JP2008207167A - 懸濁水の浄化方法、この懸濁水の浄化方法を用いた汚濁水の処理方法、および、この汚濁水の処理方法を実施するための汚濁水の処理システム - Google Patents

懸濁水の浄化方法、この懸濁水の浄化方法を用いた汚濁水の処理方法、および、この汚濁水の処理方法を実施するための汚濁水の処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない種類の材料の添加により、粘性が少なく懸濁水中の難沈降性微粒子を大きな凝集塊を形成して、凝集塊を短時間に沈降させて、懸濁水を短時間で浄化することができる懸濁水の浄化方法を提供することを目的としている。
【解決手段】難沈降性微粒子を含む懸濁水中に多価金属イオンによって凝集するとともに水に対して易分散性を有する粘性高分子材料を均一に分散させた混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えていることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、赤土などの極微粒で沈降しにくい難沈降性微粒子を含む懸濁水を短時間で容易に浄化することができる懸濁水の浄化方法、この懸濁水の浄化方法を用いた汚濁水の処理方法、および、この汚濁水の処理方法を実施するための汚濁水の処理システムに関する。
河川流域では一般に雨が降ると、地面に浸透しきらない雨水は下水道を流下あるいは地表面を流れ河川に流れ込む。その中で特に一般家庭排水と雨水排水が分けられている分流式下水道地域では、雨水用下水道は下水処理センターと連結されておらず河川に直接放流されることが一般的である。このため下水道未整備地域や、分流式下水道地域では地面に浸透しない雨水が全て河川に流入することになる。
また、一般排水と雨水排水が連結されている合流式下水道地域にあっても、時間当たり100mm以上(場合によっては30mm以上)の豪雨の場合、下水道の流下容量を超えてしまい、雨水が地表面に滞留する場合がある。したがって、この地表面滞留雨水が、地表面を流下し、結果的に地表面滞留雨水の大半が河川に流れ込むことになる。
このように雨水は、多くの場合において河川に流れ込むことが多いが、この雨水の流下の際、近隣の田畑や工事区域、グランドなどからの土砂が雨水に混入した汚濁水となって河川に流入し、河川を汚染する場合がある。
なお、一般的には日本の河川はその総距離が長く、また土砂成分が流入しやすいのは市街化の進んでいない上流側であるため、流下の途中で河川に堆積し、その自浄作用により降雨が終了すると汚濁が解消され、土砂が海洋までほとんど流れ込まないことが主である。また、土砂が海洋まで流入したとしてもその量が少量であるため、海洋に拡散し、生態系に影響を及ぼすことは余りない。
しかしながら、日本の河川のうち、離島や、山岳から海域まで距離の短い河川では、その河川距離が短くかつ急峻であるために、河川に流れ込んだ土砂の大半が河川の途中で堆積することなく、海洋に流入してしまう地域がある。特に離島においては流域に農業集落や畑が多く、流出する土砂は更に増える場合が多い。
更に南方の離島においては、島の周囲を珊瑚礁に覆われている場合もあり、この場合堆積した土砂は珊瑚礁帯から外に出ることができず、堆積量を増加させていく場合が多い。
このため珊瑚が死滅し、あるいは白い浜辺が土色に置換するなど、その河川の河口付近が観光地域である場合、観光資源が破壊され、重大な問題となる場合もある。
例えば、沖縄本島における赤土のような微細粒径土壌の場合、降雨による侵食を受け、多くの場合2000ppm以上の濃度で沈砂池に流入するが、粒径20μm以下の成分が50%以上を占める様な微細粒径であるため、自然沈降では数時間でも充分に沈降せず、河川・海洋への流出を食い止められない。
また、沖縄本島北部に多い国頭マージと呼ばれる赤土の場合、強酸性であるため、この赤土が海水に入ると海水のpHを低下させ、海が酸性に傾きアルミニウムイオンの溶出が起こり、これによってサンゴをはじめとする海の生物は持続的な被害を受ける虞がある。
一方、難沈降性微粒子を含む懸濁水を早期に浄化する方法として凝集剤を用いて、難沈降性微粒子を凝集沈殿させる方法がある。
しかし、凝集剤として一般的に用いられるPAC(ポリ塩化アルミニウム)を用いた場合、PACの凝集力が小さいためPACの多量の投入が必要であったり、pHの細やかな調整も必要であったりする等、煩雑で非効率的である。
加えて一般的にはPACに合成有機系高分子凝集剤を併用する手法も採られるが、合成有機系高分子では凝集後の固形分が粘性を残しており、固液分離の際に固形分の水分量を減らしにくく、分離後の液成分の中にも残留する等のために取り扱いに制約、難点がある。
また、汚泥を含む水溶液に、多価金属化合物とめかぶ中のぬめり成分であるアルギン酸ナトリウムを加え凝集を生じさせこれに更に有機合成高分子凝集剤を添加する方法(特許文献1)や、アルコール類製造に伴う高濃度蒸留廃液にアルギン酸ナトリウムを分散させたところに適量のカルシウム溶液を少量ずつ添加したのち、さらにキトサンを添加する方法(特許文献2)なども提案されている。
上記アルギン酸ナトリウムと多価金属化合物とを用いた方法では、いずれもアルギン酸ナトリウムと多価金属化合物とだけでは小さな凝集塊しか得られないとともに、粘性の高い凝集塊が形成されるため、アルギン酸ナトリウムと多価金属化合物とを懸濁水に添加して小さな凝集塊を生じさせたのちに、さらに、有機合成高分子凝集剤あるいはキトサンを加えて大きな凝集塊を得るようにしている。
しかし、いずれの方法においても懸濁水の処理槽に少なくとも3種類の薬剤を添加する装置を別途設けねばならず、設備が複雑になり維持管理が面倒であるとともに、コストもかかるという問題がある。
特開昭58−51997号公報 特開平9−187774号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、少ない種類の材料の添加により、粘性が少なく懸濁水中の難沈降性微粒子を大きな凝集塊を形成して、凝集塊を短時間に沈降させて、懸濁水を短時間で浄化することができる懸濁水の浄化方法、この懸濁水の浄化方法を用いて、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を効率よく浄化することができる汚濁水の処理方法、および、この汚濁水の処理方法を実施する汚濁水の処理システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項1の浄化方法)と記す」は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に多価金属イオンによって凝集するとともに水に対して易分散性を有する粘性高分子材料を均一に分散させた混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項2の浄化方法)と記す」は、請求項1の浄化方法において、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が50000ppm以下で、粘性高分子材料の添加濃度が5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmであることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項3の浄化方法)と記す」は、請求項1または請求項2の浄化方法において、粘性高分子材料が、分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類であることを特徴としている
本発明の請求項4に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項4の浄化方法)と記す」は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し、均一攪拌して前記粘性多糖類が溶け出た混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項5の浄化方法)と記す」は、請求項4の浄化方法において、天然物乾燥微粉末の粒子径が平均で1〜100μmであることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項6の浄化方法)と記す」は、請求項4または請求項5の浄化方法において、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度が5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmであることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項7の浄化方法)と記す」は、請求項1〜請求項6のいずれかの浄化方法において、多価金属塩が、カルシウム塩およびマグネシウム塩のいずれか一方であることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項8の浄化方法)と記す」は、請求項1〜請求項7のいずれかの浄化方法において、凝集処理工程で、混合液中に磁性体粒子を混合させた状態で、混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して難沈降性微粒子とともに、前記磁性体粒子を包含した凝集塊を得たのち、凝集処理後の凝集処理水中から凝集塊を磁石によって吸着させて取り除く、凝集塊吸着除去工程を備えることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項9の浄化方法)と記す」は、請求項1〜請求項8のいずれかの浄化方法において、混合液を、配管を介して搬送し、この搬送中に配管内に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入するとともに、投入直後から配管内部に設けられた攪拌手段によって急速攪拌することを特徴としている。
本発明の請求項10に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項10の浄化方法)と記す」は、請求項9の浄化方法において、配管内部の攪拌手段が、配管の流路の一部を遮るように、配管の管軸方向に間欠的に設けられた複数の邪魔板であるとともに、各邪魔板の長軸が、配管の管軸方向で隣り合う邪魔板の長軸に対して角度が90度ずれて配置されていることを特徴としている。
本発明の請求項11に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項11の浄化方法)と記す」は、請求項10の浄化方法において、邪魔板が、配管の内断面積の20%〜70%の大きさであることを特徴としている。
本発明の請求項12に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項12の浄化方法)と記す」は、請求項10または請求項11の浄化方法において、邪魔板が、配管内径の0.5倍から2倍の間隔を置いて配置されていることを特徴としている。
本発明の請求項13に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項13の浄化方法」と記す)は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる沈降工程を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項14に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項14の浄化方法」と記す)は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に磁性体粒子を混合したのち、この混合液中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子および磁性体粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる沈降工程と、この沈降工程で沈降した難沈降性微粒子および磁性体粒子が吸着した天然物乾燥微粉末を磁石によりよって吸着させて取り除く、沈降粒子吸着除去工程を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項15に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項15の浄化方法」と記す)は、請求項13または請求項14の浄化方法において、天然物乾燥微粉末の粒子径が平均で100〜3000μmであることを特徴としている。
本発明の請求項16に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項16の浄化方法」と記す)は、請求項13〜請求項15のいずれかの浄化方法において、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度が5ppm以上であることを特徴としている。
本発明の請求項17に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項17の浄化方法」と記す)は、請求項4〜請求項16のいずれかの浄化方法において、天然物乾燥微粉末が、コンブ、ワカメ、ヒジキ、メカブ、コンニャク、モズクからなる群より選ばれた少なくとも1種の粉砕物であることを特徴としている。
本発明の請求項18に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項18の浄化方法」と記す)は、請求項4〜請求項17のいずれかの浄化方法において、天然物乾燥微粉末が、廃棄天然物の粉砕物であることを特徴としている。
本発明の請求項19に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項19の浄化方法」と記す)は、請求項4〜請求項18のいずれかの浄化方法において、分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類が、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンからなる群より選ばれたいずれか1種であることを特徴としている。
本発明の請求項20に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項20の浄化方法」と記す)は、請求項1〜請求項19のいずれかの浄化方法において、難沈降性微粒子が微細粒径土壌であることを特徴としている。
本発明の請求項21に記載の懸濁水の浄化方法(以下、「請求項21の浄化方法」と記す)は、請求項1〜請求項20のいずれかの浄化方法において、難沈降性微粒子を含む懸濁水が、あらかじめ易沈降性粒子を沈降除去されたものであることを特徴としている。
本発明の請求項22に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項22の汚濁水の処理方法」と記す)は、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留槽に貯留し、汚濁水中の懸濁成分を一時貯留槽内で沈降させる工程と、一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過装置にて清水と懸濁成分とに分離する工程と、前記ろ過装置を逆洗して第1のろ過装置によって分離された懸濁成分を、逆洗水とともに一時貯留槽に戻す工程と、一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させる懸濁水処理工程と、この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項23に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項23の汚濁水の処理方法」と記す)は、請求項22の汚濁水の処理方法において、第1のろ過装置が精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜のいずれかを備えていることを特徴としている。
本発明の請求項24に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項24の汚濁水の処理方法」と記す)は、請求項22または請求項23の汚濁水の処理方法において、第2のろ過装置によるろ過によって得られる清水のSS濃度を25mg/L以下、低含水率固形分の含水率を50%以下とすることを特徴としている。
本発明の請求項25に記載の汚濁水の処理システム(以下、「請求項25の処理システム」と記す)は、請求項22〜請求項24のいずれかに記載の汚濁水の処理方法に用いる汚濁水の処理システムであって、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留する一時貯留槽と、この一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過して、清水と懸濁成分とに分離する第1のろ過装置と、前記ろ過装置の逆洗水を前記一時貯留槽に返送する逆洗水返送路と、請求項1〜請求項19のいずれかの懸濁水の浄化方法を用いて一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を凝集させるとともに、凝集物を沈殿させる沈殿槽を有する懸濁水処理装置と、前記一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を一時貯留槽から懸濁水処理装置に引水する引水装置と、前記懸濁処理装置の凝集沈降物を含む処理水をろ過して凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに分離する第2のろ過装置と、第2のろ過装置で分離された低含水率固形分の貯槽と、を備えることを特徴としている。
本発明の請求項26に記載の汚濁水の処理システム(以下、「請求項26の処理システム」と記す)は、請求項25の処理システムにおいて、懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とが、転動輪を有する載置台に搭載され移送可能になっていることを特徴としている。
本発明の請求項27に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項27の汚濁水の処理方法」と記す)は、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を自浄性粗目フィルタでろ過する工程と、前記自浄性粗目フィルタでろ過された粗ろ過水を逆洗装置付きろ過装置にてろ過と逆洗とを繰り返して前記逆洗装置付きろ過装置内で懸濁成分を濃縮しながら清水と懸濁成分とに分離する工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項28に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項28の汚濁水の処理方法」と記す)は、請求項27の汚濁水の処理方法において、ろ過と逆洗との繰り返しによって逆洗装置付きろ過装置内に溜まった高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させる懸濁水処理工程と、この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項29に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項29の汚濁水の処理方法」と記す)は、請求項27または請求項28の汚濁水の処理方法において、自浄性粗目フィルタがウェッジワイヤスクリーンであることを特徴としている。
本発明の請求項30に記載の汚濁水の処理方法(以下、「請求項30の汚濁水の処理方法」と記す)は、請求項29の汚濁水の処理方法において、ウェッジワイヤスクリーンの目開きが200μm〜500μmであることを特徴としている。
本発明において、多価金属塩粉粒体としては、粘性高分子材料を凝集させることができれば、特に限定されないが、懸濁水中に素早く溶解するものが好ましく、例えば、請求項7の浄化方法のように、カルシウム塩やマグネシウム塩が好ましく、中でも顆粒状の塩化カルシウムや塩化マグネシウムが特に好ましい。準飽和水溶液とは、飽和濃度の50%以上の高濃度水溶液のことである。
急速攪拌とは、多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を一気に投入後、多価金属塩粉粒体が30秒以内に懸濁水全体に均一に溶解できるような攪拌を意味する。
また、多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液の投入は、懸濁水の処理槽全面に一気かつ均一に投入することが好ましい。
さらに、請求項9の浄化方法のように、懸濁水中に粘性高分子材料を均一に分散させた混合液をろ過工程などの後工程に配管を介して搬送する際に配管途中で多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、投入直後から配管内部に設けられた攪拌手段を用いて急速攪拌するようにしてもよい。
また、上記配管内部に設けられる攪拌手段としては、特に限定されないが、たとえば、請求項10の浄化方法のように、複数の邪魔板を、配管の流路の一部を遮るように、配管の管軸方向に間欠的に設けるとともに、各邪魔板の長軸が、配管の管軸方向で隣り合う邪魔板の長軸に対して角度が90度ずれて配置されたものを用いることができる。
さらに、上記邪魔板は、管の内断面積の20%〜70%の大きさとするとともに、配管内径の0.5倍から2倍の間隔を置いて配置されていることが好ましい。
粘性高分子材料としては、特に限定されないが、請求項15の浄化方法のように、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンなどの天然物由来の分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類が好ましく、請求項11の浄化方法のように、コンブ、ワカメ、ヒジキ、メカブ、コンニャク、モズク等のようなアルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンなどを含む天然物乾燥微粉末を用いるようにしても構わない。
また、天然物乾燥微粉末としては、廃棄物の有効利用を図り、廃棄物の処理費用や廃棄物の処理にかかる大気汚染等を防止できることから、請求項14の浄化方法のように、廃棄天然物の粉砕物を用いるようにしても良い。特に微細粒径土壌混入水を固液分離しようとする地域での天然系粘性多糖類植物製品製造時の廃材成分を使用することも有効である。
また、天然物乾燥微粉末の原料の適用部位は粘性を生じれば特に限定されない。
請求項1の浄化方法では、請求項2の浄化方法のように、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が50000ppm以下で、粘性高分子材料の添加濃度が5〜200ppm(より好ましくは25〜100ppm)、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmであることが好ましいが、その理由は、以下のとおりである。
すなわち、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が50000ppmを超えると、難沈降性微粒子を完全に凝集除去できない虞がある。
粘性高分子材料の添加濃度が5ppm未満であると、難沈降性微粒子が捕捉し切れず、200ppmを超えると、凝集塊中のゲル成分が多くなり、粘性が高くなり排水性に難が出てくる虞がある。
多価金属塩粉粒体の添加濃度が20ppm未満であると、充分な凝集塊を形成しきれない虞があり、多価金属塩粉粒体の添加濃度が3000ppmを超えても、成分余剰となり不必要であるためである。
請求項4の浄化方法において、天然物乾燥微粉末の粒子径は、請求項5の浄化方法のように、平均で1〜100μm程度とすることが好ましい。すなわち、天然物乾燥微粉末の粒子径が細かすぎると、空気中の水分を吸湿し、粘ちょうなペースト状になってしまい、ハンドリングのし難さに加え、溶液中への分散性も悪い。一方、粒子径が粗すぎると、溶液中への粘性成分の溶出が充分でなくなり、多価金属塩分粒体を添加しても充分な凝集反応を起こさない虞がある。
また、請求項4の浄化方法では、請求項6の浄化方法のように、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、粘性高分子材料の添加濃度が5〜200ppm(より好ましくは25〜100ppm)、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmであることが好ましいが、その理由は、以下のとおりである。
すなわち、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppmを超えると、難沈降性微粒子を完全に凝集除去できない虞がある。
粘性高分子材料の添加濃度が5ppm未満であると、難沈降性微粒子が捕捉し切れず、200ppmを超えると、凝集塊中のゲル成分が多くなり排水性に難が出てくる虞がある。
多価金属塩粉粒体の添加濃度が20ppm未満であると、充分な凝集塊を形成しきれない虞があり、多価金属塩粉粒体の添加濃度が3000ppmを超えても、成分余剰となり不必要であるためである。
請求項13および請求項14の浄化方法では、天然物乾燥微粉末として、請求項11の浄化方法のように、粒子径が平均で100〜3000μmのものを用いることが好ましい。
すなわち、天然物乾燥微粉末の粒径が細かくなりすぎると、難沈降性微粒子が膨潤した天然物乾燥微粉末に吸着してもうまく沈降しない、あるいは、沈降にかなり時間を有する虞があり、天然物乾燥微粉末の粒径が大きくなりすぎると、難沈降性微粒子を効率よく吸着できなくなる虞がある。
また、請求項13および請求項14の浄化方法では、請求項12の浄化方法のように、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度が5ppm以上であることが好ましいが、その理由は以下のとおりである。
すなわち、難沈降性微粒子濃度が高すぎる場合、あるいは、天然物乾燥微粉末の添加濃度が低すぎると、難沈降性微粒子を完全に吸着除去できない虞がある。
本発明の浄化方法では、懸濁水中に易沈降性粒子を含んでいても構わないが、たとえば、易沈降性粒子のみのリサイクルを図る場合便利であるので、請求項21の浄化方法のように、予め易沈降性粒子を沈降除去しておくことが好ましい。
予め易沈降性粒子を沈降除去する方法としては、特に限定されないが、侵食土を含む懸濁水では、一旦沈砂池に侵食土を含む懸濁水を貯留し、易沈降性の粗い砂や土塊等を沈砂池で沈降させ、上澄部分の赤土などの難沈降性の微細粒径土壌のみを含む懸濁水のみを凝集処理槽に移し、凝集処理する方法が挙げられる。
沈砂池としては、特に限定されないが、たとえば、特開2005−179919号公報に開示されている多数の合成樹脂製の傾斜板を多段に組み合わせて形成することができる積水化学工業社製商品名レインステーションを用いて形成することが好ましい。
本発明の浄化方法で得られる凝集塊あるいは吸着沈降物は、特に限定されないが、凝集塊あるいは吸着沈降物を含む処理済水を脱水機や、サイクロン式分離装置によって水と分離し、そのまま埋め立て処理をしたり、加熱乾燥して結合剤と混合したのち、成形品に成形したり、そのまま焼結して土質改良材としてもちいたり、消波ブロックや舗装用タイルとして用いたりすることができる。
また、請求項8および請求項14の浄化方法のように、凝集塊あるいは吸着沈降物中に同時に磁性体粒子を包含させ、凝集塊あるいは吸着沈降物を磁石により吸着除去するようにしても良い。
磁性体粒子としては、特に限定されないが、たとえば、Fe、Co、Ni等の粒子が挙げられる。
磁性体粒子の粒径としては、特に限定されないが、平均粒径0.15から0.60ミクロン程度が好ましい。すなわち、磁性体粒子の平均粒径が小さすぎると、磁性粉体同士が凝集してしまい磁性粉体の分散効率が悪くなってしまい、逆に平均粒径が大きくなりすぎると磁性粉体の沈降速度が大きくなりすぎて、均一分散性が低下してしまう虞がある。
また、分散性とハンドリング性の両方を向上させるために、磁性体粒子を樹脂コーティングするなどして、平均粒径を大きくしながら比重を小さくして沈降速度を遅らせる等の手段も有効である。
磁石としては、フェライト系(Ba系、Sr系)、希土類ネオジム系(Ne−Fe−B)、希土類サマリウム・コバルト系(Sm−Co)等の永久磁石だけでなく、電磁石でも構わない。
本発明の処理方法および処理システムにおいて、一時貯留槽は、貯留槽本体と、この貯留槽本体の末端に連接した高濃度の懸濁水(汚泥水)を回収するための回収部(たとえば、マンホールや回収槽等)とから構成することが好ましい。
貯留槽本体は、底部に傾斜あるいはU字溝のような高濃度汚濁水案内溝が施工されており、傾斜または高濃度汚濁水案内溝によって高濃度汚濁水が前記回収部に流入するような構造とすることが好ましい。
一時貯留槽は、コンクリート製でもプラスチック製でも良いが、価格面では、プレキャスト製のコンクリート品は高いため、プラスチック製を使用することが好ましい。
また、一時貯留槽は、上部が開口していても、全体が地下に埋設されていても良いが、異物の投入防止や、人や動物の誤落下、藻の発生による悪臭の発生抑制、並びに埋設することにより地上部の有効利用が可能になるため、地下埋設型が好ましい。
また、河川や海洋からは合成樹脂製の袋を始めとして様々な本発明の懸濁水の浄化方法を実施する場合に邪魔になる異物が一時貯留槽内へ流入する恐れがあるので、一時貯留槽の流入部の前には上記のような異物が一時貯留槽に流入しないようにする粗い目のスクリーン等を設けることが好ましい。
上記回収部の上部には、オーバーフロー部を設けることが好ましい。すなわち、一時貯留槽の容量以上の雨水が流入する場合、回収部上部に設置したオーバーフロー部より雨水の一部が流出するが、一時貯留槽を一旦通過するために、比較的大きな粒径の懸濁成分(以下、「SS」と記す」は一時貯留槽内に堆積する。したがって、大部分のSSの流出は、抑制できる。
一時貯留槽の容量以下の流入量の場合、雨水は一時貯留槽内に貯留できるため、粒径によらずSSは一時貯留槽内で全て回収が可能になる。
なお、オーバーフロー部から流出した比較的小粒径のSSは、流れのゆるやかな河川部位で堆積するか海洋に堆積するが、一時貯留槽内水位が低下した場合に、ポンプで吸引して一時貯留槽内に回収することが可能である。
回収に用いる浚渫用ポンプは、一般用・汚泥用・粘性体用いずれを用いても良い。また河川や海洋の比較的底部の汚泥を回収する際には、汚泥内に生息する生物を死滅させないよう、別途ポンプあるいは攪拌機を用意し、底部を攪拌してSSを巻き上がらせた後に、スクリーン等を用いて生物等の進入を防止しながら吸水することが好ましい。
一時貯留槽から上澄水を第1のろ過装置に送る方法としては、特に限定されないが、たとえば、ろ過装置に設けられた吸水ポンプに接続された配管の吸水口を一時貯留槽の上澄水に臨ませて吸水する方法が挙げられる。
なお、吸引口は、浮きを使って水位に連動して上下させても良いし、水位計を用い水位を測定しながら自動的に上下させても良い。また経験的に高濃度懸濁水の上部位置が求められていれば、その少し上部に固定して設置しても良い。
吸水口部より上部は、蛇腹になって伸び縮みしても良いし、ばね等で巻き取られても良いし、最初から底部までの長さで設置されていても良い。
第1のろ過装置としては、比較的粒径の細かい懸濁成分まで除去できれば特に限定されないが、たとえば、精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)、逆浸透膜(RO)等をろ材として用いたろ過装置が挙げられ、珊瑚やその他の生物環境に影響を及ぼすのは0.1μm以上の粒径SSであるので、コスト面や取り扱い易さなどから精密ろ過膜を用いたもことが好ましい。精密ろ過膜の形状は中空糸であっても膜状であっても良い。省スペースの面から中空糸タイプが好ましい。中空糸へは圧力ポンプを用いて中空糸内部から外に向けてろ過しても、吸引して外部から内部空隙部へ吸引しても良いが、エネルギー効率の面から吸引によりろ過することが好ましい。また、塩分も除去したい場合は逆浸透膜を用いるようにしても良い。
フィルタでろ過したSSは30分から1時間の連続除去運転の後、排出されることが好ましい。逆洗は、別途用意フィルタでろ過方向とは逆に行う。中空糸外部から内部に吸引して分離したSSを除去する場合は、フィルタ外面にバブリングを行って洗浄しても良い。泡はウッドストーンのような穴を通じても良いし、ベンチュリー管を用いて空気を微細化したり、旋回流方式や加圧溶解したものを開放させて発生させたり超音波によるキャビテーションを用いても良い。
MF等にて分離した清水は河川や海洋に主に放流するが、必要に応じ田畑や道路に散水しても良い。
また逆洗によって排出される高濃度のSSを含む濃縮水は前記一時貯留槽に導入されることが好ましい。濃縮水をそのまま回収しても良いが、含水率が高く廃棄のための輸送効率が悪くコスト高になる恐れがある。周囲にそのまま散水すると、乾燥した後飛散し、再度河川や海洋に堆積する恐れがあるので注意して行う。また粉塵被害も懸念されるので、散水する場合は飛散防止対策を施すことが好ましい。
また海洋堆積汚泥を浚渫する場合は、塩分を含むので、パイプ並びにろ過設備はプラスチック製で構成されることが好ましい。鋼管を使用する場合は、内部をプラスチック等で被覆されたライニング鋼管を使用することが好ましい。
第2のろ過装置としては、特に限定されないが、たとえば、フィルタプレス、スクリュープレス、水分蒸発方式、フィルタろ過方式、膜ろ過方式いずれであっても良いが、循環型ろ布方式が省スペースの面から好ましい。ろ布等は、清水で常時あるいは逐次洗浄されることが好ましいが、特に限定されるものではない。また洗浄はろ過方向とは逆向きに行っても良いし、ろ過面に直接散水しても良い。汚れのひどい場合は次亜塩素酸等の酸や苛性ソーダ等のアルカリを用いても良い。
請求項26の処理システムにおいて、転動輪を有する載置台としては、手動式、動力式によらず、懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とを載置台に載置した状態で、移動することができれば特に限定されないが、たとえば、トラック、乗用車後部が荷台となっているピックアップトラック、オート三輪車、牽引車、手押し車、などが挙げられ、移動の容易さ、積載の容量などからトラックを用いることが好ましい。懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とは、載置台より下ろして稼働させても良いが、時間効率や作業人員の面から載置台に載置した状態で稼働させることが好ましい。
トラックを使用する場合、トラックの大きさは2tでも4tあるいは10t、25t等であってもよく積載量は問わないが、一時貯留槽の設置場所が必ずしも舗装された道路とは限らないので、2tあるいは4tトラックが、実務上利便性が高い。
懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とを積載したトラックは、定期巡回して複数の一時貯留槽内の汚泥を処理しても良いし、特定の一時貯留槽の処理を行っても良い。安定した業務とするには、複数の一時貯留槽を定期巡回することがコストや人材配置の面から好ましい。
請求項27の処理方法において、自浄性粗目フィルタとは、汚濁水中に含まれる合成樹脂製の袋、木の葉、枯れ枝や石ころ等の易沈降性の粗大粒子など粗大固形物をろ過装置の手前でろ別することができるとともに、自浄性粗目フィルタによってろ別された粗大固形物によりフィルタが目詰りを起こさないように、自然にまたは自動的に取り除くことができるものを意味する。
フィルタ面から粗大固形物を取り除く方法としては、特に限定されないが、たとえば、懸濁水をフィルタ面に沿う方向に流し、フィルタ面に溜まった粗大固形物を、汚濁水の水圧でフィルタ面から洗い流す方法、フィルタ面にスプレーノズルから水流を噴射してフィルタ面に溜まった粗大固形物をフィルタ面から洗い流す方法、電気などの動力を用いてフィルタ表面を掃き取る方法、フィルタ自体を定期的に振動させてフィルタ表面のろ別された粗大固形物を振り落とす方法などが挙げられる。
上記自浄性粗目フィルタとしては、特に限定されないが、たとえば、パンチングメタル状のもの、ウェッジワイヤスクリーンなどが挙げられ、中でも自重排除性に優れていることからウェッジワイヤスクリーンを用いることが好ましい。
また、フィルタとしてウェッジワイヤスクリーンを用いた場合、フィルタの目開きは、200μm以上500μm以下が好ましい。
すなわち、目開きが200μmより小さいと水が通過する抵抗が大きい為、分離速度が遅くなり、フィルタサイズが非常に大きくなってしまう恐れがあり、500μmを越えると、ろ過効果が期待できなくなってしまうとともに、フィルタを通過した粗大固形物が、その後の懸濁成分をろ過する第2のろ過装置のフィルタを傷つける可能性が増大してしまう。
請求項27の処理方法において、逆洗装置付きろ過装置のろ過装置本体部分には、特に限定されないが、たとえば、旭化成ケミカルズ社製の旭化成マイクローザ (ケーシング収納方式の中空糸膜モジュール)等の市販のものを使用することができる。
上記のように、請求項1の浄化方法は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に多価金属イオンによって凝集するとともに水に対して易分散性を有する粘性高分子材料を均一に分散させた混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合する工程を備えているので、少ない種類の材料の添加により、粘性が少なく懸濁水中の難沈降性微粒子を大きな凝集塊を形成して、凝集塊を短時間に沈降させて、懸濁水を短時間で浄化することができる。
すなわち、粘性高分子材料を均一に分散させた混合液中に、一気に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入すると、多価金属イオンの働きによって高重合のゲル化が一気に進行し、難沈降性微粒子を巻き込んで短時間で大きな凝集塊が形成される。一方、多価金属塩を懸濁水に先に混合し、その後、粘性高分子材料を加えた場合には、粘性高分子材料を添加するや否や多価金属による凝集が起こり、粘性高分子材料ゲルのみのビーズが生じてしまい膨潤ゲルとして水分を固定するだけの役目にしかならない。また、多価金属塩を水溶液化して添加したのでは、小さな凝集塊しか得られない。
請求項2の浄化方法は、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が50000ppm以下、粘性高分子材料の添加濃度を5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmとしたので、より確実に懸濁水中の難沈降性微粒子を凝集させることができる。
しかも、粘性高分子材料の添加濃度が200ppm以下であるので、混合液の粘性も低いため、多価金属塩粉粒体がより素早く均一に混合される。また、得られる凝集塊は、ゲル成分が少なく排水性も良好であるので、凝集塊の脱水等による分離作業も容易に行なうことができる。
請求項3の浄化方法は、粘性高分子材料が、分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類であるので、水に対して易分散性に優れるとともに、−O−CO−構造部分のマイナス電荷と多価金属塩のプラス電荷の架橋反応が急速に起こる。したがって、近接する粘性高分子同士が架橋し凝集塊を短時間で確実に形成することができる。
請求項4の浄化方法は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し、均一攪拌して前記粘性多糖類が溶け出た混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えているので、少ない種類の材料の添加により、粘性が少なく懸濁水中の難沈降性微粒子を大きな凝集塊を形成して、凝集塊を短時間に沈降させて、懸濁水を短時間で浄化することができる。
すなわち、粘性多糖類が溶け出た混合液中に、一気に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入すると、多価金属イオンの働きによって粘性多糖類の高重合のゲル化が一気に進行し、難沈降性微粒子を巻き込んで短時間で大きな凝集塊が形成される。
また、天然物乾燥微粉末を用いているので、凝集塊をそのまま埋め立て処理しても、天然物乾燥微粉末および溶け出た粘性多糖類が土中で生分解されるため、公害等を引き起こすことがない。
請求項5の浄化方法は、天然物乾燥微粉末の粒子径が平均で1〜100μmであるので、
対象溶液中に均一分散させる際のハンドリング性が良く、且つ短時間で対象溶液中に粘性成分が溶出しやすい。すなわち、凝集処理工程を作業性よく短時間で確実に行なえる。
請求項6の浄化方法は、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度を10000ppm以下、天然物乾燥微粉末の添加濃度を5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度を20〜3000ppmとしたので、より確実に懸濁水中の難沈降性微粒子を凝集させることができる。
しかも、粘性高分子材料の添加濃度が200ppm以下であるので、混合液の粘性も低いため、多価金属塩粉粒体がより素早く均一に混合される。また、得られる凝集塊は、ゲル成分が少なく排水性も良好であるので、凝集塊の脱水等による分離作業も容易に行なうことができる。
請求項7の浄化方法は、多価金属塩として、カルシウム塩およびマグネシウム塩のいずれかを用いるようにしたので、より素早く大きな凝集塊を得ることができる。また、凝集塊を固液分離した液中成分は、残存カルシウムイオンなどとカルシウムイオンなどに置換されたナトリウムイオンなど及び塩素イオンなので、生態系への影響も無い。
請求項8の浄化方法は、凝集処理工程で、混合液中に磁性体粒子を混合させた状態で、混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して難沈降性微粒子とともに、前記磁性体粒子を包含した凝集塊を得たのち、凝集処理後の凝集処理水中から凝集塊を磁石によって吸着させて取り除く、凝集塊吸着除去工程を備えるので、難沈降性微粒子を含む凝集塊を含水率が少ない固形状態として取り除くことができる。しかも、沈降が遅い小さな凝集塊も短時間で容易に取り除くことができる。
そして、取り除かれた凝集塊は、含水率が低いため、後の廃棄や再利用工程における乾燥工程を簡略化することが出来る。
請求項9の浄化方法は、混合液および多価金属塩粉粒体を含む液を配管内を搬送するとともに、この搬送中に配管内に設けられた攪拌手段によって急速攪拌するようにしたので、連続的に効率よく凝集塊を得ることができる。
請求項10の浄化方法は、配管中に間欠的に邪魔板を設けるだけであるので、構造が簡単で設備コストを低減することができる。しかも、隣接した邪魔板同士が90度ずれた形で配置されるため、配管内水流が邪魔板によって左右に分割され乱流を生じることが繰り返し起こされ、効率よく急速に攪拌することができる。すなわち、邪魔板による水流の分割では板の裏側に水流が回りこんで乱流を生じる。
請求項11の浄化方法は、邪魔板を、配管の内断面積の20%〜70%の大きさとしたので、より効率よく乱流を発生させることができる。すなわち、配管内を流れる処理液の流速や粘度によっては、邪魔板の大きさが、配管の内断面積の20%未満であると、分割効率が小さく効果が発現しにくく、70%を超えると抵抗が大きくなりすぎて、混合攪拌が不十分となる恐れがある。
請求項12の浄化方法は、邪魔板を、配管内径の0.5倍から2倍の間隔を置いて配置するようにしたので、乱流を繰返し発生させ混合効率を高くすることができる。
すなわち、配管内を流れる処理液の流速や粘度によっては、間隔が0.5倍より短いと邪魔板による抵抗だけが発生し混合に有効とならず、2倍より大きいと乱流の乱れが収まってしまってから次ぎの邪魔板に当たることになり、効率的な攪拌ができなくなる恐れがある、
請求項13の浄化方法は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる工程を備えているので、少ない種類の材料の添加により、難沈降性微粒子を膨潤した天然物乾燥微粉末の周囲に天然物乾燥微粉末から伸びる粘性多糖類の繊維状物に絡まった状態で難沈降性微粒子が吸着(捕捉)されて天然物乾燥微粉末とともに短時間で沈降し、懸濁水が短時間で浄化される。
また、天然物乾燥微粉末を用いているので、凝集塊をそのまま埋め立て処理しても、天然物乾燥微粉末および溶け出た粘性多糖類が土中で生分解されるため、公害等を引き起こすことがない。
請求項14の浄化方法は、難沈降性微粒子を含む懸濁水中に磁性体粒子を混合したのち、この混合液中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子および磁性体粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる沈降工程と、この沈降工程で沈降した難沈降性微粒子および磁性体粒子が吸着した天然物乾燥微粉末を磁石によりよって吸着させて取り除く、沈降粒子吸着除去工程を備えているので、難沈降性微粒子を含む凝集塊を含水率が少ない固形状態として取り除くことができる。しかも、沈降が遅い小さな凝集塊も短時間で容易に取り除くことができる。
そして、取り除かれた凝集塊は、含水率が低いため、後の廃棄や再利用工程における乾燥工程を簡略化することが出来る。
請求項15の浄化方法は、天然物乾燥微粉末として平均粒径が100〜3000μmであるものを用いるようにしたので、より確実に難沈降性微粒子を天然物乾燥微粉末に吸着して沈降させることができる。
請求項16の浄化方法は、懸濁水中の難沈降性微粒子濃度を10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度を5ppm以上としたので、より確実に難沈降性微粒子を天然物乾燥微粉末に吸着して沈降させることができる。
請求項17の浄化方法は、天然物乾燥微粉末として、コンブ、ワカメ、ヒジキ、メカブ、コンニャク、モズク等の粉砕物を用いるようにしたので、入手しやすく、コストダウンをはかることができる。
請求項18の浄化方法は、天然物乾燥微粉末として、廃棄天然物の粉砕物を用いるようにしたので、廃棄物の有効利用を図り、廃棄物の処理費用や廃棄物の処理にかかる大気汚染等を防止できる。
請求項19の浄化方法は、分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類として、天然物由来のアルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンを用いるようにしたので、凝集塊をそのまま埋め立て処理しても、粘性多糖類が土中で生分解されるため、公害等を引き起こすことがない。
請求項20の浄化方法は、難沈降性微粒子を含む懸濁水が、あらかじめ易沈降性粒子を沈降除去されたものであるので、易沈降性粒子のみのリサイクルを図ることができる。
請求項22の処理方法は、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留槽に貯留し、汚濁水中の懸濁成分を一時貯留槽内で沈降させる工程と、一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過装置にて清水と懸濁成分とに分離する工程と、前記ろ過装置を逆洗して第1のろ過装置によって分離された懸濁成分を、逆洗水とともに一時貯留槽に戻す工程と、一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項17のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させるとともに、この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、を備えているので、豪雨時の河川治水を図りながら、汚濁水流出を低減し、かつ流出分に関しては後日浚渫等により回収できる機能を有する。そして、薬剤排出を極力抑制することで環境負荷低減を図り、低コストで効率的にSS成分を回収することができる。
請求項25の処理システムは、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留する一時貯留槽と、
この一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過して、清水と懸濁成分とに分離する第1のろ過装置と、前記ろ過装置の逆洗水を前記一時貯留槽に返送する逆洗水返送路と、請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を凝集沈降させるとともに、上澄水を放流する懸濁水処理装置と、前記一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を一時貯留槽から懸濁水処理装置に引水する引水装置と、前記懸濁処理装置の凝集沈降物を含む処理水をろ過して凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに分離する第2のろ過装置と、第2のろ過装置で分離された低含水率固形分の貯槽と、を備えるので、豪雨時の河川治水を図りながら、汚濁水流出を低減し、かつ流出分に関しては後日浚渫等により回収できる機能を有する。そして、薬剤排出を極力抑制することで環境負荷低減を図り、低コストで効率的にSS成分を回収することができる。
請求項26の処理システムは、懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とが、転動輪を有する載置台に搭載され移送可能になっているので、懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とを一時貯留槽に隣接して常設することが不要で複数の一時貯留槽内の汚泥の除去を定期的に行うことができるようになる。これにより人件費の節減や設備費の低減が図れるほか、故障時の修理の容易化、人為的・自然的な故障や妨害の防止、薬剤切れの防止、など様々なメリットを得ることができる。
請求項27の処理方法は、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を自浄性粗目フィルタでろ過する工程と、
前記自浄性粗目フィルタでろ過された粗ろ過水を逆洗装置付きろ過装置にてろ過と逆洗とを繰り返して前記逆洗装置付きろ過装置内で懸濁成分を濃縮しながら清水と懸濁成分とに分離する工程と、を備えているので、河川越流水、河川堆積汚濁水や海洋堆積汚濁水中に含まれる粗大固形物によって逆洗装置付きろ過装置を傷めることなく、河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水中に含まれる難沈降性成分を含む細かい懸濁成分を効率よく濃縮除去することができる。
請求項28の処理方法は、ろ過と逆洗との繰り返しによって逆洗装置付きろ過装置内に溜まった高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項19のいずれかの浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させる懸濁水処理工程と、この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、を備えているので、豪雨時の河川治水を図りながら、汚濁水流出を低減し、かつ流出分に関しては後日浚渫等により回収できる機能を有する。そして、薬剤排出を極力抑制することで環境負荷低減を図り、低コストで効率的にSS成分を回収することができる。
請求項29の処理方法は、自浄性粗目フィルタとしてウェッジワイヤスクリーンを用いるようにしたので、自重排除性に優れ、長期間安定したろ過効果を保つことができる。
また、請求項30の処理方法のように、ウェッジワイヤスクリーンの目開きを200μm以上500μm以下とすれば、より安定したろ過効果を確保することができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる懸濁水の浄化方法の第1の実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この懸濁水の浄化方法は、山等から流れ出た難沈降性微粒子である赤土等の微細粒径土壌を含む懸濁水1を、まず、沈砂池2に貯めて、懸濁水1中の易沈降性の粗い砂や砕石等の大粒の異物を沈砂池2内で沈降させ、上澄として残ったほぼ微細粒径土壌のみを含む懸濁水3を前処理槽4に移す。なお、懸濁水3中の微細粒径土壌の濃度が50000ppmを超える場合は、希釈により微細粒径土壌の濃度が50000ppm以下となるように調整する。
つぎに、易分散性を有する粘性高分子材料であるアルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダン等の粘性多糖類5を濃度が5〜200ppmとなるように、前処理槽4の懸濁水3に加え、図示していないが、攪拌機によって攪拌して均一溶解させた混合液6を得る。
そして、この混合液6を凝集処理槽7内で図示していない攪拌機によって攪拌しながら、顆粒状の塩化カルシウム微粉末8を凝集処理槽7に一気に投入し、粘性多糖類を高重合のゲル化して難沈降性微粒子を巻き込んで大きな凝集塊を短時間で得る。
つぎに、凝集塊の沈降により生じた上澄水をそのまま放流するとともに、凝集処理槽7の底に溜まった凝集塊を高濃度で含む処理済水を無端ベルト式のろ過装置9でろ過してろ液を放流するとともに、無端ベルト上に残った凝集塊10を回収する。
このようにして回収された難沈降性微粒子を含む凝集塊10は、例えば、図2(a)〜(c)のようにして有効利用を図ることができる。
すなわち、図2(a)に示す方法は、ベルトコンベア11上で光や温風で加熱乾燥したのち、セメントなどの凝固材をまぜてニーディング装置12でニーディングしたのち、所望の形状に賦形し、この賦形物13を約80℃で加熱乾燥して凝固材を硬化させて民芸品や産業品(消波ブロック24など)として供するようになっている。
なお、加熱乾燥には、パラボラトラフなどを用いて自然の光から得た熱や、火力発電所、汚泥処理場、廃棄物処理場で使用したエネルギーの廃熱を利用することが好ましい。
図2(b)に示す方法は、シート状になった凝集塊を搬送面が所望大きさの区画に仕切られたベルトコンベア14上にブレード14aを用いてならしながら乗せたのち、ベルトコンベア14で搬送しながら、200℃程度の低温炉15、1000℃程度の高温炉16の順で焼結し、土壌改良剤17を得るようになっている。
図2(c)に示す方法は、シート状になった凝集塊をベルトコンベア18上に載せて搬送しながら、100℃程度の乾燥炉19中を通し、乾燥したのち、組成調整用の粘土成分や形状安定用の長繊維状鉱物成分などを混合してニーディング装置12でニーディングを行ない、さらに、プレス成形装置20で所望形状にプレス成形し、賦形物21を最後に1000℃程度の高温炉22で焼結して、舗装用タイル23などを得るようになっている。
図3は本発明の浄化方法の第2の実施の形態をあらわしている。
この浄化方法は、上記第1の実施の形態と同様にして得られたほぼ微細粒径土壌のみを含む懸濁水3を凝集処理槽7に貯め、まず、凝集処理槽7に磁性体粒子25と粘性多糖類5を投入して攪拌機29で攪拌して均一分散混合したのち、この混合液にさらに顆粒状の塩化カルシウム微粉末8を凝集処理槽7に一気に投入し、粘性多糖類を高重合のゲル化して難沈降性微粒子を巻き込んで大きな凝集塊を短時間で得る。
つぎに、この凝集塊を含む処理水を凝集塊の吸着除去装置30に流し込んで、処理水中の凝集塊のみを吸着除去するようになっている。
すなわち、吸着除去装置30は、水槽31と、磁石からなる円筒ドラム32と、ブレード33とを備え、凝集処理槽7の底に沈殿した凝集塊を水槽31の入口に供給できるようになっている。
水槽31は,入口31a側が出口31b側より高くなった1/4から半円弧状の底面31cを備えている。
円筒ドラム32は、底面31cとの間に数ミリ程度の隙間Sを形成するように設けられ、矢印X方向に回転するようになっているので、凝集処理槽7の底に沈殿した凝集塊を入口側から水槽31に供給すると、凝集塊中に磁性体粒子が包含されているので、凝集塊が水槽31の出口に到る間に、円筒ドラム32の磁力によって円筒ドラム32の表面に吸着され、ほとんど水のみが出口から排出される。
そして、円筒ドラム32の表面に吸着した凝集塊は、吸着状態でブレード33のところまで搬送され、ブレード33によって掻き落とされるようになっている。
図4は、本発明にかかる汚濁水の処理システムの1例をあらわしている。
図4に示すように、この処理システムAは、フィルタ付き枡40と、一時貯留槽41と、第1のろ過装置42と、懸濁水処理装置43と、引水装置としてのポンプ44と、第2のろ過装置45と、貯槽46と、転動輪を有する載置台としてのトラック47とを備えている。
フィルタ付き枡40は、河川越流水48や河川または海洋浚渫汚濁水49が一時貯留槽41に流入する前に、河川越流水48や河川または海洋浚渫汚濁水49中の合成樹脂製の袋を始めとする大きな異物を取り除くように設けられている。
一時貯留槽41は、貯留槽本体部41aと、貯留槽本体部41aの排出側に設けられ、底部で貯留槽本体部41aと連通している回収部41bとを備えている。
貯留槽本体部41aは、その底に回収部41bまで達するU字形をした案内溝41cが設けられていて、貯留槽本体部41aに流入した河川越流水48や河川または海洋浚渫汚濁水49等の汚濁水中のSSのうち、比較的粒径の大きいものは上記案内溝41cに堆積するようになっている。
回収部41bは、マンホール状になっていて、図示していないが、上部にオーバーフロー管が設けられている。
すなわち、回収部41bは、貯留槽本体部41a側から案内溝41cを介して流れ込んだ汚濁水中のSSのうち、比較的粒径の大きいものが高濃度で含まれる高濃度懸濁水が底部に貯まる。一方、大雨等により一度に多量の懸濁水が一時貯留槽41に流れ込んだ場合、前記オーバーフロー管から河川等に排出できるようになっている。
第1のろ過装置42は、精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)、逆浸透膜(RO)等をろ材として用いたものであって、回収部41bの上部ある沈降しにくい粒度の細かいSSが低・中濃度で含まれている上澄水41dをろ過する。
そして、ろ過された清水は、河川や海洋に放流されたり、ろ過装置42の逆洗水50として使用されたりする。
一方、ろ材側に残った固形分は、ろ材を逆洗し、この固形分を含む逆洗水50を、フィルタ付き枡40を介して一時貯留槽41に戻すようになっている。
ろ過装置42は20分から1時間の連続除去運転の後、逆洗されることが好ましい。逆洗は、ろ過した清水でろ過方向とは逆に行う。中空糸外部から内部に吸引して分離したSSを除去する場合は、フィルタ外面にバブリングを行って洗浄しても良い。泡はウッドストーンのような穴を通じても良いし、ベンチュリー管を用いて空気を微細化したり、旋回流方式や加圧溶解したものを開放させて発生させたり超音波によるキャビテーションを用いても良い。
他方、一時貯留槽に戻された逆洗水50は、SSと洗浄水によって構成されており、また、ろ過装置42によるろ過の際SS同士が凝集して粒径が大きくなるため、SSが沈殿しやすくなっている。このため、逆洗水50を一時貯留槽50内に戻すごとに底に沈殿するSS濃度は増加し、低濃度の上澄水41dが減少していく。
ここで、更に上澄水41dのろ過を継続すると、ポンプやMF等のろ過膜内部に著しい高濃度の汚泥が侵入し、機械故障が発生する恐れがある。このため、回収部41bにおけるSS濃度が所定水準まで上昇をした時点でろ過膜によるろ過を停止させる。
停止には経験的に所定の時間経過で停止しても良いし、管路の途中に濁度計を設置し濁度レベルに応じて機器を停止させてもよい。また目視によって停止させてもよい。
第1のろ過装置への供給を停止させた後は、懸濁水処理装置43による汚泥回収を行う。ポンプ44は、ろ過装置42とは異なる高濃度汚泥対応ポンプが好ましい。
懸濁水処理装置43は、沈殿槽43aと、回収部41bの底部に溜まった高濃度のSSを含む高濃度懸濁水41eをこの沈殿槽43aへ送る配管43bとを備えている。
配管43bは、図5および図6に示すように、内部に攪拌手段としての多数の邪魔板51を備えているとともに、図示していないが、配管43bの途中に天然材料系の粘性高分子材料を配管43b内へ供給する粘性高分子材料供給部、多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を配管43b内へ供給する多価金属塩粉粒体供給部を順に備えている。すなわち、配管43bで搬送される間に高濃度懸濁水41eと粘性高分子材料とが急速攪拌されたのち、この混合液とお多価金属塩粉粒体とが急速攪拌され、高濃度懸濁水41e中のSSが凝集し、沈殿槽43aに送られる。
なお、各邪魔板51は、配管43bの内断面積の20%〜70%の大きさをしていて、配管43b内に設けられた支柱52に支持されて配管43bの内径の0.5倍から2倍の間隔を置いて配置されているとともに、配管43bの管軸方向で隣り合う邪魔板51の長軸に対して角度が90度ずれて配置されている。
沈殿槽43aは、配管43bから排出される凝集物を含む処理水が供給され、凝集物を沈殿槽43aの底に沈殿させるとともに、上澄水をオーバーフローによって河川や海洋に放流できるようになっている。
第2のろ過装置45は、沈殿槽43aの底の溜まった凝集沈殿物を脱水ろ過するようになっている。ろ過により得られた清水は、河川や海洋に放流されたり、ろ過装置45の逆洗水として使用されたりする。
貯槽46は、ろ過装置45によって得られる低含水率の固形分を貯めるようになっている。
トラック47は、その荷台部分に懸濁水処理装置43と、ポンプ44と、第2のろ過装置45と、貯槽46とが搭載され、これらが搭載された状態で移動可能になっている。
懸濁水処理装置43は、処理水量が少ない場合にはトラック47に搭載するが、処理水量が多い場合には現場に設置しても構わない。
この処理システムAは、以上のように、回収部41b上部の沈降しにくい粒度の細かいSSが低・中濃度で含まれている上澄水41dを膜ろ過である第1のろ過装置42にてろ過するようにしたので、得られる清水中には、薬剤の混入がなく、そのまま放流しても河川や海洋を汚染したりすることがない。
また、上澄水41dは、SSが低・中濃度で含まれているだけであるので、ろ過装置42だけでなくポンプの故障も低減することが可能であり、メンテナンスの手間やそれに伴うコストの低減が図れる。また、一時貯留槽41にて効率的に濃縮・集約できるため槽内の定期的な清掃が不要となりランニングコストの大幅な低減が図れる。しかも、逆洗水50を一時貯留槽41に戻すようにしたので、膜ろ過の濃縮水回収のための槽を別途容易する必要が無くなり、そのための準備やコストが低減できる。
また、一時貯留槽41にて効率的に濃縮・集約できるため槽内の定期的な清掃が不要となりランニングコストの大幅な低減が図れるだけでなく、膜ろ過の濃縮水回収のための槽を別途容易する必要が無くなり、そのための準備やコストが低減できる。
回収部41bの底に貯まった高濃度懸濁水は、回収部41bより容易にほぼ全量回収でき作業性が改善される。
凝集剤には天然材料系を使用するため、凝集ろ過後の清水に溶解した薬剤は環境への負荷が著しく小さい。更に、凝集粒径が大きいため不織布脱水でも目詰まりが無く、装置が簡易になる。また脱水後の固形物含水率は30〜40重量%であり、回収のための容量が小さくて済む。結果として懸濁水処理装置43、ポンプ44、第2のろ過装置45、貯槽46等の設備全体が小さくなり、懸濁水処理装置43、ポンプ44、第2のろ過装置45、貯槽46等がトラック47に積載しての運搬が可能になる。
したがって、懸濁水処理装置43、ポンプ44、第2のろ過装置45、貯槽46等を一時貯留槽41に隣接して常設することが不要で複数の一時貯留槽41内の汚泥の除去を定期的に行うことができるようになる。これにより人件費の節減や設備費の低減が図れるほか、故障時の修理の容易化、人為的・自然的な故障や妨害の防止、薬剤切れの防止、など様々なメリットを得ることができる。
さらには、浚渫を含め定期的な回収業務が可能になるために、地場の事業として安定的な運営が可能となり、計画的な運営が可能となる。結果、計画的に土砂等の除去が行えるため、南方の離島の計画的珊瑚礁復元計画や自治体の年度予算作成に貢献することが可能になる。
なお、凝集剤の攪拌は、プロペラやポンプ等の機械的攪拌であっても良いが、荷台上のスペース確保の面、機械的メンテナンス性の面から上記のように自然流下による配管43b内での混練で凝集を行うことが好ましい。
また、懸濁水処理装置43、ポンプ44、第2のろ過装置45、貯槽46等は、処理頻度が高い場合は固定式であっても良いが、通常の処理頻度はろ過装置の稼働率よりも低くなるので、上記のように、移動可能にすることが好ましい。
図7は本発明の処理方法の1例をあらわしている。
図7に示すように、この処理方法は、まず、河川越流水48や河川または海洋浚渫汚濁水49を、自浄性粗目フィルタ60によって、ろ過したのち、自浄性粗目フィルタ60で粗大固形物が除去された粗ろ過水である難沈降性懸濁成分を含む懸濁水を、逆洗装置付きろ過装置80で逆洗を繰り返しながら、ろ過によって得られた清水と、懸濁成分を高濃度で含む高濃度懸濁水に分離するようにした以外は、図4に示す上記処理システムを用いた処理方法と同様になっている。
詳しく説明すると、自浄性粗目フィルタ60は、図8に示すように、フィルタ筒としての内筒62と、この内筒62を覆う外筒63と、上記内筒62及び外筒63の各端部にそれぞれ固定されている一対の端板64、65とを有している。
内筒62と外筒63との間には、適宜な間隔を有する集水空間66が形成されている。
外筒63の下部外周には集水管67が下向きに連通して設けられている。
集水管67は、後述する逆洗装置付きろ過装置80の受水部82aに接続されている。
内筒62には、河川越流水48や河川または海洋浚渫汚濁水49の導入管71が上流側で接続され、排水管72が下流側で接続されている。
内筒62のフィルタ部61は、図8および図9に示すように細い楔型をしたワイヤ(以下、「ファインウェッジワイヤ」という)68を微細な目開き(スリット)68aをもって複数本配列したものからなっている。この目開き68aは、内筒62の内側から外側に向かうにしたがって拡開している。
ファインウェッジワイヤ68は、その長手方向の大きさは0.5〜1mmであって、材料はSUS製である。ファインウェッジワイヤ68の内面68dを連ねることにより仮想内面62aが構成されている。
また、図8および図9に示すように、ファインウェッジワイヤ68は、内面68dが内筒62の中心と平行な仮想内面62aの垂直線62bに対する傾斜角θが2〜20°となっている。
目開き68aの大きさは200〜500μmであって、目開き68aの配列方向は矢印Iで示す汚濁水の流れ方向に対して略直角に配列されている。
ファインウェッジワイヤ68をこのように傾斜させることにより、図9に示すように、ファインウェッジワイヤ68の内面68dは、上流側の角隅部68bが下流側の角隅部68cよりも若干高くなっている。
このようにファインウェッジワイヤ68を下流側に傾斜させることにより、ファインウェッジワイヤ68の角隅部68bが段部を形成することになる。そして、仮想内面62aに沿って流れる汚濁水Iは、角隅部68b(段部)に当たって矢印IIで示すように舞い上がるように方向を変えることになる。
そして、導入管71から流入した汚濁水Iが角隅部68b(上流側の角隅部)により舞い上がることにより、汚濁水Iに含まれる粗大固形物がファインウェッジワイヤ68間の目開き68a内に入って引っ掛かって目詰まりを生じるような不具合な現象は確実に防止される。
この結果、自浄性粗目フィルタ60の内筒62は常に良好な集水性能を保持することができると共に、内筒62に対する目詰まり除去のメンテナンスを略不必要とすることができる。
また、粗大固形物が除去された粗ろ過水である難沈降性懸濁成分を含む懸濁水は、ファインウェッジワイヤ68間の目開き68aから集水空間66に入り、集水管67を介して逆洗装置付きろ過装置80へ送られる。
なお、自浄性粗目フィルタ60の勾配は0°〜30°に設定されている。
また、今回は円筒状の自浄性粗目フィルタを例示したが、メンテナンス性を考慮して、上部に開口部を有した枡状の形状でも構わない。
逆洗装置付きろ過装置80は、フィルタ本体81と、正逆回転式ポンプ88と、ろ過水タンク89とを備えている。
フィルタ本体81は、ろ材カートリッジ83と、ケーシング82とを備えている。
ろ材カートリッジ83は、ケーシング82に収容され、図示していないが、中空糸膜やセラミックスによって形成された多数の棒状のろ材が上下方向に平行に配置された状態で上下の基板によって支持されていて、上部の基板側で配管84を介して正逆回転式ポンプ88に接続されている。
逆洗装置付きろ過装置80は、集水管67から流れ込む粗大固形物が除去された難沈降性懸濁成分を含む懸濁水が流入するようになっている。
ろ材カートリッジ83は、ケーシング82の略中央にセットされるとともに、その間隙を難沈降性懸濁成分を含む懸濁水が流れ込むようになっている。
ケーシング82の底部には、高濃度懸濁水の排出管85が接続されている。
排出管85は、高濃度懸濁水タンク90に接続されている。
正逆回転式ポンプ88は、通常は正回転していて、一定時間毎に数秒間逆回転するようになっているか、正逆回転式ポンプ88に一定以上の負荷がかかると数秒間逆回転するようになっている。
ろ過水タンク89は、フィルタ本体81でろ過された清水を貯留できるようになっているとともに、清水を河川等へ放流できるようになっている。
すなわち、この逆洗装置付きろ過装置80は、正逆回転式ポンプ88が正回転しているときは、ケーシング82の内部に流入した難沈降性懸濁成分を含む懸濁水をろ材カートリッジ83のろ材を介して懸濁水中の懸濁成分をろ材表面でろ過し、ろ過水がろ材内部を通って吸引され、ろ過水タンク89に貯水される。
そして、一定時間毎に数秒逆回転する、あるいは、正逆回転式ポンプ88に一定以上の負荷がかかると数秒間逆回転することによって、ろ材表面に溜まった懸濁成分をろ材表面から取り除き、ろ過効率の低下を防止しつつ、ケーシング82内の懸濁成分濃度を高濃度化するようになっている。
高濃縮懸濁水タンク90内の高濃度懸濁水は、ポンプ91を介して懸濁水処理装置43に送られ、図4の処理方法と同様に処理される。
すなわち、この処理方法によれば、自浄性粗目フィルタ60によって、予め汚濁水中に含まれる易沈降性の粗大固形物を除去するので、逆洗装置付きろ過装置80が粗大固形物によって傷付いたり、粗大固形物が逆洗装置付きろ過装置80による濃縮ろ過を妨げたりすることがない。しかも、自浄性粗目フィルタ60でろ別された粗大固形物は、自浄性粗目フィルタ60の自浄作用によってろ過面から取り除かれるので、長期間メンテナンスが不要となる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記第2の実施の形態では、円筒ドラム32によって凝集塊を連続的に吸着させていたが、凝集処理槽に直接磁石の板材等を浸けて、凝集処理槽中の凝集塊を磁石に吸着させた後、磁石を凝集処理槽外に引き上げるバッチ式の方法を用いても構わない。
また、ろ過装置42で得られた高濃度のSSを含む濃縮水は、そのまま回収しても良いが、含水率が高く廃棄のための輸送効率が悪くコスト高になる恐れがある。さらに、周囲にそのまま散水すると、乾燥した後飛散し、再度河川や海洋に堆積する恐れがあるので注意して行う。また粉塵被害も懸念されるので、散水する場合は飛散防止対策を施すことが好ましい。
なお、海洋堆積汚泥を浚渫する場合は、塩分を含むので、パイプ並びにろ過設備はプラスチック製で構成されることが好ましい。鋼管を使用する場合は、内部をプラスチック等で被覆されたライニング鋼管を使用することが好ましい。
つぎに、本発明の具体的な実施例および比較例を説明する。
(実施例1)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて2000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、25ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例2)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、25ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化マグネシウム(和光純薬試薬社製試薬)を500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例3)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて40000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、50ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例4)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて2000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、5ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を50ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例5)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて50000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、200ppmの濃度となる量のフコダイン複合体(もずくを80℃温水中で2時間加熱したのち、もずくを取り出し、残った抽出液を真空乾燥させて得たフコイダン+アルギン酸複合体)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してフコダイン複合体が均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を2500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例6)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて40000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、100ppmの濃度となる量のペクチン(和光純薬試薬社製試薬 かんきつ類由来)を少量ずつ徐々に加え、3分間攪拌してペクチンが均一に分散された混合液を得た。この混合液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に調整したのち、攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例7)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、100ppmの濃度となる量のグルコマンナン(和光純薬試薬社製試薬)を少量ずつ徐々に加え、3分間攪拌してグルコマンナンが均一に分散された混合液を得た。この混合液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に調整したのち、攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例8)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、100ppmの濃度となる量のこんにゃく粉末(日本こんにゃく協会製「こんにゃくの粉」)を少量ずつ徐々に加え、3分間攪拌してこんにゃく粉末が均一に分散された混合液を得た。この混合液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に調整したのち、攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例9)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、20ppmの濃度となる量のめかぶ乾燥粉末(乾燥めかぶを粗粉砕した物をライカイ機で再粉砕し、150μmメッシュにて分級して得た平均粒径10μmのもの)を少量ずつ徐々に加え、5分間攪拌してめかぶ粉末が均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例10)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、50ppmの濃度となる量のもずく乾燥粉末(乾燥もずくを粗粉砕した物をライカイ機で再粉砕し、150μmメッシュにて分級して得た平均粒径100μmのもの)を少量ずつ徐々に加え、5分間攪拌してもずく粉末が均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例11)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、150ppmの濃度となる量のめかぶ乾燥粉末(乾燥めかぶを粗粉砕した物をライカイ機で再粉砕し、150μmメッシュにて分級して得た平均粒径200μmのもの)を少量ずつ徐々に加え、十分膨潤させるために、10分間攪拌した後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例12)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、300ppmの濃度となる量のもずく乾燥粉末(乾燥もずくを粗粉砕した物をライカイ機で再粉砕し、150μmメッシュにて分級して得た平均粒径1500μmのもの)を少量ずつ徐々に加え、十分膨潤させるために、10分間攪拌した後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例13)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて20000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、25ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら、予め飽和濃度の70%濃度になるように顆粒状塩化マグネシウム(和光純薬試薬社製試薬)を溶解した準飽和水溶液を500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に混合させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(実施例14)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて40000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、50ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら、予め飽和濃度の50%濃度になるように顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を溶解した準飽和水溶液を1500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に混合させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(比較例1)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として加え、3分間攪拌して均一分散させて2000ppm濃度の懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を500ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させたのち、攪拌しながらアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を25ppmの濃度となる量を少量ずつ徐々に加え、投入完了後、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
(比較例2)
顆粒状塩化カルシウムを一気に投入する代わりに、塩化カルシウムの5%水溶液を塩化カルシウム濃度が500ppmとなるように、1分間かけて混合液に加えた以外は、実施例1と同様にして、攪拌を停止し、1分間静置して上澄と凝集塊の沈殿物に分離した。
上記実施例1〜14および比較例1,2で得られたそれぞれの上澄の濁度を比濁法により判定し、その結果を表1に示した。
上記表1から、本発明の方法によれば、上澄の濁度が10以下であり、懸濁水を素早く浄化できることがわかる。
(実施例15)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として2000ppmとなる量を加え、ここにマグネタイト(三井金属鉱業社製 平均粒径:0.38ミクロン 比重:5.1)を1000ppmとなる量を加え、3分間攪拌して均一分散させて懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、50ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1000ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、凝集塊が沈殿した処理水を得た。この処理水を図3に示すような吸着除去装置30に供給し、以下のような条件で処理水中から凝集塊を取り除き、ブレード33で円筒ドラム32に吸着した凝集塊を掻き落とした。
(条件)
吸着除去装置30の処理水供給速度:1L/分
円筒ドラム32の寸法:φ100mm×幅300mm
円筒ドラム32の磁力:4000ガウス
円筒ドラム32の回転速度:7rpm
円筒ドラム32と水槽31底面との隙間:5mm
上記のようにして凝集塊を吸着除去したのちの処理水の濁度は2であった。
また、ブレード33で掻き落とされた凝集塊の含水率は85重量%であった。
(実施例16)
溶媒としての蒸留水中に、沖縄の赤土(国頭マージ)乾燥物をふるいにかけ、45ミクロンメッシュパス品を難沈降性微粒子として2000ppmとなる量を加え、3分間攪拌して均一分散させて懸濁水サンプルを得た。
この懸濁水サンプルに、50ppmの濃度となる量のアルギン酸ナトリウム(和光純薬試薬社製 粘度300〜400mPa・Sのもの)を少量ずつ徐々に加え、完全に溶解してから3分間攪拌してアルギン酸ナトリウムが均一に分散された混合液を得た。この混合液の攪拌を続けながら顆粒状塩化カルシウム(和光純薬試薬社製試薬 デシケーター用)を1000ppmの濃度となる量、一気に投入し、600〜800rpmで急速に攪拌しながら完全に溶解させ、1分間攪拌の後、攪拌を停止し、3分間静置し上澄と凝集塊の沈殿物とに分離させた。
上澄の濁度を測定したところ、2であった。また、凝集塊の沈殿物を処理槽下部に設けた排水口より排出し、含水率を測定したところ、97重量%であった。
(実施例17)
以下のような構成の図4に示す処理システムAを用意した。
(1)貯留槽本体部41a:積水化学工業社製「レインステーション」容量500m3(地下に埋設)
(2)第1のろ過装置42:旭化成社製「浸漬膜ろ過システム(ろ過速度は2ton/h)」(3)第2のろ過装置45:積水アクアシステム社製「CS脱水機」
(4)配管43b:φ30mmの塩化ビニル樹脂管
(5)邪魔板51:管内に沿う形状でt=3mm、15mm幅の塩化ビニル樹脂製
(6)邪魔板51のピッチ:40mm
そして、上記のような構成の処理システムAの一時貯留槽41内に150tonの河川汚濁水をポンプにて吸水し貯留したところ、貯留された汚濁水中の粒径50μm以上のSS(粒径汚泥)は比較的すみやかに沈殿し、約20μm以下のSSはおおよそ浮遊していた。なお、汚濁水のSS濃度は約1000mg/Lであった。SS粒度分布は、8μmを中心粒径としておおよそ正規分布であり、最小は約0.2μm径であった。
つぎに、回収部41bに浮きに接続したホース先端が、上澄水が吸引できるように吸引ホースを設置し、上澄水を第1のろ過装置42によって25分間ろ過したのち、5分間逆洗するという30分1サイクルの工程を連続的に約3日間繰り返し行なった。
ろ過によって得られた清水および濃縮水のSS濃度を適宜計測したところ、清水は平均して5mg/L以下、濃縮水は平均して4000mg/L以上であった。
なお、逆洗は予め用意した水道水並びにろ過中に得られる清水を使用して行った。
連続的に約3日間連続して分離を行った。
上澄水が高濃度になったところで、第1のろ過装置42によるろ過を停止し、トラック47を回収部41bを近傍まで移動させて回収部41b内の高濃度懸濁水を、配管43bを介して沈殿槽43aに流量が2t/hr送るとともに、配管43bの途中でアルギン酸ナトリウムを5g/分(150ppm相当)で投入し、邪魔板51による攪拌を配管43bの1m長さ分行ったのち、顆粒状塩化カルシウムを83g/分(2500ppm相当)で投入し、邪魔板51による攪拌を配管43bの1m長さ分行って高濃度懸濁水中のSSを凝集させて、凝集物を沈殿槽43aで沈殿させた。上澄水は静かにオーバーフローさせて河川に放流した。放流した上澄水のSS濃度は平均して約25g/Lであった。
続いて、沈殿槽43a下部に堆積した凝集汚泥を、沈殿槽43a上部よりポンプを用いて吸引し、第2のろ過装置45を使用して脱水した。
脱水後の固形物は、約35%の含水率の土塊として得られた。
本発明にかかる懸濁水の浄化方法の第1の実施の形態を模式的に説明する模式図である。 本発明にかかる懸濁水の浄化方法で発生する凝集塊の用途を模式的に説明する模式図である。 本発明にかかる懸濁水の浄化方法の第2の実施の形態を模式的に説明する模式図である。 本発明にかかる汚濁水の処理システムの1つの実施の形態を模式的にあらわす模式図である。 図4の処理システムに用いられる攪拌手段付き配管の1例をあらわす断面斜視図である。 図5の配管の横断面図である。 本発明にかかる汚濁水の処理方法に用いる処理システムの1例を模式的にあらわす模式図である。 図7の処理システムの自浄性粗目フィルタの断面図である。 図8の自浄性粗目フィルタの要部拡大断面図である。自浄性粗目フィルタ
符号の説明
1,3 懸濁水
5 粘性多糖類(粘性高分子材料)
6 混合液
8 顆粒状塩化カルシウム(多価金属塩粉粒体)
32 円筒ドラム(磁石)
A 処理システム
41 一時貯留槽
41a 貯留槽本体部
41b 回収部
41c 案内溝
41d 上澄水
41e 高濃度懸濁水
42 第1のろ過装置
43 懸濁水処理装置
44 ポンプ(引水装置)
45 第2のろ過装置
46 貯槽
47 トラック(転動輪を有する載置台)
48 河川越流水
49 河川または海洋浚渫汚濁水
50 逆洗水
60 自浄性粗目フィルタ
68 ファインウェッジワイヤ
68a 目開き
80 逆洗装置付きろ過装置
I 汚濁水

Claims (30)

  1. 難沈降性微粒子を含む懸濁水中に多価金属イオンによって凝集するとともに水に対して易分散性を有する粘性高分子材料を均一に分散させた混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えていることを特徴とする懸濁水の浄化方法。
  2. 懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が50000ppm以下で、粘性高分子材料の添加濃度が5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmである請求項1に記載の懸濁水の浄化方法。
  3. 粘性高分子材料が、分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類である請求項1または請求項2に記載の懸濁水の浄化方法。
  4. 難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し、均一攪拌して前記粘性多糖類が溶け出た混合液を得たのち、この混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して前記難沈降性微粒子を包含する凝集塊を形成する凝集処理工程を備えていることを特徴とする懸濁水の浄化方法。
  5. 天然物乾燥微粉末の粒子径が平均で1〜100μmである請求項4に記載の懸濁水の浄化方法。
  6. 懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度が5〜200ppm、多価金属塩粉粒体の添加濃度が20〜3000ppmである請求項4または請求項5に記載の懸濁水の浄化方法。
  7. 多価金属塩が、カルシウム塩およびマグネシウム塩のいずれか一方である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  8. 凝集処理工程で、混合液中に磁性体粒子を混合させた状態で、混合液に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入し、急速攪拌混合して難沈降性微粒子とともに、前記磁性体粒子を包含した凝集塊を得たのち、凝集処理後の凝集処理水中から凝集塊を磁石によって吸着させて取り除く、凝集塊吸着除去工程を備える請求項1〜請求項7のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  9. 混合液を、配管を介して搬送し、この搬送中に配管内に多価金属塩粉粒体またはその準飽和水溶液を投入するとともに、投入直後から配管内部に設けられた攪拌手段によって急速攪拌する請求項1〜請求項8のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  10. 配管内部の攪拌手段が、配管の流路の一部を遮るように、配管の管軸方向に間欠的に設けられた複数の邪魔板であるとともに、各邪魔板の長軸が、配管の管軸方向で隣り合う邪魔板の長軸に対して角度が90度ずれて配置されている請求項9に記載の懸濁水の浄化方法。
  11. 邪魔板が、配管の内断面積の20%〜70%の大きさである請求項10に記載の懸濁水の浄化方法。
  12. 邪魔板が、配管内径の0.5倍から2倍の間隔を置いて配置されている請求項10または請求項11に記載の懸濁水の浄化方法。
  13. 難沈降性微粒子を含む懸濁水中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる沈降工程を備えていることを特徴とする懸濁水の浄化方法。
  14. 難沈降性微粒子を含む懸濁水中に磁性体粒子を混合したのち、この混合液中に分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類を成分中に含む天然物乾燥微粉末を投入し膨潤させるとともに、均一攪拌して膨潤した天然物乾燥微粉末に前記難沈降性微粒子および磁性体粒子を吸着させて天然物乾燥微粉末とともに沈降させる沈降工程と、この沈降工程で沈降した難沈降性微粒子および磁性体粒子が吸着した天然物乾燥微粉末を磁石によりよって吸着させて取り除く、沈降粒子吸着除去工程を備えていることを特徴とする懸濁水の浄化方法。
  15. 天然物乾燥微粉末の粒子径が平均で100〜3000μmである請求項13または請求項14に記載の懸濁水の浄化方法。
  16. 懸濁水中の難沈降性微粒子濃度が10000ppm以下で、天然物乾燥微粉末の添加濃度が5ppm以上である請求項13〜請求項15のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  17. 天然物乾燥微粉末が、コンブ、ワカメ、ヒジキ、メカブ、コンニャク、モズクからなる群より選ばれた少なくとも1種の粉砕物である請求項4〜請求項16のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  18. 天然物乾燥微粉末が、廃棄天然物の粉砕物である請求項4〜請求項17のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  19. 分子中に−O−CO−構造部分を有する粘性多糖類が、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、フコイダンからなる群より選ばれたいずれか1種である請求項3〜請求項18のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  20. 難沈降性微粒子が微細粒径土壌である請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  21. 難沈降性微粒子を含む懸濁水が、あらかじめ易沈降性粒子を沈降除去されたものである請求項1〜請求項20のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法。
  22. 河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留槽に貯留し、汚濁水中の懸濁成分を一時貯留槽内で沈降させる工程と、
    一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過装置にて清水と懸濁成分とに分離する工程と、
    前記ろ過装置を逆洗して第1のろ過装置によって分離された懸濁成分を、逆洗水とともに一時貯留槽に戻す工程と、
    一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させる懸濁水処理工程と、
    この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、
    を備えていることを特徴とする汚濁水の処理方法。
  23. 第1のろ過装置が精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜のいずれかを備えている請求項22に記載の汚濁水の処理方法。
  24. 第2のろ過装置によるろ過によって得られる清水のSS濃度を25mg/L以下、低含水率固形分の含水率を50%以下とする請求項22または請求項23に記載の汚濁水の処理方法。
  25. 河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を一時貯留する一時貯留槽と、
    この一時貯留槽に貯留された前記汚濁水の上澄水をろ過して、清水と懸濁成分とに分離する第1のろ過装置と、
    前記ろ過装置の逆洗水を前記一時貯留槽に返送する逆洗水返送路と、
    請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を凝集させるとともに、凝集物を沈殿させる沈殿槽を有する懸濁水処理装置と、
    前記一時貯留槽中の高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を一時貯留槽から懸濁水処理装置に引水する引水装置と、
    前記懸濁処理装置の凝集沈降物を含む処理水をろ過して凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに分離する第2のろ過装置と、
    第2のろ過装置で分離された低含水率固形分の貯槽と、
    を備えることを特徴とする請求項22〜請求項24のいずれかに記載の汚濁水の処理方法に用いる汚濁水の処理システム。
  26. 懸濁水処理装置と、引水装置と、第2のろ過装置と、貯槽とが、転動輪を有する載置台に搭載され移送可能になっている請求項25に記載の汚濁水の処理システム。
  27. 河川越流水、河川堆積汚濁水および海洋堆積汚濁水のいずれかの難沈降性微粒子を懸濁成分に含む汚濁水を自浄性粗目フィルタでろ過する工程と、
    前記自浄性粗目フィルタでろ過された粗ろ過水を逆洗装置付きろ過装置にてろ過と逆洗とを繰り返して前記逆洗装置付きろ過装置内で懸濁成分を濃縮しながら清水と懸濁成分とに分離する工程と、
    を備えていることを特徴とする汚濁水の処理方法。
  28. ろ過と逆洗との繰り返しによって逆洗装置付きろ過装置内に溜まった高濃度の懸濁成分を含む高濃度懸濁水を、懸濁水処理装置に移し、懸濁水処理装置内で請求項1〜請求項19のいずれかに記載の懸濁水の浄化方法を用いて懸濁成分を凝集沈降させる懸濁水処理工程と、
    この懸濁水処理工程で得られた凝集沈降物を含む処理水を、凝集沈降物を含む低含水率固形分と清水とに第2のろ過装置で分離する凝集沈降物分離工程と、
    を備えている請求項27に記載の汚濁水の処理方法。
  29. 自浄性粗目フィルタがウェッジワイヤスクリーンである請求項27または請求項28に記載の汚濁水の処理方法。
  30. ウェッジワイヤスクリーンの目開きが200μm〜500μmである請求項29に記載の汚濁水の処理方法。
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