JP2008207201A - 連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

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【課題】 鋳片に軽圧下を付与しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、軽圧下の効率を高め、最適条件を拡大することが可能であり、近年の厳しい品質要求にも対処可能な中心偏析の軽微な鋳片を製造することのできる連続鋳造鋳片の製造方法を提供する。
【解決手段】 鋳片12の厚み中心部の固相率が0.4以下の時点から鋳片の圧下を開始し、少なくとも鋳片の厚み中心部の固相率が0.7以上になる時点まで鋳片の圧下を継続して連続鋳造鋳片を製造する際に、鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になる時点までは、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保ち、鋳片の厚み中心部の固相率が0.5を超え且つ圧下を継続している時点で、鋳片の長辺側中央部の表面温度を850℃以下とし、かくして中心偏析の軽微な鋳片を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続鋳造鋳片の製造方法に関し、詳しくは、中心偏析の軽微な鋼の連続鋳造鋳片を製造することのできる、連続鋳造鋳片の製造方法に関するものである。
鋼の凝固現象では、炭素、燐、硫黄などの溶質元素は、凝固時の再分配により、通常、未凝固の液相側に濃化される。これがデンドライト樹間に形成されるミクロ偏析である。鋳片が凝固する際の凝固収縮や、連続鋳造機のロール間で発生するバルジングなどによって、鋳片中心部に空隙が形成されたり、負圧が生じたりすると、このミクロ偏析によって濃縮された溶鋼が流動し、鋳片中心部に集積して凝固する。このようにして形成された偏析スポットは、溶鋼の初期濃度に比べ格段に高濃度となっている。これを一般にマクロ偏析と呼び、その存在部位から、中心偏析と呼んでいる。
このような中心偏析は、一般に、鋼製品の品質を劣化させる。例えば、石油・天然ガス輸送用のラインパイプ材においては、サワーガスの作用により中心偏析を起点として水素誘起割れが発生する。また、飲料用の缶製品に用いられる深絞り材においては、成分の偏析により加工性に異方性が出現することもある。そのため、鋳造工程から圧延工程に至るまで、鋳片の中心偏析を低減する対策が多数提案されている。
そのなかで、効果的に鋳片の中心偏析を低減する手段として、連続鋳造機内において、未凝固相を有する凝固末期の鋳片を凝固収縮量程度の圧下量で圧下する方法(以下、「軽圧下」と呼ぶ)が多数提案されている。この軽圧下技術は、圧下量が鋳片の凝固収縮量と熱収縮量とを加えた収縮量と同等の値となるように、つまり、凝固末期の未凝固相の収縮量に応じて凝固界面が鋳片の中心に向かって移動するように、圧下効率を考慮した圧下速度及び圧下量で鋳片を徐々に圧下して、鋳片中心部における空隙の形成を防止すると同時に濃化溶鋼の流動を防止し、これによって鋳片の中心偏析を軽減することを目的としている。
例えば、特許文献1には、鋳片厚み中心部の固相率が0.1ないし0.3から流動限界固相率までの領域で、鋳片表面温度を900℃以下に維持しつつ、0.5mm/分ないし2.5mm/分の圧下速度で鋳片を連続的に軽圧下する方法が提案されている。特許文献2には、鋳型直下で積極的にバルジング力を凝固シェルに作用させて、鋳片内未凝固相の厚さを増大させ、次いで、鋳片を軽圧下することにより、中心偏析の発生を低減する方法が提案されている。
特許文献3には、鋳片を軽圧下しながら、鋳片厚み中心部が凝固完了するまで鋳片表面温度が500℃程度になるまで強冷却し、鋳片の熱収縮速度を0.25〜1.0mm/分の範囲に制御することで、凝固シェルの熱収縮によって未凝固相の体積を減少させ、未凝固相の流動を抑えて中心偏析を軽減する方法が提案されている。特許文献4には、未凝固部を含む鋳片を一旦バルジングさせ、その後、バルジング相当分を軽圧下する技術において、鋳型直下から軽圧下直前までの二次冷却の比水量を、鋳片1kg当たり1.0リットル(以下、「L/鋼kg」と記す)以上、3.0L/鋼kg以下として鋳片表面温度を1000℃未満に制御する方法が提案されている。また、特許文献5には、鋳型直下から鋳片の曲げ矯正点までの二次冷却帯における二次冷却の比水量を1.0L/鋼kg以下として鋳片を表面温度が1000℃以上となるように冷却し、更に、鋳片の曲げ矯正点から軽圧下を開始する位置までの二次冷却帯の比水量を0.2〜1.5L/鋼kgとして鋳片を表面温度が1000℃以下となるように冷却した上で、この鋳片を軽圧下する方法が提案されている。
特開昭62−158555号公報 特開昭62−34461号公報 特開2001−138021号公報 特開平11−123513号公報 特開2001−62551号公報
軽圧下技術では、200mm以上の厚みを有する鋳片の表面を圧下することにより、鋳片中心部の凝固界面にその圧下力を作用させているが、その圧下量の全てが厚み中心部の圧下に有効なわけではなく、鋳片の凝固した部分、つまり凝固シェルの強度・剛性などによって、圧下効率はおよそ10%から70%程度の範囲で変化すると考えられている。
圧下効率が低いと、圧下を付与しても、中心偏析の低減効果は十分には期待できない。それに加えて、圧下効率の低い状態で、それを補うために圧下量を増加させることは、連続鋳造機の鋳片支持ロール及びセグメントなどの構造物に負荷がかかり、設備的な不具合の原因や、ロールベアリングなどの設備寿命低下の原因になる。つまり、軽圧下技術では圧下効率が高くなる条件で鋳片を圧下することが重要となる。
この観点から、上記従来技術を検証すると、上記特許文献1は、鋳片表面温度を900℃以下に維持しつつ、鋳片を連続的に圧下する方法であるが、この方法では、軽圧下を付与する範囲全域に亘って鋳片の表面温度が低いことから、凝固シェルの強度が高く、鋳片圧下の効果は凝固シェルを変形させることに費やされることになり、中心偏析の発生する鋳片厚み中心部における圧下効率は低下する。特に、特許文献2などに示されるように、軽圧下を付与する前に予め鋳片をバルジングさせる場合には、軽圧下付与領域で鋳片表面温度を900℃以下にすることによって、凝固シェルの強度が高くなり、凝固シェルがバルジングした状態のままとなって、軽圧下が十分に作用せず、中心偏析の悪化を招くことになる。尚、特許文献2は、圧下時の鋳片表面温度に関しては具体的に記載していない。
特許文献3は、軽圧下時の鋳片表面温度を500℃程度まで急冷する技術であり、この場合にも、特許文献1と同様に鋳片圧下の効果が凝固シェルを変形させることに費やされることになる。特許文献4,5は表面温度を1000℃以下に制御するとしているが、上限を定めているのみで下限値はなく、どのように制御するのか具体的でない。
即ち、上記特許文献1〜5では、鋳片を軽圧下する場合に具体的にどのように鋳片表面温度を制御すべきかが明確でなく、改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳片の中心偏析を軽減するべく、鋳片に軽圧下を付与しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、軽圧下の効率を高め、最適条件を拡大することが可能であり、近年の厳しい品質要求にも対処可能な鋳片を製造することのできる、連続鋳造鋳片の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明に係る連続鋳造鋳片の製造方法は、鋳片の厚み中心部の固相率が0.4以下の時点から鋳片の圧下を開始し、少なくとも鋳片の厚み中心部の固相率が0.7以上になる時点まで鋳片の圧下を継続して連続鋳造鋳片を製造する際に、鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になる時点までは、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保ち、鋳片の厚み中心部の固相率が0.5を超え且つ圧下を継続している時点で、鋳片の長辺側中央部の表面温度を850℃以下として、中心偏析の軽微な鋳片を製造することを特徴とするものである。
本発明によれば、鋳片を軽圧下するに当たり、二次冷却水量を制御して軽圧下前及び軽圧下中の鋳片の表面温度を所定の範囲に規定するので、軽圧下が最終凝固部に有効に作用し、軽圧下による濃化溶鋼の流動抑制効果が発揮され、且つ、ロール間バルジングも低減できるので、鋳片の中心偏析を大幅に低減することができる。その結果、近年の厳しい品質要求にも対処可能な鋳片を安定して製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、鋳片の厚み中心部の固相率が0.4以下の時点から鋳片の軽圧下を開始し、少なくとも鋳片の厚み中心部の固相率が0.7以上になる時点まで軽圧下を継続して連続鋳造鋳片を製造する際に、鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になるまでは、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保つ。
軽圧下を行わない連続鋳造の場合には、中心偏析抑制の観点からは、一般的に鋳片表面を強冷却する方が効果的である。その理由は、内部に未凝固相を有する連続鋳造鋳片を強冷却することにより、鋳片表層部の温度が低下して、鋳片の凝固シェルの強度が高まるので、鋳片支持ロール間における鋳片のバルジングが少なくなり、このロール間バルジングに起因する未凝固相の流動を抑えることができるからである。また、強冷却を行うことで、凝固シェル自体の熱収縮によって未凝固部分の体積が減少し、未凝固相の流動を抑えることができるからである。
しかしながら、軽圧下によって中心偏析を防止する技術においては、鋳片を強冷却することは必ずしも得策ではない。鋳片の温度が低下すると、凝固シェルの変形抵抗が増加する。そのことは、上記のように、ロール間バルジングの防止には有効であるが、軽圧下に対しては抵抗となって、鋳片表面を圧下しても、中心偏析で問題となる鋳片の厚み中心部には圧下の効果が及ばないことになる。
この問題を解決するために、本発明では、鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になるまでは、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保つ。これによって、温度が低く、変形抵抗の大きい凝固シェルが、軽圧下開始前に形成されることを防止することができる。変形抵抗が小さいと、一般的には圧延されて鋳造方向や鋳片幅方向への変形が起こりやすくなるが、この時点では、鋳片の厚み中心部には未凝固部分があり、しかも、鋳片厚み中心部の固相率が0.5程度であり、一般に強度が発現する最高温度とされるZST(Zero Strength Temperature ;抗張力がゼロになる温度)に相当する固相率(一般に、固相率0.6ないし0.7程度とされる)よりも低い固相率であるので、鋳片表面に加えられる圧下は、その大半が未凝固部分の圧下に有効に費やされる。また、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保つ期間は、鋳片中心部の固相率が0.5程度までの期間であるので、仮に凝固シェルの強度が十分でなく、ロール間バルジングが発生したとしても、厚み中心部の固相率が0.5程度であれば、溶鋼の流動は比較的容易であり、偏析度(もともとの溶鋼濃度に対する濃化倍率)の高い中心偏析を引き起こす原因にはなりにくいという利点もある。
一方、鋳片中心部の固相率が0.5を超えた以降は、鋳片に軽圧下を付与している時点で、鋳片の長辺側中央部の表面温度を850℃以下にすることが、軽圧下を未凝固部分に効率的に作用させる上で有効である。
鋳片中心部の固相率が大きくなると、凝固シェルのみならず、未凝固部分もデンドライト組織の接触が起こり、強度を発現し始める。この時点では、凝固シェルの強度・変形抵抗が十分ではないと、鋳片表面に加えられた圧下は、凝固シェルの変形に費やされる比率が高まり、中心偏析低減のための未凝固部分の圧下には有効に効かないことになる。この現象は、鋳片の厚み中心部の固相率がおよそ0.7程度以上で顕著になるが、鋳片への二次冷却強度の変更が鋳片の厚み全体に影響を与えるには、或る程度の時間差を要するので、予め中心部の固相率が0.5を超えた時点で二次冷却強度を強めて、早急に鋳片の長辺側中央部の表面温度が850℃以下になるように制御する。また、このことにより、最終凝固部近傍でのロール間バルジングの発生も防止できる。
鋳片中心部の固相率は、実際に確認することは困難であるが、一般的に、伝熱計算などで推定することが可能である。
このように、本発明では未凝固鋳片を軽圧下する際に、鋳片の冷却強度を適切に決定するので、軽圧下による濃化溶鋼の流動抑制効果が有効に作用し、中心偏析を効果的に低減することができる。尚、鋳片の軽圧下は、鋳片厚み中心部の固相率が0.4以下の時点から開始し、少なくとも鋳片厚み中心部の固相率が0.7以上となる時点まで行う。これは、鋳片厚み中心部の固相率が0.4を越えてから軽圧下を開始しても、それ以前に濃化溶鋼の流動が発生する可能性があり、これにより中心偏析が発生し、軽圧下の効果を十分に発揮することができず、また、溶鋼の流動は、固相率が0.7を超えるまで発生する可能性があり、それよりも早期に軽圧下を停止してしまうと、濃化溶鋼の流動が発生し、これにより中心偏析が発生して、軽圧下の効果を十分に発揮することができないからである。
次に、本発明の具体的な実施方法を、図面を参照して説明する。図1は、本発明を実施した垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機の側面概要図である。
図1に示すように、スラブ連続鋳造機1には、鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼11を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8からなる複数対の鋳片支持ロールが配置されている。このうち、ピンチロール8は、鋳片12を支持すると同時に鋳片12を引抜くための駆動ロールである。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロールの間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片12は引抜かれながら冷却されるようになっている。タンディッシュ2の底部には、溶鋼11の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、浸漬ノズル4が設置されている。また、鋳片支持ロールの下流側には、鋳造された鋳片12を搬送するための複数の搬送ロール9が設置されており、この搬送ロール9の上方には、鋳造される鋳片12から所定の長さの鋳片12aを切断するための鋳片切断機10が配置されている。
鋳片12の凝固完了位置15を挟んで鋳造方向の前後には、対向するガイドロール7との間隔(「ロール間隔」と呼ぶ)を鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定された、複数対のガイドロール群から構成される軽圧下帯16が設置されている。ここでは、その全域または一部選択した領域で、鋳片12に軽圧下を行うことが可能である。軽圧下帯16の各ガイドロール間にも鋳片12を冷却するためのスプレーノズルが配置されている。尚、ロール間隔が鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定された状態を、「ロール勾配」とも称している。
浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入された溶鋼11は、鋳型5で冷却されて凝固シェル13を形成し、内部に未凝固相14を有する鋳片12として、鋳型5の下方に設けたサポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8に支持されつつ、ピンチロール8の駆動力により鋳型5の下方に連続的に引抜かれる。鋳片12は、これらの鋳片支持ロールを通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、凝固シェル13の厚みを増大し、軽圧下帯16で軽圧下されながら凝固完了位置15で内部までの凝固を完了する。鋳片12は、鋳片切断機10によって切断されて鋳片12aとなる。
このような連続鋳造操業の種々の鋳造条件において、予め伝熱計算などを用いて凝固シェル13の厚み並びに鋳片厚み中心部の固相率を求めておき、軽圧下帯16に入る時点での鋳片厚み中心部の固相率が0.4以下になるように、鋳片引抜き速度及び二次冷却水量などの鋳造条件を調整する。軽圧下を開始する時点の鋳片厚み中心部の固相率は0.4以下であればいくらであっても構わない。尚、軽圧下帯の設置範囲が鋳造方向に長く、軽圧下帯の中でも軽圧下を付与するロール群と軽圧下を付与しないロール群が存在する場合には、実際に軽圧下を付与するロール群のみを上記の軽圧下帯16とみなして操業すればよい。
二次冷却帯は、通常、単一または複数のロールセグメント毎に二次冷却ゾーンが設定されており、各冷却ゾーン毎に二次冷却水量を決めることができる。この機能を用いて、鋳片厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になるまでは、鋳片12の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保ち、更にそれに加えて、鋳片厚み中心部の固相率が0.5を超えたなら、鋳片12の長辺側中央部の表面温度が850℃以下になるように、二次冷却強度の調整を実施する。この場合、二次冷却強度変更の効果は直ちに鋳片表面温度として現れない場合もあるので、鋳片厚み中心部の固相率が0.5を超えたなら、瞬時に鋳片12の長辺側中央部の表面温度を850℃以下にするという意味ではない。多少の時間遅れがあっても構わない。要は、鋳片厚み中心部の固相率が0.5を超えたなら、軽圧下中の鋳片12の長辺側中央部の表面温度を、可能な限り迅速に850℃以下にするということである。
このようにして鋼の連続鋳造を実施することで、鋳片12には軽圧下が効果的且つ有効に作用し、凝固収縮などに伴う濃化溶鋼の流動が抑制されて、鋳片12aの中心偏析を大幅に低減することができる。
図1に示すようなスラブ連続鋳造機を用い、二次冷却強度、軽圧下速度を変化させて鋳造した。そのスラブ鋳片から試験片を採取し、各試験片の中心偏析を調査して、二次冷却強度の中心偏析に及ぼす影響を調査した。
用いた連続鋳造機は、鋳型直下に2.8mの垂直部を有し、それに続く湾曲部の半径が10mである垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機で、軽圧下帯を鋳型内溶鋼湯面から16〜32mの範囲に設置してある。この軽圧下帯の範囲内で、鋳造条件に合わせて、軽圧下を行う位置・範囲・圧下量(圧下速度)を設定することができる。この連続鋳造機を用いて、炭素含有量が0.04〜0.05質量%の耐サワーラインパイプ用鋼を、厚み250mm、幅2100mmの鋳片として引抜き速度1.4m/分で鋳造した。
この鋳造をシミュレートした伝熱計算を行い、各冷却条件における鋳片厚み中心部の固相率を推算した。軽圧下帯では鋳片厚み方向中心部の計算固相率が0.2ないし0.3となるまでは軽圧下せずに鋳片を支持するのみとし、それ以降のロール勾配を鋳造方向距離1m当たり0.9mm、即ち、軽圧下速度に換算すると1.26mm/分(=1.4×0.9)とした。
このような鋳造条件で、二次冷却条件を、計算固相率を基準として種々変化させ、鋳片試験片の中心偏析調査結果の比較評価を行った。その条件と、各条件での中心偏析の調査結果を表1に示す。尚、表1に示す「C/C0 」は炭素濃度の偏析度を表し、評価の欄の「○」印は良好、「×」印は不良、「△」印はやや不良を表している。
Figure 2008207201
表1に示すように、鋳片の中心偏析は、引抜き速度、軽圧下量などが同じであっても、二次冷却条件によって変化し、具体的には、鋳片の表面温度を基準にして中心偏析を判別できることが判明した。
本発明を実施した垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機の側面概要図である。
符号の説明
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 サポートロール
7 ガイドロール
8 ピンチロール
9 搬送ロール
10 鋳片切断機
11 溶鋼
12 鋳片
13 凝固シェル
14 未凝固相
15 凝固完了位置
16 軽圧下帯

Claims (1)

  1. 鋳片の厚み中心部の固相率が0.4以下の時点から鋳片の圧下を開始し、少なくとも鋳片の厚み中心部の固相率が0.7以上になる時点まで鋳片の圧下を継続して連続鋳造鋳片を製造する際に、鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.5になる時点までは、鋳片の長辺側中央部の表面温度を750℃以上に保ち、鋳片の厚み中心部の固相率が0.5を超え且つ圧下を継続している時点で、鋳片の長辺側中央部の表面温度を850℃以下として、中心偏析の軽微な鋳片を製造することを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造方法。
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