラック)毎の基準オフセット量と、離間距離取得処理によって取得した各回転位置(各セクタ)毎の離間距離(トラック数)とに基づいて、各制御対象領域31a〜38hの64個の制御対象領域について、対応するオフセット量が規定されて、このオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doが制御部7によって生成されて記憶部8に記憶される。この後、制御部7は、生成したオフセット量情報Doを記憶部8に記憶させて、このオフセット量情報取得処理を終了する。これにより、記憶部8に記憶されたオフセット量情報Doを用いて前述したようにしてトラッキングサーボ制御が実行される。
次いで、ハードディスクドライブ1によるオフセット量情報取得処理の実施形態の他の一例について、図面を参照して説明する。なお、上記のオフセット量情報取得処理の実施形態において説明した内容と重複する内容については、その説明を省略する。
まず、制御部7は、本発明における離間距離取得処理を実行する。なお、この離間距離取得処理については、前述した離間距離取得処理と同様の手順のため、その説明を省略する。次いで、制御部7は、本発明における基準オフセット量取得処理を実行する。この場合、前述したオフセット量情報取得処理では、本発明における基準オフセット量取得処理時において、制御部7が磁気ディスク10の一回転に亘って測定用信号を書き込み、書き込んだ測定用信号についての再生信号の一回転当りの平均値に基づいて各半径位置の基準オフセット量を求めているが、このオフセット量情報取得処理における基準オフセット量取得処理時においては、磁気ディスク10上の任意の一部に測定用信号を書き込み、書き込んだ測定用信号についての再生信号に基づいて各半径位置の基準オフセット量を求める。
具体的には、制御部7は、まず、上記の離間距離取得処理によって取得した磁気ディスク10における各回転位置毎の離間距離に基づき、基準オフセット量取得処理時に測定用信号の書き込みおよび読み出しを実行する領域を特定する。この際には、最大の離間距離と最小の離間距離との中間の離間距離が取得された回転位置、すなわち、パターン中心Cpからの距離(パターン半径)と、回転中心Crからの距離(回転半径)とが等しい回転位置(この例では、位置P41a,P41eの回転位置)を特定する。次いで、制御部7は、パターン中心Cpに対して、特定した両回転位置のうちのいずれか一方(一例として、位置P41aの回転位置)と同じ方向に位置する制御対象領域(制御対象領域31a〜38a)内に測定用信号を書き込む旨を決定する。この際に、制御部7は、一例として、制御対象領域31aにおける位置P31の半径位置、制御対象領域32aにおける位置P32の半径位置、制御対象領域33aにおける位置P33の半径位置、制御対象領域34aにおける位置P34の半径位置、制御対象領域35aにおける位置P35の半径位置、制御対象領域36aにおける位置P36の半径位置、制御対象領域37aにおける位置P37の半径位置、および制御対象領域38aにおける位置P38の半径位置の8つの半径位置(本発明における「所定のピッチ」の一例:図6参照)において、対応する8つの基準オフセット量を取得する旨を決定する。
この際に、制御部7は、一例として、位置P31の半径位置の基準オフセット量については、制御対象領域31a内において位置P31に位置するセクタのデータトラックパターン領域At(データ記録トラック)に対して、測定用信号の書き込みと、書き込んだ測定用信号の読み出しとを複数回に亘って実行することでオフセット量を取得し、位置P32の半径位置の基準オフセット量については、制御対象領域32a内において位置P32に位置するセクタのデータトラックパターン領域At(データ記録トラック)に対して、測定用信号の書き込みと、書き込んだ測定用信号の読み出しとを複数回に亘って実行することでオフセット量を取得する。また、制御部7は、位置P33〜P38の各半径位置の基準オフセット量については、位置P31,P32の半径位置についてのオフセット量の取得時と同様にして、制御対象領域33a〜38a内において各位置P33〜P38に位置するセクタのデータトラックパターン領域At(データ記録トラック)に対して、測定用信号の書き込みと、書き込んだ測定用信号の読み出しとを複数回に亘って実行することでそれぞれオフセット量を取得する。
具体的には、制御部7は、モータ2を制御して磁気ディスク10を回転させつつ、図10に示すように、一例として、再生素子3rの中心C3rが上記の位置P31において位置Pr1を通過するように磁気ヘッド3を位置させた状態で磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、記録素子3wを介してデータ記録トラックに測定用信号を書き込む。この際に、記録素子3wは、その中心C3wが位置Pw1を通過する位置に位置する。次いで、制御部7は、位置Pr1よりも外周側の例えば位置Pr1aを中心C3rが通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態において、磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、再生素子3rを介して測定用信号を読み出し、その再生信号の出力レベルを取得する。この際には、再生素子3rの読み出し幅方向の一部が測定用信号の記録領域と重なる状態となるため、同図に矢印C1で示す出力レベルで磁気ヘッド3から再生信号が出力される。
次いで、制御部7は、一例として、サーボトラックのトラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させて再生素子3rの中心C3rが位置P31において位置Pr1bを通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態で再生素子3rを介して測定用信号を読み出す。この際には、再生素子3rの読み出し幅方向におけるさらに多くの部位が測定用信号の記録領域と重なる状態となるため、同図に矢印C2で示す出力レベルで磁気ヘッド3から再生信号が出力される。このように、トラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させ、その都度、測定用信号を読み出すことにより、再生素子3rの位置に応じて同図に一点鎖線L1で示すような出力レベルで磁気ヘッド3から再生信号が出力される。
続いて、制御部7は、上記の処理によって書き込んだ測定用信号を消去した後に、再生素子3rの中心C3rが一例として、位置P31においてサーボトラックのトラックピッチに対する1/10だけ位置Pr1よりも内周側の位置Pr2を通過するように磁気ヘッド3を位置させた状態で磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、記録素子3wを介してデータ記録トラックに測定用信号を書き込む。なお、同図では、本発明についての理解を容易とするために、サーボトラックのトラックピッチに対する1/10よりも大きく磁気ヘッド3を移動させた状態(位置Pr1,Pr2間の距離がサーボトラックのトラックピッチに対する1/10よりも長い状態)を図示している。
この際に、記録素子3wは、その中心C3wが位置Pw2を通過する位置に位置する。次いで、制御部7は、再生素子3rの中心C3rが位置Pr2よりも外周側の例えば位置Pr2aを通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態で磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、再生素子3rを介して測定用信号を読み出し、その再生信号の出力レベルを取得する。また、制御部7は、サーボトラックのトラックピッチに対する1/20だけ内周側に磁気ヘッド3を移動させて、再生素子3rの中心C3rが位置Pr2bを通過するように磁気ヘッド3を移動させた状態で磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、再生素子3rを介して測定用信号を読み出す処理を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に破線L2で示すような出力レベルで測定用信号が読み出される。
次いで、制御部7は、位置P31において、サーボトラックのトラックピッチに対する1/10だけ位置Pr2よりも内周側の位置Pr3を再生素子3rの中心C3rが通過する位置で(記録素子3wの中心C3wが位置Pw3を通過する位置で)磁気ヘッド3をトラッキングサーボ制御しつつ、測定用信号を書き込むと共に、磁気ヘッド3を外周側の所定位置に移動させた状態において測定用信号を読み出す処理を開始し、その後に、トラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させた状態において、再生素子3rを介して測定用信号を読み出す処理を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に実線L3で示すような出力レベルで磁気ヘッド3から再生信号が出力される。
同様にして、制御部7は、再生素子3rの中心C3rが位置P31において位置Pr4,Pr5を通過する位置で(記録素子3wの中心C3wが位置Pw4,Pw5を通過する位置で)測定用信号を書き込むと共に、磁気ヘッド3を外周側の所定位置に移動させた状態において測定用信号を読み出す処理を開始し、その後に、トラックピッチに対する1/20だけ磁気ヘッド3を内周側に移動させた状態において、再生素子3rを介して測定用信号を読み出す処理を繰り返して実行する。これにより、再生素子3rの位置に応じて同図に破線L4および二点鎖線L5で示すような出力レベルで磁気ヘッド3から再生信号が出力される。
次いで、制御部7は、上記の処理において測定用信号の読み出し時において最も高い出力レベル(この例では、矢印C3で示す出力レベル)の再生信号が磁気ヘッド3から出力された際の再生素子3rの位置(この例では、位置Pr3n)と、その再生信号の元となる測定用信号の書き込み時における再生素子3rの位置(この例では、位置P3r)とを特定する。なお、上記の例における位置Pr1,Pr2・・Pr5のピッチ(この例では、サーボトラックのトラックピッチに対する1/10のピッチ)が小さいときには、「出力レベルが最も高い測定用信号の書き込み時における再生素子3rの位置」が複数存在することがある。この際には、複数の位置のうちの任意の位置(一例として、各位置のうちの半径方向における中央部の位置)を特定する。続いて、制御部7は、特定した位置Pr3n,Pr3のデータトラックパターン20tの半径方向に沿った距離を特定し、特定した距離をそのセクタ(この例では、制御対象領域31aの中央部のセクタ)に対応するオフセット量、すなわち、位置P31の半径位置の基準オフセット量(図7参照)として記憶部8に記憶させる。
この後、制御部7は、位置P32の半径位置、位置P33の半径位置、位置P34の半径位置、位置P35の半径位置、位置P36の半径位置、位置P37の半径位置、および位置P38の半径位置の7つの半径位置に対応する7つの基準オフセット量についても、上記の位置P31の半径位置における基準オフセット量の取得時と同様の手順によって対応する基準オフセット量をそれぞれ取得して記憶部8に記憶させる。これにより、図7に示すように、磁気ディスク10上の各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量がそれぞれ取得される。この場合、制御部7は、各半径位置毎の基準オフセット量を記憶部8に記憶させる際に、一例として、上記の測定用信号の書き込みおよび読み出しを実行したセクタ(オフセット量を実測したセクタ)の半径位置におけるデータ記録トラックのトラック番号に関連付けて記憶させる。
また、オフセット量を実測したセクタの半径位置以外の半径位置については、実測したオフセット量を用いた補完処理によって求めて、対応する半径位置におけるデータ記録トラックのトラック番号に関連付けて記憶部8に記憶させる。この場合、各半径位置毎の基準オフセット量を記憶部8に記憶させる際に、対応する半径位置のデータ記録トラックのトラック番号に関連付けてさせているが、対応する半径位置のサーボトラックのトラック番号に関連付けて記憶させることもできる。以上により、本発明における基準オフセット量取得処理が完了する。なお、上記の例では、一例として、制御対象領域31a〜38hに対応させて「位置P31〜位置P38の半径位置の基準オフセット量」を実測して記憶部8に記憶させているが、制御対象領域31a〜38aとは無関係に磁気ディスク10の内周部から外周部まで予め規定された所定のピッチでオフセット量を実測すると共に、その他の半径位置については、補完処理によってオフセット量を求めることで、図7に示す基準オフセット量を取得する方法を採用することもできる。
次いで、制御部7は、本発明におけるオフセット量特定処理を実行して、各制御対象領域31a〜38hの対応するオフセット量を特定する。このオフセット量特定処理では、制御部7は、上記の基準オフセット量取得処理によって取得した基準オフセット量と、離間距離取得処理によって取得した離間距離(各回転位置毎のトラック数の情報)とに基づいて各制御対象領域31a〜38h毎のオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doを生成する処理を実行する。
具体的には、パターン中心Cpに対して、最大の離間距離と最小の離間距離との中間の離間距離が取得された回転位置として特定している位置(この例では、位置P41a,P41e)と同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域31a〜38a,31e〜38e(パターン中心Cpに対して、基準オフセット量取得処理時に測定用信号を書き込んだ領域と同じ方向に位置する各領域、およびそれらの領域に対してパターン中心Cpを挟んで対向する各領域:パターン半径と回転半径とが等しい各領域)については、基準オフセット量取得処理時にその制御対象領域内において半径方向および回転方向の両方向で中央部に位置するセクタと同一のパターン半径位置に対応する基準オフセット量として記憶部8に記憶させた値をその制御対象領域に対応するオフセット量として規定する。この際に、例えば、制御対象領域31a,31eに対応するオフセット量としては、その中央部のセクタが同一パターン半径位置に位置する位置P31の半径位置に対応する基準オフセット量が規定され、制御対象領域38a,38eに対応するオフセット量としては、その中央部のセクタが同一パターン半径位置に位置する位置P38の半径位置に対応する基準オフセット量が規定される。
また、制御対象領域31b〜38b,31c〜38c,31d〜38dのように、離間距離取得処理時において、位置P41a,P41eよりも長い離間距離(トラック数)が取得された位置P41b〜P41dと同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域については、各々の離間距離として取得されたトラック数から、上記の位置P41a,P41eの離間距離として取得されたサーボトラックのトラック数に対応するデータ記録トラックのトラック数を減じたトラック数分だけ、その制御対象領域の中央部のデータ記録トラックから外周側に位置しているデータ記録トラックのトラック番号に関連付けられている基準オフセット量(この例では、基準オフセット量取得処理時において、補完処理によって求められた基準オフセット量)がその制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量として規定される。
さらに、制御対象領域31f〜38f,31g〜38g,31h〜38hのように、位置P41a,P41eよりも短い離間距離(トラック数)が取得された位置P41f〜P41gと同一方向(同一の回転位置)に存在する制御対象領域については、各々の離間距離として取得されたトラック数から、上記の位置P41a,P41eの離間距離として取得されたサーボトラックのトラック数に対応するデータ記録トラックのトラック数を減じたトラック数分だけ、その制御対象領域の中央部のデータ記録トラックから内周側に位置しているデータ記録トラックのトラック番号に関連付けられている基準オフセット量(この例では、基準オフセット量取得処理時において、補完処理によって求められた基準オフセット量)がその制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量として規定される。
このように、基準オフセット量取得処理によって取得した各同一パターン半径位置毎の基準オフセット量(この例では、各データ記録トラック毎の基準オフセット量であり、かつ、各同一回転半径位置毎の基準オフセット量)と、離間距離取得処理によって取得した各回転位置(各セクタ)毎の離間距離(トラック数)とに基づいて、各制御対象領域31a〜38hの64個の制御対象領域について、対応するオフセット量が規定されて、このオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doが制御部7によって生成されて記憶部8に記憶される。この後、制御部7は、生成したオフセット量情報Doを記憶部8に記憶させて、このオフセット量情報取得処理を終了する。これにより、記憶部8に記憶されたオフセット量情報Doを用いて前述したようにしてトラッキングサーボ制御が実行される。
このように、このハードディスクドライブ1および制御部7によるトラッキングサーボ制御方法では、制御部7が、複合型の磁気ヘッド3における再生素子3rおよび記録素子3wのいずれか一方の素子(この例では、記録素子3w)に対するトラッキングサーボ制御時において、記憶部8に記憶されているオフセット量情報Doに基づいて特定したオフセット量に応じて調整量を磁気ディスク10の1回転当りに1回以上変化させて磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する。これにより、このハードディスクドライブ1およびトラッキングサーボ制御方法によれば、1つのデータ記録トラックにつき1つの調整量(オフセット量)を用いたトラッキングサーボ制御が実行される従来の記録再生装置とは異なり、データトラックパターン20tの周方向に沿った各記録再生位置に対応するオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整することで、磁気ディスク10の一回転に亘って記録素子3wをデータ記録トラックに確実にオントラックさせることができる。
したがって、データ記録トラックに対する磁気的信号の書き込み幅が不足する事態(記録エラーの発生)を招くことなく、十分な書き込み幅でデータ記録トラックに磁気的信号を書き込むことができる結果、その磁気的信号の再生時において、十分に高い出力レベルの再生信号を得ることができる。これにより、再生エラーを招くことなく、記録データを正常に再生することができる。また、サイドライト現象を招くことなく、所望のデータ記録トラックに対してのみ、確実に記録データを記録することができる。
また、このハードディスクドライブ1では、制御部7が、所定の1つの制御対象領域に含まれるデータ記録トラックに再生素子3rおよび記録素子3wのいずれか一方の素子(この例では、記録素子3w)をトラッキングさせる際にその1つの制御対象領域に対応して規定されたオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する。これにより、このハードディスクドライブ1によれば、例えば、磁気ディスク10上における各回転位置毎のスイングアーム4aの回動量に応じて磁気ヘッド3のヘッド位置の調整量を連続的に無段階で変更する構成とは異なり、各制御対象領域31a〜38h毎に個別的に用意されたオフセット量に基づいて、各制御対象領域31a〜38h毎の調整量を容易に求めることができるため、制御部7によるトラッキングサーボ制御が容易となる分だけ、十分に高速なトラッキングサーボ制御を実行することができる。したがって、磁気ディスク10を高速回転させるときにおいても、磁気ヘッド3(記録素子3w)を所望のデータ記録トラックに対して確実にオントラックさせることができる。
さらに、このハードディスクドライブ1では、制御部7が、一例として、以下の2通りのオフセット量情報取得処理のいずれかを実行してオフセット量情報Doを生成する。具体的には、第1の処理方法では、制御部7が、磁気ディスク10上の各同一回転半径位置(この例では、同一回転半径位置および同一パターン半径位置の双方に相当する半径位置)に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、磁気ディスク10上の所定の同一パターン半径位置と各同一回転半径位置のうちの所定の1つとの間の磁気ディスク10の回転半径方向に沿った離間距離を磁気ディスク10の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量および各回転位置に対応する離間距離に基づいて磁気ディスク10上の制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、特定したオフセット量に基づいてオフセット量情報Doを生成する。
第2の処理方法では、制御部7が、磁気ディスク10上の各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、磁気ディスク10上の所定の同一回転半径位置と各同一パターン半径位置のうちの所定の1つとの間のデータトラックパターン20tの半径方向に沿った離間距離を磁気ディスク10の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量および各回転位置に対応する離間距離に基づいて磁気ディスク10上の制御対象領域内のセクタ(本発明における所望の記録再生位置)に対応するオフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、特定したオフセット量に基づいてオフセット量情報Doを生成する。
これにより、このハードディスクドライブ1によれば、例えば、磁気ディスク10の一枚当りにおける制御対象領域の数が多いときにおいて、各制御対象領域毎にオフセット量を個別的に測定してオフセット量情報Doを生成する構成の記録再生装置と比較して、オフセット量情報Doの生成に要する時間を十分に短縮することができる。
また、このハードディスクドライブ1では、制御部7が、上記の基準オフセット量取得処理時において、各半径位置のトラック番号に関連付けて本発明における基準オフセット量を取得し、離間距離取得処理時において、同一回転半径位置の各セクタからセクタ番号およびトラック番号を読み出すと共に、所定の同一回転半径位置の各セクタを各回転位置として、基準トラックのトラック番号と、各セクタ毎のトラック番号とに基づいて各セクタと基準トラックとの間のトラック数を本発明における離間距離としてそれぞれ取得し、オフセット量特定処理時において、所望の記録再生位置(この例では上記した制御対象領域内の所望のセクタ)と同方向に位置するセクタの離間距離として取得されたサーボトラックのトラック数に対応するデータ記録トラックのトラック数分だけ所望の記録再生位置から離間するデータ記録トラックのトラック番号に関連付けられた基準オフセット量を所望の記録再生位置のオフセット量として特定する。これにより、このハードディスクドライブ1によれば、本発明における離間距離測定処理時において、例えば磁気ディスク10上の実際の距離を測定する構成とは異なり、一般的なハードディスクドライブに搭載されている機構を利用して離間距離を測定することができるため、実際の距離を測定するための専用の機構を設けなくても済む分だけ、ハードディスクドライブ1の製造コストを低減することができる。
なお、本発明は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、磁気ディスク10をデータトラックパターン20tの半径方向および周方向の両方向に分割した各制御対象領域毎の対応するオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doを用いてトラッキングサーボ制御を実行する構成のハードディスクドライブ1について説明したが、本発明に係る記録再生装置の構成はこれに限定されない。具体的には、一例として、対応するオフセット量がオフセット量情報Doとして記憶部8に記憶されている制御対象領域のうちの所定の1つに含まれるデータ記録トラックに再生素子3rおよび記録素子3wのいずれか一方の素子をトラッキングさせる際には、その1つの制御対象領域に対応して規定されたオフセット量をオフセット量情報Doに基づいて特定すると共に、特定したオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整し、対応するオフセット量が記憶部8に記憶されている制御対象領域以外の制御対象領域のうちの所定の1つに含まれるデータ記録トラックに上記の一方の素子をトラッキングさせる際には、記憶部8に記憶されているオフセット量情報Doを用いた補完処理によってその1つの制御対象領域に対応するオフセット量を求めて、その求めたオフセット量に基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整するように構成することができる。
このような構成を採用したハードディスクドライブによれば、記憶部8内に記憶させるべきオフセット量の数が少なくて済む(オフセット量情報Doのデータサイズが小さくて済む)分だけ、少容量の記憶素子で記憶部8を構成することができる。したがって、ハードディスクドライブの製造コストを十分に低減することができる。
また、基準オフセット量取得処理によって取得した各半径位置に対応する基準オフセット量と、離間距離取得処理によって取得した各回転位置に対応する離間距離とに基づいて各制御対象領域31a〜38hに対応するオフセット量を特定可能なオフセット量情報Doを生成する処理方法について、2通りの処理方向を例に挙げて説明したが、本発明におけるオフセット量情報取得処理は、このような方法に限定されない。例えば、各制御対象領域31a〜38h毎に対応するオフセット量を個別的に測定してオフセット量情報Doを生成することもできる。このような方法によってオフセット量情報Doを生成するように構成したハードディスクドライブによれば、実際の測定によって取得された実体に即した正確なオフセット量でオフセット量情報Doを構成することができる。したがって、トラッキングサーボ制御時において、各制御対象領域31a〜38h毎に実体に即した調整量を求めて正確なヘッド位置の調整を行うことができるため、記録エラー、再生エラー、サイドライト現象およびサイドリード現象の発生を確実に回避することができる。
さらに、各制御対象領域31a〜38hに対応するオフセット量のうちの一部のオフセット量を対応する各制御対象領域毎に個別的に測定すると共に、それ以外のオフセット量を各制御対象領域毎に測定したオフセット量を用いた補完処理によって求め、測定したオフセット量と求めたオフセット量とに基づいてオフセット量情報Doを生成することもできる。このような方法によってオフセット量情報Doを生成するように構成したハードディスクドライブによれば、制御対象領域31a〜38hのすべてを対象としてオフセット量を測定する構成のハードディスクドライブと比較して、磁気ディスク一枚当りのオフセット量の測定回数が少なくて済む分だけ、オフセット量情報Doの生成に要する時間を一層短縮することができる。
また、データトラックパターン領域At内に形成された凸部21(データ記録トラック:記録領域)を用いて基準オフセット量を測定する方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、サーボパターン領域As内のいずれかの凸部21や、データトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asとは別個に設けたオフセット量測定用の領域内の凸部21(図示せず)を用いて基準オフセット量(または、各制御対象領域に対応するオフセット量)を測定する方法を採用することもできる。
さらに、回転方向に沿って連続する10個のセクタを50トラック分だけグループ化した領域を本発明における制御対象領域としてヘッド位置を調整する構成について説明したが、本発明における制御対象領域を構成するセクタの数はこれに限定されず、回転方向に沿って連続する任意の複数のセクタを任意の複数のトラック分だけグループ化した領域を本発明における制御対象領域とすることができる。また、1つの制御対象領域を構成するセクタの半径方向および周方向の数は、複数個に限定されず、1つの制御対象領域を構成するセクタの半径方向の数を1つで、周方向の数を2つ以上として磁気ディスク10上に複数の制御対象領域を規定することができる。さらに、1つの制御対象領域を構成するセクタの周方向の数を1つで、半径方向の数を2つ以上として磁気ディスク10上に複数の制御対象領域を規定することができる。また、磁気ディスク10上の1つのセクタを1つの制御対象領域として規定することもできる。このように、1つの制御対象領域内に含ませるセクタの数については、一例として、1つのオフセット量でヘッド位置を調整したときに正確なトラッキングが可能な範囲内のセクタ数に規定することができる。
また、凹凸パターン20(データトラックパターン20tおよびサーボパターン20s)における各凸部21の突端部から基端部までの全体を磁性層14(磁性材料)で形成した磁気ディスク10を例に挙げて説明したが、本発明における磁気記録媒体の構成はこれに限定されない。具体的には、例えば、図11に示す磁気ディスク10Aのように、ガラス基材11に形成した凹凸パターン(凹凸パターン20と凹凸の位置関係が同様の凹凸パターン)を覆うようにして薄厚の磁性層14を形成することにより、その表面が磁性材料で形成された複数の凸部21と底面が磁性材料で形成された複数の凹部22とによって凹凸パターン20(データトラックパターン20tおよびサーボパターン20s)を構成することができる。さらに、図12に示す磁気ディスク10Bのように、各凸部21のみならず、各凹部22の底部を含めて磁性層14で形成して凹凸パターン20を構成することもできる。また、図13に示す磁気ディスク10Cのように、その突端部のみが磁性層14で形成されて基端部側が非磁性材料または軟磁性材料(この例では、ガラス基材11)で形成された複数の凸部21を備えて凹凸パターン20を構成することもできる。この場合、磁気ディスク10Cにおける凹部22の底面にも薄厚の磁性層14が形成されていてもよい。
さらに、非磁性材料の層に形成した凹部内に上記の磁性層14を構成する磁性材料を埋め込むことで非磁性材料の層における凸部の部位を非記録領域(磁気ディスク10等における凹部22に対応する領域)とし、凹部内に埋め込まれた磁性層の部位を記録領域(磁気ディスク10等における凸部21に対応する領域)として磁気ディスクを構成することもできる(図示せず)。また、磁性材料の層における所望の領域を選択的に変質させることで磁気的信号を読み出し可能に保持する能力が周囲よりも低い領域、または、その能力を実質的に有しない領域を形成し、磁気的信号を読み出し可能に保持する能力が高い領域を記録領域(磁気ディスク10等における凸部21に対応する領域)とし、磁気的信号を読み出し可能に保持する能力が低い領域を非記録領域(磁気ディスク10等における凹部22に対応する領域)として磁気ディスクを構成することもできる(図示せず)。
さらに、データトラックパターン20tおよびサーボパターン20sの双方を凸部21および凹部22を有する凹凸パターン20で構成した例について説明したが、本発明における磁気記録媒体はこれに限定されず、サーボパターン領域As内に凹凸パターン20でサーボパターン20sを形成すると共に、データトラックパターン領域At内に連続磁性膜(凹凸が存在しない平坦な磁性層14)を形成して記録データの記録再生を可能に構成することもできる。また、サーボパターン領域Asおよびデータトラックパターン領域Atの双方を連続磁性膜で構成してサーボパターン領域As内に磁気的パターンによってサーボパターンを書き込むと共に、記録データの記録時に記録素子3wが通過した位置にデータ記録トラックが形成される連続記録膜型の磁気ディスクを搭載したハードディスクドライブに本発明に係る記録再生装置の構成を採用することができる。
このような連続記録膜型の磁気ディスクを搭載したハードディスクドライブでは、例えば、図18の左図に示すように、再生素子3rが位置P1においてサーボパターンによって規定される仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置している状態において記録素子3wを介して磁気的信号が書き込まれたときには、そのトラック中心Ctから距離Haだけ離間した部位(破線L11aで示す部位)をトラック中心Ctxとして実際のデータ記録トラックが形成される。したがって、記録データの読み出し時においては、図14の左図に示すように、上記の位置P1の近傍においては、オフセット量としての距離Haに基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整することで、実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctx(同図に破線L11aで示す部位)に再生素子3rの中心C3rを一致させる(再生素子3rをデータ記録トラックにオントラックさせる)ことができる。
また、図18の右図に示すように、再生素子3rが位置P2において仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置している状態において記録素子3wを介して磁気的信号が書き込まれたときには、そのトラック中心Ctから距離Hbだけ離間した部位(破線L11bで示す部位)をトラック中心Ctxとして実際のデータ記録トラックが形成される。したがって、記録データの読み出し時においては、図14の右図に示すように、上記の位置P2の近傍においては、オフセット量としての距離Hbに基づいて求めた調整量を目標値として磁気ヘッド3のヘッド位置を調整することで、実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctx(同図に破線L11bで示す部位)に再生素子3rの中心C3rを一致させる(再生素子3rをデータ記録トラックにオントラックさせる)ことができる。
このため、磁気ディスク10Dを搭載したハードディスクドライブにおいては、本発明における「一方の素子」としての再生素子3rに対するトラッキングサーボ制御時において、各再生位置に対応するオフセット量となるように、磁気ディスク10Dの1回転当りにオフセット量を1回以上変化させる構成を採用すればよい。このように、磁気ディスク10Dを備えて本発明に係るトラッキングサーボ制御方法に従ってトラッキングサーボ制御を実行するように構成されたハードディスクドライブ(記録再生装置)よれば、データトラックパターンの周方向に沿った各記録再生位置に対応するオフセット量で磁気ヘッド3のヘッド位置を調整して磁気ディスク10Dの一回転に亘って再生素子3rをデータ記録トラックに確実にオントラックさせることができる。したがって、データ記録トラックからの磁気的信号の読み出し幅が不足する事態を招くことなく、十分な読み出し幅でデータ記録トラックから磁気的信号を読み出すことができる結果、十分に高い出力レベルの再生信号を得ることができる。これにより、再生エラーを招くことなく、記録データを正常に再生することができる。また、サイドリード現象を招くことなく、所望のデータ記録トラックのみから、確実に記録データを読み出すことができる。
なお、磁気ディスク10Dを搭載したハードディスクドライブにおいては、上記のように、記録データの読み出し時(再生時)においてオフセット量に応じて再生素子3rをデータ記録トラックにオントラックさせるように磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する構成に限定されない。例えば、前述した磁気ディスク10を搭載したハードディスクドライブ1と同様にして、記録データの書き込み時(記録時)においてオフセット量に応じて磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する構成を採用することもできる。加えて、各制御対象領域毎に1つのオフセット量を用いたトラッキングサーボ制御を実行する例について説明したが、例えば、1つのセクタ内であってもスイングアーム4aの回動に伴ってオフセット量を連続的に無段階または多段階で変更して磁気ヘッド3をトラッキングさせる構成を採用することができる。このような構成を採用することで、制御対象領域内において1つのオフセット量を用いてトラッキングサーボ制御する構成よりも一層高精度なヘッド位置調整を行うことができる。
ハードディスクドライブ1の構成を示す構成図である。 磁気ディスク10,10A〜10Dの平面図である。 磁気ディスク10の断面図である。 磁気ディスク10,10A〜10Cにおけるデータトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asの平面図である。 左図は、磁気ヘッド3における記録素子3wを所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図であり、右図は、記録素子3wを他の所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図である。 回転中心Crとパターン中心Cpとの位置ずれ状態について説明するための磁気ディスク10,10A〜10Dの平面図である。 磁気ヘッド3の半径方向における位置と、各位置におけるオフセット量との関係について説明するための説明図である。 各半径位置においてオフセット量OWを取得する方法について説明するための磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図である。 所定の同一パターン半径位置と所定の同一回転半径位置との間の各回転位置毎の回転半径方向に沿った離間距離(トラック数)について説明するための説明図である。 各半径位置においてオフセット量OWを取得する他の方法について説明するための磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図である。 磁気ディスク10Aの断面図である。 磁気ディスク10Bの断面図である。 磁気ディスク10Cの断面図である。 左図は、磁気ヘッド3における再生素子3rを所定のセクタにおける実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctxにトラッキングさせる際に距離Haに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図であり、右図は、再生素子3rを他の所定のセクタにおける実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctxにトラッキングさせる際に距離Hbに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図である。 回転中心Crとパターン中心Cpとが位置ずれしている状態における磁気ヘッド3の動きについて説明するための磁気ディスク10,10A〜10Dおよび磁気ヘッド3の平面図である。 左図は、磁気ヘッド3における再生素子3rを所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図であり、右図は、再生素子3rを他の所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図である。 左図は、磁気ヘッド3における記録素子3wを所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctにトラッキングさせる際に距離Haに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図であり、右図は、記録素子3wを他の所定のセクタにおけるデータ記録トラックのトラック中心Ctにトラッキングさせる際に距離Haに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10,10A〜10Cの平面図である。 左図は、磁気ヘッド3における再生素子3rを所定のセクタにおける仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図であり、右図は、再生素子3rを他の所定のセクタにおける仮想的なデータ記録トラックのトラック中心Ctに位置させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図である。 左図は、磁気ヘッド3における再生素子3rを所定のセクタにおける実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctxにトラッキングさせる際に距離Haに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図であり、右図は、再生素子3rを他の所定のセクタにおける実際のデータ記録トラックのトラック中心Ctxにトラッキングさせる際に距離Haに基づいて求めた調整量を目標値としてヘッド位置を調整させた状態の磁気ヘッド3および磁気ディスク10Dの平面図である。
符号の説明
1 ハードディスクドライブ
2 モータ
3 磁気ヘッド
3r 再生素子
3w 記録素子
4 アクチュエータ
4a スイングアーム
5 検出部
6 ドライバ
7 制御部
8 記憶部
10,10A〜10D 磁気ディスク
20s サーボパターン
20t データトラックパターン
31a〜38h 制御対象領域
As サーボパターン領域
At データトラックパターン領域
C3r,C3w 中心
C4 回動中心
Cp パターン中心
Cr 回転中心
Ct,Ctx トラック中心
Do オフセット量情報
Dp 測定処理プログラム
Ds サーボ制御情報
Ha〜Hc 距離
OW オフセット量
S1 サーボ信号
S2 制御信号

Claims (9)

  1. 同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが設けられたトラックパターンを有する回転型の磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体からの磁気的信号の読み出しを行う再生素子および当該磁気記録媒体に対する磁気的信号の書き込みを行う記録素子を有する複合型の磁気ヘッドと、
    前記磁気記録媒体上において前記磁気ヘッドを移動させて前記再生素子および前記記録素子のいずれか一方の素子を前記データ記録トラックにトラッキングさせるトラッキングサーボ制御を実行する制御部と、
    前記トラッキングサーボ制御時において前記磁気ヘッドのヘッド位置を調整する調整量を求めるためのオフセット量を特定可能なオフセット量情報を記憶する記憶部とを備え、
    前記記憶部は、前記オフセット量情報として、前記データ記録トラックの一周当りにおいて互いに相違する少なくとも2つ以上の前記オフセット量を特定する情報を記憶し、
    前記制御部は、前記いずれか一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、前記オフセット量情報に基づいて特定したオフセット量に応じて前記調整量を前記磁気記録媒体の1回転当りに1回以上変化させて前記ヘッド位置を調整する記録再生装置。
  2. 前記記憶部は、前記オフセット量情報として、前記トラックパターンの半径方向および周方向の両方向で前記磁気記録媒体を分割した複数の制御対象領域に対応してそれぞれ規定された前記オフセット量を複数記憶し、
    前記制御部は、前記一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、所定の1つの前記制御対象領域に含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に当該1つの制御対象領域に対応して規定された前記オフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整する請求項1記載の記録再生装置。
  3. 前記記憶部は、前記オフセット量情報として、前記トラックパターンの半径方向および周方向の両方向で前記磁気記録媒体を分割した複数の制御対象領域のうちの一部の制御対象領域に対応してそれぞれ規定された前記オフセット量を複数記憶し、
    前記制御部は、前記一方の素子に対する前記トラッキングサーボ制御時において、前記一部の制御対象領域のうちの所定の1つに含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に当該1つの制御対象領域に対応して規定された前記オフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整すると共に、前記一部の制御対象領域以外の前記制御対象領域のうちの所定の1つに含まれる前記データ記録トラックにトラッキングさせる際に前記オフセット量情報を用いた補完処理によって当該1つの制御対象領域に対応する前記オフセット量を求めて当該求めたオフセット量に基づいて前記調整量を求めて前記ヘッド位置を調整する請求項1記載の記録再生装置。
  4. 前記制御部は、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記磁気記録媒体上の各同一回転半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、前記磁気記録媒体上の所定の同一パターン半径位置と前記各同一回転半径位置のうちの所定の1つとの間の当該磁気記録媒体の回転半径方向に沿った離間距離を当該磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、前記各同一回転半径位置に対応する前記基準オフセット量および前記各回転位置に対応する前記離間距離に基づいて前記磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応する前記オフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、当該特定したオフセット量に基づいて前記オフセット量情報を生成する請求項1から3のいずれかに記載の記録再生装置。
  5. 前記制御部は、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記磁気記録媒体上の各同一パターン半径位置に対応する基準オフセット量を所定のピッチで取得する基準オフセット量取得処理と、前記磁気記録媒体上の所定の同一回転半径位置と前記各同一パターン半径位置のうちの所定の1つとの間の前記トラックパターンのパターン半径方向に沿った離間距離を当該磁気記録媒体の回転方向に沿った各回転位置に対応して所定のピッチで取得する離間距離取得処理と、前記各同一パターン半径位置に対応する前記基準オフセット量および前記各回転位置に対応する前記離間距離に基づいて前記磁気記録媒体上の所望の記録再生位置に対応する前記オフセット量を特定するオフセット量特定処理とを実行して、当該特定したオフセット量に基づいて前記オフセット量情報を生成する請求項1から3のいずれかに記載の記録再生装置。
  6. 前記制御部は、前記基準オフセット量取得処理時において、トラック番号に関連付けて前記基準オフセット量を取得し、前記離間距離取得処理時において、前記磁気記録媒体を回転させつつ、前記磁気ヘッドを前記所定の同一回転半径位置に位置させた状態を維持して当該所定の同一回転半径位置の各セクタから前記再生素子を介してセクタ番号およびトラック番号を読み出すと共に、当該所定の同一回転半径位置の各セクタを前記各回転位置として、前記所定の1つの同一パターン半径位置としての基準トラックのトラック番号と、前記各セクタ毎に読み出されたトラック番号とに基づいて、当該各セクタと当該基準トラックとの間のトラック数を前記離間距離としてそれぞれ取得し、前記オフセット量特定処理時において、前記所定の同一回転半径位置の各セクタのうちの前記パターン中心に対して前記所望の記録再生位置と同方向に位置する当該セクタの前記離間距離として取得された前記トラック数分だけ当該所望の記録再生位置から離間するトラックのトラック番号に関連付けられた前記基準オフセット量を当該所望の記録再生位置のオフセット量として特定する請求項4または5記載の記録再生装置。
  7. 前記制御部は、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記記憶部に記憶させる前記オフセット量のすべてを対応する前記各制御対象領域毎に個別的に測定して当該オフセット量情報を生成する請求項2または3記載の記録再生装置。
  8. 前記制御部は、前記オフセット量情報を生成して前記記憶部に記憶させるオフセット量情報取得処理を実行可能に構成され、当該オフセット量情報取得処理時において、前記記憶部に記憶させるすべての前記オフセット量のうちの一部の当該オフセット量を対応する前記各制御対象領域毎に個別的に測定すると共に、前記記憶部に記憶させるすべての前記オフセット量のうちの前記一部のオフセット量以外のオフセット量を当該一部のオフセット量を用いた補完処理によって求め、前記測定したオフセット量と前記求めたオフセット量とに基づいて前記オフセット量情報を生成する請求項2または3記載の記録再生装置。
  9. 同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが設けられたトラックパターンを有する回転型の磁気記録媒体上において、当該磁気記録媒体からの磁気的信号の読み出しを行う再生素子および当該磁気記録媒体に対する磁気的信号の書き込みを行う記録素子を有する複合型の磁気ヘッドを移動させて当該再生素子および当該記録素子のいずれか一方の素子を前記データ記録トラックにトラッキングさせるトラッキングサーボ制御方法であって、
    前記いずれか一方の素子に対するトラッキングサーボ制御時において、互いに相違する少なくとも2つ以上のオフセット量を特定可能なオフセット情報に基づいて特定した当該オフセット量に応じて前記磁気ヘッドのヘッド位置を調整する調整量を前記磁気記録媒体の1回転当りに1回以上変化させて前記ヘッド位置を調整するトラッキングサーボ制御方法。
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