JP2008205804A - 音響システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低域から中高域までの周波数の騒音を高精度かつ効率的に低減させることが可能な音響システムを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る音響システム1は、参照マイク7により収音された消音対象となる音にフィルタ処理を施して周波数特性を平坦化させる参照マイク用ノイズ補正手段13と、ユーザの耳位置近傍に設けられる補正マイク5L、5Rで収音された音にフィルタ処理を施して周波数特性を平坦化させる補正マイク用ノイズ補正手段14、15とを有している。さらに、音響システム1は、参照マイク用ノイズ補正手段13でフィルタ処理が施された音と補正マイク用補正手段14、15でフィルタ処理が施された音とに基づいて、ユーザの耳位置近傍における騒音を低減させるための音響信号を生成する音響補正手段11、12、その音響信号を出力するスピーカ4L、4Rとを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、低域から中高域までの騒音を低減させることが可能な音響システムに関する。
従来から、周囲の騒音を低減させるための技術の一つとして、アクティブノイズコントロール(ANC)制御技術が知られている。これは騒音をマイクによって収音し、逆位相の音をスピーカから出力することにより、騒音を打ち消す技術である。
車両内における騒音を低減させるために、従来から様々な構成が提案されており、その一例として、車両ドアに設置されるスピーカを用いてANC制御を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−133981号公報
しかしながら、車両ドアに設置されるスピーカでは、消音位置、具体的には車両に乗車するユーザの耳位置近傍とスピーカの設置位置とが比較的離れているため、伝播損失が大きく、スピーカ出力において大きな出力レベルが必要とされるという問題があった。
また、波長の短い中高域の音においては、人や積載物により音響特性の変化を受けやすく、適用できる周波数が低域に制限されるという問題があった。
さらに、車両停止時等においてドアを開閉した場合には、ユーザの耳位置からスピーカまでの距離が変化してしまうため、消音位置までの音の伝播距離が変わって音響特性が大きく変化し、消音効果が低減してしまうという問題があった。
また、車両走行時においては、車両の走行速度に応じて車室内に侵入する騒音の大きさおよびその特性が変化するため、アクティブノイズコントロールによる消音制御のみでは、処理負担の増大に伴い処理の遅延等が生じてしまうおそれがあった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、低域から中高域までの周波数の騒音を高精度かつ効率的に低減させることが可能な音響システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る音響システムは、消音対象となる音を収音する参照マイクと、ユーザの耳位置近傍に設けられる補正マイクと、前記参照マイクにより収音された参照マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該参照マイク音の周波数特性を平坦化させる参照マイク用ノイズ補正手段と、前記補正マイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させる補正マイク用ノイズ補正手段と、前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記補正マイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの耳位置近傍における騒音を低減させるための音響信号を生成する音響補正手段と、該音響補正手段により生成された前記音響信号の出力音を前記ユーザの耳位置近傍に出力するスピーカとを備えることを特徴とする。
上記音響システムでは、参照マイク用ノイズ補正手段によって参照マイク音(例えば、騒音)の周波数特性が平坦化された後に音響補正手段により消音処理が行われるので、参照マイク音を一定の応答時間で低域から高域までの全帯域にわたって均一に消音することが可能となる。
さらに、音響補正手段は、補正マイク用ノイズ補正手段によって周波数特性が平坦化された補正マイク音を用いて参照マイク音の消音処理が行われるので、音響補正手段による消音処理を効果的に行うことができ、参照マイク音を低域から高域までの全帯域にわたって全体的に消音することが可能となる。
また、上記音響システムにおいて、前記補正マイクが、前記ユーザの左耳位置近傍に設けられるLマイクと、前記ユーザの右耳位置近傍に設けられるRマイクとを有し、前記補正マイク用ノイズ補正手段が、前記Lマイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させるLマイク用ノイズ補正手段と、前記Rマイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させるRマイク用ノイズ補正手段とを有し、前記音響補正手段が、前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記Lマイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの左耳位置近傍における騒音を低減させるためのLチャンネル用音響信号を生成するLチャンネル用音響補正手段と、前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記Rマイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの右耳位置近傍における騒音を低減させるためのRチャンネル用音響信号を生成するRチャンネル用音響補正手段とを有し、前記スピーカが、前記Lチャンネル用音響信号の出力音を前記ユーザの左耳位置近傍に出力するLスピーカと、前記Rチャンネル用音響信号の出力音を前記ユーザの右耳位置近傍に出力するRスピーカとを備えるものであってもよい。
このような音響システムでは、参照マイクの消音処理を行うために、ユーザの左右の耳位置近傍にそれぞれLマイクおよびRマイクを設置して、LマイクおよびRマイクのそれぞれから収音した補正マイク音(誤差音)をLマイク用ノイズ補正手段とRマイク用ノイズ補正手段とを用いてそれぞれ平坦化し、さらに、平坦化された左右の補正マイク音を用いて、参照マイクにより収音された参照マイク音(騒音)をLチャンネル用音響補正手段とRチャンネル用音響補正手段とを用いて左右別々に消音処理するので、空間を左右に分割し、ユーザの左右耳元近傍でそれぞれ独立した消音制御を行うことができる。このため、左右の耳位置における騒音に違いがあった場合であっても、それぞれの騒音に応じて、低域から中高域までの騒音を高精度かつ効率的に低減させることが可能となる。
さらに、上記音響システムにおいて、前記Lマイクおよび前記Lスピーカは前記ユーザが着座するシートの左上部に配設され、前記Rマイクおよび前記Rスピーカは前記シートの右上部に配設されるものであってもよい。
このように、シートの左上部にLマイクおよびLスピーカを配設し、シートの右上部にRマイクおよびRスピーカを配設することによって、シートに着座するユーザの耳位置と左右マイクおよび左右スピーカ位置とが常に一定に保たれるため、ユーザは安定した消音効果を享受することができる。
また、上記音響システムが車両に設置され、前記参照マイク用ノイズ補正手段と前記補正マイク用ノイズ補正手段とが、前記フィルタ処理に用いるための補正フィルタを複数種類備え、前記車両の走行速度に応じて前記フィルタ処理に用いる前記補正フィルタの種類を変更するものであってもよい。
このような音響システムでは、車両の走行速度に応じてフィルタ処理に用いる補正フィルタの種類を変更することによって、走行速度に応じて異なる参照マイク音および補正マイク音の周波数特性に対応させた最適な補正フィルタを選択することができるので、参照マイク音および補正マイク音の周波数特性をより適切かつ効果的に平坦化させることが可能となる。
さらに、上記音響システムにおいて、前記スピーカが、低域から高域までの出力音を出力可能なフルレンジスピーカであってもよい。
このように、スピーカとして低域から高域までの出力音を出力可能なフルレンジスピーカを用いることによって、低域用スピーカ、高域用スピーカ等の複数のスピーカを用いる必要がなくなる。このように、1つのスピーカで低域から高域までの全帯域の消音信号を出力することができるので、システム構成の簡略化を図ることが可能となる。
本発明に係る音響システムによれば、参照マイクにより収音された音にフィルタ処理を施して周波数特性を平坦化させてから音響補正手段によって騒音低減処理を行うので、周波数の低域だけでなく低域から中高域まで全帯域において音響補正手段による消音効果を得ることが可能となる。
本発明に係る音響システムついて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、音響システム1の概略構成を示した図である。音響システム1は、車両の室内に設置されており、図1に示すように、車両のシート2のヘッドレスト部3の左右(前方方向を臨んで左右)に設置される消音スピーカ4L(Lスピーカ),消音スピーカ4R(Rスピーカ)と、消音スピーカ4L,4Rの近傍に設置されるエラーマイク5L(Lマイク、補正マイク),エラーマイク5R(Rマイク、補正マイク)と、騒音制御を行う装置本体部6と、消音対象となる騒音(ノイズ、参照マイク音)を収音する参照マイク7とを有している。また、装置本体部6は、車両の速度を検出するための車速センサ9に接続されており、車速センサ9より車両の速度情報を取得することが可能となっている。
消音スピーカ4L,4Rには、低域から高域までの音を出力することが可能なフルレンジスピーカが用いられており、シート2に着座したユーザの左右耳位置近傍に配置されるようにしてヘッドレスト部3に設けられている。消音スピーカ4L,4Rの出力面は、シート2の前方方向であって、ユーザの耳位置方向に向けて所定角度内側に傾けて配置されている。
このように、消音スピーカ4L,4Rとしてフルレンジスピーカを用いることによって、低域用スピーカ、高域用スピーカ等の複数のスピーカを用いる必要がなくなるので、システム構成の簡略化を図ることが可能となる。
また、エラーマイク5L,5Rも、ヘッドレスト部3に設置されており、ユーザの左右耳位置近傍における消音処理用の補正データ(補正音、補正マイク音)を取得するために、シート2に着座したユーザの左右耳位置近傍に設けられる。このため、消音スピーカ4L,4Rとエラーマイク5L,5Rとはそれぞれ近接した位置に配置される。
なお、消音スピーカ4L,4Rおよびエラーマイク5L,5Rは必ずしもヘッドレスト部3に設置されている必要はなく、ユーザの左右耳位置近傍に配置されていればよいので、背もたれ部8の上部に設けられるものであってもよい。このように、エラーマイク5Lおよび消音スピーカ4Lをシート2の左上部に配設し、エラーマイク5Rおよび消音スピーカ4Rをシート2の右上部に配設することによって、ユーザは効果的に消音効果を享受することが可能となる。
参照マイク7は、消音対象となる雑音を収音するために、例えばエンジンルーム、トランクルーム、車室の前席足下付近、タイヤの取付位置近傍等に設置される。例えば、エンジンの駆動音を消音することを目的として本実施形態に係る音響システムを設置する場合には、エンジンルームに参照マイク7が配置され、参照マイク7でエンジンの駆動音が収音される。なお、本実施形態では一つの参照マイク7を設置する場合のみを説明するが、参照マイク7はその騒音対象に応じて複数設けてられていてもよい。
装置本体部6は、図2に示すように、Lチャンネル用ANC部(Lチャンネル用音響補正手段)11と、Rチャンネル用ANC部(Rチャンネル用音響補正手段)12と、参照マイク用ノイズ補正部(参照マイク用ノイズ補正手段)13と、Lマイク用ノイズ補正部(Lマイク用ノイズ補正手段)14と、Rマイク用ノイズ補正部(Rマイク用ノイズ補正手段)15と、Lスピーカ用補正部16と、Rスピーカ用補正部17とを有している。
また、装置本体部6には、車両に設けられる車速センサ9が接続されており、参照マイク用ノイズ補正部13とLマイク用ノイズ補正部14とRマイク用ノイズ補正部15とは、車速センサ9より車両の走行速度情報を受信することによって、車両の走行速度をリアルタイムに判断することが可能となっている。
Lチャンネル用ANC部11は、エラーマイク5Lで収音された音響信号(誤差信号)に基づいて、参照マイク7で収音された音(騒音)を打ち消す(消音する)ことが可能な音響信号を生成する役割を有している。参照マイク7で収音された騒音に対して逆位相となる音をLチャンネル用ANC部11で作り出して騒音に重ね合わせることによって、騒音の消音を行うことが可能となる。
また、Rチャンネル用ANC部12も同様に、エラーマイク5Rで収音された音響信号に基づいて、参照マイク7で収音された音(騒音)を打ち消す(消音する)ことが可能な音響信号を生成する。ANC処理のアルゴリズムとしては、Filtered-x LMS(LMS:least mean square)やFiltered-reference LMS等の公知のアルゴリズムを用いることができる。
なお、Lチャンネル用ANC部11には、後述するLマイク用ノイズ補正部14において、周波数特性が平坦に補正された誤差信号が入力され、Rチャンネル用ANC部12には、後述するRマイク用ノイズ補正部15において、周波数特性が平坦に補正された誤差信号が入力される。また、Lチャンネル用ANC部11およびRチャンネル用ANC部12には、後述する参照マイク用ノイズ補正部13において周波数特性が平坦に補正されたノイズ信号が騒音として入力される。
図3は、Lチャンネル用ANC部11の概略構成を示したブロック図である。Lチャンネル用ANC部11は、図3に示すように、遅延部20と、音響補正部21と、LMS部22と、FIRフィルタ部23と、乗算部24とを有している。なお、Rチャンネル用ANC部12の構成も、図3に示したLチャンネル用ANC部11と同様の構成である。
遅延部20は、消音スピーカ4L(又は消音スピーカ4R)からエラーマイク5L(又は、エラーマイク5R)までの遅延時間や消音スピーカ4L(又は消音スピーカ4R)の応答時間等を考慮して、参照マイク7により収音された音響信号の遅延処理を行うために設けられている。
音響補正部21は、消音スピーカ4L(又は消音スピーカ4R)からエラーマイク5L(又は、エラーマイク5R)までの音響特性の補正を行うために設けられている。図4(a)に示すように、シートのヘッドレスト部3の左側に設けられた消音スピーカ4Lの出力音は、ユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lはもちろんのこと右側に設置されるエラーマイク5Rにも伝達されることとなる。このときの消音スピーカ4Lからエラーマイク5L、5Rへと至るまでの出力音は、空間を経由する間に周波数に応じて音圧レベルが変化してしまう。
例えば、図4(a)に示すように、音を消音スピーカ4Lおよび消音スピーカ4Rから出力する場合、消音スピーカ4Lの音がユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lへと伝達されるときの消音スピーカ4Lとエラーマイク5Lとの間の音響特性をC11、消音スピーカ4Rの音がユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lへと伝達されるときの消音スピーカ4Rとエラーマイク5Lとの間の音響特性をC12、消音スピーカ4Lの音がユーザUの右側に設置されるエラーマイク5Rへと伝達されるときの消音スピーカ4Lとエラーマイク5Rとの間の音響特性をC21、消音スピーカ4Rの音がユーザUの右側に設置されるエラーマイク5Rへと伝達されるときの消音スピーカ4Rとエラーマイク5Rとの間の音響特性をC22とする。
この場合、消音スピーカ4Lにおけるエラーマイク5Lおよびエラーマイク5Rとの音響特性は図4(b)のように示され、消音スピーカ4Rにおけるエラーマイク5Lおよびエラーマイク5Rとの音響特性は図4(c)のように示される。
Lチャンネル用ANC部11の音響補正部21では、図4(b)に示される消音スピーカ4Lの音響特性に基づいて、音響信号(遅延部20により遅延処理がなされた参照マイク7の音響信号)に対する音響補正処理が行われ、また、Rチャンネル用ANC部12の音響補正部21では、図4(c)に示される消音スピーカ4Rの音響特性に基づいて、音響信号に対する音響補正処理が行われることとなる。
但し、図4(b)より明らかなように、消音スピーカ4LからユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lへと伝達される音の音響特性C11のレベルの方が、消音スピーカ4LからユーザUの右側に設置されるエラーマイク5Rへと伝達される音の音響特性C21のレベルよりも高い値を示している。これは消音スピーカ4Lにより出力される音が、ユーザU自身の頭に遮られてユーザUの右側に設置されるエラーマイク5Rに伝達され難いためである。このため、本実施形態に示すLチャンネル用ANC部11の音響補正部21では、図4(b)に示される音響特性C11のみを用いて、音響信号(遅延部20により遅延処理がなされた参照マイク7の音響信号)に対する音響補正処理を行う。
また、図4(c)より明らかなように、消音スピーカ4RからユーザUの右側に設置されるエラーマイク5Rへと伝達される音の音響特性C22のレベルの方が、消音スピーカ4RからユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lへと伝達される音の音響特性C12のレベルよりも高い値を示している。これも同様に、消音スピーカ4Rにより出力される音が、ユーザU自身の頭に遮られてユーザUの左側に設置されるエラーマイク5Lに伝達され難いためである。このため、本実施形態に示すRチャンネル用ANC部12の音響補正部においても、図4(c)に示される音響特性C22のみを用いて、音響信号(遅延部により遅延処理がなされた参照マイク7の音響信号)に対する音響補正処理を行う。
このように音響補正部21における音響補正処理では、消音スピーカとエラーマイクとがクロスする音響特性(クロス成分)のレベルが低くなるため、クロス成分を考慮することなく音響補正部の設定を行うことができ、空間的に左右独立した消音制御処理を行うことが可能となる。
LMS部22は、エラーマイク5L(又は、エラーマイク5R)より収音した音響信号と遅延部20および音響補正部21において音響補正された参照マイク7の音響信号とに基づいて、最小二乗アルゴリズムを用いてFIRフィルタ部23の係数制御を行う。
FIRフィルタは、有限のインパルス応答フィルタであり、LMS部22により係数制御が行われたFIRフィルタ部23に基づいて、参照マイク7で収音された音響信号の加工が行われる。FIRフィルタ部23で加工された出力信号は、乗算部24で位相が反転される。
参照マイク用ノイズ補正部13は、参照マイク7により収音された車両の走行騒音やエンジン音等の消音対象となるノイズ信号の周波数補正を行う役割を有している。図5(a)は、参照マイク7により収音された騒音の周波数特性例30と、参照マイク用ノイズ補正部13のフィルタ処理に用いられる補正フィルタの周波数特性例31と、フィルタ処理が施された騒音の周波数特性例32とを示している。なお、図5(a),(b)では、説明の便宜上、直線形状の周波数特性を示しているが、現実には後述する図7(b)、図8(a)(b)のような非直線形状の周波数特性を示す。
参照マイク用ノイズ補正部13は、図5(a)に示すように、騒音の周波数特性30の逆特性となるような補正フィルタを用いて騒音にフィルタ処理を施す。このような逆特性を有する補正フィルタを用いて、騒音にフィルタ処理を施すことによって、参照マイク7により収音された騒音を平坦(フラット)化された周波数特性32へと補正することが可能となる。
なお、参照マイク7により収音される走行騒音やエンジン音等は、車両の走行状態、より詳細には車両の走行速度に応じてその騒音の特性が変化するという特徴を有している。図6(a)は、車両の速度が0km/h(いわゆるアイドリング状態)時の騒音の周波数特性例を示し、図6(b)は、車両の速度が50km/h時の騒音の周波数特性例を示し、図7(a)は、車両の速度が100km/h時の騒音の周波数特性例を示している。
図6(a)、図6(b)、図7(a)より明らかなように、騒音のレベル値[dB]は、車両の速度にほぼ比例して対応する周波数域のレベル値が高くなる傾向を示す。このため、参照マイク用ノイズ補正部13では、図5(b)に模式的に示すような周波数特性を備えた複数の補正フィルタを記録しており、車速センサ9より取得する車両の速度情報に基づいて補正フィルタを選択・決定し、選択・決定された補正フィルタを用いて参照マイク7により収音された騒音に対するフィルタ処理を行っている。
このように、フィルタ処理に用いる補正フィルタを車両の走行速度に応じて決定することによって、フィルタ処理が行われた騒音の周波数特性をより適切かつ効果的に平坦化させることが可能となる。参照マイク用ノイズ補正部13により平坦化された音響信号は、ノイズ信号として、Lチャンネル用ANC部11およびRチャンネル用ANC部12に出力される。
図7(b)は、参照マイク7により収音された騒音であって、参照マイク用ノイズ補正部13で補正処理(フィルタ補正処理)がなされる前の周波数特性例35と、参照マイク用ノイズ補正部13においての補正処理(フィルタ補正処理)がなされた後の周波数特性例36とを示した図である。図7(b)より明らかなように、周波数特性例35で示された騒音に対して参照マイク用ノイズ補正部13でフィルタ処理を施すことによって、周波数毎のレベル値の増減特性を保持したまま、周波数特性例36に示すように、騒音の周波数特性例35を平坦(フラット)化することが可能となる。
Lマイク用ノイズ補正部14は、Lチャンネル用ANC部11において消音処理が行われる前(行われていない間)に、エラーマイク5Lで収音された誤差音(補正マイク音)にフィルタ処理を施す役割を有している。エラーマイク4Lにより収音された誤差音に対してフィルタ処理を施すことによって、誤差音の周波数特性を平坦(フラット)な状態に補正することが可能となる。
Lマイク用ノイズ補正部14も、参照マイク用ノイズ補正部13と同様に、車両の走行速度に応じて複数の補正フィルタを記録しており、車速センサ9より取得する車両の速度情報に基づいて補正フィルタを選択・決定し、選択・決定された補正フィルタを用いてエラーマイク5Lより収音された誤差音に対するフィルタ処理を行っている。
図8(a)は、エラーマイク5Lにより収音された誤差音の周波数特性を示す図であって、Lマイク用ノイズ補正部14で補正処理(フィルタ補正処理)がなされる前の周波数特性例37と、Lマイク用ノイズ補正部14において補正処理(フィルタ補正処理)がなされた後の周波数特性例38とを示している。図8(a)より明らかなように、周波数特性例37で示された誤差音に対してLマイク用ノイズ補正部14でフィルタ処理を施すことによって、周波数毎のレベル値の増減状態を保持したまま、周波数特性例38に示すように、騒音の周波数特性例37を平坦(フラット)化することが可能となる。
また、Rマイク用ノイズ補正部15も同様に、Rチャンネル用ANC部12において消音処理が行われる前(行われていない間)に、エラーマイク5Rで収音された誤差音にフィルタ処理を施す役割を有している。エラーマイク5Rにより収音された誤差音に対してフィルタ処理を施すことによって、誤差音の周波数特性を平坦(フラット)な状態に補正することが可能となる。
Rマイク用ノイズ補正部15も、参照マイク用ノイズ補正部13・Lマイク用ノイズ補正部14と同様に、車両の走行速度に応じて複数の補正フィルタを記録しており、車速センサ9より取得する車両の速度情報に基づいて補正フィルタを選択・決定し、選択・決定された補正フィルタを用いてエラーマイクRより収音された誤差音に対するフィルタ処理を行っている。
図8(b)は、エラーマイク5Rにより収音された誤差音の周波数特性を示した図であって、Rマイク用ノイズ補正部15で補正処理(フィルタ補正処理)がなされる前の周波数特性例39と、Rマイク用ノイズ補正部15において補正処理(フィルタ補正処理)がなされた後の周波数特性例40とを示している。図8(b)より明らかなように、周波数特性例39で示された誤差音に対してRマイク用ノイズ補正部15でフィルタ処理を施すことによって、周波数毎のレベル値の増減状態を保持したまま、周波数特性例40に示すように、騒音の周波数特性例39を平坦(フラット)化することが可能となる。
Lスピーカ用補正部16は、Lチャンネル用ANC部11により消音処理された消音信号が消音スピーカ4Lより出力された場合に、消音スピーカ4Lの特性に応じて消音信号の周波数特性が変化しないように、消音信号に補正処理を施す役割を有している。Lスピーカ用補正部16において、消音スピーカ4Lの周波数特性と逆位相となるような補正処理を消音信号に施すことによって、消音スピーカ4Lの特性に影響を受けることなく、消音信号を出力することが可能となる。
本実施例に示すLスピーカ用補正部16では、図9(a)に示すようなスピーカの補正特性を用いて消音信号の補正処理を行う。図9(a)に示すスピーカの補正特性は、120Hz付近のレベル値を10dB程度増幅させると共に、500Hz付近のレベル値を6dB程度減衰させる特性を示している。
図9(b)は、Lチャンネル用ANC部11によりフィルタ処理が施された直後(つまり、Lスピーカ用補正部16による補正処理を行う前)の消音信号の周波数特性例41と、Lスピーカ用補正部16による補正処理を行った後の周波数特性例42とを示したグラフである。Lスピーカ用補正部16による補正処理を行った後の周波数特性例42は、補正処理が行われる前の周波数特性例41に比べて、120Hz付近のレベル値が10dB程度増幅され、また、500Hz付近のレベル値が6dB程度減衰されており、図9(a)に示すスピーカの補正特性を有する周波数特性となっている。
また、Rスピーカ用補正部17も同様に、Rチャンネル用ANC部12により消音処理された消音信号が消音スピーカ4Rより出力された場合に、消音スピーカ4Rの特性に応じて消音信号の周波数特性が変化しないように、消音信号に補正処理を施す役割を有している。Rスピーカ用補正部17において、消音スピーカ4Rの周波数特性と逆位相となるような補正処理を消音信号に施すことによって、消音スピーカ4Rの周波数特性の影響を受けることなく、消音信号を出力することが可能となる。
本実施例に示すRスピーカ用補正部17では、Lスピーカ用補正部16と同じように、Rスピーカの補正特性に応じた補正処理を消音信号に行う。
以上説明した構成に基づく音響システム1を用いて消音処理を行った結果を、図面を用いて説明する。
図10は、参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14、Rマイク用ノイズ補正部15が設けられていない音響システムにおいて、Lチャンネル用ANC部11とRチャンネル用ANC部12を稼動させた場合におけるエラーマイク5L・エラーマイク5R近傍の周波数特性例(図10に示すANC ON)と、Lチャンネル用ANC部11とRチャンネル用ANC部12を稼動させなかった場合(つまり、消音処理を行わなかった場合)におけるエラーマイク5L・エラーマイク5R近傍の周波数特性例(図10に示すANC OFF)とを示している。
参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14、Rマイク用ノイズ補正部15が設けられていない音響システムにおいてLチャンネル用ANC部11およびRチャンネル用ANC部12を用いて消音処理を行った場合には、図10に示すように、低域(170Hz以下の周波数域)の騒音を効果的に低減させることはできるが、中高域(170Hz以上の周波数域)の騒音に関しては、十分な消音処理を発揮することができないという傾向を示している。
一方で、図11(a)は、本実施例に係る音響システム1において、参照マイク用ノイズ補正部13でフィルタ処理が行われた騒音および、Lマイク用ノイズ補正部14でフィルタ処理が行われた誤差音に対して、Lチャンネル用ANC部11を適用した場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例(図11(a)に示すANC ON)と、参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14およびLチャンネル用ANC部11を適用しなかった場合(つまり、消音処理を行わなかった場合)におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例(図11(a)に示すANC OFF)とを示している。
図11(a)に示すように、本実施例に係る音響システム1を用いて消音処理を行った場合(図11(a)に示すANC ON)の周波数特性は、消音処理を行わなかった場合(図11(a)に示すANC OFF)の周波数特性と比較すると、低域だけでなく低域から中高域までの全帯域にわたって全体的に騒音レベルの低減(約10dB程度の低減)を図ることが可能となっている。
図11(b)も同様に、本実施例に係る音響システム1において、参照マイク用ノイズ補正部13でフィルタ処理が行われた騒音および、Rマイク用ノイズ補正部15でフィルタ処理が行われた誤差音に対して、Rチャンネル用ANC部12を適用した場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例(図11(b)に示すANC ON)と、参照マイク用ノイズ補正部13、Rマイク用ノイズ補正部15およびRチャンネル用ANC部12を適用しなかった場合(つまり、消音処理を行わなかった場合)におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例(図11(b)に示すANC OFF)とを示している。
図11(b)においても、本実施例に係る音響システム1を用いて消音処理を行った場合(図11(b)に示すANC ON)の周波数特性は、消音処理を行わなかった場合(図11(b)に示すANC OFF)の周波数特性と比較すると、低域だけでなく低域から中高域までの全帯域にわたって全体的に騒音レベルの低減(約10dB程度の低減)を図ることが可能となっている。
このように、本発明に係る音響システム1では、Lチャンネル用ANC部11およびRチャンネル用ANC部12に入力される騒音の周波数特性を参照マイク用ノイズ補正部13で平坦化し、また、Lチャンネル用ANC部11またはRチャンネル用ANC部12に入力される誤差音の周波数特性を、Lマイク用ノイズ補正部14またはRマイク用ノイズ補正部15で平坦化した後にLチャンネル用ANC部11およびRチャンネル用ANC部12で消音処理を行っているので、一定の応答時間で低域から中高域までの周波数を全体的かつ均一に消音処理することが可能となり、ユーザの左右耳位置近傍(左右のエラーマイク設置位置近傍)における騒音を効果的に低減させることが可能となる。
図12(a)は、本実施例に係る音響システム1において、参照マイク用ノイズ補正部13でフィルタ処理が行われた騒音および、Lマイク用ノイズ補正部14でフィルタ処理が行われた誤差音に対して、Lチャンネル用ANC部11を適用した場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例(図12(a)に示すLチャンネルANC ON)と、Rチャンネル用ANC部12を適用しなかった場合(つまり、消音処理を行わなかった場合)におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例(図12(a)に示すRチャンネルANC OFF)とを示している。
図12(a)に示すように、Lチャンネル用ANC部11を適用した(つまり、消音処理を行った)ユーザの左耳位置近傍(エラーマイク5L設置位置近傍)の騒音は、参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14およびLチャンネル用ANC部11の働きによって低域から中高域までの全帯域にわたって全体的に騒音の低減を実現しているが、Rチャンネル用ANC部12を適用しなかった(つまり、消音処理を行わなかった)ユーザの右耳位置近傍(エラーマイク5R設置位置近傍)の騒音は、ほとんど消音効果を実現することができなかった。
一方で図12(b)は、本実施例に係る音響システム1において、参照マイク用ノイズ補正部13でフィルタ処理が行われた騒音および、Rマイク用ノイズ補正部15でフィルタ処理が行われた誤差音に対して、Rチャンネル用ANC部12を適用した場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例(図12(b)に示すRチャンネルANC ON)と、Lチャンネル用ANC部11を適用しなかった場合(つまり、消音処理を行わなかった場合)におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例(図12(b)に示すLチャンネルANC OFF)とを示している。
図12(b)に示すように、Rチャンネル用ANC部12を適用した(つまり、消音処理を行った)ユーザの右耳位置近傍(エラーマイク5R設置位置近傍)の騒音は、参照マイク用ノイズ補正部13、Rマイク用ノイズ補正部15およびRチャンネル用ANC部12の働きによって低域から中高域までの全帯域にわたって全体的に騒音の低減を実現しているが、Lチャンネル用ANC部11を適用しなかった(つまり、消音処理を行わなかった)ユーザの左耳位置近傍(エラーマイク5L設置位置近傍)の騒音は、ほとんど消音効果を実現することができなかった。
図12(a)および図12(b)に示すように、本実施形態に係る音響システム1では、ユーザの左耳近傍の騒音に関しては、参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14およびLチャンネル用ANC部11によって効果的に消音処理を行うことができ、また、ユーザの右耳近傍の騒音に関しては、参照マイク用ノイズ補正部13、Rマイク用ノイズ補正部15およびRチャンネル用ANC部12によって効果的に消音処理を行うことができるので、空間を左右に分割し、ユーザの左右耳元近傍でそれぞれ独立した消音制御を行うことが可能となる。このため、左右の耳位置における騒音に違いがあった場合であっても、それぞれの騒音に応じて、低域から中高域までの騒音を高精度かつ効率的に低減させることが可能となる。
以上、本発明に係る音響システムを、図面を用いて詳細に説明したが、本発明に係る音響システムは上述した実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態に示す音響システム1では、参照マイク用ノイズ補正部13、Lマイク用ノイズ補正部14およびRマイク用ノイズ補正部15が、車速センサ9より取得する車両の速度情報に基づいて複数の補正フィルタを選択・決定する構成としたが、例えば、防音効果の高い車両等に本発明に係る音響システムを用いる場合には、車両速度に応じて車室内に侵入する騒音の周波数特性が変化しにくい場合もあることから、車両速度に拘わらず同一の補正フィルタを用いてフィルタ処理を行う構成とするものであってもよい。
実施形態に係る音響システムの概略構成を示した図である。 実施形態に係る音響システムの概略構成を示したブロック図である。 実施形態に係る参照マイク用ANC部の概略構成を示したブロック図である。 (a)は、消音スピーカ4L,4Rとエラーマイク5L,5Rとユーザとの位置関係を示した図であり、(b)は、消音スピーカ4Lの出力音における音響特性を示したグラフであり、(c)は、消音スピーカ4Rの出力音における音響特性を示した図である。 (a)は、参照マイクにより収音された騒音の周波数特性例と、参照マイク用ノイズ補正部のフィルタ処理に用いられる補正フィルタの周波数特性例と、フィルタ処理が施された騒音の周波数特性例とを示した図であり、(b)は、参照マイク用ノイズ補正部のフィルタ処理に用いられる補正フィルタの周波数特性例を車両速度毎に示した図である。 (a)は、車両の速度が0km/h(いわゆるアイドリング状態)時の騒音の周波数特性例を示し、(b)は、車両の速度が50km/h時の騒音の周波数特性例を示している。 (a)は、車両の速度が100km/h時の騒音の周波数特性例を示しており、(b)は、参照マイクにより収音された騒音であって、参照マイク用ノイズ補正部でフィルタ処理がなされる前の周波数特性例と、参照マイク用ノイズ補正部においてフィルタ処理がなされた後の周波数特性例とを示している。 (a)は、エラーマイク5Lにより収音された誤差音の周波数特性例を示した図であって、Lマイク用ノイズ補正部でフィルタ処理がなされる前の周波数特性例と、Lマイク用ノイズ補正部においてフィルタ処理がなされた後の周波数特性例とを示しており、(b)は、エラーマイク5Rにより収音された誤差音の周波数特性例を示した図であって、Rマイク用ノイズ補正部でフィルタ処理がなされる前の周波数特性例と、Rマイク用ノイズ補正部においてフィルタ処理がなされた後の周波数特性例とを示している。 (a)は、Lスピーカ用補正部において適用されるスピーカの補正特性示した図であり、(b)は、Lスピーカ用補正部による補正処理を行う前の消音信号の周波数特性と、Lスピーカ用補正部による補正処理を行った後の周波数特性とを示した図である。 参照マイク用ノイズ補正部、Lマイク用ノイズ補正部、Rマイク用ノイズ補正部が設けられていない音響システムにおいて、Lチャンネル用ANC部とRチャンネル用ANC部を稼動させた場合におけるエラーマイク5L・エラーマイク5R近傍の周波数特性例と、Lチャンネル用ANC部とRチャンネル用ANC部を稼動させなかった場合におけるエラーマイク5L・エラーマイク5R近傍の周波数特性例とを示した図である。 (a)は、Lチャンネル用ANC部で消音処理を行った場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例と、Lチャンネル用ANC部で消音処理を行わなかった場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例とを示した図であり、(b)は、Rチャンネル用ANC部で消音処理を行った場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例と、Rチャンネル用ANC部で消音処理を行わなかった場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例とを示した図である。 (a)は、Lチャンネル用ANC部で消音処理を行った場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例と、Rチャンネル用ANC部で消音処理を行わなかった場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例とを示した図であり、(b)は、Rチャンネル用ANC部で消音処理を行った場合におけるエラーマイク5R近傍の周波数特性例と、Lチャンネル用ANC部で消音処理を行わなかった場合におけるエラーマイク5L近傍の周波数特性例とを示した図である。
符号の説明
1 …音響システム
2 …シート
3 …(シートの)ヘッドレスト部
4L、4R …消音スピーカ(スピーカ、Lスピーカ、Rスピーカ)
5L、5R …エラーマイク(補正マイク、Lマイク、Rマイク)
6 …装置本体部
7 …参照マイク
8 …(シートの)背もたれ部
9 …車速センサ
11 …Lチャンネル用ANC部(音響補正手段、Lチャンネル用音響補正手段)
12 …Rチャンネル用ANC部(音響補正手段、Rチャンネル用音響補正手段)
13 …参照マイク用ノイズ補正部(参照マイク用ノイズ補正手段)
14 …Lマイク用ノイズ補正部(Lマイク用ノイズ補正手段)
15 …Rマイク用ノイズ補正部(Rマイク用ノイズ補正手段)
16 …Lスピーカ用補正部
17 …Rスピーカ用補正部
20 …遅延部
21 …音響補正部
22 …LMS部
23 …FIRフィルタ部
24 …乗算部

Claims (5)

  1. 消音対象となる音を収音する参照マイクと、
    ユーザの耳位置近傍に設けられる補正マイクと、
    前記参照マイクにより収音された参照マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該参照マイク音の周波数特性を平坦化させる参照マイク用ノイズ補正手段と、
    前記補正マイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させる補正マイク用ノイズ補正手段と、
    前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記補正マイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの耳位置近傍における騒音を低減させるための音響信号を生成する音響補正手段と、
    該音響補正手段により生成された前記音響信号の出力音を前記ユーザの耳位置近傍に出力するスピーカと、
    を備えることを特徴とする音響システム。
  2. 前記補正マイクは、
    前記ユーザの左耳位置近傍に設けられるLマイクと、
    前記ユーザの右耳位置近傍に設けられるRマイクとを有し、
    前記補正マイク用ノイズ補正手段は、
    前記Lマイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させるLマイク用ノイズ補正手段と、
    前記Rマイクにより収音された補正マイク音の音響信号にフィルタ処理を施して、当該補正マイク音の周波数特性を平坦化させるRマイク用ノイズ補正手段とを有し、
    前記音響補正手段は、
    前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記Lマイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの左耳位置近傍における騒音を低減させるためのLチャンネル用音響信号を生成するLチャンネル用音響補正手段と、
    前記参照マイク用ノイズ補正手段によりフィルタ処理が施された参照マイク音の音響信号と前記Rマイク用補正手段によりフィルタ処理が施された補正マイク音の音響信号とに基づいて、前記ユーザの右耳位置近傍における騒音を低減させるためのRチャンネル用音響信号を生成するRチャンネル用音響補正手段とを有し、
    前記スピーカは、
    前記Lチャンネル用音響信号の出力音を前記ユーザの左耳位置近傍に出力するLスピーカと、
    前記Rチャンネル用音響信号の出力音を前記ユーザの右耳位置近傍に出力するRスピーカと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響システム。
  3. 前記Lマイクおよび前記Lスピーカは前記ユーザが着座するシートの左上部に配設され、前記Rマイクおよび前記Rスピーカは前記シートの右上部に配設されること
    を特徴とする請求項2に記載の音響システム。
  4. 当該音響システムが車両に設置され、
    前記参照マイク用ノイズ補正手段と前記補正マイク用ノイズ補正手段とは、前記フィルタ処理に用いるための補正フィルタを複数種類備え、前記車両の走行速度に応じて前記フィルタ処理に用いる前記補正フィルタの種類を変更すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の音響システム。
  5. 前記スピーカは、低域から高域までの出力音を出力可能なフルレンジスピーカであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の音響システム。
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